JP2007225856A - 電気光学装置の製造方法および電気光学装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液状組成物を電気光学装置用基板上に吐出した後、乾燥させて画素構成要素を形成する場合でも画素構成要素を一定の膜厚で効率よく形成でき、かつ、液状組成物の組成に対する制約のない電気光学装置の製造方法、および電気光学装置を提供すること。
【解決手段】有機エレクトロルミネッセンス装置の製造工程において、液状組成物を基板120上に吐出した後、液状膜Faを乾燥させて、正孔輸送層113aや発光層などの画素構成要素を形成するにあたって、吐出工程の後、乾燥工程の前に冷却工程を行って、乾燥工程では、基板120に向けて吐出する際の液状組成物の第1の温度より低くて液状組成物の凝固点よりも高い第2の温度まで液状膜Faを冷却した状態で減圧乾燥を行う。
【選択図】図6
【解決手段】有機エレクトロルミネッセンス装置の製造工程において、液状組成物を基板120上に吐出した後、液状膜Faを乾燥させて、正孔輸送層113aや発光層などの画素構成要素を形成するにあたって、吐出工程の後、乾燥工程の前に冷却工程を行って、乾燥工程では、基板120に向けて吐出する際の液状組成物の第1の温度より低くて液状組成物の凝固点よりも高い第2の温度まで液状膜Faを冷却した状態で減圧乾燥を行う。
【選択図】図6
Description
本発明は、液滴吐出ヘッドから吐出した液状組成物により画素構成要素を形成する電気光学装置の製造方法、および電気光学装置に関するものである。
各種の電気光学装置のうち、有機エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence)装置では、陽極層、発光層を含む有機機能層および陰極層が積層された有機エレクトロルミネッセンス素子が形成されている。このような有機エレクトロルミネッセンス素子を製造するにあたって、有機機能層を形成する方法としては、基板上に、高分子材料からなる有機機能材料を溶媒(分散媒を含む)に溶解あるいは分散した液状組成物をノズル開口から基板上にドット状に吐出して基板上に液状膜を配置した後、液状膜から溶媒を乾燥させることにより基板上に有機機能材料を定着させる方法が提案されている。
しかしながら、液状膜を乾燥させる際、その乾燥は、主に液状膜の周辺部(エッジ部)側から始まることや、液状膜から蒸発した溶媒蒸気の濃度が液状膜表面の中央部で高く、周辺部では低くなっていることから蒸発速度に差が発生することなどに起因して、液状膜内では中央部側から周辺部側に向かって溶媒の対流が起こる。その結果、液状膜では溶質が周辺部へ移動するため、形成された有機機能膜は、周辺部で膜厚が厚くなる一方、中央部で膜厚が薄くなるなど、膜厚分布に大きなばらつきが発生してしまう。例えば、中央部の膜厚が50nm程度であるのに対し、周辺部の膜厚が80nm程度になってしまう。
そこで、有機機能層のうち、正孔注入層を形成する際、液状組成物を基板上に吐出した後、液状膜を凍結乾燥させることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−55283号公報
しかしながら、凍結乾燥を採用した場合には、凍結までの冷却に長い時間を要するため、スループットが著しく低下という問題点がある。また、凍結乾燥を採用した場合には、凝固点の面から液状組成物に使用可能な溶媒の種類に大きな制約があって、現実的には溶媒として水しか使用できず、液状組成物の粘度などを最適化したい場合でも水と有機溶剤との混合溶媒を使用できないという問題点がある。さらに、発光層の形成には溶媒として有機溶剤を使用することが多く、このような有機溶剤は、凝固点が低いので、凍結乾燥を採用できないという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、液状組成物を電気光学装置用基板上に吐出した後、乾燥させて画素構成要素を形成する場合でも画素構成要素を一定の膜厚で効率よく形成でき、かつ、液状組成物の組成に対する制約のない電気光学装置の製造方法、および電気光学装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、電気光学装置用基板の所定位置に液状組成物を吐出して当該電気光学装置用基板上に液状膜を配置する吐出工程と、前記液状膜を前記電気光学装置用基板上で乾燥させて画素構成要素を形成する乾燥工程とを有する電気光学装置の製造方法において、前記乾燥工程では、前記電気光学装置用基板に向けて吐出する際の前記液状組成物の第1の温度より低くて当該液状組成物の凝固点よりも高い第2の温度まで前記液状膜を冷却した状態で減圧乾燥を行うことを特徴とする。
本発明では、液状組成物を電気光学装置用基板上に吐出した後、液状膜を乾燥させて画素構成要素を形成するにあたって、乾燥工程では、電気光学装置用基板に向けて吐出する際の液状組成物の第1の温度より低くて液状組成物の凝固点よりも高い第2の温度まで液状膜を冷却した状態で乾燥を行うため、乾燥が液状膜の周辺部側から始まった場合でも、液状膜内での中央部側から周辺部側への溶媒の対流を抑制できる。また、減圧乾燥であるため、液状膜から蒸発した溶媒蒸気の濃度が液状膜表面の中央部と周辺部とで大きな差が発生しないことからも、蒸発速度に差が発生せず、液状膜内での中央部側から周辺部側への溶媒の対流を抑制できる。従って、乾燥工程中、液状膜の膜厚が周辺部と中央部と差が出ないので、画素構成要素を一定の膜厚で形成することができる。しかも、本形態では、液状膜が凍結するまで冷却する必要がないため、冷却時間が短時間で済むので、スループットが低下することがない。また、液状膜を凍結させる必要がないので、液状組成物に用いる溶媒としては、水単独に限らず、水と有機溶剤との混合溶媒、あるいは有機溶剤の単独溶媒を用いることができる。それ故、液状組成物の粘度などの最適化を図ることができるとともに、溶媒として有機溶剤を使用する発光層の形成にも本発明を適用することができる。
