JP2021012816A - 機能素子、機能素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機EL素子等の機能素子をインクジェット法を用いて基板上に多数形成する際に、基板の大型化や重量増加をもたらすことなく、各機能素子に形成される固体層の厚さのばらつきを抑制できる方法が求められていた。【解決手段】機能素子形成部を囲む第1のバンクと、機能素子形成部とは別の機能素子形成部を囲み、基体の主面に垂直な方向で切った断面の形状が第1のバンクとは異なる第2のバンクと、を基体に形成し、第1のバンクで囲まれた機能素子形成部と第2のバンクで囲まれた機能素子形成部に、インクジェット装置を用いて機能素子の材料を含んだインクを付与し、乾燥させて固体層を形成することを特徴とする機能素子の製造方法である。【選択図】図6

Description

本発明は、機能素子、および機能素子の製造方法に関する。特に、機能素子として例えば多数の有機EL素子を大面積の基体に形成した表示装置、およびその製造方法に関する。
有機EL素子は、EL発光能をもつ有機低分子又は有機高分子で発光層を形成した素子であり、自発光のため視野角が広く、耐衝撃性に優れるなど、ディスプレイ素子として優れた特徴を有している。有機EL素子には、基板上に積層した発光層の上方に光を取り出すトップエミッション型と、基板を通して発光層から光を取り出すボトムエミッション型がある。
有機EL素子の製造方法として、真空蒸着法、インクジェット法、印刷法、ディスペンス法などが広く研究されている。中でも、インクジェット法は、真空蒸着法等に比べて製造装置を小型化でき、材料利用効率も優れるため、量産に適した技術であると期待されている。一般に、有機EL素子を製造するには、電極、発光層、中間層などの多数の層を積層する必要があるが、量産性を高めるには、なるべく多くの層をインクジェット法により製造するのが望ましいといえる。
例えば、特許文献1には、発光層の他に、正孔注入層などをインクジェット法で形成する方法が提案されている。インクジェット法により各表示画素に形成される層の厚さをなるべく均一にするため、表示画素が配置された領域の周囲にダミー塗布領域を設けることが提案されている。
特開2005−259716号公報
インクジェット法を用いて、多数の画素を備える有機EL素子を作成する場合には、基板上に各画素を区画するバンク(隔壁)を予め形成しておき、バンクで囲まれた画素部に向けてインクを付与するのが一般的である。図12(a)は、インクを付与する前の1素子の画素部を模式的に例示した平面図である。画素部301は、高さが例えば2μmから5μmのバンク300で囲まれており、バンク300で囲まれた画素部301を平面視すれば、例えば20μmから100μmの長さの辺に囲まれた矩形の形状を有している。
インクジェットヘッドから各画素部に、例えば数plから数十plの容積のインク滴が付与され、図12(b)の模式的断面図に示すように、インク滴が着弾した直後にはバンク300で囲まれた領域にはインク302が貯留された状態になる。インク302の表面張力により、図示のように液面は上に向かって凸の形状となる。乾燥するにしたがってインク302の液面は降下して行くが、各画素部においては、いわゆるコーヒーリング効果(あるいはコーヒーステイン効果)が発生する。すなわち、インク302が乾燥する過程で、画素の中心部よりも周辺部の蒸発速度が速いために、図12(b)に示すように、画素の中心部からバンク300に向かう方向にインクの流れvが発生する。この流れvによりインク302に含まれる固形成分がバンク300に向かって移動するため、乾燥した後に形成される固体層303の厚さは、図12(c)の模式的断面図に示すように、画素の中心部よりもバンク近傍の方が厚くなる傾向がある。コーヒーリング効果は、蒸発速度(乾燥速度)が大きいほど顕著になる性質があり、蒸発速度(乾燥速度)が大きいほど画素の中心部とバンク近傍の固体層303の厚さの差異が大きくなる。
基板上に配置された多数の画素部に短時間内にインクを付与した際には、基板の中央部付近に位置する画素部と、基板の周辺部に位置する画素部では、インクの蒸発速度(乾燥速度)が異なる。このため、基板上の位置によりコーヒーリング効果が生ずる強度に差異が生じる。
すなわち、基板の上空に滞留するインク溶媒の蒸気密度(分圧)は、多数の画素部に囲まれている基板の中央部付近では高くなり、基板外空間に近い基板の周辺部では低くなる。このため、基板の中央部付近では蒸発速度(乾燥速度)が相対的に小さく、基板内の周辺部では蒸発速度(乾燥速度)が相対的に大きくなる。その結果、基板の中央部付近ではコーヒーリング効果が発現する強度は小さく、基板内の周辺部ではコーヒーリング効果が発現する強度が大きくなる。つまり、基板の中央部付近では各画素の発光領域(画素中央部)の固体層の厚さは比較的大きく、基板内の周辺部では各画素の発光領域(画素中央部)の固体層の厚さが比較的小さくなる。
たとえ、各画素に付与するインクの液量を極めて高精度に均一化したとしても、コーヒーリング効果の発現する強度差によって、基板の中央部付近の画素と基板内の周辺部の画素の間では発光領域である画素中央部の固体層の厚さに差異が生じてしまう。このため、製造した表示装置の画面内で輝度ムラや発光色ムラなどが生じ、表示特性上、好ましくない影響が発生していた。
特許文献1には、基板の中央部付近の画素と基板の周辺部の画素におけるインクの蒸発速度(乾燥速度)の差を低減するため、表示画素が配置された領域の周囲にダミー塗布領域を設け、基板の周辺部のインク溶媒の蒸気密度を高める方法が開示されている。
