JP2008243648A - 有機エレクトロルミネッセンス装置およびその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス装置およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液状組成物を配置する領域の底部表面の濡れ性を最適化することにより、液状組成物が固化する際の溶質成分の偏りを防止し、有機機能層の平坦性を向上することのできる有機EL装置およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】隔壁5で囲まれた画素領域100に液状組成物を配置、乾燥させて、有機EL素子2の正孔注入輸送層21を形成する際、画素領域100の長手方向の両端部100e、100fでは、画素領域100内の内側から外側に向かって第1の絶縁層6、第2の絶縁層7および第3の絶縁層8がこの順に配置されている構造を採用するとともに、第1の絶縁層6、第2の絶縁層7および第3の絶縁層8の親液性については、以下の関係
第1の絶縁層6<第2の絶縁層7<第3の絶縁層8
をもつように、構成材料を決定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、隔壁で囲まれた領域内に液状組成物を固化させてなる有機機能層を備えた有機エレクトロルミネッセンス装置(以下、「エレクトロルミネッセンス」を「EL」という)、およびその製造方法に関するものである。
近年、有機蛍光材料等の発光材料を液状組成物とし、この液状組成物を基材上にインクジェット法により吐出した後、固化させて、発光層を含む有機機能層を形成した有機EL装置の開発が行われており、かかる有機EL装置は、例えば、複写機などの画像形成装置のラインヘッドや、表示装置などといった有機EL装置として用いられる。また、液状組成物を吐出する際、所定領域から液状組成物がはみ出ないように、有機機能層の形成領域の周りをバンクと称せられる隔壁で囲んだ構成が提案されている。
しかしながら、隔壁に囲まれた領域内に液状組成物を吐出した後、固化させる過程で、隔壁内で有機機能層の膜厚がばらつくという問題がある。例えば、液状組成物に含まれる溶媒が蒸発する際に発生する気化熱によって、液状組成物の溶質分布が変動し、膜厚ばらつきが発生する。そこで、液状組成物を吐出した後、局部的に加熱することにより、膜厚ばらつきの発生を防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−144324号公報
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、基板側に熱を加える機構や、サブミリオーダーで局所的に加熱する等、技術的に困難な課題が多く、量産には到っていない。
以上問題点に鑑みて、本発明の課題は、液状組成物を配置する領域の底部表面の濡れ性を最適化することにより、液状組成物が固化する際の溶質成分の偏りを防止し、有機機能層の平坦性を向上することのできる有機EL装置およびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、隔壁で囲まれた画素領域内に第1の電極層、少なくとも発光層を備えた有機機能層、および第2の電極層が順に積層された有機EL素子を備えた有機EL装置において、前記陽極層と前記有機機能層との層間には、前記画素領域内の端部で内側から外側に向かって第1の絶縁層と、該第1の絶縁層と親液性が相違する第2の絶縁層がこの順に配置されていることを特徴とする。
本発明においては、画素領域内の端部で、親液性の異なる第1の絶縁層と第2の絶縁層が平面的に配置されており、画素領域内の底部では親液性が異なる領域が配置されている。このため、隔壁内に配置した液状組成物から溶媒を蒸発させる際、液状組成物内で発生する対流に起因する物質移動と、親液性が異なる領域が各々液状組成物に作用する力とを相殺させることができる。このため、隔壁で囲まれた領域内に有機機能層を平坦に形成することができる。
本発明において、前記画素領域内の外周端部全体にわたって前記第1の絶縁層および前記第2の絶縁層が配置されている構成を採用してもよい。
本発明において、前記第2の絶縁層は、例えば、前記第1の絶縁層に比して親液性が低い構成を採用することが好ましい。
本発明において、前記第2の絶縁層は、前記第1の絶縁層に比して親液性が高い構成を採用してもよい。
本発明において、前記陽極層と前記有機機能層との層間には、さらに、前記画素領域内における前記第2の絶縁層の外側に、当該第2の絶縁層と親液性が相違する第3の絶縁層が配置されていることが好ましい。
この場合、前記第1の絶縁層、前記第2の絶縁層および前記第3の絶縁層は、親液性がこの順に変化していることが好ましい。例えば、前記第1の絶縁層、前記第2の絶縁層および前記第3の絶縁層の親液性の高低は、以下の関係
第1の絶縁層<第2の絶縁層<第3の絶縁層
あるいは、以下の関係
第3の絶縁層<第2の絶縁層<第1の絶縁層
を有していることが好ましい。
本発明において、前記第1の絶縁層および前記第2の絶縁層は、重なることなく平面状に配置されていることが好ましい。さらには、前記第1の絶縁層、前記第2の絶縁層および前記第3の絶縁層は、重なることなく平面状に配置されていることが好ましい。このように構成すると、液状組成物を隔壁内の底部で広げた後、液状組成物に含まれる極性溶媒を蒸発させる際、第1の絶縁層、第2の絶縁層および第3の絶縁層によって形成される段部が、正孔注入輸送層の平坦性に影響を及ぼすことを一切、排除することができる。
