JP5326999B2 - 有機el装置、有機el装置の製造方法、電子機器 - Google Patents

有機el装置、有機el装置の製造方法、電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を備えた有機EL装置、有機EL装置の製造方法、電子機器に関する。
上記有機EL装置として、基板上に形成された第1画素電極、第2画素電極、第3画素電極と、これらの画素電極をそれぞれ分離する樹脂壁と、第1画素電極と対向電極との間に形成された赤色を発光する第1有機発光層と、第2画素電極と対向電極との間に形成された緑色を発光する第2有機発光層と、第1有機発光層、第2有機発光層、第3画素電極および樹脂壁上に形成された青色を発光する第3有機発光層とを有する有機EL表示装置が知られている(特許文献1)。
上記有機EL表示装置によれば、赤色の第1有機発光層および緑色の第2有機発光層をインクジェット法で形成し、青色の第3有機発光層を真空蒸着法で形成する方法が提案されている。また、青色の第3有機発光層をインクジェット法以外の塗布法で形成することも示唆されており、塗布法として、スピンコート法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ロールコート法などが挙げられている。
特開2007−73532号公報
しかしながら、インクジェット法を含めた塗布法では、凹凸を有する膜形成領域に機能性材料を含む液状体を塗布して機能性材料からなる例えば有機発光層を形成すると、一定の膜厚を確保することが難しいという課題がある。有機発光層の膜厚の変動は輝度ムラとなる。
また、塗布法を適用可能な有機発光材料では、赤色や緑色に比べて青色の発光寿命が短いという課題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例の有機EL装置は、基板を含む下地層上において互いに隣り合って配置された異なる発光色が得られる第1有機EL素子および第2有機EL素子並びに第3有機EL素子を備えた有機EL装置であって、前記下地層は、前記第1有機EL素子を駆動する第1駆動回路部と、前記第2有機EL素子を駆動する第2駆動回路部と、前記第3有機EL素子を駆動する第3駆動回路部とを含み、前記下地層上において、前記第1有機EL素子の第1発光層が設けられた第1膜形成領域と、前記第2有機EL素子の第2発光層が設けられた第2膜形成領域と、前記第3有機EL素子の第3発光層が設けられた第3膜形成領域とを区画する隔壁部を有し、前記隔壁部は、平面的に前記第1駆動回路部を含むように前記第1膜形成領域を区画し、前記第2駆動回路部の少なくとも一部を含まないように前記第2膜形成領域を区画し、前記第3駆動回路部の少なくとも一部を含まないように前記第3膜形成領域を区画しており、前記第1発光層に対して前記第2発光層および前記第3発光層が異なる成膜方法により形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、第2膜形成領域および第3膜形成領域は、それぞれ第2駆動回路部と第3駆動回路部の少なくとも一部を含まないように隔壁部によって区画される。したがって、第1駆動回路部を含むように隔壁部によって区画された第1膜形成領域に比べて、下地層における表面の平坦性を確保し易い。下地層の平坦性の水準に対応して、第1膜形成領域における第1発光層の成膜方法に対して、第2膜形成領域における第2発光層の成膜方法および第3膜形成領域における第3発光層の成膜方法を異ならせることによって、成膜後の膜厚のばらつきを抑制できる。すなわち、所定の膜厚を有する発光層を具備した第1〜第3有機EL素子を備え、安定した発光特性を有する有機EL装置を提供できる。
[適用例2]上記適用例の有機EL装置において、緑色の発光が得られる前記第2発光層および赤色の発光が得られる前記第3発光層が液状体吐出法を用いて形成され、前記第2発光層および前記第3発光層を覆うように蒸着法を用いて青色の発光が得られる前記第1発光層が形成されていることが好ましい。
この構成によれば、第1駆動回路部を含んだ第1膜形成領域には、下地層の平坦性の影響を受け難い蒸着法で青色の発光が得られる第1発光層が形成されている。また、第1膜形成領域に比べて下地層の平坦性が確保された第2膜形成領域と第3膜形成領域とには、液状体吐出法により緑色の発光が得られる第2発光層と赤色の発光が得られる第3発光層とが形成されている。したがって、第1発光層から第3発光層までを所定の膜厚で構成することが可能となり、青、緑、赤の3色の発光が安定した輝度で得られる有機EL装置を提供できる。
[適用例3]上記適用例の有機EL装置において、前記第1発光層は、正孔輸送性を有することが好ましい。
この構成によれば、蒸着法で形成される第1発光層において、効率のよい青色の発光を得ることができる。
[適用例4]上記適用例の有機EL装置において、前記第1発光層は、正孔輸送性と電子輸送性とを有することが好ましい。
この構成によれば、蒸着法で形成される第1発光層において、効率のよい青色の発光を得ることができると共に、第2発光層と第3発光層とを覆うように第1発光層を設けても、第1発光層が正孔輸送性に加えて電子輸送性を有するため、第2発光層および第3発光層への電荷注入を妨げず、第2発光層および第3発光層においても安定した発光が得られる。
[適用例5]上記適用例の有機EL装置において、前記隔壁部は、前記第2膜形成領域および前記第3膜形成領域に比べて平面積が大きくなるように前記第1膜形成領域を区画していることが好ましい。
この構成によれば、青色の発光材料は、緑色や赤色に比べて発光寿命が短い傾向があるため、青色の第1発光層が形成される第1膜形成領域を他の膜形成領域に比べて平面積が大きくなるように設定すれば、異なる発光色間の発光寿命を均衡させて、全体としてより発光寿命が長い有機EL装置を提供できる。
なお、発光寿命とは、有機EL素子に所定の電流を流して断続的あるいは連続的に発光させ、その発光輝度が所定の値(例えば、初期値の半分程度)となる通電時間を言う。発光輝度は、発光層を流れる電流量と発光面積に依存するので、発光面積が大きければ所定の輝度を得るための電流量を小さくすることができる。一方、発光寿命は発光層を流れる電流量に依存するので、電流量が少ないほど発光寿命が長くなる。
[適用例6]上記適用例の有機EL装置において、前記隔壁部は、無機材料からなる第1隔壁部と有機材料からなる第2隔壁部とを有し、前記第1膜形成領域は前記第2隔壁部のみにより区画され、前記第2膜形成領域および前記第3膜形成領域はそれぞれ前記第1隔壁部上に設けられた前記第2隔壁部によって区画されていることが好ましい。
この構成によれば、第1隔壁部と第2隔壁部とにより構成される所謂二層構造の隔壁部で第1膜形成領域を区画する場合に比べて、第1〜第3有機EL素子間の配置を異ならせることなく、区画された第1膜形成領域の平面積を第2膜形成領域や第3膜形成領域に比べて容易に広くすることができる。
[適用例7]上記適用例の有機EL装置において、前記隔壁部は、無機材料からなる第1隔壁部と有機材料からなる第2隔壁部とを有し、前記第1膜形成領域は前記第2隔壁部のみにより区画され、前記第2膜形成領域および前記第3膜形成領域のうち少なくとも一方の実質的な発光領域が前記第1隔壁部により区画され、前記第2隔壁部は、複数の前記発光領域を含んで区画するように前記第1隔壁部上に設けられているとしてもよい。
この構成によれば、第2膜形成領域また第3膜形成領域を第2隔壁部によって個別に区画する場合に比べて、同一の発光色が得られる発光層の形成範囲を広く設定できる。つまり、液状体吐出法を用いて第2発光層および第3発光層を形成する場合に、より広い範囲に機能性材料を含む液状体を塗布可能となり、乾燥後に安定した膜厚(膜の断面形状)を得やすい。
[適用例8]上記適用例の有機EL装置において、前記第1駆動回路部および前記第2駆動回路部並びに前記第3駆動回路部は、それぞれ薄膜トランジスターと保持容量とこれらを繋ぐ配線とを少なくとも含み、前記隔壁部は、少なくとも前記薄膜トランジスターを含まないように前記第2膜形成領域と前記第3膜形成領域とをそれぞれ区画していることが好ましい。
薄膜トランジスターは、半導体層やこれに繋がる各種の電極が積層された構造となっており、下地層のうち薄膜トランジスターが設けられた部分は、その表面に段差が生じ易い。この構成によれば、薄膜トランジスターが平面的に含まれないように隔壁部によって第2膜形成領域と第3膜形成領域とがそれぞれ区画されている。したがって、第2膜形成領域と第3膜形成領域とにおける下地層の表面を平坦な状態とすることができる。すなわち、液状体吐出法に適した状態とすることができる。
[適用例9]上記適用例の有機EL装置において、前記第1駆動回路部および前記第2駆動回路部並びに前記第3駆動回路部は、それぞれ薄膜トランジスターと保持容量とこれらを繋ぐ配線とを少なくとも含み、前記隔壁部は、前記薄膜トランジスターと前記保持容量とを含まないように前記第2膜形成領域と前記第3膜形成領域とをそれぞれ区画しているとしてもよい。
この構成によれば、薄膜トランジスターに加えて保持容量の部分も除かれるので第2膜形成領域と第3膜形成領域とにおける下地層の表面をより平坦な状態とすることができる。
