JP2003272840A - 電気光学装置の製造方法及び電気光学装置の製造装置、電気光学装置、並びに電子機器 - Google Patents

電気光学装置の製造方法及び電気光学装置の製造装置、電気光学装置、並びに電子機器

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JP2003272840A
JP2003272840A JP2002070954A JP2002070954A JP2003272840A JP 2003272840 A JP2003272840 A JP 2003272840A JP 2002070954 A JP2002070954 A JP 2002070954A JP 2002070954 A JP2002070954 A JP 2002070954A JP 2003272840 A JP2003272840 A JP 2003272840A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バンクによって区画された領域内に平坦な膜
を容易かつ安定的に形成することができる電気光学装置
の製造方法及びその装置を提供する。 【解決手段】 バンク10によって区画された領域に液
体材料を配置して膜12を形成する工程の前に、液体材
料に対する動的接触角θを指標として、バンク10の表
面を撥液性に加工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気光学装置の製
造方法及び電気光学装置の製造装置、電気光学装置、並
びに電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】有機エレクトロルミネッセンス(以後、
ELと称する)素子を発光素子として備える電気光学装
置(有機EL表示装置)は、高輝度で自発光であるこ
と、直流低電圧駆動が可能であること、応答が高速であ
ること、固体有機膜による発光であること等から表示性
能に優れており、また、表示装置の薄型化、軽量化、低
消費電力化、大型化が可能であるため、次世代の表示装
置として期待されている。
【0003】図19は、有機EL表示装置の要部の代表
的な構成を示す断面模式図である。有機EL表示装置
は、基板900上に、回路素子部901、画素電極(陽
極)902、発光層を含む有機機能層903、対向電極
(陰極)904、及び封止部905等が順次積層された
構造からなる。このうち画素電極902、機能層90
3、及び対向電極904等により、発光素子(有機EL
素子)が構成される。
【0004】この表示装置においては、回路素子部90
1の駆動制御により、画素電極902及び対向電極90
4に挟まれた機能層903が発光し、その光が回路素子
部901及び基板900を通過して射出されるととも
に、機能層903から基板900の反対側に発した光が
対向電極904により反射されて回路素子部901及び
基板900を通過して射出される。
【0005】有機EL素子の形成材料を基板上に配置す
る技術としては、蒸着により成膜する方法、各種コーテ
ィング法により塗布する方法などが知られている。ま
た、粘度の低い液体材料を基板上に配置する際には、隣
接する複数の領域の材料同士が混じらぬように、その領
域を区画する仕切り部材としてのバンク(図19に示す
符号910)を設ける場合が多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、バンクによ
って区画された領域に液体材料を配置する場合、液体材
料がバンクの表面(壁面)の影響を受け、形成される層
(あるいは膜)の平坦性が損なわれやすい。有機EL素
子を構成する層の平坦性が低下すると、発光ムラとなっ
て有機EL表示装置の性能低下を招きやすい。
【0007】本発明は、上述する事情に鑑みてなされた
ものであり、バンクによって区画された領域内に平坦な
膜を容易かつ安定的に形成することができる電気光学装
置の製造方法及び電気光学装置の製造装置を提供するこ
とを目的とする。また、本発明は、性能が向上した電気
光学装置を提供することを目的とする。また、本発明
は、表示手段の性能が向上した電子機器を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の電気光学装置の
製造方法は、バンクによって区画された領域に液体材料
を配置して膜を形成する工程を有する電気光学装置の製
造方法において、前記液体材料の配置の前に、前記液体
材料に対する動的接触角を指標として、前記バンクの表
面を撥液性に加工する撥液化工程を有することを特徴と
する。上記の電気光学装置の製造方法によれば、バンク
の表面を撥液性に加工する際に、動的接触角を指標とし
て用いることにより、撥液化の処理条件の管理が容易と
なる。そのため、膜の平坦化に対する撥液化の処理条件
の最適化が確実に行われる。なお、ここでいう撥液性と
は、バンクによって区画された領域に配置される液体材
料に対して非親和性をしめす特性である。
【0009】具体的には、前記撥液化工程では、例え
ば、プラズマ処理によって前記バンクの表面を撥液性に
加工するとともに、前記動的接触角を指標として、プラ
ズマ処理の処理時間を管理するとよい。プラズマ処理の
処理時間を変化させることによって、バンク表面の撥液
性を制御することが可能である。また、プラズマ処理
は、原料の選択等によって、処理対象の表面に様々な特
性を与えることができるとともに、その制御を行いやす
い。
【0010】上記電気光学装置の製造方法において、前
記撥液化工程では、前記動的接触角が29°〜45°の
範囲内になるように、処理条件を管理するのが好まし
い。動的接触角が29°未満だと、撥液性が不十分とな
り、バンク近傍の膜厚が厚くなるので好ましくなく、動
的接触角が45°を超えると、撥液性が高くなりすぎ
て、バンク近傍の膜厚が薄くなるので好ましくない。
【0011】また、上記電気光学装置の製造方法におい
て、前記撥液化工程の前に、前記バンクの表面を親液性
に加工する親液化工程を有してもよい。撥液化の前にバ
ンクの表面を親液性に加工することにより、撥液化を促
進させることが可能となる。なお、ここでいう撥液性と
は、バンクによって区画された領域に配置される液体材
料に対して非親和性をしめす特性である。
【0012】本発明の電気光学装置の製造装置は、バン
クによって区画された領域に液体材料を配置して膜を形
成する膜形成装置を備える電気光学装置の製造装置にお
いて、前記バンクの表面を撥液性に加工する撥液化装置
と、該撥液化装置によって撥液性に加工された物体の前
記液体材料に対する動的接触角を測定する測定装置とを
備えることを特徴とする。上記電気光学装置の製造装置
によれば、上記構成により、液体材料に対する動的接触
角を指標として、バンクの表面を撥液性に加工すること
ができる。この場合、前記測定装置の測定結果に基づい
て、前記撥液化装置の処理条件が管理されることによ
り、撥液化の処理条件の最適化が確実に行われ、バンク
の間に形成される膜が安定的に平坦化される。
【0013】また、上記電気光学装置の製造装置におい
て、前記バンクの表面を撥液性に加工する前に、前記バ
ンクの表面を親液性に加工する親液化装置を備えてもよ
い。撥液化工程の前に、バンクの表面を親液性に加工す
ることにより、撥液化を促進させることが可能となる。
【0014】本発明の電気光学装置は、上記電気光学装
置の製造装置を用いて製造されたことを特徴とする。上
記電気光学装置によれば、上述した製造装置を用いて電
