JP2006127969A - 有機el素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】少なくとも複数の発光層を有する有機層を一対の電極間に積層形成した有機EL素子において、発光効率を向上させることが可能な有機EL素子を提供する。
【解決手段】少なくとも発光層を有する有機層5を対向する陽極と陰極との間に形成してなる有機EL素子である。前記発光層として、前記陽極側に形成され正孔輸送性の第一のホスト材料5b1に第一の発光材料5b2を加えてなる第一の発光層5bと、第一の発光層5bと接するように形成され第二のホスト材料5c3に第二の発光材料5c4を加えてなる混合領域5c1とこの混合領域5c1と接するように形成され第二のホスト材料5c3からなる非混合領域とを有する第二の発光層5c2と、を備えてなる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、少なくとも複数の発光層を有する有機層を一対の電極間に積層形成した有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子に関する。
従来、有機EL素子としては、陽極となるITO(Indium Tin Oxide)等からなる透明電極と、正孔輸送層,発光層,電子輸送層及び電子注入層等からなる有機層と、陰極となるアルミニウム(Al)等からなる非透光性の背面電極と、を順次積層形成して構成されるものが知られており、例えば、特許文献1に開示されるような、前記発光層として少なくとも2種類以上の異なる発光色を示す発光層を積層してなるものが知られている。かかる有機EL素子は、異なる発光色を示す前記発光層を積層することで混色により所定の色の表示光を得ることができ、例えば青色発光層と黄色発光層とを積層することにより白色の表示光を得ることができる。
かかる有機EL素子は、前記透明電極から正孔を注入し、また、前記背面電極から電子を注入して正孔及び電子が前記発光層にて再結合することによって光を発するものであり、異なる発光色を示す発光層を形成する方法としては、ホスト材料に蛍光色素等の発光材料をドープ(混合)させる方法が知られている。
また、前記発光材料を混合させることによって駆動電圧が上昇するという点を解決するものとして、特許文献2には、少なくとも互いに異なる材料で形成される正孔輸送層、発光層、電子輸送層を有し、発光層はホスト材料中に発光を担うゲスト材料がドープされたドープ層と、前記ホスト材料を主成分とするゲスト材料を含まないノンドープ層の少なくとも2層構造を有する有機EL素子が開示されている。
特開平12−68057号公報 特開2004−253373号公報
しかしながら、発光色の異なる複数の発光層を備える有機EL素子において、前記各発光層にそれぞれ前記ドープ層と前記ノンドープ層とを有する前記各発光層が積層形成される場合は、一方の発光層のドープ層と他方の発光層のノンドープ層とが接することとなるが、前記一方の発光層の前記ドープ層と接する前記他方の発光層の前記ノンドープ層内に集まる正孔及び電子は目的とする色の発光には寄与しないこととなり、発光効率を向上させる点においては改善の余地があった。
本発明は、このような問題に鑑み、少なくとも複数の発光層を有する有機EL素子において、発光効率を向上させることが可能な有機EL素子を提供することを目的とする。
本発明の有機EL素子は、前記課題を解決するために、少なくとも発光層を有する有機層を対向する陽極と陰極との間に形成してなる有機EL素子であって、前記発光層として、前記陽極側に形成され正孔輸送性の第一のホスト材料に第一の発光材料を加えてなる第一の発光層と、前記第一の発光層と接するように形成され第二のホスト材料に第二の発光材料を加えてなる混合領域とこの混合領域と接するように形成され前記第二のホスト材料からなる非混合領域とを有する第二の発光層と、を備えてなることを特徴とする。
また、前記有機層は、前記第二の発光層の前記非混合領域と前記陰極との間に形成される電子輸送層を有してなることを特徴とする。
