JP4626196B2 - 液滴吐出装置、および電気光学装置の製造方法 - Google Patents

液滴吐出装置、および電気光学装置の製造方法 Download PDF

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本発明は、溶剤系の液状物をノズルから液滴として吐出する液状物吐出装置、およびこの液状物吐出装置を用いた電気光学装置の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、ノズルの目詰まり防止技術に関するものである。
インクジェットプリンタなどの液滴吐出装置においては、液滴吐出ヘッドのノズル形成面で開口する複数のノズルの各々からインクなどの液滴を吐出して、各種媒体上に定着させる。このような液滴吐出装置では、装置を稼動しない間、あるいは装置の稼動中であっても媒体などの段取り中など、ノズルからの液滴の吐出が長時間、休止することがある。このように休止期間において、ノズル内のインクから溶媒が蒸発すると、インクが固まり、ノズルが詰まってしまうことがある。
そこで、本願出願人は、液滴吐出ヘッドが休止状態にあるときにノズル形成面との間に密閉空間を形成するようにノズルの周りを乾燥防止用キャップ部材で覆い、この空間に水分を蒸気として供給することにより、ノズル内でのインクの固化を防止し、ノズルの詰まりを防止する技術を提案している(例えば、特許文献1参照)。
一方、液滴吐出装置については、いわゆるプリンタと称せられる記録装置以外の分野にも使用が検討されており、例えば、有機EL(エレクトロルミネッセンス)装置の製造工程において電気光学装置用基板に対して、液滴吐出装置から、各種機能性材料を有機溶剤に溶解あるいは分散させた液状物を液滴として吐出して、正孔注入層や発光層を形成することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−334962号公報 特開2003−159786号公報
しかしながら、特許文献2に記載の装置を用いて有機EL装置の正孔注入層や発光層を形成する際には、各種機能性材料を有機溶剤に溶解あるいは分散させた液状物を吐出するため、インクジェットプリンタなどで用いられるインクと比較して固化しやすい。それ故、通常のインクジェットプリンタと比較して、休止期間中にノズルが詰まりやすいという問題点がある。かといって、特許文献1に記載のように、休止期間中のノズルを水分で保湿すると、水に溶けない成分がノズル内で析出あるいは固化するといういう問題点がある。このような問題点は、有機EL装置を製造する場合に限らず、カラー液晶装置の製造工程において、ノズルから電気光学装置用基板に液滴を吐出してカラーフィルタを形成する場合、さらには、インクジェットプリンタで有機溶剤系のインクを用いた場合に同様に発生する問題点である。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、溶剤系の液状物を吐出するノズルに目詰まりが発生することを確実に防止可能な液滴吐出装置、およびこの液滴吐出装置を用いた電気光学装置の製造方法を提案することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る液滴吐出装置では、溶質を第1の有機溶剤に溶解あるいは分散させた液状物を液滴として吐出する複数のノズルがノズル形成面で開口する液滴吐出ヘッドと、該液滴吐出ヘッドが休止状態にあるときに前記ノズル形成面との間に密閉空間を形成するように当該ノズル形成面を覆う乾燥防止用キャップ部材と、前記溶質を溶解可能あるいは分散可能な第2の有機溶剤が貯留され、前記乾燥防止用キャップ部材が前記ノズル形成面を覆ったときに前記密閉空間に連通する溶剤貯留部とを有し、前記乾燥防止用キャップ部材は、少なくとも前記ノズル形成面と当接する部分が、耐溶剤性を備えた弾性材料から構成されていることを特徴とする。
本発明において、液滴吐出ヘッドは、液滴に吐出を休止している間、ノズル形成面がキャッブ部材で覆われ、かつ、ノズル形成面と乾燥防止用キャップ部材との間に形成された密閉空間には、有機溶剤が貯留された溶剤貯留部が連通している。このため、密閉空間には有機溶剤の蒸気が供給されるので、ノズルに付着していた液状物から主溶媒として配合されている有機溶剤が蒸発しない。それ故、液状物がノズル内で固まらないので、休止期間中にノズルが詰まることを確実に防止することができる。また、乾燥防止用キャップ部材は、ノズル形成面と当接する部分が弾性材料から構成されているため、乾燥防止用キャップ部材がノズル形成面を覆った状態でノズル形成面と乾燥防止用キャップ部材との間の空間は、確実に密閉空間となるので、第2の有機溶剤の蒸気が外部に漏れない。また、乾燥防止用キャップ部材は、ノズル形成面と当接する部分が耐溶剤性を備えているので、有機溶剤と接触しても劣化しない。それ故、乾燥防止用キャップ部材は、ノズル形成面を繰り返し覆っても損傷せず、キャッピング機構の寿命が長い。
本発明において、前記弾性材料は、フッ素系エラストマーであることが好ましい。
本発明において、前記第2の有機溶剤は、沸点が200℃以下であることが好ましい。一般に沸点が低い溶剤ほど蒸気圧が高いので、第2の有機溶剤として沸点が200℃以下のものを用いれば、溶剤貯留部からノズル形成面と乾燥防止用キャップ部材との間の密閉空間に溶剤蒸気をスムーズに供給できるので、蒸発に起因するノズルの詰まりを確実に防止することができる。
