JP4263175B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ Download PDF

Info

Publication number
JP4263175B2
JP4263175B2 JP2004562854A JP2004562854A JP4263175B2 JP 4263175 B2 JP4263175 B2 JP 4263175B2 JP 2004562854 A JP2004562854 A JP 2004562854A JP 2004562854 A JP2004562854 A JP 2004562854A JP 4263175 B2 JP4263175 B2 JP 4263175B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transport layer
carrier transport
light emitting
layer
emitting layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004562854A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2004060028A1 (ja
Inventor
雄一郎 板井
昌哉 中山
正兒 木下
淳 児玉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Publication of JPWO2004060028A1 publication Critical patent/JPWO2004060028A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4263175B2 publication Critical patent/JP4263175B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/06Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing organic luminescent materials
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B33/00Electroluminescent light sources
    • H05B33/12Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces
    • H05B33/14Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces characterised by the chemical or physical composition or the arrangement of the electroluminescent material, or by the simultaneous addition of the electroluminescent material in or onto the light source
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/10OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED]
    • H10K50/14Carrier transporting layers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K2211/00Chemical nature of organic luminescent or tenebrescent compounds
    • C09K2211/10Non-macromolecular compounds
    • C09K2211/1003Carbocyclic compounds
    • C09K2211/1014Carbocyclic compounds bridged by heteroatoms, e.g. N, P, Si or B
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/10OLED displays
    • H10K59/17Passive-matrix OLED displays
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/60Organic compounds having low molecular weight
    • H10K85/631Amine compounds having at least two aryl rest on at least one amine-nitrogen atom, e.g. triphenylamine
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/60Organic compounds having low molecular weight
    • H10K85/631Amine compounds having at least two aryl rest on at least one amine-nitrogen atom, e.g. triphenylamine
    • H10K85/633Amine compounds having at least two aryl rest on at least one amine-nitrogen atom, e.g. triphenylamine comprising polycyclic condensed aromatic hydrocarbons as substituents on the nitrogen atom

