JP2003229254A - 電気光学装置の製造方法と電子機器の製造方法及び電気光学装置並びに電子機器 - Google Patents

電気光学装置の製造方法と電子機器の製造方法及び電気光学装置並びに電子機器

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JP2003229254A
JP2003229254A JP2002026136A JP2002026136A JP2003229254A JP 2003229254 A JP2003229254 A JP 2003229254A JP 2002026136 A JP2002026136 A JP 2002026136A JP 2002026136 A JP2002026136 A JP 2002026136A JP 2003229254 A JP2003229254 A JP 2003229254A
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light emitting
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organic
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Masahiro Uchida
昌宏 内田
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極形成時にて生じる放射熱や蒸着源の突沸
等を防ぐことで、これらの熱的ダメージによる素子の特
性低下を防止することができ、また、電極形成の際に基
板に加わる熱を速やかに散逸させることで、基板の温度
上昇に起因する素子の特性低下を防止することができる
電気光学装置の製造方法を提供する。 【解決手段】 一対の電極間に発光層を有する発光素子
が基板上に形成されてなる電気光学装置の製造方法であ
って、前記一対の電極のうち一方の電極を、段階的に成
膜速度を変化させることにより形成することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気光学装置の製
造方法と電子機器の製造方法及び電気光学装置並びに電
子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、平面型の表示装置として、陽極と
陰極との間に発光層が挟持されたカラー表示装置、特に
発光材料として有機発光材料を用いた有機EL(エレク
トロルミネッセンス)装置の開発が行われている。この
有機EL装置は、ガラス基板等の透明基板上に、インジ
ウム・スズ酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、Sn
2(酸化スズ)等の透明導電材料からなる陽極、有機
EL材料からなる発光層、Al等の高融点金属材料や金
属化合物からなる陰極を順次積層したもので、この発光
層は、例えば、有機蛍光材料等の発光材料をインク化
し、当該インク(組成物)を基材上に吐出するインクジ
ェット法等により、発光材料のパターニングを行う方法
を採用して作製される。
【0003】この有機EL装置においては、発光素子か
ら基板側に発した光が、この基板を透過して基板の下側
(観測者側)に出射されるとともに、発光素子から基板
の反対側に発した光が陰極により反射されて前記基板を
透過し、この基板の下側(観測者側)に出射されるよう
になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の有機
EL装置の製造方法では、陰極を、Al等の高融点金属
材料を所定の一定の蒸着速度で蒸着することにより形成
しているが、蒸着に伴い発生する放射熱が発光素子に悪
影響を及ぼすおそれがあるという問題点があった。特
に、蒸着工程の初期の段階で、上記のような高融点金属
材料の蒸着速度を早い蒸着速度に設定した場合、発光層
に接する領域、あるいは発光層に非常に近い領域に熱が
加わり、発光層に熱的ダメージを与えるおそれがあると
いう問題点があった。この熱的ダメージは、最終的に得
られた有機EL装置の素子特性の悪化を招く可能性があ
ることから、出来るだけ小さくする必要がある。
【0005】また、Al、Ag等の高融点金属材料を蒸
着する際に、蒸着材料が蒸着源に多量に残存する状態で
蒸着源に高い電力を掛けた場合、突沸が生じ、成膜され
る陰極に熱的なダメージを与えるおそれがあるという問
題点があった。この突沸によるダメージは、発光素子の
特性を悪化させ、引いては、有機EL装置の信頼性を低
下させることになるために、早急に解決することが求め
られていた。
【0006】さらに、上記の基板は、透明ガラス等の熱
伝導率の悪い材料を用いているものであるから、特に高
融点金属材料を蒸着する際に、基板に加わった熱が散逸
されずに該基板内にこもってしまい、基板の温度が上昇
するという問題点があった。有機EL装置の場合、基板
の温度上昇は発光層の有機EL材料に熱的なダメージを
与えるために、EL素子に悪影響を及ぼすことになる。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あって、電極等の成膜の際に、成膜過程にて生じる放射
熱や蒸着源の突沸等を防ぐことで、これらの熱的ダメー
ジによる素子の特性低下を防止することができ、また、
成膜の際に基板に加わる熱を速やかに散逸させること
で、基板の温度上昇に起因する素子の特性低下を防止す
ることができる電気光学装置の製造方法と電子機器の製
造方法及び電気光学装置並びに電子機器を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は以下の構成を採用した。本発明の電気光
学装置の製造方法は、一対の電極間に発光層を有する発
光素子が基板上に形成されてなる電気光学装置の製造方
法であって、前記一対の電極のうち一方の電極を、段階
的に成膜速度を変化させることにより形成することを特
徴とする。
【0009】この電気光学装置の製造方法では、前記一
対の電極のうち一方の電極を、段階的に成膜速度を変化
させることにより形成することにより、成膜に伴い発生
する放射熱の量が減少し、成膜過程の薄膜に熱的ダメー
ジを与えるおそれがなくなる。これにより、成膜過程の
熱的ダメージによる素子特性の悪化を防止する。これ
は、特に成膜工程の初期の段階において顕著である。ま
た、特に、Al、Ag等の高融点金属材料を蒸着する際
には、蒸発源において突沸が生じるおそれがなくなり、
蒸着膜に熱的なダメージを与えるおそれがなくなる。
【0010】また、この電気光学装置の製造方法は、前
記一方の電極を、蒸着法により形成し、前記一方の電極
を形成する電極材料の蒸発速度を段階的に変化させるこ
とを特徴とする。
【0011】また、この電気光学装置の製造方法は、前
記一方の電極を、蒸着法により形成し、蒸発源と前記発
光層との間隔を段階的に変化させることにより蒸着速度
を段階的に変化させることを特徴とする。
【0012】また、この電気光学装置の製造方法は、前
記一方の電極を、膜厚方向に複数の領域に区分し、互い
に隣接する2つの領域における成膜速度を異ならせるこ
とを特徴とする。
【0013】また、本発明の他の電気光学装置の製造方
法は、一対の電極間に発光層を有する発光素子が基板の
一方の面に形成されてなる電気光学装置の製造方法であ
って、前記基板の他方の面に前記基板の熱伝導率より高
い放熱部材が配置された状態で、前記一対の電極のうち
一方の電極を形成することを特徴とする。
【0014】この電気光学装置の製造方法では、前記基
板の他方の面に前記基板の熱伝導率より高い放熱部材が
配置された状態で、前記一対の電極のうち一方の電極を
形成することにより、電極形成に伴い基板に加わる熱を
放熱部材により速やかに外部に散逸させ、基板内に熱が
こもるのを防止する。これにより、形成過程の電極に基
板側から熱が加わるおそれがなくなり、得られた素子に
熱的なダメージが生じるおそれがなくなる。
【0015】また、この電気光学装置の製造方法は、前
記放熱部材の少なくとも前記基板に接触する部分は、
銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金から選択
された少なくとも1種により構成されていることを特徴
とする。
【0016】本発明の電気光学装置は、上述したいずれ
かの電気光学装置の製造方法により製造されてなること
を特徴とする。
【0017】本発明の電子機器の製造方法は、一対の電
極間に発光層を有する発光素子が基板の一方の面に形成
されてなる電気光学装置と、前記電気光学装置を駆動す
るための駆動回路と、を有してなる電子機器の製造方法
であって、前記一対の電極のうち一方の電極を、段階的
に成膜速度を変化させることにより形成することを特徴
とする。
【0018】この電子機器の製造方法では、前記一対の
電極のうち一方の電極を、段階的に成膜速度を変化させ
ることにより形成することにより、成膜に伴い発生する
放射熱の量が減少し、成膜過程の薄膜に熱的ダメージを
与えるおそれがなくなる。これにより、成膜過程の熱的
ダメージによる素子特性の悪化を防止する。また、特
に、Al、Ag等の高融点金属材料を蒸着する際には、
蒸発源において突沸が生じるおそれがなくなり、蒸着膜
に熱的なダメージを与えるおそれがなくなる。
【0019】本発明の他の電子機器の製造方法は、一対
の電極間に発光層を有する発光素子が基板の一方の面に
形成されてなる電気光学装置と、前記電気光学装置を駆
動するための駆動回路と、を有してなる電子機器の製造
方法であって、前記基板の他方の面に前記基板の熱伝導
率より高い放熱部材が配置された状態で、前記一対の電
極のうち一方の電極を形成することを特徴とする。
【0020】この電子機器の製造方法では、前記基板の
他方の面に前記基板の熱伝導率より高い放熱部材が配置
された状態で、前記一対の電極のうち一方の電極を形成
することにより、電極形成に伴い基板に加わる熱を放熱
部材により速やかに外部に散逸させ、基板内に熱がこも
るのを防止する。これにより、形成過程の電極に基板側
から熱が加わるおそれがなくなり、得られた素子に熱的
なダメージが生じるおそれがなくなる。
