JP5056268B2 - 電気光学装置および電子機器 - Google Patents

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本発明は、有機機能層を塗布法により形成した電気光学装置および電子機器に関するものである。
携帯電話機、パーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistants)などの電子機器のカラー表示装置としては、液晶装置や有機エレクトロルミネッセンス(以下、EL(Electroluminescence)という)装置が用いられている。また、かかる電気光学装置を製造するにあたっては、カラーフィルタや有機EL素子の発光層などといった各色の有機機能層を形成する必要があり、かかる有機機能層を形成する際、インクジェット法が採用されつつある。その際、有機機能層を形成するための液状組成物が隣接する画素にはみ出さないように、有機機能層を形成する際の機能層形成領域を規定する隔壁を基板上に形成することが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
これらの文献のうち、特許文献1には、隔壁によって画素毎に機能層形成領域を規定した構成が提案され、特許文献2には、複数の画素に対して一括して機能層形成領域を規定した構成が提案されている。
特開2002−353594号公報 特開2003−208979号公報
しかしながら、液状組成物を塗布する方法を採用すると、基板上の端部では溶媒分子分圧が低いため、液状組成物が速く乾き始めるのに対して、基板上の中央側では溶媒分子分圧が高いため、液状組成物が乾き始めるのが遅いなど、基板上の位置によって液状組成物の乾燥速度に差がある。かかる乾燥速度の差は、画素内および画素間で有機機能層の膜厚ムラを引き起こし、輝度ムラ、発光色ムラ等の原因となるため、好ましくない。
また、液状組成物については、隔壁との濡れ性などの面から1つの機能層形成領域に塗布できる量が制約される他、析出や粘度上昇などの面から溶質や溶媒の種類、濃度などにも制約があるため、各色に対応する液状組成物を塗布した後、乾燥させる際、全ての種類の液状組成物に対して最適な乾燥条件を設定できず、画素内で膜厚ムラが発生するという問題点がある。
このような問題は、全ての画素において、複数の画素をまとめて1つの機能層形成領域内に配置すれば緩和される傾向にあるが、問題を確実に解決する方法としては不十分である。しかも、全ての画素において、複数の画素をまとめて1つの機能層形成領域内に配置すると、隣接する画素同士の境界部分に塗布した液状組成物が無駄になるという問題点もある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、有機機能層を塗布法により形成する際、液状組成物を無駄にすることなく、有機機能層の膜厚ムラを解消することのできる電気光学装置および電子機器を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、基板と、前記基板上に規則的に配置され、各々隔壁で囲まれた複数の機能層形成領域と、を有し、前記複数の機能層形成領域の各々に有機機能層が形成された電気光学装置において、前記複数の機能層形成領域は、前記基板の第1領域に配置された複数の第1機能層形成領域と、前記基板の第2領域に配置された複数の第2機能層形成領域と、前記基板の第3領域に配置された複数の第3機能層形成領域と、を含み、前記第2機能層形成領域の平面積は前記第1機能層形成領域の平面積よりも大きく、前記第3機能層形成領域の平面積は前記第2機能層形成領域の平面積よりも大きいことを特徴とする。
本発明では、液状組成物からの溶媒の蒸発速度が遅い領域には、狭い機能層形成領域を配置し、液状組成物からの溶媒の蒸発速度が速い領域には、広い機能層形成領域を配置するので、溶媒の蒸発速度が遅い領域の機能層形成領域には少ない量の液状組成物が塗布され、溶媒の蒸発速度が速い領域の機能層形成領域には多い量の液状組成物が塗布される。このため、液状組成物からの溶媒の蒸発速度が遅い領域と、液状組成物からの溶媒の蒸発速度が速い領域とでは、同一条件で乾燥させても、周辺の蒸気密度や蒸発潜熱に起因する蒸発速度の差が相殺される。このため、基板上のいずれの領域においても、液状組成物が乾燥し終えるタイミングが等しい。それ故、基板上で有機機能層の膜厚ムラが発生することを防止することができる。また、基板上に第1機能層形成領域、第2機能層形成領域および第3機能層形成領域を設けたので、基板上の各領域において最適な条件で有機機能層を形成でき、膜厚ムラを確実に防止することができる。
本発明は、前記基板上で互いに交差する方向を第1方向および第2方向としたとき、前記第1領域は前記基板の中央部に位置し、前記第3領域は前記基板の外周部に位置し、前記第2領域は前記第1領域と前記第3領域との間に位置し、前記第1領域に配置された前記複数の第1機能層形成領域では、前記第1方向で隣り合う第1機能層形成領域に各々形成された前記有機機能層は互いに異なる色に対応しており、前記第2領域に配置された前記複数の第2機能層形成領域では、前記第1方向で隣り合う第2機能層形成領域に各々形成された前記有機機能層は互いに異なる色に対応しており、前記第3領域に配置された前記複数の第3機能層形成領域では、前記第1方向で隣り合う第3機能層形成領域に各々形成された前記有機機能層は互いに異なる色に対応している構成を採用した場合に適用される。本発明では、液状組成物からの溶媒の蒸発速度が遅い基板中央側領域には、狭い機能層形成領域を配置し、液状組成物からの溶媒の蒸発速度が速い基板外周側領域には、広い機能層形成領域を配置するので、溶媒の蒸発速度が遅い領域の機能層形成領域には少ない量の液状組成物が塗布され、溶媒の蒸発速度が速い領域の機能層形成領域には多い量の液状組成物が塗布される。すなわち、基板上の端部では溶媒分子分圧が低いため、液状組成物が速く乾き始めるのに対して、基板上の中央側では溶媒分子分圧が高いため、液状組成物が乾き始めるのが遅いが、本発明によれば、溶媒の蒸発速度を同等にできる。このため、基板上のいずれの領域においても、液状組成物が乾燥し終えるタイミングが等しい。それ故、基板上で有機機能層の膜厚ムラが発生することを防止することができる。
