JP2001060496A - 有機電界発光素子 - Google Patents

有機電界発光素子

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JP2001060496A
JP2001060496A JP11236042A JP23604299A JP2001060496A JP 2001060496 A JP2001060496 A JP 2001060496A JP 11236042 A JP11236042 A JP 11236042A JP 23604299 A JP23604299 A JP 23604299A JP 2001060496 A JP2001060496 A JP 2001060496A
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Yasushi Araki
康 荒木
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間パルスに対する特性(高周波特性)に
優れた有機電界発光素子を提供する。 【解決手段】 陽極と陰極との間に、少なくとも1つの
ホール輸送材料を含有するホール輸送層と、少なくとも
1つの電子輸送有機材料を含有する電子輸送層とを含む
有機層を有し、前記電子輸送有機材料のイオン化ポテン
シャルが5.8eV以上であり、前記電子輸送層の厚みを
de、前記有機層全体の厚みをdtとすると、de/dtの値が
0.30以下である有機電界発光素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、短時間パルスに対
する特性(高周波特性)に優れた有機電界発光素子に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、有機電界発光素子(以下、有機EL
素子と称する)は盛んに研究されており、無機LEDに匹
敵する優れた性能を有する有機EL素子が開発されてきて
いる。有機EL素子は蒸着法や塗布法により比較的容易に
面発光素子として形成でき、アレイ型露光光源用として
非常に有望視されている。その1つの大きな要因とし
て、アレイ型露光光源に無機LEDや無機LDを用いる場合
は発光素子をアレイ状に並べて露光光源を得るが、個々
の発光素子間には多かれ少なかれバッチ間差が存在し、
そのばらつきを抑えるのは非常に困難であるのに対し、
有機EL素子を用いる場合はアレイ状光源を同じ条件で同
時に作成でき、アレイ内素子のばらつきを小さく抑えら
れることが挙げられる。しかしながら、有機EL素子を露
光光源として用いる場合、露光時間をできるだけ短くす
るために短時間定電圧パルス又は定電流パルスを高周波
で印可すると、定電圧パルスの場合は立ち上がり時に発
光に寄与しない電流が流れ、また定電流パルスの場合は
発光が電流パルスと同時に立ち上がらず、パワー効率が
低下するという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、短時
間パルスに対する特性(高周波特性)に優れた有機EL素
子を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、陽極と陰極との間に、少なくとも
1つのホール輸送材料を含有するホール輸送層と、少な
くとも1つの電子輸送有機材料を含有する電子輸送層と
を含む有機層を有し、前記電子輸送有機材料のイオン化
ポテンシャルが5.8eV以上であり、前記電子輸送層の厚
みをde、前記有機層全体の厚みをdtとすると、de/dt
値が0.30以下である有機EL素子は、短時間パルスに対す
る特性(高周波特性)に優れていることを発見し、本発
明に想到した。
【0005】また、本発明の有機EL素子は陰極と電子輸
送層との間に絶縁層薄膜を有するのが好ましく、10-8
10-4秒のパルス幅で発光させる場合に特に優れたパワー
効率を示す。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の有機EL素子は陽極と陰極
との間に、少なくとも1つのホール輸送材料を含有する
ホール輸送層と、少なくとも1つの電子輸送有機材料を
含有する電子輸送層とを含む有機層を有し、基本的には
基板上に陽極、ホール輸送層、発光層、電子輸送層及び
陰極を順に積層して構成する。基板上にそれらを逆に積
層した構成も可能である。また、ホール輸送層、発光層
及び/又は電子輸送層を複数層設けたり、ホール注入
層、電子注入層等を設けてもよい。特に本発明において
は、電子注入層として絶縁層薄膜を設けることが非常に
好ましい。さらに、陽極とホール輸送層との間に、陽極
に接して導電性高分子層を設置してもよい。導電性高分
子層を設置することにより、駆動電圧がほとんど上昇す
ることなく有機層の膜を厚くすることができ、輝度ムラ
やショートの発生を抑えることができる。
