JP2004087482A - 組成物、成膜方法及び成膜装置、電気光学装置及びその製造方法、有機エレクトロルミネッセンス装置及びその製造方法、デバイス及びその製造方法、電子機器 - Google Patents

組成物、成膜方法及び成膜装置、電気光学装置及びその製造方法、有機エレクトロルミネッセンス装置及びその製造方法、デバイス及びその製造方法、電子機器 Download PDF

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遠藤 彩映
Shunichi Seki
関 俊一
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Abstract

【課題】パターン形成用材料を液状化した際、気泡の発生を抑えることができる液状体組成物、及びこの液状体組成物を用いて生産性良く膜パターンを形成できる成膜装置を提供する。
【解決手段】成膜装置は、有機機能材料と溶媒と界面活性剤とを含む液状体組成物を生成する液状体組成物生成装置Sと、液状体組成物生成装置Sで生成した液状体組成物からなる液滴を基板Pに吐出する液滴吐出装置IJとを備えている。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、組成物、成膜方法及び成膜装置、電気光学装置及び電気光学装置の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス装置及び有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、デバイス及びデバイスの製造方法、電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より半導体デバイスの配線パターンなど微細なパターン形成を行う際にフォトリソグラフィー法が多用されているが、近年において液滴吐出法(液状体吐出法)を用いたパターン形成方法が注目されている。液滴吐出法はパターン形成用材料を溶媒で液状化(インク化)し、液滴吐出装置(液状体吐出装置)より液滴(インク滴)を基材に対して吐出することでパターン形成する方法である。液滴吐出法は少量多種生産に対応可能である点などにおいて大変有効である。下記特許文献には液滴吐出法に関する技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−274671号公報
【特許文献2】
特開2000−216330号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したパターン形成方法において、以下に述べる問題が生じるようになった。
液状体組成物(インク)中に気泡が存在すると液滴吐出装置からの吐出時において液滴の飛行曲がりが生じる場合がある。飛行曲がりが生じると基材上の所望の位置に液滴が配置されず、形成されるパターン精度が低下する。
また、液状体組成物を用いて基材上に膜パターンを形成する際、基材に対する液状体組成物の濡れ性が悪いと均一な厚みで成膜できない。
更に、成膜時においても液状体組成物中に気泡が存在していると、この気泡により膜表面が平滑に形成されないという問題も生じるようになった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、液状体を含む組成物を用いて成膜する際、基材に対する濡れ性を向上させて均一な膜を製造できるとともに、この組成物を液滴吐出法(液状体吐出法)により基材上に設ける際、飛行曲がりを生じさせずに吐出安定性を向上できる組成物を提供することを目的とする。また、この組成物を用いて生産性良く膜パターンを形成できる成膜方法及び成膜装置を提供することを目的とする。
更に、この組成物を用いることにより信頼性の高い電気光学装置及び電気光学装置の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス装置及び有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、デバイス及びデバイスの製造方法、これら装置が搭載された電子機器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の組成物は、有機機能材料と溶媒とを含有する溶液に界面活性剤を添加したことを特徴とする。
本発明によれば、有機機能材料と溶媒とを含む溶液に界面活性剤を添加して液状化(インク化)したことにより、組成物中の気泡の発生を抑えることができる。したがって、液状体吐出装置(液滴吐出装置)により吐出する際、組成物からなる液滴は飛行曲がりを生じないので、基材上の所望の位置に液滴を配置できる。また、界面活性剤を添加したことにより組成物の基材に対する濡れ性は向上するので、基材上に形成される膜の厚みを均一化することができる。更に、組成物が基材上で成膜後においても界面活性剤により気泡の発生が抑えられているので、膜表面は平滑に形成される。
ここで、用いる溶媒は有機機能材料の物性に応じて有機系溶媒や水系溶媒など任意の溶媒を適宜選択できる。また、組成物の気泡の発生を抑える添加剤としては、界面活性剤の他に、分散剤、消泡剤、及びpH調整剤等が挙げられ、これらの添加剤を界面活性剤のかわりに、あるいは界面活性剤とともに組成物に添加するようにしてもよい。
【0007】
本発明の組成物において、前記界面活性剤は透明あるいは半透明である構成が採用される。これによれば、この組成物を発光装置の製造に適用した際、界面活性剤による着色を抑え、発光装置による発光色の変化や輝度の低下等、発光色に対する界面活性剤の影響を抑えることができ、所望の発色状態を得ることができる。なお、有機機能材料に対する界面活性剤の添加量が十分に少ない場合であれば、界面活性剤が着色していても発光色に対する影響は少ない。
【0008】
本発明の組成物において、前記有機機能材料は発光材料である構成が採用される。これによれば、発光材料を液状化して素子を製造する際、気泡の発生を抑えるとともに基材への濡れ性を向上して均一な膜を形成できるので、優れた発光性能を発揮できる。
また、本発明の組成物において、前記有機機能材料は高分子材料である構成が採用されてもよいし、有機エレクトロルミネッセンス材料である構成が採用されもよい。更に、前記有機機能材料が有機エレクトロルミネッセンス材料である場合、前記界面活性剤が添加されるのは正孔注入材料(正孔注入層形成用材料)、あるいは発光材料(発光層形成用材料)とすることができる。
【0009】
本発明の組成物において、前記界面活性剤の親水親油バランス(HLB値)は1以上20以下である構成が採用される。これによれば、気泡の発生を抑制できるとともに基材に対する濡れ性を向上できる。
【0010】
ここで、有機機能材料が有機エレクトロルミネッセンス材料であって用いる溶媒が水系溶媒である場合には、界面活性剤のHLB値は4〜20好ましくは6〜16であることが望ましい。また、用いる溶媒が有機系溶媒である場合には、HLB値は1〜16好ましくは3〜12であることが望ましい。
【0011】
また、本発明の組成物において、組成物(溶液)に対する界面活性剤の濃度は0.01〜5.0wt%好ましくは0.05〜0.5wt%であることが望ましい。
【0012】
本発明の成膜方法は、有機機能材料と溶媒とを含有する、界面活性剤を添加した液状体を所定面上に設けることにより膜を形成することを特徴とする。
本発明によれば、組成物に界面活性剤を添加したので、気泡の発生を抑えることができるとともに基材に対する濡れ性を向上することができる。したがって、良好な膜を製造することができる。
【0013】
本発明の成膜方法において、前記有機機能材料は発光材料である構成が採用される。これにより、良好な発光特性を有する膜を製造することができる。
【0014】
また、本発明の成膜方法において、前記有機機能材料は、有機エレクトロルミネッセンス素子の構成要素形成用材料であってもよいし、カラーフィルタの構成要素形成用材料であってもよいし、有機薄膜トランジスタ素子の構成要素形成用材料であってもよいし、液晶素子の構成要素形成用材料であってもよい。これら各構成要素形成用材料に界面活性剤を添加することにより上記各素子は良好に性能を発揮する。
【0015】
本発明の成膜方法において、前記組成物を含む液状体を液状体吐出装置で前記所定面上に吐出することにより前記膜を形成する構成が採用される。すなわち、本発明の組成物を液状体吐出法(液滴吐出法)により所定面上に吐出し、成膜することができる。この場合、組成物には界面活性剤が添加されているので飛行曲がりが生じず液状体吐出装置からの吐出動作は安定し、所望の膜パターンを形成できる。なお、本発明の組成物を用いた成膜方法は、液状体吐出法に限らず、スピンコート法など他のコーティング法(成膜法)を用いてもよい。
【0016】
本発明の成膜装置は、有機機能材料と溶媒と界面活性剤とを含む液状体組成物を調整する液状体調整手段と、前記液状体調整手段で調整した液状体を所定面に吐出する液状体吐出手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、組成物に界面活性剤を添加したので、組成物中の気泡の発生を抑えることができるとともに基材に対する濡れ性を向上できる。したがって、均一な膜を生産性良く製造できる。そして、液状体吐出手段(吐出装置)を用いて成膜するようにしたので、任意の膜パターンを容易に形成できる。
【0017】
本発明の成膜装置において、前記調整手段と前記液状体吐出手段との間に、前記液状体を輸送する輸送手段を備える構成が採用される。ここで、輸送手段は外気と遮断されていることが望ましい。
【0018】
本発明の成膜装置は、有機エレクトロルミネッセンス材料と溶媒と界面活性剤とを含む組成物を調整する液状体組成物調整装置と、前記調整装置で調整した組成物を所定面上に設けて成膜する成膜部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、有機エレクトロルミネッセンス材料を含む組成物に界面活性剤を添加したので、この組成物中の気泡の発生を抑えることができるとともに基材に対する濡れ性を向上できる。したがって、均一な膜を生産性良く製造でき、所望の性能を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を製造できる。