[適用例10]本適用例の有機EL装置の製造方法は、基板を含む下地層上において互いに隣り合って配置された異なる発光色が得られる第1有機EL素子および第2有機EL素子並びに第3有機EL素子を備えた有機EL装置の製造方法であって、前記基板上に前記第1有機EL素子を駆動する第1駆動回路部と、前記第2有機EL素子を駆動する第2駆動回路部と、前記第3有機EL素子を駆動する第3駆動回路部とを形成する駆動回路部形成工程と、前記基板上において前記第1駆動回路部を含む第1膜形成領域と、前記第2駆動回路部の少なくとも一部を含まない第2膜形成領域と、前記第3駆動回路部の少なくとも一部を含まない第3膜形成領域と、を区画する隔壁部を形成する隔壁部形成工程と、前記第1膜形成領域に前記第1有機EL素子の第1発光層を形成すると共に、前記第2膜形成領域に前記第2有機EL素子の第2発光層を形成し、前記第3膜形成領域に前記第3有機EL素子の第3発光層を形成する発光層形成工程とを備え、前記第1発光層に対して前記第2発光層および前記第3発光層を異なる成膜方法を用いて形成することを特徴とする。
この方法によれば、第2膜形成領域および第3膜形成領域は、それぞれ第2駆動回路部と第3駆動回路部の少なくとも一部を含まないように隔壁部によって区画される。したがって、第1駆動回路部を含むように隔壁部によって区画された第1膜形成領域に比べて、下地層における表面の平坦性が確保される。下地層の平坦性の水準に対応して、第1膜形成領域における第1発光層の成膜方法に対して、第2膜形成領域における第2発光層の成膜方法および第3膜形成領域における第3発光層の成膜方法を異ならせることによって、成膜後の膜厚のばらつきを抑制できる。すなわち、所定の膜厚を有する発光層を具備した第1〜第3有機EL素子を備え、安定した発光特性を有する有機EL装置を製造することができる。
[適用例11]上記適用例の有機EL装置の製造方法において、前記発光層形成工程は、液状体吐出法を用いて緑色の発光が得られる前記第2発光層および赤色の発光が得られる前記第3発光層を形成し、前記第2発光層および前記第3発光層を覆うように蒸着法を用いて青色の発光が得られる前記第1発光層を形成することが好ましい。
この方法によれば、第1駆動回路部を含んだ第1膜形成領域には、下地層の平坦性の影響を受け難い蒸着法で青色の発光が得られる第1発光層を形成する。また、第1膜形成領域に比べて下地層の平坦性が確保された第2膜形成領域と第3膜形成領域とには、液状体吐出法により緑色の発光が得られる第2発光層と赤色の発光が得られる第3発光層とを形成する。したがって、第1発光層から第3発光層までを所定の膜厚で形成することが可能となり、青、緑、赤の3色の発光が安定した輝度で得られる有機EL装置を製造することができる。また、液状体吐出法で選択的に形成された第2発光層と第3発光層を覆うように蒸着法で第1発光層を形成するため、第1発光層を所定の領域に選択的に成膜するための蒸着マスクを必要とせず、工程を簡略化できる。
[適用例12]上記適用例の有機EL装置の製造方法において、前記発光層形成工程は、蒸着法を用いて正孔輸送性と電子輸送性とを有する前記第1発光層を形成することが好ましい。
この方法によれば、蒸着法を用いて形成される第1発光層において、効率のよい青色の発光を得ることができると共に、第2発光層と第3発光層とを覆うように第1発光層を設けても、第1発光層が正孔輸送性に加えて電子輸送性を有するため、第2発光層および第3発光層への電荷注入を妨げず、第2発光層および第3発光層においても安定した発光が得られる有機EL装置を製造することができる。
[適用例13]上記適用例の有機EL装置の製造方法において、前記隔壁部形成工程は、区画された前記第1膜形成領域の平面積が前記第2膜形成領域および前記第3膜形成領域よりも大きくなるように前記隔壁部を形成することが好ましい。
この方法によれば、他の発光色に比べて発光寿命が短い青色の第1発光層が形成される第1膜形成領域が他の膜形成領域に比べて平面的に広くなるので、異なる発光色間の発光寿命を均衡させて、全体としてより発光寿命が長い有機EL装置を製造することができる。
[適用例14]上記適用例の有機EL装置の製造方法において、前記隔壁部は、無機材料からなる第1隔壁部と有機材料からなる第2隔壁部とを有し、前記隔壁部形成工程は、前記第2膜形成領域および前記第3膜形成領域をそれぞれ区画するように前記第1隔壁部を形成すると共に前記第1隔壁部上に前記第2隔壁部を形成し、前記第1膜形成領域を区画するように前記第2隔壁部を形成することが好ましい。
この方法によれば、第1隔壁部と第2隔壁部とにより構成される所謂二層構造の隔壁部で第1膜形成領域を区画する場合に比べて、第1〜第3有機EL素子間の配置を異ならせることなく、区画された第1膜形成領域の平面積を第2膜形成領域や第3膜形成領域に比べて容易に広くすることができる。
[適用例15]上記適用例の有機EL装置の製造方法において、前記隔壁部は、無機材料からなる第1隔壁部と有機材料からなる第2隔壁部とを有し、前記隔壁部形成工程は、前記第1膜形成領域を区画するように前記第2隔壁部を形成し、前記第2膜形成領域および前記第3膜形成領域のうち少なくとも一方の実質的な発光領域を区画するように前記第1隔壁部を形成し、複数の前記発光領域を含んで区画するように前記第1隔壁部上に前記第2隔壁部を形成するとしてもよい。
この方法によれば、第2膜形成領域また第3膜形成領域を第2隔壁部によって個別に区画する場合に比べて、同一の発光色が得られる発光層の形成範囲を広くすることができる。つまり、液状体吐出法を用いて第2発光層および第3発光層を形成する場合に、より広い範囲に機能性材料を含む液状体を塗布可能となり、乾燥後に安定した膜厚(膜の断面形状)を有する発光層を形成することができる。
[適用例16]上記適用例の有機EL装置の製造方法において、前記第1駆動回路部および前記第2駆動回路部並びに前記第3駆動回路部は、それぞれ薄膜トランジスターと保持容量とこれらを繋ぐ配線とを少なくとも含み、前記隔壁部形成工程は、少なくとも前記薄膜トランジスターを含まないように前記第2膜形成領域と前記第3膜形成領域とをそれぞれ区画する前記隔壁部を形成することが好ましい。
この方法によれば、第2膜形成領域と第3膜形成領域とにおける下地層の表面が第1膜形成領域に比べて平坦な状態となり、液状体吐出法に適した表面状態とすることができる。
[適用例17]上記適用例の有機EL装置の製造方法において、前記第1駆動回路部および前記第2駆動回路部並びに前記第3駆動回路部は、それぞれ薄膜トランジスターと保持容量とこれらを繋ぐ配線とを少なくとも含み、前記隔壁部形成工程は、前記薄膜トランジスターと前記保持容量とを含まないように前記第2膜形成領域と前記第3膜形成領域とをそれぞれ区画する前記隔壁部を形成するとしてもよい。
この方法によれば、第2膜形成領域と第3膜形成領域とにおける下地層の表面が第1膜形成領域に比べてより平坦な状態となり、乾燥後により安定した膜厚(膜の断面形状)を有する発光層を形成することができる。
[適用例18]本適用例の電子機器は、上記適用例の有機EL装置、または上記適用例の有機EL装置の製造方法を用いて製造された有機EL装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、発光ムラ(輝度ムラ)が少ない安定した発光特性(輝度特性)を有する有機EL装置を備えているため、見栄えのよい電子機器を提供することができる。
第1実施形態の有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図。 第1実施形態の有機EL装置における有機EL素子の配置を示す概略平面図。 第1実施形態の有機EL装置における駆動回路部の構成を示す概略平面図。 図3のA−A’線で切った青色の発光が得られる有機EL素子の構造を示す概略断面図。 図3のB−B’線で切った緑色の発光が得られる有機EL素子の構造を示す概略断面図。 図3のA−C線で切った異なる発光色が得られる3つの有機EL素子に跨った構造を示す概略断面図。 第1実施形態の有機EL装置の製造方法を示すフローチャート。 (a)〜(c)は有機EL装置の製造方法を示す概略平面図。 (d)〜(f)は有機EL装置の製造方法を示す概略断面図。 (g)〜(i)は有機EL装置の製造方法を示す概略断面図。 第2実施形態の有機EL装置における有機EL素子の配置を示す概略平面図。 第2実施形態の有機EL装置における駆動回路部の構成を示す概略平面図。 図12のD−D’線で切った有機EL素子の概略断面図。 図12のE−E’線で切った有機EL素子の概略断面図。 電子機器の一例としての携帯型電話機を示す概略斜視図。 変形例の有機EL装置の構造を示す概略断面図。 変形例の膜形成領域の区画方法を示す概略平面図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
(第1実施形態)
<有機EL装置>
まず、本実施形態の有機EL装置について、図1〜図3を参照して説明する。図1は第1実施形態の有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図、図2は第1実施形態の有機EL装置における有機EL素子の配置を示す概略平面図、図3は第1実施形態の有機EL装置における駆動回路部の構成を示す概略平面図である。
図1に示すように、本実施形態の有機EL装置100は、発光単位としての有機EL素子20を駆動するスイッチング素子として薄膜トランジスター(Thin Film Transistor、以下TFTと略記する)を用いたアクティブマトリクス型の表示装置である。
有機EL装置100は、走査線駆動部3に接続された複数の走査線31と、データ線駆動部4に接続された複数のデータ線41と、各走査線31に並列して設けられた複数の電源線42と、を備えている。互いに絶縁され交差する走査線31とデータ線41とによって区画された領域に対応して設けられた発光制御単位Luによって有機EL素子20の発光制御が行われている。
