JP2003260396A - 液状体塗布方法、液滴吐出装置、及び製膜装置 - Google Patents
液状体塗布方法、液滴吐出装置、及び製膜装置Info
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Abstract
による不都合をなくし、液状体のロスや吐出不良を防止
した、液状体塗布方法、液滴吐出装置、及び製膜装置を
提供する。 【解決手段】 ベース31と、このベース31上の基板
Sに対して液滴を吐出するヘッド34とを備えてなる液
滴吐出装置(製膜装置30)である。ヘッド34に液状
体を供給する供給源47として液状体を収容した収容部
材49を用い、この収容部材49をヘッド34の近傍に
配置した。
Description
液滴吐出装置、及びこの液滴吐出装置を備えた製膜装置
に係り、特に各種の電子素子の製造に好適に用いられる
液状体塗布方法、液滴吐出装置、及び製膜装置に関す
る。
といった電子機器の発達に伴い、液晶表示装置、特にカ
ラー液晶表示装置の使用が増加している。この種の液晶
表示装置には、通常、表示画像をカラー化をするために
カラーフィルターが用いられている。カラーフィルター
の製造方法の一つとして、従来より、基板に対しR
(赤)、G(緑)、B(青)のインクを所定のパターン
で着弾させることで形成する、インクジェット方式によ
る方法が知られている。
は、例えば特開平11−42796号公報に開示されて
いる、図14に示すようなインクジェット装置1を用い
る方法が知られている。このインクジェット装置1は、
カラーフィルタ製造用のもので、ベース架台2上に載置
されたX方向及びY方向に移動可能なXYテーブル3
と、このXYテーブル3の上方に設けられたインクジェ
ットヘッド4とを備えて構成されたものである。
トリクスが形成され未着色の状態の基板Sが載置され
る。インクジェットヘッド4は、架台5に設けられた支
持部材6に取り付けられたもので、赤、青、緑の各色の
インクをそれぞれ吐出する各色用の独立したヘッド4a
‥を有したものである。これら各ヘッド4a‥には、そ
れぞれに独立してインク供給チューブ7および電気信号
用ケーブル(図示せず)が接続されている。
には、三方弁、溶存酸素計等を含む弁ボックス8を介し
てインク供給ユニット9が接続されている。このインク
供給ユニット9は、メインタンク(インクタンク)10
a、10b、10c、メインポンプ(図示せず)、サブ
タンク(インクタンク)11a、11b、11c、さら
にはメイン脱気装置(図示せず)などによって構成され
ている。このような構成のもとにこのインクジェット装
置1は、メインタンク10a、10b、10c中の各イ
ンクを、サブタンク11a、11b、11cを介し、さ
らにインク供給チューブ7b、弁ボックス8、インク供
給チューブ7aを介してインクジェットヘッド4に移送
することにより、ここから吐出して基板S上に塗布する
ようになっている。
うなインクジェット装置の機構では、特に長いインク供
給チューブ7a、7bやサブタンク11a、11b、1
1cを介してインクをインクジェットヘッド4に移送す
ることから、これら供給チューブ7a、7bやサブタン
ク11a、11b、11cに充填するためのインク量が
多くなってしまい、インクが有効に使用されずにロスと
なってしまったり、また初期動作においてはこれらに充
填されるまでの間、インクジェットヘッド4からの吐出
が行えないといった不都合がある。また、インクの交換
時など、これらインク供給チューブ7a、7bなどの長
い経路中に気泡が残留してしまい、吐出不良を引き起こ
すおそれもある。さらに、インクジェットヘッド4の交
換時において、インク供給チューブ7a、7bに充填さ
れているインクが流れ出てしまうのを防止するため、経
路の切り替え機構などを設ける必要があり、これが装置
の複雑化、高価格化を招く一因となっている。
で、その目的とするところは、長い経路を介して液状体
をヘッドに送ることによる不都合をなくし、液状体のロ
スや吐出不良を防止した、液状体塗布方法、液滴吐出装
置、及び製膜装置を提供することにある。
では、ヘッドを備えた液滴吐出装置により液状体を塗布
する方法において、前記液状体の供給源として前記液状
体を収容した収容部材を用い、該収容部材を前記ヘッド
の近傍に配置して液状体の塗布を行うことを特徴として
いる。この液状体塗布方法によれば、ヘッドの近傍に収
容部材を配置しているので、ヘッドへの液状体供給路と
なる長い供給チューブなどが不要となり、したがって液
状体のロスや気泡に起因する吐出不良を防止し、さらに
複雑な経路の切り替え機構なども不要にすることができ
る。
のベース上の基板に対して液滴を吐出するヘッドとを備
えてなる液滴吐出装置において、前記ヘッドに液状体を
供給する供給源として液状体を収容した収容部材を用
い、該収容部材を前記ヘッドの近傍に配置したことを特
徴としている。この液滴吐出装置によれば、ヘッドの近
傍に収容部材を配置しているので、ヘッドへの液状体供
給路となる長い供給チューブなどが不要となり、したが
って液状体のロスや気泡に起因する吐出不良を防止し、
さらに複雑な経路の切り替え機構なども不要にすること
ができる。
ドが、これを前記ベースの上方に位置させる架台に保持
されてなり、前記収容部材が、該架台に保持されてなる
のが好ましい。このようにすれば、ヘッドと収容部材と
の間の距離がより短くなり、したがってインクのロスや
気泡に起因する吐出不良をより確実に防止することがで
きる。
に、前記ヘッドを少なくとも一方向に移動させる走行路
が設けられ、前記収容部材が、該走行路に保持されてな
るのが好ましい。このようにすれば、ヘッドと収容部材
との間の距離がさらに短くなり、したがってインクのロ
スや気泡に起因する吐出不良をさらに確実に防止するこ
とができる。
収容部材が、充填された液状体の揺動を抑制する揺動緩
衝材を設けているのが好ましい。このようにすれば、ヘ
ッドが走行した場合に、その振動を受けて収容部材内の
液状体が揺動し、この液状体によるヘッドへの圧力が変
動することにより、ヘッドの吐出性が損なわれることを
防止することができる。
を備えてなることを特徴としている。この製膜装置によ
れば、特にその液滴吐出装置が、ヘッドの近傍に収容部
材を配置したものとなっているので、ヘッドへのインク
供給路となる長い供給チューブなどが不要となり、した
がって液状体のロスや気泡に起因する吐出不良を防止