本発明の別の形態では、前記第1領域と、前記第2領域と、前記第3領域とは、互いに並行に配置され、前記複数の第1機能層形成領域に各々形成された前記有機機能層は同一の色に対応し、前記複数の第2機能層形成領域に各々形成された前記有機機能層は同一の色に対応し、前記複数の第3機能層形成領域に各々形成された前記有機機能層は同一の色に対応し、前記第1機能層形成領域に形成された前記有機機能層と、前記第2機能層形成領域に形成された前記有機機能層と、前記第3機能層形成領域に形成された前記有機機能層とは、互いに異なる色に対応しており、前記第1機能層形成領域に形成された前記有機機能層を形成するための第1液状組成物に含まれる溶媒の蒸発速度は、前記第2機能層形成領域に形成された前記有機機能層を形成するための第2液状組成物に含まれる溶媒の蒸発速度よりも遅く、前記第2液状組成物に含まれる溶媒の蒸発速度は、前記第3機能層形成領域に形成された前記有機機能層を形成するための第3液状組成物に含まれる溶媒の蒸発速度よりも遅い構成を採用することができる。本発明では、液状組成物からの溶媒の蒸発速度が遅い領域には、狭い機能層形成領域を配置し、液状組成物からの溶媒の蒸発速度が速い領域には、広い機能層形成領域を配置するので、溶媒の蒸発速度が遅い領域の機能層形成領域には少ない量の液状組成物が塗布され、溶媒の蒸発速度が速い領域の機能層形成領域には多い量の液状組成物が塗布される。このため、溶媒の蒸発速度が異なる液状組成物を同一基板上に塗布した場合でも、膜厚ムラが発生することを防止することができる。
本発明において、前記有機機能層は、例えば、有機EL素子の発光層である。
本発明において、前記有機機能層は、カラーフィルタの色変換層である構成を採用してもよい。
本発明を有機EL装置(電気光学装置)に適用した場合、基板と、前記基板上に規則的に配置され、画素電極と、発光層を含む有機機能層とを各々備えた複数の画素と、前記有機機能層を形成する領域である機能層形成領域を規定する隔壁と、を有する電気光学装置において、前記基板上で互いに交差する方向を第1方向および第2方向としたとき、1つの前記機能層形成領域には、前記複数の画素のうち1つの画素、または前記複数の画素のうち同一色を発光する複数の画素が形成され、前記機能層形成領域は、前記基板の第1領域に形成された複数の第1機能層形成領域と、前記基板の第2領域に形成された複数の第2機能層形成領域と、前記基板の第3領域に形成された複数の第3機能層形成領域と、を含み、前記第1領域は前記第3領域よりも前記基板の中央側に位置し、前記第2領域は前記第3領域よりも前記基板の中央側に位置し、かつ前記第1領域よりも前記基板の周辺側に位置し、前記第2機能層形成領域の内側に形成された前記画素電極の数は、前記第1機能層形成領域の内側に形成された前記画素電極の数よりも多く、前記第3機能層形成領域の内側に形成された前記画素電極の数は、前記第2機能層形成領域の内側に形成された前記画素電極の数よりも多く、前記第1領域に配置された前記複数の第1機能層形成領域では、前記第1方向で隣り合う第1機能層形成領域に各々形成された前記画素は互いに異なる色を発光する前記発光層を有し、前記第2領域に配置された前記複数の第2機能層形成領域では、前記第1方向で隣り合う第2機能層形成領域に各々形成された前記画素は互いに異なる色を発光する前記発光層を有し、前記第3領域に配置された前記複数の第3機能層形成領域では、前記第1方向で隣り合う第3機能層形成領域に各々形成された前記画素は互いに異なる色を発光する前記発光層を有していることを特徴とする。本発明では、液状組成物からの溶媒の蒸発速度が遅い基板中央側領域には、狭い機能層形成領域を配置し、液状組成物からの溶媒の蒸発速度が速い基板外周側領域には、広い機能層形成領域を配置するので、溶媒の蒸発速度が遅い領域の機能層形成領域には少ない量の液状組成物が塗布され、溶媒の蒸発速度が速い領域の機能層形成領域には多い量の液状組成物が塗布される。すなわち、基板上の端部では溶媒分子分圧が低いため、液状組成物が速く乾き始めるのに対して、基板上の中央側では溶媒分子分圧が高いため、液状組成物が乾き始めるのが遅いが、本発明によれば、溶媒の蒸発速度を同等にできる。このため、基板上のいずれの領域においても、画素内および画素間で有機機能層の膜厚ムラが発生することを防止することができる。また、全ての画素において、複数の画素をまとめて1つの機能層形成領域内に配置した場合と違って、隣接する画素同士の境界部分に塗布した液状組成物が無駄になるのを必要最小限に止めることができる。