【0019】
本発明の成膜装置において、前記所定面を有する基材を支持しつつ移動可能なステージ装置を備える構成が採用される。これによれば、基材を移動しながら組成物を所定面上に設けることができ、効率良く膜を製造できる。
【0020】
本発明の電気光学装置は、機能素子を有する電気光学装置において、前記機能素子に界面活性剤が含有されていることを特徴とする。
本発明によれば、機能素子に界面活性剤が含有されていることにより、素子製造時において機能素子中の材料の気泡の発生を抑えることができ、高性能な電気光学装置が提供される。
【0021】
本発明の電気光学装置において、前記機能素子は発光素子である構成が採用される。すなわち、機能素子は発光可能な材料層により構成されていてもよい。これにより、良好な発光性能を有する電気光学装置が提供される。
また、上記記載の電気光学装置において、前記発光素子は発光層と該発光層を挟持する一対の電極とを備えており、前記発光素子を支持する基材と、前記基材に設けられ、前記電極に対する通電制御を行う通電制御部とを備える構成が採用される。これによれば、通電制御部により電極を介して発光層に所望の電力を供給し、発光させることができる。
また、本発明の電気光学装置において、前記機能素子は有機エレクトロルミネッセンス素子である構成とすることもできる。
【0022】
本発明の電気光学装置の製造方法は、機能素子を有する電気光学装置の製造方法において、前記機能素子形成用材料と溶媒とを含有する液状体に界面活性剤を添加して組成物を調整する工程と、前記組成物を流路を介して液状体吐出手段に送出し、前記液状体吐出手段により前記組成物を基材上に配置し、前記機能素子の構成要素となる膜を形成する工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、機能素子形成用材料と溶媒と界面活性剤とにより組成物を生成するので、組成物製造時や保存時において気泡の発生を抑えることができる。そして、この組成物を用いて成膜するようにしたので成膜時においても気泡が生じず、平滑性に優れた膜を製造できる。
そしで、前記機能素子は有機エレクトロルミネッセンス素子である構成とすることができる。
【0023】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置は、複数の材料層を有する有機エレクトロルミネッセンス装置において、前記複数の材料層のうち少なくとも1つの材料層に界面活性剤が含有されていることを特徴とする。
本発明によれば、有機エレクトロルミネッセンス装置を構成する材料層に界面活性剤を含有したことにより、平滑性に優れ均一な厚みを有する材料層が形成される。したがって、信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス装置を提供できる。
【0024】
この場合において、有機エレクトロルミネッセンス装置を構成する前記材料層のうち発光層に界面活性剤が含有されている構成が採用される。これにより、平滑性に優れ均一な厚みを有する発光層が形成されているので、良好な発光特性を有する有機エレクトロルミネッセンス装置が提供される。
【0025】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、複数の材料層を有する有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法において、材料層形成用材料と溶媒とを含有する溶液に界面活性剤を添加して組成物を調整し、前記組成物を用いて前記材料層を形成することを特徴とする。
本発明によれば、有機エレクトロルミネッセンス装置を製造するための組成物を製造する際、材料層形成用材料に界面活性剤を添加するようにしたので、組成物製造時や保存時において組成物の気泡の発生を抑えることができる。そして、この組成物を用いて材料層を形成することにより平滑性に優れ均一な厚みを有する材料層が形成される。したがって、信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス装置を製造することができる。
【0026】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法において、前記組成物を含む液状体を液状体吐出装置で吐出することにより前記材料層を形成する構成が採用される。前記組成物を含む液状体を液状体吐出装置で吐出することにより前記材料層を形成する構成が採用される。これにより、飛行曲がりを生じさせずに簡易な構成で作業性良く材料層を形成できる。
【0027】
本発明のデバイスは、上記記載の組成物を用いて製造されたことを特徴とする。また、本発明のデバイスの製造方法は、上記記載の組成物を用いることを特徴とする。また、本発明のデバイスの製造方法において、前記組成物からなる液滴を液滴吐出装置で吐出する工程を有する構成が採用される。これにより、信頼性の高いデバイスを提供できる。
【0028】
本発明の電子機器は、上記記載の電気光学装置が搭載されたことを特徴とする。また、本発明の電子機器は、上記記載の有機エレクトロルミネッセンス装置が搭載されたことを特徴とする。これにより優れた特性を有する電子機器が提供される。
【0029】
ここで、本発明における液状体吐出装置(液滴吐出装置)はインクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)を備えたインクジェット装置を含む。インクジェット装置のインクジェットヘッドは、インクジェット法により組成物を定量的に吐出可能であり、例えば1ドットあたり1〜300ナノグラムの組成物を定量的に断続して滴下可能な装置である。なお、液滴吐出装置としてはディスペンサー装置であってもよい。
【0030】
液滴吐出装置の液滴吐出方式としては、圧電体素子の体積変化により液状体の組成物を吐出させるピエゾジェット方式であっても、熱の印加により急激に蒸気が発生することにより組成物を吐出させる方式であってもよい。
【0031】
液状体を含む組成物(液状体組成物)とは、液滴吐出装置の吐出ヘッドのノズルから吐出可能(滴下可能)な粘度を備えた媒体をいう。水性であると油性であるとを問わない。ノズル等から吐出可能な流動性(粘度)を備えていれば十分で、固体物質が混入していても全体として流動体であればよい。また、組成物に含まれる材料は融点以上に加熱されて溶解されたものでも、溶媒中に微粒子として攪拌されたものでもよく、溶媒の他に染料や顔料その他の機能性材料を添加したものであってもよい。また、基材はフラット基板を指す他、曲面状の基板であってもよい。さらにパターン形成面の硬度が硬い必要はなく、ガラスやプラスチック、金属以外に、フィルム、紙、ゴム等可撓性を有するものの表面であってもよい。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の成膜装置について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の成膜装置としての液滴吐出装置(成膜装置)を示す概略斜視図である。また、図2及び図3は液滴吐出装置に設けられた液滴吐出ヘッドを示す図である。
図1において、液滴吐出装置IJは、基板(基材)Pの表面(所定面)に組成物を設置可能な成膜装置であって、ベース12と、ベース12上に設けられ、基板Pを支持するステージ(ステージ装置)STと、ベース12とステージSTとの間に介在し、ステージSTを移動可能に支持する第1移動装置14と、ステージSTに支持されている基板Pに対して有機機能材料を含む液状体組成物を定量的に吐出(滴下)可能な液滴吐出ヘッド20と、液滴吐出ヘッド20を移動可能に支持する第2移動装置16とを備えている。液滴吐出ヘッド20の液状体組成物の吐出動作や、第1移動装置14及び第2移動装置16の移動動作を含む液滴吐出装置IJの動作は、制御装置CONTにより制御される。
【0033】
第1移動装置14はベース12の上に設置されており、Y軸方向に沿って位置決めされている。第2移動装置16は、支柱16A,16Aを用いてベース12に対して立てて取り付けられており、ベース12の後部12Aにおいて取り付けられている。第2移動装置16のX軸方向は、第1移動装置14のY軸方向と直交する方向である。ここで、Y軸方向はベース12の前部12Bと後部12A方向に沿った方向である。これに対してX軸方向はベース12の左右方向に沿った方向であり、各々水平である。また、Z軸方向はX軸方向及びY軸方向に垂直な方向である。
【0034】
第1移動装置14は、例えばリニアモータによって構成され、ガイドレール40、40と、このガイドレール40に沿って移動可能に設けられているスライダー42とを備えている。このリニアモータ形式の第1移動装置14のスライダー42は、ガイドレール40に沿ってY軸方向に移動して位置決め可能である。
【0035】
また、スライダー42はZ軸回り(θz)用のモータ44を備えている。このモータ44は、例えばダイレクトドライブモータであり、モータ44のロータはステージSTに固定されている。これにより、モータ44に通電することでロータとステージSTとは、θz方向に沿って回転してステージSTをインデックス(回転割り出し)することができる。すなわち、第1移動装置14は、ステージSTをY軸方向及びθz方向に移動可能である。
【0036】
ステージSTは基板Pを保持し、所定の位置に位置決めするものである。また、ステージSTは吸着保持装置50を有しており、吸着保持装置50が作動することにより、ステージSTの穴46Aを通して基板PをステージSTの上に吸着して保持する。
【0037】
第2移動装置16はリニアモータによって構成され、支柱16A,16Aに固定されたコラム16Bと、このコラム16Bに支持されているガイドレール62Aと、ガイドレール62Aに沿ってX軸方向に移動可能に支持されているスライダー60とを備えている。スライダー60はガイドレール62Aに沿ってX軸方向に移動して位置決め可能であり、液滴吐出ヘッド20はスライダー60に取り付けられている。
