JP2006313657A - 電気光学装置、電子機器および電気光学装置の製造方法 - Google Patents

電気光学装置、電子機器および電気光学装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 画素面積が相違する場合でも、各画素に画素構成要素を同一の状態に形成可能な電気光学装置、電子機器、および電気光学装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】 有機EL装置を製造する際、緑色(G)の画素515(G)が赤色(R)や青色(B)の画素515(B)の面積よりも2倍大きいので、緑色(G)の画素515(G)は、隔壁505によって2つのサブ画素515a(G)、515b(G)に分割する。従って、インクジェット法を用いて各画素に画素構成要素(正孔注入層513aおよび発光層513b)を形成する領域毎の面積は、面積の広い画素515(G)と、面積の狭い画素515(R)、(B)とで差がないので、面積の広い画素515(G)と、面積の狭い画素515(R)、(B)とで同様の状態で画素構成要素(正孔注入層513aおよび発光層513b)を形成することができる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、多数の画素がマトリクス状に形成された電気光学装置、この電気光学装置を備えた電子機器、および電気光学装置の製造方法に関するものである。
携帯電話機、パーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistants)などの電子機器に使用される表示装置としては、液晶装置や有機エレクトロルミネッセンス(EL/Electroluminescence)装置などの電気光学装置がある。これらの電気光学装置を製造するにあたって、カラーフィルタや、有機EL素子の正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層や発光層などの形成を、インクジェットプリンタなどで採用されているインクジェット方式で行うことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このようなインクヘッド方式を利用する場合、図11(A)、(B)に示すように、吐出ヘッドから、各色(赤色(R)、緑色(G)、青色(B))に対応する画素515(R)、(G)、(B)内に複数の有機材料の液滴M0をそれらの着弾位置をずらして吐出し、液滴M0を画素515(R)、(G)、(B)内で流動させて広げることにより、画素515(R)、(G)、(B)全体に正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層や発光層などの画素構成要素を形成する。
特開2000−353594号公報
このような有機EL装置において、各画素515(R)、(G)、(B)のサイズは、一般的には各色間で同一であるが、例えば、緑色(G)の有機EL素子の寿命が短い場合、図11(A)、(B)に示すように、緑色(G)の画素サイズを広げる代わりに、緑色(G)の画素515(G)については発光強度を低下させることにより、他の色(赤色(R)、青色(B))の有機EL素子と同程度まで寿命を延ばすことがある。また、図示を省略するが、青色(B)については、視認性が低いとして、青色(B)の画素515(B)の面積を広くする場合もある。
このような場合にインクジェット法を採用すると、画素サイズに応じた数の液滴M0を吐出した場合でも、画素サイズによって液滴M0の広がり方が相違する結果、例えば、サイズの大きな画素515で画素構成要素の形成状態がばらついてしまい、輝度ばらつきが発生するなど、発光特性が低下するという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、画素面積が相違する場合でも、各画素に画素構成要素を同一の状態に形成可能な電気光学装置、電子機器、および電気光学装置の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、複数の画素構成要素により構成された画素が複数配置された電気光学装置において、前記複数の画素には、所定の面積をもつ第1の画素と、該第1の画素より面積の広い第2の画素とが含まれ、前記第2の画素は、複数のサブ画素に分割されていることを特徴とする。
本発明では、複数の画素に、面積が相違する第1の画素と第2の画素とが含まれている場合でも、面積の広い第2の画素は複数のサブ画素に分割されているため、インクジェット法を用いて各画素に画素構成要素を形成する領域毎の面積が第1の画素と第2の画素の間で大きな差がない。従って、面積の広い第2の画素においても、面積の狭い第1の画素と同様の状態で画素構成要素を形成することができ、画素構成要素の形成状態のばらつきに起因する発光特性の低下を回避できる。
本発明では、前記第2の画素における前記サブ画素1つ分の面積と、前記第1の画素の面積とが等しいことが好ましい。この場合、前記第2の画素における前記サブ画素の形状と、前記第1の画素の形状が同一であることが好ましい。
本発明の別の形態では、複数の画素構成要素により構成された画素が複数配置された電気光学装置において、前記複数の画素には、所定の面積をもつ第1の画素と、該第1の画素より面積の広い第2の画素とが含まれ、前記第1の画素および前記第2の画素は各々、複数のサブ画素に分割され、かつ、前記第2の画素における前記サブ画素への分割数は、前記第1の画素における前記サブ画素への分割数よりも大きいことを特徴とする。
本発明では、複数の画素に、面積が相違する第1の画素と第2の画素とが含まれている場合でも、面積の広い第2の画素は多くのサブ画素に分割され、面積の狭い第1の画素は少ないサブ画素に分割されているため、インクジェット法を用いて各画素に画素構成要素を形成する領域毎の面積が第1の画素と第2の画素の間で大きな差がない。従って、面積の広い第2の画素においても、面積の狭い第1の画素と同様の状態で画素構成要素を形成することができ、画素構成要素の形成状態のばらつきに起因する発光特性の低下を回避できる。
本発明において、前記第1の画素における前記サブ画素1つ分の面積と、前記第2の画素における前記サブ画素1つの分の面積とが等しいことが好ましい。この場合、前記第1の画素における前記サブ画素の形状と、前記第2の画素における前記サブ画素の形状が同一であることが好ましい。