本発明の別の形態を有機EL装置(電気光学装置)に適用した場合、基板と、前記基板上に規則的に配置され、画素電極と、発光層を含む有機機能層とを各々備えた複数の画素と、前記有機機能層を形成する領域である機能層形成領域を規定する隔壁と、を有する電気光学装置において、前記基板上で互いに交差する方向を第1方向および第2方向としたとき、1つの前記機能層形成領域には、前記複数の画素のうち1つの画素、または前記複数の画素のうち同一色を発光する複数の画素が形成され、前記機能層形成領域は、前記基板の第1領域に形成された複数の第1機能層形成領域と、前記基板の第2領域に形成された複数の第2機能層形成領域と、前記基板の第3領域に形成された複数の第3機能層形成領域と、を含み、前記複数の第1機能層形成領域は前記第2方向で連続して配置され、前記複数の第2機能層形成領域は前記第2方向で連続して配置され、前記複数の第3機能層形成領域は前記第2方向で連続して配置され、前記第2機能層形成領域の内側に備える前記画素電極の数は、前記第1機能層形成領域の内側に備える前記画素電極の数よりも多く、前記第3機能層形成領域の内側に備える前記画素電極の数は、前記第2機能層形成領域の内側に備える前記画素電極の数よりも多く、前記複数の第1機能層形成領域に各々形成された前記画素が備える前記発光層は、同一の色を発光し、前記複数の第2機能層形成領域に各々形成された前記画素が備える前記発光層は、同一の色を発光し、前記複数の第3機能層形成領域に各々形成された前記画素が備える前記発光層は、同一の色を発光し、前記第1機能層形成領域に形成された前記画素と、前記第2機能層形成領域に形成された前記画素と、前記第3機能層形成領域に形成された前記画素と、は互いに異なる色を発光する前記発光層を有し、前記第1機能層形成領域に形成された前記発光層を形成するための第1液状組成物に含まれる溶媒の蒸発速度は、前記第2機能層形成領域に形成された前記発光層を形成するための第2液状組成物に含まれる溶媒の蒸発速度よりも遅く、前記第2液状組成物に含まれる溶媒の蒸発速度は、前記第3機能層形成領域に形成された前記発光層を形成するための第3液状組成物に含まれる溶媒の蒸発速度よりも遅いことを特徴とする。本発明では、液状組成物からの溶媒の蒸発速度が遅い領域には、狭い機能層形成領域を配置し、液状組成物からの溶媒の蒸発速度が速い領域には、広い機能層形成領域を配置するので、溶媒の蒸発速度が遅い領域の機能層形成領域には少ない量の液状組成物が塗布され、溶媒の蒸発速度が速い領域の機能層形成領域には多い量の液状組成物が塗布される。このため、溶媒の蒸発速度が異なる液状組成物を同一基板上に塗布した場合でも、膜厚ムラが発生することを防止することができる。また、全ての画素において、複数の画素をまとめて1つの機能層形成領域内に配置した場合と違って、隣接する画素同士の境界部分に塗布した液状組成物が無駄になるのを必要最小限に止めることができる。
本発明を適用した電気光学装置は、当該電気光学装置を表示部として備えた携帯電話機、パーソナルコンピュータやPDAなどの電子機器に用いられる。
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明に用いた各図では、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を相違させてある。
[実施の形態1]
(有機EL装置の全体構成)
図1および図2は、本発明を適用した有機EL装置(電気光学装置)の平面図、およびこの有機EL装置の電気的構成を示すブロック図である。
図1および図2において、本形態の有機EL装置100は、発光層に駆動電流が流れることによって発光するEL素子を薄膜トランジスタで駆動制御する有機EL装置であり、このタイプのEL装置を表示装置として用いた場合、発光素子が自己発光するため、バックライトを必要とせず、また、視野角依存性が少ないなどの利点がある。ここに示す有機EL装置100では、素子基板20上の略中央領域には、複数の画素10aがマトリクス状に配列された矩形の発光領域110と、この発光領域110を外周側で囲む矩形枠状の非発光領域120とを有しており、非発光領域120には、相対向する領域に一対の走査線駆動回路54が形成され、他の相対向する領域にデータ線駆動回路51および検査回路58が形成されている。
発光領域110では、素子基板20基板上で互いに交差する方向を第1方向および第2方向としたとき、第1方向に延びた複数の走査線63と、この走査線63の延設方向に対して交差する第2方向に延設された複数のデータ線64と、これらのデータ線64に並列する複数の共通給電線65とが形成され、データ線64と走査線63との交差点に対応して画素10aが構成されている、データ線64に対しては、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン、アナログスイッチを備えるデータ線駆動回路51が構成されている。走査線63に対しては、シフトレジスタおよびレベルシフタを備える走査線駆動回路54が構成されている。画素10aの各々には、走査線63を介して走査信号がゲート電極に供給される画素スイッチング用の薄膜トランジスタ6と、この薄膜トランジスタ6を介してデータ線64から供給される画像信号を保持する保持容量33と、この保持容量33によって保持された画像信号がゲート電極に供給される電流制御用の薄膜トランジスタ7と、薄膜トランジスタ7を介して共通給電線65に電気的に接続したときに共通給電線65から駆動電流が流れ込む有機EL素子10とが構成されている。
本形態の有機EL装置100はカラー表示用であり、各画素10aは、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に対応することになる。ここで、複数の画素10aは、対応する色が同一の画素同士が第2方向(データ線64が延びている方向)で直線状に配列され、第1方向(走査線63が延びている方向)で隣接する画素10aは、対応する色が相違している。