【0021】本発明の電子機器は、上述したいずれかの
電子機器の製造方法により製造されてなることを特徴と
する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電気光学装置の製
造方法と電子機器の製造方法及び電気光学装置並びに電
子機器に係る各実施形態を図面を参照して説明する。本
実施形態では、電気光学装置として有機EL装置を例に
採り説明する。なお、図1〜図24において、各層や各
部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各
層や各部材に縮尺は実際のものとは異なるように表して
いる。
【0023】[第1の実施形態]以下、本発明の第1の
実施形態を図面を参照して説明する。図1は本実施形態
の有機EL装置の配線構造を示す模式図、図2は本実施
形態の有機EL装置の構造を示す図であり、図2(a)
は同平面図、図2(b)は図2(a)のA−A線に沿う
断面図である。
【0024】この有機EL装置1は、図1に示すよう
に、複数の走査線101、…と、各走査線101に対し
て直角に交差する方向に延びる複数の信号線102、…
と、各信号線102に並列に延びる複数の電源線10
3、…とがそれぞれ配線された構成を有するとともに、
走査線101と信号線102の各交点付近に、画素領域
Aが設けられている。
【0025】信号線102には、シフトレジスタ、レベ
ルシフタ、ビデオライン及びアナログスイッチを備える
データ側駆動回路104が接続されている。また、走査
線101には、シフトレジスタ及びレベルシフタを備え
る走査側駆動回路105が接続されている。更に、画素
領域A各々には、走査線101を介して走査信号がゲー
ト電極に供給されるスイッチング用の薄膜トランジスタ
112と、このスイッチング用の薄膜トランジスタ11
2を介して信号線102から共有される画素信号を保持
する保持容量113と、該保持容量113によって保持
された画素信号がゲート電極に供給される駆動用の薄膜
トランジスタ123と、この駆動用薄膜トランジスタ1
23を介して電源線103に電気的に接続したときに当
該電源線103から駆動電流が流れ込む画素電極(電
極)111と、この画素電極111と陰極(対向電極)
12との間に挟み込まれた機能層110とが設けられて
いる。画素電極111と陰極12と機能層110によ
り、発光素子が構成されている。
【0026】この有機EL装置1によれば、走査線10
1が駆動されてスイッチング用の薄膜トランジスタ11
2がオン状態になると、そのときの信号線102の電位
が保持容量113に保持され、該保持容量113の状態
に応じて、駆動用の薄膜トランジスタ123のオン・オ
フ状態が決まる。そして、駆動用の薄膜トランジスタ1
23のチャネルを介して、電源線103から画素電極1
11に電流が流れ、更に機能層110を介して陰極12
に電流が流れる。機能層110は、これを流れる電流量
に応じて発光する。
【0027】この有機EL装置1は、図2(a)及び図
2(b)に示すように、透明な基板2と、この基板2上
に形成されマトリックス状に配置された発光素子を備え
た発光素子部11とを具備している。この発光素子は、
画素電極111と陰極12と機能層110により構成さ
れている。基板2は、例えば、可視光に対して透明なガ
ラス等により構成され、この基板2の表面は、中央に位
置する略矩形状の表示領域2aと、基板2の周縁に位置
して表示領域2aを囲む非表示領域2bとに区画されて
いる。表示領域2aは、マトリックス状に配置された発
光素子によって形成される領域であり、この表示領域2
aの外側に形成される非表示領域2bには、表示領域2
aに隣接するダミー表示領域2dが形成されている。
【0028】また、図2(b)に示すように、発光素子
部11と基板2の間には回路素子部14が備えられ、こ
の回路素子部14に前述の走査線、信号線、保持容量、
スイッチング用の薄膜トランジスタ、駆動用の薄膜トラ
ンジスタ123等が備えられている。また、陰極12
は、その一端が陰極用配線12aに接続しており、この
陰極用配線12aの一端部が基板2の一端部に設けられ
たフレキシブル基板5上の配線5aに接続されている。
この配線5aは、フレキシブル基板5上に備えられた駆
動IC(駆動回路)6に接続されている。
【0029】また、回路素子部14の非表示領域2bに
は、前述の電源線103(103R、103G、103
B)が配線されている。また、この表示領域2aの図2
(a)中両側には、前述の走査側駆動回路105、10
5が配置されている。この走査側駆動回路105、10
5はダミー領域2dの下側の回路素子部14内に設けら
れている。更に回路素子部14内には、走査側駆動回路
105、105に接続される駆動回路用制御信号配線1
05aと駆動回路用電源配線105bとが設けられてい
る。更に、この表示領域2aの図2(a)中上側には検
査回路106が配置されている。この検査回路106に
より、製造途中や出荷時の表示装置の品質、欠陥の検査
を行うことができる。
【0030】また、発光素子部11上には封止部3が備
えられている。この封止部3は、図2(b)に示すよう
に、基板2の周囲に環状に形成された封止樹脂603
と、この封止樹脂603上に設けられた封止缶604と
から構成されている。封止樹脂603は、熱硬化型樹脂
あるいは紫外線硬化型樹脂等から構成されたもので、特
に、熱硬化型あるいは紫外線硬化型のエポキシ樹脂が好
適に用いられる。封止樹脂603は、例えば、液状もし
くは粘性のある熱硬化型樹脂あるいは紫外線硬化型樹脂
をマイクロディスペンサ等により塗布し、その後、ホッ
トプレート等を用いて加熱あるいは紫外線ランプ等によ
る紫外線照射により硬化させたものである。
【0031】封止缶604は、ガラス又は金属からなる
もので、封止樹脂603を介して基板2に接合されてお
り、その内側には表示素子10を収納する凹部604a
が形成されている。この凹部604aには、水、酸素等
を吸収するゲッター剤605が貼り付けられており、封
止缶604の内部に侵入した水、あるいは酸素等のガス
を吸収できるようになっている。なお、このゲッター剤
605は省略しても良い。これら封止樹脂603及び封
止缶604により、基板2と封止缶604の間から封止
缶604内部への水又は酸素の侵入を防き、陰極12ま
たは発光素子部11内に形成された図示略の発光層の酸
化や劣化を防止している。
【0032】次に、本実施形態の有機EL装置1の表示
領域について更に詳しく説明する。図3は、この有機E
L装置1の表示領域を示す拡大断面図であり、この図3
には3つの画素領域Aが図示されている。この有機EL
表示装置1は、基板2上に、TFTなどの回路等が形成
された回路素子部14、画素電極111と陰極12と機
能層110とを有する発光素子を備えた発光素子部11
が順次積層されて構成されている。
【0033】この有機EL装置1においては、機能層1
10から基板2側に発した光が、回路素子部14及び基
板2を透過して基板2の下側(観測者側)に出射される
とともに、機能層110から基板2の反対側に発した光
が陰極12により反射されて、回路素子部14及び基板
2を透過して基板2の下側(観測者側)に出射されるよ
うになっている。なお、陰極12に透明な材料を用いる
ことにより、発光する光を陰極12側から出射させるこ
とができる。透明な材料としては、例えば、インジウム
・スズ酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)等を用いる
事ができる。
【0034】また、発光素子部11は、複数の画素電極
111…上の各々に積層された機能層110と、各画素
電極111及び機能層110の間に備えられて各機能層
110を区画するバンク部112とを主体として構成さ
れ、この機能層110上には陰極12が配置され、これ
ら画素電極111、機能層110及び陰極12によって
発光素子部11が構成されている。ここで、画素電極1
11は、例えば、ITO等の透明導電材料により形成さ
れたもので、平面視略矩形にパターニングされて形成さ
れている。この画素電極111の膜厚は、50〜200
nmの範囲が好ましく、特に150nm程度の厚みがよ
い。
【0035】バンク部112は、図3に示すように、基
板2側に位置する無機物バンク層112aと、この無機
物バンク層112a上に積層されて該無機物バンク層1
12aより幅の狭い有機物バンク層112bとにより構
成されている。無機物バンク層112aは、その周縁部
が画素電極111の周縁部上に乗上げるように形成され
ている。平面的には、画素電極111の周囲と無機物バ
ンク層112aの周囲とが平面的に重なるように配置さ
れた構造となっている。また、有機物バンク層112b
も同様に、その一部が画素電極111の周縁部と平面的
に重なるように配置されている。
【0036】この無機物バンク層112aは、有機物バ
ンク層112bよりも画素電極111の中央側に更に形
成されている。このようにして、無機物バンク層112
aの各第1積層部112eが画素電極111の内側に形
成されることにより、画素電極111の形成位置に対応
する下部開口部112cが形成されている。有機物バン
ク層112bにも同様に、上部開口部112dが上記の
下部開口部112cに対応するように形成されている。
この上部開口部112dは、下部開口部112cより幅
が広く、画素電極111より幅が狭くなるように形成さ
れている。
【0037】無機物バンク層112aは、例えば、Si
2、TiO2等の無機材料が好適に用いられる。この無
機物バンク層112aの膜厚は、50〜200nmの範
囲が好ましく、特に150nmが好ましい。その理由
は、膜厚が50nm未満では、無機物バンク層112a
が後述する正孔注入/輸送層より薄くなり、正孔注入/
輸送層の平坦性を確保できなくなるからであり、また、
膜厚が200nmを越えると、下部開口部112cによ
る段差が大きくなって、正孔注入/輸送層上に積層する
後述の発光層の平坦性を確保できなくなるからである。
【0038】有機物バンク層112bは、耐熱性、耐溶
媒性を有する有機材料、例えば、アクリル樹脂、ポリイ
ミド樹脂等の耐熱性、耐溶媒性を有する材料が好適に用
いられる。この有機物バンク層112bの厚みは、0.