本発明において、前記液状膜を前記第2の温度まで冷却するにあたっては、例えば、前記吐出工程の後、前記乾燥工程の前に、前記液状膜を冷却する冷却工程を行う。
本発明において、前記液状膜を前記第2の温度まで冷却するにあたっては、前記吐出工程を行う前、あるいは当該吐出工程を行っている途中において前記電気光学装置用基板を冷却してもよい。
本発明において、前記第2の温度は、前記液状組成物の蒸気圧が前記第1の温度での値に対して1/2倍以下となる温度であることが好ましい。このような温度であれば、水の場合には、10℃位まで冷却すればよいことから、冷却時間が短く済み、かつ、冷却装置も簡素で小型のものを用いることができる。
本発明において、前記画素構成要素は、例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子において陽極層と陰極層の間に形成される有機機能層である。この場合、前記画素構成要素は、前記有機機能層に含まれる正孔輸送層および発光層であり、正孔輸送層および発光層のいずれを形成する場合でも、本発明を適用することが好ましい。すなわち、本発明は、エレクトロルミネッセンス装置の製造に適用することができ、このようなエレクトロルミネッセンス装置は、携帯電話機、テレビ、車載パネル、パーソナルコンピュータやPDAなどの電子機器においてフルカラー表示装置として用いることができる。また、本発明を適用したエレクトロルミネッセンス装置は、各種光源や、デジタル複写機やプリンタなどの画像形成装置における露光用ヘッドとして用いることができる。
また、本発明は、エレクトロルミネッセンス素子から白色光を出射するエレクトロルミネッセンス装置や、液晶装置において、カラーフィルタを形成するのに適用することができる。
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明に用いた各図では、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を相違させてある。
(有機エレクトロルミネッセンス装置の全体構成)
図1は、有機エレクトロルミネッセンス装置の電気的構成を示すブロック図である。図1に示す有機エレクトロルミネッセンス装置100は、駆動電流が流れることによって発光する有機エレクトロルミネッセンス素子を薄膜トランジスタで駆動制御する装置であり、このタイプの有機エレクトロルミネッセンス装置100では、有機エレクトロルミネッセンス素子が自己発光するため、バックライトを必要とせず、また、視野角依存性が少ないなどの利点がある。
図1は、有機エレクトロルミネッセンス装置の電気的構成を示すブロック図である。図1に示す有機エレクトロルミネッセンス装置100は、駆動電流が流れることによって発光する有機エレクトロルミネッセンス素子を薄膜トランジスタで駆動制御する装置であり、このタイプの有機エレクトロルミネッセンス装置100では、有機エレクトロルミネッセンス素子が自己発光するため、バックライトを必要とせず、また、視野角依存性が少ないなどの利点がある。
本形態の有機エレクトロルミネッセンス装置100では、複数の走査線163と、この走査線163の延設方向に対して交差する方向に延設された複数のデータ線164と、これらのデータ線164に並列する複数の共通給電線165と、データ線164と走査線163との交差点に対応する画素115とが構成され、画素115は、画像表示領域にマトリクス状に配置されている。データ線164に対しては、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン、アナログスイッチを備えるデータ線駆動回路151が構成されている。走査線163に対しては、シフトレジスタおよびレベルシフタを備える走査線駆動回路154が構成されている。また、複数の画素115の各々には、走査線163を介して走査信号がゲート電極に供給される画素スイッチング用の薄膜トランジスタ106と、この薄膜トランジスタ106を介してデータ線164から供給される画像信号を保持する保持容量133と、この保持容量133によって保持された画像信号がゲート電極に供給される電流制御用の薄膜トランジスタ107と、薄膜トランジスタ107を介して共通給電線165に電気的に接続したときに共通給電線165から駆動電流が流れ込む有機エレクトロルミネッセンス素子110とが構成されている。
(画素構成)
図2(A)、(B)は各々、本発明を適用した発光装置の1画素分の平面図および断面図である。図3は、本発明を適用した発光装置の各色に対応する3つの画素(1ドット分)の断面図である。
図2(A)、(B)は各々、本発明を適用した発光装置の1画素分の平面図および断面図である。図3は、本発明を適用した発光装置の各色に対応する3つの画素(1ドット分)の断面図である。