し、さらに複雑な経路の切り替え機構なども不要にする
ことができる。
ィルタを形成するものとすることができる。その場合
に、前述したように液状体のロスや気泡に起因する吐出
不良を防止することができることから、カラーフィルタ
を比較的安価にしかも安定して形成することができる。
を形成するものとすることができる。その場合に、前述
したように液状体のロスや気泡に起因する吐出不良を防
止することができることから、金属配線を比較的安価に
しかも安定して形成することができる。
の構成要素となる薄膜を形成するものとすることができ
る。その場合に、前述したように液状体のロスや気泡に
起因する吐出不良を防止することができることから、液
晶素子の構成要素となる薄膜を比較的安価にしかも安定
して形成することができる。
クトロルミネッセンス素子の構成要素となる薄膜を形成
するものとすることができる。その場合に、前述したよ
うに液状体のロスや気泡に起因する吐出不良を防止する
ことができることから、有機エレクトロルミネッセンス
素子の構成要素となる薄膜を比較的安価にしかも安定し
て形成することができる。
トランジスタ素子の構成要素となる薄膜を形成するもの
とすることができる。その場合に、前述したように液状
体のロスや気泡に起因する吐出不良を防止することがで
きることから、有機薄膜トランジスタ素子の構成要素と
なる薄膜を比較的安価にしかも安定して形成することが
できる。
図1は、本発明のインクジェット装置(液滴吐出装置)
を備えた製膜装置を、カラーフィルター製造装置として
用いる場合の一実施形態例を示す図であり、図1におい
て符号30は製膜装置(カラーフィルター製造装置)で
ある。この製膜装置30は、ベース31、基板移動手段
32、ヘッド移動手段33、インクジェットヘッド(ヘ
ッド)34、インク(液状体)供給手段35等を有して
構成されたものである。ベース31は、その上に前記基
板移動手段32、ヘッド移動手段33を設置したもので
ある。
られたもので、Y軸方向に沿って配置されたガイドレー
ル36を有したものである。この基板移動手段32は、
例えばリニアモータにより、スライダ37をガイドレー
ル36に沿って移動させるよう構成されたものである。
スライダ37には、θ軸用のモータ(図示せず)が備え
られている。このモータは、例えばダイレクトドライブ
モータからなるものであり、これのロータ(図示せず)
はテーブル39に固定されている。このような構成のも
とに、モータに通電するとロータおよびテーブル39
は、θ方向に沿って回転し、テーブル39をインデック
ス(回転割り出し)するようになっている。
持するものである。すなわち、このテーブル39は、公
知の吸着保持手段(図示せず)を有し、この吸着保持手
段を作動させることにより、基板Sをテーブル39の上
に吸着保持するようになっている。基板Sは、テーブル
39の位置決めピン(図示せず)により、テーブル39
上の所定位置に正確に位置決めされ、保持されるように
なっている。テーブル39には、インクジェットヘッド
34がインクを捨打ちあるいは試し打ちするための捨打
ちエリア41が設けられている。この捨打ちエリア41
は、X軸方向に延びて形成されたもので、テーブル39
の後端部側に設けられたものである。
側に立てられた一対の架台33a、33aと、これら架
台33a、33a上に設けられた走行路33bとを備え
てなるもので、該走行路33bをX軸方向、すなわち前
記の基板移動手段32のY軸方向と直交する方向に沿っ
て配置したものである。走行路33bは、架台33a、
33a間に渡された保持板33cと、この保持板33c
上に設けられた一対のガイドレール33d、33dとを
有して形成されたもので、ガイドレール33d、33d
の長さ方向にインクジェットヘッド34を保持させるス
ライダ42を移動可能に保持したものである。スライダ
42は、リニアモータ(図示せず)等の作動によってガ
イドレール33d、33d上を走行し、これによりイン
クジェットヘッド34をX軸方向に移動させるよう構成
されたものである。
決め手段としてのモータ43、44、45、46が接続
されている。そして、モータ43を作動させると、イン
クジェットヘッド34はZ軸に沿って上下動し、Z軸上
での位置決めが可能になっている。なお、このZ軸は、
前記のX軸、Y軸に対しそれぞれに直交する方向(上下
方向)である。また、モータ44を作動させると、イン
クジェットヘッド34は図1中のβ方向に沿って揺動
し、位置決め可能になり、モータ45を作動させると、
インクジェットヘッド34はγ方向に揺動し、位置決め
可能になり、モータ46を作動させると、インクジェッ
トヘッド34はα方向に揺動し、位置決め可能になる。
スライダ42上において、Z軸方向に直線移動して位置
決め可能となり、かつ、α、β、γに沿って揺動し、位
置決め可能となっている。したがって、インクジェット
ヘッド34のインク吐出面を、テーブル39側の基板S
に対する位置あるいは姿勢を、正確にコントロールする
ことができるようになっている。ここで、インクジェッ
トヘッド34は、図2(a)に示すように例えばステン
レス製のノズルプレート12と振動板13とを備え、両
者を仕切部材(リザーバプレート)14を介して接合し
たものである。ノズルプレート12と振動板13との間
には、仕切部材14によって複数の空間15と液溜まり
16とが形成されている。各空間15と液溜まり16の
内部はインクで満たされており、各空間15と液溜まり
16とは供給口17を介して連通したものとなってい
る。また、ノズルプレート12には、空間15からイン
クを噴射するためのノズル孔18が一列に配列された状
態で複数形成されている。一方、振動板13には、液溜
まり16にインクを供給するための孔19が形成されて
いる。
と反対側の面上には、図2(b)に示すように圧電素子
(ピエゾ素子)20が接合されている。この圧電素子2
0は、一対の電極21の間に位置し、通電するとこれが
外側に突出するようにして撓曲するよう構成されたもの
である。そして、このような構成のもとに圧電素子20
が接合されている振動板13は、圧電素子20と一体に
なって同時に外側へ撓曲するようになっており、これに
よって空間15の容積が増大するようになっている。し
たがって、空間15内に増大した容積分に相当するイン
クが、液溜まり16から供給口17を介して流入する。
