JP2003151776A - 有機el素子 - Google Patents

有機el素子

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    • H10K85/324Metal complexes comprising a group IIIA element, e.g. Tris (8-hydroxyquinoline) gallium [Gaq3] comprising aluminium, e.g. Alq3
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 陽極と陰極との間に複数の有機層が挟まれて
なる有機EL素子において、陽極側の正孔輸送層の母材
の劣化を防止しつつ、青色成分を含む発光を適切に行え
るようにする。 【解決手段】 複数の有機層は、陽極側から陰極側にか
けて正孔注入層30、正孔輸送層31、電子捕獲層3
2、発光層33、電子輸送層34と積層されたものであ
り、発光層33は380nm以上510nm未満のピー
ク波長を持つ発光スペクトルを有する母材に蛍光色素が
添加されたものであり、電子捕獲層32の母材の伝導帯
最低準位Ec32が、正孔輸送層31の母材の伝導帯最
低準位Ec31および発光層33の母材の伝導帯最低準
位Ec33よりも低くなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陽極と陰極とから
なる一対の電極間に複数の有機層が挟まれてなる有機E
L(エレクトロルミネッセンス)素子に関し、更に詳し
くは、発光効率が高く、かつ発光安定性に優れた青色発
光層を有する有機EL素子に関する。
【0002】
【従来の技術】有機エレクトロルミネッセンス素子(有
機EL素子)は、自己発光のため、高輝度で高視野角な
どの高視認性を有しており、かつ数V〜数十Vの低電圧
駆動が可能なため駆動回路を含めた軽量化が可能であ
る。そこで薄膜型ディスプレイ、照明、バックライト等
としての活用が期待できる。
【0003】有機EL素子は、陽極と陰極とからなる一
対の電極間に複数の積層された有機層が挟まれてなるも
ので、一般に、陽極側から陰極側にかけて正孔輸送層、
発光層、電子輸送層等の有機層が設けられている。
【0004】そして、発光を行う発光層へは、陽極から
正孔輸送層を介して正孔が、陰極から電子輸送層を介し
て電子がそれぞれ注入され、発光層内にて正孔と電子と
が再結合し、このとき発生するエネルギーにより発光層
中の発光材料が発光するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような有機EL素
子は、種々の発光スペクトルを有する発光材料を組み合
わせることにより、混色によってさまざまな発光が可能
となることも特徴である。例えば、緑〜赤色について
は、アルミキレート等の緑色発光材料にドーパントを導
入することにより緑〜赤の発光が可能である。
【0006】しかしながら、青色発光素子については、
次のような問題がある。青色発光素子は、その母材が3
80nm以上510nm未満のピーク波長を持つ発光ス
ペクトルを有する有機層(以下、青色発光層という)で
ある。
【0007】青色発光層よりも陽極側に位置する正孔輸
送層は、通常、エネルギーギャップが大きいが、青色発
光層もエネルギーギャップが大きい。そのため、青色発
光層と正孔輸送層との間のエネルギー障壁が小さく、陰
極側から移動してくる電子は、青色発光層を超えて正孔
輸送層へ注入されやすい。
【0008】このように、青色発光層を含む有機EL素
子では、正孔輸送層への電子注入があるために、正孔輸
送層の母材(例えばアミン系である正孔輸送性材料)が
励起される。すると、正孔輸送層は、励起状態を保持す
ることが不安定であるため、正孔輸送層の劣化が生じ
る。その結果、素子全体での輝度低下も早いという問題
がある。
【0009】この正孔輸送層の母材を励起させない工夫
として、従来、正孔輸送層に蛍光色素をドープする方法
が知られている。例えば、特開2000−182768
号公報では、正孔輸送層中に、蛍光色素を添加して正孔
輸送性発光層とすることによって、正孔輸送層において
母材を励起させることなく蛍光色素を発光させるように
している。それによれば、母材の劣化を防止することが
できると考えられるが、正孔輸送層の母材(正孔輸送材
料)への電子注入を完全に阻止することは困難である。
【0010】また、正孔輸送層への電子注入を阻止する
方法として、特開平3−230583号公報に提案され
ているように、エネルギーレベルの相対関係を調節する
方法が挙げられる。この方法では、電子・正孔のエネル
ギー準位が井戸型になるように調整されている。混色発
光を実現させるためには、井戸型層を2層の積層構造に
することも知られている。
【0011】しかしながら、この構造の場合、井戸型層
を発光層として正孔輸送層への電子注入を阻止できるも
のの、井戸型層はエネルギーギャップの比較的狭い層で
あるため、井戸型層においてエネルギーギャップの狭い
緑よりも長波長の発光を実現することはできても、青色
といったエネルギーギャップの広い短波長の発光を実現
することは困難である。
【0012】そこで、本発明は上記問題に鑑み、陽極と
陰極とからなる一対の電極間に複数の有機層が挟まれて
なる有機EL素子において、陽極側の正孔輸送層の母材
の劣化を防止しつつ、青色成分を含む発光を適切に行え
るようにすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、電極間の複数
の有機層において、互いの伝導帯最低準位の関係を規定
することで陽極側の有機層(つまり、正孔輸送層)への
電子注入を抑制すること、および、蛍光色素が電子を捕
獲する性質を持つことを利用し、陰極側の有機層に蛍光
色素を添加し陰極側有機層にて発光を行うことに着目し
てなされたものである。
【0014】すなわち、請求項1に記載の発明では、陽
極(20)と陰極(40)とからなる一対の電極(2
0、40)間に複数の有機層(30、31、32、3
3、34)が挟まれてなる有機EL素子において、有機
層は、陽極側に位置する第1の有機層(31)と、陰極
側に位置する第3の有機層(33)と、第1及び第3の
有機層に挟まれた第2の有機層(32)とを備えるもの
であり、第3の有機層は、380nm以上510nm未
満のピーク波長を持つ発光スペクトルを有する母材に蛍
光色素が添加されたものであり、第2の有機層の母材の
伝導帯最低準位(Ec32)が、第1の有機層の母材の
伝導帯最低準位(Ec31)および第3の有機層の母材
の伝導帯最低準位(Ec33)よりも低くなっているこ
とを特徴としている。
【0015】それによれば、第2の有機層(32)の伝
導帯最低準位(Ec32)が、その両側に位置する第1
および第3の有機層の伝導帯最低準位(Ec31、Ec
33)よりも低くなる。そのため、陰極(40)から第
3の有機層(33)を超えて移動する電子は、第2の有
機層に捕獲され、陽極(20)側に位置し正孔輸送層と
して機能する第1の有機層(31)へは注入されにくく
なる。
【0016】また、陰極(40)側の第3の有機層(3
3)においては、その母材が青色発光領域の広いエネル
ギーギャップを有するものであるため、添加される蛍光
色素としても青色発光を有するものを選択することがで
きる。
【0017】そのため、上記伝導帯最低準位の関係を満
足すべく第2の有機層(32)のエネルギーギャップを
小さくするために、第2の有機層を、青色発光領域より
も長波長領域(緑〜赤)にピーク波長を持つ発光スペク
トルを有するものにしても、第3の有機層の蛍光色素と
して青色発光するものを選択すれば、第3の有機層にて
青色発光が可能である。
【0018】これは、上述したように、蛍光色素に電子
を捕獲する性質があること、および、陽極(20)から
第1及び第2の有機層(31、32)を超えて第3の有
機層(33)へ正孔を注入させることができることによ
り、第3の有機層内にて電子と正孔とが再結合し蛍光色
素が発光するためである。
【0019】このように、本発明によれば、陽極(2
0)側の第1の有機層(31)への電子注入を抑制し、
陰極(40)側の第3の有機層(33)にて青色発光を
確保することができるため、陽極側の正孔輸送層の母材
の劣化を防止しつつ、青色成分を含む発光を適切に行え
るようにすることができる。
【0020】また、請求項2に記載の発明では、第1の
有機層(31)の母材が、380nm以上510nm未
満のピーク波長を持つ発光スペクトルを有するものであ
ることを特徴としている。
