JP5233285B2 - 電気光学装置の製造方法および電気光学装置 - Google Patents

電気光学装置の製造方法および電気光学装置 Download PDF

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Description

本発明は、電気光学装置の製造方法および電気光学装置に関する。
有機EL方式の電気光学装置の製造方法として、有機機能層を液滴吐出法により形成する方法が知られている。液滴吐出法では、有機機能層の構成材料を溶媒に溶解または分散させた液状体を所定の領域、例えば画素の領域に選択的に配置し、この液状体から溶媒を蒸発させて有機機能層を形成する。このため、プロセスを簡易にするとともに原材料の使用量を少なくすることができる。
一方で、液滴吐出法では、表示に寄与する画素が位置する表示領域のうち、周辺部に配置された液状体の乾燥が中央部よりも速くなり、その結果、表示領域内における画素間で有機機能層の膜厚ムラが生じることがある。このような膜厚ムラは、輝度ムラや発光色ムラ等の表示ムラの原因となる。
そこで、表示領域に位置する画素とほぼ同じ面積を有し表示に寄与しないダミー画素を表示領域の外側に配置し、表示領域に位置する画素に形成する有機機能層の構成材料を含む液状体をこのダミー画素に配置することで、表示領域の中央部と周辺部とにおいて有機機能層の膜厚ムラが生じることを防止あるいは抑制する構成が提案されている(例えば特許文献1)。
また、ダミー画素を配置することによる膜厚ムラの防止・抑制効果を高めるために、ダミー画素に吐出する単位面積あたりの溶媒の量を表示領域の画素に吐出する単位面積あたりの溶媒の量よりも多くする構成(例えば特許文献2)や、ダミー画素に吐出する単位面積あたりの液状体の量を表示領域の画素に吐出する単位面積あたりの液状体の量以上とする構成(例えば特許文献3)が提案されている。
特開2002−252083号公報 特開2006−3870号公報 特開2001−188117号公報
しかしながら、上述のような構成では、表示に寄与しない領域の面積をある程度大きくする必要があり、表示領域の面積を確保するためには、電気光学装置全体の面積を大きくしなければならない。電気光学装置全体の面積が大きくなると、電気光学装置を備えた電子機器が大型化するという課題がある。また、ダミー画素に吐出する単位面積あたりの溶媒または液状体の量を多くすると、配置された液状体が溢れて表示領域に位置する画素に広がってしまい製造歩留りが低下するという課題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る電気光学装置の製造方法は、基板と、前記基板上に配置された複数の第1の画素と、前記基板上の前記複数の第1の画素の周囲に配置された複数の第2の画素と、を備えた電気光学装置の製造方法であって、前記複数の第1の画素のそれぞれの領域に溶媒と機能層の構成材料とを含む第1の液状体を配置し、前記複数の第2の画素のそれぞれの領域に少なくとも溶媒を含む第2の液状体を配置する液状体配置工程と、配置された前記第1の液状体と前記第2の液状体とを乾燥させる乾燥工程と、を備え、前記第2の液状体の蒸発速度は、前記第1の液状体の蒸発速度よりも遅いことを特徴とする。
この構成によれば、第2の液状体の蒸発速度は第1の液状体の蒸発速度よりも遅い。このため、第1の画素の領域に配置された第1の液状体が乾燥するまで、第1の画素の周囲に第2の液状体から蒸発する溶媒が存在する。これにより、第1の画素間で第1の液状体の乾燥速度のバラツキが抑えられるので、第1の画素間で機能層の構成材料で形成される機能層の膜厚ムラを抑えることができる。第1の画素が表示に寄与する画素であり、第2の画素が表示に寄与しない画素であれば、電気光学装置の表示領域における膜厚ムラを抑えることができる。
また、第2の画素の領域に配置される単位面積あたりの第2の液状体の量を、第1の画素の領域に配置される単位面積あたりの第1の液状体の量より多くしなくても、第1の画素間で膜厚ムラを抑えることができる。これにより、電気光学装置の非表示領域の面積を従来より小さくでき、かつ第2の液状体が第2の画素領域から溢れることによる電気光学装置の製造歩留り低下を抑止できる。
[適用例2]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法であって、前記第2の液状体の前記溶媒の沸点は、前記第1の液状体の前記溶媒の沸点よりも高くてもよい。
この構成によれば、第2の液状体の溶媒の沸点は第1の液状体の溶媒の沸点よりも高いので、第2の液状体の蒸発速度を第1の液状体の蒸発速度よりも遅くできる。
[適用例3]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法であって、前記第2の液状体の前記溶媒の前記沸点と、前記第1の液状体の前記溶媒の前記沸点と、の温度差は50℃以下であってもよい。
この構成によれば、第2の液状体の溶媒の沸点と第1の液状体の溶媒の沸点との温度差は50℃以下である。第2の液状体の溶媒の沸点が第1の液状体の溶媒の沸点に対して高すぎると、第2の液状体の蒸発速度が第1の液状体の蒸発速度に対して非常に遅くなる。このため、第2の画素近傍に位置する第1の画素における第1の液状体の乾燥が中央部に位置する第1の画素よりも遅くなることにより、表示領域内で膜厚ムラが生じる場合がある。第2の液状体の溶媒の沸点と第1の液状体の溶媒の沸点との温度差を50℃以下にすれば、第2の液状体の蒸発速度と第1の液状体の蒸発速度との差を好適にすることができる。
