JP4631609B2 - 機能膜の形成方法、有機el表示パネルの製造方法、液晶表示パネルの製造方法、プラズマディスプレイパネルの製造方法、カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

機能膜の形成方法、有機el表示パネルの製造方法、液晶表示パネルの製造方法、プラズマディスプレイパネルの製造方法、カラーフィルタの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、所定の機能を有する機能膜の形成方法、有機EL表示パネルの製造方法、液晶表示パネルの製造方法、プラズマディスプレイパネルの製造方法、カラーフィルタの製造方法、及び電子機器に関する。
所定の機能を有する機能膜を基板上に形成する方法の一つとして、まず基板上に液状体を塗布して塗膜を形成し、次いで塗膜に含有される溶媒を除去することで機能膜を形成する方法がある。ここで、液状体の塗布方法としては、例えばスピンコート法、スプレーコート法、スリットコート法、ディップ法等が広く利用されている。また、塗膜から溶媒を除去する方法としては、ホットプレート方式、熱風加熱方式、遠赤外線加熱方式等の加熱による方法、又は蒸気圧の変化を利用する減圧方式等が広く利用されている。
以下の特許文献1には、上記の加熱方式によって塗膜から溶媒を除去するときに、塗膜が塗布された基板を、塗膜に含有される溶媒の飽和雰囲気又は飽和に近い雰囲気に設置して加熱することで溶媒を除去する方法が開示されている。かかる方法を用いることにより、基板上に形成される機能膜が平坦化される。
特開平5−198952号公報
ところで、近年においては、インクジェット法により液状体を吐出して基板上の所定の場所に着弾させることにより、基板上に塗膜を塗布する方法が案出されている。このインクジェット法では吐出する液状体が低粘度である必要があるが、この方法により基板上に塗布された低粘度の塗膜から溶媒を除去しようとすると、塗膜内部の流動により溶質が基板上に塗布された塗膜の端部によってしまい、平坦な機能膜を形成することができないという問題があった。尚、この問題は、インクジェット法により基板上に塗膜を塗布した場合のみならず、低粘度の塗膜を塗布した場合一般に生ずる問題である。
また、上記の特許文献1に開示された溶媒の除去方法においては、塗膜が塗布された基板を、塗膜に含有される溶媒の飽和雰囲気又は飽和に近い雰囲気に設置して加熱しているが、溶媒を除去する工程の初期段階から基板を上記の雰囲気に設置すると基板上の溶媒を除去するのに要する時間が長くなってしまい、効率が悪いという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、平坦性の高い機能膜を効率的に形成することができる機能膜の形成方法、当該機能膜を備える有機EL表示パネルの製造方法、液晶表示パネルの製造方法、プラズマディスプレイパネルの製造方法、及びカラーフィルタの製造方法、並びにこれらの製造方法により製造されたパネル等を備える電子機器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の機能膜の形成方法は、所定の機能を有する機能膜を得るための溶質と複数の溶媒とを含む液状体を基板上に塗布する塗布工程と、前記液状体が塗布された前記基板を真空容器内で減圧して前記基板上に塗布された前記液状体から前記溶媒を除去する除去工程とを経て前記基板上に前記機能膜を形成する機能膜の形成方法において、前記液状体に含まれる前記複数の溶媒のうち最も蒸気圧が低い低蒸気圧溶媒を、前記除去工程で少なくとも一度前記真空容器内に供給しつつ前記基板上に塗布された前記液状体から前記溶媒を除去することを特徴としている。
この発明によると、液状体に含まれる複数の溶媒のうち最も蒸気圧が低い低蒸気圧溶媒が真空容器内に供給された状態で基板上に塗布された液状体から溶媒が除去される。液状体が塗布された基板が収容された真空容器内を減圧すると蒸気圧が高い溶媒が多く除去されて蒸気圧が低い溶媒(低蒸気圧溶媒)は基板上に多く残る。この状態で低蒸気圧溶媒を真空容器内に供給すると、基板上の液状体から低蒸気圧溶媒が除去される速度が低下して機能膜を得るための溶質の液状体の端部への寄りを少なくすることができ、平坦性の高い機能膜を形成することができる。
ここで、機能膜とは所定の機能を有する膜をいい、かかる機能としては、電気・電子的機能(導電性、絶縁性、圧電性、焦電性、誘電性等)、光学的機能(光選択吸収、反射性、偏光性、光選択透過性、非線形光学性、蛍光或いはリン光等のルミネッセンス、フォトクロミック性等)、磁気的機能(硬磁性、軟磁性、非磁性、透磁性等)、化学的機能(吸着性、脱着性、触媒性、吸水性、イオン伝導性、酸化還元性、電気化学特性、エレクトロクロミック性等)、機械的機能(耐摩耗性等)、熱的機能(伝熱性、断熱性、赤外線放射性等)、生体的機能(生体適合性、抗血栓性等)等の種々の機能がある。
また、本発明の機能膜の形成方法は、前記真空容器内の圧力が前記低蒸気圧溶媒の蒸気圧よりも高いときに、前記低蒸気圧溶媒を前記真空容器内に供給することを特徴としている。
この発明によると、真空容器内の圧力が低蒸気圧溶媒の蒸気圧よりも高いときに低蒸気圧溶媒が真空容器内に供給される。これにより、低蒸気圧溶媒が急激に除去されることを抑制することができ、平坦性の高い機能膜を形成する上で好適である。また、真空容器の減圧を開始してから液状体に含まれる他の溶媒の多くが除去された後であって、真空容器内の圧力が低蒸気圧溶媒の蒸気圧よりも高いときに低蒸気圧溶媒を真空容器内に供給することで、減圧開始時から低蒸気圧溶媒を供給する場合に比べて液状体の溶媒を効率よく除去することができ、これにより効率よく機能膜を形成することができる。
また、本発明の機能膜の形成方法は、前記低蒸気圧溶媒が、前記液状体に含まれる前記複数の溶媒のうち粘度が最も高いことを特徴としている。
この発明によると、除去工程で最後に基板上に多く残る低蒸気圧溶媒の粘度が高ければ、液状体の端部への溶質の寄りを更に少なくすることができ、平坦性の高い機能膜を形成する上で好適である。
また、本発明の機能膜の形成方法は、前記塗布工程が、前記液状体を液滴吐出方式により吐出して前記基板上に着弾させることにより前記基板上に塗布する工程であることを特徴としている。
この発明によると、液滴吐出方式の採用により、基板上に液状体を直接塗布するので高精度に吐出量又は吐出位置等を制御することが可能となる。従って、高品質な膜を形成することができるとともに、スピンコート法等と比較して、材料使用量や排液量を大幅に削減できる。これにより、省エネルギー化により低コスト化を図ることができる。また、液滴吐出方式によれば、大型基板にも対応可能となる。
本発明の有機EL表示パネルの製造方法は、電極間に発光層を有する発光素子が基板に形成されてなる有機EL表示パネルの製造方法であって、上記の何れかに記載の機能膜の形成方法を用いて、前記機能膜を前記発光層として形成する工程を含むことを特徴としている。
この発明によると、例えば大型パネルの画素の構成要素となる有機EL表示パネルの発光層について、高精度の形状で且つ膜厚を均一にして形成することができる。このため、有機EL表示パネルからなる大型パネルにおける点灯不良、電流リーク、及び発光むらを大幅に低減させることができる。
本発明の液晶表示パネルの製造方法は、基板に形成されたカラーフィルタを有してなる液晶表示パネルの製造方法であって、上記の何れかに記載の機能膜の形成方法を用いて、前記機能膜を前記カラーフィルタのフィルタ層として形成する工程を含むことを特徴としている。
この発明によると、カラーフィルタをなすフィルタ層を高精度の形状でかつ膜厚を均一にして形成することができる。このため、色むら等を大幅に低減させることができる。