【0021】それによれば、第2の有機層(32)を挟
んで、第3の有機層(33)だけでなく第1の有機層
(31)も青色発光領域にピーク波長を持つ発光スペク
トルを有するものとなり、請求項1に記載の各有機層間
の伝導帯最低準位の関係を、好適に満足することができ
る。
【0022】また、請求項3に記載の発明では、第2の
有機層(32)は、第2の有機層の母材に蛍光色素が添
加されたものであることを特徴とする。
【0023】第3の有機層(33)だけでなく、第2の
有機層(32)も蛍光色素を含むものにすれば、蛍光色
素の電子捕獲性により第2の有機層の電子捕獲性を向上
させることもできる。また、第2および第3の有機層の
両蛍光色素の発光を組み合わせることにより、発光色の
選択性が広がる。
【0024】また、上記請求項1に記載の伝導帯最低準
位の関係を好適に満足するには、請求項4に記載の発明
のように、第1の有機層(31)の母材のエネルギーギ
ャップと第3の有機層(33)の母材のエネルギーギャ
ップとの差が、0.4eV以下であるようなエネルギー
ギャップ関係を設定することになる。
【0025】さらに、上記請求項1に記載の伝導帯最低
準位の関係を満足し、それによる正孔輸送層への電子注
入抑制効果を確保するためには、請求項5に記載の発明
のように、第2の有機層(32)の母材の伝導帯最低準
位(Ec32)が第3の有機層(33)の母材の伝導帯
最低準位(Ec33)よりも0.1eV以上低いことが
好ましい。
【0026】また、請求項6に記載の発明では、第2の
有機層(32)または第3の有機層(33)において、
蛍光色素のエネルギーギャップが、当該蛍光色素が添加
される母材のエネルギーギャップよりも小さいことを特
徴とする。それにより、好適に蛍光色素を発光させるこ
とができる。
【0027】また、請求項7に記載の発明では、第2の
有機層(32)が第3の有機層(33)に比べて薄いも
のであることを特徴とする。
【0028】上述したように、第3の有機層(33)に
て蛍光色素を発光させるべく、陽極(20)から第1及
び第2の有機層(31、32)を超えて正孔を注入させ
るが、第2の有機層(32)が厚いと第3の有機層への
正孔の移動が行われにくくなる。その点、本発明のよう
に、第2の有機層を第3の有機層に比べて薄いものにす
れば、当該正孔の移動を確保するためには好ましい。
【0029】また、請求項8に記載の発明では、陽極
(20)と陰極(40)とからなる一対の電極(20、
40)間に複数の有機層(30、31a、33、34)
が挟まれてなる有機EL素子において、有機層は、陽極
側に位置する第1の有機層(31a)と、この第1の有
機層よりも陰極側に位置する第2の有機層(33)とを
備えるものであり、第2の有機層は、380nm以上5
10nm未満のピーク波長を持つ発光スペクトルを有す
る母材に蛍光色素が添加されたものであり、第1の有機
層は、その母材中に、第2の有機層の母材の伝導帯最低
準位(Ec33)よりも低い伝導帯最低準位(Ec31
a’)を有しかつ蛍光性を持たない可視光領域で明確な
発光スペクトルを有さないドーパントが添加されたもの
であることを特徴としている。
【0030】それによれば、陰極(40)側の第2の有
機層(33)においては、その母材が青色発光領域の広
いエネルギーギャップを有するものであるため、添加さ
れる蛍光色素としても青色発光を有するものを選択する
ことができる。
【0031】そして、本発明では、請求項1における第
3の有機層(33)と同様、第2の有機層(33)にて
青色発光が可能である。つまり、陽極(20)から第1
の有機層(31a)を超えて第2の有機層(33)へ注
入された正孔が、第2の有機層(33)の蛍光色素に捕
獲された電子と再結合し、第2の有機層(33)にて蛍
光色素が発光する。
【0032】また、本発明では、陽極(20)側の第1
の有機層(31a)が正孔輸送層として機能するが、こ
の第1の有機層の母材中に、第2の有機層(33)の母
材の伝導帯最低準位(Ec33)よりも低い伝導帯最低
準位(Ec31a’)を有しかつ蛍光性を持たないドー
パントが添加されている。
【0033】それにより、陰極(40)から第2の有機
層(33)を超えて第1の有機層(31a)へ入ってく
る電子は、ドーパントに捕獲され、第1の有機層の母材
へは注入されにくくなる。つまり、第1の有機層には、
電子捕獲部としてのドーパントが形成されることによ
り、第1の有機層の母材の電子による励起が抑制され
る。
【0034】このように、本発明によっても、陽極(2
0)側の第1の有機層(31a)への電子注入を抑制
し、陰極(40)側の第2の有機層(33)にて青色発
光を確保することができるため、陽極側の正孔輸送層の
母材の劣化を防止しつつ、青色成分を含む発光を適切に
行えるようにすることができる。
【0035】ここで、請求項9に記載の発明のように、
請求項8に記載の有機EL素子における第1の有機層
(31a)のドーパントとしては、銅フタロシアニンを
採用することができる。
【0036】また、請求項10に記載の発明では、陽極
(20)と陰極(40)とからなる一対の電極(20、
40)間に複数の有機層(30、31、32、33、3
4)が挟まれてなる有機EL素子において、有機層は、
陽極側に位置する第1の有機層(31)と、陰極側に位
置する第3の有機層(33)と、第1及び第3の有機層
に挟まれた第2の有機層(32)とを備えるものであ
り、第1の有機層は、その母材が380nm以上510
nm未満のピーク波長を持つ発光スペクトルを有するも
のであり、第3の有機層は、380nm以上510nm
未満のピーク波長を持つ発光スペクトルを有する母材に
蛍光色素が添加されたものであり、第2の有機層は、そ
の母材が510nm以上のピーク波長を持つ発光スペク
トルを有するものであることを特徴としている。
【0037】それによれば、第1および第3の有機層
(31、33)の母材は、青色発光領域に相当する比較
的広いエネルギーギャップを有するのに対し、第2の有
機層(32)の母材は、青色よりも長波長領域に相当す
る比較的狭いエネルギーギャップを有するものとなる。
【0038】そのため、第2の有機層の母材の伝導帯最
低準位(Ec32)は、その両側の第1および第3の有
機層の母材の伝導帯最低準位(Ec31、Ec33)よ
りも低いものにできる。それによって、上記請求項1の
発明と同様、第2の有機層(32)による電子捕獲が行
われ、正孔輸送層(31)への電子注入を抑制する効果
が発揮される。
【0039】また、本発明では、上記請求項1の有機E
L素子と同様、陰極(40)側の第3の有機層(33)
において、蛍光色素を選択することによる青色発光も可
能である。このようなことから、本発明によっても、陽
極側の正孔輸送層の母材の劣化を防止しつつ、青色成分
を含む発光を適切に行えるようにすることができる。
【0040】また、請求項11に記載の発明では、陽極
(20)と陰極(40)とからなる一対の電極(20、
40)間に複数の有機層(30、31、32、33、3
4)が挟まれてなる有機EL素子において、有機層は、
陽極側に位置する正孔輸送層(31)と、陰極側に位置
する陰極側有機層(33)と、正孔輸送層および陰極側
有機層に挟まれ電子を捕獲する機能を有する電子捕獲層
(32)とを備えるものであり、陰極側有機層は、38
0nm以上510nm未満のピーク波長を持つ発光スペ
クトルを有する母材に蛍光色素が添加されたものである
ことを特徴としている。
【0041】それによれば、電子捕獲層(32)の電子
捕獲による正孔輸送層(31)への電子注入抑制効果が
発揮される。また、上記請求項1の発明と同様、陰極側
有機層(33)において、蛍光色素を選択することによ
る青色発光も可能である。したがって、本発明によって
も、陽極側の正孔輸送層の母材の劣化を防止しつつ、青
色成分を含む発光を適切に行えるようにすることができ
る。
【0042】また、請求項12に記載の発明では、陽極
(20)と陰極(40)との間に陽極側から正孔輸送層
(31)、発光層(33a、33b)を介在させてなる
有機EL素子において、発光層は、正孔輸送層側に位置
する第1の発光層(33a)と第1の発光層よりも陰極
側に位置する第2の発光層(33b)とからなり、第2
の発光層の母材は380nm以上510nm未満のピー
ク波長を持つ発光スペクトルを有する電子輸送性材料C
であり、第1の発光層の母材は、380nm以上510
nm未満のピーク波長を持つ発光スペクトルを有する正
孔輸送性材料Aと第2の発光層の母材である電子輸送性
材料Cの伝導帯最低準位(Ec33b)よりも低い伝導
帯最低準位(Ec33a’)を有する電子輸送性材料B
