JP2006107790A - エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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龍司 西川
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Abstract

【課題】複数の発光層の効率的な発光を実現する。
【解決手段】EL素子500は陽極220と陰極240との間に、有機化合物を含む発光素子層300を備え、発光素子層300は複数の発光層を備え、その内最も陽極220の近くに配置される第1発光層330と陽極220との間に少なくとも正孔輸送層320、最も陰極240の近くに配置される第2発光層340と該電極240との間に少なくとも電子輸送層350を備える。陽極220からの正孔が正孔輸送層320、第1発光層330を通過し第2発光層340に到達するまでの正孔所要時間をTh、陰極240からの電子が電子輸送層350及び第2発光層340を通過し第1発光層330に到達するまでの電子所要時間をTeとすると、比Th/Teが0.5<(Th/Te)<2.5を満たす。これによりどの発光層に対しても正孔及び電子の供給タイミングが最適化され、どの発光層でも発光を得られる。
【選択図】図1

Description

本発明はエレクトロルミネッセンス(以下EL)素子の構成に関する。
近年、平面表示装置や光源などの表示素子として、自発光型のEL素子が注目されており、特に採用する有機化合物材料によって多様な発光色で高輝度発光の可能な有機EL素子については、その研究開発が盛んに行われている。
有機EL素子は、正孔注入電極(陽極)と電子注入電極(陰極)との間に発光層を含む発光素子層が設けられており、陽極から注入される正孔と、陰極から注入される電子が発光素子層で再結合し、再結合エネルギーによって励起された発光分子が基底状態に戻る際に起きる発光を利用している。
特開平05−234681号 特開平10−144473号
上述のように、有機EL素子では、用いる有機発光分子によって様々の色の光を得ることができる。しかし、例えば白色等、現在のところ単一の有機発光材料によって実現されない色も存在している。このような色の光については、複数の色の光を組み合わせて実現する。上記白色については、補色の関係にある黄色の発光層と青色の発光層を1素子内に積層形成し、各層で得られた黄色光と青色光の加色により白色光を実現する提案もある。しかし、複数の発光層のそれぞれを効率的に発光させることが難しく、発光色の基準白色からのずれも小さくない。
また、有機EL素子は、一般的に、高輝度発光が可能であるが、発光分子などの有機材料の耐久性等に依然として課題が多く、素子としての寿命が不十分である。複数の発光層を積層して加色光を得る場合、例えば、最も発光効率の低い発光層か、注入電流が大きい発光層が、他の発光層より早く劣化すると予想され、素子寿命は、もっとも寿命の短い発光層で決まってしまう。従って、全ての発光色について、それぞれより長寿命で高発光効率の有機発光材料の開発を待つだけでなく、素子構造等の最適化が要求される。
本発明は、複数の発光層を備えるエレクトロルミネッセンス素子において、どの発光層についても効率よく発光させ、かつ長寿命の素子を実現する技術に関する。
本発明は、正孔注入電極と、電子注入電極との間に、有機化合物を含む発光素子層を備えるエレクトロルミネッセンス素子であって、前記発光素子層は、複数の発光層を備え、該複数の発光層の内、最も正孔注入電極の近くに配置される第1発光層と該正孔注入電極との間には、少なくとも正孔輸送層を備え、前記複数の発光層の内最も電子注入電極の近くに配置される第2発光層と該電子注入電極との間には少なくとも電子輸送層を備え、前記正孔注入電極から注入された正孔が前記正孔輸送層及び前記第1発光層を通過して、前記第2発光層に到達するまでの該正孔の所要時間Thと、前記電子注入電極から注入された電子が前記電子輸送層及び前記第2発光層を通過して、前記第1発光層に到達するまでの該電子の所要時間Teと、の比Th/Teは、0.5<(Th/Te)<2.5を満たす。
本発明の他の態様では、上記比Th/Teは、1≦(Th/Te)<2を満たす。
このように正孔又は電子の各発光層に到達するまでの所要時間の比が、上記のように例えば0.5〜2.5の範囲を満たすことで、第1発光層に対して電子を、第2発光層に対して正孔を、同等のタイミングで到達させることが容易となる。このため、一方の発光層でのみ集中的に電子と正孔が再結合して発光が起き、他方の発光層では発光が起きないというアンバランスを防止し、複数の発光層をそれぞれバランス良く発光させることが容易となる。また、所要時間の比を1以上、2未満とすることで、積層構造の複数の発光層のいずれについてもより確実に効率的に発光させることが可能となる。
