JP4492368B2 - 発光装置、発光装置の製造方法、および電子機器 - Google Patents

発光装置、発光装置の製造方法、および電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、基板上に所定の色光を発する自発光素子を有する発光装置、発光装置の製造方法、および電子機器に関するものである。
次世代の表示装置として、透明基板上に自発光素子として、複数のエレクトロルミネッセンス(EL/Electro Luminescence)素子を有する有機EL装置などの発光装置が期待されている。この有機EL装置において、EL素子は、発光層を含む有機機能層を陽極および陰極で挟んだ構成を備えており、陽極側から注入された正孔と陰極側から注入された電子とが発光層内で再結合し、励起状態から失括する際に発光する。
このような有機EL装置に関しては、発光層と平面的に重なる領域に色度補正層として誘電体多層膜を形成することにより光共振器を構成し、光共振器の光学長が半波長の整数倍に相当する光の色度を向上させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示された技術では、スイッチング素子としてのTFT(Thin Film Transisitor/薄膜トランジスタ)、層間絶縁膜、層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介してTFTのドレイン領域に電気的に接続された透明電極、自発光素子の発光層、対向電極、誘電体多層膜を基板側から上層側に向けてこの順に形成されているが、基板側に誘電体多層膜を形成する場合には、一般的に、図9に示すように、TFT90、層間絶縁膜5、この層間絶縁膜5に形成されたコンタクトホール51を介してTFT90のソース・ドレイン領域91に接続された導電膜からなるソース・ドレイン電極11、誘電体多層膜30a、この誘電体多層膜30aに形成されたコンタクトホール39aを介してソース・ドレイン電極11に接続された透明電極4、有機EL素子の正孔輸送層63、有機EL素子の発光層65、および反射性を備えた対向電極7を透明基板2側から上層側に向けてこの順に形成した構造が採用されており、誘電体多層膜30aと対向電極7との間に光共振器3aが構成されている。なお、誘電体多層膜30aの下層には、種々の配線(図示せず)が形成されている。また、TFT90と透明基板2との層間には、透明基板2からTFT90への不純物の侵入を防止するために、シリコン窒化膜からなる下地保護膜29が形成されている。
特開2004−79428号公報
しかしながら、図9に示す構造を採用した場合には、透明電極4が誘電体多層膜30aのコンタクトホール39aを介してソース・ドレイン電極11に接続する構造であるため、発光装置の信頼性が低いという問題点がある。すなわち、誘電体多層膜30aは、例えば、シリコン窒化膜31とシリコン酸化膜32とが交互に積層された構造であり、各層毎にエッチング速度が異なるため、コンタクトホール39aを形成する際、エッチング不良やコントタクトホール39aの形状不良などが発生し、電気的な接続部分の信頼性が低下する。また、図9に示す構造のように、TFT90の上層側に誘電体多層膜30aを形成すると、TFT90に対する配線の上層側に誘電体多層膜30aを形成することになるため、誘電体多層膜30aを形成する際の応力が配線に加わるため、配線にマイグレーションが発生しやすい。さらに、TFT90の形成などによって発生した凹凸の上層側に誘電体多層膜30aを形成すると、透明基板2に大きな応力が加わるので、透明基板2の反りが発生しやすく、このような透明基板2の反りは、透明基板2を搬送する際に搬送不良を引き起こすとともに有機EL装置の信頼性を低下させる原因となる。
以上の問題点に鑑みて、基板と自発光素子との層間に誘電体多層膜を形成した場合でも、高い信頼性を確保することのできる発光装置、発光装置の製造方法、および当該発光装置を備えた電子機器を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明による発光装置は、基板上に設けられた誘電体多層膜と、該誘電体多層膜上に設けられたスイッチング素子と、該スイッチング素子上に設けられた層間絶縁膜と、該層間絶縁膜に形成された第1のコンタクトホールを介して前記スイッチング素子に電気的に接続された透明電極と、該透明電極上に設けられた発光層と、該発光層上に設けられた対向電極を有し、前記層間絶縁膜は、前記発光層と平面的に重なる領域には設けられず、前記誘電体多層膜は、前記発光層と平面的に重なる領域にまで延在していることを特徴とする。