【0007】上述のような構成に加え、微小光共振器構
造(マイクロキャビティ)を有する有機EL素子が、発光
スペクトルの半値幅が小さく、かつ指向性に優れている
点で好ましい。微小光共振器構造を有する有機EL素子
は、例えば「月刊ディスプレイ」1998年10月号別冊の
「有機ELディスプレイ」(テクノタイムズ社)105頁に
記載されているように、基板として透明基板を用い、こ
の上に順に誘電体ミラー、透明電極(陽極)、少なくと
も1層の有機層、金属ミラーの役割を有する背面電極
(陰極)を積層してなり、誘電体ミラーと背面電極との
間で微小光共振器を形成する。誘電体ミラーは、通常1
/4波長のSiO2とTiO2を交互に積層したものである。透
明電極(ITO等)と誘電体ミラーとの間にSiO2スペーサ
ーを導入して膜厚を調整してもよい。
【0008】有機層は、真空蒸着法、スパッタ法、ディ
ッピング法、スピンコーティング法、キャスティング
法、バーコート法、ロールコート法等、公知の方法を用
いて形成することができる。また溶媒を使い分けること
により多層塗布も可能である。
【0009】陽極、陰極等が無機物の層である場合、真
空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法等の公
知の方法で形成できる。また、電極のパターニングは、
フォトリソグラフィー等による化学的エッチング、レー
ザー等を用いた物理的エッチング等により行うのが好ま
しい。また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタリング
等を行なってパターニングしてもよい。
【0010】本発明の有機EL素子は、好ましくは10-8
10-4秒のパルス幅で発光し、印可するパルス幅が短いほ
どより優れた特性を示す。本発明の有機EL素子は10-4
以下のパルス幅において効果が大きく、10-5秒以下のパ
ルス幅においてより効果が大きく、10-6秒以下のパルス
幅において特に効果が大きい。
【0011】本発明の有機EL素子は単一の画素でも使用
できるが、好ましくは発光色別に複数列設けられたドッ
トアレイとして使用する。各発光色は1ラインでも、複
数のラインになっていてもよい。1画素のサイズは、10
〜500μm、好ましくは50〜300μmである。
【0012】以下、本発明の有機EL素子の各層について
詳述する。 〔1〕基板 本発明において、透明基板として通常のガラス基板の他
にプラスチック基板を使用することができる。基板とし
て用いるプラスチックは耐熱性、寸法安定性、耐溶剤
性、電気絶縁性、加工性、低通気性及び低吸湿性に優れ
ていることが必要である。このようなプラスチック材料
としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチ
レン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリ
アリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリイ
ミド等が挙げられる。
【0013】基板の電極側の面、電極と反対側の面、又
はその両方に透湿防止層(ガスバリア層)を設置するの
が好ましい。透湿防止層を構成する材料としては窒化ケ
イ素や酸化ケイ素等の無機物が好ましい。透湿防止層は
高周波スパッタリング法等により成膜できる。また、必
要に応じてハードコート層やアンダーコート層を設けて
もよい。
【0014】〔2〕電極 陽極の材料としては、酸化スズ、酸化スズインジウム
(ITO)、酸化亜鉛インジウム等の公知の材料を用いて
よく、金、白金等の仕事関数が大きい金属薄膜も使用可
能である。また、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリ
ピロール、それらの誘導体等の有機材料も使用可能であ
る。さらに、沢田豊監修「透明導電膜の新展開」(シー
エムシー刊、1999年)等に詳細に記載されている透明導
電膜も、本発明に適用できる。
【0015】陰極の材料としては、仕事関数の低いLi、
K等のアルカリ金属やMg、Ca等のアルカリ土類金属を用
いるのが、電子注入性の観点から好ましい。また、酸化
されにくく安定なAl等を用いるのも好ましい。安定性と
電子注入性を両立させるために2種以上の材料を含む層
にしてもよく、それらの材料については特開平2-1559
5、特開平5-121172等に記載されている。
【0016】〔3〕ホール輸送層 ホール輸送層に用いるホール輸送材料としては、ポリ-N
-ビニルカルバゾール誘導体、ポリフェニレンビニレン
誘導体、ポリフェニレン、ポリチオフェン、ポリメチル
フェニルシラン、ポリアニリン、トリアゾール誘導体、
オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリア
リールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロ
ン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン
誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導
体、カルバゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導
体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベ
ン誘導体、ポリフィリン誘導体(フタロシアニン等)、
芳香族三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、ブ
タジエン化合物、ベンジジン誘導体、ポリスチレン誘導
体、トリフェニルメタン誘導体、テトラフェニルベンジ
ン誘導体、スターバーストポリアミン誘導体等が使用可
能である。
【0017】〔4〕発光層 発光層は少なくとも一種の発光材料を含有する。発光材
料は励起されて蛍光を発することのできるものであれば
よく、例えばオキシノイド化合物、ペリレン化合物、ク
マリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合
物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロ
ピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合
物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラ
セン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン
化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及び
ピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合
物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合
物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチ
リル化合物、ジスチリルベンゼン化合物、ブタジエン化
合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレ
ンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウ
ム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化
合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化
合物、オリゴフェニレン化合物、キサンテン化合物及び
チオキサンテン化合物、シアニン化合物、アクリジン化
合物、アクリドン化合物、キノリン化合物、8-ヒドロキ
シキノリン化合物の金属錯体、ベンゾキノリノールベリ
リウム錯体、2,2'-ビピリジン化合物の金属錯体、シッ
フ塩基とIII族金属との錯体、オキサジアゾール化合物
の金属錯体、希土類錯体等が使用可能である。
【0018】これらの発光材料は単独で用いても複数併
用してもよい。また、発光層に高分子発光材料を用いて
もよい。高分子発光材料の例としては、ポリ-p-フェニ
レンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリチオ
フェン誘導体等のπ共役系高分子や、低分子色素とテト
ラフェニルジアミン、トリフェニルアミン等を主鎖や側
鎖に導入した高分子等が挙げられる。高分子発光材料に
低分子発光材料を混合して使用してもよい。
【0019】〔5〕電子輸送層 本発明の有機EL素子の電子輸送層を形成する電子輸送有
機材料としては、オキサジアゾール誘導体、トリアゾー
ル誘導体、トリアジン誘導体、ニトロ置換フルオレノン
誘導体、チオピランジオキサイド誘導体、ジフェニルキ
ノン誘導体、ペリレンテトラカルボキシル誘導体、アン
トラキノジメタン誘導体、フレオレニリデンメタン誘導
体、アントロン誘導体、ペリノン誘導体、オキシン誘導
体、キノリン錯体誘導体等が挙げられるが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。
【0020】本発明の有機EL素子では、電子輸送層の厚
みをde、有機層全体の厚みをdtとしたときのde/dtの値
が小さい方が好ましい。この値が大きい有機EL素子は、
定電圧パルスを印可する場合は立ち上がり時に発光に寄
与しない電流が流れ、定電流パルスを印加する場合は発
光の立ち上がりが遅れる現象を生じるため、どちらの場
合もパワー効率が低下する。本発明においてはde/dt
値は0.30以下であり、0.20以下であるのが好ましく、0.