【0038】
液滴吐出ヘッド20は、揺動位置決め装置としてのモータ62,64,66,68を有している。モータ62を作動すれば、液滴吐出ヘッド20は、Z軸に沿って上下動して位置決め可能である。このZ軸はX軸とY軸に対して各々直交する方向(上下方向)である。モータ64を作動すると、液滴吐出ヘッド20は、Y軸回りのβ方向に沿って揺動して位置決め可能である。モータ66を作動すると、液滴吐出ヘッド20は、X軸回りのγ方向に揺動して位置決め可能である。モータ68を作動すると、液滴吐出ヘッド20は、Z軸回りのα方向に揺動して位置決め可能である。すなわち、第2移動装置16は、液滴吐出ヘッド20をX軸方向及びZ軸方向に移動可能に支持するとともに、この液滴吐出ヘッド20をθx方向、θy方向、θz方向に移動可能に支持する。
【0039】
このように、図1の液滴吐出ヘッド20は、スライダー60において、Z軸方向に直線移動して位置決め可能で、α、β、γに沿って揺動して位置決め可能であり、液滴吐出ヘッド20の吐出面20Pは、ステージST側の基板Pに対して正確に位置あるいは姿勢をコントロールすることができる。なお、液滴吐出ヘッド20の吐出面20Pには液状体組成物を吐出する複数のノズルが設けられている。
【0040】
図2は液滴吐出ヘッド20を示す分解斜視図である。図2に示すように、液滴吐出ヘッド20は、ノズル81を有するノズルプレート80と、振動板85を有する圧力室基板90と、これらノズルプレート80と振動板85とを嵌め込んで支持する筐体88とを備えている。液滴吐出ヘッド20の主要部構造は、図3の斜視図一部断面図に示すように、圧力室基板90をノズルプレート80と振動板85とで挟み込んだ構造を備える。ノズルプレート80には、圧力室基板90と貼り合わせられたときにキャビティ(圧力室)81に対応することとなる位置にノズル81が形成されている。圧力室基板90には、シリコン単結晶基板等をエッチングすることにより、各々が圧力室として機能可能にキャビティ81が複数設けられている。キャビティ81どうしの間は側壁92で分離されている。各キャビティ81は供給口94を介して共通の流路であるリザーバ93に繋がっている。振動板85は、例えば熱酸化膜等により構成される。振動板85にはタンク口86が設けられ、後述する液状体組成物生成装置Sとしてのタンク30からパイプ(流路)31を通して任意の液状体組成物を供給可能に構成されている。振動板85上のキャビティ81に相当する位置には圧電体素子87が形成されている。圧電体素子87はPZT素子等の圧電性セラミックスの結晶を上部電極および下部電極(図示せず)で挟んだ構造を備える。圧電体素子87は制御装置CONTから供給される吐出信号に対応して体積変化を発生可能に構成されている。
【0041】
液滴吐出ヘッド20から液状体組成物を吐出するには、まず、制御装置CONTが液状体組成物を吐出させるための吐出信号を液滴吐出ヘッド20に供給する。液状体組成物は液滴吐出ヘッド20のキャビティ81に流入しており、吐出信号が供給された液滴吐出ヘッド20では、その圧電体素子87がその上部電極と下部電極との間に加えられた電圧により体積変化を生ずる。この体積変化は振動板85を変形させ、キャビティ81の体積を変化させる。この結果、そのキャビティ81のノズル穴211から液状体組成物の液滴が吐出される。液状体組成物が吐出されたキャビティ81には吐出によって減った液状体組成物が新たに後述するタンク30から供給される。
【0042】
なお、上記液滴吐出ヘッドは圧電体素子に体積変化を生じさせて液状体組成物を吐出させる構成であったが、発熱体により液体材料に熱を加えその膨張によって液滴を吐出させるようなヘッド構成であってもよい。
【0043】
図1に戻って、基板P上に設けられる液状体組成物は、液状体組成物生成装置Sにより生成される。液状体組成物生成装置Sは、液状体組成物を収容可能なタンク30と、タンク30に取り付けられ、このタンク30に収容されている液状体組成物の温度を調整する温度調整装置32と、タンク30に収容されている液状体組成物を攪拌する撹拌装置33とを備えている。温度調整装置32はヒータにより構成されており、タンク30内の液状体組成物を任意の温度に調整する。
【0044】
本実施形態において、液状体組成物生成装置Sは、有機機能材料と溶媒とを含有する溶液に界面活性剤を添加することにより液状体組成物を生成する。タンク30には、このタンク30に対して有機機能材料を供給する有機機能材料供給装置(不図示)と、タンク30に対して所定の溶媒を供給する溶媒供給装置(不図示)と、界面活性剤を供給する界面活性剤供給装置(不図示)とが接続されている。そして、これら供給装置のそれぞれからタンク30に供給された有機機能材料、溶媒、及び界面活性剤が攪拌装置33により攪拌されることによりこれら有機機能材料、溶媒、及び界面活性剤を含む液状体組成物が生成される。攪拌装置33に攪拌されることにより液状体組成物に含まれる材料は均一に分散する。ここで、温度調整装置32は制御装置CONTにより制御され、タンク30内の液状体組成物は温度調整装置32により温度調整されることで所望の粘度に調整される。
【0045】
タンク30はパイプ(流路)31を介して液滴吐出ヘッド20に接続しており、液滴吐出ヘッド20から吐出される液状体組成物はタンク30からパイプ31を介して供給される。また、パイプ31を流れる液状体組成物は不図示のパイプ温度調整装置によって所定の温度に制御され、粘度を調整される。更に、液滴吐出ヘッド20から吐出される液状体組成物の温度は、液滴吐出ヘッド20に設けられた不図示の温度調整装置により制御され、所望の粘度に調整されるようになっている。
【0046】
なお、図1には液滴吐出ヘッド20及び液状体組成物生成装置Sのそれぞれが1つだけ図示されているが、液滴吐出装置IJには複数の液滴吐出ヘッド20及び液状体組成物生成装置Sが設けられており、これら複数の液滴吐出ヘッド20のそれぞれから異種または同種の液状体組成物が吐出されるようになっている。そして、基板Pに対してこれら複数の液滴吐出ヘッド20のうち、第1の液滴吐出ヘッドから第1の液状体組成物を吐出した後、これを焼成又は乾燥し、次いで第2の液滴吐出ヘッドから第2の液状体組成物を基板Pに対して吐出した後これを焼成又は乾燥し、以下、複数の液滴吐出ヘッドを用いて同様の処理を行うことにより、基板P上に複数の材料層が積層され、多層パターンが形成される。
【0047】
次に、液状体組成物生成装置Sにより生成された液状体組成物を用いて基板P上に膜パターンを形成する方法について説明する。以下、一例として有機エレクトロルミネッセンス装置(以下、「有機EL装置」と称する)を構成する膜を製造する場合について説明する。
本発明は有機機能材料と溶媒とを含有する溶液に界面活性剤を添加した液状体組成物を生成し、この液状体組成物を用いて膜を製造することを特徴とするものである。以下、一例として、有機EL装置のうち正孔注入層と発光層とのそれぞれに界面活性剤を添加する場合について説明する。すなわち、上記液状体組成物生成装置Sを用いて、有機機能材料としての正孔注入層形成用材料(正孔注入材料)と発光層形成用材料(発光材料)とのそれぞれに界面活性剤を添加する場合について説明する。なお、以下に示す手順や液状体組成物の材料構成は一例であってこれに限定されるものではない。
【0048】
図4、図5は有機EL装置としての有機ELディスプレイ70の一例の概略構成を説明するための図であって、図4は回路図、図5は各画素71の平面構造を示す図であって反射電極や有機EL素子を取り除いた状態の拡大平面図である。図4に示すように、ELディスプレイ70は、透明の基板上に、複数の走査線131と、これら走査線131に対して交差する方向に延びる複数の信号線132と、これら信号線132に並列に延びる複数の共通給電線133とがそれぞれ配線されたもので、走査線131及び信号線132の各交点毎に、画素(画素領域素)71が設けられて構成されたものである。
【0049】
信号線132に対しては、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン、アナログスイッチを備えるデータ側駆動回路72が設けられている。
一方、走査線131に対しては、シフトレジスタ及びレベルシフタを備える走査側駆動回路73が設けられている。また、画素領域71の各々には、走査線131を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング薄膜トランジスタ(通電制御部)142と、このスイッチング薄膜トランジスタ142を介して信号線132から供給される画像信号を保持する保持容量capと、保持容量capによって保持された画像信号がゲート電極に供給されるカレント薄膜トランジスタ143と、このカレント薄膜トランジスタ143を介して共通給電線133に電気的に接続したときに共通給電線133から駆動電流が流れ込む画素電極141と、この画素電極141と反射電極154との間に挟み込まれる発光部140と、が設けられている。
【0050】
このような構成のもとに、走査線131が駆動されてスイッチング薄膜トランジスタ142がオンとなると、そのときの信号線132の電位が保持容量capに保持され、該保持容量capの状態に応じて、カレント薄膜トランジスタ143のオン・オフ状態が決まる。そして、カレント薄膜トランジスタ143のチャネルを介して共通給電線133から画素電極141に電流が流れ、さらに発光部140を通じて反射電極154に電流が流れることにより、発光部140は、これを流れる電流量に応じて発光するようになる。
ここで、図5に示すように、各画素71の平面構造は、平面形状が長方形の画素電極141の四辺が、信号線132、共通給電線133、走査線131及び図示しない他の画素電極用の走査線によって囲まれた配置となっている。
【0051】
次に、上記ELディスプレイ70に備えられる有機EL素子の製造方法について図6〜図8を参照しながら説明する。なお、図6〜図8には、説明を簡略化するために単一の画素71についてのみが図示されている。
