JP2007230117A - 液滴吐出装置、液滴吐出装置の製造方法、および電気光学装置の製造方法 - Google Patents

液滴吐出装置、液滴吐出装置の製造方法、および電気光学装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】圧電振動子の充放電特性を調整して各液滴吐出機構間での液滴吐出量や吐出速度のばらつきを低減可能な液滴吐出装置、この液滴吐出装置の製造方法、および当該液滴吐出装置を用いた電気光学装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】液滴吐出装置において、液滴吐出機構を構成する圧電振動子224の個別外部電極231に直列にトリミング用抵抗部233を接続しておく。そして、圧電振動子224に対して共通の駆動信号を印加したときのノズル開口からの液滴吐出量を測定し、その測定結果に基づいて、トリミング用抵抗部223に対してトリミングを行い、圧電振動子223の充放電特性を調整することにより、液滴吐出ヘッドにおける液滴吐出機構間の液滴吐出量のばらつきを低減する。
【選択図】図7

Description

本発明は、圧力発生室を膨張、収縮させることによりノズル開口から液滴を吐出させる液滴吐出装置、この液滴吐出装置の製造方法、および当該液滴吐出装置を用いた電気光学装置の製造方法に関するものである。
液滴吐出装置は、圧電振動子と、この圧電振動子に駆動されて内圧が変化する圧力発生室と、この圧力発生室に連通するノズル開口とを備えた液滴吐出機構を複数、液滴吐出ヘッド上に有しており、複数のノズル開口の各々に対応する圧電振動子を作動させ、複数のノズル開口の各々に連通する圧力発生室を膨張、収縮させることにより、ノズル開口から液滴を吐出させる(例えば、特許文献1参照)。
このような液滴吐出装置は、近年、様々な分野で使用されており、いわゆるインクジェットプリンタと称せられる記録装置の他にも、例えば、カラーフィルタ用の色材を配合した液状組成物を基板上に吐出してカラーフィルタを製造することが提案されている。また、液滴吐出装置によって有機エレクトロルミネッセンス(EL/Electroluminescence)表示装置用の基板上に、有機機能材料を有機溶剤中に配合した液状組成物をドット状に吐出してEL素子の正孔輸送層や発光層などの有機機能層を形成することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−277525号公報 特開2003−229256号公報
このような液滴吐出装置においては、液状組成物によって各画素にカラーフィルタやEL素子の有機機能層を構成するため、表示した画像の品位を性能させるためには、各液滴吐出機構間での液滴吐出量のばらつきが小さいことが求められる。そこで、特許文献1には、圧電振動子の変位量を測定し、その測定結果に基づいて、圧電振動子の外電極にトリミングを行い、圧電振動子の変位量を揃えることにより、各液滴吐出機構間での液滴吐出量のばらつきを低減することが提案されている。
ここに、本願発明者は、圧電振動子はキャパシタとみなすことができ、かつ、圧電振動子が電荷を充放電する際の変位を利用して液滴を吐出していることに着目し、新たなトリミング技術を提供するものである。
すなわち、本発明の課題は、圧電振動子の充放電特性を調整して各液滴吐出機構間での液滴吐出量や吐出速度のばらつきを低減可能な液滴吐出装置、この液滴吐出装置の製造方法、および当該液滴吐出装置を用いた電気光学装置の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、圧電体に電圧印加するための一対の外部電極を備えた圧電振動子と、該圧電振動子に駆動されて内圧が変化する圧力発生室と、該圧力発生室に連通するノズル開口とを備えた液滴吐出機構を複数、液滴吐出ヘッド上に有する液滴吐出装置において、前記複数の液滴吐出機構の各々では、前記一対の外部電極の少なくとも一方にトリミング用抵抗部が直列接続され、当該トリミング用抵抗部に対するトリミングにより前記圧電振動子の充放電特性を可変にして前記ノズル開口からの液滴吐出特
性を調整可能にしたことを特徴とする。
本発明において、前記複数の液滴吐出機構には、前記トリミング用抵抗部が部分的に除去された液滴吐出機構が含まれている。
本発明では、圧電体に電圧印加するための一対の外部電極を備えた圧電振動子と、該圧電振動子に駆動されて内圧が変化する圧力発生室と、該圧力発生室に連通するノズル開口とを備えた液滴吐出機構を液滴吐出ヘッド上に複数、有する液滴吐出装置の製造方法において、前記複数の液滴吐出機構の各々に対して、前記一対の外部電極の少なくとも一方にトリミング用抵抗部を直列接続しておき、前記圧電振動子に対して共通の駆動信号を印加したときの前記ノズル開口での液滴吐出特性の測定を行う吐出特性測定工程と、当該液滴吐出特性の測定結果に基づいて、前記トリミング用抵抗部に対してトリミングを行い、前記圧電振動子の充放電特性を調整するトリミング工程とを行い、前記液滴吐出ヘッドにおける液滴吐出機構間の液滴吐出特性のばらつきを低減することを特徴とする。
本発明では、圧電振動子の外部電極にトリミング用抵抗部が直列接続されており、このトリミング用抵抗部をトリミングすると、当該外部電極に直列接続する抵抗値を大きくすることができる。その結果、トリミングを施した圧電振動子では、時定数CR(C:キャパシタ成分の容量値、R:等価直列抵抗の抵抗値)が大きくなるので、圧電振動子に駆動信号を印加した際の放電が遅くなる分、液滴の吐出速度が小となり、液滴の吐出重量が小となる。それ故、複数の液滴吐出機構のうち、液滴の吐出量あるいは吐出速度が最小の液滴吐出機構を基準にトリミングを行えば、各液滴吐出機構での液滴の吐出量、および液滴の吐出速度を揃えることができる。
本発明において、前記トリミングは、前記トリミング用抵抗部を部分的に除去するレーザートリミングであることが好ましい。
本発明において、前記圧電振動子がケースにより覆われている場合、当該ケースには、前記トリミング用抵抗部と対向する位置に開口部が形成されていることが好ましい。このように構成すると、前記レーザートリミングの際には、前記ケースの外部から前記開口部を介して前記トリミング用抵抗部にレーザーを照射することができる。それ故、トリミングの際、液滴吐出ヘッドを分解して圧電振動子を露出させる必要がない。
本発明において、前記液滴吐出特性は、例えば、基準となる駆動電圧を印加した際の液滴の吐出量あるいは吐出速度である。この場合、前記トリミングは、前記複数の液滴吐出機構のうち、液滴の吐出量あるいは吐出速度が最小の液滴吐出機構を基準に行えばよい。
本発明を適用した液滴吐出装置は、電気光学装置の製造に用いることができ、この場合、前記液滴吐出装置を用いて電気光学装置用基板上の所定位置に液状組成物を吐出する液滴吐出工程と、前記液状組成物を固化させて画素構成要素を構成する固化工程とを行う。
以下に、図面を参照して、本発明を適用した液滴吐出装置の一例を説明する。
(液滴吐出装置の全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係る液滴吐出装置の全体構成を示す斜視図である。なお、液滴吐出装置によってカラー印刷やカラーの表示装置を製造する場合、通常、R、G、Bの3色の絵素を形成する必要がある。従って、液滴吐出装置については、1台で各色に対応する液滴を吐出可能に構成するか、所定の色に対応するものを複数台、準備することになるが、以下の説明では、後者において複数、準備した液滴吐出装置のうちの1台を説明
する。