しかしながら、この方法では、表示画素が配置された領域の周囲にダミー塗布領域を設ける必要があり、表示画面の額縁部分に大きなデッドスペースが生じるため、表示装置が大型化したり重量が増加してしまうという問題があった。
そこで、有機EL素子等の機能素子をインクジェット法を用いて基板上に多数形成する際に、基板の大型化や重量増加をもたらすことなく、各機能素子に形成される固体層の厚さのばらつきを抑制できる方法が求められていた。
本発明は、機能素子形成部を囲む第1のバンクと、前記機能素子形成部とは別の機能素子形成部を囲み、基体の主面に垂直な方向で切った断面の形状が前記第1のバンクとは異なる第2のバンクと、を前記基体に形成し、前記第1のバンクで囲まれた前記機能素子形成部と前記第2のバンクで囲まれた前記機能素子形成部に、インクジェット装置を用いて機能素子の材料を含んだインクを付与し、乾燥させて固体層を形成する、ことを特徴とする機能素子の製造方法である。
また、本発明は、第1のバンクで囲まれた領域に、所定の高さよりも低い位置に機能素子材料の固体層が形成された第1の機能素子部と、基体の主面に垂直な方向で切った断面の形状が前記第1のバンクとは異なる第2のバンクに囲まれた領域に、前記所定の高さよりも低い位置に機能素子材料の固体層が形成された第2の機能素子部と、を有する、ことを特徴とする機能素子である。
本発明によれば、有機EL素子等の機能素子をインクジェット法を用いて基板上に多数形成する際に、基板の大型化や重量増加をもたらすことなく、各機能素子に形成される固体層の厚さのばらつきを抑制することが可能である。
(a)実施形態にかかる有機EL素子を有する表示装置の模式的な平面図。(b)実施形態における有機EL素子のグルーピングを説明するための模式的な平面図 (a)実施形態において基体の中央部付近に配置された有機EL素子の模式的な断面図。(b)実施形態において基体の周辺部に配置された有機EL素子の模式的な断面図。 (a)実施形態において基体の中央部付近に配置された有機EL素子のバンクの形状を示す模式的な断面図。(b)実施形態において基体内の周辺部に配置された有機EL素子のバンクの形状を示す模式的な断面図。 (a)〜(d)実施形態においてバンクを製造する各工程を示す模式的な断面図。 (a)バンクの製造過程において先に用いるマスクの模式的な平面図。(b)バンクの製造過程において後で用いるマスクの模式的な平面図。 (a)実施形態において基体の中央部付近に配置された素子形成部にインクが付与された状態を示す模式的な断面図。(b)実施形態において基体内の周辺部に配置された素子形成部にインクが付与された状態を示す模式的な断面図。 (a)実施形態において基体の中央部付近に配置された素子形成部に固体層が形成された状態を示す模式的な断面図。(b)実施形態において基体内の周辺部に配置された素子形成部に固体層が形成された状態を示す模式的な断面図。 実施形態で用いるインクジェット装置の模式的な側面図。 実施形態で用いるインクジェット装置の模式的な平面図。 インクジェットヘッドの走査方法を例示するための模式的な斜視図。 (a)他の実施形態における有機EL素子のグルーピングを説明するための模式的な平面図。(b)さらに別の実施形態における有機EL素子のグルーピングを説明するための模式的な平面図。 (a)有機EL素子を作成するための基体の模式的な平面図。(b)コーヒーリング効果を説明するための模式的な断面図。(c)コーヒーリング効果により、厚さに分布が生じた固体層の形状を例示した模式的な断面図。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態にかかる機能素子としての有機EL素子を大面積の基体に多数形成した表示装置、およびその製造方法について説明する。尚、以下の説明において参照する図面では、特に但し書きがない限り、同一の機能を有する部材については同一の参照番号を付して示すものとする。
以下の説明では機能素子としてトップエミッション型の有機EL素子を挙げ、その構造と製造方法を説明するが、本発明の実施形態はこの例に限るものではなく、他の型の有機EL素子や、有機EL素子以外の機能素子、およびその製造方法に適用可能である。
[実施形態]
図1(a)は、機能素子としての有機EL素子を多数備えた本実施形態にかかる表示装置1の模式的な平面図である。基体4の上面には、赤色発光有機EL素子(R)、緑色発光有機EL素子(G)、青色発光有機EL素子(B)が、表示画素6として規則的に配列形成されている。図示の便宜のため、7×9のRGBトリプレットのみを示しているが、実際には非常に多数の表示画素が基体4に配列形成され得る。また、有機EL素子の発光色は赤色、緑色、青色に限定されるわけではなく、各色の配列規則もこの例に限られるものではない。
以下の説明では、基体4の上面に設けられた機能素子としての有機EL素子を、便宜的に2つのグループに分けて説明する。図1(b)は、有機EL素子のグルーピングを説明するための模式的な平面図であり、基体4の中央部付近に配置されたAグループと、基体4内の周辺部に配置されたBグループを図示している。Aグループは、境界線Amの内側に配置された有機EL素子群である。Bグループは、境界線Amの外側であり、かつ最外周の有機EL素子を示した境界線Bmの内側に配置された有機EL素子群である。尚、境界線Amと境界線Bmは便宜的に図示した線であり、表示装置1に実際に設けられた構造物ではない。
