JP2003208978A - 有機el装置の製造方法及びその装置、電気光学装置、並びに電子機器 - Google Patents

有機el装置の製造方法及びその装置、電気光学装置、並びに電子機器

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JP2003208978A
JP2003208978A JP2002004939A JP2002004939A JP2003208978A JP 2003208978 A JP2003208978 A JP 2003208978A JP 2002004939 A JP2002004939 A JP 2002004939A JP 2002004939 A JP2002004939 A JP 2002004939A JP 2003208978 A JP2003208978 A JP 2003208978A
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organic
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light emitting
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Masahiro Uchida
昌宏 内田
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 封止部に様々な機能を容易に付加することが
でき、有機EL装置の性能の向上を図ることができる有
機EL装置の製造方法及びその装置を提供する。 【解決手段】 基板300上に形成される有機EL装置
の陰極303を蒸着により形成する陰極形成工程と、有
機EL装置を封止する封止工程とを有し、陰極形成工程
と前記封止工程との間で基板300の上下を反転させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機EL装置の製
造方法及びその装置、電気光学装置、並びに電子機器に
関する。
【0002】
【従来の技術】有機エレクトロルミネッセンス素子(以
後、有機EL装置と称する)を発光素子とする電気光学
装置(有機EL表示装置)は、高輝度で自発光であるこ
と、直流低電圧駆動が可能であること、応答が高速であ
ること、固体有機膜による発光であること等から表示性
能に優れており、また、表示装置の薄型化、軽量化、低
消費電力化、大型化が可能であるため、次世代の表示装
置として期待されている。
【0003】図27は、有機EL表示装置の要部を示す
断面模式図である。有機EL表示装置は、基板900上
に、回路素子部901、画素電極(陽極)902、発光
層を含む有機機能層903、対向電極(陰極)904、
及び封止部905等が順次積層された構造からなる。こ
のうち画素電極902、機能層903、及び対向電極9
04等により、発光素子(有機EL装置)が構成され
る。
【0004】この表示装置においては、回路素子部90
1の駆動制御により、画素電極902及び対向電極90
4に挟まれた機能層903が発光し、その光が回路素子
部901及び基板900を通過して射出されるととも
に、機能層903から基板900の反対側に発した光が
対向電極904により反射されて回路素子部901及び
基板900を通過して射出される。
【0005】上記有機EL装置を製造する装置及びその
方法においては、上記機能層の形成には、所定パターン
のマスク越しに形成材料を所望の領域(画素領域)に蒸
着する蒸着法が用いられ、また、対向電極(陰極)の形
成にも、蒸着法が用いられるのが一般的である。そのた
め、従来の有機EL装置の製造方法では、基板の処理対
象面を下向きにした状態で各処理が行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】有機EL装置の実用化
に伴い、有機EL装置に要求される機能が増す傾向にあ
る。特に、有機EL装置は自発光型であるため、有機E
L装置を封止する封止部にも様々な機能が要求される傾
向にある。
【0007】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであり、封止部に様々な機能を容易に付加すること
ができ、有機EL装置の性能の向上を図ることができる
有機EL装置の製造方法及びその装置を提供することを
目的とする。また、本発明は、性能が向上した有機EL
装置を備える電気光学装置を提供することを目的とす
る。また、本発明は、表示手段の性能が向上した電子機
器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の有機EL装置の
製造方法は、基板上に形成される有機EL装置の陰極を
蒸着により形成する陰極形成工程と、前記有機EL装置
を封止する封止工程とを有し、前記陰極形成工程と前記
封止工程との間で前記基板を反転させることを特徴とす
る。上記有機EL装置の製造方法によれば、上記陰極形
成工程と封止工程との間で基板の上下を反転させること
から、蒸着を行う陰極形成工程では基板の処理対象面を
下向きに、封止工程では基板を上向きにした処理が行わ
れる。封止工程において、基板の処理対象面が上向きに
配されることにより、粘度の低い材料など、封止材料と
して、様々な材料を適用することが可能となる。また、
封止にあたって、自己平坦化機能(セルフレベリング機
能)などの重力作用の利用が可能となる。
【0009】具体的には、前記封止工程は、前記陰極上
に封止材料を塗布する工程を含むとよい。この場合、重
力作用を利用して、その塗布作業を容易に行うことがで
きる。
【0010】また、上記有機EL装置の製造方法におい
ては、前記陰極を蒸着する位置に前記基板を搬送する動
作に伴って前記基板を反転させるのが好ましい。蒸着空
間への基板の搬送時に基板を反転させることにより、反
転動作に伴うスループットの低下が抑制される。
【0011】本発明の有機EL装置の製造装置は、基板
上に形成される有機EL装置の陰極を蒸着により形成す
る陰極形成装置と、前記基板を反転させる基板反転装置
と、前記有機EL装置を封止する封止装置とを備えるこ
とを特徴とする。上記有機EL装置の製造装置によれ
ば、上記基板反転装置を備えることにより、封止装置に
おいて基板を上向きにした処理が行われる。基板の処理
対象面が上向きに配されることにより、粘度の低い材料
など、封止材料として、様々な材料を適用することが可
能となる。また、封止にあたって、自己平坦化機能(セ
ルフレベリング機能)などの重力作用の利用が可能とな
る。
【0012】具体的には、上記有機EL装置の製造装置
において、前記封止装置が、前記陰極上に封止材料を塗
布する手段を有するとよい。この場合、重力作用を利用
して、その塗布作業を容易に行うことができる。
【0013】また、上記有機EL装置の製造装置におい
て、前記基板反転装置は、前記陰極を蒸着する位置に前
記基板を搬送する装置に形成されてなるのが好ましい。
基板を搬送する装置に基板反転装置が形成されることに
より、基板の搬送に伴ってその基板を反転することが可
能となり、反転動作に伴うスループットの低下が抑制さ
れる。
【0014】本発明の電気光学装置は、上記有機EL装
置の製造装置を用いて製造された有機EL装置を備える
ことにより、有機EL装置の構造の最適化を図り、性能
を向上させることができる。
【0015】本発明の電子機器は、上述した電気光学装
置を表示手段として備えることを特徴とする。上記電子
機器によれば、表示手段の性能の向上を図ることができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。図1は、本発明の有機EL装置の製造方法の概念
を説明するための図である。有機EL装置は、TFT等
の回路素子が形成された基板300上に、電極301
(陽極)、発光層(有機EL層)を含む機能層302、
及び対向電極303(陰極)等を順次積層することによ
り製造され、陰極303上に配置される封止部304に
より封止される。本発明者は、封止部304に要求され
る機能が増す傾向にあるという事実に着目し、陰極30
3を形成する工程と、封止工程との間で基板300の上
下を反転させることにより、陰極303の形成工程では
基板300の処理対象面を下向きに、封止工程では基板
300を上向きにした処理を行うようにした。
【0017】すなわち、本発明の製造方法においては、
上記基板300の反転により、陰極303の形成工程で
は基板300を下向きに、封止工程では基板300を上
向きにした処理を行う。封止工程において、基板300
の処理対象面が上向きに配されることにより、粘度の低
い材料など、封止部304の材料として、様々なものを
適用することが可能となる。また、封止部304の材料
配置にあたって、自己平坦化機能(セルフレベリング機
能)などの重力作用の利用が可能となる。なお、陰極3
03の形成工程では、蒸着法が用いられる。
【0018】基板300を上向きにして封止部304を
形成する方法としては、スピンコート法や液滴吐出法
(いわゆるインクジェット法)、ディスペンスコート法
などの各種コート法の適用が可能である。これらのコー
ト法では、材料質を溶液に分散させるなどにより、封止
材として様々な材料が適用可能となる。また、上記コー
ト法のうち、液滴吐出法は、材料の使用に無駄が少な
く、しかも所望の位置に所望の量の材料を的確に配置で
きるという利点を有する。
【0019】図2、図3、及び図4は、封止部304の
構造例を模式的に示している。図2の例では、基板30
0の周縁に封止樹脂306が配置され、封止樹脂306
を接着材として、陰極303を覆うようにガラスや金属
等からなる封止基板(封止缶)307が配置されてい
る。封止工程においては、陰極303が形成された基板
300を所定の面上に上向きに支持し、その基板300
の周縁部に封止樹脂306を塗布する。続いて、基板3