本発明において、前記有機機能層は、前記隔壁で囲まれた画素領域に配置された液状組成物を固化させてなる。すなわち、本発明を適用した有機EL装置の製造方法では、少なくとも前記第1の絶縁層、前記第2の絶縁層および前記隔壁を形成した後、前記有機機能層および前記陰極を形成する前に、前記隔壁で囲まれた画素領域に液状組成物を配置した後、固化させる工程を行って前記有機機能層を形成することを特徴とする。
本発明に係る有機EL装置は、複写機などの画像形成装置のラインヘッドや、表示装置などといった電子機器に用いられる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、各実施の形態で共通の構成を説明した後、各実施の形態の特徴部分を説明する。以下の説明に用いる各図においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材に縮尺は実際のものとは異なるように表している。
[全体構成]
(電気的構成)
図1は、本発明が適用される有機EL装置の一例としてのアクティブマトリクス型の有機EL表示装置の電気的構成を示すブロック図である。図1に示す有機EL装置1は、複数の走査線101と、走査線101に対して交差する方向に延びる複数の信号線102と、信号線102に並列に延びる複数の電源線103とがそれぞれ配線された構成を有するとともに、走査線101および信号線102の各交点付近に、後述する画素領域100が設けられている。信号線102には、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオラインおよびアナログスイッチを備えるデータ側駆動回路104が接続され、走査線101には、シフトレジスタおよびレベルシフタを備える走査側駆動回路105が接続されている。画素領域100の各々には、走査線101を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用の薄膜トランジスタ112と、このスイッチング用の薄膜トランジスタ112を介して信号線102から供給される画素信号を保持する保持容量130と、保持容量130によって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用の薄膜トランジスタ123と、この駆動用薄膜トランジスタ123を介して電源線103に電気的に接続したときに当該電源線103から駆動電流が流れ込む画素電極11(陽極層/第1の電極層)と、この画素電極11と陰極層12(第2の電極層)との間に挟まれた有機機能層20とが設けられている。ここで、画素電極11、有機機能層20および陰極層12は、有機EL素子2を構成している。
かかる構成によれば、走査線101が駆動されてスイッチング用の薄膜トランジスタ112がオンになると、そのときの信号線102の電位が保持容量130に保持され、該保持容量130に状態に応じて、駆動用の薄膜トランジスタ123のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用の薄膜トランジスタ123のチャネルを介して、電源線103から画素電極11に電流が流れ、さらに有機機能層20を介して陰極層12に電流が流れる。その結果、有機EL素子2は、これを流れる電流量に応じて発光する。
(各画素領域の構成)
図2(a)、(b)、(c)は各々、本発明が適用される有機EL装置の画素1つ分の平面図、図2(a)のA1−A1′線に沿って画素を切断した様子を模式的に示す断面図、および図2(a)のB1−B1′線に沿って画素を切断した様子を模式的に示す断面図である。有機EL装置の回路部等の構造は周知であるため、その詳細説明は省略する。図2(a)、(b)、(c)に示すように、本形態の有機EL装置1の断面構造は概ね、基板10の表面側に、図1を参照して説明した配線や薄膜トランジスタが層間絶縁膜を介して形成された回路部3が形成されている。また、最上層の層間絶縁膜30上には、ITO等からなる透明な画素電極11が所定形状にパターニング形成され、画素電極11は、薄膜トランジスタ123に電気的に接続されている。
画素電極11が形成されている領域は、光が出射される画素領域100になっており、本形態では、長方形の平面形状を備えている。画素領域100において、画素電極11の上層には、第1の絶縁層6が形成されている。第1の絶縁層6には、画素領域100の長手方向に沿って複数の開口部61が2列に形成されており、開口部61によって、画素電極11の表面が露出している。画素電極11の上層には、画素領域100の周りを囲むように、例えば厚さが0.1〜3.5μmのアクリル樹脂やポリイミド樹脂等からなる隔壁5が形成されており、隔壁5で囲まれた領域内には、第1の絶縁層6の上層側に有機機能層20が積層されている。また、有機機能層20の上層には、陰極層12が形成されており、画素電極11、有機機能層20および陰極層12によって有機EL素子2が構成されている。
