JP2006222195A - 有機el装置、その製造方法、及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の機能層が均一な形状と膜厚に形成され、輝度や発光色にムラのない、均一な発光特性の有機EL素子を備えた有機EL装置を提供する。
【解決手段】 本発明の有機EL装置は、画素電極141と共通電極154と、これらの電極の間に挟持された発光部140とを備え、前記発光部140が、正孔注入層(第1の機能層)140Aと発光層(第2の機能層)140Bとを積層してなる積層膜を含んでおり、前記正孔注入層140Aと発光層140Bとの境界部に、フッ化物層155が形成されていることを特徴としている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、有機EL装置、その製造方法、及び電子機器に関するものである。
近年、液晶ディスプレイに代わる自発発光型ディスプレイとして、有機物を用いた有機EL装置(有機エレクトロルミネッセンス装置)の開発が加速している。有機EL装置の画素として機能する有機EL素子(発光素子)は、その発光に寄与する層として有機機能材料からなる薄膜を有しており、その膜厚は通常100nm以下である。係る有機薄膜の成膜方法としては、低分子の有機機能材料の場合には蒸着が一般的であるが、蒸着法では大面積に均一に成膜するのが困難であるため、有機薄膜の材料として高分子材料を用い、液相法を用いて基体に塗布することで大面積に均一な膜厚の有機薄膜を形成することが検討されている。このような有機薄膜を液相法で形成する方法として、例えば特許文献1には、液体材料を微小液滴の形態で基体上に付着させるインクジェット法を用いることが開示されている。
特開2002−252083号公報
上記特許文献1に記載の製造方法を用いて有機EL装置を製造する場合、電極やバンク(隔壁)を形成した基板を、以下の(1)〜(9)の工程によって処理することで行われる。
(1)基板洗浄、(2)親水化処理(酸素プラズマ処理、又はUV照射処理)、(3)撥水化処理(CFプラズマ処理)、(4)正孔注入層形成材料塗布(インクジェット法)、(5)乾燥、アニール処理、(6)発光層形成材料塗布(インクジェット法)、(7)乾燥、アニール処理、(8)陰極形成(蒸着法)、(9)封止材形成。
上記各工程のうち、(2)親水化処理と(3)撥水化処理の目的は、インクジェットプロセスによりバンクに囲まれる領域内に滴下される液滴(正孔注入層形成材料)が、当該領域からはみ出さないようにすることにある。すなわち、(2)親水化処理によって画素電極表面をクリーニングすると同時に同表面の親水性を向上させ、次いで(3)撥水化処理によってバンクの表面をフッ素化し、バンク表面で前記液滴が弾かれるようにすることで、前記液滴をバンクに囲まれる領域内に閉じ込めようとするものである。
上記製造プロセスによれば、高分子有機物からなる機能層を高精度にパターニングすることができる。しかし、本発明者が検討を行ったところ、1層目に形成する正孔注入層は比較的均一な形状に形成できるが、この正孔注入層上に形成する発光層(2層目の機能層)では、その平面形状や膜厚にばらつきが生じやすいことが判明した。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、複数の機能層が均一な形状と膜厚に形成された発光部を具備し、もって輝度や発光色にムラのない、均一な発光特性を得られるようにした有機EL装置を提供することを目的としている。また本発明は、均一な発光特性で高画質の表示が可能な有機EL装置を製造する方法を提供することを目的としている。
本発明の有機EL装置は、上記課題を解決するために、一対の電極と、前記一対の電極に挟持され、積層された第1の機能層と第2の機能層を有する発光部と、前記第1の機能層と第2の機能層との境界部に設けられたフッ化物層とを有することを特徴とする。
この構成によれば、前記第1の機能層と第2の機能層との間に形成されたフッ化物層の作用により、第1の機能層と第2の機能層とを積層した積層膜を形成する際に第2の機能層の膜厚や形状が均一化され、発光ムラや輝度ばらつきが生じない均一な発光特性の有機EL装置を提供することができる。
つまり、前記第1の機能層上に第2の機能層を形成する場合に、第1の機能層の表面状態を何ら制御しないとすると、第1の機能層と第2の機能層を形成するための材料との親和性の程度によって第2の機能層の形状や膜厚が不均一になることがある。これに対し、本発明の如く第1の機能層上にフッ化物層が形成されていれば、第1の機能層の表面状態が前記フッ化物層によって均一化されているので、第1の機能層の表面を、第2の機能層の形成に好適な状態に制御することができる。これにより、第2の機能層が均一な膜厚等を有して形成され、発光部における発光むら等が良好に防止された有機EL装置が実現される。
また、前記フッ化物層は、有機EL装置の長寿命化にも寄与する。第1の機能層と第2の機能層との間にフッ化物層が形成されていると、有機EL装置の動作時にフッ化物層の表面が分極し、これによって第1の機能層と第2の機能層との間でのイオンの拡散が防止されるので、各機能層の変質、劣化を防止できることによる。
