JP4950632B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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本発明は、照明光源、バックライト、フラットパネルディスプレイ等に用いられる有機エレクトロルミネッセンス素子に関するものであり、詳しくは、改良されたキャリア輸送層を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子に関するものである。
照明光源、バックライト、フラットパネルディスプレイなどとして用いられる発光体は、高効率照明器具の実現、照明器具形状の自由化、液晶表示機を備える電子機器の小型化、長時間駆動化、フラットパネルディスプレイの薄型化等のために、高効率であり、かつ薄く軽量であるものが近年強く要求されている。有機エレクトロルミネッセンス素子は、以前より、上記の要求を満たす可能性を有する発光体として注目を集めており、盛んに研究開発が行なわれている。特に近年、電流−光変換効率100%を原理的に有するリン光発光材料の登場に伴い、有機エレクトロルミネッセンス素子の効率は飛躍的に増大し、有機エレクトロルミネッセンス素子の実用化可能領域は大きく広がってきた。既に、緑、赤などの単色発光素子に関しては、実デバイスとして電流−光変換効率100%に相当すると考えられる高効率発光素子が実際に実現されている。また青色発光素子に関しては、青色発光のエネルギーが大きいためにそれに適した発光材料、周辺材料の開発が進まず、他の発光色を有する有機エレクトロルミネッセンス素子に対して開発が遅れていたが、最近になって青色発光素子に適した発光材料や周辺材料が開発され、青色発光素子の効率も他色と同等以上に向上している。また、白色発光素子においても、60lm/W、外部量子効率30%といった高性能のものが報告されている。上記のように、有機エレクトロルミネッセンス素子において、効率はいわゆる理論値に近づきつつあるため、最近はむしろ、素子の長寿命化の観点での研究が盛んになっている。例えば新規材料を用いることによる長寿命化は、材料の熱安定性の向上、電気的安定性の向上などによって実現されていると考えられるが、初期輝度1000cd/m2の場合に半減寿命10万時間、といった値も報告されるようになっている。また、デバイス構造の観点から長寿命化を達成する場合には、例えば特許文献1には、キャリア輸送層にキャリア輸送用のドーパントをドープする方法によって、また特許文献2には、キャリア輸送層に特定のエネルギー準位を有するドーパントをドープする方法によって、さらに特許文献3には、電子輸送層にその電子輸送材料よりも酸化電位が小さい正孔トラップ材料を含有させる方法によって、有機エレクトロルミネッセンス素子の寿命が向上することが記載されている。また、特許文献4には、ホール輸送層にそのホール輸送材料よりも還元電位が小さい電子トラップ材料を含有させることによって有機エレクトロルミネッセンス素子の寿命が向上することが記述されている。その他、電子輸送層と有機発光層との間に、電子制限層を挿入し、有機発光層への電子輸送を制限することによって寿命が向上することが特許文献5に記載されている。また、特許文献6には、たとえばホール輸送層と有機発光層の界面にホール輸送層を構成する成分と有機発光層を構成する成分の混合物から成る層を形成することで寿命が向上することが記されている。
特開2000−164362号公報 特許3332491号公報 特開2005−276665号公報 特開2005−310741号公報 特開2006−66872号公報 特開2002−324680号公報
しかし、例えば有機エレクトロルミネッセンス素子を照明に応用する場合、現状の蛍光灯の輝度、すなわち数千〜一万cd/m2で使用することが必要となり、その際の寿命は上記の寿命より短くなり、例えば数千時間程度にまで低下する。また、有機エレクトロルミネッセンス素子をディスプレイに応用する場合には、焼き付きの発生、すなわち5%程度の輝度劣化が寿命であると考えられるが、この場合にも寿命は数千時間程度に留まることになる。
従って、材料の改良は勿論のこと、さらにデバイス構造の観点からも、有機エレクトロルミネッセンス素子の長寿命化をさらに検討する必要があるのが現状である。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、キャリア輸送層の改良によって、より長寿命化を達成するようにした、有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、対向する2つの電極間に、有機発光層3とキャリア輸送層とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子において、キャリア輸送層の少なくとも有機発光層3に接する部分に、キャリア輸送層を構成する主成分と他の成分とを含有する混合層6が設けられており、前記他の成分が前記キャリア輸送層を構成する主成分及び前記有機発光層3を構成する主成分のいずれとも異なる二種以上の成分であって混合層6のキャリア輸送性を低下させる能力を有するものから成り、且つこの他の成分中の異なる成分間でイオン化ポテンシャルと電子親和力のうち少なくとも一方が0.1eV以上異なることを特徴とする。
この発明によれば、キャリア輸送層と有機発光層3との界面に前記組成からなる層を設けることによって、有機発光層3からキャリア輸送層へ進入した好ましくない存在である過剰キャリアの悪影響を、混合層6内での輸送性を低下させることにより、あるいは混合層6内で速やかに失活させることにより、あるいは、過剰キャリアによる層を構成する材料へのダメージを他の成分を添加して抑制することによって、有機エレクトロルミネッセンス素子の寿命を向上させることができるものである。また、特に他の成分として、この他の成分中の異なる成分間でイオン化ポテンシャルと電子親和力のうち少なくとも一方が0.1eV以上異なるものを二種以上用いるので、より効率よくキャリア輸送性を制御することができ、特性に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができるものである。
本発明の請求項に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、対向する2つの電極間に、有機発光層3とキャリア輸送層とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子において、キャリア輸送層の少なくとも有機発光層に接する部分に、キャリア輸送層を構成する主成分と有機発光層3を構成する主成分と他の成分とを含有する混合層6が設けられており、前記他の成分が前記キャリア輸送層を構成する主成分及び前記有機発光層3を構成する主成分のいずれとも異なる二種以上の成分であって混合層6のキャリア輸送性を低下させる能力を有するものから成り、且つこの他の成分中の異なる成分間でイオン化ポテンシャルと電子親和力のうち少なくとも一方が0.1eV以上異なることを特徴とする。