(画素10aの構成)
図3(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態1に係る有機EL装置の発光領域の平面構成を模式的に示す断面図、およびそのA−A′断面図である。なお、本形態は、1枚の基板から有機EL装置用の素子基板を1枚製造する例である。
本形態の有機EL装置100において、素子基板20上の発光領域110では、図3(a)に示すように、複数の画素10aがマトリクス状に配置されている。かかる素子基板20は、例えば、図3(b)に示すように、基体たる基板20bの上に、図2に示す薄膜トランジスタ7、シリコン酸化膜などからなる層間絶縁膜16、アクリル樹脂などからなる平坦化膜17は、ITO膜などの透光性導電膜からなる画素電極11、シリコン酸化膜などからなる画素分離用絶縁膜18、アクリル樹脂やポリイミド樹脂などからなる隔壁4がこの順に形成されたものとして表される。ここで、隔壁4は、後述するように、有機機能層12を塗布法で形成する際、機能層形成領域40を区画するものであり、かかる隔壁4で囲まれた機能層形成領域40には、正孔注入層12aおよび発光層12bを含む有機機能層12が形成されている。また、有機機能層12および隔壁4の上層側には、発光領域110の前面にわたって、カルシウム層やアルミニウム膜などからなる陰極層15が形成されており、画素電極11、有機機能層12および陰極層15によって、複数の画素10aの各々には、有機EL素子10が形成されている。ここで、有機EL装置100が、有機EL素子10で発光した光を陰極層15の側から出射するトップエミッション型である場合には、基板20bは不透明であってもよく、アルミナ等のセラミックス、ステンレス等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施した基板、樹脂製基板などを用いることができる。これに対して、有機EL装置100が、有機EL素子10で発光した光を基板20b側から出射するボトムエミッション型である場合には、基板20bとしてはガラスなどの透光性基板が用いられる。なお、陰極層15の表面側には、有機機能層12や陰極層15が水分や酸素により劣化しないように、シリコン窒化膜などからなる封止膜が形成された構成や、接着層を介して封止基板を貼った構成が採用される。
このように構成した有機EL装置100において、本形態では、複数の機能層形成領域40には、内側に備える画素電極11の数(画素10aの数)が異なる複数種類の機能層(第1機能層形成領域41、第2機能層形成領域42および第3機能層形成領域43)が含まれている。本形態において、複数種類の機能層形成領域40のうち、内側に備える画素10aの数が少ない機能層形成領域が基板20bの中央側に配置され、基板20b上の外周端側には、内側に備える画素10aの数が多い機能層形成領域が配置されている。換言すると、複数の画素電極11(複数の画素10a)は1つ当たりの平面積が等しいので、平面積が小さい機能層形成領域ほど基板20bの中央側に配置され、平面積が大きい機能層形成領域ほど基板20bの外周端側に配置されている。
図3(a)、(b)には、第1機能層形成領域41が内側に前記画素電極11を1つ備え、第2機能層形成領域42が内側に画素電極11を2つ備え、第3機能層形成領域43が内側に画素電極11を3つ備えており、中央領域(第1領域)に第1機能層形成領域41が配置され、その周りの領域(第2領域)に第2機能層形成領域42が配置され、その周りの外周領域(第3領域)に第3機能層形成領域43が配置された構成を例示してあり、図3(a)には、発光領域110の外周に沿って、第2機能層形成領域42および第3機能層形成領域43が1列に配置された構成を図示してある。なお、1つの機能層形成領域40に含まれる画素10aは、いずれも対応する色が同一である。また、図2に示すデータ線64が延びている第2方向で連続して並ぶ機能層形成領域同士は同一の色に対応し、図2に示す走査線63が延びている第1方向で連続して並ぶ機能層形成領域同士は、異なる色に対応している。
(有機EL装置の製造方法)
図4を参照して、インクジェット方式による本発明の有機EL装置100の製造方法を説明する。図4は、本発明を適用した有機EL装置100の製造工程のうち、有機機能層12を形成する方法を示す工程断面図である。
本形態で採用したインクジェット法(液滴吐出法)とは、液滴吐出ヘッドから、画素10aを形成する有機物からなる正孔注入層形成材料、および発光層形成材料を溶媒に溶解または分散させた液状組成物を吐出し、画素電極11上に正孔注入層12aおよび発光層12bをパターニング塗布し、形成する方法である。このため、本形態の有機EL装置では、吐出した液滴を精度よくパターニング塗布することを目的に、バンクと称せられる隔壁4を設け、塗布領域(機能層形成領域40)を区画してある。かかるインクジェット法によれば、微小な領域に液状組成物の液滴を選択的に塗布することができる。また、液滴吐出法としては、インクジェット法の他、ジェットディスペンサ法、あるいはディスペンサ法などを採用してもよい。