各発光制御単位Luは、走査線31を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用のTFT11と、このTFT11を介してデータ線41から供給される画素信号を保持する保持容量13と、該保持容量13によって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用のTFT12とを含む駆動回路部を備えている。
発光単位としての有機EL素子20は、駆動用のTFT12を介して電源線42に電気的に接続したときに該電源線42から駆動電流が流れ込む陽極としての画素電極23と、陰極としての共通電極27と、画素電極23と共通電極27との間に挟み込まれた機能層24とを有している。
これらのTFT11,12に接続する走査線31とデータ線41とを総称して信号線と呼ぶ。
走査線31が駆動されてスイッチング用のTFT11がオン状態になると、そのときのデータ線41の電位が保持容量13に保持され、該保持容量13の状態に応じて、駆動用のTFT12のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用のTFT12を介して、電源線42から画素電極23に電流が流れ、さらに機能層24を介して共通電極27に電流が流れる。機能層24は、これを流れる電流量に応じて発光する。なお、発光制御単位Luの駆動回路部の構成は、これに限定されるものではなく、例えば、3つ以上の薄膜トランジスターを含むとしてもよい。
図2に示すように、有機EL装置100は、互いに交差する走査線31とデータ線41とによって区分された領域に、青色の発光が得られる第1有機EL素子としての有機EL素子20Bと、緑色の発光が得られる第2有機EL素子としての有機EL素子20Gと、赤色の発光が得られる第3有機EL素子としての有機EL素子20Rと、を有している。発光色が得られる3つの有機EL素子20B,20G,20Rは、図示省略した基板上において同一発光色の有機EL素子が列方向(図面上ではデータ線41の延在方向)に配置され、異なる発光色の有機EL素子が行方向(図面上では走査線31の延在方向)に隣り合って配置されている。なお、赤(R)、緑(G)、青(B)の行方向における順番はこれに限定されるものではない。
有機EL素子20Bの第1発光層は第1膜形成領域7aに設けられている。有機EL素子20Gの第2発光層は第2膜形成領域7bに設けられている。有機EL素子20Rの第3発光層は第3膜形成領域7cに設けられている。
図面上において破線で示した部分は、前述した発光制御単位Luの駆動回路部のうちTFT11,12と保持容量13とこれらを繋ぐ配線とが設けられた領域6aを示している。言い換えれば、領域6aには、それぞれTFT11,12と保持容量13とが少なくとも設けられている。
第1膜形成領域7aは、長手方向がデータ線41に沿った略矩形状であって、平面的に領域6aを含むように設けられている。第2膜形成領域7bは、長手方向がデータ線41に沿った略矩形状であって、平面的に領域6aを含まないように設けられている。第3膜形成領域7cは、第2膜形成領域7bと同様に長手方向がデータ線41に沿った略矩形状であって、平面的に領域6aを含まないように設けられている。つまり、第1膜形成領域7aは、領域6aを含んで設けられているため、領域6aを含まない第2膜形成領域7bや第3膜形成領域7cに比べて平面積が大きくなっている。
電源線42は、領域6aに跨るように走査線31に沿って設けられている。
図3に示すように、有機EL素子20B,20G,20Rをそれぞれ駆動する発光制御単位Luは、スイッチング用のTFT11と、駆動用のTFT12と、保持容量13とを有している。TFT11,12は、走査線31とデータ線41との交差点近傍に設けられている。TFT11,12には、走査線31やデータ線41、保持容量13に接続する配線と、TFT11(ドレイン)とTFT12(ゲート)とを繋ぐ配線とが設けられている。
駆動用のTFT12は、3端子(ゲート、ソース、ドレイン)のうちの1つ(ソース)が電源線42に接続し、各有機EL素子20B,20G,20Rに電源線42から流れ込む電流を制御するものであり、各有機EL素子20B,20G,20Rのスイッチングを行うTFT11に比べて耐電流、耐電圧等の関係からより大きな平面積を有する。保持容量13は、一対の電極間に誘電層を有するものであって、一対の電極が電源線42の延在方向と重なる位置に設けられている。なお、保持容量13の電気容量は、走査信号におけるフレーム周波数や駆動用のTFT12のオフ(OFF)時漏れ電流、各有機EL素子20B,20G,20Rの発光特性を考慮して設計される。それゆえに実際には、適正な電気容量を定めることにより、保持容量13の平面積が決まる。
各有機EL素子20B,20G,20Rは、それぞれ走査線31とデータ線41とにより区分された領域に亘って設けられ平面的にほぼ同じ面積の画素電極23r,23g,23bを有している。その中でも、画素電極23b上に設けられる第1膜形成領域7aが、他の画素電極23g,23r上に設けられる第2膜形成領域7bや第3膜形成領域7cに比べて平面的に大きい。これは、有機EL素子20B,20G,20R間の輝度と発光寿命とを考慮して設定されたものである。現状では、青色の発光が得られる有機EL発光材料の発光寿命は、他の緑色や赤色に比べて短い。したがって、発光層が設けられる膜形成領域の平面積を青、緑、赤で同じにすると、それぞれ同じ電流量で発光させた場合には、先に青が寿命を迎えてしまう。一方、発光時の輝度は、電流量と発光面積すなわち膜形成領域の大きさとに依存する。それゆえに、青の発光面積を他の緑や赤よりも大きくすることで、緑や赤に比べて電流量を減少させてもほぼ同程度の輝度を得ることが可能となる。電流量が減少すれば必然的に発光寿命を長くすることができ、発光寿命を緑や赤と同程度とすることができる。すなわち、フルカラーの表示装置として発光色に係らず一定の発光寿命を確保することができる。本実施形態では、有機EL素子20Gと有機EL20Rの発光面積を有機EL素子20Bに比べてほぼ2/3として発光寿命のバランスを取っている。
次に、各有機EL素子20B,20G,20Rの素子構造について、図4、図5、図6を参照して詳しく説明する。図4は図3のA−A’線で切った青色の発光が得られる有機EL素子の構造を示す概略断面図、図5は図3のB−B’線で切った緑色の発光が得られる有機EL素子の構造を示す概略断面図、図6は図3のA−C線で切った異なる発光色が得られる3つの有機EL素子に跨った構造を示す概略断面図である。
本実施形態の有機EL装置100はトップエミッション型であって、図4に示すように、例えば有機EL素子20Bとその発光制御単位Luとは、基板としての素子基板1上に積層形成されている。言い換えれば、発光制御単位Luが設けられた下地層上に有機EL素子20Bが設けられている。
また、下地層には素子基板1、発光制御単位Lu、反射層21、絶縁膜17が含まれており、有機EL素子20Bにおける発光が反射層21によって反射して取り出されるトップエミッション構造となっている。このような構成は、他の有機EL素子20G,20Rにおいても同様である。
素子基板1は、透明なガラスや樹脂等の基板あるいは、不透明なシリコン等の基板が用いられる。まず、素子基板1の表面に例えばポリシリコン膜からなる半導体層11a,12a,13aがそれぞれ島状に設けられる。半導体層11aはTFT11を構成するものであり、半導体層12aはTFT12を構成するものである。半導体層13aは、保持容量13を構成するものであり一方の電極となる。したがって、一方の電極13aと呼ぶこともある。半導体層11a,12a,13aの膜厚はおよそ50nmである。
島状の半導体層11a,12aの外縁およびゲートと、半導体層13aの一部を除くほぼ全面を覆うようにゲート絶縁膜1aが設けられている。半導体層13aを覆うゲート絶縁膜1aは誘電体層として機能する。ゲート絶縁膜1aの厚みは、およそ50nm〜100nmである。
ゲート絶縁膜1a上には、例えばAl(アルミ)、Ta(タンタル)、W(タングステン)、あるいはこれらの金属化合物からなる低抵抗金属配線層が設けられ、これをパターニングすることにより、走査線31、データ線41(図示省略)、TFT11,12の各ゲート電極11d,12dを構成している。また、保持容量13の他方の電極13bや一方の電極13aに繋がる配線(図示省略)を構成している。そして、これらを覆うように層間絶縁膜14が設けられている。該低抵抗金属配線層の厚みはおよそ500nm〜600nmである。層間絶縁膜14の厚みもおよそ500nm〜600nmである。
層間絶縁膜14には、TFT11,12のソース11b,12bやドレイン11c,12cとの接続を図るためのコンタクトホール14a,14b,14c,14dが設けられている。また、保持容量13と電源線42およびTFT12との接続を図るためのコンタクトホール(図示省略)が設けられている。
層間絶縁膜14上に例えばAl、Ta、W、あるいはこれらの金属化合物などの低抵抗金属配線層が設けられ、これをパターニングすることにより、電源線42やコンタクトホール14b,14c間を繋ぐ配線、電源線42とコンタクトホール14d間を繋ぐ配線等を構成している。該低抵抗金属配線層の厚みはおよそ500nm〜600nmである。