気光学装置が製造されることから、バンクの間に形成さ
れる膜が安定的に平坦化されるので、その性能の向上が
図られる。
【0015】本発明の電子機器は、上述した電気光学装
置を表示手段として備えることを特徴とする。上記電子
機器によれば、表示手段の性能の向上を図ることができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。図1は、本発明の電気光学装置としての有機EL
装置の製造方法を概念的に示す図である。本発明の有機
EL装置の製造方法は、バンク10によって区画された
領域に液体材料を配置し、その液体材料を乾燥させて膜
12を形成する工程(図1(b))と、その液体材料の
配置の前に、バンク10の表面を撥液性に加工する工程
(図1(a))とを有する。
【0017】バンク10は、基体上に設けられており、
例えば、樹脂等の有機物あるいは無機物からなる。ま
た、液体材料としては、有機EL装置に用いられる機能
層(発光層や正孔輸送層を含む)の形成材料など、水系
及び有機系のいずれも適用される。
【0018】バンク10による窪みの内部に、液体材料
によって膜(あるいは層)を形成する場合、液体材料が
バンク10の表面(壁面)の影響を受け、膜の平坦性が
損なわれやすい。本発明者らは、この一般的な事実と、
バンク10の間に膜を形成する場合、特に、バンク10
の壁面の特性に応じて膜の平坦性が大きく変化するとい
う事実に着目し、鋭意検討の結果、バンク10間に形成
される膜の平坦性は、液体材料に対するバンク10壁面
の動的接触角θに関係することを解明し、この動的接触
角θを指標として用いることにより、本発明を完成し
た。
【0019】すなわち、本発明においては、動的接触角
を指標として用いることにより、撥液化の処理条件の管
理を容易にしている。例えば、使用する液体材料に対し
て、膜の平坦化に最適な動的接触角の目標値を予め求め
ておき、以後、バンクの壁面がその動的接触角になるよ
うに、撥液化の処理条件を管理することで、平坦な膜を
容易かつ確実に得ることができる。つまり、実際に膜を
形成しなくても、バンクの動的接触角を測定すること
で、撥液処理後のバンク壁面の特性が膜の平坦化に適し
ているかどうかの判別が可能となり、撥液化の処理条件
の管理が容易となる。したがって、本発明の製造方法で
は、撥液化の処理条件が確実に最適化され、平坦な膜を
安定的に得ることが可能となる。
【0020】撥液化の方法としては、例えば、プラズマ
処理法(プラズマ重合法)や、共析メッキ法の他に、金
チオールで撥液化する手法、あるいはFAS(フルオロ
アルキルシラン)で撥液処理する手法など、公知の様々
な手法が採用可能である。このうち、プラズマ処理法
は、原料の選択等によって、処理対象の表面に様々な特
性を与えることができるとともに、その制御を行いやす
いという利点を有する。
【0021】上記プラズマ処理法では、例えば、テトラ
フルオロメタン(四フッ化炭素)などのフッ素系の処理
ガスをプラズマ化し、それを対象物体の表面に照射する
(CF4 プラズマ処理)。これにより、対象物体の表面
に、フッ素基が導入されて撥液性が付与される。なお、
処理ガスとしては、テトラフルオロメタン(四フッ化炭
素)に限らず、他のフルオロカーボン系のガスを用いて
もよい。さらに、液体材料に対する撥液性を付与可能な
ものであれば、フッ素系以外の処理ガスを用いてもよ
い。
【0022】また、上記プラズマ重合法によって対象物
体の表面をフッ素化する場合、対象物体の種類によって
は、その表面を予め親液化あるいは活性化することによ
り、上記フッ素化を促進させることが可能である。こう
した前処理は、例えば、上述したプラズマ重合法におい
て、酸素を処理ガスとして用いることにより実施できる
(O2 プラズマ処理)。この場合、対象物体の表面に、
プラズマ状態の酸素を照射することにより、その表面が
親液化あるいは活性化される。
【0023】また、上記プラズマ処理法によって、バン
クに撥液性を付与する場合、プラズマ処理の処理時間を
変化させることにより、液体材料に対するバンク表面の
動的接触角を制御することができる。例えば、プラズマ
状態の処理ガスをバンクの表面に照射する時間を長くす
ると、バンク表面の撥液性が向上し、その動的接触角が
大きくなる。したがって、バンク表面の動的接触角を測
定した結果に基づいて、プラズマ処理の処理時間を管理
することにより、バンク表面の動的接触角を、膜の平坦
化に最適な動的接触角に近づけることができる。
【0024】動的接触角については、その測定法がいく
つか知られているが、測定対象の物体表面に液滴を形成
するとともに、その液滴を変形させ、その変形時の液滴
周辺部の接触角(前進接触角、後退接触角)を求めるも
のが一般的である。この場合、接触角は、例えばCCD
カメラなどの観察手段で観察し、その観察結果を解析す
ることにより求めることができる。
【0025】図2は、動的接触角の測定例を示してお
り、この例では、測定対象の物体15をステージ16上
に載置し、物体15上に液滴を作成し、その液滴にニー
ドル17を接触させる。その後、ニードル17をその場
に固定したままでステージ16を移動させる。このと
き、ステージ16の移動方向における物体15の端部の
接触角が動的接触角θ(この例では後退接触角)とな
る。
【0026】また、動的接触角の測定において、バンク
を直接測定するのではなく、測定対象として、少なくと
も表面部分がバンクと同一材料及び特性を有する物体を
用いて間接的に測定してもよい。例えば、バンクと同一
材料からなる物体の表面を、バンクと同一処理条件で撥
液性に加工し、その処理後の物体表面について、動的接
触角を測定する。これにより、撥液処理後のバンク表面
の動的接触角を間接的に測定することが可能となる。間
接的な測定を用いる場合、有機EL装置の製造過程にお
いて、その製造処理を中断させることなく、バンクの撥
液性についての確認や、処理条件の管理が可能となる。
そのため、平坦な膜がより安定的に得られる。
【0027】図3は、本発明の電気光学装置としての有
機EL装置の製造装置を概念的に示す図である。本発明
の有機EL装置の製造装置20は、バンク10の表面
(壁面)を撥液性に加工する撥液化装置21と、液体材
料に対する動的接触角を測定する測定装置22と、バン
ク10によって区画された領域に液体材料を配置して膜
を形成する膜形成装置23と、これらを統括的に制御す
る制御装置24とを備え、上述した本発明の製造方法に
基づいて、有機EL装置を製造する。つまり、膜形成装
置23による液体材料の配置の前に、その液体材料に対
する動的接触角を指標として、撥液化装置21によって
バンク10の表面を撥液性に加工する。
【0028】上記製造装置20では、例えば、膜の平坦
化に最適な動的接触角の目標値が制御装置24に記憶さ
れている。測定装置22は、バンク表面の動的接触角を
測定し、その測定結果を制御装置24に送る。制御装置
24は、撥液処理後のバンク表面の動的接触角が目標値
に近づくように、処理時間などの撥液化装置21の処理
条件を定める。なお、動的接触角の測定時、バンクを直
接測定するのではなく、バンクと同一材料からなる物体
を代わりに用いて動的接触角を測定してもよい。撥液化
の処理条件が決定すると、その処理条件に基づいて、撥
液化装置21により、バンク表面を撥液性に加工する。
【0029】バンク表面を撥液性に加工した後、膜形成
装置23によって撥液処理後のバンクの内部に液体材料
を配置する。このとき、バンク表面の撥液性が所望の動