1〜3.5μmの範囲が好ましく、特に2μm程度が好
ましい。その理由は、厚みが0.1μm未満では、後述
する正孔注入/輸送層及び発光層の合計の厚みより有機
物バンク層112bの厚みが薄くなり、発光層が上部開
口部112dから溢れるおそれがあるからであり、ま
た、厚さが3.5μmを越えると、上部開口部112d
による段差が大きくなり、有機物バンク層112b上に
形成する陰極12のステップガバレッジを確保できなく
なるからである。なお、有機物バンク層112bの厚み
を2μm以上とすれば、駆動用の薄膜トランジスタ12
3との絶縁性を高めることができるので、より好まし
い。
【0039】このバンク部112には、親液性を示す領
域と、撥液性を示す領域が形成されている。親液性を示
す領域は、無機物バンク層112aの第1積層部112
e及び画素電極111の電極面111aであり、これら
の領域は、酸素を処理ガスとするプラズマ処理によって
表面処理されて親液性とされている。また、撥液性を示
す領域は、上部開口部112dの側面(壁面)及び有機
物バンク層112bの上面112fであり、これらの領
域は、4フッ化メタン、テトラフルオロメタン、もしく
は四フッ化炭素等を処理ガスとするプラズマ処理によっ
て表面がフッ化処理(撥液性処理)されて撥液性とされ
ている。
【0040】機能層110は、画素電極111上に積層
された正孔注入/輸送層110aと、この正孔注入/輸
送層110a上に形成された発光層110bとから構成
されている。なお、この発光層110b上に、他の機能
層を更に形成しても良い。例えば、電子輸送層を形成す
る事も可能である。正孔注入/輸送層110aは、正孔
を発光層110bに注入し、かつ、この注入された正孔
を該正孔注入/輸送層110a内において輸送する機能
を有する。このような正孔注入/輸送層110aを画素
電極111と発光層110bの間に形成することによ
り、発光層110bの発光効率、寿命等の素子特性を向
上させることができる。また、発光層110bでは、正
孔注入/輸送層110aから注入された正孔と、陰極1
2から注入された電子が励起子(exiton)を形成し、こ
の励起子が再結合することにより発光(EL)が得られ
る。
【0041】正孔注入/輸送層110aは、下部開口部
112c内に位置して画素電極111の電極面111a
上に形成される平坦部110a1と、上部開口部112
d内に位置して無機物バンク層112aの第1積層部1
12e上に形成される周縁部110a2とから構成され
ている。また、正孔注入/輸送層110aは、構造によ
っては、画素電極111上であって、かつ、下部開口部
110cにのみ形成された構成、すなわち平坦部110
a1のみの構成であってもよい。この平坦部110a1
は、その厚みが一定、例えば、50〜70nmの範囲の
厚みとされている。
【0042】発光層110bは、正孔注入/輸送層11
0aの平坦部110a1上及び周縁部110a2上に渡っ
て形成されており、平坦部112a1上での厚さが50
〜80nmの範囲とされている。発光層110bは、赤
色(R)に発光する赤色発光層110b1、緑色(G)
に発光する緑色発光層110b2、及び青色(B)に発
光する青色発光層110b3の3種類を有し、各発光層
110b1〜110b3がストライプ状に配置されてい
る。
【0043】また、有機物バンク層112bの上面11
2fが撥液性を示すので、吐出された液滴は選択的に画
素内にパターニングされる。なお、正孔注入/輸送層1
10aを形成するための材料としては、例えば、バイト
ロン−p(Bytron-p:バイエル社製)を用いることがで
きる。
【0044】また、発光層110bを構成する発光材料
としては、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公
知の発光材料を用いることができる。具体的には、(ポ
リ)フルオレン誘導体(PF)、(ポリ)パラフェニレ
ンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体
(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリ
ビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導
体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)等のポリシ
ラン系等が好適に用いられる。また、これらの高分子材
料に、ペリレン係色素、クマリン系色素、ローダミン系
色素等の高分子系材料、あるいは、ルブレン、ペリレ
ン、9,10-ジフェニルアントラセン、テトラフェニ
ルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリド
ン等の低分子材料をドープして用いることができる。
【0045】陰極12は、発光素子部11の全面に形成
されており、画素電極111と対になって機能層110
に電流を流す役割を果たす。この陰極12は、例えば、
カルシウム層とアルミニウム層とが積層されて構成され
ている。このとき、発光層に近い側の陰極には仕事関数
が小さいものを設けることが好ましく、特にこの形態に
おいては発光層110bに直接に接して発光層110b
に電流を注入する役割を果たす。
【0046】この陰極12は、発光層110bから発し
た光を基板2側に反射させる機能も有するもので、これ
を構成する材料としては、アルミニウム(Al)、銀
(Ag)等の光の反射率が高い高反射率材料が好適に用
いられる。この高反射率材料は、Al膜、Ag膜等の単
層の膜の他、AlとAgの積層膜等が好適に用いられ
る。また、その厚さは、例えば100〜1000nmの
範囲が好ましく、特に200nm程度の厚みが好適であ
る。更に、この膜の上に、SiO2、SiOxy等から
なる酸素及び水分透過防止用(ガスバリア用)の保護層
を設けても良い。
【0047】また、発光層の材料によっては効率よく発
光させるために、発光層110と陰極12との間にLi
F(フッ化リチウム)等のアルカリ金属あるいはアルカ
リ土類金属のフッ化物、酸化物、キレート錯体、または
電子輸送性を有する有機物を用いてもよい。このLiF
層の厚さは、例えば0.1〜5nmの範囲が好ましく、
また、Ca層の厚さは、例えば1〜50nmの範囲が好
ましい。この発光素子上には封止缶604が配置されて
いる。図2(b)に示すように、封止缶604は封止樹
脂603により接着されて有機EL装置1を形成してい
る。
【0048】次に、本実施形態の有機EL装置の製造方
法を図面を参照して説明する。本実施形態の有機EL装
置1の製造方法は、例えば、(1)バンク部形成工程、(2)
プラズマ処理工程、(3)正孔注入/輸送層形成工程、(4)
発光層形成工程、(5)対向電極形成工程、(6)封止工程の
計6工程により構成されている。なお、この製造方法
は、本実施形態に限られるものではなく、必要に応じて
その他の工程が除かれる場合、また追加される場合もあ
る。
【0049】(1) バンク部形成工程 バンク部形成工程は、基板2の所定の位置にバンク部1
12を形成する工程である。バンク部112は、第1の
バンク層として無機物バンク層112aが形成され、第
2のバンク層として有機物バンク層112bが形成され
た構造である。以下に形成方法について説明する。
【0050】(1)-1 無機物バンク層112aの形成 まず、図4に示すように、基板2上の所定の位置に無機
物バンク層112aを形成する。無機物バンク層112
aが形成される位置は、第2層間絶縁膜144b上及び
画素電極111上である。なお、第2層間絶縁膜144
bは薄膜トランジスタ、走査線、信号線、等が配置され
た回路素子部14上に形成されている。無機物バンク層
112aは、例えば、SiO2、TiO2等の無機物膜を
材料として用いることができる。これらの材料は、例え
ば、CVD法、コート法、スパッタ法、蒸着法等によっ
て形成される。この無機物バンク層112aの膜厚は5