との混合物からなり、第1の発光層および第2の発光層
には蛍光色素が添加されていることを特徴とする。
【0043】それによれば、第2の発光層に対しては、
陰極側から電子が注入され、第1の発光層の正孔輸送性
材料Aによって正孔輸送層からの正孔が注入される。そ
のため、第2の発光層において蛍光色素が発光可能であ
る。
【0044】さらに、第2の発光層においては、その母
材である電子輸送性材料Cが青色発光領域の広いエネル
ギーギャップを有するものであるため、添加される蛍光
色素としても青色発光を有するものを選択することがで
きる。よって、第2の発光層にて青色発光が可能であ
る。
【0045】また、第1の発光層に対しては、陰極側か
らの電子が第2の発光層の電子輸送性材料Cを介して注
入され、陽極側からの正孔が正孔輸送層を介して注入さ
れる。そして、第1の発光層内に注入された正孔、電子
は、それぞれ第1の発光層の母材である正孔輸送性材料
A、電子輸送性材料Bの持つ輸送機能によって第1の発
光層全域へ行き渡る。
【0046】そのため、第1の発光層全域において蛍光
色素が効率よく発光する。こうして、本発明の有機EL
素子では第1の発光層からの発光と第2の発光層からの
発光の混色発光が行われる。
【0047】また、本発明では、第1の発光層の母材で
ある電子輸送性材料Bは、その伝導帯最低準位(Ec3
3a’)が第2の発光層の母材である電子輸送性材料C
の伝導帯最低準位(Ec33b)よりも低い。
【0048】そのため、陰極から第2の発光層を介して
第1の発光層に注入されてくる電子は、この電子輸送性
材料Bに捕獲される。そして、捕獲された電子は上述の
ように第1の発光層における蛍光色素の発光に寄与す
る。つまり、陰極側からの電子は、第1の発光層におけ
る電子輸送性材料Bおよび蛍光色素に捕獲されて第1の
発光層内に留まり、正孔輸送層へは注入されにくくな
る。
【0049】ちなみに、もし第1の発光層の母材である
電子輸送性材料Bと第2の発光層の母材である電子輸送
性材料Cとが同一材料である、すなわち、両電子輸送性
材料B、Cの伝導帯最低準位が同一であると、陰極から
第2の発光層を介して第1の発光層に注入された電子
は、第1の発光層の電子輸送性材料Bに捕獲されずに、
第1の発光層を越えて正孔輸送層へ注入されやすくなっ
てしまう。
【0050】このように本発明によれば、陽極側の正孔
輸送層への電子注入を抑制して正孔輸送層の母材の劣化
を防止しつつ、第2の発光層にて青色発光系の蛍光色素
を選択することで青色成分を含む発光を適切に行えるよ
うにすることができる。
【0051】また、請求項13に記載の発明では、第1
の発光層(33a)の母材である電子輸送性材料Bの伝
導帯最低準位(Ec33a’)が、第2の発光層(33
b)の母材である電子輸送性材料Cの伝導帯最低準位
(Ec33b)よりも0.1eV以上低いことを特徴と
する。
【0052】第1の発光層の電子輸送性材料Bの伝導帯
最低準位が、第2の発光層の電子輸送性材料Cの伝導帯
最低準位よりも低いということについて、明確な準位の
差を設けるには0.1eV以上の差があることが好まし
い。
【0053】また、請求項14に記載の発明では、第1
の発光層(33a)の母材を構成する混合物において、
電子輸送性材料Bの価電子帯最高準位(Ev33a’)
が正孔輸送性材料Aの価電子帯最高準位(Ev33a)
よりも低いことを特徴とする。
【0054】それによれば、第1の発光層と第2の発光
層とをバランス良く発光させることができ、好ましい。
【0055】もし、電子輸送性材料Bの価電子帯最高準
位(Ev33a’)が正孔輸送性材料Aの価電子帯最高
準位(Ev33a)よりも高いと、第1の発光層から第
2の発光層へ移動しようとする正孔が、電子輸送性材料
Bに捕獲されて第2の発光層へ行きにくくなる。する
と、第2の発光層へ十分に正孔が注入されず、第2の発
光層の発光が不十分になってしまう。
【0056】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一
例である。
【0057】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。なお、以下の各実施形態について、
同一部分には図中、同一符号を付してある。
【0058】(第1実施形態)図1は本発明の第1実施
形態に係る有機EL素子S1の概略断面図である。この
有機EL素子S1は、ガラスなどの可視光に対して透明
性を有した基板10の上にて、透明導電膜よりなる陽極
20と金属等よりなる陰極40とからなる一対の電極2
0、40間に複数の有機層30〜34が挟まれてなるも
のである。
【0059】この有機EL素子S1において、基板10
上の各層は真空蒸着法等により成膜されるものである。
そして、一対の電極20、40間に電圧を印加し、有機
層30〜34からの発光を基板10側から取り出すよう
にしている。
【0060】各有機層は、陽極20側から陰極40側に
かけて、正孔注入層30、正孔輸送層31、電子捕獲層
32、発光層33、電子輸送層34の5層が、この順に
積層されたものである。
【0061】ここにおいて、本実施形態では、中央の3
層31、32、33について、正孔輸送層31を陽極2
0側に位置する第1の有機層、発光層33を陰極40側
に位置する第3の有機層、電子捕獲層32を第1及び第
3の有機層に挟まれた第2の有機層としている。
【0062】正孔輸送層(第1の有機層)31として
は、正孔輸送性材料よりなる母材が380nm以上51
0nm未満のピーク波長を持つ発光スペクトル(青色発
光スペクトル特性)を有するものを用いることが好まし
い。また、発光層(第3の有機層)33としては、上記
青色発光スペクトル特性を有する母材に蛍光色素が添加
されたものを用いることが必要である。
【0063】また、電子捕獲層(第2の有機層)32と
しては、発光スペクトルのピーク波長は特に限定しない
が、典型的には、その母材が510nm以上のピーク波
長を持つ発光スペクトルを有するものを採用する。つま
り、典型的には、電子捕獲層32の母材は、青色発光領
域よりも長波長(緑〜赤)側にピーク波長を持つ発光ス
ペクトルを持つものにできる。
【0064】また、本実施形態では、これら第1から第
3の有機層31〜33のエネルギー準位を次のように設
定している。図2は、第1から第3の有機層31〜33
のエネルギー準位を示す図である。図2中、M1は陽極
20の仕事関数、M2は陰極40の仕事関数である。
【0065】正孔輸送層(第1の有機層)31の母材に
おいて伝導帯最低準位をEc31、価電子帯最高準位を
Ev31とし、電子捕獲層(第2の有機層)32の母材
において伝導帯最低準位をEc32、価電子帯最高準位
をEv32とし、発光層(第3の有機層)33の母材に
おいて伝導帯最低準位をEc33、価電子帯最高準位を
Ev33とする。なお、発光層33中の破線は、発光層
33の蛍光色素の伝導帯最低準位Ec33’および価電
子帯最高準位Ev33’である。
【0066】図2に示すように、電子捕獲層(第2の有
機層)32の母材の伝導帯最低準位Ec32が、その両
側に位置する正孔輸送層(第1の有機層)31の母材の
伝導帯最低準位Ec31および発光層(第3の有機層)
33の母材の伝導帯最低準位Ec33よりも低くなって
いる。
【0067】このような伝導帯最低準位Ec31、Ec
32、Ec33の関係によれば、陰極40から発光層3
3を超えて移動する電子は、電子捕獲層32に捕獲さ
れ、陽極20側に位置する正孔輸送層31への注入が抑
制される。
【0068】また、陰極40側の発光層33において
は、その母材が青色発光スペクトル特性を有し、広いエ
ネルギーギャップを有するものである。そのため、当該
発光層33に添加される蛍光色素としても青色発光を有
するものを選択することができる。
【0069】それにより、上記伝導帯最低準位の関係を
満足すべく電子捕獲層32のエネルギーギャップを小さ
くするために、電子捕獲層32を、青色発光領域よりも
長波長領域にピーク波長を持つ発光スペクトルを有する
ものにしても、発光層33の蛍光色素として青色発光す
るものを選択することができるから、発光層33にて青
色発光が可能である。
【0070】これは、蛍光色素に電子を捕獲する性質が
あること、および、陽極20から正孔輸送層31および
電子捕獲層32を超えて発光層33へ正孔を注入させる
ことができることにより、発光層33内にて電子と正孔
とが再結合し蛍光色素が発光するためである。
【0071】このように、本実施形態によれば、陽極2
0側の正孔輸送層31への電子注入を抑制し、陰極40
側の発光層33にて青色発光を確保することができるた