そして、電源線42や層間絶縁膜14を覆うように保護膜15が設けられ、さらに保護膜15を覆うように平坦化層16が設けられている。上述したゲート絶縁膜1a、層間絶縁膜14、保護膜15は、例えばSiNやSiO、SiO2あるいはこれらシリコン化合物などの無機混合物からなる。保護膜15の厚みはおよそ200nm〜300nmである。平坦化層16は、例えばアクリル系やエポキシ系の有機樹脂からなり、厚みはおよそ1μm〜2μmである。
このように低抵抗金属配線層や層間絶縁膜14などに比べて厚い平坦化層16を設けても、素子基板1上における平坦化層16の表面には凹凸が生じてしまう。特に、平面的にTFT11,12や保持容量13を含む第1膜形成領域7aの表面は、TFT11,12に接続を図るためのコンタクトホール14a,14b,14c,14dや配線の形成により、他の第2膜形成領域7bや第3膜形成領域7cに比べて凹凸のばらつきが大きい。
ここでいう凹凸のばらつきは、平坦化層16表面の算術平均粗さ(Ra)や平坦化層16表面の基準面からの高さの標準偏差で定義することができる。また、発光時における画素内の輝度分布における標準偏差で定義することもできる。
ちなみに、第1膜形成領域7aにおける表面の段差(凹凸の差)は、およそ数十nm〜数百nmである。これに対して第2膜形成領域7b、第3膜形成領域7cにおける表面の段差(凹凸の差)は、図6の断面図上ではほとんど発生していない。
第1膜形成領域7aに設けられた有機EL素子20Bは、下地層上において順に積層形成された画素電極23b、機能層24b、共通電極27を有している。
なお、画素電極23bを反射性を有する部材で構成した場合には、反射層21や絶縁膜17を不要とすることができる。
反射層21は、例えばAl−Ndの反射性金属材料からなり、厚みはおよそ50nm〜100nmである。反射層21を覆う絶縁膜17は、SiNやSiOなど透明な無機材料からなり、厚みはおよそ50nm〜100nmである。
画素電極23bは、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)などの透明導電膜であり、厚みはおよそ50nm〜100nmである。コンタクトホール14aを介してTFT12のドレイン12cに接続されている。
画素電極23bを実質的に区画しているのは、画素電極23bの外縁を覆うように形成された第2隔壁部としての隔壁部19である。隔壁部19は、フェノール系あるいはポリイミド系の樹脂材料からなり、厚み(高さ)はおよそ1μm〜2μmである。
機能層24bは、画素電極23b上に順に積層された正孔注入層25と、第1発光層としての発光層26bとを有している。正孔注入層25は塗布法(液状体吐出法)を用いて形成されている。発光層26bは機能性材料を蒸発させて成膜する蒸着法を用いて形成されている。
共通電極27は、ITO、IZOなどの透明導電膜からなり、隔壁部19と機能層24bとを覆うように設けられている。その厚みはおよそ50nm〜100nmである。
図5に示すように、有機EL素子20Bと隣り合う有機EL素子20Gは、画素電極23gと、機能層24gと、共通電極27とにより構成されている。これらの構成は、有機EL素子20Bと同様に下地層上に設けられているが、機能層24gはTFT11,12や保持容量13を覆うように設けられた第1隔壁部としての絶縁膜18と、絶縁膜18上に設けられた隔壁部19とによって区画された第2膜形成領域7bに設けられている。絶縁膜18は、SiO2などの無機絶縁材料からなり、その厚みはおよそ50nm〜100nmである。
機能層24gは、順に積層された正孔注入層25と、第2発光層としての発光層26gと、発光層26bとを有している。
有機EL素子20Gと隣り合う有機EL素子20Rも有機EL素子20Gと同じ断面構造となっている。すなわち、機能層24rはTFT11,12や保持容量13を覆うように設けられた絶縁膜18と、絶縁膜18上に設けられた隔壁部19とによって区画された第3膜形成領域7cに設けられている。
機能層24rは、順に積層された正孔注入層25と、第3発光層としての発光層26rと、発光層26bとを有している。
第2膜形成領域7b(第3膜形成領域7c)は、TFT11,12や保持容量13が設けられた下地層の部分(領域6a)を含まないように区画されているため、第1膜形成領域7aに比べて開口した画素電極23g(画素電極23r)の表面が平坦である。
本実施形態では、正孔注入層25および発光層26g(発光層26r)は、第2膜形成領域7b(第3膜形成領域7c)に機能性材料を含む液状体を塗布し、塗布された液状体を乾燥することにより成膜する塗布法(液状体吐出法)を用いて形成されている。
第2膜形成領域7b(第3膜形成領域7c)は、第1膜形成領域7aに比べて平坦性が確保されているので、塗布法(液状体吐出法)を用いてもほぼ一定な膜厚(膜断面形状)を有する発光層26g(発光層26r)が得られる。
図6に示すように、発光層26bは、隣り合う第1膜形成領域7a、第2膜形成領域7b(発光層26g)、第3膜形成領域7c(発光層26r)、および隔壁部19を覆うように形成されている。表面の凹凸に対して被覆性が優れる蒸着法で形成されているので、成膜面に凹凸があっても、発光層26bはほぼ一定した膜厚を有する。また、共通電極27は発光層26bを覆うように形成されている。正孔注入層25や発光層26b,26g,26rの詳しい形成方法については、後述する有機EL装置100の製造方法において述べる。
発光制御単位Luや各有機EL素子20B,20G,20Rが設けられた素子基板1は、透明なガラス等からなる封止基板(図示省略)と接合され、外部から水分や酸素等のガスが機能層24b,24g,24rに浸入しないように封止される。
有機EL装置100は、各機能層24b,24g,24rからの発光が反射層21により反射され封止基板側から取り出される、所謂トップエミッション構造が採用されたフルカラー表示が可能な表示装置である。反射層21の下層側に発光制御単位Luが設けられているので、駆動回路部を構成するTFT11,12や保持容量13、およびこれらに接続する配線(走査線31、データ線41、電源線42など)は、機能層24b,24g,24rからの発光の取り出しを妨げない。したがって、これらの駆動回路部の構成要素を素子基板1上に比較的自由に配置することができる。なお、有機EL素子20B,20G,20Rの構成は、これに限定されない。例えば、発光色ごとの輝度を向上させるために、各機能層24b,24g,24rと反射層21との間に光共振構造を導入してもよい。
<有機EL装置の製造方法>
次に、本実施形態の有機EL装置100の製造方法について、図7〜図10を参照して説明する。図7は有機EL装置の製造方法を示すフローチャート、図8(a)〜(c)は有機EL装置の製造方法を示す概略平面図、図9(d)〜(f)と図10(g)〜(i)は有機EL装置の製造方法を示す概略断面図である。
図7に示すように、本実施形態の有機EL装置100の製造方法は、素子基板1上に駆動回路部を形成する駆動回路部形成工程(ステップS1)と、隣り合う3つの発光制御単位Luごとに下地層の表面を第1膜形成領域7a、第2膜形成領域7b、第3膜形成領域7cに区分して、それぞれに対応する反射層21を形成する反射層形成工程(ステップS2)と、発光制御単位Luに電気的に接続するように画素電極23b,23g,23rを形成する画素電極形成工程(ステップS3)と、第1膜形成領域7a、第2膜形成領域7b、第3膜形成領域7cをそれぞれ区画する隔壁部19を形成する隔壁部形成工程(ステップS4)と、画素電極23b,23g,23r上に正孔注入層25を形成する正孔注入層形成工程(ステップS5)と、発光層26b,26g,26rを形成する発光層形成工程(ステップS6)と、共通電極27を形成する共通電極形成工程(ステップS7)と、素子基板1と封止基板とを接合して封止する封止工程(ステップS8)とを備えている。
ステップS1の駆動回路部形成工程では、まず図8(a)に示すように、素子基板1上にポリシリコン膜を成膜して、フォトリソグラフィ法により各半導体層11a,12a,13aを島状に形成する。膜厚はおよそ50nmである。ポリシリコン膜の形成方法としては、公知の技術を用いることができ、例えば減圧CVD法等が挙げられる。
そして、TFT11,12に対応する半導体層11a,12aでは、ソースおよびドレイン側をマスクし、半導体層13aでは、電気的な接続部をマスクした状態で、素子基板1を覆うようにゲート絶縁膜1aを形成する。ゲート絶縁膜1aの形成方法としては、例えば、SiNやSiOをターゲットとして、膜厚がおよそ50nm〜100nmとなるように真空中で成膜するスパッタ法などが挙げられる。
次に、ゲート絶縁膜1a上に例えば、Alからなる低抵抗金属膜を厚みおよそ500nm〜600nmとなるように同じくスパッタ法などにより成膜する。これをフォトリソグラフィ法によりパターニングして、図8(b)に示すように、走査線31、データ線41、走査線31から半導体層11a上に延びてゲート電極11dとなる配線31a、半導体層12a上から半導体層13aの接続部まで延びる配線13c(ゲート電極12dを含む)、保持容量13の他方の電極13bを形成する。このとき、データ線41に対して直交するように延在する走査線31は、一旦、データ線41上を切り欠くように形成しておく。
次に、素子基板1のほぼ全面を覆うように層間絶縁膜14を形成する。層間絶縁膜14を形成する方法としては、同じくスパッタ法を用い、SiNやSiOをターゲットとして、膜厚がおよそ500nm〜600nmとなるように真空中で成膜する。このとき、電源線42以外の配線を形成する部分は、予め感光性樹脂材料等を用いてマスクしておく。層間絶縁膜14を形成した後にマスクした部分を取り除けば、図8(c)に示すように、コンタクトホール14a,14b,14c,14d,14e,14f,14g,14hを形成することができる。