本発明では、スイッチング素子と基板との層間に誘電体多層膜が構成されているため、透明電極をスイッチング素子に電気的に接続するにあたって、誘電体多層膜にコンタクトホールを形成する必要がない。このため、誘電体多層膜にコンタクトホールを形成することに起因する不具合が発生しない。すなわち、誘電体多層膜が、例えば、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜が交互に積層された構造である場合、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とでエッチング速度が行っていても、コントタクトホールを形成する際のエッチング不良やコントタクトホールの形状不良などが発生しない。また、スイッチング素子の下層側に誘電体多層膜を形成することになるため、誘電体多層膜を形成する際の応力が配線に加わらないので、配線にマイグレーションが発生するという問題を回避できる。さらに、スイッチング素子の形成などによって表面に凹凸が発生している場合でも、誘電体多層膜はその下層側の平坦面に形成するため、基板に大きな応力が加わることもない。それ故、かかる応力に起因する基板の反りが発生しないので、基板の反りに起因する基板の搬送不良や信頼性低下という問題も回避することができる。さらにまた、スイッチング素子と基板との層間に誘電体多層膜を形成するので、誘電体多層膜が下地保護膜として機能するため、下地保護膜の形成工程を省略できる。また、スイッチング素子と基板との層間に誘電体多層膜を形成すると、誘電体多層膜と透明電極との層間に層間絶縁膜が介在し、層間絶縁膜も含めて光共振器を構成することになり、不要な干渉が発生するが、本発明では、誘電体多層膜と透明電極との層間では、発光層と平面的に重なる領域の層間絶縁膜が除去されているので、スイッチング素子と基板との層間に誘電体多層膜を配置した場合でも、理想的な光共振器を構成することができる。
本発明において、前記層間絶縁膜上には、前記第1のコンタクトホールを介して前記スイッチング素子に接続された導電膜が設けられ、前記導電膜上には絶縁保護膜が設けられ、前記透明電極は、前記絶縁保護膜に形成された第2のコンタクトホールを介して前記導電膜に接続され、前記絶縁保護膜は、前記発光層と平面的に重なる領域には設けられていないことが好ましい。層間絶縁膜の上層側に導電膜を形成するとともに、この導電膜の上層に絶縁保護膜を形成すると、誘電体多層膜と透明電極との層間に絶縁保護膜が介在し、絶縁保護膜を含めて光共振器を構成することになり、不要な干渉が発生するが、本発明では、誘電体多層膜と透明電極との層間では、発光層と平面的に重なる領域の絶縁保護膜が除去されているので、スイッチング素子と基板との層間に誘電体多層膜を配置した場合でも、理想的な光共振器を構成することができる。
本発明による発光装置の製造方法は、基板上に設けられた誘電体多層膜と、該誘電体多層膜上に設けられたスイッチング素子と、該スイッチング素子上に設けられた層間絶縁膜と、該層間絶縁膜に形成された第1のコンタクトホールを介して前記スイッチング素子に電気的に接続された透明電極と、該透明電極上に設けられた発光層と、該発光層上に設けられた対向電極を有する発光装置の製造方法であって、前記基板上に誘電体多層膜を形成する誘電体多層膜形成工程を有し、当該誘電体多層膜形成工程を行った後、少なくとも、前記スイッチング素子の形成工程、前記層間絶縁膜の形成工程、前記透明電極の形成工程、前記発光層の形成工程、および前記対向電極の形成工程をこの順に行い、かつ、前記層間絶縁膜の形成工程では、前記第1のコンタクトホールを形成する際、前記発光層が形成される領域と平面的に重なる領域の前記層間絶縁膜を除去することを特徴とする。
本発明では、透明電極をスイッチング素子に電気的に接続されるにあたって、誘電体多層膜にコンタクトホールを形成する必要がないので、誘電体多層膜にコンタクトホールを形成することに起因する不具合が発生しない。また、スイッチング素子の下層側に誘電体多層膜を形成することになるため、誘電体多層膜に起因する応力が配線に加わらないので、配線にマイグレーションが発生するという問題も回避できる。さらに、スイッチング素子などを形成する前の平坦面に誘電体多層膜を形成するため、基板に大きな応力が加わることもない。それ故、かかる応力に起因する基板の反りが発生しないので、基板の反りに起因する基板の搬送不良や信頼性低下という問題も回避することができる。また、層間絶縁膜を形成する際、層間絶縁膜に第1のコンタクトホールを形成すると同時に、発光層と平面的に重なる領域の層間絶縁膜を除去するので、発光層と平面的に重なる領域には、誘電体多層膜と透明電極との層間に層間絶縁膜が介在しない。従って、層間絶縁膜に起因する不要な干渉が発生しないので、理想的な光共振器を構成できる。しかも、かかる層間絶縁膜の除去は、第1のコンタクトホールの形成と同時に行うため、新たな工程の追加を一切、必要としない。
本発明において、前記発光層の形成工程では、前記層間絶縁膜の除去によって形成された凹部内に発光層形成用液状物の液滴を吐出した後、当該発光層形成用液状物を固化させて前記発光層を形成することが好ましい。すなわち、発光層形成用液状物の液滴を吐出して発光層を形成する場合には、液滴が不要な領域に流出しないように、感光性樹脂により隔壁(バンク)を形成してもよいが、本発明では、層間絶縁膜の部分的な除去によって凹部が形成されるので、この凹部内に発光層形成用液状物の液滴を吐出すれば隔壁の形成を省略しても、液滴が不要な領域に流出しない。それ故、隔壁を形成するための工程を省略できるので、生産性が向上する。