[適用例4]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法であって、前記第2の液状体の前記溶媒の沸点は前記第1の液状体の前記溶媒の沸点よりも低く、かつ前記第2の液状体の前記溶媒の蒸気圧は前記第1の液状体の前記溶媒の蒸気圧よりも低くてもよい。
この構成によれば、第2の液状体の溶媒の蒸気圧は第1の液状体の溶媒の蒸気圧よりも低いので、第2の液状体の溶媒の沸点が第1の液状体の溶媒の沸点より低くても、第2の液状体の蒸発速度を第1の液状体の蒸発速度よりも遅くできる。
[適用例5]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法であって、前記第2の液状体は機能層の構成材料をさらに含み、前記第2の液状体の前記機能層の構成材料の濃度は、前記第1の液状体の前記機能層の構成材料の濃度よりも高くてもよい。
この構成によれば、第2の液状体の機能層の構成材料の濃度は第1の液状体の機能層の構成材料の濃度よりも高い。液状体が乾燥するとき、液状体中の溶媒が液状体の表面に液膜を作り、この液膜が蒸気化して大気中または減圧雰囲気中に蒸発する。液状体表面で溶媒の液膜が蒸発すると、液状体表面で機能層の構成材料の濃度が上昇するが、溶媒の蒸発熱により液状体表面の温度が低下して液状体表面で濃度がさらに上昇することにより、液状体内部の溶媒の蒸発が遅くなる。これにより、第2の液状体の蒸発速度を第1の液状体の蒸発速度よりも遅くできる。
[適用例6]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法であって、前記複数の第2の画素は表示に寄与せず、前記第2の液状体は前記溶媒からなっていてもよい。
この構成によれば、第2の液状体は機能層の構成材料を含まないが、第2の液状体の溶媒の沸点が第1の液状体の溶媒の沸点よりも高ければ、第2の液状体の蒸発速度を第1の液状体の蒸発速度よりも遅くできる。また、第2の液状体が配置される第2の画素は表示に寄与しないので、第2の液状体が機能層の構成材料を含まなくても構わない。
[適用例7]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法であって、前記液状体配置工程の前に、前記複数の第2の画素のそれぞれの前記領域に前記第2の液状体を配置する工程と、配置された前記第2の液状体を乾燥させる工程と、を少なくとも1回行ってもよい。
この構成によれば、先に第2の画素の領域に第2の液状体を配置し乾燥させることにより、第2の画素の領域に機能層の構成材料からなる層が形成される。この第2の画素の領域に、さらに第2の液状体を配置すると、機能層の構成材料が第2の液状体の溶媒に再び溶解することで、第2の液状体の機能層の構成材料の濃度が上昇する。これにより、第2の液状体の機能層の構成材料の濃度と第1の液状体の機能層の構成材料の濃度とが同じであっても、第2の画素の領域に配置された状態における第2の液状体の機能層の構成材料の濃度を第1の液状体の機能層の構成材料の濃度よりも高くすることができる。
[適用例8]本適用例に係る電気光学装置は、上記の電気光学装置の製造方法により製造される電気光学装置であって、前記第1の液状体は、前記機能層の構成材料として有機EL機能層のうち少なくとも有機発光層形成材料を含むことを特徴とする。
この構成によれば、表示に寄与する第1の画素の領域に形成される有機EL機能層の膜厚ムラが抑えられるので、表示ムラのない有機EL装置を提供できる。
[適用例9]本適用例に係る電気光学装置は、上記の電気光学装置の製造方法により製造される電気光学装置であって、前記第1の液状体は、前記機能層の構成材料としてカラーフィルタの着色層形成材料を含むことを特徴とする。
この構成によれば、表示に寄与する第1の画素の領域に形成される着色層の膜厚ムラが抑えられるので、色ムラのないカラーフィルタを備えた電気光学装置を提供できる。
以下に、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお、参照する各図面において、構成をわかりやすく示すため、各構成要素の膜厚や寸法の比率等は適宜異ならせてある。
(第1の実施形態)
<有機EL装置>
まず、第1の実施形態に係る電気光学装置としての有機エレクトロルミネセンス装置(以下有機EL装置と呼ぶ)の構成について図を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る有機EL装置を示す平面図である。図2は、第1の実施形態に係る有機EL装置の回路構成図である。図3は、第1の実施形態に係る有機EL装置の概略構成を示す断面図である。詳しくは、図1のA−A’線に沿った部分断面図である。なお、図1では、以下の位置関係の説明に必要な構成要素以外は図示を省略する。
有機EL装置100は、図1に示すように、基板10と、基板10上に位置する表示領域Eと非表示領域Dとを有している。表示領域Eは表示に実質的に寄与する領域であり、非表示領域Dは表示に実質的に寄与しない領域である。非表示領域Dは、表示領域Eを取り囲むように設けられている。
表示領域Eには、赤(R)、緑(G)、青(B)の表示に寄与する第1の画素としての画素2R,2G,2B(対応する色について区別しない場合には単に画素2とも呼ぶ)が複数配置されている。画素2は、有機EL装置100の表示の最小単位であり、間隔を置いてマトリクス状に配置されている。なお、X軸は画素2の行方向を示し、Y軸は画素2の列方向を示している。
画素2は、有機エレクトロルミネセンス素子(以下有機EL素子と呼ぶ)8を表示素子として備えており、赤、緑、青のそれぞれに発光する有機EL素子8R,8G,8Bにより得られた光を表示光として出力するようになっている。画素2R,2G,2Bから画素群4が構成されている。有機EL装置100では、画素群4において画素2R,2G,2Bのそれぞれの表示の輝度を適宜変えることで、種々の色の表示を行うことができる。