本発明の有機EL装置では、前記フッ化物層の層厚が、10nm以下であることが好ましい。また本発明の有機EL装置では、前記フッ化物層の層厚が、3nm以上10nm以下であることがより好ましい。フッ化物層の膜厚が10nmを超えると、第1の機能層自体に変質を生じ、発光部の発光特性を低下させるおそれがある。また3nm未満では、フッ化物層による第1の機能層の表面状態の制御が良好に成されず、第2の機能層の形状や膜厚が不均一になりやすくなる。
本発明の有機EL装置では、前記第1の機能層が正孔注入層であり、前記第2の機能層が発光層であることが好ましい。この構成によれば、発光部の主要部を成す発光層(第2の機能層)の成膜状態を良好に制御でき、発光ムラや輝度ばらつきを良好に抑制することができる。
本発明の有機EL装置では、前記フッ化物層が、前記正孔注入層を構成する材料のフッ化物からなることが好ましい。前記フッ化物層が、前記正孔注入層を部分的にフッ素化してなるものであれば、かかるフッ素化の程度を調整することで、正孔注入層の表面状態を正確かつ容易に制御でき、歩留まりよく容易に製造可能な有機EL装置とすることができる。
本発明の有機EL装置では、前記発光部が、前記電極の周縁部に設けられた隔壁部材に囲まれる領域内に形成されていることが好ましい。すなわち、前記発光部が液相法を用いて形成されてなるものであることが好ましい。液相法を用いて機能層を形成する場合、液体材料が配置される被成膜面の表面状態の制御が形成しようとする機能層の膜厚や形状に大きく影響する。このような場合に本発明に係る構成を採用すれば、第1の機能層の表面状態を前記フッ化物層によって正確に制御でき、第2の機能層の形状や膜厚を良好に均一化できるので、特に有効である。
本発明の有機EL装置の製造方法は、基体上に第1の電極を形成する工程と、前記第1の電極の上方に第1の機能層を形成する工程と、前記第1の機能層が形成された基体の表面にフッ素系ガスを用いたプラズマ処理を施す工程と、前記第1の機能層上に第2の機能層を形成する工程と、前記第2の機能層の上方に第2の電極を形成する工程とを有することを特徴とする。。
この製造方法によれば、前記第2の機能層を形成するに先立って、前記第1の機能層の表面をプラズマ処理するので、前記第1の機能層の表面に、第1の機能層の構成材料のフッ化物を主体とするフッ化物層を形成することができる。これにより、第2の機能層が形成される第1の機能層の表面の状態を前記フッ化物層によって均一化することができ、第2の機能層を形成した際に膜厚や形状にばらつきが生じるのを効果的に防止することができる。したがって本製造方法によれば、膜厚や形状が均一な機能層を有する発光部を形成でき、もって発光ムラや輝度ばらつきのない、良好な発光特性を具備した有機EL装置を製造することができる。
本発明の有機EL装置の製造方法では、前記第1の機能層として正孔注入層を形成し、前記第2の機能層として発光層を形成することが好ましい。この製造方法によれば、発光部の主要部を成す発光層の膜厚や形状を特に良好なものとすることができるので、良好な発光特性を具備した有機EL装置を得ることができる。
本発明の有機EL装置の製造方法では、前記第1の機能層及び/又は第2の機能層を、液滴吐出法を用いて形成することもできる。液滴吐出法を用いて前記機能層を形成するならば、フォトリソグラフィ技術を用いることなく前記機能層をパターン形成することができ、低コストに有機EL装置を製造できる。本製造方法は、前記第1、第2の機能層を高分子材料により形成する場合に、特に有効である。
本発明の有機EL装置の製造方法では、前記第1の電極の上方に前記第1の機能層を形成するに先立って、前記第1の電極を取り囲む隔壁部材を前記基体上に形成することもできる。この製造方法によれば、液滴吐出法により前記基体上に配置される液体材料を前記隔壁部材によって前記第1の電極上に良好に保持でき、より均一な膜厚、形状を備えた機能層を形成することができる。
本発明の有機EL装置の製造方法では、前記第1の機能層を形成するに先立って、前記隔壁部材が設けられた基体の表面にフッ素系ガスを用いたプラズマ処理を施す工程を含むことが好ましい。この製造方法によれば、前記第1の機能層を形成するための液体材料を前記隔壁部材の内側に良好に閉じ込め、正確な膜厚及び形状を具備した第1の機能層を得られる。そして、前記第2の機能層については、上記第1の機能層上に形成されるフッ化物層の作用によりその形状と膜厚とを良好に制御できるので、本製造方法によれば、第1の機能層と第2の機能層のいずれについても良好な形状と膜厚とを得ることができ、発光特性の均一化をさらに向上させることができる。
本発明の有機EL装置の製造方法では、前記フッ素系ガスが、CF,C,Cのいずれかであることが好ましい。
前記フッ素系ガスとして、炭素フッ化物系のガスを用いることで、第1の機能層がプラズマ処理により分解されるのを防止でき、また第1の機能層の表面に不要な副生成物が生じるのを防止できる。したがって、第1の機能層上に形成される第2の機能層の特性を損なうことなくその膜厚や形状の均一化を達成でき、高画質の有機EL装置を得ることができる。
本発明の有機EL装置の製造方法では、前記フッ素系ガスが、SFであってもよい。