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンスディスプレイに係り、特に陽極と陰極の間に複数のキャリア輸送層を形成した有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンスディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機エレクトロルミネッセンス素子を「有機EL素子」と称する。)は、小型化が容易であって、消費電力が小さく、面発光が可能であり、液晶素子と比較して印加電圧を大幅に低減できるためフラットディスプレイ等の各種表示装置での利用が注目されており、次世代の発光素子として研究開発が行われている。
【0003】
図1は、従来の有機EL素子の断面図を示したものである。図1に示すように、従来の有機EL素子10は、透明なガラス基板11上に、透明なITO(Indium Tin Oxide)等からなる陽極12と、正孔輸送層13と、発光層14と、電子輸送層15と、陰極16が順次積層された構成となっている。正孔輸送層13は、発光層14に正孔を効率良く輸送し、正孔密度を増加させ、一方電子輸送層15は、発光層14に電子を効率良く輸送し、空間電子密度を増加させ、発光効率を高めている。また、発光層と発光層の間に電子をせき止めるための層を設けて、発光層での発光効率の向上を図る技術が提案されている。
【0004】
図2は、図1に示す有機EL素子のエネルギーダイアグラムを示した図である。有機EL素子10に電圧が印加されると、正孔22は陽極12から発光層14へ向かって移動し、正孔22の移動により正孔電流量が発生し、電子21は陰極16から発光層14へ向かって移動し、電子21の移動により電子電流量が発生する。電子21と正孔22が発光層14に到達すると、電子21と正孔22が再結合して放出されたエネルギーによって、発光層14に含まれる有機蛍光体が励起され発光する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、発光効率は、単位電流当りの発光輝度で表される。したがって、発光層14での発光効率は有機EL素子10に流れる正孔電流量及び電子電流量の大きさで決まり、いずれかの電流量が大きい場合には発光層14の発光効率は低下する。正孔電流量と電子電流量の大きさは、有機EL素子を構成する膜の種類や積層する膜厚により変わるが、例えば正孔電流量が電子電流量と比較して過度に大きい場合、発光に寄与せずに消費されてしまう正孔電流量が増加し、発光層14での発光効率は低下し、消費電力が増大してしまうという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、発光層に流れ込む正孔電流量及び電子電流量を調整し、発光層での電子と正孔の再結合を効率良く行い、発光効率に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンスディスプレイを提供することを概括的課題とする。
【0007】
本発明のより具体的な課題は、互いに対向する陽極と陰極との間に形成された発光層と、前記発光層の陽極側に形成された第1のキャリア輸送層と、前記第1のキャリア輸送層の陰極側に前記第1のキャリア輸送層と接するように形成された第2のキャリア輸送層と、前記第1のキャリア輸送層と前記第2のキャリア輸送層が交互に積層されて形成された少なくとも一つの積層構造とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記第1のキャリア輸送層のイオン化ポテンシャルIpP1と、前記第2のキャリア輸送層のイオン化ポテンシャルIpP2との関係が、IpP1<IpP2である有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することにある。
【0008】
ここで、イオン化ポテンシャルは、発光層やキャリア輸送層の価電子レベルと真空準位のエネルギーの差であり、正の値で示される。
【0009】
本発明によれば、発光層の陽極側に第1のキャリア輸送層と、第1のキャリア輸送層の陰極側に第1のキャリア輸送層のイオン化ポテンシャルIpP1より小さなイオン化ポテンシャルIpP2を有する第2のキャリア輸送層とが形成されている。したがって、正孔が陽極から発光層へ向かう手前の第1のキャリア輸送層と第2のキャリア輸送層との界面にエネルギー障壁が形成され、第1のキャリア輸送層に正孔が蓄積されて発光層に流れる正孔電流量が低下する。その結果、正孔電流量が調節されて、発光効率を向上させることができる。
【0010】
本発明の他の課題は、前記発光層のエネルギーギャップEgEMLと、前記第2のキャリア輸送層のエネルギーギャップEgP2との関係が、EgEML<EgP2である有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することにある。
【0011】
ここで、エネルギーギャップは、伝導レベルと価電子レベル(価電子帯の上端のエネルギー)のエネルギー差であり、正の値で示される。
【0012】
本発明によれば、発光層の陽極側に発光層のエネルギーギャップEgEMLより大きなエネルギーギャップEgP2を有する第2のキャリア輸送層が形成されている場合には、第2のキャリア輸送層での電子と正孔の再結合が抑制され、発光層での発光効率を向上させることができる。
【0013】
本発明のその他の課題は、互いに対向する陽極と陰極との間に形成された発光層と、前記発光層の陽極側に形成された第1のキャリア輸送層と、前記第1のキャリア輸送層の陰極側に前記第1のキャリア輸送層と接するように形成された第2のキャリア輸送層と、前記第1のキャリア輸送層と前記第2のキャリア輸送層が交互に積層されて形成された少なくとも一つの積層構造と、前記発光層の陰極側に形成された第3のキャリア輸送層と、前記第3のキャリア輸送層の陰極側に前記第3のキャリア輸送層と接するように形成された第4のキャリア輸送層と、前記第3のキャリア輸送層と前記第4のキャリア輸送層が交互に積層されて形成された少なくとも一つの積層構造とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記第1のキャリア輸送層のイオン化ポテンシャルIpP1と、前記第2のキャリア輸送層のイオン化ポテンシャルIpP2との関係が、IpP1<IpP2であり、かつ前記第3のキャリア輸送層の電子親和力EaP3と、前記第4のキャリア輸送層の電子親和力EaP4との関係が、EaP3<EaP4である有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することにある。
