JP2005276541A - 有機el素子 - Google Patents

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淳二 城戸
Masahiro Minagawa
正寛 皆川
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Abstract

【課題】少なくとも正孔輸送層,発光層及び電子輸送層を有する有機層を一対の電極で挟持した有機EL素子において、所定の輝度で長時間発光する長寿命化が可能な有機EL素子を提供する。
【解決手段】有機層5を一対の電極で挟持してなる有機EL素子である。有機層5は、発光層5cと、この発光層5cとの最高占有軌道準位の差が0.1eV以上であり正孔を発光層5cに向けて輸送する正孔輸送層5aと、電子を発光層5cに向けて輸送する電子輸送層5dと、正孔輸送層5aと発光層5cとの間に形成され正孔輸送層5aを形成する正孔輸送材料と発光層5cを形成する有機材料とを混合してなる混合層5bと、を少なくとも有してなる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、少なくとも正孔輸送層,発光層及び電子輸送層を有する有機層を一対の電極で挟持した有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子に関する。
有機材料によって形成される自発光素子である有機EL素子は、例えば、陽極となるITO(Indium Tin Oxide)等からなる第一電極と、少なくとも発光層を有する有機層と、陰極となるアルミニウム(Al)等からなる非透光性の第二電極と、を順次積層して前記有機EL素子を形成するものが知られている。(例えば、特許文献1参照)
かかる有機EL素子は、前記第一電極から正孔を注入し、また、前記第二電極から電子を注入して正孔及び電子が前記発光層にて再結合することによって光を発するものであり、所定の輝度で長時間発光させる長寿命化が望まれている。
有機EL素子を長寿命化する方法として、特許文献2には、少なくとも1以上の電荷注入層(正孔輸送層あるいは電子輸送層)と少なくとも1以上の有機蛍光体よりなる発光層を有する有機EL素子において、前記電荷注入層と前記発光層間に、電荷注入材料と有機蛍光体とを混合してなる混合層を挿入する方法が開示されている。
特開昭59−194393号公報 特開平3−114197号公報
しかしながら、前記有機層として正孔輸送層,発光層及び電子輸送層の少なくとも3層を備える有機EL素子において、前記正孔輸送層と前記発光層との間及び前記発光層と前記電子輸送層との間に前述の混合層をそれぞれ挿入する場合、前記混合層を挿入しない場合の有機EL素子よりも発光寿命が短くなるという問題点があった。
本発明は、このような問題に鑑み、少なくとも正孔輸送層,発光層及び電子輸送層を有する有機EL素子において、所定の輝度で長時間発光する長寿命化が可能な有機EL素子を提供することを目的とする。
本発明の有機EL素子は、前記課題を解決するために、有機層を一対の電極で挟持してなる有機EL素子であって、前記有機層は、発光層と、この発光層との最高占有軌道準位の差が0.1eV以上であり正孔を前記発光層に向けて輸送する正孔輸送層と、電子を前記発光層に向けて輸送する電子輸送層と、前記正孔輸送層と前記発光層との間に形成され前記正孔輸送層を形成する正孔輸送材料と前記発光層を形成する有機材料とを混合してなる混合層と、を少なくとも有してなることを特徴とする。
また、前記電子輸送層は、前記発光層との最高占有軌道準位の差が0.1eVよりも小さいことを特徴とする。
また、前記発光層は、正孔の移動度が電子の移動度よりも大きいことを特徴とする。
また、前記混合層は、前記発光層近傍における前記正孔輸送材料の濃度が前記正孔輸送層近傍よりも低いことを特徴とする。
また、前記混合層は、前記発光層の膜厚以下の膜厚で形成されてなることを特徴とする。