また、前記有機層は、前記陽極と前記第一の発光層との間に形成され前記第一のホスト材料と同一材料からなる正孔輸送層を有してなることを特徴とする。
また、前記第一の発光材料は、イオン化ポテンシャルが前記第一のホスト材料のイオン化ポテンシャルよりも小さく、かつ、電子親和力が前記第一のホスト材料の電子親和力よりも大きいことを特徴とする。
また、前記第二のホスト材料は、電子移動度が前記第一のホスト材料の電子移動度よりも大きいことを特徴とする。
また、前記第二の発光層は、前記混合領域にさらに正孔輸送性材料を含んでなることを特徴とする。
また、前記第一,第二の発光層は、互いに異なる発光色を示してなることを特徴とする。
本発明の有機EL素子は、前記課題を解決するために、少なくとも発光層を有する有機層を対向する陽極と陰極との間に形成してなる有機EL素子であって、前記発光層として、前記陰極側に形成され電子輸送性の第一のホスト材料に第一の発光材料を加えてなる第一の発光層と、前記第一の発光層と接するように形成され第二のホスト材料に第二の発光材料を加えてなる混合領域とこの混合領域と接するように形成され前記第二のホスト材料からなる非混合領域とを有する第二の発光層と、を備えてなることを特徴とする。
また、前記有機層は、前記陽極と前記第二の発光層の前記非混合領域との間に形成される正孔輸送層を有してなることを特徴とする。
また、前記有機層は、前記第一の発光層と前記陰極との間に形成され前記第一のホスト材料と同一材料からなる電子輸送層を有してなることを特徴とする。
また、前記第一の発光材料は、イオン化ポテンシャルが前記第一のホスト材料のイオン化ポテンシャルよりも小さく、かつ、電子親和力が前記第一のホスト材料の電子親和力よりも大きいことを特徴とする。
また、前記第二のホスト材料は、正孔移動度が前記第一のホスト材料の正孔移動度よりも大きいことを特徴とする。
また、前記第二の発光層は、前記混合領域にさらに電子輸送性材料を含んでなることを特徴とする。
また、前記第一,第二の発光層は、互いに異なる発光色を示してなることを特徴とする。
本発明は、少なくとも複数の発光層を有する有機層を一対の電極間に積層形成した有機EL素子に関するものであり、発光効率を向上させることが可能となるものである。
以下、セグメント型の有機ELパネルに本発明の有機EL素子を適用した第一の実施形態を添付の図面に基いて説明する。
図1において、有機ELパネルは、有機EL素子1を透光性の支持基板2上に配設してなるものである。有機EL素子1は、透光性の第一電極(陽極)3と、絶縁層4と、有機層5と、第二電極(陰極)6と、から主に構成されている。また、支持基板2上には有機EL素子1を気密的に覆うように封止部材7が配設されている。かかる有機ELパネルは、有機EL素子1の発光を支持基板2側から取り出し、後述する第一の発光層の黄色発光と第二の発光層の青色発光との補色の関係によって白色の表示を行うものである。
支持基板2は、長方形形状からなる透光性のガラス基板である。
第一電極3は、陽極となるものであり、支持基板2上にITO等の導電性材料を蒸着法やスパッタリング法等の手段によって膜厚50〜200nmの層状に形成し、フォトリソグラフィー法等によって例えば日の字型の表示意匠に応じてパターニングしてなるもので、日の字型の表示セグメント部3aと、個々のセグメントからそれぞれ引き出し成形されたリード部3bと、リード部3bの終端部に設けられる電極部3cとを備えている。尚、電極部3cは、支持基板2の一辺に集中的に配設されている。
絶縁層4は、ポリイミド系やフェノール系等の絶縁材料からなるもので、スパッタリング法等の手段によって層状に形成し、フォトリソグラフィー法等の手段によって支持基板2上の非発光個所に所定の形状にて形成される。絶縁層4は、表示セグメント3aに対応した窓部4aと、第二電極6の後述する電極部に対応する切り欠き部4bとを有し、発光領域の輪郭を鮮明に表示するため、第一電極3の表示セグメント3aの周縁部と若干重なるように窓部4aが形成され、また、第一電極3と第二電極6との絶縁を確保するためにリード部3b上を覆うように配設される。