尚、最外周の有機EL素子を示した境界線Bmと基体4の辺に挟まれたCの部分は、いわゆる表示画面の額縁に相当する部分である。本実施形態では、特開2005−259716号公報に記載されたダミー塗布領域を表示画面領域の周囲に設ける必要がないため、額縁であるCの部分は極めて小さい。
本実施形態では、基体4における中央部付近に配置されたAグループの有機EL素子と、基体4内における周辺部に配置されたBグループの有機EL素子とでは、構造が異なる。図2(a)および図2(b)を参照して、これについて説明する。
図2(a)は、Aグループの有機EL素子の1素子の断面を模式的に示し、図2(b)は、Bグループの有機EL素子の1素子の断面を模式的に示している。両図においては、AグループとBグループにおいて、機能が同一の要素については同じ番号を付すが、機能は同一でもグループにより形状に差異が有り得る要素については、番号の後にグループ名を付して、例えば49A、49Bのように示している。尚、図示の便宜のため、各要素の形状は同一の縮尺で描かれているとは限らない。
図2(a)および図2(b)において、4は基体である。基体4には、ガラス等の無機材料や樹脂等の有機材料が用いられ、典型的には板状の部材であるが、基体として機能し得るものであれば形態が限られるわけではなく、たとえば変形可能なフィルムであってもよい。
基体4上には、接続電極46とTFT47が設けられ、その上には絶縁層42が形成されている。絶縁層42の一部には、金属材料が充填されたスルーホールであるプラグ43が設けられている。絶縁層42およびプラグ43の上面は、CMP等の平坦化処理により平坦化されている。尚、以下の説明では、基体4、接続電極46、TFT47、プラグ43、絶縁層42により構成される部分をまとめて基部50と呼ぶ場合がある。
絶縁層42の上にはバンクが形成されているが、Aグループの有機EL素子のバンク49A(第1のバンク)は、Bグループの有機EL素子のバンク49B(第2のバンク)と形状が異なる。バンク49A(第1のバンク)とバンク49B(第2のバンク)の形状の違いについては後述する。
バンク49Aおよびバンク49Bは、複数の有機EL素子を1次元あるいは2次元に配列する場合に、各有機EL素子を空間的に分離するとともに電気的に絶縁する壁として機能させることができる。各バンクで囲まれた基板上の領域は機能素子を形成するための部分であり、機能素子形成部と呼ぶこともできる。バンクの開口は、インクジェット装置のノズルから有機EL素子の材料を含むインクを吐出する際に、液滴を着弾させるべき目標位置となる。バンク49Aおよびバンク49Bは、着弾後のインクが溢れたり隣接する有機EL素子に滲出したりしないように隔壁として機能する。バンクは、例えばポリイミド、アクリル等の樹脂、フッ素樹脂、パリレン等で形成されている。
AグループおよびBグループの有機EL素子においては、バンクに囲まれた機能素子形成部の底部、すなわち絶縁層42の一部とプラグ43の上に、下部電極107が設けられている。下部電極107の形状は、AグループとBグループにおいて実質的に同一である。下部電極107は、有機EL素子の片極で、典型的には電子注入層として機能するとともに、発光層で発する光のうち基板41側に向かう光を反射して光取り出し効率を向上させるためのミラーとして機能する。下部電極107は、例えばAg、Au、Cu、Al、Ni等の導電性微粒子を水系溶媒に分散したインクをバンクで囲まれた領域に塗布し、その後高温に焼成することで形成されている。
バンクに囲まれた機能素子形成部において下部電極107の上には、下から順に発光層、正孔輸送層、正孔注入層が設けられている。発光層、正孔輸送層、正孔注入層については、インクジェット法により形成されているが、AグループとBグループのバンクの形状を異ならせることにより、AグループとBグループのコーヒーリング効果の発現の強さが均一化されている。このため、Aグループの発光層108Aと、Bグループの発光層108Bは、極めて近似した層形状(厚み分布)に形成されている。同様に、Aグループの正孔輸送層109AとBグループの正孔輸送層109Bは極めて近似した層形状(厚み分布)に形成され、Aグループの正孔注入層110AとBグループの正孔注入層110Bは極めて近似した層形状(厚み分布)に形成されている。
正孔注入層の上には、有機EL素子の片極であり、正孔を供給するとともに光取り出し窓として機能する上部透明電極が設けられている。上部透明電極は、スパッタのような真空成膜か、あるいは塗布により、金属酸化物等の光透過性を備えた導電材料を用いて形成されている。
次に、Aグループの有機EL素子のバンク49Aと、Bグループの有機EL素子のバンク49Bの形状について説明する。図3(a)はAグループの有機EL素子の模式的断面図、図3(b)はBグループの有機EL素子の模式的断面図である。これらの図においては、図示の便宜のため発光層、正孔輸送層、正孔注入層、上部透明電極は省略している。言い換えれば、製造段階においてインクジェット法により発光層を形成する前の状態を示していることになる。尚、図示の便宜のため、各要素の形状は同一の縮尺で描かれているとは限らない。
Aグループの有機EL素子のバンク49Aと、Bグループの有機EL素子のバンク49Bは、いずれもXY面と平行な基体の主面(絶縁層42の上面)からバンクの上面までの高さがh(例えば2.5μm)になるように形成されている。