この発明によれば、キャリア輸送層と有機発光層3との界面に前記組成からなる層を設けることによって、有機発光層3からキャリア輸送層へ進入した場合に好ましくない存在である過剰キャリアを、当該層内部でのキャリア移動度を低下させることにより、あるいは混合層6内で速やかに失活させることにより、あるいは、過剰キャリアによる層を構成する材料へのダメージを他の成分を添加して抑制することによって、有機エレクトロルミネッセンス素子の寿命を向上させることができるものである。また、当該層がキャリア輸送層を構成する主成分と、有機発光層3を構成する主成分との両方を含有しているために、層間のキャリア輸送性に優れるものであり、また特に他の成分として、この他の成分中の異なる成分間でイオン化ポテンシャルと電子親和力のうち少なくとも一方が0.1eV以上異なるものを二種以上用いることによって、より効率よくキャリア輸送性を制御することができ、特性に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができるものである。
請求項に係る発明は、請求項1において、上記他の成分中の少なくとも一種の成分のエネルギーギャップが、上記キャリア輸送層を構成する主成分のエネルギーギャップ以上であることを特徴とする。
この発明によれば、他の成分からの発光を抑制し、有機発光層3の発光色に影響を与えずに、長寿命化した有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができる。
請求項に係る発明は、請求項において、上記他の成分中の少なくとも一種の成分のエネルギーギャップが、上記キャリア輸送層を構成する主成分のエネルギーギャップ以上であり且つ上記有機発光層3を構成する主成分のエネルギーギャップ以上であることを特徴とする。
この発明によれば、他の成分からの発光を抑制し、有機発光層3の発光色に影響を与えずに、長寿命化した有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができる。
請求項1及び2に係る発明は、記他の成分が、混合層6が有機発光層3の陽極側に設けられる場合には電子輸送性を主として低下させるものから選択されるものであり、混合層6が有機発光層3の陰極側に設けられる場合にはホール輸送性を主として低下させるものから選択されるものであることを特徴とする。
この発明によれば、混合層6のキャリア輸送性をその混合層6を通過するメインキャリア以外のキャリアに対して低下させることで、駆動電圧の増大を抑制し、低駆動電圧かつ長寿命な有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることが可能となる
本発明によれば、対向する2つの電極1,2間に、ホール輸送層4と有機発光層3と電子輸送層5とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子において、長寿命かつ高効率を呈する有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、2つの電極1,2、すなわち陽極(アノード)と陰極(カソード)の間に有機発光層3を備えて形成されるものである。図1はこのような有機エレクトロルミネッセンス素子の構造の一例を示すものであり、陽極となる電極1と陰極となる電極2の間に形成される有機発光層3と、有機発光層3と電極1との間に形成されるホール輸送層4と、有機発光層3と電極2との間に形成される電子輸送層5とを備え、また有機発光層3とホール輸送層4の界面部または有機発光層3と電子輸送層5との界面部に本発明の混合層6が設けられており、これらが基板7の表面に積層されたものである。尚、図1では混合層6を有機発光層3と電子輸送層5との界面にのみ形成しているが、混合層6を有機発光層3とホール輸送層4の界面にのみ形成しても良く、また混合層6を有機発光層3と電子輸送層5との界面と、有機発光層3とホール輸送層4の界面とに形成しても良い。図1の実施の形態では、電極1は光透過性の電極として透明な基板7の表面に形成してあり、電極2は光反射性の電極として形成してある。また、ホール輸送層4や電子輸送層5の電極1,2側には、ホール注入層や電子注入層などを設けるようにしてもよいが、図1ではこれらの図示は省略してある。
本発明において、電子輸送層5又はホール輸送層4(以下、両者をキャリア輸送層ということがある。)の有機発光層3と接する部分に形成される混合層6は、このキャリア輸送層(混合層6が設けられているキャリア輸送層)を構成する主成分と他の成分とを含有する。この他の成分は、前記キャリア輸送層を構成する主成分及び有機発光層3を構成する主成分のいずれとも異なる二種以上の成分であって、混合層6のキャリア輸送性を低下させる能力を有するものから成る。更に、この他の成分中の異なる成分間でイオン化ポテンシャルと電子親和力のうち少なくとも一方が0.1eV以上異なるものとする。
また、上記混合層6は、有機発光層3を構成する主成分と他の成分とを含有するものであっても良い。この場合の他の成分は、キャリア輸送層(混合層6が設けられているキャリア輸送層)を構成する主成分及び有機発光層3を構成する主成分のいずれとも異なる二種以上の成分であって混合層6のキャリア輸送性を低下させる能力を有するものから成る。更に、この他の成分中の異なる成分間でイオン化ポテンシャルと電子親和力のうち少なくとも一方が0.1eV以上異なるものとする。
また、上記混合層6が、キャリア輸送層(混合層6が設けられているキャリア輸送層)を構成する主成分と有機発光層3を構成する主成分と他の成分とを含有するものであっても良い。この場合の他の成分は、前記キャリア輸送層を構成する主成分及び前記有機発光層3を構成する主成分のいずれとも異なる二種以上の成分であって混合層6のキャリア輸送性を低下させる能力を有するものから成る。更に、この他の成分中の異なる成分間でイオン化ポテンシャルと電子親和力のうち少なくとも一方が0.1eV以上異なるものとする。
ここで、キャリア輸送層を構成する主成分とはキャリア輸送層中の含有比率が25質量%を超える材料をいい、有機発光層3を構成する主成分とは有機発光層3中の含有比率が25質量%を超える材料をいう。いずれの場合も、25質量%を超える材料が複数種ある場合には、いずれの材料であってもよい。尚、イオン化ポテンシャルとは光電子分光測定によって算出される値であり、電子親和力とは、前記イオン化ポテンシャルから、光学的に見積もられるエネルギーギャップを差し引いた値である。
混合層6がキャリア輸送層を構成する主成分及び有機発光層3を構成する主成分を含む場合には、両成分の混合比率は特に限定されるものではないが、キャリア輸送層を構成する主成分と有機発光層3を構成する主成分とは、99:1〜1:99の質量比率の範囲で混合することができる。ここで、キャリア輸送層を構成する主成分と有機発光層3を構成する主成分の混合濃度は、混合層6の厚み方向に一定になるようにしてもよいが、混合層6を複数の層で形成して、有機発光層3の側の層において有機発光層3を構成する主成分の濃度が高く、キャリア輸送層の側の層において有機発光層3を構成する主成分の濃度が低くなるようにしてもよく、あるいは混合層6を単層で形成して、有機発光層3に近い側は有機発光層3を構成する主成分の濃度が高く、有機発光層3から離れる側は有機発光層3を構成する主成分の濃度が低くなるように、混合濃度を傾斜させるようにしてもよい。このように、混合層6内での有機発光層3を構成する主成分の濃度が、有機発光層3の側で高くキャリア輸送層の側で低くなるようにすることによって、混合層6の対向キャリア(混合層6が電子輸送層5に設けられている場合はホール、ホール輸送層4に設けられている場合は電子)によってより劣化を受け易い有機発光層3の側の部位を、有機発光層3を構成する主成分による対向キャリアの進行抑制によって保護することができるものであり、また対向キャリアによるダメージを受け難い部分は有機発光層3を構成する主成分の濃度を低くして、混合層6の全体での有機発光層3を構成する主成分の比率が高くなり過ぎないようにし、混合層6中のキャリア輸送層を構成する主成分が有機エレクトロルミネッセンス素子の発光特性に悪影響を及ぼすことを防ぐことができるものである。