有機層5は、第一電極3及び絶縁層4上に絶縁層4における窓部4aの形成箇所に対応するように所定の大きさをもって形成されるものであり、図2に示すように、正孔輸送層5a,第一の発光層5b,第二の発光層5c,電子輸送層5d及び電子注入層5eを蒸着法等の手段によって順次積層形成してなるものである。
正孔輸送層5aは、第一電極3から正孔を取り込むとともに正孔を発光層5cへ伝達する機能を有し、正孔移動度が電子移動度よりも高い例えばα−NPD等の正孔輸送性材料を蒸着法等の手段によって、第一電極3と第一の発光層5bとの間に膜厚10〜60nmの層状に形成してなるものである。
第一の発光層5bは、正孔及び電子の輸送が可能であり正孔輸送層5aを構成する前記正孔輸送性材料を第一のホスト材料5b1とし、この第一のホスト材料5b1に、電子と正孔との再結合に反応して発光する機能を有し黄色発光を示す例えばナフタセン誘導体からなる第一の発光材料5b2を共蒸着等の手段によって混合して例えば膜厚20nm程度の層状に形成してなる。また、第一の発光材料5b2としては、イオン化ポテンシャルが第一のホスト材料5b1のイオン化ポテンシャルよりも小さく、また、電子親和力が第一のホスト材料5b1の電子親和力よりも大きい材料を使用することが好ましい。
第二の発光層5cは、第一の発光層5bとの界面側に形成される層状の混合領域5c1と、混合領域5c1と電子輸送層5dと間に形成される層状の非混合領域5c2とを有し、全体の膜厚が例えば20〜80nmとなるように形成されるものである。混合領域5c1は、好ましくは第二の発光層5c全体の膜厚の半分以上の膜厚で形成され、正孔及び電子の輸送が可能であり第一のホスト材料5b1よりも電子移動度が高い第二のホスト材料5c3に、電子と正孔との再結合に反応して発光する機能を有し青色発光を示す例えば出光興産株式会社製のBD102からなる第二の発光材料5c4とを共蒸着等の手段によって混合してなる。また、非混合領域5c2は、第二のホスト材料5c3を蒸着法等の手段によって層状に形成してなる。なお、本実施の形態においては、第二のホスト材料5c3としては、例えば電子移動度が正孔移動度よりも高い電子輸送性の特性を有する有機材料である例えばイーストマン・コダック社製のBH2を用いる。また、第二の発光層5cは、混合領域5c2内において、第二の発光材料5c4の濃度が第一の発光層5b近傍にあっては高く、第一の発光層5bから遠い側である非混合領域5c2に向かって徐々に低くなるように形成されることが好ましい。
電子輸送層5dは、電子を発光層5cへ伝達する機能を有する例えばキレート系化合物であるアルミキノリノール(Alq3)等の電子輸送性材料を蒸着法等の手段によって膜厚20〜60nmの層状に形成してなる。
電子注入層5eは、第二電極6から電子を注入する機能を有し、例えばフッ化リチウム(LiF)等を蒸着法等の手段によって膜厚略1nmの層状に形成してなる。
第二電極6は、アルミニウム(Al)やマグネシウム銀(Mg:Ag)等の導電性材料を蒸着法等の手段によって膜厚50〜200nmの層状に形成してなるものであり、支持基板2の一辺に設けられるリード部6aと電気的に接続してなる。なお、リード部6aの終端部には、電極部(引き出し部)6bが設けられ、リード部6a及び電極部6bは第一電極3と同材料により形成される。
封止部材7は、例えばガラス材料からなる平板部材に凹部7aをサンドブラスト、切削及びエッチング等の適宜方法で形成してなるものである。封止部材7は、凹部7aを取り囲むようにして形成される支持部7bを例えば紫外線硬化性エポキシ樹脂からなる接着剤(図示しない)を介し支持基板2上に気密的に配設することで、封止部材7と支持基板2とで有機EL素子1を封止する。封止部材7は、第一電極3の電極部3cおよび第二電極6の電極部6bが外部に露出するように支持基板2よりも若干小さめに構成されている。