非表示領域Dには、画素2が配置された表示領域Eの全周囲に亘って、表示に寄与しない第2の画素としてのダミー画素6が複数配置されている。ダミー画素6は、X軸方向およびY軸方向のそれぞれにおいて、画素2とほぼ同じピッチで配列されている。
基板10上には、表示領域Eと非表示領域Dとに亘ってバンク部28が設けられている。バンク部28は、ほぼ格子状に形成されており、画素2のそれぞれの領域とダミー画素6のそれぞれの領域とを区画している。画素2の領域とダミー画素6の領域とは、ほぼ同じ形状を有しており、例えば四隅が丸い四角形である。画素2およびダミー画素6の領域は、円形、長円形、またはその他の形状であってもよい。画素2の領域およびダミー画素6の領域は、ほぼ同じ面積を有している。
次に、図2を参照して、有機EL装置100の回路構成を説明する。図2に示すように、有機EL装置100は、基板10上に画素2のそれぞれに対応して設けられた、スイッチング用TFT(薄膜トランジスタ)11,12と、保持容量13と、陽極としての画素電極24と、陰極としての共通電極50と、有機機能層30と、を備えている。画素電極24と、共通電極50と、有機機能層30と、によって有機EL素子8が構成される。
基板10上には、さらに、データ線駆動回路14と、走査線駆動回路15と、X軸の方向に沿って延びる複数の走査線16と、Y軸の方向に沿って延びる複数の信号線17と、信号線17に並列に延びる複数の電源線18と、が設けられている。なお、図1と同様に、X軸は画素2の行方向を示し、Y軸は画素2の列方向を示している。走査線駆動回路15には走査線16が接続されており、走査線16を介して走査信号がスイッチング用TFT11のゲート電極に供給される。
一方、データ線駆動回路14には信号線17が接続されており、スイッチング用TFT11がオン状態になると、信号線17を介して供給される画像信号が保持容量13に保持され、この保持容量13の状態に応じてスイッチング用TFT12のオン・オフ状態が決まる。そして、スイッチング用TFT12を介して電源線18に電気的に接続したとき、電源線18から画素電極24に駆動電流が流れ、さらに有機機能層30を通じて共通電極50に電流が流れる。有機機能層30は、画素電極24と共通電極50との間に流れる電流量に応じた輝度で発光する。
なお、表示に寄与しないダミー画素6(図1参照)には、スイッチング用TFT11,12、保持容量13、画素電極24、等の画素2の駆動回路を設けなくてもよい。そうすれば、ダミー画素6が位置する非表示領域D(図1参照)にデータ線駆動回路14、走査線駆動回路15等の少なくとも一部を配置することができる。
次に、図3を参照して、有機EL装置100の構造を説明する。有機EL装置100は、有機機能層30から発した光が基板10側に射出されるボトムエミッション方式である。なお、図3では、画素電極24を駆動するためのスイッチング用TFT12を有するTFT素子部20と回路層22とを示すが、それ以外の素子、配線、接続部等の詳細は省略する。
有機EL装置100は、基板10上に、TFT素子部20と、回路層22と、画素電極24と、バンク部28と、有機機能層30と、ダミー有機機能層40と、共通電極50と、を備えている。
基板10は、透光性を有する材料からなる。透光性を有する材料としては、例えばガラス、石英、樹脂(プラスチック、プラスチックフィルム)等があげられる。
TFT素子部20は、画素2のそれぞれに対応して設けられており、画素2のそれぞれの領域に重ならないように配置されている。
画素電極24は、回路層22上に画素2のそれぞれに対応して形成されている。画素電極24は、例えば、四角形であり、画素2の領域よりも一回り大きな領域を有している。画素電極24は、画素2と同じ形状であってもよい。画素電極24は、透光性導電材料からなり、例えばITO(Indium Tin Oxide)からなる。画素電極24は、回路層22に設けられたコンタクトホールを介してTFT素子部20に接続されている。なお、本実施形態では、画素電極24がダミー画素6に対応して形成されているが、この画素電極24はTFT素子部20には接続されていない。
バンク部28は、回路層22上に形成されている。バンク部28は、無機バンク層26と有機バンク層27とが積層されて構成されている。バンク部28は、画素電極24と共通電極50との短絡を防止できるように構成されている。
無機バンク層26は、画素2に対応した複数の開口部26aを有している。開口部26aは、画素2の領域よりも小さい。無機バンク層26は、開口部26aの周囲に沿って画素電極24の周縁部に所定幅で重なる部分を有している。無機バンク層26は、例えばSiO2等の無機材料からなる。無機バンク層26の膜厚は、例えば50nm〜200nmである。
有機バンク層27は、無機バンク層26と同様に、画素2に対応した複数の開口部27aを有している。開口部27aは無機バンク層26の開口部26aよりも広くなっている。有機バンク層27は、画素電極24の周縁部に重なっていてもよい。有機バンク層27は、例えばアクリル樹脂等の有機材料からなる。有機バンク層27は、フッ素系樹脂等の撥液性を有する材料で構成されていてもよい。有機バンク層27の膜厚は、例えば0.1μm〜3.5μmである。
有機機能層30は、バンク部28で囲まれた画素2のそれぞれの領域に形成され、画素電極24上に位置している。有機機能層30は、順に積層された正孔注入輸送層32と発光層34とで構成されている。有機機能層30では、正孔注入輸送層32から注入される正孔と、共通電極50から注入される電子と、が発光層34で再結合しすることにより発光が得られる。発光層34は、赤、緑、青のそれぞれに発光する発光層34R,34G,34B(対応する色について区別しない場合には単に発光層34とも呼ぶ)の3種類を有する。発光層34R,34G,34Bはそれぞれ画素2R,2G,2Bに対応している。