00上に封止基板307を配置し、基板300と封止基
板307とを貼り合わせる。この例では、基板300を
支持する面が基板300の下に配置されることから、封
止用の装置を簡素に構成しやすいという利点がある。
【0020】図3の例では、陰極12全体をほぼ覆うよ
うに封止材308が塗布され、その封止材308の上に
封止基板(封止缶)309が配置されている。封止材3
08としては、例えば、熱硬化樹脂あるいは紫外線硬化
樹脂等からなる樹脂が用いられ、硬化時にガス、溶媒等
が発生しないものが好ましく用いられる。この封止材
は、例えば陰極303に対する水又は酸素の侵入を防い
で、陰極の酸化を防止する機能を有する。封止工程にお
いては、上向きに配置された基板300の陰極303全
体を覆うように、封止材308を塗布し、さらにその上
に封止基板309を配置する。このとき、重力の作用に
よるセルフレベリング機能により、封止材308の表面
が平坦化される。つまり、本例のように、基板300上
にバンク305が形成されている場合にも、レベリング
機能を利用した封止材308の塗布により、素子表面を
平坦化することができる。なお、膜表面を平坦化するこ
とにより、透過あるいは反射する光の乱れを抑制できる
という利点がある。
【0021】図4の例では、陰極12全体をほぼ覆うよ
うに第1封止材310が配置され、その第1封止材31
0の上に第2封止材311が配置され、その第2封止材
311の上に封止基板312が配置されている。第1封
止材310は、例えば、水や酸素あるいは金属の侵入を
防止する封止作用を強化する機能や、光の取り出し効率
を向上させる光学的な機能(屈折率の改善など)などの
特定の機能を有する。封止工程においては、上向きに配
置された基板300の陰極303全体を覆うように第1
封止材310を塗布し、さらにその上に第2封止材31
1を塗布し、最後に封止基板312を配置する。第1封
止材310の塗布では、例えば、比較的薄い膜を陰極3
03上に形成し、第2封止材311の塗布では、バンク
305による凹凸が埋まるように比較的厚い膜を形成す
る。封止工程において基板300が上向きに配置される
ことにより、薄い膜から厚い膜まで様々な膜厚に対応し
た塗布を行える。したがって、封止用の膜に特定の機能
を容易に付加さることができる。
【0022】図5は、本発明の有機EL装置の製造装置
の実施の形態例を模式的に示している。以下、この製造
装置について搬送系を主体に説明する。詳しい処理工程
については後述する。図5において、本例の有機EL装
置の製造装置20は、機能層形成装置21、対向電極
(陰極)形成装置22、及び封止装置23を備えて構成
されている。
【0023】機能層形成装置21は、有機EL装置の機
能層を形成する際の前処理を行うプラズマ処理装置2
5、機能層の一部である正孔注入/輸送層を形成する正
孔注入/輸送層形成装置26、及び同じく機能層の一部
である発光層を形成する発光層形成装置27を備えて構
成されている。また、これらの複数の装置に含まれる搬
送系は略直線状に連続的に配置されており、処理系はそ
の搬送系の両側に分けて配置されている。
【0024】図6に示すように、搬送系においては、多
関節型の搬送アームを備える複数の振り分け装置30,
31,…36が互いに間隔を空けて直線状に配置されて
おり、その複数の振り分け装置30,31,…36の間
に、基板の受け渡しを行う受け渡し装置40,41,…
46が配置されている。つまり、複数の振り分け装置3
0,31,…36と、複数の受け渡し装置40,41,
…46とがほぼ交互に直列に接続されている。
【0025】図7は、上記振り分け装置、及び受け渡し
装置を含む搬送系の構成例を概略的に示している。図7
において、振り分け装置は、水平方向、垂直方向、及び
垂直軸周りの回転方向に移動自在な他関節型のロボット
アーム(搬送アーム37A)を有しており、搬送アーム
37Aには、基板2を保持するための複数の吸着孔38
が設けられている。吸着孔38は不図示の真空ポンプに
接続されており、圧力差を利用して基板を吸着保持す
る。また、受け渡し装置は、基板2を支持するための複
数のピン47を有し、この複数のピン47の高さは、複
数のピン47上に基板2を搭載した際に基板2の下に搬
送アーム37Aを挿入できる空間が形成される高さであ
る。基板2の受け渡しにあたっては、まず、第1の搬送
アーム37Aが移動して複数のピン47の上方に基板2
を搬送し、その後、搬送アーム37Aが下降して基板2
を複数のピン47上に搭載する。第1の搬送アーム37
Aは、基板2の搭載が完了すると、複数のピン47から
離れる。次に、第2の搬送アーム37Bが基板2の下に
移動し、その後上昇して複数のピン47から基板2を受
け取る。なお、本発明は、搬送系の構成として上記した
構成に限定されない。上記例では、搬送アームが垂直方
向に移動することにより複数のピンに対して基板の受け
渡しや受け取りを行う構成となっているが、複数のピン
を上下に移動させる機構を設け、複数のピンの上下移動
により上記基板の受け渡しや受け取りを行う構成として
もよい。さらに、基板の位置を整える整列機構を設けて
もよい。また、本発明の搬送系は、多関節型の搬送アー
ムを備えることにより、搬送系の両側の装置に基板を容
易に振り分けることができるという利点を有するが、こ
れに限らず、ローラコンベアを備えるもの等、他の形態
の搬送手段を用いてもよい。
【0026】図6に戻り、プラズマ処理装置25は、予
備加熱処理室51、第1プラズマ処理室52、第2プラ
ズマ処理室53、及び冷却処理室54を備えている。予
備加熱処理室51と冷却処理室54とは同一箇所で多段
に配置されている。また、予備加熱処理室51/冷却処
理室54、第1プラズマ処理室52、及び第2プラズマ
処理室53は、振り分け装置30を中心として放射状に
配置されている。処理対象の基板は基板投入部48を介
して投入され、振り分け装置30に受け渡される。振り
分け装置30は、予備加熱処理室51、第1プラズマ処
理室52、第2プラズマ処理室53、及び冷却処理室5
4に順次基板を搬入するとともに、処理後の基板を各処
理室から搬出する。プラズマ処理装置25で処理された
基板は、振り分け装置30、及び受け渡し装置40を介
して正孔注入/輸送層形成装置26に送られる。
【0027】正孔注入/輸送層形成装置26は、正孔注
入/輸送層の形成材料を含む組成物を基板上に塗布する
塗布処理室70の他に、予備加熱処理室71、加熱処理
室72、及び冷却処理室73を備えている。加熱処理室
72と冷却処理室73とは同一箇所で多段に配置されて
いる。また、進行方向に向かって振り分け装置31,3
2の一方の側(ここでは右側)に塗布処理室70が配置
され、他方の側(ここでは左側)に、予備加熱処理室7
1、及び加熱処理室72/冷却処理室73が配置されて
いる。振り分け装置31は、受け渡し装置40から基板
を受け取ると、塗布処理室70、及び予備加熱処理室7
1に順次基板を搬入するとともに、処理後の基板を各処
理室から搬出し、受け渡し装置41に受け渡す。また、
振り分け装置32は、受け渡し装置41から基板を受け
取ると、その基板を加熱処理室72/冷却処理室73に
搬入し、処理後の基板を搬出する。正孔注入/輸送層形
成装置26で処理された基板は、振り分け装置32、及
び受け渡し装置42,43を介して発光層形成装置27
に送られる。
【0028】ここで、受け渡し装置42は、複数の基板
を一時的に保持するバッファ部を有している。バッファ
部に保持された基板は不図示の搬送装置により随時取り
出され、受け渡し装置43に受け渡される。受け渡し装
置43も同様に、複数の基板を一時的に保持するバッフ
ァ部を有しており、バッファ部に保持された基板は振り
分け装置34によって随時取り出される。本例では、受
け渡し装置42においてカセットに基板を収納し、その
カセットを受け渡し装置43に搬送する。
【0029】発光層形成装置27は、赤(R)、緑
(G)、青(B)のいずれかの色に対応して、発光層の
形成材料を含む組成物を基板上に塗布する塗布処理室7
5,76,77を備えている。また、各塗布処理室7
5,76,77ごとに、加熱処理室78,79,80、
及び冷却処理室81,82,83を備えている。各加熱
処理室と各冷却処理室とは同一箇所で多段に配置されて
いる。また、進行方向に向かって振り分け装置34,3
5,36の右側に塗布処理室75,76,77が配置さ
れ、同左側に、加熱処理室78,79,80/冷却処理
室81,82,83が配置されている。振り分け装置3
4は、受け渡し装置43から基板を受け取ると、塗布処
理室75、加熱処理室78/冷却処理室81に順次基板
を搬入するとともに、処理後の基板を各処理室から搬出
し、受け渡し装置44に受け渡す。同様に、振り分け装
置35、振り分け装置36においても各処理室に対して
基板の搬出入を順次行う。発光層形成装置27で処理さ
れた基板は、振り分け装置36、及び受け渡し装置46
を介して対向電極(陰極)形成装置に送られる。
【0030】なお、上記機能層形成装置21では、進行
方向に向かって搬送系21の右側に塗布処理室70,7
5,76,77がまとめて配置され、同左側に、加熱装
置及び冷却処理装置78〜83がまとめて配置されてい
る。そのため、複数の処理装置の間で熱や振動等の相互
影響が生じても、機能的に同列なもの同士であることか
ら、その影響による不都合が生じにくい。しかも、熱源
を有する加熱処理室78,79,80と、塗布処理室7
0,75,76,77とが搬送系21の両側に分けて配
置されているので、加熱処理室の熱の影響が塗布処理室
に及びにくい。そのため、熱による塗布材料の粘度変化
や、塗布機構の熱変化が起こりにくく、品質の向上を図
りやすいという利点を有する。
【0031】図8は、対向電極(陰極)形成装置22、
及び封止装置23を示している。図8において、対向電
極形成装置22は、第1蒸着処理室84、第2蒸着処理