本発明の有機EL素子は、前記課題を解決するために、有機層を一対の電極で挟持してなる有機EL素子であって、前記有機層は、発光層と、正孔を前記発光層に向けて輸送する正孔輸送層と、前記発光層との最高占有軌道準位の差が0.1eV以上であり電子を前記発光層に向けて輸送する電子輸送層と、前記発光層と前記電子輸送層との間に形成され前記発光層を形成する有機材料と前記電子輸送層を形成する電子輸送材料とを混合してなる混合層と、を少なくとも有してなることを特徴とする。
また、前記正孔輸送層は、前記発光層との最高占有軌道準位の差が0.1eVよりも小さいことを特徴とする。
また、前記発光層は、電子の移動度が正孔の移動度よりも大きいことを特徴とする。
また、前記混合層は、前記発光層近傍における前記電子輸送材料の濃度が前記電子輸送層近傍よりも低いことを特徴とする。
また、前記混合層は、前記発光層の膜厚以下の膜厚で形成されてなることを特徴とする。
本発明の有機EL素子は、前記課題を解決するために、有機層を一対の電極で挟持してなる有機EL素子であって、前記有機層は、正孔を発光層に向けて輸送する正孔輸送層と、発光層と、この発光層との最低空軌道準位の差が0.4eV以上であり電子を前記発光層に向けて輸送する電子輸送層と、前記発光層と前記電子輸送層との間に形成され前記発光層を形成する有機材料と前記電子輸送層を形成する電子輸送材料とを混合してなる混合層と、を少なくとも有してなることを特徴とする。
また、前記発光層は、電子の移動度が正孔の移動度よりも大きいことを特徴とする。
また、前記混合層は、前記発光層近傍における前記電子輸送材料の濃度が前記電子輸送層近傍よりも低いことを特徴とする。
また、前記混合層は、前記発光層の膜厚以下の膜厚で形成されてなることを特徴とする。
本発明は、少なくとも正孔輸送層,発光層及び電子輸送層を有する有機層を一対の電極で挟持した有機EL素子に関するものであり、所定の輝度で長時間発光する長寿命化を可能とするものである。
以下、セグメント型の有機ELパネルに本発明の有機EL素子を適用した第一の実施形態を添付の図面に基いて説明する。
図1において、有機ELパネルは、有機EL素子1を透光性の支持基板2上に配設してなるものである。有機EL素子1は、透光性の第一電極3と、絶縁層4と、有機層5と、第二電極6と、から主に構成されている。また、支持基板2上には有機EL素子1を気密的に覆うように封止部材7が配設されている。かかる有機ELパネルは、有機EL素子1の発光を支持基板2側から取り出し、所定の表示を行うものである。
支持基板2は、長方形形状からなる透光性のガラス基板である。
第一電極3は、陽極となるものであり、支持基板2上にITO等の導電性材料を蒸着法やスパッタリング法等の手段によって膜厚50〜200nmの層状に形成し、フォトリソグラフィー法等によって例えば日の字型の表示意匠に応じてパターニングしてなるもので、日の字型の表示セグメント部3aと、個々のセグメントからそれぞれ引き出し成形されたリード部3bと、リード部3bの終端部に設けられる電極部3cとを備えている。尚、電極部3cは、支持基板2の一辺に集中的に配設されている。
絶縁層4は、ポリイミド系やフェノール系等の絶縁材料からなるものでフォトリソグラフィー法等の手段によって支持基板2上の非発光個所に所定の形状にて形成される。絶縁層4は、表示セグメント3aに対応した窓部4aと、第二電極6の後述する電極部に対応する切り欠き部4bとを有し、発光領域の輪郭を鮮明に表示するため、第一電極3の表示セグメント3aの周縁部と若干重なるように窓部4aが形成され、また、第一電極3と第二電極6との絶縁を確保するためにリード部3b上を覆うように配設される。
有機層5は、第一電極3及び絶縁層4上に絶縁層4における窓部4aの形成箇所に対応するように所定の大きさをもって形成されるものであり、図2に示すように、正孔輸送層5a,混合層5b,発光層5c,電子輸送層5d及び電子注入層5eを蒸着法等の手段によって順次積層形成してなるものである。
正孔輸送層5aは、第一電極3から正孔を取り込むとともに正孔を発光層5cへ伝達する機能を有し、例えばアリールアミン誘導体(NPD)等の正孔輸送材料を蒸着法等の手段によって膜厚10〜60nmの層状に形成してなる。正孔輸送層5aは、最高占有軌道準位(以下、HOMO準位という)が5.5eVとなっている。なお、正孔輸送層5a及び後述する各層のHOMO準位は理研計器株式会社製のAC−2によって測定されたものである。