め、正孔輸送層31の母材の劣化防止しつつ、青色成分
を含む発光を適切に行えるようにすることができる。
【0072】また、本実施形態においては、電子捕獲層
(第2の有機層)32は、電子捕獲層32を構成する母
材に蛍光色素が添加されたものでも良い。電子捕獲性を
持つ蛍光色素を電子捕獲層32に添加することで、電子
捕獲層32の電子捕獲性を向上させることができる。ま
た、電子捕獲層32および発光層33の両蛍光色素の発
光を組み合わせることにより、発光色の選択性が広が
る。
【0073】また、上述したように、上記伝導帯最低準
位の関係を満足するには、正孔輸送層31の母材および
発光層31の母材を、ともに青色発光スペクトル特性を
有し広いエネルギーギャップ(例えば3eV程度)を有
するものにすることが好ましいが、この場合、正孔輸送
層31の母材のエネルギーギャップ(Ec31−Ev3
1)と発光層33の母材のエネルギーギャップ(Ec3
3−Ev33)との差は、典型的には0.4eV以下程
度に設定される。
【0074】また、上記伝導帯最低準位の関係を満足
し、それによる正孔輸送層31への電子注入抑制効果を
確保するためには、電子捕獲層(第2の有機層)32の
母材の伝導帯最低準位Ec32が、発光層(第3の有機
層)33の母材の伝導帯最低準位Ec33よりも0.1
eV以上低いことが好ましい。
【0075】また、上述したように、発光層33にて蛍
光色素を発光させるべく、陽極20から正孔輸送層31
及び電子捕獲層32を超えて正孔を注入させる。このと
き、電子捕獲層32が厚いと発光層33への正孔の移動
が行われにくくなる。その点を鑑みて当該正孔の移動を
確保するためには、電子捕獲層32を発光層33に比べ
て薄いものにすることが好ましい。
【0076】このように、本実施形態によれば、上記第
1〜第3の有機層31〜33において、第3の有機層3
3を、青色発光スペクトル特性を有する母材に蛍光色素
が添加されたものとし、第2の有機層32の母材の伝導
帯最低準位Ec32を、第1の有機層31の母材の伝導
帯最低準位Ec31および第3の有機層33の母材の伝
導帯最低準位Ec33よりも低くした構成(第1の構
成)を採用することで、正孔輸送層(第1の有機層)3
1への電子注入抑制および第3の有機層33の蛍光色素
による青色発光の実現が図れる。
【0077】なお、本実施形態では、正孔輸送層(第1
の有機層)31は、その母材が青色発光スペクトル特性
を有するものでなくても良い。つまり、上記伝導帯最低
準位の関係が満足できるものであるならば、正孔輸送層
31は、青色よりも長波長側の緑色や赤色の発光スペク
トル特性を有するものでも良い。
【0078】しかし、正孔輸送層31の母材も、発光層
31の母材と同様に、青色発光スペクトル特性を有する
ものとすれば、正孔輸送層31の母材のエネルギーギャ
ップは広いものとなる。そして、正孔輸送層31の母材
の伝導帯最低準位Ec31を電子捕獲層32の母材の伝
導帯最低準位Ec32よりも大きくすることが容易にな
る。
【0079】このような見方をすれば、上記第1〜第3
の有機層31〜33において、第1の有機層31の母材
を青色発光スペクトル特性を有するものとし、第3の有
機層33を、青色発光スペクトル特性を有する母材に蛍
光色素が添加されたものとし、第2の有機層32を、そ
の母材が510nm以上のピーク波長を持つ発光スペク
トルを有するものとした構成(第2の構成)において
も、上記した本実施形態の効果が発揮される。
【0080】つまり、青色発光スペクトル特性を有する
第1および第3の有機層31、33の母材は共に、比較
的広いエネルギーギャップを有する。それに対し、青色
よりも長波長領域の発光スペクトル特性を有する第2の
有機層32の母材は、比較的狭いエネルギーギャップを
有するものとなる。
【0081】そのため、第2の有機層32の母材の伝導
帯最低準位Ec32は、その両側の第1および第3の有
機層31、33の母材の伝導帯最低準位Ec31、Ec
33よりも低いものになり、上記伝導帯最低準位の関係
が満足される。それにより、第2の有機層32による電
子捕獲が行われる。
【0082】このように、上記第2の構成においても、
正孔輸送層(第1の有機層)31への電子注入抑制がな
されるとともに、第3の有機層33の蛍光色素による青
色発光の実現が図れるため、正孔輸送層の母材の劣化防
止しつつ、青色成分を含む発光を適切に行えるようにす
ることができる。
【0083】また、別の見方をすれば、本実施形態は、
陽極20と陰極40との間に複数の有機層30〜34が
挟まれてなる有機EL素子において、有機層は、陽極2
0側に位置する正孔輸送層31と、陰極40側に位置す
る陰極側有機層としての発光層33と、正孔輸送層31
および陰極側有機層33に挟まれ電子を捕獲する機能を
有する電子捕獲層32とを備えるものであり、陰極側有
機層33は、380nm以上510nm未満のピーク波
長を持つ発光スペクトルを有する母材に蛍光色素が添加
された構成(第3の構成)であるとも言える。
【0084】つまり、電子捕獲層32によって発光層
(陰極側有機層)33からの電子が捕獲されることで正
孔輸送層31への電子注入抑制効果が発揮される。それ
とともに、陰極側有機層33において、蛍光色素を選択
することによる青色発光が可能である。そのため、この
第3の構成によっても、正孔輸送層31の母材の劣化防
止しつつ、青色成分を含む発光を適切に行えると言え
る。
【0085】次に、本実施形態について限定するもので
はないが、以下の具体例を参照して、より詳細に述べ
る。なお、各例中に述べる材料は公知のものであるが、
代表的なものについては、図3、図4に、その主骨格を
表す。
【0086】(第1の具体例)ガラス基板10上に、透
明電極としてITO(インジウム−錫の酸化物)よりな
る陽極20をスパッタリング法により形成した。なお、
陽極20は、インジウム−亜鉛の酸化物でも良く、その
膜厚は、100nm〜1μm程度にできる。本例では、
陽極20の膜厚は、好ましい値として150nm程度と
した。
【0087】その上に、正孔注入層30として銅フタロ
シアニン(価電子帯最高準位Ev30:5.3eV、伝
導帯最低準位Ec30:3.6eV、エネルギーギャッ
プEg:1.7eV)を、真空蒸着法により膜厚20n
mにて形成した。
【0088】その上に、正孔輸送層31としてトリフェ
ニルアミン4量体(価電子帯最高準位Ev31:5.4
eV、伝導帯最低準位Ec31:2.4eV、Eg:
3.0eV、発光スペクトルのピーク波長Wp:420
nm)を、真空蒸着法により膜厚40nmにて形成し
た。
【0089】その上に、電子捕獲層32として、母材と
してのトリス(8−キノリール)アルミニウム(以下、
Alqという、価電子帯最高準位Ev32:5.6e
V、伝導帯最低準位Ec32:3.1eV、Eg:2.
5eV、Wp:530nm)に、蛍光色素としてのDC
JTB(図3参照、価電子帯最高準位Ev32’:5.
3eV、伝導帯最低準位Ec32’:3.2eV、E
g:2.1eV、Wp:600nm)を1%添加したも
のを、真空蒸着法により膜厚2nmにて形成した。
【0090】その上に、発光層33として、母材として
のBAlq(図4参照、価電子帯最高準位Ev33:
5.8eV、伝導帯最低準位Ec33:3.0eV、E
g:2.8eV、Wp:490nm)に、蛍光色素とし
てのペリレン(価電子帯最高準位Ev33’:5.5e
V、伝導帯最低準位Ec33’:2.6eV、Eg:
2.9eV、Wp:450nm)1wt%を添加したも
のを、真空蒸着法により膜厚40nmにて形成した。
【0091】さらに、電子輸送層34としてAlqを真
空蒸着法により膜厚20nmにて形成した。これら有機
層30〜34を形成した後、蒸着法により、LiFを膜
厚0.5nmにて成膜し、その次に、Al(アルミニウ
ム)を膜厚100nmにて成膜し、これらLiF/Al
の積層膜により陰極40を形成した。
【0092】こうして得られた本例の有機EL素子S1
は、電子捕獲層32の蛍光色素DCJTBによる600
nmの発光(赤色系)と、発光層33の蛍光色素ペリレ
ンによる450nmの発光(青色系)との同時発光によ
り、白色発光を行う白色発光素子である。
【0093】本例の有機EL素子S1におけるエネルギ
ー準位を図5に模式的に示す。電子捕獲層(第2の有機
層)32の母材(Alq)の伝導帯最低準位Ec32
(3.1eV)が、正孔輸送層(第1の有機層)31の
母材(トリフェニルアミン4量体)の伝導帯最低準位E
c31(2.4eV)および発光層(第3の有機層)3
3の母材(BAlq)の伝導帯最低準位Ec33(3.
