JP2003282266A - 有機電界発光素子 - Google Patents

有機電界発光素子

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JP2003282266A
JP2003282266A JP2002086317A JP2002086317A JP2003282266A JP 2003282266 A JP2003282266 A JP 2003282266A JP 2002086317 A JP2002086317 A JP 2002086317A JP 2002086317 A JP2002086317 A JP 2002086317A JP 2003282266 A JP2003282266 A JP 2003282266A
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Kenji Kono
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機発光層にドープする発光性有機物質を規
定することによって、長寿命化と高い発光効率を実現す
るようにした有機電界発光素子を提供する。 【解決手段】 陽極1と陰極2の間に、発光性有機物質
がドープされた有機材料よりなる発光層3を備えた有機
電界発光素子に関する。異なる発光性有機物質がドープ
された有機材料よりなる少なくとも三層の発光層3a,
3b,3cを備え、最も陽極1側に位置する発光層3a
及び最も陰極2側に位置する発光層3cに、これら以外
の発光層3bにドープされている発光性有機物質のエネ
ルギーギャップより大きいエネルギーギャップを有する
発光性有機物質がドープされている。発光層3にドープ
する発光性有機物質のエネルギーギャップをこのように
規定することによって、陰極2側に位置する発光層3か
ら陽極1側に位置する発光層3に効率よくエネルギーを
移動させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラットパネルデ
ィスプレイ、液晶表示機用バックライト、照明光源など
に用いられる有機電界発光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フラットパネルディスプレイ、液晶表示
機用バックライト、照明光源などに用いられる発光体と
して、フラットパネルディスプレイの薄型化、液晶表示
機を備える電子機器の小型化や薄型化、あるいは照明器
具の形状の自由化などのために、薄く、軽量であり、か
つ高効率であるものが近年ますます要求されるようにな
っている。そしてこのような要求に応じることができる
ものとして、有機電界発光素子(有機エレクトロルミネ
ッセンス素子)が注目されている。
【0003】有機電界発光素子が低電圧で発光すること
は、イーストマン・コダック社のC.W.Tangらに
より、電極間に二層の薄膜を積層した構成の素子におい
て初めて示された(Appl.Phys.Lett.,
51,12,913(1987))。そしてこれ以降、
有機電界発光素子は、電池などの10V程度の低電圧で
100〜100000cd/m2程度の高輝度の発光が
可能なこと、蛍光物質を構成する材料の組み合せで多数
の色を発光させることが可能なこと、非常に薄い面発光
体として使用可能なこと、などから産業界で注目され、
素子構成に改良を加えた種々の薄膜構成の有機電界発光
素子が検討されている。
【0004】ここで、有機電界発光素子の基本的な素子
構成は、陽極/有機発光層/陰極であるが、その他、陽
極/ホール輸送層/有機発光層/電子輸送層/陰極の構
成や、陽極/ホール注入層/ホール輸送層/有機発光層
/電子輸送層/陰極の構成や、陽極/ホール注入層/有
機発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極の構成や、陽
極/ホール注入層/有機発光層/電子注入層/陰極の構
成など、種々の構成のものが挙げられる。
【0005】そして、有機電界発光素子の発光効率を向
上させることを目的として、上記の各層の最適化が検討
されている。すなわち、各層のイオン化ポテンシャル、
電子親和力の観点に注目した素子構成の検討が種々行な
われており、有機発光層とキャリア輸送層の界面でのホ
ールや電子のブロックによるホール−電子再結合効率の
向上、励起子の有機発光層内への閉じ込め等を実現する
素子構成が多数提案されている。例えば、特開2000
−68057号公報では、有機発光層を複数層に形成
し、各有機発光層のイオン化ポテンシャルを陽極から陰
極に向かって大きくなるようにする共に、有機発光層の
電子親和力を規定することによって、長寿命化と高い発
光効率を実現する試みがなされている。また特開平10
−74584号公報では、ホール輸送層と電子輸送層を
形成するホスト材料の電子親和力及びイオン化ポテンシ
ャルの大小関係を規定することによって、発光効率を高
める試みがなされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来で
は、複数層の発光層を形成するホスト材料について電子
親和力やイオン化ポテンシャルを規定する試みがなされ
ているが、発光層にドープする発光性有機物質について
の検討はなされておらず、この点での有機電界発光素子
の長寿命化と高発光効率化の検討が不十分なものであっ
た。
【0007】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、発光層にドープする発光性有機物質を規定するこ
とによって、長寿命化と高い発光効率を実現するように
した有機電界発光素子を提供することを目的とするもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
有機電界発光素子は、陽極と陰極の間に、発光性有機物
質がドープされた有機材料よりなる発光層を備えた有機