混合層5bは、正孔輸送層5aと発光層5cとの間に正孔が堆積することを抑制する機能を有し、正孔輸送層5aを形成する前記正孔輸送材料と後述する発光層5cを形成する有機材料とを蒸着法等の手段によって混合し層状に形成してなる。なお、混合層5bの膜厚は発光層5cの膜厚以下となることが好ましい。また、混合層5bは、前記正孔輸送材料の濃度が正孔輸送層5a近傍にあっては前記有機材料の濃度に対して高く、発光層5c近傍に向かって徐々に低くなるように形成されている。なお、この前記正孔輸送材料の濃度の変化は段階的なものであってもよい。
発光層5cは、正孔及び電子の輸送が可能であり、正孔及び電子が輸送されて再結合することで青色の発光を示す機能を有するとともに、正孔移動度が電子移動度よりも高い正孔移動性の特性を有する出光興産株式会社製のIDE120等の前記有機材料を蒸着法等の手段によって例えば膜厚40nmの層状に形成してなる。また、発光層5cは、HOMO準位が5.7eVであり、正孔輸送層5aのHOMO準位との差が0.1eV以上となっている。
電子輸送層5dは、電子を発光層5cへ伝達する機能を有する例えばキレート系化合物であるアルミキノリノール(Alq3)等の電子輸送材料を蒸着法等の手段によって膜厚20〜60nmの層状に形成してなる。また、電子輸送層5dは、HOMO準位が5.7eVであり、発光層のHOMO準位と同等となっている。なお、電子輸送層5dは、電子輸送層5dのHOMO準位と発光層5cのHOMO準位との差が0.1eVより小さい値となるものであればよい。
電子注入層5eは、第二電極6から電子を注入する機能を有し、例えばフッ化リチウム(LiF)等を蒸着法等の手段によって膜厚略1nmの層状に形成してなる。
第二電極6は、アルミニウム(Al)やマグネシウム銀(Mg:Ag)等の導電性材料を蒸着法等の手段によって膜厚50〜200nmの層状に形成してなるものであり、支持基板2の一辺に設けられるリード部6aと電気的に接続してなる。尚、リード部6aの終端部には、電極部(引き出し部)6bが設けられ、リード部6a及び電極部6bは第一電極3と同材料により形成される。
封止部材7は、例えばガラス材料からなる平板部材に凹部7aをサンドブラスト、切削及びエッチング等の適宜方法で形成してなるものである。封止部材7は、凹部7aを取り囲むようにして形成される支持部7bを例えば紫外線硬化性エポキシ樹脂からなる接着剤を介し支持基板2上に気密的に配設することで、封止部材7と支持基板2とで有機EL素子1を封止する。封止部材7は、第一電極3の電極部3cおよび第二電極6の電極部6bが外部に露出するように支持基板2よりも若干小さめに構成されている。
従来の有機EL素子は、互いのHOMO準位の差が0.1eV以上の正孔輸送層と発光層との界面においては、正孔が前記発光層に移動しにくく、前記正孔輸送層と前記発光層との界面に正孔が堆積し、特に発光に寄与しない正孔が前記発光層を形成する有機材料を劣化させることで正孔と電子との再結合量を低下させ、前記有機EL素子の発光輝度が低下するという問題点を有していた。これに対し、本第一の実施形態である有機EL素子1は、互いのHOMO準位の差が0.1eV以上の正孔輸送層5aと発光層5cとの間に正孔輸送層5aを形成する前記正孔輸送材料と発光層5cを形成する前記有機材料とを混合してなる混合層5bを形成することによって正孔輸送層5aと発光層5cとの間に堆積する正孔の量を低減させ、発光層5cを形成する前記有機材料が劣化することを抑制することが可能となる。したがって、有機EL素子1は、発光時間の経過による発光層5cにおける発光輝度の低下を抑制することができ、長寿命化が可能となる。また、混合層5bを前記正孔輸送材料の濃度が正孔輸送層5a近傍においては高く、発光層5c近傍に向かって徐々に低くなるように形成することによって、発光層5cへの正孔の移動をより円滑にすることが可能となる。また、混合層5bを発光層5cの膜厚以下の膜厚となるように形成することによって有機EL素子1を駆動させる駆動電圧の上昇を抑制することが可能となる。
