JP2006237038A - 発光装置、および発光装置の製造方法 - Google Patents

発光装置、および発光装置の製造方法 Download PDF

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JP2006237038A JP2005045137A JP2005045137A JP2006237038A JP 2006237038 A JP2006237038 A JP 2006237038A JP 2005045137 A JP2005045137 A JP 2005045137A JP 2005045137 A JP2005045137 A JP 2005045137A JP 2006237038 A JP2006237038 A JP 2006237038A
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Abstract

【課題】 駆動電圧を高めることなく、有機機能層内への不純物イオンの拡散を防止でき、かかる拡散に起因する発光効率の低下や信頼性の低下を解消可能な半導体装置、発光装置、半導体装置の製造方法、および発光装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】 有機EL装置100の有機EL素子110において、正孔注入層113aと発光層113cとの層間に、正孔輸送性を備えた有機材料中にこの有機材料に対する酸化性を備えたドーパントがドープされた中間層113bを備えている。また、赤色(R)に対応する有機EL素子110(R)と、緑色(G)および青色(B)に対応する有機EL素子110(G)、110(B))では、中間層113bの厚さが相違し、各色に対応する有機EL素子110(R)、110(G)、110(B)では、中間層113bにおけるドーパント濃度が相違する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、第1の電極層、有機機能層および第2の電極層がこの順に積層された自発光素子を備えた発光装置、および当該発光装置の製造方法に関するものである。
携帯電話機、パーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistants)などの電子機器に使用される表示装置や、デジタル複写機やプリンタなどの画像形成装置における露光用ヘッドとして、有機エレクトロルミネッセンス(以下、エレクトロルミネッセンスをEL(Electroluminescence)という)装置などの発光装置が注目されている。
この種の発光装置は、ITO膜などからなる陽極、正孔注入層(あるいは正孔注入輸送層)、有機機能層および陰極がこの順に積層された自発光素子を備えており、陰極側から注入された電子と、陽極側から注入された正孔とが有機機能層において結合し、発光する(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−249375号公報
しかしながら、特許文献1に記載のいずれの自発光素子でも、ITO膜からなる陽極や正孔注入層から有機機能層へ不純物イオンが拡散することを避けることができず、それにより、発光効率の低下や信頼性の低下が発生するという問題点がある。
ここに、本願出願人は、正孔注入層と有機機能層との間に不純物イオンの拡散を防止する層を追加することにより、陽極や正孔注入層から有機機能層への不純物イオンの拡散を防止し、発光効率の低下や信頼性の低下を防止することを提案するものである。
しかしながら、正孔注入層と有機機能層との間に不純物イオンの拡散を防止する層を新たに追加すると、その分、自発光素子の駆動電圧が高くなるという問題点があり、このような駆動電圧の上昇は、有機EL装置における消費電力を高めてしまうため、好ましくない。かかる駆動電圧の上昇を抑えるには、追加する層を薄くすればよいが、このような薄い膜を精度よく形成するのは困難であり、かつ、薄い膜では、不純物イオンの拡散を確実に防止することができないという問題点がある。
なお、有機機能層への不純物イオンの拡散に起因する効率の低下や信頼性の低下は、薄膜トランジスタや太陽電池など、キャリア注入層と有機機能層が積層された半導体素子全般における問題点でもある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、駆動電圧を高めることなく、有機機能層内への不純物イオンの拡散を防止でき、かかる拡散に起因する発光効率の低下や信頼性の低下を解消することのできる発光装置、および発光装置の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、少なくとも、第1の電極層、有機機能層および第2の電極層が積層された自発光素子を有する発光装置において、前記第1の電極層と前記有機機能層との層間に、電子あるいは正孔のうちの一方のキャリアを前記有機機能層に注入するための有機組成物からなるキャリア注入層を備え、当該キャリア注入層と前記有機機能層との層間に、前記一方のキャリアに対する輸送性を備えたドーパント含有有機材料により形成された中間層を備えていることを特徴とする。
本発明では、キャリア注入層と有機機能層との層間に中間層を備えているため、ITO膜などからなる第1の電極層やキャリア注入層から有機機能層に不純物イオンが拡散することを防止することができる。また、中間層において、有機材料にはドーパントがドープされているため、中間層の導電性が高い。このため、自発光素子の駆動電圧が低いので、自発光素子の駆動電圧を高めることなく、有機機能層内への不純物イオンの拡散を防止することができ、かかる拡散に起因する発光効率の低下や信頼性の低下を解消することができる。
本発明において、前記自発光素子は、例えば、前記一方のキャリアと、前記第2の電極層側から前記有機機能層に注入される他方のキャリアとの結合によって発光する。前記自発光素子は、例えば、有機EL素子である。
本発明において、前記キャリア注入層は正孔注入層であり、この場合、前記中間層にドープされたドーパントは、アクセプタ性ドーパントである。これに対して、前記キャリア注入層が電子注入層である場合、前記中間層にドープされたドーパントは、ドナー性ドーパントである。
本発明において、前記中間層は、厚さが10nmから100nmまでの範囲であることが好ましい。このような厚さの範囲であれば、不純物イオンの拡散を防止でき、かつ、駆動電圧の上昇を抑えることができる。
本発明において、前記自発光素子として、各色の光を出射する複数種類の自発光素子を備え、当該複数種類の自発光素子のうち、少なくとも2種類の自発光素子では、前記中間層の厚さが相違することが好ましい。例えば、複数種類の自発光素子として、赤色、緑色、青色に対応する自発光素子の場合、有機機能層を構成する材料が相違し、それに伴って、不純物イオンの拡散に対する耐性や、確保すべき駆動電圧が相違する場合があるため、自発光素子の特性に応じた構成の中間層を形成することが好ましい。
本発明において、前記自発光素子として、各色の光を出射する複数種類の自発光素子を備え、当該複数種類の自発光素子のうち、少なくとも2種類の自発光素子では、前記中間層におけるドーパント濃度が相違することが好ましい。例えば、複数種類の自発光素子として、赤色、緑色、青色に対応する自発光素子の場合、有機機能層を構成する材料が相違し、それに伴って、不純物イオンの拡散に対する耐性や、確保すべき駆動電圧が相違する場合があるため、自発光素子の特性に応じた構成の中間層を形成することが好ましい。
本発明において、発光装置としてアクティブマトリクス型の発光装置を構成する場合、前記自発光素子は、基板上にマトリクス状に配置される。
本発明では、少なくとも、第1の電極層、有機機能層および第2の電極層が積層された自発光素子を備えた発光装置の製造方法において、前記第1の電極層の形成工程を行った後、前記有機機能層の形成工程を行う前に、前記第1の電極層の上層に、電子あるいは正孔のうちの一方のキャリアを前記有機機能層に注入するための有機組成物からなるキャリア注入層を形成する工程と、前記キャリア注入層の上層に、前記一方のキャリアの輸送性を備えた有機材料を形成するための第1の液滴と、ドーパントを含む第2の液滴とを各々、前記キャリア注入層上に吐出して当該キャリア注入層上で液滴同士を混合させることにより、前記キャリア注入層上に、前記有機材料中に前記ドーパントがドープされた中間層を形成する中間層形成工程とを行うことを特徴とする。