本発明において、前記第1の画素および前記第2の画素は各々、周りが隔壁によって囲まれ、かつ、前記隔壁よって前記サブ画素の周りも囲まれていることが好ましい。画素構成要素を形成する際に吐出した液滴の領域外への流動を防止する隔壁によってサブ画素に分割すれば、インクジェット法を用いて各画素に画素構成要素を形成する領域毎の面積を確実に制御できる。
本発明において、前記電気光学装置が有機EL装置である場合、前記複数の画素構成要素には、エレクトロルミネッセンス素子の正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層および発光層のうちの少なくとも一つが含まれ、この場合、前記サブ画素は、当該画素構成要素のうちの少なくとも一つの層が画素内で分割されてなる構成を採用することができる。
本発明において、前記電気光学装置が液晶装置あるいは有機EL装置の場合、前記複数の画素構成要素には、少なくともカラーフィルタが含まれている場合があり、この場合、前記サブ画素は、前記カラーフィルタが画素内で分割されてなる構成であってもよい。
本発明において、前記第1の画素と前記第2の画素とは、例えば、異なる色に対応する画素である。
本発明を適用した電気光学装置は、例えば、携帯電話機やモバイルコンピュータなどの電子機器において表示部として用いられる。また、本発明を適用した電気光学装置は、ページプリンタなどの画像形成装置においてラインヘッドの光源として用いられる。
本発明では、吐出ヘッドのノズル開口から液滴を吐出して複数の画素の各々に少なくとも1つの画素構成要素を形成する液滴吐出工程を有する電気光学装置の製造方法において、前記複数の画素には、所定の面積の第1の画素と、該第1の画素より面積の広い第2の画素とが含まれ、前記液滴吐出工程を行う前に、前記第2の画素を複数のサブ画素に分割する分割工程を有し、前記液滴吐出工程では、前記第1の画素および前記複数のサブ画素の各々に対して前記ノズル開口から液滴を吐出することを特徴とする。
本発明の別の形態では、吐出ヘッドのノズル開口から液滴を吐出して複数の画素の各々に少なくとも1つの画素構成要素を形成する液滴吐出工程を有する電気光学装置の製造方法において、前記複数の画素には、所定の面積をもつ第1の画素と、該第1の画素より面積の広い第2の画素とが含まれ、前記液滴吐出工程を行う前に、前記第1の画素および前記第2の画素を複数のサブ画素に分割するとともに、前記第2の画素については、前記第1の画素よりも前記サブ画素への分割数を大きく設定する分割工程と、前記液滴吐出工程では、前記複数のサブ画素の各々に対して前記ノズル開口から液滴を吐出することを特徴とする。
本発明において、前記分割工程では、前記第1の画素および前記第2の画素の周りに前記液滴のサブ画素外への流出を防止可能な隔壁を形成するとともに、当該隔壁を前記サブ画素の周りにも形成することが好ましい。
以下に、図面を参照して、本発明の実施に用いる液滴吐出装置の一例、電気光学装置の一例としての有機EL装置、および有機EL装置の製造方法を説明する。
[実施の形態1]
(液滴吐出装置の全体構成)
図1は、本発明で用いる液滴吐出装置の全体構成を示す斜視図である。なお、液滴吐出装置によってカラー印刷やカラーの表示装置を製造する場合、通常、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の絵素を形成する必要がある。従って、液滴吐出装置については、1台で各色に対応する液滴を吐出可能に構成するか、所定の色に対応するものを複数台、準備することになるが、以下の説明では、後者において複数、準備した液滴吐出装置のうちの1台を説明する。
図1において、液滴吐出装置10は、各種の液状物を基板などのワーク上の所望位置に液滴として吐出するものであり、液状物を各種ワーク上に液滴として吐出するノズルを備える複数の液滴吐出ヘッド22と、これらの液滴吐出ヘッド22を保持する共通のキャリッジ26とを有している。また、液滴吐出装置10は、液滴吐出ヘッド22の位置を制御するヘッド位置制御装置17と、ワークとしての基板12の位置を制御する基板位置制御装置18と、液滴吐出ヘッド22を基板12に対して主走査移動させる主走査駆動手段としての主走査駆動装置19と、液滴吐出ヘッド22を基板12に対して副走査移動させる副走査駆動手段としての副走査駆動装置21と、基板12を液滴吐出装置10内の所定の作業位置へ供給する基板供給装置23と、液滴吐出装置10の全般の制御を司るコントロール装置24とを有しており、ヘッド位置制御装置17、基板位置制御装置18、主走査駆動装置19、および副走査駆動装置21によって、液滴吐出ヘッド22(キャリッジ26)と基板12とを相対移動させる移動手段が構成されている。ヘッド位置制御装置17、基板位置制御装置18、主走査駆動装置19、および副走査駆動装置21はベース9の上に設置され、それらの各装置は必要に応じてカバー14によって覆われる。
ヘッド位置制御装置17は、液滴吐出ヘッド22を面内回転させるαモータ(図示せず)と、液滴吐出ヘッド22を副走査方向Yと平行な軸線回りに揺動回転させるβモータ(図示せず)と、液滴吐出ヘッド22を主走査方向と平行な軸線回りに揺動回転させるγモータ(図示せず)と、そして液滴吐出ヘッド22を上下方向へ平行移動させるZモータ(図示せず)とを備えている。基板位置制御装置18は、基板12を載せるテーブル49と、そのテーブル49を面内回転させるθモータ(図示せず)とを備えている。主走査駆動装置19は、主走査方向Xへ延びるXガイドレール52と、パルス駆動されるリニアモータを内蔵したXスライダ53とを備えている。Xスライダ53は、内蔵するリニアモータが作動するときにXガイドレール52に沿って主走査方向へ平行移動する。副走査駆動装置21は、副走査方向Yへ延びるYガイドレール(図示せず)と、パルス駆動されるリニアモータを内蔵したYスライダ56とを備えている。Yスライダ56は、内蔵するリニアモータが作動するときにYガイドレールに沿って副走査方向Yへ平行移動する。Xスライダ53およびYスライダ56内においてパルス駆動されるリニアモータは、該モータに供給するパルス信号によって出力軸の回転角度制御を精細に行うことができ、従って、Xスライダ53に支持された液滴吐出ヘッド22の主走査方向X上の位置やテーブル49の副走査方向Y上の位置などを高精細に制御できる。なお、液滴吐出ヘッド22やテーブル49の位置制御は、パルスモータを用いた位置制御に限られず、サーボモータを用いたフィードバック制御や、その他任意の制御方法によって実現することもできる。