0eV)よりも低くなっている。
【0094】そして、本例の有機EL素子S1につい
て、85℃環境で高温作動試験した時の輝度劣化特性を
調べた。その結果を図6に示す。なお、図6では、比較
例として、上記特開2000−182768号公報に示
されている正孔輸送層に蛍光色素を添加した構造のもの
についても、同様に調べた結果を示している。さらに図
6では後述する第3実施形態の具体例(第4具体例)の
結果も並記してある。
【0095】この比較例のエネルギー準位を図7に模式
的に示す。このものは、上記図5に示すものにおいて、
電子捕獲層32を無くし、正孔輸送層31の母材(トリ
フェニルアミン4量体)に蛍光色素4−(ジシアノメチ
レン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリ
ル)−4H−ピラン(DCM1、価電子帯最高準位Ev
31’:5.4eV、伝導帯最低準位Ec31’:3.
5eV、Wp:570nm以上610nm未満)を0.
25%程度添加したものである。
【0096】図6からわかるように、本第1の具体例の
有機EL素子S1は、電子捕獲層32による正孔輸送層
31への電子注入抑制効果が発揮され、正孔輸送層31
の母材の劣化防止がなされるため、上記比較例に比べ
て、輝度低下の度合が遅く、寿命が長いものとすること
ができる。
【0097】(第2の具体例)本具体例は、電子捕獲層
32を2層とし、各層に発光色の異なる蛍光色素を添加
したものである。
【0098】上記第1の具体例と同様に、ガラス基板1
0上に、膜厚150nm程度のITOよりなる陽極2
0、膜厚20nmの銅フタロシアニンよりなる正孔注入
層30、膜厚40nmのトリフェニルアミン4量体より
なる正孔輸送層31を順次形成した。
【0099】その上に、第1の電子捕獲層32aとし
て、母材としてのAlqに蛍光色素としてのルブレン
(価電子帯最高準位Ev32a’:5.4eV、伝導帯
最低準位Ec32a’:3.2eV、Eg:2.2e
V、Wp:555nm)を5%添加したものを、真空蒸
着法により膜厚10nmにて形成した。
【0100】その上に、第2の電子捕獲層32bとし
て、母材としてのAlqに蛍光色素としてのジメチルキ
ナクリドン(価電子帯最高準位Ev32b’:5.5e
V、伝導帯最低準位Ec32b’:3.2eV、Eg:
2.3eV、Wp:535nm)を2%添加したもの
を、真空蒸着法により膜厚2nmにて形成した。
【0101】その上に、上記第1の具体例と同様に、母
材としてのBAlqに蛍光色素としてのペリレンを1w
t%添加してなる発光層33を膜厚40nmにて形成
し、Alqよりなる電子輸送層34を膜厚20nmにて
形成し、LiF/Alの積層膜よりなる陰極40を形成
した。
【0102】こうして得られた本例の有機EL素子S1
は、電子捕獲層32(32aと32b)の両蛍光色素ル
ブレン、ジメチルキナクリドンによる、それぞれ555
nmの発光、535nmの発光と、発光層33の蛍光色
素ペリレンによる450nmの発光(青色系)との同時
発光により、白色発光を行う白色発光素子である。
【0103】本例の有機EL素子S1におけるエネルギ
ー準位を図8に模式的に示す。電子捕獲層(第2の有機
層)32a、32bの母材(Alq)の伝導帯最低準位
Ec32(3.1eV)が、正孔輸送層(第1の有機
層)31の母材(トリフェニルアミン4量体)の伝導帯
最低準位Ec31(2.4eV)および発光層(第3の
有機層)33の母材(BAlq)の伝導帯最低準位Ec
33(3.0eV)よりも低くなっている。
【0104】そして、本例の有機EL素子S1について
も、85℃環境で高温作動試験した時の輝度劣化特性を
調べた結果、上記第1の具体例と同様に、従来に比べ
て、輝度低下の度合が遅く、寿命が長いものとすること
ができた。
【0105】以上、本第1実施形態について述べてき
た。以下、材料を限定するわけではないが、本実施形態
の主たる特徴である第1から第3の有機層(正孔輸送層
31、電子捕獲層32、発光層33)として使用可能な
材料の一例を挙げておく。
【0106】例えば正孔輸送層31の母材としては、ト
リフェニルアミン4量体以外にも、N−N’−ジフェニ
ル−N−N’−ビス(3メチルフェニル)−1,1’−
ビフェニル4,4’−ジアミン(TPD)やα−ナフチ
ルフェニルジアミン(α−NPD)等が挙げられる。
【0107】また、電子捕獲層32の母材としてはAl
q以外にも、Almq3、Znq2、Beq2等が挙げ
られ、電子捕獲層32に添加される蛍光色素としてはD
CJTB、ルブレン、ジメチルキナクリドン以外にも、
ペンタセン誘導体、クマリン誘導体等が挙げられる。
【0108】また、発光層33の母材としてはBAlq
以外にも、アダマンタン誘導体、ジフェニルアントラセ
ン、スピロ化合物、ベンゾオキサジアゾール亜鉛錯体等
が挙げられ、発光層33に添加される蛍光色素としては
ペリレン以外にも、ジスチリルアリーレン誘導体等が挙
げられる。
【0109】(第2実施形態)図9は本発明の第2実施
形態に係る有機EL素子S2の概略断面図である。本実
施形態は、請求項8の発明に係るものであり、この有機
EL素子S2は、基板10の上にて、透明導電膜よりな
る陽極20と金属等よりなる陰極40とからなる一対の
電極20、40間に複数の有機層30、31a、33、
34が挟まれてなるものである。
【0110】各有機層は、陽極20側から陰極40側に
かけて、正孔注入層30、正孔輸送層31a、発光層3
3、電子輸送層34の4層が、この順に積層されたもの
である。本実施形態では、上記第1実施形態における電
子捕獲層が無くなり、電子捕獲機能を持つ部分を正孔輸
送層31aに設けたものである。
【0111】本実施形態では、中央の2層31a、33
について、正孔輸送層31aを陽極20側に位置する第
1の有機層、発光層33を陰極40側に位置する第2の
有機層(請求項8でいう第2の有機層)としている。
【0112】発光層(第2の有機層)33としては、青
色発光スペクトル特性を有する母材に蛍光色素が添加さ
れたものを用いることが必要である。また、正孔輸送層
(第1の有機層)31aとしては、正孔輸送性材料より
なる母材中に蛍光性を持たないドーパント(銅フタロシ
アニン等)が添加されたものを用いる。そして、このド
ーパントは、発光層33の母材の伝導帯最低準位よりも
低い伝導帯最低準位を有することが必要である。
【0113】本実施形態における第1、第2の有機層3
1a、33のエネルギー準位を、図10に示す。上記第
1実施形態と同様、図10中、M1は陽極20の仕事関
数、M2は陰極40の仕事関数である。
【0114】正孔輸送層(第1の有機層)31aの母材
における伝導帯最低準位をEc31a、価電子帯最高準
位をEv31aとし、発光層(第2の有機層)33の母
材における伝導帯最低準位をEc33、価電子帯最高準
位をEv33とする。
【0115】なお、図10において、正孔輸送層31a
中の破線は、正孔輸送層31aのドーパントの伝導帯最
低準位Ec31a’および価電子帯最高準位Ev31
a’であり、発光層33中の破線は、発光層33の蛍光
色素の伝導帯最低準位Ec33’および価電子帯最高準
位Ev33’である。
【0116】図10に示すように、正孔輸送層(第1の
有機層)31aのドーパントの伝導帯最低準位Ec31
a’が、発光層(第2の有機層)33の母材の伝導帯最
低準位Ec33よりも低くなっている。
【0117】本第2実施形態によれば、上記第1実施形
態と同様、陰極40側の発光層(第2の有機層)33に
おいては、その母材が青色発光領域の広いエネルギーギ
ャップを有するものであるため、添加される蛍光色素と
しても青色発光を有するものを選択できる。
【0118】そのため、上記第1実施形態と同様、発光
層33にて青色発光が可能である。つまり、陽極20か
ら正孔輸送層(第1の有機層)31aを超えて発光層3
3へ注入された正孔が、発光層33の蛍光色素に捕獲さ
れた電子と再結合して、発光層33にて蛍光色素が発光
する。
【0119】また、本実施形態では、正孔輸送層(第1
の有機層)31aの母材中に、発光層33の母材の伝導
帯最低準位Ec33よりも低い伝導帯最低準位Ec31
a’を有しかつ蛍光性を持たないドーパントが添加され
ている。
【0120】それにより、陰極40から発光層33を超
えて正孔輸送層31aへ入ってくる電子は、ドーパント
に捕獲され、正孔輸送層31aの母材への注入が抑制さ
れる。つまり、正孔輸送層31aには、電子捕獲部とし
てのドーパントが形成されることにより、正孔輸送層3
1aの母材の電子による励起が抑制される。
【0121】このように、本第2実施形態によっても、
陽極20側の正孔輸送層(第1の有機層)31aへの電
子注入を抑制し、陰極40側の発光層(第2の有機層)
33にて青色発光を確保することができるため、正孔輸
送層の母材の劣化防止しつつ、青色成分を含む発光を適
切に行えるようにすることができる。
【0122】次に、本第2実施形態について限定するも
のではないが、以下の具体例を参照して、より詳細に述
べる。
【0123】(第3の具体例)上記第1の具体例と同様
に、ガラス基板10上に、膜厚150nm程度のITO
よりなる陽極20、膜厚20nmの銅フタロシアニンよ
りなる正孔注入層30を順次形成した。
【0124】その上に、正孔輸送層31aの一部として
トリフェニルアミン4量体(価電子帯最高準位Ev31
a:5.4eV、伝導帯最低準位Ec31a:2.4e
V、Eg:3.0eV、Wp:420nm)を真空蒸着
法により膜厚30nmにて形成する。
【0125】さらに、正孔輸送層31aの残部として、
母材としてのトリフェニルアミン4量体にドーパントと
しての銅フタロシアニン(価電子帯最高準位Ev31
a’:5.3eV、伝導帯最低準位Ec31a’:3.