まず、基板Pが用意される。ここで、有機EL素子では後述する発光層による発光光を基板側から取り出すことも可能であり、また基板と反対側から取り出す構成とすることも可能である。発光光を基板側から取り出す構成とする場合、基板材料としてはガラスや石英、樹脂等の透明ないし半透明なものが用いられるが、特に安価なガラスが好適に用いられる。
【0052】
また、基板に色フィルター膜や蛍光性物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜を配置して、発光色を制御するようにしてもよい。
また、基板と反対側から発光光を取り出す構成の場合、基板は不透明であってもよく、その場合、アルミナ等のセラミックス、ステンレス等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したもの、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。
本実施形態では、基板として図6(a)に示すようにガラス等からなる透明基板Pが用いられる。そして、これに対し、必要に応じてTEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料としてプラズマCVD法により厚さ約200〜500nmのシリコン酸化膜からなる下地保護膜(図示せず)が形成される。
【0053】
次に、透明基板Pの温度が約350℃に設定され、下地保護膜の表面にプラズマCVD法により厚さ約30〜70nmのアモルファスシリコン膜からなる半導体膜200が形成される。次いで、この半導体膜200に対してレーザアニールまたは固相成長法などの結晶化工程が行われ、半導体膜200がポリシリコン膜に結晶化される。レーザアニール法では、例えばエキシマレーザでビームの長寸が400mmのラインビームが用いられ、その出力強度は例えば200mJ/cmである。ラインビームについては、その短寸方向におけるレーザ強度のピーク値の90%に相当する部分が各領域毎に重なるようにラインビームを走査する。
【0054】
次いで、図6(b)に示すように、半導体膜(ポリシリコン膜)200をパターニングして島状の半導体膜210が形成され、その表面に対して、TEOSや酸素ガスなどを原料としてプラズマCVD法により厚さ約60〜150nmのシリコン酸化膜または窒化膜からなるゲート絶縁膜220が形成される。なお、半導体膜210は、図5に示したカレント薄膜トランジスタ143のチャネル領域及びソース・ドレイン領域となるものであるが、異なる断面位置においてはスイッチング薄膜トランジスタ142のチャネル領域及びソース・ドレイン領域となる半導体膜も形成されている。つまり、図6〜図8に示す製造工程では二種類のトランジスタ142、143が同時に作られるのであるが、同じ手順で作られるため、以下の説明ではトランジスタに関しては、カレント薄膜トランジスタ143についてのみ説明し、スイッチング薄膜トランジスタ142についてはその説明を省略する。
【0055】
次いで、図6(c)に示すように、アルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステンなどの金属膜からなる導電膜がスパッタ法により形成された後、この導電膜がパターニングされ、ゲート電極143Aが形成される。
次いで、この状態で高濃度のリンイオンが打ち込まれ、半導体膜210に、ゲート電極143Aに対して自己整合的にソース・ドレイン領域143a、143bが形成される。なお、不純物が導入されなかった部分がチャネル領域143cとなる。
【0056】
次いで、図6(d)に示すように、層間絶縁膜230が形成された後、コンタクトホール232、234が形成され、これらコンタクトホール232、234内に中継電極236、238が埋め込まれる。
次いで、図6(e)に示すように、層間絶縁膜230上に、信号線132、共通給電線133及び走査線(図6に示さず)が形成される。ここで、中継電極238と各配線とは、同一工程で形成されていてもよい。このとき、中継電極236は、後述するITO膜により形成されることになる。
【0057】
そして、各配線の上面を覆うように層間絶縁膜240が形成され、中継電極236に対応する位置にコンタクトホール(図示せず)が形成され、そのコンタクトホール内にも埋め込まれるようにITO膜が形成され、さらにそのITO膜がパターニングされて、信号線132、共通給電線133及び走査線(図示せず)に囲まれた所定位置に、ソース・ドレイン領域143aに電気的に接続する画素電極141が形成される。ここで、信号線132及び共通給電線133、さらには走査線(図示せず)に挟まれた部分が、後述するように正孔注入層や発光層の形成場所となっている。
【0058】
次いで、図7(a)に示すように、前記の形成場所を囲むように隔壁150が形成される。この隔壁150は仕切部材として機能するものであり、例えばポリイミド等の絶縁性有機材料で形成するのが好ましい。隔壁150の膜厚は、例えば1〜2μmに設定される。また、隔壁150は、液滴吐出ヘッド20から吐出される液状体組成物に対して非親和性を示すものが好ましい。隔壁150に非親和性を発現させるためには、例えば隔壁150の表面をフッ素系化合物などで表面処理するといった方法が採用される。フッ素化合物としては、例えばCF、SF、CHFなどがあり、表面処理としては、例えばプラズマ処理、UV照射処理などが挙げられる。
そして、このような構成のもとに、正孔注入層や発光層の形成場所、すなわちこれらの形成材料の塗布位置とその周囲の隔壁150との間に、十分な高さの段差111が形成される。
【0059】
次いで、図7(b)に示すように、基板Pの上面を上に向けた状態で、正孔注入層形成用材料を含む液状体組成物114Aが液滴吐出ヘッド20により隔壁150に囲まれた塗布位置、すなわち隔壁150内に選択的に塗布される。
正孔注入層を形成するための液状体組成物114Aは、前記液状体組成物生成装置Sにより生成され、正孔注入層形成用材料、溶媒、及び界面活性剤を含む。
【0060】
正孔注入層形成材料としては、ポリマー前駆体がポリテトラヒドロチオフェニルフェニレンであるポリフェニレンビニレン、1,1−ビス−(4−N,N−ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサン、トリス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウム、バイトロンP、ポリスチレンスルフォン酸等が挙げられる。
また、溶媒としては、イソプロピルアルコール、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−イミダゾリノン等の極性溶媒が用いられる。
【0061】
界面活性剤としては、例えば日信化学工業社製「サーフィノール(商品名)」を用いることができる。この界面活性剤は、基材に対する濡れ性向上と消泡機能とを兼備した界面活性剤である。この界面活性剤を液状体組成物に含有することにより、液滴吐出ヘッドからの吐出時において、流路(パイプ31など)内の気泡及び液状体組成物中の気泡に起因する液滴飛行曲がりを改善できる。また、基材に対して表面張力が高い液状体組成物にこの界面活性剤を添加した場合、この液状体組成物の基材に対する濡れ性を向上できる。また、基材に対する濡れ性向上により、成膜後における膜厚を均一化できる。更に、成膜後の膜表面の平滑度が向上するため、液滴吐出法による層形成時において次層に形成されるべき液状体組成物の濡れ性が向上される。
【0062】
用いる界面活性剤としては、親水親油バランス(HLB値)が1〜20であることが好ましい。これにより界面活性剤は適度な親油性・親水性を有しており、界面活性剤としての機能を十分に発揮する。ここで、用いる溶媒が水系溶媒である場合には、HLB値が4〜20好ましくは6〜16であるものが望ましい。一方、溶媒が有機系溶媒である場合には、HLB値が1〜16好ましくは3〜12であるものが望ましい。
【0063】
界面活性剤の添加量は、溶液に対して0.01〜5.0wt%好ましくは0.5〜0.5wt%であることが望ましい。添加量を上記範囲に設定することにより、所望の機能を得ることができるとともに、有機EL層自体の機能も損なうことがない。
【0064】
また、界面活性剤としては、透明あるいは半透明であることが好ましい。これにより、界面活性剤による正孔注入層の着色を防止し、有機EL装置の発光色の変化や輝度の低下等、発光色に対する界面活性剤の影響を抑えることができ、所望の発色状態を得ることができる。なお、正孔注入層に対する界面活性剤の添加量が十分に少ない場合であれば、界面活性剤が着色していても発光色に対する影響は少ない。
【0065】
上述した正孔注入層形成用材料、溶媒、及び界面活性剤を含む液状体組成物1114Aが液滴吐出ヘッド20より基板P上に吐出されると、流動性が高いため水平方向に広がろうとするが、塗布された位置を囲んで隔壁150が形成されているので、液状体組成物114Aは隔壁150を越えてその外側に広がることが防止されている。
【0066】
次いで、図7(c)に示すように加熱あるいは光照射により液状体組成物114Aの溶媒を蒸発させて、画素電極141上に、固形の正孔注入層140Aが形成される。あるいは、大気環境下又は窒素ガス雰囲気下において所定温度及び時間(一例として200℃、10分)焼成するようにしてもよい。あるいは大気圧より低い圧力環境下(真空環境下)に配置することで溶媒を除去するようにしてもよい。
【0067】
次いで、図8(a)に示すように、基板Pの上面を上に向けた状態で、液滴吐出ヘッド20より、発光層形成用材料(発光材料)と、溶媒と、界面活性剤とを含む液状体組成物114Bが隔壁150内の正孔注入層140A上に選択的に塗布される。
【0068】
発光材料である発光層形成用材料としては、例えば共役系高分子有機化合物の前駆体と、得られる発光層の発光特性を変化させるための蛍光色素とを含んでなるものが好適に用いられる。