本発明において、前記層間絶縁膜の形成工程の後であって前記透明電極の形成工程の前に、前記層間絶縁膜の前記第1のコンタクトホールを介して前記スイッチング素子に接続する導電膜の形成工程、および絶縁保護膜の形成工程をこの順に行い、前記絶縁保護膜の形成工程では、前記基板上に前記絶縁保護膜を形成した後、当該絶縁保護膜を部分的にエッチングして前記導電膜に前記透明電極を接続させる第2のコンタクトホールを形成する際、前記発光層が形成される領域と平面的に重なる領域の前記絶縁保護膜を除去することが好ましい。絶縁保護膜の形成工程で第2のコンタクトホールを形成する際、発光層と平面的に重なる領域の絶縁保護膜を除去するので、発光層と平面的に重なる領域には、誘電体多層膜と透明電極との層間に絶縁保護膜が介在しない。従って、絶縁保護膜に起因する不要な干渉が発生しないので、理想的な光共振器を構成できる。しかも、かかる絶縁保護膜の除去は、第2のコンタクトホールの形成と同時に行うため、新たな工程の追加を一切、必要としない。
このように構成した場合、前記発光層の形成工程では、当該発光層と平面的に重なる領域に前記層間絶縁膜の除去および前記絶縁保護膜の除去によって形成された凹部内に発光層形成用液状物の液滴を吐出した後、当該発光層形成用液状物を固化させて前記発光層を形成することが好ましい。発光層形成用液状物の液滴を吐出して発光層を形成する場合には、液滴が不要な領域に流出しないように、感光性樹脂により隔壁(バンク)を形成してもよいが、本発明では、層間絶縁膜および絶縁保護膜の部分的な除去によって凹部が形成されるので、この凹部内に発光層形成用液状物の液滴を吐出すれば隔壁の形成を省略しても、液滴が不要な領域に流出しない。それ故、隔壁を形成するための工程を省略できるので、生産性が向上する。
本発明に係る有機EL装置は、携帯電話機、モバイルコンピュータ、直視型表示装置、さらには各種の色光源などの電子機器として用いられる。特に、本発明に係る有機EL装置を電子機器の表示装置として用いれば、電子機器の表色範囲を拡大することができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る有機EL装置とその製造方法、並びに電子機器の一実施形態について説明する。なお、以下の説明においては、図9に示す構成要素との対向が明確になるように、共通する機能を担う部分には同一の符号を付して説明する。また、参照する各図において、図面上で認識可能な大きさとするために縮尺が各層や各部材ごとに異なる場合がある。
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は、アクティブマトリクス型の有機EL装置(発光装置)の電気的構成を示す等価回路図である。図2は、この有機EL装置の画素構成の一例を示す平面図である。
図1に示すように、本実施形態の有機EL装置1では、基板上に、複数の走査線131と、これら走査線131に対して交差する方向に延びる複数の信号線132と、これら信号線132に並列に延びる複数の共通給電線133とがそれぞれ配線されたもので、走査線131および信号線132の各交点毎に画素(画素領域素)100がマトリクス状に構成されている。
信号線132に対しては、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン、アナログスイッチを備えるデータ線駆動回路390が設けられている。一方、走査線131に対しては、シフトレジスタおよびレベルシフタを備える走査線駆動回路380が設けられている。また、画素領域100の各々には、走査線131を介して走査信号がゲート電極に供給される第1のTFT80と、この第1のTFT80を介して信号線132から供給される画像信号を保持する保持容量110と、保持容量110によって保持された画像信号がゲート電極に供給される第2のTFT90と、この第2のTFT90を介して共通給電線133に電気的に接続したときに共通給電線133から駆動電流が流れ込む画素電極(陽極)4と、この画素電極4と対向電極(陰極)7との間に挟み込まれる発光層65とが設けられ、画素電極4、対向電極7および発光層65によってEL素子(自発光素子)が構成されている。
このような有機EL装置1を構成するにあたって、各画素100の平面構造は、平面形状が長方形の画素電極4の四辺が、信号線132、共通給電線133、走査線131及び図示しない他の画素電極用の走査線によって囲まれた配置となっている。画素領域100の平面形状は、図に示す矩形の他に、円形、長円形など任意の形状が適用される。なお、画素電極4と第2のTFT90との電気的な接続や、共通給電線133と第2のTFT90との接続などは、後述するように、層間絶縁膜などに形成されたコンタクトホールなどを利用して行われる。
ここで、画素100は、各々が赤色(R)、緑色(G)、および青色(B)の3色で1つのドットを構成するサブ画素として用いられ、このような画素100の対応する色は、発光層65を構成する材料によって規定されている。
このような構成のもとに、走査線131が駆動されて第1のTFT80がオンとなると、そのときの信号線132の電位が保持容量110に保持され、該保持容量110の状態に応じて、第2のTFT90の導通状態が決まる。そして、第2のTFT90のチャネルを介して共通給電線133から画素電極4に電流が流れ、さらに発光層65を通じて対向電極7に電流が流れることにより、発光層65はこれを流れる電流量に応じて発光するようになる。
(画素構成)