なお混合層6が電子輸送層5に設けられ、この混合層6が有機発光層3を構成する主成分と電子輸送層5を構成する主成分とを含む場合、有機発光層3を構成する主成分のイオン化ポテンシャルと電子輸送層5を構成する主成分のイオン化ポテンシャルは、(有機発光層3を構成する主成分のイオン化ポテンシャル)≦(電子輸送層5を構成する主成分のイオン化ポテンシャル)の関係になるように設定するのが好ましい。特に両者のイオン化ポテンシャルの差が小さい場合には、有機発光層3を構成する主成分と電子輸送層5を構成する主成分の混合質量比は1:99〜20:80程度のように、有機発光層3を構成する主成分の含有量を小さくすることが好ましい。このように、有機発光層3を構成する主成分のイオン化ポテンシャルが電子輸送層5を構成する主成分のイオン化ポテンシャル以下であることによって、混合層6内での有機発光層3を構成する主成分によるホールの進行抑制の効果が向上するものである。
また混合層6がホール輸送層4に設けられ、この混合層6が有機発光層3を構成する主成分とホール輸送層4を構成する主成分を含む場合、有機発光層3を構成する主成分の電子親和力とホール輸送層4を構成する主成分の電子親和力は、(有機発光層3を構成する主成分の電子親和力)≧(ホール輸送層4を構成する主成分の電子親和力)の関係になるように設定するのが好ましい。特に両者の電子親和力の差が小さい場合には、有機発光層3を構成する主成分とホール輸送層4を構成する主成分の混合質量比は1:99〜20:80程度のように、有機発光層3を構成する主成分の含有量を小さくすることが好ましい。このように、有機発光層3を構成する主成分の電子親和力がホール輸送層4を構成する主成分の電子親和力以上であることによって、混合層6内での有機発光層3を構成する主成分による電子の進行抑制の効果が向上するものである。
混合層6に混合される他の成分は、混合層6のキャリア輸送性を低下させる能力を有するものから適宜選択される。本発明においてこの他の成分としては、上記の条件を満たしている限り特に限定されるものではないが、芳香族炭化水素化合物、アリールアミン誘導体、スチリルアミン誘導体、アントラセン誘導体、ペリレン誘導体、テトラセン誘導体、アルミニウム−有機錯体、キナクリドン誘導体、スチリルアリーレン誘導体、有機−金属錯体、ピリジン誘導体、フェナントロリン誘導体、トリアジン誘導体、など任意のものを用いることができる。例えば、ターシャリーブチル基を4つ備えたペリレン、ルブレン、フェニル基を4つ以上備えたペンタセン等のポリアセン、α−NPD、ビスナフチルアントラセン、ジフェニルアントラセンなどが例としてあげられるが、この限りではない。また、有機発光層3に含まれるドーパントと同一のものであっても良い。また、他の成分は、可逆な酸化−還元特性を示すものであることが好ましい。素子内と同一の酸化還元条件ではないが、例えばサイクリックボルタンメトリー測定により、複数回の酸化−還元過程において、再現性のある酸化還元プロファイルを示す材料の中から、好ましい他の成分を選定することができる。あるいは、他の成分として絶縁物を用いることもできる。絶縁物とは、その比抵抗が106Ωcm以上のものであれば特に限定はしないが、たとえばフッ化リチウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウムなどの金属フッ化物をはじめとする金属ハロゲン化物、酸化アルミニウムなどの金属酸化物、金属窒化物、金属硫黄化物、金属ホウ化物、金属炭化物、などに代表される金属化合物、Si化合物などが挙げられる。また、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリナフタレンテレフタレート、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、各種ポリエステルなどに代表される各種ポリマーやそれらの共重合体のオリゴマーなどや、パラフィンなど、いわゆる有機半導体材料ではない有機分子も好適に用いられる。
また、キャリア輸送性を低下させる能力を有する他の成分は、混合層6が有機発光層3の陽極側に設けられる場合には電子輸送性を主として低下させるものから選択されるものであることが好ましく、また混合層6が有機発光層3の陰極側に設けられる場合には、ホール輸送性を主として低下させるものから選択されるものであることが好ましい。このようにキャリア輸送性が抑制されるキャリア種を規定することによって、駆動電圧を増大することなく、長寿命化した有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができる。たとえば、混合層6が有機発光層3の陰極側に設けられる場合は、混合層6を通過するメインキャリアは電子であるため、電子の輸送性を阻害しないことが好ましい。対してホールに関しては、混合層6内でその進行を抑制し、混合層6の陰極側の電子輸送層5にまでホールが到達しないようにすることが好ましい。一方、混合層6が有機発光層3の陽極側に設けられる場合は、混合層6を通過するメインキャリアはホールであるため、ホールの輸送性を阻害しないことが好ましい。対して電子に関しては、混合層6内でその進行を抑制し、混合層6の陽極側のホール輸送層4にまで電子が到達しないようにすることが好ましい。
前記材料の添加によって、有機層のキャリア輸送性が阻害されることは、有機層のキャリア輸送性の直接的、あるいは間接的評価によって判断することができる。直接的な評価方法の例としては、たとえばタイムオブフライト法による移動度評価、ダークインジェクション法による移動度評価、分光インピーダンス法による移動度評価など、移動度の値そのものを評価する方法が挙げられる。間接的な評価方法の例としては、たとえば、有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動電圧の混合層6の厚み依存性、ホールオンリー素子(ホールのみが有機膜を流れるように素子構造、電極材料などを選定した素子)、電子オンリー素子(電子のみが有機膜を流れるように素子構造、電極材料などを選定した素子)の特性、特にそれらの素子の厚み依存性あるいは、当該物質の添加有無の場合の素子特性の比較結果によって判断することが可能である。
混合層6に混合される他の成分は二種以上の成分から成り、且つこの他の成分中の異なる成分間ではイオン化ポテンシャルと電子親和力のうち少なくとも一方が0.1eV以上異なるものであることが必要である。このような二種以上の成分を混合することによって、単一の材料を混合した場合に比して、混合層6中のキャリア輸送材料のエネルギー的乱れ及び位置的乱れが大きくなり、キャリア輸送抑制の効果及び有機エレクトロルミネッセンス素子の長寿命化効果をより向上することができる。