正孔注入輸送層32の材料は、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体を用いることができる。正孔注入輸送層32の材料は、ポリチオフェン誘導体とポリスチレンスルホン酸(PSS)等の混合物であってもよいし、ポリスチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレンやその誘導体であってもよい。正孔注入輸送層32の膜厚は、例えば50nm〜70nmである。
発光層34の材料は、赤、緑、青に発光する(ポリ)フルオレン誘導体(PF)、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、PEDOT等のポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)等を用いることができる。また、これらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素等の高分子系材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子材料をドープして用いてもよい。発光層34の膜厚は、例えば50nm〜80nmである。
ダミー有機機能層40は、バンク部28で囲まれたダミー画素6のそれぞれの領域に形成され、画素電極24上に位置している。ダミー有機機能層40は、順に積層されたダミー正孔注入輸送層42とダミー発光層44とで構成されている。ダミー正孔注入輸送層42は正孔注入輸送層32と同じ機能層の構成材料を用いて形成され、ダミー発光層44は発光層34と同じ機能層の構成材料を用いて形成されている。ダミー正孔注入輸送層42の膜厚は正孔注入輸送層32の膜厚とほぼ同じであり、ダミー発光層44の膜厚は発光層34の膜厚とほぼ同じである。
なお、ダミー有機機能層40は画素電極24上に形成されるが、ダミー画素6の領域に位置する画素電極24は通電されないので、ダミー有機機能層40は発光しない。ダミー画素6の領域にもTFT素子部20を形成し画素電極24に通電する場合は、ダミー有機機能層40が発光するので、ダミー有機機能層40を覆う遮光膜等を設ければよい。
共通電極50は、バンク部28と有機機能層30とダミー有機機能層40との全体を覆うように形成されている。共通電極50は、図示しないが、例えば、膜厚2nm〜5nmのLiF層と、膜厚100nm〜1000nmのAl層と、が順に積層され構成されている。この構成により、共通電極50は電子注入層および反射層を兼ねている。
共通電極50は、封止層46に覆われている。封止層46は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、液状ガラス等からなり、さらにガラス、金属、樹脂フィルム、プラスチック、その他の封止部材を積層接着してもよい。
本実施形態の有機EL装置100においては、有機機能層30から基板10側に発した光が基板10側に射出されるとともに、有機機能層30から共通電極50側に発した光が共通電極50により反射されて、基板10側に射出される。なお、有機EL装置100は、有機機能層30として、正孔注入輸送層32と発光層34とのほかに電子注入輸送層を備えた構成であってもよい。
また、有機EL装置100は、有機機能層30から発した光が封止層46側に射出されるトップエミッション方式の有機EL装置であってもよい。有機EL装置100がトップエミッション方式である場合、基板10は透明な材料および不透明な材料のいずれを用いてもよい。TFT素子部20は、画素2のそれぞれの領域に重なっていてもよい。また、トップエミッション方式である場合、共通電極50には透光性を有する導電材料が用いられ、封止層46には透光性を有する材料が用いられる。
<有機EL装置の製造方法>
次に、第1の実施形態に係る有機EL装置の製造方法について図を参照して説明する。図4は、第1の実施形態に係る有機EL装置の製造方法を説明するフローチャートである。図5は、液状体の配置を説明する平面図および断面図である。なお、図5では、説明に必要な構成要素のみを図示し、それらの形状を簡略化してある。
図4に示すように、有機EL装置の製造方法は、回路層形成工程S10と、画素電極形成工程S20と、バンク部形成工程S30と、有機機能層30を形成する正孔注入輸送層形成工程S40と発光層形成工程S50と、共通電極形成工程S60と、封止層形成工程S70と、を含んでいる。
回路層形成工程S10では、基板10上に、TFT素子部20等を含む回路層22を形成する。次に、画素電極形成工程S20では、回路層22上に画素電極24を形成する。回路層22および画素電極24を形成する方法は、公知の方法を適用すればよい。画素電極24は、TFT素子部20に接続されるようにする。
次に、バンク部形成工程S30では、回路層22上に無機バンク層26を形成し、無機バンク層26上に有機バンク層27を形成する。そして、次の正孔注入輸送層形成工程S40に先立って、画素電極24と無機バンク層26との表面にO2プラズマ処理等の親液化処理を施す。この処理により、有機機能層30の材料を含む液状体と無機バンク層26との親液性が高められるので、有機機能層30を無機バンク層26近傍まできちんと形成することで、画素電極24と共通電極50との短絡を防止できる。また、有機バンク層27の表面にCF4プラズマ処理等の撥液化処理を施す。