【0014】
ここで、電子親和力は、発光層やキャリア輸送層の伝導レベル(伝導帯の下端のエネルギー)と真空準位のエネルギー差であり、正の値で示される。
【0015】
本発明によれば、発光層の陽極側に、第1のキャリア輸送層のイオン化ポテンシャルIpP1より大きなイオン化ポテンシャルIpP2を有する第2のキャリア輸送層が第1のキャリア輸送層の陰極側に接するように形成されているため、正孔が陽極から発光層へ向かう手前の第1のキャリア輸送層と第2のキャリア輸送層との界面にエネルギー障壁が形成される。また、発光層の陰極側には、第3のキャリア輸送層の電子親和力EaP3より大きな電子親和力EaP4を有する第4のキャリア輸送層が第3のキャリア輸送層の陰極側に接するように形成されているため、電子が陰極から発光層へ向かう手前の第4のキャリア輸送層と第3のキャリア輸送層に対してエネルギー障壁が形成されるため、正孔電流量と電子電流量が調整されて、発光効率を向上することができる。
【0016】
本発明のその他の課題は、前記発光層のエネルギーギャップEgEMLと、前記第2のキャリア輸送層のエネルギーギャップEgP2と、前記第3のキャリア輸送層のエネルギーギャップEgP3との関係が、EgEML<EgP2,EgEML<EgP3である有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することにある。
【0017】
本発明によれば、発光層の陽極側には発光層のエネルギーギャップEgEMLよりも大きなエネルギーギャップを有する第2のキャリア輸送層が形成され、発光層の陰極側には発光層のエネルギーギャップEgEMLよりも大きなエネルギーギャップを有する第3のキャリア輸送層が形成されている場合には、第2のキャリア輸送層及び第3のキャリア輸送層での電子と正孔の再結合が抑制され、発光層の発光効率を向上させることができる。
【0018】
本発明のその他の課題は、互いに対向する陽極と陰極との間に形成された発光層と、前記発光層の陽極側に形成された第1のキャリア輸送層と、前記第1のキャリア輸送層の陰極側に前記第1のキャリア輸送層と接するように形成された第2のキャリア輸送層と、前記第1のキャリア輸送層と前記第2のキャリア輸送層が交互に積層されて形成された少なくとも一つの積層構造とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた有機エレクトロルミネッセンスディスプレイであって、前記第1のキャリア輸送層のイオン化ポテンシャルIpP1と、前記第2のキャリア輸送層のイオン化ポテンシャルIpP2との関係が、IpP1<IpP2であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスディスプレイを提供することにある。
【0019】
本発明によれば、発光層の陽極側に第1のキャリア輸送層と、第1のキャリア輸送層の陰極側に第1のキャリア輸送層のイオン化ポテンシャルIpP1より小さなイオン化ポテンシャルIpP2を有する第2のキャリア輸送層とが形成されている。したがって、正孔が陽極から発光層へ向かう手前の第1のキャリア輸送層と第2のキャリア輸送層との界面にエネルギー障壁が形成され、第1のキャリア輸送層に正孔が蓄積されて発光層に流れる正孔電流量が低下するため、正孔電流量が調節されて、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光効率を向上させることができ、上記有機エレクトロルミネッセンス素子を有機エレクトロルミネッセンスディスプレイに形成することで、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの視認性の向上及び低消費電力化が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
(第1の実施の形態)
図3は、本発明の第1の実施の形態の有機EL素子の断面図である。図3に示すように、有機EL素子30は、ガラス基板33上に、陽極34と、第1のキャリア輸送層35Aと、第2のキャリア輸送層35Bと、発光層36と、第3のキャリア輸送層37Aと、第4のキャリア輸送層37Bと、電子輸送層38と、陰極39とが順次形成された構成となっている。第1のキャリア輸送層35Aには、第2のキャリア輸送層35Bよりもイオン化ポテンシャルIpが小さく、第3のキャリア輸送層37Aには、第4のキャリア輸送層37Bよりも電子親和力Eaが小さい材料が用いられている。
【0022】
有機EL素子30は、10nm〜1000nm程度の膜厚を有している。1000nmよりも厚いと、抵抗が上がり電流が流れにくくなってしまい10nmより薄いと発光層36自体の厚さが過度に薄くなり、発光輝度が不足してしまう。
【0023】
陽極34と陰極39は、有機EL素子30の所望の位置に電圧を印加するための電極であり、陽極34は、例えば、ITOやIZO(Indium Zinc Oxide)などを用いることができ、陰極39は、例えば、Al/LiF電極やAg/Mg電極などを用いることができる。
【0024】
第1,第2のキャリア輸送層35A,35Bは、電子、正孔の輸送能力の高い材料により構成され、第1のキャリア輸送層35Aには下記式(1)に示される2−TNATA(東洋インキ社製)を用いることができ、第2のキャリア輸送層35Bには、下記式(2)に示されるα−NPD(東洋インキ社製)やEL002(保土ヶ谷化学社製)などを用いることができる。第1,第2のキャリア輸送層35A,35Bの膜厚は、10nm〜50nmの範囲に設定され、有機EL素子を構成する層の数と有機EL素子全体の厚さに応じて適宜選択される。
Figure 0004263175
Figure 0004263175
第3,第4のキャリア輸送層37A,37Bは、電子、正孔の輸送能力の高い材料により構成され、第3のキャリア輸送層37AにはTYE−704(東洋インキ社製)を用いることができ、第4のキャリア輸送層37Bには、TYG−201(東洋インキ社製)やCBP(同人化学研究所社製)などを用いることができる。第3,第4のキャリア輸送層37A,37Bの膜厚は、10nm〜50nmの範囲に設定され、有機EL素子を構成する層の数と有機EL素子全体の厚さに応じて適宜選択される。
【0025】
発光層36は、所望の発光色を発光するための材料、例えば有機蛍光体が含まれ、金属錯体等の材料により構成されており、例えば、TYG−201(東洋インキ社製)や下記式(3)に示したAlq(tris(8−hydroxyquinolio)aluminium)(東洋インキ社製)等を用いることができる。発光層36の膜厚は、10nm〜50nmの範囲に設定され、前記キャリア輸送層と同様に適宜厚さが選択される。