本発明において、前記発光素子として、例えば、前記一方のキャリアと、前記第2の電極層側から前記有機機能層に注入される他方のキャリアとの結合によって発光する自発光素子を形成する。本発明において、前記自発光素子は、例えば、有機EL素子である。
本発明において、前記自発光素子として、各色の光を出射する複数種類の自発光素子を形成する場合、前記中間層形成工程では、前記複数種類の自発光素子のうち、少なくとも2種類の自発光素子においては、前記キャリア注入層上に対する前記第1の液滴および前記第2の液滴のうちの少なくとも一方の吐出量を相違させることが好ましい。すなわち、複数種類の自発光素子として、赤色、緑色、青色に対応する自発光素子を形成する場合、有機機能層などの半導体層を構成する材料が相違し、それに伴って、不純物イオンの拡散に対する耐性や、確保すべき駆動電圧が相違する場合があるため、自発光素子の特性に応じた構成の中間層を形成することが好ましい。
本発明を適用した発光装置は、携帯電話機、パーソナルコンピュータやPDAなどの電子機器において表示装置として用いられる。また、本発明を適用した発光装置は、デジタル複写機やプリンタなどの画像形成装置における露光用ヘッドとして用いられる。
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明に用いた各図では、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を相違させてある。
(有機EL装置の全体構成)
図1は、自発光素子(半導体素子)として有機EL素子を備えた有機EL装置(発光装置/半導体装置)の電気的構成を示すブロック図である。
図1において、有機EL装置100は、有機半導体膜からなる機能膜に駆動電流が流れることによって発光するEL素子(自発光素子)を薄膜トランジスタで駆動制御する発光装置であり、このタイプの発光装置を表示装置として用いた場合、発光素子が自己発光するため、バックライトを必要とせず、また、視野角依存性が少ないなどの利点がある。ここに示す有機EL装置100では、複数の走査線163と、この走査線163の延設方向に対して交差する方向に延設された複数のデータ線164と、これらのデータ線164に並列する複数の共通給電線165と、データ線164と走査線163との交差点に対応する画素115とが構成され、画素115は、画像表示領域にマトリクス状に配置されている。データ線164に対しては、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン、アナログスイッチを備えるデータ線駆動回路151が構成されている。走査線163に対しては、シフトレジスタおよびレベルシフタを備える走査線駆動回路154が構成されている。また、画素115の各々には、走査線163を介して走査信号がゲート電極に供給される画素スイチング用の薄膜トランジスタ106と、この薄膜トランジスタ106を介してデータ線164から供給される画像信号を保持する保持容量133と、この保持容量133によって保持された画像信号がゲート電極に供給される電流制御用の薄膜トランジスタ107と、薄膜トランジスタ107を介して共通給電線165に電気的に接続したときに共通給電線165から駆動電流が流れ込む発光素子113とが構成されている。有機EL装置100でカラー表示を行う場合には、各画素115を赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に対応させることになる。
(有機EL装置の画素構成)
図2(A)、(B)は、本発明を適用した有機EL装置の1画素分の平面図および断面図である。図3(A)、(B)は、本発明を適用した有機EL装置の各色に対応する3つの画素(1ドット分)の断面図、および中間層のエネルギー障壁を示す説明図である。
このような有機EL装置100を構成するにあたって、より具体的には、図2(A)、(B)に示すように、素子基板を構成するガラス基板などからなる基板120上にシリコン酸化膜からなる下地保護膜(図示せず)が形成され、この下地保護膜上に、薄膜トランジスタ107などを構成するための低温ポリシリコン膜からなる半導体膜109aが島状に形成されている。半導体膜109aには不純物の導入によってソース・ドレイン領域109b、109cが形成され、不純物が導入されなかった部分がチャネル領域109dとなっている。下地保護膜および半導体膜109aの上層側にはゲート絶縁膜121が形成され、ゲート絶縁膜121上にはAl、Mo、Ta、Ti、W等からなる走査線163およびゲート電極143が形成されている。走査線163、ゲート電極143およびゲート絶縁膜121の上層側には、第1層間絶縁膜122と第2層間絶縁膜123とがこの順に積層されている。ここで、第1層間絶縁膜122および第2層間絶縁膜123は、SiO2、TiO2などの無機絶縁膜から構成されている。
第1層間絶縁膜122の上層には、第1層間絶縁膜122およびゲート絶縁膜121のコンタクトホールを介してソース・ドレイン領域109b、109cにそれぞれ接続するソース・ドレイン電極126および共通給電線165が形成されている。また、第1層間絶縁膜122の上層にはデータ線164も形成されている。
第2層間絶縁膜122上には、ITO層からなる光透過性の画素電極111(上部電極層)が形成され、この画素電極111は、第2層間絶縁膜122のコンタクトホールを介してソース・ドレイン電極126に電気的に接続している。従って、画素電極111は、薄膜トランジスタ107を介して共通給電線165に電気的に接続したとき、共通給電線165から駆動電流が流れ込む。
各画素115には、陽極としてのITO膜からなる画素電極111(第1の電極層)と、有機層113と、陰極としての対向電極112(第2の電極層)がこの順に積層された有機EL素子110(自発光素子)が形成されている。
本形態において、有機層113は、画素電極111上に積層された正孔注入層113a(キャリア注入層)と、この正孔注入層113aの上層側に形成された発光層113c(有機機能層)とを備えている。正孔注入層113aは、正孔(一方のキャリア)を発光層113cに注入可能な有機組成物、例えば、3,4−ポリエチレンジオシチオフェン(PEDOT)などから構成されている。発光層113cは、キャリア注入層113aの側から注入される正孔と、対向電極112の側から注入される電子(他方のキャリア)とが結合して発光する領域としての機能を担っており、各画素115が赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のいずれの色に対応するかは、発光層113cを構成する有機材料の種類によって規定されている。
このように構成した有機EL素子110の有機層113において、本形態では、図2(B)および図3(A)、(B)に示すように正孔注入層113aと発光層113cとの層間に中間層113bを備えている。この中間層113bは、正孔に対する輸送性を備えた有機材料中に、酸化性を備えたドーパントがドープされた構成を有している。
本形態では、中間層113bを構成する有機材料として、例えば、以下の化学式(I)で示されるpoly−TPDなどの芳香属族アミン誘導体が用いられている。
Figure 2006237038
また、ドーパントしては、例えば、以下の化学式(II)で示されるアンチモン化合物からなるアクセプタ性ドーパントが用いられている。かかるドーパントは、上記化学式(I)で示される芳香属族アミン誘導体などの有機材料に対して酸化性(電子吸引性)を備えており、有機材料から電子を受け取ることにより、有機材料の正孔輸送性を高める機能を発揮する。
Figure 2006237038
ドーパントとしては、ハロゲン化金属、ルイス酸、有機酸およびアリールアミンとハロゲン化金属との塩、有機酸およびアリールアミンとルイス酸との塩などの酸化剤を用いることができる。ハロゲン化金属やルイス酸としては、上記のSbCl5の他、AlCl3、FeCl3、AsCl3、BF3などを用いることができる。
