JP2013182919A - 有機el素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】低電力で高温環境下での信頼性が高い有機EL素子を提供する。
【解決手段】陽極(第一電極)2と陰極(第二電極)4との間に、少なくとも陽極2に接する酸化モリブデン層3aと有機発光層3d,3eとを含む機能層3を積層形成してなる有機EL素子であって、機能層3のうち、酸化モリブデン層3aに接する層として、HOMO準位が5.35eV以下である正孔輸送性材料からなる層(正孔注入層)3bを形成してなることを特徴とする。また、前記正孔輸送性材料のHOMO準位が、陽極2のイオン化ポテンシャルよりも低いことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機EL(Electro Luminescence)素子に関するものである。
従来、有機材料によって形成される自発光素子として知られる有機EL素子は、例えば、陽極となるITO(Indium Tin Oxide)等からなる第一電極と、少なくとも有機発光層を有する機能層と、陰極となるアルミニウム(Al)等からなる非透光性の第二電極と、を順次積層してなるものである(特許文献1参照)。
かかる有機EL素子は、第一電極から正孔を注入し、また、第二電極から電子を注入して正孔及び電子が有機発光層にて再結合することによって光を発するものである。有機EL素子を用いた有機ELディスプレイは、自己発光のため視認性に優れ、完全固体素子であるため耐衝撃性や低温環境下での応答性に優れているため表示の瞬間判読が必要な車両用計器などの車載表示装置に採用されている。
特開昭59−194393号公報 特開2006−344774号公報
特に車載表示装置に採用される有機EL素子は、広範囲な温度環境下での高信頼性が要求されるとともに低電力化が求められている。低電力で高温環境下での信頼性を高めるためには、低電圧化と高効率化が重要な課題である。これに対し、低電圧化と高効率を達成するための方法として、特許文献2に開示されるように、陽極上に酸化モリブデン(MoO)層を形成することで正孔注入性を向上させる方法が知られている。しかしながら、特許文献2に開示される方法は、酸化モリブデン層上に形成する有機材料(正孔輸送性材料)の条件等の最適化についての記載が十分でなく、正孔輸送性材料の特性によっては十分な低電圧化効果が得られないという点でなお改良の余地があった。
そこで本発明は、この問題に鑑みなされたものであり、低電力で高温環境下での信頼性が高い有機EL素子を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために、陽極と陰極との間に、少なくとも前記陽極に接する酸化モリブデン層と有機発光層とを含む機能層を積層形成してなる有機EL素子であって、
前記機能層のうち、前記酸化モリブデン層に接する層として、HOMO準位が5.35eV以下である正孔輸送性材料からなる層を形成してなることを特徴とする。
また、前記陰極の形成後に90℃以上で熱処理を施されてなることを特徴とする。
また、前記正孔輸送性材料のHOMO準位が、前記陽極のイオン化ポテンシャルよりも低いことを特徴とする。
また、前記熱処理の温度が、110℃以上であることを特徴とする。
また、前記熱処理の温度が、前記機能層を構成する有機材料の最低ガラス転移温度+10℃以下であることを特徴とする。
本発明は、低電力で高温環境下での信頼性の高い有機EL素子を提供することが可能となるものである。
本発明の実施形態である有機EL素子を示す図。 本発明の実施例1〜3及び比較例1〜5の試験結果を示す図。 本発明の実施例1において熱処理の温度を変化させた場合の試験結果を示す図。
以下、添付図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態を示す図である。本実施形態である有機EL素子は、支持基板1と、陽極となる第一電極2と、機能層3と、陰極となる第二電極4と、を有するものである。なお、有機EL素子は、吸湿剤が塗布される封止基板を支持基板1上に配設して封止されるものであるが、図1ではこの封止基板を省略している。