図1において、液滴吐出装置10は、各種の液状組成物を基板などの媒体上の所望位置に液滴として吐出するものであり、液状組成物を各種媒体上に液滴として吐出するノズル開口を備える液滴吐出ヘッド22と、液滴吐出ヘッド22を保持する共通のキャリッジ26とを有している。また、液滴吐出装置10は、液滴吐出ヘッド22の位置を制御するヘッド位置制御装置17と、媒体としての基板12の位置を制御する基板位置制御装置18と、液滴吐出ヘッド22を基板12に対して主走査移動させる主走査駆動手段としての主走査駆動装置19と、液滴吐出ヘッド22を基板12に対して副走査移動させる副走査駆動手段としての副走査駆動装置21と、基板12を液滴吐出装置10内の所定の作業位置へ供給する基板供給装置23と、液滴吐出装置10の全般の制御を司るコントロール装置24とを有しており、ヘッド位置制御装置17、基板位置制御装置18、主走査駆動装置19、および副走査駆動装置21によって、液滴吐出ヘッド22(キャリッジ26)と基板12とを相対移動させる移動手段が構成されている。ヘッド位置制御装置17、基板位置制御装置18、主走査駆動装置19、および副走査駆動装置21はベース9の上に設置され、それらの各装置は必要に応じてカバー14によって覆われる。
ヘッド位置制御装置17は、液滴吐出ヘッド22を面内回転させるαモータ(図示せず)と、液滴吐出ヘッド22を副走査方向Yと平行な軸線回りに揺動回転させるβモータ(図示せず)と、液滴吐出ヘッド22を主走査方向と平行な軸線回りに揺動回転させるγモータ(図示せず)と、そして液滴吐出ヘッド22を上下方向へ平行移動させるZモータ(図示せず)とを備えている。基板位置制御装置18は、媒体としての基板12を載せるテーブル49と、そのテーブル49を面内回転させるθモータ(図示せず)とを備えている。主走査駆動装置19は、主走査方向Xへ延びるXガイドレール52と、パルス駆動されるリニアモータを内蔵したXスライダ53とを備えている。Xスライダ53は、内蔵するリニアモータが作動するときにXガイドレール52に沿って主走査方向へ平行移動する。副走査駆動装置21は、副走査方向Yへ延びるYガイドレール(図示せず)と、パルス駆動されるリニアモータを内蔵したYスライダ56とを備えている。Yスライダ56は、内蔵するリニアモータが作動するときにYガイドレールに沿って副走査方向Yへ平行移動する。Xスライダ53およびYスライダ56内においてパルス駆動されるリニアモータは、該モータに供給するパルス信号によって出力軸の回転角度制御を精細に行うことができ、従って、Xスライダ53に支持された液滴吐出ヘッド22の主走査方向X上の位置やテーブル49の副走査方向Y上の位置などを高精細に制御できる。なお、液滴吐出ヘッド22やテーブル49の位置制御は、パルスモータを用いた位置制御に限られず、サーボモータを用いたフィードバック制御や、その他任意の制御方法によって実現することもできる。
基板供給装置23は、基板12を収容する基板収容部57と、基板12を搬送するロボット58とを備えている。ロボット58は、床、地面などといった設置面に置かれる基台59と、基台59に対して昇降移動する昇降軸61と、昇降軸61を中心として回転する第1アーム62と、第1アーム62に対して回転する第2アーム63と、第2アーム63の先端下面に設けられた吸着パッド64とを備えており、吸着パッド64は、空気吸引などによって基板12を吸着できる。
また、液滴吐出ヘッド22の近傍には、その液滴吐出ヘッド22と一体に移動するヘッド用カメラ79が配置されている。
ここで、主走査駆動装置19によって駆動されて主走査移動する液滴吐出ヘッド22の軌跡下であって副走査駆動装置21の一方の脇位置には、キャッピング機構76およびクリーニング機構77が配置され、キャッピング機構76は、液滴吐出ヘッド22が待機状態にあるときにノズルの乾燥を防止するための機構である。クリーニング機構77は、液
滴吐出ヘッド22を洗浄するための機構である。また、副走査駆動装置21の他方の脇位置には、液滴吐出ヘッド22内の個々のノズル開口から吐出される液滴の重量を測定する電子天秤78が配置されている。
(制御系および駆動系の構成)
図2は、図1に示す液滴吐出装置の制御系を示すブロック図である。図3および図4は、図1に示す液滴吐出装置に用いた液滴吐出ヘッドのヘッド駆動部の電気的構成を示す説明図、およびヘッド駆動部を構成する素子の説明図である。なお、図2に示す例では、制御系をコンピュータ本体部側に構成した例を示してあるが、その一部については、液滴吐出装置本体側に構成してもよい。
図1に示すコントロール装置24は、プロセッサを収容したコンピュータ本体部66と、入力装置67としてのキーボードと、表示装置としてのCRTディスプレイ68とを有している。上記プロセッサは、図2に示すように、演算などの処理を行うCPU(Central Processing Unit/ヘッド制御手段)69と、各種情報を記憶するメモリすなわち情報記憶媒体71とを有しており、図1を参照して説明したヘッド位置制御装置17、基板位置制御装置18、主走査駆動装置19、副走査駆動装置21、および液滴吐出ヘッド22内の圧電振動子224を駆動するヘッド駆動部8などは、入出力インターフェース73およびバス74を介してCPU69に接続されている。
ヘッド駆動部8は、複数の液滴吐出ヘッド22と基板12との相対移動に連動して、所定のビットマップに基づいて圧電振動子224を作動させ、液滴吐出ヘッド22の各ノズル開口から液滴を吐出させて基板12に所定のパターンを描画する。
なお、基板供給装置23、入力装置67、CRTディスプレイ68、電子天秤78、クリーニング装置77およびキャッピング装置76なども、入出力インターフェース73およびバス74を介してCPU69に接続されている。
情報記憶媒体71としてのメモリは、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などといった半導体メモリや、ハードディスク、CD−ROM読取り装置、ディスク型記憶媒体などといった外部記憶装置などを含む概念であり、機能的には、液滴吐出装置10の動作の制御手順が記述されたプログラムソフトを記憶する記憶領域、液状組成物の基板12上における吐出位置(ビットマップ)を座標データとして記憶するためのビットマップ記憶領域、副走査方向Yへの基板12の副走査移動量を記憶するための記憶領域、CPU69のためのワークエリアやテンポラリファイルなどとして機能する領域などの各種記憶領域が設定されている。
CPU69は、情報記憶媒体71であるメモリ内に記憶されたプログラムソフトに従って、基板12に表面の所定位置に液状組成物を吐出するための制御を行うものである。具体的な機能実現部として、クリーニング処理を実現するための演算を行うクリーニング演算部、キャッピング処理を実現するためのキャッピング演算部、電子天秤を用いた重量測定を実現するための演算を行う重量測定演算部、および液滴吐出によって所定のパターンを描画するための演算を行う描画演算部などを備えている。この描画演算部を詳しく分割すれば、液滴吐出ヘッド22を描画のための初期位置へセットするための描画開始位置演算部、液滴吐出ヘッド22を主走査方向Xへ所定の速度で走査移動させるための制御を演算する主走査制御演算部、基板12を副走査方向Yへ所定の副走査量だけずらせるための制御を演算する副走査制御演算部、および液滴吐出ヘッドの複数のノズル開口213のうちのいずれを作動させて液状組成物を吐出するかを制御するためビットマップを形成するための演算を行うビットマップ演算部(ノズル吐出制御演算部)などといった各種の機能演算部を有している。