有機機能層20は、例えば、画素電極11上に積層された正孔注入輸送層21と、正孔注入輸送層21上に積層された発光層22とを備えている。なお、発光層22に隣接してその他の機能を有する他の有機機能層、例えば、インターレイアー層や電子輸送層を形成することもある。正孔注入輸送層21は、正孔を発光層22に注入する機能を有するとともに、正孔を輸送する機能を有する。発光層22では、正孔注入輸送層21から注入された正孔と、陰極層12から注入される電子が発光層で再結合し、発光が行われる。ここで、発光層22は、全ての画素領域100において白色光を出射する構成、あるいは、複数の画素領域100が対応する色毎に赤色(R)に発光する赤色発光層、緑色(G)に発光する緑色発光層、および青色(B)に発光する青色発光層として形成されることもある。
正孔注入輸送層21は、後述するように、正孔注入輸送層形成材料および溶媒(分散媒を含む)液状組成物を隔壁5の内側に吐出してから溶媒を除去して形成されたものである。発光層22も、発光層形成材料および溶媒(分散媒を含む)を含む液状組成物を隔壁5の内側に吐出してから溶媒を除去して形成されたものである。このようにして、正孔注入輸送層21および発光層22を形成する際、隔壁5は、液状組成物が外にはみ出ることを防止する機能を担っている。このため、隔壁5に対しては、CF4ガスを用いてのプラズマ処理を行い、隔壁5の撥水性を高めることもある。
陰極層12は、基板20の略全面に形成されており、画素電極11と対になって有機機能層20に電流を流す役割を果たす。陰極層12は、例えば、カルシウム層とアルミニウム層とが積層されて構成されている。このとき、発光層に近い側の陰極には仕事関数が低いものを設けることが好ましい。本形態においては、陰極層12が発光層22に直接に接して発光層22に電子を注入する役割を果たしているが、発光層22の材料によっては発光効率を高めることを目的に、発光層22と陰極層12との間にLiFなどの電子注入層を形成する場合もある。なお、陰極層12の表面側には、封止樹脂、封止基板、封止缶などにより封止部が構成されるが、本発明と直接的な関係がないので、その図示を省略してある。
本形態の有機EL装置1は、例えば、基板10の側から光を出射するボトムエミッション型であり、陰極層12はAl(アルミニウム)などの反射材料から構成されている。従って、有機機能層20から基板10側に発した光は、回路部3および基板10を透過して基板10の下側(観測者側)に出射されるとともに、有機機能層20から基板10の反対側に発した光は、陰極層12により反射されて回路部3および基板10を透過して基板10の下側(観測者側)に出射されるようになっている。なお、陰極層12として、ITO、Pt、Ir、Ni、Pdなどの透明な材料を用い、かつ、画素電極11の下層側に反射層を形成すれば、陰極層12側から光を出射させるトップエミッション型として構成することができる。
(各画素領域の詳細構成)
本形態の有機EL装置1において、画素領域100には画素電極11と有機機能層20との層間に第1の絶縁層6が形成されている。また、画素領域100の長手方向の両端部100e、100fにおいて、隔壁5の下層側であって、第1の絶縁層6の上層には第2の絶縁層7が形成されている。さらに、画素領域100の長手方向の両端部100e、100fにおいて、隔壁5の下層側であって、第2の絶縁層7の上層には第3の絶縁層8が形成されている。ここで、第1の絶縁層7は、基板10の略全面に形成されているのに対して、第2の絶縁層7は、隔壁5の下層側から画素領域100の内側にわずかに張り出しているだけである。また、第3の絶縁層8は、隔壁5の下層側から画素領域100の内側に、第2の絶縁層7よりもさらに少なくわずかに張り出しているだけである。このため、画素領域100の長手方向の両端部100e、100fでは、第1の絶縁層6の上層で第2の絶縁層7および第3の絶縁層8が階段状に形成され、平面的には、画素領域100内の内側から外側に向かって第1の絶縁層6、第2の絶縁層7および第3の絶縁層8がこの順に配置されている状態にある。詳しくは後述するが、第2の絶縁層7は、第1の絶縁層6と親液性が相違し、第3の絶縁層8とも親液性が相違している。なお、本形態では、画素領域100の短手方向の両端部100g、100hには、第1の絶縁層6のみが形成され、第2の絶縁層7および第3の絶縁層8は形成されていない。
(液滴吐出ヘッドの構成)
図3(a)、(b)、(c)は各々、本形態の有機EL装置1を製造する際に使用される液滴吐出ヘッドの内部構造を模式的に示す説明図、撓み振動モードの圧力発生素子の説明図、および縦振動モードの圧力発生素子の説明図である。
本形態の有機EL装置1を製造するにあたっては、液滴吐出法を用いて正孔注入輸送層21および発光層22を形成する。その際には、図3(a)、(b)、(c)を参照して説明する液滴吐出ヘッドが用いられる。図3(a)に示すように、液滴吐出ヘッド322は、液滴として吐出する液状組成物Mを貯留しておくタンク状、カートリッジ状などの液状組成物貯留部337に接続されている。また、液滴吐出ヘッド322は、多数のノズル開口327を列状に並べることによって形成されたノズル列を備えている。このような液滴吐出ヘッド322において、そのノズル列が主走査方向と交差する副走査方向へ延びており、液滴吐出ヘッド322が主走査方向に移動する間に、液状組成物Mを複数のノズル開口327から選択的に吐出することにより、基板10上の所定位置に液滴M0を着弾させる。また、液滴吐出ヘッド322は副走査方向へ所定距離だけ平行移動することにより、液滴吐出ヘッド322による主走査位置を所定の間隔でずらせることができる。