図3は、混合層5bを有さない従来の有機層を備える有機EL素子及び本第一の実施形態の混合層5bを有する有機層5を備える有機EL素子1を初期輝度L0が1000cd/m2となるように駆動させた場合において、混合層5bの膜厚に対する120時間駆動後の発光輝度Lを示す実験結果である。なお、従来の有機EL素子及び有機EL素子1における発光面積は同一なものとする。正孔輸送層5aと発光層5cとの間に20nmあるいは40nmの混合層5bを形成した各有機EL素子1は、混合層5bを形成しない従来の有機EL素子(混合層5bが0nm)と比較して初期輝度L0に対する駆動時間が120時間を経過した際の発光輝度L(L/L0)の低下が少なく、本第一の実施形態の有機EL素子1が従来の有機EL素子よりも優れていることは図3からも明らかである。
また、有機EL素子1は、発光層5cが、正孔の移動度が電子の移動度よりも大きい正孔輸送性の特性を有する前記有機材料からなるものである。すなわち、正孔輸送層5aと発光層5cとの間に混合層5bを形成することによって、発光層5cには前記有機材料の酸化または還元反応が安定な反応に寄与するキャリアである正孔の移動量が増加することとなるため、混合層5bによって発光層5cへの正孔の移動量が増加しても前記有機材料の劣化が促進されることはない。また、有機EL素子1は、電子輸送層5dを、発光層5cとのHOMO準位の差が0.1eVよりも小さい前記電子輸送材料によって形成することで、発光層5cと電子輸送層5dとの界面に正孔が堆積することを抑制し、発光層5cの前記有機材料が劣化することを抑制することが可能となっている。
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。なお、前述の第一の実施形態と同一もしくは相当個所には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
本第二の実施形態が前述の第一の実施形態と相違する点は、有機EL素子1の有機層5が、図4に示すように、正孔輸送層5a,発光層5f,混合層5g,電子輸送層5d及び電子注入層5eを蒸着法等の手段によって順次積層形成してなる点である。
発光層5fは、正孔及び電子の輸送が可能であり、正孔及び電子が輸送されて再結合することで青色の発光を示す機能を有するとともに、電子移動度が正孔移動度よりも高い電子移動性の特性を有するイーストマン・コダック社製のBH2等の有機材料を蒸着法等の手段によって膜厚40nmの層状に形成してなる。また、発光層5fは、HOMO準位が5.5eVであり、電子輸送層5dのHOMO準位との差が0.1eV以上となっており、また、正孔輸送層5aのHOMO準位と同等となっている。なお、正孔輸送層5aは、正孔輸送層5aのHOMO準位と発光層5fのHOMO準位との差が0.1より小さい値となるものであればよい。また、発光層5fは、最低空軌道準位(以下、LUMO準位という)が2.3eVであり、電子輸送層5dは、LUMO準位が3.0eVとなっている。したがって、電子輸送層5dのLUMO準位は発光層5fのLUMO準位との差が0.4eV以上となっている。なお、各LUMO準位は光学的に見積もられたものである。
混合層5gは、発光層5fと電子輸送層5dとの間に正孔が堆積することを抑制する機能を有し、電子輸送層5dを形成する前記電子輸送材料と発光層5fを形成する前記有機材料とを蒸着法等の手段によって混合し層状に形成してなる。なお、混合層5gの膜厚は発光層5fの膜厚以下となることが好ましい。また、混合層5gは、前記電子輸送材料の濃度が電子輸送層5d近傍にあっては前記有機材料の濃度に対して高く、発光層5f近傍に向かって徐々に低くなるように形成されている。なお、この前記電子輸送材料の濃度の変化は段階的なものであってもよい。
従来の有機EL素子は、互いのHOMO準位の差が0.1eV以上の発光層と電子輸送層との界面において、正孔が前記電子輸送層に移動しにくく、前記発光層と前記電子輸送層との界面に正孔が堆積し、特に発光に寄与しない正孔が前記発光層を形成する有機材料を劣化させることで正孔と電子との再結合量を低下させ、前記有機EL素子の発光輝度が低下するという問題点を有していた。これに対し、本第二の実施形態である有機EL素子1は、互いのHOMO準位の差が0.1eV以上の発光層5fと電子輸送層5dとの間に発光層5fを形成する前記有機材料と電子輸送層5dを形成する前記電子輸送材料を混合してなる混合層5gを形成することによって発光層5fと電子輸送層5dとの間に堆積する正孔の量を低減させ、発光層5fを形成する前記有機材料及び電子輸送層5dを形成する前記電子輸送材料が劣化することを抑制することが可能となる。