混合層6への他の成分の添加量は、他の成分を構成する成分を全て合計したものが、混合層6全体の0.1〜80質量%を占める範囲であることが好ましい。0.1質量%未満では効果が十分に現れず、80質量%を超えると、キャリア輸送性が極端に低下するおそれがある。
ここで、他の成分を二種の異なる成分にて構成する場合の前記成分の比は、1:1〜1:20であることが好ましい。より好ましくは、1:1〜1:10である。一方の成分の量が多すぎると、他の成分の添加による効果が劣ることがあるため好ましくない。
他の成分の混合濃度は上記と同様に、混合層6の厚み方向に一定になるようにしてもよいが、混合層6を複数の層で形成して、有機発光層3の側の層は他の成分の濃度が高く、有機発光層3から離れる側の層は他の成分の濃度が低くなるようにしてもよく、あるいは混合層6を単層で形成して、有機発光層3に近い側は他の成分の濃度が高く、有機発光層3から離れる側は他の成分の濃度が低くなるように、混合濃度を傾斜させるようにしてもよい。このように、混合層6内での他の成分の濃度が、有機発光層3の側で高く有機発光層3から離れる側で低くなるようにすることによって、混合層6のうち、対向キャリアによってより劣化を受け易い有機発光層3の側の部位を、他の成分によるキャリア輸送性の抑制によって保護することができるものであり、またキャリアによるダメージを受け難い部分は他の成分の濃度を低くして、混合層6の全体での他の成分の比率が高くなり過ぎないようにし、混合層6中の他の成分が有機エレクトロルミネッセンス素子の発光特性に悪影響を及ぼすことを防ぐことができるものである。
また、混合層6がキャリア輸送層を構成する主成分を含む場合には、この他の成分中の少なくとも一種の成分が、キャリア輸送層を構成する主成分のエネルギーギャップ以上のエネルギーギャップを有する物質或いは絶縁物であることが好ましく、混合層6が有機発光層3を構成する主成分を含む場合には、この他の成分中の少なくとも一種の成分が、有機発光層3を構成する主成分のエネルギーギャップ以上のエネルギーギャップを有する物質或いは絶縁物であることが好ましい。更に、混合層6がキャリア輸送層を構成する主成分と有機発光層3を構成する主成分とを含む場合には、他の成分中の少なくとも一種の成分が、キャリア輸送層を構成する主成分のエネルギーギャップ以上のエネルギーギャップを有すると共に有機発光層3を構成する主成分のエネルギーギャップ以上のエネルギーギャップを有する物質であるか、或いは絶縁物であることが好ましい。このような材料から他の成分を選択することにより、他の成分からの発光を抑制することができ、有機エレクトロルミネッセンス素子の有機発光層3から本来の発光色を得ることができる。また、極端にキャリア輸送性を低下させることなく、キャリア輸送性の制御が可能である。
キャリア輸送層の有機発光層3側の少なくとも一部に、上記のような組成を有する混合層6を設けることにより、長寿命かつ高効率を呈する有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができる。その理由としては、キャリア輸送性を低下させる能力を有する他の成分を混合した混合層6を設けることにより、この混合層6内のキャリア輸送性が抑制され、キャリア輸送層の対向キャリアによる劣化が抑制されることが挙げられる。特にイオン化ポテンシャルもしくは電子親和力の少なくとも一方が0.1eV以上異なる二種以上の成分からなる他の成分を混合することによって、単一の材料を混合した場合に比して、著しい有機エレクトロルミネッセンス素子の長寿命化効果を得ることができる。これは、混合層6中のキャリア輸送材料のエネルギー的乱れ及び位置的乱れが大きくなり、キャリア輸送抑制の効果が強く表れることに起因すると考えられる。
また、特に混合層6が、有機発光層3を構成する主成分とキャリア輸送層を構成する主成分の両者を含むような場合には、混合層6にキャリア輸送層と有機発光層3を構成する成分が含有されているため、有機発光層3とキャリア輸送層の界面におけるエネルギー障壁の形成を低減することができ、界面に蓄積されるキャリアの総数を減少させ、界面に蓄積されるキャリアによるキャリア輸送層及び有機発光層3の劣化を低減することができることも、更なる効果として期待できる。またキャリア輸送材料の対向キャリアによる劣化を有機発光層3を構成する主成分が抑制することも長寿命化の理由の一つとして考えられる。あるいは、混合層6のキャリア輸送性を低下させることによっても、キャリア輸送層の対向キャリアによる劣化を抑制することができることも同じく長寿命化の理由の一つとして考えられる。また、有機発光層3を構成する主成分にトラップされたキャリアにより局所的な電界が生じ、対向キャリアがより効率よく注入され、結果として駆動電圧の低減や蓄積キャリアの消失によって寿命特性の向上を実現することができることも考えられる。
しかし、混合層6が単に有機発光層3を構成する主成分とキャリア輸送層を構成する主成分を混合したもののみであると、場合によっては素子寿命が変化しないかまたはより短くなることもあり得る。これは、有機発光層3とキャリア輸送層の界面に明確なキャリア注入障壁が形成されないために、キャリアがより深く混合層6及びキャリア輸送層側に進入し、かつ有機発光層3を構成する主成分が上記のような効果を十分に発現できないことにより、キャリア輸送層の劣化が低減されないかもしくは逆に促進されることによるものである。
このような問題に対処するために、本発明では混合層6に更に上記のような他の成分を混合することにより、上記のようなキャリアのキャリア輸送層への到達を制限し、あるいはキャリア輸送層の劣化を抑制して、有機エレクトロルミネッセンス素子の長寿命化が可能となるものである。これは、有機発光層3内で再結合することなくキャリア輸送層側に進行してきたキャリアを、混合層6内で、有機発光層3を構成する主成分がトラップすると共に、他の成分が混合層6のキャリア輸送性を抑制することにより、対向キャリアのキャリア輸送層への進行を強く制限することができること、などが理由として考えられるものであり、そして結果としてキャリア輸送層の対向キャリアによる劣化を抑制して有機エレクトロルミネッセンス素子の長寿命化を達成することができるものである。
尚、本発明において、キャリア輸送層の全体が混合層6で形成されるようにしてもよく、キャリア輸送層の有機発光層3の側の一部分にだけ混合層6が形成されるようにしてもよい。混合層6がキャリア輸送層の一部分である場合には、0.2nm以上の厚みであることが好ましい。この厚み未満であると、混合層6を形成することによる効果を十分に得ることができない。特に好ましくは、0.5nm以上の範囲の厚みである。混合層6の厚みやキャリア輸送層に占める混合層6の厚みの分率は、所望の素子特性に応じて適宜設定されるものである。