図3に示すように、ヘッド駆動部8は、所定の電源を生成する電源生成部87と、コンピュータ本体部66から出力された制御信号、および電源生成部87から供給される電源に基づいて駆動信号COMを形成する駆動信号発生回路88(駆動信号発生手段)とを備えている。また、ヘッド駆動部8は、シフトレジスタ80、ラッチ回路81、レベルシフタ82、およびスイッチ回路84を備えており、スイッチ回路84に圧電振動子22が接続されている。ここで、シフトレジスタ80、ラッチ回路81、レベルシフタ82、スイッチ回路83、および圧電振動子224はそれぞれ、図4に示すように、液滴吐出ヘッド22の各ノズル開口毎に設けたシフトレジスタ素子80A〜80N、ラッチ素子81A〜81N、レベルシフタ素子82A〜82N、スイッチ素子83A〜83N、圧電振動子224A〜224Nから構成され、シフトレジスタ80、ラッチ回路81、レベルシフタ82、スイッチ回路83、圧電振動子224の順で電気的に接続されている。
このようなヘッド駆動部8により、圧電振動子224に、後述する駆動信号COMを印加して液滴を吐出させる制御について説明する。なお、以下の説明ではドットパターンデータを構成する吐出データ(1ドットデータに相当)を、複数ビットで構成した場合について説明する。まず、ヘッド駆動部8では、コンピュータ本体部66の発振回路(図示せず)からのクロック信号(CLK)に同期して、コンピュータ本体部66から出力された吐出データ(SI)の内の最上位ビットのデータを、順次シフトレジスタ素子80A〜80Nにセットする。全ノズル開口分の吐出データがシフトレジスタ素子80A〜80Nにセットされると、コンピュータ本体部66は、所定のタイミングでラッチ回路81、すなわち、ラッチ素子81A〜81Nへラッチ信号(LAT)を出力する。このラッチ信号により、ラッチ素子81A〜81Nは、シフトレジスタ素子80A〜80Nにセットされた吐出データをラッチする。このラッチされた吐出データは、電圧増幅器であるレベルシフタ82、すなわち、レベルシフタ素子82A〜82Nに供給される。各レベルシフタ素子82A〜82Nは、吐出データが例えば「1」の場合に、スイッチ回路43が駆動可能な電圧、例えば、数十ボルトまでこの吐出データを昇圧する。そして、この昇圧された吐出データはスイッチ回路83、すなわち、スイッチ素子83A〜83Nに印加され、スイッチ素子83A〜83Nは、当該吐出データにより接続状態になる。ここで、各スイッチ素子83A〜83Nには、駆動信号発生回路88から駆動信号COMが印加されており、スイッチ素子83A〜83Nが接続状態になると、このスイッチ素子83A〜83Nに接続された圧電振動子224A〜224Nに駆動信号COMが供給される。なお、吐出データが例えば「0」の場合には、対応する各レベルシフタ素子39A〜39Nは昇圧を行わない。そして、最上位ビットのデータに基づいて駆動信号を印加すると、続いて、コンピュータ本体部66は、1ビット下位のデータをシリアル伝送させてシフトレジスタ素子80A〜80Nにセットする。そして、シフトレジスタ素子80A〜80Nにデータがセットされたならば、ラッチ信号を印加させることにより、セットされたデータをラッチさせ、駆動信号を圧電振動子224A〜39Nに供給させる。以後は、1ビットずつ吐出データを下位ビットにシフトしながら最下位ビットまで同様の動作を繰り返し行う。
このように、圧電振動子224に駆動信号を供給するか否かを、吐出データによって制御できる。すなわち、吐出データを「1」にすることにより駆動信号COMを圧電振動子224に供給でき、吐出データを「0」にすることにより駆動信号COMの圧電振動子224への供給を遮断することができる。なお、吐出データを「0」にした場合、圧電振動子224は直前の電荷(電位)を保持する。
(液滴吐出ヘッドの構成)
図5(A)、(B)はそれぞれ、液滴吐出ヘッドのノズル形成面を示す説明図、および液滴吐出ヘッドに構成された液滴吐出機構の1つ分の構成を示す断面図である。図6(A)、(B)はそれぞれ、圧電振動子の拡大断面図、および振動子ユニットの斜視図である
。なお、液滴吐出装置において、1台で各色に対応する液滴を吐出する場合、各色に対応する液滴吐出ヘッド22が共通のキャリッジ26に複数、保持されるか、1つの液滴吐出ヘッド22の各色分のノズル開口が形成されることになる。
図5(A)に示すように、液滴吐出ヘッド22は、多数のノズル開口213を列状に並べることによって形成されたノズル列28を備えている。ノズル開口213の数は、例えば180個であり、ノズル開口213の穴径は例えば28μmであり、ノズル開口213間のノズルピッチは例えば141μmである。なお、液滴吐出ヘッド22の基板12に対する主走査方向Xおよびそれに直交する副走査方向Yは図示の通りである。すなわち、液滴吐出ヘッド22は、そのノズル列28が主走査方向Xと交差する方向へ延びるように位置設定され、この主走査方向Xへ平行移動する間に、液状組成物を複数のノズル開口213から選択的に吐出することにより、基板12内の所定位置に液滴を着弾させる。また、液滴吐出ヘッド22は副走査方向Yへ所定距離だけ平行移動することにより、液滴吐出ヘッド22による主走査位置を所定の間隔でずらせることができる。
ここで、液滴吐出ヘッド22は、1つのノズル開口21に対応して、以下に説明する圧電振動子および圧力発生室を備えた液滴吐出機構を有しており、本形態では、液滴吐出ヘッド22に対して、ノズル開口213の数に相当する液滴吐出機構が構成されている。
図5(B)に示すように、液滴吐出ヘッド22は、ケース202、流路ユニット203、および圧電振動子ユニット204などによって構成されている。なお、この液滴吐出ヘッド22の説明では、便宜上、図5(B)の下方を先端側と称し、図5(B)の上側を基端側と称する。
ケース202は、先端と後端が共に開放した収納空部205を設けた合成樹脂製のブロック状部材であり、後述するレーザートリミングを行う際の開口部237が形成されている。ケース202の先端には流路ユニット203が接合されており、また収納空部205内には、後述する振動子群の櫛歯状先端を先端側開口に臨ませた状態で圧電振動子ユニット204が収容されている。収納空部205の側方には、基端側にて液状組成物の貯留部(図示せず)に連通している供給管207が形成されている。
流路ユニット203は、流路形成板210、ノズルプレート211、および弾性板212から概略構成されている。ノズルプレート211は、ドット形成密度に対応したピッチで複数のノズル開口213を列状に開設した薄い板状部材であり、例えば、ステンレス板によって構成してある。流路形成板210には、供給管207を通して供給された液状組成物が流入するリザーバ214、ノズル開口213から液滴を吐出するために必要な圧力を発生させる圧力発生室215、リザーバ214と圧力発生室215を連通する供給口216が形成されている。本形態では、これらの各部を形成するにあたってはシリコンウェハーをエッチング処理する。弾性板212は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の高分子膜を弾性体膜217としてステンレス板等の支持板218上にラミネートした二重構造である。支持板218は、リザーバ214に対応するコンプライアンス部219や圧力発生室215に対応するダイヤフラム部220がエッチング処理によって除去されており、これらの部分を弾性体膜217だけにしてある。なお、ダイヤフラム部220には、中心部分を残すように支持板218を環状に除去して島部221を形成する。この島部221は、後述する圧電振動子224の先端面部が背面側から接合される部分である。島部221は、ノズル開口213と同様にドット形成密度に対応したピッチで複数設けてあり、ノズル配列方向に対応する幅が狭く、圧電振動子224における積層方向(後述)に対応する長さを長くしたブロック状に形成してある。流路ユニット203は、ノズルプレート211を流路形成板210の前面側に配置すると共に、弾性板212を背面側に配置し、ノズルプレート211と弾性板212とで流路形成板210を挟み、接着等により一
体化することで作製される。流路ユニット203において、弾性板212は、圧力発生室215やリザーバ214の天井面を封止する封止材の一部を構成する。従って、流路ユニット203内には、リザーバ214から圧力発生室215を通ってノズル開口213に至る一連のインク流路が、圧電振動子224の数に応じた複数形成される。