次に、再びAlからなる低抵抗金属膜を厚みおよそ500nm〜600nmとなるように同じくスパッタ法などにより層間絶縁膜14上に成膜する。これをフォトリソグラフィ法によりパターニングして、図8(c)に示すように、電源線42と、各種の配線とを形成する。例えば、コンタクトホール14dとコンタクトホール14fとを低抵抗金属膜で埋めることにより、データ線41とTFT11のソースとを繋ぐ配線11eを形成することができる。コンタクトホール14cとコンタクトホール14eとを低抵抗金属膜で埋めることにより、TFT11のドレインとTFT12のゲートとを繋ぐ配線11fを形成することができる。2つのコンタクトホール14g間を低抵抗金属膜で埋めることにより、途切れていた走査線31をデータ線41上において電気的に繋げる配線31cを形成することができる。コンタクトホール14bとコンタクトホール14hとを低抵抗金属膜で埋めることにより、電源線42とTFT12のソースおよび保持容量13の他方の電極13bとを繋ぐことができる。
次に、このようにしてできあがった駆動回路部を覆うように保護膜15を成膜する。保護膜15の形成方法としては、例えばSiNをターゲットとして厚みが200nm〜300nmとなるように同じくスパッタ法などにより成膜する。さらに、保護膜15を覆うように平坦化層16を形成する。平坦化層16の形成方法としては、感光性のアクリル系樹脂をスピンコートまたはロールコートなどの方法により厚みおよそ1μm〜2μmで塗布して固化させ、フォトリソグラフィ法によりパターニングする方法が挙げられる。パターニングするのは、主に、各画素電極23b,23g,23rとTFT12のドレインとの接続を図るコンタクトホール14aに連通するコンタクトホール16aである。または、当該コンタクトホール16aの部分をマスクしてから平坦化層形成材料をコーティングしてもよい。
次に、ステップS2の反射層形成工程では、図9(d)に示すように、平坦化層16上の段差に応じて区分された第1膜形成領域7a、第2膜形成領域7b、第3膜形成領域7cごとに反射層21を形成する。反射層21の形成方法としては、前述した反射層形成材料であるAl−Ndを厚みおよそ50nm〜100nmとなるようにスパッタ法で成膜する方法が挙げられる。そして、フォトリソグラフィ法により画素電極23b,23g,23rよりもやや広い平面積を有する反射層21を形成する。続いて、反射層21を覆うように絶縁膜17を成膜する。絶縁膜17の形成方法は、SiNやSiOをターゲットとして、膜厚がおよそ50nm〜100nmとなるように真空中で成膜するスパッタ法などが挙げられる。
ステップS3の画素電極形成工程では、図9(d)に示すように、絶縁膜17上にITO膜をスパッタ法などにより厚みおよそ100nmとなるように成膜する。そして、これをフォトグラフィ法によりパターニングして反射層21の上方に各画素電極23b,23g,23rを形成する。また、コンタクトホール16aをITO膜で埋めて画素電極23b,23g,23rとTFT12(ドレイン)とを接続させる。この場合、各画素電極23b,23g,23rの平面積はほぼ同等である。
続いて、3つの画素電極23b,23g,23rのうち画素電極23g,23rの外縁部を覆うように絶縁膜18を形成する。絶縁膜18の形成方法としては、画素電極23g,23rの外縁部以外をマスクした状態で、SiNやSiOをターゲットとしてスパッタし、厚みが50nm〜100nmとなるように成膜する方法が挙げられる。
さらに、ステップS4の隔壁部形成工程では、素子基板1の表面にフェノール系あるいはポリイミド系の感光性樹脂材料を厚みが1μm〜2μmとなるようにコーティングし固化して、露光・現像することにより、絶縁膜18上に隔壁部19を形成する。これにより、図9(d)に示すように、隔壁部19は実質的に第1膜形成領域7a、第2膜形成領域7b、第3膜形成領域7cを区画する。発光寿命を考慮して第1膜形成領域7aの平面積が第2膜形成領域7bや第3膜形成領域7cに比べて大きくなるように隔壁部19を形成する。第1膜形成領域7aの平面積を基準とするならば、第1膜形成領域7aに比べて第2膜形成領域7bや第3膜形成領域7cの平面積が小さくなるように隔壁部19を形成する。
ステップS5の正孔注入層形成工程では、図9(d)に示すように、ノズルから液状体を吐出可能な吐出ヘッド(インクジェットヘッド)50を用いて、正孔注入層形成材料を含む所定量の液状体60を液滴として第1膜形成領域7a、第2膜形成領域7b、第3膜形成領域7cごとに塗布する。液状体60は、例えば溶媒としてジエチレングリコールと水(純水)とを含み、正孔注入層形成材料として、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体にドーパントとしてのポリスチレンスルホン酸(PSS)を加えた混合物(PEDOT/PSS)を重量比で0.5%含んだ溶液である。粘度がおよそ20mPa・s以下となるように溶媒の割合が調整されている。
なお、PEDOT/PSS以外の正孔注入層形成材料としては、ポリスチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレンやその誘導体が挙げられる。
液状体60が塗布された素子基板1を例えばランプアニール等の方法で加熱乾燥して溶媒を蒸発させることにより、図9(e)に示すように、第1膜形成領域7a、第2膜形成領域7b、第3膜形成領域7cごとに、正孔注入層25を形成する。なお、液状体60を塗布する前に、画素電極23b,23g,23rの表面および画素電極23g,23rの外縁を覆う絶縁膜18の露出部分を親液処理すると共に、隔壁部19の表面を撥液処理する表面処理を素子基板1に施してもよい。親液処理は酸素を処理ガスとしてプラズマ処理する方法、撥液処理はフッソ系ガスを処理ガスとしてプラズマ処理する方法が挙げられる。このようにすれば、画素電極23b,23g,23r上に着弾した液状体60はムラなく濡れ広がる。
続いて、ステップS6の発光層形成工程では、図9(f)に示すように、まず、緑色の発光が得られる発光層形成材料を含む液状体70Gと赤色の発光が得られる発光層形成材料を含む液状体70Rとをそれぞれ異なる吐出ヘッド50(吐出ヘッド50Gと吐出ヘッド50R)に充填して、対応する第2膜形成領域7bと、第3膜形成領域7cとに液滴として塗布する。
液状体70G,70Rは、例えば溶媒としてシクロヘキシルベンゼンを含み、発光層形成材料として緑色、赤色の発光が得られるポリフルオレン誘導体(PF)を重量比で0.7%含んだものを用いた。粘度はおよそ14mPa・sである。なお、PF以外の発光層形成材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、PEDOT等のポリチオフェニレン誘導体、ポリメチルフェニレンシラン(PMPS)等を用いることができる。また、これらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、ルブレン、ナイルレッド、クマリン6、キナクドリン等低分子材料をドープしたものを用いてもよい。
塗布された液状体70G,70Rの乾燥方法(固化方法)としては、一般的な加熱乾燥に比べて溶媒成分を比較的均一に乾燥可能な減圧乾燥法を用いている。これにより、図10(g)に示すように、正孔注入層25上に発光層26g,26rを形成することができる。第2膜形成領域7bおよび第3膜形成領域7cは、いずれも画素電極23g,23rが形成された下地層の表面における凹凸のばらつきが第1膜形成領域7aに比べて小さくなっている。したがって、吐出ヘッド50G,50Rから吐出された液状体70G,70Rは、それぞれ対応する第2膜形成領域7bと第3膜形成領域7cとにおいてムラ無く濡れ広がり、乾燥後に膜厚がおよそ80nmの発光層26g,26rが形成された。
次に、図10(h)に示すように、第1膜形成領域7aの正孔注入層25上に発光層26bを蒸着法により形成する。このとき、他の第2膜形成領域7b、第3膜形成領域7cに亘って発光層26bを成膜する。したがって、発光層26gや発光層26rの上にも発光層26bが積層形成される。それゆえに、発光層26bは正孔輸送性を有すると共に電子輸送性を有することが好ましい。
このような発光層26bの形成方法としては、例えば青色発光が得られるキノリノールアルミ錯体(Alq3)と正孔輸送性を有するジフェニルナフチルジアミン(αNPD)とを共蒸着した後に、正孔ブロック性を有する4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルエテン−1−イル)ビフェニル(DPBVi)を蒸着する方法が挙げられる。膜厚はおよそ50nmである。また、αNPDを蒸着した後に、Alq3を蒸着した構造としてもよい。これにより、少なくとも発光層26bにおける正孔輸送性が確保され、青色の発光において発光効率が改善される。
蒸着法を用いて発光層26bを成膜するので、下地層の表面が数十nm〜数百nmほどの段差を有する第1膜形成領域7aであっても、正孔注入層25上に膜厚ばらつきが少ない状態で発光層26bが形成される。
これにより、正孔注入層25と発光層26bとを含む機能層24b、正孔注入層25と発光層26gおよび発光層26bを含む機能層24g、正孔注入層25と発光層26rおよび発光層26bを含む機能層24rがそれぞれできあがる。