電界発光素子において、異なる発光性有機物質がドープ
された有機材料よりなる少なくとも三層の発光層を備
え、最も陽極側に位置する発光層及び最も陰極側に位置
する発光層にドープされている発光性有機物質のエネル
ギーギャップの値が、これら以外の発光層にドープされ
ている発光性有機物質のエネルギーギャップの値より大
きいことを特徴とするものである。
【0009】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、最も陽極側に位置する発光層にドープされている発
光性有機物質の電子親和力(EA)の値(単位eV)
が、この発光層に隣接する発光層にドープされている発
光性有機物質のEAの値よりも0.05eV以上小さい
ことを特徴とするものである。
【0010】また請求項3の発明は、請求項1又は2に
おいて、最も陰極側に位置する発光層にドープされてい
る発光性有機物質の電子親和力(EA)の値が、この発
光層に隣接する発光層にドープされている発光性有機物
質のEAの値以下であることを特徴とするものである。
【0011】また請求項4の発明は、請求項1乃至3の
いずれかにおいて、最も陰極側に位置する発光層にドー
プされている発光性有機物質のイオン化ポテンシャル
(IP)の値(単位eV)が、この発光層に隣接する発
光層にドープされている発光性有機物質のIPの値より
も0.05eV以上大きいことを特徴とするものであ
る。
【0012】また請求項5の発明は、請求項1乃至4の
いずれかにおいて、最も陽極側に位置する発光層にドー
プされている発光性有機物質のイオン化ポテンシャル
(IP)の値が、この発光層に隣接する発光層にドープ
されている発光性有機物質のIPの値以上であることを
特徴とするものである。
【0013】ここで、電子親和力(Electron
Affinity)とは、真空準位に対する有機物質の
伝導帯レベルを表す値の絶対値に相当し、イオン化ポテ
ンシャル(Ionization Potentia
l)とは、真空準位に対する有機物質の価電子帯レベル
を表す値の絶対値に相当する。またエネルギーギャップ
は、各有機物質においてそのイオン化ポテンシャルと電
子親和力の差に相当するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0015】本発明に係る有機電界発光素子は、陽極1
と陰極2の間に、発光性有機物質(蛍光物質)がドープ
された有機材料よりなる複数層の有機発光層3を備えた
ものである。本発明の有機電界発光素子の積層構成は、
陽極1と陰極2の間の複数層の発光層3が本発明に相当
するものである限り、任意のものを用いることができ
る。図1は有機電界発光素子の一例を示すものであり、
基板10の表面上に透明導電膜などからなる陽極1を積
層し、陽極1の表面上にホール輸送層11を介して複数
層の有機発光層3を積層すると共に、さらに発光層3の
上に電子輸送層12を介して陰極2が積層してある。こ
れを基本構成として有機電界発光素子、すなわち有機エ
レクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)を形成す
ることができるものであり、陽極1に正電圧を、陰極2
に負電圧を印加すると、電子輸送層12を介して発光層
3に注入された電子と、ホール輸送層11を介して発光
層3に注入されたホールとが、発光層3内にて結合して
発光が起こるものである。ここで、発光層3を三層以上
の構成で形成することによって、任意の色調において発
光効率の高い有機電界発光素子を得ることができ、特に
白色など、単一の発光性有機物質からなる単一層の発光
層3では実現が難しい発光色を容易に、かつ必要に応じ
て任意に得ることが可能になるものである。
【0016】本発明において発光性有機物質がドープさ
れた有機材料よりなる発光層3は複数層を積層した構成
に形成されるものであり、図1の実施の形態では3層の
発光層3a,3b,3cを積層した構成に形成してあ
る。そして本発明は、三層以上の複数層に形成される各
発光層3a,3b,3cにドープする発光性有機物質と
して、最も陽極1に近い発光層3aにドープする発光性
有機物質のエネルギーギャップの値及び、最も陰極2に
近い発光層3cにドープする発光性有機物質のエネルギ
ーギャップの値が、それ以外の発光層3bにドープする
発光性有機物質のエネルギーギャップの値より大きくな
るよう選択するようにしたものである。
【0017】本発明において発光層3に用いることので
きる発光性有機物質としては、公知の任意のものを挙げ
ることができる。例えば、アントラセン、ナフタレン、
ピレン、テトラセン、コロネン、ペリレン、フタロペリ
レン、ナフタロペリレン、ジフェニルブタジエン、テト
ラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、
ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジ
エン、キノリン金属錯体、トリス(8−ヒドロキシキノ
リナート)アルミニウム錯体、トリス(4-メチル−8
−キノリナート)アルミニウム錯体、トリス(5−フェ
ニル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、アミノキ
ノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、トリ−(p
−ターフェニル−4−イル)アミン、1−アリール−
2,5−ジ(2−チエニル)ピロール誘導体、ピラン、
キナクリドン、ルブレン、ジスチルベンゼン誘導体、ジ
スチルアリーレン誘導体、及びこれらの発光性化合物か
らなる基を分子内の一部に有するものであるが、これに
限定されるものではない。またこれらの化合物に代表さ
れる蛍光色素由来の化合物のみならず、三重項状態から
の燐光発光が可能な発光材料も好適に用いることができ