Figure 0004263175
電子輸送層38は、電子の輸送能力の高い材料により構成され、例えば、TYE−704(東洋インキ社製)やTYE−703(東洋インキ社製)等を用いることができる。
【0026】
上記有機EL素子30の各層は、例えば、真空蒸着法により圧力を1.33×10−4Pa、ガラス基板33の温度を室温にして形成される。
【0027】
図4は、第1の実施の形態の有機EL素子のエネルギーダイアグラムを示した図である。図4中のEa、Eg、Ipは、それぞれ有機EL素子の各層の電子親和力Ea、エネルギーギャップEg、イオン化ポテンシャルIpを示しており、電子親和力Eaは伝導レベル41(伝導帯の下端のエネルギー)と真空準位のエネルギーとの差であり、エネルギーギャップEgは伝導レベル41と価電子レベル42(価電子帯の上端のエネルギー)のエネルギーとの差であり、イオン化ポテンシャルIpは価電子レベル42と真空準位とのエネルギーの差である。
【0028】
図4に示すように、発光層36の陽極34側に第2のキャリア輸送層35Bが形成され、第2のキャリア輸送層35Bの陽極34側には第1のキャリア輸送層35Aが形成され、発光層36の陰極39側には第3のキャリア輸送層37Aが形成され、第3のキャリア輸送層37Aの陰極39側には第4のキャリア輸送層37Bが形成されている。
【0029】
第1のキャリア輸送層35A、第2のキャリア輸送層35Bのイオン化ポテンシャルをそれぞれ、Ip35A、Ip35Bとすると、第1のキャリア輸送層35Aと第2のキャリア輸送層35Bとの関係は、Ip35A<Ip35Bに設定されている。また、第3のキャリア輸送層37A、第4のキャリア輸送層37Bの電子親和力をそれぞれ、Ea37A、Ea37Bとすると、第3のキャリア輸送層37Aと第4のキャリア輸送層37Bとの関係は、Ea37A<Ea37Bに設定されている。さらに、発光層36、第2のキャリア輸送層35B、第3のキャリア輸送層37Aのエネルギーギャップをそれぞれ、Eg36、Eg35B、Eg37Aとすると、発光層36、第2のキャリア輸送層35B、第3のキャリア輸送層37Aとの関係は、Eg36<Eg35B,Eg36<Eg37Aに設定されている。
【0030】
正孔の流れについて説明する。正孔は、陽極34から陰極39に向かって第1のキャリア輸送層35Aと第2のキャリア輸送層35Bを通り発光層36に達する。しかし、第1のキャリア輸送層35Aと第2のキャリア輸送層35Bとの界面には、エネルギー障壁BH−Aが形成されている。エネルギー障壁BH−Aの高さEBH−Aは、第1のキャリア輸送層35Aのイオン化ポテンシャルIp35Aと第2のキャリア輸送層35Bのイオン化ポテンシャルIp35Bとの差、すなわちEBH−A=Ip35B―Ip35Aである。Ip35B>Ip35Aに設定されているのでEBH−A>0である。したがって、正孔はエネルギー障壁BH−Aにより第1のキャリア輸送層35Aに蓄積され、発光層36に流れる正孔電流量が低下する。その結果、発光層36に流れ込む正孔電流量が調整され、電子と正孔が再結合するので発光効率を向上させることができる。
【0031】
また、第2のキャリア輸送層35BのエネルギーギャップEg35Bは、発光層36のエネルギーギャップEg36よりも大きいので、第2のキャリア輸送層35Bでの再結合が抑制され、発光層36での発光効率を向上させることができる。
【0032】
次に、電子の流れについて説明する。電子は、陰極39から陽極34に向かって、電子輸送層38、第4のキャリア輸送層37B及び第3のキャリア輸送層37Aを通り発光層36に達する。しかし、第4のキャリア輸送層37Bと第3のキャリア輸送層37Aとの界面には、エネルギー障壁BE−Bが形成されている。エネルギー障壁BE−Bの高さEBE−Bは、第4のキャリア輸送層37Bの電子親和力Ea37Bと第3のキャリア輸送層37Aの電子親和力Ea37Aとの差、すなわちEBE−B=Ea37B―Ea37Aである。Ea37B>Ea37Aに設定されているのでEBE−B>0である。したがって、電子は第4のキャリア輸送層37Bに蓄積されて電子電流量が低下し、発光層36に流れ込む電子電流量の調整ができる。よって、正孔にとってのエネルギー障壁BH−Aを複数形成し、かつ電子にとってのエネルギー障壁BE−Aを設けることで正孔電流量と電子電流量を調整し、発光層36での発光効率を向上させることができる。
【0033】
また、第3のキャリア輸送層37AのエネルギーギャップEg37Aは、発光層36のエネルギーギャップEg36よりも大きいので、第3のキャリア輸送層37Aでの再結合が抑制され、発光層36での発光効率を向上させることができる。
【0034】
本実施の形態によれば、上述したように、発光層36の陽極側に形成された第2のキャリア輸送層35Bと、発光層36の陰極側に形成された第3のキャリア輸送層37Aとでの発光を防ぐと共に、正孔電流量と電子電流量を調整して、発光層36での発光効率を向上することができる。
【0035】
[第1実施例]
第1実施例の有機EL素子を以下のように形成した。ガラス基板33上に、真空蒸着法により、陽極34にITO電極と、第1のキャリア輸送層35A/第2のキャリア輸送層35Bに2−TNATA層(膜厚30nm)/α−NPD層(膜厚10nm)、2−TNATA層(膜厚10nm)/α−NPD層(膜厚10nm)及び2−TNATA層(膜厚10nm)/α−NPD層(膜厚30nm)と、発光層36にノンドープ型の緑色発光するTYG−201層を膜厚20nmと、第3のキャリア輸送層37A/第4のキャリア輸送層37BにTYE−704層(膜厚10nm)/TYG−201層(膜厚10nm)及びTYE−704層(膜厚10nm)/TYG−201層(膜厚10nm)と、電子輸送層38にTYE−704層を膜厚20nmと、陰極39にフッ化リチウム膜が膜厚0.5nmとAl膜が膜厚100nmからなるAl/LiF積層膜を順次形成した。
【0036】
第1の実施の形態では、発光層の陽極側に第1のキャリア輸送層35A/第2のキャリア輸送層35Bからなる積層構造を1層のみ形成したが、第1実施例で3層形成した。また、第1の実施の形態では、発光層の陽極側に第3のキャリア輸送層37A/第4のキャリア輸送層37Bからなる積層構造を1層のみ形成したが、第1実施例では2層形成した。
【0037】
ここで、本発明を実施する上で重要なエネルギーギャップEgとイオン化ポテンシャルIpの測定方法について説明する。
【0038】
エネルギーギャップEgは、上記有機EL素子30の形成方法と同様な方法を用いて有機EL素子30の各層を単独に形成した薄膜を、光吸収スペクトルが測定できる分光光度計装置、例えば、日立社製スペクトロフォトメーターU−4100を用いて大気中で紫外から可視領域の光を薄膜に対して照射して測定した。