Aグループの有機EL素子のバンク49Aの内側面は、絶縁層42の上面からh1(例えば0.5μm)の高さまでは、絶縁層42の上面に対してほぼ垂直であるが、それ以上の高さにおいては角度θ(例えば、60°〜70°)で傾斜した面となっている。
これに対して、Bグループの有機EL素子のバンク49Bの内側面は、絶縁層42の上面からhの高さまで、絶縁層42の上面に対してほぼ垂直である。
一般的に、機能素子形成部(バンクにより囲まれた部分)は、図12(a)に示したように平面視では矩形形状を有する。Aグループの有機EL素子の機能素子形成部(バンク49Aにより囲まれた部分)と、Bグループの有機EL素子の機能素子形成部(バンク49Bにより囲まれた部分)は、平面視では等しい形状を有している。両グループにおいて、図3(a)および図3(b)に示す機能素子形成部のX方向の幅wは、例えば30μmである。また、両グループにおいて、機能素子形成部のY方向の幅は、例えば70μmである。両グループにおいては、基体の主面(絶縁層42の上面)から所定の高さh1まではバンクの形状が同一である。しかし、所定の高さより高い位置においては、基体の主面と平行な面に沿って見たとき、バンク49A(第1のバンク)が囲む面積の方が、バンク49B(第2のバンク)が囲む面積よりも大きい。
次に、上記形状の、Aグループの有機EL素子のバンク49Aと、Bグループの有機EL素子のバンク49Bを製造する方法について説明する。図4(a)〜図4(d)は、バンクの製造工程の各段階を示す模式的な断面図である。図中、点線より左側はAグループの有機EL素子のバンク49Aを形成するA領域を、点線より右側はBグループの有機EL素子のバンク49Bを形成するB領域を示している。
まず、図4(a)に示すように、基体上に不図示の接続電極、TFT、プラグ、絶縁層が形成された基部50を準備し、その上にネガ型レジスト材料を一様な厚さで塗布し、ネガ型レジスト層51を形成する。
次に、図4(b)に示すように、A領域およびB領域に対して等しい形状の開口53を有するマスク52を、基部50に対して位置合わせしてネガ型レジスト層51の上にセットし、露光する。この工程で用いるマスク52の平面図を、図5(a)に示す。この露光により、A領域およびB領域のネガ型レジスト層51には、等しい形状の露光部54が形成される。露光部54は、基部50の上面に対して垂直な側面を有している。
次に、図4(c)に示すように、マスク52に代えてマスク56を基部50に対して位置合わせしてネガ型レジスト層51の上にセットし、追加露光をする。マスク56は、A領域にはマスク52の開口53よりも大きな開口55を備えるが、B領域には開口が設けられておらず遮光している。この工程で用いるマスク56の平面図を、図5(b)に示す。追加露光のフォーカス位置をマスク56よりも低い位置にすることにより、A領域にはテーパー形状の部分が追加された露光部57が形成される。
次に、マスク56を取り外し、ネガ型レジスト層51を現像してA領域の露光部57とB領域の露光部54を除去し、さらにベーキングを行うことにより、図4(d)に示すようにバンク49Aおよびバンク49Bが形成される。尚、図中点線で囲んだODAは、A領域において有機EL素子を1素子形成するための部分で、ODBは、B領域において有機EL素子を1素子形成するための部分である。
次に、異なる形状のバンクを形成した後の有機EL素子の製造工程について説明する。
まず、バンクで囲まれた部分である機能素子形成部に、例えばAg、Au、Cu、Al、Ni等の導電性微粒子を溶媒に分散した液を塗布し、必要に応じて焼成することで、下部電極107を形成する。尚、下部電極107は、バンクを形成する前に予め蒸着等の方法で基部50の上にパターンを形成しておいてもよい。
次に、インクジェット装置を用いて、バンクで囲まれた部分である機能素子形成部に、下から順に発光層、正孔輸送層、正孔注入層を形成してゆく。ここでは、発光層を形成する工程を例にとって、インクジェット装置を用いた層形成について説明する。
図6(a)は、Aグループの機能素子形成部に、発光層を形成する材料を含んだインク60を付与した直後の状態を模式的に示す断面図である。また、図6(b)は、Bグループの機能素子形成部に、発光層を形成する材料を含んだインク60を付与した直後の状態を模式的に示す断面図である。尚、図示の便宜のため、各要素の形状は同一の縮尺で描かれているとは限らない。
インクジェット装置を用いて、Aグループの機能素子形成部とBグループの機能素子形成部に、発光層を形成する材料を含んだインク60を等しい液量(例えば、6pl)付与する。付与するインク60の液量は、図3(a)に示すA領域の機能素子形成部に付与した時に、バンク49Aと液面の境界の高さが所定の高さh1を超える、すなわち液面がバンク49Aのテーパー面に到達するのに十分な液量とする。また、図3(b)に示すB領域の機能素子形成部に付与した時に、インク60がバンク49Bを超えて溢れない液量とする。
すでに説明したように、インクを付与した後に基体の上空に滞留するインク溶媒の蒸気密度(分圧)は、多数の機能素子形成部に囲まれた基板の中央部付近では高くなり、基板外空間に近い基板内の周辺部では低くなる。このため、従来は、基板の中央部付近ではインクの蒸発速度(乾燥速度)が相対的に小さく、基板内の周辺部では蒸発速度(乾燥速度)が相対的に大きくなっていた。