0〜200nmの範囲が好ましく、特に150nmがよ
い。
【0051】この無機物バンク層112aは、第2層間
絶縁膜144b上及び画素電極111上の全面に無機物
膜を形成し、その後、この無機物膜をフォトリソグラフ
ィ法等によりパターニングすることにより、開口部を有
する無機物バンク層112aが形成される。この開口部
は、画素電極111の電極面111aの形成位置に対応
するもので、図4に示すように、下部開口部112cと
して形成される。このとき、無機物バンク層112a
は、その周縁部の一部が画素電極111の周縁部の一部
と重なるように形成される。図4に示すように、画素電
極111の周縁部の一部と無機物バンク層112aの周
縁部の一部とが重なるように無機物バンク層112aを
形成することにより、発光層110の発光領域を制御す
ることができる。
【0052】(1)-2 有機物バンク層112bの形成 次いで、図5に示すように、無機物バンク層112a上
に、第2のバンク層としての有機物バンク層112bを
形成する。有機物バンク層112bは、例えば、アクリ
ル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶剤性を有する
有機樹脂を材料として用いることができる。この有機物
バンク層112bは、無機物バンク層112a上及び画
素電極111上の全面に有機樹脂膜を形成し、その後、
この有機樹脂膜をフォトリソグラフィ法等によりパター
ニングすることにより、開口部を有する有機物バンク層
112bが形成される。この開口部は、パターニングす
る際に、電極面111a及び下部開口部112cに対応
する位置に上部開口部112dとして形成される。
【0053】このように、有機物バンク層112bに形
成された上部開口部112dと、無機物バンク層112
aに形成された下部開口部112cとを連通させること
により、無機物バンク層112a及び有機物バンク層1
12bを貫通する開口部112gが形成される。なお、
有機物バンク層112bの厚さは、0.1〜3.5μm
の範囲が好ましく、特に2μm程度の厚みが好ましい。
有機物バンク層112bの厚みをこのような範囲に限定
した理由は以下の通りである。
【0054】すなわち、厚さが0.1μm未満では、有
機物バンク層112bの厚みが、後述する正孔注入/輸
送層110a及び発光層110bの合計の厚みより薄く
なり、発光層110bが上部開口部112dから溢れて
しまうおそれがあるからであり、また、厚さが3.5μ
mを越えると、上部開口部112dによる段差が大きく
なり、上部開口部112dにおける陰極12のステップ
ガバレッジが確保できなくなるからである。また、有機
物バンク層112bの厚さを2μm以上とすれば、陰極
12と駆動用の薄膜トランジスタ123との絶縁性を高
めることができるので好ましい。
【0055】(2) プラズマ処理工程 このプラズマ処理工程は、画素電極111の表面を活性
化処理すること、更にバンク部112の表面を表面処理
することを目的として行われる。特に、活性化処理工程
は、画素電極111を構成する材料であるITOの表面
洗浄、更に仕事関数の調整を主な目的として行われる。
また、表面処理工程は、画素電極111の表面の親液化
処理、及びバンク部112の表面の撥液化処理を主な目
的として行われる。このプラズマ処理工程は、例えば、
(2)-1予備加熱工程、(2)-2活性化処理工程(親液化工
程)、(2)-3撥液化処理工程(撥液化工程)、及び(2)-4
冷却工程とに大別される。なお、このような工程に限ら
れるものではなく、必要に応じて工程を削減、更なる工
程追加も行われる。
【0056】ここで、このプラズマ処理工程において用
いられるプラズマ処理装置について図6に基づき説明す
る。このプラズマ処理装置50は、予備加熱処理室5
1、第1プラズマ処理室52、第2プラズマ処理室5
3、冷却処理室54、これらの各処理室51〜54に基
板2を搬送する搬送装置55とから構成されている。各
処理室51〜54は、搬送装置55を中心として放射状
に配置されている。
【0057】まず、このプラズマ処理装置を用いて行わ
れるプラズマ処理工程の概略を説明する。予備加熱工程
は、図6に示す予備加熱処理室51において行われる。
そして、この処理室51により、バンク部形成工程から
搬送された基板2を所定の温度に加熱する。予備加熱工
程の後、親液化工程及び撥液化処理工程を行う。この予
備加熱処理室51では、バンク部形成工程から搬送され
てきた基板2を所定の温度に加熱する。この予備加熱工
程の後、活性化処理工程を第1プラズマ処理室52にて
行う。この第1プラズマ処理室52では、搬送装置55
を用いて予備加熱処理室51から搬送された基板2の画
素電極111及びバンク部112それぞれの表面にプラ
ズマ処理を施し親液化する。
【0058】この活性化処理工程の後に、撥液化処理工
程を第2プラズマ処理室53にて行う。この第2プラズ
マ処理室53では、搬送装置55を用いて第1プラズマ
処理室52から搬送された親液化後の基板2のバンク部
112の表面にプラズマ処理を施し撥液化する。この撥
液化処理工程の後に、基板2を冷却処理室54に搬送
し、室温まで冷却する。この冷却工程後、搬送装置55
により次の工程である正孔注入/輸送層形成工程へ基板
を搬送する。
【0059】以下、それぞれの工程について詳細に説明
する。 (2)-1 予備加熱工程 予備加熱工程は、次の工程に合わせて基板2を事前に加
熱し、基板2の温度ばらつきを解消することを目的とし
て行う工程であり、予備加熱処理室51において行われ
る。この処理室51においては、画素電極111及びバ
ンク部112を含む基板2を所定の温度まで加熱する。
基板2の加熱方法は、例えば、予備加熱処理室51内に
配置された基板2載置用のステージにヒーターを取り付
け、このヒーターで当該ステージごと基板2を加熱する
方法が採られている。
【0060】この予備加熱工程では、基板2を、例え
ば、70℃〜80℃の範囲の温度に加熱する。この温度
範囲は、次工程であるプラズマ処理工程における処理温
度であり、次の工程に合わせて基板2を事前に加熱し、
基板2の温度ばらつきを解消することを目的としてい
る。仮に、予備加熱工程を加えなければ、基板2は室温
から上記の温度に急速に加熱されることになり、工程開
始から工程終了までのプラズマ処理工程中において温度
が常に変動しながら処理されることになる。したがっ
て、基板温度が大きく変化する状態でプラズマ処理を施
すことは、有機EL素子の特性の不均一につながる可能
性があるために、処理条件を一定に保ち、均一な特性を
得るために予備加熱を行うのである。
【0061】この予備加熱温度は、以降の工程、すなわ
ち第1プラズマ処理装置52内の試料ステージ上に基板
2を載置した状態で親液化処理を行い、第2プラズマ処
理装置53内の試料ステージ上に基板2を載置した状態
で撥液化処理を行う場合に、図7に示すような親液化処
理工程及び撥液化処理工程を連続して行う試料ステージ
56の温度にほぼ一致させることが好ましい。そこで、
予め、基板2を、例えば第1,第2プラズマ処理装置5
2,53内を相互に移動可能な試料ステージ56の温
度、例えば70〜80℃まで予備加熱することにより、
多数の基板にプラズマ処理を連続的に行った場合でも、
処理開始直後と処理終了直前でのプラズマ処理条件をほ
ぼ一定にすることができる。これにより、基板2の表面
処理条件を同一にし、バンク部112の組成物に対する
濡れ性を均一化することができ、一定の品質を有する有
機EL装置を製造することができる。また、基板2を予
め予備加熱しておくことにより、後のプラズマ処理にお
ける処理時間を短縮することができる。
【0062】(2)-2 活性化処理工程 活性化処理工程は、画素電極111における仕事関数の
調整、制御、その表面の洗浄、その表面の親液化工程が
含まれる。親液化工程として、大気雰囲気中で酸素を処
理ガスとするO2プラズマ処理を行う。図7には、この
2プラズマ処理を模式的に示している。図7に示すよ