6eV、エネルギーギャップEg:1.7eV)を10
%添加したものを、真空蒸着法により膜厚10nmにて
形成する。
【0126】こうして、第2実施形態における正孔輸送
層31aは、トリフェニルアミン4量体を母材として銅
フタロシアニン(CuPc)をドーパントとして添加し
た形で形成される。
【0127】その上に、上記第1の具体例と同様に、母
材としてのBAlq(Ev33:5.8eV、Ec3
3:3.0eV、Eg:2.8eV、Wp:490n
m)に蛍光色素としてのペリレン(Ev33’:5.5
eV、Ec33’:2.6eV、Eg:2.9eV、W
p:450nm)を1wt%添加してなる発光層33
を、膜厚40nmにて形成し、Alqよりなる電子輸送
層34を膜厚20nmにて形成し、LiF/Alの積層
膜よりなる陰極40を形成した。
【0128】こうして得られた本例の有機EL素子S2
は、発光層33の蛍光色素ペリレンによる450nmの
発光(青色系)の発光により、青色発光を行う青色発光
素子である。
【0129】本例の有機EL素子S2におけるエネルギ
ー準位を図11に模式的に示す。トリフェニルアミン4
量体よりなる正孔輸送層(第1の有機層)31aのドー
パント(銅フタロシアニン)の伝導帯最低準位Ec31
a’(3.6eV)が、発光層(第2の有機層)33の
母材(BAlq)の伝導帯最低準位Ec33(3.0e
V)よりも低くなっている。
【0130】そして、本例の有機EL素子S2につい
て、85℃環境で高温作動試験した時の輝度劣化特性を
調べた結果を、図12に示す。なお、図12では、比較
例として、電子輸送層のみにペリレンを添加したもの、
すなわち、上記図11において正孔輸送層31aにドー
パント(CuPc)を添加しない以外は同様の構成につ
いても、同様に調べた結果を示している。
【0131】図12からわかるように、本第3の具体例
(CuPcドープあり)は、正孔輸送層31aに電子捕
獲部としてのドーパントが混合され、それにより、正孔
輸送層31aの母材への電子注入および電子による励起
が抑制されるため、正孔輸送層31aの母材の劣化防止
がなされ、比較例(CuPcドープなし)に比べて、輝
度低下の度合が遅く、寿命が長いものとすることができ
る。
【0132】以上、本第2実施形態について述べてきた
が、本実施形態においても、正孔輸送層31a、発光層
33には、上記第1実施形態に示した使用可能な材料の
一例を適用することができる。また、正孔輸送層31a
のドーパント(電子捕獲部)としては、銅フタロシアニ
ン以外にも、オキサジアゾール化合物等を用いることが
可能である。
【0133】(第3実施形態)図13は本発明の第3実
施形態に係る有機EL素子S3の概略断面図である。本
実施形態は、請求項12の発明に係るものであり、大き
くは基板10の上にて、透明導電膜よりなる陽極20と
金属等よりなる陰極40との間に陽極20側から正孔輸
送層31、発光層33a、33bを介在させてなるもの
である。
【0134】陽極20の上には、正孔注入層30、正孔
輸送層31が順次形成されており、正孔輸送層31の上
には発光層33a、33bが形成されている。ここで、
発光層は、正孔輸送層31側に位置する第1の発光層3
3aと第1の発光層33aよりも陰極40側に位置する
第2の発光層33bとの2層構造からなる。
【0135】これら両発光層層33a、33bは母材に
蛍光色素を添加したものとして構成されている。第2の
発光層33bの母材は、380nm以上510nm未満
のピーク波長を持つ発光スペクトルを有する、すなわち
青色発光スペクトル特性を有する電子輸送性材料Cであ
る。
【0136】第1の発光層33aの母材は、青色発光ス
ペクトル特性を有する正孔輸送性材料Aと第2の発光層
33bの母材である電子輸送性材料Cの伝導帯最低準位
よりも低い伝導帯最低準位を有する電子輸送性材料Bと
の混合物である。
【0137】また、発光層33a、33bの上には上記
実施形態と同様、電子輸送層34、陰極40が順次形成
されている。このような有機EL素子S3は、真空蒸着
法において1種類の蒸着や共蒸着等を用いることで形成
することが可能である。
【0138】この有機EL素子S3においては、第2の
発光層33bに対しては、陰極40から電子輸送層34
を介して電子が注入され、いっぽう陽極20から正孔注
入層30.正孔輸送層31、第1の発光層33aの正孔
輸送性材料Aを介して正孔が注入される。そして、第2
の発光層33bにおいて正孔と電子が再結合することで
蛍光色素が発光する。
【0139】さらに、第2の発光層33bにおいては、
その母材である電子輸送性材料Cが青色発光領域の広い
エネルギーギャップを有するものであるため、添加され
る蛍光色素としても青色発光を有するものを選択するこ
とができる。よって、第2の発光層33bにて青色発光
が可能である。
【0140】また、第1の発光層33aに対しては、陰
極40から電子輸送層34、第2の発光層33bの電子
輸送性材料Cを介して電子が注入され、陽極20から正
孔注入層30、正孔輸送層31を介して正孔が注入され
る。そして、第1の発光層33a内に注入された正孔、
電子は、それぞれ第1の発光層33aの母材である正孔
輸送性材料Aの持つ正孔輸送機能、電子輸送性材料Bの
持つ電子輸送機能によって第1の発光層33a全域へ行
き渡る。
【0141】そのため、第1の発光層33a内の全域に
て正孔と電子の再結合が可能となり、第1の発光層33
a全域において蛍光色素が効率よく発光する。したがっ
て、本実施形態の有機EL素子S3では第1の発光層3
3aからの発光と第2の発光層33bからの発光の混色
発光が行われる。
【0142】また、本有機EL素子S3では、第1の発
光層33aの母材である電子輸送性材料Bの伝導帯最低
準位が第2の発光層33bの母材である電子輸送性材料
Cの伝導帯最低準位よりも低い。なお、準位の差を明確
にするには0.1eV以上低いことが好ましい。そのた
め、陰極40から第2の発光層33bを介して第1の発
光層33aに注入されてくる電子は、この電子輸送性材
料Bに捕獲される。
【0143】そして、第1の発光層33aの電子輸送性
材料Bに捕獲された電子は上述のように第1の発光層3
3aにおける蛍光色素の発光に寄与する。つまり、陰極
40側からの電子は、第1の発光層33aにおける電子
輸送性材料Bおよび蛍光色素に捕獲されて第1の発光層
33a内に留まり、正孔輸送層31へは注入されにくく
なる。
【0144】ちなみに、もし第1の発光層33aの母材
である電子輸送性材料Bと第2の発光層33bの母材で
ある電子輸送性材料Cとが同一材料である、すなわち、
両電子輸送性材料B、Cの伝導帯最低準位が同一である
と、陰極40から第2の発光層33bを介して第1の発
光層33aに注入された電子は、第1の発光層33aの
電子輸送性材料Bに捕獲されずに、第1の発光層33a
を越えて正孔輸送層31へ注入されやすくなってしま
う。
【0145】このように本実施形態の有機EL素子S3
によれば、陽極20側の正孔輸送層31への電子注入を
抑制して正孔輸送層31の母材の劣化を防止しつつ、第
2の発光層33bにて青色発光系の蛍光色素を選択する
ことで青色成分を含む発光を適切に行えるようにするこ
とができる。
【0146】そして、第1の発光層33aでは、第2の
発光層33bとは別の蛍光色素を選択することにより第
2の発光層33bとは別の色を効率よく発光させ、混色
による発光を可能にさせることができる。
【0147】次に、本第3実施形態について限定するも
のではないが、以下の具体例を参照して、より詳細に述
べる。
【0148】(第4の具体例)本例の有機EL素子S3
におけるエネルギー準位をM1を陽極20の仕事関数、
M2を陰極40の仕事関数として図14に模式的に示
す。