本発明の電子機器は、先に記載の本発明の有機EL装置を備えたことを特徴とする。この構成によれば、ムラの無い均一な発光表示が可能な表示部を具備した電子機器を提供することができる。
(有機EL装置)
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は本実施形態の有機EL装置の回路構成図、図2は、同有機EL装置に備えられた各画素71の平面構造を示す図であって反射電極や発光部を取り除いた状態を示す図である。また図3は、図2のA−A線に沿う断面構成を示す図である。本実施形態の有機EL装置は、例えば電子機器等の表示手段として好適に用いることができるものである。
図1に示すように、有機EL装置70は、透明の基板上に、複数の走査線(配線、電力導通部)131と、これら走査線131に対して交差する方向に延びる複数の信号線(配線、電力導通部)132と、これら信号線132に並列に延びる複数の共通給電線(配線、電力導通部)133とがそれぞれ配線されたもので、走査線131及び信号線132の各交点毎に、画素(画素領域)71が設けられて構成されたものである。
信号線132に対しては、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン、及びアナログスイッチ等を備えるデータ側駆動回路72が設けられている。一方、走査線131に対しては、シフトレジスタ及びレベルシフタ等を備える走査側駆動回路73が設けられている。また、画素領域71の各々には、走査線131を介して走査信号(電力)がゲート電極に供給されるスイッチング用TFT(薄膜トランジスタ)142と、このスイッチング用TFT142を介して信号線132から供給される画像信号を保持する保持容量capと、保持容量capによって保持された画像信号がゲート電極に供給される駆動用TFT143と、この駆動用TFT143を介して共通給電線133に電気的に接続したときに共通給電線133から駆動電流が流れ込む画素電極141と、この画素電極141と共通電極154との間に挟み込まれる発光部140と、が設けられている。そして、前記画素電極141と共通電極154と、発光部140とによって構成される素子が有機EL素子である。
このような構成のもとに、走査線131が駆動されてスイッチング用TFT142がオンとなると、そのときの信号線132の電位(電力)が保持容量capに保持され、該保持容量capの状態に応じて、駆動用TFT143のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用TFT143のチャネルを介して共通給電線133から画素電極141に電流(電力)が流れ、さらに発光部140を通じて共通電極154に電流が流れることにより、発光部140は、これを流れる電流量に応じて発光する。
次に、図2に示す画素71の平面構造をみると、画素71は、平面視略矩形状の画素電極141の四辺が、信号線132、共通給電線133、走査線131及び図示しない他の画素電極用の走査線によって囲まれた配置となっている。また図3に示す画素71の断面構造をみると、基板(基体)P上に、駆動用TFT143が設けられており、駆動用TFT143を覆って形成された複数の絶縁膜を介した基板P上に、有機EL素子200が形成されている。有機EL素子200は、基板P上に立設されたバンク(隔壁部材)150に囲まれる領域内に設けられており、画素電極141と、共通電極154との間に、発光部140を挟持した構成を備えている。
駆動用TFT143は、半導体層210に形成されたソース領域143a、ドレイン領域143b、及びチャネル領域143cと、半導体層表面に形成されたゲート絶縁膜220を介してチャネル領域143cに対向するゲート電極143Aとを主体として構成されている。半導体層210及びゲート絶縁膜220を覆う第1層間絶縁膜230が形成されており、この第1層間絶縁膜230を貫通して半導体層210に達するコンタクトホール232,234内に、それぞれドレイン電極236、ソース電極238が埋設され、各々の電極はドレイン領域143b、ソース領域143aに導電接続されている。第1層間絶縁膜230の上層には、第2層間絶縁膜240が形成されており、この第2層間絶縁膜240に貫設されたコンタクトホールに画素電極141の一部が埋設されている。そして画素電極141とドレイン電極236とが導電接続されることで、駆動用TFT143と画素電極141(有機EL素子200)とが電気的に接続されている。そして、この画素電極141の周縁部に一部乗り上げるようにして無機絶縁材料からなる無機バンク149が形成され、この無機バンク149上に、有機材料からなるバンク150が形成されている。
有機EL素子200を構成する発光部140は、正孔注入層(第1の機能層)140Aと、発光層(第2の機能層)140Bとを積層した構成の有機機能層であり、前記正孔注入層140Aには、発光層140Bとの界面部に、フッ化物層155が形成されている。