的接触角に加工されているので、バンク間に形成される
膜12(あるいは層)は良好に平坦化される。なお、平
坦な膜を安定的に得ることを目的として、撥液処理後の
バンク表面(またはそれに代わる物体表面)の動的接触
角を随時測定し、目標値から離れないように撥液化装置
21の処理条件を管理するのが好ましい。
【0030】このように、本発明の有機EL装置の製造
装置20では、測定装置22によるバンク表面の動的接
触角の測定結果に基づいて、撥液化装置21の処理条件
を管理することにより、膜形成装置23によって得られ
る膜が安定的に平坦化される。なお、撥液化装置21の
前段に、バンク表面を親液性に加工する親液化装置を備
えることで、撥液化の促進を図ることが可能である。
【0031】ここで、上記膜形成装置における液体材料
の配置技術、すなわち、バンクによる窪みの内部に液体
材料を配置する技術としては、液滴吐出法(いわゆるイ
ンクジェット法)、ディスペンスコート法、あるいはス
ピンコート法など、各種コート法の適用が可能である。
上記コート法のうち、液滴吐出法は、材料の使用に無駄
が少なく、しかも所望の位置に所望の量の材料を的確に
配置できるという利点を有する。
【0032】液滴吐出技術(インクジェット法)として
は、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換式、電
気熱変換方式、静電吸引方式などが挙げられる。帯電制
御方式は、材料に帯電電極で電荷を付与し、偏向電極で
材料の飛翔方向を制御してノズルから吐出させるもので
ある。また、加圧振動方式は、材料に超高圧を印加して
ノズル先端側に材料を吐出させるものであり、制御電圧
をかけない場合には材料が直進してノズルから吐出さ
れ、制御電圧をかけると材料間に静電的な反発が起こ
り、材料が飛散してノズルから吐出されない。また、電
気機械変換方式(ピエゾ方式)は、ピエゾ素子(圧電素
子)がパルス的な電気信号を受けて変形する性質を利用
したもので、ピエゾ素子が変形することによって材料を
貯留した空間に可撓物質を介して圧力を与え、この空間
から材料を押し出してノズルから吐出させるものであ
る。また、電気熱変換方式は、材料を貯留した空間内に
設けたヒータにより、材料を急激に気化させてバブル
(泡)を発生させ、バブルの圧力によって空間内の材料
を吐出させるものである。静電吸引方式は、材料を貯留
した空間内に微小圧力を加え、ノズルに材料のメニスカ
スを形成し、この状態で静電引力を加えてから材料を引
き出すものである。また、この他に、電場による流体の
粘性変化を利用する方式や、放電火花で飛ばす方式など
の技術も適用可能である。
【0033】図4は、本発明の電気光学装置をアクティ
ブマトリクス型の表示装置(有機EL表示装置)に適用
した実施の形態例であり、上記本発明の製造装置を用い
て製造される有機EL素子を発光素子として備える。ま
た、この表示装置は、薄膜トランジスタを用いたアクテ
ィブ型の駆動方式を採用している。
【0034】表示装置100は、基板121の上に、回
路素子としての薄膜トランジスタを含む回路素子部14
6、発光層を含む発光部140、陰極154、及び封止
部147等を順次積層した構造からなる。
【0035】基板121としては、本例ではガラス基板
が用いられる。本発明における基板としては、ガラス基
板の他に、シリコン基板、石英基板、セラミックス基
板、金属基板、プラスチック基板、プラスチックフィル
ム基板等、電気光学装置や回路基板に用いられる公知の
様々な基板が適用される。
【0036】基板121上には、発光領域としての複数
の画素領域102がマトリクス状に配列されており、カ
ラー表示を行う場合、例えば、赤(Red)、緑(Gr
een)、青(Blue)の各色に対応する画素領域1
02が所定の配列で並ぶ。各画素領域102には、画素
電極141が配置され、その近傍には信号線132、共
通給電線133、走査線131及び図示しない他の画素
電極用の走査線等が配置されている。画素領域102の
平面形状は、図に示す矩形の他に、円形、長円形など任
意の形状が適用可能である。
【0037】封止部147は、水や酸素の侵入を防いで
陰極154あるいは発光部140の酸化を防止するもの
であり、基板121に塗布される封止樹脂、及び基板1
21に貼り合わされる封止基板(封止缶)148等を含
む。封止樹脂の材料としては、例えば、熱硬化樹脂ある
いは紫外線硬化樹脂等が用いられ、特に、熱硬化樹脂の
1種であるエポキシ樹脂が好ましく用いられる。封止基
板148は、ガラスや金属等からなり、基板121と封
止基板148とはシール剤を介して張り合わされてい
る。基板121の内側には乾燥剤が配置されており、基
板間に形成された空間にはN2ガスを充填したN2ガス充
填層149が形成されている。
【0038】画素領域102には、走査線131を介し
て走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用の
第1の薄膜トランジスタ142と、この薄膜トランジス
タ142を介して信号線132から供給される画像信号
を保持する保持容量145と、保持容量145によって
保持された画像信号がゲート電極に供給される駆動用の
第2の薄膜トランジスタ143と、この薄膜トランジス
タ143を介して共通給電線133に電気的に接続した
ときに共通給電線133から駆動電流が流れ込む画素電
極141(陽極)と、画素電極141と対向電極154
(陰極)との間に挟み込まれる発光部140とが設けら
れている。発光部140は、発光層としての有機EL層
を含む層(機能層)を含み、発光素子である有機EL素
子は、画素電極141、陰極154、及び発光部140
等を含んで構成される。
【0039】画素領域102では、走査線131が駆動
されて第1の薄膜トランジスタ142がオンとなると、
そのときの信号線132の電位が保持容量145に保持
され、この保持容量145の状態に応じて、第2の薄膜
トランジスタ143の導通状態が決まる。また、第2の
薄膜トランジスタ143のチャネルを介して共通給電線
133から画素電極141に電流が流れ、さらに発光部
140を通じて対向電極154に電流が流れる。そし
て、このときの電流量に応じて、発光部140が発光す
る。
【0040】本例の表示装置100においては、発光部
140から基板121側に発した光が、回路素子部14
6及び基板121を透過して基板121の下側(観測者
側)に出射されるとともに、発光部140から基板12
1の反対側に発した光が陰極154により反射されて、
その光が回路素子部146及び基板121を透過して基
板121の下側(観測者側)に出射される(バックエミ
ッション型)。なお、陰極154として、透明な材料を
用いることにより陰極側から発光する光を出射させるこ
ともできる(トップエミッション型)。この場合、陰極
用の透明な材料としては、ITO、Pt、Ir、Ni、
もしくはPdを用いる事ができる。また、陰極の膜厚と
しては75nmほどが好ましく、この膜厚よりも薄くし
た方がより好ましい。
【0041】図5は、上記表示装置100における画素
領域102近傍の断面構造を拡大した図である。この図
5には3つの画素領域102が示されている。回路素子
部146には、基板121上にシリコン酸化膜からなる
下地保護膜201が形成され、この下地保護膜201上
に多結晶シリコンからなる島状の半導体膜204が形成
されている。なお、半導体膜204には、ソース領域2
04a及びドレイン領域204bが高濃度Pイオン打ち
