JP4230732B2 - 白色有機電界発光素子の設計方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、白色発光の有機電界発光素子の設計方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有機電界発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)が低電圧で発光することは、イーストマン・コダック社のC.W.Tangらにより、電極間に二層の薄膜を積層した構成の素子において初めて示された(Appl.Phys.Lett.,51,12,913(1987))。そしてこれ以降、有機電界発光素子は、電池などの10V程度の低電圧で100〜100000cd/m程度の高輝度の発光が可能なこと、蛍光物質を構成する材料の組み合せで多数の色を発光させることが可能なこと、非常に薄い面発光体として使用可能なこと、などから産業界で注目され、素子構成に改良を加えた種々の薄膜構成の有機電界発光素子が検討されている。
【0003】
ここで、有機電界発光素子の素子構成は種々のものが提供されているが、代表的なものは陽極/ホール輸送層/有機発光層/電子輸送層/陰極の構成である。そして有機電界発光素子の発光の原理は、陽極と陰極に挟まれたホール輸送層及び電子輸送層とさらにその間の有機発光層に印加された電界をドライビングフォースとして電荷が移動し、またそれぞれの層の界面でのエネルギー障壁を越えて移動するが、その障壁を越えられないところでは電荷が捕獲され、そこで電子とホールの再結合が起こり、電気的エネルギーが光エネルギーに変換されると考えられている。このときの発光波長は再結合領域の材料のエネルギーバンドギャップにより決定されるものであり、従ってこれらの材料のバンドギャップ特性を考慮して、バランス良く再結合を起こす素子構造に設計することが必要である。
【0004】
ここで、有機電界発光素子を例えば画像ディスプレイに応用する場合には、有機電界発光素子としてRGBの三原色の三種類の発光色のものを必要とし、これらをマトリクス状に配置してフルカラーを発するような最適素子設計が要求され、また画像の解像度を上げるために高精細なドットピッチになることが要求される。この反面、有機電界発光素子は単色発光で良く、有機発光層は単層の場合が多いので、素子構造設計はそれ程の複雑さを必要としない。
【0005】
一方、有機電界発光素子を液晶のバックライトや、照明用の光源、超高精細マトリクスパネルなどに応用する場合には、白色発光の有機電界発光素子が必要になる。この白色発光の有機電界発光素子は、有機発光層を複数層の積層構成に形成し、各有機発光層からの発光色を混色して白色を発光させることによって実現することができる。このような積層型の有機電界発光素子の特徴は、発光面の全面が白色に発光するところにあり、非常誘導灯、電飾看板、液晶バックライトなどでは均一な白色面発光体が不可欠なので、これらの用途に特に適している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、有機発光層を複数層の積層構成に形成した有機電界発光素子において、色純度を決定する発光スペクトルは、各有機発光層を構成する有機ホスト材料とゲストの蛍光材料の比率や、膜厚などによって変化し、制御することは簡単ではない。従って、各有機発光層においてバランス良く発光色を得て、トータルとして所望の白色発光を得ることは困難であり、試行錯誤的な素子設計を行なわざるを得ず、白色発光の有機電界発光素子を設計するには多大の時間と労力を必要とするのが現状である。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、目標とする色純度の発光に効率良く設計することができる白色有機電界発光素子の設計方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る白色有機電界発光素子の設計方法は、ホール輸送層と、ホール及び電子の注入を持続することができる有機ホスト材料に発光色系統の異なる蛍光を発する2種類の蛍光材料を一種類ずつ含有する第一及び第二の2層の有機発光層と、電子輸送層とを、陽極と陰極の間に設けて形成される白色有機電界発光素子を設計するにあたって、
最も発光効率の低い蛍光材料を含有する有機発光層を第一の有機発光層に設定して、膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、数段階で変えた第一の有機発光層を調製すると共にこの第一の有機発光層を用いて複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光効率を測定し、測定された発光効率に基いて第一の有機発光層の膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を選定するようにした、第一の有機発光層の膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光効率をパラメーターとして設定するステップと、
膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、数段階で変えた第二の有機発光層を調製すると共に、上記ステップで膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率が設定された第一の有機発光層に第二の有機発光層を積層して複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光取出し色の色度を測定して色度座標値を求め、この色度座標値に基いて第二の有機発光層の膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を選定するようにした、第二の有機発光層の膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定するステップと、
上記の各ステップで膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率が設定された第一の有機発光層及び第二の有機発光層を積層すると共にこれにホール輸送層と電子輸送層を少なくとも一方の膜厚を数段階で変えて積層することによって複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光取出し色の色度を測定して色度座標値を求め、この色度座標値に基いてホール輸送層と電子輸送層の少なくとも一方の膜厚を選定するようにした、ホール輸送層と電子輸送層の少なくとも一方の膜厚を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定するステップと、
を有することを特徴とするものである。
【0010】
本発明の請求項2に係る白色有機電界発光素子の設計方法は、ホール輸送層と、ホール及び電子の注入を持続することができる有機ホスト材料に発光色系統の異なる蛍光を発する3種類の蛍光材料を一種類ずつ含有する第一乃至第三の3層の有機発光層と、電子輸送層とを、陽極と陰極の間に設けて形成される白色有機電界発光素子を設計するにあたって、
最も発光効率の低い蛍光材料を含有する有機発光層を第一の有機発光層に設定して、膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、数段階で変えた第一の有機発光層を調製すると共にこの第一の有機発光層を用いて複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光効率を測定し、測定された発光効率に基いて第一の有機発光層の膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を選定するようにした、第一の有機発光層の膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光効率をパラメーターとして設定するステップと、
膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、数段階で変えた第二の有機発光層を調製すると共に、上記ステップで膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率が設定された第一の有機発光層に第二の有機発光層を積層して複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光取出し色の色度を測定して色度座標値を求め、この色度座標値に基いて第二の有機発光層の膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を選定するようにした、第一の有機発光層に隣接する第二の有機発光層の膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定するステップと、
膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、数段階で変えた第三の有機発光層を調製すると共に、上記の各ステップで膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率が設定された第一の有機発光層と第二の有機発光層にさらに第三の有機発光層を積層して複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光取出し色の色度を測定して色度座標値を求め、この色度座標値に基いて第三の有機発光層の膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を選定するようにした、第三の有機発光層の膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定するステップと、
上記の各ステップで膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率が設定された第一乃至第三の有機発光層を積層すると共にこれにホール輸送層と電子輸送層を少なくとも一方の膜厚を数段階で変えて積層することによって複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光取出し色の色度を測定して色度座標値を求め、この色度座標値に基いてホール輸送層と電子輸送層の少なくとも一方の膜厚を選定するようにした、ホール輸送層と電子輸送層の少なくとも一方の膜厚を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定するステップと、
を有することを特徴とするものである。
【0011】
本発明の請求項3に係る白色有機電界発光素子の設計方法は、ホール輸送層と、ホール及び電子の注入を持続することができる有機ホスト材料に発光色系統の異なる蛍光を発する2種類の蛍光材料を一種類ずつ交互に含有する第一乃至第三の3層の有機発光層と、電子輸送層とを、陽極と陰極の間に設けて形成される白色有機電界発光素子を設計するにあたって、
最も発光効率の低い蛍光材料を含有する有機発光層を第一の有機発光層に設定して、膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、数段階で変えた第一の有機発光層を調製すると共にこの第一の有機発光層を用いて複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光効率を測定し、測定された発光効率に基いて第一の有機発光層の膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を選定するようにした、第一の有機発光層の膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光効率をパラメーターとして設定するステップと、
膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、数段階で変えた第二の有機発光層を調製すると共に、上記ステップで膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率が設定された第一の有機発光層に第二の有機発光層を積層して複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光取出し色の色度を測定して色度座標値を求め、この色度座標値に基いて第二の有機発光層の膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を選定するようにした、第一の有機発光層に隣接する第二の有機発光層の膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定するステップと、
膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、数段階で変えた第三の有機発光層を調製すると共に、上記の各ステップで膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率が設定された第一の有機発光層と第二の有機発光層にさらに第三の有機発光層を積層して複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光取出し色の色度を測定して色度座標値を求め、この色度座標値に基いて第三の有機発光層の膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を選定するようにした、第三の有機発光層の膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定するステップと、
上記の各ステップで膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率が設定された第一乃至第三の有機発光層を積層すると共にこれにホール輸送層と電子輸送層を少なくとも一方の膜厚を数段階で変えて積層することによって複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光取出し色の色度を測定して色度座標値を求め、この色度座標値に基いてホール輸送層と電子輸送層の少なくとも一方の膜厚を選定するようにした、ホール輸送層と電子輸送層の少なくとも一方の膜厚を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定するステップと、
を有することを特徴とするものである。
【0012】
また請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、上記の第一の有機発光層の膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を設定するステップが、
有機ホスト材料と蛍光材料の比率を数段階で変えた第一の有機発光層を調製すると共にこの第一の有機発光層を用いて複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光効率を測定することによって、測定された発光効率に基いて第一の有機発光層の有機ホスト材料と蛍光材料の比率を選定するようにした、発光効率をパラメーターとして有機ホスト材料と蛍光材料の比率を設定するステップと、
上記ステップで設定された有機ホスト材料と蛍光材料の一定比率で、膜厚を数段階で変えた第一の有機発光層を調製すると共に、この第一の有機発光層を用いて複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光効率と電圧特性を測定することによって、測定された発光効率と電圧特性に基いて第一の有機発光層の膜厚を選定するようにした、発光効率と電圧特性をパラメーターとして膜厚を設定するステップと、
からなることを特徴とするものである。
【0013】
また請求項5の発明は、請求項において、発光効率をパラメーターとして第一の有機発光層の有機ホスト材料と蛍光材料の比率を設定する方法が、複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光効率を測定し、発光効率が最大値になるように設定することであることを特徴とするものである。
【0015】
また請求項の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、第一の有機発光層に含有される有機ホスト材料と蛍光材料は、有機ホスト材料中の蛍光材料の比率と発光効率との関係を示す曲線が極大値を有するものであることを特徴とするものである。
【0016】
また請求項の発明は、請求項1、3乃至6のいずれかにおいて、第一の有機発光層は、発光スペクトルのピークが440nm〜520nmの間にあることを特徴とするものである。
【0017】
また請求項の発明は、請求項1、3乃至6のいずれかにおいて、第二の有機発光層は、発光スペクトルのピークが520nm〜620nmの間にあることを特徴とするものである。
【0018】
また請求項の発明は、請求項1乃至のいずれかにおいて、複数層の各有機発光層の合計膜厚が、白色有機電界発光素子を発光させるために印加する電圧を印加したときに、ホール及び電子の再結合の発生可能な領域の幅より大きいことを特徴とするものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
図1及び図2は白色有機電界発光素子Aの層構成の一例を示すものであり、透明ガラス板などで形成される基板1の上に透明導電膜などからなる陽極2を積層し、陽極2の上にホール輸送層3を介して有機発光層4を積層すると共に、さらにこの有機発光層4の上に電子輸送層5を介して陰極6が積層してある。これを基本構成として有機電界発光素子、すなわち有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)を形成することができるものであり、陽極2に正電圧を、陰極6に負電圧を印加すると、電子輸送層5を介して有機発光層4に注入された電子と、ホール輸送層3を介して有機発光層4に注入されたホールとが、有機発光層4内、又は有機発光層4とホール輸送層3の界面等にて再結合して発光が起こるものである。ここで、有機発光層4は複数層を積層した積層型に形成してあり、各有機発光層4からの発光色を混色することによって白色を発光させることができるようにしてある。
【0022】
上記の白色有機有機電界発光素子Aにおいて、基板1の上に積層される陽極2、ホール輸送層3、有機発光層4、電子輸送層5、陰極6の材料としては、従来から使用されている公知のものを適宜使用することができる。
【0023】
すなわち、陽極2は上記のように素子中にホールを注入するための電極であり、仕事関数の大きい金属、合金、電気伝導性化合物、あるいはこれらの混合物からなる電極材料を用いることが好ましく、仕事関数が4eV以上のものを用いるのがよい。このような陽極2の材料として具体的には、金などの金属、CuI、ITO、SnO、ZnO、IZO等の導電性透明材料を挙げることができる。陽極2は、これらの電極材料を、ガラスや透明樹脂等などの透明材料で形成される基板1の表面に、真空蒸着法やスパッタリング法等の方法により薄膜に形成することによって作製することができるものである。また、有機発光層4における発光を陽極2を透過させて外部に照射する場合には、陽極2の光透過率を10%以上の透明電極に形成することが好ましい。さらに、陽極2のシート抵抗は数百Ω/□以下とすることが好ましく、特に好ましくは100Ω/□以下とするものである。ここで、陽極2の膜厚は、陽極2の光透過率、シート抵抗等の特性を上記のように制御するために、材料により異なるが、500nm以下、好ましくは10〜200nmの範囲に設定するのがよい。
【0024】
一方、有機発光層4中に電子を注入するための電極である陰極6は、仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物からなる電極材料を用いることが好ましく、仕事関数が5eV以下のものであることが好ましい。このような陰極6の電極材料としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金、Al/Al混合物、Al/LiF混合物などを挙げることができる。この陰極6は、例えばこれらの電極材料を、真空蒸着法やスパッタリング法等の方法により、薄膜に形成することによって作製することができる。また、有機発光層4における発光を陰極6を透過させて外部に照射する場合には、陰極6の光透過率を10%以上にすることが好ましい。この場合の陰極6の膜厚は、陰極6の光透過率等の特性を上記のように制御するために、材料により異なるが、通常500nm以下、好ましくは100〜200nmの範囲とするのがよい。
【0025】
そして有機発光層4に使用できる有機ホスト材料や、有機ホスト材料にドーピングされる蛍光材料としては、アントラセン、ナフタレン、ピレン、テトラセン、コロネン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、トリス(5−フェニル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、トリ−(p−ターフェニル−4−イル)アミン、1−アリール−2,5−ジ(2−チエニル)ピロール誘導体、ピラン、キナクリドン、ルブレン、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、及び各種蛍光色素等があるが、これに限定されるものではない。有機発光層4の厚みは0.5〜500nm、更に好ましくは0.5〜200nmとするものである。
【0026】
またホール輸送層3を構成するホール輸送材料としては、ホールを輸送する能力を有し、陽極2からのホール注入効果を有するとともに、有機発光層4に対して優れたホール注入効果を有し、また電子のホール輸送層3への移動を防止し、かつ薄膜形成能力の優れた化合物を挙げることができる。具体的にはフタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)や4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)等の芳香族ジアミン化合物、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、テトラヒドロイミダゾール、ポリアリールアルカン、ブタジエン、4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、及びポリビニルカルバゾール、ポリシラン、ポリエチレンジオキサイドチオフェン(PEDOT)等の導電性高分子等の高分子材料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0027】
また電子輸送層5を構成する電子輸送材料としては、電子を輸送する能力を有し、陰極6からの電子注入効果を有するとともに、有機発光層4または発光材料に対して優れた電子注入効果を有し、さらにホールの電子輸送層5への移動を防止し、かつ薄膜形成能力の優れた化合物を挙げることができる。具体的には、フルオレン、バソフェナントロリン、バソクプロイン、アントラキノジメタン、ジフェノキノン、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、アントラキノジメタン等やそれらの化合物、金属錯体化合物もしくは含窒素五員環誘導体である。具体的には、金属錯体化合物としては、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリ(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリナート)(o−クレゾラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)(1−ナフトラート)アルミニウム等があるが、これらに限定されるものではない。また含窒素五員環誘導体としては、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾールもしくはトリアゾール誘導体が好ましい。具体的には、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−チアゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4’−tert−ブチルフェニル)−5−(4”−ビフェニル)1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルチアジアゾリル)]ベンゼン、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−トリアゾール、3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール等があるが、これらに限定されるものではない。さらに、ポリマー有機エレクトロルミネッセンス素子に使用されるポリマー材料も使用することができる。例えば、ポリパラフェニレン及びその誘導体、フルオレン及びその誘導体等である。