本形態の有機エレクトロルミネッセンス装置100を構成するにあたって、より具体的には、図2(A)、(B)に示すように、素子基板を構成するガラス基板などからなる基板120(電気光学装置用基板)上にシリコン酸化膜からなる下地保護膜(図示せず)が形成され、この下地保護膜上に、薄膜トランジスタ107などを構成するためのポリシリコン膜からなる半導体膜109aが島状に形成されている。半導体膜109aには不純物の導入によってソース・ドレイン領域109b、109cが形成され、不純物が導入されなかった部分がチャネル領域109dとなっている。下地保護膜および半導体膜109aの上層側にはゲート絶縁膜121が形成され、ゲート絶縁膜121上にはアルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)などからなる走査線163およびゲート電極143が形成されている。走査線163、ゲート電極143およびゲート絶縁膜121の上層側には、第1層間絶縁膜122と第2層間絶縁膜123とがこの順に積層されている。ここで、第1層間絶縁膜122および第2層間絶縁膜123は、シリコン酸化物(SiO2)、チタン酸化物(TiO2)などの無機絶縁膜から構成されている。
第1層間絶縁膜122の上層には、第1層間絶縁膜122およびゲート絶縁膜121のコンタクトホールを介してソース・ドレイン領域109b、109cにそれぞれ接続するソース・ドレイン電極126および共通給電線165が形成されている。また、第1層間絶縁膜122の上層にはデータ線164も形成されている。
第2層間絶縁膜123上には、ITO(酸化インジウム−スズ/Indium Tin Oxide)層からなる光透過性の画素電極111が形成され、この画素電極111は、第2層間絶縁膜123のコンタクトホールを介してソース・ドレイン電極126に電気的に接続している。従って、画素電極111は、薄膜トランジスタ107を介して共通給電線165に電気的に接続したとき、共通給電線165から駆動電流が流れ込む。
各画素115には、陽極層としての画素電極111と、有機機能層113と、陰極層としての対向電極112がこの順に積層された有機エレクトロルミネッセンス素子110が形成されている。有機機能層113は、画素電極111上に積層された正孔輸送層113aと、この正孔輸送層113aの上層側に形成された発光層113bとを備えている。発光層113bは、正孔輸送層113aの側から注入される正孔と、対向電極112の側から注入される電子とが結合して発光する領域としての機能を担っており、各画素115が赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のいずれの色に対応するかは、発光層113bを構成する有機材料の種類によって規定されている。発光層113bの膜厚は約80〜150nmである。
本形態では、正孔輸送層113aが、正孔を発光層113bに注入する正孔注入層としての機能も担っている。正孔輸送層113aは、ドーパントを導電性高分子材料中に含有する導電性高分子層からなり、正孔輸送層113aの膜厚は、例えば約10〜100nmである。このような正孔輸送層113aは、例えば、ドーパントとしてポリスチレンスルホン酸を含有する3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンなどから構成することができる。
本形態の有機エレクトロルミネッセンス装置100は、基板側に向けて表示光を出射するボトムエミッション型であり、対向電極112は、薄いカルシウム層やアルミニウム膜などといった光反射性の導電膜により構成されている。なお、有機エレクトロルミネッセンス装置100が、基板とは反対側に向けて表示光を出射するトップエミッション型である場合、対向電極112は、例えば、薄いカルシウム層と、ITO層などからなる光透過性陰極層とから構成され、画素電極111の下層側には、画素電極111の略全体と重なるようにアルミニウム膜などからなる光反射層が形成される。
本形態では、隣接する画素115の境界領域には、画素電極111の周縁部を取り囲むように、感光性樹脂からなる隔壁105がバンクとして形成されている。隔壁105は、有機機能層113を形成するのにインクジェット法(液体吐出法)を用いるとき、塗布される液状組成物の塗布領域を規定するものであり、その表面張力によって、液状組成物が均一な厚さで形成される。インクジェット式の液滴吐出装置としては、後述するように、圧電振動子の体積変化により流動体を吐出させるピエゾジェットの液滴吐出装置や、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いた液滴吐出装置などが採用される。ここで、液状組成物は、水性であると油性であるとを問わない。また、液状組成物については、流動性を備えていれば十分で、固体物質が混入していても全体として流動体であればよい。また、液体材料に含まれる固体物質は融点以上に加熱されて溶解されたものでも、溶媒中に微粒子として分散させたものでもよく、溶媒の他に染料や顔料その他の機能性材料を添加したものであってもよい。なお、基板120の素子形成面側には、水や酸素の侵入を防ぐことによって、陰極層あるいは機能層の酸化を防止する封止樹脂(図示せず)が形成され、さらに封止基板(図示せず)が貼られることがある。
(有機エレクトロルミネッセンス装置100の動作)
このように構成した有機エレクトロルミネッセンス装置100において、走査線163が駆動されて薄膜トランジスタ106がオン状態になると、そのときの信号線164の電位が保持容量133に保持され、この保持容量133の状態に応じて薄膜トランジスタ107の導通状態が制御される。また、薄膜トランジスタ107がオン状態になったとき、薄膜トランジスタ107を介して共通給電線165から画素電極111に電流が流れ、有機エレクトロルミネッセンス素子110では、有機機能層113を通じて対向電極112に電流が流れる。そして、このときの電流量に応じて発光層113bが発光する。そして、ボトムエミッション型の場合、発光層113bから発した光は、画素電極111および基板120を透過して出射される。これに対して、トップエミッション型の場合、対向電極112を透過して、観測者側に出射される一方、発光層113bから基板120に向けて出射された光は、画素電極111の下層に形成された光反射層によって反射され、対向電極112を透過して観測者側に出射される。