圧電振動子ユニット204は、図6(A)、(B)に示すように、複数の圧電振動子224とダミーの圧電振動子226とからなる振動子群206と、この振動子群206を支持する固定板225とによって概略構成されている。圧電振動子224は、例えば、50μm〜100μm程度の極めて細い幅の櫛歯状に切り分けられている。また、ダミーの圧電振動子226は液滴の吐出に関与しない圧電振動子であり、必要な剛性が確保できるように圧電振動子224よりも十分に広い幅に形成されている。ここに示す圧電振動子224は、いわゆる縦振動モードの圧電振動子であり、後述するように、圧電体及び電極の積層方向とは直交する方向に変位(伸縮)する。また、圧電振動子224は、金層やクロム層からなる共通内部電極227と個別内部電極228とを圧電体229を挟んで交互に積層して形成された積層型の圧電振動子である。
共通内部電極227は、液滴吐出ヘッド22上に構成された全ての圧電振動子224に対して同じ電位レベルに設定される電極であり、個別内部電極228は、供給される駆動信号に応じて各圧電振動子224毎に電位レベルが設定される電極である。本形態では、圧電振動子224における先端から長手方向(積層方向とは直交する方向)の半分程度から3分の2程度までの部分を自由端部224aとし、残りの部分を基端部224bとしている。自由端部224aには、共通内部電極227と個別内部電極228とが重なり合った活性領域を形成してある。これらの内部電極227、228に電位差を与えると、活性領域の圧電体229が変形し、自由端部224aが長手方向に変位して伸縮する。
ここで、共通内部電極227の基端は、圧電振動子224の基端面部で金層やクロム層などの金属層からなる共通外部電極230に導通している一方、個別内部電極228の先端は、圧電振動子224の先端面部で金層やクロム層などの金属層からなる個別外部電極231に導通している。共通内部電極227の先端は圧電振動子224の振動子の先端面部よりも少し手前に位置しており、個別内部電極228の基端は自由端部224aと基端部224bの境界に位置している。
個別外部電極231は、圧電振動子224の先端面部と、圧電振動子224における積層方向の一側面に形成された電極であり、フレキシブルケーブル232の配線パターンが接続された個別配線接続部235に導通している。共通外部電極230は、圧電振動子224の基端面部と、上記の配線接続面と、圧電振動子224における積層方向の他側面である固定板取付面とに形成された電極であり、フレキシブルケーブル232の配線パターンが接続された共通配線接続部234に導通している。従って、液滴吐出ヘッド22では、フレキシブルケーブル232を通して駆動信号が圧電振動子22の個別外部電極231および共通外部電極230に印加される。
ここで、個別外部電極231および共通外部電極230は、最外層の圧電体229を作動させるための電極としても機能する。すなわち、個別外部電極231は、積層方向の外側表面に形成された圧電体229aを挟んで共通内部電極227と対になっており、活性領域でこの共通内部電極227と個別外部電極231とがオーバーラップしている。同様に、共通外部電極230は、積層方向の外側表面に形成された圧電体229bを挟んで個別内部電極228と対になっており、活性領域で個別内部電極228と共通外部電極230とがオーバーラップしている。
このような圧電振動子ユニット204の製造方法は概ね、以下の通りである。まず、積
層体作製工程において、自由端部224aとなる先端側部分では共通内部電極227と個別内部電極228とが重ね合わせられ、基端部224bとなる基端側部分では共通内部電極227のみの非重合領域が形成されるように、共通内部電極227と個別内部電極228とを圧電体229を挟んで交互に積層して板状の積層体基材を作製する。
次に、外部電極形成工程において、積層体基材の各面にスパッタ法や蒸着法により、個別外部電極231、個別配線接続部235、共通外部電極230、共通配線接続部234を形成する。
次に、振動子作製工程において、積層体を切り分けて複数の圧電振動子224、226が列設された振動子群206を作製する。この工程では、まず、積層体の基端部224bの固定板取付面に固定板225を接着等によって接合した後、ワイヤーソーやダイシングソー等を使用して、積層体を櫛歯状に歯割りし、細長いニードル状の個別の圧電振動子224、226に切り分ける。このとき、溝236を斜めに形成して、固定板225側では固定板225の先端位置までが、配線接続面側では基端面部までがそれぞれ切り込まれるようにする。なお、板状の積層体を固定板225へ接合してから歯割りするのは、歯割りを安定して行われるようにし、その後の取扱いを容易にするためである。従って、安定して歯割りすることができるのであれば、歯割りした後の積層体を固定板225へ接合しても良い。
(駆動信号の説明)
図7は、図1に示す液滴吐出装置に用いた駆動信号の波形図である。本形態では、圧電振動子224に印加される駆動信号は、例えば、図7に実線で示すように、中間電位Vmから最高電位VPSまで電位を変化させて圧力発生室215を初期状態から膨張させる吐出用膨張要素S1と、最高電位VPSを保持して圧力発生室215の膨張状態を保持するホールド要素S2と、最高電位VPSから最低電位VLSまで電位を変化させて膨張状態の圧力発生室215を収縮させて液滴を吐出させる吐出用収縮要素S3と、最低電位VLSを保持して圧力発生室215の収縮状態を保持するホールド要素S4と、最低電位VLSから中間電位Vmに変化させて収縮状態にある圧力発生室215を初期状態にまで復帰させる膨張要素S5と、中間電位Vmを保持するホールド要素S6とを含んでいる。従って、吐出用収縮要素S3の傾きが液滴の吐出量および吐出速度を規定する。
(トリミングのための構成)
本形態の圧電振動子ユニット204において、圧電振動子224は、50μm〜100μm程度の極く細い幅に切り分けられている。このため、この幅以上の大きさの欠損或いはピンホールが内部電極227、228に存在しているだけで、この内部電極227、228を使った部分は活性を失って変位しなくなる。また、内部電極227、228を順次に積層して行く際に、ずれが生じていることがある。さらに、機械的な加工方法を採用していることから圧電振動子224の幅がばらついてしまう可能性もある。このような事情により、歯割り後の個々の圧電振動子224の変位量(伸縮量)が個々の圧電振動子224において不揃いになっている可能性があり、このような場合には、同一の駆動信号COMを印加してもノズル開口215毎に液滴の吐出量がばらついてしまう。
そこで、本形態では、図6(A)、(B)に示すように、圧電振動子214では、個別外部電極231と個別配線接続部235との間にはトリミング用抵抗部233が形成され、このトリミング用抵抗部233は、個別外部電極231に直列接続している。このような個別外部電極231は、個別外部電極231と同時形成されたクロム層などの金属膜や、ハンダペーストの塗布、焼成により形成された合金膜などにより構成することができる。
このような構成の液滴吐出ヘッド22では、図4に示すように、複数の圧電振動子224A〜224の各々に対してトリミング用抵抗部233A〜233Nが直列接続している構造になっており、かかるトリミング抵抗部233(233A〜233N)は、以下に説明するような液滴吐出装置100の製造工程においてレーザートリミングが施され、圧電振動子の充放電特性を調整している。ここで、トリミング抵抗部233は、図5(B)に示すように、ケース202の開口部237に対応しており、この開口部237を介してレーザートリミング装置250から出射されたレーザービームをトリミング抵抗部233に照射可能である。