うに、バンク部112を含む基板2を加熱ヒータを内蔵
した試料ステージ56上に載置し、プラズマ放電電極5
7をギャップ間隔0.5〜2mm程度の距離をおいて基
板2の上面に対向して配置し、試料ステージ56内の加
熱ヒータに通電して、この試料ステージ56上の基板2
を加熱しつつ、この試料ステージ56を図示矢印方向に
向けて所定の搬送速度で搬送し、この搬送の間に、プラ
ズマ放電電極57により基板2に対してプラズマ状態の
酸素を照射する。
【0063】このO2プラズマ処理の条件は、例えば、
プラズマパワー:100〜800kW、酸素ガス流量:
50〜100ml/分、基板搬送速度:0.5〜10m
m/秒、基板温度:70〜90℃の条件下で行われる。
なお、試料ステージ56による加熱は、主として予備加
熱された基板2の保温のために行われる。このO2プラ
ズマ処理により、図8に示すように、画素電極111の
電極面111a、無機物バンク層112aの第1積層部
112e及び有機物バンク層112bの上部開口部11
2dの側面ならびに上面112fが親液処理される。こ
の親液処理により、これらの各面に水酸基を導入するこ
とで親液性が付与される。図8では、親液処理された部
分を一点鎖線で示している。
【0064】(2)-3 撥液処理工程 次に、第2プラズマ処理室53では、撥液化工程とし
て、大気雰囲気中でテトラフルオロメタン(四フッ化メ
タン:CF4)を処理ガスとするプラズマ処理(CF4
ラズマ処理)を行う。第2プラズマ処理室53の内部構
造は、図7に示した第1プラズマ処理室52の内部構造
と同様である。即ち、基板2は、試料ステージによって
加熱されつつ、試料ステージごと所定の搬送速度で搬送
され、その間に基板2に対してプラズマ状態のテトラフ
ルオロメタン(四フッ化メタン:CF4)が照射され
る。
【0065】CF4プラズマ処理の条件は、例えば、プ
ラズマパワー:100〜800kW、CF4ガス流量:
50〜100ml/min、基板搬送速度:0.5〜1
0mm/sec、基板温度:70〜90℃の条件で行わ
れる。なお、加熱ステージによる加熱は、第1プラズマ
処理室52の場合と同様に、主として予備加熱された基
体2の保温のために行われる。なお、処理ガスは、テト
ラフルオロメタン(四フッ化メタン)に限らず、他のフ
ルオロカーボン系のガスを用いることができる。
【0066】このCF4プラズマ処理により、図9に示
すように、上部開口部112dの側面及び有機物バンク
層の上面112fが撥液処理される。この撥液処理によ
り、これらの各面にフッ素基が導入されて撥液性が付与
される。図9では、撥液性を示す領域を二点鎖線で示し
ている。有機物バンク層112bを構成するアクリル樹
脂、ポリイミド樹脂等の有機物はプラズマ状態のフルオ
ロカーボンが照射することで容易に撥液化させることが
できる。また、O2プラズマにより前処理した方がフッ
素化されやすい、という特徴を有しており、本実施形態
には特に有効である。尚、画素電極111の電極面11
1a及び無機物バンク層112aの第1積層部112e
もこのCF4プラズマ処理の影響を多少受けるが、濡れ
性に影響を与える事は少ない。図9では、親液性を示す
領域を一点鎖線で示している。
【0067】(2)-4 冷却工程 次に、冷却工程として、冷却処理室54を用い、プラズ
マ処理のために加熱された基板2を管理温度まで冷却す
る。これは、この以降の工程であるインクジェット工程
(機能層形成工程)の管理温度まで冷却するために行う
工程である。この冷却処理室54は、基板2を配置する
ためのプレートを有し、そのプレートは基板2を冷却す
るように水冷装置が内蔵された構造となっている。ま
た、プラズマ処理後の基板2を室温、または所定の温度
(例えばインクジェット工程を行う管理温度)まで冷却
することにより、次の正孔注入/輸送層形成工程におい
て、基板2の温度が一定となり、基板2の温度変化が無
い均一な温度で次工程を行うことができる。したがっ
て、このような冷却工程を加えることにより、インクジ
ェット法等の吐出手段により吐出された材料を均一に形
成できる。例えば、正孔注入/輸送層を形成するための
材料を含む第1組成物を吐出させる際に、第1組成物を
一定の容積で連続して吐出させることができ、正孔注入
/輸送層を均一に形成することができる。
【0068】上記のプラズマ処理工程では、材質が異な
る有機物バンク層112b及び無機物バンク層112a
に対して、O2プラズマ処理とCF4プラズマ処理とを順
次行うことにより、バンク部112に親液性の領域と撥
液性の領域を容易に設けることができる。なお、プラズ
マ処理工程に用いるプラズマ処理装置は、図6に示した
ものに限られず、例えば図10に示すようなプラズマ処
理装置60を用いてもよい。図10に示すプラズマ処理
装置60は、予備加熱処理室61と、第1プラズマ処理
室62と、第2プラズマ処理室63と、冷却処理室64
と、これらの各処理室61〜64に基体2を搬送する搬
送装置65とから構成され、各処理室61〜64が、搬
送装置65の搬送方向両側(図中矢印方向両側)に配置
されてなるものである。
【0069】このプラズマ処理装置60では、図6に示
したプラズマ処理装置50と同様に、バンク部形成工程
から搬送された基板2を、予備加熱処理室61、第1、
第2プラズマ処理室62,63、冷却処理室64に順次
搬送して各処理室にて上記と同様な処理を行った後、基
板2を次の正孔注入/輸送層形成工程に搬送する。ま
た,上記プラズマ処理は、大気圧下でなくとも、真空下
あるいは減圧下で行っても良い。
【0070】(3) 正孔注入/輸送層形成工程 次に、正孔注入/輸送層形成工程として、電極(ここで
は画素電極111)上に正孔注入/輸送層を形成する。
正孔注入/輸送層形成工程では、液滴吐出としてたとえ
ばインクジェット装置を用いることにより、正孔注入/
輸送層形成材料を含む第1組成物(組成物)を電極面1
11a上に吐出する。その後に乾燥処理及び熱処理を行
い、画素電極111上及び無機物バンク層112a上に
正孔注入/輸送層110aを形成する。なお、正孔注入/
輸送層110aが形成された無機物バンク層112aを
ここでは第1積層部112eという。
【0071】この正孔注入/輸送層形成工程を含めこれ
以降の工程は、水、酸素の無い雰囲気とする事が好まし
い。例えば、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の不活性ガ
ス雰囲気で行うことが好ましい。なお、正孔注入/輸送
層110aは第1積層部112e上に形成されないこと
もある。すなわち、画素電極111上にのみ正孔注入/
輸送層が形成される形態もある。インクジェットによる
製造方法は以下の通りである。
【0072】本実施形態の有機EL装置の製造方法に好
適に用いられるインクジェットヘッドの一例として、図
11のようなヘッドHを例示できる。このヘッドHは図
11に示すように、複数のインクジェットヘッドH1
と、これらのインクジェットヘッドH1を支持する支持
基板H7を主として構成されている。更に、基体と上記
のヘッドHの配置に関しては図12のように配置するこ
とが好ましい。図12に示すインクジェット装置におい
て、符号1115は基体2を載置するステージであり、
符号1116はステージ1115を図中x軸方向(主走
査方向)に案内するガイドレールである。またヘッドH
は、支持部材1111を介してガイドレール1113に
より図中y軸方向(副走査方向)に移動できるようにな
っており、更にヘッドHは図中θ軸方向に回転できるよ
うになっており、インクジェットヘッドH1を主走査方
向に対して所定の角度に傾けることができるようになっ
ている。
【0073】図12に示す基板2は、マザー基板に複数
のチップを配置した構造となっている。即ち、1チップ
の領域が1つの表示装置に相当する。ここでは、3つの
表示領域2aが形成されているが、これに限られるもの
ではない。例えば、基板2上の左側の表示領域2aに対
して組成物を塗布する場合は、ガイドレール1113を