込みにより形成されている。また、Pが導入されなかっ
た部分がチャネル領域204cとなっている。
【0042】さらに、回路素子部146には、下地保護
膜201及び半導体膜204を覆う透明なゲート絶縁膜
220が形成され、ゲート絶縁膜220上にはAl、M
o、Ta、Ti、W等からなるゲート電極229(走査
線)が形成され、ゲート電極229及びゲート絶縁膜2
20上には透明な第1層間絶縁膜250と第2層間絶縁
膜270が形成されている。ゲート電極229は半導体
膜204のチャネル領域204cに対応する位置に設け
られている。また、第1、第2層間絶縁膜250、27
0を貫通して、半導体膜204のソース、ドレイン領域
204a、204bにそれぞれ接続されるコンタクトホ
ール275、276が形成されている。
【0043】第2層間絶縁膜270上には、ITO等か
らなる透明な画素電極141が所定の形状にパターニン
グされて形成され、一方のコンタクトホール275がこ
の画素電極141に接続されている。また、もう一方の
コンタクトホール276が給電線133に接続されてい
る。このように、回路素子部146には、各画素電極1
41に接続された駆動用の薄膜トランジスタ143が形
成されている。なお、回路素子部146には、前述した
保持容量145及びスイッチング用の薄膜トランジスタ
142も形成されているが、図5ではこれらの図示を省
略している。
【0044】発光部140は、複数の画素電極141…
上の各々の上に積層された機能層290と、各画素電極
141及び機能層290の間に備えられて各機能層29
0を区画するバンク281とを主体に構成されている。
また、機能層290上には陰極154が配置されてい
る。発光素子である有機EL素子は、画素電極141、
陰極154、及び機能層290等を含んで構成される。
ここで、画素電極141は、例えばITOにより形成さ
れており、平面視略矩形にパターニングされて形成され
ている。この画素電極141の厚さは、50〜200n
mの範囲が好ましく、150nm程度がよい。また、各
画素電極141…の間には、バンク281が備えられて
いる。
【0045】図6は、バンク281の平面構造の形態例
を示している。バンク281は、複数の画素領域102
の境界に位置し、複数の画素領域102の配列に対応し
て開口を有して形成されている。図6(a)の例では、
バンク281は、マトリクス状に配列される複数の画素
領域102に対応して格子状に設けられている。また、
図6(b)の例では、バンク281は、ストライプ状に
配列される複数の画素領域102に対応してストライプ
状に設けられている。なお、画素領域102の配列及び
バンク281の平面形状はこれに限定されず、例えば一
列ごとにずれた配列となるいわゆるデルタ配列の画素領
域とそれに応じたバンク形状としてもよい。本例では、
バンク281は図6(a)に示す格子状の平面構造から
なる。
【0046】図5に戻り、バンク281は、アクリル樹
脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶媒性のあるレジス
トから形成された有機物層からなる。このバンク281
の厚さ(高さ)は、例えば、0.1〜3.5μm程度に
設定される。厚さが0.1μm未満では、後述する正孔
注入/輸送層及び発光層の合計厚よりバンク281が薄
くなりやすく、発光層がバンク281の上部から溢れる
おそれがあるので好ましくない。また、厚さが3.5μ
mを越えると、バンク281によって形成される段差が
大きくなり、バンク281上に形成される陰極154の
ステップガバレッジを確保できなくなるので好ましくな
い。また、バンク281の厚さを2μm以上にすれば、
駆動用の薄膜トランジスタ143との絶縁を高めること
ができる点でより好ましい。なお、上記バンクの厚さは
一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0047】また、バンク281は、有機物からなるも
のに限らず、他の材料を用いてもよい。例えば、無機物
のバンク層の上に有機物のバンク層を積層した構成とし
てもよい。この場合、無機物のバンク層としては、例え
ば、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化チタン、窒化タンタ
ル等が用いられる。有機物のバンク層の下に無機物のバ
ンク層を設けることにより、有機物のバンク層を通過し
た金属(例えば、アルカリ金属(可動イオン))が薄膜
トランジスタに侵入するのを防止することができる。な
お、バンク281が多層に積層された構成である場合、
積層したそれぞれの層が上述した特性(撥液性)を有す
る必要はなく、少なくともいずれか一層(例えば最上層
のバンク層のみ)が撥液性を有していればよい。
【0048】また、バンク281は、液体材料に対する
動的接触角を指標として、その表面(壁面及び上面)が
撥液性に加工されている。撥液性を示す領域は、4フッ
化メタン、テトラフルオロメタン、もしくは四フッ化炭
素を処理ガスとするプラズマ処理によって表面がフッ化
処理(撥液性に処理)されている。本例では、バンク2
81表面の動的接触角(後退接触角)が29°〜45°
の範囲内になっている。
【0049】機能層290は、画素電極141上に積層
された正孔注入/輸送層290aと、正孔注入/輸送層
290a上に隣接して形成された発光層290bとから
構成されている。なお、発光層290bに隣接してその
他の機能を有する他の機能層をさらに形成してもよい。
例えば、電子輸送層を形成してもよい。
【0050】正孔注入/輸送層290aは、正孔を発光
層290bに注入する機能を有するとともに、正孔を正
孔注入/輸送層290aの内部において輸送する機能を
有する。このような正孔注入/輸送層290aを画素電
極141と発光層290bの間に設けることにより、発
光層290bの発光効率、寿命等の素子特性が向上す
る。また、発光層290bでは、正孔注入/輸送層29
0aから注入された正孔と、陰極154から注入される
電子が再結合し、発光が得られる。
【0051】発光層290bは、赤色(R)に発光する
赤色発光層290b1、緑色(G)に発光する緑色発光
層290b2、及び青色(B)に発光する青色発光層2
90b3、の3種類を有し、各発光層290b1〜290
b3がストライプ配置されている。
【0052】正孔注入/輸送層290aの形成材料とし
ては、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン等のポ
リチオフェン誘導体とポリスチレンスルホン酸等の混合
物を用いることができる。また、この他にも、特に限定
されることなく公知の様々な材料が使用可能であり、例
えばピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチル
ベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体等が挙げられ
る。これらの具体的な内容は、例えば、特開昭63−7
0257号、同63−175860号公報、特開平2−
135359号、同2−135361号、同2−209
988号、同3−37992号、同3−152184号
公報などに記載されている。さらに、正孔注入/輸送層
の形成材料として、銅フタロシアニン(CuPc)や、
ポリテトラヒドロチオフェニルフェニレンであるポリフ
ェニレンビニレン、1,1−ビス−(4−N,N−ジト
リルアミノフェニル)シクロヘキサン、トリス(8−ヒ