本発明において、前記ノズルから前記液滴を吐出している間、前記乾燥防止用キャップ部材を覆う蓋部材を有していることが好ましい。このように構成すると、乾燥防止用キャップ部材は、ノズル形成面を覆っていない間、蓋部材で覆われることになるので、乾燥防止用キャップ部材から溶剤蒸気が漏れることを防止できる。それ故、溶剤蒸気による作業環境の悪化や火災の発生を防止できる。
本発明において、前記液滴吐出ヘッドは、ガイド軸上に支持された状態で当該ガイド軸に沿って、前記ノズルから前記液滴を吐出する液滴吐出位置と、前記乾燥防止用キャップ部材に覆われる休止位置との間を移動可能に構成されている場合、前記蓋部材も、前記ガイド軸上に支持された状態で当該ガイド軸に沿って前記休止位置まで移動して前記乾燥防止用キャップ部材を覆うことが好ましい。
本発明において、前記乾燥防止用キャップ部材は、枠状のシール部材と、該シール部材を開口縁に備えたカップ状のキャップホルダとを備えている場合があり、この場合、前記シール部材が前記弾性材料から構成されていればよい。
本発明において、前記溶剤貯留部に貯留されている有機溶剤を加熱する溶剤加熱装置を備えていることが好ましい。このように構成すると、溶剤貯留部からノズル形成面と乾燥防止用キャップ部材との間の密閉空間に溶剤蒸気をスムーズに供給できるので、蒸発に起因するノズルの詰まりを確実に防止することができる。
本発明において、前記乾燥防止用キャップ部材と前記溶剤貯留部との間に、前記溶剤貯留部から前記乾燥防止用キャップ部材への溶剤蒸気の供給量を調整可能なバルブを備えていることが好ましい。このように構成すると、液滴吐出ヘッドのノズル形成面が乾燥防止用キャップ部材に覆われた休止状態にあるとき、ノズル形成面と乾燥防止用キャップ部材との間に形成される密閉空間への溶剤蒸気の供給量を調整することができる。また、滴吐出ヘッドが液滴吐出動作を行っている駆動状態にある間、バルブの開度を調整して溶剤蒸気の供給量を少なくする、あるいはバルブを完全に閉じれば、乾燥防止用キャップ部材から溶剤蒸気が漏れることを確実に防止できる。
本発明に係る液滴吐出装置は、例えば、電気光学装置の製造に用いられる。この場合、電気光学装置用基板上に前記液滴を吐出して、当該電気光学装置用基板上に画素構成要素を形成する。
以下に、図面を参照して、本発明を適用した液滴吐出装置、および電気光学装置の製造方法の一例を説明する。
(液滴吐出装置の全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係る液滴吐出装置の全体構成を示す斜視図である。図2は、図1に示す液滴吐出装置の要部を示す斜視図、および正面図である。なお、液滴吐出装置によってカラーの表示装置を製造する場合、通常、R、G、Bの3色の画素を形成する必要がある。従って、液滴吐出装置については、1台で各色に対応する液滴を吐出可能に構成するか、所定の色に対応するものを複数台、準備することになるが、以下の説明では、後者において複数、準備した液滴吐出装置のうちの1台を説明する。
図1および図2において、本形態の液滴吐出装置10は、各種の液状物を基板などのワーク上の所望位置に液滴として吐出するものである。液滴吐出装置10は、液状物を各種ワーク上に液滴として吐出するノズルを備える複数の液滴吐出ヘッド22と、これらの液滴吐出ヘッド22を保持する共通のキャリッジ26とを有している。また、液滴吐出装置10は、液滴吐出ヘッド22の位置を制御するヘッド位置制御装置17と、ワークとしての基板12の位置を制御する基板位置制御装置18と、液滴吐出ヘッド22を基板12に対して主走査移動させる主走査駆動手段としての主走査駆動装置19と、液滴吐出ヘッド22を基板12に対して副走査移動させる副走査駆動手段としての副走査駆動装置21と、基板12を液滴吐出装置10内の所定の作業位置へ供給する基板供給装置23と、液滴吐出装置10の全般の制御を司るコントロール装置24とを有しており、ヘッド位置制御装置17、基板位置制御装置18、主走査駆動装置19、および副走査駆動装置21によって、液滴吐出ヘッド22(キャリッジ26)と基板12とを相対移動させる移動手段が構成されている。ヘッド位置制御装置17、基板位置制御装置18、主走査駆動装置19、および副走査駆動装置21はベース9の上に設置され、それらの各装置は必要に応じてカバー14によって覆われる。
また、主走査駆動装置19によって駆動されて主走査移動する液滴吐出ヘッド22の軌跡下であって副走査駆動装置21の一方の脇位置には、詳しくは後述するキャッピング機構76およびクリーニング機構77が配置され、他方の脇位置には、液滴吐出ヘッド22内の個々のノズル27から吐出される液滴の重量を測定する電子天秤78が配置されている。
図2に示すように、ヘッド位置制御装置17は、液滴吐出ヘッド22を面内回転させるαモータ44と、液滴吐出ヘッド22を副走査方向Yと平行な軸線回りに揺動回転させるβモータ46と、液滴吐出ヘッド22を主走査方向と平行な軸線回りに揺動回転させるγモータ47と、そして液滴吐出ヘッド22を上下方向へ平行移動させるZモータ48とを備えている。基板位置制御装置18は、基板12を載せるテーブル49と、そのテーブル49を矢印θのように面内回転させるθモータ51とを備えている。主走査駆動装置19は、主走査方向Xへ延びるXガイドレール52(ガイド軸)と、パルス駆動されるリニアモータを内蔵したXスライダ53とを備えている。Xスライダ53は、内蔵するリニアモータが作動するときにXガイドレール52に沿って主走査方向へ平行移動する。副走査駆動装置21は、副走査方向Yへ延びるYガイドレール54と、パルス駆動されるリニアモータを内蔵したYスライダ56とを備えている。Yスライダ56は、内蔵するリニアモータが作動するときにYガイドレール54に沿って副走査方向Yへ平行移動する。