ここで、上記の画素115は各々、図3(A)に示すように、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のうちのいずれかに対応するように構成されている。画素115(R)、115(G)、115(B)、およびこれらの各画素に形成されている有機EL素子110(R)、110(G)、110(B)は、基本的な構造が同一であるが、中間層113bの構成が相違している。
すなわち、本形態では、中間層113bの厚さは、例えば、以下に示す関係
画素115(R)<画素115(G)<画素115(B)
有機EL素子110(R)<有機EL素子110(G)<有機EL素子110(B)
になっており、画素115(R)の有機EL素子110(R)で最も薄くなっている。但し、いずれの画素115(R)、115(G)、115(B)においても、有機EL素子110(R)、110(G)、110(B)の中間層113bの厚さは、10nmから100nmまでの範囲に設定されている。
また、中間層113bにおけるドーパントの濃度は、例えば、以下に示す関係、
画素115(R)<画素115(B)<画素115(G)
有機EL素子110(B)<有機EL素子110(R)<有機EL素子110(G)
になっており、画素115(G)の有機EL素子110(G)で最も高く、画素115(B)の有機EL素子110(B)で最も低くなっている。
本形態の有機EL装置100は、基板側に向けて表示光を出射するボトムエミッション型であり、対向電極112は、薄いカルシウム層やアルミニウム膜などからなり、光反射性を備えている。なお、有機EL装置100が、基板とは反対側に向けて表示光を出射するトップエミッション型である場合、対向電極112は、薄いカルシウム層と、ITO層などからなる光透過性陰極層とから構成され、画素電極111の下層側には、画素電極111の略全体と重なるようにアルミニウム膜などからなる光反射層が形成される。
本形態では、隣接する画素115の境界領域には、画素電極111の周縁部を取り囲むように、感光性樹脂からなる隔壁105がバンクとして形成されている。隔壁105は、有機層113を形成するのにインクジェット法(液体吐出法)やスピンコート法などの液相プロセスを用いるとき、塗布される液状物の塗布領域を規定するものであり、その表面張力によって、液状物が均一な厚さで形成される。インクジェット式の液滴吐出装置としては、圧電体素子の体積変化により流動体を吐出させるピエゾジェットの液滴吐出装置や、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いた液滴吐出装置などが採用される。なお、液滴吐出装置としてはディスペンサー装置でもよい。ここで、液状物は、水性であると油性であるとを問わない。また、液状物については、流動性を備えていれば十分で、固体物質が混入していても全体として流動体であればよい。また、液体材料に含まれる固体物質は融点以上に加熱されて溶解されたものでも、溶媒中に微粒子として分散させたものでもよく、溶媒の他に染料や顔料その他の機能性材料を添加したものであってもよい。
なお、基板120の素子形成面側には、水や酸素の侵入を防ぐことによって、陰極層あるいは機能層の酸化を防止する封止樹脂(図示せず)が形成され、さらに封止基板(図示せず)が貼られることがある。
(動作)
このように構成した有機EL装置100において、走査線163が駆動されて薄膜トランジスタ106がオン状態になると、そのときの信号線164の電位が保持容量133に保持され、この保持容量133の状態に応じて薄膜トランジスタ107の導通状態が制御される。また、薄膜トランジスタ107がオン状態になったとき、薄膜トランジスタ107を介して共通給電線165から画素電極111に電流が流れ、有機EL素子110では、有機層113を通じて対向電極112に電流が流れる。そして、このときの電流量に応じて発光層113cが発光する。そして、ボトムエミンション型の場合、発光層113cから発した光は、画素電極111および基板120を透過して出射される。これに対して、トップエミッション型の場合、対向電極112を透過して、観測者側に出射される一方、発光層113cから基板120に向けて出射された光は、画素電極111の下層に形成された光反射層によって反射され、対向電極112を透過して観測者側に出射される。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の有機EL素子110および有機EL装置100において、有機層113は、正孔注入層113aを備えるとともに、正孔注入層113aと発光層113cとの層間に中間層113bを備えている。このため、ITO膜からなる画素電極111や正孔注入層113aから発光層113cに不純物イオンが拡散することを防止することができる。また、中間層113bにおいて、有機材料には、酸化性を備えたドーパントがドープされているため、中間層113bの導電性が高い。このため、有機EL素子110に対する駆動電圧が低いので、有機EL素子110の駆動電圧を高めることなく、発光層113c内への不純物イオンの拡散を防止でき、かかる拡散に起因する発光効率の低下や信頼性の低下を解消することのできる。
また、本形態では、有機EL素子110として、各色(赤色(R)、緑色(G)、青色(B))の光を出射する3種類の有機EL素子110(R)、110(G)、110(B)が形成されているが、3種類の有機EL素子とも、中間層113bの厚さが相違する。また、各色に対応する有機EL素子110(R)、110(G)、110(B)では、中間層113bにおけるドーパント濃度が相違する。すなわち、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に対応する有機EL素子110(R)、110(G)、110(B)では、発光層113cを構成する材料が相違し、それに伴って、不純物イオンの拡散に対する耐性や、確保すべき駆動電圧が相違するため、本形態では、各有機EL素子110(R)、110(G)、110(B)の特性に応じた構成の中間層113bを形成している。それ故、有機EL素子110の駆動電圧を必要最小限まで低下させながら、発光層113c内への不純物イオンの拡散を確実に防止することができる。
しかも、いずれの有機EL素子110(R)、110(G)、110(B)においても、中間層13bの厚さは、10nmから100nmまでの範囲である。それ故、不純物イオンの拡散を防止でき、かつ、駆動電圧の上昇を抑えることができる。
(液滴吐出装置の全体構成)
図4は、本発明の実施形態に係る有機EL装置100の製造に用いた液滴吐出装置の全体構成を示す斜視図である。なお、液滴吐出装置によってカラー印刷やカラーの表示装置を製造する場合、通常、R、G、Bの3色の絵素を形成する必要がある。従って、液滴吐出装置については、1台で各色に対応する液滴を吐出可能に構成するか、所定の色に対応するものを複数台、準備することになるが、以下の説明では、後者において複数、準備した液滴吐出装置のうちの1台を説明する。
図4において、液滴吐出装置10は、各種の液状物を基板などの媒体上の所望位置に液滴として吐出するものであり、液状物を各種媒体上に液滴として吐出するノズル開口を備える液滴吐出ヘッド22と、液滴吐出ヘッド22を保持する共通のキャリッジ26とを有している。また、液滴吐出装置10は、液滴吐出ヘッド22の位置を制御するヘッド位置制御装置17と、媒体としての基板120(図2参照)の位置を制御する基板位置制御装置18と、液滴吐出ヘッド22を基板120に対して主走査移動させる主走査駆動手段としての主走査駆動装置19と、液滴吐出ヘッド22を基板120に対して副走査移動させる副走査駆動手段としての副走査駆動装置21と、基板120を液滴吐出装置10内の所定の作業位置へ供給する基板供給装置23と、液滴吐出装置10の全般の制御を司るコントロール装置24とを有しており、ヘッド位置制御装置17、基板位置制御装置18、主走査駆動装置19、および副走査駆動装置21によって、液滴吐出ヘッド22(キャリッジ26)と基板120とを相対移動させる移動手段が構成されている。ヘッド位置制御装置17、基板位置制御装置18、主走査駆動装置19、および副走査駆動装置21はベース9の上に設置され、それらの各装置は必要に応じてカバー14によって覆われる。