正孔注入層140Aは、発光層140Bへの電荷輸送性を高め、発光効率を高めることを目的として設けられる層であり、その形成材料としては、例えばポリチオフェン誘導体、ポリピロール誘導体等、またはそれらのドーピング体等が用いられる。具体的には、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)の分散液等が用いられる。この分散液に用いる溶媒には、例えばイソプロピルアルコール(IPA)、n−ブチルアルコール、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)及びその誘導体、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のグリコール類等の極性溶媒を挙げることができる。
有機EL素子200の主要部を成す発光層140Bの形成材料としては、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の発光材料を用いることができる。発光層140Bの形成に際しては、上記に挙げた形成材料を溶媒に溶解して調製した液体材料を、正孔注入層140A上に配し、溶媒を蒸発させて機能層を得る方法が適用される。前記溶媒としては、シクロへキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等の非極性溶媒を例示できる。
発光層140Bの形成材料の具体例としては、(ポリ)フルオレン誘導体(PF)、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)等を好適なものとして挙げることができる。
また、これらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素等の高分子系材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子材料をドープして用いることもできる。
尚、上述した高分子材料に代えて、従来公知の低分子材料を用いることもできる。また、必要に応じて発光層140B上に、フッ化リチウムとカルシウムの積層膜等の電子注入層を設けてもよい。
正孔注入層140Aと発光層140Bとの間に設けられたフッ化物層155は、正孔注入層140Aの表面を改質する機能を奏するものである。本実施形態の場合、フッ化物層155を設けたことで正孔注入層140Aの表面状態を改質し、これによって、発光層140Bを形成するための液体材料の被覆性を改善し、均一な膜厚及び膜質を有する発光層を得ている。以下にフッ化物層155の構成及び作用について説明する。
フッ化物層155は、本実施形態で採用する第1の態様では、正孔注入層140Aの表面をプラズマ処理等によって部分的にフッ化処理することで形成した層であり、正孔注入層140Aの構成物質のフッ化物のほか、正孔注入層140A内に拡散された炭素フッ化物等によって構成されるフッ素含有層である。
例えばPEDOT/PSSの分散液を用いて画素電極141上に正孔注入層140Aを形成した場合、この正孔注入層140Aの表面は何らの処理も成されていない状態であるため、後段の工程で発光層140Bを液相法により形成するときに、正孔注入層140A上で発光層140Bを形成するための液体材料が濡れ広がったり、偏在したりする。特に、フォトリソグラフィ技術を用いて形成されるバンク150に比して、液滴吐出ヘッドによる液滴の着弾精度は低いため、バンク150の内壁面に正孔注入層140Aの一部が不均一に残ってしまう場合がある。このようにバンク150の内壁面に正孔注入層140Aの一部が残留すると、その部分はバンク150の内壁面とは異なる表面状態となる。そうすると、発光層140Bを形成するための液体材料をバンク150内に配した際に前記残留部分に液体材料が付着し、その結果、発光層140Bの形状が不均一になって、発光むらや輝度ばらつきの原因となる。
これに対して、本発明の如くフッ化物層155を正孔注入層140Aの表面に設けるならば、正孔注入層140Aの親液性の表面に弱い撥液性を均一に付与することができる。そして、このように正孔注入層140Aの表面状態が均一化されていれば、発光層140Bの液体材料を配した際に、当該液体材料が過度に濡れ広がったり、正孔注入層140A上で偏在するのを防止できる。
また、液滴の着弾精度に起因してバンク150の内壁に正孔注入層140Aの一部が残ってしまっている場合にも、前記フッ化物層155の形成によってこのバンク150内壁に付着している残渣を撥液化することができ、発光層140Bを形成するための液体材料がバンク150内で偏在するのを防止できる。
このように本実施形態の有機EL装置は、フッ化物層155を設けたことで発光層140Bの膜厚、膜質の均一性を向上させ、画素間の輝度ばらつきや、画素内での発光むらを防止でき、粒状感のない高画質の表示を得られるものとなっている。
また正孔注入層140A上にフッ化物層155を形成することは、有機EL素子200の長寿命化にも有効である。正孔注入層140AがPEDOT/PSSの分散液を用いて形成されたものである場合、PEDOT内に、PSSからの可逆反応で生じる硫酸イオンが存在しており、有機EL素子200を点灯させると、前記硫酸イオンが発光層140Bとの界面で発光層140Bの成分を酸化させる可能性がある。これに対して、正孔注入層140A上にフッ化物層155が形成されていると、このフッ化物層155の表面が負に分極し、PEDOT内の硫酸イオンが発光層140B側へ移動するのを阻害するので、硫酸イオンが発光層140B内に拡散して発光特性を劣化させるのを防止することができ、長寿命の有機EL素子200を得ることができる。