本発明のプラズマディスプレイパネルの製造方法は、基板に形成された蛍光体を有してなるプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、上記の何れかに記載の機能膜の形成方法を用いて、前記機能膜を前記蛍光体として形成する工程を含むことを特徴としている。
この発明によると、蛍光体を高精度の形状でかつ膜厚を均一にして形成することができる。このため、色むら等を大幅に低減させることができる。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、所定色の光を透過するフィルタ層が基板に配列形成されてなるカラーフィルタの製造方法であって、上記の何れかに記載の機能膜の形成方法を用いて、前記機能膜を前記フィルタ層として形成する工程を含むことを特徴としている。
この発明によると、カラーフィルタをなすフィルタ層を高精度の形状でかつ膜厚を均一にして形成することができる。このため、色むら等を大幅に低減させることができる。
本発明の電子機器は、上記の有機EL表示パネルの製造方法により製造された有機EL表示パネル、上記の液晶表示パネルの製造方法により製造された液晶表示パネル、上記のプラズマディスプレイパネルの製造方法により製造されたプラズマディスプレイパネル、又は上記のカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタを備えることを特徴としている。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による機能膜の形成方法、有機EL表示パネルの製造方法、液晶表示パネルの製造方法、プラズマディスプレイパネルの製造方法、カラーフィルタの製造方法、及び電子機器について詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態は、本発明の一部の態様を示すものであり、本発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
〔機能膜の形成方法〕
図1は、本発明の機能膜の形成方法を概念的に示す図である。本実施形態の機能膜の形成方法では、まず、図1(a)に示す通り、基板P上に所定の形状のバンクBを形成する。このバンクは、基板P上に形成する機能膜の平面形状を規定するものである。ここで、基板Pは、例えばガラス、石英ガラス、Siウェハ、プラスチックフィルム、金属板等である。尚、これら各種の素材基板の表面に半導体膜、金属膜、誘電体膜、有機膜等を下地層として形成したものされたものも含む。
また、バンクBの形成材料としては、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、オレフィン樹脂、メラミン樹脂等の高分子材料、ポリシラザン、ポリシロキサン等を含有した有機・無機ハイブリッド材料等が用いられる。バンクBの形成方法としては、リソグラフィ法や印刷法等、任意の方法を用いることができる。例えば、リソグラフィ法を使用する場合は、スピンコート、スプレーコート、ロールコート、ダイコート、ディップコート等所定の方法で、基板P上にバンクBの形成材料からなる層を形成した後、エッチングやアッシング等によりパターニングすることにより、所定のパターン形状のバンクが得られる。尚、基板Pとは別の物体上でバンクを形成し、それを基板P上に配置してもよい。
次に、図1(b)に示す通り、機能膜を得るための溶質と複数の溶媒とを含む液状体LをバンクBによって区画された領域に配置することにより、液状体Lを基板P上に塗布する。液状体Lを、バンクBによって区画された領域に配置する方法としては、液滴吐出法、所謂インクジェット法を用いるのが好ましい。液滴吐出法を用いることにより、スピンコート法等の他の塗布技術に比べて、液状体の消費に無駄が少なく、基板上に配置する液状体の量や位置の制御を行ないやすいという利点がある。但し、液状体LをバンクBによって区画された領域に配置する方法がインクジェット法に限られるという訳ではなく、必要であればスピンコート法等を用いて配置しても良い。
液状体Lに含まれる溶媒としては、機能膜を得るための溶質を分散できるもので、凝集を起こさないものであれば特に限定されない。例えば、水の他に、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼン等の炭化水素系化合物、またエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサン等のエーテル系化合物、更にプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノン等の極性化合物を例示できる。
これらのうち、微粒子の分散性と液状体Lの安定性、また液滴吐出法(インクジェット法)への適用の容易さの点で、水、アルコール類、炭化水素系化合物、エーテル系化合物が好ましく、より好ましい溶媒としては、水、炭化水素系化合物を挙げることができる。基板P上に塗布される液状体Lは、これらの溶媒のうち蒸気圧の異なる複数の溶媒(例えば、アルコール類の溶媒及びエーテル系化合物の溶媒)を含んでいる。
上記溶媒を含む液状体Lの表面張力は0.02N/m以上0.07N/m以下の範囲内であることが好ましい。液滴吐出法にて液体を吐出する際、表面張力が0.02N/m未満であると、インク組成物のノズル面に対する濡れ性が増大するため飛行曲りが生じやすくなり、0.07N/mを超えるとノズル先端でのメニスカスの形状が安定しないため吐出量や、吐出タイミングの制御が困難になる。表面張力を調整するため、液状体Lには、基板との接触角を大きく低下させない範囲で、フッ素系、シリコーン系、ノニオン系等の表面張力調節剤を微量添加するとよい。ノニオン系表面張力調節剤は、液体の基板への濡れ性を向上させ、膜のレベリング性を改良し、膜の微細な凹凸の発生等の防止に役立つものである。上記表面張力調節剤は、必要に応じて、アルコール、エーテル、エステル、ケトン等の有機化合物を含んでもよい。
また、上記分散液の粘度は1mPa・s以上50mPa・s以下であることが好ましい。液滴吐出法を用いて液状体を液滴として吐出する際、粘度が1mPa・sより小さい場合にはノズル周辺部がインクの流出により汚染されやすく、また粘度が50mPa・sより大きい場合は、ノズル孔での目詰まり頻度が高くなり円滑な液滴の吐出が困難となる。更に、液滴吐出法の吐出技術としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換式、電気熱変換方式、静電吸引方式等が挙げられる。
ここで、帯電制御方式は、材料に帯電電極で電荷を付与し、偏向電極で材料の飛翔方向を制御してノズルから吐出させるものである。また、加圧振動方式は、材料に30kg/cm程度の超高圧を印加してノズル先端側に材料を吐出させるものであり、制御電圧をかけない場合には材料が直進してノズルから吐出され、制御電圧をかけると材料間に静電的な反発が起こり、材料が飛散してノズルから吐出されない。また、電気機械変換方式は、ピエゾ素子(圧電素子)がパルス的な電気信号を受けて変形する性質を利用したもので、ピエゾ素子が変形することによって材料を貯留した空間に可撓物質を介して圧力を与え、この空間から材料を押し出してノズルから吐出させるものである。
電気熱変換方式は、材料を貯留した空間内に設けたヒータにより、材料を急激に気化させてバブル(泡)を発生させ、バブルの圧力によって空間内の材料を吐出させるものである。静電吸引方式は、材料を貯留した空間内に微小圧力を加え、ノズルに材料のメニスカスを形成し、この状態で静電引力を加えてから材料を引き出すものである。また、この他に、電場による流体の粘性変化を利用する方式や、放電火花で飛ばす方式等の技術も適用可能である。液滴吐出法は、材料の使用に無駄が少なく、しかも所望の位置に所望の量の材料を的確に配置できるという利点を有する。尚、液滴吐出法により吐出される液状材料(流動体)の一滴の量は、例えば1〜300ナノグラムである。