Xスライダ53およびYスライダ56内においてパルス駆動されるリニアモータは、該モータに供給するパルス信号によって出力軸の回転角度制御を精細に行うことができ、従って、Xスライダ53に支持された液滴吐出ヘッド22の主走査方向X上の位置やテーブル49の副走査方向Y上の位置などを高精細に制御できる。なお、液滴吐出ヘッド22やテーブル49の位置制御は、パルスモータを用いた位置制御に限られず、サーボモータを用いたフィードバック制御や、その他任意の制御方法によって実現することもできる。
再び図1において、基板供給装置23は、基板12を収容する基板収容部57と、基板12を搬送するロボット58とを備えている。ロボット58は、床、地面などといった設置面に置かれる基台59と、基台59に対して昇降移動する昇降軸61と、昇降軸61を中心として回転する第1アーム62と、第1アーム62に対して回転する第2アーム63と、第2アーム63の先端下面に設けられた吸着パッド64とを備えており、吸着パッド64は、空気吸引などによって基板12を吸着できる。
また、液滴吐出ヘッド22の近傍には、その液滴吐出ヘッド22と一体に移動する関係でヘッド用カメラ81が配置されている。さらに、ベース9上に設けた支持装置(図示せず)には基板用カメラ82が配置され、基板用カメラ82は、基板12を撮影可能である。
(液滴吐出ヘッドの構成)
図3は、液滴吐出ヘッド22の構成を示す説明図である。図4(A)、(B)はそれぞれ、液滴吐出ヘッド22の内部構造を模式的に示す説明図である。なお、液滴吐出ヘッド22は、共通のキャリッジ26に複数、保持されているが、それらは基本的に同一構成であるので、その1つを例に挙げて説明する。
図3に示すように、液滴吐出ヘッド22は、多数のノズル27を列状に並べることによって形成されたノズル列28を備えている。ノズル27の数は、例えば180個であり、ノズル27の孔径は例えば28μmであり、ノズル27間のノズルピッチは例えば141μmである。なお、液滴吐出ヘッド22の基板12に対する主走査方向Xおよびそれに直交する副走査方向Yは図示の通りである。すなわち、液滴吐出ヘッド22は、そのノズル列28が主走査方向Xと交差する方向へ延びるように位置設定され、この主走査方向Xへ平行移動する間に、液状物を複数のノズル27から選択的に吐出することにより、基板12内の所定位置に液滴を着弾させる。また、液滴吐出ヘッド22は副走査方向Yへ所定距離だけ平行移動することにより、液滴吐出ヘッド22による主走査位置を所定の間隔でずらせることができる。
図4(A)、(B)に示すように、液滴吐出ヘッド22は、例えば、ステンレス製のノズルプレート29と、それに対向する振動板31と、それらを互いに接合する複数の仕切部材32とを有している。ノズルプレート29と振動板31との間には、仕切部材32によって複数の圧力発生室33と、液溜り34とが形成されている。複数の圧力発生室33と液溜り34とは通路38を介して互いに連通している。振動板31の適所には液状物供給孔36が形成され、この液状物供給孔36に液状物供給装置37が接続される。この液状物供給装置37は吐出されることとなる液状物Mを液状物供給孔36へ供給する。供給された液状物Mは液溜り34に充満し、さらに通路38を通って圧力発生室33に充満する。
ノズルプレート29には、圧力発生室33から液状物Mをジェット状(液滴M0)に噴射するためのノズル27が設けられており、そのノズル27が開口しているノズル形成面271は平坦面とされている。振動板31の圧力発生室33を形成する面の裏面には、この圧力発生室33に対応させて圧力発生素子39が取り付けられている。この圧力発生素子39は、図5(B)に示すように、圧電素子41ならびにこれを挟持する一対の電極42aおよび42bを備えている。圧電素子41は電極42aおよび42bへの通電によって矢印Cで示す外側へ突出するように撓み変形し、これにより圧力発生室33の容積が増大する。すると、増大した容積分に相当する液状物Mが液溜り34から通路38を通って圧力発生室33へ流入する。
次に、圧電素子41への通電を解除すると、この圧電素子41と振動板31とは共に元の形状へ戻る。これにより、圧力発生室33も元の容積に戻るため、圧力発生室33の内部にある液状物Mの圧力が上昇し、ノズル27から基板12へ向けて液状物Mが液滴M0となって噴出する。なお、ノズル27の周辺部には、液滴M0の飛行曲がりやノズル27の孔詰まりなどを防止するために、例えばNi−テトラフルオロエチレン共析メッキ層からなる撥液状物層43が設けられる。
(ノズル詰まりを防止するための構成)
図5(A)、(B)は、図1に示す液滴吐出装置において、ノズルの詰まりを防止するための機構の説明図である。
本形態の液滴吐出装置10を用いて、電気光学素子としての有機EL素子などを基板12上に形成する場合、液滴吐出ヘッド22に対して、液状物供給装置37から供給される液状物Mは、正孔注入層形成用液状物や発光層形成用液状物などであり、これらの液状物Mには、有機溶剤(第1の有機溶剤)が主溶媒として配合されている。このため、液滴吐出ヘッド22が休止状態にあるときに、液滴吐出ヘッド22のノズル27からは有機溶剤が揮発し、その結果、液状物Mが高濃度になって固化し、ノズル27が詰まってしまうおそれがある。そこで、本形態では、図1、図2、および図5(A)に示すように、主走査駆動装置19によって駆動されて主走査移動する液滴吐出ヘッド22の軌跡下に設定された休止位置にキャッピング機構76およびクリーニング機構77が構成されている。