しかし、本実施形態によれば、図6(a)と図6(b)に示すように、インク60が付与された直後においては、テーパー面を有するバンク49Aを備えるAグループの方が、インク60の液表面が雰囲気(空気)と接する面積が大きい。すなわち、基板の中央部付近のAグループでは、基板周辺部のBグループよりもインクが雰囲気(空気)と接触する面積が大きいため、蒸発速度を速くする効果を得ることができる。その結果、基板の中央部付近の上空に滞留するインク溶媒の蒸気密度(分圧)が高くなっても、雰囲気と接触する面積が大きいため、基板の周辺部との蒸発速度(乾燥速度)の差を低減させることができる。
基板の中央部付近のバンクに適宜のテーパー面を形成することにより、基板の中央部付近と周辺部の蒸発速度(乾燥速度)を、実質的に同等にすることができる。これにより、基板の中央部付近と周辺部において、コーヒーリング効果が発現する強度をほぼ均一にすることが可能となる。
AグループとBグループには等量のインクが付与されており、バンクに囲まれた機能素子形成部の底面形状は同じであるので、コーヒーリング効果の強度が均一になれば、乾燥後の固体層の断面形状(厚み形状)は、極めて近似したものとなる。
図7(a)は、Aグループの機能素子形成部において、インクが乾燥して固体層(発光層108A)が形成された状態を模式的に示す断面図である。また、図7(b)は、Bグループの機能素子形成部において、インクが乾燥して固体層(発光層108B)が形成された状態を模式的に示す断面図である。尚、図示の便宜のため、各要素の形状は同一の縮尺で描かれているとは限らない。本実施形態によれば、Aグループの有機EL素子の固体層(発光層108A)とBグループの有機EL素子の固体層(発光層108A)の断面形状(厚み形状)は、極めて近似している。固体層(発光層108A)および固体層(発光層108B)は、図3(a)および、図3(b)に示した所定の高さh1よりも低い位置に形成されている。
発光層の上にインクジェット装置を用いて正孔輸送層、正孔注入層を形成する際にも、発光層の場合と同様にコーヒーリング効果の強度が均一化されるため、AグループとBグループの各層の断面形状(厚み形状)の均一性を高めることができる。機能素子材料の固体層が形成された後のAグループの機能素子形成部を第1の機能素子部、機能素子材料の固体層が形成された後のBグループの機能素子形成部を第2の機能素子部と呼んでもよい。
こうして、バンクで囲まれた機能素子形成部にインクジェット法で機能層を形成したら、有機EL素子の片極として正孔を供給するとともに、光取り出し窓として機能する上部透明電極を形成する。これにより、図2(a)および図2(b)に示した有機EL素子が完成する。尚、上部透明電極111A、111Bは、スパッタのような真空成膜か、あるいは塗布により、金属酸化物等の光透過性を備えた導電材料を用いて形成することができる。Aグループの上部透明電極111AとBグループの上部透明電極111Bは、下地であるバンク49Aとバンク49Bの形状の違いを反映してバンク上において膜形状が異なるが、発光領域における電気的機能は同等である。
以上のように、実施形態では、インクジェット装置でインクを付与した時に発現するコーヒーリング効果の強度を均一にするため、形成しようとする有機EL素子をAグループとBグループに便宜的に分け、グループ毎にバンクの形状を異ならせた。
実施形態では、図1(b)に例示したように、基板中央部のAグループと周辺部のBグループを分けるため、矩形の境界線Amを便宜的に設定したが、境界線Amは、以下のようにして設定することができる。全画素が図3(b)に示した形状のバンクを備えたサンプルを作成し、インクジェット装置によりインクを付与して乾燥させる。その後、各画素の固体層の膜厚を計測し、基板内の位置により異なるコーヒーリング効果の発現の強度差を評価する。有機EL素子毎の輝度むらや色むらを抑制するために許容される膜厚分布に鑑み、コーヒーリング効果の発現の強度を周辺部に揃えるべき範囲を決め、境界線Amを設定する。場合によっては、サンプル素子の膜厚分布ではなく、有機EL表示装置としての発光強度分布を計測し、それに基づいて境界線Amを設定してもよい。
また、バンクの形状については、図3(a)に示したh1、θの大きさを変えたサンプルを作成し、インクジェット装置によりインクを付与して乾燥させて固体層の膜厚を計測して評価することにより、適宜の形状を選択することができる。
実施形態の製造方法は、コーヒーリング効果の発現の強さに差異が生ずることを抑制しながらインクジェット装置を用いて短時間のうちにインクを付与することにより、多数の有機EL素子を備える表示装置を高速に製造することを可能にするものである。基板上の多数の機能素子形成部に短時間のうちにインクを付与するため、本実施形態では以下に例示するインクジェット装置を用いた。
図8は、実施形態で用いられ得るインクジェット装置200を側面視で見た模式的な側面図である。211は底板、212は天板、213は4周を囲む側板であり、底板211、天板212、側板213は、インクジェット装置200の外装カバーを構成している。尚、図8においては、紙面手前側の側板213は、装置内部を見やすくするために除外して示している。尚、外装カバーは、基板に塗布したインクの乾燥を安定させるために装置内部を包囲するように設置するのが好ましいが、場合によっては一部が開放された構造にすることも可能である。
図9は、本実施形態のインクジェット装置200を上方向から平面視した模式的な平面図である。図9においては、装置内部を見やすくするために、天板212を除外して示している。
機能素子の原材料となるインクを付与する対象は基体204で、インクを付与すべき面は基体表面205である。基体表面205には、前述したバンクが予め形成されている。基体204は、ステージ203の上の所定位置にセットされ、ステージ203は装置の基台209に固定されている。