支持基板1は、例えば透光性のガラス材料からなる矩形状の基板である。支持基板1上には、第一電極2,機能層3及び第二電極4が順に積層形成される。
第一電極2は、正孔を注入する陽極となるものであり、支持基板1上にITO等の透明導電材料をスパッタリング法あるいは蒸着法等の手段によって層状に形成し、フォトエッチング等の手段によって所定の形状にパターニングされてなる。また、第一電極2は、表面がUV/O処理やプラズマ処理等の表面処理を施されてなる。本実施形態においては、第一電極2は、イオン化ポテンシャルIpが5.36eV程度であるものとする。
機能層3は、少なくとも酸化モリブデン層と有機発光層とを含む多層からなり、第一電極2上に形成されるものである。本実施形態においては、第一電極2側から順に酸化モリブデン層3a,正孔注入層3b,正孔輸送層3c,第一の発光層(有機発光層)3d,第二の発光層(有機発光層)3e,電子輸送層3f及び電子注入層3gが順に積層形成されてなる。
酸化モリブデン層3aは、第一電極2上に酸化モリブデン(MoO)を真空蒸着法等の手段によって膜厚5nm程度の層状に形成してなるものである。本実施形態においては、第一電極2上の酸化モリブデン層3aは、イオン化ポテンシャルIpが5.6eV程度であるものとする。
正孔注入層3bは、酸化モリブデン層3aと接し、第一電極2から正孔を取り込む機能を有し、例えばアミン系化合物等の正孔輸送性材料(有機材料)を真空蒸着法等の手段によって膜厚15〜40nm程度の層状に形成してなる。また、正孔注入層3bは、特にHOMO準位が5.35eV以下である正孔輸送性材料からなる層である。また、正孔注入層3bは、ガラス転移温度Tgが130℃以上であり、エネルギーギャップEgが3.1eV程度である。なお、「正孔注入層」との名称は説明の便宜上のものであり、酸化モリブデン層3aを正孔注入層と捉えて、酸化モリブデン層3a上に形成される層の名称を「正孔輸送層」としてもよい。
正孔輸送層3cは、正孔を第一,第二の発光層3d,3eへ伝達する機能を有し、例えばアミン系化合物等の正孔輸送性材料(有機材料)を真空蒸着法等の手段によって膜厚15〜40nm程度の層状に形成してなる。また、正孔輸送層3cは、ガラス転移温度Tgが130℃以上であり、エネルギーギャップEgが3.1eV程度である。
第一の発光層3dは、ホスト材料に少なくとも発光を呈する発光ドーパントを共蒸着等の手段によって添加してなるものである。前記ホスト材料は、通常第一の発光層3d中で最も高い比率で含まれる有機材料であり、正孔及び電子の輸送が可能であり、その分子内で正孔及び電子が再結合することで前記発光ドーパントを発光させる機能を有する。また、前記ホスト材料は、ガラス転移温度Tgが120℃以上であり、エネルギーギャップEgが3.0eV程度である。前記発光ドーパントは、正孔と電子との再結合に反応して発光する機能を有する有機材料であり、所定の発光色として例えば橙色発光を示す蛍光材料からなる。また、第一の発光層3dは、さらに正孔輸送性ドーパントを添加するものであってもよい。前記正孔輸送性ドーパントは、第一電極2から第一の発光層3dへの正孔の注入効率を向上させる機能を有し、正孔移動度μhが高く、第一の発光層3d中の濃度が50wt%以下で、ガラス転移温度Tgが85℃以上で好ましくは110℃以上の材料である。
第二の発光層3eは、ホスト材料に少なくとも発光を呈する発光ドーパントを共蒸着等の手段によって添加してなるものである。前記ホスト材料は、通常第二の発光層3e中で最も高い比率で含まれる有機材料であり、正孔及び電子の輸送が可能であり、その分子内で正孔及び電子が再結合することで前記発光ドーパントを発光させる機能を有する。また、前記ホスト材料は、ガラス転移温度Tgが120℃以上であり、エネルギーギャップEgが3.0eV程度である。前記発光ドーパントは、正孔と電子との再結合に反応して発光する機能を有する有機材料であり、所定の発光色として例えば青色発光を示す蛍光材料からなる。また、第二の発光層3eは、さらに正孔輸送性ドーパントを添加するものであってもよい。前記正孔輸送性ドーパントは、第一電極2から第二の発光層3eへの正孔の注入効率を向上させる機能を有し、正孔移動度μhが高く、第二の発光層3e中の濃度が50wt%以下で、ガラス転移温度Tgが85℃以上で好ましくは110℃以上の材料である。