フッ化物層155の層厚は、10nm以下であることが好ましく、3nm以上10nm以下の範囲であることがより好ましい。ここでフッ化物層155の層厚は、本明細書では、発光部140の層厚方向においてフッ素濃度が1×1015/cm以上である範囲に相当する長さとして定義される。このような膜厚方向のフッ素濃度は例えばSIMS(二次イオン質量分析法)を用いて測定されるものである。フッ化物層155の層厚が10nmを超える厚さであると、正孔注入層140Aから発光層140Bへの電荷輸送性が低下し、発光特性が劣化するおそれがあり好ましくない。例えばフッ化物層155をプラズマ処理によって形成する第1の態様においては、正孔注入層140Aの一部がフッ化され、また炭素フッ化物が層内に導入されるため、正孔注入層140Aの分子構造が変化して電荷輸送性が損なわれることになる。一方、フッ化物層155の層厚が過度に薄い場合には、有機EL素子200の製造時における発光層140Bの形状を均一化する効果が十分なものとならず、また正孔注入層140Aから発光層140Bへの硫酸イオンの拡散を防止する効果も十分に得られなくなる。
基板Pとしては、いわゆるトップエミッション型の有機EL装置の場合、有機EL素子200が配設された側から光を取り出す構成であるので、ガラス等の透明基板のほか、不透明基板も用いることができる。不透明基板としては、例えばアルミナ等のセラミックス、ステンレススチール等の金属シートに表面酸化等の絶縁処理を施したもの、また熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂、さらにはそのフィルム(プラスチックフィルム)等が挙げられる。
画素電極141は、トップエミッション型の場合には、金属材料等の適宜な導電材料によって形成でき、例えばCr膜、Au膜、Ti/ITOの積層膜等を好適に用いることができる。一方、ボトムエミッション型の場合には、ITO膜等の透明導電膜により形成される。
共通電極154は、発光層140Bとバンク150の上面、さらにはバンク150の側面部を形成する壁面を覆った状態で基板P上に形成される。この共通電極154を形成するための材料としては、トップエミッション型の場合、透明導電材料が用いられる。透明導電材料としてはITOが好適であるが、他の透光性導電材料であっても構わない。また、透明導電膜からなる共通電極154と発光層140Bとの間に、バソクプロイン(BCP)とCsの共蒸着膜等からなる電子注入層を設けてもよい。
一方、ボトムエミッション型の場合には、共通電極154としてAl等の反射性を有する金属膜が用いられ、共通電極154と発光層140Bとの間に、Ca,Ba等からなる電子注入層を設けてもよい。
共通電極154の上層側には、保護層を形成してもよい。係る保護層を設けることで、製造プロセス時に共通電極154が腐食されるのを防止する効果が得られ、無機化合物、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン窒酸化物等のシリコン化合物により形成できる。共通電極154を無機化合物からなる保護層で覆うことにより、無機酸化物からなる共通電極154への酸素等の侵入を良好に防止することができる。なお、保護層は、基板Pの外周部の絶縁層上まで、10nmから300nm程度の厚みに形成される。
尚、本実施の形態では、正孔注入層140Aと発光層140Bとの間にフッ化物層155を設けた構成としたが、このフッ化物層155の形成位置は、これに限定されず、発光部140の層構成に応じて適宜変更することができる。例えば、正孔注入層140Aと発光層140Bの間に、正孔輸送層が設けられている場合には、正孔注入層140Aと正孔輸送層との界面、及び/又は正孔輸送層と発光層140Bとの界面にフッ化物層を設けることができる。また、フッ化物層155は有機EL素子200につき1層のみである必要はなく、発光部140を構成する各層間であれば、任意の位置に複数のフッ化物層155を設けることができる。
(有機EL装置の製造方法)
<第1の実施形態>
次に、本発明に係る有機EL装置の製造方法の第1の実施形態を、図4及び図5を参照して説明する。本実施形態では、ボトムエミッション型の有機EL装置を製造する場合について説明する。
まず、図4(a)に示すように、ガラス基板等の基板P上に、駆動用TFT143を形成し、これと電気的に接続された画素電極141を形成した後、画素電極141の周縁部に沿って、無機バンク149及び(有機)バンク150を形成する。本実施形態で製造する有機EL装置はボトムエミッション型であるから、上記画素電極141はITO等の透明導電材料の薄膜により形成する。