206はインクジェットヘッドユニットで、インクジェットヘッドユニット206は、基体表面205と対向する向きにノズル207が配置されたインクジェットヘッド61〜インクジェットヘッド63を備えている。本実施形態では、図9に示すように各インクジェットヘッドは2個のノズル207を備えているが、ノズル207の数や配置はこれに限られるものではない。
インクジェットヘッド61は赤色発光の有機EL素子形成用インクを、インクジェットヘッド62は緑色発光の有機EL素子形成用インクを、インクジェットヘッド63は青色発光の有機EL層形成用インクを、各々吐出することが可能である。
インクジェットヘッドユニット206は走査機構により支持されており、基体表面205からZ方向に所定間隔だけ離れた高さで、ノズル207をXY平面と平行な面内で走査できるように構成されている。すなわち、210は主走査方向(X方向)に沿って伸びる主走査ガイドレールであり、主走査ガイドレール210にはX方向に移動自在な主走査器223が載置されている。また、220は副走査方向(Y方向)に沿って伸びる副走査ガイドレールであり、副走査ガイドレール220にはY方向に移動自在な副走査器221が載置されている。インクジェットヘッドユニット206は主走査器223に固定されており、主走査ガイドレール210は副走査器221に固定されているため、インクジェットヘッドユニット206はXY平面と平行な面内を自在に走査することができる。尚、図8では図面を見やすくするため、副走査器221および副走査ガイドレール220の図示を省略している。
また、図8において、214はインクジェット装置200の各部の動作を制御する制御部である。
制御部214は、インクジェット装置200の動作を制御するためのコンピュータで、内部には、CPU、ROM、RAM、I/Oポート等を備えている。
ROMには、インクジェット装置200の基本動作プログラムが記憶されている。機能素子の製造にかかるインクの付与動作をはじめとする各種処理を実行するためのプログラムは、他の動作プログラムと同様にROMに記憶させておくことができる。あるいは、ネットワークを介して外部からRAMにロードしてもよい。あるいは、プログラムを記録したコンピュータにより読み取り可能な記録媒体を介して、RAMにロードしてもよい。
制御部214のI/Oポートは外部のコンピュータをはじめとする外部機器やネットワークと接続されている。制御部214は、例えば製造する機能素子の種類、位置、配列、インクの吐出条件等の機能素子の製造に必要なデータの入出力を、I/Oポートを介して外部のコンピュータとの間で行うことができる。
制御部214は、インクジェットヘッドユニット206、主走査器223、副走査器221、等と接続され、電気信号のやりとりを行うことができる。制御部214は、これら各部の動作を制御し、インクジェットヘッドユニット206の走査、インクジェットヘッド61〜インクジェットヘッド63の各ノズル207からの吐出、等を含めインクの塗布全般に関する処理を実行する。
異なる形状のバンクが予め形成された基体204へのインクの塗布に関しては、例えば図10に示す走査手順により有機EL素子を形成する領域全体をインクジェットヘッドユニット206で走査しながら行う。図10は、走査方法の一例を説明するための模式的な斜視図であり、204は基体、205は基体204の表面のうち機能素子を形成する面である基体表面、102は機能素子(有機EL素子)を形成すべき機能素子形成部である。模式図であるため、8×8個の機能素子形成部102が示されているにすぎないが、実際には非常に多数の表示画素を形成するために、大面積にわたり多数の機能素子形成部が配置され得る。
不図示のインクジェットヘッドを、基体表面205からZ方向に所定の距離だけ離間させて、まず主走査方向であるX方向に沿って軌道103上を移動させて、一列分の機能素子形成部102の材料を吐出する。そして、機能素子(有機EL素子)を形成する領域すなわち塗布領域よりも外側まで移動すると、インクジェットヘッドユニットを副走査方向であるY方向に軌道104に沿って所定距離移動させた後、移動方向をX方向マイナス側に変更する。そして、軌道105に沿って移動させながら別の一列分の機能素子形成部102の材料を吐出する。そして、塗布領域よりも外側まで移動すると、インクジェットヘッドの移動方向を再び副走査方向であるY方向に変更して軌道106に沿って所定距離移動させる。ここでは、説明を簡単化するため、インクジェットヘッドユニットがノズルを1個だけ有するとして説明したが、複数のノズルを有する場合には、一回の主走査で複数列分の機能素子形成部に吐出することもできる。
かかる移動を繰返してインクジェットヘッドユニットを主走査方向に往復移動させて走査し、短時間のうちに塗布領域の全域にインクを吐出してゆく。