(液滴吐出装置の製造方法)
図8(A)、(B)、(C)はそれぞれ、図1に示す液滴吐出装置に用いたノズル開口からの液滴吐出量のばらつきを示す説明図、トリミング後の振動子ユニットの斜視図、およびトリミングの様子を示す説明図である。本形態の液滴吐出装置10を製造するにあたっては、図1〜図7を参照して説明したように液滴吐出装置10を組み立てた後、吐出特性測定工程において、各圧電振動子224に対して基準となる駆動信号COMを印加し、各ノズル開口213からの液滴吐出量(吐出特性)を測定する。その結果、例えば、図8(A)に示すような液滴吐出量のばらつきが検出されたとする。ここで、ノズル列の両端部に位置するノズル開口213と、中央のノズル開口とでは、隣接する圧力発生室からのクロストークの影響が相違し、ノズル列の両端部に位置するノズル開口213から吐出される液滴量が大となっている。また、ノズル列の中央に位置するノズル開口213でも、上記したように、ピンホールの影響、位置ずれの影響などにより、ばらつきが発生している。
そこで、次のトリミング工程において、液滴吐出量が最小のノズル開口213に合わせてトリミングを行う。より具体的には、各圧電振動子224に対して直列接続されているトリミング用抵抗部233に対してレーザートリミングを行い、図8(B)、(C)に示すように、トリミング用抵抗部233を部分的に除去し、トリミング用抵抗部233の幅寸法を調整する。その際、各ノズル開口213からの液滴吐出量と、目標吐出量(液滴吐出量の最小値)との差を計算した後、その差に基づいて、トリミング量を算出する。かかるトリミング量の算出は、例えば、制御装置を構成するマイクロコンピュータのメモリ中に、トリミング量(トリミング用抵抗部233の幅寸法)と、ノズル開口213からの液滴吐出量の変化量との関係を示すテーブル情報を記憶させておき、このテーブル情報を参照することにより行う。
このようにしてレーザートリミングを行うと、トリミング用抵抗部233の幅寸法が狭くなった圧電振動子224では、個別外部電極231に直列接続する抵抗値が大きくなる。その結果、圧電振動子224に駆動信号COMを印加した際、圧電振動子224の時定数CR(C:キャパシタ成分の容量値、R:等価直列抵抗の抵抗値)が大きくなるので、図7に一点鎖線S1′、S3′、あるいは二点鎖線S1″、S3″で示すように、圧電振動子224の充電および放電が遅くなる。特に、圧電振動子224の放電速度が遅くなると、液滴の吐出速度が小となり、液滴の吐出量が小となる。それ故、複数の液滴吐出機構のうち、液滴の吐出量あるいは吐出速度が最小の液滴吐出機構を基準にトリミングを行えば、各液滴吐出機構での液滴の吐出量、および液滴の吐出速度を揃えることができる。
また、本形態では、圧電振動子224において、個別外部電極231が形成されている面と同一面にトリミング用抵抗部233を形成したため、個別外部電極231と同時に、あるいは個別外部電極231の形成工程と連続してトリミング用抵抗部233を形成することができる。それ故、工程数の増加を最小限に止めることができる。また、トリミング用抵抗部233を追加した場合でも、余計なスペースを必要としないという利点がある。
(トリミング抵抗部233の別の構成)
上記形態では、トリミング抵抗部233のトリミング前の幅寸法を個別外部電極231および個別配線接続部235の幅寸法と同一としたが、トリミング抵抗部233の幅寸法を個別外部電極231および個別配線接続部235の幅寸法よりも狭くしてもよい。また、上記形態では、トリミングによりトリミング抵抗部233の幅寸法を狭くする例を説明したが、並列接続する複数本の導体パターンでトリミング抵抗部233を構成し、トリミングの際には、それらの導体パターンの一部を切断する構成を採用してもよい。
また、上記形態では、トリミング抵抗部233を個別外部電極231に対して直列接続したが、圧電振動子224毎に配置するのであれば、個別外部電極231および共通外部電極230のうちの少なくとも一方にトリミング抵抗部233を設ければよい。
さらに、上記形態では、縦振動モードの圧電振動子にトリミング抵抗部233を設けたが、撓み振動モードの圧電振動子にトリミング抵抗部233を設けてもよい。
[電気光学装置の製造への適用例]
(有機EL装置の構成)
本発明を適用した液滴吐出装置10を有機EL装置の製造に用いた例を説明する。図9は、有機EL装置のブロック図である。図9に示す有機EL装置100は、駆動電流が流れることによって発光する有機EL素子を薄膜トランジスタで駆動制御するEL装置であり、このタイプの有機EL装置100では、有機EL素子が自己発光するため、バックライトを必要とせず、また、視野角依存性が少ないなどの利点がある。
本形態の有機EL装置100では、複数の走査線163と、この走査線163の延設方向に対して交差する方向に延設された複数のデータ線164と、これらのデータ線164に並列する複数の共通給電線165と、データ線164と走査線163との交差点に対応する画素115とが構成され、画素115は、画像表示領域にマトリクス状に配置されている。データ線164に対しては、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン、アナログスイッチを備えるデータ線駆動回路151が構成されている。走査線163に対しては、シフトレジスタおよびレベルシフタを備える走査線駆動回路154が構成されている。また、複数の画素115の各々には、走査線163を介して走査信号がゲート電極に供給される画素スイチング用の薄膜トランジスタ106と、この薄膜トランジスタ106を介してデータ線164から供給される画像信号を保持する保持容量133と、この保持容量133によって保持された画像信号がゲート電極に供給される電流制御用の薄膜トランジスタ107と、薄膜トランジスタ107を介して共通給電線165に電気的に接続したときに共通給電線165から駆動電流が流れ込む有機EL素子110とが構成されている。
(発光装置の画素構成)
図10(A)、(B)は各々、本発明を適用した発光装置の1画素分の平面図および断面図である。本形態の有機EL装置100を構成するにあたって、より具体的には、図10(A)、(B)に示すように、素子基板を構成するガラス基板などからなる基板12(電気光学装置用基板)上にシリコン酸化膜からなる下地保護膜(図示せず)が形成され、この下地保護膜上に、薄膜トランジスタ107などを構成するためのポリシリコン膜からなる半導体膜109aが島状に形成されている。半導体膜109aには不純物の導入によってソース・ドレイン領域109b、109cが形成され、不純物が導入されなかった部分がチャネル領域109dとなっている。下地保護膜および半導体膜109aの上層側にはゲート絶縁膜121が形成され、ゲート絶縁膜121上にはアルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)などからなる走査線163およびゲート電極143が形成されている。走査線163、ゲート電極1
43およびゲート絶縁膜121の上層側には、第1層間絶縁膜122と第2層間絶縁膜123とがこの順に積層されている。ここで、第1層間絶縁膜122および第2層間絶縁膜123は、シリコン酸化物(SiO2)、チタン酸化物(TiO2)などの無機絶縁膜から構成されている。
第1層間絶縁膜122の上層には、第1層間絶縁膜122およびゲート絶縁膜121のコンタクトホールを介してソース・ドレイン領域109b、109cにそれぞれ接続するソース・ドレイン電極126および共通給電線165が形成されている。また、第1層間絶縁膜122の上層にはデータ線164も形成されている。第2層間絶縁膜123上には、ITO(酸化インジウム−スズ/Indium Tin Oxide)層からなる光透過性の画素電極111が形成され、この画素電極111は、第2層間絶縁膜123のコンタクトホールを介してソース・ドレイン電極126に電気的に接続している。従って、画素電極111は、薄膜トランジスタ107を介して共通給電線165に電気的に接続したとき、共通給電線165から駆動電流が流れ込む。