次に、ステップS7の共通電極形成工程では、図10(i)に示すように、第1膜形成領域7a〜第3膜形成領域7cに亘って形成された発光層26bを覆うように、共通電極27を形成する。これにより有機EL素子20B,20G,20Rが完成する。
共通電極27の材料としては、透明性を有するように成膜されるITOやMgAgの化合物とCa、Ba、Al等の金属やLiF等のフッ化物とを組み合わせて用いるのが好ましい。特に機能層24b,24g,24rに近い側に仕事関数が小さいCa、Ba、LiFの膜を形成し、遠い側に仕事関数が大きいITOを形成するのが好ましい。本実施形態では、LiF/MgAgの構成とした。また、共通電極27の上にSiO2、SiN等の保護層を積層してもよい。このようにすれば、共通電極27の酸化を防止することができる。共通電極27の形成方法としては、蒸着法、スパッタ法、CVD法等が挙げられる。特に機能層24b,24g,24rの熱による損傷を防止できるという点では、蒸着法が好ましい。
次に、ステップS8の封止工程では、発光制御単位Luと有機EL素子20とが形成された素子基板1と、封止基板とを接合することにより有機EL装置100が完成する。素子基板1と封止基板の接合方法としては、素子基板1と封止基板との間に空間をおき、複数の有機EL素子20を取り囲むように接着剤を配置して接合する所謂缶封止と呼ばれる方法や、当該空間に透明な樹脂を充填して封着する方法が挙げられる。
このような塗布法(液状体吐出法)と蒸着法とを使い分けた有機EL装置100およびその製造方法によれば、第1膜形成領域7a、第2膜形成領域7b、第3膜形成領域7cに対して蒸着法によりすべての発光層26b,26g,26rを選択的に形成する場合に比べて、蒸着マスクを不要としつつ、膜厚ムラが低減された発光層26b,26g,26rを効率よく形成することができる。すなわち、異なる発光色間の輝度が均衡し、且つ輝度ムラが低減されたトップエミッション型のフルカラー表示が可能な有機EL装置100を実現できると共に、効率よく製造することができる。
なお、機能層24b,24g,24rの構成は、これに限定されない。例えば、正孔注入層25と発光層26g,26rとの間に、中間層を形成してもよい。中間層形成材料を含む液状体としては、例えば、溶媒としてシクロヘキシルベンゼンを含み、中間層形成材料として、トリフェニルアミン系ポリマー(TFP)を重量比で0.1%程度含んだものが挙げられる。
中間層は、発光層26g,26rに対する正孔の輸送性(注入性)を向上させると共に、発光層26g,26rから正孔注入層25に電子が浸入することを抑制する機能を有する。
また、発光層26bは、正孔輸送性と電子輸送性とを有するものに限定されず、青色の発光層26bとLiFとの間にAlq3などの電子輸送層を設けたり、さらに電子輸送層と発光層26bとの間にBis-(2-methyl-8-quinolinolate)-4-(phenylphenolate)aluminium(BAlq)のような正孔ブロック層を設けてもよい。
すなわち、これらの中間層、電子輸送層、正孔ブロック層は、発光層26b,26g,26rにおける正孔と電子との結合による励起発光の効率を改善するものである。
また、発光層26bを形成する方法として、蒸着法以外にスピンコート法やディップ法等を用いてもよい。この場合も、下地層の表面が数十nm〜数百nmほどの段差を有する場合であっても、膜厚ばらつきが少ない状態で発光層26bを形成することが可能である。言い換えれば、各膜形成領域7a,7b,7cにおける下地層の凹凸のばらつきを考慮して、異なる成膜方法を選定し、発光層26b,26g,26rを形成する。
本実施形態では、第1膜形成領域7a、第2膜形成領域7b、第3膜形成領域7cの平面積すなわち有機EL素子20B,20G,20Rの実質的な発光面積を発光色ごとの発光寿命を考慮して設定した。
主に高分子の発光層形成材料を用いる塗布法(液状体吐出法)は、低分子の発光層形成材料を用いる蒸着法に比べて、現状では形成された発光層の発光寿命が短い傾向にある。また、発光層の発光ピーク波長が長い方が、発光寿命が長い傾向にある。
一方で、発光寿命は発光層を流れる電流量に依存し、輝度は電流量と発光面積に依存する。ゆえに、各発光色を安定した輝度で得ながら発光色間の発光寿命のバランス(均衡)を図る観点では、下地層の凹凸のばらつきが最も大きい部分を含む第1膜形成領域7aには、凹凸の影響を受け難くい高い被覆性を有する蒸着法で所望の膜厚を有する発光層26bを形成する。これにより、膜厚ばらつきに起因して部分的に電流が集中して流れ、輝度ムラや発光寿命が短くなってしまうことを防ぐことができる。合わせて、蒸着法を用いて形成する発光層は、青(B)、緑(G)、赤(R)、3色の発光色のうち最も発光ピーク波長が短い青色の発光層26bが好ましい。
さらには、塗布法を用いて形成される発光層26g(緑)と発光層26r(赤)とを比較すると、発光層26g(緑)の方が発光寿命が短くなるおそれがある。したがって、発光層26rが形成される第3膜形成領域7cは、発光層26gが形成される第2膜形成領域7bよりも、その平面積を小さくすることが好ましい。言い換えれば、平面積が大きい方の膜形成領域に発光寿命が短い方の発光層を形成することが好ましい。発光寿命が短い方の発光層を流れる電流量を抑制することにより、発光色間の発光寿命の差を縮小することができる。
まとめると上記第1実施形態によれば、以下のような作用・効果が得られる。
1)下地層の凹凸のばらつきが大きい駆動回路部を平面的に含んだ第1膜形成領域7aに、蒸着法を用いて発光ピーク波長が最も短い青の発光層26bを形成する。該凹凸のばらつきの影響を受けずに、ほぼ一定の膜厚を有する青の発光層26bが得られる。
2)他の第2膜形成領域7bおよび第3膜形成領域7cは、第1膜形成領域7aに比べて高い平坦性を有するように駆動回路部を避けて区画し、発光層26bに比べて発光ピーク波長が長い発光層26g,26rを塗布法(液状体吐出法)により形成する。下地層の平坦性が確保されるので、ほぼ一定の膜厚(膜断面形状)を有する緑の発光層26gと赤の発光層26rとが得られる。
3)第1膜形成領域7a、第2膜形成領域7b、第3膜形成領域7cの平面積すなわち有機EL素子20B,20G,20Rの発光面積は、青の発光層26b>緑の発光層26g≧赤の発光層26rとなるように設定されている。それゆえに、発光層26b,26g,26rの輝度と発光寿命とが考慮され発光色間でのバランスが取られている。
4)蒸着法により青の発光層26bが形成される第1膜形成領域7aの平面積を他の第2膜形成領域7bや第3膜形成領域7cよりも大きくするため、隔壁部19のみで第1膜形成領域7aを区画する。絶縁膜18で第1膜形成領域7aを区画する必要がないので、所望の平面積を比較的容易に確保することができる。
(第2実施形態)
<有機EL装置>
次に、第2実施形態の有機EL装置について、図11〜図14を参照して説明する。図11は第2実施形態の有機EL装置における有機EL素子の配置を示す概略平面図、図12は第2実施形態の有機EL装置における駆動回路部の構成を示す概略平面図、図13は図12のD−D’線で切った有機EL素子の概略断面図、図14は図12のE−E’線で切った有機EL素子の概略断面図である。
本実施形態の有機EL装置は、第1実施形態の有機EL装置100に対して、駆動回路部のうち保持容量13および電源線42の配置を異ならせたものである。なお、第1実施形態と同様な構成は同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
具体的には、図11に示すように、本実施形態の有機EL装置200は、青、緑、赤の異なる発光色が得られる有機EL素子20B,20G,20Rを有している。各有機EL素子20B,20G,20Rはそれぞれ互いに交差する走査線31とデータ線41とによって区分された領域に設けられている。
青の発光が得られる有機EL素子20Bの機能層24bは、走査線31とデータ線41とによって区分された領域に亘って設けられた第1膜形成領域7aに形成されている。第1膜形成領域7aは、有機EL素子20Bを駆動する駆動回路部の一部が設けられた下地層の領域6bを平面的に含んでいる。これに対して、隣り合う緑の発光が得られる有機EL素子20Gの機能層24gは第2膜形成領域7bに形成されている。第2膜形成領域7bは、有機EL素子20Gを駆動する駆動回路部の一部が設けられた下地層の領域6bを含まないように設定されている。同じく、赤の発光が得られる有機EL素子20Rの機能層24rは第3膜形成領域7cに形成されている。第3膜形成領域7cは、有機EL素子20Rを駆動する駆動回路部の一部が設けられた下地層の領域6bを含まないように設定されている。
第1膜形成領域7aの平面積に対して、他の第2膜形成領域7bおよび第3膜形成領域7cの平面積はおよそ2/3となっている。これは第1実施形態と同様に異なる発光色の有機EL素子20B,20G,20Rの発光寿命を考慮したものである。
第1膜形成領域7a、第2膜形成領域7b、第3膜形成領域7cの平面積は、発光面積に相当する。発光面積が大きくなるにつれて機能層24b,24g,24rを発光させるための駆動電流を安定的に各有機EL素子20B,20G,20Rに供給する必要が生じ、供給ロスを生じさせないように電源線42の電気抵抗を確保する必要がある。
本実施形態では、電源線42は、走査線31に沿って延在しており、ほぼ第2膜形成領域7bや第3膜形成領域7cと平面的に重なる位置に設けられている。したがって、第1実施形態の電源線42に比べてデータ線41の延在方向に幅広く設けられている。