ドロキシキノリノール)アルミニウム等も適用される。
【0053】また、発光層290bの材料としては、例
えば、[化1]〜[化5]に示す(ポリ)パラフェニレ
ンビニレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフルオ
レン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン
誘導体、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン
系色素、またはこれらの高分子材料にルブレン、ペリレ
ン、9,10-ジフェニルアントラセン、テトラフェニ
ルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリド
ン等をドープして用いることができる。
【0054】
【化1】
【0055】
【化2】
【0056】
【化3】
【0057】
【化4】
【0058】
【化5】
【0059】陰極154は、発光部140の全面に形成
されており、画素電極141と対になって機能層290
に電流を流す役割を果たす。この陰極154は、例え
ば、カルシウム層とアルミニウム層とが積層されて構成
されている。このとき、発光層に近い側の陰極には仕事
関数が低いものを設けることが好ましく、特にこの形態
においては発光層290bに直接に接して発光層290
bに電子を注入する役割を果たす。また、フッ化リチウ
ムは発光層の材料によっては効率よく発光させるため
に、発光層290bと陰極154との間にLiFを形成
する場合もある。なお、赤色及び緑色の発光層290b
1、290b2にはフッ化リチウムに限らず、他の材料を
用いてもよい。従ってこの場合は青色(B)発光層29
0b3のみにフッ化リチウムからなる層を形成し、他の
赤色及び緑色の発光層290b1、290b2にはフッ化
リチウム以外のものを積層してもよい。また、赤色及び
緑色の発光層290b1、290b2上にはフッ化リチウ
ムを形成せず、カルシウムのみを形成してもよい。この
場合、フッ化リチウムの厚さは、例えば2〜5nmの範
囲が好ましく、特に2nm程度がよい。またカルシウム
のの厚さは、例えば2〜50nmの範囲が好ましい。ま
た、陰極154を形成するアルミニウムは、発光層29
0bから発した光を基板121側に反射させるもので、
Al膜の他、Ag膜、AlとAgの積層膜等からなるこ
とが好ましい。また、その厚さは、例えば100〜10
00nmの範囲が好ましく、特に200nm程度がよ
い。さらにアルミニウム上にSiO、SiO2、SiN
等からなる酸化防止用の保護層を設けてもよい。
【0060】次に、上記有機EL素子(及び有機EL表
示装置)の製造方法の一例について、特に、(1)プラ
ズマ処理工程、(2)正孔注入/輸送層形成工程、
(3)発光層形成工程、(4)対向電極(陰極)形成工
程について、図7〜図17を参照しながら、詳しく説明
する。
【0061】(1)プラズマ処理工程 プラズマ処理工程には、回路素子としての薄膜トランジ
スタ143、画素電極141、及びバンク281が形成
された基板121が投入される。プラズマ処理工程は、
画素電極141の表面を活性化すること、バンク281
の表面を表面処理することなどを目的としており、画素
電極141の表面の親液化処理や、バンク281表面の
撥液化処理を行う。
【0062】プラズマ処理工程は、(a)予備加熱工
程、(b)活性化工程(親液化工程)、(c)撥液化工
程、及び(d)冷却工程に大別される。なお、これに限
らず、必要に応じて工程を追加あるいは削除してもよ
い。
【0063】図7は、プラズマ処理工程で用いられるプ
ラズマ処理装置の構成例を模式的に示している。プラズ
マ処理装置50は、予備加熱処理室51、第1プラズマ
処理室52、第2プラズマ処理室53、冷却処理室5
4、及びこれらの各処理室51〜54に基板を搬送する
搬送装置55を含む。本例では、各処理室51〜54
は、搬送装置55を中心として放射状に配置されてい
る。
【0064】プラズマ処理装置では、まず、予備加熱処
理室51において基板の予備加熱を行い、次に、第1,
第2プラズマ処理室52,53において、活性化処理及
び撥液化処理を行う。撥液化処理の後、基板を冷却処理
室54に搬送し、基板を室温まで冷却する。以下、各処
理について詳細に説明する。
【0065】(a)予備加熱工程 予備加熱工程では、予備加熱処理室51において、バン
クを含む基板を所定の温度に加熱する。加熱温度は、次
工程であるプラズマ処理の処理温度と同程度に設定さ
れ、例えば70〜80℃である。予備加熱は、次のプラ
ズマ処理において、基板の温度変動を抑制し、処理の均
一性を高めることを主な目的としている。加熱手段とし
ては、例えば、基板が搭載されるプレート(ステージ)
にヒータが内蔵された構成のものが用いられる。
【0066】(b)活性化工程 活性化工程では、基板に対して、大気雰囲気中で酸素を
処理ガスとしてプラズマ処理(O2プラズマ処理)を行
う。O2プラズマ処理は、画素電極の仕事関数の調整及
び制御、画素電極表面の洗浄、及び画素電極表面の親液
化などを目的としている。また、O2プラズマ処理によ
り、画素電極とともにバンク表面が親液化され、次の撥
液化工程において、バンクの撥液化が促進される。
【0067】図8は、第1プラズマ処理装置52の要部
構成を模式的に示した図である。図8において、バンク
を含む基板121は加熱ヒータ内臓の試料ステージ56
上に載置され、基板121の上側には所定のギャップ間
隔(例えば0.5〜2mm程度)の距離をおいてプラズ
マ放電電極57が基板121に対向して配置される。基
板121は、試料ステージ56によって加熱されるとと
もに、試料ステージ56を介して図示矢印方向に所定の
搬送速度で搬送される。この搬送中、基板121に対し
てプラズマ状態の酸素が照射される。
【0068】O2プラズマ処理の処理条件は、例えば、
プラズマパワー100〜800kW、酸素ガス流量50
〜100ml/min、搬送速度0.5〜10mm/s
ec、基板温度70〜90℃である。なお、試料ステー
ジ56の加熱は、主として予備加熱された基板の保温の
ために行われる。また、処理雰囲気は、大気雰囲気に限
らず、例えば真空下としてもよい。
【0069】O2プラズマ処理により、図9に示すよう
に、画素電極141の電極面、バンク281の壁面及び
上面が親液処理される。つまり、これらの各面に水酸基
が導入されて親液性が付与される。図9では、親液処理
された部分を一点鎖線で示している。なお、このO2プ
ラズマ処理により、上述した画素電極の洗浄、仕事関数
の調整も行われる。
【0070】(c)撥液処理工程 撥液化工程では、基板に対して、大気雰囲気中でテトラ
フルオロメタンを処理ガスとするプラズマ処理(CF4
プラズマ処理)を行う。第2プラズマ処理室53(図7
参照)の要部構成は、図8に示した第1プラズマ処理室
52とほぼ同じである。すなわち、試料ステージによっ
て基板が加熱及び搬送され、基板に対してプラズマ状態
のテトラフルオロメタン(四フッ化炭素)が照射され
る。
【0071】CF4プラズマ処理の処理条件は、例え
ば、プラズマパワー100〜800kW、4フッ化メタ
ンガス流量50〜100ml/min、基板搬送速度
0.5〜10mm/sec、基板温度70〜90℃であ
る。他の処理条件が一定のとき、基板の搬送速度を変化
させることにより、プラズマ処理の処理時間を変化させ
ることができる。本例では、正孔注入/輸送層を形成す