基板供給装置23は、基板12を収容する基板収容部57と、基板12を搬送するロボット58とを備えている。ロボット58は、床、地面などといった設置面に置かれる基台59と、基台59に対して昇降移動する昇降軸61と、昇降軸61を中心として回転する第1アーム62と、第1アーム62に対して回転する第2アーム63と、第2アーム63の先端下面に設けられた吸着パッド64とを備えており、吸着パッド64は、空気吸引などによって基板12を吸着できる。
また、液滴吐出ヘッド22の近傍には、その液滴吐出ヘッド22と一体に移動するヘッド用カメラ79が配置されている。なお、ベース9上に設けた支持装置(図示せず)には基板用カメラ(図示せず)が配置され、基板用カメラは、基板12を撮影可能である。
ここで、主走査駆動装置19によって駆動されて主走査移動する液滴吐出ヘッド22の軌跡下であって副走査駆動装置21の一方の脇位置には、キャッピング機構76およびクリーニング機構77が配置され、キャッピング機構76は、液滴吐出ヘッド22が待機状態にあるときにノズルの乾燥を防止するための機構である。クリーニング機構77は、液滴吐出ヘッド22を洗浄するための機構である。また、副走査駆動装置21の他方の脇位置には、液滴吐出ヘッド22内の個々のノズル27から吐出される液滴の重量を測定する電子天秤78が配置されている。
(液滴吐出ヘッドの構成)
図2(A)、(B)、(C)、(D)はそれぞれ、液滴吐出ヘッド22の構成を示す説明図、液滴吐出ヘッド22の内部構造を模式的に示す説明図、撓み振動モードの圧力発生素子の説明図、および縦振動モードの圧力発生素子の説明図である。なお、液滴吐出ヘッド22は、共通のキャリッジ26に複数、保持されているが、それらは基本的に同一構成であるので、その1つを例に挙げて説明する。
図2(A)に示すように、液滴吐出ヘッド22は、多数のノズル開口27を列状に並べることによって形成されたノズル列28を備えている。ノズル開口27の数は、例えば180個であり、ノズル開口27の穴径は例えば28μmであり、ノズル開口27間のノズルピッチは例えば141μmである。なお、液滴吐出ヘッド22の基板12に対する主走査方向Xおよびそれに直交する副走査方向Yは図示の通りである。すなわち、液滴吐出ヘッド22は、そのノズル列28が主走査方向Xと交差する方向へ延びるように位置設定され、この主走査方向Xへ平行移動する間に、液状物を複数のノズル開口27から選択的に吐出することにより、基板12内の所定位置に液滴を着弾させる。また、液滴吐出ヘッド22は副走査方向Yへ所定距離だけ平行移動することにより、液滴吐出ヘッド22による主走査位置を所定の間隔でずらせることができる。
図2(B)、(C)に示すように、液滴吐出ヘッド22は、例えば、ステンレス製のノズルプレート29と、それに対向する弾性板31と、それらを互いに接合する複数の仕切部材32とを有している。ノズルプレート29と弾性板31との間には、仕切部材32によって複数の圧力発生室33、および液溜り34が形成され、複数の圧力発生室33と液溜り34とは液状物流入口38を介して互いに連通している。弾性板31の適所には液状物供給穴36が形成され、この液状物供給穴36に液状物供給装置37が接続される。この液状物供給装置37は吐出されることとなる液状物Mを液状物供給穴36へ供給する。供給された液状物Mは液溜り34に充満し、さらに液状物流入口38を通って圧力発生室33に充満する。
ノズルプレート29には、圧力発生室33から液状物Mを液滴M0として噴射するためのノズル開口27が設けられており、そのノズル開口27が開口しているノズル形成面271は平坦面とされている。弾性板31の圧力発生室33を形成する面の裏面には、この圧力発生室33に対応させて圧力発生素子39が取り付けられている。この圧力発生素子39は、圧電素子41、およびこの圧電素子11を挟持する一対の電極42a、42bを備えたたわみ振動モードの圧電素子である。その振動方向を矢印Cで示す。
また、図2(D)に示すように、圧力発生素子39としては、縦振動モードの圧電素子を用いてもよい。この縦振動モードの圧電素子(圧力発生素子39)では、伸長方向に平行に圧電材料と導電材料を交互に積層して構成されており、その先端は弾性板31に固定され、他端は基台20に固定されている。このような圧力発生素子39では、充電状態では導電層の積層方向と直角な方向に収縮し、また充電状態が解かれると、導電層と直角な方向に伸長する。
いずれの圧電素子を用いた場合も、電極間に印加される駆動信号によって変形し、圧力発生室33を膨張、収縮させる。なお、ノズル開口27の周辺部には、液滴M0の飛行曲がりやノズル開口27の穴詰まりなどを防止するために、例えばNi−テトラフルオロエチレン共析メッキ層からなる撥液状物層43が設けられる。
(電気光学装置の構成、および製造方法の概要)
電気光学装置の一例として、有機EL装置の構成およびその製造工程を説明する。図3は、電気光学物質として電荷注入型の有機材料層を用いたEL素子を備えた有機EL装置の電気的構成を示すブロック図である。図4は、有機EL装置の製造工程の手順を示す製造工程断面図であり、有機EL装置の1画素分の断面に相当する。
図3において、有機EL装置500は、有機半導体膜に駆動電流が流れることによって発光するEL素子をTFTで駆動制御する表示装置であり、このタイプの表示装置に用いられる発光素子はいずれも自己発光するため、バックライトを必要とせず、また、視野角依存性が少ないなどの利点がある。ここに示す電気光学装置500では、複数の走査線563と、この走査線563の延設方向に対して交差する方向に延設された複数のデータ線564と、これらのデータ線564に並列する複数の共通給電線505と、データ線564と走査線563との交差点に対応する画素515とが構成され、画素515は、画像表示領域にマトリクス状に配置されている。データ線564に対しては、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン、アナログスイッチを備えるデータ線駆動回路551が構成されている。走査線563に対しては、シフトレジスタおよびレベルシフタを備える走査線駆動回路554が構成されている。