10以下であるのがより好ましく、0.05以下であるのが特
に好ましい。
【0021】電子輸送層に含まれる電子輸送有機材料の
イオン化ポテンシャルは大きいほど好ましい。上記de/d
tの値が0.30以下である条件において電子輸送有機材料
のイオン化ポテンシャルが小さいと、パワー効率が低下
する。電子輸送有機材料のイオン化ポテンシャルは少な
くとも5.8eV以上であることが必要であり、6.0eV以上で
あるのが好ましく、6.2eV以上であるのがより好まし
い。
【0022】〔6〕電子注入層 本発明においては、電子輸送層の厚みを限定することに
より、ホールが電子輸送層を通り抜ける確率が高くな
り、結果として発光効率を落とすことがあるため、電子
注入層として絶縁層薄膜を設けるのが非常に好ましい。
絶縁層薄膜としては、公知の酸化アルミニウム、フッ化
リチウム等の0.01〜10nm程度の薄層等が使用でき、もち
ろんこれ以外の材料の薄膜でも構わない。
【0023】〔7〕導電性高分子層 導電性高分子層を形成する導電性高分子としては、WO98
/05187等に記載のポリアニリン誘導体、ポリチオフェン
誘導体及びポリピロール誘導体が好ましい。これらはプ
ロトン酸(例えば樟脳スルホン酸、p-トルエンスルホン
酸、スチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸等)
と混合した状態で使用してもよく、必要に応じて他の高
分子(ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ-N-ビ
ニルカルバゾール(PVCz)等)と混合して使用してもよ
い。導電性高分子層の表面抵抗は10000Ω/□以下であ
るのが好ましく、膜厚は好ましくは10nm〜1000nmであ
り、より好ましくは20nm〜200nmである。
【0024】〔8〕その他の層 湿気や空気を遮断するために、陰極の表面(有機層と反
対側の面)に特開平7-85974号等に記載の保護層を形成
してもよい。更に、ガラスやポリ(クロロトリフルオロ
エチレン)シートを用いて封止することが好ましい。こ
の中に乾燥剤や撥水性のフッ素系不活性液体等を挿入し
てもよい。
【0025】また、有機EL素子には一般に水分や酸素の
侵入を防止するための封止層を設ける。封止層を形成す
る封止材料としては、テトラフルオロエチレンと少なく
とも1種のコモノマーとの共重合体、共重合主鎖に環状
構造を有する含フッ素共重合体、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポ
リユリア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロト
リフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレ
ン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロ
エチレンの共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質と吸
水率0.1%以下の防湿性物質の混合物、金属(In、Sn、P
b、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等)、金属酸化物(MgO、Si
O、SiO2、Al2O3、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe2O3、Y2O3、T
iO2等)、金属フッ化物(MgF2、LiF、AlF3、CaF2等)、
液状フッ素化炭素(パーフルオロアルカン、パーフルオ
ロアミン、パーフルオロエーテル等)、等該液状フッ素
化炭素に水分や酸素を吸着する吸着剤を分散させたもの
等が使用可能である。
【0026】
【実施例】以下、本発明の有機EL素子について実施例に
より詳述する。
【0027】比較例1 50mm角のガラス基板をアセトン、セミコクリーン、イソ
プロピルアルコール(IPA)で超音波洗浄し、次いでIPA
煮沸洗浄し、更にUV/O3洗浄を行った。そのガラス基板
をスパッタ室に移動し、図1に示すマスクを用いてITO
を厚み0.2μmとなるようにスパッタし陽極とした。得ら
れたITO基板に、ホール輸送層として4,4'-ビス〔N-(1-
ナフチル)-N-フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)を蒸
着速度3〜4Å/秒で厚み400Åとなるように蒸着し、
次に発光層として下記化合物1:
【化1】 を蒸着速度3〜4Å/秒で厚み200Åとなるように蒸着
し、更に電子輸送層としてトリス(8-キノリノラト)ア
ルミニウム(Alq)を蒸着速度3〜6Å/秒で厚み400Å
となるように蒸着した(de/dt=0.4)。AC-1(理研計器
(株)製)を用いてAlqのイオン化ポテンシャルを測定
すると、5.75eVであった。続いてその上に図2に示すマ
スクを用いてMg/Ag合金(モル比Mg/Ag=10/1)の陰極
を厚み0.6μmとなるように蒸着し、この陰極上にAgを0.