本第一の実施の形態である有機EL素子1は、発光色の異なる複数の発光層として、第一電極3側に形成され正孔輸送性の第一のホスト材料5b1に第一の発光材料5b2を加えてなる第一の発光層5bと、第一の発光層5bと接するように形成され第二のホスト材料5c3に第二の発光材料5c4を加えてなる混合領域5c1とこの混合領域5c1と接するように形成され第二のホスト材料5c3からなる非混合領域5c2とを有する第二の発光層5cと、を備えてなるものである。また、有機層5として、第二の発光層5cの非混合領域5c2と第二電極6との間に形成され非混合領域5c2と接する電子輸送層5dを有するものである。また、第二のホスト材料5c3は、電子移動度が第一のホスト材料5b1の電子移動度よりも大きいものである。
かかる構成の有機EL素子1は、第一の発光層5bにおいては主として第二の発光層5cの混合領域5c1との界面領域にて黄色の発光を示し、第二の発光層5cにおいては主として第一の発光層5bとの界面に位置する混合領域5c1にて青色の発光を示すものである。従来、電子輸送層と接する発光層全体に発光材料を混合させる場合、効率よく発光させるためには正孔を前記発光層内に捉えることが望ましいが、前記発光層に混合された前記発光材料によって前記発光層の正孔移動度が上がり、正孔の一部が前記電子輸送層に移動しやすくなり、発光に寄与しない正孔の量が増加していた。これに対し、本第一の実施形態によれば、第二の発光層5cの第一の発光層5bとの界面側を第二のホスト材料5c3と第二の発光材料5c4とを混合してなる混合領域5c1とし、電子輸送層5dとの界面側を第二の発光材料5c4を含まない非混合領域5c2とすることによって、第1電極3から正孔輸送層5a及び第一の発光層5bを経て第二の発光層5c内に輸送された正孔は、非混合領域5c2によって電子輸送層5dへの移動をブロックされ、青色発光を示すための第二の発光材料5c4を含む混合領域5c1内に捉えられることとなり、発光に寄与しない正孔の量を低減させることができることから有機EL素子1における発光効率を向上させることが可能となる。また、正孔輸送性の第一の発光層5b内には電子が輸送されにくく主に混合領域5c1内に集積するものの、混合領域5c1に第二の発光材料5c4が混合されることで混合領域5c1における電子移動度が向上することから、第二電極6から電子注入層5e及び電子輸送層5dを経て第二の発光層5b内に輸送された電子の一部は、第一の発光層5bの混合領域5c1との界面領域に輸送され、第一の発光層5bの発光に寄与することとなる。したがって、従来のように積層形成される複数の発光層がすべてドープ層とノンドープ層とからなる場合と比較して、第一,第二の発光層5b,5cは互いの界面領域に発光領域を形成することによって、発光に寄与しない電子の量を低減させることができ、有機EL素子1の発光効率を向上させることが可能となる。
また、有機EL素子1は、有機層5として、第一電極3と第一の発光層5bとの間に形成され第一のホスト材料5b1と同一材料からなる正孔輸送層5aを有するものである。第一のホスト材料5b1を正孔輸送層5aと同材料とすることによって、正孔輸送層5aから第一の発光層5bへの正孔の移動をより円滑にすることが可能となる。
また、有機EL素子1は、第一の発光材料5b2のイオン化ポテンシャルが第一のホスト材料5b1のイオン化ポテンシャルよりも小さく、かつ、第一の発光材料5b2の電子親和力が第一のホスト材料5b1の電子親和力よりも大きいものである。したがって、第一の発光層5b内において正孔あるいは電子が第一の発光材料5b2のトラップに捉えられやすく、第一の発光材料5b2を効率よく発光させることが可能となる。
また、有機EL素子1は、第二の発光層5cの混合領域5c1にさらに正孔輸送性材料を混合させるものであってもよい。このとき混合させる正孔輸送性材料は第一の発光層5bの第一のホスト材料5b1と同一材料であることが好ましい。また、混合領域5c1内において、前記正孔輸送材料の濃度が第一の発光層5b近傍にあっては高く、第一の発光層5bから遠い側である非混合領域5c2に向かって徐々に低くなることが好ましい。混合領域5c1に前記正孔輸送性材料を混合することによって、混合領域5c1内で正孔を移動させるための抵抗値を低減させることができ、発光に要する駆動電圧を低減可能なことから第二の発光層55cを構成する各材料の劣化を抑制することが可能となる。