共役系高分子有機化合物の前駆体は、蛍光色素等とともに液滴吐出ヘッド20から吐出されて薄膜に成形された後、例えば以下の式(I)に示すように加熱硬化されることによって共役系高分子有機EL層となる発光層を生成し得るものをいい、例えば前駆体のスルホニウム塩の場合、加熱処理されることによりスルホニウム基が脱離し、共役系高分子有機化合物となるもの等である。
【0069】
【化1】
Figure 2004087482
【0070】
このような共役系高分子有機化合物は固体で強い蛍光を持ち、均質な固体超薄膜を形成することができる。しかも形成能に富みITO電極との密着性も高い。さらに、このような化合物の前駆体は、硬化した後は強固な共役系高分子膜を形成することから、加熱硬化前においては前駆体溶液を後述する液滴吐出パターニングに適用可能な所望の粘度に調整することができ、簡便かつ短時間で最適条件の膜形成を行うことができる。
【0071】
このような前駆体としては、例えばPPV(ポリ(パラ−フェニレンビニレン))またはその誘導体の前駆体が好ましい。PPVまたはその誘導体の前駆体は、水あるいは有機溶媒に可溶であり、また、ポリマー化が可能であるため光学的にも高品質の薄膜を得ることができる。さらに、PPVは強い蛍光を持ち、また二重結合のπ電子がポリマー鎖上で非極在化している導電性高分子でもあるため、高性能の有機EL素子を得ることができる。
【0072】
このようなPPVまたはPPV誘導体の前駆体として、例えば化学式(II)に示すような、PPV(ポリ(パラ−フェニレンビニレン))前駆体、MO−PPV(ポリ(2,5−ジメトキシ−1,4−フェニレンビニレン))前駆体、CN−PPV(ポリ(2,5−ビスヘキシルオキシ−1,4−フェニレン−(1−シアノビニレン)))前駆体、MEH−PPV(ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシルオキシ)]−パラ−フェニレンビニレン)前駆体等が挙げられる。
【0073】
【化2】
Figure 2004087482
【0074】
PPVまたはPPV誘導体の前駆体は、前述したように水に可溶であり、成膜後の加熱により高分子化してPPV層を形成する。前記PPV前駆体に代表される前駆体の含有量は、組成物全体に対して0.01〜10.0wt%が好ましく、0.1〜5.0wt%がさらに好ましい。前駆体の添加量が少な過ぎると共役系高分子膜を形成するのに不十分であり、多過ぎると組成物の粘度が高くなり、インクジェット法による精度の高いパターニングに適さない場合がある。
【0075】
さらに、発光層の形成材料としては、少なくとも1種の蛍光色素を含むのが好ましい。これにより、発光層の発光特性を変化させることができ、例えば、発光層の発光効率の向上、または光吸収極大波長(発光色)を変えるための手段としても有効である。すなわち、蛍光色素は単に発光層材料としてではなく、発光機能そのものを担う色素材料として利用することができる。例えば、共役系高分子有機化合物分子上のキャリア再結合で生成したエキシトンのエネルギーをほとんど蛍光色素分子上に移すことができる。この場合、発光は蛍光量子効率が高い蛍光色素分子からのみ起こるため、発光層の電流量子効率も増加する。したがって、発光層の形成材料中に蛍光色素を加えることにより、同時に発光層の発光スペクトルも蛍光分子のものとなるので、発光色を変えるための手段としても有効となる。
【0076】
なお、ここでいう電流量子効率とは、発光機能に基づいて発光性能を考察するための尺度であって、下記式により定義される。
ηE =放出されるフォトンのエネルギー/入力電気エネルギー
そして、蛍光色素のドープによる光吸収極大波長の変換によって、例えば赤、青、緑の3原色を発光させることができ、その結果フルカラー表示体を得ることが可能となる。
さらに蛍光色素をドーピングすることにより、EL素子の発光効率を大幅に向上させることができる。
【0077】
蛍光色素としては、赤色の発色光を発光する発光層を形成する場合、赤色の発色光を有するローダミンまたはローダミン誘導体を用いるのが好ましい。これらの蛍光色素は、低分子であるため水溶液に可溶であり、またPPVと相溶性がよく、均一で安定した発光層の形成が容易である。このような蛍光色素として具体的には、ローダミンB、ローダミンBベース、ローダミン6G、ローダミン101過塩素酸塩等が挙げられ、これらを2種以上混合したものであってもよい。
【0078】
また、緑色の発色光を発光する発光層を形成する場合、緑色の発色光を有するキナクリドンおよびその誘導体を用いるのが好ましい。これらの蛍光色素は前記赤色蛍光色素と同様、低分子であるため水溶液に可溶であり、またPPVと相溶性がよく発光層の形成が容易である。
【0079】
さらに、青色の発色光を発光する発光層を形成する場合、青色の発色光を有するジスチリルビフェニルおよびその誘導体を用いるのが好ましい。これらの蛍光色素は前記赤色蛍光色素と同様、低分子であるため水・アルコール混合溶液に可溶であり、またPPVと相溶性がよく発光層の形成が容易である。
【0080】
また、青色の発色光を有する他の蛍光色素としては、クマリンおよびその誘導体を挙げることができる。これらの蛍光色素は、前記赤色蛍光色素と同様、低分子であるため水溶液に可溶であり、またPPVと相溶性がよく発光層の形成が容易である。このような蛍光色素として具体的には、クマリン、クマリン−1、クマリン−6、クマリン−7、クマリン120、クマリン138、クマリン152、クマリン153、クマリン311、クマリン314、クマリン334、クマリン337、クマリン343等が挙げられる。
【0081】
さらに、別の青色の発色光を有する蛍光色素としては、テトラフェニルブタジエン(TPB)またはTPB誘導体を挙げることができる。これらの蛍光色素は、前記赤色蛍光色素等と同様、低分子であるため水溶液に可溶であり、またPPVと相溶性がよく発光層の形成が容易である。
以上の蛍光色素については、各色ともに1種のみを用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。
【0082】
これらの蛍光色素については、前記共役系高分子有機化合物の前駆体固型分に対し、0.5〜10wt%添加するのが好ましく、1.0〜5.0wt%添加するのがより好ましい。蛍光色素の添加量が多過ぎると発光層の耐候性および耐久性の維持が困難となり、一方、添加量が少な過ぎると、前述したような蛍光色素を加えることによる効果が十分に得られないからである。
【0083】
また、前記前駆体および蛍光色素については、極性溶媒に溶解または分散させて液状体組成物とし、この液状体組成物を液滴吐出ヘッド20から吐出するのが好ましい。極性溶媒は、前記前駆体、蛍光色素等を容易に溶解または均一に分散させることができるため、液滴吐出ヘッド20のノズル孔での発光層形成材料中の固型分が付着したり目詰りを起こすのを防止することができる。
【0084】
このような極性溶媒として具体的には、水、メタノール、エタノール等の水と相溶性のあるアルコール、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルイミダゾリン(DMI)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、キシレン、シクロヘキシルベンゼン、2,3−ジヒドロベンゾフラン等の有機溶媒または無機溶媒が挙げられ、これらの溶媒を2種以上適宜混合したものであってもよい。
【0085】
発光層に添加する界面活性剤としては、上述した界面活性剤(「サーフィノール」)を用いることができる。発光層に添加する界面活性剤のHLB値も、1〜20のものを用いることが好ましい。このような界面活性剤は、発光層形成用材料と相溶し、十分に分散され、気泡を生じさせない。
【0086】
また、発光層に含有する界面活性剤も、透明あるいは半透明であることが好ましい。これにより、界面活性剤による発光層の着色を防止し、発光色の変化や輝度の低下等、発光色に対する界面活性剤の影響を抑えることができ、所望の発色状態を得ることができる。なお、発光層形成用材料に対する界面活性剤の添加量が十分に少ない場合であれば、界面活性剤が着色していても発光色に対する影響は少ない。
【0087】
更に、前記形成用材料中に湿潤剤を添加しておくのが好ましい。これにより、形成用材料が液滴吐出ヘッド20のノズル孔で乾燥・凝固することを有効に防止することができる。かかる湿潤剤としては、例えばグリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールが挙げられ、これらを2種以上混合したものであってもよい。この湿潤剤の添加量としては、形成用材料の全体量に対し、5〜20wt%程度とするのが好ましい。
なお、その他の添加剤、被膜安定化材料を添加してもよく、例えば、安定剤、粘度調整剤、老化防止剤、pH調整剤、防腐剤、樹脂エマルジョン、レベリング剤等を用いることができる。
【0088】
このような発光層形成用材料を含む液状体組成物114Bを液滴吐出ヘッド20から吐出すると、液状体組成物114Bは隔壁150内の正孔注入層140A上に塗布される。
ここで、液状体組成物114Bの吐出による発光層の形成は、赤色の発色光を発光する発光層形成用材料を含む液状体組成物、緑色の発色光を発光する発光層形成用材料を含む液状体組成物、青色の発色光を発光する発光層形成用材料を含む液状体組成物を、それぞれ対応する画素71に吐出し塗布することによって行う。なお、各色に対応する画素71は、これらが規則的な配置となるように予め決められている。
【0089】
このようにして各色の発光層形成用材料を含む液状体組成物114Bを吐出し塗布したら、液状体組成物114B中の溶媒を蒸発させることにより、図8(b)に示すように正孔層注入層140A上に固形の発光層140Bが形成され、これにより正孔層注入層140Aと発光層140Bとからなる発光部140が得られる。ここで、発光層形成用材料を含む液状体組成物114B中の溶媒の蒸発については、必要に応じて加熱あるいは減圧等の処理を行うが、発光層形成用材料は通常乾燥性が良好で速乾性であることから、特にこのような処理を行うことなく、したがって各色の発光層形成用材料を順次吐出塗布することにより、その塗布順に各色の発光層140Bを形成することができる。