ヘッド位置制御装置17は、液滴吐出ヘッド22を面内回転させるαモータ(図示せず)と、液滴吐出ヘッド22を副走査方向Yと平行な軸線回りに揺動回転させるβモータ(図示せず)と、液滴吐出ヘッド22を主走査方向と平行な軸線回りに揺動回転させるγモータ(図示せず)と、そして液滴吐出ヘッド22を上下方向へ平行移動させるZモータ(図示せず)とを備えている。基板位置制御装置18は、媒体としての基板120を載せるテーブル49と、そのテーブル49を面内回転させるθモータ(図示せず)とを備えている。主走査駆動装置19は、主走査方向Xへ延びるXガイドレール52と、パルス駆動されるリニアモータを内蔵したXスライダ53とを備えている。Xスライダ53は、内蔵するリニアモータが作動するときにXガイドレール52に沿って主走査方向へ平行移動する。副走査駆動装置21は、副走査方向Yへ延びるYガイドレール(図示せず)と、パルス駆動されるリニアモータを内蔵したYスライダ56とを備えている。Yスライダ56は、内蔵するリニアモータが作動するときにYガイドレールに沿って副走査方向Yへ平行移動する。Xスライダ53およびYスライダ56内においてパルス駆動されるリニアモータは、該モータに供給するパルス信号によって出力軸の回転角度制御を精細に行うことができ、従って、Xスライダ53に支持された液滴吐出ヘッド22の主走査方向X上の位置やテーブル49の副走査方向Y上の位置などを高精細に制御できる。なお、液滴吐出ヘッド22やテーブル49の位置制御は、パルスモータを用いた位置制御に限られず、サーボモータを用いたフィードバック制御や、その他任意の制御方法によって実現することもできる。
基板供給装置23は、基板120を収容する基板収容部57と、基板120を搬送するロボット58とを備えている。ロボット58は、床、地面などといった設置面に置かれる基台59と、基台59に対して昇降移動する昇降軸61と、昇降軸61を中心として回転する第1アーム62と、第1アーム62に対して回転する第2アーム63と、第2アーム63の先端下面に設けられた吸着パッド64とを備えており、吸着パッド64は、空気吸引などによって基板120を吸着できる。
また、液滴吐出ヘッド22の近傍には、その液滴吐出ヘッド22と一体に移動するヘッド用カメラ79が配置されている。なお、ベース9上に設けた支持装置(図示せず)には基板用カメラ(図示せず)が配置され、基板用カメラは、基板120を撮影可能である。
ここで、主走査駆動装置19によって駆動されて主走査移動する液滴吐出ヘッド22の軌跡下であって副走査駆動装置21の一方の脇位置には、キャッピング機構76およびクリーニング機構77が配置され、キャッピング機構76は、液滴吐出ヘッド22が待機状態にあるときにノズルの乾燥を防止するための機構である。クリーニング機構77は、液滴吐出ヘッド22を洗浄するための機構である。また、副走査駆動装置21の他方の脇位置には、液滴吐出ヘッド22内の個々のノズル27から吐出される液滴の重量を測定する電子天秤78が配置されている。
(液滴吐出ヘッドの構成)
図5(A)、(B)はそれぞれ、液滴吐出ヘッド22の構成を示す説明図である。図6(A)、(B)、(C)はそれぞれ、液滴吐出ヘッド22の内部構造を模式的に示す説明図、撓み振動モードの圧力発生素子の説明図、および縦振動モードの圧力発生素子の説明図である。なお、液滴吐出装置において、1台で各色に対応する液滴を吐出する場合、各色に対応する液滴吐出ヘッド22が共通のキャリッジ26に複数、保持されるか、1つの液滴吐出ヘッド22に各色分のノズル開口22が形成されることになる。
図5(A)に示すように、液滴吐出ヘッド22は、液滴として吐出する液状物Mを貯留しておくタンク状、カートリッジ状などの液状物貯留部37に接続されている。また、液滴吐出ヘッド22は、多数のノズル開口27を列状に並べることによって形成されたノズル列28を備えている。ノズル開口27の数は、例えば180個であり、ノズル開口27の穴径は例えば28μmであり、ノズル開口27間のノズルピッチは例えば141μmである。なお、液滴吐出ヘッド22の基板120に対する主走査方向Xおよびそれに直交する副走査方向Yは図示の通りである。すなわち、液滴吐出ヘッド22は、そのノズル列28が主走査方向Xと交差する方向へ延びるように位置設定され、この主走査方向Xへ平行移動する間に、液状物を複数のノズル開口27から選択的に吐出することにより、基板120内の所定位置に液滴を着弾させる。また、液滴吐出ヘッド22は副走査方向Yへ所定距離だけ平行移動することにより、液滴吐出ヘッド22による主走査位置を所定の間隔でずらせることができる。
図6(A)、(B)に示すように、液滴吐出ヘッド22は、例えば、ステンレス製のノズルプレート29と、それに対向する弾性板31と、それらを互いに接合する複数の仕切部材32とを有している。ノズルプレート29と弾性板31との間には、仕切部材32によって複数の圧力発生室33、および液溜り34が形成され、複数の圧力発生室33と液溜り34とは液状物流入口38を介して互いに連通している。弾性板31の適所には液状物供給穴36が形成され、この液状物供給穴36に液状物貯留部37が接続される。従って、液状物貯留部37は吐出されることとなる液状物Mを液状物供給穴36へ供給する。供給された液状物Mは液溜り34に充満し、さらに液状物流入口38を通って圧力発生室33に充満する。このようにして、液状物貯留部37と各圧力発生室33とが連通している。
ノズルプレート29には、圧力発生室33から液状物Mを液滴M0として噴射するためのノズル開口27が設けられており、そのノズル開口27が開口しているノズル形成面271は平坦面とされている。このようにしてノズル開口27は、圧力発生室33で開口している。弾性板31の圧力発生室33を形成する面の裏面には、この圧力発生室33に対応させて圧力発生素子39が取り付けられている。この圧力発生素子39は、例えば、図6(B)に示すように、圧電素子41、およびこの圧電素子41を挟持する一対の電極42a、42bを備えたたわみ振動モードの圧電素子である。その振動方向を矢印Cで示す。なお、図6(C)に示すように、圧力発生素子39としては、縦振動モードの圧電素子を用いてもよい。この縦振動モードの圧電素子(圧力発生素子39)では、伸長方向に平行に圧電材料と導電材料を交互に積層して構成されており、その先端は弾性板31に固定され、他端は基台20に固定されている。このような圧力発生素子39では、充電状態では導電層の積層方向と直角な方向に収縮し、また充電状態が解かれると、導電層と直角な方向に伸長する。
いずれの圧電素子を用いた場合も、電極間に印加される駆動信号によって変形し、圧力発生室33を膨張、収縮させる。なお、ノズル開口27の周辺部には、液滴M0の飛行曲がりやノズル開口27の穴詰まりなどを防止するために、例えばNi−テトラフルオロエチレン共析メッキ層からなる撥液状物層43が設けられる。
(制御系および駆動系の構成)
図7は、図4に示す液滴吐出装置の制御系を示すブロック図である。図8および図9は、図4に示す液滴吐出装置に用いた液滴吐出ヘッドのヘッド駆動部の電気的構成を示す説明図、およびヘッド駆動部を構成する素子の説明図である。なお、図7に示す例では、制御系をコンピュータ本体部側に構成した例を示してあるが、その一部については、液滴吐出装置本体側に構成してもよい。
図4に示すコントロール装置24は、プロセッサを収容したコンピュータ本体部66と、入力装置67としてのキーボードと、表示装置としてのCRTディスプレイ68とを有している。上記プロセッサは、図7に示すように、演算などの処理を行うCPU(Central Processing Unit/ヘッド制御手段)69と、各種情報を記憶するメモリすなわち情報記憶媒体71とを有しており、図4を参照して説明したヘッド位置制御装置17、基板位置制御装置18、主走査駆動装置19、副走査駆動装置21、および液滴吐出ヘッド22内の圧力発生素子39(図6(B)、(C)を参照)を駆動するヘッド駆動部8などは、入出力インターフェース73およびバス74を介してCPU69に接続されている。