室85、及び基板搬出入用の搬送系を備えている。対向
電極の形成にあたっては、第1蒸着処理室84、第2蒸
着処理室85のうちの少なくとも一方が選択的に使用さ
れる。搬送系は、受け渡し装置60,61、基板反転装
置62、及び振り分け装置63からなる。
【0032】図9は、対向電極形成装置22における搬
送系の構成例を基板反転装置62を主体に示している。
図9において、基板反転装置62は、水平方向、垂直方
向、水平軸周りの回転方向、及び垂直軸周りの回転方向
に移動自在な多関節型のロボットアーム(搬送アーム6
4)を有しており、搬送アーム64には、基板2を保持
するための複数の吸着孔65が設けられている。吸着孔
65は不図示の真空ポンプに接続されており、圧力差を
利用して基板を吸着保持する。基板の搬出入にあたって
は、まず、発光層形成装置から搬送された基板2が受け
渡し装置60に受け渡される(図9(a))。基板反転
装置62は、受け渡し装置60から基板2を受け取る
と、基板2の上下を反転させ、基板2の処理対象面(素
子面)を下に向ける(図9(b))。この反転時、基板
2は、吸着孔65に真空吸着され、搬送アーム64から
の落下が防止される。次に、基板反転装置62は、上下
反転させた基板2を受け渡し装置61に受け渡す(図9
(c))。振り分け装置63は、受け渡し装置61から
基板2を受け取ると、上下反転状態のまま、先の図8に
示した第1蒸着処理室84、及び第2蒸着処理室85の
いずれかに基板2を搬入する。なお、基板反転装置62
の構成は、上述したものに限定されず様々な形態が適用
可能である。また、基板反転装置62に代えて、振り分
け装置63に反転機構を設けてもよい。
【0033】図10は、蒸着処理室84,85の構成例
を模式的に示している。蒸着処理室84,85は、処理
室内を真空状態に制御する真空制御部86、蒸着処理用
の基板を保持する基板保持部87、及び材料を加熱する
加熱部88を有し、蒸着時には真空制御部86によって
室内が真空圧に制御される。基板保持部87は、基板2
の縁部を支持する部材(マスク)を含み、この部材に
は、蒸着用のパターンに対応する開口が設けられてい
る。基板2は、加熱部88の上方でかつ処理対象面を下
向きにした状態に配置される。真空圧に制御された処理
室内で、加熱部88によって材料源が加熱されることに
より、蒸発した材料が基板2に付着し、対向電極(陰
極)が形成される。
【0034】図8に戻り、振り分け装置63は、上下反
転状態のまま、第1蒸着処理室84、及び第2蒸着処理
室85のいずれかに基板を搬入するとともに、処理後の
基板を各処理室から搬出し、受け渡し装置61に受け渡
す。受け渡し装置61に受け渡された蒸着処理後の基板
は、上下反転状態のままである。基板反転装置62は、
先の搬入手順と逆の手順で基板を上下反転させながら、
基板の搬出動作を行う。すなわち、基板反転装置62
は、受け渡し装置61から基板を受け取ると、基板の上
下を反転させ、基板の処理対象面(素子面)を上に向け
る。そして、その基板2を受け渡し装置60に受け渡
す。受け渡し装置60に受け渡された基板は、封止装置
23に送られる。
【0035】封止装置23は、接着用の封止樹脂を塗布
する封止樹脂塗布処理室86、基板と封止基板とを貼り
合わせる貼り合わせ処理室87、及び基板搬出入用の搬
送系を備えている。搬送系は、受け渡し装置64,6
5、及び振り分け装置66からなる。振り分け装置66
は、受け渡し装置64から基板を受け取ると、封止樹脂
塗布処理室86、及び貼り合わせ処理室87に順次基板
を搬入するとともに、処理後の基板を各処理室から搬出
し、受け渡し装置65に受け渡す。
【0036】このように、本例の製造装置20では、対
向電極(陰極)形成装置22と封止装置23との間で基
板の上下を反転させる基板反転装置62を備え、この基
板反転装置62により、対向電極(陰極)を蒸着する空
間に基板を搬出入する動作に伴って基板の上下を反転さ
せる。これにより、封止装置23において基板を上向き
にした処理が行われ、様々な封止材が使用できるなど、
前述した様々な利点が得られる。
【0037】また、本例の製造装置20では、搬出入動
作に伴って基板の反転を行うことから、動作に無駄が少
なく、反転動作に伴うスループットの低下が防止され
る。しかも、基板反転装置62が対向電極形成装置22
に備えられており、対向電極形成装置22の前後の工程
のそれぞれにおいて基板の処理対象面を上向きにした処
理が行われる。基板反転機構を設ける場所は対向電極形
成装置22に限らず、例えば、機能層形成装置21(発
光層形成装置27)の出口や、封止装置23の入口でも
よいが、本例のように、複数の工程で基板を上向きにし
て処理を行う場合には、下向きの基板に対して処理を行
う装置(対向電極形成装置22)に基板反転機構を設け
ることで、前後の装置に対する基板の反転をまとめて行
うことができ、装置の省スペース化を図ることができ
る。
【0038】なお、上記製造装置20においては、処理
対象となる基板が配される空間を、水、酸素が排除され
た雰囲気とする事が好ましい。例えば、窒素雰囲気、ア
ルゴン雰囲気等の不活性ガス雰囲気で行うことが好まし
い。これにより、基板上に形成される層の酸化等の劣化
が防止される。
【0039】図11は、本発明の電気光学装置を有機E
L装置を用いたアクティブマトリクス型の表示装置(有
機EL表示装置)に適用した実施の形態例であり、上記
製造装置20を用いて製造される有機EL装置を発光素
子として備えるものである。また、この表示装置1は、
薄膜トランジスタを用いたアクティブ型の駆動方式を採
用している。
【0040】表示装置1は、基板2の上に、回路素子と
しての薄膜トランジスタを含む回路素子部14、発光層
を含む機能層110、陰極12、及び封止部3等を順次
積層した構造からなる。
【0041】基板2としては、本例ではガラス基板が用
いられる。本発明における基板としては、ガラス基板の
他に、シリコン基板、石英基板、セラミックス基板、金
属基板、プラスチック基板、プラスチックフィルム基板
等、電気光学装置や回路基板に用いられる公知の様々な
基板が適用される。基板2上には、発光領域としての複
数の画素領域Aがマトリクス状に配列されており、カラ
ー表示を行う場合、例えば、赤(R)、緑(G)、青
(B)の各色に対応する画素領域Aが所定の配列で並
ぶ。各画素領域Aには、画素電極111が配置され、そ
の近傍には信号線132、電源線133、走査線131
及び図示しない他の画素電極用の走査線等が配置されて
いる。画素領域Aの平面形状は、図に示す矩形の他に、
円形、長円形など任意の形状が適用される。
【0042】また、封止部3は、水や酸素の侵入を防い
で陰極12あるいは機能層110の酸化を防止するもの
であり、基板2に塗布される封止樹脂、及び基板2に貼
り合わされる封止基板3b(封止缶)等を含む。封止樹
脂の材料としては、例えば、熱硬化樹脂あるいは紫外線
硬化樹脂等が用いられ、特に、熱硬化樹脂の1種である
エポキシ樹脂が好ましく用いられる。封止樹脂は、基板
2の周縁に環状に塗布されており、例えば、マイクロデ
ィスペンサ等により塗布される。封止基板3bは、ガラ
スや金属等からなり、基板2と封止基板3bとは封止樹
脂を介して張り合わされる。
【0043】図12は、上記表示装置1の回路構造を示
ししている。図12において、基板2上には、複数の走
査線131と、走査線131に対して交差する方向に延
びる複数の信号線132と、信号線132に並列に延び
る複数の電源線133とが配線されている。また、走査
線131及び信号線132の各交点ごとに上記画素領域
Aが形成されている。信号線132には、例えば、シフ
トレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン及びアナログ
スイッチを含むデータ側駆動回路103が接続されてい
る。また、走査線131には、シフトレジスタ及びレベ
ルシフタを含む走査側駆動回路104が接続されてい
る。
【0044】画素領域Aには、走査線131を介して走
査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用の第1
の薄膜トランジスタ123と、この薄膜トランジスタ1
23を介して信号線132から供給される画像信号を保
持する保持容量135と、保持容量135によって保持
された画像信号がゲート電極に供給される駆動用の第2
の薄膜トランジスタ124と、この薄膜トランジスタ1
24を介して電源線133に電気的に接続したときに電
源線133から駆動電流が流れ込む画素電極111(陽
極)と、画素電極111と対向電極12(陰極)との間
に挟み込まれる機能層110とが設けられている。機能
層110は、発光層としての有機EL層を含む。
【0045】画素領域Aでは、走査線131が駆動され
て第1の薄膜トランジスタ123がオンとなると、その
ときの信号線132の電位が保持容量135に保持さ
れ、この保持容量135の状態に応じて、第2の薄膜ト
ランジスタ124の導通状態が決まる。また、第2の薄
膜トランジスタ124のチャネルを介して電源線133
から画素電極111に電流が流れ、さらに機能層110
を通じて対向電極12(陰極)に電流が流れる。そし
て、このときの電流量に応じて、機能層110が発光す
る。
【0046】図13は、表示装置1における表示領域の
断面構造を拡大した図である。この図13には3つの画
素領域Aが図示されている。表示装置1は、基板2上
に、TFTなどの回路等が形成された回路素子部14、
機能層110が形成された発光素子部11及び陰極12
が順次積層されて構成されている。表示装置1において
は、機能層110から基板2側に発した光が、回路素子
部14及び基板2を透過して基板2の下側(観測者側)
に出射されるとともに、機能層110から基板2の反対
側に発した光が陰極12により反射されて、回路素子部
14及び基板2を透過して基板2の下側(観測者側)に