液滴吐出ヘッドを用いて有機EL装置100を製造するには、まず、図4(a)に示すように、基板20b上に、薄膜トランジスタ7、シリコン酸化膜などからなる層間絶縁膜16、アクリル樹脂などからなる平坦化膜17、ITO膜などの透光性導電膜からなる画素電極11、シリコン酸化膜などからなる画素分離用絶縁膜18などを形成した後、アクリル樹脂やポリイミド樹脂などからなる隔壁4を1〜2μmの厚さに形成する。かかる隔壁4を形成するには、スピンコート法により感光性のアクリル樹脂を基板の全面に塗布した後、露光、現像する。その結果、隔壁4によって、複数の機能層形成領域40が区画される。ここで、機能層形成領域40は、円形、楕円、四角など、いずれの形状でも構わないが、液状組成物には表面張力があるため、本形態では、角部が丸みを帯びているように、機能層形成領域40が楕円の平面形状を有するように隔壁4を形成してある。なお、隔壁4の材料は、耐熱性、撥液性、耐溶剤性などに優れたものであれば、特に限定されるものではない。また、隔壁4については、アクリル樹脂やポリイミド樹脂などでパターン形成した後、O2プラズマ処理を行ない、しかる後に、CF4プラズマ処理を行なって、表面を撥液化することが好ましい。なお、画素分離用絶縁膜18はシリコン酸化膜などにより構成されており、液状組成物に対して親液性を有しているので、液状組成物を機能層形成領域40全体に拡がることを促進する。かかる画素分離用絶縁膜18は、CVD法などでシリコン酸化膜を形成した後、フォトリソグラフィ技術を用いてパターニングすることにより形成することができる。
本形態では、隔壁4により機能層形成領域40を形成する際、図3(a)および図4(a)に示すように、基板20b上の中央領域(第1領域)には、内側に画素電極11を1つ備えた第1機能層形成領域41を形成し、かかる第1機能層形成領域41の周りを囲む領域(第2領域)にはに、内側に画素電極11を2つ備えた第2機能層形成領域42を形成し、かかる第2機能層形成領域42の周りを囲む周辺領域(第3領域)には、内側に画素電極11を3つ備えた第3機能層形成領域43を形成する。なお、画素分離用絶縁膜18は、いずれも機能層形成領域40においても、内側に画素電極11を1つ備えるように形成する。
次に、図4(b)に示すように、液滴吐出ヘッド322から、正孔注入層形成材料を含む液状組成物12eを複数の機能層形成領域40(第1機能層形成領域41、第2機能層形成領域42および第3機能層形成領域43)の内側に吐出し、機能層形成領域40(第1機能層形成領域41および第2機能層形成領域42)に正孔注入層形成用の液状組成物12eを塗布する。次に、真空および/または熱処理、あるいは窒素ガスなどのフローにより、溶媒を除去し、図4(c)に示すように、正孔注入層12aを形成する。
このような正孔注入層形成用の液状組成物12eとしては、ポリオレフィン誘導体である3,4−ポリエチレンジオシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)や、ポリマー前駆体がポリテトラヒドロチオフェニルフェニレンであるポリフェニレンビニレン、1,1−ビス−(4−N,N−ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサン等の正孔注入・輸送層形成材料を極性溶媒に溶解させた組成物を用いることができる。極性溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール、ノルマルブタノール、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンおよびその誘導体、カルビト−ルアセテート、ブチルカルビト−ルアセテート等のグリコールエーテル類等を挙げることができる。なお、正孔注入形成材料は、赤(R)、緑(G)、青(B)の各画素10aで同じ材料を用いても良く、各画素10aで組成を変えても良い。
本形態では、極性溶媒として、ジエチエングリコールの50%水溶液を用い、正孔注入層形成用の液状組成物12eを塗布した後は、真空乾燥を行ない、しかる後に、窒素雰囲気中においてホットプレート上200℃、10分での熱処理により、液状組成物12eを乾燥させ、正孔注入層12aを形成する。その際、基板20b上の中央領域のように、液状組成物12eからの溶媒の蒸発速度が遅い領域には、画素電極11を内側に1つ備えた狭い第1機能層形成領域41を配置し、その周りに画素電極11を内側に2つ備えた狭い第2機能層形成領域42を配置し、基板20b上の外周領域(端部)のように、液状組成物12eからの溶媒の蒸発速度が速い領域には、画素電極11を内側に3つ備えた広い第3機能層形成領域43を配置してあるため、第1機能層形成領域41には少ない量の液状組成物12eが塗布され、第2機能層形成領域42には比較的多い量の液状組成物12eが塗布され、第3機能層形成領域43には最も多い量の液状組成物12eが塗布される。このため、液状組成物12eからの溶媒の蒸発速度が遅い第1機能層形成領域41と、液状組成物12eからの溶媒の蒸発速度が比較的速い第2機能層形成領域42と、液状組成物12eからの溶媒の蒸発速度が最も速い第3機能層形成領域43とでは、同一条件で乾燥させても、周辺の蒸気密度や蒸発潜熱に起因する蒸発速度の差が相殺される。すなわち、外周側に位置する機能層形成領域40ほど、その周辺では、蒸気密度が薄いという点で蒸発速度が速いが、液状組成物12eの量が多い分、蒸発潜熱に起因する温度低下が大きいので、第1機能層形成領域41と第2機能層形成領域42と第3機能層形成領域43との間で蒸発速度の差が相殺される。
次に、図4(d)に示すように、液滴吐出ヘッド322から、発光層形成材料を含む液状組成物12fを複数の機能層形成領域40(第1機能層形成領域41、第2機能層形成領域42および第3機能層形成領域43)の内側に吐出し、機能層形成領域40(第1機能層形成領域41、第2機能層形成領域42および第3機能層形成領域43)に発光層形成用の液状組成物12fを塗布する。次に、真空および/または熱処理、あるいは窒素ガスなどのフローにより、溶媒を除去し、図4(e)に示すように、発光層12bを形成する。