【0028】
そして、複数層構成の有機発光層4を用いて白色発光させるようにした有機電界発光素子Aを設計するにあたって、本発明では、各有機発光層4の膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光効率と発光取出し色の色度座標値をパラメーターとしてそれぞれ設定するステップと、設定された各有機発光層4の膜厚に合わせて、ホール輸送層3と電子輸送層5の少なくとも一方の膜厚を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定するステップと、から設計を行なうようにしたものである。
【0029】
この白色有機電界発光素子Aの設計方法を、まず請求項の発明について説明する。請求項の発明は、図1(a)に示すように、有機ホスト材料に発光色系統の異なる蛍光を発する2種類の蛍光材料を一種類ずつ含有する第一の有機発光層4a及び第二の有機発光層4bの2層構成に有機発光層4を形成したものであり、例えば黄色発光と青色発光、あるいは橙色発光と青色発光のように、発光混合色が白色になる二種類の色を発光させるように第一の有機発光層4a及び第二の有機発光層4bを形成することによって、白色発光の有機電界発光素子を得ることができるものである。そこでまず、CIEの色度座標等を用いて二色の混合色が白色になるように有機発光層4a,4bの各発光色を選択し、選択した発光色を呈する組み合わせの有機ホスト材料と蛍光材料を各有機発光層4a,4bにおいて選定する。
【0030】
ここで、CIEの色度座標において、いわゆる白色と呼ばれる領域は黒体軌跡の一定の領域であり、純粋な白色はこの黒体軌跡上に乗る。この白色を実現するためには、黒体軌跡と交差するような2色発光色を混合し、各発光色のバランスを調整することによって得ることができる。尚、この2色の座標の2点を結ぶ直線が黒体軌跡と交差しない場合においても、その2色で決定される発光色の座標を通る第3の発光色を混合し、その発光色と2色混合の発光色を結ぶ直線が黒体軌跡と交差する場合にも白色発光を実現することができる。発光色の再現領域は各発光色の位置するところがCIE座標のできるだけ広い範囲を覆うことにより実現するものであり、3色を結ぶ三角形の面積の最大のものが最も色再現性がよいとされている。
【0031】
上記のように二色の混合色が白色になる有機発光層4a,4bの各発光色を選択すると共に、有機発光層4a,4bがそれぞれ選択した発光色になるように有機ホスト材料と蛍光材料を選定するステップが第一のステップ(S1)となる。そして次に、2層の有機発光層4a,4bのうち一方を第一の有機発光層4aとして、この有機発光層4aの膜厚と、有機発光層4aを構成する有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光効率をパラメーターとして設定する。この第一の有機発光層4aは、有機発光層4a,4bのうち、発光効率の低い有機ホスト材料と蛍光材料からなるほうに設定されるものである。例えば黄色発光の材料と青色発光の材料や、橙色発光の材料と青色発光の材料とを比較すると、青色発光の材料のほうが発光効率が低いので、青色発光させる有機発光層4aを第一の有機発光層4aとするものである。
【0032】
そして第一の有機発光層4aの膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光効率をパラメーターとして設定するこのステップ(S2)は、まず発光効率をパラメーターとして有機ホスト材料と蛍光材料の比率を設定するステップ(S2−1)と、次いで設定されたこの有機ホスト材料と蛍光材料の比率に合わせて、発光効率と電圧特性をパラメーターとして膜厚を設定するステップ(S2−2)とからなるものである。
【0033】
まず発光効率をパラメーターとして第一の有機発光層4aの有機ホスト材料と蛍光材料の比率を設定するステップ(S2−1)について説明すると、有機ホスト材料に対して蛍光材料のドーピング比率を数段階で変えた複数種の第一の有機発光層4aを調製する。そして図2(a)のように透明ガラス板などの基板1の上に透明導電膜の陽極2、ホール輸送層3を介してこの第一の有機発光層4aを積層すると共に、さらに第一の有機発光層4aの上に電子輸送層5を介して陰極6を積層し、試験用の有機電界発光素子Bを作製する。この試験用有機電界発光素子Bにおいて、陽極2、ホール輸送層3、電子輸送層5、陰極6は、設計しようとする白色有機電界発光素子に使用する材料を用いて、標準的な膜厚で形成することができる。このとき有機ホスト材料に対して蛍光材料のドーピング比率を数段階で変えて調製した複数種の第一の有機発光層4aをそれぞれ用いて、試験用有機電界発光素子Bを作製するものである。このように作製した複数種の試験用有機電界発光素子Bにおいて、陽極2と陰極6の間に電圧を印加して発光させ、発光効率を測定する。そして発光効率が最大値を示す試験用有機電界発光素子Bに用いた第一の有機発光層4aの有機ホスト材料と蛍光材料の比率を選定し、第一の有機発光層4aの有機ホスト材料と蛍光材料の比率をこれに設定することができるものである。
【0034】
図4(a)は、有機ホスト材料に対して蛍光材料のドーピング比率を2質量%、4質量%、6質量%の3段階で変えて調製した3種類の第一の有機発光層4aをそれぞれ用いて、3数種の試験用有機電界発光素子Bを作製し、試験用有機電界発光素子Bを発光させたときの、有機ホスト材料に対する蛍光材料のドーピング比率と発光効率(視感効率)の関係の一例を示すものであり、有機ホスト材料に対する蛍光材料のドーピング比率が4質量%のものが最も発光効率が高い。従ってこの場合には第一の有機発光層4aの有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、ドーピング比率が4質量%になるように設定することができるものである。ここで、第一の有機発光層4aに含有される有機ホスト材料と蛍光材料の組み合わせは、有機ホスト材料中の蛍光材料の比率と発光効率との関係を示す曲線が、図4(a)にみられるように極大値を有するものであることが望ましい。このように極大値を有する曲線が得られると、曲線から有機ホスト材料と蛍光材料の最も好ましい比率を容易に得ることができるものである。
【0035】
次に、上記のようにして設定された第一の有機発光層4aの有機ホスト材料と蛍光材料の比率に合わせて、発光効率と電圧特性をパラメーターとして第一の有機発光層4aの膜厚を設定するステップ(S2−2)を説明する。まずステップ(S2−1)で設定された有機ホスト材料と蛍光材料の一定比率で、膜厚を数段階で変えた複数種の第一の有機発光層4aを調製する。そして上記と同様にして、図2(a)のように透明ガラス板などの基板1の上に透明導電膜の陽極2、ホール輸送層3を介してこの第一の有機発光層4aを積層すると共に、さらに第一の有機発光層4aの上に電子輸送層5を介して陰極6を積層し、試験用の有機電界発光素子Bを作製する。このとき膜厚を数段階で変えた複数種の第一の有機発光層4aについて、それぞれ試験用有機電界発光素子Bを作製するものである。このように作製した複数種の試験用有機電界発光素子Bおいて、陽極2と陰極6の間に電圧を印加して発光させ、発光効率と電圧特性を測定する。ここで図3に示すように、発光効率は第一の有機発光層4aの膜厚が厚くなるに従って高くなるが、膜厚がある程度厚くなると飽和する傾向にあり、一方、発光させるのに必要な電圧は第一の有機発光層4aの膜厚が厚くなるに従って高くなる。そこで、発光効率が高く、低い電圧で発光ができるように、発光効率と電圧特性のバランスがとれた膜厚を選定し、第一の有機発光層4aの膜厚をこれに設定することができるものである。
【0036】
上記のようにステップ(S2)で第一の有機発光層4aの膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を決定した後、この設定された第一の有機発光層4aの膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率に合わせて、第二の有機発光層4bの膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定する。このステップ(S3)では、上記のようにステップ(S2)で設定された膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を有する第一の有機発光層4aに第二の有機発光層4bを積層し、図2(b)のように透明ガラス板などの基板1の上に透明導電膜の陽極2、ホール輸送層3を介してこの第一の有機発光層4aと第二の有機発光層4bを積層すると共に、さらにこの上に電子輸送層5を介して陰極6を積層し、試験用の有機電界発光素子Bを作製する。この試験用有機電界発光素子Bにおいて、陽極2、ホール輸送層3、電子輸送層5、陰極6は図2(a)のものと同様に形成するものである。
【0037】
ここで、第二の有機発光層4bとして、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を数段階で変えたものや、膜厚を数段階で変えたものを用いて、試験用の有機電界発光素子Bを作製するものである。すなわち、まず有機ホスト材料と蛍光材料の比率を数段階で変えた複数種の第二の有機発光層4bについて、試験用有機電界発光素子Bを複数種作製し、各試験用有機電界発光素子Bの陽極2と陰極6の間に電圧を印加してそれぞれ発光させ、基板1を通して取り出される発光取出し色の色度を色度計で測定し、CIEの色度座標値を求める。そして発光取出し色が最も白色に近い色度座標値を示す試験用有機電界発光素子Bにおける第二の有機発光層4bの有機ホスト材料と蛍光材料の比率を選定し、第二の有機発光層4bの有機ホスト材料と蛍光材料の比率をこれに設定することができるものである。次に、このように設定された有機ホスト材料と蛍光材料の一定比率で、膜厚を数段階で変えた複数種の第二の有機発光層4bについて、試験用有機電界発光素子Bを複数種作製し、同様に各試験用有機電界発光素子Bをそれぞれ発光させ、基板1を通して取り出される発光取出し色の色度を色度計で測定して色度座標値を求め、発光取出し色が最も白色に近い色度座標値を示す試験用有機電界発光素子Bにおける第二の有機発光層4bの膜厚を選定し、第二の有機発光層4bの膜厚をこれに設定することができるものである。
【0038】
このようにステップ(S3)は、第二の有機発光層4bの有機ホスト材料と蛍光材料の比率を設定するステップと、第二の有機発光層4bの膜厚を設定するステップの二つのステップで行なうことができるが、ステップ(S3)を一つのステップで行なうこともできる。すなわち、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を数段階に変えたものと、膜厚を数段階に変えたものとをマトリックス状に組み合せて変化させた複数種の第二の有機発光層4bについて、試験用有機電界発光素子Bを複数種作製する。そして上記と同様に各試験用有機電界発光素子Bをそれぞれ発光させ、基板1を通して取り出される発光取出し色の色度を色度計で測定して色度座標値を求め、発光取出し色が最も白色に近い色度座標値を示す試験用有機電界発光素子Bにおける、第二の有機発光層4bの膜厚と、有機ホスト材料と蛍光材料の比率の組み合わせを選定し、第二の有機発光層4bの膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率をこれらに設定することができるものである。尚、ステップ(S3)において、試験用有機電界発光素子Bを発光させて発光取出し色を測定する際に、色度座標の白色への近さがほぼ同じものが複数ある場合には、発光効率を測定して発光効率が優れたほうを選択するのが好ましい。
【0039】
ここで、第一及び第二の有機発光層4a,4bの膜厚や有機ホスト材料と蛍光材料の比率を設定するにあたって、上記のように発光効率が低いほうの第一の有機発光層4aの膜厚や有機ホスト材料と蛍光材料の比率を設定した後、発光効率が高いほうの第二の有機発光層4bの膜厚や有機ホスト材料と蛍光材料の比率を決めるようにするのが好ましい。これは、有機発光層4a,4bを積層して上記のように試験用有機電界発光素子Bを発光させて発光取出し色の色度座標値を測定するにあたって、発光効率が低いほうの第一の有機発光層4aの膜厚や有機ホスト材料と蛍光材料の比率を確定した状態で、発光効率が高いほうの第二の有機発光層4bの膜厚や有機ホスト材料と蛍光材料の比率を変えることによって、発光取出し色の調整をより精度高く行なうことができるからである。