ヘッド駆動部8は、複数の液滴吐出ヘッド22と表示装置用基板120との相対移動に連動して、所定のビットマップに基づいて圧力発生素子39を作動させ、液滴吐出ヘッド22の各ノズル開口27から液滴を吐出させて表示装置用基板120に所定のパターンを描画する。なお、基板供給装置23、入力装置67、CRTディスプレイ68、電子天秤78、クリーニング装置77およびキャッピング装置76なども、入出力インターフェース73およびバス74を介してCPU69に接続されている。
情報記憶媒体71としてのメモリは、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などといった半導体メモリや、ハードディスク、CD−ROM読取り装置、ディスク型記憶媒体などといった外部記憶装置などを含む概念であり、機能的には、液滴吐出装置10の動作の制御手順が記述されたプログラムソフトを記憶する記憶領域、液状物の表示装置用基板120上における吐出位置(ビットマップ)を座標データとして記憶するためのビットマップ記憶領域、副走査方向Yへの表示装置用基板120の副走査移動量を記憶するための記憶領域、CPU69のためのワークエリアやテンポラリファイルなどとして機能する領域などの各種記憶領域が設定されている。
CPU69は、情報記憶媒体71であるメモリ内に記憶されたプログラムソフトに従って、表示装置用基板120に表面の所定位置に液状物を吐出するための制御を行うものである。具体的な機能実現部として、クリーニング処理を実現するための演算を行うクリーニング演算部、キャッピング処理を実現するためのキャッピング演算部、電子天秤を用いた重量測定を実現するための演算を行う重量測定演算部、および液滴吐出によって所定のパターンを描画するための演算を行う描画演算部などを備えている。この描画演算部を詳しく分割すれば、液滴吐出ヘッド22を描画のための初期位置へセットするための描画開始位置演算部、液滴吐出ヘッド22を主走査方向Xへ所定の速度で走査移動させるための制御を演算する主走査制御演算部、表示装置用基板120を副走査方向Yへ所定の副走査量だけずらせるための制御を演算する副走査制御演算部、および液滴吐出ヘッドの複数のノズル開口27のうちのいずれを作動させて液状物を吐出するかを制御するためビットマップを形成するための演算を行うビットマップ演算部(ノズル吐出制御演算部)などといった各種の機能演算部を有している。
図8に示すように、ヘッド駆動部8は、所定の電源を生成する電源生成部87と、コンピュータ本体部66から出力された制御信号、および電源生成部87から供給される電源に基づいて駆動信号COMを形成する駆動信号発生回路88(駆動信号発生手段)とを備えている。また、ヘッド駆動部8は、シフトレジスタ80、ラッチ回路81、レベルシフタ82、およびスイッチ回路84を備えており、スイッチ回路84に圧力発生素子22が接続されている。ここで、シフトレジスタ80、ラッチ回路81、レベルシフタ82、スイッチ回路83、および圧力発生素子39はそれぞれ、図9に示すように、液滴吐出ヘッド22の各ノズル開口27毎に設けたシフトレジスタ素子80A〜80N、ラッチ素子81A〜81N、レベルシフタ素子82A〜82N、スイッチ素子83A〜83N、圧力発生素子39A〜39Nから構成され、シフトレジスタ80、ラッチ回路81、レベルシフタ82、スイッチ回路83、圧力発生素子39の順で電気的に接続されている。
このようなヘッド駆動部8により、圧力発生素子39に駆動信号COMを印加して液滴を吐出させる制御について説明する。なお、以下の説明ではドットパターンデータを構成する吐出データ(1ドットデータに相当)を、複数ビットで構成した場合について説明する。まず、ヘッド駆動部8では、コンピュータ本体部66の発振回路(図示せず)からのクロック信号(CLK)に同期して、コンピュータ本体部66から出力された吐出データ(SI)の内の最上位ビットのデータを、順次シフトレジスタ素子80A〜80Nにセットする。全ノズル開口分の吐出データがシフトレジスタ素子80A〜80Nにセットされると、コンピュータ本体部66は、所定のタイミングでラッチ回路81、すなわち、ラッチ素子81A〜81Nへラッチ信号(LAT)を出力する。このラッチ信号により、ラッチ素子81A〜81Nは、シフトレジスタ素子80A〜80Nにセットされた吐出データをラッチする。このラッチされた吐出データは、電圧増幅器であるレベルシフタ82、すなわち、レベルシフタ素子82A〜82Nに供給される。各レベルシフタ素子82A〜82Nは、吐出データが例えば「1」の場合に、スイッチ回路43が駆動可能な電圧、例えば、数十ボルトまでこの吐出データを昇圧する。そして、この昇圧された吐出データはスイッチ回路83、すなわち、スイッチ素子83A〜83Nに印加され、スイッチ素子83A〜83Nは、当該吐出データにより接続状態になる。ここで、各スイッチ素子83A〜83Nには、駆動信号発生回路88から駆動信号(COM)が印加されており、スイッチ素子83A〜83Nが接続状態になると、このスイッチ素子83A〜83Nに接続された圧力発生素子39A〜39Nに駆動信号が供給される。なお、吐出データが例えば「0」の場合には、対応する各レベルシフタ素子39A〜39Nは昇圧を行わない。そして、最上位ビットのデータに基づいて駆動信号を印加すると、続いて、コンピュータ本体部66は、1ビット下位のデータをシリアル伝送させてシフトレジスタ素子80A〜80Nにセットする。そして、シフトレジスタ素子80A〜80Nにデータがセットされたならば、ラッチ信号を印加させることにより、セットされたデータをラッチさせ、駆動信号を圧力発生素子39A〜39Nに供給させる。以後は、1ビットずつ吐出データを下位ビットにシフトしながら最下位ビットまで同様の動作を繰り返し行う。
このように、圧力発生素子39に駆動信号を供給するか否かを、吐出データによって制御できる。すなわち、吐出データを「1」にすることにより駆動信号COMを圧力発生素子39に供給でき、吐出データを「0」にすることにより駆動信号COMの圧力発生素子39への供給を遮断することができる。なお、吐出データを「0」にした場合、圧力発生素子39は直前の電荷(電位)を保持する。
(駆動信号COMの波形)
図10は、図4に示す液滴吐出装置に用いた駆動信号の一例を示す波形図である。図6(A)および図10において、圧力発生素子39に印加される駆動信号COMは、吐出すべき液状物Mの粘度などに応じて最適な波形に設定されるが、ここに示す駆動信号COMは、中間電位Vmから最高電位VPSまで電位を変化させて圧力発生室33を初期状態から膨張させる吐出用膨張要素S1と、最高電位VPSを保持して圧力発生室33の膨張状態を保持する吐出用ホールド要素S2と、最高電位VPSから最低電位VLSまで電位を変化させて膨張状態にある圧力発生室33を収縮させて液滴M0を吐出させる吐出用収縮要素S3と、最低電位VLSを保持して圧力発生室33の収縮状態を保持する制振用ホールド要素S4と、最低電位VLSから中間電位Vmに変化させて収縮状態にある圧力発生室33を初期状態にまで復帰させる制振用膨張要素S5と、中間電位Vmを保持するホールド要素S6とを含んでいる。
このような駆動信号COMにおいて、吐出用膨張要素S1が圧力発生素子39に印加されると、圧力発生素子39は圧力発生室33の容積を膨張させる方向に変形し、圧力発生室39内に負圧を発生させる。このような状態は、吐出用ホールド要素S2が印加されている間、保持される。その結果、メニスカスは、圧力発生室33に引き込まれた状態になり、かつ、圧力発生室33は液状物Mによって確実に満たされた状態となる。次に、吐出用収縮要素S3が圧力発生素子39に印加されると、圧力発生素子39は、圧力発生室33の容積が収縮する方向に変形し、圧力発生室39内に正圧を発生させる。その結果、メニスカスがノズル開口27から盛り上がり、液滴M0となって吐出される。その後、制振用ホールド要素S4および制振用膨張要素S5が圧力発生素子39に印加されると、それに伴って、圧力発生室33へのメニスカスの停止、引き込みが行われる。また、液状物流入口38から圧力発生室33に液状物M0が供給される。
(液滴吐出系の系列化)
本形態では、図5(A)に示すように、液滴吐出装置10では、液状物貯留部37、圧力発生室33、ノズル開口27および圧力発生素子39などによって液滴吐出機構が構成されているが、本形態では、液滴吐出機構として、2系列の第1の液滴吐出機構11Aおよび第2の液滴吐出機構11Bが構成され、それに伴って、図6(A)に示す液状物Mの流路、図8および図9に示す駆動回路の一部も系列化されている。