このように構成した有機エレクトロルミネッセンス装置100において、走査線163が駆動されて薄膜トランジスタ106がオン状態になると、そのときの信号線164の電位が保持容量133に保持され、この保持容量133の状態に応じて薄膜トランジスタ107の導通状態が制御される。また、薄膜トランジスタ107がオン状態になったとき、薄膜トランジスタ107を介して共通給電線165から画素電極111に電流が流れ、有機エレクトロルミネッセンス素子110では、有機機能層113を通じて対向電極112に電流が流れる。そして、このときの電流量に応じて発光層113bが発光する。そして、ボトムエミッション型の場合、発光層113bから発した光は、画素電極111および基板120を透過して出射される。これに対して、トップエミッション型の場合、対向電極112を透過して、観測者側に出射される一方、発光層113bから基板120に向けて出射された光は、画素電極111の下層に形成された光反射層によって反射され、対向電極112を透過して観測者側に出射される。
ここで、有機エレクトロルミネッセンス装置100でカラー表示を行う場合には、図3に示すように、各画素115を赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に対応させることになる。この場合も、各色の画素115において、有機エレクトロルミネッセンス素子110の基本的な構成は共通である。なお、有機エレクトロルミネッセンス素子110から白色光を出射させ、この白色光をカラーフィルタで着色する構成を採用することもある。
(液滴吐出ヘッドの構成)
図4(A)〜(D)はそれぞれ、本形態の有機エレクトロルミネッセンス装置100を製造する際に使用する液滴吐出ヘッドのノズル形成面の説明図、液滴吐出ヘッドの内部構造を模式的に示す説明図、液滴吐出ヘッドに用いた圧力発生素子の説明図、および別の圧力発生素子の説明図である。
図4(A)〜(D)はそれぞれ、本形態の有機エレクトロルミネッセンス装置100を製造する際に使用する液滴吐出ヘッドのノズル形成面の説明図、液滴吐出ヘッドの内部構造を模式的に示す説明図、液滴吐出ヘッドに用いた圧力発生素子の説明図、および別の圧力発生素子の説明図である。
図4(A)に示すように、液滴吐出ヘッド22は、そのノズル形成面271に、複数のノズル開口27を列状に並べることによって形成されたノズル列28を備えている。ノズル開口27の数は、例えば180個であり、ノズル開口27の穴径は例えば28μmであり、ノズル開口27間のノズルピッチは例えば141μmである。なお、液滴吐出ヘッド22の基板に対する主走査方向Xおよびそれに直交する副走査方向Yは図示の通りである。すなわち、液滴吐出ヘッド22は、そのノズル列28が主走査方向Xと交差する方向へ延びるように位置設定され、この主走査方向Xへ平行移動する間に、液状組成物を複数のノズル開口27から選択的に吐出することにより、基板内の所定位置に液滴を着弾させる。また、液滴吐出ヘッド22は副走査方向Yへ所定距離だけ平行移動することにより、液滴吐出ヘッド22による主走査位置を所定の間隔でずらせることができる。
図4(B)、(C)に示すように、液滴吐出ヘッド22は、例えば、ステンレス製のノズルプレート29と、それに対向する振動板31と、それらを互いに接合する複数の仕切部材32とを有している。ノズルプレート29と振動板31との間には、仕切部材32によって複数の圧力発生室33と、液溜り34とが形成されている。複数の圧力発生室33と液溜り34とは通路38を介して互いに連通している。振動板31の適所には液状組成物供給穴36が形成され、この液状組成物供給穴36に液状組成物供給装置37が接続される。この液状組成物供給装置37は、吐出されることとなる液状組成物Mを液状組成物供給穴36へ供給する。供給された液状組成物Mは、液溜り34に充満し、さらに通路38を通って圧力発生室33に充満する。
ノズルプレート29には、圧力発生室33から液状組成物Mをジェット状(液滴M0)に吐出するためのノズル開口27が設けられており、そのノズル開口27が開口しているノズル形成面271は平坦面とされている。振動板31の圧力発生室33を形成する面の裏面には、この圧力発生室33に対応させて圧電振動子39(圧力発生素子)が取り付けられている。この圧電振動子39は、例えば、圧電素子41ならびにこれを挟持する一対の電極42aおよび42bを備えている。圧電素子41は電極42a、42bへの通電によって矢印Cで示す外側へ突出するように撓み変形し、これにより圧力発生室33の容積が増大する。すると、増大した容積分に相当する液状組成物Mが液溜り34から通路38を通って圧力発生室33へ流入する。
次に、圧電素子41への通電を解除すると、この圧電素子41と振動板31とは共に元の形状へ戻る。これにより、圧力発生室33も元の容積に戻るため、圧力発生室33の内部にある液状組成物Mの圧力が上昇し、ノズル開口27から基板120へ向けて液状組成物Mが液滴M0となって噴出する。
なお、図4(D)に示すように、圧電振動子39としては、縦振動モードの圧電素子を用いてもよい。この縦振動モードの圧電振動子39では、伸長方向に平行に圧電材料と導電材料を交互に積層して構成されており、その先端は振動板31に固定され、他端は基台20に固定されている。このような圧電振動子39では、充電状態では導電層の積層方向と直角な方向に収縮し、また充電状態が解かれると、導電層と直角な方向に伸長する。