また、画素515の各々には、走査線563を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング薄膜トランジスタ509と、このスイッチング薄膜トランジスタ509を介してデータ線564から供給される画像信号を保持する保持容量533と、この保持容量533によって保持された画像信号がゲート電極に供給されるカレント薄膜トランジスタ510と、カレント薄膜トランジスタ510を介して共通給電線505に電気的に接続したときに共通給電線505から駆動電流が流れ込む発光素子513とが構成されている。発光素子513は、陽極としての画素電極の上層側に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などが積層され、さらに、リチウム含有アルミニウム、カルシウムなどの金属膜からなる陰極が積層された構成になっており、陰極は、データ線564などを跨いで複数の画素515にわたって形成されている。ここで、有機EL装置500でカラー表示を行う場合には、各画素515を赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に対応させることになる。
このような構成の有機EL装置500を製造するには、基板を用意する。ここで、有機EL装置500では、後述する発光層による発光光を基板側から取り出すことも可能であり、また基板と反対側から取り出す構成とすることも可能である。発光光を基板側から取り出す構成とする場合、基板材料としてはガラスや石英、樹脂等の透明ないし半透明なものが用いられるが、特にガラスが好適に用いられる。また、基板に色フィルター膜や蛍光性物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜を配置して、発光色を制御するようにしてもよい。なお、基板と反対側から発光光を取り出す構成の場合、基板は不透明であってもよく、その場合、アルミナ等のセラミックス、ステンレス等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したもの、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。
本例では、図4(A)に示すように、基板としてガラスからなる透明基板502(図1に示す基板12に相当する)を用意し、透明基板502に対して、必要に応じてTEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料としてプラズマCVD法により厚さ約200〜500nmのシリコン酸化膜からなる下地保護膜(図示せず)を形成する。
次に、透明基板502の温度を約350℃に設定して、下地保護膜の表面にプラズマCVD法により厚さ約30〜70nmのアモルファスシリコン膜からなる半導体膜520aを形成する。次に、半導体膜520に対してレーザアニールまたは固相成長法などの結晶化工程を行い、半導体膜520aをポリシリコン膜に結晶化する。レーザアニール法では、例えばエキシマレーザでビームの長寸が400mmのラインビームを用い、その出力強度は、例えば200mJ/cm2とする。ラインビームについては、その短寸方向におけるレーザ強度のピーク値の90%に相当する部分が各領域毎に重なるようにラインビームを走査する。
次に、図4(B)に示すように、半導体膜(ポリシリコン膜)520aをパターニングして島状の半導体膜520bとし、その表面に対して、TEOSや酸素ガスなどを原料としてプラズマCVD法により厚さ約60〜150nmのシリコン酸化膜または窒化膜からなるゲート絶縁膜521aを形成する。なお、半導体膜520bは、図3に示したカレント薄膜トランジスタ510のチャネル領域及びソース・ドレイン領域となるものであるが、異なる断面位置においてはスイッチング薄膜トランジスタ509のチャネル領域及びソース・ドレイン領域となる半導体膜も形成されている。つまり、有機EL装置500では、二種類のトランジスタ509、510が同時、あるいは異なる層間に形成されるが、同じ手順で作られるため、以下の説明ではトランジスタに関しては、カレント薄膜トランジスタ510についてのみ説明し、スイッチング薄膜トランジスタ509についてはその説明を省略する。
次に、図4(C)に示すように、アルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステンなどの金属膜からなる導電膜をスパッタ法により形成した後、これをパターニングし、ゲート電極510gを形成する。次に、この状態で高濃度のリンイオンを打ち込み、半導体膜520bに、ゲート電極510gに対して自己整合的にソース・ドレイン領域510a、510bを形成する。なお、不純物が導入されなかった部分がチャネル領域510cとなる。
次に、図4(D)に示すように、層間絶縁膜522を形成した後、コンタクトホール523、524を形成し、これらコンタクトホール523、524内に中継電極526、527を埋め込む。次に、層間絶縁膜522上に信号線、共通給電線及び走査線(図示せず)を形成する。ここで、中継電極527と各配線とは、同一工程で形成してもよく、その場合、中継電極526は、後述するITO膜で形成されることになる。
次に、図4(E)に示すように、各配線の上面を覆うように層間絶縁膜530を形成した後、層間絶縁膜530に対して中継電極526に対応する位置にコンタクトホール532を形成する。
次に、画素電極形成工程において、コンタクトホール532を埋めるようにITO膜を形成し、さらにそのITO膜をパターニングして、信号線、共通給電線及び走査線に囲まれた所定位置に、ソース・ドレイン領域510aに電気的に接続する画素電極511を形成する。ここで、信号線及び共通給電線、さらには走査線に挟まれた部分が、後述する正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などの形成場所となる。
次に、図4(F)に示す隔壁形成工程において、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層の形成場所を囲むように隔壁505を形成する。この隔壁505は、仕切り部材として機能するものであり、例えば、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の絶縁性有機材料、あるいはポリシラザン等の絶縁性無機材料で形成する。隔壁505の膜厚については、例えば1〜2μmの高さとなるように形成する。また、隔壁505は、上述した液滴吐出ヘッド22から吐出される液状物に対して撥液性を示すものが好ましい。
