JP2009064605A - 有機el装置及び電子機器 - Google Patents

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将之 三矢
Koji Yasukawa
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Abstract

【課題】長寿命化が可能な有機EL装置及び電子機器を提供すること。
【解決手段】陽極層21及び陰極層22と、陽極層21及び陰極層22の間に配置された赤色発光層43、青色発光層45及び緑色発光層46と、赤色発光層43及び青色発光層45の間に配置された中間層44とを備え、中間層44が、正孔輸送性材料及び電子輸送性材料と発光材料とを含有すると共に、中間層44を構成している材料のうち少なくとも1つの最低非占有分子軌道のエネルギー準位が赤色発光層43及び青色発光層45それぞれよりも高い。
【選択図】図4

Description

本発明は、有機EL装置及び電子機器に関するものである。
有機EL(Electroluminescence)素子は、薄型、全固体型、面状自発光及び高速応答であるといった特徴を有する発光装置であり、フラットディスプレイパネルやバックライトへの応用が期待されている。このような有機EL素子を用いたディスプレイなどの表示装置をフルカラー化する方法として、例えば赤色、緑色及び青色の各色に発光する複数の発光層を有する白色有機EL素子とカラーフィルタとを組み合わせる構成がある。
ここで、各発光層における輝度バランスを調整するため、発光層間に中間層を設けて電荷の再結合により生成した励起子が発光層間を移動しにくくする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−100921号公報
しかしながら、上記従来の有機EL装置においても、以下の課題が残されている。すなわち、中間層は、発光層間に設けられているため、電子及び正孔それぞれに対する輸送性を有する必要がある。そのため、中間層では、内部を移動する電子及び正孔の一部において再結合が発生していると考えられる。したがって、再結合により発生した励起エネルギーが例えば熱エネルギーに変換されることやキャリア輸送性材料上で不安定な励起状態を形成することで、中間層が劣化するという問題がある。
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたもので、長寿命化が可能な有機EL装置及び電子機器を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明にかかる有機EL装置は、陽極及び陰極と、該陽極及び陰極の間に配置された複数の発光層と、該複数の発光層のうち隣り合う2つの発光層の間に配置された中間層とを備え、該中間層が、正孔輸送性材料及び電子輸送性材料と発光材料とを含有すると共に、前記中間層を構成している材料のうち少なくとも1つの最低非占有分子軌道のエネルギー準位が前記隣り合う2つの発光層それぞれよりも高いことを特徴とする。
この発明では、中間層内を移動する正孔及び電子の一部において、再結合により発生した励起エネルギーを発光エネルギーに変換することで、中間層の劣化を抑制して有機EL装置全体の長寿命化が図れる。すなわち、中間層内において発生した励起エネルギーは、発光材料により発光エネルギーに変換される。これにより、中間層は、中間層の構成材料に応じた所定の波長で発光する。このように励起エネルギーを発光エネルギーとして消費することで、励起エネルギーが熱エネルギーとして消費されることを抑制する。また、キャリア輸送性材料で生成した不安定な励起状態を抑制することができる。したがって、有機EL装置の長寿命化が図れる。また、中間層が発光することにより、電流利用効率が向上する。電流利用効率が向上し、少ない電流で駆動できるように有機EL装置の寿命を向上させることができる。
また、本発明にかかる有機EL装置は、前記中間層の発光極大波長が、400nm以上500nm以下であることが好ましい。
この発明では、赤色や緑色よりも寿命の短い青色発光を一定電流密度で駆動した際に強く発光させることができれば、複数の発光層による白色発光とカラーフィルタとによりカラー表示を行うパネルの寿命を延ばすことができる。すなわち、青色発光画素を駆動するのに必要となる電流密度を低減することができるからである。したがって、有機EL装置のさらなる長寿命化が図れる。
また、本発明にかかる有機EL装置は、前記中間層の層厚が、1nm以上100nm以下であることが好ましい。
この発明では、中間層の層厚を1nm以上とすることで発光層において発生した励起エネルギーの移動を抑制できると共に、100nm以下とすることで中間層と隣接する発光層との境界において電子や正孔が滞留することを抑制できる。