いずれの圧電振動子39を用いた場合も、電極間に印加される駆動信号によって変形し、圧力発生室33を膨張、収縮させる。なお、ノズル開口27の周辺部には、液滴M0の飛行曲がりやノズル開口27の穴詰まりなどを防止するために、例えばNi−テトラフルオロエチレン共析メッキ層からなる撥液状組成物層43が設けられる。
(有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法)
図5〜図7は、上記液滴吐出装置を用いて有機エレクトロルミネッセンス装置100を製造する方法を示す工程断面図である。本形態の有機エレクトロルミネッセンス装置100を製造するには、まず、図5(A)に示すように、基板120(電気光学装置用基板)を用意する。ここで、有機エレクトロルミネッセンス装置100がボトムエミッション型である場合、基板120としてはガラスや石英、樹脂などの透明ないし半透明なものが用いられるが、特にガラスが好適に用いられる。また、基板120に色フィルター膜や蛍光性物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜を配置して、発光色を制御するようにしてもよい。これに対して、有機エレクトロルミネッセンス装置100がトップエミッション型である場合、基板120は不透明であってもよく、その場合、アルミナなどのセラミックス、ステンレスなどの金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したもの、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。
図5〜図7は、上記液滴吐出装置を用いて有機エレクトロルミネッセンス装置100を製造する方法を示す工程断面図である。本形態の有機エレクトロルミネッセンス装置100を製造するには、まず、図5(A)に示すように、基板120(電気光学装置用基板)を用意する。ここで、有機エレクトロルミネッセンス装置100がボトムエミッション型である場合、基板120としてはガラスや石英、樹脂などの透明ないし半透明なものが用いられるが、特にガラスが好適に用いられる。また、基板120に色フィルター膜や蛍光性物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜を配置して、発光色を制御するようにしてもよい。これに対して、有機エレクトロルミネッセンス装置100がトップエミッション型である場合、基板120は不透明であってもよく、その場合、アルミナなどのセラミックス、ステンレスなどの金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したもの、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。
次に、基板120に対して、必要に応じてTEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料としてプラズマCVD法により厚さ約200〜500nmのシリコン酸化膜からなる下地保護膜(図示せず)を形成する。次に、基板120の温度を約350℃に設定して、下地保護膜の表面にプラズマCVD法により厚さ約30〜70nmのアモルファスシリコン膜からなる半導体膜109を形成する。次に、半導体膜109に対してレーザアニールまたは固相成長法などの結晶化工程を行い、半導体膜109をポリシリコン膜に結晶化する。レーザアニール法では、例えばエキシマレーザでビームの長寸が400mmのラインビームを用い、その出力強度は、例えば200mJ/cm2とする。ラインビームについては、その短寸方向におけるレーザ強度のピーク値の90%に相当する部分が各領域毎に重なるようにラインビームを走査する。
次に、図5(B)に示すように、半導体膜(ポリシリコン膜)109をパターニングして島状の半導体膜109aとし、その表面に対して、TEOSや酸素ガスなどを原料としてプラズマCVD法により厚さ約60〜150nmのシリコン酸化膜または窒化膜からなるゲート絶縁膜121を形成する。なお、半導体膜109aは、図2に示す薄膜トランジスタ107のチャネル領域およびソース・ドレイン領域となるものであるが、異なる断面位置においては薄膜トランジスタ106のチャネル領域およびソース・ドレイン領域となる半導体膜も形成されている。すなわち、有機エレクトロルミネッセンス装置100では、二種類のトランジスタ106、107が同一の層間、あるいは異なる層間に形成されるが、概ね同一の手順で形成されるため、以下の説明では、薄膜トランジスタ107についてのみ説明し、薄膜トランジスタ106についてはその説明を省略する。
次に、図5(C)に示すように、アルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステンなどの金属膜からなる導電膜をスパッタ法により形成した後、これをパターニングし、ゲート電極143などを形成する。次に、この状態でリンなどの不純物を打ち込み、半導体膜109aに、ゲート電極143に対して自己整合的にソース・ドレイン領域109b、109cを形成する。なお、不純物が導入されなかった部分がチャネル領域109dとなる。
次に、図5(D)に示すように、第1層間絶縁膜122を形成した後、コンタクトホールを形成し、これらのコンタクトホールを介してソース・ドレイン領域109b、109cに電気的に接続するソース・ドレイン電極126および共通給電線165を形成する。その際、データ線164なども形成する。