出射されるようになっている。なお、陰極12として、
透明な材料を用いることにより陰極側から発光する光を
出射させることができる。透明な材料としては、IT
O、Pt、Ir、Ni、もしくはPdを用いる事ができ
る。膜厚としては75nmほどの膜厚にする事が好まし
く、この膜厚よりも薄くした方がより好ましい。
【0047】回路素子部14には、基板2上にシリコン
酸化膜からなる下地保護膜2cが形成され、この下地保
護膜2c上に多結晶シリコンからなる島状の半導体膜1
41が形成されている。なお、半導体膜141には、ソ
ース領域141a及びドレイン領域141bが高濃度P
イオン打ち込みにより形成されている。なお、Pが導入
されなかった部分がチャネル領域141cとなってい
る。さらに回路素子部14には、下地保護膜2c及び半
導体膜141を覆う透明なゲート絶縁膜142が形成さ
れ、ゲート絶縁膜142上にはAl、Mo、Ta、T
i、W等からなるゲート電極143(走査線)が形成さ
れ、ゲート電極143及びゲート絶縁膜142上には透
明な第1層間絶縁膜144aと第2層間絶縁膜144b
が形成されている。ゲート電極143は半導体膜141
のチャネル領域141cに対応する位置に設けられてい
る。また、第1、第2層間絶縁膜144a、144bを
貫通して、半導体膜141のソース、ドレイン領域14
1a、141bにそれぞれ接続されるコンタクトホール
145,146が形成されている。そして、第2層間絶
縁膜144b上には、ITO等からなる透明な画素電極
111が所定の形状にパターニングされて形成され、一
方のコンタクトホール145がこの画素電極111に接
続されている。また、もう一方のコンタクトホール14
6が電源線133に接続されている。このようにして、
回路素子部14には、各画素電極111に接続された駆
動用の薄膜トランジスタ123が形成されている。な
お、回路素子部14には、前述した保持容量135及び
スイッチング用の薄膜トランジスタ124も形成されて
いるが、図13ではこれらの図示を省略している。
【0048】発光素子部11は、複数の画素電極111
…上の各々に積層された機能層110と、各画素電極1
11及び機能層110の間に備えられて各機能層110
を区画するバンク部112とを主体として構成されてい
る。機能層110上には陰極12が配置されている。発
光素子である有機EL装置は、画素電極111、陰極1
2、及び機能層110等を含んで構成される。ここで、
画素電極111は、例えばITOにより形成されてな
り、平面視略矩形にパターニングされて形成されてい
る。この画素電極111の厚さは、50〜200nmの
範囲が好ましく、特に150nm程度がよい。この各画
素電極111…の間にバンク部112が備えられてい
る。
【0049】バンク部112は、図13に示すように、
基板2側に位置する無機物バンク層112a(第1バン
ク層)と基板2から離れて位置する有機物バンク層11
2b(第2バンク層)とが積層されて構成されている。
【0050】無機物バンク層、有機物バンク層(112
a、112b)は、画素電極111の周縁部上に乗上げ
るように形成されている。平面的には、画素電極111
の周囲と無機物バンク層112aとが平面的に重なるよ
うに配置された構造となっている。また、有機物バンク
層112bも同様であり、画素電極111の一部と平面
的に重なるように配置されている。また無機物バンク層
112aは、有機物バンク層112bよりも画素電極1
11の中央側にさらに形成されている。このようにし
て、無機物バンク層112aの各第1積層部112eが
画素電極111の内側に形成されることにより、画素電
極111の形成位置に対応する下部開口部112cが設
けられている。また、有機物バンク層112bには、上
部開口部112dが形成されている。この上部開口部1
12dは、画素電極111の形成位置及び下部開口部1
12cに対応するように設けられている。上部開口部1
12dは、図13に示すように、下部開口部112cよ
り広く、画素電極111より狭く形成されている。ま
た、上部開口部112dの上部の位置と、画素電極11
1の端部とがほぼ同じ位置になるように形成される場合
もある。この場合は、図13に示すように、有機物バン
ク層112bの上部開口部112dの断面が傾斜する形
状となる。そしてバンク部112には、下部開口部11
2c及び上部開口部112dが連通することにより、無
機物バンク層112a及び有機物バンク層112bを貫
通する開口部112gが形成されている。
【0051】また、無機物バンク層112aは、例え
ば、SiO2、TiO2等の無機材料からなることが好ま
しい。この無機物バンク層112aの膜厚は、50〜2
00nmの範囲が好ましく、特に150nmがよい。膜
厚が50nm未満では、無機物バンク層112aが後述
する正孔注入/輸送層より薄くなり、正孔注入/輸送層
の平坦性を確保できなくなるので好ましくない。また膜
厚が200nmを越えると、下部開口部112cによる
段差が大きくなって、正孔注入/輸送層上に積層する後
述の発光層の平坦性を確保できなくなるので好ましくな
い。
【0052】さらに、有機物バンク層112bは、アク
リル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶媒性のある
レジストから形成されている。この有機物バンク層11
2bの厚さは、0.1〜3.5μmの範囲が好ましく、
特に2μm程度がよい。厚さが0.1μm未満では、後
述する正孔注入/輸送層及び発光層の合計厚より有機物
バンク層112bが薄くなり、発光層が上部開口部11
2dから溢れるおそれがあるので好ましくない。また、
厚さが3.5μmを越えると、上部開口部112dによ
る段差が大きくなり、有機物バンク層112b上に形成
する陰極12のステップガバレッジを確保できなくなる
ので好ましくない。また、有機物バンク層112bの厚
さを2μm以上にすれば、駆動用の薄膜トランジスタ1
23との絶縁を高めることができる点でより好ましい。
【0053】また、バンク部112には、親液性を示す
領域と、撥液性を示す領域が形成されている。親液性を
示す領域は、無機物バンク層112aの第1積層部11
2e及び画素電極111の電極面111aであり、これ
らの領域は、酸素を処理ガスとするプラズマ処理によっ
て親液性に表面処理されている。また、撥液性を示す領
域は、上部開口部112dの壁面及び有機物バンク層1
12bの上面112fであり、これらの領域は、4フッ
化メタン、テトラフルオロメタン、もしくは四フッ化炭
素を処理ガスとするプラズマ処理によって表面がフッ化
処理(撥液性に処理)されている。
【0054】図13に示すように、機能層110は、画
素電極111上に積層された正孔注入/輸送層110a
と、正孔注入/輸送層110a上に隣接して形成された
発光層110bとから構成されている。なお、発光層1
10bに隣接してその他の機能を有する他の機能層をさ
らに形成しても良い。例えば、電子輸送層を形成する事
も可能である。正孔注入/輸送層110aは、正孔を発
光層110bに注入する機能を有するとともに、正孔を
正孔注入/輸送層110a内部において輸送する機能を
有する。このような正孔注入/輸送層110aを画素電
極111と発光層110bの間に設けることにより、発
光層110bの発光効率、寿命等の素子特性が向上す
る。また、発光層110bでは、正孔注入/輸送層11
0aから注入された正孔と、陰極12から注入される電
子が発光層で再結合し、発光が得られる。
【0055】正孔注入/輸送層110aは、下部開口部
112c内に位置して画素電極面111a上に形成され
る平坦部110a1と、上部開口部112d内に位置し
て無機物バンク層の第1積層部112e上に形成される
周縁部110a2から構成されている。また、正孔注入
/輸送層110aは、構造によっては、画素電極111
上であって、且つ無機物バンク層112aの間(下部開
口部112c)にのみ形成されている(前述に記載した
平坦部にのみ形成される形態もある)。この平坦部11
0a1は、その厚さが一定で例えば50〜70nmの範
囲に形成される。周縁部110a2が形成される場合に
おいては、周縁部110a2は、第1積層部112e上
に位置するとともに上部開口部112dの壁面、即ち有
機物バンク層112bに密着している。また、周縁部1
10a2の厚さは、電極面111aに近い側で薄く、電
極面111aから離れる方向に沿って増大し、下部開口
部112cの壁面近くで最も厚くなっている。周縁部1
10a2が上記の様な形状を示す理由としては、正孔注
入/輸送層110aが、正孔注入/輸送層形成材料及び
極性溶媒を含む第1組成物を開口部112内に吐出して
から極性溶媒を除去して形成されたものであり、極性溶
媒の揮発が主に無機物バンク層の第1積層部112e上
で起こり、正孔注入/輸送層形成材料がこの第1積層部
112e上に集中的に濃縮・析出されたためである。
【0056】また発光層110bは、正孔注入/輸送層
110aの平坦部110a1及び周縁部110a2上に渡
って形成されており、平坦部112a1上での厚さが5
0〜80nmの範囲とされている。発光層110bは、
赤色(R)に発光する赤色発光層110b1、緑色
(G)に発光する緑色発光層110b2、及び青色
(B)に発光する青色発光層110b3、の3種類を有
し、各発光層110b1〜110b3がストライプ配置さ
れている。
【0057】上記のように、正孔注入/輸送層110a
の周縁部110a2が上部開口部112dの壁面(有機
物バンク層112b)に密着しているので、発光層11
0bが有機物バンク層112bに直接に接することがな
い。従って、有機物バンク層112bに不純物として含
まれる水が発光層110b側に移行するのを、周縁部1
10a2によって阻止することができ、水による発光層
110bの酸化を防止できる。また、無機物バンク層の
第1積層部112e上に不均一な厚さの周縁部110a