また、本発明にかかる有機EL装置は、前記中間層において前記発光材料の前記正孔輸送性材料及び前記電子輸送性材料に対する含有量が、0.5重量%以上50重量%以下であることが好ましい。
この発明では、発光材料の含有量を0.5重量%以上50重量%以下とすることで、中間層において良好に発光させることができる。
また、本発明にかかる有機EL装置は、前記2つの発光層のうち前記陽極に近接する一方と前記中間層との間に、正孔輸送性材料及び電子輸送性材料からなる非発光中間層が配置されていることが好ましい。
この発明では、発光材料を含有しない非発光中間層を設けることで、中間層及び非発光中間層による励起子の発光層間の移動抑制効果が十分に得られる。すなわち、2つの発光層のうち陰極側の発光層と中間層との境界において電子が滞留しやすいため、再結合が発生しやすくなる。そのため、中間層における陰極側の領域では再結合が発生しにくくなっている。そこで、再結合が発生しにくい陰極側に発光材料を含有しない非発光中間層を配置することで、発光材料を含有することによる励起子の移動抑制効果の低減を抑制できる。したがって、有機EL装置のさらなる長寿命化が図れる。
また、本発明にかかる電子機器は、上記記載の有機EL装置を備えることを特徴とする。
この発明では、上述と同様に、中間層の劣化を抑制して有機EL装置全体の長寿命化が図れる。
[第1の実施形態]
〔有機EL装置〕
以下、本発明における有機EL装置の第1の実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。ここで、図1は有機EL装置を示す概略構成図、図2は図1の等価回路図、図3は画素領域における構成を示す概略断面図、図4は有機機能層を示す概略断面図である。
本実施形態における有機EL装置1は、図1に示すように、平面視でほぼ矩形の基板2を備えている。基板2の中央部分には、図1及び図2に示すように、複数の画素領域11、データ線12、走査線13及び電源線14が配置された実表示領域15が形成されている。また、基板2の実表示領域15の外側には、図1に示すように、データ線駆動回路16及び走査線駆動回路17が配置されたダミー領域18が形成されている。そして、基板2のダミー領域18の外側には、後述する陰極層(陰極)22に接続される陰極用配線19が配置されている。この実表示領域15及びダミー領域18により、画素部20が形成されている。
複数の画素領域11それぞれには、図2に示すように、画素電極となる陽極層(陽極)21と、陰極層22と、陽極層21及び陰極層22の間に挟みこまれる有機機能層23とが設けられている。これら陽極層21、陰極層22及び有機機能層23により、有機EL素子が構成される。また、複数の画素領域11それぞれには、陽極層21をスイッチング制御するためのTFT素子24、25と、保持容量26とが設けられている。
TFT素子24は、ゲートが走査線13に接続されて、ソースがデータ線12に接続され、ドレインがTFT素子25及び保持容量26に接続されている。また、TFT素子24は、走査線13を介して走査線駆動回路17から供給された走査信号に応じて、データ線12を介してデータ線駆動回路16から供給されたデータ信号を保持容量26に供給する構成となっている。
TFT素子25は、ゲートがTFT素子24のドレインに接続され、ソースが電源線14に接続され、ドレインが陽極層21に接続されている。そして、TFT素子25は、保持容量26で保持されたデータ信号に応じてオン・オフ状態が決定され、電源線14を介して供給される駆動電流を陽極層21に供給する構成となっている。
データ線12、走査線13及び電源線14は、実表示領域15内において格子状に配置されている。そして、データ線12はデータ線駆動回路16に接続され、走査線13は走査線駆動回路17に接続されている。
次に、基板2の画素領域11における詳細な構成について、図3及び図4を参照しながら説明する。
基板2は、図3に示すように、例えばガラスなどの透光性材料で構成された基板本体31と、基板本体31上に積層されたゲート絶縁膜32、第1及び第2層間絶縁膜33、34、陽極層21、有機機能層23、陰極層22及び陰極保護膜35とを備えている。また、基板2は、基板本体31上に形成された半導体層36と、ゲート絶縁膜32上に形成されたゲート電極37と、第1層間絶縁膜33上に形成されたソース電極38及びドレイン電極39とを備えている。
ゲート絶縁膜32は、例えばSiOやSiNなどの絶縁材料で形成されており、基板本体31上に形成された半導体層36を被覆している。
第1層間絶縁膜33は、例えばSiOなどの絶縁材料で形成されており、ゲート絶縁膜32上に形成されたゲート電極37を被覆している。