図3は、本発明の実施の形態1に係る有機EL装置の画素構成を示す断面図である。図3において、ここに示す有機EL装置1は、発光素子(有機EL素子)から出射された光を透明基板2の側から出射する、いわゆる「ボトムエミッション型」の有機EL装置である。いずれの画素100においても、ガラス基板などの透明基板2の表面側には、第2のTFT90、この第2のTFT90のゲート絶縁膜92およびゲート電極93を覆うように構成された厚さが1μm程度の感光性樹脂からなる層間絶縁膜5、この層間絶縁膜5およびゲート絶縁膜92に形成された第1のコンタクトホール51を介して第2のTFT90のソース・ドレイン領域91に接続されたアルミニウム膜などの導電膜からなるソース・ドレイン電極11、シリコン窒化膜などからなる絶縁保護膜20、この絶縁保護膜20に形成された第2のコンタクトホール21を介してソース・ドレイン電極11に接続された画素電極4(透明電極/陽極)、自発光素子としての有機EL素子の正孔輸送層63、有機EL素子の発光層65、および反射性を備えた対向電極7(陰極)が上層側に向けてこの順に形成されている。また、各画素100には、画素電極4の上層にシリコン窒化膜などからなる絶縁膜25が形成されている。絶縁膜25は、発光層65と平面的に重なる領域で除去され、画素電極4と正孔輸送層63が直接触することを可能としている。
絶縁層25の上層には、感光性樹脂によって、有機EL素子の正孔輸送層63、発光層65の形成領域を囲むように隔壁6が形成されている。この隔壁6は、後述するように、有機機能材料の液状物の液滴を吐出して正孔輸送層63、発光層65を形成する際、不要な領域に液状物が流出を防止するためのバンクであり、画素電極4と対向電極7との短絡を防止する機能も担っている。なお、図1および図2に示す第1のTFT80は、第2のTFT90と同一の層間に形成されている。
本形態において、正孔輸送層63および発光層65は、後述する有機機能材料により形成されている。画素電極4と発光層65との間には正孔注入層が形成されることがあり、対向電極7と発光層65との間には電子注入層や電子輸送層が形成されることがある。
画素電極4は、ITO(酸化インジウムスズ)などからなる透明電極であり、発光層63が発する光に対して透過性を有している。対向電極7は、アルミニウム(Al)やマグネシウム(Mg)、金(Au)、銀(Ag)等の金属から構成され、発光層65が発する光に対して反射性を有している。
従って、画素電極4から発光層65を通じて対向電極7に電流が流れると、発光層65はこれを流れる電流量に応じて発光し、かかる光は、透明基板2の側から出射される。その際、発光層65から対向電極7に向かう光は、対向電極7で反射した後、透明基板2の側から出射される。ここで、各画素100は、発光層65を構成する材料によって、各々が赤色(R)、緑色(G)、および青色(B)の3色に対応しており、所定の色光を出射するので、カラー画像が表示される。それ故、第2のTFT90やソース・ドレイン電極11などは、光の出射を妨げないように、画素電極4や、有機EL素子の正孔輸送層63、発光層65に対して平面的にずれた領域に形成されている。
(光共振器の構成)
このように構成した有機EL装置1において、本形態では、第2のTFT90と透明基板2との層間には、すべての画素100にわたって、厚さが約500nmの誘電体多層膜30が構成されており、発光層65と平面的に重なる領域には、誘電体多層膜30と対向電極7との間に光共振器3が構成されている。誘電体多層膜30は、例えば、複数層のシリコン窒化膜31と複数層のシリコン酸化膜32とが交互に積層された構造になっている。従って、本形態の有機EL装置1では、光共振器3の光学長が半波長の整数倍に相当する光の色度を向上させることができる。なお、光共振器3では、誘電体多層膜30は各色に対向する画素100間で共通するが、正孔輸送層63や発光層65は、対応する色毎に材料の屈折率や厚さを相違させることできる。それ故、正孔輸送層63や発光層65の光学長を各色に対応する画素100ごとに最適化すれば、各画素100から出射される光の波長に対応する光学長を備えた光共振器3を構成することができる。なお、各色に対応する全ての画素100に対して、光共振器3の光学長を最適化した構成の他、特定の色に対応する画素100に対してのみ、光共振器3の光学長を最適化した構成を採用してもよい。
また、本形態では、誘電体多層膜30と画素電極4との層間では、発光層65と平面的に重なる領域の層間絶縁膜5およびゲート絶縁膜92が除去され、発光層65と平面的に重なる領域では誘電体多層膜30と画素電極4との間に層間絶縁膜5およびゲート絶縁膜92が介在しない。さらに、誘電体多層膜30と画素電極4との層間では、発光層65と平面的に重なる領域の絶縁保護膜20が除去され、発光層65と平面的に重なる領域では誘電体多層膜30と画素電極4との間に絶縁保護膜20が介在しない。
(本形態の効果)
図4は、本発明の比較例に係る有機EL装置の画素構成を示す断面図である。以上説明したように、本形態では、すべての画素100にわたって光共振器3を構成する誘電体多層膜30が形成されているが、誘電体多層膜30は、第2のTFT90の下層側、すなわち、第2のTFT90と透明基板2との層間に形成されている。従って、本形態では、画素電極4を第2のTFT90に電気的に接続するにあたって、誘電体多層膜30にコンタクトホールを形成する必要がないので、誘電体多層膜30にコンタクトホールを形成することに起因する不具合が発生しない。また、第2のTFT90の下層側に誘電体多層膜30を形成するため、誘電体多層膜30に起因する応力が配線などに加わらないので、配線にマイグレーションが発生するという問題も回避できる。さらに、第2のTFT90などを形成する前の平坦面に誘電体多層膜30を形成するため、透明基板2に大きな応力が加わることもない。それ故、かかる応力に起因する透明基板2の反りが発生しないので、透明基板2の反りに起因する製造工程でも基板搬送不良や、有機EL装置1の信頼性低下という問題も回避することができる。