介してヘッドHを図中左側に移動させるとともに、ガイ
ドレール1116を介して基体2を図中上側に移動さ
せ、基体2を走査させながら塗布を行う。次に、ヘッド
Hを図中右側に移動させて基体の中央の表示領域2aに
対して組成物を塗布する。右端にある表示領域2aに対
しても前記と同様である。尚、図11に示すヘッドH及
び図12に示すインクジェット装置は、正孔注入/輸送
層形成工程のみならず、発光層形成工程に用いて良い。
【0074】ここで用いる第1組成物としては、例え
ば、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等
のポリチオフェン誘導体とポリスチレンスルホン酸(P
SS)等の混合物を極性溶媒に溶解させた組成物を用い
ることができる。極性溶媒としては、例えば、イソプロ
ピルアルコール(IPA)、n−ブチルアルコール、γ
−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン(NMP)、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)及
びその誘導体、カルビトールアセテート、ブチルカルビ
トールアセテート等のグリコール類等を挙げることがで
きる。
【0075】より具体的な第1組成物の組成としては、
PEDIT/PSS混合物(PEDIT/PSS=1:
20):12.52重量%、PSS:1.44重量%、
IPA:10重量%、NMP:27.48重量%、DM
I:50重量%のものを例示できる。尚、第1組成物の
粘度は2〜20Ps程度が好ましく、特に4〜15cP
s程度が良い。上記の第1組成物を用いることにより、
吐出ノズルH2に詰まりが生じることがなく安定吐出で
きる。なお、正孔注入/輸送層形成材料は、赤(R)、
緑(G)、青(B)の各発光層110b1〜110b3に
対して同じ材料を用いても良く、各発光層毎に変えても
良い。
【0076】図13に示すように、吐出された第1組成
物の液滴110cは、最終的には親液処理された電極面
111a及び第1積層部112e上に広がり、下部、上
部開口部112c、112d内に充填される。仮に、第
1組成物の液滴110cが所定の吐出位置からはずれて
上面112f上に吐出されたとしても、上面112fが
第1組成物滴110cで濡れることがなく、はじかれた
第1組成物滴110cが下部、上部開口部112c、1
12d内に転がり込む。
【0077】電極面111a上に吐出する第1組成物の
全量は、下部、上部開口部112c、112dの大き
さ、形成しようとする正孔注入/輸送層の厚さ、第1組
成物中の正孔注入/輸送層形成材料の濃度等により決定
される。
【0078】次いで、図14に示すような乾燥工程を行
う。乾燥工程を行う事により、吐出後の第1組成物を乾
燥処理し、第1組成物に含まれる極性溶媒を蒸発させ、
正孔注入/輸送層110aを形成する。乾燥処理を行う
と、第1組成物滴110cに含まれる極性溶媒の蒸発
が、主に無機物バンク層112a及び有機物バンク層1
12bに近いところで起き、極性溶媒の蒸発に併せて正
孔注入/輸送層形成材料が濃縮されて析出する。これに
より図15に示すように、第1積層部112e上に、正
孔注入/輸送層形成材料からなる周縁部110a2が形
成される。この周縁部110a2は、上部開口部112
dの壁面(有機物バンク層112b)に密着しており、
その厚さが電極面111aに近い側では薄く、電極面1
11aから離れた側、即ち有機物バンク層112bに近
い側で厚くなっている。
【0079】また、これと同時に、乾燥処理によって電
極面111a上でも極性溶媒の蒸発が起き、これにより
電極面111a上に正孔注入/輸送層形成材料からなる
平坦部110a1が形成される。電極面111a上では
極性溶媒の蒸発速度がほぼ均一であるため、正孔注入/
輸送層の形成材料が電極面111a上で均一に濃縮さ
れ、これにより均一な厚さの平坦部110aが形成され
る。このようにして、周縁部110a2及び平坦部11
0a1からなる正孔注入/輸送層110aが形成され
る。なお、周縁部110a2には形成されず、電極面1
11a上のみに正孔注入/輸送層が形成される形態であ
っても構わない。
【0080】上記の乾燥処理は、例えば、窒素雰囲気
中、室温で、圧力を例えば133.3Pa(1Tor
r)程度にして行う。圧力が低すぎると第1組成物滴1
10cが突沸してしまうので好ましくない。また、温度
を室温以上にすると、極性溶媒の蒸発速度が高まり、平
坦な膜を形成する事ができない。乾燥処理後は、窒素
中、好ましくは真空中で200℃で10分程度加熱する
熱処理を行うことで、正孔注入/輸送層110a内に残
存する極性溶媒や水を除去することが好ましい。
【0081】(4) 発光層形成工程 この発光層形成工程は、発光層形成材料吐出工程および
乾燥工程により構成される。まず、発光層形成材料吐出
工程を行う。インクジェット法(液滴吐出法)により、
発光層形成材料を含む第2組成物を正孔注入/輸送層1
10a上に吐出した後に乾燥処理して、正孔注入/輸送
層110a上に発光層110bを形成する。図15に、
インクジェットによる吐出方法の概略を示す。図15に
示すように、インクジェットヘッドH5と基体2とを相
対的に移動し、インクジェットヘッドに形成された吐出
ノズルH6から各色(たとえばここでは青色(B))発
光層形成材料を含有する第2組成物が吐出される。
【0082】吐出の際には、下部、上部開口部112
c、112d内に位置する正孔注入/輸送層110aに
吐出ノズルを対向させ、インクジェットヘッドH5と基
体2とを相対移動させながら、第2組成物が吐出され
る。吐出ノズルH6から吐出される液量は1滴当たりの
液量が制御されている。このように液量が制御された液
(第2組成物滴110e)が吐出ノズルから吐出され、
この第2組成物滴110eを正孔注入/輸送層110a
上に吐出する。発光層形成工程は、正孔注入/輸送層形
成工程と同様に、最初の液滴をバンク部112に当てる
ように吐出する。2つ目の液滴は、1つ目の液滴と重な
るように吐出しても良いし、間隔を空けて吐出しても良
い。更に1つの画素領域に対し、2回の走査に分けても
良い。
【0083】即ち、図15に示すように、1つの開口部
112gに対して吐出する最初の第2組成物の液滴は、
有機質バンク層112bの傾斜した壁面112hに接触
させるように吐出する。有機質バンク層112bの壁面
112hは先の撥液化工程によって撥液性に処理されて
いるので、吐出された液滴は壁面112hに接触するも
のの直ちにはじかれ、この壁面112h上を転がって正
孔注入/輸送層110a上に転がり落ちる。なお、この
最初の液滴は、有機質バンク層112bの壁面112h
の少なくとも一部に接触すれば良く、壁面112hと同
時に有機物バンク層の上面112fに接するように吐出
しても構わない。
【0084】続いて、2つ目以降の液滴は、図15と同
様に、直前の液滴と重なり合わない程度の間隔を空けて
吐出する。即ち、各液滴の滴下時の間隔Dを、各液滴の
直径dより広くする(D>d)ことが好ましい。尚、こ
の場合は1回の走査で吐出できる液滴の数が限られるの
で、十分な膜厚の発光層112bを形成するためには、
1つの画素領域Aに対するインクジェットヘッドH5の
走査を複数回行うことが好ましい。
【0085】また、図15と同様に、2つ目以降の液滴
を、直前の液滴と重なり合う程度の間隔で吐出してもよ
い。即ち、各液滴の滴下時の間隔Dを、各液滴の直径d
より狭く(D<d)しても良い。尚、この場合は1回の
走査で吐出できる液滴の数に制限がないので、十分な膜
厚の発光層112bを形成するために、1つの画素領域
Aに対するインクジェットヘッドH5の走査を1回とし
てもよく、複数回としてもよい。インクジェットヘッド
H5の走査を複数回行う場合は、前述と同様に、各走査
回毎にインクジェットヘッドH5を副走査方向にシフト
させ、特定のノズルから別のノズルに切り替えて吐出を
行うことが好ましい。このように一つの画素領域Aに対