各画素115には、陽極としてのITO膜からなる画素電極111と、有機機能層113(画素構成要素)と、陰極としての対向電極112がこの順に積層された有機EL素子110が形成されている。有機機能層113は、画素電極111上に積層された正孔輸送層113aと、この正孔輸送層113aの上層側に形成された発光層113bとを備えている。発光層113bは、正孔輸送層113aの側から注入される正孔と、対向電極112の側から注入される電子とが結合して発光する領域としての機能を担っており、各画素115が赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のいずれの色に対応するかは、発光層113bを構成する有機材料の種類によって規定されている。発光層113bの膜厚は約80〜150nmである。本形態では、正孔輸送層113aが、正孔を発光層113bに注入する正孔注入層としての機能も担っている。正孔輸送層113aは、ドーパントを導電性高分子材料中に含有する導電性高分子層からなり、正孔輸送層113aの膜厚は、例えば約10〜100nmである。
本形態の有機EL装置100は、基板側に向けて表示光を出射するボトムエミッション型であり、対向電極112は、薄いカルシウム層やアルミニウム膜などといった光反射性の導電膜により構成されている。なお、有機EL装置100が、基板とは反対側に向けて表示光を出射するトップエミッション型である場合、対向電極112は、例えば、薄いカルシウム層と、ITO層などからなる光透過性陰極層とから構成され、画素電極111の下層側には、画素電極111の略全体と重なるようにアルミニウム膜などからなる光反射層が形成される。
本形態では、隣接する画素115の境界領域には、画素電極111の周縁部を取り囲むように、感光性樹脂からなる隔壁105がバンクとして形成されている。隔壁105は、有機機能層113を形成するのに液滴吐出法を用いるとき、塗布される液状組成物の塗布領域を規定するものであり、その表面張力によって、液状組成物が均一な厚さで形成される。ここで、液状組成物は、水性であると油性であるとを問わない。また、液状組成物については、流動性を備えていれば十分で、固体物質が混入していても全体として流動体であればよい。また、液体材料に含まれる固体物質は融点以上に加熱されて溶解されたものでも、溶媒中に微粒子として分散させたものでもよく、溶媒の他に染料や顔料その他の機能性材料を添加したものであってもよい。なお、基板12の素子形成面側には、水や酸素の侵入を防ぐことによって、陰極層あるいは機能層の酸化を防止する封止樹脂(図示せず)が形成され、さらに封止基板(図示せず)が貼られることがある。
(有機EL装置100の動作)
このように構成した有機EL装置100において、走査線163が駆動されて薄膜トラ
ンジスタ106がオン状態になると、そのときのデータ線164の電位が保持容量133に保持され、この保持容量133の状態に応じて薄膜トランジスタ107の導通状態が制御される。また、薄膜トランジスタ107がオン状態になったとき、薄膜トランジスタ107を介して共通給電線165から画素電極111に電流が流れ、有機EL素子110では、有機機能層113を通じて対向電極112に電流が流れる。そして、このときの電流量に応じて発光層113bが発光する。そして、ボトムエミンション型の場合、発光層113bから発した光は、画素電極111および基板12を透過して出射される。これに対して、トップエミッション型の場合、対向電極112を透過して、観測者側に出射される一方、発光層113bから基板12に向けて出射された光は、画素電極111の下層に形成された光反射層によって反射され、対向電極112を透過して観測者側に出射される。
ここで、有機EL装置100でカラー表示を行う場合には、各画素115を赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に対応させることになる。この場合も、各色の画素115において、有機EL素子110の基本的な構成は共通である。
(有機EL装置の製造方法)
図11および図12は、上記液滴吐出装置を用いて有機EL装置100を製造する方法を示す工程断面図である。本形態の有機EL装置100を製造するには、まず、図11(A)に示すように、基板12を用意する。ここで、有機EL装置100がボトムエミッション型である場合、基板12としてはガラスや石英、樹脂などの透明ないし半透明なものが用いられるが、特にガラスが好適に用いられる。また、基板12に色フィルター膜や蛍光性物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜を配置して、発光色を制御するようにしてもよい。これに対して、有機EL装置100がトップエミッション型である場合、基板12は不透明であってもよく、その場合、アルミナなどのセラミックス、ステンレスなどの金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したもの、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。
次に、基板12に対して、必要に応じてTEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料としてプラズマCVD法により厚さ約200〜500nmのシリコン酸化膜からなる下地保護膜(図示せず)を形成する。
次に、基板12の温度を約350℃に設定して、下地保護膜の表面にプラズマCVD法により厚さ約30〜70nmのアモルファスシリコン膜からなる半導体膜109を形成する。次に、半導体膜109に対してレーザーニールまたは固相成長法などの結晶化工程を行い、半導体膜109をポリシリコン膜に結晶化する。レーザーニール法では、例えばエキシマレーザーでビームの長寸が400mmのラインビームを用い、その出力強度は、例えば200mJ/cm2とする。ラインビームについては、その短寸方向におけるレーザー強度のピーク値の90%に相当する部分が各領域毎に重なるようにラインビームを走査する。
次に、図11(B)に示すように、半導体膜(ポリシリコン膜)109をパターニングして島状の半導体膜109aとし、その表面に対して、TEOSや酸素ガスなどを原料としてプラズマCVD法により厚さ約60〜150nmのシリコン酸化膜または窒化膜からなるゲート絶縁膜121を形成する。なお、半導体膜109aは、図10に示す薄膜トランジスタ107のチャネル領域およびソース・ドレイン領域となるものであるが、異なる断面位置においては薄膜トランジスタ106のチャネル領域およびソース・ドレイン領域となる半導体膜も形成されている。すなわち、有機EL装置100では、二種類のトランジスタ106、107が同一の層間、あるいは異なる層間に形成されるが、概ね同一の手順で形成されるため、以下の説明では、薄膜トランジスタ107についてのみ説明し、薄膜トランジスタ106についてはその説明を省略する。
次に、図11(C)に示すように、アルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステンなどの金属膜からなる導電膜をスパッタ法により形成した後、これをパターニングし、ゲート電極143などを形成する。次に、この状態でリンなどの不純物を打ち込み、半導体膜109aに、ゲート電極143に対して自己整合的にソース・ドレイン領域109b、109cを形成する。なお、不純物が導入されなかった部分がチャネル領域109dとなる。