また、第2のTFT90と透明基板2との層間に、シリコン窒化膜31を含む誘電体多層膜30を形成するので、誘電体多層膜30が下地保護膜として機能するため、下地保護膜の形成工程を省略できる。
さらに、第2のTFT90と透明基板2との層間に誘電体多層膜30を形成すると、図4に示すように、誘電体多層膜30と画素電極4との層間に層間絶縁膜5およびゲート絶縁膜92が介在し、層間絶縁膜5およびゲート絶縁膜92も含めて光共振器3を構成することになり、不要な干渉が発生する。また、層間絶縁膜5の上層側にソース・ドレイン電極11を形成するとともに、このソース・ドレイン電極11の上層に絶縁保護膜20を形成すると、誘電体多層膜30と画素電極4との層間に絶縁保護膜20が介在し、絶縁保護膜20を含めて光共振器3を構成することになり、不要な干渉が発生する。しかるに本形態では、誘電体多層膜30と画素電極4との層間では、発光層65と平面的に重なる領域の層間絶縁膜5、ゲート絶縁膜92および絶縁保護膜20が除去されており、発光層65と平面的に重なる領域では、誘電体多層膜30と画素電極4との間に層間絶縁膜5、ゲート絶縁膜92および絶縁保護膜20が介在しない。それ故、第2のTFT90と透明基板2との層間に誘電体多層膜30を配置した場合でも、理想的な光共振器3を構成することができる。
(製造方法)
図5は、本発明の実施の形態1に係る有機EL装置の製造工程の一部を示す工程断面図である。本形態の有機EL装置を製造するには、図3および図5(a)に示すように、まず、誘電体多層膜形成工程において、スパッタ法などにより、複数層のシリコン窒化膜31と複数層のシリコン酸化膜32とを交互に積層して、厚さが500nm程度の誘電体多層膜3を形成する。
次に、周知の半導体プロセスを利用して、TFT90の形成工程を行う。
次に、図5(a)に示すように、層間絶縁膜5の形成工程では、例えば、感光性樹脂によって厚さが1μm程度の層間絶縁膜5を形成する。その際、第1のコンタクトホール51を形成するとともに、発光層65と平面的に重なる領域の層間絶縁膜5およびゲート絶縁膜92を同時に除去する。例えば、感光性樹脂を塗布した後、感光性樹脂を露光、現像して、第1のコンタクトホール51に相当する感光性樹脂(層間絶縁膜5)を除去する際、発光層65と平面的に重なる領域の感光性樹脂(層間絶縁膜5)も除去する。そして、層間絶縁膜5をマスクとして層間絶縁膜5の除去部分のゲート絶縁膜92を除去し、第1のコンタクトホール51を除去する。なお、層間絶縁膜5の形成工程では、透明基板2の全面に絶縁膜(層間絶縁膜5)を形成した後、レジストマスクを形成し、層間絶縁膜5およびゲート絶縁膜92を同時にエッチングして第1のコンタクトホール51を形成するとともに、発光層65と平面的に重なる領域の層間絶縁膜5およびゲート絶縁膜92を除去してもよい。
次に、ソース・ドレイン電極11の形成工程では、図5(b)に示すように、層間絶縁膜5の上層にアルミニウム膜などの導電膜を透明基板2の全面に形成した後、パターニングし、ソース・ドレイン電極11を形成する。
次に、絶縁保護膜5の形成工程では、透明基板2の全面にシリコン窒化膜などからなる絶縁膜(絶縁保護膜20)を形成した後、レジストマスクを形成し、絶縁保護膜20を部分的にエッチングして第2のコンタクトホール21を形成する。その際、発光層65と平面的に重なる領域の絶縁保護膜20を除去する。
次に、透明電極4の形成工程では、透明基板2の全面にITO膜など形成した後、パターニングし、透明電極4を形成する。
次に、絶縁膜25の形成工程では、透明基板2の全面にシリコン窒化膜などを形成した後、発光層65と平面的に重なる領域の絶縁保護膜25を除去する。
次に、透明基板2の全面に感光性樹脂を厚く形成した後、露光、現像し、図5(c)に示すように、有機EL素子の正孔輸送層63、発光層65の形成領域を囲むように隔壁6(バンク)を形成する。
次に、正孔輸送層63の形成工程では、隔壁6で囲まれた凹部内に、一点鎖線L63で示すように、有機機能材料の液状物(正孔輸送層形成用液状物)の液滴を吐出した後、乾燥、焼成により、正孔輸送層形成用液状物を固化させて正孔輸送層63を形成する。このような液滴の吐出には、インクジェット方式の液滴吐出ヘッドなどが用いられる。インクジェット方式としては、圧電体素子の体積変化により流動体を吐出させるピエゾジェット方式や、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いた方式などが採用される。なお、液滴吐出装置としてはディスペンサー装置でもよい。ここで、液体材料とは、吐出ヘッドのノズルから吐出可能な粘度を備えた媒体をいう。水性であると油性であるとを問わない。ノズル等から吐出可能な流動性(粘度)を備えていれば十分で、固体物質が混入していても全体として流動体であればよい。また、液体材料に含まれる固体物質は融点以上に加熱されて溶解されたものでも、溶媒中に微粒子として分散させたものでもよく、溶媒の他に染料や顔料その他の機能性材料を添加したものであってもよい。