して複数のノズルを用いて吐出を行った場合は、上記と
同様に、誤差拡散の効果により各画素領域A毎に形成さ
れる発光層112bの膜厚を均一にできる。
【0086】特に、1つの画素領域Aに対するインクジ
ェットヘッドH5の走査を2回で行うとした場合は、1
回目と2回目の走査方向を反対方向としても良く、同じ
方向としてもよい。1,2回目の走査方向を反対方向と
した場合は、1回目の走査で画素領域Aの半分の領域ま
で第1組成物を吐出し、2回目の走査で残りの半分の領
域に吐出すればよい。また、1回目の走査により形成さ
れた領域をうめるように、2回目の走査を行うこともで
きる。更に、1,2回目の走査方向を同一方向とした場
合は、1回目の走査で各液滴同士が接触しない程度に間
隔を空けて吐出し、2回目の走査で吐出済みの液滴の間
を埋めるように吐出すればよい。もちろん、1つの画素
領域を2つの領域に分けて吐出を行うことも可能であ
る。
【0087】発光層形成材料としては、(ポリ)フルオ
レン系高分子誘導体や、(ポリ)パラフェニレンビニレ
ン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリビニルカルバゾ
ール、ポリチオフェン誘導体、ペリレン係色素、クマリ
ン系色素、ローダミン系色素、あるいは上記高分子に有
機EL材料をドープして用いる事ができる。例えば、ル
ブレン、ペリレン、9,10-ジフェニルアントラセ
ン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリ
ン6、キナクリドン等をドープすることにより用いるこ
とができる。
【0088】非極性溶媒としては、正孔注入/輸送層1
10aに対して不溶なものが好ましく、例えば、シクロ
へキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチ
ルベンゼン、テトラメチルベンゼン等を用いることがで
きる。このような非極性溶媒を発光層110bの第2組
成物に用いることにより、正孔注入/輸送層110aを
再溶解させることなく第2組成物を塗布できる。
【0089】図15に示すように、吐出された第2組成
物110eは、正孔注入/輸送層110a上に広がって
下部、上部開口部112c、112d内に満たされる。
その一方で、撥液処理された上面112fでは第1組成
物滴110eが所定の吐出位置からはずれて上面112
f上に吐出されたとしても、上面112fが第2組成物
滴110eで濡れることがなく、第2組成物滴110e
が下部、上部開口部112c、112d内に転がり込
む。
【0090】各正孔注入/輸送層110a上に吐出する
第2組成物量は、下部、上部開口部112c、112d
の大きさ、形成しようとする発光層110bの厚さ、第
2組成物中の発光層材料の濃度等により決定される。ま
た、第2組成物110eは1回のみならず、数回に分け
て同一の正孔注入/輸送層110a上に吐出しても良
い。この場合、各回における第2組成物の量は同一でも
良く、各回毎に第2組成物の液量を変えても良い。更に
正孔注入/輸送層110aの同一箇所のみならず、各回
毎に正孔注入/輸送層110a内の異なる箇所に第2組
成物を吐出配置しても良い。
【0091】次に、第2の組成物を所定の位置に吐出し
終わった後、吐出後の第2組成物滴110eを乾燥処理
することにより発光層110b3が形成される。すなわ
ち、乾燥により第2組成物に含まれる非極性溶媒が蒸発
し、図16に示すような青色(B)発光層110b3が
形成される。なお、図16においては青に発光する発光
層が1つのみ図示されているが、図1やその他の図より
明らかなように本来は発光素子がマトリックス状に形成
されたものであり、図示しない多数の発光層(青色に対
応)が形成されている。
【0092】続けて、図17に示すように、前述した青
色(B)発光層110b3の場合と同様の工程を用い、
赤色(R)発光層110b1を形成し、最後に緑色
(G)発光層110b2を形成する。なお、発光層11
0bの形成順序は、前述の順序に限られるものではな
く、どのような順番で形成しても良い。例えば、発光層
形成材料に応じて形成する順番を決める事も可能であ
る。
【0093】また、発光層の第2組成物の乾燥条件は、
青色110b3の場合、例えば、窒素雰囲気中、室温で
圧力を133.3Pa(1Torr)程度として5〜1
0分行う条件とする。圧力が低すぎると第2組成物が突
沸してしまうので好ましくない。また、温度を室温以上
にすると、非極性溶媒の蒸発速度が高まり、発光層形成
材料が上部開口部112d壁面に多く付着してしまうの
で好ましくない。また緑色発光層110b2、および赤
色発光層b1の場合、発光層形成材料の成分数が多いた
めに素早く乾燥させることが好ましく、例えば、40℃
で窒素の吹き付けを5〜10分行う条件とするのがよ
い。その他の乾燥の手段としては、遠赤外線照射法、高
温窒素ガス吹付法等を例示できる。このようにして、画
素電極111上に正孔注入/輸送層110a及び発光層
110bが形成される。
【0094】(5)対向電極(陰極)形成工程 対向電極形成工程は、図18に示すように、発光層11
0b及び有機物バンク層112bの全面に陰極12(対
向電極)を形成する。この陰極12を構成する材料(対
向電極材料)としては、Al、Ag等の高融点金属が好
適に用いられる。また、その厚さは、例えば100〜1
000nmの範囲が好ましく、特に200〜500nm
程度がよい。この陰極材料は、蒸着法、スパッタ法、C
VD法等、各種の成膜方法を用いて成膜することができ
るが、熱による発光層110bの損傷を防止することが
できる点で、蒸着法が特に好ましい。
【0095】蒸着法により陰極材料を成膜する場合、発
光層110b及び有機物バンク層112bへの熱的ダメ
ージを軽減するために、また、蒸着物の突沸(スプラッ
シュ)を防ぐために、陰極材料の蒸着速度を変化させ
る。図19は、膜厚に対する蒸着速度の制御の一例を示
す図であり、この図では、蒸着時期を3つの領域に区分
し、それぞれの領域に対応して蒸着速度を設定してい
る。具体的には、蒸着初期、例えば、膜厚が0〜100
Åの間は1Å/secの低速で蒸着し、蒸着中期、例え
ば、膜厚が100〜300Åの間は4Å/secの中速
で蒸着し、蒸着後期、例えば、膜厚が300Å〜目的膜
厚の間は6Å/secの高速で蒸着する。
【0096】蒸着速度を変化させる方法としては、例え
ば、膜厚センサ等を用いて成膜しつつある薄膜の膜厚を
モニタリングし、この膜厚の測定値に対応して陰極材料
の蒸発源を加熱するヒーターの電力(電圧もしくは電
流)を制御し、蒸発源からの陰極形成材料の蒸発量を変
化させる方法が採られる。また、蒸発源と基板2との間
隔を可変することで、陰極材料の蒸着速度、すなわち膜
厚の成膜速度を変化させる方法を採ることもできる。こ
の場合、予め蒸発源または基板2、あるいはこれら双方
を相対移動可能な構造としておき、蒸発源(または基板
2)を基板2(または蒸発源)に対して段階的に近づけ
ることで、陰極材料の蒸着速度を変化させることができ
る。
【0097】この制御方法では、陰極材料を成膜する際
の蒸着速度を段階的に制御、すなわち蒸着初期では蒸着
速度を低速とし、蒸着が進行するにしたがって蒸着速度
を段階的に速めるので、特に蒸着初期における放射熱の
量が減少し、発光層110b及び有機物バンク層112
bへの熱的ダメージを防止することができる。したがっ
て、この熱的ダメージによる素子特性の悪化を防止する
ことができる。また、Al、Ag等の高融点金属材料を
蒸着する際、蒸発源に多量の蒸着材料が残存する状態で
あっても、必要以上の電力を引加することがなくなるの
で、蒸発源において突沸が生じるのを防止することがで
き、蒸着される陰極材料への熱的なダメージを防止する
ことができる。
【0098】なお,陰極12は複数の材料を積層した多
層構造としてもよい。例えば、発光層に近い側にCa、
Ba等の仕事関数が小さい材料からなる導電層を形成し
た構成としてもよい。また、材料によっては、陰極12