ここで、発光層12bとして、赤色、緑色、青色の各色に対応する層を形成するには、これらの色に発光するポリフルオレン系材料を用いて、赤色発光層用の液状組成物、緑色発光層用の液状組成物、青色発光層用の液状組成物を調製し、これらの液状組成物12fを所定色に対応する機能層形成領域40に全て塗布した後、液状組成物12fを乾燥させ、各色用の発光層12bを形成する。
このような発光層形成用の液状組成物12fとしては、ポリフルオレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、またはこれらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、例えばルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等をドープした発光層形成材料を非極性溶媒に配合したものを用いる。発光層形成材料としては、二重結合のπ電子がポリマー鎖上で非極在化しているπ共役系高分子材料が、導電性高分子でもあることから発光性能に優れるため、好適に用いられる。特に、その分子内にフルオレン骨格を有する化合物、すなわちポリフルオレン系化合物がより好適に用いられる。また、このような材料以外にも、例えば特開平11−40358号公報に示される有機EL素子用組成物、すなわち共役系高分子有機化合物の前駆体と、発光特性を変化させるための少なくとも1種の蛍光色素とを含んでなる有機EL素子用組成物も、発光層形成材料として使用可能である。また、非極性溶媒としては、正孔注入層12aに対して不溶なものが好ましく、例えば、シクロへキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等を用いることができる。
本形態では、非極性溶媒としてシクロへキシルベンゼンのみを用い、発光層形成用の液状組成物12fを塗布した後は、真空乾燥を行ない、しかる後に、窒素雰囲気中においてホットプレート上130℃、1時間での熱処理により、液状組成物を乾燥させ、発光層12bを形成する。その際、基板20b上の中央領域(第1領域)のように、液状組成物12fからの溶媒の蒸発速度が遅い領域には、画素電極11を内側に1つ備えた狭い第1機能層形成領域41を配置し、その周りの領域(第2領域)に画素電極11を内側に2つ備えた第2機能層形成領域42を配置し、基板20b上の外周領域(端部/第3領域)のように、液状組成物12fからの溶媒の蒸発速度が速い領域には、画素電極11を内側に3つ備えた広い第3機能層形成領域43を配置してあるため、第1機能層形成領域41には少ない量の液状組成物12fが塗布され、第2機能層形成領域42には比較的多い量の液状組成物12fが塗布され、第3機能層形成領域43には最も多い量の液状組成物12fが塗布される。このため、液状組成物12fからの溶媒の蒸発速度が遅い第1機能層形成領域41と、液状組成物12fからの溶媒の蒸発速度が比較的速い第2機能層形成領域42と、液状組成物12fからの溶媒の蒸発速度が最も速い第3機能層形成領域43とでは、同一条件で乾燥させても、周辺の蒸気密度や蒸発潜熱に起因する蒸発速度の差が相殺される。すなわち、外周側に位置する機能層形成領域40ほど、その周辺では、蒸気密度が薄いという点で蒸発速度が速いが、液状組成物12fの量が多い分、蒸発潜熱に起因する温度低下が大きいので、第1機能層形成領域41と第2機能層形成領域42と第3機能層形成領域43との間で蒸発速度の差が相殺される。
このようにして、正孔注入層12aおよび発光層12bからなる有機機能層12を形成した後、図3(b)に示す陰極層15を形成する。例えば、陰極層15として、フッ化リチウム層、カルシウム層、およびアルミニウム層の積層膜を真空加熱蒸着などにより形成した後、封止を行う。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の有機EL装置100の製造方法では、基板20b上の中央領域(第1領域)のように、液状組成物12e、12fからの溶媒の蒸発速度が遅い領域には、少ない画素電極11(画素10a)を内側に備えた狭い第1機能層形成領域41を配置し、基板20b上の外周領域(第3領域)のように、液状組成物12e、12fからの溶媒の蒸発速度が速い領域には、多い画素電極11(画素10a)を内側に備えた狭い第3機能層形成領域41を配置し、その中間領域(第2領域)には、中間の数の画素電極11(画素10a)を内側に備えた狭い第2機能層形成領域42を配置してある。このため、基板20bのいずれの領域でも、液状組成物からの溶媒の蒸発速度が同等であり、液状組成物12e、12fが乾燥し終えるタイミングが等しい。このため、いずれの機能層形成領域40においても、画素電極11上に形成した有機機能層12(正孔注入層12aおよび発光層12b)に画素10a内および画素10a間での膜厚ムラが発生しない。それ故、本形態の有機EL装置100を携帯電話機、パーソナルコンピュータやPDAなどの電子機器の直視型表示装置として用いた場合、発光領域110の全体にわたって、各画素10aでの輝度を同等とすることができるので、輝度ムラや発光色ムラなどの発生を防止することができる。
また、本形態によれば、全ての画素10aにおいて、複数の画素10aをまとめて1つの機能層形成領域内に配置した場合と比較して、膜厚ムラを防止する効果が大きく、かつ、隣接する画素10a同士の境界部分に塗布した液状組成物が無駄になるのを最小限に止めることができる。