【0040】
また、第一の有機発光層4aを青色発光に、第二の有機発光層4bを黄色発光に形成する場合、第一の有機発光層4aの発光スペクトルのピークが440nm〜520nmの間に入るように、さらに第二の有機発光層4bの発光スペクトルのピークが520nm〜620nmの間に入るように、第一及び第二の有機発光層4a,4bを形成することによって、発光混合色が白色になるように調整する上記の設定が容易になるものである。
【0041】
次に、上記のようにステップ(S2)及び(S3)で第一の有機発光層4aと第二の有機発光層4bについて膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を決定した後、この設定された第一及び第二の有機発光層4a,4bに合わせて、ホール輸送層3や電子輸送層5の膜厚を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定する。このステップ(S4)では、ホール輸送層3と電子輸送層5のうち、一方の層の膜厚を標準的な膜厚で予め決めておいて、他方の層の膜厚を発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定するようにすることができる。例えば発光した光を陽極2及び基板1を通して外部に取り出す場合、ホール輸送層3の膜厚によっては光学干渉が生じ、発光色の色度座標値が変化することがあるので、電子輸送層5の膜厚を標準的な膜厚で予め決めておいて、ホール輸送層3の膜厚を発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定する。
【0042】
この場合のステップ(S4)を説明する。まず上記のようにステップ(S2)及び(S3)で設定された膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を有する第一の有機発光層4a及び第二の有機発光層4bを、図2(b)と同様に、透明ガラス板などの基板1の上の透明導電膜の陽極2にホール輸送層3を介して積層すると共に、さらにこの上に電子輸送層5を介して陰極6を積層し、試験用の有機電界発光素子Bを作製する。このとき膜厚を数段階で変えた複数種のホール輸送層3について、それぞれ試験用有機電界発光素子Bを作製するものである。このように作製した複数種の試験用有機電界発光素子Bにおいて、陽極2と陰極6の間に電圧を印加して発光させ、基板1を通して取り出される発光取出し色の色度を色度計で測定し、CIEの色度座標値を求める。そして発光取出し色が最も白色に近い色度座標値を示す試験用有機電界発光素子Bにおけるホール輸送層3の膜厚を選定し、ホール輸送層3の膜厚をこれに設定することができるものである。
【0043】
以上のように各ステップ(S1)〜(S4)を踏んで各層の厚みや材料比率を設定することによって、発光色が白色の色純度に最も近くなるように、効率良く設計することができるものであり、図1(a)の構成の白色発光の有機電界発光素子Aを容易に作製することができるものである。ここで、第一及び第二の有機発光層4a,4bはどちらを陽極2に近い側に配置してもよく、第一及び第二の有機発光層4a,4bを設ける順番は任意である。
【0044】
次に、白色有機電界発光素子Aの設計方法を、請求項の発明について説明する。請求項の発明は、図1(b)のように、有機ホスト材料に発光色系統の異なる蛍光を発する3種類の蛍光材料を一種類ずつ含有する第一乃至第三の有機発光層4a,4b,4cの3層構成に有機発光層4を形成したものであり、例えばRGBの光の三原色の各色を発光させるように第一の有機発光層4a、第二の有機発光層4b、第三の有機発光層4cを形成することによって、混合色が白色となる白色発光の有機電界発光素子を得ることができる。また既述のようにCIE色度座標から選んだ三色を混合することによって白色発光を実現することもできる。そこでまず、三色の混合色が白色になるように有機発光層4a,4b,4cの各発光色を選択し、選択した発光色を呈する組み合わせの有機ホスト材料と蛍光材料を各有機発光層4a,4b,4cにおいて選定する。
【0045】
上記のように三色の混合色が白色になる有機発光層4a,4b,4cの各発光色を選択すると共に、有機発光層4a,4b,4cがそれぞれ選択した発光色になるように有機ホスト材料と蛍光材料を選定するステップが第一のステップ(S1)となる。そして次に、3層の有機発光層4a,4b,4cのうち最も発光効率の低い有機ホスト材料と蛍光材料からなるものを第一の有機発光層4aとして、この有機発光層4aの膜厚と、有機発光層4aを構成する有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光効率をパラメーターとして設定する。例えばRGBの組み合わせのように赤色発光の材料と緑色発光の材料と青色発光の材料とを比較すると、一般に青色発光の材料が最も発光効率が低く、次に赤色発光の材料の発光効率が低いので、青色発光させる有機発光層4aを第一の有機発光層4aとするものである。この第一の有機発光層4aの膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を発光効率をパラメーターとして設定するステップ(S2)は、既述のステップ(S2)と同様にして行なうことができる。
【0046】
上記のようにステップ(S2)で第一の有機発光層4aの膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を決定した後、この設定された第一の有機発光層4aの膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率に合わせて、第一の有機発光層4aに隣接する第二の有機発光層4bの膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定する。この第二の有機発光層4bは、3層の有機発光層4a,4b,4cのうち二番目に発光効率の低い有機ホスト材料と蛍光材料からなるものである。そしてこのステップ(S3)では、上記のように設定された膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を有する第一の有機発光層4aに第二の有機発光層4bを積層し、既述の図2(b)と同様に、透明ガラス板などの基板1の上に透明導電膜の陽極2、ホール輸送層3を介してこの第一の有機発光層4aと第二の有機発光層4bを積層すると共に、さらにこの上に電子輸送層5を介して陰極6を積層し、試験用の有機電界発光素子Bを作製する。
【0047】
ここで、このステップ(S3)は既述のステップ(S3)と同様にして行なうことができる。すなわち、第二の有機発光層4bとして、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を数段階に変えたもの、膜厚を数段階に変えたもの、あるいは有機ホスト材料と蛍光材料の比率及び膜厚をマトリックス状に組み合せて変えたものについて、試験用有機電界発光素子Bを複数種作製し、この各試験用有機電界発光素子Bをそれぞれ発光させ、基板1を通して取り出される発光取出し色の色度を色度計で測定して色度座標値を求めることによって行なうことができるものである。このとき、既述のステップ(S3)では試験用有機電界発光素子Bを発光させて取り出される発光色の色度座標値が最も白色に近い色度座標値を示すものを選定したが、ステップ(S3)においても同様に、発光色の色度座標値が最も白に近い色度座標値を示す試験用有機電界発光素子Bにおける、第二の有機発光層4bの有機ホスト材料と蛍光材料の比率や、膜厚を選定し、第二の有機発光層4bの膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率をこれらに設定することができるものである。
【0048】
上記のようにステップ(S3)で第一の有機発光層4aと第二の有機発光層4bについて、それぞれ膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を決定した後、この設定された第一と第二の有機発光層4a,4bの膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率に合わせて、第三の有機発光層4cの膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定する。このステップ(S4)では、上記のようにステップ(S3)で設定された膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を有する第一と第二の有機発光層4a,4bにさらに第三の有機発光層4cを積層し、図2(c)のように透明ガラス板などの基板1の上に透明導電膜の陽極2、ホール輸送層3を介してこの3層の有機発光層4a,4b,4cを積層すると共に、さらにこの上に電子輸送層5を介して陰極6を積層し、試験用の有機電界発光素子Bを作製する。この試験用有機電界発光素子Bにおいて、陽極2、ホール輸送層3、電子輸送層5、陰極6は図2(a)(b)のものと同様に形成するものである。
【0049】
ここで、このステップ(S4)は、3層の有機発光層4a,4b,4cを積層した有機電界発光素子Bを作製するようにした他は、上記のステップ(S3)と同様にして行なうことができる。すなわち、第三の有機発光層4cとして、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を数段階に変えたもの、膜厚を数段階に変えたもの、あるいは有機ホスト材料と蛍光材料の比率及び膜厚をマトリックス状に組み合せて変えたものについて、試験用有機電界発光素子Bを複数種作製し、この各試験用有機電界発光素子Bをそれぞれ発光させ、基板1を通して取り出される発光取出し色の色度を色度計で測定して色度座標値を求めることによって行なうことができるものである。そして発光色の色度座標値が最も白色に近い色度座標値を示す試験用有機電界発光素子Bにおける、第三の有機発光層4cの有機ホスト材料と蛍光材料の比率や、膜厚を選定し、第三の有機発光層4cの膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率をこれらに設定することができるものである。
【0050】
上記のようにステップ(S4)で第一乃至第三の有機発光層4a,4b,4cについて膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を決定した後、この設定された第一乃至第三の有機発光層4a,4b,4cに合わせて、ホール輸送層3や電子輸送層5の膜厚を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定する。このステップ(S5)は、図2(c)の積層構成に試験用有機電界発光素子Bを作製するようにする他は、既述のステップ(S4)と同様にして行なうことができる。
【0051】
以上のように各ステップ(S1)〜(S5)を踏んで各層の厚みや材料比率を設定することによって、発光色が白色の色純度に最も近くなるように、効率良く設計することができるものであり、図1(b)の構成の白色発光の有機電界発光素子Aを容易に作製することができるものである。ここで、第一乃至第三の有機発光層4a,4b,4cはどれを陽極2に最も近い側に配置するようにしてもよく、また第一乃至第三の有機発光層4a,4b,4cを設ける順番は任意である。
【0052】
次に、白色有機電界発光素子Aの設計方法を、請求項の発明について説明する。請求項の発明は、図1(b)のように、有機ホスト材料に発光色系統の異なる蛍光を発する2種類の蛍光材料を一種類ずつ交互に含有する第一乃至第三の有機発光層4a,4b,4cの3層構成に有機発光層4を形成したものである。例えば黄色発光と青色発光、あるいは橙色発光と青色発光のように、発光混合色が白色になる二種類の色において、第一乃至第三の有機発光層4a,4b,4cのうち、第一の有機発光層4aと第三の有機発光層4cが一方の色を発光し、第二の有機発光層4bが他方の色を発光するように形成することによって、白色発光の有機電界発光素子を得ることができるものである。そこでまず、CIEの色度座標等を用いて二色の混合色が白色になるように有機発光層4a,4b,4cの各発光色を選択し、選択した発光色を呈する組み合わせの有機ホスト材料と蛍光材料を各有機発光層4a,4b,4cにおいて選定する。