尚、ノズルから吐出するインクについて説明するならば、例えば発光層を形成する場合であれば、所望の発光色に応じた蛍光性有機化合物若しくは燐光性有機化合物を、キシレン等の有機系溶媒に溶解させた有機溶媒系インクを用いることができる。発光層用の有機溶媒系インクには、ゲスト材料、ホスト材料などの複数の材料が含まれていてもよい。インクに含まれる発光材料としては、高分子材料、中分子材料または低分子材料などが挙げられ、塗布型に用いられ得る発光材料であれば特に限定されない。例えば、ポリフルオレン、ポリフルオレンの共重合体、ポリフェニレンビニレンなどの高分子材料、オリゴフルオレンなどの中分子材料が挙げられる。また、フルオレン系、ピレン系、フルオランテン系、アントラセン系などの縮合多環化合物、イリジウムを含む金属錯体などの低分子材料も挙げられる。発光層は、好適には、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体などの高分子系材料を含み得る。赤色の発光層を形成するには、例えばゲスト材料として赤色燐光発光イリジウム金属錯体を、ホスト材料としてポリフルオレンを含有する赤色発光層用インクを用いる。また、緑色の発光層を形成するには、例えばゲスト材料としてフルオランテン系の縮合多環化合物を、ホスト材料としてのポリフルオレンを含有する緑色発光層用インクを用いる。また、青色の発光層を形成するには、例えばゲスト材料としてピレン系の縮合多環化合物を、ホスト材料としてのオリゴフルオレンを含有する青色発光層用インクを用いる。
また、機能素子材料の固体層として正孔注入層を形成する場合であれば、有機溶媒系インクとして、例えば、正孔注入材料のPEDOT/PSS液を用いる。PEDOT/PSS液は好適に利用できるが、正孔注入層用のインクは特にこれに限定されるわけではなく、例えば、下記の高分子系材料をキシレン等の蒸気密度が空気よりも大きな有機系溶媒で溶解させた液を塗布乾燥させても形成することができる。高分子系材料として、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサジアゾール誘導体などがあげられる。
以上説明したように、本実施形態によれば、インクの蒸発速度(乾燥速度)を調整するために基体の場所により形状の異なるバンクを形成し、コーヒーリング効果が発現する強度に差異が生ずるのを抑制する。これにより、インクジェット法を用いて大面積の基板上に多数の有機EL素子を形成する際に、素子毎の固体層の厚さのばらつきを抑制することが可能である。
また、本実施形態では、特開2005−259716号公報に記載されたダミー塗布領域を表示画素が配置された領域の周囲に設ける必要がないため、図1(b)に示す額縁部分C(表示画素が設けられていない部分)を極めて小さくすることができる。したがって、基板の大型化や重量増加をもたらすことなく、輝度むらや発光色むらが抑制された表示装置を作成することができる。
[他の実施形態]
本発明の実施形態は、上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の技術的思想内で、適宜変更したり、組み合わせたりすることが可能である。
すでに述べたように、機能素子として有機EL素子を製造する場合には、発光層、電子輸送層、電子注入層、正孔輸送層、正孔注入層、電極層等をはじめとし、インクジェット法で形成可能な機能層の形成に本発明を実施することができる。本実施形態では、上部透明電極と下部電極との間に、機能層として発光層、正孔輸送層、正孔注入層を設けたが、機能層の層構成はこの例に限られるものではない。例えば、発光層のみの単層としてもよいし、正孔注入層/発光層/電子輸送層の3層構造や、正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層の4層構造でもよい。また、機能層は、上部透明電極から下部電極に向けて積層順序が逆であってもよい。有機EL素子は、トップエミッション型に限らず、ボトムエミッション型でもよい。
もちろん、有機EL素子以外の機能素子の製造においても、コーヒーリング効果に起因した固体層の厚みの分布を低減させるために広く適用が可能で、例えば大面積の基板に帯電防止膜や反射防止膜をアレイ状に形成する際にも好適に実施することができる。
また、実施形態では、基体をステージに固定し、インクジェットヘッドをXY両方向に移動させて走査したが、走査機構はこれに限らない。要は、基体とインクジェットヘッドの相対位置を制御して高速に相対走査が可能ならばよいので、例えば主走査方向はインクジェットヘッドを移動させ、副走査方向はステージを移動させて走査する機構であってもよい。
また、走査方法は図10に示した方法には限らず、例えば往路と復路で隣接した列を走査するのではなく、いわゆるインターレースのように隣接列を飛び越して走査してもよい。
また、バンクの形状が異なるグループは、図1(b)で示したような2つに限られるわけではなく、例えば図11(a)に示すように、D、E、Fの3つのグループでバンクの形状を変えてもよく、あるいはそれ以上のグループ数に分けてもよい。あるいは、グループ単位でバンクの形状が変わるのではなく、基板の中央部から周辺部に向かって機能素子毎に連続的にバンク形状が変わるようにしてもよい。例えば、基板の中央部から周辺部に向かって、バンク上部に設けるテーパー面の角度θが小さくなるようにしてもよい。周辺部のバンクは、図3(b)ではテーパーのないθ=0°のストレート形状としたが、θは必ず0°でなければならないわけではなく、基板の中央部よりも小さなθにすればインク液面の表面積を中央部よりも小さくすることができる。
また、基板の中央部のグループを平面視したときの形状は、図1(b)に示したAグループのように矩形に限られるわけではなく、例えば図11(b)に示すような形状でもよい。要は、蒸発速度(乾燥速度)の差によるコーヒーリング効果の発現強度の差を低減できるように、基体上の各位置の機能素子のバンク形状を設定すればよい。