次いで、図1(c)に示す通り、液状体Lが塗布された基板Pを真空容器内に配置し、真空容器内を減圧して液状体Lに含まれる溶媒を減圧乾燥により除去する。上述した通り、液体対Lには複数の溶媒が含まれているが、減圧乾燥を開始すると蒸気圧の高い溶媒がより多く蒸発し、蒸気圧の低い溶媒の蒸発量はさほど多くないため、減圧乾燥を開始してから所定の真空度になると、基板P上に塗布された液状体は蒸気圧の低い溶媒を多く含むものとなる。
本実施形態では減圧乾燥を行っている最中に、図1(d)に示す通り、真空容器内の真空度が液状体Lに含まれる溶媒のうち最も蒸気圧が低い溶媒S(低蒸気圧溶媒)を少なくとも一度真空容器内に供給して真空容器内をその溶媒の雰囲気とする。これにより、基板P上の液状体Lに含まれる溶媒(最も蒸気圧が低い溶媒)の蒸発速度が低下して液状体Lに含まれる溶質のバンクBの近傍への寄りを少なくすることができる。
ここで、溶媒Sを真空容器内に供給するタイミングは、真空容器内の真空度(圧力)が液状体Lに含まれる最も蒸気圧が低い溶媒の蒸気圧よりも高いとき、即ち真空容器内の圧力が液状体Lに含まれる最も蒸気圧が低い溶媒の蒸気圧以下になるまでに行うのが望ましい。真空容器内の圧力が液状体Lに含まれる最も蒸気圧が低い溶媒の蒸気圧以下になってしまうと、その時点で溶媒の乾燥速度が高くなり、液状体Lに含まれる溶質のバンクBの近傍への寄りを防止することができないからである。
また、液状体Lに含まれる最も蒸気圧が低い溶媒は、粘度が高いものであることが望ましい。とりわけ、液状体Lに含まれる複数の溶媒のうち粘度が最も高いものであることが望ましい。減圧乾燥で最後に基板P上に多く残る溶媒の粘度が高ければ、液状体Lに含まれる溶質のバンクBの近傍への寄りを更に少なくすることができるからである。
以上の減圧乾燥を行うことにより、液状体Lに含まれる溶質がバンクBの近傍に寄ることなく液状体Lに含まれる溶媒を除去することができるため、図1(e)に示す通り、平坦な機能膜Fを形成することができる。また、真空容器内の真空度(圧力)が液状体Lに含まれる溶媒のうちの最も蒸気圧が低い溶媒の蒸気圧に近い圧力のときに真空容器内に溶媒Sを供給すれば、減圧乾燥の初期段階から溶媒Sを供給する場合に比べて溶媒(最も蒸気圧が低い溶媒以外の溶媒)の除去を短時間で行うことができる。これにより、減圧乾燥に要する時間を短縮することができ、平坦な機能膜Fを効率よく形成することができる。
尚、基板P上のバンクBは機能膜Fの平面形状を規定するものであるため、必要であれば基板P上に機能膜Fを形成した後に除去しても良い。また、図1に示す例では、基板P上にバンクBを形成し、バンクBによって区画された領域に液状体Lを配置することにより基板P上に液状体Lを塗布していたが、液状体Lの粘性が高くてバンクBを形成しなくとも所望形状の機能膜Lを形成することができる場合には、図1(a)に示すバンクBの形成工程は省略しても良い。
〔機能膜の形成装置〕
図2は、減圧乾燥装置の一例を示す概略構成図である。減圧乾燥装置10は、基板P上に塗布した液状体Lを乾燥させるものであり、図2に示す通り、真空容器11、トラップ12、ポンプ13、及び溶媒タンク14を含んで構成される。真空容器11には、不活性ガス(窒素ガス)が供給される給気路R1とポンプ13に接続された排気路R2とが接続されている。給気路R1には、バルブB1,B2が設けられている。バルブB1,B2は、真空容器11への窒素ガスの供給量を調整するものであり、これらバルブB1,B2を共に開状態にすると、給気路R1を介して真空容器11内に窒素ガスが供給される。
また、給気路R2には、バルブB3,B4を介して溶媒タンク14が接続されている。溶媒タンク14は、前述した溶媒S(基板P上に塗布される液状体Lに含まれる溶媒のうち最も蒸気圧が低い溶媒:低蒸気圧溶媒)を収容する。バルブB1〜B4の開度を調整することにより、窒素ガスがキャリアガスとなって溶媒タンク14に収容された溶媒が真空容器11内に供給される。尚、ここでは、簡単のために、基板P上に塗布される液状体Lに含まれる溶媒のうち最も蒸気圧が低い溶媒が溶媒タンク14に収容されている場合を例に挙げて説明するが、溶媒タンク14に複数の溶媒が収容されていても良い。
真空容器11は、図1を用いて説明した液状体Lが塗布された基板Pを収容可能な大きさであり、その内部はポンプ13によって減圧される。この真空容器11の内部を減圧することにより、内部に配置された基板P上に塗布された液状体Lの減圧乾燥が行われる。トラップ12は、溶媒タンク14から給気路R1を介して真空容器11内に供給される溶媒をトラップするものである。
〔液滴吐出装置〕
図3は、液滴吐出装置20の一例を示す概略構成図である。液滴吐出装置20は、基板P上に液状体Lを塗布するためのものであり、ベース21、基板移動装置22、ヘッド移動装置23、液滴吐出ヘッド24、液供給装置25、及び制御装置30を含んで構成される。ベース21は、その上面に基板移動装置22及びヘッド移動装置23を支持する。基板移動装置22は、ベース21上に設けられており、Y方向に沿って配置されたガイドレール26を備える。この基板移動装置22は、例えばリニアモータ(図示せず)によって、スライダ27をガイドレール26に沿って移動させるよう構成されている。
スライダ27上にはステージ29が固定されている。よって、基板移動装置22がステージ29の移動軸となる。このステージ29は、基板Pを位置決めして保持するためのものである。即ち、このステージ29は、真空吸着装置等の公知の吸着保持装置(図示省略)を備えており、この吸着保持装置を作動させることにより、基板Pをステージ29の上に吸着保持する。基板Pは、例えばステージ29の位置決めピン(図示せず)により、ステージ29上の所定位置に正確に位置決めされて保持される。尚、ステージ29上の基板Pに対し、その両側、即ち液滴吐出ヘッド24の移動方向(X方向)での両側には、液滴吐出ヘッド24にフラッシングを行わせるためのフラッシングエリア(図示省略)が設けられている。
ヘッド移動装置23は、ベース21の後部側に立てられた一対の架台23a,23aと、これら架台23a,23a上に設けられた走行路23bとを備えてなるものであり、走行路23bをX方向(基板移動装置22のY方向と直交する方向)に沿って配置したものである。走行路23bは、架台23a,23a間に渡された保持板23cと、この保持板23c上に設けられた一対のガイドレール23d,23dとからなるものであり、ガイドレール23d,23dの長さ方向に液滴吐出ヘッド24を搭載するキャリッジ32を移動可能に保持したものである。
キャリッジ32は、リニアモータ(図示せず)等の作動によってガイドレール23d,23d上を走行し、これにより液滴吐出ヘッド24をX方向に移動させるものである。ここで、このキャリッジ32は、ガイドレール23d,23dの長さ方向、即ちX方向に例えば1μm単位で移動が可能になっており、このような移動は制御装置30によって制御される。
液滴吐出ヘッド24は、キャリッジ32に取付部を介して回動可能に取り付けられたものである。この取付部にはモータ34が設けられており、液滴吐出ヘッド24はその支持軸(図示せず)がモータ34に連結している。このような構成のもとに、液滴吐出ヘッド24はその周方向に回動可能となっている。また、モータ34も制御装置30に接続されており、これによって液滴吐出ヘッド24はその周方向への回動も、制御装置30によって制御される。