電子輸送層3fは、電子を第一,第二の発光層3d,3eへ伝達する機能を有し、電子移動度μeが10−5cm/Vs以上(μe≧10−5cm/Vs)である及び/あるいはLUMOエネルギー(電子親和力)Eaが3.0eVより小さい(Ea<3.0eV)電子輸送性材料(有機材料)と例えばリチウム8−キノリノラート(Liq)等のリチウム錯体とを共蒸着等の手段によって混合し、膜厚8〜30nm程度の層状に形成した混合層である。なお、前記電子輸送性材料とリチウム錯体とは例えばwt%比率が1:1で混合されるものであるが、この比率を変更することでキャリアバランスを変化させることも可能である。また、電子輸送層3fとしてアルミニウムキノリン(Alq)を用いてもよい。
電子注入層3gは、電子を第二電極4から取り込む機能を有し、例えばフッ化リチウム(LiF)やLiqを真空蒸着法等の手段によって膜厚1nm程度の薄膜状に形成してなる。
第二電極4は、電子を注入する陰極となるものであり、電子注入層3g上に例えばAlやマグネシウム銀(Mg:Ag)等の低抵抗導電材料を真空蒸着法等の手段によって膜厚50〜200nm程度の層状に形成した導電膜からなるものである。
以上の各部によって有機EL素子が構成されている。また、有機EL素子は、第二電極4を形成し前記封止基板を配設した後、すなわち素子形成後に90℃以上(さらに望ましくは110℃以上)であって、機能層3を構成する有機材料の最低ガラス転移温度Tg+10℃以下の大気雰囲気で熱処理を施されてなる。
本願発明者らは、鋭意検討した結果、陽極である第一電極2上に酸化モリブデン層3aを形成する素子構成においては、酸化モリブデン層3aと接する層(本実施形態においては正孔注入層3b)をHOMO準位が所定値以下となる正孔輸送性材料で形成することで酸化モリブデン層3aを形成することによる正孔注入効率の向上効果を十分に発揮させ、低電力で高温環境下での信頼性の高い素子を得ることが可能であることを見いだし、本発明の第一の観点による発明に達した。特に、HOMO準位が3.5eV以下である正孔輸送性材料によって正孔注入層3bを形成することによって、正孔注入効率を向上させて低電圧と高効率を達成することができ、低電力で高温環境下での信頼性の高い有機EL素子を得ることができる。
また、第二電極4の形成後、すなわち素子形成後に有機EL素子を所定の温度以上で熱処理を施すことによって、酸化モリブデン層3aを形成することによる正孔注入効率の向上効果を十分に発揮させ、低電力で高温環境下での信頼性の高い素子を得ることが可能であることを見いだし、本発明の第二の観点による発明に達した。特に、90℃以上(さらに望ましくは110℃以上)であって、機能層3を構成する有機材料の最低ガラス転移温度Tg+10℃以下で熱処理を施すことによって、正孔注入効率を向上させて低電圧と高効率を達成することができ、低電力で高温環境下での信頼性の高い有機EL素子を得ることができる。
以下、さらに本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。図2は各実施例及び各比較例の性能比較を示している。
支持基板1上にITOからなる第一電極2をスパッタリング法によって膜厚80nmで形成した後、ArとOのガスでプラズマ洗浄を行った。この第一電極2のイオン化ポテンシャルIpは理研計器株式会社製の分析装置AC−2で測定したところ5.36eVであった。
次に、第一電極2上にMoOを真空蒸着法によって膜厚5nmで成膜して酸化モリブデン層3aとした。酸化モリブデン層3aのイオン化ポテンシャルIpは分析装置AC−2で計測したところ5.6eVであった。
次に、酸化モリブデン層3a上にアミン系化合物である正孔輸送性材料HI1を真空蒸着法によって膜厚20nmで成膜して正孔注入層3bとした。正孔輸送性材料HI1は、HOMO準位=5.3eV、Tg=146℃、Eg=3.1eVである。
次に、正孔注入層3b上にアミン系化合物である正孔輸送性材料HT1を真空蒸着法によって膜厚10nmで成膜して正孔輸送層3cとした。正孔輸送性材料HT1は、HOMO準位=5.6eV、Tg=137℃、Eg=3.0eVである。