また、このような状態から圧電素子20への通電を解除
すると、圧電素子20と振動板13はともに元の形状に
戻る。したがって、空間15も元の容積に戻ることか
ら、空間15内部のインクの圧力が上昇し、ノズル孔1
8から基板に向けてインクの液滴22が吐出される。な
お、インクジェットヘッド34のインクジェット方式と
しては、前記の圧電素子20を用いたピエゾジェットタ
イプ以外の方式のものとしてもよい。
ッド34にインク滴を供給するインク供給源47と、こ
のインク供給源47からインクジェットヘッド34にイ
ンクを送るためのインク供給チューブ48とからなるも
のである。インク供給源47は、前記架台33a、33
aの一方の上に配置されたもので、図3に示すようにイ
ンク液を充填した袋状のインクパック(収容部材)49
と、インクパック49を収容するケース50aおよびそ
の蓋50bとによって構成されたものである。インクパ
ック49は、インクの取出し口となる管49aを有した
もので、ケース50にはこの管49aを引き出すための
凹部50cが形成されている。また、ケース50の凹部
50cから引き出された管49aには、インク供給チュ
ーブ48が接続されており、このインク供給チューブ4
8は前記インクジェットヘッド34に接続されている。
なお、このインクパック49については、管49aから
インクを出すのでなく、インク供給チューブ48に接続
する針をインクパック49に突き刺すことにより、イン
クを流出するように構成してもよい。このインクパック
49やこれを収容するケース50a、蓋50bについて
は、特許第3024260号に記載されたものが好適に
用いられる。
するものとなっていることから、この走行路33b上を
走行するインクジェットヘッド34に十分近い位置とな
っている。したがって、インク供給源47からインクジ
ェットヘッド34にインクを送るためのインク供給チュ
ーブ48は、従来のものに比べ十分に短いもの、すなわ
ち走行路33bの長さにほぼ等しい長さとなっている。
また、インク供給源はインクジェットヘッド34のノズ
ル面との水頭差を調整するため、高さ調整装置Tによっ
てZ方向の高さが調節されるようになっている。これ
は、モータ(図示せず)で調節できる構造とするのが好
ましく、またマニュアル操作でも調節できる構造とする
のが望ましい。
板Sにインクを吐出してカラーフィルタを製造するに
は、まず、基板Sをテーブル39上の所定位置に設置す
る。ここで、基板Sとしては、適度の機械的強度を有す
ると共に、光透過性が高い透明基板が用いられる。具体
的には、透明ガラス基板、アクリルガラス、プラスチッ
ク基板、プラスチックフィルム及びこれらの表面処理品
等が用いられる。
長方形形状の基板S上に、生産性をあげる観点から複数
個のカラーフィルター領域51をマトリックス状に形成
する。これらのカラーフィルター領域51は、後で基板
Sを切断することにより、液晶表示装置に適合するカラ
ーフィルターとして用いることができる。なお、カラー
フィルター領域51としては、図4に示したようにRの
インク、Gのインク、およびBのインクをそれぞれ所定
のパターン、本例では従来公知のストライプ型で形成し
て配置する。なお、この形成パターンとしては、ストラ
イプ型のほかに、モザイク型やデルタ型あるいはスクウ
ェアー型等としてもよい。
成するには、まず、図5(a)に示すように透明の基板
Sの一方の面に対し、ブラックマトリックス52を形成
する。このブラックマトリックス52の形成方法として
は、光透過性のない樹脂(好ましくは黒色)を、スピン
コート等の方法で所定の厚さ(例えば2μm程度)に塗
布することで行う。このブラックマトリックス52の格
子で囲まれる最小の表示要素、すなわちフィルターエレ
メント53については、例えばX軸方向の巾を30μ
m、Y軸方向の長さを100μm程度とする。
ンクジェットヘッド34からインク滴(液滴)54を吐
出し、これをフィルターエレメント53に着弾させる。
吐出するインク滴54の量については、加熱工程におけ
るインクの体積減少を考慮した十分な量とする。このよ
うにして基板S上のすべてのフィルターエレメント53
にインク滴54を充填したら、ヒータを用いて基板Sが
所定の温度(例えば70℃程度)となるように加熱処理
する。この加熱処理により、インクの溶媒が蒸発してイ
ンクの体積が減少する。この体積減少の激しい場合に
は、カラーフィルターとして十分なインク膜の厚みが得
られるまで、インク吐出工程と加熱工程とを繰り返す。
この処理により、インクに含まれる溶媒が蒸発して、最
終的にインクに含まれる固形分のみが残留して膜化し、
図5(c)に示すようにカラーフィルタ55となる。
ィルタ55を保護するため、図5(d)に示すようにカ
ラーフィルタ55やブラックマトリックス52を覆って
基板S上に保護膜56を形成する。この保護膜56の形
成にあたっては、スピンコート法、ロールコート法、リ
ッピング法等の方法を採用することもできるが、カラー
フィルタ55の場合と同様に、図1に示した製膜装置3
0を用いて行うこともできる。
膜56の全面に、スパッタ法や真空蒸着法等によって透
明導電膜57を形成する。その後、透明導電膜57をパ
ターニングし、画素電極58を前記フィルターエレメン
ト53に対応させてパターニングする。なお、液晶表示
パネルの駆動にTFT(Thin Film Transistor)を用い
る場合には、このパターニングは不用となる。
ルタの製造にあっては、インクパック49を備えたイン
ク供給源47をインクジェットヘッド34の近傍、すな
わち本例では架台33a上に配置していることから、イ
ンク供給源47からインクジェットヘッド34にインク
を送るためのインク供給チューブ48が従来のものに比
べ十分に短いものとなり、したがってインクのロスや気
泡に起因する吐出不良を防止し、さらに、従来の装置に
おける複雑な経路の切り替え機構なども不要にすること
ができる。また、このようにしてカラーフィルタ55を
形成することにより、カラーフィルタ材料となるインク
のロスを少なくし、さらに気泡に起因する吐出不良を防
止することができることから、カラーフィルタ55を比
較的安価にしかも安定して形成することができる。
た構成に限定されることなく、特にインクパッック49
を備えたインク供給源47の配置については、インクジ
ェットヘッド34の近傍であれば架台33a上でなくて
もよく、例えば図6に示すようにスライダ42上に配置