【0039】
図5は、光吸収スペクトルの波長依存性を示した図である。図5中の曲線Jは、測定結果である光吸収スペクトルを示している。なお、範囲Tは、光吸収スペクトルの強度が立ち上がり部のうち、曲線Jが直線になっている部分を示している。範囲Uは、光吸収スペクトルの未吸収波長領域において、曲線Jが直線になっている部分を示している。直線Kは、範囲Tに示した曲線Jと重なるように引いた直線である。直線Lは、範囲Uに示した曲線Jと重なるように引いた直線である。エネルギーギャップEgは、直線Kと直線Lとの交点Mから求められる。
【0040】
イオン化ポテンシャルIpは、エネルギーギャップEgの測定に用いた薄膜と同様に形成された薄膜を用いて、大気雰囲気型紫外線光電子分析装置、例えば、理研計器製AC−1を用いて大気中で紫外線を薄膜に対して照射して、放出される光電子の数を測定して、紫外線のエネルギーと光電子の放出数の平方根との関係から求められる。理研計器製AC−1の測定条件は、紫外線のエネルギー範囲が3.8〜6.2eV、紫外線の強度が20nWである。薄膜の膜厚は、50nmを用いた。
【0041】
図6は、紫外線のエネルギーと光電子の放出数の平方根との関係を示した図である。放出される光電子の数は紫外線のエネルギーの大きさに依存し、図6中に示した範囲Nにおいては、紫外線のエネルギーが小さいため光電子は放出されないが、範囲Oにおいては、紫外線のエネルギーが十分に大きいため、光電子は真空準位よりも高いエネルギーの準位へ励起され、光電子が放出される。図6中に示した直線Pは、紫外線のエネルギーが4.2eV〜5.3eVの間について最小2乗法により引かれた近似直線を示している。直線Qは、紫外線のエネルギーが5.6eV〜5.9eVの間について最小2乗法により引かれた近似直線を示している。
【0042】
直線Pと直線Qの交点Rは、光電子放出のしきい値エネルギーを示しており、この光電子放出のしきい値エネルギーがイオン化ポテンシャルIpである。電子親和力Eaは、イオン化ポテンシャルIpとエネルギーギャップEgとの差(Ea=Ip―Eg)により求められる。
【0043】
図7は、第1実施例に用いた層の電子親和力Ea、イオン化ポテンシャルIp及びエネルギーギャップEgを示した図である。図7に示すように、第1のキャリア輸送層35Aに用いた2−TNATA層のイオン化ポテンシャルIpは5.19eVであり、第2のキャリア輸送層35Bに用いたα−NPD層のイオン化ポテンシャルIpは5.46eVである。よって、2−TNATA層とα−NPD層のイオン化ポテンシャルIpとの差により、第1のキャリア輸送層35Aと第2のキャリア輸送層35Bの界面に、0.27eVの大きさのエネルギー障壁が3つ形成される。また、第4のキャリア輸送層37Bに用いたTYG−201層の電子親和力Eaは3.20eVであり、第3のキャリア輸送層37Aに用いたTYE−704層の電子親和力Eaは2.97eVである。
【0044】
したがって、TYG−201層とTYE−704層の電子親和力Eaの差により、第4のキャリア輸送層37Bと第3のキャリア輸送層37Aの界面に、0.23eVの大きさのエネルギー障壁が2つ形成される。その結果、第1のキャリア輸送層35Aと第2のキャリア輸送層35Bの界面に形成された3つのエネルギー障壁により、第1のキャリア輸送層に用いた2−TNATA層にそれぞれ正孔が蓄積されて、正孔電流量は低下する。また、第4のキャリア輸送層37Bと第3のキャリア輸送層37Aの界面に形成された2つのエネルギー障壁により、第4のキャリア輸送層に用いたTYG−201層にそれぞれ電子が蓄積されて、電子電流量が低下する。その結果、発光層36に流れる電子電流量と正孔電流量とが調節されて、電子と正孔が再結合するため、発光効率を向上させることができる。
【0045】
また、第2のキャリア輸送層35Bに用いたα―NPD層のエネルギーギャップEgは3.04eVであり、第3のキャリア輸送層37Aに用いたTYE−704層のエネルギーギャップEgは2.76eVであり、発光層36のエネルギーギャップEgは2.40eVである。よって、第2のキャリア輸送層35BのエネルギーギャップEgは、発光層36のエネルギーギャップEgよりも0.64eV大きく、第3のキャリア輸送層37AのエネルギーギャップEgは、発光層36のエネルギーギャップEgよりも0.36eV大きいため、発光層36での電子と正孔の再結合する確率が増加し、発光層36に用いたTYG−201層の発光効率を向上させることができる。
【0046】
[第2実施例]
図8は、第2実施例の有機EL素子の層構成を示した図である。
【0047】
第2の実施例は、第1実施例において、発光層36と陽極との間に第1のキャリア輸送層35A/第2のキャリア輸送層35Bからなる積層構造を1組少なく形成したものである。なお、有機EL素子の全体の厚さにより各層の膜厚が決定されている。
【0048】
第2実施例によれば、第1実施例よりも第1のキャリア輸送層35A/第2のキャリア輸送層35Bが1組少なく形成されている。先の発明が解決しようとする課題で述べたように正孔電流量と電子電流量の大きさは、有機EL素子を構成する膜の種類や積層する膜厚により変わる。したがって、有機EL素子の正孔電流量が電子電流量と比較してあまり大きくない場合には、第1実施例のように3つのエネルギー障壁を形成すると、正孔電流量が小さくなりすぎて発光効率が低下してしまう。したがって、正孔にとってのエネルギー障壁を1つ少なく形成して、第1実施例よりも正孔電流量の低下を抑制することで、より多くの電子が正孔との再結合に寄与し、有機EL素子全体の発光効率を高めることができる。
【0049】
[発光効率の評価]
次に、第1及び第2実施例の有機EL素子の発光輝度の評価を行なった。本発明によらない比較例1〜3の有機EL素子を作成して評価した。
【0050】
比較例1の有機EL素子は、ガラス基板上に、真空蒸着法を用いて、陽極にITO電極と、正孔注入層に2−TNATA層を膜厚30nmと、正孔輸送層にα−NPD層を膜厚50nmと、発光層にノンドープ型の緑色発光するTYG−201層を膜厚40nmと、電子輸送層にTYE−704層を膜厚40nmと、フッ化リチウム膜が膜厚0.5nmとAl膜が膜厚100nmからなるAl/LiF積層膜とが順次形成された構成とした。真空蒸着装置内の圧力とガラス基板の温度は、圧力が1.33×10−4Pa、ガラス基板の温度は室温とした。次に、比較例2〜3の有機EL素子を比較例1と同様な方法により形成した。
【0051】
図9は、比較例2及び3の有機EL素子の膜構成を示した図である。
【0052】