ここで、第1の液滴吐出機構11Aおよび第2の液滴吐出機構11Bには、液状物Mとして、組成の異なる液状物MA、MBが貯留されており、液滴吐出機構11A、11Bのノズル開口27は各々、液滴M0として、異なる組成の液滴MA0、MB0を基板(図4の基板120)上の略同一箇所にドット状に吐出し、基板120上で液滴MA0、MB0同士を混合させる。
本形態では、前記した有機EL素子110の中間層13bを形成するために、第1の液滴吐出機構11Aは、例えば、中間層13bの有機材料(前記化学式(I参照))を形成するための材料をポリマー、オリゴマー、あるいはモノマーとして含む有機溶剤系の液状物MAを吐出するための系列として利用され、第2の液滴吐出機構11Bは、中間層13bのドーパント(前記化学式(II)参照)を含む有機溶剤系の液状物MBを基板上に吐出するための系列として利用される。そして、基板上で液滴MA0、MB0同士を混合させた後、乾燥、焼成すると、有機EL素子110の中間層13b(組成物)を形成することができる。
ここで、液状物MA、MBの溶媒としては、キシレン、シクロへキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等が用いられている。いずれの場合も、液状物MA、MAの有機溶媒としては、非極性溶媒が好適とされ、特に中間層113bが正孔注入層113aの上に形成されることから、この正孔注入層113aに対して不溶なものが用いられる。
また、本形態では、第1の液滴吐出機構11Aおよび第2の液滴吐出機構11Bはいずれも、基板120上の1箇所当たりの液滴重量を基板120上の位置、すなわち、画素115(R)、15(G)、15(B)によって相違させるように構成されている。従って、基板120上において、液滴MA0、MB0を混合、固化させて、図2および図3に示す中間層13cを形成する際、中間層13cの厚さ、および中間層13cにおけるドーパント濃度を画素115(R)、15(G)、15(B)によって相違させることができる。
ここで、基板120上の1箇所当たりの液滴重量は、第1の液滴吐出機構11Aおよび第2の液滴吐出機構11Bが吐出する液滴MA0、MB0の1滴当たりの重量×液滴数によって制御される。従って、第1の液滴吐出機構11Aおよび第2の液滴吐出機構11Bが吐出する液滴MA0、MB0の1滴当たりの重量がいずれの位置でも等しくて、1箇所当たりの液滴の数が位置によって相違する方式を採用できる。また、第1の液滴吐出機構11Aおよび第2の液滴吐出機構11Bが吐出する液滴MA0、MB0の数がいずれの位置でも等しくて、1滴当たりの重量が位置によって相違する方式を採用することもできる。以下の説明では、前者の方式を採用した場合を説明する。
(有機EL装置の製造方法)
図11〜14は、上記液滴吐出装置を用いて有機EL装置100を製造する方法を示す工程断面図である。
本形態の有機EL装置100を製造するには、まず、図11(A)に示すように、基板120を用意する。ここで、有機EL装置100がボトムエミッション型である場合、基板120としてはガラスや石英、樹脂等の透明ないし半透明なものが用いられるが、特にガラスが好適に用いられる。また、基板120に色フィルター膜や蛍光性物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜を配置して、発光色を制御するようにしてもよい。これに対して、有機EL装置100がトップエミッション型である場合、基板120は不透明であってもよく、その場合、アルミナ等のセラミックス、ステンレス等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したもの、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。
次に、基板120に対して、必要に応じてTEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料としてプラズマCVD法により厚さ約200〜500nmのシリコン酸化膜からなる下地保護膜(図示せず)を形成する。
次に、基板120の温度を約350℃に設定して、下地保護膜の表面にプラズマCVD法により厚さ約30〜70nmのアモルファスシリコン膜からなる半導体膜109を形成する。次に、半導体膜109に対してレーザアニールまたは固相成長法などの結晶化工程を行い、半導体膜109をポリシリコン膜に結晶化する。レーザアニール法では、例えばエキシマレーザでビームの長寸が400mmのラインビームを用い、その出力強度は、例えば200mJ/cm2とする。ラインビームについては、その短寸方向におけるレーザ強度のピーク値の90%に相当する部分が各領域毎に重なるようにラインビームを走査する。
次に、図11(B)に示すように、半導体膜(ポリシリコン膜)109をパターニングして島状の半導体膜109aとし、その表面に対して、TEOSや酸素ガスなどを原料としてプラズマCVD法により厚さ約60〜150nmのシリコン酸化膜または窒化膜からなるゲート絶縁膜121を形成する。なお、半導体膜109aは、図2に示す薄膜トランジスタ107のチャネル領域およびソース・ドレイン領域となるものであるが、異なる断面位置においては薄膜トランジスタ106のチャネル領域およびソース・ドレイン領域となる半導体膜も形成されている。すなわち、有機EL装置100では、二種類のトランジスタ106、107が同一の層間、あるいは異なる層間に形成されるが、概ね同一の手順で形成されるため、以下の説明では、薄膜トランジスタ107についてのみ説明し、薄膜トランジスタ106についてはその説明を省略する。
次に、図11(C)に示すように、アルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステンなどの金属膜からなる導電膜をスパッタ法により形成した後、これをパターニングし、ゲート電極143などを形成する。次に、この状態でリンなどの不純物を打ち込み、半導体膜109aに、ゲート電極143に対して自己整合的にソース・ドレイン領域109b、109cを形成する。なお、不純物が導入されなかった部分がチャネル領域109dとなる。
次に、図11(D)に示すように、第1層間絶縁膜122を形成した後、コンタクトホールを形成し、これらのコンタクトホールを介してソース・ドレイン領域109b、109cに電気的に接続するソース・ドレイン電極126および共通給電線165を形成する。その際、データ線164なども形成する。
次に、図11(E)に示すように、各配線の上面を覆うように、SiO2、TiO2などの無機絶縁膜からなる第2層間絶縁膜123を形成した後、第2層間絶縁膜123に対してソース・ドレイン電極126に対応する位置にコンタクトホールを形成する。
次に、画素電極形成工程において、第2層間絶縁膜23の上層にITO膜を形成した後、ITO膜をパターニングして、データ線164、走査線163および共通給電線165に囲まれた所定位置に画素電極111を形成する。
次に、必要に応じて、大気雰囲気中で酸素を処理ガスとするプラズマ処理(O2プラズマ処理)を行い、画素電極111あるいは、第2層間絶縁膜123のうち、画素電極111から露出している部分に親液性を付与する。
次に、図11(F)に示す隔壁形成工程において、図2に示す有機層113の形成場所を囲むように隔壁105を形成する。その結果、隔壁105の内側には凹部151が形成される。隔壁105は、仕切り部材として機能するものであり、例えば、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の絶縁性有機材料、あるいはポリシラザン等の絶縁性無機材料で形成する。隔壁5の膜厚については、例えば1〜2μmの高さとなるように形成する。
次に、必要に応じて、隔壁105に対して撥液化処理を行い、隔壁105に対して、有機層113を形成するための液状物に対する撥液性を付与する。このような撥液性を付与するためには、例えば、隔壁105の表面をフッ素系化合物などで表面処理するといった方法が採用される。フッ素化合物としては、例えばCF4、SF5、CHF3などがあり、表面処理としては、例えばプラズマ処理、UV照射処理などが挙げられる。