第2層間絶縁膜34は、アクリル系やポリイミド系などの耐熱性絶縁性樹脂材料で形成されており、第1層間絶縁膜33上に形成されたソース電極38及びドレイン電極39を被覆すると共に、上面を平坦化している。また、第2層間絶縁膜34上には、各画素領域11を区画する隔壁40が設けられている。
陽極層21は、図3及び図4に示すように、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの透光性の導電材料で形成されており、第2層間絶縁膜34に形成されたコンタクトホールを介してドレイン電極39に接続されている。また、陽極層21の下面には、例えばAlで形成された反射膜(図示略)が設けられている。
有機機能層23は、図4に示すように、陽極層21上に順に積層された正孔注入層41、正孔輸送層42、赤色発光層(発光層)43、中間層44、青色発光層(発光層)45、緑色発光層(発光層)46及び電子輸送層47を備えている。
正孔注入層41は、陽極層21から供給された正孔を陰極層22に向けて注入する機能を有している。ここで、正孔注入層41を構成する正孔注入材料としては、例えばHI406(出光興産株式会社製)などが挙げられる。
正孔輸送層42は、正孔注入層41から注入された正孔を赤色発光層43に向けて輸送する機能を有している。ここで、正孔輸送層42を構成する正孔輸送材料としては、例えばHT320(出光興産株式会社製)などが挙げられる。
赤色発光層43は、正孔輸送層42から移動した正孔の一部と中間層44から移動した電子とが再結合することにより赤色に発光する機能を有している。ここで、赤色発光層43を構成するホスト材料としては、例えばBH215(出光興産株式会社製)などが挙げられる。また、赤色発光層43を構成する赤色発光材料としては、例えばRD001(出光興産株式会社製)などが挙げられる。
中間層44は、正孔輸送材料及び電子輸送材料と青色発光材料とからなり、赤色発光層43から青色発光層45に向かう正孔量及び青色発光層45から赤色発光層43に向かう電子量を調整する機能を有している。ここで、中間層44を構成する正孔輸送材料としては、例えばα−NPD(α−ナフチルジアミン)などが挙げられる。また、中間層44を構成する電子輸送材料としては、例えばADN(9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン)が挙げられる。そして、正孔輸送材料と電子輸送材料との混合比は、重量比で例えば50:50となっている。
また、中間層44の膜厚は、例えば5nmであって1nm以上100nm以下の範囲内となっている。
ここで、中間層44を構成する材料の少なくとも1つの材料のLUMO(最低非占有分子軌道)エネルギー準位は、中間層44を挟む赤色発光層43及び青色発光層45それぞれを構成する材料のLUMOエネルギー準位よりも高い。そして、中間層44におけるホスト材料のHOMO−LUMOエネルギーギャップは、赤色発光層43及び青色発光層45それぞれを構成する材料のHOMO−LUMOエネルギーギャップよりも大きい。なお、エネルギー準位が高いとは、エネルギー[eV]の絶対値が小さいことを示す。
また、中間層44における青色発光材料の含有量は、中間層44のホスト材料に対して例えば10重量%であって0.5重量%以上50重量%以下となっている。ここで、青色発光材料としては、例えばBD102(出光興産株式会社製)などが挙げられる。これにより、中間層44は、400nm以上500nm以下において発光極大波長を有する青色光を発光可能となる。ここで、発光極大波長とは、所定の波長範囲内での最大の発光ピーク値をとる波長のことである。
青色発光層45は、中間層44から移動した正孔の一部と緑色発光層46から輸送された電子の一部とが再結合することにより青色に発光する機能を有している。ここで、青色発光層45を構成するホスト材料としては、例えばBH215(出光興産株式会社製)などが挙げられる。また、青色発光層45を構成する青色発光材料としては、例えばBD102(出光興産株式会社製)などが挙げられる。
緑色発光層46は、青色発光層45から移動した正孔と電子輸送層47から移動した電子の一部とが再結合することにより緑色に発光する機能を有している。ここで、緑色発光層46を構成するホスト材料としては、例えばBH215(出光興産株式会社製)などが挙げられる。また、緑色発光層46を構成する緑色発光材料としては、例えばGD206(出光興産株式会社製)などが挙げられる。
電子輸送層47は、陰極層22から供給された電子を緑色発光層46に向けて輸送する機能を有している。ここで、電子輸送層47を構成する電子輸送材料としては、例えばAlq(トリス(8−キノリノール)アルミニウム))などが挙げられる。