するようにしてもよい。その場合に、スライダ42に支
持部材59を介して配置するのが好ましい。この支持部
材59は、図1の高さ調節装置Tと同様に、Z方向の高
さを変更できるようにモータ(図示せず)やマニュアル
操作で移動できる機構(図示せず)によって、スライダ
42に取り付けられている。このように配置すれば、イ
ンク供給源47からインクジェットヘッド34にインク
を送るためのインク供給チューブ48は、その長さが十
分に短くなり、したがって図1に示した例よりさらに短
くなる。よって、このようにインク供給チューブ48が
さらに短くなることから、インクのロスや気泡に起因す
る吐出不良をより確実に防止し、さらに、従来の装置に
おける複雑な経路の切り替え機構なども不要にすること
ができる。
れたインクの揺動を抑制する揺動緩衝材を設けるように
してもよい。この揺動緩衝材としては、スポンジ等の多
孔質体、あるいは合成樹脂や金属(例えばステンレス)
製の網を多層に積層したものなどの、内部の孔や隙間に
インクを保持できる構造のものが好適に用いられる。こ
のような揺動緩衝剤を用いれば、これがインクの揺動を
緩衝することにより、インクジェットヘッド34の吐出
性が損なわれることを防止することができる。
ットヘッド34が走行路33b上を走行した際に、その
振動を受けて収容体内のインクが揺動し、このインクに
よるインクジェットヘッド34への圧力が変動すること
を抑制することができ、したがって前述したようにイン
クジェットヘッド34の吐出性が損なわれることを防止
することができるのである。なお、このような利点か
ら、特にインク供給源47を図6に示したように走行路
33b上に配置した場合に、収容体内に揺動緩衝材を設
けるのが好ましい。また、インクパック49は、袋に代
えて合成樹脂や金属製のケースを用い、その中にインク
とともに揺動緩衝材を設けるようにしてもよい。このよ
うな構成のインクパックとしては、例えば米国特許第
5,875,615号明細書に記載された構成のものが
好適に用いられる。
ーフィルタ55を形成した基板Sを用いる液晶素子の、
構成要素となる薄膜の形成にも用いることができる。す
なわち、前記基板Sを用いて公知の液晶セルを作製し液
晶素子とすることにより、液晶装置を形成することがで
きる。図7は、このような液晶素子を形成するための液
晶セルの構造を説明するための図であり、図7中符号6
0は対向基板、すなわち前記のカラーフィルタ(図7中
に図示せず)を形成した基板である。この対向基板60
は、TFT等を形成した回路基板(図示せず)と反対の
側に配置されるものである。この対向基板60の内面側
には、対向基板60側から入射する光を前記回路基板
(図示せず)側に集光するためのマイクロレンズ61が
多数設けられており、これらマイクロレンズ61を形成
した側には、接着剤62によってカバーガラス63が貼
着されている。
マイクロレンズ61間の境界と対応する位置にそれぞれ
遮光膜64が形成されており、さらにこれを覆った状態
でカバーガラス63のほぼ全面にITO等の透明導電性
材料からなる対向電極65が形成されている。そして、
この対向電極65の内面側にポリイミド薄膜などの有機
薄膜からなる配向膜66が形成され、さらにこのように
形成された対向基板60と前記回路基板との間に液晶6
7が封止されることにより、液晶装置が構成される。こ
のような構成からなる液晶装置の製造においても、その
液晶素子における構成要素となる薄膜、例えば遮光膜6
4や配向膜66等の形成において、前記の図1に示した
製膜装置30を用いる方法が採用可能である。
素子の構成要素となる薄膜の形成にも用いることができ
る。図8、図9はこのような有機EL素子を備えたEL
ディスプレイの一例の概略構成を説明するための図であ
り、これらの図において符号70はELディスプレイで
ある。このELディスプレイ70は、回路図である図8
に示すように透明の基板上に、複数の走査線131と、
これら走査線131に対して交差する方向に延びる複数
の信号線132と、これら信号線132に並列に延びる
複数の共通給電線133とがそれぞれ配線されたもの
で、走査線131及び信号線132の各交点毎に、画素
(画素領域素)71が設けられて構成されたものであ
る。
タ、レベルシフタ、ビデオライン、アナログスイッチを
備えるデータ側駆動回路72が設けられている。一方、
走査線131に対しては、シフトレジスタ及びレベルシ
フタを備える走査側駆動回路73が設けられている。ま
た、画素領域71の各々には、走査線131を介して走
査信号がゲート電極に供給されるスイッチング薄膜トラ
ンジスタ142と、このスイッチング薄膜トランジスタ
142を介して信号線132から供給される画像信号を
保持する保持容量capと、保持容量capによって保
持された画像信号がゲート電極に供給されるカレント薄
膜トランジスタ143と、このカレント薄膜トランジス
タ143を介して共通給電線133に電気的に接続した
ときに共通給電線133から駆動電流が流れ込む画素電
極141と、この画素電極141と反射電極154との
間に挟み込まれる発光部140と、が設けられている。
駆動されてスイッチング薄膜トランジスタ142がオン
となると、そのときの信号線132の電位が保持容量c
apに保持され、該保持容量capの状態に応じて、カ
レント薄膜トランジスタ143のオン・オフ状態が決ま
る。そして、カレント薄膜トランジスタ143のチャネ
ルを介して共通給電線133から画素電極141に電流
が流れ、さらに発光部140を通じて反射電極154に
電流が流れることにより、発光部140は、これを流れ
る電流量に応じて発光するようになる。ここで、各画素
71の平面構造は、反射電極や有機EL素子を取り除い
た状態での拡大平面図である図9に示すように、平面形
状が長方形の画素電極141の四辺が、信号線132、
共通給電線133、走査線131及び図示しない他の画
素電極用の走査線によって囲まれた配置となっている。
備えられる有機EL素子の製造方法について、図10〜
図12を用いて説明する。なお、図10〜図12では、
説明を簡略化するべく、単一の画素71についてのみ図
示する。まず、基板を用意する。ここで、有機EL素子
では後述する発光層による発光光を基板側から取り出す
ことも可能であり、また基板と反対側から取り出す構成
とすることも可能である。発光光を基板側から取り出す
構成とする場合、基板材料としてはガラスや石英、樹脂