その後、図8(c)に示すように、透明基板Pの表面全体に、あるいはストライプ状に反射電極154が形成される。こうして、有機EL素子が製造される。
【0090】
このような有機EL素子の製造方法において、正孔注入層140Aや発光層140Bといった有機EL素子の構成要素となる薄膜は成膜装置(液滴吐出装置)IJにより製造されるので、正孔注入層140Aや発光層140Bの形成用材料となる液状体組成物のロスは少なく、正孔注入層140Aや発光層140Bは比較的安価にしかも安定して形成される。
【0091】
なお、上記実施形態では、液状体組成物114B(114A)に予め界面活性剤を添加する構成であるが、界面活性剤が添加されていない液状体組成物114B(114A)を吐出して成膜した後、この膜に対して上記界面活性剤を吐出し塗布するようにしてもよい。この場合、発光層形成用材料を含む膜を乾燥処理(熱処理)する前に、すなわち膜が濡れている状態で界面活性剤を塗布することもできる。こうすることにより、基板P上において発光層形成用材料と界面活性剤とを混合できる。
【0092】
更に、上記実施形態では、液滴吐出装置IJを用いた液滴吐出法により有機機能材料を成膜するように説明したが、液滴吐出法に限らず、例えばスピンコート法など他の塗布方法を用いることもできる。また、上記第2の液状体組成物を塗布する際にも他の塗布方法を用いることができる。
【0093】
また、液状体組成物の生成工程や成膜工程は大気環境下で行ってもよいし、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。なお、液状体組成物生成装置Sによる液状体組成物の生成工程や液滴吐出装置IJによる成膜工程は、クリーンルーム内でパーティクル及びケミカル的にクリーン度を維持された環境下で行うのが望ましい。液状体組成物を大気環境下で生成する際には、例えば常温常湿(一例として温度25℃、湿度35〜45%)環境下において、有機機能材料及び界面活性剤を溶媒に溶解することにより液状体組成物を生成してもよいし、有機機能材料を溶媒に溶解後、この溶液中に界面活性剤を添加するようにしてもよい。
【0094】
上記実施形態では、正孔注入層及び発光層のそれぞれに界面活性剤を添加した構成であるが、正孔注入層又は発光層のうちいずれか一方のみに界面活性剤が添加された構成でもよい。あるいは、有機EL素子を構成する複数の層のうち、正孔注入層及び発光層以外の他の層に界面活性剤を添加してもよい。
【0095】
《実施例》
以下、液状体組成物の材料組成、液状体組成物生成工程及び成膜工程の例を示す。
<正孔注入層形成用液状体組成物P1>
・バイトロンP:88.4wt%
・ポリスチレンスルフォン酸:11.5wt%
・サーフィノール61(HLB値:6):0.12wt%
<正孔注入層形成用液状体組成物P2>
・バイトロンP:88.5wt%
・ポリスチレンスルフォン酸:11.5wt%
<発光層形成用液状体組成物E1>
・G(緑):化合物1(0.76g)、化合物2(0.20g)、化合物3(0.04g)
・B(青):化合物1(1.00g)
・R(赤):化合物4(1.00g)
上記RGBのそれぞれに溶媒としてキシレン100mlを加えた。
【0096】
なお、上記化合物1〜化合物4は以下の通りである。
【0097】
【化3】
Figure 2004087482
【0098】
【化4】
Figure 2004087482
【0099】
【化5】
Figure 2004087482
【0100】
【化6】
Figure 2004087482
【0101】
<正孔注入層形成用液状体組成物P3>
・バイトロンP:11.08wt%
・ポリスチレンスルフォン酸:1.44wt%
・イソプロピルアルコール:10wt%
・N−メチルピロリドン:27.47wt%
・1,3−ジメチル−イミダゾリノン:50wt%
・サーフィノール61(HLB値:6):0.01wt%
<正孔注入層形成用液状体組成物P4>
・バイトロンP:11.08wt%
・ポリスチレンスルフォン酸:1.44wt%
・イソプロピルアルコール:10wt%
・N−メチルピロリドン:27.47wt%
・1,3−ジメチル−イミダゾリノン:50wt%
<発光層形成用液状体組成物E2>
・G(緑):化合物1(0.76g)、化合物2(0.20g)、化合物3(0.04g)
・B(青):化合物1(1.00g)
・R(赤):化合物4(1.00g)
上記RGBのそれぞれに溶媒としてシクロヘキシルベンゼン40ml、及び2,3−ジヒドロベンゾフラン60mlを加えた。
【0102】
<液状体組成物生成工程1>
(工程例1)クリーンルーム大気環境下(室温25℃、湿度35〜45%)において正孔注入層形成用材料を調整後、界面活性剤を添加し、上記組成物P1を生成した。
(工程例2)クリームルーム大気環境下(室温25℃、湿度35〜45%)において正孔注入層形成用材料及び溶媒を混合後、これに界面活性剤を添加し、上記組成物P3を生成した。
【0103】
<成膜工程1>
(工程例1)クリームルーム大気環境下(室温25℃、湿度35〜45%)において、まず、上記組成物P1をスピンコート法により成膜した。次いで、組成物P1により形成された膜を、大気環境下で、200℃10分間焼成処理を行った。次いで、形成された正孔注入層上に上記組成物E1を大気環境下、室温においてスピンコート法により成膜した。
(工程例2)クリームルーム大気環境下(室温25℃、湿度35〜45%)において、液滴吐出法により上記組成物P3を基板上に吐出した。次いで、クリーンルーム内の圧力を1Torr(133.322Pa以下)の真空状態とし、室温で20分間乾燥処理し成膜した。次いで、この膜を、大気環境下で、200℃10分間焼成処理を行った。次いで、形成された正孔注入層上に上記組成物E2を液滴吐出法により吐出した。次いで、組成物E2からなる膜を大気環境下で45℃20分間乾燥処理し成膜した。
【0104】
<液状体組成物の生成工程2>
(工程例1)グローブボックス窒素ガス雰囲気下(室温、水分濃度及び酸素濃度1ppm以下)において正孔注入層形成用材料を調整後、界面活性剤を添加し、上記組成物P1を生成した。
(工程例2)グローブボックス窒素ガス雰囲気下(室温、水分濃度及び酸素濃度1ppm以下)において正孔注入層形成用材料及び溶媒を混合後、この溶液中に界面活性剤を添加して上記組成物P3を生成した。
【0105】
<成膜工程2>
(工程例1)水分濃度及び酸素濃度1ppm以下の窒素ガス雰囲気下において、スピンコート法により上記組成物P1を成膜した。次いで、組成物P1により形成された膜を、窒素ガス雰囲気下で、200℃10分間焼成処理を行った。次いで、形成された正孔注入層上に上記組成物E1を窒素ガス雰囲気下、室温においてスピンコート法により成膜した。
(工程例2)水分濃度及び酸素濃度1ppm以下の窒素ガス雰囲気下において、液滴吐出法により上記組成物P3を基板上に吐出した。次いで、1Torr(133.322Pa以下)の真空条件下、室温で20分間乾燥処理し成膜した。次いで、この膜を、窒素ガス雰囲気下で、200℃10分間焼成処理を行った。次いで、形成された正孔注入層上に上記組成物E2を液滴吐出法により吐出し、窒素ガス雰囲気下、45℃20分間乾燥処理した。
【0106】
図9〜図12に、発光層に界面活性剤を添加した場合と添加しない場合とのそれぞれにおける有機EL素子の特性試験結果を示す。図中、「A」が本発明に係る界面活性剤を添加した場合の試験結果、「B」が界面活性剤を添加しない場合の試験結果である。図9は印加電圧と電流密度との関係を示すグラフであり、図10は印加電圧と輝度との関係を示すグラフである。また、図11は印加電圧と発光効率との関係を示すグラフであり、図12は駆動時間と輝度との関係を示すグラフである。図9及び図10に示すように、界面活性剤が添加されている有機EL素子と添加されていない有機EL素子との素子特性はほぼ同じであり、発光層に界面活性剤が添加されても素子機能は損なわれないことが分かる。また、図11及び図12に示すように、発光効率及び輝度半減寿命は界面活性剤が添加されたことにより向上しており、界面活性剤を添加することにより素子機能が向上することが分かる。
【0107】
本発明の液滴吐出装置IJは、カラーフィルタの構成要素となる膜の形成にも用いることができる。図13は基板P上に形成されるカラーフィルタを示す図であり、図14はカラーフィルタの製造手順を示す図である。
図13に示すように、本例では長方形形状の基板P上に、生産性を向上させる観点から複数個のカラーフィルタ領域351をマトリクス状に形成する。これらカラーフィルタ領域351は、後で基板Pを切断することにより、液晶表示装置に適合するカラーフィルタとして用いることができる。
【0108】
カラーフィルタ領域351は、R(赤)の液状体組成物、G(緑)の液状体組成物、及びB(青)の液状体組成物をそれぞれ所定のパターン、本例では従来公知のストライプ型で形成される。なお、この形成パターンとしては、ストライプ型の他に、モザイク型、デルタ型、あるいはスクウェア型などでもよい。そして、RGBそれぞれの液状体組成物には上述した界面活性剤が添加されている。
【0109】
このようなカラーフィルタ領域351を形成するには、まず図14(a)に示すように透明の基板Pの一方の面に対し、ブラックマトリクス352が形成される。このブラックマトリクス352の形成方法としては、光透過性のない樹脂(好ましくは黒色)を、スピンコート法などの方法で所定の厚さ(例えば2μm程度)に塗布することで行う。このブラックマトリクス352の格子で囲まれる最小の表示要素、すなわちフィルタエレメント353については、例えばX軸方向の幅を30μm、Y軸方向の長さを100μm程度とする。
【0110】
次に、図14(b)に示すように、前記液滴吐出ヘッド20から液状体組成物の液滴354が吐出され、フィルタエレメント353に着弾する。吐出する液滴354の量については、加熱工程における液状体組成物の体積減少を考慮した十分な量とする。