[実施の形態2]
図5(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態2に係る有機EL装置の発光領域の平面構成を模式的に示す断面図、およびその機能層形成領域の構成を示す断面図である。本形態は、1枚の大型基板から有機EL装置用の素子基板を複数枚製造する例である。なお、本形態は基本的な構成が実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの詳細な説明は省略する。
本形態の有機EL装置100において、素子基板20上の発光領域110では、図5(a)に示すように、複数の画素10aがマトリクス状に配置されている。かかる素子基板20は、例えば、図5(b)に示すように、基体たる基板20bの上に、図2に示す薄膜トランジスタ7、シリコン酸化膜などからなる層間絶縁膜16、アクリル樹脂などからなる平坦化膜17は、ITO膜などの透光性導電膜からなる画素電極11、シリコン酸化膜などからなる画素分離用絶縁膜18、アクリル樹脂やポリイミド樹脂などからなる隔壁4がこの順に形成されたものとして表される。隔壁4は、有機機能層12を塗布法で形成する際、機能層形成領域40を区画するものであり、かかる隔壁4で囲まれた機能層形成領域40には、正孔注入層12aおよび発光層12bを含む有機機能層12が形成されている。また、有機機能層12および隔壁4の上層側には、発光領域110の前面にわたって、カルシウム層やアルミニウム膜などからなる陰極層15が形成されており、画素電極11、有機機能層12および陰極層15によって、複数の画素10aの各々には、有機EL素子10が形成されている。ここで、複数の画素10aは、対応する色が同一の画素同士が、図2に示すデータ線64が延びている方向(第2方向)で直線状に配列され、図2に示す走査線63が延びている方向(第1方向)に隣接する画素10a同士は異なる色に対応している。
このような構成の有機EL装置100を製造する際も、図4を参照して説明した方法で製造する。但し、本形態では、析出や粘度上昇などの面から溶質や溶媒の種類、濃度などに制約があって、発光層12bを形成するのに用いる青色発光層用の液状組成物(第1液状組成物)、緑色発光層用の液状組成物(第2液状組成物)、赤色発光層用の液状組成物(第3液状組成物)において、溶媒の乾燥速度が相違する。具体的には、各液状組成物で用いた溶媒は、以下の通りであり、
赤色発光層用の液状組成物の溶媒=トリエチルベンゼン
緑色発光層用の液状組成物=シクロヘキシルベンゼン
青色発光層用の液状組成物=イソプロピルビフェニル
各液状組成物から溶媒の乾燥速度は以下の関係
青色発光層用の液状組成物<緑色発光層用の液状組成物<赤色発光層用の液状組成物
にある。すなわち、青色発光層用の液状組成物(第1液状組成物)に含まれる溶剤の蒸発速度は、緑色発光層用の液状組成物(第2液状組成物)に含まれる溶剤の蒸発速度よりも遅く、緑色発光層用の液状組成物(第2液状組成物)に含まれる溶剤の蒸発速度は、赤色発光層用の液状組成物(第3液状組成物)に含まれる溶剤の蒸発速度よりも遅い。
そこで、本形態では、複数の機能層形成領域40では、液状組成物12fからの溶媒の蒸発速度が遅い青色(R)に対応する領域(第1領域)には、画素電極11(画素10a)を内側に1つ備えた第1機能層形成領域41を配置し、液状組成物12fからの溶媒の蒸発速度が比較的速い緑色(G)に対応する領域(第2領域)には、画素電極11(画素10a)を内側に2つ備えた第2機能層形成領域42を配置し、液状組成物12fからの溶媒の蒸発速度が最も速い赤色(R)に対応する領域(第3領域)には、画素電極11(画素10a)を内側に3つ備えた第3機能層形成領域43を配置してある。従って、溶媒の蒸発速度が遅い青色(R)に対応する第1機能層形成領域41の平面積は、溶媒の蒸発速度が比較的速い緑色(G)に対応する第2機能層形成領域42の平面積よりも小さく、溶媒の蒸発速度が最も速い赤色(R)に対応する第3機能層形成領域43の平面積は、溶媒の蒸発速度が比較的速い緑色(G)に対応する第2機能層形成領域42の平面積よりも大きい。このため、第1機能層形成領域41には少ない量の液状組成物12fが塗布され、第2機能層形成領域42には比較的多い量の液状組成物12fが塗布され、第3機能層形成領域43には最も多い量の液状組成物12fが塗布される。従って、液状組成物12fからの溶媒の蒸発速度が遅い第1機能層形成領域41と、液状組成物12fからの溶媒の蒸発速度が比較的速い第2機能層形成領域42と、液状組成物12fからの溶媒の蒸発速度が最も速い第3機能層形成領域43とでは、同一条件で乾燥させても、周辺の蒸気密度や蒸発潜熱に起因する蒸発速度の差が相殺される。このため、いずれの機能層形成領域40においても、正孔注入層12aでは画素10a内および画素10a間での膜厚ムラが発生しない。それ故、本形態の有機EL装置100を携帯電話機、パーソナルコンピュータやPDAなどの電子機器の直視型表示装置として用いた場合、発光領域110の全体にわたって、各色の画素10aでの輝度を適正化することができるので、発光色ムラなどの発生を防止することができる。
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、機能層形成領域40の種類を3種類としたが、4種類以上であってもよく、機能層形成領域40の種類を3種類以上まで細分化すると、各画素10aの状況に応じて、最適な種類の機能層形成領域40を形成できる。