なお、本実施形態では、非表示領域Dにもバンク部28を形成するが、バンク部28を非表示領域Dに形成しない構成であってもよい。しかしながら、バンク部28を非表示領域Dに形成した方が、ダミー画素6に配置された液状体62がダミー画素6の領域から広がるのを防止できる点で好ましい。
正孔注入輸送層形成工程S40では、液状体配置工程と乾燥工程とを行うことにより、画素電極24上に正孔注入輸送層32を形成する。この工程について、図5を参照して説明する。
まず、液状体配置工程では、図5(a),(b)に示すように、液滴吐出法としてのインクジェット法により、画素2の領域に溶媒と正孔注入輸送層32の材料とを含む液状体60を配置し、ダミー画素6の領域に溶媒とダミー正孔注入輸送層42の材料とを含む液状体62を配置する。画素2の領域への液状体60の配置と、ダミー画素6への液状体62の配置とは、同一の工程で行う。ダミー画素6への液状体62の配置を、画素2の領域への液状体60の配置の前に行ってもよい。画素2の領域に配置する単位面積あたりの液状体60の量と、ダミー画素6の領域に配置する単位面積あたりの液状体62の量とはほぼ同じとする。
次に、乾燥工程では、乾燥処理を行うことにより、画素2の領域に配置された液状体60と、ダミー画素6の領域に配置された液状体62とのそれぞれから溶媒を蒸発させる。これにより、画素2の領域には正孔注入輸送層32が形成され、ダミー画素6の領域にはダミー正孔注入輸送層42が形成される。
ここで、液状体62の沸点は、液状体60の沸点よりも高い。より具体的には、液状体62に含まれる溶媒の沸点は、液状体60に含まれる溶媒の沸点よりも高い。液状体60は、溶媒として、例えばエチレングリコールを含んでおり、溶質となる機能層の構成材料として、例えばPEDOTを重量比で0.5%程度含んでいる。液状体62は、溶媒として、例えばジエチレングリコールを含んでおり、溶質として液状体60と同じ機能層の構成材料をほぼ同じ重量比で含んでいる。
液状体60に溶媒として含まれるエチレングリコールは、沸点が198℃である。一方、液状体62に溶媒として含まれるジエチレングリコールは、沸点が245℃である。この構成によれば、液状体62に含まれる溶媒の沸点は液状体60に含まれる溶媒の沸点よりも高いので、液状体62の蒸発速度は液状体60の蒸発速度よりも遅い。液状体配置工程において、液状体60が配置される表示領域Eの周囲に位置する非表示領域Dに液状体62が配置される。したがって、乾燥工程では、表示領域E内の画素2の領域に配置された液状体60が乾燥するまで、表示領域Eの周囲に液状体62から蒸発する溶媒分子が存在する。これにより、表示領域E内で液状体60の乾燥速度のバラツキが抑えられるので、表示領域E内の画素2間で正孔注入輸送層32の膜厚ムラを抑えることができる。
なお、液状体62の溶媒の沸点と液状体60の溶媒の沸点との差は50℃以下であることが好ましい。液状体62の溶媒の沸点が液状体60の溶媒の沸点に対して高すぎると、液状体62の蒸発速度が液状体60の蒸発速度に対して非常に遅くなる。このため、表示領域E内の周辺部における液状体60の乾燥速度が中央部における液状体60の乾燥速度よりも遅くなり、表示領域E内の画素2間で膜厚ムラが生じる場合がある。
表1に、液状体62の溶媒の沸点と液状体60の溶媒の沸点との温度差(以下沸点差と呼ぶ)を異ならせて、膜厚ムラの発生度合いを評価した結果を示す。表1において、液状体62の溶媒と液状体60の溶媒との沸点差を10℃から100℃までの間で段階的に異ならせている。膜厚ムラは、表示領域E内の中央部から周辺部までの異なる位置にある複数の画素2のそれぞれにおいて膜厚を測定し、それぞれの測定結果の差の最大値が5nm以下であった場合を○としている。また、それぞれの測定結果の差の最大値が5nmを超えた場合は、差の程度を小さい順に△、×、××の3段階で評価している。
Figure 0005233285
表1に示すように、沸点差が50℃以下においては膜厚ムラが少ないが、70℃以上では温度が高くなるにつれて膜厚ムラが大きくなっている。したがって、沸点差を50℃以下にすれば、液状体62の蒸発速度と液状体60の蒸発速度との差が好適になり、膜厚ムラが抑えられる。本実施形態の構成によれば、液状体62の溶媒の沸点と液状体60の溶媒の沸点との差が47℃であるので、正孔注入輸送層32の膜厚ムラを抑えることができる。
また、液状体62の蒸発速度は液状体60の蒸発速度よりも遅いので、ダミー画素6の領域に配置される単位面積あたりの液状体62の量を、画素2の領域に配置される単位面積あたりの液状体60の量より多くしなくても、表示領域E内における画素2間で膜厚ムラを抑えることができる。これにより、非表示領域Dの面積を従来より小さくでき、かつ液状体62がダミー画素6の領域から溢れて表示領域Eまで広がることによる製造歩留り低下を抑止できる。
なお、ダミー画素6は表示に実質的に寄与しないので、液状体62は機能層の構成材料を含まない構成であってもよい。液状体62の溶媒と液状体60の溶媒とが上述の組み合わせであれば同様の効果が得られる。
次の発光層形成工程S50では、正孔注入輸送層形成工程S40と同様にして、液状体配置工程と乾燥工程とを行うことにより、正孔注入輸送層32上に発光層34を形成する。ここでは、正孔注入輸送層形成工程S40と共通する内容については説明を省略する。
発光層形成工程S50における液状体配置工程では、画素2の領域に溶媒と発光層34の材料とを含む液状体を配置し、ダミー画素6の領域に溶媒とダミー発光層44の材料とを含む液状体を配置する。乾燥工程では、乾燥処理を行うことにより、画素2の領域に発光層34が形成され、ダミー画素6の領域にはダミー発光層44が形成される。