【0053】
上記のように二色の混合色が白色になる有機発光層4a,4b,4cの各発光色を選択すると共に、有機発光層4a,4b,4cがそれぞれ選択した発光色になるように有機ホスト材料と蛍光材料を選定するステップが第一のステップ(S1)となる。そして次に、3層の有機発光層4a,4b,4cのうち発光効率の低いほうの有機ホスト材料と蛍光材料からなるものを第一の有機発光層4aとして、この有機発光層4aの膜厚と、有機発光層4aを構成する有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光効率をパラメーターとして設定する。例えば黄色発光の材料と青色発光の材料や、橙色発光の材料と青色発光の材料を比較すると、青色発光の材料のほうが発光効率が低いので、青色発光させる有機発光層4aを第一の有機発光層4aとするものであり、この場合には第一の有機発光層4aと第三の有機発光層4cがともに青色発光となる。この第一の有機発光層4aの膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を発光効率をパラメーターとして設定するステップ(S2)は、既述のステップ(S2)と同様にして行なうことができる。
【0054】
上記のように第一の有機発光層4aの膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を決定した後、この設定された第一の有機発光層4aの膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率に合わせて、第一の有機発光層4aに隣接する第二の有機発光層4bの膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定する。このステップ(S3)では、上記のように設定された膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を有する第一の有機発光層4aに第二の有機発光層4bを積層し、既述の図2(b)と同様に、透明ガラス板などの基板1の上に透明導電膜の陽極2、ホール輸送層3を介してこの第一の有機発光層4aと第二の有機発光層4bを積層すると共に、さらにこの上に電子輸送層5を介して陰極6を積層し、試験用の有機電界発光素子Bを作製する。
【0055】
ここで、このステップ(S3)は既述のステップ(S 3)と同様にして行なうことができる。すなわち、第二の有機発光層4bとして、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を数段階に変えたもの、膜厚を数段階に変えたもの、あるいは有機ホスト材料と蛍光材料の比率及び膜厚をマトリックス状に組み合せて変えたものについて、試験用有機電界発光素子Bを複数種作製し、この各試験用有機電界発光素子Bをそれぞれ発光させ、基板1を通して取り出される発光取出し色の色度を色度計で測定して色度座標値を求めることによって行なうことができるものである。そして発光色の色度座標値が最も白に近い色度座標値を示す試験用有機電界発光素子Bにおける、第二の有機発光層4bの有機ホスト材料と蛍光材料の比率や、膜厚を選定し、第二の有機発光層4bの膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率をこれらに設定することができるものである。
【0056】
上記のようにステップ(S3)で第一の有機発光層4aと第二の有機発光層4bについて、それぞれ膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を決定した後、この設定された第一と第二の有機発光層4a,4bの膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率に合わせて、第三の有機発光層4cの膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定する。このステップ(S4)では、上記のようにステップ(S3)で設定された膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を有する第一と第二の有機発光層4a,4bにさらに第三の有機発光層4cを積層し、図2(c)のように透明ガラス板などの基板1の上に透明導電膜の陽極2、ホール輸送層3を介してこの3層の有機発光層4a,4b,4cを積層すると共に、さらにこの上に電子輸送層5を介して陰極6を積層し、試験用の有機電界発光素子Bを作製する。この試験用有機電界発光素子Bにおいて、陽極2、ホール輸送層3、電子輸送層5、陰極6は図2(a)(b)のものと同様に形成するものである。
【0057】
ここで、このステップ(S4)は、既述のステップ(S4)と同様にして行なうことができる。すなわち、第三の有機発光層4cとして、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を数段階に変えたもの、膜厚を数段階に変えたもの、あるいは有機ホスト材料と蛍光材料の比率及び膜厚をマトリックス状に組み合せて変えたものについて、試験用有機電界発光素子Bを複数種作製し、この各試験用有機電界発光素子Bをそれぞれ発光させ、基板1を通して取り出される発光取出し色の色度を色度計で測定して色度座標値を求めることによって行なうことができるものである。そして発光色の色度座標値が最も白色に近い色度座標値を示す試験用有機電界発光素子Bにおける、第三の有機発光層4cの有機ホスト材料と蛍光材料の比率や、膜厚を選定し、第三の有機発光層4cの膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率をこれらに設定することができるものである。
【0058】
尚、第一の有機発光層4a及び第三の有機発光層4cを青色発光に、第二の有機発光層4bを黄色発光に形成する場合、第一及び第三の有機発光層4a,4cの発光スペクトルのピークが440nm〜520nmの間に入るように、さらに第二の有機発光層4bの発光スペクトルのピークが520nm〜620nmの間に入るように、第一乃至第三の有機発光層4a,4b,4cを形成することによって、発光混合色が白色になるように調整する上記の設定が容易になるものである。
【0059】
上記のようにステップ(S2)〜(S4)で第一乃至第三の有機発光層4a,4b,4cについて膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を決定した後、この設定された第一乃至第三の有機発光層4a,4b,4cに合わせて、ホール輸送層3や電子輸送層5の膜厚を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定する。このステップ(S5)は、図2(c)の積層構成に試験用有機電界発光素子Bを作製するようにする他は、既述のステップ(S4)と同様にして行なうことができる。
【0060】
以上のように各ステップ(S1)〜(S5)を踏んで各層の厚みや材料比率を設定することによって、発光色が白色の色純度に最も近くなるように、効率良く設計することができるものであり、図1(b)の構成の白色発光の有機電界発光素子Aを容易に作製することができるものである。ここで、第一乃至第三の有機発光層4a,4b,4cは、2種の蛍光材料を一種類ずつ交互に含有するようにしていれば、どれを陽極2に最も近い側に配置するようにしてもよく、また第一乃至第三の有機発光層4a,4b,4cを設ける順番は任意である。
【0061】
上記の各請求項の発明にあって、有機発光層4を2層積層構成の有機発光層4a,4bで形成する場合、3層積層構成の有機発光層4a,4b,4cで形成する場合のいずれにおいても、複数層の各有機発光層4の合計膜厚が、白色有機電界発光素子を発光させるために印加する電圧を印加したときに、ホール及び電子の再結合の発生可能な領域より大きくなるように設計して設定するのが好ましい。このように設定することによって、発光効率を高く得ることができるものである。
【0062】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0063】
(実施例1)
請求項の2層積層構成の有機発光層4a,4bを有する白色有機電界発光素子Aを設計するにあたって、まず、第一の有機発光層4aの発光色を青色発光に、第二の有機発光層4bの発光色を黄色発光に選択し、そして第一の有機発光層4aの材料として有機ホスト材料をジスチリルビフェニル誘導体の「DPBVi」、蛍光材料を末端にカルバゾリル基を有するDSA誘導体「BCZVBi」の組み合わせで選定し、第二の有機発光層4bの材料として有機ホスト材料をケミプロ化成社製「α−NPD」、蛍光材料をアクロス社製「ルブレン」の組み合わせで選定した。(ステップS1)
次に、基板1及び陽極2として、厚み0.7mmのガラス基板1の表面にITO(インジウム−スズ酸化物)を厚み240nmにスパッタリングしてシート抵抗7Ω/□の陽極2を形成したITOガラス基板(三容真空社製)を用いた。そして陽極2の上にα−NPDを50nmの厚みで蒸着してホール輸送層3を形成し、この上に厚み10nmの第一の有機発光層4aを蒸着して形成し、さらにこの上にバソクプロイン(BCP)とNaを1:1に共蒸着して電子輸送層5を形成し、さらにこの上にAlを100nmの厚みで蒸着して陰極6を形成し、図2(a)のような試験用有機電界発光素子Bを作製した。このとき、有機ホスト材料「DPVBi」に対して蛍光材料「BCzVBi」を2質量%、4質量%、6質量%の比率でドーピングした3種類の第一の有機発光層4aを形成し、3種類の試験用有機電界発光素子Bを作製した。
【0064】
そして、3種類の試験用有機電界発光素子Bについて、陽極2と陰極6の間に電圧を印加して発光させ、電流−電圧−輝度特性を求めて発光効率を測定した。発光効率の測定は視感効率を測定することによって行ない、視感効率は浜松フォトニクス社製「マルチチャンネルアナライザーPMA−10」での輝度測定から光束を換算して求め、図4(a)の結果を得た。図4(a)にみられるように、有機ホスト材料「DPVBi」に対する蛍光材料「BCzVBi」のドーピング比率は4質量%が最も発光効率が高い。従って第一の有機発光層4aの有機ホスト材料「DPVBi」に対する蛍光材料「BCzVBi」の比率を4質量%に設定した。(ステップS2−1)
次に、有機ホスト材料「DPVBi」に対する蛍光材料「BCzVBi」の比率を4質量%に設定して第一の有機発光層4aを蒸着形成するようにした他は、上記と同様にして図2(a)のような試験用有機電界発光素子Bを作製した。このとき、膜厚20nm,30nm,50nmの3種類の第一の有機発光層4aを形成し、3種類の試験用有機電界発光素子Bを作製した。
【0065】
そして、3種類の試験用有機電界発光素子Bについて、陽極2と陰極6の間に電圧を印加して発光させ、発光効率と電圧特性を測定した。発光効率に関する視感効率の測定結果は図4(b)の通りであり、発光効率と電圧特性のバランスがとれた膜厚として、第一の有機発光層4aの膜厚を30nmに設定した。(ステップS2−2)
次に、有機ホスト材料「DPVBi」に対する蛍光材料「BCzVBi」の比率を4質量%、膜厚を30nmに設定して第一の有機発光層4aを蒸着形成すると共に、この上に第二の有機発光層4bを蒸着形成するようにした他は、上記と同様にして図2(b)のような試験用有機電界発光素子Bを作製した。このとき、有機ホスト材料「α−NPD」に対する蛍光材料「ルブレン」のドーピング比率を1質量%、2質量%、3質量%の3段階に変化させたものと、膜厚を5nm、10nm、15nmの3段階に変化させたものの組み合わせで、9種類の第二の有機発光層4bを形成し、9種類の試験用有機電界発光素子Bを作製した。
【0066】
そして、9種類の試験用有機電界発光素子Bについて、陽極2と陰極6の間に電圧を印加して発光させ、基板1からの取出し色の色度座標を浜松ホトニクス社製「マルチチャンネルアナライザーPMA−10」で測定した。その結果、有機ホスト材料「α−NPD」に対する蛍光材料「ルブレン」の比率2質量%、膜厚10nmの第二の有機発光層4bで最も白色色度の高いCIE色度座標を得たので、第二の有機発光層4bの有機ホスト材料「α−NPD」に対する蛍光材料「ルブレン」の比率を2質量%、第二の有機発光層4bの膜厚を10nmに設定した。(ステップS3)