る。
【0018】発光層3のホスト材料としては、電子輸送
性の材料、ホール輸送性の材料のいずれも使用すること
ができるものである。またこれらを混合して用いること
もできるものであり、さらに層内で濃度勾配を有する状
態で、陽極1の側ではホール輸送性の材料の割合が多
く、陰極2の側になるに従って電子輸送性の材料の割合
が多くなるようにして用いることもできる。電子輸送性
のホスト材料やホール輸送性のホスト材料としては特に
制限されるものではないが、後述するホール輸送層11
を構成する材料や、電子輸送層12を構成する材料に相
当するものから、適宜選択して用いることができる。
【0019】発光層3のホスト材料は電子輸送性、ホー
ル輸送性のいずれでもよいが、例えば、陽極1に最も近
い発光層3aをホール輸送性のホスト材料、他の発光層
3b、3cを電子輸送性のホスト材料を用いて形成した
り、陽極1に近い側の発光層3a,3bをホール輸送性
のホスト材料、陰極2に最も近い発光層3cを電子輸送
性のホスト材料を用いて形成したり、陽極1に最も近い
発光層3aをホール輸送性のホスト材料、中間の発光層
3bをホール輸送性のホスト材料と電子輸送性のホスト
材料の混合物、陰極2に最も近い発光層3cを電子輸送
性のホスト材料を用いて形成したり、発光層3a,3
b,3cの総てを電子輸送性のホスト材料で形成した
り、発光層3a,3b,3cの総てを電子輸送性のホス
ト材料とホール輸送性のホスト材料の混合物で形成した
り、あるいは上記のような濃度勾配を有するホスト材料
で形成したりすることができるものである。素子寿命の
観点からは、ホール輸送性のホスト材料からなる発光層
3と、電子輸送性のホスト材料からなる発光層3をそれ
ぞれ少なくとも一層設けることが好ましいが、これに限
定されるものではない。またドープされた発光性有機材
料へのキャリア注入性やエネルギー移動の観点から、ホ
スト材料と発光性有機材料との組み合わせを適正化する
ことは好ましいことであり、このために発光層3に用い
るホスト材料が各発光層3において異なるものとなって
もよく、素子の性能、製造プロセス等の観点から任意に
構成を設定することができるものである。
【0020】本発明では既述のように、最も陽極1に近
い発光層3a及び最も陰極2に近い発光層3cにドープ
する発光性有機物質のエネルギーギャップの値が、それ
以外の発光層3bにドープする発光性有機物質のエネル
ギーギャップの値より大きくなるように、各発光層3に
ドープする発光性有機物質を選択するようにしたもので
あり、この結果、陰極2側に位置する発光層3から陽極
2側に位置する発光層3に効率よくエネルギーが移動
し、有機電界発光素子の発光効率を向上させることがで
きるものである。
【0021】また本発明では、最も陽極1側に位置する
発光層3aにドープする発光性有機物質として、この発
光層3aに隣接する発光層3bにドープする発光性有機
物質の電子親和力(EA)の値(単位eV)よりも、E
A値が0.05eV以上小さいものから選択するのが好
ましい。この条件を満たさないと、陰極2から注入され
た電子が発光層3を通過して陽極1側に通過してしまい
易くなり、有機電界発光素子の色度安定性、寿命、発光
効率等が低下するおそれがあるので好ましくない。最も
陽極1側の発光層3aとこれに隣接する発光層3bにド
ープする発光性有機物質の電子親和力(EA)の値の差
は大きいほうがよく、両者の差の上限は特に設定される
ものではないが、実用上は、1.2eV程度が上限であ
る。
【0022】そして本発明において、最も陰極2側に位
置する発光層3cにドープする発光性有機物質として、
この発光層3cに隣接する発光層3bにドープする発光
性有機物質の電子親和力(EA)の値よりも、EA値が
小さいものから選択するのが好ましい。この条件を満た
すことで、陰極2から注入された電子が発光層3cから
発光層3bに効率よく注入されることになり、有機電界
発光素子の寿命や発光効率を高めることができるもので
ある。
【0023】さらに本発明では、最も陰極2側に位置す
る発光層3cにドープする発光性有機物質として、この
発光層3cに隣接する発光層3bにドープされる発光性
有機物質のイオン化ポテンシャル(IP)の値(単位e
V)よりも、IP値が0.05eV以上大きいものから
選択するのが好ましい。この条件を満たさないと、陽極
1から注入されたホールが発光層3を通過して陰極2側
に通過してしまい易くなり、有機電界発光素子の色度安
定性、寿命、発光効率等が低下するおそれがあるので好
ましくない。最も陰極2側の発光層3cとこれに隣接す
る発光層3bにドープする発光性有機物質のイオン化ポ
テンシャル(IP)の値の差は大きいほうがよく、両者
の差の上限は特に設定されるものではないが、実用上
は、1.2eV程度が上限である。
【0024】そして本発明において、最も陽極1側に位
置する発光層3aにドープする発光性有機物質として、
この発光層3aに隣接する発光層3bにドープされる発
光性有機物質のイオン化ポテンシャル(IP)の値より
も、IP値が大きいものから選択するのが好ましい。こ
の条件を満たすことで、陽極1から注入されたホールが
発光層3aから発光層3bに効率よく注入されることに
なり、有機電界発光素子の寿命や発光効率を高めること
ができるものである。
【0025】以上の条件を満たす発光性有機物質の電子
親和力(EA)、イオン化ポテンシャル(IP)の関係
を、図1のような三層構成の発光層3a,3b,3bに
ついて例示する。例えば図2に示すように、発光層3
a,3b,3cにドープされた発光性有機材料のEAの
値をL1,L2,L3、IPをH1,H2,H3とする
と、発光層3a,3b,3cのエネルギーギャップはそ
れぞれH1−L1、H2−L2、H3−L3である。そ
してエネルギーギャップの上記の条件から、H1−L1
>H2−L2、H3−L3>H2−L2である。また電
子親和力(EA)の上記の条件から、L2−L1≧0.