本発明の他の態様では、正孔注入電極と、電子注入電極との間に、有機化合物を含む発光素子層を備えるエレクトロルミネッセンス素子であって、前記発光素子層は、複数の発光層を備え、該複数の発光層の内、最も正孔注入電極の近くに配置される第1発光層と該正孔注入電極との間には、少なくとも正孔輸送層を備え、前記複数の発光層の内最も電子注入電極の近くに配置される第2発光層と該電子注入電極との間には少なくとも電子輸送層を備え、前記正孔注入層の膜厚をLhi、正孔移動度をμhi、前記正孔輸送層の膜厚をLht、正孔移動度をμht、前記第1発光層の膜厚をLem1、正孔移動度μhem1、前記第2発光層の膜厚をLem2、電子移動度をμhem2、前記電子輸送層の膜厚をLet、電子移動度をμetとすると、
(Lhi/μhi)+(Lht/μht)+(Lem1/μhem1)
=α{(Lem2/μhem2)+(Let/μet)}
を満たし、αは、0.5<α<2.5を満たす。
本発明の他の態様では、前記第1発光層は、正孔輸送機能を有し、前記第2発光層は、電子輸送機能を有する。
以上のような関係を満たすことで、複数の発光層が設けられた素子において、各発光層に正孔と電子を注入して均等に発光させることが容易となる。
本発明によれば、積層された複数の発光層の発光バランスを向上させることができ、目的とする色の加色光を実現できると共に、また高効率で長寿命の素子の実現が容易となる。
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態)について図面を参照して説明する。図1は、第1電極と第2電極の間に複数の発光層を備える本実施形態に係るEL素子500の概略断面構造を示す。
第1及び第2電極は、一方が正孔注入電極(陽極)220、他方が電子注入電極(陰極)240であり、図1の例では、基板側に陽極220が形成され、陰極240が、間に有機化合物を含む発光素子層300を挟んで陽極220と対向するように形成されている。
発光素子層300は、複数の発光層を備え、そのうち、最も陽極220の近くに配置される第1発光層330と該陽極220との間には、少なくとも正孔輸送層320を備える。複数の発光層の内、最も陰極240の近くに配置される第2発光層340と該陰極240との間には、少なくとも電子輸送層350を備える。発光素子層300の構成は、採用される有機材料などに応じて様々であるが、図1の例では、陽極220側から、正孔注入層310、正孔輸送層320、第1発光層330、第2発光層340、電子輸送層350が順に積層されている。
また、本実施形態では、発光層として、加色による白色発光を実現するため、オレンジ色発光層と青色発光層とを採用し、それぞれ第1発光層330、第2発光層340としている。オレンジ色発光層と青色発光層を正孔輸送層側からこの順に積層する構成には限られないが、複数の発光層のうち、正孔輸送機能の高い発光層を陽極220側に設けて第1発光層330として用い、電子輸送機能の高い発光層を陰極240側に設けて第2発光層340として採用することが好適である。
発光層は2層に限らず、3層以上としてもよく、この場合、複数の発光層のうち、最も陽極220に近い(陰極240から遠い)第1発光層330と、最も陰極240に近い(陽極220から遠い)第2発光層340との層間に第3,第4発光層、第n発光層を設ける。なお、第1及び第2発光層の間に更に設けられる発光層同士、或いは第1又は第2発光層との層間には、発光以外の別の機能層が形成されていても良い。
正孔輸送層320及び電子輸送層350は、単層構造には限られず、いずれも多層構造を採用しても良い。また、それぞれは省略することも可能であり、正孔輸送層320を省略する場合、第1発光層330が正孔輸送層を兼用してもよく、電子輸送層350を省略する場合、第2発光層340が電子輸送層を兼用しても良い。正孔注入層310についても単層構造に限られず、多層構造を採用しても良く、また陽極220から正孔輸送層320への正孔注入障壁が小さい場合に省略しても良い。