5μmの厚みで蒸着し、有機EL素子を形成した。
【0028】得られた有機EL素子のパワー効率を以下の
ように求めた。まず有機EL素子に印加する電圧を変えて
輝度及び流れた電流を測定し、それらの関係を示す検量
線を作成した。なお、輝度は輝度計BM-5A(トプコン社
製)を用いて測定し、電流はAPDモジュールC5460(浜松
フォトニクス製)を用いて検出した。次にパルス内での
最も高い輝度が約500cd/m2となる条件の下、1パルスの
幅が10-4〜10-8秒となるように電圧を印加し、定電流駆
動回路を用いて有機EL素子を発光させた。その時の発光
量をAPDモジュールC5460にて検出し、流れる電流と同時
にオシロスコープにて観測した。1パルス内の電流値か
ら平均入力電力を計算し、APDモジュールC5460により1
パルス内で検出した平均電流値と前記検量線から平均輝
度を求め、パワー効率を求めた。
【0029】比較例1の有機EL素子のパワー効率を上記
のように求めたところ、高周波で定電圧駆動を行った場
合は、パルス立ち上がり時に発光に寄与しない電流が多
く流れるのが観測され、周波数が上がるにつれその傾向
が大きくなりパワー効率が低下した。高周波で定電流駆
動を行った場合は、電流パルスの立ち上がりに対して発
光の立ち上がりが悪く、発光がすぐに飽和しないことが
観測された。加えて、周波数が上がるにつれその傾向が
大きくなりパワー効率が低下した。
【0030】比較例2 化合物1を厚み400Åで、Alqを厚み200Åで蒸着するこ
と以外は比較例1と同様に有機EL素子を形成した(de/d
t=0.20)。得られた有機EL素子のパワー効率を比較例
1と同様に求めた。
【0031】比較例3 NPDを厚み500Åで、化合物1を厚み400Åで、Alqを厚み
100Åで蒸着すること以外は比較例1と同様に有機EL素
子を形成した(de/dt=0.10)。得られた有機EL素子の
パワー効率を比較例1と同様に求めた。
【0032】比較例4 NPDを厚み550Åで、化合物1を厚み400Åで、Alqを厚み
50Åで蒸着し(de/dt=0.049)、Alq層とMg-Ag陰極の間
に絶縁層としてLiFを厚み30Åで蒸着すること以外は比
較例1と同様に有機EL素子を作成した。得られた有機EL
素子のパワー効率を比較例1と同様に求めた。
【0033】比較例1〜4で求めた定電圧駆動及び定電
流駆動の10-4秒、10-6秒及び10-8秒パルス印加時のパワ
ー効率が、それぞれ1秒パルス印加時のパワー効率に対
してどれだけ低下したかを比をとることにより求めた
(すなわち10-4秒パルスの場合、「10-4秒パルス印加時
のパワー効率/1秒パルス印加時のパワー効率」を求め
た)。その結果を表1及び表2に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】比較例5及び実施例1〜3 Alqに換えて下記化合物2:
【化2】 を用いること以外は比較例1〜4とそれぞれ同様にし
て、比較例5及び実施例1〜3の有機EL素子を作成し
た。AC-1を用いて化合物2のイオン化ポテンシャルを測
定すると、5.91eVであった。得られた有機EL素子のパワ
ー効率を比較例1と同様に求め、定電圧駆動及び定電流
駆動の10-4秒、10-6秒及び10-8秒パルス印加時のパワー
効率が、それぞれ1秒パルス印加時のパワー効率に対し
てどれだけ低下したかを比をとることにより求めた。そ
の結果を表3及び表4に示す。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】表3及び表4より、比較例1〜5と比較し
て、実施例1〜3では短時間パルスのパワー効率の低下
を非常に低く抑えられたことがわかる。
【0040】比較例6及び実施例4〜6 Alqに換えて下記化合物3:
【化3】 を用いること以外は比較例1〜4とそれぞれ同様にし
て、比較例6及び実施例4〜6の有機EL素子を作成し
た。AC-1を用いて化合物3のイオン化ポテンシャルを測
定すると、5.91eV以上の値であった。得られた有機EL素
子のパワー効率を比較例1と同様に求め、定電圧駆動及
び定電流駆動の10-4秒、10-6秒及び10-8秒パルス印加時
のパワー効率が、それぞれ1秒パルス印加時のパワー効
率に対してどれだけ低下したかを比をとることにより求