図3(a)、(b)に示すように、液滴吐出ヘッド322は、例えば、ステンレス製のノズルプレート29と、それに対向する弾性板331と、それらを互いに接合する複数の仕切部材332とを有している。ノズルプレート329と弾性板331との間には、仕切部材332によって複数の圧力発生室333および液溜り334が形成され、複数の圧力発生室333と液溜り334とは液状組成物流入口338を介して互いに連通している。弾性板331の適所には液状組成物供給穴336が形成され、この液状組成物供給穴336に液状組成物貯留部337が接続される。従って、液状組成物貯留部337は吐出されることとなる液状組成物Mを液状組成物供給穴336へ供給する。供給された液状組成物Mは液溜り334に充満し、さらに液状組成物流入口338を通って圧力発生室333に充満する。このようにして、液状組成物貯留部337と各圧力発生室333とが連通している。
ノズルプレート329には、圧力発生室333から液状組成物Mを液滴M0として噴射するためのノズル開口327が設けられており、そのノズル開口327が開口しているノズル形成面は平坦面とされている。このようにしてノズル開口327は、圧力発生室333で開口している。弾性板331の圧力発生室333を形成する面の裏面には、この圧力発生室333に対応させて圧力発生素子339が取り付けられている。この圧力発生素子339は、例えば、図3(b)に示すように、圧電素子341、およびこの圧電素子341を挟持する一対の電極342a、342bを備えたたわみ振動モードの圧電素子である。その振動方向を矢印Cで示す。なお、図3(c)に示すように、圧力発生素子339としては、縦振動モードの圧電素子を用いてもよい。この縦振動モードの圧電素子(圧力発生素子339)では、伸長方向に平行に圧電材料と導電材料を交互に積層して構成されており、その先端は弾性板331に固定され、他端は基台320に固定されている。このような圧力発生素子339では、充電状態では導電層の積層方向と直角な方向に収縮し、また充電状態が解かれると、導電層と直角な方向に伸長する。
いずれの圧電素子を用いた場合も、電極間に印加される駆動信号によって変形し、圧力発生室333を膨張、収縮させる。なお、ノズル開口327の周辺部には、液滴M0の飛行曲がりやノズル開口237の穴詰まりなどを防止するために、例えばNi−テトラフルオロエチレン共析メッキ層からなる撥液層343が設けられる。
(有機EL装置1の製造方法)
図2〜図4を参照して本形態の有機EL装置1の製造方法を説明する。図4(a)、(b)、(c)は各々、本発明の実施の形態1に係る有機EL装置において、有機機能層20を形成する前の状態におけるの画素1つ分の平面図、図4(a)のA2−A2′線に沿って画素を切断した様子を模式的に示す断面図、および図4(a)のB2−B2′線に沿って画素を切断した様子を模式的に示す断面図である。
本形態の有機EL装置1を製造するにあたっては、まず、図4(a)に示すように、各種半導体プロセスなどを用いて回路部3を形成する。次に、層間絶縁膜30の上にITO膜を形成した後、フォトリソグラフィ技術を用いて、ITO膜をパターニングし、画素電極11を形成する。
次に、画素電極11の上層に絶縁膜を形成した後、フォトリソグラフィ技術を用いて、絶縁膜をパターニングし、開口部61を備えた第1の絶縁層6を形成する。次に、画素電極11の上層に絶縁膜を形成した後、フォトリソグラフィ技術を用いて、絶縁膜をパターニングし、第2の絶縁層7を形成する。次に、画素電極11の上層に絶縁膜を形成した後、フォトリソグラフィ技術を用いて、絶縁膜をパターニングし、第3の絶縁層8を形成する。次に、基板10の全面に、アクリル樹脂やポリイミド樹脂などの樹脂層をスピンコート法などで塗布した後、露光、現像し、隔壁5を形成する。この状態で、画素領域100は、隔壁5で囲まれた凹部100aになっており、画素領域100の長手方向における両端部100e、100fでは、その底部に、内側から外側に向かって第1の絶縁層6、第2の絶縁層7および第3の絶縁層8がこの順に配置されている状態にある。
次に、正孔注入輸送層形成液塗布工程では、液滴吐出ヘッド322から正孔注入輸送層形成材料を含む液状組成物21aを凹部100a内に吐出する。このようにして吐出された液状組成物21aは、凹部100a内に着弾し、凹部100aの底部で広がる。その際、ここで、液状組成物21aとしては、ポリオレフィン誘導体である3、4−ポリエチレンジオシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)や、ポリマー前駆体がポリテトラヒドロチオフェニルフェニレンであるポリフェニレンビニレン、1、1−ビス−(4−N、N−ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサン等の正孔注入輸送層形成材料を極性溶媒に溶解させた組成物を用いることができる。極性溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール、ノルマルブタノール、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノンおよびその誘導体、カルビト−ルアセテート、ブチルカルビト−ルアセテート等のグリコールエーテル類等を挙げることができる。