陽極220としては、例えば導電性金属酸化物材料が用いられ、具体的にはITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明導電性材料を採用することができる。陰極240は、仕事関数の大きい金属材料が主体の金属層244と、電子輸送層350への電子注入障壁を小さくするための電子注入層242の積層構造より構成されている。金属層244としては、例えばAl、Ag、MgAl合金、MgAg合金、LiAl合金、LiAg合金などを採用することができる。電子注入層242は、陰極240から電子輸送層350への電子注入障壁が小さい場合には省略することもできるが、例えばフッ化リチウム(LiF)、リチウム(Li)などを用いることができる。
正孔注入層310は、CuPc(銅フタロシアニン錯体)や、CFx(xは任意の数)等が採用可能である。
正孔輸送層320には、正孔移動度の高い芳香族アミン誘導体化合物を採用する。この芳香族アミン誘導体化合物としては、主としてトリフェニルアミン又はその誘導体の2量体、或いはそれ以上の多量体などである。具体的には、例えば、TPD(N,N' -bis (3 - methylphenyl) - N, N' -diphenyl- (1,1'-biphenyl)-4,4'-diamine)、NPB(N,N' -bis (1 -naphthyl) - N, N' -diphenyl- (1,1'-biphenyl)-4,4'-diamine)、1−TNATA(4,4',4'' -tris[1-naphthyl(phenyl)amino] -triphenylamine)等を採用することができる。
電子輸送層350には、キノリノールアルミ錯体(Alq)など、電子移動度の高い有機金属錯体化合物を採用することができる。
複数の発光層のうち最も陽極に近い第1発光層330では、正孔輸送性のホスト材料に、黄色の発光材料がドーパントとして10%程度又はそれ以下の濃度でドープされて形成されている。正孔輸送性のホスト材料としては、上記正孔輸送層320に採用される芳香族アミン誘導体化合物を採用する。オレンジ色発光材料(ドーパント材料)としては特に限定されないが、例えば、
ルブレン:rubrene(5,6,11,12- tetraphenyl naphthacene)、
DBzR(5,12- bis(4- (6- methylbenzohiazol - 2 - yl) phenyl) - 6,11 - diphenylnaphtacene)が採用可能である。
一方、複数の発光層のうち最も陰極240に近い第2発光層340では、電子輸送性のホスト材料に、青色の発光材料をドーパントとして例えば10%程度又はそれ以下の濃度でドープされて形成されている。ここで電子輸送性のホスト材料としては、上記電子輸送層350に採用される有機金属錯体化合物の他、多環芳香族化合物を採用する。金属錯体化合物は、上述の通り例えばアルミキノリノール錯体及びその誘導体を採用することができる。多環芳香族化合物は、例えばアントラセン系化合物が採用可能である。このアントラセン系化合物の一例としては、ADN(9, 10- di(2-naphthyl) anthracene)等が挙げられる。上記多環芳香族化合物は、電子輸送性を持つと共に正孔輸送性を持ち、第1発光層330のアシストドーパントなどとしても用いられる。この場合のアシストドーパントは、例えばDPN(5,12-diphenylnaphtacene)などを採用することができる。電子移動度青色の発光材料(ドーパント材料)としては特に限定されないが、例えばペリレン系化合物、ピレン系化合物が採用可能である。
有機EL素子500は以上のような積層構造により構成され、各層は、ガラスやプラスチックフィルムなどの透明絶縁基板100の上方に陽極220から順に積層されている。陽極120は例えばスパッタリング法により形成でき、発光素子層300及び陰極240は例えば真空蒸着法により連続的に形成することができる。この有機EL素子500を表示装置の各画素の表示素子(発光素子)として用い、かつ各画素にトランジスタを設けて画素毎に表示内容を保持し制御するいわゆるアクティブマトリクス型表示装置に適用する場合、上記基板100と陽極220との層間に、トランジスタ等の各画素回路を構成する層を形成する。
このような構成において、陽極220から注入される正孔は、正孔注入層310、正孔輸送層320を通過して第1発光層330に到達する。また、第1発光層330が正孔輸送性を備えているため、正孔はさらに第1発光層330を通過して第2発光層340に到達する。一方、陰極240から(金属層244から電子注入層242を介して)注入される電子は、電子輸送層350を通過し第2発光層340に到達する。上述のように第2発光層340は電子輸送性を備えているので、電子は、第2発光層340を通過しさらに第1発光層330に到達する。