陰極層22は、図3及び図4に示すように、電子輸送層47側から順にLiF(フッ化リチウム)膜及びAl(アルミニウム)膜を積層した構成となっている。なお、陰極層22は、複数の画素領域11の全域にわたる共通電極となっている。
陰極保護膜35は、図3に示すように、例えばシリコン酸化物やシリコン窒化物、シリコン窒酸化物などのシリコン化合物のような無機化合物で形成されており、製造工程において陰極層22が腐食することを防止する。
半導体層36は、チャネル領域と、不純物イオンを打ち込むことによって形成されたソース領域及びドレイン領域とを有している。そして、チャネル領域は、ゲート絶縁膜32を介してゲート電極37と対向配置されている。また、ソース領域は、ゲート絶縁膜32及び第1層間絶縁膜33を貫通するコンタクトホールを介してソース電極38に接続されている。そして、ドレイン領域は、ゲート絶縁膜32及び第1層間絶縁膜33を貫通するコンタクトホールを介してドレイン電極39に接続されている。
ソース電極38は、電源線14に接続されている。また、ドレイン電極39は、TFT素子24のドレイン及び保持容量26に接続されている。これら半導体層36、ゲート電極37、ソース電極38及びドレイン電極39により、TFT素子25が形成される。
また、基板2の上面には、接着層50によりカラーフィルタ基板51が貼付されている。カラーフィルタ基板51は、例えばガラスなどの透光性材料で形成された基板本体52と、基板本体52上に形成されたカラーフィルタ層53及び遮光層54とを備えている。
カラーフィルタ層53は、画素領域11に対応して配置されており、例えばアクリルなどで形成されて各画素領域11の表示色に対応する色材を含有している。
遮光層54は、各画素領域11の縁部に対応して配置されており、各画素領域11を縁取っている。
なお、基板本体52の内面側に凹部を設け、この凹部に水や酸素を吸収するゲッター剤(例えば、CaO、BaOなど)を配置してもよい。
このような構成の有機EL装置1では、陽極層21及び陰極層22の間に電圧を印加すると、正孔が陽極層21から陰極層22に向けて移動すると共に、電子が陰極層22から陽極層21に向けて移動する。陽極層21から供給された正孔は、正孔注入層41及び正孔輸送層42を経て赤色発光層43に至る。そして、正孔は、中間層44において正孔の移動が適宜規制された後、青色発光層45を経て緑色発光層46に至る。一方、陰極層22から供給された電子は、電子輸送層47を経て緑色発光層46及び青色発光層45に至る。そして、電子は、中間層44において電子の移動が適宜規制された後、赤色発光層43に至る。
このとき、赤色発光層43では、正孔及び電子が再結合することで赤色光を発光する。同様に、青色発光層45では青色光を発光し、緑色発光層46では緑色光を発光する。そして、中間層44では、内部を正孔及び電子が移動していることから正孔及び電子が再結合し、青色発光材料に応じて波長が400nm以上500nm以下の青色光を発光する。すなわち、中間層44では、正孔及び電子の再結合により発生した励起エネルギーが発光エネルギーとして消費されている。
〔電子機器〕
以上のような構成の有機EL装置1は、例えば図5に示すような携帯電話機(電子機器)100の表示部101として用いられる。この携帯電話機100は、表示部101、複数の操作ボタン102、受話口103、送話口104及び上記表示部101を有する本体部を備えている。
以上のように、本実施形態における有機EL装置1及び携帯電話機100によれば、中間層において発生した励起エネルギーを発光エネルギーとして消費することで、中間層44の劣化を抑制して有機EL装置1全体の長寿命化が図れる。
また、中間層44が赤色や緑色よりも高い輝度で発光させにくい青色光を発光することで、陽極層21及び陰極層22の間に印加する電圧を低減できるため、有機EL装置1のさらなる長寿命化が図れる。
そして、中間層44の層厚を5nmとすることで、赤色発光層43及び青色発光層45それぞれにおいて発生した励起エネルギーの移動を抑制できると共に、赤色発光層43及び青色発光層45との間における電子及び正孔の輸送性を維持できる。
さらに、中間層44における青色発光材料の含有量を10重量%とすることで、中間層44が良好な青色発光を行える。
[第2の実施形態]
続いて、本発明における有機EL装置の第2の実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、第1の実施形態と中間層の構成が異なるため、この点を中心に説明すると共に、上記実施形態で説明した構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。ここで、図6は、有機EL装置における有機機能層を示す概略断面図である。