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。なお、前述の第一の実施形態と同一もしくは相当個所には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
本第二の実施形態が前述の第一の実施形態と相違する点は、有機EL素子1の有機層5が、発光層として、第三の発光層(第一の発光層)5f及び第四の発光層(第二の発光層)5gを有し、図3に示すように、正孔輸送層5a,第四の発光層5g,第三の発光層5f,電子輸送層5d及び電子注入層5eを蒸着法等の手段によって順次積層形成してなる点である。なお、かかる有機ELパネルは、有機EL素子1の発光を支持基板2側から取り出し、第三の発光層5fの黄色発光と第四の発光層の青色発光との補色の関係によって白色の表示を行うものである。
第三の発光層5fは、正孔及び電子の輸送が可能であり電子輸送層5dを構成する前記電子輸送性材料を第三のホスト材料(第一のホスト材料)5f1とし、この第三のホスト材料5f1に、電子と正孔との再結合に反応して発光する機能を有し黄色発光を示す例えばナフタセン誘導体からなる第三の発光材料(第一の発光材料)5f2を共蒸着等の手段によって混合して例えば膜厚20nm程度の層状に形成してなる。また、第三の発光材料5f2としては、イオン化ポテンシャルが第三のホスト材料5f1のイオン化ポテンシャルよりも小さく、また、電子親和力が第三のホスト材料5f2の電子親和力よりも大きい材料を使用することが好ましい。
第四の発光層5gは、第三の発光層5fと接する界面側に形成される層状の混合領域5g1と、正孔輸送層5aと混合領域5g1との間に形成される層状の非混合領域5g2とを有するものであり、全体の膜厚が例えば20〜80nmとなるように形成されるものである。混合領域5g1は、好ましくは第四の発光層5g全体の膜厚の半分以上の膜厚で形成され、正孔及び電子の輸送が可能であり第三のホスト材料5f1よりも電子移動度が高い第四のホスト材料(第二のホスト材料)5g3に、電子と正孔との再結合に反応して発光する機能を有し青色発光を示す例えば出光興産株式会社製のBD102からなる第四の発光材料(第二の発光材料)5g4とを共蒸着等の手段によって混合してなる。また、非混合領域5g2は、第四のホスト材料5g3を蒸着法等の手段によって層状に形成してなる。なお、本実施の形態においては、第四のホスト材料5g3としては、例えば電子移動度が正孔移動度よりも高い電子輸送性の特性を有する有機材料である例えばイーストマン・コダック社製のBH2を用いる。また、第四の発光層5gは、混合領域5g2内において、第四の発光材料5g4の濃度が第三の発光層5f近傍にあっては高く、第三の発光層5fから遠い側である非混合領域5g2に向かって徐々に低くなるように形成されることが好ましい。
本第二の実施の形態である有機EL素子1は、発光色の異なる複数の発光層として、第二電極6側に形成され電子輸送性の第三のホスト材料5f1に第三の発光材料5f2を加えてなる第三の発光層5fと、第三の発光層5fと接するように形成され第四のホスト材料5g3に第四の発光材料5g4を加えてなる混合領域5g1とこの混合領域5g1と接するように形成され第四のホスト材料5g3からなる非混合領域5g2とを有する第四の発光層5gと、を備えてなるものである。また、有機層5として、第四の発光層5gの第一電極3と非混合領域5g2との間に形成され非混合領域5g2と接する正孔輸送層5aを有するものである。また、第四のホスト材料5g3は、正孔移動度が第三のホスト材料5f1の正孔移動度よりも大きいものである。