隔壁505に撥液性を発現させるためには、例えば隔壁505の表面をフッ素系化合物などで表面処理するといった方法が採用される。フッ素化合物としては、例えばCF4、SF5、CHF3などがあり、表面処理としては、例えばプラズマ処理、UV照射処理などが挙げられる。このようにして、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層の形成場所、すなわち、これらの形成材料の塗布位置とその周囲の隔壁505との間には、十分な高さの段差535が形成される。
次に、図4(G)に示す第1の液滴吐出工程においては、透明基板502の上面を上に向けた状態で、正孔注入層形成材料540aを、上述した液滴吐出装置10の液滴吐出ヘッド22より、前記隔壁505に囲まれた塗布位置、すなわち隔壁505内に選択的に塗布する。その際、正孔注入層形成材料540aは、流動性が高いため水平方向に広がろうとするが、塗布された位置を囲んで隔壁505が形成されているので、正孔注入層形成材料540aは隔壁505を越えてその外側に広がることがない。ここで、正孔注入層形成材料540aとしては、例えば、ポリオレフィン誘導体である3,4−ポリエチレンジオシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)を正孔注入材料として用い、これを有機溶剤を主溶媒として分散させてなる分散液が好適に用いられる。但し、正孔注入材料としては、前記のものに限定されることなく、ポリマー前駆体がポリテトラヒドロチオフェニルフェニレンであるポリフェニレンビニレン、1,1−ビス−(4−N、N−ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサン、トリス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウム等を用いることもできる。
このようにして正孔注入層形成材料540aを液滴吐出ヘッド34から吐出して所定位置に配置した後、液状の正孔注入層形成材料540aに対して乾燥処理を行い、正孔注入層形成材料540a中の分散媒を蒸発させる。その結果、図4(H)に示すように、画素電極511上に固形の正孔注入層513a(画素構成要素)が形成される。
次に、図4(I)に示す第2の液滴吐出工程においては、透明基板502の上面を上に向けた状態で、上述した液滴吐出装置10の液滴吐出ヘッド22より液状物として発光層形成材料540bを、前記隔壁505内の正孔注入層513a上に選択的に塗布する。発光材料としては、例えば分子量が1000以上の高分子材料が用いられる。具体的には、ポリフルオレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、またはこれらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、例えばルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等をドープしたものが用いられる。なお、このような高分子材料としては、二重結合のπ電子がポリマー鎖上で非極在化しているπ共役系高分子材料が、導電性高分子でもあることから発光性能に優れるため、好適に用いられる。特に、その分子内にフルオレン骨格を有する化合物、すなわちポリフルオレン系化合物がより好適に用いられる。また、このような材料以外にも、例えば特開平11−40358号公報に示される有機EL素子用組成物、すなわち共役系高分子有機化合物の前駆体と、発光特性を変化させるための少なくとも1種の蛍光色素とを含んでなる有機EL素子用組成物も、発光層形成材料として使用可能である。このような発光材料を溶解あるいは分散する有機溶媒としては、非極性溶媒が好適とされ、特に発光層が正孔注入層513aの上に形成されることから、この正孔注入層513aに対して不溶なものが用いられる。具体的には、キシレン、シクロへキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等が好適に用いられる。なお、発光層形成材料540bの吐出による発光層の形成は、例えば、赤色の発色光を発光する発光層の形成材料、緑色の発色光を発光する発光層の形成材料、青色の発色光を発光する発光層の形成材料を、それぞれ対応する画素に吐出し塗布することによって行う。また、各色に対応する画素は、これらが規則的な配置となるように予め決められている。
このようにして各色の発光層形成材料540bを吐出した後、液状の発光層形成材料540bに対して乾燥処理を行い、発光層形成材料540b中の分散媒を蒸発させる。その結果、図4(J)に示すように、正孔注入層513a上に固形の発光層513b(画素構成要素)が形成される。これにより、正孔注入層513aと発光層513bとからなる発光素子513を得る。
なお、形成材料540bの乾燥処理については、形成材料540bのガラス転移点未満の温度、例えば100°未満の温度で加熱することにより、乾燥するのが好ましい。このような温度で乾燥することにより、形成材料540b中の溶剤の蒸発速度を比較的低く抑えることができるとともに、形成材料540bの液状化による流動も抑えることができ、その結果、得られる発光層513bについても十分に平坦化することができる。また、発光層形成の際の乾燥処理によって生じる熱的ダメージが、発光層513bだけでなく正孔注入層513aに対しても小さくなり、初期輝度の低下などによる表示性能の低下が抑制される。ここで、正孔注入層513aと発光層513bの他、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層を形成する場合には、同様な方法で形成することができるので、それらの説明を省略する。
次に、図4(K)に示すように透明基板502の表面全体に、あるいはストライプ状に、LiF/Al(LiFとAlとの積層膜)やMgAg、あるいはLiF/Ca/Al(LiFとCaとAlとの積層膜)を蒸着法等によって成膜し、対向電極512を形成する。その後、封止を行った後、さらに配線等の各種要素を形成することにより、有機EL素子を備えた有機EL装置500(電気光学装置)を製造する。
(サブ画素の構成および製造方法の詳細)