ここで、液滴吐出ヘッド24について説明する。図4は、液滴吐出ヘッド24の構成を示す断面図である。図4(a)に示す通り、液滴吐出ヘッド24は、例えばステンレス製のノズルプレート40と振動板41とを備えており、両者を仕切部材(リザーバプレート)42を介して接合したものである。ノズルプレート40と振動板41との間には、仕切部材42によって複数の空間43と液溜まり44とが形成されている。各空間43と液溜まり44の内部は液状体(例えば配向膜インク)で満たされており、各空間43と液溜まり44とは供給口45を介して連通している。また、ノズルプレート40には、空間43から液状体を吐出するためのノズル孔46が縦横に整列させられた状態で複数形成されている。一方、振動板41には、液溜まり44に液状体を供給するための孔47が形成されている。
また、振動板41の空間43に対向する面と反対側の面上には、図4(b)に示す通り、圧電素子(ピエゾ素子)48が接合されている。この圧電素子48は、一対の電極49を有し、これら電極49,49間に通電されると外側に突出するようにして撓曲するよう構成されたものである。そして、このような構成のもとに圧電素子48が接合されている振動板41は、圧電素子48と一体になって同時に外側へ撓曲し、これにより空間43の容積が増大する。従って、増大した容積分に相当する液状体が、液溜まり44から供給口45を介して空間43内に流入する。また、このような状態から圧電素子48への通電を解除すると、圧電素子48と振動板41はともに元の形状に戻る。従って、空間43も元の容積に戻ることから、空間43内部の液状体の圧力が上昇し、ノズル孔46から基板に向けて液状体の液滴DLが吐出される。
尚、かかる構成の液滴吐出ヘッド24は、その底面形状が略矩形状であり、ノズル孔46を例えば縦×横が2×180となるように整列配置させたものである。ここで、図3では液滴吐出ヘッド24を一つしか示していないが、本発明の液滴吐出装置20はこれに限定されることなく、液滴吐出ヘッド24を複数備えていてもよく、例えば12台の液滴吐出ヘッド24を並列した状態に備えるようにしてもよい。
図3に戻り、液供給装置25は、液滴吐出ヘッド24に液状体を供給する液供給源35と、この液供給源35から液滴吐出ヘッド24に液を送るための液供給チューブ36とからなる。制御装置30は、CPU(中央処理装置)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶装置、及び各種信号の入出力機能を有するコンピュータによって実現され、液滴吐出ヘッド24による吐出動作、及び基板移動装置22による移動動作を制御する。
以上の構成の液滴吐出装置20は、図3中において二点鎖線で示す真空チャンバ37(チャンバ)内部に設けられている。また、真空チャンバ37の側面には、配管38を介して減圧ポンプ39が配設されており、この減圧ポンプ39には制御装置(図示省略)が接続されている。減圧ポンプ39を駆動させることにより、真空チャンバ37内部が排気され、真空チャンバ37内部の圧力を制御することができる。この真空チャンバ37は、減圧ポンプ39に接続される配管38を除いては外部と遮断されており、真空チャンバ37内部を閉空間とするものである。従って、真空チャンバ37内部に気体が供給されることはない。尚、この真空チャンバ37には扉が備えられており、内部への出入りができるようになっているのはもちろんである。
〔有機EL表示パネル〕
次に、本発明の一実施形態による有機EL表示パネルの製造方法について説明する。有機EL表示パネルは、有機EL素子を画素として基板上に配列してなる表示パネルである。図5は、有機EL表示パネルの回路構成図である。図5に示す通り、有機EL表示パネル100は、ガラス等からなる基板上に、複数の走査線101と、これら走査線101に対して交差する方向に延びる複数の信号線102と、これら信号線102に並列に延びる複数の共通給電線103とがそれぞれ配線されたもので、走査線101及び信号線102の各交点毎に、画素(画素領域)Xが設けられて構成されたものである。
信号線102に対しては、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン、及びアナログスイッチ等を備えるデータ側駆動回路104が設けられている。一方、走査線101に対しては、シフトレジスタ及びレベルシフタ等を備える走査側駆動回路105が設けられている。また、画素Xの各々には、走査線101を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用TFT(薄膜トランジスタ)106と、このスイッチング用TFT106を介して信号線102から供給される画像信号を保持する保持容量107と、保持容量107によって保持された画像信号がゲート電極に供給される駆動用TFT108と、この駆動用TFT108を介して共通給電線103に電気的に接続したときに共通給電線103から駆動電流が流れ込む画素電極109と、この画素電極109と共通電極111との間に挟み込まれる発光部110とが設けられている。そして、画素電極109と共通電極111と、有機機能層からなる発光部110とによって構成される素子が有機EL素子である。
このような構成のもとに、走査線101が駆動されてスイッチング用TFT106がオンとなると、そのときの信号線102の電位が保持容量107に保持され、保持容量107の状態に応じて、駆動用TFT108のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用TFT108のチャネルを介して共通給電線103から画素電極109に電流が流れ、更に発光部110を通じて共通電極111に電流が流れることにより、発光部110は、これを流れる電流量に応じて発光するようになる。
図6は、有機EL表示パネル100に備えられた各画素Xの平面構造を示す図であって、(a)は画素Xのうち、主にTFT等の画素駆動部分を示す図であり、(b)は画素間を区画するバンク(隔壁部材)等を示す図である。また、図7は、図6(a)中のA−A線に沿う断面構成を示す図である。図6(a)に示す画素Xの平面構造をみると、画素Xは、平面視略矩形状の画素電極109の四辺が、信号線102、共通給電線103、走査線101及び図示しない他の画素電極用の走査線によって囲まれた配置となっている。
また、図7に示す画素Xの断面構造をみると、基板P上に、駆動用TFT108が設けられており、駆動用TFT108を覆って形成された複数の絶縁膜を介した基板P上に、有機EL素子120が形成されている。有機EL素子120は、基板P上に立設された有機バンク180に囲まれる領域内に設けられた有機機能層としての発光部110を主体として構成され、この発光部110を、画素電極109と共通電極111との間に挟持した構成である。ここで、図6(b)に示す平面構造をみると、有機バンク180は、画素電極109の形成領域に対応した平面視略矩形状の開口部181を有しており、この開口部181に先の発光部110が形成されるようになっている。
図7に示す通り、駆動用TFT108は、半導体膜130に形成されたソース領域131a、ドレイン領域131b、及びチャネル領域131cと、半導体層表面に形成されたゲート絶縁膜140を介してチャネル領域131cに対向するゲート電極141Aとを主体として構成されている。半導体膜130及びゲート絶縁膜140を覆う第1層間絶縁膜150が形成されており、この第1層間絶縁膜150を貫通して半導体膜130に達するコンタクトホール151,152内に、それぞれドレイン電極153、ソース電極154が埋設され、各々の電極はドレイン領域131b、ソース領域131aに導電接続されている。
第1層間絶縁膜150上には、第2層間絶縁膜160が形成されており、この第2層間絶縁膜160に貫設されたコンタクトホールに画素電極109の一部が埋設されている。そして画素電極109とドレイン電極153とが導電接続されることで、駆動用TFT108と画素電極109(有機EL素子120)とが電気的に接続されている。画素電極109の周縁部に一部乗り上げるようにして無機絶縁材料からなる無機バンク170が形成されている。無機バンク170上には、有機材料からなる有機バンク180が積層され、この有機EL表示パネルにおける隔壁部材を成している。