次に、図5(E)に示すように、各配線の上面を覆うように、SiO2、TiO2などの無機絶縁膜からなる第2層間絶縁膜123を形成した後、第2層間絶縁膜123に対してソース・ドレイン電極126に対応する位置にコンタクトホールを形成する。
次に、画素電極形成工程において、第2層間絶縁膜123の上層にITO膜を形成した後、ITO膜をパターニングして、データ線164、走査線163および共通給電線165に囲まれた所定位置に画素電極111を形成する。
次に、必要に応じて、大気雰囲気中で酸素を処理ガスとするプラズマ処理(O2プラズマ処理)を行い、画素電極111あるいは、第2層間絶縁膜123のうち、画素電極111から露出している部分に親液性を付与する。
次に、図5(F)に示す隔壁形成工程において、図2に示す有機機能層113の形成場所を囲むように隔壁105を形成する。その結果、隔壁105の内側には凹部150が形成される。隔壁105は、仕切り部材として機能するものであり、例えば、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂などの絶縁性有機材料で形成する。隔壁105の膜厚については、例えば1〜2μmの高さとなるように形成する。なお、隔壁105は、ポリシラザンなどの絶縁性無機材料で形成してもよい。次に、必要に応じて、隔壁105に対して撥液化処理を行い、隔壁105に対して、有機機能層113を形成するための液状組成物に対する撥液性を付与する。このような撥液性を付与するためには、例えば、隔壁105の表面をフッ素系化合物などで表面処理するといった方法が採用される。フッ素化合物としては、例えばCF4、SF5、CHF3などがあり、表面処理としては、例えばプラズマ処理、UV照射処理などが挙げられる。
次に、正孔輸送層113aを形成する。それには、図6(A)に示す吐出工程において、基板120の上面を上に向けた状態で、図4を参照して説明した液滴吐出ヘッド22から吐出された正孔輸送層形成液(液状組成物)の液滴Maを、隔壁105に囲まれた凹部150内に選択的に充填する。その際、正孔輸送層形成液は、流動性が高いため水平方向に広がろうとするが、塗布された位置を囲んで隔壁105が形成されているので、正孔輸送層形成液は隔壁105を越えてその外側に広がることがない。
ここで、正孔輸送層形成液としては、例えば、ポリオレフィン誘導体である3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン(導電性高分子材料)と、ポリスチレンスルホン酸(ドーパント)とを溶媒に分散させた溶液を用いる。このような正孔輸送層形成液としては、溶媒として水単独を用い、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸を水に分散させたものを用いる。但し、正孔輸送層形成液の液滴Maをノズル開口から安定した状態に吐出するために、正孔輸送層形成液の粘度などを調整する必要がある場合には、ポリスチレンスルホン酸および3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンを分散させる溶媒として、水に有機溶剤を配合した混合溶媒を用い、有機溶剤により正孔輸送層形成液の性質を最適化する。このような混合溶媒に使用可能な有機溶剤としては、アルコール類、エーテル類、グリコールモノエーテル類、ラクトン類、オキサゾリジノン類、カーボネート類、ニトリル類、アミド類、スルホン類などが挙げられる。
このようにして正孔輸送層形成液を液滴吐出ヘッド22から吐出して、図6(B)に示すように、基板120上の所定位置に液状膜Faを配置した後、本形態では、冷却工程において、液滴吐出ヘッド22から正孔輸送層形成液を吐出した際の第1の温度より低い第2の温度まで液状膜Faを冷却する。この場合の第2の温度は、正孔輸送層形成液の第1の温度における蒸気圧に対して、蒸気圧が1/2倍以下となるような温度である。従って、正孔輸送層形成液において溶媒として水単独を用いた場合において、液滴吐出ヘッド22から正孔輸送層形成液を吐出した際の第1の温度が20℃であれば、10℃(第2の温度)まで液状膜Faを冷却する。なお、第2の温度をいずれの温度に設定すればよいかは、蒸気圧曲線やAntoineの式から各温度での蒸気圧を求め、その結果に基づいて設定すればよい。
次に、液状膜Faに対する乾燥工程では、大気圧以下、例えば10-4〜10-6パスカル(Pa)程度の減圧雰囲気中に放置して、液状膜Faから正孔輸送層形成材料中の溶媒を蒸発させる。その結果、図6(C)に示すように、画素電極111上に、正孔輸送層113aが約10〜60nmの膜厚で形成される。
次に、発光層113bを形成する。それには、図7(A)に示す吐出工程において、基板120の上面を上に向けた状態で、図4を参照して説明した液滴吐出ヘッド22から吐出された発光層形成液の液滴Mbを、隔壁105に囲まれた凹部150内に選択的に充填する。発光材料としては、例えば分子量が1000以上の高分子材料が用いられる。具体的には、ポリフルオレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、またはこれらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、例えばルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドンなどをドープしたものが用いられる。なお、このような高分子材料としては、二重結合のπ電子がポリマー鎖上で非極在化しているπ共役系高分子材料が、導電性高分子でもあることから発光性能に優れるため、好適に用いられる。特に、その分子内にフルオレン骨格を有する化合物、すなわちポリフルオレン系化合物がより好適に用いられる。また、このような材料以外にも、例えば特開平11−40358号公報に示される有機エレクトロルミネッセンス素子用組成物、すなわち共役系高分子有機化合物の前駆体と、発光特性を変化させるための少なくとも1種の蛍光色素とを含んでなる有機エレクトロルミネッセンス素子用組成物も、発光層形成材料として使用可能である。
