JP4830374B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子、液晶表示装置及び照明装置 - Google Patents
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支持基板上に陽極、陰極、及び該陽極と該陰極間に発光スペクトルが440〜480nm(以下、青領域と呼称)、500〜540nm(以下、緑領域と呼称)、600〜640nm(以下、赤領域と呼称)の各領域に発光極大を有する発光波長の異なる少なくとも3つの発光層を含む有機化合物層を有する有機EL素子において、少なくとも1つの発光層に含有される主たる発光体が燐光発光体であり、前記少なくとも3つの発光層中、前記陽極及び前記陰極に最も近い発光層に含有される主たる発光体が蛍光発光体であり、該蛍光発光体を含有する発光層に含有される主たる化合物の3重項遷移エネルギーが、燐光発光体を含有する発光層に含有される主たる化合物の3重項遷移エネルギーより大きく、かつ各発光層間に非発光性の中間層を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
前記蛍光発光体を含有する発光層の発光極大が前記青領域にあることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
前記発光層の膜厚の総和が30nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
2度視野角正面輝度が1000cd/m2でのCIE1931表色系における色度が、X=0.33±0.07、Y=0.33±0.07であることを特徴とする前記請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子をバックライトとして有することを特徴とする液晶表示装置。
請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を光源として用いることを特徴とする照明装置。
本発明の有機EL素子について説明する。
本発明の有機EL素子や該有機EL素子に係る化合物の発光色は、「新編色彩科学ハンドブック」(日本色彩学会編、東京大学出版会、1985)の108頁の図4.16において、分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタセンシング社製)で測定した結果をCIE色度座標に当てはめたときの色で決定される。
λGR−20nm≦λ2≦λGR+10nm
ここで、λ1は前記青領域と緑領域間の最小発光波長、λ2は前記緑領域と赤領域間の最小発光波長、λBGは波長450〜550nmの範囲におけるカラーフィルター青画素の透過率と緑画素の透過率の積が最大となる波長、λGRは波長550〜630nmの範囲におけるカラーフィルター緑画素の透過率と赤画素の透過率の積が最大となる波長である。
(ii)陽極/正孔輸送層/発光層ユニット/電子輸送層/陰極
(iii)陽極/正孔輸送層/発光層ユニット/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔輸送層/発光層ユニット/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(v)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層ユニット/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
ここで、発光層ユニットは、前記少なくとも発光波長の異なる3層の発光層を有し、また各発光層間には非発光性の中間層を有している。
本発明に係る発光層は、電極または電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
注入層は必要に応じて設け、電子注入層と正孔注入層があり、上記の如く陽極と発光層または正孔輸送層の間、及び陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。
阻止層は、上記の如く、有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
本発明の有機EL素子に係る支持基板(以下、基体、基盤、基材、支持体等ともいう)としては、ガラス、プラスチック等の種類には特に限定はなく、また、透明であっても不透明であってもよい。支持基板側から光を取り出す場合には、支持基板は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な支持基板としては、ガラス、石英、透明樹脂フィルムを挙げることができる。特に好ましい支持基板は、有機EL素子にフレキシブル性を与えることが可能な樹脂フィルムである。
バリア膜の形成方法については、特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができるが、特開2004−68143号公報に記載されているような大気圧プラズマ重合法によるものが特に好ましい。
本発明の有機EL素子の封止に用いられる封止手段としては、例えば封止部材と電極、支持基板とを接着剤で接着する方法を挙げることができる。
有機層を挟み支持基板と対向する側の前記封止膜あるいは前記封止用フィルムの外側に、素子の機械的強度を高めるために保護膜、あるいは保護板を設けてもよい。特に、封止が前記封止膜により行われている場合には、その機械的強度は必ずしも高くないため、このような保護膜、保護板を設けることが好ましい。これに使用することができる材料としては、前記封止に用いたのと同様なガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等を用いることができるが、軽量かつ薄膜化ということからポリマーフィルムを用いることが好ましい。