次に、正孔注入輸送層定着工程を行う。それには、吐出後の液状組成物を加熱、乾燥処理し、液状組成物に含まれる極性溶媒を蒸発させ、正孔注入輸送層21を定着させる。なお、上記の定着処理は、例えば窒素雰囲気中、室温で圧力を例えば133.3Pa(1Torr)程度にして行う。圧力が低すぎると液状組成物21aが突沸してしまうので好ましくない。また、温度を室温以上にすると、極性溶媒の蒸発速度が高まり、平坦な膜を形成する事ができない。乾燥処理後は、窒素中、好ましくは真空中で200℃で10分程度加熱する熱処理を行うことで、正孔注入輸送層21内に残存する極性溶媒や水を完全に除去することが好ましい。
次に、発光層22を形成するが、その前に正孔注入輸送層21に対する表面改質工程を行うことがある。発光層形成工程では、正孔注入輸送層21の再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いる液状組成物の溶媒として、正孔注入輸送層21に対して不溶な非極性溶媒を用いる。しかしながら、正孔注入輸送層21は、非極性溶媒に対する親和性が低いため、非極性溶媒を含む液状組成物を正孔注入輸送層21上に吐出しても、正孔注入輸送層21と発光層22とを密着させることができなくなるか、あるいは発光層22を均一に塗布できないおそれがある。そこで、発光層形成工程の前に、発光層22を形成する際に用いる液状組成物の非極性溶媒と同一溶媒またはこれに類する溶媒からなる表面改質材、例えば、シクロへキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、トルエン、キシレン、あるいはそれらの混合物等をインクジェット法(液滴吐出法)、スピンコート法またはディップ法により正孔注入輸送層21上に塗布した後に乾燥させる。このような表面改質工程を行うことで、正孔注入輸送層21の表面が非極性溶媒になじみやすくなり、この後の工程で、発光層形成材料を含む液状組成物を正孔注入輸送層21に均一に塗布することができる。なお、上記の表面改質材に、正孔輸送性材料を溶解した組成物をインクジェット法により正孔注入輸送層21上に塗布して乾燥させても良い。
次に、発光層形成工程では、正孔注入輸送層形成液塗布工程と同様、図3を参照して説明した液滴吐出ヘッド322から発光層層形成材料を含む液状組成物を凹部100a内に吐出する。このようにして吐出された液状組成物は、凹部100a内に着弾し、凹部100a内において、正孔注入輸送層21の上層で広がる。このような液状組成物としては、ポリフルオレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、またはこれらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、例えばルブレン、ペリレン、9、10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等をドープした発光層形成材料を非極性溶媒に配合したものを用いる。発光層形成材料としては、二重結合のπ電子がポリマー鎖上で非極在化しているπ共役系高分子材料が、導電性高分子でもあることから発光性能に優れるため、好適に用いられる。特に、その分子内にフルオレン骨格を有する化合物、すなわちポリフルオレン系化合物がより好適に用いられる。また、このような材料以外にも、例えば特開平11−40358号公報に示される有機EL素子用組成物、すなわち共役系高分子有機化合物の前駆体と、発光特性を変化させるための少なくとも1種の蛍光色素とを含んでなる有機EL素子用組成物も、発光層形成材料として使用可能である。また、非極性溶媒としては、正孔注入輸送層21に対して不溶なものが好ましく、例えば、シクロへキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等を用いることができる。このような非極性溶媒を発光層形成用の液状組成物に用いることにより、正孔注入輸送層21を再溶解させることなく発光層形成用の液状組成物を塗布できる。
次に、発光層定着工程を行う。それには、吐出後の液状組成物を加熱、乾燥処理し、液状組成物に含まれる非極性溶媒を蒸発させ、発光層22を定着させる。なお、上記の定着処理は、例えば、窒素雰囲気中、室温で圧力を133.3Pa(1Torr)程度として5〜10分行う。圧力が低すぎると液状組成物が突沸してしまうので好ましくない。また、温度を室温以上にすると、非極性溶媒の蒸発速度が高まり、発光層形成材料が隔壁5の壁面に多く付着してしまうので好ましくない。なお、その他の乾燥の手段としては、遠赤外線照射法、高温窒素ガス吹付法等を例示できる。
このようにして、正孔注入輸送層21および発光層22を形成した後は、発光層22および隔壁5の上層に陰極層12を形成した後、封止樹脂、封止基板、封止缶などで陰極層12の表面を覆う。
[正孔注入輸送層の定着状態]
図5(a)、(b)は各々、有機EL装置を製造する際、正孔注入輸送層21に膜厚むらが発生する理由を示す説明図である。図4(a)、(b)、(c)を参照して説明したようにして正孔注入輸送層21を形成する際、画素領域100内で正孔注入輸送層21が平坦に形成されないと、発光層22も平坦に形成されず、有機EL素子2の発光特性や信頼性が低下するが、液状組成物から溶媒を蒸発させる過程で、図5(a)、(b)に示すような膜厚むらが発生することがある。ここで、図5(a)に示す膜厚むらは、塗布した液状組成物が収縮して中央に偏った状態の膜厚むらであり、図5(b)に示す膜厚むらは、塗布した液状組成物の周縁部で分厚く、中央側で薄くなった状態の膜厚むらである。