なお、正孔輸送層63は、例えば、高分子系材料として、ポリチオフェン、ポリスチレンスルホン酸、ポリピロール、ポリアニリンおよびこの誘導体などが例示される。また、低分子系材料を使用する場合は、正孔注入層と正孔輸送層63を積層して形成するのが好ましい。その場合、正孔注入層の形成材料としては、例えば、ポリオレフィン誘導体である3,4−ポリエチレンジオシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)を有機溶剤を主溶媒として分散させてなる分散液が好適に用いられる。但し、正孔注入材料としては、前記のものに限定されることなく、ポリマー前駆体がポリテトラヒドロチオフェニルフェニレンであるポリフェニレンビニレン、1,1−ビス−(4−N、N−ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサン、トリス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウム等を用いることもできる。
次に、発光層65の形成工程では、正孔輸送層63の形成工程と同様、図5(d)に一点鎖線L65で示すように、有機機能材料の液状物(正孔輸送層形成用液状物)の液滴を吐出した後、乾燥、焼成により、発光層形成用液状物を固化させて発光層65を形成する。発光層65の形成材料としては、例えば、分子量が1000以上の高分子材料が用いられる。具体的には、ポリフルオレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、またはこれらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、例えばルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等をドープしたものが用いられる。なお、このような高分子材料としては、二重結合のπ電子がポリマー鎖上で非極在化しているπ共役系高分子材料が、導電性高分子でもあることから発光性能に優れるため、好適に用いられる。特に、その分子内にフルオレン骨格を有する化合物、すなわちポリフルオレン系化合物がより好適に用いられる。また、このような材料以外にも、例えば特開平11−40358号公報に示される有機EL素子用組成物、すなわち共役系高分子有機化合物の前駆体と、発光特性を変化させるための少なくとも1種の蛍光色素とを含んでなる有機EL素子用組成物も、発光層形成材料として使用可能である。このような発光材料を溶解あるいは分散する有機溶媒としては、非極性溶媒が好適とされ、特に発光層が正孔輸送層63の上に形成されることから、この正孔輸送層63に対して不溶なものが用いられる。具体的には、キシレン、シクロへキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等が好適に用いられる。なお、発光層65の形成にあたっては、赤色の発色光を発光する発光層の形成材料、緑色の発色光を発光する発光層の形成材料、青色の発色光を発光する発光層の形成材料を、それぞれ対応する画素100に吐出し塗布することによって行う。
しかる後に、図3に示す対向電極7の形成工程では、透明基板2の全面にアルミニウム膜などの金属膜を形成した後、パターニングし、対向電極7を形成する。
以上のとおり、本形態では、層間絶縁膜5の形成工程で第1のコンタクトホール51を形成する際、発光層6と平面的に重なる領域の層間絶縁膜5およびゲート絶縁膜92を除去する。また、絶縁保護膜20の形成工程で第2のコンタクトホール52を形成する際、発光層6と平面的に重なる領域の絶縁保護膜20を除去する。従って、発光層65と平面的に重なる領域では、誘電体多層膜30と画素電極4との間に層間絶縁膜5、ゲート絶縁膜92および絶縁保護膜20が介在しないので、第2のTFT90と透明基板2との層間に誘電体多層膜30を配置した場合でも、理想的な光共振器3を構成することができる。しかも、発光層65と平面的に重なる領域からの層間絶縁膜5、ゲート絶縁膜92および絶縁保護膜20の除去をコンタクトホール51、21の形成と同時に行うので、コンタクトホール51、21以外の領域から絶縁膜を形成する場合でも、新たな工程の追加を一切、必要しとない。
[実施の形態2]
図6は、本発明の実施の形態2に係る有機EL装置の画素構成を示す断面図である。図7は、本発明の実施の形態2に係る有機EL装置の製造工程の一部を示す工程断面図である。なお、本形態の有機EL装置の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付して図示し、それらの詳細な説明を省略する。
図6に示す有機EL装置1も、実施の形態1と同様、発光素子(有機EL素子)から出射された光を透明基板2(透明基板)の側から出射する、いわゆる「ボトムエミッション型」の有機EL装置であり、ガラス基板などの透明基板2の表面側には、いずれの画素100においても、第2のTFT90、この第2のTFT90のゲート絶縁膜92およびゲート電極93を覆うように構成された層間絶縁膜5、この層間絶縁膜5およびゲート絶縁膜92に形成された第1のコンタクトホール51を介して第2のTFT90のソース・ドレイン領域91に接続された導電膜からなるソース・ドレイン電極11、絶縁保護膜20、この絶縁保護膜20に形成された第2のコンタクトホール21を介してソース・ドレイン電極11に接続された画素電極4(透明電極/陽極)、自発光素子としての有機EL素子の正孔輸送層63、有機EL素子の発光層65、および反射性を備えた対向電極7(陰極)が上層側に向けてこの順に形成されている。