次に、正孔輸送層3c上に、アントラセン誘導体であるホスト材料EM1と橙色発光を示す蛍光ドーパントAD1からなる前記発光ドーパントとアミン系化合物である正孔輸送性材料HT2からなる前記正孔輸送性ドーパントを、EM1:AD1:HT2=6:1.2:6のwt%比率で混合して真空共蒸着法によって膜厚15nmで成膜して第一の発光層3dとした。ホスト材料EM1は、Ip=5.9eV、Ea=2.9eV、μe=3×10−3cm/Vs、μh=2×10−3cm/Vsである。蛍光ドーパントAD1は、Eg=2.0eV、Ip=5.6eV、Tg=180℃である。正孔輸送性材料HT2は、Ip=5.4eV、μh=3×10−3cm/Vs、Tg=130℃である。
次に、第一の発光層3d上に、ホスト材料EM1と青緑発光を示す蛍光ドーパントBD1からなる前記発光ドーパントと正孔輸送性材料HT2からなる前記正孔輸送性ドーパントとをEM1:BD1:HT2=20:1.2:10のwt%比率で混合して真空共蒸着法によって膜厚30nmで成膜して第二の発光層3eとした。蛍光ドーパントBD1は、Eg=2.7eV、Ip=5.6eV、Tg=200℃である。
次に、第二の発光層3e上にトリアジン誘導体である電子輸送性材料ET1とLiqとを、ET1:Liq=3:1のwt%比率で混合して真空共蒸着法によって膜厚10nmで成膜して電子輸送層3fとした。電子輸送性材料ET1は、Ip=6.5eV、Eg=3.4eV、μe=4×10−4cm/Vs、Tg=160℃である。
さらに、電子輸送層3f上に電子注入層3gとしてLiFを真空蒸着法によって膜厚1nmで成膜し、電子注入層3g上に第二電極4としてAlを真空蒸着法によって膜厚100nmで形成した。
そして前記封止基板にて封止した後、110℃の大気雰囲気中で2時間の熱処理を施して有機EL素子を作製した。
実施例1は、通電すると白色発光を示し、その特性はピーク輝度Lp=32000cd/mでの駆動電圧Vp=5.39V、電流効率L/J=11.69cd/Aであった。
実施例2として、正孔注入層3bをアミン系化合物である正孔輸送性材料HI5としたほかは、実施例1と同様に有機EL素子の作製及び特性の測定を行った。正孔輸送性材料HI5は、HOMO準位=5.15eV、Tg=146℃、Eg=3.0eVである。
実施例2は、通電すると白色発光を示し、その特性はピーク輝度Lp=32000cd/mでの駆動電圧Vp=6.43V、電流効率L/J=11.67cd/Aであった。
実施例3として、正孔注入層3bをアミン系化合物である正孔輸送性材料HI7としたほかは、実施例1と同様に有機EL素子の作製及び特性の測定を行った。正孔輸送性材料HI7は、HOMO準位=5.22eV、Tg=145℃、Eg=2.9eVである。
実施例3は、通電すると白色発光を示し、その特性はピーク輝度Lp=32000cd/mでの駆動電圧Vp=6.34V、電流効率L/J=12.34cd/Aであった。
(比較例1)
比較例1として、酸化モリブデン層3aを形成しないほかは、実施例1と同様に有機EL素子の作製及び特性の測定を行った。
比較例1は、通電すると白色発光を示し、その特性はピーク輝度Lp=32000cd/mでの駆動電圧Vp=6.48V、電流効率L/J=10.67cd/Aであった。
(比較例2)
比較例2として、正孔注入層3bをアミン系化合物である正孔輸送性材料HI2としたほかは、実施例1と同様に有機EL素子の作製及び特性の測定を行った。正孔輸送性材料HI2は、HOMO準位=5.40eV、Tg=148℃、Eg=3.0eVである。
比較例2は、通電すると白色発光を示し、その特性はピーク輝度Lp=32000cd/mでの駆動電圧Vp=6.83V、電流効率L/J=11.24cd/Aであった。
(比較例3)
比較例3として、正孔注入層3bをアミン系化合物である正孔輸送性材料HI3としたほかは、実施例1と同様に有機EL素子の作製及び特性の測定を行った。正孔輸送性材料HI3は、HOMO準位=5.46eV、Tg=128℃、Eg=3.0eVである。