2が形成されるため、周縁部110a2が第1積層部11
2eによって画素電極111から絶縁された状態とな
り、周縁部110a2から発光層110bに正孔が注入
されることがない。これにより、画素電極111からの
電流が平坦部112a1のみに流れ、正孔を平坦部11
2a1から発光層110bに均一に輸送させることがで
き、発光層110bの中央部分のみを発光させることが
できるとともに、発光層110bにおける発光量を一定
にすることができる。また、無機物バンク層112aが
有機物バンク層112bよりも画素電極111の中央側
にさらに延出されているので、この無機物バンク層11
2aによって画素電極111と平坦部110a1との接
合部分の形状をトリミングすることができ、各発光層1
10b間の発光強度のばらつきを抑えることができる。
【0058】さらに、画素電極111の電極面111a
及び無機物バンク層の第1積層部112eが親液性を示
すので、機能層110が画素電極111及び無機物バン
ク層112aに均一に密着し、無機物バンク112a上
で機能層110が極端に薄くならず、画素電極111と
陰極12との短絡を防止できる。また、有機物バンク層
112bの上面112f及び上部開口部112d壁面が
撥液性を示すので、機能層110と有機物バンク層11
2bとの密着性が低くなり、機能層110が開口部11
2gから溢れて形成されることがない。
【0059】なお、正孔注入/輸送層形成材料として
は、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン等のポリ
チオフェン誘導体とポリスチレンスルホン酸等の混合物
を用いることができる。また、発光層110bの材料と
しては、例えば、[化1]〜[化5]が、ポリフルオレ
ン誘導体か、その他に(ポリ)パラフェニレンビニレン
誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導
体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、
またはこれらの高分子材料にペリレン系色素、クマリン
系色素、ローダミン系色素、ルブレン、ペリレン、9,
10-ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジ
エン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等をド
ープして用いることができる。
【0060】
【化1】
【0061】
【化2】
【0062】
【化3】
【0063】
【化4】
【0064】
【化5】
【0065】陰極12は、発光素子部11の全面に形成
されており、画素電極111と対になって機能層110
に電流を流す役割を果たす。この陰極12は、例えば、
カルシウム層とアルミニウム層とが積層されて構成され
ている。このとき、発光層に近い側の陰極には仕事関数
が低いものを設けることが好ましく、特にこの形態にお
いては発光層110bに直接に接して発光層110bに
電子を注入する役割を果たす。また、フッ化リチウムは
発光層の材料によっては効率よく発光させるために、発
光層110bと陰極12との間にLiFを形成する場合
もある。なお、赤色及び緑色の発光層110b1、11
10b2にはフッ化リチウムに限らず、他の材料を用い
ても良い。従ってこの場合は青色(B)発光層110b
3のみにフッ化リチウムからなる層を形成し、他の赤色
及び緑色の発光層110b1、110b2にはフッ化リチ
ウム以外のものを積層しても良い。また、赤色及び緑色
の発光層110b1、110b2上にはフッ化リチウムを
形成せず、カルシウムのみを形成しても良い。なお、フ
ッ化リチウムの厚さは、例えば2〜5nmの範囲が好ま
しく、特に2nm程度がよい。またカルシウムのの厚さ
は、例えば2〜50nmの範囲が好ましい。また、陰極
12を形成するアルミニウムは、発光層110bから発
した光を基板2側に反射させるもので、Al膜の他、A
g膜、AlとAgの積層膜等からなることが好ましい。
また、その厚さは、例えば100〜1000nmの範囲
が好ましく、特に200nm程度がよい。さらにアルミ
ニウム上にSiO、SiO2、SiN等からなる酸化防
止用の保護層を設けても良い。
【0066】次に、先の図5に示した有機EL装置の製
造装置20を用いて有機EL装置及び有機EL表示装置
1を製造する方法について図14〜図25を参照して詳
しく説明する。本例の有機EL装置の製造方法は、
(1)プラズマ処理工程、(2)正孔注入/輸送層形成
工程、(3)発光層形成工程、(4)対向電極(陰極)
形成工程、及び(7)封止工程を含む。なお、製造方法
はこれに限られるものではなく必要に応じてその他の工
程が除かれる場合、また追加される場合もある。また、
製造装置20には、回路素子としての薄膜トランジスタ
が形成された基板2上に画素電極111、及びバンク部
112が形成されたものが投入される。
【0067】(1)プラズマ処理工程 プラズマ処理工程では、画素電極111の表面を活性化
すること、さらにバンク部112の表面を表面処理する
事を目的として行われる。特に活性化工程では、画素電
極111(ITO)上の洗浄、さらに仕事関数の調整を
主な目的として行っている。さらに、画素電極111の
表面の親液化処理、バンク部112表面の撥液化処理を
行う。
【0068】プラズマ処理工程は、(1)-1予備加熱工
程、(1)-2活性化処理工程(親液性にする親液化工
程)、(1)-3撥液化処理工程、及び(1)-4冷却工程とに大
別される。なお、このような工程に限られるものではな
く、必要に応じて工程を削減、更なる工程追加も行われ
る。
【0069】まず、図6に示すプラズマ処理装置25を
用いた概略の工程を説明する。予備加熱工程は、図6に
示す予備加熱処理室51において行われる。そしてこの
処理室51により、バンク部形成工程から搬送された基
板2を所定の温度に加熱する。予備加熱工程の後、親液
化工程及び撥液化処理工程を行う。すなわち、基板は第
1,第2プラズマ処理室52,53に順次搬送され、そ
れぞれの処理室52,53においてバンク部112にプ
ラズマ処理を行い親液化する。この親液化処理後に撥液
化処理を行う。撥液化処理の後に基板を冷却処理室に搬
送し、冷却処理室54おいて基板を室温まで冷却する。
この冷却工程後、搬送装置により次の工程である正孔注
入/輸送層形成工程に基板を搬送する。
【0070】以下に、それぞれの工程について詳細に説
明する。 (1)-1 予備加熱工程 予備加熱工程は予備加熱処理室51により行う。この処
理室51において、バンク部112を含む基板2を所定
の温度まで加熱する。基板2の加熱方法は、例えば処理
室51内にて基板2を載せるステージにヒータを取り付
け、このヒータで当該ステージごと基板2を加熱する手
段がとられている。なお、これ以外の方法を採用するこ
とも可能である。予備加熱処理室51において、例えば
70℃〜80℃の範囲に基板2を加熱する。この温度は
次工程であるプラズマ処理における処理温度であり、次
の工程に合わせて基板2を事前に加熱し、基板2の温度
ばらつきを解消することを目的としている。仮に予備加
熱工程を加えなければ、基板2は室温から上記のような
温度に加熱されることになり、工程開始から工程終了ま
でのプラズマ処理工程中において温度が常に変動しなが
ら処理される事になる。したがって、基板温度が変化し
ながらプラズマ処理を行うことは、特性の不均一につな
がる可能性がある。したがって、処理条件を一定に保
ち、均一な特性を得るために予備加熱を行うのである。
【0071】そこで、プラズマ処理工程においては、第
1,第2プラズマ処理装置52,53内の試料ステージ
上に基板2を載置した状態で親液化工程または撥液化工
程を行う場合に、予備加熱温度を、親液化工程または撥
液化工程を連続して行う試料ステージ56の温度にほぼ
一致させることが好ましい。そこで、第1,第2プラズ
マ処理装置52,53内の試料ステージが上昇する温
度、例えば70〜80℃まで予め基板2を予備加熱する
ことにより、多数の基板にプラズマ処理を連続的に行っ
た場合でも、処理開始直後と処理終了直前でのプラズマ
処理条件をほぼ一定にすることができる。これにより、
基板2の表面処理条件を同一にし、バンク部112の組
成物に対する濡れ性を均一化することができ、一定の品
質を有する表示装置を製造することができる。また、基
板2を予め予備加熱しておくことにより、後のプラズマ
処理における処理時間を短縮することができる。
【0072】(1)-2 活性化処理 つぎに第1プラズマ処理室52では、活性化処理が行わ
れる。活性化処理には、画素電極111における仕事関
数の調整、制御、画素電極表面の洗浄、画素電極表面の
親液化処理が含まれる。親液化処理として、大気雰囲気
中で酸素を処理ガスとするプラズマ処理(O2プラズマ
処理)を行う。図14は第1プラズマ処理を模式的に示
した図である。図14に示すように、バンク部112を
含む基板2は加熱ヒータ内臓の試料ステージ56上に載
置され、基板2の上側にはギャップ間隔0.5〜2mm
程度の距離をおいてプラズマ放電電極57が基板2に対
向して配置されている。基板2は、試料ステージ56に
よって加熱されつつ、試料ステージ56は図示矢印方向
に向けて所定の搬送速度で搬送され、その間に基板2に
対してプラズマ状態の酸素が照射される。O2プラズマ
処理の条件は、例えば、プラズマパワー100〜800
kW、酸素ガス流量50〜100ml/min、板搬送
速度0.5〜10mm/sec、基板温度70〜90℃
の条件で行われる。なお、試料ステージ56による加熱
は、主として予備加熱された基板2の保温のために行わ
れる。
【0073】このO2プラズマ処理により、図15に示
すように、画素電極111の電極面111a、無機物バ
ンク層112aの第1積層部112e及び有機物バンク
層112bの上部開口部112dの壁面ならびに上面1