次に、図12(A)に示す液滴吐出工程(液状物充填工程)においては、基板120の上面を上に向けた状態で、図5を参照して説明したような液滴吐出ヘッドより、液状の正孔注入層形成材料40a(液状物)を、隔壁105に囲まれた凹部151内に選択的に充填する。その際、正孔注入層形成材料140aは、流動性が高いため水平方向に広がろうとするが、塗布された位置を囲んで隔壁105が形成されているので、正孔注入層形成材料140aは隔壁105を越えてその外側に広がることがない。ここで、正孔注入層形成材料140aとしては、例えば、ポリオレフィン誘導体である3,4−ポリエチレンジオシチオフェン(PEDOT)や、PEDOT/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)を正孔注入材料として用い、これを有機溶剤を主溶媒として分散させてなる分散液が好適に用いられる。例えばポリオレフィン誘導体である3,4−ポリエチレンジオシチオフェン(PEDOT)/ポリエチレンスルフォン酸(PSS)は水系の分散溶液であり、この分散液が好適に用いられる。但し、正孔注入材料としては、前記のものに限定されることなく、ポリマー前駆体がポリテトラヒドロチオフェニルフェニレンであるポリフェニレンビニレン、1,1−ビス−(4−N、N−ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサン等を用いることもできる。
このようにして正孔注入層形成材料140aを液滴吐出ヘッドから吐出して所定位置に配置した後、液状の正孔注入層形成材料140aに対して乾燥処理を行い、正孔注入層形成材料140a中の分散媒を蒸発させ、正孔注入層形成材料140aを固化させる(固化工程)。その結果、図12(B)に示すように、画素電極111上に正孔注入層13aが形成される。
次に、図13(A)に示す液滴吐出工程(液状物充填工程)においては、基板120の上面を上に向けた状態で、基板120の上面を上に向けた状態で、上述した第1の液滴吐出機構11Aのノズル開口27から、中間層13bの有機材料を形成するための材料を含む有機溶剤系の液状物MAの液滴MA0を、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各画素115(R)、115(G)、115(B)において、隔壁105に囲まれた凹部151内に選択的に充填する。ここで、液状物MAは、前記した有機EL素子110の中間層13bの有機材料(前記化学式(I参照))を形成するための材料をポリマー、オリゴマー、あるいはモノマーとして1wt%含む有機溶剤系の液状物であり、各画素115(R)、115(G)、115(B)に対して吐出した液滴MA0の重量は、例えば、
画素115(R)への液滴MA0の吐出量=100ng
画素115(G)への液滴MA0の吐出量=100ng
画素115(B)への液滴MA0の吐出量=150ng
である。その際、液状物MAは、流動性が高いため水平方向に広がろうとするが、塗布された位置を囲んで隔壁105が形成されているので、液状物MAは隔壁105を越えてその外側に広がることがない。
次に、図13(B)に示す液滴吐出工程(液状物充填工程)においては、基板120の上面を上に向けた状態で、基板120の上面を上に向けた状態で、上述した第2の液滴吐出機構11Bのノズル開口27から、ドーパントを含む有機溶剤系の液状物MBの液滴MB0を、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各画素115(R)、115(G)、115(B)において、隔壁105に囲まれた凹部151内に選択的に充填する。ここで、液状物MBは、前記した有機EL素子110の中間層13bのドーパント(前記化学式(II)参照)を0.1wt%含む有機溶剤系の液状物であり、各画素115(R)、115(G)、115(B)に対して吐出した液滴MBA0の重量は、例えば、
画素115(R)への液滴MB0の吐出量=10ng
画素115(G)への液滴MB0の吐出量=20ng
画素115(B)への液滴MB0の吐出量=15ng
である。その際、液状物MBは、流動性が高いため水平方向に広がろうとするが、塗布された位置を囲んで隔壁105が形成されているので、液状物MBは隔壁105を越えてその外側に広がることがない。その結果、基板120上で液滴MA0、MB0が好適に混合されることになる。
次に、液滴MA0、MB0の混合物から有機溶剤を蒸発、乾燥させる。その結果、図13(C)に示すように、正孔層注入層113a上に、固形の中間層113b(画素構成要素)がドット状に形成される。また、各画素115(R)、115(G)、115(B)には各々、最適な膜厚で最適なドーパンント濃度の中間層113bが形成される。
次に、図14(A)に示す液滴吐出工程(液状物充填工程)においては、基板120の上面を上に向けた状態で、図5を参照して説明したような液滴吐出ヘッドより、発光層形成材料140c(液状物)を、隔壁105に囲まれた凹部151内に選択的に充填する。発光材料としては、例えば分子量が1000以上の高分子材料が用いられる。具体的には、ポリフルオレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、またはこれらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、例えばルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等をドープしたものが用いられる。なお、このような高分子材料としては、二重結合のπ電子がポリマー鎖上で非極在化しているπ共役系高分子材料が、導電性高分子でもあることから発光性能に優れるため、好適に用いられる。特に、その分子内にフルオレン骨格を有する化合物、すなわちポリフルオレン系化合物がより好適に用いられる。また、このような材料以外にも、例えば特開平11−40358号公報に示される有機EL素子用組成物、すなわち共役系高分子有機化合物の前駆体と、発光特性を変化させるための少なくとも1種の蛍光色素とを含んでなる有機EL素子用組成物も、発光層形成材料として使用可能である。このような発光材料を溶解あるいは分散する有機溶媒としては、非極性溶媒が好適とされ、特に発光層113cが中間層113bの上に形成されることから、この中間層113bに対して不溶なものが用いられる。具体的には、キシレン、シクロへキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等が好適に用いられる。なお、発光層形成材料140cの吐出による発光層の形成は、赤色の発色光を発光する発光層の形成材料、緑色の発色光を発光する発光層の形成材料、青色の発色光を発光する発光層の形成材料を、それぞれ対応する画素に吐出し塗布することによって行う。また、各色に対応する画素は、これらが規則的な配置となるように予め決められている。
このようにして各色の発光層形成材料140cを吐出した後、液状の発光層形成材料140cに対して乾燥処理を行い、発光層形成材料140c中の分散媒を蒸発させ、発光層形成材料140cを固化させる(固化工程)。その結果、図14(B)に示すように、中間層113b上に固形の発光層113cが形成される。これにより、正孔注入層113a、中間層113b、および発光層113cからなる有機層113が形成される。
なお、発光層形成材料140cの乾燥処理については、発光層形成材料140cのガラス転移点未満の温度、例えば100°未満の温度で加熱することにより、乾燥するのが好ましい。このような温度で乾燥することにより、発光層形成材料140c中の溶剤の蒸発速度を比較的低く抑えることができるとともに、発光層形成材料140cの液状化による流動も抑えることができ、その結果、得られる発光層113cについても十分に平坦化することができる。また、発光層形成の際の乾燥処理によって生じる熱的ダメージが、発光層発光層113cだけでなく、正孔注入層113aや中間層113bに対しても小さくなり、初期輝度の低下などによる表示性能の低下が抑制される。