上記有機EL素子120は、画素電極109上に、電荷輸送層としての正孔注入層110Aと発光層110Bとを積層し、この発光層110Bと有機バンク180とを覆う共通電極111を形成することにより構成されている。正孔注入層110Aは、画素電極109を覆って形成されており、その周端部は、有機バンク180の下層側に設けられた無機バンク170のうち、有機バンク180から画素電極109中央側に突出して配置された部分も覆って形成されている。
基板Pとしては、所謂ボトムエミッション型の有機EL表示パネルの場合、基板P側から光を取り出す構成であるので、ガラス等の透明基板が用いられる。一方、所謂トップエミッション型の有機EL表示パネルの場合には、有機EL素子120が配設された側から光を取り出す構成であるので、ガラス等の透明基板の他、不透明基板も用いることができる。不透明基板としては、例えばアルミナ等のセラミックス、ステンレススチール等の金属シートに表面酸化等の絶縁処理を施したもの、また熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂、更にはそのフィルム(プラスチックフィルム)等が挙げられる。
画素電極109は、基板Pを介して光を取り出すボトムエミッション型の場合には、ITO(インジウム錫酸化物)等の透光性導電材料により形成されるが、トップエミッション型の場合には透光性である必要はなく、金属材料等の適宜な導電材料によって形成できる。共通電極111は、発光層110Bと有機バンク180の上面、さらには有機バンク180の側面部を形成する壁面を覆った状態で基板P上に形成される。この共通電極111を形成するための材料としては、トップエミッション型の場合、透明導電材料が用いられる。透明導電材料としてはITOが好適であるが、他の透光性導電材料であっても構わない。ボトムエミッション型の場合には、透明導電材料のほか、アルミニウム等の不透明若しくは光反射性を有する導電材料を用いることができる。
共通電極111の上層側には、陰極保護層を形成してもよい。かかる陰極保護層を設けることで、製造プロセス時に共通電極111が腐食されるのを防止する効果が得られ、無機化合物、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン窒酸化物等のシリコン化合物により形成できる。共通電極111を無機化合物からなる陰極保護層で覆うことにより、無機酸化物からなる共通電極111への酸素等の侵入を良好に防止することができる。尚、このような陰極保護層は、共通電極111の平面領域の外側の基板上まで、10nmから300nm程度の厚みに形成される。
〔有機EL表示パネルの製造方法〕
次に、有機EL表示パネル100の製造方法について図面を参照しつつ説明する。図8,図9は、本発明の一実施形態による有機EL表示パネルの製造方法を示す断面工程図である。尚、以下の説明では、図5〜図7に示す構成の有機EL表示パネルを液滴吐出法(インクジェット法)を用いて製造する方法を例示して説明する。但し、以下に示す手順や液状体の材料構成は一例であってこれに限定されるものではない。
まず、図8(a)に示す通り、基板P上に駆動用TFT108、第1層間絶縁膜150、第2層間絶縁膜160、及び画素電極109を形成する。これらは公知の方法により形成することができる。尚、画素電極109は、ボトムエミッション型の場合には、ITO等の透光性導電材料により形成される。トップエミッション型の場合には、透光性導電材料のほかアルミニウム、銀、金、プラチナ等の不透明又は光反射性を有する導電材料によって形成される。また、ITO/Alの積層膜としてもよい。
次に、図8(b)に示す通り、画素電極109の周縁部と一部平面的に重なるように、酸化シリコン等の無機絶縁材料からなる無機バンク170を形成する。具体的には、画素電極109を覆うように酸化シリコン膜を形成した後、公知のフォトリソグラフィ技術を用いて酸化シリコン膜をパターニングし、画素電極109の表面を部分的に開口させることで無機バンク170を形成する。
次に、図8(c)に示す通り、無機バンク170上に、アクリル、ポリイミド等の有機絶縁材料からなる有機バンク180を形成する。有機バンク180の高さは、例えば1〜2μm程度に設定され、基板P上で有機EL素子120の仕切部材として機能する。このような構成のもと、有機EL素子120の正孔注入層や発光層の形成場所、すなわちこれらの形成材料の塗布位置とその周囲の有機バンク180との間に十分な高さの段差からなる開口部181が形成される。有機バンク180の開口部181と無機バンク170の開口部171とは互いに連通し、画素電極109はこれらの開口部内において露出した状態となっている。
有機バンク180を形成するに際しては、有機バンク180の開口部181の壁面を、無機バンク170の開口部171から若干外側へ後退させて形成するのがよい。このように有機バンク180の開口部181内に無機バンク170を一部露出させておくことで、有機バンク180内での液状体の濡れ広がりを良好なものとすることができる。
有機バンク180を形成したならば、図8(d)に示す通り、有機バンク180及び画素電極109を含む基板上の領域に対して表面処理を施す。有機バンク180は、有機EL素子120を区画する仕切部材として機能するので、液滴吐出装置20(図3参照)から吐出される液状体に対して非親和性(撥液性)を示すものであることが好ましく、上記の表面処理により、有機バンク180に選択的に非親和性を発現させることができる。
かかる表面処理として、例えば有機バンク180の表面をフッ素系化合物を含むガス(フッ素含有ガス)を処理ガスとしてプラズマ処理(撥液処理)する方法を採用することができる。フッ素化合物を用いることにより、有機バンク180の表面にフッ素基が導入され、これにより液状体を弾くことが可能になる。ここで用いるフッ素化合物としては、例えばCF、SF、CHF等が挙げられる。
通常は、このような処理の前に、画素電極109や無機バンク170の表面を液状体に対して親和性(親液性)を示すものとするためにOプラズマ処理による親液処理が行なわれるが、本実施形態ではこのような親液処理を行なわずに直接撥液処理を行なう。このような処理では、基板の一面側全体に処理を施したとしても、ITO膜や金属膜等の無機材料からなる画素電極109の表面や酸化シリコン等の無機材料からなる無機バンク170の表面は有機材料からなる有機バンク180の表面よりも撥液化されにくい。特に、本実施形態では従来と違って撥液処理を行なう前にOプラズマ処理を行なっていないので、画素電極等の表面は活性化されず、フッ素基がより導入されにくい構造となっている。このため、上記の撥液処理では、有機バンク180の表面のみが選択的に撥液化されることになる。
次に、図9(a)に示す通り、基板Pの上面を上に向けた状態で正孔注入層形成材料を含む液状体LD1を液滴吐出ヘッド24(図3,図4参照)により有機バンク180に囲まれた塗布位置に選択的に塗布する。正孔注入層を形成するための液状体LD1は、正孔注入層形成材料(電荷輸送層形成材料)及び溶媒を含む。ここで、正孔注入層形成材料としては、ポリマー前駆体がポリテトラヒドロチオフェニルフェニレンであるポリフェニレンビニレン、1,1−ビス−(4−N,N−ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサン、トリス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウム、ポリスチレンスルフォン酸、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルフォン酸との混合物(PEDOT/PSS)等を例示することができる。また、溶媒としては、イソプロピルアルコール、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−イミダゾリノン等の極性溶媒を例示することができる。