このような膜厚むらのうち、図5(a)に示す膜厚むらは、液状組成物に用いた溶媒が低沸点の場合に以下の理由から発生するものと考えられる、液状組成物に用いた溶媒が低沸点の場合、溶媒の乾燥速度が速いことから、液状物の周縁部では、基板側からの熱供給をうけるのに対して、頂上部では熱が伝わらないうちに蒸発が進行するので、周縁部より頂上部の方が低温になる。従って、温度が低い頂上部では表面張力が大きく、温度が高い周縁部では表面張力は小さくなる。その結果、矢印L1で示すように、表面張力が小さい周縁部から表面張力が大きい頂上部に向かって液状組成物が引っ張られる結果、液状組成物が中央に偏った状態で固化すると考えられる。
これに対して、図5(b)に示す膜厚むらは、液状組成物に用いた溶媒が高沸点の場合、溶媒の乾燥速度が遅いことから、頂上部も基板から熱が伝った状態で蒸発が進行する。ここで、液状物の乾燥は、頂上部に比して周縁部が速いので、気化熱の影響で、周縁部の方が頂上部より低温になる。従って、温度が低い周縁部では表面張力が大きく、温度が高い頂上部では表面張力は小さくなって、矢印L2で示すように、表面張力が小さい頂上部から表面張力が大きい周縁部に向かって液状組成物が引っ張られる結果、液状組成物が外周側に偏った状態で固化すると考えられる。
[実施の形態1]
本形態は、図5(a)、(b)に示す膜厚むらのうち、図5(a)に示すように、液状組成物が中央に偏った状態で固化することを防止するために、図2および図4を参照して説明したように、画素領域100の長手方向の両端部100e、100fでは、平面的には、画素領域100内の内側から外側に向かって第1の絶縁層6、第2の絶縁層7および第3の絶縁層8がこの順に配置されている構造を採用するとともに、第1の絶縁層6、第2の絶縁層7および第3の絶縁層8の親液性(正孔注入輸送層21を形成するための液状組成物20aに対する親液性)については、以下の関係
第1の絶縁層6<第2の絶縁層7<第3の絶縁層8
をもつように、構成材料を設定してある。すなわち、第1の絶縁層6、第2の絶縁層7および第3の絶縁層8の水との接触角については、以下の関係
第3の絶縁層8<第2の絶縁層7<第1の絶縁層6
をもつように、構成材料を設定してある。具体的には、第1の絶縁層6、第2の絶縁層7および第3の絶縁層8については以下の材料の組み合わせ
第1の絶縁層6=シリコン酸化物
第2の絶縁層7=シリコン窒化物
第3の絶縁層8=チタン酸化物(UV照射あり)
を採用している。ここで、第3の絶縁層8を構成するチタン酸化物は、成膜しただけでは親液性が低いが、UV(紫外線)を照射すると、親液性が向上する。
このように構成すると、図4に示すように、正孔注入輸送層形成材料を含む液状組成物21aを凹部100aの底部で広げた後、液状組成物21aに含まれる極性溶媒を蒸発させる際、図5(a)に矢印L1で示すように、表面張力が小さい周縁部から表面張力が大きい頂上部に向かって液状組成物が引っ張られる一方、凹部100aの底部では、外側の親液性の強い領域が、液状組成物を外側で保持しようと作用する。従って、液状組成物は、凹部100aの内部で平坦に固化され、正孔注入輸送層21は、表面が平坦に形成される。それ故、正孔注入輸送層21の上層に発光層22を平坦に形成することができるので、有機EL素子2の発光特性や信頼性を向上することができる。
[実施の形態1の変形例]
上記実施の形態1では、第1の絶縁層6、第2の絶縁層7および第3の絶縁層8の親液性については、以下の関係
第1の絶縁層6<第2の絶縁層7<第3の絶縁層8
をもつように、構成材料を設定したが、少なくとも、第1の絶縁層6および第2の絶縁層7の間で親液性が以下の関係
第1の絶縁層6<第2の絶縁層7
を有していれば、第3の絶縁層8については第1の絶縁層6および第2の絶縁層7より親液性が低くてもよい。例えば、第1の絶縁層6、第2の絶縁層7および第3の絶縁層8については以下の材料の組み合わせ
第1の絶縁層6=シリコン酸化物
第2の絶縁層7=シリコン窒化物
第3の絶縁層8=チタン酸化物(UV照射せず)
を採用すると、第1の絶縁層6、第2の絶縁層7および第3の絶縁層8の親液性については、以下の関係
第3の絶縁層8<第1の絶縁層6<第2の絶縁層7
を有することになる。この場合、第3の絶縁層8については、チタン酸化物の他、アルミニウム酸化物(Al23)、ジルコニウム酸化物(ZrO2)、クロム酸化物(Cr23)、錫酸化物(SnO2)を用いることもできる。
[実施の形態2]
本形態は、図5(a)、(b)に示す膜厚むらのうち、図5(b)に示すように、液状組成物が周縁部に偏った状態で固化することを防止するために、図2および図4を参照して説明したように、画素領域100の長手方向の両端部100e、100fでは、平面的には、画素領域100内の内側から外側に向かって第1の絶縁層6、第2の絶縁層7および第3の絶縁層8がこの順に配置されている構造を採用するとともに、第1の絶縁層6、第2の絶縁層7および第3の絶縁層8の親液性(正孔注入輸送層21を形成するための液状組成物20aに対する親液性)については、以下の関係
第3の絶縁層8<第2の絶縁層7<第1の絶縁層6