次に、図11(D)に示すように、第1層間絶縁膜122を形成した後、コンタクトホールを形成し、これらのコンタクトホールを介してソース・ドレイン領域109b、109cに電気的に接続するソース・ドレイン電極126および共通給電線165を形成する。その際、データ線164なども形成する。
次に、図11(E)に示すように、各配線の上面を覆うように、SiO2、TiO2などの無機絶縁膜からなる第2層間絶縁膜123を形成した後、第2層間絶縁膜123に対してソース・ドレイン電極126に対応する位置にコンタクトホールを形成する。
次に、画素電極形成工程において、第2層間絶縁膜123の上層にITO膜を形成した後、ITO膜をパターニングして、データ線164、走査線163および共通給電線165に囲まれた所定位置に画素電極111を形成する。
次に、必要に応じて、大気雰囲気中で酸素を処理ガスとするプラズマ処理(O2プラズマ処理)を行い、画素電極111あるいは、第2層間絶縁膜123のうち、画素電極111から露出している部分に親液性を付与する。
次に、図11(F)に示す隔壁形成工程において、図10に示す有機機能層113の形成場所を囲むように隔壁105を形成する。その結果、隔壁105の内側には凹部150が形成される。隔壁105は、仕切り部材として機能するものであり、例えば、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂などの絶縁性有機材料で形成する。隔壁105の膜厚については、例えば1〜2μmの高さとなるように形成する。なお、隔壁105は、ポリシラザンなどの絶縁性無機材料で形成してもよい。
次に、必要に応じて、隔壁105に対して撥液化処理を行い、隔壁105に対して、有機機能層113を形成するための液状組成物に対する撥液性を付与する。このような撥液性を付与するためには、例えば、隔壁105の表面をフッ素系化合物などで表面処理するといった方法が採用される。フッ素化合物としては、例えばCF4、SF5、CHF3などがあり、表面処理としては、例えばプラズマ処理、UV照射処理などが挙げられる。
次に、正孔輸送層113aを形成する。それには、図12(A)に示す液滴吐出工程において、基板12の上面を上に向けた状態で、図1〜図8を参照して説明した液滴吐出ヘッドのノズル開口から吐出された正孔輸送層形成液(液状組成物)の液滴Maを、隔壁105に囲まれた凹部150内に選択的に充填する。その際、正孔輸送層形成液は、流動性が高いため水平方向に広がろうとするが、塗布された位置を囲んで隔壁105が形成されているので、正孔輸送層形成液は隔壁105を越えてその外側に広がることがない。
ここで、正孔輸送層形成液としては、例えば、ポリオレフィン誘導体である3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン(導電性高分子材料)と、ポリスチレンスルホン酸(ドーパント)とを溶媒に分散させた溶液を用いる。このような正孔輸送層形成液としては、溶媒として水単独を用い、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸を水に分散させたものを用いることができるが、正孔輸送層形成液の液滴Maをノズ
ル開口から安定した状態に吐出するために、正孔輸送層形成液の粘度や沸点などを最適化する必要がある。また、液滴Maを吐出した後の乾燥により、正孔輸送層113aを好適に定着させるには、正孔輸送層形成液の乾燥速度(蒸発速度)などを最適化する必要がある。その場合、ポリスチレンスルホン酸および3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンを分散させる溶媒として、水に有機溶剤を配合した混合溶媒を用い、有機溶剤により正孔輸送層形成液の性質を最適化する。このような混合溶媒に使用可能な有機溶剤としては、アルコール類、エーテル類、グリコールモノエーテル類、ラクトン類、オキサゾリジノン類、カーボネート類、ニトリル類、アミド類、スルホン類などが挙げられる。
このようにして正孔輸送層形成液を液滴吐出ヘッドから吐出して所定位置に配置した後、液状の正孔輸送層形成液に対して乾燥処理を行い、正孔輸送層形成材料中の溶媒を蒸発させ、正孔輸送層形成材料を固化させる(固化工程)。乾燥処理の方法としては、40〜200℃程度で加熱して前記正孔輸送層形成材料中の溶媒を蒸発させる方法と、大気圧以下、例えば10-4〜10-6パスカル(Pa)程度の減圧雰囲気中に放置して、正孔輸送層形成材料中の溶媒を蒸発させる方法などがある。このような乾燥工程により、図11(B)に示すように、画素電極111上に、正孔輸送層113aが約10〜60nmの膜厚で形成される。
次に、発光層113bを形成する。それには、図11(C)に示す液滴吐出工程において、基板12の上面を上に向けた状態で、図1〜図8を参照して説明した液滴吐出ヘッドのノズル開口から吐出された発光層形成液の液滴Mbを、隔壁105に囲まれた凹部150内に選択的に充填する。
本形態では、発光層形成液に配合される発光材料としては、例えば分子量が1000以上の高分子材料が用いられる。具体的には、ポリフルオレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、またはこれらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、例えばルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドンなどをドープしたものが用いられる。なお、このような高分子材料としては、二重結合のπ電子がポリマー鎖上で非極在化しているπ共役系高分子材料が、導電性高分子でもあることから発光性能に優れるため、好適に用いられる。特に、その分子内にフルオレン骨格を有する化合物、すなわちポリフルオレン系化合物がより好適に用いられる。また、このような材料以外にも、例えば特開平11−40358号公報に示される有機EL素子用組成物、すなわち共役系高分子有機化合物の前駆体と、発光特性を変化させるための少なくとも1種の蛍光色素とを含んでなる有機EL素子用組成物も、発光層形成材料として使用可能である。
このような発光材料を溶解あるいは分散する有機溶媒としては、非極性溶媒が好適とされ、特に発光層113bが正孔輸送層113aの上に形成されることから、この正孔輸送層113aに対して不溶なものが用いられることが好ましい。具体的には、キシレン、シクロへキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼンなどが好適に用いられる。なお、発光層形成液の吐出による発光層の形成は、赤色の発色光を発光する発光層の形成材料、緑色の発色光を発光する発光層の形成材料、青色の発色光を発光する発光層の形成材料を、それぞれ対応する画素に吐出し塗布することによって行う。また、各色に対応する画素は、これらが規則的な配置となるように予め決められている。
このようにして各色の発光層形成液を吐出した後、液状の発光層形成液に対して乾燥処理を行い、発光層形成材料中の溶媒を蒸発させ、発光層形成材料を固化させる(固化工程)。その結果、図12(D)に示すように、正孔輸送層113a上に固形の発光層113
bが形成される。これにより、正孔輸送層113aおよび発光層113bからなる有機機能層113が形成される。ここでの乾燥処理の方法としても、40〜200℃程度で加熱して発光層形成材料中の溶媒を蒸発させる方法と、大気圧以下、例えば10-4〜10-6パスカル(Pa)程度の減圧雰囲気中に放置して発光層形成材料中の溶媒を蒸発させる方法などがある。