本発明にあっては、上記のような構成の混合層6をキャリア輸送層に設けることにより、通電時のキャリア輸送層5への過剰の対向キャリアの注入を抑制することができ、キャリア輸送材料の対向キャリアによる劣化を防止して、有機エレクトロルミネッセンス素子の長寿命化が可能となるものである。また特に混合層6が有機発光層3を構成する主成分とキャリア輸送層を構成する主成分を含む場合には、加えて駆動電圧の低減など特性の向上も同時に可能となるものである。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、有機発光層3の陰極の側に電子輸送層5を、有機発光層3の陽極の側にホール輸送層4を備えている構造であればよく、他の部分の構造は特に限定されるものではない。また、複数のホール輸送層4や電子輸送層5を備えていてもよい。以下、図1に示した基板7/電極(陽極)1/ホール輸送層4/有機発光層3/混合層6/電子輸送層5/電極(陰極)2からなる構造の有機エレクトロルミネッセンス素子について、その材料の例を説明する。
上記のホール輸送層4を構成する材料としては、ホールを輸送する能力を有し、陽極からのホール注入効果を有するとともに、有機発光層3に対して優れたホール注入効果を有し、また電子のホール輸送層4への移動を防止し、かつ薄膜形成能力の優れた化合物を挙げることができる。このような化合物としては、例えば、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPBまたはα−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)、スピロ−NPD、スピロ−TPD、スピロ−TAD、TNB(α−NPDのフェニル基がナフチル基であるもの)、TPBD(α−NPDのフェニル基、ナフチル基がビフェニル基であるものであり、置換結合位置は問わない)などを代表例とするトリアリールアミン系化合物を挙げることができる。特にリン光発光素子の場合には、有機発光層3のドーパントのエネルギーギャップ及び/又はT1準位、及び有機発光層3のホストのエネルギーギャップ及び/又はT1準位より大きな、エネルギーギャップ及び/又はT1準位を有するワイドエネルギーギャップ材料であることが好ましく、このような化合物としては、例えばテトラフェニルシラン骨格を持つトリアリールアミン誘導体、シクロヘキサン環等共役環を持たない部位をトリアリールアミン残基間に備えるトリアリールアミン誘導体、メチル基置換ビフェニル骨格、クオーターフェニレン骨格や、ヘキサフェニルベンゼン骨格など広いエネルギーギャップを有する骨格を持つトリアリールアミン誘導体などを挙げることができる。あるいは、カルバゾール基を含むアミン化合物、フルオレン誘導体を含むアミン化合物なども前述の特性に応じて適宜使用される。
また、上記の電子輸送層5を構成する材料としては、電子を輸送する能力を有し、陰極からの電子注入効果を有するとともに、有機発光層3に対して優れた電子注入効果を有し、さらにホールの電子輸送層5への移動を防止し、かつ薄膜形成能力の優れた化合物を挙げることができる。このような化合物としては、例えば、バソフェナントロリン、バソクプロイン、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、ピリジン、フラン、フェナントロリンなど、複素環を有する化合物及びそれらの誘導体を挙げることができる。特にリン光発光素子の場合には、有機発光層3のドーパントのエネルギーギャップ及び/又はT1準位、及び有機発光層3のホストのエネルギーギャップ及び/又はT1準位より大きな、エネルギーギャップ及び/又はT1準位を有するワイドエネルギーギャップ材料であることが好ましい。このような化合物としては、例えば、1,3,5-Tris[3,5-bis(3-pyridinyl)phenyl]benzene、1,3,5-tri(4-pyrid-3-yl-phenyl) benzeneなどピリジン環を含有する誘導体、トリメシチルボラン骨格を含有するピリジン誘導体などを挙げることができるが、勿論これらに限定されるものではない。
また、ホール輸送層4と陽極(電極1)の間にはホール注入層を、電子輸送層5と陰極(電極2)との間には電子注入層を設けてもよい。これらのホール注入層や電子注入層は、上記のホール輸送層4や電子輸送層5を構成する物質やその他の材料で電極1,2からのキャリア注入に優れる材料を単独で用いて構成してもよく、あるいは、有機材料と電荷移動錯体を形成する金属、半導体、有機材料、金属酸化物、金属炭化物、金属ホウ化物、金属窒化物、アクセプタガス等、ルイス酸やルイス塩基としてあるいはブレンステッド酸やブレンステッド塩基として機能する材料を混合または積層して構成してもよい。例えば、ホール注入層は、フタロシアニン化合物、ポルフィリン化合物、スターバーストアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、チオフェン誘導体等の電子供与が可能な低分子化合物、高分子化合物など任意のものを、単独で、あるいは、例えば酸化モリブデン、酸化レニウム、酸化タングステン、酸化バナジウム、臭素、塩化鉄、塩化チタン、F4TCNQ、DDQ、酸無水物などと混合または積層して形成することができる。また電子注入層は例えば、上記の電子輸送層5を構成する材料やフタロシアニン類、ポルフィリン類その他の電子受容が可能な低分子化合物、高分子化合物など任意のものを単独で、あるいはアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、あるいは[化1]のような有機ドナー類を混合もしくは積層した状態で用いて形成することができる。また、金属化合物を成膜時もしくは成膜後に分解や還元することによって金属成分を遊離させることによって混合もしくは積層膜を形成するような構造でもかまわない。例えば、BCP(バソクプロイン)にCsを混合する場合、AlqにLiq([化2])を積層した後にAlを蒸着することによってその還元によるLi金属を界面に発生させる場合、BCPにCs2CO3を積層または混合する場合、などがその例である。
Figure 0004950632
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また有機エレクトロルミネッセンス素子の有機発光層3の形成に使用される発光性のドーパントとしては、有機エレクトロルミネッセンス素子用発光材料として知られる任意の材料を用いることができる。例えばアントラセン誘導体、ピレン誘導体、テトラセン誘導体、フルオレン誘導体、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール、スチリルアミン誘導体、キノリン金属錯体、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、トリス(5−フェニル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、キナクリドン、ルブレン、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、及び各種蛍光色素等を始めとするものが挙げられるが、これらに限定するものではない。またこれらの化合物のうちから選択される発光材料を適宜混合して用いることも好ましい。また、前記化合物に代表される蛍光発光を生じる化合物のみならず、スピン多重項からの発光を示す材料系、例えば燐光発光を生じる燐光発光材料、及びそれらからなる部位を分子内の一部に有する化合物も好適に用いることができる。