るための液体材料(後述する第1組成物)に対するバン
ク表面の動的接触角を指標として、プラズマ処理の処理
時間を管理する。
【0072】具体的には、上記液体材料に対するバンク
表面の動的接触角としての後退接触角が29°〜45°
の範囲内になるように、上記処理時間を管理する。上記
後退接触角の目標値は、正孔注入/輸送層の平坦化に最
適となるように予め求められたものである。バンク表面
の後退接触角が29°未満だと、撥液性が不十分とな
り、正孔注入/輸送層のバンク近傍の膜厚が厚くなるの
で好ましくない。また、後退接触角が45°を超える
と、撥液性が高くなりすぎて、正孔注入/輸送層のバン
ク近傍の膜厚が薄くなるので好ましくない。なお、試料
ステージの加熱は、第1プラズマ処理室と同様に、主と
して予備加熱された基板の保温のために行われる。ま
た、処理ガスは、テトラフルオロメタン(四フッ化炭
素)に限らず、他のフルオロカーボン系のガスを用いて
もよい。また、処理雰囲気は、大気雰囲気に限らず、例
えば真空下としてもよい。
【0073】CF4プラズマ処理により、図10に示す
ように、バンク281の壁面及び上面が撥液処理され
る。つまり、これらの各面にフッ素基が導入されて撥液
性が付与される。図10では、撥液性を示す領域を二点
鎖線で示している。バンク281を構成するアクリル樹
脂、ポリイミド樹脂等の有機物はプラズマ状態のフルオ
ロカーボンが照射することで容易に撥液化する。また、
この撥液化の前に、O2プラズマに親液化処理するとフ
ッ素化されやすい、という特徴を有している。なお、画
素電極141の電極面もこのCF4プラズマ処理の影響
を多少受けるが、濡れ性に影響を与える事は少ない。図
10では、親液性を示す領域を一点鎖線で示している。
【0074】(d)冷却工程 冷却工程では、冷却処理室54(図7参照)において、
プラズマ処理後の基板を所定の温度まで冷却する。基板
の冷却は、次の正孔注入/輸送層形成工程において、基
板の温度変動を抑制し、処理の均一性を高めることを主
な目的としており、室温あるいは正孔注入/輸送層形成
工程における所定の管理温度まで基板を冷却する。冷却
手段としては、例えば、基板が搭載されるプレート(ス
テージ)に冷却装置が内蔵された構成のものが用いられ
る。
【0075】(2)正孔注入/輸送層形成工程 次に、正孔注入/輸送層形成工程では、液滴吐出法(イ
ンクジェット法)を用いることにより、正孔注入/輸送
層の形成材料を含む第1組成物を画素電極141上に吐
出する。その後、乾燥処理及び熱処理を行い、画素電極
141上に正孔注入/輸送層を形成する。この正孔注入
/輸送層形成工程を含めこれ以降の工程は、水、酸素の
無い雰囲気とするのが好ましい。例えば、窒素雰囲気、
アルゴン雰囲気等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ま
しい。
【0076】インクジェット法による層の形成方法は以
下の通りである。図11に示すように、画素電極141
の周囲には画素領域102を区画するバンク281が形
成されており、このバンク281の開口位置にインクジ
ェットヘッドH1の吐出ノズルH2を配置する。そし
て、インクジェットヘッドH1と基板121とを相対的
に移動させながら、吐出ノズルH2から1滴当たりの液
量が制御された第1組成物の液滴を画素電極141上に
吐出する。
【0077】吐出された第1組成物の液滴は、親液処理
された画素電極141の電極面上に広がり、バンク28
1間に充填される。本例では、バンク281表面(壁面
及び上面)が撥液性に加工されているので、仮に、第1
組成物が所定の吐出位置から外れてバンク281の上面
に吐出されたとしても、その上面で第1組成物の液滴が
はじかれ、バンク281間に転がり込む。
【0078】液滴吐出用の装置として、本例では、上述
した電気機械変換方式(ピエゾ方式)を用いた膜形成装
置が用いられる。図12は、ピエゾ方式による液体材料
の吐出原理を説明するための図である。図11におい
て、液体材料を収容する液体室320に隣接してピエゾ
素子321が設置されている。液体室320には、液体
材料を収容する材料タンクを含む液体材料供給系322
を介して液体材料が供給される。ピエゾ素子321は駆
動回路323に接続されており、この駆動回路323を
介してピエゾ素子321に電圧を印加し、ピエゾ素子3
21を変形させることにより、液体室320が変形し、
ノズル324から液体材料が吐出される。この場合、印
加電圧の値を変化させることにより、ピエゾ素子321
の歪み量が制御される。また、印加電圧の周波数を変化
させることにより、ピエゾ素子321の歪み速度が制御
される。ピエゾ方式による液滴吐出は材料に熱を加えな
いため、材料の組成に影響を与えにくいという利点を有
する。
【0079】上記第1組成物としては、例えば、ポリエ
チレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオ
フェン誘導体とポリスチレンスルホン酸(PSS)等の
混合物を、極性溶媒に溶解させた組成物を用いることが
できる。極性溶媒としては、例えば、イソプロピルアル
コール(IPA)、ノルマルブタノール、γ−ブチロラ
クトン、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリジノン(DMI)及びその誘導
体、カルビト−ルアセテート、ブチルカルビト−ルアセ
テート等のグリコールエーテル類等を挙げることができ
る。
【0080】より具体的な第1組成物の組成としては、
例えば、PEDOT/PSS混合物:7.25重量%、
水:52.75重量%、メタノール:5重量%、IP
A:5重量%、DMI:50重量%、γ−グリジルオキ
シプロピルトリメトキシシラン:0・08重量%であ
る。また、第1組成物の粘度は2〜20Ps程度が好ま
しい。なお、本発明において、第1組成物の組成は上記
例に限定されるものではない。また、正孔注入/輸送層
の形成材料として、赤(R)、緑(G)、青(B)の各
発光層に対して同じ材料を用いてもよく、各発光層ごと
に変えてもよい。
【0081】第1組成物の吐出量は、バンクによる窪み
(開口)の大きさ、形成しようとする正孔注入/輸送層
の厚さ、第1組成物中の正孔注入/輸送層形成材料の濃
度等により決定される。また、第1組成物を一度にバン
ク間に配置してもよく、数回に分けて配置してもよい。
この場合、各回における第1組成物の量は同一でもよ
く、各回ごとにその量を変えてもよい。さらに、ある画
素電極に対して毎回同じ位置から第1組成物を吐出して
もよく、各回ごとに位置をずらしながら吐出してもよ
い。
【0082】続いて、図13に示すように、画素電極1
41上に配置された第1組成物を乾燥させる。すなわ
ち、第1組成物に含まれる極性溶媒を蒸発させ、画素電
極141上に正孔注入/輸送層290aを形成する。本
例では、バンク281表面(壁面及び上面)が撥液性に
加工され、正孔注入/輸送層の平坦化に最適な動的接触
角(後退接触角)になっているので、乾燥処理後におい
て、バンク281の間に均一な厚さの正孔注入/輸送層
290aが形成される。
【0083】乾燥処理は、例えば窒素雰囲気中、室温で
圧力を例えば133.3Pa(1Torr)程度にして
行う。圧力が低すぎると第1組成物の液滴が突沸するの
で好ましくない。また、温度を室温以上にすると、極性
溶媒の蒸発速度が高まり、平坦な膜を形成する事が困難
となりやすい。また、乾燥処理後、窒素中、好ましくは
真空中で200℃で10分程度加熱する熱処理を行うと