05、L2−L3≧0である。さらにイオン化ポテンシ
ャル(IP)の上記の条件から、H3−H2≧0.0
5、H1−H2≧0である。このような条件を満たすよ
うに各発光層3にドープする発光性有機物質を選択する
ことによって、陰極2から注入された電子が陽極1側へ
通過してしまうことや、陽極1から注入されたホールが
陰極2側に通過してしまうことを、発光層3bと発光層
3aの界面や、発光層3cと発光層3bの界面でそれぞ
れ防止することができるものであり、電子とホールの量
的バランスを良くすることができ、有機電界発光素子の
色度安定性、寿命、発光効率等を向上させることができ
るものである。尚、三層以上に構成される各発光層3
は、隣合う発光層3同士が直接接していもよいし、隣合
う発光層3間に非発光性の層、例えば絶縁層等が形成さ
れていてもよい。
【0026】また本発明において、各発光層3にドープ
する発光性有機物質は、一種単独でもよく、複数種を併
用してもよい。複数種の発光性有機物質をドープする場
合には、任意の発光層3と、これに隣接する発光層3と
において、ドープされる発光性有機物質の一組以上が上
記のエネルギーギャップ、電子親和力(EA)、イオン
化ポテンシャル(IP)の条件を満たしていればよい。
さらに上記では発光層3が三層構成のものを例に挙げて
説明したが、発光層3が四層以上の場合においても、同
様に適用することができるのはいうまでもない。また最
も陽極1側の発光層3と最も陰極2側の発光層3に挟ま
れる他の発光層3については、より陰極2側に近い発光
層3にドープされている発光性有機物質のエネルギーギ
ャップがより大きくなるように設定するのが好ましい
が、この順に限定されるものではない。発光性有機物質
をドープする方法としては、ホスト材料と発光性有機物
質を共蒸着する方法や、ホスト材料と発光性有機物質を
交互に蒸着する方法や、ホスト材料を蒸着した後に発光
性物質を蒸着して、ホスト材料に発光性有機物質を拡散
させる方法や、ホスト材料と発光性有機物質を溶解した
液をスピンコート等で塗布して発光層3を形成する方法
などがあり、ホスト材料と発光性有機物質を共存させる
方法であれば特に限定されることなく使用することがで
きる。
【0027】一方、ホール輸送層11(あるいはホール
注入層)を構成する材料としては、ホールを輸送する能
力を有し、陽極1からのホール注入効果を有するととも
に、発光層3に対して優れたホール注入効果を有し、さ
らに電子のホール輸送層11への移動を防止し、かつ薄
膜形成能力の優れた化合物を挙げることができる。具体
的にはフタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導
体、ポルフィリン誘導体、N,N’−ビス(3−メチル
フェニル)−(1,1'−ビフェニル)−4,4'−ジア
ミン(TPD)や4,4’−ビス[N−(ナフチル)−
N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)等の
芳香族ジアミン化合物、オキサゾール、オキサジアゾー
ル、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、スチ
ルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、テトラヒドロイミダ
ゾール、ポリアリールアルカン、ブタジエン、4,
4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−
フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDAT
A)、及びポリビニルカルバゾール、ポリシラン、ポリ
エチレンジオイサイドチオフェン(PEDOT)、PT
PDES([化1])等の高分子材料が挙げられるが、
これらに限定されるものではない。
【0028】
【化1】
【0029】また電子輸送層12を構成する電子輸送材
料としては、電子を輸送する能力を有し、陰極2からの
電子注入効果を有するとともに、発光層3に対して優れ
た電子注入効果を有し、さらにホールの電子輸送層12
への移動を防止し、かつ薄膜形成能力の優れた化合物を
挙げることができる。具体的には、フルオレン、バソフ
ェナントロリン、バソクプロイン、アントラキノジメタ
ン、ジフェノキノン、オキサゾール、オキサジアゾー
ル、トリアゾール、イミダゾール、アントラキノジメタ
ン、4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニル
(CBP)等やそれらの化合物、金属錯体化合物もしく
は含窒素五員環誘導体を挙げることができる。上記の金
属錯体化合物としては、具体的には、トリス(8−ヒド
ロキシキノリナート)アルミニウム、トリ(2−メチル
−8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス
(8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス(10
−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、
ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜
鉛、ビス(2−メチル−8−キノリナート)(o−クレ
ゾラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナ
ート)(1−ナフトラート)アルミニウム等があるが、
これらに限定されるものではない。また上記の含窒素五
員環誘導体としては、オキサゾール、チアゾール、オキ
サジアゾール、チアジアゾールもしくはトリアゾール誘
導体が好ましい。具体的には、2,5−ビス(1−フェ
ニル)−1,3,4−オキサゾール、2,5−ビス(1
−フェニル)−1,3,4−チアゾール、2,5−ビス
(1−フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2
−(4’−tert−ブチルフェニル)−5−(4”−
ビフェニル)1,3,4−オキサジアゾール、2,5−
ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾー
ル、1,4−ビス[2−(5−フェニルチアジアゾリ
ル)]ベンゼン、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,
3,4−トリアゾール、3−(4−ビフェニルイル)−
4−フェニル−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,
2,4−トリアゾール等があるが、これらに限定される
ものではない。さらに、ポリマー有機発光素子に使用さ
れるポリマー材料も使用することができる。例えば、ポ
リパラフェニレン及びその誘導体、フルオレン及びその
誘導体等である。
【0030】この電子輸送層12にはアルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、希土類をドープしてもよい。例えばセ
シウムをバソフェナントロリンにモル比1:1の割合で
ドープして電子輸送層12を形成したものを挙げること
ができる。
【0031】また、有機電界発光素子を構成する他の部
材、例えば、積層された素子を保持する基板10、陽極
1、陰極2等には、従来から使用されているものをその
まま用いることができる。また有機電界発光素子から光
を取り出す面上に、光散乱層、マイクロレンズ、プリズ
ム等を配置することもできる。
【0032】上記の基板10としては、発光層3で発光
された光が基板10を通して出射されるものである場合
には、光透過性を有するものが使用されるが、無色透明
のものの他に、多少着色されているものや、スリガラス
状のものであってもよい。例えば、ソーダライムガラ
ス、無アルカリガラスなどの透明ガラス板、ポリエステ
ル、ポリオレフィン、ポリアミド、エポキシ樹脂、フッ
素系樹脂などの樹脂から任意の方法で作製されたプラス
チックフィルムやプラスチック板などを用いることがで
きる。またさらに、基板10内に基板10の母材と屈折
率の異なる粒子、粉体、泡等を含有することによって、
光拡散効果を有するものを使用することも可能である。
また、発光層3で発光された光を基板10を通さずに出
射させる場合には、基板10は必ずしも光透過性を有す
るものでなくてもかまわない。そして有機電界発光素子
の発光特性、寿命特性等を損なわない限り、任意の基板
10を用いることができるものであり、特に通電時の有
機電界発光素子の発熱による温度上昇を低減するため
に、熱伝導性の高い基板10を用いることもできるもの
である。
【0033】上記の陽極1は素子にホールを注入するた
めの電極であり、この陽極1としては、仕事関数の大き
い金属、合金、電気伝導性化合物、あるいはこれらの混
合物からなる電極材料を用いるのが好ましく、特に仕事
関数が4eV以上の電極材料を用いるのが好ましい。こ
のような電極材料としては、具体的には、金などの金
属、CuI、ITO(インジウム−スズ酸化物)、Sn
2、ZnO、IZO(インジウム−亜鉛酸化物)等の
導電性透明材料があげられる。例えばこれらの電極材料
を基板10の上に真空蒸着法やスパッタリング法等の方
法で成膜することによって、陽極1を薄膜として作製す
ることができる。発光層3における発光を陽極1を透過
させて基板10から外部に照射する場合には、陽極1の
光透過率を70%以上にすることが好ましい。また、陽
極1のシート抵抗は数百Ω/□以下であることが好まし
く、特に100Ω/□以下であることが好ましい。さら
に陽極1の膜厚は、陽極1の光透過率、シート抵抗等の
特性を上記のように制御するために、材料により異なる
が、通常500nm以下に設定するのが好ましく、より
好ましくは10〜200nmの範囲である。
【0034】上記の陰極2は、発光層3中に電子を注入
するための電極であり、この陰極2としては、仕事関数
の小さい金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混
合物からなる電極材料を用いることが好ましく、仕事関
数が5eV以下の電極材料を用いるのが好ましい。この
ような電極材料としては、アルカリ金属、アルカリ金属
のハロゲン化物、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類
金属、希土類等や、これらと他の金属との合金などを用
いることができるものであり、例えばナトリウム、ナト
リウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、マグ
ネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合
物、アルミニウム−リチウム合金、Al/LiF混合物
などを例として挙げることができる。これらの他にアル
ミニウム、Al/Al23混合物なども使用可能であ
る。またアルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハロゲ
ン化物、あるいは金属酸化物を下地として用い、上記の
仕事関数が5eV以下である材料(あるいはこれらを含
有する合金)を1層以上積層して陰極2を作製すること
もできる。例えば、アルカリ金属/Alの積層、アルカ
リ金属のハロゲン化物/アルカリ土類金属/Alの積
層、Al23/Alの積層などを例として挙げることが
できる。またITO、IZOなどに代表される透明電極
で陰極2を作製し、発光層3で発光した光を陰極2の側
から取り出す構成に形成するようにしてもよい。さら
に、陰極2の界面の電子輸送層12にリチウム、ナトリ
ウム、セシウム、カルシウム等のアルカリ金属、アルカ
リ土類金属をドープしてもよい。
【0035】陰極2は、例えば上記の電極材料を、真空
蒸着法やスパッタリング法等の方法により、薄膜に形成
することによって作製することができる。また、発光層
3における発光を陰極2を透過させて外部に照射する場
合には、陰極2は光透過率を70%以上にすることが好
ましい。ここで、陰極2の膜厚は、陰極2の光透過率等
の特性を上記のように制御するために、材料により異な
るが、通常500nm以下に設定するのが好ましく、好
ましくは100〜200nmの範囲とするのがよい。ま
た、陰極金属の形成の際、蒸発源からの熱輻射の影響を
抑えるためには、さらに薄い50〜100nmの範囲と
するのがよい。蒸着速度を速くした場合、この厚みはよ
り厚くても構わない。さらにより好ましくは厚みを25
〜50nmの範囲とするのがよい。何故ならば、発光面
積が大きくなると、短絡による発光停止という問題が生
じ易くなるが、陰極金属の膜厚を薄くすることにより、
短絡部分の陰極金属が短絡時の刺激により取り除かれ、
その部分のみが光らなくなるオープンモードとなり、発
光部分全体の発光停止という不良を抑えることができる
のである。さらに、陰極2の上にAl等の金属をスパッ
タで積層したり、フッ素系化合物、フッ素系高分子、そ
の他の有機分子など高分子を、蒸着、スパッタ、CV
D、プラズマ重合、塗布した後に紫外線硬化させる方
法、熱硬化、その他の方法で形成することも可能であ
る。
【0036】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。尚、使用した発光性有機材料のエネルギーギャッ
プ、電子親和力(EA)、イオン化ポテンシャル(I
P)の値を表1にまとめて示し、発光層3a,3b,3
cの構成を表2にまとめて示す。
【0037】(実施例1)基板10として、厚み0.7
mmの透明ガラス板を用い、この基板10の一方の表面
に、ITO(インジウム−スズ酸化物)をスパッタして
シート抵抗7Ω/□の透明電極からなる陽極1を形成し
た。そしてこれをアセトン、純水、イソプロピルアルコ
ールで15分間超音波洗浄した後、乾燥させた。
【0038】次に、この基板10を真空蒸着装置にセッ
トし、1×10-6Torr(1.33×10-4Pa)の
減圧下、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェ
ニル−アミノ]ビフェニル(株式会社同仁化学研究所
製:以下α−NPDと略す)を1000Å厚に蒸着し、
陽極1の上にホール輸送層11を形成した。
【0039】次に、ホール輸送層11の上に、α−NP
DとDSA誘導体(出光興産社製「BCzVBi」:化
学式1)をモル比94:6の割合で100Å厚に共蒸着
し、発光性有機物質としてBCzVBiをドープした発
光層3aを形成した。またこの上にジスチリルビフェニ
ル誘導体(出光興産社製「DPVBi」:化学式2)と
ルブレン(化学式3)をモル比98:2の割合で50Å
厚に共蒸着し、発光性有機物質としてルブレンをドープ
した発光層3bを形成した。さらにこの上にDPVBi
とBCzVBiをモル比94:6の割合で400Å厚に
共蒸着し、発光性有機物質としてBCzVBiをドープ
した発光層3cを形成した。尚、上記の有機層の蒸着速
度はいずれも1〜2Å/sに設定した。
【0040】
【化2】
【0041】
【化3】
【0042】
【化4】
【0043】次に、発光層3cの上に、バソフェナント
ロリン(株式会社同仁化学研究所製:BCP)とCsを
モル比1:1で共蒸着して膜厚200Åの電子輸送層1
2を形成し、最後に、電子輸送層12の上にAlを10
Å/sの蒸着速度で厚み1500Å蒸着して陰極2を形
成することによって、図1のような構成の有機電界発光
素子を得た。
【0044】(実施例2)α−NPDとシグマアルドリ
ッチジャパン(Sigma Aldrich Japan K.K.)製:「クマ
リン6」をモル比98:2で膜厚100Åに共蒸着する
ことによって、発光性有機物質としてクマリン6をドー
プした発光層3aを形成し、DPVBiとイーストマン
コダック社製「DCJTB」をモル比98:2で膜厚5
0Åに共蒸着することによって、発光性有機物質として
DCJTBをドープした発光層3bを形成し、DPVB