また、有機エレクトロルミネッセンス素子の有機発光層3の形成に使用されるホスト材料は、有機エレクトロルミネッセンス素子用ホスト材料として用いられる任意の材料であれば特に限定はなく用いることができる。たとえば、アントラセン誘導体、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)、カルバゾール誘導体、スチリルアリーレン誘導体、テトラセン誘導体、フルオレン誘導体、トリアリールアミン誘導体などが挙げられるが、これらに限定するものではない。
さらに、有機エレクトロルミネッセンス素子を構成するその他の部材である、積層された素子を保持する基板7、陽極(電極1)、陰極(電極2)等には、従来から使用されているものをそのまま使用することができる。
基板7は、有機発光層3で発光した光が基板7を通して出射される場合には、光透過性を有するものであり、無色透明の他に、多少着色されているものであっても、すりガラス状のものであってもよい。例えば、ソーダライムガラスや無アルカリガラスなどの透明ガラス板や、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、エポキシ、フッ素系樹脂等の樹脂、有機無機ハイブリッド材料などから任意の方法によって作製されたプラスチックフィルムやプラスチック板などを用いることができる。またさらに、基板7内に基板7の母剤と屈折率の異なる粒子、粉体、泡等を含有することによって、光拡散効果を有するものも使用可能である。表面形状を付与することによって光の取り出し効果を高くしたものも好ましい。また、基板7を通さずに光を出射させる場合、基板7は必ずしも光透過性を有するものでなくてもかまわないものであり、素子の発光特性、寿命特性等を損なわない限り、任意の基板7を使用することができる。特に、通電時の素子の発熱による温度上昇を軽減するために、熱伝導性の高い基板7を使うことが好ましい。
上記陽極は、素子中にホールを注入するための電極であり、仕事関数の大きい金属、合金、電気伝導性化合物、あるいはこれらの混合物からなる電極材料を用いることが好ましく、仕事関数が4eV以上のものを用いるのがよい。このような陽極の材料としては、例えば、金などの金属、CuI、ITO(インジウム−スズ酸化物)、SnO2、ZnO、IZO(インジウム−亜鉛酸化物)等、PEDOT、ポリアニリン等の導電性高分子及び任意のアクセプタ等でドープした導電性高分子、カーボンナノチューブなどの導電性光透過性材料を挙げることができる。陽極は、例えば、これらの電極材料を、基板7の表面に真空蒸着法やスパッタリング法、塗布等の方法により薄膜に形成することによって作製することができる。また、有機発光層3における発光を陽極を透過させて外部に照射するためには、陽極の光透過率を70%以上にすることが好ましい。さらに、陽極のシート抵抗は数百Ω/□以下とすることが好ましく、特に好ましくは100Ω/□以下とするものである。ここで、陽極の膜厚は、陽極の光透過率、シート抵抗等の特性を上記のように制御するために、材料により異なるが、500nm以下、好ましくは10〜200nmの範囲に設定するのがよい。尚、前記好適条件は、ホール注入層の使用や、補助電極の使用によって適宜変化してもよい。すなわち、補助電極を適切に用いることにより、補助電極と組み合わせてのシート抵抗を実用に問題のない低い値に抑えることができ、結果として陽極として用いられる導電性光透過性材料単体としてはさほど低くない抵抗値を有するものでも使用可能となる。
また上記陰極は、有機発光層3中に電子を注入するための電極であり、仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物からなる電極材料を用いることが好ましく、仕事関数が5eV以下のものであることが好ましい。また、Alと他の電極材料を組み合わせて積層構造などとして構成するものであっても良い。このような陰極の電極材料の組み合わせとしては、アルカリ金属とAlとの積層体、アルカリ金属と銀との積層体、アルカリ金属のハロゲン化物とAlとの積層体、アルカリ金属の酸化物とAlとの積層体、アルカリ土類金属や希土類金属とAlとの積層体、これらの金属種と他の金属との合金などが挙げられ、具体的には、例えばナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、などとAlとの積層体、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金、LiF/Al混合物/積層体、Al/Al23混合物などを例として挙げることができる。また、前記のごとくアルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物、あるいは金属酸化物を陰極の下地として用い、さらに上記の仕事関数が5eV以下である材料(あるいはこれらを含有する合金)を1層以上積層するようにしてもよい。また、ITO、IZOなどに代表される透明電極を用い、陰極側から光を取り出す構成にしても良い。この場合にも、透明電極の下地には、仕事関数が5eV以下の金属を用いることが好ましい。
陰極は、例えば、これらの電極材料を真空蒸着法やスパッタリング法等の方法により、薄膜に形成することによって作製することができる。有機発光層3における発光を陽極側に照射するためには、陰極の光透過率を10%以下にすることが好ましい。また反対に、陰極を透明電極として形成して、陰極側から発光を取り出す場合、あるいは、透明電極とした後に何らかの手段で光を反射させ、陽極側に光を取り出す場合には、陰極の光透過率を70%以上にすることが好ましい。この場合の陰極の膜厚は、陰極の光透過率等の特性を制御するために、材料により異なるが、通常500nm以下、好ましくは100〜200nmの範囲とするのがよい。これらについても陽極と同様、電子注入層や補助電極の使用によって、好適な条件は適宜変化してもよい。
さらに、陰極上にAl等の金属をスパッタで積層したり、フッ素系化合物、フッ素系高分子、その他の有機分子、高分子等を蒸着、スパッタ、CVD、プラズマ重合、塗布した後の紫外線硬化、熱硬化その他の方法で薄膜として形成し、保護膜としての機能をもたせるようにすることも可能である。
また、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、複数の有機発光層3が中間層である等電位面を形成する層もしくは電荷発生層を介して積層された、いわゆるマルチフォトン型、マルチユニット型、積層型、タンデム型構造を有するものであってもよい。等電位面形成層もしくは電荷発生層の材料としては、例えばAg、Au、Al等の金属薄膜、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化レニウム、酸化タングステン等の金属酸化物、ITO、IZO、AZO、GZO、ATO、SnO2等の透明導電膜、いわゆるn型半導体とp型半導体の積層体、金属薄膜もしくは透明導電膜とn型半導体及び/又はp型半導体との積層体、n型半導体とp型半導体の混合物、n型半導体及び/又はp型半導体と金属との混合物、などを挙げることができる。n型半導体やp型半導体としては、無機材料であっても、有機材料であってもよく、あるいは有機材料と金属との混合物や、有機材料と金属酸化物や、有機材料と有機系アクセプタ/ドナー材料や、無機系アクセプタ/ドナー材料等の組み合わせによって得られるものであってもよく、特に制限されることなく必要に応じて選定して使用することができる。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。尚、各材料のイオン化ポテンシャルは、理研計器製「光電子分光装置AC−3」にて測定した値である。また、各材料のエネルギーギャップは、10nm程度に成膜した各材料の薄膜のUV吸収スペクトルを測定し、その吸収の長波長端から見積もった値である。また、電子親和力は前記イオン化ポテンシャルからエネルギーギャップを差し引いて見積もった値である。