よい。これにより、正孔注入/輸送層290a内に残存
する極性溶媒や水を除去することができる。
【0084】(3)発光層形成工程 次に、発光層形成工程では、図14に示すように、上記
正孔注入/輸送層形成工程と同様に、液滴吐出法(イン
クジェット法)を用いることにより、各色(例えばここ
では青色(B))の発光層の形成材料を含む第2組成物
を正孔注入/輸送層290a上に吐出する。
【0085】すなわち、バンク281の開口位置にイン
クジェットヘッドH3の吐出ノズルH4を配置し、イン
クジェットヘッドH3と基板121とを相対的に移動さ
せながら、吐出ノズルH4から1滴当たりの液量が制御
された第2組成物の液滴を正孔注入/輸送層290a上
に吐出する。
【0086】発光層形成材料としては、[化1]〜[化
5]に示すポリフルオレン系高分子誘導体や、(ポリ)
パラフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン誘導
体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、
ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、
あるいは上記高分子に有機EL材料をドープして用いる
事ができる。例えば、ルブレン、ペリレン、9,10-
ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、
ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等をドープす
ることにより用いることができる。
【0087】第2組成物の吐出量は、バンクによる窪み
(開口)の大きさ、形成しようとする発光層の厚さ、第
2組成物中の発光層形成材料の濃度等により決定され
る。また、第2組成物を一度にバンク間に配置してもよ
く、数回に分けて配置してもよい。この場合、各回にお
ける第1組成物の量は同一でもよく、各回ごとにその量
を変えてもよい。さらに、ある画素電極に対して毎回同
じ位置から第1組成物を吐出してもよく、各回ごとに位
置をずらしながら吐出してもよい。
【0088】続いて、図15に示すように、画素電極1
41上に配置された第2組成物を乾燥させる。すなわ
ち、第2組成物に含まれる溶媒(非極性溶媒)を蒸発さ
せ、正孔注入/輸送層290a上に発光層290b(青
色(B)の発光層290b3)を形成する。また、図1
6に示すように、青色の発光層290b3と同様に、正
孔注入/輸送層290a上に、赤色(R)、緑色(G)
の発光層290b1、290b2を形成する。なお、青色
の発光層290b3の場合、乾燥処理は、例えば、窒素
雰囲気中、室温で圧力を133.3Pa(1Torr)
程度として5〜10分行う条件とする。緑色の発光層2
90b2、及び赤色の発光層290b1の場合、発光層形
成材料の成分数が多いために素早く乾燥させることが好
ましく、例えば、40℃で窒素の吹き付けを5〜10分
行う条件とするとよい。その他の乾燥の手段として、遠
赤外線照射法、高温窒素ガス吹付法等を用いてもよい。
【0089】(4)対向電極(陰極)形成工程 次に対向電極(陰極)形成工程では、図17に示すよう
に、発光層290b及びバンク281の全面に陰極15
4(対向電極)を形成する。陰極154は複数の材料を
積層して形成してもよい。例えば、発光層に近い側には
仕事関数が小さい材料を形成することが好ましく、例え
ばCa、Ba等を用いることが可能であり、また材料に
よっては下層にLiF等を薄く形成した方がよい場合も
ある。また、上部側(封止側)には下部側よりも仕事関
数が高い材料、例えばAlを用いる事もできる。フッ化
リチウムは、発光層290b上のみに形成してもよく、
さらに所定の色に対応して形成する事ができる。例え
ば、青色(B)発光層290b3上のみに形成してもよ
い。この場合、他の赤色(R)発光層及び緑色(G)発
光層290b1、290b2には、カルシウムからなる上
部陰極層が接することとなる。これらの陰極154は、
例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法等を用いて形成す
ることが可能であるが、熱による発光層290bの損傷
を防止する上で、本例では蒸着法を用いる。また、陰極
154の上部には、Al膜、Ag膜等を用いることが好
ましい。また、その厚さは、例えば100〜1000n
mの範囲が好ましく、特に200〜500nm程度がよ
い。また陰極154上に、酸化防止のためにSiO2、
SiN等の保護層を設けてもよい。
【0090】以上の工程により、基板121上に発光部
140が形成され、有機EL素子が形成される。この
後、有機EL素子が形成された基板121を封止し、基
板121の配線に陰極154を接続するとともに、基板
121上あるいは外部に設けられる駆動IC(駆動回
路)に回路素子部146の配線を接続することにより、
有機EL表示装置が完成する。
【0091】図18(a)〜(c)は、本発明の電子機
器の実施の形態例を示している。本例の電子機器は、上
述した有機EL表示装置等の本発明の電気光学装置を表
示手段として備えている。図18(a)は、携帯電話の
一例を示した斜視図である。図18(a)において、符
号600は携帯電話本体を示し、符号601は前記の表
示装置を用いた表示部を示している。図18(b)は、
ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を
示した斜視図である。図18(b)において、符号70
0は情報処理装置、符号701はキーボードなどの入力
部、符号703は情報処理装置本体、符号702は前記
の表示装置を用いた表示部を示している。図18(c)
は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図
18(c)において、符号800は時計本体を示し、符
号801は前記の表示装置を用いた表示部を示してい
る。図18(a)〜(c)に示すそれぞれの電子機器
は、本発明の電気光学装置を表示手段として備えている
ので、品質の優れた表示を実現することができる。
【0092】以上、添付図面を参照しながら本発明に係
る好適な実施例について説明したが、本発明は係る例に
限定されないことは言うまでもない。上述した例におい
て示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であ
って、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要
求等に基づき種々変更可能である。
【0093】
【実施例】アクリル樹脂からなるバンクが形成された基
板と、バンクと同じアクリル樹脂からなる平基板とを用
意し、各基板に対して、上述したCF4プラズマ処理を
行った。処理時間は、1.0〜6.6secの間で変化
させた。また、上記CF4プラズマ処理の後、上記バン
クが形成された基板に対して、上述した正孔注入/輸送
層用の液滴材料を吐出し、バンクによって区画された領
域に正孔注入/輸送層を形成し、その膜厚のプロファイ
ルを測定した。液体材料の組成は、PEDOT/PSS
混合物:7.25重量%、水:52.75重量%、メタ
ノール:5重量%、IPA:5重量%、DMI:50重
量%、γ−グリジルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン:0・08重量%である。なお、液滴材料の乾燥は、