等の透明ないし半透明なものが用いられるが、特に安価
なガラスが好適に用いられる。
を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜を配置して、発
光色を制御するようにしてもよい。また、基板と反対側
から発光光を取り出す構成の場合、基板は不透明であっ
てもよく、その場合、アルミナ等のセラミックス、ステ
ンレス等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施し
たもの、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いること
ができる。本例では、基板として図10(a)に示すよ
うにガラス等からなる透明基板121を用意する。そし
て、これに対し、必要に応じてTEOS(テトラエトキ
シシラン)や酸素ガスなどを原料としてプラズマCVD
法により厚さ約200〜500nmのシリコン酸化膜か
らなる下地保護膜(図示せず)を形成する。
に設定して、下地保護膜の表面にプラズマCVD法によ
り厚さ約30〜70nmのアモルファスシリコン膜から
なる半導体膜200を形成する。次いで、この半導体膜
200に対してレーザアニールまたは固相成長法などの
結晶化工程を行い、半導体膜200をポリシリコン膜に
結晶化する。レーザアニール法では、例えばエキシマレ
ーザでビームの長寸が400mmのラインビームを用
い、その出力強度は例えば200mJ/cm2 とする。
ラインビームについては、その短寸方向におけるレーザ
強度のピーク値の90%に相当する部分が各領域毎に重
なるようにラインビームを走査する。
体膜(ポリシリコン膜)200をパターニングして島状
の半導体膜210とし、その表面に対して、TEOSや
酸素ガスなどを原料としてプラズマCVD法により厚さ
約60〜150nmのシリコン酸化膜または窒化膜から
なるゲート絶縁膜220を形成する。なお、半導体膜2
10は、図9に示したカレント薄膜トランジスタ143
のチャネル領域及びソース・ドレイン領域となるもので
あるが、異なる断面位置においてはスイッチング薄膜ト
ランジスタ142のチャネル領域及びソース・ドレイン
領域となる半導体膜も形成されている。つまり、図10
〜図12に示す製造工程では二種類のトランジスタ14
2、143が同時に作られるのであるが、同じ手順で作
られるため、以下の説明ではトランジスタに関しては、
カレント薄膜トランジスタ143についてのみ説明し、
スイッチング薄膜トランジスタ142についてはその説
明を省略する。
ミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステ
ンなどの金属膜からなる導電膜をスパッタ法により形成
した後、これをパターニングし、ゲート電極143Aを
形成する。次いで、この状態で高濃度のリンイオンを打
ち込み、半導体膜210に、ゲート電極143Aに対し
て自己整合的にソース・ドレイン領域143a、143
bを形成する。なお、不純物が導入されなかった部分が
チャネル領域143cとなる。
絶縁膜230を形成した後、コンタクトホール232、
234を形成し、これらコンタクトホール232、23
4内に中継電極236、238を埋め込む。次いで、図
10(e)に示すように、層間絶縁膜230上に、信号
線132、共通給電線133及び走査線(図10に示さ
ず)を形成する。ここで、中継電極238と各配線と
は、同一工程で形成されていてもよい。このとき、中継
電極236は、後述するITO膜により形成されること
になる。
絶縁膜240を形成し、中継電極236に対応する位置
にコンタクトホール(図示せず)を形成し、そのコンタ
クトホール内にも埋め込まれるようにITO膜を形成
し、さらにそのITO膜をパターニングして、信号線1
32、共通給電線133及び走査線(図示せず)に囲ま
れた所定位置に、ソース・ドレイン領域143aに電気
的に接続する画素電極141を形成する。ここで、信号
線132及び共通給電線133、さらには走査線(図示
せず)に挟まれた部分が、後述するように正孔注入層や
発光層の形成場所となっている。
の形成場所を囲むように隔壁150を形成する。この隔
壁150は仕切部材として機能するものであり、例えば
ポリイミド等の絶縁性有機材料で形成するのが好まし
い。隔壁150の膜厚については、例えば1〜2μmの
高さとなるように形成する。また、隔壁150は、イン
クジェットヘッド34から吐出される液状体に対して非
親和性を示すものが好ましい。隔壁150に非親和性を
発現させるためには、例えば隔壁150の表面をフッ素
系化合物などで表面処理するといった方法が採用され
る。フッ素化合物としては、例えばCF4 、SF5 、C
HF3 などがあり、表面処理としては、例えばプラズマ
処理、UV照射処理などが挙げられる。そして、このよ
うな構成のもとに、正孔注入層や発光層の形成場所、す
なわちこれらの形成材料の塗布位置とその周囲の隔壁1
50との間には、十分な高さの段差111が形成されて
いるのである。
121の上面を上に向けた状態で、正孔注入層の形成材
料を前記のインクジェットヘッド34より、前記隔壁1
50に囲まれた塗布位置、すなわち隔壁150内に選択
的に塗布する。正孔注入層の形成材料としては、ポリマ
ー前駆体がポリテトラヒドロチオフェニルフェニレンで
あるポリフェニレンビニレン、1,1−ビス−(4−
N,N−ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサン、ト
リス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウム等が
挙げられる。このとき、液状の形成材料114Aは、流
動性が高いため水平方向に広がろうとするが、塗布され
た位置を囲んで隔壁150が形成されているので、形成
材料114Aは隔壁150を越えてその外側に広がるこ
とが防止されている。
るいは光照射により液状の前駆体114Aの溶媒を蒸発
させて、画素電極141上に、固形の正孔注入層140
Aを形成する。次いで、図12(a)に示すように、基
板121の上面を上に向けた状態で、インクジェットヘ
ッド34よりインクとして発光層の形成材料(発光材
料)114Bを前記隔壁150内の正孔注入層140A
上に選択的に塗布する。
高分子有機化合物の前駆体と、得られる発光層の発光特