従って、第1発光層330では、陽極220からの正孔と、陰極240から第2発光層340を介して到達した電子とが再結合し、再結合エネルギによってドーパントである発光分子が励起され、基底状態に戻る際にオレンジ色の発光が得られる。第2発光層340では、陽極220から第1発光層330を介して到達した正孔と、陰極240からの電子とが再結合し、ドーパントである発光分子が励起され基底状態に戻る際に青色の発光が得られる。このように、第2発光層340で得られた青色の光と第1発光層330で得られたオンレジ色の光は、図1の例では、共に、透明な陽極220側からガラスなどの透明絶縁材料で形成された基板100を介して外部に射出される。よって、外部では青色光とオレンジ色光とによる加色により白色光が観察されることとなる。
ここで、陽極220から注入され、正孔注入層310、正孔輸送層320及び第1発光層330を通過して、第2発光層340に到達するまでの正孔の単位距離当たりの所要時間をThで表す。また、陰極240から注入され、電子が電子輸送層350及び第2発光層340を通過して、第1発光層330に到達するまでの単位距離当たりの電子の所要時間をTeで示すと、本実施形態に係る有機EL素子500は、比(Th/Te)が、0.5<(Th/Te)<2.5を満たす。より好適には1≦(Th/Te)<2、さらに好ましくは1.3<(Th/Te)<1.7を満たすことも可能である。
正孔及び電子の第1及び第2発光層への所要時間の比がこのような関係を満たすことで、第1発光層330に正孔と電子が到達するタイミングと第2発光層340に正孔と電子が到達するタイミングとを近づけることができる。
上記ThとTeの差が大きすぎ、例えば、ThがTeの2.5倍以上となると、陽極に最も近い第1発光層330では、電子と正孔とがほぼ同様のタイミングで到達して発光が起きても、陰極240に最も近い第2発光層340に正孔が到達する際に、電子は既に電子輸送性の第2発光層340を通過してしまっており、電子と正孔との再結合確率が低く、発光があまり起きないこととなる。もちろん逆のタイミングであれば、第2発光層でのみ発光が起きて第1発光層では発光しないことになる。このように所要時間の比が最適化されていないと、複数の発光層を設けても、その内の一部の発光層のみが発光し、バランスの良い目的とする加色光(ここでは白色)が得られない。しかし、上記のような所要時間の比の関係を満たし、例えば1.3〜1.7の範囲とすることで、到達タイミングを揃え、複数の発光層それぞれをバランスよく発光させることが可能となる。ここで、所要時間の比Th/Teが1以上とすることがより好適な理由の一つとして、正孔の第2発光層340への到達タイミングの制御だけでなく、発光素子層300の内、下層の影響で凹凸の多い陽極側の層を可能な限り厚くすることで、発光素子層300の断線を防止し及び段差の被覆性を向上することが挙げられる。
上記所要時間Th、Teは、より具体的には以下のように、電荷輸送材料の電荷移動度(cm2/Vs)と、発光素子層300の各層の厚さを考慮することで調整することができる。なお、発光素子層300に採用される電荷輸送材料(正孔輸送材料、電子輸送材料)は、一般的に、10-3〜10-6の範囲の電荷移動度(正孔移動度、電子移動度)を示すことが知られているので、発光素子層200の各層の厚さを最適化することで実現することができる。
以下、具体的に各層の電荷移動度、厚さを説明する。
まず、正孔輸送層320の材料及び第1発光層330のホスト材料に採用される芳香族アミン誘導体化合物の正孔移動度は、10-3cm2/Vs〜10-4cm2/Vsである。
電子輸送層340の材料及び第2発光層340のホスト材料に用いられる有機金属錯体化合物の電子移動度は、10-4cm2/Vs〜10-6cm2/Vsである。この第2発光層340の電子輸送性のホスト材料として多環芳香族化合物を用いた場合、この化合物は電子正孔の両方についての輸送性を持ち、電子移動度は、10-3cm2/Vs〜10-5cm2/Vs、正孔移動度も10-3cm2/Vs〜10-5cm2/Vsである。
上記正孔移動度及び電子移動度は、Time−of−Flight(TOF)法によって測定して得ることができる。このTOF法は、具体的には、測定する材料膜(本実施形態では、各層の有機化合物材料膜)を互いに対向する電極間に挟み込み、光励起によって電荷キャリアを材料膜の一方の電極との界面に発生させ、この電荷キャリアが対向する他方の電極に到達する時間を測定することで求められる。
以上に示したように、正孔輸送性を持つとして知られている有機化合物の正孔移動度は、10-3cm2/Vs〜10-5cm2/Vsの範囲、電子輸送性を持つとして知られている有機化合物の電子移動度は10-3cm2/Vs〜10-6cm2/Vsの範囲である。