本形態でも、実施の形態1と同様、すべての画素100に光共振器3を構成する誘電体多層膜30が形成されているが、誘電体多層膜30は、第2のTFT90の下層側、すなわち、第2のTFT90と透明基板2との層間に形成されているため、画素電極4を第2のTFT90に電気的に接続するにあたって、誘電体多層膜30にコンタクトホールを形成する必要がない。それ故、誘電体多層膜30にコンタクトホールを形成することに起因する不具合が発生しないなどの効果を奏する。また、実施の形態1と同様、誘電体多層膜30と画素電極4との層間では、発光層65と平面的に重なる領域の層間絶縁膜5、ゲート絶縁膜92および絶縁保護膜20が除去されており、発光層65と平面的に重なる領域では、誘電体多層膜30と画素電極4との間に層間絶縁膜5、ゲート絶縁膜92および絶縁保護膜20が介在しないので、第2のTFT90と透明基板2との層間に誘電体多層膜30を配置した場合でも、理想的な光共振器3を構成することができる。
本形態では、実施の形態1と違って、絶縁層25の上層に隔壁6が形成されていないが、以下に説明するように、本形態では、発光層65と平面的に重なる領域では、層間絶縁膜5、ゲート絶縁膜92および絶縁保護膜20の除去によって、深い凹部60が形成されているので、この凹部60内に有機機能材料の液状物の液滴を吐出することにより、正孔輸送層63、発光層65を形成する。
本形態の有機EL装置1を製造するには、図5および図7(a)に示すように、まず、誘電体多層膜形成工程において、スパッタ法などにより、複数層のシリコン窒化膜31と複数層のシリコン酸化膜32とを交互に積層して、厚さが500nm程度の誘電体多層膜3を形成する。
次に、周知の半導体プロセスを利用して、TFT90の形成工程を行う。次に、図7(a)に示すように、層間絶縁膜5の形成工程では、例えば、感光性樹脂によって厚さが1μm程度の層間絶縁膜5を形成する。その際、第1のコンタクトホール51を形成するとともに、発光層65と平面的に重なる領域の層間絶縁膜5を同時に除去する。次に、図7(b)に示すように、ソース・ドレイン電極11の形成工程において、層間絶縁膜5の上層にソース・ドレイン電極11を形成する。次に、絶縁保護膜5の形成工程において、透明基板2の全面にシリコン窒化膜などからなる絶縁膜(絶縁保護膜20)を形成した後、第2のコンタクトホール21を形成する際、発光層65と平面的に重なる領域の絶縁保護膜20を除去する。次に、透明電極4の形成工程では、透明基板2の全面にITO膜やIZO膜を形成した後、パターニングし、透明電極4を形成する。次に、絶縁膜25の形成工程では、透明基板2の全面にシリコン窒化膜などを形成した後、発光層65と平面的に重なる領域の絶縁保護膜25を除去する。
以上の工程を行った状態で、正孔輸送層63および発光層65を形成すべき領域には、層間絶縁膜5、ゲート絶縁膜92および絶縁保護膜20の除去によって、深さが1μm程度の凹部60が形成されている。そこで、本形態では、正孔輸送層63の形成工程では、図7(c)に一点鎖線L63で示すように、凹部60内に有機機能材料の液状物(正孔輸送層形成用液状物)の液滴を吐出した後、乾燥、焼成により、正孔輸送層形成用液状物を固化させて正孔輸送層63を形成する。その際、凹部60の内壁は、液滴が不要な領域に流出することを防止するバンクとして機能する。
次に、発光層65の形成工程では、正孔輸送層63の形成工程と同様、図7d)に一点鎖線L65で示すように、有機機能材料の液状物(正孔輸送層形成用液状物)の液滴を吐出した後、乾燥、焼成により、発光層形成用液状物を固化させて発光層65を形成する。その際、凹部60の内壁は、液滴が不要な領域に流出することを防止するバンクとして機能する。
しかる後に、図3に示す対向電極7の形成工程では、透明基板2の全面にアルミニウム膜などの金属膜を形成した後、パターニングし、対向電極7を形成する。
以上のとおり、本形態では、実施の形態1と同様、層間絶縁膜5の形成工程で第1のコンタクトホール51を形成する際、発光層6と平面的に重なる領域の層間絶縁膜5およびゲート絶縁膜92を除去する。また、絶縁保護膜20の形成工程で第2のコンタクトホール52を形成する際、発光層6と平面的に重なる領域の絶縁保護膜20を除去する。従って、発光層65と平面的に重なる領域では、誘電体多層膜30と画素電極4との間に層間絶縁膜5、ゲート絶縁膜92および絶縁保護膜20が介在しないので、第2のTFT90と透明基板2との層間に誘電体多層膜30を配置した場合でも、理想的な光共振器3を構成することができるなど、実施の形態1と同様な効果を奏する。
また、本形態では、層間絶縁膜5、ゲート絶縁膜92および絶縁保護膜20の除去によって、正孔輸送層63および発光層65を形成すべき領域に深い凹部60が形成されているので、この凹部60内に有機機能材料の液状物の液滴を吐出する。このため、図3および図5に示す隔壁6を形成しなくても、液滴が不要な領域に流出することがない。それ故、隔壁6の形成工程を省略できる分、生産性を向上することができる。
[電子機器]