12fが親液処理される。この親液処理により、これら
の各面に水酸基が導入されて親液性が付与される。図1
6では、親液処理された部分を一点鎖線で示している。
なお、このO2プラズマ処理は、親液性を付与するのみ
ならず、上述の通り画素電極であるITO上の洗浄,仕
事関数の調整も兼ねている。
【0074】(1)-3 撥液処理工程 つぎに、第2プラズマ処理室53では、撥液化工程とし
て、大気雰囲気中でテトラフルオロメタンを処理ガスと
するプラズマ処理(CF4プラズマ処理)を行う。第2
プラズマ処理室53の内部構造は図14に示した第1プ
ラズマ処理室52の内部構造と同じである。即ち、基板
2は、試料ステージによって加熱されつつ、試料ステー
ジごと所定の搬送速度で搬送され、その間に基板2に対
してプラズマ状態のテトラフルオロメタン(四フッ化炭
素)が照射される。CF4プラズマ処理の条件は、例え
ば、プラズマパワー100〜800kW、4フッ化メタ
ンガス流量50〜100ml/min、基板搬送速度
0.5〜10mm/sec、基板温度70〜90℃の条
件で行われる。なお、加熱ステージによる加熱は、第1
プラズマ処理室52の場合と同様に、主として予備加熱
された基板2の保温のために行われる。なお、処理ガス
は、テトラフルオロメタン(四フッ化炭素)に限らず、
他のフルオロカーボン系のガスを用いることができる。
【0075】CF4プラズマ処理により、図16に示す
ように、上部開口部112d壁面及び有機物バンク層の
上面112fが撥液処理される。この撥液処理により、
これらの各面にフッ素基が導入されて撥液性が付与され
る。図16では、撥液性を示す領域を二点鎖線で示して
いる。有機物バンク層112bを構成するアクリル樹
脂、ポリイミド樹脂等の有機物はプラズマ状態のフルオ
ロカーボンが照射することで容易に撥液化させることが
できる。また、O2プラズマにより前処理した方がフッ
素化されやすい、という特徴を有しており、本実施形態
には特に有効である。なお、画素電極111の電極面1
11a及び無機物バンク層112aの第1積層部112
eもこのCF4プラズマ処理の影響を多少受けるが、濡
れ性に影響を与える事は少ない。図16では、親液性を
示す領域を一点鎖線で示している。
【0076】(1)-4 冷却工程 次に冷却工程として、冷却処理室54を用い、プラズマ
処理のために加熱された基板2を管理温度まで冷却す
る。これは、この以降の工程であるインクジェット工程
(液滴吐出工程)の管理温度まで冷却するために行う工
程である。この冷却処理室54は、基板2を配置するた
めのプレートを有し、そのプレートは基板2を冷却する
ように水冷装置が内蔵された構造となっている。また、
プラズマ処理後の基板2を室温、または所定の温度(例
えばインクジェット工程を行う管理温度)まで冷却する
ことにより、次の正孔注入/輸送層形成工程において、
基板2の温度が一定となり、基板2の温度変化が無い均
一な温度で次工程を行うことができる。したがって、こ
のような冷却工程を加えることにより、インクジェット
法等の吐出手段により吐出された材料を均一に形成でき
る。例えば、正孔注入/輸送層を形成するための材料を
含む第1組成物を吐出させる際に、第1組成物を一定の
容積で連続して吐出させることができ、正孔注入/輸送
層を均一に形成することができる。
【0077】上記のプラズマ処理工程では、材質が異な
る有機物バンク層112b及び無機物バンク層112a
に対して、O2プラズマ処理とCF4プラズマ処理とを順
次行うことにより、バンク部112に親液性の領域と撥
液性の領域を容易に設けることができる。また,上記プ
ラズマ装置は,大気圧下の装置でなくとも,真空下のプ
ラズマ装置を用いても良い。
【0078】(2)正孔注入/輸送層形成工程 次に正孔注入/輸送層形成工程では、先の図6に示した
正孔注入/輸送層形成装置26を用いて電極(ここでは
画素電極111)上に正孔注入/輸送層を形成する。正
孔注入/輸送層形成工程では、液滴吐出法(インクジェ
ット法)を用いることにより、正孔注入/輸送層形成材
料を含む第1組成物(組成物)を電極面111a上に吐
出する。その後に乾燥処理及び熱処理を行い、画素電極
111上及び無機物バンク層112a上に正孔注入/輸
送層110aを形成する。なお、正孔注入/輸送層11
0aが形成された無機物バンク層112aをここでは第
1積層部112eという。この正孔注入/輸送層形成工
程を含めこれ以降の工程は、水、酸素の無い雰囲気とす
る事が好ましい。例えば、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気
等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。
【0079】なお、正孔注入/輸送層110aは第1積
層部112e上に形成されないこともある。すなわち、
画素電極111上にのみ正孔注入/輸送層が形成される
形態もある。
【0080】インクジェット法による層の形成方法は以
下の通りである。図17に示すように、インクジェット
ヘッドH1に形成された複数のノズルから正孔注入/輸
送層形成材料を含む第1組成物を吐出する。ここではイ
ンクジェットヘッドを走査することにより各画素毎に組
成物を充填しているが、基板2を走査することによって
も可能である。さらに、インクジェットヘッドと基板2
とを相対的に移動させることによっても組成物を充填さ
せることができる。なお、これ以降のインクジェットヘ
ッドを用いて行う工程では上記の点は同様である。
【0081】インクジェットヘッドによる吐出は以下の
通りである。すなわち、インクジェットヘッドH1に形
成されてなる吐出ノズルH2を電極面111aに対向し
て配置し、ノズルH2から第1組成物を吐出する。画素
電極111の周囲には下部開口部112cを区画するバ
ンク部112が形成されており、この下部開口部112
c内に位置する画素電極面111aにインクジェットヘ
ッドH1を対向させ、このインクジェットヘッドH1と基
板2とを相対移動させながら、吐出ノズルH2から1滴
当たりの液量が制御された第1組成物滴110cを電極
面111a上に吐出する。
【0082】ここで用いる第1組成物としては、例え
ば、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリ
チオフェン誘導体とポリスチレンスルホン酸(PSS)等の
混合物を、極性溶媒に溶解させた組成物を用いることが
できる。極性溶媒としては、例えば、イソプロピルアル
コール(IPA)、ノルマルブタノール、γ−ブチロラクト
ン、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン(DMI)及びその誘導体、カルビト
−ルアセテート、ブチルカルビト−ルアセテート等のグ
リコールエーテル類等を挙げることができる。より具体
的な第1組成物の組成としては、PEDOT/PSS混合物(PEDO
T/PSS=1:20):12.52重量%、PSS:1.44重量
%、IPA:10重量%、NMP:27.48重量%、DMI:
50重量%のものを例示できる。なお、第1組成物の粘
度は2〜20Ps程度が好ましく、特に4〜15cPs
程度が良い。上記の第1組成物を用いることにより、吐
出ノズルH2に詰まりが生じることがなく安定吐出でき
る。なお、正孔注入/輸送層形成材料は、赤(R)、緑
(G)、青(B)の各発光層110b1〜110b3に対
して同じ材料を用いても良く、各発光層毎に変えても良
い。
【0083】図17に示すように、吐出された第1組成
物滴110cは、親液処理された電極面111a及び第
1積層部112e上に広がり、下部、上部開口部112
c、112d内に充填される。仮に、第1組成物滴11
0cが所定の吐出位置からはずれて上面112f上に吐
出されたとしても、上面112fが第1組成物滴110
cで濡れることがなく、はじかれた第1組成物滴110
cが下部、上部開口部112c、112d内に転がり込
む。
【0084】電極面111a上に吐出する第1組成物量
は、下部、上部開口部112c、112dの大きさ、形
成しようとする正孔注入/輸送層の厚さ、第1組成物中
の正孔注入/輸送層形成材料の濃度等により決定され
る。また、第1組成物滴110cは1回のみならず、数
回に分けて同一の電極面111a上に吐出しても良い。
この場合、各回における第1組成物の量は同一でも良
く、各回毎に第1組成物を変えても良い。さらに電極面
111aの同一箇所のみならず、各回毎に電極面111
a内の異なる箇所に第1組成物を吐出しても良い。
【0085】インクジェットヘッドの構造については、
図18のようなヘッドHを用いる事ができる。さらに、
基板とインクジェットヘッドの配置に関しては図19の
ように配置することが好ましい。図19中、符号H7は
前記のインクジェットヘッドH1を支持する支持基板で
あり、この支持基板H7上に複数のインクジェットヘッ
ドH1が備えられている。インクジェットヘッドH1のイ
ンク吐出面(基板との対向面)には、ヘッドの長さ方向
に沿って列状に、且つヘッドの幅方向に間隔をあけて2
列で吐出ノズルが複数(例えば、1列180ノズル、合
計360ノズル)設けられている。また、このインクジ
ェットヘッドH1は、吐出ノズルを基板側に向けるとと
もに、X軸(またはY軸)に対して所定角度傾いた状態
で略X軸方向に沿って列状に、且つY方向に所定間隔を
あけて2列に配列された状態で平面視略矩形状の支持板
20に複数(図19では1列6個、合計12個)位置決
めされて支持されている。また図19に示すインクジェ
ット装置において、符号1115は基板2を載置するス
テージであり、符号1116はステージ1115を図中
x軸方向(主走査方向)に案内するガイドレールであ
る。またヘッドHは、支持部材1111を介してガイド
レール1113により図中y軸方向(副主走査方向)に
移動できるようになっており、さらにヘッドHは図中θ