上述した正孔注入層形成材料を含む液状体LD1が液滴吐出ヘッド24より基板P上に吐出されると、流動性が高いため水平方向に広がろうとするが、塗布された位置を囲んで有機バンク180が形成されているので、液状体LD1は有機バンク180を越えてその外側に広がらない。また、画素電極109や無機バンク170の表面は良好な親液性を保った状態であるので、吐出された液状体LD1は画素電極等の表面全体に塗れ広がり、均一な塗膜を形成する。
続いて、加熱又は光照射により液状体LD1の溶媒を蒸発させて画素電極109上に固形の正孔注入層110Aを形成する。又は、大気環境下又は窒素ガス雰囲気下において所定温度及び時間(一例として200℃、10分)焼成するようにしてもよい。或いは、大気圧より低い圧力環境下(減圧環境下)に配置することで溶媒を除去するようにしてもよい。ここで、図2に示す減圧乾燥装置10を用いて前述した方法により液状体LD1の溶媒を除去するのが望ましい。かかる方法により液状体LD1から溶媒を除去することで膜厚、膜質が均一でありその表面の平坦性にも優れた正孔注入層110Aを得ることができる。
続いて、図9(b)に示す通り、基板Pの上面を上に向けた状態で液滴吐出ヘッド24より発光層形成材料と溶媒とを含む液状体LD2を有機バンク180内の正孔注入層110A上に選択的に塗布する。ここで、発光層形成材料としては、蛍光或いは燐光を発光することが可能な公知の高分子発光材料である、ポリフルオレン誘導体(PF)、ポリパラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリジアルキルフルオレン(PDAF)、ポリフルオレンベンゾチアジアゾール(PFBT)、ポリアルキルチオフェン(PAT)や、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)等のポリシラン系などを好適に用いることができる。また、これらの発光材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子材料をドープして用いることもできる。
上記の発光層形成材料については、前述した複数の溶媒に溶解又は分散させて液状体LD2とし、この液状体LD2を液滴吐出ヘッド24から吐出するのが好ましい。極性溶媒は、発光材料等を容易に溶解又は均一に分散させることができるため、液滴吐出ヘッド24のノズル孔での発光層形成材料中の固型分が付着したり目詰りを起こすのを防止することができる。上記、液状体LD2を液滴吐出ヘッド24から吐出することによる発光層の形成は、赤色の発色光を発光する発光層形成材料を含む液状体、緑色の発色光を発光する発光層形成材料を含む液状体、青色の発色光を発光する発光層形成材料を含む液状体を、それぞれ対応する画素X(開口部181)に吐出し塗布することによって行う。尚、各色に対応する画素Xは、これらが規則的な配置となるように予め決められている。
このようにして各色の発光層形成材料を含む液状体LD2を吐出し塗布したならば、液状体LD2中の溶媒を除去する。この工程により、図9(c)に示す通り、正孔注入層110A上に固形の発光層110Bが形成され、これにより正孔注入層110Aと発光層110Bとからなる発光部110が得られる。ここで、発光層形成材料を含む液状体LD2中の溶媒の除去については、図2に示す減圧乾燥装置10を用いて前述した方法により液状体LD2の溶媒を除去する。かかる方法により液状体LD2から溶媒を除去することで膜厚、膜質が均一でありその表面の平坦性にも優れた発光層110Bを得ることができる。その後、図9(c)に示す通り、基板Pの表面全体に、又はストライプ状に、ITO等からなる共通電極111を形成する。こうして、有機EL素子120を製造することができる。
図10は、有機EL表示パネル100に形成された発光層110Bの平坦度の一例を示す図である。図10において、横軸は発光層110Bの位置(図6に示す画素電極の長手方向の位置)をとり、縦軸は発光層110Bの平坦度をとっている。発光層110Bを形成する際に、図2に示す減圧乾燥装置10を用いて図1を用いて説明した方法により乾燥させると、図10(a)に示す通り、平坦度の高い発光層110Bが得られた。これに対し、図2に示す減圧乾燥装置10を用いて減圧乾燥を行うものの、減圧乾燥工程の途中で真空容器11内に溶媒(基板P上に塗布される液状体に含まれる溶媒のうち最も蒸気圧が低い溶媒:低蒸気圧溶媒)を供給しないと、図10(b)に示す通り、周囲の膜厚が厚くなって平坦度が低いことが分かる。これは、液状体に含まれる溶媒が周囲に寄った結果であると考えられる。このように、本実施形態では、平坦度の高い発光層110Bを形成することができる。尚、正孔注入層110Aを形成する際にも発光層110Bと同様の方法で減圧乾燥すれば、平坦度の高い正孔注入層110Aを形成することができる。
尚、以上説明した本実施形態の有機EL表示パネル100は、画素電極109を陽極とし、共通電極111を陰極とした構造を採用したが、これとは逆に画素電極109を陰極とし、共通電極111を陽極とする構造を採用することも可能である。この場合、画素電極と発光層との間に配置される電荷輸送層としては電子注入層が形成される。
〔カラーフィルタの製造方法〕
次に、カラーフィルタの製造方法について説明する。図11は、本発明の一実施形態によるカラーフィルタの製造方法を示す断面工程図である。まず、図11(a)に示す通り、透明材料のガラス、プラスチック等からなる対向基板50上に、各画素に対応した平面視格子状のバンク51を形成する。このバンク51は、撥液性の樹脂を例えばスピンコート法を用いて所定の厚さで一様に形成した後、例えばフォトリソグラフィー法を用いて樹脂を格子状にパターニングして形成する。
次に、図11(b)に示すように、バンク51に区画された各画素領域に、図3に示す液滴吐出装置20を用いて着色インク52(液状体)を配置する。尚、図11(b)においては液滴吐出装置20に設けられる液滴吐出ヘッド24のみを図示している。着色インク52は、溶剤にR,G,Bの顔料が溶解されたものを用いる。具体的には、バンク51が形成された対向基板50を図3に示す真空チャンバ37内部に搬送し、液滴吐出装置20のステージ29上の所定位置に設置する。そして、液滴吐出装置20の液滴吐出ヘッド24を対向基板50表面上に沿って走査させながら、液滴吐出ヘッド24のノズルから着色インク52を対向基板50上のバンク51に区画された各画素領域に塗布する。
次に、着色インク52が塗布された対向基板50を、図2に示す減圧乾燥装置10の真空容器11内に配置してポンプ13を稼働させて真空容器11内を減圧する。そして、減圧乾燥を行っている最中において、真空容器11内の真空度(圧力)が、塗布された着色インク52に含まれる溶媒のうち最も蒸気圧が低い溶媒の蒸気圧に達する前に、バルブB1〜B4を操作してその溶媒を少なくとも一度真空容器11内に供給して真空容器11内をその溶媒の雰囲気とする。
この減圧乾燥を行うことにより、着色インク52に含まれる溶質がバンクBの近傍に寄ることなく着色インク52に含まれる溶媒が除去される。これにより、図11(c)に示す通り、対向基板50上に平坦度の高い着色層52R,52G,52Bを効率よく形成することができる。次に、図11(c)に示す通り、カラーフィルタ60を保護するために、カラーフィルタ60の着色層52R,52G,52B及びバンク51上を覆って保護膜53を形成する。この保護膜53は、スピンコート法、又は液滴吐出方式等の各種方法により形成することができる。このようにして、製造されたカラーフィルタ60は、着色層52R,52G,52Bをその膜厚を均一にして形成することができるため、色むら等を大幅に低減させることができる。