性を変化させるための蛍光色素とを含んでなるものが好
適に用いられる。共役系高分子有機化合物の前駆体は、
蛍光色素等とともにインクジェットヘッド34から吐出
されて薄膜に成形された後、例えば以下の式(I)に示
すように加熱硬化されることによって共役系高分子有機
EL層となる発光層を生成し得るものをいい、例えば前
駆体のスルホニウム塩の場合、加熱処理されることによ
りスルホニウム基が脱離し、共役系高分子有機化合物と
なるもの等である。
で強い蛍光を持ち、均質な固体超薄膜を形成することが
できる。しかも形成能に富みITO電極との密着性も高
い。さらに、このような化合物の前駆体は、硬化した後
は強固な共役系高分子膜を形成することから、加熱硬化
前においては前駆体溶液を後述するインクジェットパタ
ーニングに適用可能な所望の粘度に調整することがで
き、簡便かつ短時間で最適条件の膜形成を行うことがで
きる。
(ポリ(パラ−フェニレンビニレン))またはその誘導
体の前駆体が好ましい。PPVまたはその誘導体の前駆
体は、水あるいは有機溶媒に可溶であり、また、ポリマ
ー化が可能であるため光学的にも高品質の薄膜を得るこ
とができる。さらに、PPVは強い蛍光を持ち、また二
重結合のπ電子がポリマー鎖上で非極在化している導電
性高分子でもあるため、高性能の有機EL素子を得るこ
とができる。
駆体として、例えば化学式(II)に示すような、PP
V(ポリ(パラ−フェニレンビニレン))前駆体、MO
−PPV(ポリ(2,5−ジメトキシ−1,4−フェニ
レンビニレン))前駆体、CN−PPV(ポリ(2,5
−ビスヘキシルオキシ−1,4−フェニレン−(1−シ
アノビニレン)))前駆体、MEH−PPV(ポリ[2
−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシルオキシ)]−
パラ−フェニレンビニレン)前駆体等が挙げられる。
述したように水に可溶であり、製膜後の加熱により高分
子化してPPV層を形成する。前記PPV前駆体に代表
される前駆体の含有量は、組成物全体に対して0.01
〜10.0wt%が好ましく、0.1〜5.0wt%が
さらに好ましい。前駆体の添加量が少な過ぎると共役系
高分子膜を形成するのに不十分であり、多過ぎると組成
物の粘度が高くなり、インクジェット法による精度の高
いパターニングに適さない場合がある。
くとも1種の蛍光色素を含むのが好ましい。これによ
り、発光層の発光特性を変化させることができ、例え
ば、発光層の発光効率の向上、または光吸収極大波長
(発光色)を変えるための手段としても有効である。す
なわち、蛍光色素は単に発光層材料としてではなく、発
光機能そのものを担う色素材料として利用することがで
きる。例えば、共役系高分子有機化合物分子上のキャリ
ア再結合で生成したエキシトンのエネルギーをほとんど
蛍光色素分子上に移すことができる。この場合、発光は
蛍光量子効率が高い蛍光色素分子からのみ起こるため、
発光層の電流量子効率も増加する。したがって、発光層
の形成材料中に蛍光色素を加えることにより、同時に発
光層の発光スペクトルも蛍光分子のものとなるので、発
光色を変えるための手段としても有効となる。
機能に基づいて発光性能を考察するための尺度であっ
て、下記式により定義される。 ηE =放出されるフォトンのエネルギー/入力電気エネ
ルギー そして、蛍光色素のドープによる光吸収極大波長の変換
によって、例えば赤、青、緑の3原色を発光させること
ができ、その結果フルカラー表示体を得ることが可能と
なる。さらに蛍光色素をドーピングすることにより、E
L素子の発光効率を大幅に向上させることができる。
る発光層を形成する場合、赤色の発色光を有するローダ
ミンまたはローダミン誘導体を用いるのが好ましい。こ
れらの蛍光色素は、低分子であるため水溶液に可溶であ
り、またPPVと相溶性がよく、均一で安定した発光層
の形成が容易である。このような蛍光色素として具体的
には、ローダミンB、ローダミンBベース、ローダミン
6G、ローダミン101過塩素酸塩等が挙げられ、これ
らを2種以上混合したものであってもよい。
成する場合、緑色の発色光を有するキナクリドンおよび
その誘導体を用いるのが好ましい。これらの蛍光色素は
前記赤色蛍光色素と同様、低分子であるため水溶液に可
溶であり、またPPVと相溶性がよく発光層の形成が容
易である。
形成する場合、青色の発色光を有するジスチリルビフェ
ニルおよびその誘導体を用いるのが好ましい。これらの
蛍光色素は前記赤色蛍光色素と同様、低分子であるため
水・アルコール混合溶液に可溶であり、またPPVと相
溶性がよく発光層の形成が容易である。
としては、クマリンおよびその誘導体を挙げることがで
きる。これらの蛍光色素は、前記赤色蛍光色素と同様、
低分子であるため水溶液に可溶であり、またPPVと相
溶性がよく発光層の形成が容易である。このような蛍光
色素として具体的には、クマリン、クマリン−1、クマ
リン−6、クマリン−7、クマリン120、クマリン1
38、クマリン152、クマリン153、クマリン31
1、クマリン314、クマリン334、クマリン33
7、クマリン343等が挙げられる。
素としては、テトラフェニルブタジエン(TPB)また
はTPB誘導体を挙げることができる。これらの蛍光色
素は、前記赤色蛍光色素等と同様、低分子であるため水
溶液に可溶であり、またPPVと相溶性がよく発光層の
形成が容易である。以上の蛍光色素については、各色と
もに1種のみを用いてもよく、また2種以上を混合して
用いてもよい。
高分子有機化合物の前駆体固型分に対し、0.5〜10
wt%添加するのが好ましく、1.0〜5.0wt%添
加するのがより好ましい。蛍光色素の添加量が多過ぎる
と発光層の耐候性および耐久性の維持が困難となり、一
方、添加量が少な過ぎると、前述したような蛍光色素を
加えることによる効果が十分に得られないからである。
は、極性溶媒に溶解または分散させてインクとし、この
インクをインクジェットヘッド34から吐出するのが好
ましい。極性溶媒は、前記前駆体、蛍光色素等を容易に
溶解または均一に分散させることができるため、インク
ジェットヘッド34のノズル孔18での発光層形成材料
中の固型分が付着したり目詰りを起こすのを防止するこ
とができる。
水、メタノール、エタノール等の水と相溶性のあるアル
コール、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N