【0149】上記第1の具体例と同様に、ガラス基板1
0上に、膜厚150nm程度のITOよりなる陽極2
0、膜厚20nmの銅フタロシアニンよりなる正孔注入
層30、膜厚40nmのトリフェニルアミン4量体(価
電子帯最高準位Ev31:5.4eV、伝導帯最低準位
Ec31:2.4eV、Eg:3.0eV、Wp:42
0nm)よりなる正孔輸送層31を順次形成した。
【0150】その上に、第1の発光層33aを形成し
た。ここで、正孔輸送性材料Aとしてトリフェニルアミ
ン4量体(価電子帯最高準位Ev33a:5.4eV、
伝導帯最低準位Ec33a:2.4eV)、電子輸送性
材料BとしてAlq(価電子帯最高準位Ev33a’:
5.6eV、伝導帯最低準位Ec33a’:3.1e
V)を用いた。
【0151】そして、トリフェニルアミン4量体:Al
qの比が1:1の混合物を母材とした。この混合物の母
材に蛍光色素としてのDCJTB(価電子帯最高準位E
v33a”:5.3eV、伝導帯最低準位Ec33
a”:3.2eV、Eg:2.1eV、Wp:600n
m)を1%添加したものを、真空蒸着法(共蒸着)によ
り膜厚5nmにて形成した。こうして第1の発光層33
aを形成した。
【0152】その上に、第2の発光層33bを形成し
た。第2の発光層33bにおける母材、すなわち青色発
光スペクトル特性を有する電子輸送性材料Cとしては、
BAlq(Ev33b:5.8eV、Ec33b:3.
0eV、Eg:2.8eV、Wp:490nm)を用
い、これに蛍光色素としてのペリレン(Ev33b’:
5.5eV、Ec33b’:2.6eV、Eg:2.9
eV、Wp:450nm)を1wt%添加したものを真
空蒸着法(共蒸着)により膜厚40nmにて形成した。
【0153】こうして形成された発光層33a、33b
の上に、上記具体例1と同様に、Alqよりなる電子輸
送層34を真空蒸着法にて膜厚20nmにて形成し、L
iF/Alの積層膜よりなる陰極40を形成した。
【0154】このようにして得られた本例の有機EL素
子S3は、第1の発光層33aの蛍光色素DCJTBに
よる600nmの発光(赤色系)と、第2の発光層33
bの蛍光色素ペリレンによる450nmの発光(青色
系)との同時発光により、混色として白色発光を行う白
色発光素子である。
【0155】そして、本例では、第1の発光層33aの
母材である電子輸送性材料BとしてのAlqの伝導帯最
低準位Ec33a’(3.1eV)が第2の発光層33
bの母材である電子輸送性材料CとしてのBAlqの伝
導帯最低準位Ec33b(3.0eV)よりも0.1e
V低くなっている。
【0156】本第4の具体例例の有機EL素子S3につ
いて、85℃環境で高温作動試験した時の輝度劣化特性
を調べた結果は、上記図1に並記してある。本例では上
記第1の具体例に比べて、若干輝度低下の度合が遅く、
寿命が長いものとすることができる。
【0157】これは、本例では、電子の捕獲機能を有す
る第1の発光層33aが、その母材として正孔輸送性材
料Aと電子輸送性材料Bとの混合物からなるものとして
いることによる。
【0158】ちなみに、もし第1の発光層33aの母材
が正孔輸送性材料だけであると、正孔輸送層31への電
子注入は抑制できるが、第1の発光層33a内の電子輸
送性が不十分である。そのため、第1の発光層33aを
厚く形成しても、第1の発光層33aは第2の発光層3
3bに接する界面付近のわずかな領域でしか蛍光色素が
発光しない。
【0159】しかし、本第3実施形態では、第1の発光
層33aの母材が正孔および電子両方の輸送性を持って
いるため、層内の電子、正孔の輸送が十分に確保され
る。そのため、上記第1の具体例に比べて、本第3実施
形態では第1の発光層33aを厚くできると考えられ
る。
【0160】実際に、本第4の具体例では第1の発光層
33aの厚さは5nmであり、上記第1の具体例では正
孔輸送層31に隣り合う電子捕獲層32の厚さは2nm
である。正孔輸送層に隣り合って電子捕獲機能を有する
層の膜厚が厚いほど、電子の捕獲効率が大きくなると考
えられる。そのため、本例のほうが第1の具体例よりも
寿命が長くなっていると考えられる。
【0161】また、本第3実施形態においては、第1の
発光層33aの母材を構成する混合物において、電子輸
送性材料Bの価電子帯最高準位Ev33a’が正孔輸送
性材料Aの価電子帯最高準位Ev33aよりも低いこと
が好ましい。
【0162】上記第4の具体例では、第1の発光層33
aにおいて、正孔輸送性材料Aであるトリフェニルアミ
ン4量体の価電子帯最高準位Ev33aは5.4eVで
あり、電子輸送性材料BであるAlqの価電子帯最高準
位Ev33a’は5.6eVであり、この好ましい関係
を満足している。
【0163】もし、本実施形態において電子輸送性材料
Bの価電子帯最高準位Ev33a’が正孔輸送性材料A
の価電子帯最高準位Ev33aよりも高いと、第1の発
光層33aから第2の発光層33bへ移動しようとする
正孔が、電子輸送性材料Bに捕獲されて第2の発光層3
3bへ行きにくくなる。すると、第2の発光層33bへ
十分に正孔が注入されず、第2の発光層33bの発光が
不十分になってしまう恐れがある。
【0164】このように、第1の発光層33aの母材に
おいて、電子輸送性材料Bの価電子帯最高準位Ev33
a’が正孔輸送性材料Aの価電子帯最高準位Ev33a
よりも低いものであれば、第1の発光層33aと第2の
発光層33bとをバランス良く発光させることができ
る。
【0165】なお、本第3実施形態において、青色発光
層として機能することのできる第1の発光層33aの母
材としては、アダマンタン誘導体やピレン化合物などを
用いることも可能である。
【0166】その他、本実施形態に用いる発光層33
a、33bの母材や蛍光色素については、本実施形態の
特徴を有するものであれば良く、上記以外のものであっ
ても適宜選択して採用することができる。また、第1の
発光層33aと第2の発光層33bとで蛍光色素は同一
であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る有機EL素子の概
略断面図である。
【図2】上記第1実施形態における第1から第3の有機
層のエネルギー準位を示す図である。
【図3】DCJTBの主骨格を示す図である。
【図4】BAlqの主骨格を示す図である。
【図5】第1の具体例の有機EL素子におけるエネルギ
ー準位を示す図である。
【図6】第1の具体例および第4の具体例の有機EL素
子における輝度劣化特性を示す図である。
【図7】第1の具体例に対する比較例としての有機EL
素子におけるエネルギー準位を示す図である。
【図8】第2の具体例の有機EL素子におけるエネルギ
ー準位を示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る有機EL素子の概
略断面図である。
【図10】上記第2実施形態における第1、第2の有機
層のエネルギー準位を示す図である。
【図11】第3の具体例の有機EL素子におけるエネル
ギー準位を示す図である。
【図12】第3の具体例の有機EL素子における輝度劣
化特性を示す図である。
【図13】本発明の第3実施形態に係る有機EL素子の
概略断面図である。
【図14】第4の具体例の有機EL素子におけるエネル
ギー準位を示す図である。
【符号の説明】
20…陽極、30…正孔注入層、31、31a…正孔輸
送層、32…電子捕獲層、33…発光層、33a…第1
の発光層、33b…第2の発光層、34…電子輸送層、
40…陰極、Ec31…正孔輸送層の母材の伝導帯最低
準位、Ec31a’…正孔輸送層のドーパントの伝導帯
最低準位、Ec32…電子捕獲層の母材の伝導帯最低準
位、Ec33…発光層の母材の伝導帯最低準位。Ec3
3a’…第1の発光層における電子輸送性材料Bの伝導