かかる構成の有機EL素子1は、第三の発光層5fにおいては主として第四の発光層5gの混合領域5g1との界面領域にて黄色の発光を示し、第四の発光層5gにおいては主として第三の発光層5gとの界面に位置する混合領域5g1にて青色の発光を示すものである。従来、正孔輸送層と接する発光層全体に発光材料を混合させる場合、効率よく発光させるためには電子を前記発光層内に集めることが望ましいが、前記発光層に混合された前記発光材料によって前記発光層の電子移動度が上がり、電子の一部が前記正孔輸送層に移動しやすくなり、発光に寄与しない電子の量が増加していた。これに対し、本第二の実施形態によれば、第四の発光層5gの第三の発光層5fとの界面側を第四のホスト材料5g3と第四の発光材料5g4とを混合してなる混合領域5g1とし、正孔輸送層5aとの界面側を第四の発光材料5g4を含まない非混合領域5g2とすることによって、第二電極6から正孔注入層5e及び電子輸送層5dを経て第四の発光層5g内に輸送された電子は、非混合領域5g2によって正孔輸送層5aへの移動をブロックされ、青色発光を示すための第四の発光材料5g4を含む混合領域5g1内に集積することとなり、発光に寄与しない電子の量を低減させることができることから有機EL素子1における発光効率を向上させることが可能となる。また、電子輸送性の第三の発光層5f内には正孔が輸送されにくく、正孔は主として混合領域5g1に集積するものの、混合領域5g1に第四の発光材料5g4が混合されることで混合領域5g1における正孔移動度が向上することから、第一電極3から正孔輸送層5aを経て第四の発光層5g内に輸送された正孔の一部は第三の発光層5fの混合領域5g1との界面領域に輸送され、第三の発光層5fの発光に寄与することとなる。したがって、従来のように積層形成される複数の発光層がすべてドープ層とノンドープ層とからなる場合と比較して、第三,第四の発光層5f,5gは互いの界面領域に発光領域を形成することによって、発光に寄与しない正孔の量を低減させることができ、有機EL素子1の発光効率を向上させることが可能となる。
また、有機EL素子1は、有機層5として、第三の発光層5fと第二電極6との間に形成され第三のホスト材料5f1と同一材料からなる電子輸送層5dを有するものである。第三のホスト材料5f1を電子輸送層5dと同材料とすることによって、電子輸送層5dから第一の発光層5fへの電子の移動をより円滑にすることが可能となる。
また、有機EL素子1は、第三の発光材料5f2のイオン化ポテンシャルが第三のホスト材料5f1のイオン化ポテンシャルよりも小さく、かつ、第三の発光材料5f2の電子親和力が第三のホスト材料5f1の電子親和力よりも大きいものである。したがって、第三の発光層5f内において正孔あるいは電子が第三の発光材料5f2のトラップに捉えられやすく、第三の発光材料5f2を効率よく発光させることが可能となる。
また、有機EL素子1は、第四の発光層5gの混合領域5g1にさらに電子輸送性材料を混合させるものであってもよい。このとき混合させる電子輸送性材料は第三の発光層5fの第三のホスト材料5f1と同一材料であることが好ましい。また、混合領域5g1内において、前記電子輸送材料の濃度が第三の発光層5f近傍にあっては高く、第三の発光層5fから遠い側である非混合領域5g2に向かって徐々に低くなることが好ましい。混合領域5g1に前記電子輸送性材料を混合することによって、混合領域5g1内で電子を移動させるための抵抗値を低減させることができ、発光に要する駆動電圧を低減可能なことから第四の発光層55gを構成する各材料の劣化を抑制することが可能となる。
なお、本第一,第二の実施形態はセグメント型の有機ELパネルに本発明の有機EL素子1を適用したが、本発明の有機EL素子は、ドットマトリクス型の有機ELパネルにも適用可能である。また、本第一,第二の実施形態である有機ELパネルは、透光性の第一電極3を備え、有機EL素子1の発光を支持基板2側から取り出し、所定の表示を行うものであったが、本発明の有機EL素子は、有機層上の第二電極を透光性の導電材料で形成し、封止部材側から光を採りだして所定の表示を行ういわゆるトップエミッション型の有機ELパネルにも適用可能である。
本発明の有機EL素子が適用された第一の実施形態である有機ELパネルを示す図。 同上の有機層を示す拡大断面図。 本発明の有機EL素子が適用された第二の実施形態である有機ELパネルの有機層を示す拡大断面図。
符号の説明
1 有機EL素子
2 支持基板
3 第一電極
4 絶縁層
5 有機層
5a 正孔輸送層
5b 第一の発光層
5b1 第一のホスト材料
5b2 第一の発光材料
5c 第二の発光層