そして、必要に応じてバンク150の表面に撥液処理を施しておく。係る撥液処理として、例えばバンクの表面をフッ素系化合物等で表面処理するといった方法を採用できる。フッ素化合物としては、例えばCF、SF、C、C等があり、表面処理としては、例えばプラズマ処理、UV照射処理等が挙げられる。このような撥液処理を基体の一面側全体に施したとしても、ITO膜からなる画素電極141や、酸化シリコン等からなる無機バンク149の表面は、有機材料からなるバンク150の表面よりも撥液化されにくく、バンク150の表面のみが選択的に撥液化され、バンク150に囲まれる領域内に液体材料に対する親和性の異なる複数の領域が形成される。
尚、これら駆動用TFT143や画素電極141、バンク149,150については、公知の製造方法を適用すればよく、本明細書ではその製造工程についての説明は省略している。
次に、図4(b)に示すように、基板Pの上面を上に向けた状態で、先に記載の正孔注入層形成材料を含む液体材料114aを液滴吐出ヘッド20によりバンク150に囲まれた塗布位置に選択的に塗布する。本実施形態では、液滴吐出ヘッド20のみを概略表示しているが、実際の成膜工程では、この液滴吐出ヘッド20を備えた液滴吐出装置により上記液体材料114aの選択配置が行われる。本工程で用いる液滴吐出装置には公知のものを使用することができる。正孔注入層を形成するための液体材料114aは、正孔注入層形成材料及び溶媒を含むものである。液体材料114aには、例えばPEDOT/PSSの分散液を使用する。
上述した正孔注入層形成用材料を含む液体材料114aが液滴吐出ヘッド20より基板P上に吐出配置されると、流動性が高いため水平方向に広がろうとするが、塗布された位置を囲んでバンク(堰:隔壁部材)150が形成されているので、液体材料114aはバンク150を越えてその外側に広がらないようになっている。
続いて、図4(c)に示すように加熱あるいは光照射により液体材料114aの溶媒を蒸発させて画素電極141上に固形の正孔注入層140Aを形成する。あるいは大気圧より低い圧力環境下(真空環境下)に配置することで溶媒を除去するようにしてもよい。溶媒除去後には、大気環境下又は窒素ガス雰囲気下において所定温度及び時間(一例として200℃、10分)焼成してもよい。
続いて、図4(c)に示すように、バンク150が形成された基板Pの表面に、フッ素化合物を処理ガスとするプラズマ処理を施し、バンク150及び正孔注入層140Aの表面に対して再度の撥液処理を実施する。プラズマ処理により、図5(a)に示すように、正孔注入層140Aの表面部分にフッ化物層155が形成される。具体的には、処理ガスとしてCF、C、C、SF等を用いた大気圧プラズマ処理、減圧プラズマ処理によって、プラズマ(表面処理手段)115からフッ素ラジカルやフッ素イオンを基板Pの表面に照射することで、正孔注入層140Aを一部フッ素化してフッ化物層155を形成する。
プラズマ115の生成に用いる処理ガスとしては、フッ素のラジカル/イオンを生成可能であること、基板P上の有機物(バンク150、正孔注入層140A)を分解しないこと(分子構造中に酸素を含まないこと)、及び正孔注入層140A上にフッ素化合物の被膜を形成しないこと(分子構造中に不飽和結合/環構造を含まないこと)、の3条件を満たす物質であり、かつ水素を含まない物質であることが好ましい。このような観点から、上記に挙げたCF、C、C、SFを処理ガスとして選択することが好ましい。ただし、上記例示は他の種類の処理ガスの使用を妨げるものではない。
また、図4(c)に示す正孔注入層形成後のプラズマ処理は、先に記載したバンク150の撥液処理より弱い(フッ素化の程度が低くなる)条件で行われる。基板Pを搬送しながらプラズマに接触させる方式の大気圧プラズマ処理装置を用いる場合を例示すると、バンク150の撥液処理のためのプラズマ処理が、例えばRFパワー:300W、基板搬送速度:数mm/秒〜10mm/秒の条件で行われるのに対し、上記正孔注入層形成後のプラズマ処理では、RFパワー:300W、基板搬送速度:20mm/秒の条件で行われる。
なお、SFは硫黄(S)を含んでいるため、プラズマ115で生じた副生成物が正孔注入層140A上に堆積し、かかる副生成物が発光層140Bに拡散すると、有機EL素子の発光特性に悪影響を与える可能性があるが、発光層140Bの材質やプラズマ処理の条件によっては十分使用が可能である。
上記フッ化物層155を形成することで、正孔注入層140Aの表面を均一な特性(撥液性)に改質することができ、また正孔注入層140Aを形成するための液体材料114aとの接触した後のバンク150の表面を再度撥液化して均一な撥液性を付与することができる。これにより、正孔注入層140A及びバンク150の表面状態を適切に制御でき、後段の工程で正孔注入層140A上(フッ化物層155上)に配置される液体材料の挙動を正確に制御できるようになる。
また、上記正孔注入層の形成工程において、液滴吐出ヘッド20から吐出された液滴が目標位置からずれて着弾すると、液体材料114aの乾燥後に正孔注入層形成材料がバンク150の内壁面にわずかに残る場合がある。このような正孔注入層形成材料の残渣が生じると、バンク150上に表面状態の異なる部位が形成されるので、後段の工程でバンク150内に配される液体材料が偏在する原因となる。そこで本実施形態のように、基板P表面にプラズマ処理を施すことで、前記バンク上の正孔注入層形成材料の残渣をフッ素化すると、この残渣は正孔注入層140Aに比してわずかな量であるため良好に撥液化される。その結果、バンク150の内壁面を均一な撥液状態とすることができ、発光層を形成するための液体材料のバンク150内での偏在を効果的に防止することができる。