iとBCzVBiをモル比94:6で膜厚400Åに共
蒸着することによって、発光性有機物質としてBCzV
Biをドープした発光層3cを形成するようにした他
は、実施例1と同様にして、図1のような構成の有機電
界発光素子を得た。
【0045】(比較例1)DPVBiとルブレンをモル
比98:2で膜厚100Åに共蒸着することによって、
発光性有機物質としてルブレンをドープした発光層3a
を形成し、発光層3bは形成せずに、発光層3cは実施
例1と同様に形成した。その他は実施例1と同様にし
て、有機電界発光素子を得た。
【0046】(比較例2)α−NPDとルブレンをモル
比98:2で膜厚100Åに共蒸着することによって、
発光性有機物質としてルブレンをドープした発光層3a
を形成し、DPVBiとBCzVBiをモル比94:6
で膜厚400Åに共蒸着することによって、発光性有機
物質としてBCzVBiをドープした発光層3bを形成
し、DPVBiとルブレンをモル比98:2で膜厚10
0Åに共蒸着することによって、発光性有機物質として
ルブレンをドープした発光層3cを形成するようにした
他は、実施例1と同様にして、有機電界発光素子を得
た。
【0047】(比較例3)α−NPDとBCzVBiを
モル比94:6で膜厚400Åに共蒸着することによっ
て、発光性有機物質としてBCzVBiをドープした発
光層3aを形成し、DPVBiとクマリン6をモル比9
8:2で膜厚100Åに共蒸着することによって、発光
性有機物質としてクマリン6をドープした発光層3bを
形成し、DPVBiとDCJTBをモル比98:2で膜
厚50Åに共蒸着することによって、発光性有機物質と
してDCJTBをドープした発光層3cを形成するよう
にした他は、実施例1と同様にして、有機電界発光素子
を得た。
【0048】
【表1】
【0049】上記の実施例1〜2及び比較例1〜3につ
いて、発光素子3a,3b,3cのそれぞれの組成をま
とめて、表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】また、上記の実施例1〜2及び比較例1〜
3について、発光素子3a,3b,3cにドープした発
光性有機材料のエネルギーギャップ、電子親和力(E
A)、イオン化ポテンシャル(IP)をまとめて表3に
示す。
【0052】
【表3】
【0053】上記のようにして実施例1〜2及び比較例
1〜3で得た有機電界発光素子について、発光色度、消
費電力、量子効率、素子半減寿命を測定し、結果を表4
に示した。
【0054】有機電界発光素子の色度は、CIE色度座
標で評価した。測定は、有機電界発光素子を電源(東陽
テクニカ社製「KEYTHLEY236モデル」)に接
続し、マルチチャンネルアナライザー(浜松ホトニクス
株式会社製「PMA−10」)を用いて、輝度200c
d/m2の条件で行なった。尚、輝度の測定はトプコン
株式会社製「BM−5A」で行なった。
【0055】有機電界発光素子の消費電力の測定は、有
機電界発光素子を電源(東陽テクニカ社製「KEYTH
LEY236モデル」)に接続し、200cd/m2
条件で発光させた状態における値から算出した。
【0056】有機電界発光素子の量子効率は、有機電界
発光素子の発光スペクトル、輝度、印加電圧、電流量か
ら定法に基づき算出した。
【0057】有機電界発光素子の半減寿命の測定は、初
期の発光輝度が200cd/m2になる電流値を予め決
定し、次いで定電流電源を用いて有機電界発光素子に所
定の電流を通電して、輝度が初期の半分の100cd/
2になるまでの時間を計測することによって行ない、
この時間を半減寿命とした。
【0058】
【表4】
【0059】表4にみられるように、実施例1〜2の有
機電界発光素子は、消費電力が少ないと共に量子効率が
高く、発光効率が優れるものであり、また半減寿命が長
く、長寿命化と高い発光効率を実現できることが確認さ
れた。
【0060】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る有
機電界発光素子は、陽極と陰極の間に、発光性有機物質
がドープされた有機材料よりなる発光層を備えた有機電
界発光素子において、異なる発光性有機物質がドープさ
れた有機材料よりなる少なくとも三層の発光層を備え、
最も陽極側に位置する発光層及び最も陰極側に位置する
発光層にドープされている発光性有機物質のエネルギー
ギャップの値が、これら以外の発光層にドープされてい
る発光性有機物質のエネルギーギャップの値より大きく
なるようにしたので、発光層にドープする発光性有機物
質のエネルギーギャップをこのように規定することによ
って、陰極側に位置する発光層から陽極側に位置する発
光層に効率よくエネルギーを移動させることができ、有
機電界発光素子の長寿命化と高い発光効率を実現するこ
とができるものである。
【0061】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、最も陽極側に位置する発光層にドープされている発
光性有機物質の電子親和力(EA)の値(単位eV)
が、この発光層に隣接する発光層にドープされている発
光性有機物質のEAの値よりも0.05eV以上小さく
なるようにしたので、発光層にドープする発光性有機物
質の電子親和力(EA)をこのように規定することによ
って、陰極から注入された電子が発光層を通過して陽極
側に通過してしまうことを防ぐことができ、有機電界発