軸方向に回転できるようになっており、インクジェット
ヘッドH1を主走査方向に対して所定の角度に傾けるこ
とができるようになっている。このように、インクジェ
ットヘッドを走査方向に対して傾けて配置することによ
り、ノズルピッチを画素ピッチに対応させることができ
る。また、傾き角度調整することにより、どのような画
素ピッチに対しても対応させることができる。
【0086】また、図19に示す基板2は、マザー基板
に複数のチップを配置した構造となっている。即ち、1
チップの領域が1つの表示装置に相当する。ここでは、
3つの表示領域2aが形成されているが、これに限られ
るものではない。例えば、基板2上の左側の表示領域2
aに対して組成物を塗布する場合は、ガイドレール11
13を介してヘッドHを図中左側に移動させるととも
に、ガイドレール1116を介して基板2を図中上側に
移動させ、基板2を走査させながら塗布を行う。次に、
ヘッドHを図中右側に移動させて基板の中央の表示領域
2aに対して組成物を塗布する。右端にある表示領域2
aに対しても前記と同様である。なお、図18に示すヘ
ッドH及び図19に示すインクジェット装置は、正孔注
入/輸送層形成工程のみならず、発光層形成工程にも用
いるとよい。
【0087】次に、図20に示すような乾燥工程を行
う。乾燥工程を行う事により、吐出後の第1組成物を乾
燥処理し、第1組成物に含まれる極性溶媒を蒸発させ、
正孔注入/輸送層110aを形成する。乾燥処理を行う
と、第1組成物滴110cに含まれる極性溶媒の蒸発
が、主に無機物バンク層112a及び有機物バンク層1
12bに近いところで起き、極性溶媒の蒸発に併せて正
孔注入/輸送層形成材料が濃縮されて析出する。これに
より図21に示すように、第1積層部112e上に、正
孔注入/輸送層形成材料からなる周縁部110a2が形
成される。この周縁部110a2は、上部開口部112
dの壁面(有機物バンク層112b)に密着しており、
その厚さが電極面111aに近い側では薄く、電極面1
11aから離れた側、即ち有機物バンク層112bに近
い側で厚くなっている。
【0088】また、これと同時に、乾燥処理によって電
極面111a上でも極性溶媒の蒸発が起き、これにより
電極面111a上に正孔注入/輸送層形成材料からなる
平坦部110a1が形成される。電極面111a上では
極性溶媒の蒸発速度がほぼ均一であるため、正孔注入/
輸送層の形成材料が電極面111a上で均一に濃縮さ
れ、これにより均一な厚さの平坦部110a1が形成さ
れる。このようにして、周縁部110a2及び平坦部1
10a1からなる正孔注入/輸送層110aが形成され
る。なお、周縁部110a2には形成されず、電極面1
11a上のみに正孔注入/輸送層が形成される形態であ
っても構わない。
【0089】上記の乾燥処理は、例えば窒素雰囲気中、
室温で圧力を例えば133.3Pa(1Torr)程度
にして行う。圧力が低すぎると第1組成物滴110cが
突沸してしまうので好ましくない。また、温度を室温以
上にすると、極性溶媒の蒸発速度が高まり、平坦な膜を
形成する事ができない。乾燥処理後は、窒素中、好まし
くは真空中で200℃で10分程度加熱する熱処理を行
うことで、正孔注入/輸送層110a内に残存する極性
溶媒や水を除去することが好ましい。
【0090】上記の正孔注入/輸送層形成工程では、吐
出された第1組成物滴110cが、下部、上部開口部1
12c、112d内に満たされる一方で、撥液処理され
た有機物バンク層112bで第1組成物がはじかれて下
部、上部開口部112c、112d内に転がり込む。こ
れにより、吐出した第1組成物滴110cを必ず下部、
上部開口部112c、112d内に充填することがで
き、電極面111a上に正孔注入/輸送層110aを形
成することができる。
【0091】(3)発光層形成工程 次に発光層形成工程は、発光層形成材料吐出工程、およ
び乾燥工程、とからなり、先の図6に示した発光層形成
装置27を用いて行われる。
【0092】発光層形成工程として、インクジェット法
(液滴吐出法)により、発光層形成材料を含む第2組成
物を正孔注入/輸送層110a上に吐出した後に乾燥処
理して、正孔注入/輸送層110a上に発光層110b
を形成する。
【0093】図22に、インクジェットによる吐出方法
を示す。図22に示すように、インクジェットヘッドH
5と基板2とを相対的に移動し、インクジェットヘッド
に形成された吐出ノズルH6から各色(たとえばここで
は青色(B))発光層形成材料を含有する第2組成物が
吐出される。吐出の際には、下部、上部開口部112
c、112d内に位置する正孔注入/輸送層110aに
吐出ノズルを対向させ、インクジェットヘッドH5と基
板2とを相対移動させながら、第2組成物が吐出され
る。吐出ノズルH6から吐出される液量は1滴当たりの
液量が制御されている。このように液量が制御された液
(第2組成物滴110e)が吐出ノズルから吐出され、
この第2組成物滴110eを正孔注入/輸送層110a
上に吐出する。
【0094】発光層形成材料としては、[化1]〜[化
5]に示すポリフルオレン系高分子誘導体や、(ポリ)
パラフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン誘導
体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、
ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、
あるいは上記高分子に有機EL材料をドープして用いる
事ができる。例えば、ルブレン、ペリレン、9,10-
ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、
ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等をドープす
ることにより用いることができる。
【0095】非極性溶媒としては、正孔注入/輸送層1
10aに対して不溶なものが好ましく、例えば、シクロ
へキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチ
ルベンゼン、テトラメチルベンゼン等を用いることがで
きる。このような非極性溶媒を発光層110bの第2組
成物に用いることにより、正孔注入/輸送層110aを
再溶解させることなく第2組成物を塗布できる。
【0096】図22に示すように、吐出された第2組成
物110eは、正孔注入/輸送層110a上に広がって
下部、上部開口部112c、112d内に満たされる。
その一方で、撥液処理された上面112fでは第1組成
物滴110eが所定の吐出位置からはずれて上面112
f上に吐出されたとしても、上面112fが第2組成物
滴110eで濡れることがなく、第2組成物滴110e
が下部、上部開口部112c、112d内に転がり込
む。
【0097】各正孔注入/輸送層110a上に吐出する
第2組成物量は、下部、上部開口部112c、112d
の大きさ、形成しようとする発光層110bの厚さ、第
2組成物中の発光層材料の濃度等により決定される。ま
た、第2組成物110eは1回のみならず、数回に分け
て同一の正孔注入/輸送層110a上に吐出しても良
い。この場合、各回における第2組成物の量は同一でも
良く、各回毎に第2組成物の液量を変えても良い。さら
に正孔注入/輸送層110aの同一箇所のみならず、各
回毎に正孔注入/輸送層110a内の異なる箇所に第2
組成物を吐出配置しても良い。
【0098】次に、第2の組成物を所定の位置に吐出し
終わった後、吐出後の第2組成物滴110eを乾燥処理
することにより発光層110b3が形成される。すなわ
ち、乾燥により第2組成物に含まれる非極性溶媒が蒸発
し、図23に示すような青色(B)発光層110b3が
形成される。なお、図23においては青に発光する発光
層が1つのみ図示されているが、図11やその他の図よ
り明らかなように本来は発光素子がマトリックス状に形
成されたものであり、図示しない多数の発光層(青色に
対応)が形成されている。
【0099】続けて、図24に示すように、前述した青
色(B)発光層110b3の場合と同様の工程を用い、
赤色(R)発光層110b1を形成し、最後に緑色
(G)発光層110b2を形成する。なお、発光層11
0bの形成順序は、前述の順序に限られるものではな
く、どのような順番で形成しても良い。例えば、発光層
形成材料に応じて形成する順番を決める事も可能であ
る。
【0100】また、発光層の第2組成物の乾燥条件は、
青色110b3の場合、例えば、窒素雰囲気中、室温で
圧力を133.3Pa(1Torr)程度として5〜1
0分行う条件とする。圧力が低すぎると第2組成物が突
沸してしまうので好ましくない。また、温度を室温以上
にすると、非極性溶媒の蒸発速度が高まり、発光層形成
材料が上部開口部112d壁面に多く付着してしまうの
で好ましくない。また緑色発光層110b2、および赤
色発光層110b1の場合、発光層形成材料の成分数が
多いために素早く乾燥させることが好ましく、例えば、
40℃で窒素の吹き付けを5〜10分行う条件とするの
がよい。その他の乾燥の手段としては、遠赤外線照射
法、高温窒素ガス吹付法等を例示できる。このようにし
て、画素電極111上に正孔注入/輸送層110a及び
発光層110bが形成される。
【0101】(4)対向電極(陰極)形成工程 次に対向電極形成工程では、図25に示すように、発光
層110b及び有機物バンク層112bの全面に陰極1
2(対向電極)を形成する。陰極12は複数の材料を積
層して形成しても良い。例えば、発光層に近い側には仕
事関数が小さい材料を形成することが好ましく、例えば
Ca、Ba等を用いることが可能であり、また材料によ
っては下層にLiF等を薄く形成した方が良い場合もあ
る。また、上部側(封止側)には下部側よりも仕事関数
が高い材料、例えばAlを用いる事もできる。フッ化リ