クリーニング機構77は、ベース9上に設置されたボックス状のケース79の上面に配置されたクリーニング用キャップ部材771を備えている。このクリーニング用キャップ部材は、矩形のキャップホルダ772と、このキャップホルダ772の縁辺に沿って取り付けられた矩形枠状のシール部材773とを備えており、キャップホルダ772は、中心で開口している流出口80が吸引ポンプ83を介して廃液回収ボックス84に繋がっている。本形態において、キャップホルダ772はステンレス製であり、シール部材773はフッ素系エラストマー製である。
このように構成したクリーニング機構77において、液滴吐出ヘッド22のクリーニングを行う場合には、まず、主走査駆動装置19によって液滴吐出ヘッド22を主走査移動させて、液滴吐出ヘッド22をクリーニング用キャップ部材771の真上に位置させる。そして、Zモータ48により液滴吐出ヘッド22を下降させて、液滴吐出ヘッド22のノズル形成面271がクリーニング用キャップ部材771で覆われた状態とする。この状態において、液滴吐出ヘッド22のノズル形成面271とクリーニング用キャップ部材771のシール部材773が密着してシール性が確保されるので、吸引ポンプ83を駆動すると、液滴吐出ヘッド22のノズル27から廃液を廃液回収ボックス84に回収できる。ここで、廃液回収ボックス84内には、フォームやフェルトなどの多孔質素材からなる廃液吸収体85が充填されており、廃液が、廃液回収口から廃液回収ボックス84内の廃液吸収体85に吸収され、その中に回収保持される。
図1、図2および図5(A)に示すように、キャッピング機構76は、ボックス状ケース79の上面のうち、クリーニング用ノズルキャップ77よりも主走査方向Xに外れた位置に乾燥防止用キャップ部材761を備えている。また、キャッピング機構76は、ケース79の内部に、有機溶剤(第2の有機溶剤)が貯留されている溶剤タンク88(溶剤貯留部)が配置され、この溶剤タンク88と乾燥防止用キャップ部材761とは、配管部材90で接続されている。また、本形態のキャッピング機構76では、溶剤タンク88の外周側に赤外線ランプユニットなどの溶剤加熱装置89が配置されている。
乾燥防止用キャップ部材761は、クリーニング用キャップ部材77と略同形であり、中心に溶剤蒸気供給口91が開口している矩形カップ状のキャップホルダ762と、このキャップホルダ762の開口縁に沿って取り付けられた矩形枠状のシール部材763とを備えている。溶剤蒸気供給口91は、キャップホルダ762に差し込まれた配管部材90に連通しており、溶剤蒸気供給口91からは溶剤タンク88に貯留された有機溶剤M′の蒸気が供給される。
溶剤タンク88に貯留されている有機溶剤M′は、液滴吐出ヘッド22から液滴M0として吐出される液状物Mの溶質に対する溶解性あるいは分散性を備えた溶剤である。例えば、液状物Mが正孔注入層形成用液状物の場合、当該液状物Mには、ポリオレフィン誘導体であるポリエチレンジオシチオフェン(PEDOT)およびポリスチレンスルフォン酸(PSS)の混合物(溶質)と、その溶媒としての有機溶剤が含まれているので、溶剤タンク88に貯留される有機溶剤M′は、その溶媒と同一成分、あるいはポリエチレンジオシチオフェン(PEDOT)およびポリスチレンスルフォン酸(PSS)の双方に対する溶解性あるいは分散性を備えた溶剤を用いることが望ましい。また、液状物Mが発光層形成用液状物の場合、当該液状物Mには、赤色、緑色あるいは青色の発光材料と、その溶媒としての有機溶媒とが含まれているので、溶剤タンク88に貯留される有機溶剤M′は、その有機溶媒と同一成分、あるいは前記発光材料に対する溶解性あるいは分散性を備えた有機溶剤を用いることが望ましい。
また、溶剤タンク88に貯留されている有機溶剤M′は、必要に応じて溶剤加熱装置89によって加熱され、乾燥防止用キャップ部材761に対して、有機溶剤M′の蒸気が供給される。このため、有機溶剤M′は、その融点が200℃以下の芳香族系低沸点溶剤であることが望ましい。具体的には、有機溶剤M′は、トルエン、キシレン、およびトリメチルベンゼンなどである。
この場合、乾燥防止用キャップ部材761は、有機溶剤M′の蒸気に晒されることになるので、耐有機溶剤性の材料から形成され、例えば、キャップホルダ762がステンレス製であり、シール部材763は、耐溶剤性を備えた弾性材料としてのフッ素系エラストマー製である。
このように構成したキャッピング機構76では、乾燥防止用キャップ部材761に液滴吐出ヘッド22のノズル形成面271が覆われた状態にすると、乾燥防止用キャップ部材761と液滴吐出ヘッド22との間に密閉空間が形成されるとともに、この密閉空間には、溶剤タンク88に貯留されている有機溶剤M′の溶剤蒸気が供給される。従って、ノズル27内の液状物Mからは溶媒が揮発し難くなるので、ノズル27の孔詰まりを防止できる。
ここで、本発明者が行った実験によると、液滴吐出ヘッド22から吐出する液状物Mとして、緑色の発光ポリマーと、その溶媒としてのシクロヘキシルベンゼンとを配合した液状物Mを用い、溶剤タンク88に貯留する有機溶剤M′としてキシレンを用い、液滴吐出ヘッド22を3日間、放置したところ、本形態の液滴吐出装置10では、各ノズル27から500発の液滴M0の捨て打ち吐出動作を行っただけで、各ノズル27が完全に復帰できた。これに対して、従来の液滴吐出装置では、各ノズルから500発の液滴の捨て打ち吐出動作を行っても復帰できず、その後、クリーニング機構により、各ノズルから液状物を強制吸引するクリーニング動作を4回、行うことによりようやく復帰することができた。