また、上記形態では、有機EL素子10の発光層12bの形成に本発明を適用したが、いずれの有機EL素子10からも白色光を出射する一方、有機EL素子10に対してカラーフィルタを形成してカラー表示を行なう有機EL装置100において、カラーフィルタの色変換層の形成に本発明を適用してもよい。
さらに、上記形態では、有機EL素子10の製造に本発明を適用したが、液晶装置(電気光学装置)に用いるカラーフィルタ基板の製造に本発明を適用してもよい。
本発明を適用した有機EL装置の平面図である。 本発明を適用した有機EL装置の電気的構成を示すブロック図である。 (a)、(b)は各々、本発明の実施の形態1に係る有機EL装置の発光領域の平面構成を模式的に示す断面図、およびそのA−A′断面図である。 本発明を適用した有機EL装置の製造工程のうち、有機機能層を形成する方法を示す工程断面図である。 (a)、(b)は各々、本発明の実施の形態2に係る有機EL装置の発光領域の平面構成を模式的に示す断面図、およびその機能層形成領域の構成を示す断面図である。
符号の説明
4・・隔壁、10・・有機EL素子、10a・・画素、11・・画素電極、12・・有機機能層、12a・・正孔注入層、12b・・発光層、20・・素子基板、20b・・基板、40・・機能層形成領域、41・・第1機能層形成領域、42・・第2機能層形成領域、43・・第3機能層形成領域、100・・有機EL装置、110・・発光領域

Claims (5)

  1. 基板と、
    前記基板上に規則的に配置され、各々隔壁で囲まれた複数の機能層形成領域と、
    を有し、
    前記複数の機能層形成領域の各々に有機機能層が形成された電気光学装置において、
    前記複数の機能層形成領域は、前記基板の第1領域に配置された複数の第1機能層形成領域と、前記基板の第2領域に配置された複数の第2機能層形成領域と、前記基板の第3領域に配置された複数の第3機能層形成領域と、を含み、
    前記第2機能層形成領域の平面積は前記第1機能層形成領域の平面積よりも大きく、前記第3機能層形成領域の平面積は前記第2機能層形成領域の平面積よりも大きく、
    前記基板上で互いに交差する方向を第1方向および第2方向としたとき、
    前記第1領域は前記基板の中央部に位置し、前記第3領域は前記基板の外周部に位置し、前記第2領域は前記第1領域と前記第3領域との間に位置し、
    前記第1領域に配置された前記複数の第1機能層形成領域では、前記第1の方向で隣り合う第1機能層形成領域に各々形成された前記有機機能層は互いに異なる色に対応しており、
    前記第2領域に配置された前記複数の第2機能層形成領域では、前記第1の方向で隣り合う第2機能層形成領域に各々形成された前記有機機能層は互いに異なる色に対応しており、
    前記第3領域に配置された前記複数の第3機能層形成領域では、前記第1の方向で隣り合う第3機能層形成領域に各々形成された前記有機機能層は互いに異なる色に対応していることを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記有機機能層は、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層であることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記有機機能層は、カラーフィルタの色変換層であることを特徴とする請求項1または請求項2の何れか一項に記載の電気光学装置。
  4. 基板と、
    前記基板上に規則的に配置され、画素電極と、発光層を含む有機機能層とを各々備えた複数の画素と、
    前記有機機能層を形成する領域である機能層形成領域を規定する隔壁と、
    を有する電気光学装置において、
    前記基板上で互いに交差する方向を第1方向および第2方向としたとき、
    1つの前記機能層形成領域には、前記複数の画素のうち1つの画素、または前記複数の画素のうち同一色を発光する複数の画素が形成され、
    前記機能層形成領域は、前記基板の第1領域に形成された複数の第1機能層形成領域と、前記基板の第2領域に形成された複数の第2機能層形成領域と、前記基板の第3領域に形成された複数の第3機能層形成領域と、を含み、
    前記第1領域は前記第3領域よりも前記基板の中央側に位置し、
    前記第2領域は前記第3領域よりも前記基板の中央側に位置し、かつ前記第1領域よりも前記基板の周辺側に位置し、
    前記第2機能層形成領域の内側に形成された前記画素電極の数は、前記第1機能層形成領域の内側に形成された前記画素電極の数よりも多く、
    前記第3機能層形成領域の内側に形成された前記画素電極の数は、前記第2機能層形成領域の内側に形成された前記画素電極の数よりも多く、
    前記第1領域に配置された前記複数の第1機能層形成領域では、前記第1の方向で隣り合う第1機能層形成領域に各々形成された前記画素は互いに異なる色を発光する前記発光層を有し、
    前記第2領域に配置された前記複数の第2機能層形成領域では、前記第1の方向で隣り合う第2機能層形成領域に各々形成された前記画素は互いに異なる色を発光する前記発光層を有し、
    前記第3領域に配置された前記複数の第3機能層形成領域では、前記第1の方向で隣り合う第3機能層形成領域に各々形成された前記画素は互いに異なる色を発光する前記発光層を有していることを特徴とする電気光学装置。
  5. 請求項1乃至の何れか一項に記載の電気光学装置を備えていることを特徴とする電子機器。
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