図5は、本発明を適用した有機EL装置における各画素の面積を示す平面図である。図6(A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した有機EL装置における画素電極形成工程を示す斜視図および平面図である。図7(A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した有機EL装置における隔壁形成工程(分割工程)を示す斜視図および平面図である。図8(A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した有機EL装置における第1の液滴吐出工程を示す斜視図および平面図である。図9(A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した有機EL装置における第2の液滴吐出工程を示す斜視図および平面図である。なお、以下の説明では、各色(緑色(G)、赤色(R)、青色(B))のうち、赤色(R)および青色(B)の画素を面積が狭い第1の画素とし、緑色(G)の画素を面積が広い第2の画素として説明する。
本形態では、図5に示すように、有機EL装置500として、緑色(G)の画素515(G)の面積が、赤色(R)の画素515(R)や青色(B)の画素515(B)の面積よりも2倍大きい。従って、緑色(G)の画素515(G)については発光強度を低下させても十分な光量を得ることができるので、緑色(G)の有機EL素子の寿命が短い場合でも、他の色(赤色(R)、青色(B))の有機EL素子と同程度まで寿命を延ばすことができる。
ここで、緑色(G)の画素515(G)は、隔壁505によって2つのサブ画素515a(G)、515b(G)に2等分割されており、緑色(G)の画素515(G)のサブ画素1つ分の面積と、赤色(R)および青色(B)の画素515(R)、(B)の面積とが等しい。また、サブ画素515a(G)、515b(G)は、赤色(R)および青色(B)の画素515(R)、(B)と形状も同一である。
このような構成の有機EL装置500を製造するにあたって、図4(E)に示す画素電極形成工程では、図6(A)、(B)に示すように、画素515(R)、(G)、(B)の略全体に、平面形状が長方形の画素電極511をマトリクス状に形成する。ここで、画素515(G)の画素電極511の面積は、赤色(R)および青色(B)の画素515(R)、(B)の画素電極511の面積の約2倍である。
そして、図4(G)に示す第1の液滴吐出工程、および図4(H)に示す第2の液滴吐出工程を行う前の隔壁形成工程(図4(F)参照)は、分割工程として、図7(A)、(B)に示すように、画素515を囲むように隔壁505を形成するとともに、緑色(G)の画素515内にも隔壁505を形成し、1つの画素515(G)を2つのサブ画素515a(G)、515b(G)に2等分割する。
このようにして隔壁505を形成した後、図4(G)に示す第1の液滴吐出工程では、正孔注入層形成材料540aを、上述した液滴吐出装置10の液滴吐出ヘッド22より、図7(B)に液滴M0を一点鎖線の円で示すように、隔壁505に囲まれた赤色(R)および青色(B)の画素515(R)、(B)に吐出する。また、隔壁505に囲まれた緑色(G)のサブ画素515a(G)、515b(G)内にも液滴M0を吐出する。その結果、正孔注入層形成材料540aは、図8(A)、(B)に示すように、赤色(R)および青色(B)の画素515(R)、(B)の隅々まで広がるとともに、緑色(G)のサブ画素515a(G)、515b(G)の隅々まで広がる。従って、乾燥処理によって、形成材料540a中の分散媒を蒸発させると、画素515(R)、(B)、および緑色(G)のサブ画素515a(G)、515b(G)内には、画素電極511上に正孔注入層513a(画素構成要素)を一定の厚さで形成することができ、緑色(G)の画素515(G)では、正孔注入層513aが2分割されている。
次に、図4(H)に示す第2の液滴吐出工程では、発光層形成材料540bを、上述した液滴吐出装置10の液滴吐出ヘッド22より、図7(B)に液滴M0を一点鎖線の円で示すように、隔壁505に囲まれた赤色(R)および青色(B)の画素515(R)、(B)に吐出する。また、隔壁505に囲まれた緑色(G)のサブ画素515a(G)、515b(G)内にも液滴M0を吐出する。その結果、発光層形成材料540bは、図9(A)、(B)に示すように、赤色(R)および青色(B)の画素515(R)、(B)の隅々まで広がるとともに、緑色(G)のサブ画素515a(G)、515b(G)の隅々まで広がる。従って、乾燥処理によって、形成材料540b中の分散媒を蒸発させると、画素515(R)、(B)、および緑色(G)のサブ画素515a(G)、515b(G)内には、正孔注入層513aの上に発光層513b(画素構成要素)を一定の厚さで形成することができ、緑色(G)の画素515(G)では、発光層513bが2分割されている。
なお、正孔注入層513aや発光層513bの他、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層を形成する場合には、同様な方法で形成することができるので、それらの説明を省略する。
しかる後には、図4(K)を参照して説明したように、透明基板502の表面全体に、あるいはストライプ状に、LiF/Al(LiFとAlとの積層膜)やMgAg、あるいはLiF/Ca/Al(LiFとCaとAlとの積層膜)を蒸着法等によって成膜し、対向電極512を形成する。その後、封止を行った後、さらに配線等の各種要素を形成することにより、有機EL素子を備えた有機EL装置500(電気光学装置)を製造する。
従って、本形態の有機EL装置500では、緑色(G)の画素515(G)には、カレント薄膜トランジスタ510、スイッチング薄膜トランジスタ509、画素電極511および対向電極512などを共用する2つのサブ画素515a(G)、515b(G)が形成され、いずれのサブ画素515a(G)、515b(G)cにも、正孔注入層513aおよび発光層513bを備えた発光素子513が形成される。
(本形態の主な効果)