−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルイミダゾリン
(DMI)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の有
機溶媒または無機溶媒が挙げられ、これらの溶媒を2種
以上適宜混合したものであってもよい。
ておくのが好ましい。これにより、形成材料がインクジ
ェットヘッド34のノズル孔18で乾燥・凝固すること
を有効に防止することができる。かかる湿潤剤として
は、例えばグリセリン、ジエチレングリコール等の多価
アルコールが挙げられ、これらを2種以上混合したもの
であってもよい。この湿潤剤の添加量としては、形成材
料の全体量に対し、5〜20wt%程度とするのが好ま
しい。なお、その他の添加剤、被膜安定化材料を添加し
てもよく、例えば、安定剤、粘度調整剤、老化防止剤、
pH調整剤、防腐剤、樹脂エマルジョン、レベリング剤
等を用いることができる。
ンクジェットヘッド34のノズル孔18から吐出する
と、形成材料114Aは隔壁150内の正孔注入層14
0A上に塗布される。ここで、形成材料114Aの吐出
による発光層の形成は、赤色の発色光を発光する発光層
の形成材料、緑色の発色光を発光する発光層の形成材
料、青色の発色光を発光する発光層の形成材料を、それ
ぞれ対応する画素71に吐出し塗布することによって行
う。なお、各色に対応する画素71は、これらが規則的
な配置となるように予め決められている。
出し塗布したら、発光層形成材料114B中の溶媒を蒸
発させることにより、図12(b)に示すように正孔層
注入層140A上に固形の発光層140Bを形成し、こ
れにより正孔層注入層140Aと発光層140Bとから
なる発光部140を得る。ここで、発光層形成材料11
4B中の溶媒の蒸発については、必要に応じて加熱ある
いは減圧等の処理を行うが、発光層の形成材料は通常乾
燥性が良好で速乾性であることから、特にこのような処
理を行うことなく、したがって各色の発光層形成材料を
順次吐出塗布することにより、その塗布順に各色の発光
層140Bを形成することができる。その後、図12
(c)に示すように、透明基板121の表面全体に、あ
るいはストライプ状に反射電極154を形成し、有機E
L素子を得る。
ても、正孔注入層140Aや発光層140Bといった有
機EL素子の構成要素となる薄膜を、製膜装置30によ
って作製していることから、正孔注入層140Aや発光
層140Bの形成材料となるインクのロスを少なくし、
さらに気泡に起因する吐出不良を防止することができ、
したがって正孔注入層140Aや発光層140Bを比較
的安価にしかも安定して形成することができる。
もチャネル部が有機膜で形成された有機TFT素子の構
成要素となる薄膜の形成にも用いることができる。この
有機TFT素子としては、例えば図13に示すような構
成のものがある。図13において符号350は基板であ
り、この基板350上にはゲート電極351が形成され
ている。また、基板350上にはゲート電極351を覆
った状態で高誘電率の絶縁体からなるゲート絶縁膜35
2が形成され、このゲート絶縁膜352上には有機半導
体層353が形成されている。そして、この有機半導体
層353上にソース電極354およびドレイン電極35
5が形成されることにより、有機TFT素子(有機薄膜
トランジスタ素子)が構成される。
は、まず、基板350上にゲート電極材料を設けてゲー
ト電極351を形成する。次に、このゲート電極351
を覆った状態にゲート絶縁膜352を形成する。このゲ
ート絶縁膜352の形成材料としては、限定されること
なく種々のものが使用可能であるが、特に高誘電率の絶
縁体として、金属酸化物薄膜、好ましくはチタン酸バリ
ウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウ
ム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、
チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バ
リウムマグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸スト
ロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマ
ス、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、タンタル酸ニオブ酸
ストロンチウムビスマス、ペントオキサイドタンタル、
ジオキサイドチタン、トリオキサイドイットリウム、酸
化タンタル、酸化バナジウム、酸化チタンなどの無機材
料が好適に用いられる。また、ポリクロロピレン、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリビ
ニルクロライド、ポリフッ化ビニリデン、シアノエチル
プルラン、ポリメチルメタクリレート、ポリサルファ
ン、ポリカーボネート、ポリイミド等の有機材料も使用
可能である。なお、特に前記の無機材料によってゲート
絶縁膜352を形成する場合には、製膜後、さらにこれ
に150〜400℃の範囲の適宜な温度でアニール処理
を行うのが、膜品質を改善し、誘電率を増大させること
ができ好ましい。
半導体層353を形成する。この有機半導体層353の
形成にあたっては、特に図1に示した製膜装置30が好
適に用いられる。有機半導体層353の形成材料として
は、ゲート電圧が増加するにしたがって電界効果移動度
の増大を示すポリマ半導体またはオリゴマー半導体が用
いられ、具体的には、ナフタレン、アントラセン、テト
ラセン、ペンタセン、ヘキサセン、およびその誘導体
や、ポリアセチレンのうちの1種以上が用いられる。
は、2〜5個の炭素原子を介して結合された、オリゴ重
合度が4以上8以下のチオフェンのオリゴマー;2〜5
個の炭素原子を介して結合された、3〜6個のチオフェ
ン環と末端基としてチオフェンを有するビニレンと、チ
エニレンとの交互共役オリゴマー;ベンゾ[1,2−
b:4,5’]ジチオフェンの線状ダイマー及びトリマ
ー;末端のチオフェンの4個又は5個の炭素原子上に置
換基(例えば、炭素原子を1〜20個有するアルキル置
換基)を有する前記オリゴマー;ポリマーマトリックス
中のp、p’−ジアミノビフェニル複合体なども使用可