また、上記と同じ条件の下で液滴吐出ヘッド22を3ヶ月間、放置した場合には、本形態の液滴吐出装置10では、クリーニング機構77によるクリーニング動作を3回、行うことにより完全に復帰することができたが、従来の液滴吐出装置では、クリーニング機構によるクリーニング動作を10回、行っても復帰することができず、液滴吐出ヘッドを新たなものに交換する必要があった。
さらに本形態では、図1、図2および図5(A)に示すように、液滴吐出装置10は、滴吐出ヘッド22が基板12に対する液滴吐出動作を行っている駆動状態にある間、乾燥防止用キャップ部材761を塞いで有機溶剤M′の外部への流出を防止する蓋部材93を有している。ここで、蓋部材93は、キャリッジ94によって保持されており、このキャリッジ94には、蓋部材93の上下方向の位置を制御する蓋部材位置制御装置としてのZモータ95と、蓋部材93を主走査方向Xに駆動するための蓋部材主走査駆動装置96とが構成されている。蓋部材主走査駆動装置96は、主走査方向Xへ延びるXガイドレール52に沿って移動可能なXスライダ97と、このXスライダ97に内蔵したパルス駆動されるリニアモータ(図示せず)とを備えている。Xスライダ97は、内蔵するリニアモータが作動するときにXガイドレール52に沿って主走査方向Xへ平行移動する。
従って、滴吐出ヘッド22が液滴吐出動作を行っている間、蓋部材93を乾燥防止用キャップ部材761を塞ぐ休止位置に位置させておく一方、滴吐出ヘッド22が休止状態にあるとき、蓋部材93を休止位置から退避した退避位置に移動させることができる。なお、図1、図2および図5(A)には、蓋部材93が休止位置から退避した退避位置に移動した状態を示してある。
なお、滴吐出ヘッド22が基板12に対する液滴吐出動作を行っている駆動状態にある間に有機溶剤M′の外部への流出を防止するために、図5(B)に示すように、蓋部材93に加えて、あるいは、蓋部材93の代わりに、乾燥防止用キャップ部材761と溶剤タンク88とを接続する配管部材90に対して、溶剤タンク88から乾燥防止用キャップ部材761への溶剤蒸気の供給量を調整可能なバルブ90′を設置してもよい。このように構成すると、乾燥防止用キャップ部材761によって液滴吐出ヘッド22のノズル形成面271が覆われたときには、バルブ90′を開くことにより、乾燥防止用キャップ部材761と液滴吐出ヘッド22との間に形成される密閉空間に有機溶剤M′の蒸気を供給することができる。また、乾燥防止用キャップ部材761によって液滴吐出ヘッド22のノズル形成面271が覆われていないときには、蒸発調整用バルブ90′の開口量を調整したり、あるいは閉じることにより、有機溶剤M′の蒸気の供給量を調整、あるいはその供給を停止させることができる。これにより、有機溶剤M′が無駄に消費されることを確実に防止することができる。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態液滴吐出装置10では、休止期間中の液滴吐出ヘッド22のノズル27の乾燥を防止するために、液滴吐出ヘッド22のノズル形成面271を乾燥防止用キャップ部材761で覆った際、ノズル形成面271と乾燥防止用キャップ部材761との間に形成される密閉空間に対して有機溶剤M′の蒸気が供給される。このため、液滴吐出ヘッド22を長期間休止したような場合でも、ノズル27は、常に溶剤蒸気に晒されているので、ノズル27内からは有機溶剤が揮発し難い。従って、本形態によれば、ノズル27の孔詰まりを防止できるので、液滴吐出ヘッド22の寿命を延ばすことができ、かつ、吐出異常が発生しないので、歩留まりを向上することができる。また、ヘッドクリーニングの回数を減らすことができるので、当該クリーニングによって液状物Mが無駄に消費されることを回避でき、液状物Mの利用効率を高めることができる。
また、乾燥防止用キャップ部材761は、耐有機溶剤性の材料から形成されているので、本形態の乾燥防止用キャップ部材761を、溶剤系の液滴M0を吐出するノズル27の乾燥防止用に用いた場合でも、その寿命低下を招くことがない。また、乾燥防止用キャップ部材761において、ノズル形成面271に当接する部分が、弾性を備えたフッ素系エラストマーで形成されているので、溶剤による劣化を防止でき、かつ、繰り返しキャッピング動作を行っても、損傷しない。
さらに、本形態の液滴吐出装置10は、滴吐出ヘッド22が基板12に対する液滴吐出位置にある間、乾燥防止用キャップ部材761を塞いで溶剤蒸気の漏れを防止する蓋部材93を有している。このため、溶剤蒸気の漏れを防止できるので、作業環境の低下や火災の発生などを確実に防止することができる。
さらにまた、本形態において、有機溶剤M′は、沸点が200℃以下であるため、蒸気圧が高いので、溶剤タンク88からノズル形成面271と乾燥防止用キャップ部材761との間の密閉空間に溶剤蒸気をスムーズに供給できる。しかも、溶剤タンク88に貯留されている有機溶剤M′を加熱する溶剤加熱装置89を備えているため、気温が低い場合、あるいは有機溶剤M′の沸点が比較的、高い場合には、有機溶剤M′を加熱できる。従って、溶剤タンク88からは、ノズル形成面271と乾燥防止用キャップ部材761との間の密閉空間に溶剤蒸気をスムーズに供給できるので、蒸発に起因するノズル27の詰まりを確実に防止することができる。
[電気光学装置の構成、および製造方法の例]
電気光学装置の一例として、有機EL表示装置の構成およびその製造工程を説明する。図6は、電気光学物質として電荷注入型の有機薄膜を用いたEL素子を備えた有機EL表示装置のブロック図である。図7〜図9は、有機EL表示装置の製造工程の手順を示す製造工程断面図であり、有機EL表示装置の1画素分の断面に相当する。