比較例3は、通電すると白色発光を示し、その特性はピーク輝度Lp=32000cd/mでの駆動電圧Vp=7.09V、電流効率L/J=10.49cd/Aであった。
(比較例4)
比較例4として、正孔注入層3bをアミン系化合物である正孔輸送性材料HI4としたほかは、実施例1と同様に有機EL素子の作製及び特性の測定を行った。正孔輸送性材料HI4は、HOMO準位=5.54eV、Tg=132℃、Eg=3.1eVである。
比較例4は、通電すると白色発光を示し、その特性はピーク輝度Lp=32000cd/mでの駆動電圧Vp=6.94V、電流効率L/J=10.82cd/Aであった。
(比較例5)
比較例5として、正孔注入層3bをアミン系化合物である正孔輸送性材料HI6としたほかは、実施例1と同様に有機EL素子の作製及び特性の測定を行った。正孔輸送性材料HI6は、HOMO準位=5.40eV、Tg=139℃、Eg=2.9eVである。
比較例5は、通電すると白色発光を示し、その特性はピーク輝度Lp=32000cd/mでの駆動電圧Vp=7.36V、電流効率L/J=10.17cd/Aであった。
かかる測定結果が示すように、実施例1は、比較例1に対して駆動電圧Vpが低く、また、電流効率L/Jが高い。したがって、陽極である第一電極2上に酸化モリブデン層3aを設けることで正孔注入効率を向上させて低電圧化と高効率化が可能であることがわかる。また、同じく第一電極2上に酸化モリブデン層3aを設ける構成であっても、酸化モリブデン層3aと接する正孔注入層3bのHOMO準位が5.40eV以上である比較例2〜5においては、酸化モリブデン層3aを設けない比較例1に対して駆動電圧Vpが高く、また、比較例3及び5についてはこれに加えて比較例1に対して電流効率L/Jが低い。これに対し、酸化モリブデン層3aと接する正孔注入層3bのHOMO準位が5.30eV以下である実施例1〜3においては、酸化モリブデン層3aを設けない比較例1に対して駆動電圧Vpが低く、また、電流効率L/Jが高く、酸化モリブデン層3aによる正孔注入効率の向上効果を得ることが可能となっている。なお、正孔注入層3bのHOMO準位が5.30eVである実施例1について特に高い低電圧効果が得られている。本願発明者は、実施例1〜3における評価結果は正孔注入層3bのHOMO準位が第一電極2のイオン化ポテンシャルIpの実測値である5.36eVより低くしたことによるものと推測しており、これによれば正孔注入層3bのHOMO準位を5.35eV以下とすれば、酸化モリブデン層3aによる低電圧及び高効率の効果を得ることが可能であると言える。
図3は、実施例1において熱処理の温度をそれぞれ25℃、60℃、70℃、80℃、90℃、110℃、120℃、130℃、140℃、150℃とした場合の性能比較を示すものである。
熱処理の温度を25℃とした場合は、通電すると白色発光を示し、その特性はピーク輝度Lp=32000cd/mでの駆動電圧Vp=7.14V、電流効率L/J=10.43cd/Aであった。
熱処理の温度を60℃とした場合は、通電すると白色発光を示し、その特性はピーク輝度Lp=32000cd/mでの駆動電圧Vp=7.14V、電流効率L/J=11.16cd/Aであった。
熱処理の温度を70℃とした場合は、通電すると白色発光を示し、その特性はピーク輝度Lp=32000cd/mでの駆動電圧Vp=7.07V、電流効率L/J=11.31cd/Aであった。
熱処理の温度を80℃とした場合は、通電すると白色発光を示し、その特性はピーク輝度Lp=32000cd/mでの駆動電圧Vp=6.96V、電流効率L/J=11.16cd/Aであった。
熱処理の温度を90℃とした場合は、通電すると白色発光を示し、その特性はピーク輝度Lp=32000cd/mでの駆動電圧Vp=5.75V、電流効率L/J=11.77cd/Aであった。
熱処理の温度を110℃とした場合(すなわち前述の実施例1と同様)は、前述のように、通電すると白色発光を示し、その特性はピーク輝度Lp=32000cd/mでの駆動電圧Vp=5.39V、電流効率L/J=11.69cd/Aであった。
熱処理の温度を120℃とした場合は、通電すると白色発光を示し、その特性はピーク輝度Lp=32000cd/mでの駆動電圧Vp=5.27V、電流効率L/J=12.05cd/Aであった。