また、異なる形状のバンクを製造する方法は、必ずしも図4を参照して説明した方法に限られるわけではない。例えば、図4(a)の工程においてネガ型レジスト材料の代わりにポリイミド層を形成し、図4(b)のようにマスク越しに露光するのではなく、マスク越しにリアクティブイオンエッチング(RIE)を行う方法も可能である。
その際には、A領域とB領域には等しい形状の開口を備えたマスクを用いる。プロセスガスには、例えばAr+SF6、Ar+CF4、Ar+CHF3等を用い、エッチングの際の圧力をたとえば20Pa程度と低めに設定してエッチングレートを低下させることで、図4(b)に54で示した部位を除去することができる。すなわち、低いエッチングレートでエッチングすることにより、絶縁層42の上面に対してほぼ垂直なストレート形状の壁面を形成することができる。
次に、B領域はカバーするがA領域には広い開口が設けられたマスクに交換し、マスク越しにリアクティブイオンエッチング(RIE)を行う。その際の圧力をたとえば100Pa程度と高めとし、エッチングレートを増加させて絶縁層の上部にテーパー形状を追加的に形成する。
このように、リアクティブイオンエッチングの圧力とマスクの組み合わせにより、テーパー形状やストレート形状に壁面形状をコントロールし、異なる形状のバンクを形成することができる。尚、印加する高周波電力を変えて、形成するバンクの壁面形状を制御してもよい。
1・・・表示装置/4・・・基体/6・・・表示画素/42・・・絶縁層/43・・・プラグ/46・・・接続電極/47・・・TFT/49A、49B・・・バンク/50・・・基部/51・・・ネガ型レジスト層/52・・・マスク/53・・・開口/54・・・露光部/55・・・開口/56・・・マスク/57・・・露光部/60・・・インク/107・・・下部電極/108A、108B・・・発光層/109A、109B・・・正孔輸送層/110A、110B・・・正孔注入層/111A、111B・・・上部透明電極

Claims (10)

  1. 機能素子形成部を囲む第1のバンクと、前記機能素子形成部とは別の機能素子形成部を囲み、基体の主面に垂直な方向で切った断面の形状が前記第1のバンクとは異なる第2のバンクと、を前記基体に形成し、
    前記第1のバンクで囲まれた前記機能素子形成部と前記第2のバンクで囲まれた前記機能素子形成部に、インクジェット装置を用いて機能素子の材料を含んだインクを付与し、乾燥させて固体層を形成する、
    ことを特徴とする機能素子の製造方法。
  2. 前記第1のバンクは前記基体の中央部に、前記第2のバンクは前記基体の周辺部に配され、
    前記第1のバンクと前記第2のバンクは、所定の高さまでは形状が同一であるが、前記所定の高さより高い位置においては、前記基体の主面と平行な面に沿って見たとき、前記第1のバンクが囲む面積の方が、前記第2のバンクが囲む面積よりも大きい、
    ことを特徴とする請求項1に記載の機能素子の製造方法。
  3. 前記第1のバンクは、前記所定の高さよりも高い位置に形成されたテーパー面を有する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の機能素子の製造方法。
  4. 前記第1のバンクに囲まれた前記機能素子形成部および前記第2のバンクに囲まれた前記機能素子形成部への前記インクの付与は、付与された時の前記インクの液面が前記所定の高さよりも高い位置になるように付与する、
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の機能素子の製造方法。
  5. 前記第1のバンクに囲まれた前記機能素子形成部に前記インクが付与された時に前記インクの液面が雰囲気と接する面積は、前記第2のバンクに囲まれた前記機能素子形成部に前記インクが付与された時に前記インクの液面が雰囲気と接する面積よりも大きい、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の機能素子の製造方法。
  6. 前記インクは、有機EL素子を構成する機能層の材料を含むインクである、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の機能素子の製造方法。
  7. 第1のバンクで囲まれた領域に、所定の高さよりも低い位置に機能素子材料の固体層が形成された第1の機能素子部と、
    基体の主面に垂直な方向で切った断面の形状が前記第1のバンクとは異なる第2のバンクに囲まれた領域に、前記所定の高さよりも低い位置に機能素子材料の固体層が形成された第2の機能素子部と、
    を有する、
    ことを特徴とする機能素子。
  8. 前記第1のバンクは前記基体の中央部に、前記第2のバンクは前記基体の周辺部に配され、
    前記第1のバンクと前記第2のバンクは前記所定の高さまでは形状が同一であるが、
    前記所定の高さより高い位置においては、前記基体の主面と平行な面に沿って見たとき、前記第1のバンクが囲む面積の方が、前記第2のバンクが囲む面積よりも大きい、
    ことを特徴とする請求項7に記載の機能素子。
  9. 前記第1のバンクは、前記所定の高さよりも高い位置に形成されたテーパー面を有する、
    ことを特徴とする請求項7または8に記載の機能素子。
  10. 前記固体層は、有機EL素子を構成する機能層である、
    ことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の機能素子。
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