画素2の領域に配置される液状体は、溶媒として、例えばテトラリンを含んでおり、溶質となる機能層の構成材料として、例えばPF発光材料を重量比で0.5%程度含んでいる。ダミー画素6の領域に配置される液状体は、溶媒として、例えばシクロヘキシルベンゼン(CHB)を含んでおり、溶質として画素2の領域に配置される液状体と同じ機能層の構成材料をほぼ同じ重量比で含んでいる。これにより、表示領域E内で液状体の乾燥速度のバラツキが抑えられるので、表示領域E内で発光層34の膜厚ムラを抑えることができる。以上により、有機機能層30とダミー有機機能層40とが形成される。
次の共通電極形成工程S60では、有機機能層30とダミー有機機能層40とを覆うように共通電極50を形成する。共通電極50を形成する方法は、例えば蒸着法を適用する。
最後に、封止層形成工程S70では、共通電極50上に封止層46を形成する。以上により、有機EL装置100を製造することができる。この構成によれば、表示に寄与する画素2の領域に形成される有機機能層30の膜厚ムラが抑えられるので、表示ムラのない有機EL装置100を提供できる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る有機EL装置の製造方法について説明する。第2の実施形態に係る有機EL装置の製造方法は、第1の実施形態で説明した製造工程と同じ工程からなる。第2の実施形態に係る有機EL装置の製造方法は、第1の実施形態に係る有機EL装置の製造方法に対して、液状体60および液状体62の組成が異なるが、その他の構成は同じである。第1の実施形態と共通する構成要素については同一の符号を付しその説明を省略する。
本実施形態では、液状体62の溶媒の沸点は液状体60の溶媒の沸点よりも低く、かつ液状体62の溶媒の蒸気圧は液状体60の溶媒の蒸気圧よりも低い。画素2に配置される液状体60は、溶媒として、例えばトリエチレングリコールジメチルエーテルを含んでおり、溶質となる機能層の構成材料として、例えばPEDOTを重量比で0.5%程度含んでいる。一方、ダミー画素6に配置される液状体62は、溶媒として、例えばエチレングリコールを含んでおり、溶質として液状体60と同じ機能層の構成材料をほぼ同じ重量比で含んでいる。
液状体60に溶媒として含まれるトリエチレングリコールジメチルエーテルは、沸点が216℃であり、蒸気圧は20℃において1.22hPaである。一方、液状体62に溶媒として含まれるエチレングリコールは、沸点が198℃であり、蒸気圧は20℃において0.05hPaである。
この構成によれば、液状体62に含まれる溶媒の沸点は液状体60に含まれる溶媒の沸点よりも低いが、液状体62に含まれる溶媒の蒸気圧が液状体60に含まれる溶媒の蒸気圧よりも低いので、液状体62の蒸発速度は液状体60の蒸発速度よりも遅い。したがって、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、ダミー画素6は表示に実質的に寄与しないので、液状体62は機能層の構成材料を含まない構成であってもよい。液状体62の溶媒と液状体60の溶媒とが上述の組み合わせであれば同様の効果が得られる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る有機EL装置の製造方法について、図を参照して説明する。図6は、時間経過に対する液状体の蒸発量を示すグラフである。
第3の実施形態に係る有機EL装置の製造方法は、第1の実施形態で説明した製造工程と同じ工程からなる。第3の実施形態に係る有機EL装置の製造方法は、上述の製造方法に対して、液状体60および液状体62の組成が異なるが、その他の構成は同じである。第1の実施形態と共通する構成要素については同一の符号を付しその説明を省略する。
本実施形態では、液状体62に溶質として含まれる機能層の構成材料の濃度は、液状体60に溶質として含まれる機能層の構成材料の濃度よりも高い。画素2に配置される液状体60は、溶媒として、例えばエチレングリコールを含んでおり、溶質となる機能層の構成材料として、例えばPEDOTを重量比で0.5%程度含んでいる。液状体60に含まれる機能層の構成材料の濃度は0.3%〜1.2%であってもよい。一方、ダミー画素6に配置される液状体62は、溶媒として、液状体60と同じエチレングリコールを含んでおり、溶質として液状体60と同じ機能層の構成材料を重量比で2%程度含んでいる。液状体62に含まれる機能層の構成材料の濃度は2%〜3%であってもよい。液状体62に含まれる機能層の構成材料の濃度は、液状体60に含まれる機能層の構成材料の濃度よりも1.5%程度高いことが好ましい。
液状体が乾燥するとき、液状体中の溶媒が液状体の表面に液膜を作り、この液膜が蒸気化して大気中または減圧雰囲気中に蒸発する。液状体表面で溶媒の液膜が蒸発すると、液状体表面で機能層の構成材料の濃度が上昇するが、溶媒の蒸発熱により液状体表面の温度が低下して液状体表面で濃度がさらに上昇することにより、液状体内部の溶媒の蒸発が遅くなる。これを繰り返すことで、液状体内部の溶媒の蒸発は時間経過とともにさらに遅くなる。
図6(a)は、液状体60,62の溶媒のみの場合の時間経過に対する蒸発量を示す。図6(b)は、液状体60および液状体62の時間経過に対する蒸発量を示す。図6(a)に示すように、溶媒のみの場合は時間経過に対して蒸発量はほぼ一定である。一方、図6(b)に示すように、液状体60および液状体62では、ある程度時間が経過した以降は、時間経過とともに蒸発量が減少するため、完全に蒸発するまでには、溶媒のみの場合に比べて長い時間を要する。また、機能層の構成材料の濃度が高い液状体62の方が、液状体60よりも時間経過にともなう蒸発量の減少が大きく、したがって液状体62は液状体60に比べて完全に蒸発するまでにより長い時間を要する。