次に、各層の厚さを説明すると、正孔注入層310は、0.5nm〜5.0nm(CFxの場合)か、10nm〜20nm(CuPcの場合)である。正孔輸送層320は、30nm〜300nm、第1発光層330は、10nm〜150nm、第2発光層340は20nm〜50nm、電子輸送層350は10〜30nmの厚さである。
ここで、発光素子層300の電荷移動度と各層の厚さとの関係は、下記式(1)
(Lhi/μhi)+(Lht/μht)+(Lem1/μhem1)
=α{(Lem2/μhem2)+(Let/μet)}・・・(1)
で表され、さらに、αは、0.5<α<2.5を満たす。なお、上記式(1)において、正孔注入層310の膜厚をLhi、正孔移動度をμhi、正孔輸送層320の膜厚をLht、正孔移動度をμht、第1発光層330の膜厚をLem1、正孔移動度μhem1、第2発光層340の膜厚をLem2、電子移動度をμhem2、電子輸送層350の膜厚をLet、電子移動度をμetとする。αは、より好適には1≦α<2を満たし、1.3<α<1.7の範囲内であることがより好ましいが、0.5より大きく、2.5未満とすることで、第1及び第2発光層330、340のいずれもバランスよく発光させ、また断線等のない長寿命化の容易な素子構造を得ることができる。
次に、α値の異なる3種類の有機EL素子(実施例1,比較例1,比較例2)500について説明する。いずれの素子も、正孔注入層310としてCuPc、正孔輸送層320として芳香族アミン化合物の一種であるNPBを用いた。第1発光層330にはホスト材料としてはNPB、ドーパントとしてDBzRを用い、更にアシストドーパントとして両極性のDPNを用いた。第2発光層340にはホスト材料として多環芳香族化合物であるADN(9,10-di(2-naphthyl)anthracene)を用い、ドーパントとしては、ペリレン系化合物を用いた。さらに、電子輸送層350にはAlq3( tris(8-hydroxyquinolinato)aluminum(III))を用いた。各層の厚さを変えることで実施例1(α=1)、比較例1(α=2.5)、比較例2(α=0.5)の有機EL素子500をそれぞれ作成した。
この3種類の素子を評価したところ、まず、αの値が1の実施例1にかかるEL素子500は、発光効率14cd/A(電力効率6.1lm/W)であり、図3に示すように、第1発光層330と第2発光層340の両方がバランスよく発光し、目的とする白色光が得られていた。
αの値が2.5の比較例1にかかるEL素子で500は、発光効率10cd/A(電力効率4.6lm/W)であり、図4に示すように、第1発光層330は発光しているものの第2発光層340の発光輝度が低く、2層の発光バランスが悪く、黄色に近い白色光となった。
また、αの値が0.5の比較例2にかかるEL素子500では、発光効率7cd/A(電力効率3.2m/W)にすぎず、図5に示すように、第2発光層340は発光しているものの第12発光層330の発光輝度が低く、2層の発光バランスが悪く、青色黄色に近い白色光であった。
ここで、αの値を1とした上記有機EL素子において、正孔注入層310の厚さは10nmで移動度μhiは、10-3cm2/Vs、正孔輸送層320の厚さは100nmで移動度μhtは、10-3cm2/Vs、第1発光層330の厚さは30.9nmで移動度μhem1は、10-3cm2/Vs、第2発光層340の厚さは41.0nmで移動度μhem2は、10-3cm2/Vs、電子輸送層350の厚さは10nmで移動度μetは、10-4cm2/Vsとした。もちろん膜厚及び移動度はこれらの組み合わせに限られるものはなく、上記αの値が1程度より大きく、2.5より小さくなるように素子を作成することにより、複数の発光層をバランスよく、また効率的に発光させることができる。
なお、本実施形態に係る有機EL素子500は、加色により白色光を外部に射出する白色のディスプレイや平面光源として利用されるだけでなく、他の加色により任意の色の光を射出するディスプレイなどに採用できる。また、図2のように、白色有機EL素子500と、基板100との間、例えば、トランジスタを絶縁する層間絶縁層160と、素子形成面を平坦にするための平坦化絶縁層180と間に、対応するR、G、Bの3色のカラーフィルタCFのいずれかを形成し、有機EL素子500から射出される白色光成分から、所望のR,G,B光成分のみを透過させることで、フルカラー表示を実現することができる。なお、一部の画素についてはカラーフィルタを形成せず、R,G,B及びW(白色)の4色によりカラー表示を行うこともできる。カラーフィルタはR,G,Bの3色に限らず、Y(イエロー)、M(マゼンダ)などをさら設けてもよい。