このように本形態の有機EL装置500では、緑色(G)の画素515(G)の面積が、赤色(R)の画素515(R)や青色(B)の画素515(B)の面積よりも2倍大きいが、緑色(G)の画素515(G)は、隔壁505によって2つのサブ画素515a(G)、515b(G)に分割されており、緑色(G)の画素515(G)のサブ画素515a(G)、515b(G)の面積と、赤色(R)および青色(B)の画素515(R)、(B)の面積とが等しい。また、緑色(G)の画素515(G)のサブ画素515a(G)、515b(G)の形状と、赤色(R)および青色(B)の画素515(R)、(B)の形状は同一である。従って、インクジェット法を用いて各画素に画素構成要素(正孔注入層513aおよび発光層513b)を形成する領域毎の面積は、面積の広い画素515(G)と、面積の狭い画素515(R)、(B)とで差がないので、面積の広い画素515(G)と、面積の狭い画素515(R)、(B)とで同様の状態で画素構成要素(正孔注入層513aおよび発光層513b)を形成することができ、このような形成状態のばらつきに起因する発光特性の低下を回避できる。
また、本形態によれば、隔壁形成工程での隔壁505の形成パターンを変えるだけであり、かつ、吐出ヘッド22は元々、任意の位置に液滴M0を吐出できるので、緑色(G)画素515(G)を2つのサブ画素515a(G)、515b(G)に分割した場合でも、製造工程数が増えることがない。
[実施の形態2]
上記形態では、緑色(G)の画素515(G)の面積が、赤色(R)の画素515(R)や青色(B)の画素515(B)の面積よりも2倍大きい例であったが、図10に示すように、緑色(G)の画素515(G)の面積が赤色(R)の画素515(G)の面積の3倍で、青色(B)の画素515(B)の面積が赤色(R)の画素515(G)の面積の2倍である場合に本発明を適用してもよい。すなわち、緑色(G)と青色(B)とを対比した場合、青色(B)の画素515(B)は、面積が狭い第1の画素に相当し、緑色(G)の画素515(G)は、面積が広い第2の画素に相当する。なお、赤色(R)と青色(B)とを対比した場合、赤色(R)の画素515(R)は、面積が狭い第1の画素に相当し、青色(B)の画素515(B)は、面積が広い第2の画素に相当するとみなすことができ、かつ、赤色(R)と緑色(G)とを対比した場合、赤色(R)の画素515(R)は、面積が狭い第1の画素に相当し、緑色(G)の画素515(G)は、面積が広い第2の画素に相当するとみなすこともできる。
このように構成した有機EL装置において、本形態では、緑色(G)の画素515(G)は、隔壁505によって3つのサブ画素515a(G)、515b(G)、515c(G)に3等分割されており、青色(B)の画素515(B)は、隔壁505によって2つのサブ画素515a(B)、515b(B)に2等分割されている。
このため、緑色(G)の画素515(G)におけるサブ画素1分の面積と、青色(B)の画素515(B)におけるサブ画素1つ分の面積と等しく、かつ、双方のサブ画素は同一形状を有している。
また、緑色(G)の画素515(G)におけるサブ画素1つ分の面積、および青色(B)の画素515(B)におけるサブ画素1つ分の面積はいずれも、赤色(R)の画素515(R)の面積と等しく、かつ、緑色(G)の画素515(G)におけるサブ画素の形状、および青色(B)の画素515(B)におけるサブ画素の形状は、赤色(R)の画素515(R)の形状と同一である。
このような構成の有機EL装置の製造方法は、図5〜図9を参照して説明した例と同様であるため、説明を省略するが、液滴吐出工程を行う前に、図4(F)に示す隔壁形成工程(分割工程)において、緑色(G)の画素515(G)、および青色(B)の画素515(B)を複数のサブ画素に分割するとともに、緑色(G)の画素515(G)については、青色(B)の画素515(B)よりもサブ画素への分割数を大きく設定する。
このため、インクジェット法を用いて各画素に画素構成要素(正孔注入層513aおよび発光層513b)を形成する領域毎の面積や形状は、各画素515(R)、(G)、(B)で差がないので、いずれの画素515(R)、(G)、(B)にも同様の状態で画素構成要素(正孔注入層513aおよび発光層513b)を形成することができ、このような形成状態のばらつきに起因する発光特性の低下を回避できる。
[その他の実施の形態]
なお、上記形態では、多数の画素は各々、長方形の平面形状を有していたが、長丸あるいは楕円形の平面形状を有している場合に本発明を適用してもよい。また、上記形態は、本発明を有機EL装置に適用した例であったが、無機EL表示装置に本発明を適用してもよい。さらに、カラー液晶装置に本発明を適用してもよい。このような液晶装置については、図示を省略するが、液晶を保持する一対の基板のうちの一方にカラーフィルタ(画素構成要素)がマトリクス状に形成される。従って、カラーフィルタを形成する際、上述した液滴吐出装置10の液滴吐出ヘッド22より、所定色の顔料や染料が配合されたカラーフィルタ形成材料を液滴として吐出すればよい。その際、液晶装置でも画素は長方形に形成される場合が多いので、このような画素についても、隔壁によって複数のサブ画素に分割すればよい。
また、上記形態では、画素を複数のサブ画素に分割するにあたって、隔壁を利用したが、例えば、1つの画素内を線状の撥液領域で複数のサブ画素に分割してもよい。このように構成すると、複数のサブ画素の中心位置に液滴を吐出した際、液滴は、撥液領域を乗り越えて隣接するサブ画素に広がることがない。従って、各サブ画素に着弾した液滴は、対応するサブ画素内のみで流動して広がるので、隔壁と同様な作用を発揮する。
さらに、上記形態では、同じ画素に属するサブ画素は、同一の条件で駆動すればよいので、1つの画素に対して1つの画素電極を形成してサブ画素間で画素電極を共用したが、サブ画素毎に画素電極が形成された構成を採用してもよい。この場合、1つの画素に属するサブ画素は、同一の条件で駆動すればよいので、1つの画素に属する複数の画素電極に共通の画素スイチング素子を設けてもよいし、画素電極毎に画素スイッチング素子を設けてもよい。
また、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能であり、実施形態で挙げた具体的な材料や構成などは一例に過ぎず、適宜変更が可能である。従って、EL表示装置や液晶装置の他、プラズマディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、電子放出素子を用いた装置(Field Emission Display及びSurface‐Conduction Electron‐Emitter Display等)などの各種電気光学装置に本発明を適用してもよい。また、本発明を適用した電気光学装置については、携帯電話機、パーソナルコンピュータやPDAなど、様々な電子機器において表示装置として用いることができる。