このような発光材料を溶解あるいは分散する有機溶媒としては、非極性溶媒が好適とされ、特に発光層113bが正孔輸送層113aの上に形成されることから、この正孔輸送層113aに対して不溶なものが用いられることが好ましい。具体的には、キシレン、シクロへキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼンなどが好適に用いられる。なお、発光層形成液の吐出による発光層の形成は、赤色の発色光を発光する発光層の形成材料、緑色の発色光を発光する発光層の形成材料、青色の発色光を発光する発光層の形成材料を、それぞれ対応する画素に吐出し塗布することによって行う。また、各色に対応する画素は、これらが規則的な配置となるように予め決められている。
このようにして各色の発光層形成液を吐出ヘッド22から吐出して、図7(B)に示すように、基板120上の所定位置に液状膜Fbを配置した後、本形態では、冷却工程において、液滴吐出ヘッド22から発光層形成液を吐出した際の第1の温度より低い第2の温度まで液状膜Fbを冷却する。この場合の第2の温度は、発光層形成液の第1の温度における蒸気圧に対して、蒸気圧が1/2倍となるような温度である。その際、第2の温度をいずれの温度に設定すればよいかは、蒸気圧曲線やAntoineの式から各温度での蒸気圧を求め、その結果に基づいて設定すればよい。
次に、液状膜Fbに対する乾燥工程では、大気圧以下、例えば10-4〜10-6パスカル(Pa)程度の減圧雰囲気中に放置して、液状膜Fbから発光層形成材料中の溶媒を蒸発させる。その結果、図7(C)に示すように、正孔輸送層113a上に固形の発光層113bが形成される。これにより、正孔輸送層113aおよび発光層113bからなる有機機能層113が形成される。
次に、図3に示すように、基板120の表面全体に、あるいはストライプ状に、LiF/Al(LiFとAlとの積層膜)やMgAg、あるいはLiF/Ca/Al(LiFとCaとAlとの積層膜)を蒸着法などによって成膜し、対向電極112を形成する。その後、封止を行った後、さらに配線などの各種要素を形成することにより、有機エレクトロルミネッセンス素子110を各画素115に備えた有機エレクトロルミネッセンス装置100を製造することができる。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、液状組成物を基板120上に吐出した後、液状膜Fa、Fbを乾燥させて、正孔輸送層113aや発光層113bなどの画素構成要素を形成するにあたって、吐出工程の後、乾燥工程の前に冷却工程を行って、基板120に向けて吐出した際の液状組成物(正孔輸送層形成液および発光層形成液)の第1の温度より低くて液状組成物の凝固点よりも高い第2の温度まで液状膜Fa、Fbを冷却した状態で減圧乾燥を行う。このため、乾燥が液状膜Fa、Fbの周辺部側から始まった場合でも、液状膜Fa、Fb内での中央部側から周辺部側への溶媒の対流を抑制できる。また、減圧乾燥であるため、液状膜Fa、Fbから蒸発した溶媒蒸気の濃度が液状膜Fa、Fb表面の中央部と周辺部とで大きな差が発生しないため、蒸発速度に差が発生しないことからも、液状膜Fa、Fb内での中央部側から周辺部側への溶媒の対流を抑制できる。従って、乾燥工程中、液状膜Fa、Fbの膜厚が周辺部と中央部と差が出ないので、正孔輸送層113aや発光層113bなどの画素構成要素を一定の膜厚で形成することができる。それ故、輝度ばらつきなどが発生しないので、品位の高い画像を表示可能な有機エレクトロルミネッセンス装置100を提供することができる。
以上説明したように、本形態では、液状組成物を基板120上に吐出した後、液状膜Fa、Fbを乾燥させて、正孔輸送層113aや発光層113bなどの画素構成要素を形成するにあたって、吐出工程の後、乾燥工程の前に冷却工程を行って、基板120に向けて吐出した際の液状組成物(正孔輸送層形成液および発光層形成液)の第1の温度より低くて液状組成物の凝固点よりも高い第2の温度まで液状膜Fa、Fbを冷却した状態で減圧乾燥を行う。このため、乾燥が液状膜Fa、Fbの周辺部側から始まった場合でも、液状膜Fa、Fb内での中央部側から周辺部側への溶媒の対流を抑制できる。また、減圧乾燥であるため、液状膜Fa、Fbから蒸発した溶媒蒸気の濃度が液状膜Fa、Fb表面の中央部と周辺部とで大きな差が発生しないため、蒸発速度に差が発生しないことからも、液状膜Fa、Fb内での中央部側から周辺部側への溶媒の対流を抑制できる。従って、乾燥工程中、液状膜Fa、Fbの膜厚が周辺部と中央部と差が出ないので、正孔輸送層113aや発光層113bなどの画素構成要素を一定の膜厚で形成することができる。それ故、輝度ばらつきなどが発生しないので、品位の高い画像を表示可能な有機エレクトロルミネッセンス装置100を提供することができる。
しかも、本形態では、液状膜Fa、Fbが凍結まで冷却する必要がないため、冷却時間が短時間で済むので、スループットが低下することがない。それ故、有機エレクトロルミネッセンス装置100のコストを大幅に上昇させることなく、画像の品位を向上することができる。