図12に示すように、駆動回路部のうち保持容量13は、幅広に設けられた電源線42と平面的に重なる位置に設けられており、ほぼ第2膜形成領域7bや第3膜形成領域7cの平面積に相当する大きさで設けられている。
図13に示すように、保持容量13の一対の電極13a,13bのうちの他方の電極13bは、電源線42と平面的に重なる位置に設けられたコンタクトホール(図示省略)を介して電源線42と接続している。一方の電極13aは、同じく電源線42を構成した低抵抗金属配線によりスイッチング用のTFT11のドレインおよび駆動用のTFT12のゲートと接続している。
このような保持容量13の配置によれば、第1実施形態に比べてより大きな電気容量を確保することができる。
本実施形態の第1膜形成領域7aは、素子基板1上に設けられた駆動回路部としてのTFT11,12および保持容量13並びにこれらを接続する配線を含むように隔壁部19によって区画されている。画素電極23bは、隔壁部19によって区画された第1膜形成領域7aに亘って設けられている。
有機EL素子20Bは、第1膜形成領域7aに設けられた画素電極23bと、画素電極23b上に順に積層された機能層24b、共通電極27とを有している。機能層24bは、正孔注入層25と発光層26bとを含んでいる。正孔注入層25は塗布法(液状体吐出法)を用いて形成され、発光層26bは蒸着法を用いて形成されている。発光層26bは正孔輸送性と電子輸送性とを有するものである。
図14に示すように、有機EL素子20Bと隣り合う有機EL素子20Gは、画素電極23gと、画素電極23g上に順に積層された機能層24gと、共通電極27とを有している。機能層24gは正孔注入層25と発光層26gと発光層26bとを含んでいる。このうち、正孔注入層25と発光層26gは、第2膜形成領域7bに設けられている。第2膜形成領域7bは、素子基板1上に設けられた駆動回路部のうちTFT11,12を含まないように、絶縁膜18と絶縁膜18上に設けられた隔壁部19とによって区画されている。発光層26bは隔壁部19と発光層26gとを覆うように蒸着法により形成されている。正孔注入層25と発光層26gは、塗布法(液状体吐出法)を用いて形成されている。
隣り合う有機EL素子20Rの断面構造も図14に示した有機EL素子20Gと同じである。すなわち、有機EL素子20Rは、画素電極23rと、画素電極23r上に順に積層された機能層24rと、共通電極27とを有している。機能層24rは正孔注入層25と発光層26rと発光層26bとを含んでいる。このうち、正孔注入層25と発光層26rは、第3膜形成領域7cに設けられている。第3膜形成領域7cは、素子基板1上に設けられた駆動回路部のうちTFT11,12を含まないように、絶縁膜18と絶縁膜18上に設けられた隔壁部19とによって区画されている。発光層26bは隔壁部19と発光層26rとを覆うように蒸着法により形成されている。正孔注入層25と発光層26rは、塗布法(液状体吐出法)を用いて形成されている。
図14に示すように、第2膜形成領域7bは、断面がほぼ平らな保持容量13と電源線42とが設けられた下地層の領域を絶縁膜18と絶縁膜18上に設けられた隔壁部19とにより区画されている。したがって、成膜面における平坦性が第1実施形態と同様に確保される。それゆえに、塗布法(液状体吐出法)を用いて第2膜形成領域7bにほぼ一定の膜厚(膜断面形状)を有する正孔注入層25や発光層26gを形成することができる。有機EL素子20Rにおける正孔注入層25や発光層26rが設けられた第3膜形成領域7cも同様である。
なお、有機EL装置200の製造方法は、上記第1実施形態の有機EL装置100の製造方法を適用することができる。
上記第2実施形態によれば、第1実施形態の作用・効果に加えて、以下の作用・効果を奏する。
1)有機EL装置200は、隔壁部19により区画された第2膜形成領域7bおよび第3膜形成領域7cの下地層に駆動回路部のうち保持容量13が設けられている。保持容量13の平面積は、第2膜形成領域7bおよび第3膜形成領域7cの平面積とほぼ同一である。したがって、第1実施形態に比べて保持容量13の電気容量を大きくすることができる。
2)電源線42は、走査線31に沿って第2膜形成領域7bや第3膜形成領域7cに跨るように幅広に設けられている。したがって、第1実施形態に比べて有機EL素子20B,20G,20Rに対して駆動電流を供給ロスを低減してより安定的に供給できる。
また、素子基板1上において保持容量13が設けられた領域に対して重畳されるように設けられているので、第2膜形成領域7bや第3膜形成領域7cにおける下地層の表面を凹凸が少ない平坦な状態とすることができる。
(第3実施形態)
次に本実施形態の電子機器について図15を参照して説明する。図15は電子機器の一例としての携帯型電話機を示す概略斜視図である。
図15に示すように、本実施形態の電子機器としての携帯型電話機1000は、操作ボタン1003を備えた本体1002と、本体1002にヒンジを介して折畳式に取り付けられた表示部1001とを備えている。
表示部1001には、上記実施形態の有機EL装置100,200のいずれかが搭載されている。
したがって、発光層26b,26g,26rの膜厚ばらつきに起因する輝度ムラが低減され見映えのよいフルカラー表示が可能な携帯型電話機1000を提供することができる。
なお、上記有機EL装置100,200のいずれかが搭載された電子機器は、携帯型電話機1000に限定されない。例えば、パーソナルコンピューターや携帯型情報端末、ナビゲーター、ビューワーなどの表示部を有する電子機器が挙げられる。
上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)上記第1実施形態の有機EL装置100において、蒸着法を用いて形成された青の発光層26bは、他の発光層26g,26rを覆うように形成することに限定されない。図16は、変形例の有機EL装置の構造を示す概略断面図である。詳しくは、有機EL装置100の構造を示した図6の概略断面図に相当するものである。例えば、図16に示すように、変形例の有機EL装置300は、発光層26bの形成時に、第1膜形成領域7a以外を遮る蒸着マスクを用い、第1膜形成領域7aだけに発光層26bが蒸着され成膜されている。このような構成および製造方法によれば、発光層26bを選択的に成膜するわずらわしさがあるものの、異なる発光色の発光層同士が積層されないので、それぞれ比較的容易にねらいのピーク波長を有する発光を得ることができる。
(変形例2)上記第1実施形態の有機EL装置100において、隔壁部19による第1膜形成領域7a、第2膜形成領域7b、第3膜形成領域7cの区画の仕方は、異なる発光色が得られる機能層24b,24g,24rごとに対応した方法に限定されない。図17は、変形例の膜形成領域の区画方法を示す概略平面図である。図17に示すように、例えば、駆動回路部の少なくとも一部が設けられた下地層の領域6aを含まないように、第1隔壁部としての絶縁膜18により、機能層24gのうち正孔注入層25、発光層26gが形成される膜形成領域7d(実質的な発光領域)を区画する。第2膜形成領域7bは、複数(図17では3つ)の膜形成領域7dを含むように第2隔壁部としての隔壁部19で区画する。第3膜形成領域7cも同様である。すなわち、絶縁膜18により、機能層24rのうち正孔注入層25、発光層26rが形成される膜形成領域7e(実質的は発光領域)を区画する。第3膜形成領域7cは、複数(図17では3つ)の膜形成領域7eを含むように隔壁部19で区画する。
このようにすれば、第1実施形態に比べて、正孔注入層形成材料を含む液状体60や発光層形成材料を含む液状体70G,70Rをより広い範囲に亘って塗布することができるので、乾燥後に膜厚ばらつきがより抑えられた正孔注入層25や発光層26g,26rを得ることができる。
このような変形例は、塗布法を用いて機能層24g,24rの少なくとも一部が形成される第2膜形成領域7bおよび第3膜形成領域7cに適用することが好適であるが、第2膜形成領域7bと第3膜形成領域7cのいずれか一方に適用してもよい。また、3つの膜形成領域7d,7eを含むことに限定されないことは言うまでもなく、同色の発光層が形成される膜形成領域7dまたは膜形成領域7eをすべて含むとしてもよい。
さらには、塗布法を用いて機能層24bの少なくとも一部(正孔注入層25)が形成される第1膜形成領域7aにも適用することができる。
(変形例3)上記第1実施形態の有機EL装置100および上記第2実施形態の有機EL装置200における封止基板の構成は、これに限定されない。例えば、各有機EL素子20B,20G,20Rと対向する封止基板に発光色に対応したカラーフィルターを設けてもよい。これによれば、色再現性に優れたトップエミッション型のフルカラー表示装置を提供できる。
(変形例4)上記第1実施形態の有機EL装置100の製造方法において、第2膜形成領域7bと第3膜形成領域7cとで平面積が異なる場合、発光層形成工程では、平面積が小さいほど塗布後の乾燥が進み易く、乾燥速度の違いで成膜後の膜形状が安定しないおそれがある。したがって、平面積が大きい順に液状体70G,70Rを塗布することが望ましい。これによって、第2膜形成領域7bと第3膜形成領域7c間の乾燥速度の差を抑制して、安定した膜形状の発光層26g,26rを形成することができる。