図6において、有機EL表示装置500pは、有機半導体膜に駆動電流が流れることによって発光するEL素子をTFTで駆動制御する表示装置であり、このタイプの表示装置に用いられる発光素子はいずれも自己発光するため、バックライトを必要とせず、また、視野角依存性が少ないなどの利点がある。ここに示す電気光学装置500pでは、複数の走査線563pと、この走査線563pの延設方向に対して交差する方向に延設された複数のデータ線564と、これらのデータ線564に並列する複数の共通給電線505と、データ線564と走査線563pとの交差点に対応する画素515pとが構成され、画素515pは、画像表示領域100にマトリクス状に配置されている。データ線564に対しては、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン、アナログスイッチを備えるデータ線駆動回路551pが構成されている。走査線563pに対しては、シフトレジスタおよびレベルシフタを備える走査線駆動回路554pが構成されている。また、画素515pの各々には、走査線563pを介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング薄膜トランジスタ509と、このスイッチング薄膜トランジスタ509を介してデータ線564から供給される画像信号を保持する保持容量533pと、この保持容量533pによって保持された画像信号がゲート電極に供給されるカレント薄膜トランジスタ510と、カレント薄膜トランジスタ510を介して共通給電線505に電気的に接続したときに共通給電線505から駆動電流が流れ込む発光素子513とが構成されている。発光素子513は、画素電極の上層側には、正孔注入層、有機EL材料層としての有機半導体膜、リチウム含有アルミニウム、カルシウムなどの金属膜からなる対向電極が積層された構成になっており、対向電極は、データ線564などを跨いで複数の画素515pにわたって形成されている。
このような構成の有機EL表示装置500pを製造するには、基板を用意する。ここで、有機EL表示装置500pでは、後述する発光層による発光光を基板側から取り出すことも可能であり、また基板と反対側から取り出す構成とすることも可能である。発光光を基板側から取り出す構成とする場合、基板材料としてはガラスや石英、樹脂等の透明ないし半透明なものが用いられるが、特にガラスが好適に用いられる。また、基板に色フィルター膜や蛍光性物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜を配置して、発光色を制御するようにしてもよい。なお、基板と反対側から発光光を取り出す構成の場合、基板は不透明であってもよく、その場合、アルミナ等のセラミックス、ステンレス等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したもの、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。
本例では、図7(A)に示すように、基板としてガラスからなる透明基板502を用意し、透明基板502に対して、必要に応じてTEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料としてプラズマCVD法により厚さ約200〜500nmのシリコン酸化膜からなる下地保護膜(図示せず)を形成する。
次に、透明基板502の温度を約350℃に設定して、下地保護膜の表面にプラズマCVD法により厚さ約30〜70nmのアモルファスシリコン膜からなる半導体膜520aを形成する。次に、半導体膜520aに対してレーザアニールまたは固相成長法などの結晶化工程を行い、半導体膜520aをポリシリコン膜に結晶化する。レーザアニール法では、例えばエキシマレーザでビームの長寸が400mmのラインビームを用いその出力強度は、例えば200mJ/cmとする。ラインビームについては、その短寸方向におけるレーザ強度のピーク値の90%に相当する部分が各領域毎に重なるようにラインビームを走査する。
次に、図7(B)に示すように、半導体膜(ポリシリコン膜)520aをパターニングして島状の半導体膜520bとし、その表面に対して、TEOSや酸素ガスなどを原料としてプラズマCVD法により厚さ約60〜150nmのシリコン酸化膜または窒化膜からなるゲート絶縁膜521aを形成する。なお、半導体膜520bは、図6に示したカレント薄膜トランジスタ510のチャネル領域及びソース・ドレイン領域となるものであるが、異なる断面位置においてはスイッチング薄膜トランジスタ509のチャネル領域及びソース・ドレイン領域となる半導体膜も形成されている。つまり、図7〜図9に示す製造工程では二種類のトランジスタ509、510が同時に作られるのであるが、同じ手順で作られるため、以下の説明ではトランジスタに関しては、カレント薄膜トランジスタ510についてのみ説明し、スイッチング薄膜トランジスタ509についてはその説明を省略する。
次に、図7(C)に示すように、アルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステンなどの金属膜からなる導電膜をスパッタ法により形成した後、これをパターニングし、ゲート電極510gを形成する。次に、この状態で高濃度のリンイオンを打ち込み、半導体膜520bに、ゲート電極510gに対して自己整合的にソース・ドレイン領域510a、510bを形成する。なお、不純物が導入されなかった部分がチャネル領域510cとなる。