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としてはAu等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In2O3−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。あるいは、有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等湿式製膜法を用いることもできる。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。さらに膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
一方、陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。なお、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極または陰極のいずれか一方が、透明または半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
本発明の有機EL素子の作製方法の一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極からなる有機EL素子の作製法について説明する。
本発明の有機EL素子は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。発光光源として、例えば、家庭用照明、車内照明、時計や液晶用のバックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるがこれに限定するものではないが、特に、カラーフィルターと組み合わせた液晶液晶表示装置のバックライト、照明用光源としての用途に有効に用いることができる。
《有機EL素子1の作製》
陽極として30mm×30mm、厚さ0.7mmのガラス基板上にITO(インジウムチンオキシド)を120nm成膜した支持基板にパターニングを行った後、このITO透明電極を付けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。この透明支持基板を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定した。
有機EL素子1の作製において、各発光層及び中間層を以下のように変更して成膜した以外は、有機EL素子1と同様にして有機EL素子2を作製した。
有機EL素子1の作製において、各発光層及び中間層を以下のように変更して成膜した以外は、有機EL素子1と同様にして有機EL素子3を作製した。
有機EL素子1の作製において、各発光層及び中間層を以下のように変更して成膜した以外は、有機EL素子1と同様にして有機EL素子4を作製した。
有機EL素子1の作製において、各発光層の膜厚を以下のように変更して成膜した以外は、有機EL素子1と同様にして有機EL素子5を作製した。
有機EL素子2の作製において、各発光層の膜厚を以下のように変更して成膜した以外は、有機EL素子2と同様にして有機EL素子6を作製した。
有機EL素子1〜6の各々の非発光面をガラスケースで覆い(なお、ガラスカバーでの封止作業は、有機EL素子を大気に接触させることなく窒素雰囲気下のグローブボックス(純度99.999%以上の高純度窒素ガスの雰囲気下)で行った)、図1、図2に示すような照明装置とした後、分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタセンシング社製)を用いて、各有機EL素子の電力効率、色度、及び発光スペクトルを評価した。電力効率は素子1−1の電力効率を100とした相対値で示す。
106 有機EL層
105 陰極
102 ガラスカバー
108 窒素ガス
109 捕水剤
201 バリア膜
202 基材
203 低密度層
204 中密度層
205 高密度層
230 プラズマ放電処理装置
231 プラズマ放電処理容器
235 ロール回転電極
236 角筒型固定電極群
240 電界印加手段
250 ガス供給手段
251 ガス発生装置
253 排気口
260 電極温度調節手段
F 基材
P 送液ポンプ
261 配管
266 ニップロール
267 ガイドロール
268、269 仕切板
Claims (6)
- 支持基板上に陽極、陰極、及び該陽極と該陰極間に発光スペクトルが440〜480nm(以下、青領域と呼称)、500〜540nm(以下、緑領域と呼称)、600〜640nm(以下、赤領域と呼称)の各領域に発光極大を有する発光波長の異なる少なくとも3つの発光層を含む有機化合物層を有する有機EL素子において、少なくとも1つの発光層に含有される主たる発光体が燐光発光体であり、前記少なくとも3つの発光層中、前記陽極及び前記陰極に最も近い発光層に含有される主たる発光体が蛍光発光体であり、該蛍光発光体を含有する発光層に含有される主たる化合物の3重項遷移エネルギーが、燐光発光体を含有する発光層に含有される主たる化合物の3重項遷移エネルギーより大きく、かつ各発光層間に非発光性の中間層を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記蛍光発光体を含有する発光層の発光極大が前記青領域にあることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記発光層の膜厚の総和が30nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 2度視野角正面輝度が1000cd/m2でのCIE1931表色系における色度が、X=0.33±0.07、Y=0.33±0.07であることを特徴とする前記請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子をバックライトとして有することを特徴とする液晶表示装置。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を光源として用いることを特徴とする照明装置。
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