本発明で用いた液滴吐出装置の全体構成を示す斜視図である。 (A)、(B)、(C)、(D)はそれぞれ、図1に示す液滴吐出装置に用いた液滴吐出ヘッドの構成を示す説明図、液滴吐出ヘッドの内部構造を模式的に示す説明図、撓み振動モードの圧力発生素子の説明図、および縦振動モードの圧力発生素子の説明図である。 有機EL装置の電気的構成を示すブロック図である。 有機EL装置の製造工程の手順を示す断面図である。 本発明を適用した有機EL装置における各画素の面積を示す平面図である。 (A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した有機EL装置における画素電極形成工程を示す斜視図および平面図である。 (A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した有機EL装置における隔壁形成工程(分割工程)を示す斜視図および平面図である。 (A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した有機EL装置における第1の液滴吐出工程を示す斜視図および平面図である。 (A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した有機EL装置における第2の液滴吐出工程を示す斜視図および平面図である。 本発明の変形例に係る有機EL装置において画素を複数のサブ画素に分割した状態を示す平面図である。 従来の有機EL装置の画素構成を示す斜視図および平面図である。
符号の説明
10 液滴吐出装置、22 液滴吐出ヘッド、27 ノズル開口、500 有機EL装置、505 隔壁、511 画素電極、513a 正孔注入層、513b 発光層、513 発光素子、515 画素、515a、515b、515c サブ画素

Claims (13)

  1. 複数の画素構成要素により構成された画素が複数配置された電気光学装置において、
    前記複数の画素には、所定の面積をもつ第1の画素と、該第1の画素より面積の広い第2の画素とが含まれ、
    前記第2の画素は、複数のサブ画素に分割されていることを特徴とする電気光学装置。
  2. 請求項1において、前記第2の画素における前記サブ画素1つ分の面積と、前記第1の画素の面積が等しいことを特徴とする電気光学装置。
  3. 請求項2において、前記第2の画素における前記サブ画素の形状と、前記第1の画素の形状が同一であることを特徴とする電気光学装置。
  4. 複数の画素構成要素により構成された画素が複数配置された電気光学装置において、
    前記複数の画素には、所定の面積をもつ第1の画素と、該第1の画素より面積の広い第2の画素とが含まれ、
    前記第1の画素および前記第2の画素は各々、複数のサブ画素に分割され、かつ、前記第2の画素における前記サブ画素への分割数は、前記第1の画素における前記サブ画素への分割数よりも大きいことを特徴とする電気光学装置。
  5. 請求項4において、前記第1の画素における前記サブ画素1つ分の面積と、前記第2の画素における前記サブ画素1つ分の面積が等しいことを特徴とする電気光学装置。
  6. 請求項5において、前記第1の画素における前記サブ画素の形状と、前記第2の画素における前記サブ画素の形状が同一であることを特徴とする電気光学装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかにおいて、前記第1の画素および前記第2の画素は各々、周りが隔壁によって囲まれ、かつ、前記隔壁よって前記サブ画素の周りも囲まれていることを特徴とする電気光学装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかにおいて、
    前記複数の画素構成要素には、エレクトロルミネッセンス素子の正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層および発光層のうちの少なくとも一つが含まれ、
    前記サブ画素は、当該画素構成要素のうちの少なくとも一つの層が画素内で分割されてなることを特徴とする電気光学装置。
  9. 請求項1ないし7のいずれかにおいて、
    前記複数の画素構成要素には、少なくともカラーフィルタが含まれ、
    前記サブ画素は、前記カラーフィルタが画素内で分割されてなることを特徴とする電気光学装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれかにおいて、前記第1の画素と前記第2の画素とは、異なる色に対応する画素であることを特徴とする電気光学装置。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに規定する電気光学装置を備えていることを特徴とする電子機器。
  12. 吐出ヘッドのノズル開口から液滴を吐出して複数の画素の各々に少なくとも1つの画素構成要素を形成する液滴吐出工程を有する電気光学装置の製造方法において、
    前記複数の画素には、所定の面積をもつ第1の画素と、該第1の画素より面積の広い第2の画素とが含まれ、
    前記液滴吐出工程を行う前に、前記第2の画素を複数のサブ画素に分割する分割工程を有し、
    前記液滴吐出工程では、前記第1の画素および前記複数のサブ画素の各々に対して前記ノズル開口から液滴を吐出することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  13. 吐出ヘッドのノズル開口から液滴を吐出して複数の画素の各々に少なくとも1つの画素構成要素を形成する液滴吐出工程を有する電気光学装置の製造方法において、
    前記複数の画素には、所定の面積をもつ第1の画素と、該第1の画素より面積の広い第2の画素とが含まれ、
    前記液滴吐出工程を行う前に、前記第1の画素および前記第2の画素を複数のサブ画素に分割するとともに、前記第2の画素については、前記第1の画素よりも前記サブ画素への分割数を大きく設定する分割工程と、
    前記液滴吐出工程では、前記複数のサブ画素の各々に対して前記ノズル開口から液滴を吐出することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
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