熱処理の温度を130℃とした場合は、通電すると白色発光を示し、その特性はピーク輝度Lp=32000cd/mでの駆動電圧Vp=5.13V、電流効率L/J=11.98cd/Aであった。
熱処理の温度を140℃とした場合は、通電すると白色発光を示し、その特性はピーク輝度Lp=32000cd/mでの駆動電圧Vp=5.01V、電流効率L/J=11.90cd/Aであった。
熱処理の温度を150℃とした場合は、通電しても発光しなかった(不灯)。
かかる測定結果が示すように、第一電極2上に酸化モリブデン層3aを設ける構成において、素子形成後の熱処理の温度を上昇させることで低電圧及び高効率の効果が得られることがわかる。特に、90℃での熱処理は、80℃での熱処理に対して駆動電圧Vpが1.21V低減され(6.96V−5.75V)、さらに熱処理の温度を上昇させると140℃まで徐々に駆動電圧Vpが下がっている。また、電流効率L/Jも80℃での熱処理よりも90℃での熱処理の方が高く、さらに熱処理の温度を上昇させても140℃まで80℃の熱処理よりも電流効率L/Jが高い。したがって、90℃以上の温度で熱処理することで顕著な低電圧効果が得られ、また、高効率であることがわかる。これは、熱処理によって第一電極2と酸化モリブデン層3aとの界面が安定化するためであると推測される。しかし、熱処理の温度が150℃である場合は通電しても発光せず、有機EL素子として用いることができない。これは、熱処理の温度が機能層3を構成する有機材料の最低ガラス転移温度(実施例1においてはホスト材料EM1のTg=130℃)に対して高すぎると有機材料が結晶化することによるものであると推測される。したがって、熱処理の温度は、90℃以上(さらに望ましくは110℃以上)であって、実施例1においては140℃、すなわち機能層3を構成する有機材料の最低ガラス転移温度Tg+10℃以下であることが望ましい。
以上の実験結果からも、本発明により低電圧化及び高効率化によって低電力で高温環境下での信頼性が高い有機EL素子を得ることができることは明らかである。
なお、本実施形態は、本発明の有機EL素子は、正孔注入層3b及び正孔輸送層3cがそれぞれ順次積層されるものであったが、正孔注入輸送層が単一層にて形成されるものであってもよい。また、有機発光層が単一層あるいは三層以上であってもよい。また、電子輸送層が複数層形成される構成であってもよい。
本発明は、有機EL素子に関し、特に車載用表示器などの高温環境下での使用が想定される機器に用いられる有機EL素子に好適である。
1 支持基板
2 第一電極(陽極)
3 機能層
3a 酸化モリブデン層
3b 正孔注入層
3c 正孔輸送層
3d 第一の発光層(有機発光層)
3e 第二の発光層(有機発光層)
3f 電子輸送層
3g 電子注入層
4 第二電極(陰極)

Claims (5)

  1. 陽極と陰極との間に、少なくとも前記陽極に接する酸化モリブデン層と有機発光層とを含む機能層を積層形成してなる有機EL素子であって、
    前記機能層のうち、前記酸化モリブデン層に接する層として、HOMO準位が5.35eV以下である正孔輸送性材料からなる層を形成してなることを特徴とする有機EL素子。
  2. 前記陰極の形成後に90℃以上で熱処理を施されてなることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 前記正孔輸送性材料のHOMO準位が、前記陽極のイオン化ポテンシャルよりも低いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機EL素子。
  4. 前記熱処理の温度が、110℃以上であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の有機EL素子。
  5. 前記熱処理の温度が、前記機能層を構成する有機材料の最低ガラス転移温度+10℃以下であることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の有機EL素子。
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