本実施形態の製造方法によれば、プラズマ処理の時間やパワーの調整によって正孔注入層140Aをフッ素化する深さや導入されるフッ素の濃度を容易に調整できるため、5nm〜10nm程度の極めて薄い層厚のフッ化物層155を形成するのに好適である。また本実施形態の製造方法によれば、被処理物である基板P上にバンク150等に起因する凹凸形状がある場合であっても、正孔注入層140Aに対して均一な層厚のフッ化物層155を形成することが可能であるという利点がある。
上記フッ化物層155を形成したならば、図5(b)に示すように、発光層形成材料を含む液体材料114bを液滴吐出ヘッド20から吐出して、発光層形成材料と溶媒とを含む液体材料114bをバンク150内のフッ化物層155上に塗布する。本実施形態の場合、この液体材料114bの溶媒には、シクロへキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等の非極性溶媒を用いるのがよい。
このように液体材料114bを塗布すると、先に記載のように、正孔注入層140A上にはフッ化物層155が形成されているので、液体材料114bは正孔注入層140Aの形状によらずバンク150に囲まれる領域内に良好に濡れ広がり、均一に充たされる。
尚、複数色の有機EL素子が基板上に配列されたカラー表示が可能な有機EL装置を製造する場合、液体材料114bの吐出による発光層の形成は、赤色の発色光を発光する発光層形成材料を含む液体材料、緑色の発色光を発光する発光層形成材料を含む液体材料、青色の発色光を発光する発光層形成材料を含む液体材料を、それぞれ対応するバンク150内部(画素71)に吐出し塗布することによって行う。なお、各色に対応する画素71は、これらが規則的な配置となるように予め決められている。
このようにして各色の発光層形成用材料を含む液体材料114bを吐出し塗布したならば、液体材料114b中の溶媒を蒸発させる。この工程により、図5(c)に示すように正孔注入層140A上に固形の発光層140Bが形成される。上記フッ化物層155の作用により液体材料114bは均一に塗布されているので、得られる発光層140Bもその膜厚及び平面形状が均一なものとなる。
これにより正孔注入層140Aと発光層140Bとからなる発光部140が得られる。ここで、発光層形成用材料を含む液体材料114b中の溶媒の蒸発については、必要に応じて加熱あるいは減圧等の処理を行うが、発光層形成用材料は通常乾燥性が良好で速乾性であることから、特にこのような処理を行うことなく、したがって各色の発光層形成用材料を順次吐出塗布することにより、その塗布順に各色の発光層140Bを形成することができる。
その後、図5(c)に示すように、透明基板Pの表面全体に、あるいはストライプ状に、Al膜やAg膜、Ag/Mg積層膜等の光反射性を有する金属膜により共通電極154を形成する。なお、共通電極154を形成する前に、Ca,Ba等の電子注入層を形成してもよく、さらに発光層との間にLiFからなる層を設けてもよい。
こうして、有機EL素子200を製造することができる。尚、本実施形態において有機EL素子200は画素電極141と正孔注入層140Aと発光層140Bと共通電極154とを含むものである。
その後、基板Pの有機EL素子200側に、内側に乾燥剤を配置した封止基板を接着剤等を用いて接合し、有機EL素子200を密閉封止すれば、本実施形態に係るボトムエミッション型の有機EL装置が得られる。
このように本実施形態の製造方法によれば、発光層140Bの形成に先立って、正孔注入層140A上にフッ化物層155を形成することとしたので、発光層140Bを形成する際の正孔注入層140A及びバンク150の表面状態を適切に制御することができ、正孔注入層140Aに形状ばらつきが生じていたとしても、バンク150内に発光層140Bを形成するための液体材料114bを均一に濡れ広がらせることができる。これにより、有機EL素子200の主要部たる発光層140Bを正確な膜厚と平面形状とをもって形成することができる。したがって本製造方法により得られる有機EL装置は、画素内での発光ムラが少なく、また画素間の輝度ばらつきも少ない、高画質の発光表示が可能な有機EL装置となる。
本実施形態の有機EL装置の製造方法において、正孔注入層140Aや発光層140Bといった有機EL素子の構成要素となる薄膜は液滴吐出装置IJにより製造されるので、正孔注入層140Aや発光層140Bの形成用材料となる液体材料のロスは少なく、正孔注入層140Aや発光層140Bは比較的安価にしかも安定して形成される。
<第2の実施形態>
本発明に係る有機EL装置の製造方法は、上述したトップエミッション型の有機EL装置の製造にも好適に用いることができる。以下、かかる製造方法につき第2の実施形態として説明する。
トップエミッション型の有機EL装置では、発光層からの光を基板と反対側に出力するので、上記第1実施形態の製造方法における所定の工程で、画素電極141及び共通電極154につき異なる材料を用いた成膜工程が行われる。