(実施例1)
厚み110nmのITOが陽極として図2のパターンのように成膜された0.7mm厚のガラス基板を用意した。陽極を形成するITOのシート抵抗は、約12Ω/□である。そしてこれを洗剤、イオン交換水、アセトンで各10分間超音波洗浄をした後、IPA(イソプロピルアルコール)で蒸気洗浄して乾燥し、さらにUV/O3処理した。次に、株式会社三菱化学科学技術研究センター製のバッファ材料「MCC−PC1020」を20nm厚にスピンコートし、真空雰囲気下230℃で30分間焼成し、真空を保ったまま常温まで冷却してバッファ層を形成した。
その後、この基板を真空蒸着装置にセットし、1×10-4Pa以下の減圧雰囲気下で、ホール輸送層として、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)(イオン化ポテンシャル:5.5eV、エネルギーギャップ:3.0eV)を膜厚20nmに蒸着した。
次いで、有機発光層として、TBADN([化3])(イオン化ポテンシャル:5.55eV、エネルギーギャップ:2.88eV)にsty−NPD([化4])(イオン化ポテンシャル:5.35eV、エネルギーギャップ:2.6eV)を4質量%ドープした厚み40nmの層を蒸着した。
Figure 0004950632
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次に有機発光層に引き続いて、電子輸送層を構成する主成分のAlq(イオン化ポテンシャル:5.9eV、エネルギーギャップ:2.7eV)と、他の成分の1つのα-NPDと他の成分の1つTpPyPhB[化5](イオン化ポテンシャル:6.7eV、エネルギーギャップ:3.6eV)を、92:4:4の質量比で共蒸着して、厚み5nmの混合層を形成した。
Figure 0004950632
次に混合層に引き続いて、電子輸送層として、Alqを5nmの膜厚で成膜し、さらにLiFを膜厚0.5nm、アルミニウムを膜厚80nmで成膜してAl陰極を図2のパターンで形成することによって、有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。尚、有機エレクトロルミネッセンス素子の形状は図2に示す通りである(図2において有機膜はホール輸送層、有機発光層、混合層、電子輸送層からなる)。
(実施例2)
混合層を、有機発光層を構成する主成分のTBADNと、他の成分の1つであるTpPyPhBと他の成分の1つであるCzTT[化6](イオン化ポテンシャル:6.2eV、エネルギーギャップ:3.5eV)を、90:3:7の質量比で混合して形成したこと以外は、実施例1と同様にして、有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
Figure 0004950632
(実施例3)
混合層を、有機発光層を構成する主成分のTBADNと、電子輸送層を構成する主成分のAlqと、他の成分の1つのTpPyPhBと他の成分の1つのα−NPDとを10:80:5:5の質量比で混合して形成したこと以外は、実子例1と同様にして、有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
(実施例4)
混合層を、電子輸送層を構成する主成分のTmiQPhTAZ[化7](イオン化ポテンシャル:6.65eV、エネルギーギャップ:3.6eV)と、他の成分の1つのα−NPDと他の成分の1つのルブレン(イオン化ポテンシャル:5.4eV、エネルギーギャップ:2.2eV)とを、90:5:5の質量比で混合して形成し、電子輸送層をTmiQPhTAZを5nm成膜して形成したこと以外は、実施例1と同様にして、有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
Figure 0004950632
(実施例5)
混合層を、電子輸送層を構成する主成分のAlqと他の成分の1つのルブレンと他の成分の1つのLiF(イオン化ポテンシャル:7eV以上、エネルギーギャップ:約10eV)とを90:5:5の質量比で混合した膜厚5nmの層で形成するようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
(実施例6)
混合層を、有機発光層を構成する主成分のTBADNと、他の成分の1つのAlqと、他の成分の1つのα−NPDとを25:65:10の質量比で混合して形成し、電子輸送層としてTmiQPhTAZを成膜したこと以外は、実施例1と同様にして、有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
(比較例1)
電子輸送層をAlqを10nmの膜厚に成膜した層で形成し、混合層を形成しないようにした。これ以外は実施例1と同様にして、有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
(比較例2)
電子輸送層をTmiQPhTAZを10nmの膜厚に成膜した層で形成し、混合層を形成しないようにした。これ以外は実施例1と同様にして、有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
(比較例3)
混合層を、有機発光層を構成する主成分のTBADNと、他の成分の1つであるTpPyPhBとを90:10の質量比で混合して形成するようにした以外は、実施例1と同様にして、有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
(比較例4)
混合層を、電子輸送層を構成する主成分のAlqと他の成分の1つであるLiFとを96:4の質量比で混合して形成するようにした以外は、実施例1と同様にして、有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
(比較例5)
混合層を、有機発光層を構成する主成分のTBADNと、他の成分の1つであるTpPyPhBと他の成分の1つであるTmiQPhTAZを92:4:4の質量比で混合して形成するようにした以外は、実施例1と同様にして、有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
(実施例7)
実施例1と同様に20nmのMCC−PC1020をホール注入層として設けた後、ホール輸送層としてα−NPDを35nm、混合層としてホール輸送層を構成する主成分であるα−NPDに他の成分の1つであるDNTPD[化8](イオン化ポテンシャル:5.2eV、エネルギーギャップ:3.0eV)とLiFとを92:4:4で混合した層を5nm成膜した。次いで有機発光層としてCBPにPQ2Ir(acac)[化9]を4%ドープした層を10nm、電子輸送層としてTpPyPhBを55nm成膜し、さらにLiFを膜厚0.5nm、アルミニウムを膜厚80nmで成膜してAl陰極を図2のパターンで形成することによって、有機エレクトロルミネッセンス素子を得た