能であり、特にα−ヘキサチエニレン(α−6T)が好
適に用いられる。さらに、p−チャネル用とされる場合
には、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボキシル
ジアンヒドライド(NTCDA:naphthalene tetracar
boxylic dianhydride )、1,4,5,8−ナフタレン
テトラカルボキシルジイミド(NTCDI:naphthalen
e tetracarboxylic diimide)、11,11,12,1
2−テトラシアノナフト−2,6−キノジメタン(TC
NNQD:tetracyanonaphtho-2,6-quinodimethane)な
ども使用可能である。
置30によって製膜する場合、予め溶剤に溶解してこれ
らを液状にしておき、これを基板350のゲート絶縁膜
352上に吐出し塗布する。そして、加熱あるいは減圧
等による乾燥を適宜に行うことにより、溶剤を除去して
有機半導体層353とする。その後、この有機半導体層
353上にソース電極354およびドレイン電極355
を形成し、有機TFT素子を得る。
っても、その構成要素となる有機半導体層353を製膜
装置30によって作製していることから、有機半導体層
353の形成材料となるインクのロスを少なくし、さら
に気泡に起因する吐出不良を防止することができ、した
がって有機半導体層353を比較的安価にしかも安定し
て形成することができる。
た製膜装置、さらには本発明の液状体塗布方法は、前記
の実施の形態に限定されることなく、種々の用途に使用
可能である。例えば、銀コロイド溶液などをインクとし
て用い、これを基板上に吐出して塗布し、さらに加熱乾
燥することにより、金属配線を直接パターニングするこ
とができる。なお、前記の実施の形態では、薄膜の材料
として用いた種々の液状体を、便宜上インクと称した
が、このインクは着色されたものに限らず、例えば透明
のものであってもよい。また、図1に示した本発明の製
膜装置30は、製膜に限定されることなく、種々のパタ
ーンを形成する印刷装置としても使用可能である。
方法は、ヘッドの近傍に収容部材を配置して行う方法で
あるから、ヘッドへの液状体の供給路となる長い供給チ
ューブなどを不要にすることができ、これにより液状体
のロスや気泡に起因する吐出不良を防止し、さらに複雑
な経路の切り替え機構なども不要にすることができる。
液状体を収容した収容部材を配置したものであるから、
ヘッドへの液状体供給路となる長い供給チューブなどを
不要にすることができ、これにより液状体のロスや気泡
に起因する吐出不良を防止し、さらに複雑な経路の切り
替え機構なども不要にすることができる。したがって、
装置が簡易な構成になることにより安価となり、またメ
ンテナンスも容易になるとともに故障なども少ないもの
となる。
置が、ヘッドの近傍に液状体を収容した収容部材を配置
したものとなっているので、ヘッドへの液状体供給路と
なる長い供給チューブなどを不要にすることができ、こ
れにより液状体のロスや気泡に起因する吐出不良を防止
し、さらに複雑な経路の切り替え機構なども不要にする
ことができる。したがって、形成する各種の膜の製造コ
ストを低減化するとともに、得られる製品の歩留まりを
向上することができる。
置)を備えた製膜装置の、一実施形態例を示す概略構成
図である。
ための図であり、(a)は要部斜視図、(b)は要部側
断面図である。
解斜視図である。
る。
方法を工程順に説明するための要部側断面図である。
置)を備えた製膜装置の、他の実施形態例を示す概略構
成図である。
図である。
例の回路図である。
部の平面構造を示す拡大平面図である。
を工程順に説明するための要部側断面図である。
説明するための要部側断面図である。
説明するための要部側断面図である。
断面図である。
略構成図である。
段、33a…架台、33b…走行路、34…インクジェ
ットヘッド(ヘッド)、47…インク供給(供給源)、
49…インクパック(収容部材)、S…透明基板(基
板)
Claims (11)
- 【請求項1】 ヘッドを備えた液滴吐出装置により液状
体を塗布する方法において、 前記液状体の供給源として前記液状体を収容した収容部
材を用い、該収容部材を前記ヘッドの近傍に配置して液
状体の塗布を行うことを特徴とする液状体塗布方法。 - 【請求項2】 ベースと、このベース上の基板に対して
液滴を吐出するヘッドとを備えてなる液滴吐出装置にお
いて、 前記ヘッドに液状体を供給する供給源として液状体を収
容した収容部材を用い、該収容部材を前記ヘッドの近傍
に配置したことを特徴とする液滴吐出装置。 - 【請求項3】 前記ヘッドは、これを前記ベースの上方
に位置させる架台に保持されてなり、前記収容部材は、
該架台に保持されてなることを特徴とする請求項2記載
の液滴吐出装置。 - 【請求項4】 前記架台には、前記ヘッドを少なくとも
一方向に移動させる走行路が設けられ、前記収容部材
は、該走行路に保持されてなることを特徴とする請求項
3記載の液滴吐出装置。 - 【請求項5】 前記収容部材は、充填された液状体の揺
動を抑制する揺動緩衝材が設けられていることを特徴と
する請求項2〜4のいずれかに記載の液滴吐出装置。 - 【請求項6】 請求項2〜5のいずれかに記載の液滴吐
出装置を備えてなる製膜装置。 - 【請求項7】 カラーフィルタを形成する請求項6記載
の製膜装置。 - 【請求項8】 金属配線を形成する請求項6記載の製膜
装置。 - 【請求項9】 液晶素子の構成要素となる薄膜を形成す
る請求項6記載の製膜装置。 - 【請求項10】 有機エレクトロルミネッセンス素子の
構成要素となる薄膜を形成する請求項6記載の製膜装
置。 - 【請求項11】 有機薄膜トランジスタ素子の構成要素
となる薄膜を形成する請求項6記載の製膜装置。
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JP2005161567A (ja) * | 2003-11-28 | 2005-06-23 | Seiko Epson Corp | 機能液供給機構およびこれを備えた機能液滴吐出装置、並びに電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器 |
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