チウムは、発光層110b上のみに形成しても良く、さ
らに所定の色に対応して形成する事ができる。例えば、
青色(B)発光層110b3上のみに形成しても良い。
この場合、他の赤色(R)発光層及び緑色(G)発光層
110b1、110b2には、カルシウムからなる上部陰
極層が接することとなる。これらの陰極12は、例えば
蒸着法、スパッタ法、CVD法等を用いて形成すること
が可能であるが、熱による発光層110bの損傷を防止
する上で、本例では蒸着法を用いる。すなわち、先の図
8に示した第1蒸着処理室84、及び第2蒸着処理室8
5に基板2を下向きに配置し、材料を加熱して蒸発させ
ることにより、陰極12を形成する。このとき、第1蒸
着処理室84と第2蒸着処理室85とで、異なる材料を
用い、双方の処理室に基板を順次搬入して蒸着を行うこ
とで積層膜を形成できる。また、陰極12の上部には、
Al膜、Ag膜等を用いることが好ましい。また、その
厚さは、例えば100〜1000nmの範囲が好まし
く、特に200〜500nm程度がよい。また陰極12
上に、酸化防止のためにSiO2、SiN等の保護層を
設けても良い。
【0102】(5)封止工程 最後に封止工程は、先の図8に示した封止装置23を用
いて、発光素子が形成された基板2と封止基板3bとを
封止材(封止樹脂など)を介して封止する。本例では、
先の図8に示した封止樹脂塗布処理室86を用いて、熱
硬化樹脂または紫外線硬化樹脂からなる封止樹脂を基板
2の周縁部に塗布し、貼り合わせ処理室87を用いて、
封止樹脂上に封止基板3bを配置する。この工程により
先の図2に示した構成の封止部が形成される。封止工程
は、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気で
行うことが好ましい。大気中で行うと、陰極12にピン
ホール等の欠陥が生じていた場合にこの欠陥部分から水
や酸素等が陰極12に侵入して陰極12が酸化されるお
それがあるので好ましくない。
【0103】以上のプロセスにより、有機EL装置が完
成する。この後、基板2の配線に陰極12を接続すると
ともに、基板2上あるいは外部に設けられる駆動IC
(駆動回路)に回路素子部14(図11参照)の配線を
接続することにより、本例の有機EL表示装置1が完成
する。
【0104】図26(a)〜(c)は、本発明の電子機
器の実施の形態例を示している。本例の電子機器は、上
述した有機EL表示装置等の本発明の電気光学装置を表
示手段として備えている。図26(a)は、携帯電話の
一例を示した斜視図である。図26(a)において、符
号600は携帯電話本体を示し、符号601は前記の表
示装置を用いた表示部を示している。図26(b)は、
ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を
示した斜視図である。図26(b)において、符号70
0は情報処理装置、符号701はキーボードなどの入力
部、符号703は情報処理装置本体、符号702は前記
の表示装置を用いた表示部を示している。図26(c)
は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図
26(c)において、符号800は時計本体を示し、符
号801は前記の表示装置を用いた表示部を示してい
る。図26(a)〜(c)に示すそれぞれの電子機器
は、本発明の電気光学装置を表示手段として備えている
ので、品質の優れた表示を実現することができる。
【0105】以上、添付図面を参照しながら本発明に係
る好適な実施例について説明したが、本発明は係る例に
限定されないことは言うまでもない。上述した例におい
て示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であ
って、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要
求等に基づき種々変更可能である。
【0106】
【発明の効果】本発明の有機EL装置の製造方法及びそ
の装置によれば、陰極形成工程と封止工程との間で基板
の上下を反転させることにより、封止材料として、様々
な材料を適用することが可能となる。したがって、封止
部に様々な機能を容易に付加することができ、有機EL
装置の性能の向上を図ることができる。
【0107】また、本発明の電気光学装置によれば、有
機EL装置の構造を最適化し、その性能の向上を図るこ
とができる。
【0108】また、本発明の電子機器によれば、上記電
気光学装置を表示手段として備えることから、表示手段
の性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の有機EL装置の製造方法の概念を説
明するための図である。
【図2】 封止部の構造例を模式的に示す図である。
【図3】 封止部の構造例を模式的に示す図である。
【図4】 封止部の構造例を模式的に示す図である。
【図5】 本発明の有機EL装置の製造装置の実施の形
態例を模式的に示す図である。
【図6】 機能層形成装置の構成を模式的に示す図であ
る。
【図7】 振り分け装置及び受け渡し装置を含む搬送系
の構成例を概略的に示す図であり、(a)は平面図、
(b)は側面図である。
【図8】 対向電極(陰極)形成装置、及び封止装置を
模式的に示す図である。
【図9】 対向電極形成装置における搬送系の構成例を
示す図である。
【図10】 蒸着処理室の構成例を模式的に示す図であ
る。
【図11】 本発明の電気光学装置の実施の形態例であ
る有機EL表示装置の構成を模式的に示す図である。
【図12】 アクティブマトリクス型有機EL表示装置
の回路の一例を示す回路図である。
【図13】 有機EL表示装置における表示領域の断面
構造を拡大した図である。
【図14】 プラズマ処理装置の第1プラズマ処理室の
内部構造を示す模式図である。
【図15】 有機EL装置の製造方法を説明する工程図
である。
【図16】 有機EL装置の製造方法を説明する工程図
である。
【図17】 有機EL装置の製造方法を説明する工程図
である。
【図18】 液滴吐出用のヘッド(インクジェットヘッ
ド)を示す平面図である。
【図19】 液滴吐出装置(インクジェット装置)を示
す平面図である。
【図20】 有機EL装置の製造方法を説明する工程図
である。
【図21】 有機EL装置の製造方法を説明する工程図
である。
【図22】 有機EL装置の製造方法を説明する工程図
である。
【図23】 有機EL装置の製造方法を説明する工程図
である。
【図24】 有機EL装置の製造方法を説明する工程図
である。
【図25】 有機EL装置の製造方法を説明する工程図
である。
【図26】 本発明の電子機器の実施の形態例を示す図
である。
【図27】 電子素子の一例としての有機EL装置を備
える有機EL表示装置の断面模式図である。
【符号の説明】
1…有機EL表示装置(電気光学装置)、2,300…
基板(基体)、3,304…封止部、12,303…陰
極(対向電極)、20…製造装置、21…機能層形成装
置、22…対向電極形成装置(陰極形成装置)、23…
封止装置、25…プラズマ処理装置、26…正孔注入/
輸送層形成装置、27…発光層形成装置、62…基板反
転装置、70,75,76,77…塗布処理室(塗布装
置)、72,73,78,79,80…加熱処理室(加
熱装置)、110,302…機能層、110a…正孔注
入/輸送層、110b…発光層、111,301…画素
電極(電極)、112,305…バンク部、3b,30
6,307,309…封止基板、306,308,31
0,311…封止材。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成される有機EL装置の陰極
    を蒸着により形成する陰極形成工程と、前記有機EL装
    置を封止する封止工程とを有し、 前記陰極形成工程と前記封止工程との間で前記基板を反
    転させることを特徴とする有機EL装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記封止工程は、前記陰極上に封止材料
    を塗布する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載
    の有機EL装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記陰極を蒸着する位置に前記基板を搬
    送する動作に伴って前記基板を反転させることを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載の有機EL装置の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 基板上に形成される有機EL装置の陰極
    を蒸着により形成する陰極形成装置と、前記基板を反転
    させる基板反転装置と、前記有機EL装置を封止する封
    止装置とを備えることを特徴とする有機EL装置の製造
    装置。
  5. 【請求項5】 前記封止装置は、前記陰極上に封止材料
    を塗布する手段を有することを特徴とする請求項3に記
    載の有機EL装置の製造装置。
  6. 【請求項6】 前記基板反転装置は、前記陰極を蒸着す
    る位置に前記基板を搬送する装置に形成されてなること
    を特徴とする請求項4または請求項5に記載の有機EL
    装置の製造装置。
  7. 【請求項7】 請求項4乃至請求項6のいずれかに記載
    の有機EL装置の製造装置を用いて製造された有機EL
    装置を備えた電気光学装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の電気光学装置を表示手
    段として備えることを特徴とする電子機器。
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