次に、上述の有機EL装置を備えた電子機器の例について説明する。図8は上述した実施形態に係る表示装置を備えたモバイル型のパーソナルコンピュータ(情報処理装置)の構成を示す斜視図である。同図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、上述した有機EL装置を表示装置1106として備えた表示装置ユニットとから構成されている。このため、表色範囲の広い表示部を備えた電子機器を提供することができる。
なお、上述した例に加えて、他の例として、携帯電話、腕時計型電子機器、液晶テレビ、ビューファインダ型やモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、電子ペーパー、タッチパネルを備えた機器等が挙げられる。本発明の電気光学装置は、こうした電子機器の表示部としても適用できる。
[他の実施の形態]
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る有機EL装置とその製造方法、並びに電子機器の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
図1は、アクティブマトリクス型の有機EL装置(発光装置)の電気的構成を示す等価回路図である。 有機EL装置の画素構成の一例を示す平面図である。 本発明の実施の形態1に係る有機EL装置の画素構成を示す断面図である。 本発明の比較例に係る有機EL装置の画素構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係る有機EL装置の製造工程の一部を示す工程断面図である。 本発明の実施の形態2に係る有機EL装置の画素構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態2に係る有機EL装置の製造工程の一部を示す工程断面図である。 本実施形態の有機EL装置を備えた電子機器の一例を示す図である。 従来の有機EL装置の画素構成を示す断面図である。
符号の説明
1 有機EL装置(発光装置)、2 透明基板、3 光共振器、4 画素電極(透明電極/陽極)、5 層間絶縁膜、6 隔壁、7 対向電極(陰極)、11 ソース・ドレイン電極(導電膜)、20 絶縁保護膜、21 第2のコンタクトホール、30 誘電体多層膜、51 第1のコンタクトホール、60凹部、63 有機EL素子の正孔輸送層、65 有機EL素子の発光層、90 第2のTFT(スイッチング素子)、92 ゲート絶縁膜、93 ゲート電極、100 画素

Claims (6)

  1. 基板上に設けられた誘電体多層膜と、該誘電体多層膜上に設けられたスイッチング素子と、該スイッチング素子上に設けられた層間絶縁膜、該層間絶縁膜に形成された第1のコンタクトホールを介して前記スイッチング素子と電気的に接続された透明電極と、該透明電極上に設けられた発光層と、該発光層上に設けられた対向電極とを有し
    前記層間絶縁膜は、前記発光層と平面的に重なる領域には設けられず、
    前記誘電体多層膜は、前記発光層と平面的に重なる領域にまで延在していることを特徴とする発光装置。
  2. 請求項1において、前記層間絶縁膜上には、前記第1のコンタクトホールを介して前記スイッチング素子に接続された導電膜が設けられ
    前記導電膜上には絶縁保護膜が設けられ
    前記透明電極は、前記絶縁保護膜に形成された第2のコンタクトホールを介して前記導電膜に接続され
    前記絶縁保護膜は、前記発光層と平面的に重なる領域には設けられていないことを特徴とする発光装置。
  3. 基板上に設けられた誘電体多層膜と、該誘電体多層膜上に設けられたスイッチング素子と、該スイッチング素子上に設けられた層間絶縁膜、該層間絶縁膜に形成された第1のコンタクトホールを介して前記スイッチング素子に電気的に接続された透明電極と、該透明電極上に設けられた発光層と、該発光層上に設けられた対向電極を有する発光装置の製造方法であって、
    前記基板上に誘電体多層膜を形成する誘電体多層膜形成工程を有し、
    当該誘電体多層膜形成工程を行った後、少なくとも、前記スイッチング素子の形成工程、前記層間絶縁膜の形成工程、前記透明電極の形成工程、前記発光層の形成工程、および前記対向電極の形成工程をこの順に行い、かつ、
    前記層間絶縁膜の形成工程では、前記第1のコンタクトホールを形成する際、前記発光層が形成される領域と平面的に重なる領域の前記層間絶縁膜を除去することを特徴とする発光装置の製造方法。
  4. 請求項3において、前記発光層の形成工程では、前記層間絶縁膜の除去によって形成された凹部内に発光層形成用液状物の液滴を吐出した後、当該発光層形成用液状物を固化させて前記発光層を形成することを特徴とする発光装置の製造方法。
  5. 請求項3において、前記層間絶縁膜の形成工程の後であって前記透明電極の形成工程の前に、前記層間絶縁膜の前記第1のコンタクトホールを介して前記スイッチング素子に接続する導電膜の形成工程、および絶縁保護膜の形成工程をこの順に行い、
    前記絶縁保護膜の形成工程では、前記導電膜に前記透明電極を接続させる第2のコンタクトホールを形成する際、前記発光層が形成される領域と平面的に重なる領域の前記絶縁保護膜を除去することを特徴とする発光装置の製造方法。
  6. 請求項1または2のいずれかに記載の発光装置を備えていることを特徴とする電子機器。
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