減圧乾燥の後、200℃で10分間のベーキングを行っ
た。
【0094】その結果、処理時間が1.17〜1.4s
ecのとき、最も理想的な膜厚のプロファイルが得られ
た。処理時間が1.17sec未満だと、撥液性が不十
分となり、バンクの壁面近くの膜厚が厚くなるので好ま
しくなく、1.4secを超えると、撥液性が高くなり
すぎて、バンクの壁面近くの膜厚が薄くなるので好まし
くない。
【0095】一方、上記平基板に対して、上記CF4プ
ラズマ処理の後、協和界面科学社製CA−W接触角測定
装置を用いて、先の図2を用いて説明した測定方法に従
って、上記液体材料に対する動的接触角(後退接触角)
と、静的接触角とを測定した。静的接触角の測定にはθ
/2法を用いた。その結果を以下に示す。
【0096】上記結果から、動的接触角(後退接触角)
を指標として用いることにより、撥液化の処理条件を管
理できることが確認された。すなわち、動的接触角(後
退接触角)が29°程度〜45°程度の範囲内になるよ
うに、プラズマ処理の処理条件を管理することにより、
理想的で平坦な膜厚のプロファイルが得られることが確
認された。これに対し、静的接触角では上記管理は難し
いことがわかった。
【0097】
【発明の効果】本発明の電気光学装置の製造方法及びそ
の装置によれば、バンクの表面を撥液性に加工する際
に、動的接触角を指標として用いることにより、膜の平
坦化に対する撥液化の処理条件の最適化が確実に行われ
る。したがって、バンクによって区画された領域内に平
坦な膜を容易かつ安定的に形成することができる。
【0098】また、本発明の電気光学装置によれば、有
機EL素子の構造を最適化し、その性能の向上を図るこ
とができる。
【0099】また、本発明の電子機器によれば、上記電
気光学装置を表示手段として備えることから、表示手段
の性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電気光学装置としての有機EL装置
の製造方法の概念的に示す図である。
【図2】 動的接触角(後退接触角)の測定例を示す図
である。
【図3】 本発明の電気光学装置としての有機EL装置
の製造装置の実施の形態例を模式的に示す図である。
【図4】 本発明の電気光学装置の実施の形態例である
有機EL表示装置の構成を模式的に示す図である。
【図5】 有機EL表示装置における画素領域近傍の断
面構造を拡大した図である。
【図6】 バンクの平面構造の形態例を模式的に示す図
である。
【図7】 プラズマ処理装置の構成例を模式的に示す図
である。
【図8】 プラズマ処理室の構成例を模式的に示す図で
ある。
【図9】 有機EL装置の製造方法を説明する工程図で
ある。
【図10】 有機EL装置の製造方法を説明する工程図
である。
【図11】 ピエゾ方式による液滴吐出の原理を説明す
るための図である。
【図12】 有機EL装置の製造方法を説明する工程図
である。
【図13】 有機EL装置の製造方法を説明する工程図
である。
【図14】 有機EL装置の製造方法を説明する工程図
である。
【図15】 有機EL装置の製造方法を説明する工程図
である。
【図16】 有機EL装置の製造方法を説明する工程図
である。
【図17】 有機EL装置の製造方法を説明する工程図
である。
【図18】 本発明の電子機器の実施の形態例を示す図
である。
【図19】 有機EL表示装置の要部の代表的な構成を
示す断面模式図である。
【符号の説明】
10,281…バンク、12…膜、20…有機EL装置
の製造装置(電気光学装置の製造装置)、21…撥液化
装置、22…測定装置、23…膜形成装置、24…制御
装置、100…有機EL表示装置、102…画素領域、
121…基板、θ…動的接触角(後退接触角)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/22 H05B 33/22 Z (72)発明者 関 俊一 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB04 AB17 AB18 BA06 BB07 DB03 EA00 FA01 5C094 AA08 AA43 AA55 BA03 BA12 BA27 CA19 CA24 DA13 DB01 DB04 EA04 EA07 EB02 FA01 FA02 FA03 FB01 FB15 FB20 GB10 JA09 5G435 AA04 AA17 BB05 CC09 CC12 EE37 HH01 HH20 KK05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バンクによって区画された領域に液体材
    料を配置して膜を形成する工程を有する電気光学装置の
    製造方法において、 前記液体材料の配置の前に、前記液体材料に対する動的
    接触角を指標として、前記バンクの表面を撥液性に加工
    する撥液化工程を有することを特徴とする電気光学装置
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記撥液化工程では、プラズマ処理によ
    って前記バンクの表面を撥液性に加工するとともに、前
    記動的接触角を指標として、プラズマ処理の処理時間を
    管理することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装
    置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記撥液化工程では、前記動的接触角と
    しての後退接触角が29°〜45°の範囲内になるよう
    に、処理条件を管理することを特徴とする請求項1及び
    請求項2に記載の電気光学装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記撥液化工程の前に、前記バンクの表
    面を親液性に加工する親液化工程を有することを特徴と
    する請求項1から請求項3のうちのいずれかに記載の電
    気光学装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 バンクによって区画された領域に液体材
    料を配置して膜を形成する膜形成装置を備える電気光学
    装置の製造装置において、 前記バンクの表面を撥液性に加工する撥液化装置と、 該撥液化装置によって撥液性に加工された物体の、前記
    液体材料に対する動的接触角を測定する測定装置とを備
    えることを特徴とする電気光学装置の製造装置。
  6. 【請求項6】 前記撥液化装置は、前記測定装置の測定
    結果に基づいて、処理条件が管理されることを特徴とす
    る請求項5に記載の電気光学装置の製造装置。
  7. 【請求項7】 前記バンクの表面を撥液性に加工する前
    に、前記バンクの表面を親液性に加工する親液化装置を
    備えることを特徴とする請求項5または請求項6に記載
    の電気光学装置の製造装置。
  8. 【請求項8】 請求項5から請求項7のうちのいずれか
    に記載の電気光学装置の製造装置を用いて製造されたこ
    とを特徴とする電気光学装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の電気光学装置を表示手
    段として備えることを特徴とする電子機器。
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