次に、第1実施例及び第2実施例の有機EL素子に電圧を印加し、陽極から発光層の陽極側に接する第2のキャリア輸送層の間に流れる電流量と、陰極から発光層の陰極側に接する第3のキャリア輸送層の間に流れる電流量とを別々に測定した。また、比較例1の有機EL素子に電圧を印加し、陽極から正孔輸送層の間の電流量と、陰極から電子輸送層の間の電流量とを別々に測定した。
なお、第1実施例及び第2実施例の発光層の陽極側に接する第2のキャリア輸送層から陽極の間に流れる電流量と、比較例1の陽極から正孔輸送層の間の電流量は、正孔が陽極から陰極側へ移動することで発生する電流量と考えることができ、本評価ではこの電流量を正孔電流量と定義する。また、第1実施例及び第2実施例の発光層の陰極側に接する第3のキャリア輸送層から陰極の間に流れる電流量と、比較例1の陰極から電子輸送層の間の電流量は、電子が陰極から陽極側へ移動することで発生する電流量と考えることができ、本評価ではこの電流量を電子電流量と定義する。
【0053】
図10は、第1実施例の有機EL素子の正孔電流量と電圧の関係を示した図であり、図11は、第2実施例の有機EL素子の正孔電流量と電圧の関係を示した図であり、図12は、比較例1の有機EL素子の正孔電流量と電圧の関係を示した図である。
【0054】
図10に示した第1実施例の有機EL素子には、発光層の陽極側にエネルギー障壁が3つ形成されており、図11に示した第2実施例の有機EL素子には、発光層の陽極側にエネルギー障壁が2つ形成されている。また、図12に示した比較例1にはエネルギー障壁が1つ形成されている。図10〜図12に示すように、発光層の陽極側にエネルギー障壁が多く形成されると、正孔電流量が低下することが分かる。
【0055】
図13は、第1実施例の有機EL素子の電子電流量と電圧の関係を示した図である。図13に示した有機EL素子は、発光層の陰極側にエネルギー障壁が2つ形成されている。図13の電子電流量と図11に示した発光層の陽極側に2つのエネルギー障壁が形成した場合の正孔電流量とを比較すると、正孔電流量は電子電流量よりも大きいことが分かる。このことから、エネルギー障壁を形成しない場合には、正孔電流量は電子電流量よりも大きいことが分かる。
【0056】
図14は、有機EL素子の発光効率の電圧依存性を示した図である。図14に示すように、第2実施例の有機EL素子の発光効率が最も高いことが分かる。
【0057】
ここで、正孔にとってのエネルギー障壁を多く設けた第1実施例よりも、第2実施例の有機EL素子の発光効率が高くなった原因についての考察を行う。有機EL素子の発光効率を向上させるためには、正孔電流量を小さくすることと、発光層36において再結合に寄与する電子の数と正孔の数との差を小さくすることが必要である。電子電流量は、電子の数と電子の移動度により決まり、正孔電流量は、正孔の数と正孔の移動度により決まる。また、一般的に電子の移動度は、正孔の移動度よりも小さいため、電子の数と正孔の数とが同じ場合でも電子電流量と正孔電流量とは同じにはならない。エネルギー障壁を形成しない場合には、正孔電流量は電子電流量よりも大きく、正孔にとってのエネルギー障壁を設けることで、正孔電流量が減少すると共に、正孔の数も減少する。実施例1においては、正孔にとってのエネルギー障壁が3つ形成されており、電子と再結合する正孔の数を必要以上に減少させてしまったと考えられる。実施例2では、実施例1よりも少ない2つのエネルギー障壁を設けたため、電子の数と正孔の数との差を小さくできたため、発光効率が向上して実施例1よりも良い結果になったと考えられる。
【0058】
(第2の実施の形態)
図15は、本発明の第2の実施の形態の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(有機ELディスプレイ)の概要構成を示した斜視図である。図15に示すように、有機ELディスプレイ50は、ガラス基板33上に陰極39であるAl/LiF電極と、陽極34であるITO電極とが直交するように形成され、その間に第1の実施の形態の有機EL素子を構成する積層体45が形成された構成となっている。有機ELディスプレイ50の発光は、発光させたい発光層の領域のITO電極とAl/LiF電極をそれぞれ指定して電圧を印加して行なう。有機ELディスプレイ50を上記構成としたことで、発光効率を向上することができる。
【0059】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の記載範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0060】
例えば、第1の実施の形態に示した有機EL素子に設ける正孔のエネルギー障壁と電子のエネルギー障壁の個数は各有機EL素子に応じて適宜に選択して良い。
【産業上利用可能性】
【0061】
本発明によれば、発光層の陽極側に第1のキャリア輸送層と、第1のキャリア輸送層の陰極側に第1のキャリア輸送層のイオン化ポテンシャルIpP1より小さなイオン化ポテンシャルIpP2を有する第2のキャリア輸送層とを形成することにより、正孔が陽極から発光層へ向かう手前の第1のキャリア輸送層と第2のキャリア輸送層との界面にエネルギー障壁が形成され、第1のキャリア輸送層に正孔が蓄積されて発光層に流れる正孔電流量が低下して、正孔電流量が調節されるため、発光効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、従来の有機EL素子の断面図を示した図である。
図2は、図1に示す有機EL素子のエネルギーダイアグラムを示した図である。
図3は、本発明の第1の実施の形態の有機EL素子の断面図である。
図4は、第1の実施の形態の有機EL素子のエネルギーダイアグラムを示した図である。
図5は、光吸収スペクトルの波長依存性を示した図である。
図6は、紫外線のエネルギーと光電子の放出数の平方根との関係を示した図である。
図7は、第1実施例に用いた層の電子親和力Ea、イオン化ポテンシャルIp及びエネルギーギャップEgを示した図である。
図8は、第2実施例の有機EL素子の層構成を示した図である。
図9は、比較例2及び3の有機EL素子の膜構成を示した図である。
図10は、第1実施例の有機EL素子の正孔電流量と電圧の関係を示した図である。
図11は、第2実施例の有機EL素子の正孔電流量と電圧の関係を示した図である。
図12は、比較例1の有機EL素子の正孔電流量と電圧の関係を示した図である。
図13は、第1実施例の有機EL素子の電子電流量の電圧依存性を示した図である。
図14は、有機EL素子の発光効率の電圧依存性を示した図である。
図15は、本発明の第2の実施の形態の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの概要構成を示した斜視図である。
ディスプレイ。