Figure 0004950632
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(比較例6)
ホール輸送層を40nmとし、混合層を設けなかったこと以外は実施例7と同様にして、有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。
(ホール輸送性評価)
厚み110nmのITOが陽極として図2のパターンのように成膜された0.7mm厚のガラス基板を用意した。陽極を形成するITOのシート抵抗は、約12Ω/□である。そしてこれを洗剤、イオン交換水、アセトンで各10分間超音波洗浄をした後、IPA(イソプロピルアルコール)で蒸気洗浄して乾燥し、さらにUV/O処理した。次に、この基板をヨウ素のIPA溶液(ヨウ素濃度50質量%)に3分間浸漬した後、表面に液滴が残らないように乾燥、120℃で真空下2分間焼成した。
この後、NPDを50nm成膜し、次いで、評価を行う層を20nm成膜し、さらにNPDを30nm、Auを80nm成膜し、ホール輸送性評価用のホールオンリーデバイスを作製した。このデバイスにおいては、AuからNPDへの電子注入が無視できるため、駆動時の電流はホールのみであると近似できる。
評価を行う層として、各実施例における混合層と同一のもの、及びこの混合層から他の成分を除いたものの二種類を用意し、それぞれについて、1mA/cm2の電流を流すために必要な電圧を測定した。そして、他の成分があるものから他の成分がないものを差し引いた値によって、他の成分を加えることで移動度が変化した効果を見積もった。尚、この値が大きいほど、ホール輸送性の低下が大きいと見なすことができる。
(電子輸送性評価)
ヨウ素処理を行わなかったこと以外はホールオンリーデバイスの場合と同一のITO基板を用い、BCPとCsをモル比で1:1に混合した層を5nm成膜し、Alqを20nm成膜した。次いで、評価を行う層を20nm成膜し、さらにAlqを20nm、LiFを0.5nm、Alを80nm成膜して、電子輸送性評価用の電子オンリーデバイスを作製した。このデバイスにおいては、ITOからBCP:Cs層を介してのAlq層へのホール注入が無視できるため、駆動時の電流は電子のみであると近似できる。
評価を行う層として、各実施例における混合層と同一のもの、及びこの混合層から他の成分を除いたものの二種類を用意し、それぞれについて1mA/cm2の電流を流すために必要な電圧を測定した。そして、他の成分があるものから他の成分がないものを差し引いた値によって、他の成分を加えることで移動度が変化した効果を見積もった。尚、この値が大きいほど、電子輸送性の低下が大きいと見なすことができる。
(寿命評価)
上記のように実施例1〜6及び比較例1〜5で得た有機エレクトロルミネッセンス素子に20mA/cm2の定電流を通電し、また実施例7及び比較例6で得た有機エレクトロルミネッセンス素子に1mA/cm2の定電流を通電し、輝度が80%にまで低下するのに要した時間を測定した。
以上の結果を表1に示す。
Figure 0004950632
表1にみられるように、各実施例における他の成分を含有する混合層のキャリア輸送性は、他の成分を添加していない状態よりも実質的に低下していることがわかる。特に、実施例1〜6ではホール輸送性が主として低下し、実施例7では電子輸送性が主として低下していることが確認できる。
そして、本発明の混合層を有する各実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子は、輝度が80%にまで低下するのに要する時間が長いものであった。
一方、混合層を全く有しない比較例1、2及び6の素子は寿命が短く、他の成分を1つだけ混合した比較例3及び4の素子は、寿命が向上するものの、他の成分を2つ混合した実施例2及び実施例1の素子に比してまだ寿命は短いものであった。また、イオン化ポテンシャル、電子親和力とも0.1eV以下しか異ならない二種の材料を添加した比較例5の素子は、長寿命化したものの、0.1eV以上異なる二種の材料を添加した実施例2の素子の寿命には劣るものであった。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の層構成の一例を示す概略断面図である。 実施例で作製した有機エレクトロルミネッセンス素子を示す概略平面図である。
符号の説明
1 電極
2 電極
3 有機発光層
4 ホール輸送層
5 電子輸送層
6 混合層

Claims (4)

  1. 対向する2つの電極間に、有機発光層とキャリア輸送層とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子において、キャリア輸送層の少なくとも有機発光層に接する部分に、このキャリア輸送層を構成する主成分と他の成分とを含有する混合層が設けられており、前記他の成分が前記キャリア輸送層を構成する主成分及び前記有機発光層を構成する主成分のいずれとも異なる二種以上の成分であって、混合層が有機発光層の陽極側に設けられる場合には電子輸送性を主として低下させるものから選択されるものであり、混合層が有機発光層の陰極側に設けられる場合にはホール輸送性を主として低下させるものから選択されるものであり、且つこの他の成分中の異なる成分間でイオン化ポテンシャルと電子親和力のうち少なくとも一方が0.1eV以上異なることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 対向する2つの電極間に、有機発光層とキャリア輸送層とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子において、キャリア輸送層の少なくとも有機発光層に接する部分に、このキャリア輸送層を構成する主成分と有機発光層を構成する主成分と他の成分とを含有する混合層が設けられており、前記他の成分が前記キャリア輸送層を構成する主成分及び前記有機発光層を構成する主成分のいずれとも異なる二種以上の成分であって、混合層が有機発光層の陽極側に設けられる場合には電子輸送性を主として低下させるものから選択されるものであり、混合層が有機発光層の陰極側に設けられる場合にはホール輸送性を主として低下させるものから選択されるものであり、且つこの他の成分中の異なる成分間でイオン化ポテンシャルと電子親和力のうち少なくとも一方が0.1eV以上異なることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 上記他の成分中の少なくとも一種の成分のエネルギーギャップが、上記キャリア輸送層を構成する主成分のエネルギーギャップ以上であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 上記他の成分中の少なくとも一種の成分のエネルギーギャップが、上記キャリア輸送層を構成する主成分のエネルギーギャップ以上であり且つ上記有機発光層を構成する主成分のエネルギーギャップ以上であることを特徴とする請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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