〔液晶表示パネル及びその製造方法〕
次に、液晶表示パネルの製造方法について図面を参照しつつ説明する。図12は、液晶表示パネルの断面図である。尚、以下の説明では、図12に示す構成の液晶表示パネル200を液滴吐出法(インクジェット法)を用いて製造する方法を例示して説明する。但し、以下に示す手順や液状体の材料構成は一例であってこれに限定されるものではない。
図12に示す通り、液晶表示パネル200は、下側基板201と上側基板202との間に液晶層203を挟持した状態で下側基板201と上側基板202との間をシール材204によりシールした構造である。下側基板201の液晶層203側表面上には、カラーフィルタ205、有機膜等からなる平坦化膜206、透明電極207、及び配向膜208が順次積層形成されている。一方、上側基板202の液晶層203側表面上には、インジウム錫酸化物からなる透明電極209と配向膜210とが順次積層形成されている。また、液晶層203内には多数の球状のスペーサー211が配置されている。
カラーフィルタ205は、所定のパターンに形成された赤(R)、緑(G)、青(B)の着色層205aと隣接する着色層205a間を遮光する遮光層(ブラックマトリクス)205bとを含んで構成される。また、配向膜208,210はポリイミド等の配向性高分子からなり、電界を印加しないときの液晶層203の配向状態に合わせて、その表面は布等を用いて所定の方向にラビングされている。カラーフィルタ205及び平坦化膜206は、少なくとも表示領域内に形成され、且つシール材204よりも内側にのみ形成されている。
次に、上記構造の液晶表示パネル200の製造方法について説明する。まず、下側基板201の表面に、カラーフィルタ205、平坦化膜206、透明電極207、及び配向膜208を順次形成する。ここで、カラーフィルタ205は上述したカラーフィルタの製造方法を用いて製造される。また、上側基板202の表面に、透明電極209と配向膜210とを順次形成する。
次いで、表面にカラーフィルタ205、平坦化膜206、透明電極207、及び配向膜208が順次積層形成された下側基板201と、透明電極209及び配向膜210を順次積層形成された上側基板202とを、未硬化のシール材204を介して貼着した後、未硬化のシール材204を、液晶の注入口を形成するように硬化し、液晶セルを形成する。次いで、真空注入法により液晶セル内に液晶を吸引して液晶層203を形成することにより上記構造の液晶表示パネル200が製造される。このようにして色むら等が大幅に低減した液晶表示パネル200を製造することができる。
〔プラズマディスプレイパネル及びその製造方法〕
次に、プラズマディスプレイパネルの製造方法について図面を参照しつつ説明する。図13は、プラズマディスプレイパネルの分解斜視図である。尚、以下の説明では、図13に示す構成のプラズマディスプレイパネル300を液滴吐出法(インクジェット法)を用いて製造する方法を例示して説明する。但し、以下に示す手順や液状体の材料構成は一例であってこれに限定されるものではない。
プラズマディスプレイパネル300は、互いに対向して配置されたガラス基板301とガラス基板302と、これらの間に形成された放電表示部303とから概略構成される。放電表示部303は、複数の放電室304が集合されてなり、複数の放電室304のうち、赤色放電室304R、緑色放電室304G、青色放電室304Bの3つの放電室304が対になって1画素を構成するように配置されている。ガラス基板301の上面には所定の間隔でストライプ状にアドレス電極305が形成され、それらアドレス電極305とガラス基板301の上面とを覆うように誘電体層306が形成され、更に誘電体層306上においてアドレス電極305,305間に位置して各アドレス電極305に沿うように隔壁307が形成されている。
尚、隔壁307においてはその長手方向の所定位置においてアドレス電極305と直交する方向にも所定の間隔で仕切られており(図示省略)、基本的にはアドレス電極305の幅方向左右両側に隣接する隔壁と、アドレス電極305と直交する方向に延設された隔壁により仕切られる長方形状の領域が形成され、これら長方形状の領域に対応するように放電室304が形成され、これら長方形状の領域が3つ対になって1画素が構成される。また、隔壁307で区画される長方形状の領域の内側には蛍光体308が配置されている。蛍光体308は、赤、緑、青の何れかの蛍光を発光するもので、赤色放電室304Rの底部には赤色蛍光体308Rが、緑色放電室304Gの底部には緑色蛍光体308Gが、青色放電室304Bの底部には青色蛍光体308Bが各々配置されている。
次に、ガラス基板302側には、先のアドレス電極305と直交する方向に複数のITOからなる透明表示電極309がストライプ状に所定の間隔で形成されるとともに、高抵抗のITOを補うために、金属からなるバス電極310が形成されている。また、これらを覆って誘電体層311が形成され、更にMgO等からなる保護膜312が形成されている。また、ガラス基板301及びガラス基板302の基板2枚が、アドレス電極305…と透明表示電極309…とを互いに直交させるように対向させて相互に貼り合わされ、ガラス基板301と隔壁307とガラス基板302側に形成されている保護膜312とで囲まれる空間部分を排気して希ガスを封入することで放電室304が形成されている。
尚、ガラス基板302側に形成される透明表示電極309は各放電室304に対して2本ずつ配置されるように形成されている。上記アドレス電極305と透明表示電極309は図示略の交流電源に接続され、各電極に通電することで必要な位置の放電表示部303において蛍光体308を励起発光させて、カラー表示ができるようになっている。以上の構成のプラズマディスプレイパネル200において、図1を用いて説明した機能膜の形成方法を用いて蛍光体308が形成されている。本実施形態によれば、蛍光体を高精度の形状でかつ膜厚を均一にして形成することができるため、色むら等を大幅に低減させることができる。
〔電子放出ディスプレイ及びその製造方法〕
次に、電子放出ディスプレイ(Field Emission Display:以下、FEDという)の製造方法について図面を参照しつつ説明する。図14は、FEDを説明するための図であって、(a)はFEDを構成するカソード基板とアノード基板の配置を示した概略構成図であり、(b)はFEDのうちカソード基板が具備する駆動回路の模式図であり、(c)はカソード基板の要部を示した斜視図である。尚、以下の説明では、図14に示す構成のFED400を液滴吐出法(インクジェット法)を用いて製造する方法を例示して説明する。但し、以下に示す手順や液状体の材料構成は一例であってこれに限定されるものではない。
図14(a)に示す通り、FED400は、カソード基板400aとアノード基板400bとを対向配置した構成である。カソード基板400aは、図14(b)に示す通り、ゲート線401と、エミッタ線402と、ゲート線401とエミッタ線402とに接続された電子放出素子403とを備えており、即ち、所謂単純マトリクス駆動回路となっている。ゲート線401にはゲート信号S1,S2,…,Smが供給され、エミッタ線402にはエミッタ信号T1,T2,…,Tnが供給される。また、アノード基板400bは、RGBからなる蛍光体を備えており、この蛍光体は電子が当ることにより発光する性質を有する。
図14(c)に示す通り、電子放出素子403はエミッタ線402に接続されたエミッタ電極403aと、ゲート線401に接続されたゲート電極403bとを備えた構成となっている。更に、エミッタ電極403aは、エミッタ電極403a側からゲート電極403bに向かって小径化するエミッタティップ405と呼ばれる突起部を備えており、エミッタティップ405と対応した位置にゲート電極403bに孔部404が形成され、孔部404内にエミッタティップ405の先端が配置されている。