具体的には、図4(a)に示した画素電極141をCr膜やAu膜、Ti/ITOの積層膜等により形成し、図5(c)に示した共通電極154をITO膜等の透明導電膜により形成する。共通電極154と発光層140Bとの間には、バソクプロインとCsの共蒸着膜からなる電子注入層を形成することが好ましい。
また、有機EL素子200を形成した後、有機EL素子200を封止する部材の形成に際して、有機EL素子200上に、SiO、SiON等の無機薄膜、あるいはこれらの無機薄膜とアクリルやポリイミド等の有機薄膜との交互積層膜からなる保護層を形成する工程が行われ、また必要に応じて透明な保護基板を配設する。以上の工程を先の第1実施形態の製造方法に適用することで、トップエミッション型の有機EL装置を製造することができる。
(電子機器)
図6は、本発明に係る電子機器の一例を示す斜視構成図である。
図6に示す映像モニタ1200は、先の実施形態の有機EL装置を備えた表示部1201と、筐体1202と、スピーカ1203等を備えて構成されている。この映像モニタ1200では、先の実施形態の有機EL装置による高画質で、均一な明るさの表示が可能である。
上記実施の形態の有機EL装置は、上記映像モニタに限らず、携帯電話、電子ブック、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等々の画像表示手段として好適に用いることができ、いずれの電子機器においても、高画質表示が可能である。
図1は、実施形態に係る有機EL装置の回路構成図。 図2は、同、1画素を示す平面構成図。 図3は、図2のA−A線に沿う断面構成図。 図4は、実施形態に係る製造工程を示す断面工程図。 図5は、実施形態に係る製造工程を示す断面工程図。 図6は、電子機器の一例を示す斜視構成図。
符号の説明
20 液滴吐出ヘッド、70 有機EL装置、114a,114b,115 液体材料、140 発光部、140A 正孔注入層(第1の機能層)、140B 発光層(第2の機能層)、141 画素電極、143 駆動用TFT、150 バンク(隔壁部材)、155 フッ化物層、154 共通電極、200 有機EL素子、230,240 層間絶縁膜、P 基板(基体)

Claims (14)

  1. 一対の電極と、
    前記一対の電極に挟持され、積層された第1の機能層と第2の機能層を有する発光部と、
    前記第1の機能層と第2の機能層との境界部に設けられたフッ化物層と
    を有することを特徴とする有機EL装置。
  2. 前記フッ化物層の層厚が、10nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置。
  3. 前記フッ化物層の層厚が、3nm以上10nm以下であることを特徴とする請求項2に記載の有機EL装置。
  4. 前記第1の機能層が正孔注入層であり、前記第2の機能層が発光層であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の有機EL装置。
  5. 前記フッ化物層が、前記正孔注入層を構成する材料のフッ化物からなることを特徴とする請求項4に記載の有機EL装置。
  6. 前記発光部が、前記電極の周縁部に設けられた隔壁部材に囲まれる領域内に形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の有機EL装置。
  7. 基体上に第1の電極を形成する工程と、
    前記第1の電極の上方に第1の機能層を形成する工程と、
    前記第1の機能層が形成された基体の表面にフッ素系ガスを用いたプラズマ処理を施す工程と、
    前記第1の機能層上に第2の機能層を形成する工程と、
    前記第2の機能層の上方に第2の電極を形成する工程と
    を有することを特徴とする有機EL装置の製造方法。
  8. 前記第1の機能層として正孔注入層を形成し、前記第2の機能層として発光層を形成することを特徴とする請求項7に記載の有機EL装置の製造方法。
  9. 前記第1の機能層及び/又は第2の機能層を、液滴吐出法を用いて形成することを特徴とする請求項7又は8に記載の有機EL装置の製造方法。
  10. 前記第1の電極の上方に前記第1の機能層を形成するに先立って、
    前記第1の電極を取り囲む隔壁部材を前記基体上に形成することを特徴とする請求項9に記載の有機EL装置の製造方法。
  11. 前記第1の機能層を形成するに先立って、前記隔壁部材が設けられた基体の表面にフッ素系ガスを用いたプラズマ処理を施す工程を含むことを特徴とする請求項10に記載の有機EL装置の製造方法。
  12. 前記フッ素系ガスが、CF,C,Cのいずれかであることを特徴とする請求項7から11のいずれか1項に記載の有機EL装置の製造方法。
  13. 前記フッ素系ガスが、SFであることを特徴とする請求項7から11のいずれか1項に記載の有機EL装置の製造方法。
  14. 請求項1から6のいずれか1項に記載の有機EL装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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