本実施形態における有機EL装置110は、図6に示すように、有機機能層111を構成する赤色発光層43と青色発光層45との間に2層の第1中間層(非発光中間層)112及び第2中間層(中間層)113が配置されている。
第1中間層112は、赤色発光層43の上面に配置されており、正孔輸送材料及び電子輸送材料で形成されている。また、第1中間層112には、発光材料が注入されていない。
第2中間層113は、第1中間層112の上面に配置されており、正孔輸送材料及び電子輸送材料で形成されている。また、第2中間層113には、中間層44と同様に、青色発光材料が注入されている。
ここで、上述した実施形態と同様に、第1及び第2中間層112、113それぞれでは、正孔が電子よりも移動しやすくなっている。
このような構成の有機EL装置110では、赤色発光層43から第1中間層112に向かう正孔の方が青色発光層45から第2中間層113に向かう電子よりも第1及び第2中間層112、113を移動しやすくなっている。そのため、青色発光層45から第2中間層113に向かう電子が青色発光層45と第2中間層113との境界において滞留する。そして、第2中間層113内を移動する正孔と滞留している電子とが再結合することにより、第2中間層113が青色光を発光する。
以上のような構成の有機EL装置110においても、上述と同様の作用、効果を奏するが、赤色発光層43と第2中間層113との間に発光材料を含有していない第1中間層112を設けることで赤色発光層43と青色発光層45との間における励起子の移動抑制効果を高められる。したがって、有機EL装置110のさらなる長寿命化が図れる。
有機EL装置1、110の発光寿命及びパネル寿命それぞれを、中間層に発光材料を注入していない比較例と比較した。
ここで、比較例1及び実施例1それぞれにおける有機EL装置は、正孔注入層の層厚を20nm、正孔輸送層の層厚を20nm、赤色発光層の層厚を5nm、中間層の層厚を5nm、青色発光層の層厚を15nm、緑色発光層の層厚を15nm、電子輸送層の層厚を20nm、陰極層を構成するLiF膜の膜厚を1nm、陰極層を構成するAl膜の膜厚を150nmとしている。また、実施例2における有機EL装置は、赤色発光層と青色発光層との間に配置される第1及び第2中間層の層厚をそれぞれ5nmとしている。なお、陰極層、正孔注入層、正孔輸送層、赤色発光層、中間層、第1及び第2中間層、青色発光層、緑色発光層、電子輸送層及び陽極層に用いられている材料は、上述した実施形態と同様である。
また、実施例1における中間層と実施例2における発光材料の含有量は、キャリア材料に対して10重量%となっている。
なお、ここでは、有機EL装置1、110それぞれを図7に示すような素子構造として測定している。すなわち、この素子構造は、図7に示すように、上面に腐食防止層120aが形成された透光性の基板120上に陽極層21と、有機機能層23または有機機能層111と、陰極層22とを積層した構造となっている。また、陰極層22の上面には反射膜(図示略)が設けられている。そして、陽極層21、陰極層22及び有機機能層23(111)は、封止部材121により封止されている。したがって、この素子構造は、ボトムエミッション構造となっている。
このような構成の実施例1、2及び比較例1それぞれの有機EL装置において、色度座標と、有機EL素子及び有機ELパネルそれぞれの寿命とを測定した。この結果を表1に示す。また、実施例1、2及び比較例1における有機EL素子の色度座標を図8に示す。
なお、表1において、有機EL素子の寿命は、輝度が80%まで低下したときまでの時間を測定している。また、有機EL素子における電流密度は、100mA/cmとなっている。そして、有機ELパネルの寿命は、パネルが色度座標(0.31、0.316)の白表示を行うように印加する電圧を適宜変更した状態における時間を測定している。また、有機EL素子及び有機ELパネルそれぞれの寿命は、比較例1における測定値を基準とした値を示している。
Figure 2009064605
表1及び図8に示すように、中間層に発光材料を含有させることにより、有機EL装置全体としての長寿命化していることがわかる。また、中間層が青色光を発光することにより、有機EL素子における発光の色度が白表示に近づいていることがわかる。
なお、比較例1は、実施例1よりも有機EL素子における寿命が長いが、発光の色度が実施例1よりも白表示から遠いため、有機ELパネルの寿命が短くなっている。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、中間層は、青色発光材料を含有しているが、他の波長の光を発光する発光材料を含有してもよい。
また、中間層の層厚は、1nm以上100nm以下に限られない。