また、液状膜Fa、Fbを凍結させる必要がないので、液状組成物に用いる溶媒としては、水単独に限らず、水と有機溶剤との混合溶媒、あるいは有機溶剤の単独溶媒を用いることができる。それ故、液状組成物の粘度などの最適化を図ることができるとともに、溶媒として有機溶剤を使用する発光層の形成にも適用することができる。
また、第2の温度は、液状組成物の蒸気圧が第1の温度での値に対して1/2倍以下となる温度であり、水の場合には、10℃位まで冷却すればよいことから、冷却時間が短く済み、かつ、冷却装置も簡素で小型のものを用いることができる。
[その他の実施の形態]
上記形態では、本形態では、吐出工程の後、乾燥工程の前に冷却工程を行うことにより、乾燥工程では、液状膜Fa、Fbを第2の温度まで冷却した状態で減圧乾燥を行ったが、図6(A)および図7(A)に示す吐出工程を行う前、あるいは図6(A)および図7(A)に示す吐出工程を行う際に基板120を冷却しておいてもよい。このように構成した場合も、液状膜Fa、Fbを第2の温度まで冷却した状態で減圧乾燥を行うことができる。
上記形態では、本形態では、吐出工程の後、乾燥工程の前に冷却工程を行うことにより、乾燥工程では、液状膜Fa、Fbを第2の温度まで冷却した状態で減圧乾燥を行ったが、図6(A)および図7(A)に示す吐出工程を行う前、あるいは図6(A)および図7(A)に示す吐出工程を行う際に基板120を冷却しておいてもよい。このように構成した場合も、液状膜Fa、Fbを第2の温度まで冷却した状態で減圧乾燥を行うことができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能であり、実施形態で挙げた具体的な材料や構成などは一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、上記形態では、正孔輸送層113aとして、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンを用いたが、その他のポリアルキルチオフェン誘導体や、ポリピロール誘導体を用いてもよい。また、正孔輸送層113aとしては、ポリテトラヒドロチオフェニルフェニレンであるポリフェニレンビニレン、1,1−ビス−(4−N,N−ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサンなどを高分子前駆体として形成した層を用いた場合に本発明を適用してもよい。
また、上記形態では、画素構成要素として、正孔輸送層113aおよび発光層113bの形成に本発明を適用したが、有機エレクトロルミネッセンス素子110から白色光を出射させ、この白色光をカラーフィルタで着色する構成を採用する場合にカラーフィルタの形成に本発明を適用してもよい。
さらに、上記形態では、本発明を有機エレクトロルミネッセンス装置の製造工程に用いた例であったが、液晶表示装置のカラーフィルタ(画素構成要素)の形成などに本発明を適用してもよい。
10・・液滴吐出装置、12・・基板(電気光学装置用基板)、22・・液滴吐出ヘッド、27・・ノズル開口、100・・有機エレクトロルミネッセンス装置(電気光学装置)、110・・有機エレクトロルミネッセンス素子、113・・有機機能層、113a・・正孔輸送層(画素構成要素)、113b・・発光層(画素構成要素)、Fa、Fb・・液状膜、M 液状組成物、M0、Ma、Mb 液滴
Claims (7)
- 電気光学装置用基板の所定位置に液状組成物を吐出して当該電気光学装置用基板上に液状膜を配置する吐出工程と、前記液状膜を前記電気光学装置用基板上で乾燥させて画素構成要素を形成する乾燥工程とを有する電気光学装置の製造方法において、
前記乾燥工程では、前記電気光学装置用基板に向けて吐出した際の前記液状組成物の第1の温度より低くて当該液状組成物の凝固点よりも高い第2の温度まで前記液状膜を冷却した状態で減圧乾燥を行うことを特徴とする電気光学装置の製造方法。 - 前記液状膜を前記第2の温度まで冷却するにあたっては、前記吐出工程の後、前記乾燥工程の前に、前記液状膜を冷却する冷却工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の製造方法。
- 前記液状膜を前記第2の温度まで冷却するにあたっては、前記吐出工程を行う前、あるいは当該吐出工程を行っている途中において前記電気光学装置用基板を冷却することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の製造方法。
- 前記第2の温度は、前記液状組成物の蒸気圧が前記第1の温度での値に対して1/2倍以下となる温度であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
- 前記画素構成要素は、有機エレクトロルミネッセンス素子において陽極層と陰極層の間に形成される有機機能層であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
- 前記画素構成要素は、前記有機機能層に含まれる正孔輸送層および発光層であることを特徴とする請求項5に記載の電気光学装置の製造方法。
- 請求項1乃至5の何れか一項に記載の方法により製造したことを特徴とする電気光学装置。
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-
2006
- 2006-02-23 JP JP2006046444A patent/JP2007225856A/ja not_active Withdrawn
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