光素子の長寿命化と高い発光効率を実現することができ
るものである。
【0062】また請求項3の発明は、請求項1又は2に
おいて、最も陰極側に位置する発光層にドープされてい
る発光性有機物質の電子親和力(EA)の値が、この発
光層に隣接する発光層にドープされている発光性有機物
質のEAの値以下になるようにしたので、発光層にドー
プする発光性有機物質の電子親和力(EA)をこのよう
に規定することによって、陰極から注入された電子が最
も陰極側に位置する発光層から隣接する発光層に効率よ
く注入されることになり、有機電界発光素子の長寿命化
と高い発光効率を実現することができるものである。
【0063】また請求項4の発明は、請求項1乃至3の
いずれかにおいて、最も陰極側に位置する発光層にドー
プされている発光性有機物質のイオン化ポテンシャル
(IP)の値(単位eV)が、この発光層に隣接する発
光層にドープされている発光性有機物質のIPの値より
も0.05eV以上大きくなるようにしたので、発光層
にドープする発光性有機物質のイオン化ポテンシャル
(IP)をこのように規定することによって、陽極から
注入されたホールが発光層を通過して陰極側に通過して
しまうことを防ぐことができ、有機電界発光素子の長寿
命化と高い発光効率を実現することができるものであ
る。
【0064】また請求項5の発明は、請求項1乃至4の
いずれかにおいて、最も陽極側に位置する発光層にドー
プされている発光性有機物質のイオン化ポテンシャル
(IP)の値が、この発光層に隣接する発光層にドープ
されている発光性有機物質のIPの値以上になるように
したので、発光層にドープする発光性有機物質のイオン
化ポテンシャル(IP)をこのように規定することによ
って、陽極から注入されたホールが最も陽極側に位置す
る発光層から隣接する発光層に効率よく注入されるよう
にすることができ、有機電界発光素子の長寿命化と高い
発光効率を実現することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機電界発光素子の一例の概略構成を示す正面
図である。
【図2】同上の発光層の概略構成を示す正面図である。
【符号の説明】
1 陽極 2 陰極 3 発光層 3a,3b,3c 発光層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 城戸 淳二 山形県米沢市中央2丁目6番6号 サンロ ード米沢中央408 (72)発明者 椿 健治 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 近藤 行廣 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 岸上 泰久 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 河野 謙司 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB03 AB11 DA06 DB03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極と陰極の間に、発光性有機物質がド
    ープされた有機材料よりなる発光層を備えた有機電界発
    光素子において、異なる発光性有機物質がドープされた
    有機材料よりなる少なくとも三層の発光層を備え、最も
    陽極側に位置する発光層及び最も陰極側に位置する発光
    層にドープされている発光性有機物質のエネルギーギャ
    ップの値が、これら以外の発光層にドープされている発
    光性有機物質のエネルギーギャップの値より大きいこと
    を特徴とする有機電界発光素子。
  2. 【請求項2】 最も陽極側に位置する発光層にドープさ
    れている発光性有機物質の電子親和力(EA)の値(単
    位eV)が、この発光層に隣接する発光層にドープされ
    ている発光性有機物質のEAの値よりも0.05eV以
    上小さいことを特徴とする請求項1に記載の有機電界発
    光素子。
  3. 【請求項3】 最も陰極側に位置する発光層にドープさ
    れている発光性有機物質の電子親和力(EA)の値が、
    この発光層に隣接する発光層にドープされている発光性
    有機物質のEAの値以下であることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の有機電界発光素子。
  4. 【請求項4】 最も陰極側に位置する発光層にドープさ
    れている発光性有機物質のイオン化ポテンシャル(I
    P)の値(単位eV)が、この発光層に隣接する発光層
    にドープされている発光性有機物質のIPの値よりも
    0.05eV以上大きいことを特徴とする請求項1乃至
    3のいずれかに記載の有機電界発光素子。
  5. 【請求項5】 最も陽極側に位置する発光層にドープさ
    れている発光性有機物質のイオン化ポテンシャル(I
    P)の値が、この発光層に隣接する発光層にドープされ
    ている発光性有機物質のIPの値以上であることを特徴
    とする請求項1乃至4のいずかに記載の有機電界発光素
    子。
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