次に、図3(A)に示すように、基板120の表面全体に、あるいはストライプ状に、LiF/Al(LiFとAlとの積層膜)やMgAg、あるいはLiF/Ca/Al(LiFとCaとAlとの積層膜)を蒸着法等によって成膜し、対向電極112を形成する。その後、封止を行った後、さらに配線等の各種要素を形成することにより、有機EL素子110を各画素115に備えた有機EL装置100を製造することができる。
[その他の実施の形態]
また、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能であり、実施形態で挙げた具体的な材料や構成などは一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、上記形態では、画素電極111(第1の電極層)、正孔注入層113a、有機層113、および対向電極112(第2の電極層)がこの順に積層された有機EL素子110(自発光素子)において、正孔注入層113aと発光層113cとの層間に中間層113bを配置したが、第1の電極層、電子注入層、有機機能層、第2の電極層がこの順に積層された有機EL素子において、電子注入層と発光層との層間に中間層を配置してもよい。この場合、中間層には、この中間層を構成する有機材料中にドナー性(還元性)のドーパントをドープするのが好ましい。
また、上記形態では、有機EL装置に本発明を適用したが、このような電気光学装置については、携帯電話機、パーソナルコンピュータやPDAなど、様々な電子機器において表示装置として用いることができる。
さらに、本発明を適用した発光装置は、デジタル複写機やプリンタなどの画像形成装置における露光用ヘッドとして用いることもできる。
さらにまた、有機機能層への不純物イオンの拡散に起因する効率の低下や信頼性の低下は、薄膜トランジスタや太陽電池など、キャリア注入層と有機機能層が積層された半導体素子全般における問題点でもあるので、かかる半導体装置の問題点を解消するのに本発明を適用してもよい。
自発光素子として有機EL素子を備えた有機EL装置の電気的構成を示すブロック図である。 (A)、(B)は、本発明を適用した有機EL装置の1画素分の平面図および断面図である。 (A)、(B)は、本発明を適用した有機EL装置の各色に対応する3つの画素(1ドット分)の断面図、および中間層のエネルギー障壁を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る液滴吐出装置の全体構成を示す斜視図である。 (A)、(B)はそれぞれ、液滴吐出装置に用いた液滴吐出ヘッドの構成を示す説明図である。 (A)、(B)、(C)はそれぞれ、液滴吐出装置に用いた液滴吐出ヘッドの内部構造を模式的に示す説明図、撓み振動モードの圧力発生素子の説明図、および縦振動モードの圧力発生素子の説明図である。 図4に示す液滴吐出装置に用いた液滴吐出ヘッドの制御系、駆動系の構成を示す説明図である。 図4に示す液滴吐出装置に用いた液滴吐出ヘッドのヘッド駆動部の電気的構成を示す説明図である。 図8に示すヘッド駆動部を構成する素子の説明図である。 図4に示す液滴吐出装置で用いられる駆動信号の一例を示す波形図である。 本発明に係る有機EL表示装置の製造方法を示す工程断面図である。 本発明に係る有機EL表示装置の製造方法を示す工程断面図である。 本発明に係る有機EL表示装置の製造方法を示す工程断面図である。 本発明に係る有機EL表示装置の製造方法を示す工程断面図である。
符号の説明
100 有機EL装置(発光装置)、105 隔壁、110 有機EL素子(自発光素子)、111 画素電極(第1の電極層)、112 対向電極(第2の電極層)、113 有機層、113a 正孔注入層(キャリア注入層)、113b 中間層、113c 発光層(有機機能層)、120 基板、140a 正孔注入層形成材料、140c 発光層形成材料、163 走査線、164 データ線、165 共通給電線、MA、MB 中間層を形成するための液状物、MA0、MB0 中間層を形成するための液状物の液滴

Claims (13)

  1. 少なくとも、第1の電極層、有機機能層および第2の電極層が積層された自発光素子を有する発光装置において、
    前記第1の電極層と前記有機機能層との層間に、電子あるいは正孔のうちの一方のキャリアを前記有機機能層に注入するための有機組成物からなるキャリア注入層を備え、
    当該キャリア注入層と前記有機機能層との層間に、前記一方のキャリアに対する輸送性を備えたドーパント含有有機材料により形成された中間層を備えていることを特徴とする発光装置。
  2. 請求項1において、前記自発光素子は、前記一方のキャリアと、前記第2の電極層側から前記有機機能層に注入される他方のキャリアとの結合によって発光することを特徴とする発光装置。
  3. 請求項2において、前記自発光素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする発光装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記キャリア注入層は正孔注入層であり、前記中間層にドープされたドーパントは、アクセプタ性ドーパントであることを特徴とする発光装置。
  5. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記キャリア注入層は電子注入層であり、前記中間層にドープされたドーパントは、ドナー性ドーパントであることを特徴とする発光装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記中間層は、厚さが10nmから100nmまでの範囲であることを特徴とする発光装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかにおいて、前記自発光素子として、各色の光を出射する複数種類の自発光素子を備え、
    当該複数種類の自発光素子のうち、少なくとも2種類の自発光素子では、前記中間層の厚さが相違することを特徴とする発光装置。
  8. 請求項1ないし6のいずれかにおいて、前記自発光素子として、各色の光を出射する複数種類の自発光素子を備え、
    当該複数種類の自発光素子のうち、少なくとも2種類の自発光素子では、前記中間層におけるドーパント濃度が相違することを特徴とする発光装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれかにおいて、前記自発光素子は、基板上にマトリクス状に配置されていることを特徴とする発光装置。
  10. 少なくとも、第1の電極層、有機機能層および第2の電極層が積層された自発光素子を備えた発光装置の製造方法において、
    前記第1の電極層の形成工程を行った後、前記有機機能層の形成工程を行う前に、
    前記第1の電極層の上層に、電子あるいは正孔のうちの一方のキャリアを前記有機機能層に注入するための有機組成物からなるキャリア注入層を形成する工程と、
    前記キャリア注入層の上層に、前記一方のキャリアの輸送性を備えた有機材料を形成するための第1の液滴と、ドーパントを含む第2の液滴とを各々、前記キャリア注入層上に吐出して当該キャリア注入層上で液滴同士を混合させることにより、前記キャリア注入層上に、前記有機材料中に前記ドーパントがドープされた中間層を形成する中間層形成工程と
    を行うことを特徴とする発光装置の製造方法。
  11. 請求項10において、前記発光素子として、前記一方のキャリアと、前記第2の電極層側から前記有機機能層に注入される他方のキャリアとの結合によって発光する自発光素子を形成することを特徴とする発光装置の製造方法。
  12. 請求項10または11において、前記自発光素子として、各色の光を出射する複数種類の自発光素子を形成するとともに、
    前記中間層形成工程では、前記複数種類の自発光素子のうち、少なくとも2種類の自発光素子においては、前記キャリア注入層上に対する前記第1の液滴および前記第2の液滴のうちの少なくとも一方の吐出量を相違させることを特徴とする発光装置の製造方法。
  13. 請求項10ないし12のいずれかにおいて、前記自発光素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする発光装置の製造方法。
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