次に、図7(D)に示すように、層間絶縁膜522を形成した後、コンタクトホール523、524を形成し、これらコンタクトホール523、524内に中継電極526、527を埋め込む。次に、層間絶縁膜522上に信号線、共通給電線及び走査線(図示せず)を形成する。ここで、中継電極527と各配線とは、同一工程で形成してもよく、その場合、中継電極526は、後述するITO膜で形成されることになる。
次に、図7(E)に示すように、各配線の上面を覆うように層間絶縁膜530を形成した後、層間絶縁膜530に対して中継電極526に対応する位置にコンタクトホール532を形成する。次に、コンタクトホール532を埋めるようにITO膜を形成し、さらにそのITO膜をパターニングして、信号線、共通給電線及び走査線に囲まれた所定位置に、ソース・ドレイン領域510aに電気的に接続する画素電極511を形成する。ここで、信号線及び共通給電線、さらには走査線に挟まれた部分が、後述する正孔注入層や発光層の形成場所となる。
次に、図8(A)に示すように、正孔注入層や発光層の形成場所を囲むように隔壁505を形成する。この隔壁505は、仕切り部材として機能するものであり、例えばポリイミド等の絶縁性有機材料で形成するのが好ましい。隔壁505の膜厚については、例えば1〜2μmの高さとなるように形成する。また、隔壁505は、上述した液滴吐出ヘッド22から吐出される液状物に対して撥液性を示すものが好ましい。隔壁505に撥液性を発現させるためには、例えば隔壁505の表面をフッ素系化合物などで表面処理するといった方法が採用される。フッ素化合物としては、例えばCF4、SF5、CHF3などがあり、表面処理としては、例えばプラズマ処理、UV照射処理などが挙げられる。このようにして、正孔注入層や発光層の形成場所、すなわち、これらの形成材料の塗布位置とその周囲の隔壁505との間には、十分な高さの段差535が形成される。
次に、図8(B)に示すように、透明基板502の上面を上に向けた状態で、正孔注入層の形成材料540aを、上述した液滴吐出装置10の液滴吐出ヘッド22より、前記隔壁505に囲まれた塗布位置、すなわち隔壁505内に選択的に塗布する。その際、形成材料540aは、流動性が高いため水平方向に広がろうとするが、塗布された位置を囲んで隔壁505が形成されているので、形成材料540aは隔壁505を越えてその外側に広がることがない。ここで、正孔注入層の形成材料540aとしては、ポリオレフィン誘導体である3,4−ポリエチレンジオシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)を正孔注入材料として用い、これを有機溶剤を主溶媒として分散させてなる分散液が好適に用いられる。但し、正孔注入材料としては、前記のものに限定されることなく、ポリマー前駆体がポリテトラヒドロチオフェニルフェニレンであるポリフェニレンビニレン、1,1−ビス−(4−N、N−ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサン、トリス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウム等を用いることもできる。
このようにして形成材料540aを液滴吐出ヘッド34から吐出して所定位置に配置した後、液状の形成材料540aに対して乾燥処理を行い、形成材料540a中の分散媒を蒸発させる。その結果、図8(C)に示すように、画素電極511上に固形の正孔注入層513a(画素構成要素)が形成される。
次に、図9(A)に示すように、透明基板502の上面を上に向けた状態で、上述した液滴吐出装置10の液滴吐出ヘッド22より液状物として発光層の形成材料540bを、前記隔壁505内の正孔注入層513a上に選択的に塗布する。発光材料としては、例えば分子量が1000以上の高分子材料が用いられる。具体的には、ポリフルオレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、またはこれらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、例えばルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等をドープしたものが用いられる。なお、このような高分子材料としては、二重結合のπ電子がポリマー鎖上で非極在化しているπ共役系高分子材料が、導電性高分子でもあることから発光性能に優れるため、好適に用いられる。特に、その分子内にフルオレン骨格を有する化合物、すなわちポリフルオレン系化合物がより好適に用いられる。また、このような材料以外にも、例えば特開平11−40358号公報に示される有機EL素子用組成物、すなわち共役系高分子有機化合物の前駆体と、発光特性を変化させるための少なくとも1種の蛍光色素とを含んでなる有機EL素子用組成物も、発光層形成材料として使用可能である。このような発光材料を溶解あるいは分散する有機溶媒としては、非極性溶媒が好適とされ、特に発光層が正孔注入層513aの上に形成されることから、この正孔注入層513aに対して不溶なものが用いられる。具体的には、キシレン、シクロへキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等が好適に用いられる。なお、形成材料540bの吐出による発光層の形成は、赤色の発色光を発光する発光層の形成材料、緑色の発色光を発光する発光層の形成材料、青色の発色光を発光する発光層の形成材料を、それぞれ対応する画素に吐出し塗布することによって行う。また、各色に対応する画素は、これらが規則的な配置となるように予め決められている。