Claims (11)

  1. 互いに対向する陽極と陰極との間に形成された発光層と、
    前記発光層の陽極側に形成された第1のキャリア輸送層と、
    前記第1のキャリア輸送層の陰極側に前記第1のキャリア輸送層と接するように形成された第2のキャリア輸送層と、
    前記第1のキャリア輸送層と前記第2のキャリア輸送層が交互に積層されて形成された少なくとも一つの積層構造と
    を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記第1のキャリア輸送層のイオン化ポテンシャルIpP1と、前記第2のキャリア輸送層のイオン化ポテンシャルIpP2との関係が、IpP1<IpP2であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記第1のキャリア輸送層は、αNPDを用い、前記第2のキャリア輸送層には、2−TNATAを用いることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記発光層のエネルギーギャップEgEMLと前記第2のキャリア輸送層のエネルギーギャップEgP2との関係が、EgEML<EgP2であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 互いに対向する陽極と陰極との間に形成された発光層と、
    前記発光層の陰極側に形成された第1のキャリア輸送層と、
    前記第1のキャリア輸送層の陰極側に接するように形成された第2のキャリア輸送層と、
    前記第1のキャリア輸送層と前記第2のキャリア輸送層が交互に積層されて形成された少なくとも一つの積層構造と
    を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記第1のキャリア輸送層の電子親和力EaP1と、前記第2のキャリア輸送層の電子親和力EaP2との関係が、EaP1<EaP2であり、前記積層構造のうち前記発光層に最も近い第1のキャリア輸送層が前記発光層に接していることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記第1のキャリア輸送層には、TYE704を用い、前記第2のキャリア輸送層には、TYG−201を用いることを特徴とする請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記発光層のエネルギーギャップEgEMLと前記第1のキャリア輸送層のエネルギーギャップEgP1との関係が、EgEML<EgP1であることを特徴とする請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 互いに対向する陽極と陰極との間に形成された発光層と、前記発光層の陽極側に形成された第1のキャリア輸送層と、
    前記第1のキャリア輸送層の陰極側に前記第1のキャリア輸送層と接するように形成された第2のキャリア輸送層と、
    前記第1のキャリア輸送層と前記第2のキャリア輸送層が交互に積層されて形成された少なくとも一つの積層構造と、 前記発光層の陰極側に形成された第3のキャリア輸送層と、
    前記第3のキャリア輸送層の陰極側に前記第3のキャリア輸送層と接するように形成された第4のキャリア輸送層と、
    前記第3のキャリア輸送層と前記第4のキャリア輸送層が交互に積層されて形成された少なくとも一つの積層構造と
    を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記第1のキャリア輸送層のイオン化ポテンシャルIpP1と、前記第2のキャリア輸送層のイオン化ポテンシャルIpP2との関係が、IpP1<IpP2であり、かつ前記第3のキャリア輸送層の電子親和力EaP3と、前記第4のキャリア輸送層の電子親和力EaP4との関係が、EaP3<EaP4であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記発光層のエネルギーギャップEgEMLと、前記第2のキャリア輸送層のエネルギーギャップEgP2と、前記第3のキャリア輸送層のエネルギーギャップEgP3との関係が、EgEML<EgP2,EgEML<EgP3であることを特徴とする請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 互いに対向する陽極と陰極との間に形成された発光層と、
    前記発光層の陽極側に形成された第1のキャリア輸送層と、
    前記第1のキャリア輸送層の陰極側に前記第1のキャリア輸送層と接するように形成された第2のキャリア輸送層と、
    前記第1のキャリア輸送層と前記第2のキャリア輸送層が交互に積層されて形成された少なくとも一つの積層構造と
    を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた有機エレクトロルミネッセンスディスプレイであって、
    前記第1のキャリア輸送層のイオン化ポテンシャルIpP1と、前記第2のキャリア輸送層のイオン化ポテンシャルIpP2との関係が、IpP1<IpP2であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
  10. 互いに対向する陽極と陰極との間に形成された発光層と、
    前記発光層の陰極側に形成された第1のキャリア輸送層と、
    前記第1のキャリア輸送層の陰極側に接するように形成された第2のキャリア輸送層と、
    前記第1のキャリア輸送層と前記第2のキャリア輸送層が交互に積層されて形成された少なくとも一つの積層構造と
    を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子を有する有機エレクトロルミネッセンスディスプレイであって、
    前記第1のキャリア輸送層の電子親和力EaP1と、前記第2のキャリア輸送層の電子親和力EaP2との関係が、EaP1<EaP2であり、前記積層構造のうち前記発光層に最も近い第1のキャリア輸送層が前記発光層に接していることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
  11. 互いに対向する陽極と陰極との間に形成された発光層と、前記発光層の陽極側に形成された第1のキャリア輸送層と、
    前記第1のキャリア輸送層の陰極側に前記第1のキャリア輸送層と接するように形成された第2のキャリア輸送層と、
    前記第1のキャリア輸送層と前記第2のキャリア輸送層が交互に積層されて形成された少なくとも一つの積層構造と
    前記発光層の陰極側に形成された第3のキャリア輸送層と、
    前記第3のキャリア輸送層の陰極側に前記第3のキャリア輸送層と接するように形成された第4のキャリア輸送層と、
    前記第3のキャリア輸送層と前記第4のキャリア輸送層が交互に積層されて形成された少なくとも一つの積層構造と
    を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた有機エレクトロルミネッセンスディスプレイであって、
    前記第1のキャリア輸送層のイオン化ポテンシャルIpP1と、前記第2のキャリア輸送層のイオン化ポテンシャルIpP2との関係が、IpP1<IpP2であり、かつ前記第3のキャリア輸送層の電子親和力EaP3と、前記第4のキャリア輸送層の電子親和力EaP4との関係が、EaP3<EaP4であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
JP2004562854A 2002-12-25 2002-12-25 有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ Expired - Lifetime JP4263175B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2002/013548 WO2004060028A1 (ja) 2002-12-25 2002-12-25 有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2004060028A1 JPWO2004060028A1 (ja) 2006-05-11
JP4263175B2 true JP4263175B2 (ja) 2009-05-13