(変形例5)上記第1実施形態の有機EL装置100の製造方法において、発光層形成工程では、第2膜形成領域7bと第3膜形成領域7cとに、それぞれ異なる種類の液状体70G,70Rを塗布すると、後から塗布した液状体の膜形成領域に対する濡れ性が低下する。したがって、異なる種類の液状体70G,70Rのうち膜形成領域に対する濡れ性が低い順に塗布することが望ましい。このようにすれば、液状体70G,70Rの各膜形成領域における濡れ性を安定的に確保してムラなく塗布することができる。
(変形例6)上記第1実施形態の有機EL装置100の製造方法において、異なる発光層形成材料を含む液状体70G,70Rのうち、例えば、水分や酸素に曝露されたり、加熱等を受けることによって失活し易い発光層形成材料を含む液状体は、一番最後に塗布することが望ましい。これにより歩留りを向上させることができる。
1…基板としての素子基板、7a…第1膜形成領域、7b…第2膜形成領域、7c…第3膜形成領域、11,12…薄膜トランジスター(TFT)、13…保持容量、18…第1隔壁部としての絶縁層、19…第2隔壁部としての隔壁部、20,20B,20G,20R…有機EL素子、23,23b,23g,23r…画素電極、24,24b,24g,24r…機能層、26b…第1発光層としての青色の発光層、26g…第2発光層としての緑色の発光層、26r…第3発光層としての赤色の発光層、27…共通電極、100,200…有機EL装置、1000…電子機器としての携帯型電話機。

Claims (18)

  1. 基板を含む下地層上において互いに隣り合って配置された異なる発光色が得られる第1有機EL素子および第2有機EL素子並びに第3有機EL素子を備えた有機EL装置であって、
    前記下地層は、前記第1有機EL素子を駆動する第1駆動回路部と、前記第2有機EL素子を駆動する第2駆動回路部と、前記第3有機EL素子を駆動する第3駆動回路部とを含み、
    前記下地層上において、前記第1有機EL素子の第1発光層が設けられた第1膜形成領域と、前記第2有機EL素子の第2発光層が設けられた第2膜形成領域と、前記第3有機EL素子の第3発光層が設けられた第3膜形成領域とを区画する隔壁部を有し、
    前記隔壁部は、平面的に前記第1駆動回路部を含むように前記第1膜形成領域を区画し、前記第2駆動回路部の少なくとも一部を含まないように前記第2膜形成領域を区画し、前記第3駆動回路部の少なくとも一部を含まないように前記第3膜形成領域を区画しており、
    前記第1発光層に対して前記第2発光層および前記第3発光層が異なる成膜方法により形成されていることを特徴とする有機EL装置。
  2. 緑色の発光が得られる前記第2発光層および赤色の発光が得られる前記第3発光層が液状体吐出法を用いて形成され、
    前記第2発光層および前記第3発光層を覆うように蒸着法を用いて青色の発光が得られる前記第1発光層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置。
  3. 前記第1発光層は、正孔輸送性を有することを特徴とする請求項2に記載の有機EL装置。
  4. 前記第1発光層は、正孔輸送性と電子輸送性とを有することを特徴とする請求項2に記載の有機EL装置。
  5. 前記隔壁部は、前記第2膜形成領域および前記第3膜形成領域に比べて平面積が大きくなるように前記第1膜形成領域を区画していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の有機EL装置。
  6. 前記隔壁部は、無機材料からなる第1隔壁部と有機材料からなる第2隔壁部とを有し、
    前記第1膜形成領域は前記第2隔壁部のみにより区画され、
    前記第2膜形成領域および前記第3膜形成領域はそれぞれ前記第1隔壁部上に設けられた前記第2隔壁部によって区画されていることを特徴とする請求項5に記載の有機EL装置。
  7. 前記隔壁部は、無機材料からなる第1隔壁部と有機材料からなる第2隔壁部とを有し、
    前記第1膜形成領域は前記第2隔壁部のみにより区画され、
    前記第2膜形成領域および前記第3膜形成領域のうち少なくとも一方の実質的な発光領域が前記第1隔壁部により区画され、前記第2隔壁部は、複数の前記発光領域を含んで区画するように前記第1隔壁部上に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の有機EL装置。
  8. 前記第1駆動回路部および前記第2駆動回路部並びに前記第3駆動回路部は、それぞれ薄膜トランジスターと保持容量とこれらを繋ぐ配線とを少なくとも含み、
    前記隔壁部は、少なくとも前記薄膜トランジスターを含まないように前記第2膜形成領域と前記第3膜形成領域とをそれぞれ区画していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の有機EL装置。
  9. 前記第1駆動回路部および前記第2駆動回路部並びに前記第3駆動回路部は、それぞれ薄膜トランジスターと保持容量とこれらを繋ぐ配線とを少なくとも含み、
    前記隔壁部は、前記薄膜トランジスターと前記保持容量とを含まないように前記第2膜形成領域と前記第3膜形成領域とをそれぞれ区画していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の有機EL装置。
  10. 基板を含む下地層上において互いに隣り合って配置された異なる発光色が得られる第1有機EL素子および第2有機EL素子並びに第3有機EL素子を備えた有機EL装置の製造方法であって、
    前記基板上に前記第1有機EL素子を駆動する第1駆動回路部と、前記第2有機EL素子を駆動する第2駆動回路部と、前記第3有機EL素子を駆動する第3駆動回路部とを形成する駆動回路部形成工程と、
    前記基板上において前記第1駆動回路部を含む第1膜形成領域と、前記第2駆動回路部の少なくとも一部を含まない第2膜形成領域と、前記第3駆動回路部の少なくとも一部を含まない第3膜形成領域と、を区画する隔壁部を形成する隔壁部形成工程と、
    前記第1膜形成領域に前記第1有機EL素子の第1発光層を形成すると共に、前記第2膜形成領域に前記第2有機EL素子の第2発光層を形成し、前記第3膜形成領域に前記第3有機EL素子の第3発光層を形成する発光層形成工程とを備え、
    前記第1発光層に対して前記第2発光層および前記第3発光層を異なる成膜方法を用いて形成することを特徴とする有機EL装置の製造方法。
  11. 前記発光層形成工程は、液状体吐出法を用いて緑色の発光が得られる前記第2発光層および赤色の発光が得られる前記第3発光層を形成し、前記第2発光層および前記第3発光層を覆うように蒸着法を用いて青色の発光が得られる前記第1発光層を形成することを特徴とする請求項10に記載の有機EL装置の製造方法。
  12. 前記発光層形成工程は、蒸着法を用いて正孔輸送性と電子輸送性とを有する前記第1発光層を形成することを特徴とする請求項11に記載の有機EL装置の製造方法。
  13. 前記隔壁部形成工程は、区画された前記第1膜形成領域の平面積が前記第2膜形成領域および前記第3膜形成領域よりも大きくなるように前記隔壁部を形成することを特徴とする請求項10乃至12のいずれか一項に記載の有機EL装置の製造方法。
  14. 前記隔壁部は、無機材料からなる第1隔壁部と有機材料からなる第2隔壁部とを有し、
    前記隔壁部形成工程は、前記第2膜形成領域および前記第3膜形成領域をそれぞれ区画するように前記第1隔壁部を形成すると共に前記第1隔壁部上に前記第2隔壁部を形成し、
    前記第1膜形成領域を区画するように前記第2隔壁部を形成することを特徴とする請求項13に記載の有機EL装置の製造方法。
  15. 前記隔壁部は、無機材料からなる第1隔壁部と有機材料からなる第2隔壁部とを有し、
    前記隔壁部形成工程は、前記第1膜形成領域を区画するように前記第2隔壁部を形成し、
    前記第2膜形成領域および前記第3膜形成領域のうち少なくとも一方の実質的な発光領域を区画するように前記第1隔壁部を形成し、
    複数の前記発光領域を含んで区画するように前記第1隔壁部上に前記第2隔壁部を形成することを特徴とする請求項13に記載の有機EL装置の製造方法。
  16. 前記第1駆動回路部および前記第2駆動回路部並びに前記第3駆動回路部は、それぞれ薄膜トランジスターと保持容量とこれらを繋ぐ配線とを少なくとも含み、
    前記隔壁部形成工程は、少なくとも前記薄膜トランジスターを含まないように前記第2膜形成領域と前記第3膜形成領域とをそれぞれ区画する前記隔壁部を形成することを特徴とする請求項10乃至15のいずれか一項に記載の有機EL装置の製造方法。
  17. 前記第1駆動回路部および前記第2駆動回路部並びに前記第3駆動回路部は、それぞれ薄膜トランジスターと保持容量とこれらを繋ぐ配線とを少なくとも含み、
    前記隔壁部形成工程は、前記薄膜トランジスターと前記保持容量とを含まないように前記第2膜形成領域と前記第3膜形成領域とをそれぞれ区画する前記隔壁部を形成することを特徴とする請求項10乃至15のいずれか一項に記載の有機EL装置の製造方法。
  18. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の有機EL装置、または請求項10乃至17のいずれか一項に記載の有機EL装置の製造方法を用いて製造された有機EL装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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