めた。その結果を表5及び表6に示す。
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】表5及び表6より、実施例4〜6では実施
例1〜3よりも更に短時間パルスのパワー効率の低下を
低く抑えられたことがわかる。
【0044】比較例7及び実施例7〜9 Alqに換えて下記化合物4:
【化4】 を用いること以外は比較例1〜4とそれぞれ同様にし
て、比較例7及び実施例7〜9の有機EL素子を作成し
た。AC-1を用いて化合物4のイオン化ポテンシャルを測
定すると、5.91eV以上の値であった。得られた有機EL素
子のパワー効率を比較例1と同様に求め、定電圧駆動及
び定電流駆動の10-4秒、10-6秒及び10-8秒パルス印加時
のパワー効率が、それぞれ1秒パルス印加時のパワー効
率に対してどれだけ低下したかを比をとることにより求
めたところ、比較例6及び実施例4〜6と同様の傾向を
示す結果が得られた。
【0045】比較例8及び実施例10〜12 Alqに換えて下記化合物5:
【化5】 を用いること以外は比較例1〜4とそれぞれ同様にし
て、比較例8及び実施例10〜12の有機EL素子を作成し
た。AC-1を用いて化合物5のイオン化ポテンシャルを測
定すると、5.91eV以上の値であった。得られた有機EL素
子のパワー効率を比較例1と同様に求め、定電圧駆動及
び定電流駆動の10-4秒、10-6秒及び10-8パルス印加時の
パワー効率が、それぞれ1秒パルス印加時のパワー効率
に対してどれだけ低下したかを比をとることにより求め
たところ、比較例6及び実施例4〜6と同様の傾向を示
す結果が得られた。
【0046】また、上記比較例及び実施例において、化
合物1を他の発光材料に換えても同様の傾向を示す結果
が得られた。
【0047】以上より、イオン化ポテンシャルが大きい
電子輸送有機材料を用い、de/dtの値が0.30以下となる
ように作成した本発明の有機EL素子では、短時間パルス
でのパワー効率の低下を低く抑えることができる。ま
た、その効果は電圧印加時間がより短い条件下で特に顕
著であることがわかる。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の有機EL素
子は短時間パルスに対する特性(高周波特性)に優れて
おり、露光光源用として非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の有機EL素子の形成においてパターニ
ングに用いたマスクの形状を示す概略図である。
【図2】 本発明の有機EL素子の形成においてパターニ
ングに用いたマスクの形状を示す概略図である。
【符号の説明】
1・・・マスク 2・・・薄膜部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極と陰極との間に、少なくとも1つの
    ホール輸送材料を含有するホール輸送層と、少なくとも
    1つの電子輸送有機材料を含有する電子輸送層とを含む
    有機層を有する有機電界発光素子において、前記電子輸
    送有機材料のイオン化ポテンシャルが5.8eV以上であ
    り、前記電子輸送層の厚みをde、前記有機層全体の厚み
    をdtとすると、de/dtの値が0.30以下であることを特徴
    とする有機電界発光素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の有機電界発光素子にお
    いて、前記陰極と前記電子輸送層との間に絶縁層薄膜を
    有することを特徴とする有機電界発光素子。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の有機電界発光素
    子において、10-8〜10 -4秒のパルス幅で発光することを
    特徴とする有機電界発光素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002079343A1 (fr) * 2001-03-30 2002-10-10 Fuji Photo Film Co., Ltd. Element luminescent
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