帯最低準位、Ec33b…第2の発光層における電子輸
送性材料Cの伝導帯最低準位、Ev33a’…第1の発
光層における電子輸送性材料Bの価電子帯最高準位、E
v33a…第1の発光層における正孔輸送性材料Aの価
電子帯最高準位、Ev33a’…第1の発光層における
電子輸送性材料Bの価電子帯最高準位。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極(20)と陰極(40)とからなる
    一対の電極(20、40)間に複数の有機層(30、3
    1、32、33、34)が挟まれてなる有機EL素子に
    おいて、 前記有機層は、前記陽極側に位置する第1の有機層(3
    1)と、前記陰極側に位置する第3の有機層(33)
    と、前記第1及び第3の有機層に挟まれた第2の有機層
    (32)とを備えるものであり、 前記第3の有機層は、380nm以上510nm未満の
    ピーク波長を持つ発光スペクトルを有する母材に蛍光色
    素が添加されたものであり、 前記第2の有機層の母材の伝導帯最低準位(Ec32)
    が、前記第1の有機層の母材の伝導帯最低準位(Ec3
    1)および前記第3の有機層の母材の伝導帯最低準位
    (Ec33)よりも低くなっていることを特徴とする有
    機EL素子。
  2. 【請求項2】 前記第1の有機層(31)の母材が、3
    80nm以上510nm未満のピーク波長を持つ発光ス
    ペクトルを有するものであることを特徴とする請求項1
    に記載の有機EL素子。
  3. 【請求項3】 前記第2の有機層(32)は、前記第2
    の有機層の母材に蛍光色素が添加されたものであること
    を特徴とする請求項1または2に記載の有機EL素子。
  4. 【請求項4】 前記第1の有機層(31)の母材のエネ
    ルギーギャップと前記第3の有機層(33)の母材のエ
    ネルギーギャップとの差が、0.4eV以下であること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の
    有機EL素子。
  5. 【請求項5】 前記第2の有機層(32)の母材の伝導
    帯最低準位(Ec32)が前記第3の有機層(33)の
    母材の伝導帯最低準位(Ec33)よりも0.1eV以
    上低いことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一
    つに記載の有機EL素子。
  6. 【請求項6】 前記第2の有機層(32)または前記第
    3の有機層(33)において、蛍光色素のエネルギーギ
    ャップが、当該蛍光色素が添加される母材のエネルギー
    ギャップよりも小さいことを特徴とする請求項1ないし
    5のいずれか一つに記載の有機EL素子。
  7. 【請求項7】 前記第2の有機層(32)が前記第3の
    有機層(33)に比べて薄いものであることを特徴とす
    る請求項1ないし6のいずれか一つに記載の有機EL素
    子。
  8. 【請求項8】 陽極(20)と陰極(40)とからなる
    一対の電極(20、40)間に複数の有機層(30、3
    1a、33、34)が挟まれてなる有機EL素子におい
    て、 前記有機層は、前記陽極側に位置する第1の有機層(3
    1a)と、この第1の有機層よりも前記陰極側に位置す
    る第2の有機層(33)とを備えるものであり、 前記第2の有機層は、380nm以上510nm未満の
    ピーク波長を持つ発光スペクトルを有する母材に蛍光色
    素が添加されたものであり、 前記第1の有機層は、その母材中に、前記第2の有機層
    の母材の伝導帯最低準位(Ec33)よりも低い伝導帯
    最低準位(Ec31a’)を有しかつ蛍光性を持たない
    ドーパントが添加されたものであることを特徴とする有
    機EL素子。
  9. 【請求項9】 前記第1の有機層(31a)のドーパン
    トが、銅フタロシアニンであることを特徴とする請求項
    8に記載の有機EL素子。
  10. 【請求項10】 陽極(20)と陰極(40)とからな
    る一対の電極(20、40)間に複数の有機層(30、
    31、32、33、34)が挟まれてなる有機EL素子
    において、 前記有機層は、前記陽極側に位置する第1の有機層(3
    1)と、前記陰極側に位置する第3の有機層(33)
    と、前記第1及び第3の有機層に挟まれた第2の有機層
    (32)とを備えるものであり、 前記第1の有機層は、その母材が380nm以上510
    nm未満のピーク波長を持つ発光スペクトルを有するも
    のであり、 前記第3の有機層は、380nm以上510nm未満の
    ピーク波長を持つ発光スペクトルを有する母材に蛍光色
    素が添加されたものであり、 前記第2の有機層は、その母材が510nm以上のピー
    ク波長を持つ発光スペクトルを有するものであることを
    特徴とする有機EL素子。
  11. 【請求項11】 陽極(20)と陰極(40)とからな
    る一対の電極(20、40)間に複数の有機層(30、
    31、32、33、34)が挟まれてなる有機EL素子
    において、 前記有機層は、前記陽極側に位置する正孔輸送層(3
    1)と、前記陰極側に位置する陰極側有機層(33)
    と、前記正孔輸送層および前記陰極側有機層に挟まれ電
    子を捕獲する機能を有する電子捕獲層(32)とを備え
    るものであり、 前記陰極側有機層は、380nm以上510nm未満の
    ピーク波長を持つ発光スペクトルを有する母材に蛍光色
    素が添加されたものであることを特徴とする有機EL素
    子。
  12. 【請求項12】 陽極(20)と陰極(40)との間に
    前記陽極側から正孔輸送層(31)、発光層(33a、
    33b)を介在させてなる有機EL素子において、 前記発光層は、前記正孔輸送層側に位置する第1の発光
    層(33a)と前記第1の発光層よりも前記陰極側に位
    置する第2の発光層(33b)とからなり、 前記第2の発光層の母材は380nm以上510nm未
    満のピーク波長を持つ発光スペクトルを有する電子輸送
    性材料Cであり、 前記第1の発光層の母材は、380nm以上510nm
    未満のピーク波長を持つ発光スペクトルを有する正孔輸
    送性材料Aと前記第2の発光層の母材である前記電子輸
    送性材料Cの伝導帯最低準位(Ec33b)よりも低い
    伝導帯最低準位(Ec33a’)を有する電子輸送性材
    料Bとの混合物からなり、 前記第1の発光層および前記第2の発光層には蛍光色素
    が添加されていることを特徴とする有機EL素子。
  13. 【請求項13】 前記第1の発光層(33a)の母材で
    ある前記電子輸送性材料Bの伝導帯最低準位(Ec33
    a’)が、前記第2の発光層(33b)の母材である前
    記電子輸送性材料Cの伝導帯最低準位(Ec33b)よ
    りも0.1eV以上低いことを特徴とする請求項12に
    記載の有機EL素子。
  14. 【請求項14】 前記第1の発光層(33a)の母材を
    構成する前記混合物において、前記電子輸送性材料Bの
    価電子帯最高準位(Ev33a’)が前記正孔輸送性材
    料Aの価電子帯最高準位(Ev33a)よりも低いこと
    を特徴とする請求項12または13に記載の有機EL素
    子。
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