なお、発光層形成材料の乾燥処理については、発光層形成材料のガラス転移点未満の温度、例えば100℃未満の温度で加熱することにより、乾燥するのが好ましい。このような温度で乾燥することにより、発光層形成材料中の溶剤の蒸発速度を比較的低く抑えることができるとともに、発光層形成材料の液状化による流動も抑えることができ、その結果、得られる発光層113bについても十分に平坦化することができる。また、発光層形成の際の乾燥処理によって生じる熱的ダメージが、発光層発光層113bだけでなく、正孔輸送層113aに対しても小さくなり、初期輝度の低下などによる表示性能の低下が抑制される。
次に、図9(B)に示すように、基板12の表面全体に、あるいはストライプ状に、LiF/Al(LiFとAlとの積層膜)やMgAg、あるいはLiF/Ca/Al(LiFとCaとAlとの積層膜)を蒸着法などによって成膜し、対向電極112を形成する。その後、封止を行った後、さらに配線などの各種要素を形成することにより、有機EL素子110を各画素115に備えた有機EL装置100を製造することができる。
[その他の実施の形態]
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能であり、実施形態で挙げた具体的な材料や構成などは一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、上記形態では、正孔輸送層113aとして、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンを用いたが、その他のポリアルキルチオフェン誘導体や、ポリピロール誘導体を用いてもよい。また、正孔輸送層113aとしては、ポリテトラヒドロチオフェニルフェニレンであるポリフェニレンビニレン、1,1−ビス−(4−N,N−ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサンなどを高分子前駆体として形成した層を用いた場合に本発明を適用してもよい。
また、上記形態では、画素構成要素として、正孔輸送層113aおよび発光層113bの形成に本発明を適用したが、有機EL素子110から白色光を出射させ、この白色光をカラーフィルタで着色する構成を採用する場合にカラーフィルタの形成に本発明を適用してもよい。
さらに、上記形態では、本発明を有機EL装置の製造工程に用いた例であったが、液晶表示装置のカラーフィルタ(画素構成要素)の形成などに本発明を適用してもよい。
本発明の実施形態に係る液滴吐出装置の全体構成を示す斜視図である。 図1に示す液滴吐出装置に用いた液滴吐出ヘッドの制御系、駆動系の構成を示す説明図である。 図1に示す液滴吐出装置に用いた液滴吐出ヘッドのヘッド駆動部の電気的構成を示す説明図である。 図1に示す液滴吐出装置においてヘッド駆動部を構成する素子の説明図である。 (A)、(B)はそれぞれ、図1に示す液滴吐出装置に用いた液滴吐出ヘッドのノズル形成面を示す説明図、および液滴吐出ヘッドに構成された液滴吐出機構の1つ分の構成を示す断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ、図1に示す液滴吐出装置に用いた圧電振動子の拡大断面図、および振動子ユニットの斜視図である。 図1に示す液滴吐出装置に用いた駆動信号の波形図である。 (A)、(B)、(C)はそれぞれ、図1に示す液滴吐出装置に用いたノズル開口からの液滴吐出量のばらつきを示す説明図、トリミング後の振動子ユニットの斜視図、およびトリミングの様子を示す説明図である。 有機EL装置のブロック図である。 (A)、(B)は各々、本発明を適用した発光装置の1画素分の平面図および断面図である。 本発明を適用した液滴吐出装置を用いて有機EL装置を製造する方法を示す工程断面図である。 本発明を適用した液滴吐出装置を用いて有機EL装置を製造する方法を示す工程断面図である。
符号の説明
10・・液滴吐出装置、12・・基板(電気光学装置用基板)、22・・液滴吐出ヘッド、100・・ 有機EL装置(電気光学装置)、110・・有機EL素子、113・・有機機能層(画素構成要素)、113a・・正孔輸送層、113b・・発光層、213・・ノズル開口、215・・圧力発生室、224・・圧電振動子、230・・共通外部電極、231・・個別外部電極、233・・トリミング用抵抗部、237・・ケースの開口部、250・・レーザートリミング装置

Claims (9)

  1. 圧電体に電圧印加するための一対の外部電極を備えた圧電振動子と、該圧電振動子に駆動されて内圧が変化する圧力発生室と、該圧力発生室に連通するノズル開口とを備えた液滴吐出機構を複数、液滴吐出ヘッド上に有する液滴吐出装置において、
    前記複数の液滴吐出機構の各々では、前記一対の外部電極の少なくとも一方にトリミング用抵抗部が直列接続され、当該トリミング用抵抗部に対するトリミングにより前記圧電振動子の充放電特性を可変にして前記ノズル開口からの液滴吐出特性を調整可能にしたことを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 前記液滴吐出特性は、液滴の吐出量あるいは吐出速度であることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置の製造方法。
  3. 前記複数の液滴吐出機構には、前記トリミング用抵抗部が部分的に除去された液滴吐出機構が含まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の液滴吐出装置。
  4. 前記圧電振動子はケースにより覆われ、
    当該ケースには、前記トリミング用抵抗部と対向する位置に開口部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の液滴吐出装置。
  5. 圧電体に電圧印加するための一対の外部電極を備えた圧電振動子と、該圧電振動子に駆動されて内圧が変化する圧力発生室と、該圧力発生室に連通するノズル開口とを備えた液滴吐出機構を液滴吐出ヘッド上に複数、有する液滴吐出装置の製造方法において、
    前記複数の液滴吐出機構の各々に対して、前記一対の外部電極の少なくとも一方にトリミング用抵抗部を直列接続しておき、
    前記圧電振動子に対して共通の駆動信号を印加したときの前記ノズル開口での液滴吐出特性の測定を行う吐出特性測定工程と、
    当該液滴吐出特性の測定結果に基づいて、前記トリミング用抵抗部に対してトリミングを行い、前記圧電振動子の充放電特性を調整するトリミング工程とを行い、
    前記液滴吐出ヘッドにおける液滴吐出機構間の液滴吐出特性のばらつきを低減することを特徴とする液滴吐出装置の製造方法。
  6. 前記トリミングは、前記トリミング用抵抗部を部分的に除去するレーザートリミングであることを特徴とする請求項5に記載の液滴吐出装置の製造方法。
  7. 前記圧電振動子はケースにより覆われているとともに、当該ケースには、前記トリミング用抵抗部と対向する位置に開口部が形成され、
    前記レーザートリミングの際には、前記ケースの外部から前記開口部を介して前記トリミング用抵抗部にレーザーを照射することを特徴とする請求項6に記載の液滴吐出装置の製造方法。
  8. 前記液滴吐出特性は、基準となる駆動電圧を印加した際の液滴の吐出量あるいは吐出速度であり、
    前記トリミングは、前記複数の液滴吐出機構のうち、液滴の吐出量あるいは吐出速度が最小の液滴吐出機構を基準に行うことを特徴とする請求項5乃至7の何れか一項に記載の液滴吐出装置の製造方法。
  9. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の液滴吐出装置を用いて電気光学装置用基板上の所定位置に液状組成物を吐出する液滴吐出工程と、前記液状組成物を固化させて画素構成要素を構成する固化工程とを行うことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
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