Family

ID=32676947

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004562854A Expired - Lifetime JP4263175B2 (ja) 2002-12-25 2002-12-25 有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ

Country Status (4)

Country Link
US (1) US7233105B2 (ja)
EP (1) EP1578174A1 (ja)
JP (1) JP4263175B2 (ja)
WO (1) WO2004060028A1 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4300176B2 (ja) * 2003-11-13 2009-07-22 ローム株式会社 有機エレクトロルミネッセント素子
US7300731B2 (en) * 2004-08-10 2007-11-27 E.I. Du Pont De Nemours And Company Spatially-doped charge transport layers
JP4789598B2 (ja) * 2004-12-06 2011-10-12 株式会社半導体エネルギー研究所 発光素子及び電子機器
US7667389B2 (en) 2004-12-06 2010-02-23 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Light emitting element, light emitting device, and electronic device
JP2007035793A (ja) * 2005-07-25 2007-02-08 Optrex Corp 有機led素子
JP5151111B2 (ja) * 2005-10-12 2013-02-27 大日本印刷株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP4752457B2 (ja) * 2005-11-11 2011-08-17 日本精機株式会社 有機el素子
US7569288B2 (en) * 2006-03-01 2009-08-04 Eastman Kodak Company Electroluminescent device including gallium complexes
US20070207345A1 (en) * 2006-03-01 2007-09-06 Eastman Kodak Company Electroluminescent device including gallium complexes
TW200908777A (en) 2007-03-23 2009-02-16 Idemitsu Kosan Co Organic el device
JP5260905B2 (ja) * 2007-07-12 2013-08-14 株式会社ジャパンディスプレイ 有機el表示装置
US7973357B2 (en) * 2007-12-20 2011-07-05 Samsung Electronics Co., Ltd. Non-volatile memory devices
DE102009047883A1 (de) * 2009-09-30 2011-03-31 Osram Opto Semiconductors Gmbh Optoelektronisches organisches Bauelement und Verfahren zu dessen Herstellung
JP2018022864A (ja) * 2016-07-20 2018-02-08 株式会社Joled 有機電界発光素子、有機電界発光装置および電子機器

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3476855B2 (ja) * 1992-01-07 2003-12-10 株式会社東芝 有機el素子
US5343050A (en) * 1992-01-07 1994-08-30 Kabushiki Kaisha Toshiba Organic electroluminescent device with low barrier height
JP2577851B2 (ja) 1992-09-11 1997-02-05 株式会社日立製作所 有機超格子光電子素子とその製法
JP3556258B2 (ja) * 1992-12-18 2004-08-18 株式会社リコー 複数のキャリヤー注入層を有する有機薄膜el素子
JP2649646B2 (ja) 1993-10-08 1997-09-03 株式会社日立製作所 新規有機超格子光電子素子
GB9810798D0 (en) * 1998-05-20 1998-07-15 Sharp Kk Light emitting devices
JP2001071558A (ja) 1999-09-03 2001-03-21 Futaba Corp Elプリンタ及びel素子
JP3177234B1 (ja) * 1999-12-15 2001-06-18 株式会社山陽ハイテック 照明装置
JP2001176667A (ja) 1999-12-21 2001-06-29 Toyota Motor Corp 有機el素子
KR100478520B1 (ko) * 2001-08-13 2005-03-28 삼성에스디아이 주식회사 청색 발광 화합물 및 이를 발색재료로 채용하고 있는 유기전계 발광 소자

Also Published As

Publication number Publication date
WO2004060028A1 (ja) 2004-07-15
EP1578174A1 (en) 2005-09-21
US7233105B2 (en) 2007-06-19
JPWO2004060028A1 (ja) 2006-05-11
US20050104084A1 (en) 2005-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7193361B2 (en) Organic electroluminescence device and organic electroluminescence display
JP4263175B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ
JP2001237079A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
US7358661B2 (en) Organic electroluminescent device and display
WO2004082338A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ
WO2012070330A1 (ja) 有機el素子
EP1416549A2 (en) Organic electroluminescence device
JP2001237080A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2007043080A (ja) 有機電界発光素子を用いた光源
JPH065369A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2011258373A (ja) 有機el素子及び有機elディスプレイ
WO2012032913A1 (ja) 有機el素子
JPH03141588A (ja) 電界発光素子
JP2003297575A (ja) 有機電界発光素子
JP2006173050A (ja) 有機el素子
KR100699966B1 (ko) 유기 일렉트로루미네선스 소자 및 유기 일렉트로루미네선스디스플레이
JP2007180376A (ja) 有機エレクトロルミネッセント素子及び有機エレクトロルミネッセント表示装置
KR100752887B1 (ko) 유기 전계발광 소자 및 유기 전계발광 디스플레이
US20090066228A1 (en) Organic electroluminescence element
JP4441863B2 (ja) 有機el素子
KR20050092102A (ko) 유기 일렉트로루미네센스 소자 및 유기일렉트로루미네센스 디스플레이
WO2013129042A1 (ja) 有機el素子
JP2006269447A (ja) 有機elパネル
JP4697577B2 (ja) 有機el素子
JP2006127969A (ja) 有機el素子

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081111

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090203

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090210

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120220

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4263175

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120220

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140220

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term