このようにして基板P上の全てのフィルタエレメント353に液滴354を充填したら、ヒータを用いて基板Pが所定の温度(例えば70℃程度)となるように加熱処理される。この加熱処理により、液状体組成物の溶媒が蒸発して液状体組成物の体積が減少する。この体積現状の激しい場合には、カラーフィルタとして十分な膜厚が得られるまで、液滴吐出工程と加熱工程とを繰り返す。この処理により、液状体組成物に含まれる溶媒が蒸発して、最終的に液状体組成物に含まれる固形分のみが残留して膜化し、図14(c)に示すようなカラーフィルタ355となる。
【0111】
次いで、基板Pを平坦化し、且つカラーフィルタ355を保護するために、図14(d)に示すようにカラーフィルタ355やブラックマトリクス352を覆って基板P上に保護膜356を形成する。この保護膜356の形成にあたっては、スピンコート法、ロールコート法、リッピング法などの方法を採用することができるが、カラーフィルタ355と同様に、液滴吐出法により行うこともできる。
【0112】
次いで、図14(e)に示すようにこの保護膜356の全面に、スパッタ法や真空蒸着法などによって透明導電膜357を形成する。その後、透明導電膜357をパターニングし、図14(f)に示すように画素電極358をフィルタエレメント353に対応させてパターニングする。なお、液状表示パネルの駆動にTFT(Thin Film Transistor)を用いる場合には、このパターニングは不用となる。
【0113】
また、本発明に係る成膜方法は、前記カラーフィルタ355を形成した基板Pを用いる液晶素子の構成要素となる膜を形成する際にも適用可能である。すなわち、前記基板Pを用いて公知の液晶セルを作製し液晶素子とすることにより、液晶装置を形成することができる。図15は、このような液晶素子を形成するための液晶セルの構造を説明するための図であり、液晶装置は、前記カラーフィルタ(図15には図示せず)を形成した基板である対向基板360を備えている。この対向基板360は、TFT等を形成した回路基板(図示せず)と反対の側に配置されるものである。この対向基板360の内面側には、対向基板360側から入射する光を前記回路基板(図示せず)側に集光するためのマイクロレンズ361が多数設けられており、これらマイクロレンズ361を形成した側には、接着剤362によってカバーガラス363が貼着されている。
【0114】
このカバーガラス363の内面側には、前記マイクロレンズ361間の境界と対応する位置にそれぞれ遮光膜364が形成されており、さらにこれを覆った状態でカバーガラス363のほぼ全面にITO等の透明導電性材料からなる対向電極365が形成されている。そして、この対向電極365の内面側にポリイミド薄膜などの有機薄膜からなる配向膜366が形成され、さらにこのように形成された対向基板360と前記回路基板との間に液晶367が封止されることにより、液晶装置が構成される。
このような構成からなる液晶装置の製造においても、その液晶素子における構成要素となる薄膜、例えば遮光膜364や配向膜366などを形成する際の液状体組成物に予め界面活性剤を添加しておき、この液状体組成物を用いて成膜することができる。
【0115】
また、本発明に係る成膜方法は、少なくともチャネル部が有機膜で形成された有機TFT素子(有機薄膜トランジスタ素子)の構成要素となる膜を形成する際にも適用可能である。この有機TFT素子としては、例えば図16に示すような構成のものがある。
図16において、基板450上にはゲート電極451が形成されている。また、基板450上にはゲート電極451を覆った状態で高誘電率の絶縁体からなるゲート絶縁膜452が形成され、このゲート絶縁膜452上には有機半導体層453が形成されている。そして、この有機半導体層453上にソース電極454およびドレイン電極455が形成されることにより、有機TFT素子(有機薄膜トランジスタ素子)が構成される。
【0116】
このような有機TFT素子を製造するには、まず、基板450上にゲート電極材料が設けられゲート電極451が形成される。次に、このゲート電極451を覆った状態にゲート絶縁膜452が形成される。このゲート絶縁膜452の形成材料としては、限定されることなく種々のものが使用可能であるが、特に高誘電率の絶縁体として、金属酸化物薄膜、好ましくはチタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、タンタル酸ニオブ酸ストロンチウムビスマス、ペントオキサイドタンタル、ジオキサイドチタン、トリオキサイドイットリウム、酸化タンタル、酸化バナジウム、酸化チタンなどの無機材料が好適に用いられる。また、ポリクロロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリビニルクロライド、ポリフッ化ビニリデン、シアノエチルプルラン、ポリメチルメタクリレート、ポリサルファン、ポリカーボネート、ポリイミド等の有機材料も使用可能である。なお、特に前記の無機材料によってゲート絶縁膜452を形成する場合には、成膜後、さらにこれに150〜400℃の範囲の適宜な温度でアニール処理を行うのが、膜品質を改善し、誘電率を増大させることができ好ましい。
【0117】
次いで、このゲート絶縁膜452上に有機半導体層453が形成される。この有機半導体層453の形成にあたっては、液滴吐出装置IJが好適に用いられる。有機半導体層453の形成材料としては、ゲート電圧が増加するにしたがって電界効果移動度の増大を示すポリマ半導体またはオリゴマー半導体が用いられ、具体的には、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、およびその誘導体や、ポリアセチレンのうちの1種以上が用いられる。
【0118】
また、特にp−チャネル用とされる場合には、2〜5個の炭素原子を介して結合された、オリゴ重合度が4以上8以下のチオフェンのオリゴマー;2〜5個の炭素原子を介して結合された、3〜6個のチオフェン環と末端基としてチオフェンを有するビニレンと、チエニレンとの交互共役オリゴマー;ベンゾ[1,2−b:4,5’]ジチオフェンの線状ダイマー及びトリマー;末端のチオフェンの4個又は5個の炭素原子上に置換基(例えば、炭素原子を1〜20個有するアルキル置換基)を有する前記オリゴマー;ポリマーマトリックス中のp、p’−ジアミノビフェニル複合体なども使用可能であり、特にα−ヘキサチエニレン(α−6T)が好適に用いられる。さらに、p−チャネル用とされる場合には、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボキシルジアンヒドライド(NTCDA:naphthalene tetracarboxylic dianhydride )、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボキシルジイミド(NTCDI:naphthalene tetracarboxylic diimide )、11,11,12,12−テトラシアノナフト−2,6−キノジメタン(TCNNQD:tetracyanonaphtho−2,6−quinodimethane)なども使用可能である。
【0119】
このような有機半導体材料を前記の液滴吐出装置IJによって成膜する場合、まず、有機半導体材料を溶媒に溶解するるとともに上述した界面活性剤を添加することにより液状体組成物が生成される。そして、この液状体組成物が基板450のゲート絶縁膜452上に吐出され塗布される。そして、加熱あるいは減圧等による乾燥を適宜に行うことにより、溶媒を除去して有機半導体層453が形成される。その後、この有機半導体層453上にソース電極454およびドレイン電極455が形成され、有機TFT素子が得られる。
【0120】
なお、本発明の液滴吐出装置やこれを備えた成膜装置、さらには本発明の液状体組成物は、上述した各実施形態に限定されることなく、種々の用途に使用可能である。例えば、銀コロイド溶液などを界面活性剤とともに液状体組成物とし、これを基板上に吐出して塗布し、さらに加熱乾燥することにより、金属配線を直接パターニングすることができる。
【0121】
本発明の有機EL装置及び液晶装置を含む電気光学装置、あるいは本発明の有機TFT素子を備えたデバイスは、表示部を備えた様々な電子機器に適用される。以下、本発明の電気光学装置を備えた電子機器の適用例について説明する。
【0122】
1.腕時計
本発明の電気光学装置を、腕時計に適用した例について説明する。図17はこの腕時計の構成を示す斜視図であり、腕時計1100は、本発明の電気光学装置を表示部1101として備える。
【0123】
2.モバイル型コンピュータ
本発明の電気光学装置を、モバイル型(ポータブル型)のパーソナルコンピュータに適用した例について説明する。図18はこのパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図であり、パーソナルコンピュータ1200は、本発明の電気光学装置を表示部1201として備える。パーソナルコンピュータ1200は、キーボード1203を備えた本体部1202を備えて構成されている。
【0124】
3.携帯電話
本発明の電気光学装置を、携帯電話に適用した例について説明する。図19はこの携帯電話の構成を示す斜視図であり、携帯電話1300は、本発明の電気光学装置を小サイズの表示部1301として備える。携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302、受話口1303、及び送話口1304を備えて構成されている。
【0125】
4.電子ペーパー
本発明の電気光学装置を、フレキシブルな電子ペーパーに適用した例について説明する。図20はこの電子ペーパーの構成を示す斜視図であり、電子ペーパー1400は、本発明の電気光学装置を表示部1401として備える。電子ペーパー1400は、従来の紙と同様の質感及び柔軟性を有する書き換え可能なシートからなる本体1402を備えて構成されている。
また、図21は、電子ノートの構成を示す斜視図であり、電子ノート1500は、図21で示した電子ペーパー1400が複数枚束ねられ、カバー1501に挟まれているものである。カバー1501は、例えば外部の装置から送られる表示データを入力する不図示の表示データ入力手段を備える。これにより、その表示データに応じて、電子ペーパーが束ねられた状態のまま、表示内容を変更したり更新したりできる。