このように、液状体62の機能層の構成材料の濃度は液状体60の機能層の構成材料の濃度よりも高いので、液状体62の蒸発速度は液状体60の蒸発速度よりも遅くなる。したがって、上述の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本実施形態において、液状体62に含まれる溶媒と液状体60に含まれる溶媒とを、第1の実施形態における組み合わせ、または第2の実施形態における組み合わせに置き換えてもよい。このような構成によれば、より良好な効果が得られる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係る有機EL装置の製造方法について説明する。第4の実施形態に係る有機EL装置の製造方法は、第1の実施形態で説明した製造工程に対して、正孔注入輸送層形成工程S40および発光層形成工程S50において、液状体配置工程の前に、ダミー画素6の領域に液状体62を配置する工程と、配置された液状体62を乾燥させる工程と、を行う点が異なる。また、第4の実施形態に係る有機EL装置の製造方法は、第3の実施形態に対して、液状体62の機能層の構成材料の濃度と液状体60の機能層の構成材料の濃度とが同じである点が異なる。その他の構成は同じであり、他の実施形態と共通する構成要素については同一の符号を付しその説明を省略する。
本実施形態では、液状体60と液状体62とは、溶媒として、例えばエチレングリコールを含んでおり、溶質となる機能層の構成材料として、例えばPEDOTを重量比で0.5%程度含んでいる。
本実施形態における正孔注入輸送層形成工程S40について説明する。液状体配置工程の前に、まずダミー画素6の領域に液状体62を配置する工程を行う。この工程は液状体配置工程と同様であるが、ここでは画素2の領域には液状体60を配置しない。次に、配置された液状体62を乾燥させる工程を行う。これにより、ダミー画素6の領域にダミー正孔注入輸送層42の機能層の構成材料が配置される。ダミー画素6の領域に液状体62を配置する工程と配置された液状体62を乾燥させる工程とを繰り返し行ってもよい。
次に、液状体配置工程を行う。ダミー画素6の領域においては、先に配置された機能層の構成材料の上に液状体62が配置される。このとき、先に配置された機能層の構成材料がこの工程で配置された液状体62の溶媒に再び溶解することで、液状体62の機能層の構成材料の濃度が上昇する。このため、液状体62の機能層の構成材料の濃度と液状体60の機能層の構成材料の濃度とが同じであっても、ダミー画素6の領域に配置された状態における液状体62の機能層の構成材料の濃度を液状体60の機能層の構成材料の濃度よりも高くすることができる。これにより、液状体62の蒸発速度を液状体60の蒸発速度よりも遅くできる。したがって、上述の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本実施形態において、第3の実施形態と同様に、液状体62に溶質として含まれる機能層の構成材料の濃度を、液状体60に溶質として含まれる機能層の構成材料の濃度より高くしてもよい。このような構成によれば、ダミー画素6の領域に配置された状態における液状体62の機能層の構成材料の濃度をより高くできるので、より良好な効果が得られる。また、液状体62に含まれる溶媒と液状体60に含まれる溶媒とを、第1の実施形態における組み合わせ、または第2の実施形態における組み合わせに置き換えてもよい。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態に係る電気光学装置としての液晶装置の構成の一例について図を参照して説明する。図7は、第5の実施形態に係る液晶装置を示す平面図である。図8は、第5の実施形態に係る液晶装置の概略構成を示す断面図である。詳しくは、図7のB−B’線に沿った部分断面図である。なお、図7では、以下の位置関係の説明に必要な構成要素のみを図示している。
第5の実施形態に係る液晶装置200は、図8に示すように、TFT素子部20が設けられた基板71と、カラーフィルタ80が設けられた基板70と、基板71と基板70との間に位置する液晶層90と、を備えたアクティブマトリクス方式の液晶装置である。
図7に示すように、表示領域Eには、R、G、Bの表示に寄与する第1の画素としての画素3R,3G,3B(対応する色について区別しない場合には単に画素3とも呼ぶ)が複数配置されている。画素3は、液晶装置200の表示の最小単位であり、間隔を置いてマトリクス状に配置されている。画素3R,3G,3Bから画素群5が構成されている。液晶装置200では、画素群5において画素3R,3G,3Bのそれぞれの表示の輝度を適宜変えることで、種々の色の表示を行うことができる。
非表示領域Dには、画素3が配置された表示領域Eの全周囲に亘って、表示に寄与しない第2の画素としてのダミー画素7が複数配置されている。ダミー画素7は、X軸方向およびY軸方向のそれぞれにおいて、画素3とほぼ同じピッチで配列されている。なお、X軸は画素3の行方向を示し、Y軸は画素3の列方向を示している。
基板70上には、表示領域Eと非表示領域Dとに亘って、バンク74が設けられている。バンク74は、ほぼ格子状に形成されており、画素3のそれぞれの領域とダミー画素7のそれぞれの領域とを区画している。バンク74は、画素3とダミー画素7とに対応する開口部を複数有している。開口部は、例えば四角形である。
次に、図8を参照して、液晶装置200の構造を説明する。基板71は、透光性を有する材料からなる。基板71上には、複数のTFT素子部20を含む回路層22が設けられている。回路層22上には、TFT素子部20のそれぞれに接続された複数の画素電極24が設けられている。画素電極24は、例えばITOからなる。