したがって、有機EL素子1は、発光時間の経過による発光層5fにおける発光輝度の低下を抑制することができ、長寿命化が可能となる。また、混合層5gを前記電子輸送材料の濃度が電子輸送層5d近傍においては高く、発光層5f近傍に向かって徐々に低くなるように形成することによって、電子輸送層5dへの正孔の移動をより円滑にすることが可能となる。また、混合層5gを発光層5fの膜厚以下の膜厚となるように形成することによって有機EL素子1を駆動させる駆動電圧の上昇を抑制することが可能となる。
また、従来の有機EL素子は、互いのLUMO準位の差が0.4eV以上の発光層と電子輸送層との界面においては、電子が前記発光層に移動しにくく、前記電子輸送層と前記発光層との界面に電子が堆積し、特に発光に寄与しない電子が前記発光層を形成する有機材料を劣化させることで正孔と電子との再結合量を低下させ、前記有機EL素子の発光輝度が低下するという問題点を有していた。これに対し、本第二の実施形態である有機EL素子1は、互いのLUMO準位の差が0.4eV以上の電子輸送層5dと発光層5fの間に発光層電子輸送層5dを形成する前記電子輸送材料と5fを形成する前記有機材料とを混合してなる混合層5gを形成することによって電子輸送層5dと発光層5fとの間に堆積する電子の量を低減させ、発光層5fを形成する前記有機材料が劣化することを抑制することが可能となる。したがって、有機EL素子1は、発光時間の経過による発光層5fにおける発光輝度の低下を抑制することができ、長寿命化が可能となる。また、混合層5gを前記電子輸送材料の濃度が電子輸送層5d近傍においては高く、発光層5f近傍に向かって徐々に低くなるように形成することによって、発光層5fへの電子の移動をより円滑にすることが可能となる。
図5は、混合層5gを有さない従来の有機層を備える有機EL素子及び本第二の実施形態の混合層5gを有する有機層5を備える有機EL素子1を初期輝度L0が1000cd/m2となるように駆動させた場合において、混合層5gの膜厚に対する120時間駆動後の発光輝度Lを示す実験結果である。なお従来の有機EL素子及び有機EL素子1における発光面積は同一のものとする。発光層5fと電子輸送層5dとの間に10nmあるいは20nmの混合層5gを形成した各有機EL素子1は、混合層5gを形成しない従来の有機EL素子(混合層5gが0nm)と比較して初期輝度L0に対する駆動時間が120時間を経過した際の発光輝度L(L/L0)の低下が少なく、本第二の実施形態の有機EL素子1が従来の有機EL素子よりも優れていることは図5からも明らかである。
また、有機EL素子1は、発光層5fが、電子の移動度が正孔の移動度よりも大きい電子輸送性の特性を有する前記有機材料からなるものである。すなわち、発光層5fと電子輸送層5dとの間に混合層5gを形成することによって、発光層5fへの電子の移動量も増加するが、発光層5fの前記有機材料の酸化または還元反応が安定な反応に寄与するキャリアである電子の移動量が増加することとなるため、混合層5gによって発光層5fへの電子の移動量が増加しても前記有機材料の劣化が促進されることはない。また、有機EL素子1は、正孔輸送層5aを、発光層5fとのHOMO準位の差が0.1eVよりも小さい前記正孔輸送材料によって形成することで、正孔輸送層5aと発光層5fとの界面に正孔が堆積することを抑制し、発光層5fの前記有機材料が劣化することを抑制することが可能となっている。
なお、本第一,第二の実施形態はセグメント型の有機ELパネルに本発明の有機EL素子1を適用したが、本発明の有機EL素子は、ドットマトリクス型の有機ELパネルにも適用可能である。また、本第一,第二の実施形態である有機ELパネルは、透光性の第一電極3を備え、有機EL素子1の発光を支持基板2側から取り出し、所定の表示を行うものであったが、本発明の有機EL素子は、有機層上の第二電極を透光性の導電材料で形成し、封止部材側から光を採りだして所定の表示を行ういわゆるトップエミッション型の有機ELパネルにも適用可能である。