このようにして各色の発光層形成材料540bを吐出した後、液状の発光層形成材料540bに対して乾燥処理を行い、発光層形成材料540b中の分散媒を蒸発させる。その結果、図9(B)に示すように、正孔層注入層513a上に固形の発光層513b(画素構成要素)が形成される。これにより、正孔層注入層513aと発光層513bとからなる発光素子513を得る。
なお、形成材料540bの乾燥処理については、形成材料540bのガラス転移点未満の温度、例えば100°未満の温度で加熱することにより、乾燥するのが好ましい。このような温度で乾燥することにより、形成材料540b中の溶剤の蒸発速度を比較的低く抑えることができるとともに、形成材料540bの液状化による流動も抑えることができ、その結果、得られる発光層513bについても十分に平坦化することができる。また、発光層形成の際の乾燥処理によって生じる熱的ダメージが、発光層513bだけでなく正孔注入層513aに対しても小さくなり、初期輝度の低下などによる表示性能の低下が抑制される。
次に、図9(C)に示すように透明基板502の表面全体に、あるいはストライプ状に、LiF/Al(LiFとAlとの積層膜)やMgAg、あるいはLiF/Ca/Al(LiFとCaとAlとの積層膜)を蒸着法等によって成膜し、対向電極512を形成する。その後、封止を行った後、さらに配線等の各種要素を形成することにより、有機EL素子を備えた有機EL表示装置500p(電気光学装置)を製造する。
(その他の適用例)
なお、上記形態では、本発明を有機EL表示装置の製造工程に用いた例であったが、液晶表示装置のカラーフィルタ(画素構成要素)の形成などに本発明を適用してもよい。また、有機溶剤を主溶媒として用いた溶剤系のインクを吐出する場合に本発明を適用してもよい。
また、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能であり、実施形態で挙げた具体的な材料や構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
本発明が適用される液滴吐出装置の全体構成を示す斜視図である。 図1に示す液滴吐出装置の要部を示す斜視図である。 図1に示す液滴吐出装置に用いた液滴吐出ヘッドの構成を模式的に示す説明図である。 図4に示す液滴吐出ヘッドの内部構造を模式的に示す説明図である。 (A)、(B)は、図1に示す液滴吐出装置において、ノズルの詰まりを防止するための機構の説明図である。 有機EL表示装置のブロック図である。 有機EL表示装置の製造工程の手順を示す断面図である。 有機EL表示装置の製造工程の手順を示す断面図である。 有機EL表示装置の製造工程の手順を示す断面図である。
符号の説明
10 液滴吐出装置、12、502 電気光学装置用基板、22 液滴吐出ヘッド、27 ノズル、271 ノズル形成面、76 キャッピング機構、761 乾燥防止用キャップ部材、762 キャップホルダ、763 シール部材、88 溶剤タンク、89 加熱装置、90′ バルブ、M 液状物、M0 液滴、M′ 有機溶剤

Claims (7)

  1. 溶質を第1の有機溶剤に溶解あるいは分散させた液状物を液滴として吐出する複数のノズルがノズル形成面で開口する液滴吐出ヘッドと、
    該液滴吐出ヘッドが休止状態にあるときに前記ノズル形成面との間に密閉空間を形成するように当該ノズル形成面を覆う乾燥防止用キャップ部材と、
    前記溶質を溶解可能あるいは分散可能な第2の有機溶剤が貯留され、前記乾燥防止用キャップ部材が前記ノズル形成面を覆ったときに前記密閉空間に連通する溶剤貯留部とを有し、
    前記乾燥防止用キャップ部材は、少なくとも前記ノズル形成面と当接する部分が、耐溶剤性を備えた弾性材料から構成されており、
    前記ノズルが前記液滴を吐出している間、前記乾燥防止用キャップ部材を覆う蓋部材を有し、
    前記液滴吐出ヘッドは、ガイド軸上に支持された状態で当該ガイド軸に沿って前記ノズルから前記液滴を吐出する液滴吐出位置と、前記乾燥防止用キャップ部材に覆われる休止位置との間を移動可能に構成され、
    前記蓋部材は、前記ガイド軸上に支持された状態で当該ガイド軸に沿って前記休止位置まで移動して前記乾燥防止用キャップ部材を覆うことを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 請求項1において、前記弾性材料は、フッ素系エラストマーであることを特徴とする液滴吐出装置。
  3. 請求項1または2において、前記第2の有機溶剤は、沸点が200℃以下であることを特徴とする液滴吐出装置。
  4. 請求項1ないしのいずれかにおいて、前記乾燥防止用キャップ部材は、枠状のシール部材と、該シール部材を開口縁に備えたカップ状のキャップホルダとを備え、
    前記シール部材が前記弾性材料から構成されていることを特徴とする液滴吐出装置。
  5. 請求項1ないしのいずれかにおいて、前記溶剤貯留部に貯留されている有機溶剤を加熱する溶剤加熱装置を備えていることを特徴とする液滴吐出装置。
  6. 請求項1ないしのいずれかにおいて、前記乾燥防止用キャップ部材と前記溶剤貯留部との間に、前記溶剤貯留部から前記乾燥防止用キャップ部材への溶剤蒸気の供給量を調整可能なバルブを備えていることを特徴とする液滴吐出装置。
  7. 請求項1ないしのいずれかに規定する液滴吐出装置を用いて電気光学装置用基板上に前記液滴を吐出して、当該電気光学装置用基板上に画素構成要素を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
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