基板70は、透光性を有する材料からなる。基板70の液晶層90側には、カラーフィルタ80と、オーバーコート層82と、共通電極84と、が積層されて設けられている。カラーフィルタ80は、樹脂層72と、バンク74と、着色層76と、ダミー着色層78と、を備えている。
樹脂層72は、例えば透光性を有するアクリル樹脂やポリイミド系樹脂等の有機材料からなる。バンク74は、樹脂層72上に形成されている。バンク74は、例えばアクリル樹脂等の有機材料からなる。なお、樹脂層72とバンク74との間に、バンク74と重なるように、遮光層が設けられていてもよい。
着色層76は、バンク74で囲まれた領域に形成され、樹脂層72上に位置している。R,G,Bの3色のそれぞれに対応する着色層76R,76G,76Bと、3つの画素電極24との組み合わせにより、3色の画素3R,3G,3Bがそれぞれ構成される。
ダミー着色層78は、バンク74で囲まれた領域に形成されている。ダミー着色層78は、着色層76と同じ着色層形成材料からなる。
オーバーコート層82は、カラーフィルタ80を覆うように形成されている。共通電極84は、オーバーコート層82上に形成されている。共通電極84は、例えばITOからなる。
液晶層90は、基板71と基板70との間に位置している。基板71の液晶層90に接する側には、図示しないが、回路層22と画素電極24とを覆うように配向膜が形成されている。基板70の液晶層90に接する側には、図示しないが、共通電極84を覆うように配向膜が形成されている。液晶層90は、これらの配向膜に施された配向処理によって配向方向が規制されている。また、図示しないが、基板71の液晶層90と反対側および基板70の液晶層90と反対側には、それぞれ偏光板が配置されている。
上記の実施形態の有機EL装置の製造方法は、本実施形態の液晶装置200が備えるカラーフィルタ80を形成する場合にも適用できる。有機EL装置の製造方法を適用してカラーフィルタ80を形成する場合は、液状体60,62が含む機能層の構成材料を、所定の色光(例えば、赤、緑、青の3色のいずれか)の着色層形成材料とすればよい。この構成によれば、表示に寄与する画素の領域に形成される着色層の膜厚ムラが抑えられるので、色ムラのないカラーフィルタ80を備えた液晶装置200を提供できる。
第1の実施形態に係る有機EL装置を示す平面図。 第1の実施形態に係る有機EL装置の回路構成図。 第1の実施形態に係る有機EL装置の概略構成を示す断面図。 第1の実施形態に係る有機EL装置の製造方法を説明するフローチャート。 液状体の配置を説明する平面図および断面図。 時間経過に対する液状体の蒸発量を示すグラフ。 第5の実施形態に係る液晶装置を示す平面図。 第5の実施形態に係る液晶装置の概略構成を示す断面図。
符号の説明
2,3…画素、4,5…画素群、6,7…ダミー画素、8…有機EL素子、10…基板、11,12…スイッチング用TFT、13…保持容量、14…データ線駆動回路、15…走査線駆動回路、16…走査線、17…信号線、18…電源線、20…TFT素子部、22…回路層、24…画素電極、26…無機バンク層、26a…開口部、27…有機バンク層、27a…開口部、28…バンク部、30…有機機能層、32…正孔注入輸送層、34…発光層、40…ダミー有機機能層、42…ダミー正孔注入輸送層、44…ダミー発光層、46…封止層、50…共通電極、60,62…液状体、70…基板、71…基板、72…樹脂層、74…バンク、76…着色層、78…ダミー着色層、80…カラーフィルタ、82…オーバーコート層、84…共通電極、90…液晶層、100…有機EL装置、200…液晶装置。

Claims (4)

  1. 基板と、
    前記基板上に配置された複数の第1の画素と、
    前記基板上の前記複数の第1の画素の周囲に配置された複数の第2の画素と、を備えた電気光学装置の製造方法であって、
    前記複数の第1の画素のそれぞれの領域に溶媒と機能層の構成材料とを含む第1の液状体を配置し、前記複数の第2の画素のそれぞれの領域に少なくとも溶媒を含む第2の液状体を配置する液状体配置工程と、
    配置された前記第1の液状体と前記第2の液状体とを乾燥させる乾燥工程と、を備え、
    前記第2の液状体は機能層の構成材料をさらに含み、
    前記第2の液状体の前記機能層の構成材料の濃度は、前記第1の液状体の前記機能層の構成材料の濃度よりも高く、
    前記液状体配置工程の前に、前記複数の第2の画素のそれぞれの前記領域に前記第2の液状体を配置する工程と、配置された前記第2の液状体を乾燥させる工程と、を少なくとも1回行うことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の電気光学装置の製造方法であって、
    前記第1の液状体の溶媒と前記第2の液状体の溶媒は同じものであることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の電気光学装置の製造方法により製造される電気光学装置であって、
    前記第1の液状体は、前記機能層の構成材料として有機EL機能層のうち少なくとも有機発光層形成材料を含むことを特徴とする電気光学装置。
  4. 請求項1または2に記載の電気光学装置の製造方法により製造される電気光学装置であって、
    前記第1の液状体は、前記機能層の構成材料としてカラーフィルタの着色層形成材料を含むことを特徴とする電気光学装置。
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