また、本第一,第二の実施形態の有機EL素子1は、発光層5c,5fはそれぞれ単一の前記有機材料からなるものであったが、本発明の有機EL素子においては、発光層は、ホスト材料にゲスト材料として蛍光材料ドープしてなるものであってもよい。
本発明の有機EL素子が適用された第一の実施形態である有機ELパネルを示す図。 同上の有機層を示す拡大断面図。 同上の有機EL素子の混合層の膜厚と発光輝度の変化との関係を示す図。 本発明の有機EL素子が適用された第二の実施形態である有機ELパネルの有機層を示す拡大断面図。 同上の有機EL素子の混合層の膜厚と発光輝度の変化との関係を示す図。
符号の説明
1 有機EL素子
2 支持基板
3 第一電極
4 絶縁層
5 有機層
5a 正孔輸送層
5b,5g 混合層
5c,5f 発光層
5d 電子輸送層
5e 電子注入層
6 第二電極

Claims (14)

  1. 有機層を一対の電極で挟持してなる有機EL素子であって、
    前記有機層は、発光層と、この発光層との最高占有軌道準位の差が0.1eV以上であり正孔を前記発光層に向けて輸送する正孔輸送層と、電子を前記発光層に向けて輸送する電子輸送層と、前記正孔輸送層と前記発光層との間に形成され前記正孔輸送層を形成する正孔輸送材料と前記発光層を形成する有機材料とを混合してなる混合層と、を少なくとも有してなることを特徴とする有機EL素子。
  2. 前記電子輸送層は、前記発光層との最高占有軌道準位の差が0.1eVよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 前記発光層は、正孔の移動度が電子の移動度よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
  4. 前記混合層は、前記発光層近傍における前記正孔輸送材料の濃度が前記正孔輸送層近傍よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
  5. 前記混合層は、前記発光層の膜厚以下の膜厚で形成されてなることを特徴とする請求項1または請求項4に記載の有機EL素子。
  6. 有機層を一対の電極で挟持してなる有機EL素子であって、
    前記有機層は、発光層と、正孔を前記発光層に向けて輸送する正孔輸送層と、前記発光層との最高占有軌道準位の差が0.1eV以上であり電子を前記発光層に向けて輸送する電子輸送層と、前記発光層と前記電子輸送層との間に形成され前記発光層を形成する有機材料と前記電子輸送層を形成する電子輸送材料とを混合してなる混合層と、を少なくとも有してなることを特徴とする有機EL素子。
  7. 前記正孔輸送層は、前記発光層との最高占有軌道準位の差が0.1eVよりも小さいことを特徴とする請求項6に記載の有機EL素子。
  8. 前記発光層は、電子の移動度が正孔の移動度よりも大きいことを特徴とする請求項6に記載の有機EL素子。
  9. 前記混合層は、前記発光層近傍における前記電子輸送材料の濃度が前記電子輸送層近傍よりも低いことを特徴とする請求項6に記載の有機EL素子。
  10. 前記混合層は、前記発光層の膜厚以下の膜厚で形成されてなることを特徴とする請求項6または請求項9に記載の有機EL素子。
  11. 有機層を一対の電極で挟持してなる有機EL素子であって、
    前記有機層は、正孔を発光層に向けて輸送する正孔輸送層と、発光層と、この発光層との最低空軌道準位の差が0.4eV以上であり電子を前記発光層に向けて輸送する電子輸送層と、前記発光層と前記電子輸送層との間に形成され前記発光層を形成する有機材料と前記電子輸送層を形成する電子輸送材料とを混合してなる混合層と、を少なくとも有してなることを特徴とする有機EL素子。
  12. 前記発光層は、電子の移動度が正孔の移動度よりも大きいことを特徴とする請求項11に記載の有機EL素子。
  13. 前記混合層は、前記発光層近傍における前記電子輸送材料の濃度が前記電子輸送層近傍よりも低いことを特徴とする請求項11に記載の有機EL素子。
  14. 前記混合層は、前記発光層の膜厚以下の膜厚で形成されてなることを特徴とする請求項11または請求項13に記載の有機EL素子。
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