そして、中間層のホスト材料に対する発光材料の含有量は、0.5重量%以上50重量%以下に限られない。
また、赤色発光層と青色発光層との間に中間層を配置しているが、他の隣り合う2つの発光層の間に中間層を配置してもよい。
そして、有機機能層は、陽極層側から赤色発光層、青色発光及び緑色発光層の順に積層した構成となっているが、例えば赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層の順など、他の順番で積層してもよい。また、有機機能層は、赤色、青色及び緑色の光を発光する発光層を組み合わせた構成となっているが、他の波長の光を発光する発光層を複数組み合わせた構成としてもよい。
また、有機機能層は、陽極層と赤色発光層との間に正孔注入層及び正孔輸送層を配置しているが、いずれか一方のみを配置する構成など、他の構成としてもよい。同様に、有機機能層は、陰極層と緑色発光層との間に電子輸送層を配置しているが、緑色発光層側から順に電子輸送層及び電子注入層を配置する構成など、他の構成としてもよい。
また、有機EL装置は、基板上に陽極層を設けた構成となっているが、基板上に陰極層を設ける構成としてもよい。すなわち、陰極層よりも上層に発光層を形成すると共に、発光層上に正孔機能層を形成した構成としてもよい。
そして、有機EL装置は、基板の上面側から光を射出するトップエミッション構造となっているが、基板の下面側から光を射出するボトムエミッション構造であってもよい。
また、有機EL装置を備える電子機器としては、携帯電話機に限らず、PDA(Personal Digital Assistant:携帯情報端末機)やパーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ、ワークステーション、デジタルスチルカメラ、車載用モニタ、カーナビゲーション装置、デジタルビデオカメラ、テレビジョン受像機、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ページャ、電子手帳、電卓、電子ブックやプロジェクタ、ワードプロセッサ、テレビ電話機、POS端末、タッチパネルを備える機器、照明装置、プリンタの露光ヘッドなどのような他の電子機器であってもよい。
本発明の第1の実施形態における有機EL装置を示す概略平面図である。 図1の等価回路図である。 画素領域を示す断面図である。 有機機能層を示す断面図である。 有機EL装置を備える携帯電話機を示す概略斜視図である。 第2の実施形態における有機EL装置の有機機能層を示す断面図である。 実施例1、2それぞれにおける素子構造を示す断面図である。 実施例1、2及び比較例1それぞれの色度を示すグラフである。
符号の説明
1,110 有機EL装置、21 陽極層(陽極)、22 陰極層(陰極)、43 赤色発光層(発光層)、44 中間層、45 青色発光層(発光層)、46 緑色発光層(発光層)、100 携帯電話機(電子機器)、112 第1中間層(非発光中間層)、113 第2中間層

Claims (6)

  1. 陽極及び陰極と、該陽極及び陰極の間に配置された複数の発光層と、該複数の発光層のうち隣り合う2つの発光層の間に配置された中間層とを備え、
    該中間層が、正孔輸送性材料及び電子輸送性材料と発光材料とを含有すると共に、前記中間層を構成している材料のうち少なくとも1つの最低非占有分子軌道のエネルギー準位が前記隣り合う2つの発光層それぞれよりも高いことを特徴とする有機EL装置。
  2. 前記中間層の発光極大波長が、400nm以上500nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置。
  3. 前記中間層の層厚が、1nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機EL装置。
  4. 前記中間層において前記発光材料の前記正孔輸送性材料及び前記電子輸送性材料に対する含有量が、0.5重量%以上50重量%以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の有機EL装置。
  5. 前記2つの発光層のうち前記陽極に近接する一方と前記中間層との間に、正孔輸送性材料及び電子輸送性材料からなる非発光中間層が配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の有機EL装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の有機EL装置を備えることを特徴とする電子機器。
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