をもつように、構成材料を設定してある。すなわち、第1の絶縁層6、第2の絶縁層7および第3の絶縁層8の水との接触角については、以下の関係
第1の絶縁層6<第2の絶縁層7<第3の絶縁層8
をもつように、構成材料を設定してある。具体的には、第1の絶縁層6、第2の絶縁層7および第3の絶縁層8については以下の材料の組み合わせ
第1の絶縁層6=シリコン窒化物
第2の絶縁層7=シリコン酸化物
第3の絶縁層8=チタン酸化物(UV照射せず)
を採用している。
このように構成すると、図4に示すように、正孔注入輸送層形成材料を含む液状組成物21aを凹部100aの底部で広げた後、液状組成物21aに含まれる極性溶媒を蒸発させる際、図5(b)に矢印L2で示すように、表面張力が小さい頂上部から表面張力が大きい周辺部に向かって液状組成物が引っ張られる一方、凹部100aの底部では、内側の親液性の強い領域が、液状組成物を内側で保持しようと作用する。従って、液状組成物は、凹部100aの内部で平坦に固化され、正孔注入輸送層21は、表面が平坦に形成される。それ故、正孔注入輸送層21の上層に発光層22を平坦に形成することができるので、有機EL素子2の発光特性や信頼性を向上することができる。
なそ、第3の絶縁層8については、チタン酸化物の他、アルミニウム酸化物(Al23)、ジルコニウム酸化物(ZrO2)、クロム酸化物(Cr23)、錫酸化物(SnO2)を用いることもできる。
[実施の形態2の変形例]
上記実施の形態1では、第1の絶縁層6、第2の絶縁層7および第3の絶縁層8の親液性については、以下の関係
第3の絶縁層8<第2の絶縁層7<第1の絶縁層6
をもつように、構成材料を設定したが、少なくとも、第1の絶縁層6および第2の絶縁層7の間で親液性が以下の関係
第2の絶縁層7<第1の絶縁層6
を有していれば、第3の絶縁層8については第1の絶縁層6および第2の絶縁層7より親液性が低くてもよい。例えば、第1の絶縁層6、第2の絶縁層7および第3の絶縁層8については以下の材料の組み合わせ
第1の絶縁層6=シリコン窒化物
第2の絶縁層7=シリコン酸化物
第3の絶縁層8=チタン酸化物(UV照射あり)
を採用すると、第1の絶縁層6、第2の絶縁層7および第3の絶縁層8の親液性については、以下の関係
第2の絶縁層7<第1の絶縁層6<第3の絶縁層8
を有することになる。
[実施の形態1、2の改良例1]
図6(a)、(b)、(c)は各々、本発明が適用された別の有機EL装置の画素1つ分の平面図、図6(a)のA3−A3′線に沿って画素を切断した様子を模式的に示す断面図、および図2(a)のB3−B3′線に沿って画素を切断した様子を模式的に示す断面図である。図7(a)、(b)は各々、本発明が適用された有機EL装置における絶縁層の配置例を示す断面図である。
上記実施の形態1、2では、画素領域100の長手方向の両端部100e、100fのみにおいて、内側から外側に向かって第1の絶縁層6、第2の絶縁層7および第3の絶縁層8がこの順に配置されている構成であったが、図6(a)、(b)、(c)に示すように、
画素領域100内の外周端部全体にわたって第1の絶縁層6、第2の絶縁層7および第3の絶縁層8が配置されている構成を採用してもよい。すなわち、図6(a)、(c)に示すように、画素領域100の短手方向の両端部100g、100hにおいても、内側から外側に向かって第1の絶縁層6、第2の絶縁層7および第3の絶縁層8がこの順に配置されている構成を採用してもよい。
また、画素領域100の長手方向の両端部100e、100fと、短手方向の両端部100g、100hとの間で、第1の絶縁層6、第2の絶縁層7および第3の絶縁層8の間の親液性の高低関係を相違させてもよい。例えば、画素領域100の長手方向では、正孔注入輸送層21が中央で薄くなり過ぎるのを防止する目的で、端部100e、100fが薄くなるように第1の絶縁層6、第2の絶縁層7および第3の絶縁層8の間の親液性の高低関係を設定し、画素領域100の短手方向では、正孔注入輸送層21が中央で厚くなり過ぎるのを防止する目的で、端部100h、100gが厚くなるように第1の絶縁層6、第2の絶縁層7および第3の絶縁層8の間の親液性の高低関係を設定してもよい。
[実施の形態1、2の改良例2]
図7(a)、(b)は各々、本発明が適用された有機EL装置における絶縁層の配置例を示す断面図である。内側から外側に向かって第1の絶縁層6、第2の絶縁層7および第3の絶縁層8をこの順に配置するにあたっては、図7(a)に示すように、第1の絶縁層6、第2の絶縁層7および第3の絶縁層8が互いに一部のみが重なるようにしてもよい。このように構成すると、画素領域100の端部で絶縁層6、7、8が占める厚さを薄くすることができるので、その分、画素領域100の端部で正孔注入輸送層21が薄くなるのを防止することができる。なお、図示を省略するが、下層側から上層側に向かって第1の絶縁層6、第2の絶縁層7および第3の絶縁層8がこの順に積層されている構造に代えて、例えば、下層側から上層側に向かって第3の絶縁層8、第2の絶縁層7および第1の絶縁層6がこの順に積層されている構造を採用してもよい。
また、図7(b)に示すように、第1の絶縁層6、第2の絶縁層7および第3の絶縁層8が互いに重なることなく平面的に配置されている構成を採用することが好ましい。このように構成すると、正孔注入輸送層形成材料を含む液状組成物21aを凹部100aの底部で広げた後、液状組成物21aに含まれる極性溶媒を蒸発させる際、第1の絶縁層6、第2の絶縁層7および第3の絶縁層8によって形成される段部が、正孔注入輸送層21の平坦性に影響を及ぼすことを一切、排除することができる。