次に、有機ホスト材料「DPVBi」に対する蛍光材料「BCzVBi」の比率を4質量%、膜厚を30nmに設定して第一の有機発光層4aを蒸着形成すると共に、有機ホスト材料「α−NPD」に対する蛍光材料「ルブレン」の比率を2質量%、膜厚を10nmに設定して第二の有機発光層4bを蒸着形成するようにした他は、上記と同様にして図2(b)のような試験用有機電界発光素子Bを作製した。このとき、膜厚120nm,140nm,160nmの3種類のホール輸送層3を形成し、3種類の試験用有機電界発光素子Bを作製した。
【0067】
そして、3種類の試験用有機電界発光素子Bについて、陽極2と陰極6の間に4.5Vの電圧を印加して発光させ、基板1からの取出し色の色度座標を浜松ホトニクス社製「マルチチャンネルアナライザーPMA−10」で測定した。その結果、ホール輸送層3の膜厚140nmで、最も白色色度の高いCIE色度座標(0.30,0.38)を得たので、ホール輸送層3の膜厚を140nmに設定した。(ステップS4)
以上のようにして、図1(a)に示す構成の、発光取出し色の色度座標が(0.30,0.38)である白色有機電界発光素子を設計した。
【0068】
(実施例2)
第二の有機発光層4bとして、有機ホスト材料を「α−NPD」、蛍光材料をイーストマンコダック社製商品名「DCJTB」を組み合わせた橙色発光に選定するようにした他は、実施例1と同様にした。
【0069】
そしてこの実施例2では、ステップ(S2−1)において、第一の有機発光層4aの有機ホスト材料「DPVBi」に対する蛍光材料「BCzVB」の比率を5質量%に設定し、ステップ(S2−2)において、第一の有機発光層4aの膜厚を30nmに設定した。またステップ(S3)において、第二の有機発光層4bの膜厚を10nm、有機ホスト材料「α−NPD」に対する蛍光材料「DCJTB」の比率を4質量%に設定した。さらにステップ(S4)においてホール輸送層3の膜厚を140nmに設定した。
【0070】
以上のようにして、図1(a)に示す構成の、発光取出し色の色度座標が(0.33,0.31)である白色有機電界発光素子を設計した。
【0071】
(実施例3)
請求項の3層積層構成の有機発光層4a,4b,4cを有する白色有機電界発光素子Aを設計するにあたって、まず、第一の有機発光層4aの発光色を青色発光に、第二の有機発光層4bの発光色を黄色発光に、第三の有機発光層4cの発光色を青色発光に選択し、そして第一の有機発光層4aの材料として有機ホスト材料を「DPBVi」、蛍光材料を「BCzVBi」の組み合わせで選定し、第二の有機発光層4bの材料として有機ホスト材料を「DPBVi」、蛍光材料を「ルブレン」の組み合わせで選定し、第三の有機発光層4cの材料として有機ホスト材料を「α−NPD」、蛍光材料を「BCzVBi」の組み合わせで選定した。(ステップS1)
次に、基板1及び陽極2として実施例1と同じITOガラス基板(三容真空社製)を用い、陽極2の上にα−NPDを50nmの厚みで蒸着してホール輸送層3を形成し、この上に厚み10nmの第一の有機発光層4aを蒸着して形成し、さらにこの上にバソクプロイン(BCP)とNaを1:1に共蒸着して電子輸送層5を形成し、さらにこの上にAlを100nmの厚みで蒸着して陰極6を形成し、図2(a)のような試験用有機電界発光素子Bを作製した。このとき、有機ホスト材料「DPVBi」に対して蛍光材料「BCzVBi」を2質量%、4質量%、6質量%の比率でドーピングした3種類の第一の有機発光層4aを形成し、3種類の試験用有機電界発光素子Bを作製した。そして実施例1のステップ(S2−1),(S2−2)と同様にして、第一の有機発光層4aの有機ホスト材料「DPVBi」に対する蛍光材料「BCzVBi」の比率を4質量%、第一有機発光層4aの膜厚を30nmに設定した。(ステップS2−1,ステップS2−2)
次に、有機ホスト材料「DPVBi」に対する蛍光材料「BCzVBi」の比率を4質量%、膜厚を30nmに設定して第一の有機発光層4aを蒸着形成すると共に、この上に第二の有機発光層4bを蒸着形成するようにした他は、上記と同様にして図2(b)のような試験用有機電界発光素子Bを作製した。このとき、有機ホスト材料「DPVBi」に対する蛍光材料「ルブレン」のドーピング比率を0.2質量%、0.5質量%、0.7質量%の3段階に変化させたものと、膜厚を3nm、5nm、7nmの3段階に変化させたものの組み合わせで、9種類の第二の有機発光層4bを形成し、9種類の試験用有機電界発光素子Bを作製した。
【0072】
そして、9種類の試験用有機電界発光素子Bについて、陽極2と陰極6の間に電圧を印加して発光させ、基板1からの取出し色の色度座標を浜松ホトニクス社製「マルチチャンネルアナライザーPMA−10」で測定した。その結果、有機ホスト材料「DPVBi」に対する蛍光材料「ルブレン」の比率0.5質量%、膜厚5nmの第二の有機発光層4bで最も白色に近いCIE色度座標を得たので、第二の有機発光層4bの有機ホスト材料「DPVBi」に対する蛍光材料「ルブレン」の比率を0.5質量%、第二の有機発光層4bの膜厚を5nmに設定した。(ステップS3)
次に、有機ホスト材料「DPVBi」に対する蛍光材料「BCzVBi」の比率を4質量%、膜厚を30nmに設定して第一の有機発光層4aを蒸着形成すると共に有機ホスト材料「DPVBi」に対する蛍光材料「ルブレン」の比率を0.5質量%、膜厚を5nmに設定して第二の有機発光層4bを蒸着形成し、この上に第三の有機発光層4cを蒸着形成するようにした他は、上記と同様にして図2(c)のような試験用有機電界発光素子Bを作製した。このとき、有機ホスト材料「α−NPD」に対する蛍光材料「BCzVBi」のドーピング比率を2質量%、4質量%、6質量%の3段階に変化させたものと、膜厚を5nm、10nm、15nmの3段階に変化させたものの組み合わせで、9種類の第三の有機発光層4cを形成し、9種類の試験用有機電界発光素子Bを作製した。
【0073】
そして、9種類の試験用有機電界発光素子Bについて、陽極2と陰極6の間に電圧を印加して発光させ、基板1からの取出し色の色度座標を浜松ホトニクス社製「マルチチャンネルアナライザーPMA−10」で測定した。その結果、有機ホスト材料「α−NPD」に対する蛍光材料「BCzVBi」の比率4質量%、膜厚10nmの第三の有機発光層4cで最も白色色度の高いCIE色度座標を得たので、第三の有機発光層4cの有機ホスト材料「α−NPD」に対する蛍光材料「BCzVBi」の比率を4質量%、第三の有機発光層4bの膜厚を10nmに設定した。(ステップS4)
次に、有機ホスト材料「DPVBi」に対する蛍光材料「BCzVBi」の比率を4質量%、膜厚を30nmに設定して第一の有機発光層4aを蒸着形成し、有機ホスト材料「DPVBi」に対する蛍光材料「ルブレン」の比率を0.5質量%、膜厚を5nmに設定して第二の有機発光層4bを蒸着形成し、有機ホスト材料「α−NPD」に対する蛍光材料「BCzVBi」の比率を4質量%、膜厚を10nmに設定して第三の有機発光層4cを蒸着形成するようにした他は、上記と同様にして図2(c)のような試験用有機電界発光素子Bを作製した。このとき、膜厚120nm,140nm,160nmの3種類のホール輸送層3を形成し、3種類の試験用有機電界発光素子Bを作製した。
【0074】
そして、3種類の試験用有機電界発光素子Bについて、陽極2と陰極6の間に4.5Vの電圧を印加して発光させ、基板1からの取出し色の色度座標を浜松ホトニクス社製「マルチチャンネルアナライザーPMA−10」で測定した。その結果、ホール輸送層3の膜厚140nmで、最も白色色度の高いCIE色度座標(0.33,0.31)を得たので、ホール輸送層3の膜厚を140nmに設定した。(ステップS5)
以上のようにして、図1(b)に示す構成の、発光取出し色の色度座標が(0.33,0.31)である白色有機電界発光素子を設計した。
【0076】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係る白色有機電界発光素子の設計方法は、ホール輸送層と、ホール及び電子の注入を持続することができる有機ホスト材料に発光色系統の異なる蛍光を発する2種類の蛍光材料を一種類ずつ含有する第一及び第二の2層の有機発光層と、電子輸送層とを、陽極と陰極の間に設けて形成される白色有機電界発光素子を設計するにあたって、
最も発光効率の低い蛍光材料を含有する有機発光層を第一の有機発光層に設定して、膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、数段階で変えた第一の有機発光層を調製すると共にこの第一の有機発光層を用いて複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光効率を測定し、測定された発光効率に基いて第一の有機発光層の膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を選定するようにした、第一の有機発光層の膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光効率をパラメーターとして設定するステップと、
膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、数段階で変えた第二の有機発光層を調製すると共に、上記ステップで膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率が設定された第一の有機発光層に第二の有機発光層を積層して複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光取出し色の色度を測定して色度座標値を求め、この色度座標値に基いて第二の有機発光層の膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を選定するようにした、第二の有機発光層の膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定するステップと、
上記の各ステップで膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率が設定された第一の有機発光層及び第二の有機発光層を積層すると共にこれにホール輸送層と電子輸送層を少なくとも一方の膜厚を数段階で変えて積層することによって複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光取出し色の色度を測定して色度座標値を求め、この色度座標値に基いてホール輸送層と電子輸送層の少なくとも一方の膜厚を選定するようにした、ホール輸送層と電子輸送層の少なくとも一方の膜厚を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定するステップと、
を有するので、各ステップを踏んで第一の有機発光層の厚みや材料比率、第二の有機発光層の厚みや材料比率、ホール輸送層や電子輸送層の膜厚を順に設定することによって、発光色が白色の色純度に最も近くなるように、効率良く設計することができるものである。
しかも第一の有機発光層を、最も発光効率の低い蛍光材料を含有する有機発光層に設定するようにしたので、発光取出し色の調整をより精度高く行なって、設計を効率良く行なうことができるものである。
【0077】
本発明の請求項2に係る白色有機電界発光素子の設計方法は、ホール輸送層と、ホール及び電子の注入を持続することができる有機ホスト材料に発光色系統の異なる蛍光を発する3種類の蛍光材料を一種類ずつ含有する第一乃至第三の3層の有機発光層と、電子輸送層とを、陽極と陰極の間に設けて形成される白色有機電界発光素子を設計するにあたって、
最も発光効率の低い蛍光材料を含有する有機発光層を第一の有機発光層に設定して、膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、数段階で変えた第一の有機発光層を調製すると共にこの第一の有機発光層を用いて複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光効率を測定し、測定された発光効率に基いて第一の有機発光層の膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を選定するようにした、第一の有機発光層の膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光効率をパラメーターとして設定するステップと、
膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、数段階で変えた第二の有機発光層を調製すると共に、上記ステップで膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率が設定された第一の有機発光層に第二の有機発光層を積層して複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光取出し色の色度を測定して色度座標値を求め、この色度座標値に基いて第二の有機発光層の膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を選定するようにした、第一の有機発光層に隣接する第二の有機発光層の膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定するステップと、
膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、数段階で変えた第三の有機発光層を調製すると共に、上記の各ステップで膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率が設定された第一の有機発光層と第二の有機発光層にさらに第三の有機発光層を積層して複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光取出し色の色度を測定して色度座標値を求め、この色度座標値に基いて第三の有機発光層の膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を選定するようにした、第三の有機発光層の膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定するステップと、
上記の各ステップで膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率が設定された第一乃至第三の有機発光層を積層すると共にこれにホール輸送層と電子輸送層を少なくとも一方の膜厚を数段階で変えて積層することによって複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光取出し色の色度を測定して色度座標値を求め、この色度座標値に基いてホール輸送層と電子輸送層の少なくとも一方の膜厚を選定するようにした、ホール輸送層と電子輸送層の少なくとも一方の膜厚を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定するステップと、
を有するので、各ステップを踏んで第一の有機発光層の厚みや材料比率、第二の有機発光層の厚みや材料比率、第三の有機発光層の厚みや材料比率、ホール輸送層や電子輸送層の膜厚を順に設定することによって、発光色が白色の色純度に最も近くなるように、効率良く設計することができるものである。
しかも第一の有機発光層を、最も発光効率の低い蛍光材料を含有する有機発光層に設定するようにしたので、発光取出し色の調整をより精度高く行なって、設計を効率良く行なうことができるものである。
【0078】
本発明の請求項3に係る白色有機電界発光素子の設計方法は、ホール輸送層と、ホール及び電子の注入を持続することができる有機ホスト材料に発光色系統の異なる蛍光を発する2種類の蛍光材料を一種類ずつ交互に含有する第一乃至第三の3層の有機発光層と、電子輸送層とを、陽極と陰極の間に設けて形成される白色有機電界発光素子を設計するにあたって、
最も発光効率の低い蛍光材料を含有する有機発光層を第一の有機発光層に設定して、膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、数段階で変えた第一の有機発光層を調製すると共にこの第一の有機発光層を用いて複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光効率を測定し、測定された発光効率に基いて第一の有機発光層の膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を選定するようにした、第一の有機発光層の膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光効率をパラメーターとして設定するステップと、
膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、数段階で変えた第二の有機発光層を調製すると共に、上記ステップで膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率が設定された第一の有機発光層に第二の有機発光層を積層して複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光取出し色の色度を測定して色度座標値を求め、この色度座標値に基いて第二の有機発光層の膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を選定するようにした、第一の有機発光層に隣接する第二の有機発光層の膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定するステップと、
膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、数段階で変えた第三の有機発光層を調製すると共に、上記の各ステップで膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率が設定された第一の有機発光層と第二の有機発光層にさらに第三の有機発光層を積層して複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光取出し色の色度を測定して色度座標値を求め、この色度座標値に基いて第三の有機発光層の膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を選定するようにした、第三の有機発光層の膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定するステップと、
上記の各ステップで膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率が設定された第一乃至第三の有機発光層を積層すると共にこれにホール輸送層と電子輸送層を少なくとも一方の膜厚を数段階で変えて積層することによって複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光取出し色の色度を測定して色度座標値を求め、この色度座標値に基いてホール輸送層と電子輸送層の少なくとも一方の膜厚を選定するようにした、ホール輸送層と電子輸送層の少なくとも一方の膜厚を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定するステップと、
を有するので、各ステップを踏んで第一の有機発光層の厚みや材料比率、第二の有機発光層の厚みや材料比率、第三の有機発光層の厚みや材料比率、ホール輸送層や電子輸送層の膜厚を順に設定することによって、発光色が白色の色純度に最も近くなるように、効率良く設計することができるものである。
しかも第一の有機発光層を、最も発光効率の低い蛍光材料を含有する有機発光層に設定するようにしたので、発光取出し色の調整をより精度高く行なって、設計を効率良く行なうことができるものである。
【0079】
また請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、上記の第一の有機発光層の膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を設定するステップが、
有機ホスト材料と蛍光材料の比率を数段階で変えた第一の有機発光層を調製すると共にこの第一の有機発光層を用いて複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光効率を測定することによって、測定された発光効率に基いて第一の有機発光層の有機ホスト材料と蛍光材料の比率を選定するようにした、発光効率をパラメーターとして有機ホスト材料と蛍光材料の比率を設定するステップと、
上記ステップで設定された有機ホスト材料と蛍光材料の一定比率で、膜厚を数段階で変えた第一の有機発光層を調製すると共に、この第一の有機発光層を用いて複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光効率と電圧特性を測定することによって、測定された発光効率と電圧特性に基いて第一の有機発光層の膜厚を選定するようにした、発光効率と電圧特性をパラメーターとして膜厚を設定するステップと、
からなるので、第一の有機発光層の膜厚や、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を効率良く設定することができるものである。
【0080】
また請求項5の発明は、請求項において、発光効率をパラメーターとして第一の有機発光層の有機ホスト材料と蛍光材料の比率を設定する方法が、複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光効率を測定し、発光効率が最大値になるように設定することであるので、発光効率の高い白色有機電界発光素子を設計することができるものである。
【0082】
また請求項の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、第一の有機発光層に含有される有機ホスト材料と蛍光材料は、有機ホスト材料中の蛍光材料の比率と発光効率との関係を示す曲線が極大値を有するものであるので、有機ホスト材料と蛍光材料の比率の設定を容易に行なうことができるものである。
【0083】
また請求項の発明は、請求項1、3乃至6のいずれかにおいて、第一の有機発光層は、発光スペクトルのピークが440nm〜520nmの間にあるので、青色発光と黄色発光の発光混合色で白色発光を得るにあたって、白色発光を得るように調整する設定が容易になるものである。
【0084】
また請求項の発明は、請求項1、3乃至6のいずれかにおいて、第二の有機発光層は、発光スペクトルのピークが520nm〜620nmの間にあるので、青色発光と黄色発光の発光混合色で白色発光を得るにあたって、白色発光を得るように調整する設定が容易になるものである。
【0085】
また請求項の発明は、請求項1乃至のいずれかにおいて、複数層の各有機発光層の合計膜厚が、白色有機電界発光素子を発光させるために印加する電圧を印加したときに、ホール及び電子の再結合の発生可能な領域の幅より大きいので、発光効率を高く得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る白色有機電界発光素子の層構成を示すものであり、(a),(b)はそれぞれ概略断面図である。
【図2】同上に用いる試験用有機電界発光素子の層構成を示すものであり、(a)乃至(c)はそれぞれ概略断面図である。
【図3】膜厚と発光効率や電圧の関係を示すグラフである。
【図4】(a)は実施例1における第一の有機発光層のドーピング濃度と視感効率の関係を示すグラフ、(b)は実施例1における第一の有機発光層の膜厚と視感効率の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 基板
2 陽極
3 ホール輸送層
4 有機発光層
5 電子輸送層
6 陰極

Claims (9)

  1. ホール輸送層と、ホール及び電子の注入を持続することができる有機ホスト材料に発光色系統の異なる蛍光を発する2種類の蛍光材料を一種類ずつ含有する第一及び第二の2層の有機発光層と、電子輸送層とを、陽極と陰極の間に設けて形成される白色有機電界発光素子を設計するにあたって、
    最も発光効率の低い蛍光材料を含有する有機発光層を第一の有機発光層に設定して、膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、数段階で変えた第一の有機発光層を調製すると共にこの第一の有機発光層を用いて複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光効率を測定し、測定された発光効率に基いて第一の有機発光層の膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を選定するようにした、第一の有機発光層の膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光効率をパラメーターとして設定するステップと、
    膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、数段階で変えた第二の有機発光層を調製すると共に、上記ステップで膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率が設定された第一の有機発光層に第二の有機発光層を積層して複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光取出し色の色度を測定して色度座標値を求め、この色度座標値に基いて第二の有機発光層の膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を選定するようにした、第二の有機発光層の膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定するステップと、
    上記の各ステップで膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率が設定された第一の有機発光層及び第二の有機発光層を積層すると共にこれにホール輸送層と電子輸送層を少なくとも一方の膜厚を数段階で変えて積層することによって複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光取出し色の色度を測定して色度座標値を求め、この色度座標値に基いてホール輸送層と電子輸送層の少なくとも一方の膜厚を選定するようにした、ホール輸送層と電子輸送層の少なくとも一方の膜厚を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定するステップと、
    を有することを特徴とする白色有機電界発光素子の設計方法。
  2. ホール輸送層と、ホール及び電子の注入を持続することができる有機ホスト材料に発光色系統の異なる蛍光を発する3種類の蛍光材料を一種類ずつ含有する第一乃至第三の3層の有機発光層と、電子輸送層とを、陽極と陰極の間に設けて形成される白色有機電界発光素子を設計するにあたって、
    最も発光効率の低い蛍光材料を含有する有機発光層を第一の有機発光層に設定して、膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、数段階で変えた第一の有機発光層を調製すると共にこの第一の有機発光層を用いて複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光効率を測定し、測定された発光効率に基いて第一の有機発光層の膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を選定するようにした、第一の有機発光層の膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光効率をパラメーターとして設定するステップと、
    膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、数段階で変えた第二の有機発光層を調製すると共に、上記ステップで膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率が設定された第一の有機発光層に第二の有機発光層を積層して複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光取出し色の色度を測定して色度座標値を求め、この色度座標値に基いて第二の有機発光層の膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を選定するようにした、第一の有機発光層に隣接する第二の有機発光層の膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定するステップと、
    膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、数段階で変えた第三の有機発光層を調製すると共に、上記の各ステップで膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率が設定された第一の有機発光層と第二の有機発光層にさらに第三の有機発光層を積層して複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光取 出し色の色度を測定して色度座標値を求め、この色度座標値に基いて第三の有機発光層の膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を選定するようにした、第三の有機発光層の膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定するステップと、
    上記の各ステップで膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率が設定された第一乃至第三の有機発光層を積層すると共にこれにホール輸送層と電子輸送層を少なくとも一方の膜厚を数段階で変えて積層することによって複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光取出し色の色度を測定して色度座標値を求め、この色度座標値に基いてホール輸送層と電子輸送層の少なくとも一方の膜厚を選定するようにした、ホール輸送層と電子輸送層の少なくとも一方の膜厚を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定するステップと、
    を有することを特徴とする白色有機電界発光素子の設計方法。
  3. ホール輸送層と、ホール及び電子の注入を持続することができる有機ホスト材料に発光色系統の異なる蛍光を発する2種類の蛍光材料を一種類ずつ交互に含有する第一乃至第三の3層の有機発光層と、電子輸送層とを、陽極と陰極の間に設けて形成される白色有機電界発光素子を設計するにあたって、
    最も発光効率の低い蛍光材料を含有する有機発光層を第一の有機発光層に設定して、膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、数段階で変えた第一の有機発光層を調製すると共にこの第一の有機発光層を用いて複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光効率を測定し、測定された発光効率に基いて第一の有機発光層の膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を選定するようにした、第一の有機発光層の膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光効率をパラメーターとして設定するステップと、
    膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、数段階で変えた第二の有機発光層を調製すると共に、上記ステップで膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率が設定された第一の有機発光層に第二の有機発光層を積層して複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光取出し色の色度を測定して色度座標値を求め、この色度座標値に基いて第二の有機発光層の膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を選定するようにした、第一の有機発光層に隣接する第二の有機発光層の膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定するステップと、
    膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、数段階で変えた第三の有機発光層を調製すると共に、上記の各ステップで膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率が設定された第一の有機発光層と第二の有機発光層にさらに第三の有機発光層を積層して複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光取出し色の色度を測定して色度座標値を求め、この色度座標値に基いて第三の有機発光層の膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率を選定するようにした、第三の有機発光層の膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定するステップと、
    上記の各ステップで膜厚及び有機ホスト材料と蛍光材料の比率が設定された第一乃至第三の有機発光層を積層すると共にこれにホール輸送層と電子輸送層を少なくとも一方の膜厚を数段階で変えて積層することによって複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光取出し色の色度を測定して色度座標値を求め、この色度座標値に基いてホール輸送層と電子輸送層の少なくとも一方の膜厚を選定するようにした、ホール輸送層と電子輸送層の少なくとも一方の膜厚を、発光取出し色の色度座標値をパラメーターとして設定するステップと、
    を有することを特徴とする白色有機電界発光素子の設計方法。
  4. 上記の第一の有機発光層の膜厚及び、有機ホスト材料と蛍光材料の比率を設定するステップが、
    有機ホスト材料と蛍光材料の比率を数段階で変えた第一の有機発光層を調製すると共にこ の第一の有機発光層を用いて複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光効率を測定することによって、測定された発光効率に基いて第一の有機発光層の有機ホスト材料と蛍光材料の比率を選定するようにした、発光効率をパラメーターとして有機ホスト材料と蛍光材料の比率を設定するステップと、
    上記ステップで設定された有機ホスト材料と蛍光材料の一定比率で、膜厚を数段階で変えた第一の有機発光層を調製すると共に、この第一の有機発光層を用いて複数種の試験用有機電界発光素子を作製し、この複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光効率と電圧特性を測定することによって、測定された発光効率と電圧特性に基いて第一の有機発光層の膜厚を選定するようにした、発光効率と電圧特性をパラメーターとして膜厚を設定するステップと、
    からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の白色有機電界発光素子の設計方法。
  5. 発光効率をパラメーターとして第一の有機発光層の有機ホスト材料と蛍光材料の比率を設定する方法が、複数種の試験用有機電界発光素子を発光させて発光効率を測定し、発光効率が最大値になるように設定することであることを特徴とする請求項に記載の白色有機電界発光素子の設計方法。
  6. 第一の有機発光層に含有される有機ホスト材料と蛍光材料は、有機ホスト材料中の蛍光材料の比率と発光効率との関係を示す曲線が極大値を有するものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の白色有機電界発光素子の設計方法。
  7. 第一の有機発光層は、発光スペクトルのピークが440nm〜520nmの間にあることを特徴とする請求項1、3乃至6のいずれかに記載の白色有機電界発光素子の設計方法。
  8. 第二の有機発光層は、発光スペクトルのピークが520nm〜620nmの間にあることを特徴とする請求項1、3乃至6のいずれかに記載の白色有機電界発光素子の設計方法。
  9. 複数層の各有機発光層の合計膜厚が、白色有機電界発光素子を発光させるために印加する電圧を印加したときに、ホール及び電子の再結合の発生可能な領域の幅より大きいことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の白色有機電界発光素子の設計方法。
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