【0126】
5.表示装置
また、本発明の電気光学装置を、図22(a)及び図22(b)に示すような表示装置1601に適用した例について説明する。表示装置1601のフレーム1601Aには、表示ユニット1602が着脱自在に固定されている。表示ユニット1602は、極めて薄いシート状、すなわち紙状の記録媒体(いわゆる電子ペーパー)であり、搬送ローラ1604、1606に保持され、フレーム1601A内の一方の側の所定の位置に配置されている。フレーム1601Aのほぼ中央部は、窪んで形成されており、窪みには矩形状の孔1601Cが形成され、その孔1601Cにはガラス基板1607が取り付けられている。また、フレーム1601Aには、表示ユニット1602が挿入され且つ取り外される挿入/脱着口1608が設けられている。表示ユニット1602の挿入方向の端部には端末ユニット1610が設けられている。端末ユニット1610は、フレーム1601A内でソケット1612と電気的に接続され、これにより、フレーム1601Aの他方の側に配置される制御器1613に接続される。
このような取り外し可能は表示ユニット1602は、携帯性に優れるとともに、厚くなくてかさばらないので取り扱いが容易である。そのため、例えば目的地のエリアに関する地図を表示させながら、表示ユニット1602だけを持ち歩くといった使い方が可能になる。
【0127】
なお、上述した例に加えて、他の例として、液晶テレビ、ビューファインダ型やモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等が挙げられる。本発明の電気光学装置は、こうした電子機器の表示部としても適用できる。
【0128】
【発明の効果】
以上説明したように、有機機能材料と溶媒とからなる溶液に界面活性剤を添加して液状化したことにより、液状体組成物に気泡が発生するのを抑えることができ、液滴吐出装置からの吐出安定性や基材に対する濡れ性、あるいは成膜後における膜の平滑性を向上できる。そして、この液状体組成物を用いて各種素子・装置を製造することにより、信頼性の高い優れた素子・装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成膜装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】液滴吐出ヘッドを示す図である。
【図3】液滴吐出ヘッドを示す図である。
【図4】有機EL装置の回路図である。
【図5】有機EL装置の一画素に対応した部分を説明するための図である。
【図6】有機EL装置の製造工程の一例を示す図である。
【図7】有機EL装置の製造工程の一例を示す図である。
【図8】有機EL装置の製造工程の一例を示す図である。
【図9】本発明に係る有機EL装置と従来の有機EL装置との特性試験結果を示す図である。
【図10】本発明に係る有機EL装置と従来の有機EL装置との特性試験結果を示す図である。
【図11】本発明に係る有機EL装置と従来の有機EL装置との特性試験結果を示す図である。
【図12】本発明に係る有機EL装置と従来の有機EL装置との特性試験結果を示す図である。
【図13】カラーフィルタを示す図である。
【図14】カラーフィルタの製造工程の一例を示す図である。
【図15】液晶装置を示す図である。
【図16】有機TFT素子を示す図である。
【図17】本発明の電気光学装置が搭載された電子機器を示す図である。
【図18】本発明の電気光学装置が搭載された電子機器を示す図である。
【図19】本発明の電気光学装置が搭載された電子機器を示す図である。
【図20】本発明の電気光学装置が搭載された電子機器を示す図である。
【図21】本発明の電気光学装置が搭載された電子機器を示す図である。
【図22】本発明の電気光学装置が搭載された電子機器を示す図である。
【符号の説明】
114A  液状体組成物
114B  液状体組成物
140A  正孔注入層(材料層)
140B  発光層(材料層)
IJ  液滴吐出装置(成膜装置)
S  液状体組成物生成装置
ST  ステージ装置

Claims (33)

  1. 有機機能材料と溶媒とを含有する液状体に界面活性剤を添加したことを特徴とする組成物。
  2. 前記界面活性剤は透明あるいは半透明であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
  3. 前記有機機能材料は発光材料であることを特徴とする請求項1又は2記載の組成物。
  4. 前記有機機能材料は高分子材料であることを特徴とする請求項1又は2記載の組成物。
  5. 前記有機機能材料は有機エレクトロルミネッセンス材料であることを特徴とする請求項1又は2記載の組成物。
  6. 前記有機機能材料は正孔注入材料であることを特徴とする請求項5記載の組成物。
  7. 前記界面活性剤の親水親油バランスは1以上20以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の組成物。
  8. 有機機能材料と溶媒とを含有する、界面活性剤を添加した液状体を所定面上に設けることにより膜を形成することを特徴とする成膜方法。
  9. 前記有機機能材料は発光材料であることを特徴とする請求項8記載の成膜方法。
  10. 前記有機機能材料は有機エレクトロルミネッセンス素子の構成要素形成用材料であることを特徴とする請求項8記載の成膜方法。
  11. 前記有機機能材料はカラーフィルタの構成要素形成用材料であることを特徴とする請求項8記載の成膜方法。
  12. 前記有機機能材料は有機薄膜トランジスタ素子の構成要素形成用材料であることを特徴とする請求項8記載の成膜方法。
  13. 前記有機機能材料は液晶素子の構成要素形成用材料であることを特徴とする請求項8記載の成膜方法。
  14. 前記組成物を含む液状体を液状体吐出装置で前記所定面上に吐出することにより前記膜を形成することを特徴とする請求項8〜13のいずれか一項記載の成膜方法。
  15. 有機機能材料と溶媒と界面活性剤とを含む液状体組成物を調整する液状体調整手段と、
    前記液状体調整手段で調整した液状体を所定面に吐出する液状体吐出手段とを備えることを特徴とする成膜装置。
  16. 前記調整手段と前記液状体吐出手段との間に、前記液状体を輸送する輸送手段を備えることを特徴とする請求項15記載の成膜装置。
  17. 有機エレクトロルミネッセンス材料と溶媒と界面活性剤とを含む組成物を調整する液状体組成物調整装置と、
    前記調整装置で調整した組成物を所定面上に設けて成膜する成膜部とを備えることを特徴とする成膜装置。
  18. 前記所定面を有する基材を支持しつつ移動可能なステージ装置を備えることを特徴とする請求項16又は17記載の成膜装置。
  19. 機能素子を有する電気光学装置において、
    前記機能素子に界面活性剤が含有されていることを特徴とする電気光学装置。
  20. 前記機能素子は発光素子であることを特徴とする請求項19記載の電気光学装置。
  21. 前記発光素子は発光層と該発光層を挟持する一対の電極とを備えており、
    前記発光素子を支持する基材と、
    前記基材に設けられ、前記電極に対する通電制御を行う通電制御部とを備えることを特徴とする請求項20記載の電気光学装置。
  22. 前記機能素子は有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする請求項19記載の電気光学装置。
  23. 機能素子を有する電気光学装置の製造方法において、
    前記機能素子形成用材料と溶媒とを含有する液状体に界面活性剤を添加して組成物を調整する工程と、
    前記組成物を流路を介して液状体吐出手段に送出し、前記液状体吐出手段により前記組成物を基材上に配置し、前記機能素子の構成要素となる膜を形成する工程とを有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  24. 前記機能素子は有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする請求項23記載の電気光学装置の製造方法。
  25. 複数の材料層を有する有機エレクトロルミネッセンス装置において、
    前記複数の材料層のうち少なくとも1つの材料層に界面活性剤が含有されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
  26. 前記材料層のうち発光層に界面活性剤が含有されていることを特徴とする請求項25記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  27. 複数の材料層を有する有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法において、
    材料層形成用材料と溶媒とを含有する溶液に界面活性剤を添加して組成物を調整し、前記組成物を用いて前記材料層を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  28. 前記組成物を含む液状体を液状体吐出装置で吐出することにより前記材料層を形成することを特徴とする請求項27記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  29. 請求項1〜請求項7のいずれか一項記載の組成物を用いて製造されたことを特徴とするデバイス。
  30. 請求項1〜請求項7のいずれか一項記載の組成物を用いることを特徴とするデバイスの製造方法。
  31. 前記組成物を含む液状体を液状体吐出装置で吐出する工程を有することを特徴とする請求項30記載のデバイスの製造方法。
  32. 請求項19〜請求項22のいずれか一項記載の電気光学装置が搭載されたことを特徴とする電子機器。
  33. 請求項25又は請求項26記載の有機エレクトロルミネッセンス装置が搭載されたことを特徴とする電子機器。
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