[他の実施の形態]
さらに、上記形態では、図1に示すように画素領域100がマトリクス状に配置されている有機EL装置1を例に説明したが、複写機などの画像形成装置のラインヘッドに用いる有機EL装置1のように、画素領域100がライン状に配列されているタイプに本発明を適用してもよい。
本発明が適用される有機EL装置の一例としてのアクティブマトリクス型の有機EL表示装置の電気的構成を示すブロック図である。 (a)、(b)、(c)は各々、本発明が適用された有機EL装置の画素1つ分の平面図、図2(a)のA1−A1′線に沿って画素を切断した様子を模式的に示す断面図、および図2(a)のB1−B1′線に沿って画素を切断した様子を模式的に示す断面図である。 (a)、(b)、(c)は各々、本発明が適用される有機EL装置を製造する際に使用される液滴吐出ヘッドの内部構造を模式的に示す説明図、撓み振動モードの圧力発生素子の説明図、および縦振動モードの圧力発生素子の説明図である。 (a)、(b)、(c)は各々、本発明が適用された有機EL装置において、有機機能層を形成する前の状態におけるの画素1つ分の平面図、図4(a)のA2−A2′線に沿って画素を切断した様子を模式的に示す断面図、および図4(a)のB2−B2′線に沿って画素を切断した様子を模式的に示す断面図である。 (a)、(b)は各々、有機EL装置を製造する際、正孔注入輸送層に膜厚むらが発生する理由を示す説明図である。 (a)、(b)、(c)は各々、本発明が適用された別の有機EL装置の画素1つ分の平面図、図6(a)のA3−A3′線に沿って画素を切断した様子を模式的に示す断面図、および図2(a)のB3−B3′線に沿って画素を切断した様子を模式的に示す断面図である。 (a)、(b)は各々、本発明が適用された有機EL装置における絶縁層の配置例を示す断面図である。
符号の説明
1・・有機EL装置、2・・有機EL素子、5・・隔壁、6・・第1の絶縁層、7・・第2の絶縁層、8・・第3の絶縁層、10・・基板、11・・画素電極(第1の電極)、12・・陰極(第2の電極)、20・・有機機能層、21・・正孔注入輸送層(有機機能層)、22・・発光層(有機機能層)、100・・画素領域、

Claims (9)

  1. 隔壁で囲まれた画素領域内に第1の電極層、少なくとも発光層を備えた有機機能層、および第2の電極層が順に積層された有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた有機エレクトロルミネッセンス装置において、
    前記陽極層と前記有機機能層との層間には、前記画素領域内の端部で内側から外側に向かって第1の絶縁層と、該第1の絶縁層と親液性が相違する第2の絶縁層がこの順に配置されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
  2. 前記画素領域内の外周端部全体にわたって前記第1の絶縁層および前記第2の絶縁層が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  3. 前記第2の絶縁層は、前記第1の絶縁層に比して親液性が低いことを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  4. 前記陽極層と前記有機機能層との層間には、前記画素領域内における前記第2の絶縁層の外側に、当該第2の絶縁層と親液性が相違する第3の絶縁層が配置されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  5. 前記第1の絶縁層、前記第2の絶縁層および前記第3の絶縁層は、親液性がこの順に変化していることを特徴とする請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  6. 前記第1の絶縁層および前記第2の絶縁層は、重なることなく平面状に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  7. 前記第1の絶縁層、前記第2の絶縁層および前記第3の絶縁層は、重なることなく平面状に配置されていることを特徴とする請求項4または5に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  8. 前記有機機能層は、前記隔壁で囲まれた画素領域に配置された液状組成物を固化させてなることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  9. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法において、
    少なくとも前記第1の絶縁層、前記第2の絶縁層および前記隔壁を形成した後、前記有機機能層および前記陰極を形成する前に、
    前記隔壁で囲まれた画素領域に液状組成物を配置した後、固化させる工程を行って前記有機機能層を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
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