かかる構成のFED400においては、ゲート線401のゲート信号S1,S2,…,Sm、及びエミッタ線402のエミッタ信号T1,T2,…,Tnを制御することにより、エミッタ電極403aとゲート電極403bとの間に電圧が供給され、電界の作用によってエミッタティップ405から孔部404に向かって電子406が移動し、エミッタティップ405の先端から電子406が放出される。ここで、アノード基板400bの蛍光体に対して電子406が当ることにより発光するので、所望にFED400を駆動することが可能になる。
以上のFED400において、図1を用いて説明した機能膜の形成方法を用いてアノード基板400bの蛍光体が形成されている。本実施形態によれば、蛍光体を高精度の形状でかつ膜厚を均一にして形成することができるため、色むら等を大幅に低減させることができる。尚、ここではFED(Field Emission Display)について説明したが、SED(Surface-Conduction Electron-Emitter Display)等にも本発明を適用することができる。
〔電子機器〕
図15は、本発明の一実施形態による電子機器の一例を示す図である。図15(a)は、携帯電話の一例を示す斜視図である。図15(a)において500は携帯電話機本体であり、この携帯電話機本体500は以上説明した製造方法により製造された有機EL表示パネル、液晶表示パネル、プラズマディスプレイパネル、又はFED等の表示部501を備えている。
また、図15(b)は、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ等の携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図15(b)において600は情報処理装置であり、この情報処理装置600は、キーボード等の入力部601、情報処理本体602、及び以上説明した製造方法により製造された有機EL表示パネル、液晶表示パネル、プラズマディスプレイパネル、又はFED等の表示部603を備えている。また、図15(c)は、腕時計型電子機器の一例を示素斜視図である。図15(c)において、700は時計本体を示しており、この時計本体700は、以上説明した製造方法により製造された有機EL表示パネル、液晶表示パネル、プラズマディスプレイパネル、又はFED等の表示部701を備えている。図15(a)〜図15(c)に示す電子機器は、上述した製造方法により製造された有機EL表示パネル等を備えているため、色むら等が低減された良好な表示を得ることができる。
尚、本実施形態の製造方法により製造される有機EL表示パネル、液晶表示パネル、プラズマディスプレイパネル、カラーフィルタ、又はFED等は、図15(a)〜図15(c)に例示した電子機器以外にも種々の電子機器に適用することができる。例えば、液晶プロジェクタ、マルチメディア対応のパーソナルコンピュータ(PC)及びエンジニアリング・ワークステーション(EWS)、ページャ、テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネルを備えた装置等の電子機器に適用することが可能である。
また、本願発明は、上述した例に限定されるものではなく、本願発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を加え得ることはもちろんである。また、本願発明の要旨を逸脱しない範囲において上述した各例を組み合わせても良い。
本発明の機能膜の形成方法を概念的に示す図である。 減圧乾燥装置の一例を示す概略構成図である。 液滴吐出装置20の一例を示す概略構成図である。 液滴吐出ヘッド24の構成を示す断面図である。 有機EL表示パネルの回路構成図である。 有機EL表示パネル100に備えられた各画素Xの平面構造を示す図である。 図6(a)中のA−A線に沿う断面構成を示す図である。 本発明の一実施形態による有機EL表示パネルの製造方法を示す断面工程図である。 本発明の一実施形態による有機EL表示パネルの製造方法を示す断面工程図である。 有機EL表示パネル100に形成された発光層110Bの平坦度の一例を示す図である。 本発明の一実施形態によるカラーフィルタの製造方法を示す断面工程図である。 液晶表示パネルの断面図である。 プラズマディスプレイパネルの分解斜視図である。 FEDを説明するための図である。 本発明の一実施形態による電子機器の一例を示す図である。
符号の説明
11……真空容器
60……カラーフィルタ
100……有機EL表示パネル
100B……発光層
200……液晶表示パネル
300……プラズマディスプレイパネル
500……携帯電話機本体(電子機器)
600……情報処理装置(電子機器)
700……時計本体(電子機器)
F……機能膜
L……液状体
P……基板
S……溶媒(低蒸気圧溶媒)

Claims (8)

  1. 所定の機能を有する機能膜を得るための溶質と複数の溶媒とを含む液状体を基板上に塗布する塗布工程と、前記液状体が塗布された前記基板を真空容器内で減圧して前記基板上に塗布された前記液状体から前記溶媒を除去する除去工程とを経て前記基板上に前記機能膜を形成する機能膜の形成方法において、
    前記液状体に含まれる前記複数の溶媒のうち最も蒸気圧が低い低蒸気圧溶媒を、前記除去工程で少なくとも一度前記真空容器内に供給しつつ前記基板上に塗布された前記液状体から前記溶媒を除去することを特徴とする機能膜の形成方法。
  2. 前記真空容器内の圧力が前記低蒸気圧溶媒の蒸気圧よりも高いときに、前記低蒸気圧溶媒を前記真空容器内に供給することを特徴とする請求項1記載の機能膜の形成方法。
  3. 前記低蒸気圧溶媒は、前記液状体に含まれる前記複数の溶媒のうち粘度が最も高いことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の機能膜の形成方法。
  4. 前記塗布工程は、前記液状体を液滴吐出方式により吐出して前記基板上に着弾させることにより前記基板上に塗布する工程であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の機能膜の形成方法。
  5. 電極間に発光層を有する発光素子が基板に形成されてなる有機EL表示パネルの製造方法であって、
    請求項1から請求項4の何れか一項に記載の機能膜の形成方法を用いて、前記機能膜を前記発光層として形成する工程を含むことを特徴とする有機EL表示パネルの製造方法。
  6. 基板に形成されたカラーフィルタを有してなる液晶表示パネルの製造方法であって、
    請求項1から請求項4の何れか一項に記載の機能膜の形成方法を用いて、前記機能膜を前記カラーフィルタのフィルタ層として形成する工程を含むことを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
  7. 基板に形成された蛍光体を有してなるプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
    請求項1から請求項4の何れか一項に記載の機能膜の形成方法を用いて、前記機能膜を前記蛍光体として形成する工程を含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  8. 所定色の光を透過するフィルタ層が基板に配列形成されてなるカラーフィルタの製造方法であって、
    請求項1から請求項4の何れか一項に記載の機能膜の形成方法を用いて、前記機能膜を前記フィルタ層として形成する工程を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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