5c1 混合領域
5c2 非混合領域
5c3 第二のホスト材料
5c4 第二の発光材料
5d 電子輸送層
5e 電子注入層
5f 第三の発光層(第一の発光層)
5f1 第三のホスト材料(第一のホスト材料)
5f2 第三の発光材料(第一の発光材料)
5g 第四の発光層(第二の発光層)
5g1 混合領域
5g2 非混合領域
5g3 第四のホスト材料(第二のホスト材料)
5g4 第四の発光材料(第二の発光材料)
6 第二電極

Claims (14)

  1. 少なくとも発光層を有する有機層を対向する陽極と陰極との間に形成してなる有機EL素子であって、
    前記発光層として、前記陽極側に形成され正孔輸送性の第一のホスト材料に第一の発光材料を加えてなる第一の発光層と、前記第一の発光層と接するように形成され第二のホスト材料に第二の発光材料を加えてなる混合領域とこの混合領域と接するように形成され前記第二のホスト材料からなる非混合領域とを有する第二の発光層と、を備えてなることを特徴とする有機EL素子。
  2. 前記有機層は、前記第二の発光層の前記非混合領域と前記陰極との間に形成される電子輸送層を有してなることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 前記有機層は、前記陽極と前記第一の発光層との間に形成され前記第一のホスト材料と同一材料からなる正孔輸送層を有してなることを特徴とする有機EL素子。
  4. 前記第一の発光材料は、イオン化ポテンシャルが前記第一のホスト材料のイオン化ポテンシャルよりも小さく、かつ、電子親和力が前記第一のホスト材料の電子親和力よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
  5. 前記第二のホスト材料は、電子移動度が前記第一のホスト材料の電子移動度よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
  6. 前記第二の発光層は、前記混合領域にさらに正孔輸送性材料を含んでなることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
  7. 前記第一,第二の発光層は、互いに異なる発光色を示してなることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
  8. 少なくとも発光層を有する有機層を対向する陽極と陰極との間に形成してなる有機EL素子であって、
    前記発光層として、前記陰極側に形成され電子輸送性の第一のホスト材料に第一の発光材料を加えてなる第一の発光層と、前記第一の発光層と接するように形成され第二のホスト材料に第二の発光材料を加えてなる混合領域とこの混合領域と接するように形成され前記第二のホスト材料からなる非混合領域とを有する第二の発光層と、を備えてなることを特徴とする有機EL素子。
  9. 前記有機層は、前記陽極と前記第二の発光層の前記非混合領域との間に形成される正孔輸送層を有してなることを特徴とする請求項8に記載の有機EL素子。
  10. 前記有機層は、前記第一の発光層と前記陰極との間に形成され前記第一のホスト材料と同一材料からなる電子輸送層を有してなることを特徴とする請求項8に記載の有機EL素子。
  11. 前記第一の発光材料は、イオン化ポテンシャルが前記第一のホスト材料のイオン化ポテンシャルよりも小さく、かつ、電子親和力が前記第一のホスト材料の電子親和力よりも大きいことを特徴とする請求項8に記載の有機EL素子。
  12. 前記第二のホスト材料は、正孔移動度が前記第一のホスト材料の正孔移動度よりも大きいことを特徴とする請求項8に記載の有機EL素子。
  13. 前記第二の発光層は、前記混合領域にさらに電子輸送性材料を含んでなることを特徴とする請求項8に記載の有機EL素子。
  14. 前記第一,第二の発光層は、互いに異なる発光色を示してなることを特徴とする請求項8に記載の有機EL素子。
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