本発明の実施形態に係るEL素子の概略断面構造を示す図である。 本発明の実施形態に係るEL素子を用いたカラー表示装置の一部概略断面構造を示す図である。 実施例1にかかるEL素子の発光スペクトルを示す図である。 比較例1にかかるEL素子の発光スペクトルを示す図である。 比較例2にかかるEL素子の発光スペクトルを示す図である。
符号の説明
100 透明基板(ガラス、プラスチック)、220 正孔注入電極(第1電極:陽極)、240 電子注入電極(第2電極:陰極)、300 発光素子層、310 正孔注入層、320 正孔輸送層、330 第1発光層、340 第2発光層、350 電子輸送層、360 電子注入層、500 有機EL素子。

Claims (4)

  1. 正孔注入電極と、電子注入電極との間に、有機化合物を含む発光素子層を備えるエレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記発光素子層は、複数の発光層を備え、該複数の発光層の内、最も正孔注入電極の近くに配置される第1発光層と該正孔注入電極との間には、少なくとも正孔輸送層を備え、前記複数の発光層の内最も電子注入電極の近くに配置される第2発光層と該電子注入電極との間には少なくとも電子輸送層を備え、
    前記正孔注入電極から注入された正孔が前記正孔輸送層及び前記第1発光層を通過して、前記第2発光層に到達するまでの該正孔の所要時間Thと、
    前記電子注入電極から注入された電子が前記電子輸送層及び前記第2発光層を通過して、前記第1発光層に到達するまでの該電子の所要時間Teと、の比Th/Teが、
    0.5<(Th/Te)<2.5を満たすことを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  2. 正孔注入電極と、電子注入電極との間に、有機化合物を含む発光素子層を備えるエレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記発光素子層は、複数の発光層を備え、該複数の発光層の内、最も正孔注入電極の近くに配置される第1発光層と該正孔注入電極との間には、少なくとも正孔輸送層を備え、前記複数の発光層の内最も電子注入電極の近くに配置される第2発光層と該電子注入電極との間には少なくとも電子輸送層を備え、
    前記正孔注入電極から注入された正孔が前記正孔輸送層及び前記第1発光層を通過して、前記第2発光層に到達するまでの該正孔の所要時間Thと、
    前記電子注入電極から注入された電子が前記電子輸送層及び前記第2発光層を通過して、前記第1発光層に到達するまでの該電子の所要時間Teと、の比Th/Teは、
    1≦(Th/Te)<2を満たすことを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  3. 正孔注入電極と、電子注入電極との間に、有機化合物を含む発光素子層を備えるエレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記発光素子層は、複数の発光層を備え、該複数の発光層の内、最も正孔注入電極の近くに配置される第1発光層と該正孔注入電極との間には、少なくとも正孔輸送層と、正孔注入層を備え、前記複数の発光層の内最も電子注入電極の近くに配置される第2発光層と該電子注入電極との間には少なくとも電子輸送層を備え、
    前記正孔注入層の膜厚をLhi、正孔移動度をμhi、前記正孔輸送層の膜厚をLht、正孔移動度をμht、前記第1発光層の膜厚をLem1、正孔移動度μhem1、前記第2発光層の膜厚をLem2、電子移動度をμhem2、前記電子輸送層の膜厚をLet、電子移動度をμetとすると、
    (Lhi/μhi)+(Lht/μht)+(Lem1/μhem1)=α{(Lem2/μhem2)+(Let/μet)}を満たし、
    αは、0.5<α<2.5を満たすことを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス素子において、
    前記第1発光層は、正孔輸送機能を有し、前記第2発光層は、電子輸送機能を有することを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
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