の下方にLiF等からなる薄層を形成してもよい。この
LiF薄層は、発光層110b上のみに形成しても良
く、更に所定の色に対応して形成することもできる。例
えば、青色(B)発光層110b3上のみに形成しても
良い。また、陰極12上に、酸化防止のためにSi
2、Si34等の保護層を設けても良い。
【0099】(6)封止工程 封止工程は、発光素子が形成された基板2と封止基板3
bとを封止樹脂3aにより封止する工程である。例え
ば、熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂からなる封止
樹脂3aを基板2の全面に塗布し、封止樹脂3a上に封
止用基板3bを積層する。この工程により基板2上に封
止部3を形成する。封止工程は、窒素、アルゴン、ヘリ
ウム等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。大気
中で行うと、陰極12にピンホール等の欠陥が生じてい
た場合にこの欠陥部分から水や酸素等が陰極12に侵入
して陰極12が酸化されるおそれがあるので好ましくな
い。更に、図2に例示した基板5の配線5aに陰極12
を接続するとともに、駆動IC6に回路素子部14の配
線を接続することにより、本実施形態の有機EL装置1
が得られる。
【0100】本実施形態の有機EL装置の製造方法によ
れば、発光層上に陰極を形成する際に、陰極材料を蒸着
する際の蒸着速度を低速から、中速、高速へと段階的に
変化させるので、蒸着に伴い発生する放射熱の量を減少
させることができ、蒸着過程において発光層等の薄膜へ
の熱的ダメージを防止することができ、蒸着過程の熱的
ダメージによる素子特性の悪化を防止することができ
る。また、Al、Ag等の高融点金属材料を蒸着する際
においても、蒸発源は蒸着速度に対応させて段階的に加
熱されるので、突沸等が生じるおそれがなくなり、陰極
等の蒸着膜に熱的なダメージを与えるおそれがない。
【0101】[第2の実施形態]以下、本発明の第2の
実施形態を図面を参照して説明する。図20は本実施形
態の有機EL表示装置の製造方法を示す模式図であり、
有機ELとしての機能を有する発光層及び有機物バンク
層が形成された基板201の全面に蒸着法により陰極
(対向電極)を形成する対向電極形成工程の例である。
この工程では、基板201を固基板ホルダ202に固定
し、この基板201の蒸着面(成膜面)201aとは反
対側の面、すなわち基板201の裏面201bに放熱板
(放熱部材)203を接触させる。
【0102】放熱板203は、少なくとも基板201に
接触する側の面が、この基板201を構成する透明ガラ
スより熱伝導率の高い材料、例えば、Cu、Cu合金、
Al、Al合金等の金属材料により構成されて、基板2
01に蓄積される熱を速やかに外方へ散逸させることの
できる構成であればよく、具体的には、放熱板203全
体を上記の金属または合金により構成したもの、放熱板
203を積層構造とし、基板201に接触する側の1層
あるいは複数層を上記の金属または合金により構成した
もの等が好適に用いられる。
【0103】この対向電極形成工程では、基板201の
蒸着面(成膜面)、すなわち発光層及び有機物バンク層
が形成された面を基板ホルダ202に対向させた状態
で、この基板201を基板ホルダ202に固定し、この
基板201の裏面に放熱板203を接触させ、この基板
ホルダ202をマスクとして上記の発光層及び有機物バ
ンク層を含む基板201の蒸着面全面に陰極材料を蒸着
204する。
【0104】放熱板203は基板201の裏面に接触し
ていればよいので、この放熱板203を基板201の裏
面に単に載置した構成としてもよいが、密着性をより高
めて放熱性を向上させるために、図22に示すように、
基板ホルダ202で放熱板203を基板201とともに
固定した構成、あるいは、治具等を用いて基板201の
裏面に放熱板203を密着固定する構成とすれば、なお
効果的である。
【0105】蒸着材料が蒸着される際に、この蒸着材料
の有する運動エネルギーの一部が熱エネルギーに変換さ
れて基板201内に蓄積されることとなるが、この蓄積
される熱は放熱板203を介して外方へ速やかに散逸さ
れるので、基板201内にこもってしまうおそれがな
い。したがって、蒸着の際に、基板201に形成された
発光層及び有機物バンク層等の薄膜に基板201側から
熱が加わるおそれがなくなり、得られた素子に熱的なダ
メージが生じるおそれがなくなる。
【0106】なお、上記の対向電極形成工程に、上述し
た第1の実施形態の対向電極形成工程にて用いられた陰
極材料の蒸着速度を変化させる方法を加えれば、上記の
効果に加え、発光層110b及び有機物バンク層112
bへの熱的ダメージを軽減することができ、蒸着物の突
沸を防ぐことができる。
【0107】[第3の実施形態]以下、第1の実施形態
の有機EL表示装置を備えた電子機器の具体例について
説明する。図21(a)は、携帯電話の一例を示した斜
視図である。図21(a)において、符号600は携帯
電話本体を示し、符号601は前記の有機EL表示装置
を用いた表示部を示している。図21(b)は、ワープ
ロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した
斜視図である。図21(b)において、符号700は情
報処理装置、符号701はキーボードなどの入力部、符
号702は前記の有機EL表示装置を用いた表示部、符
号703は情報処理装置本体を示している。図21
(c)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図であ
る。図21(c)において、符号800は時計本体を示
し、符号801は前記の有機EL表示装置を用いた表示
部を示している。
【0108】図21(a)〜(c)に示すそれぞれの電
子機器は、前記の第1の実施形態の有機EL表示装置を
用いた表示部を備えたものであり、先の第1の実施形態
の有機EL表示装置の特徴を有するので、高輝度であっ
て表示品質に優れた効果を有する電子機器となる。これ
らの電子機器を製造するには、第1の実施形態と同様に
して、図2に示すような駆動IC6(駆動回路)を備え
た有機EL表示装置1を構成し、この有機EL表示装置
1を、携帯電話、携帯型情報処理装置、腕時計型電子機
器に組み込むことにより製造される。
【0109】なお、本発明は,上記各実施の形態に限定
されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲に
おいて種々の変更を加えることが可能である。図22
は、本発明に係る他の例の有機EL装置を示す断面図で
あり、この有機EL装置は、基板2と、基板2上に形成
された表示素子10と、表示素子10の全面に塗布され
た封止樹脂3aと、封止樹脂3a上に備えられた封止用
基板3bとを具備して構成されている。基板2、表示素
子10、封止樹脂3a及び封止用基板3bは、第1の実
施形態に係る基板2、表示素子10、封止材3及び封止
用基板4と同じものである。表示素子10は、発光素子
部11と、該発光素子部11上に形成された陰極12と
を主体として構成されている。この有機EL装置によれ
ば、水及び酸素の侵入を効果的に防いで陰極12または
発光層の酸化、腐食等を防止することにより、有機EL
装置の高輝度化及び長寿命化を図ることができる。
【0110】図23は、本発明に係る別の他の例の有機
EL装置を示す断面図であり、この有機EL装置は、封
止材3と陰極12の間に保護層714を形成した構成で
ある。保護層714は、SiO2、Si34等からなる
ものであり、厚さが100〜200nmの範囲とされて
いる。この保護層714は、陰極12及び発光素子部1
1に対する水又は酸素の侵入を防いで、陰極12または
発光素子部11内に形成された図示略の発光層の酸化、
腐食等を防止する。上記の有機EL装置によれば、水及
び酸素の侵入を効果的に防いで陰極12または発光層の
酸化、腐食等を防止することにより、有機EL表示装置
の高輝度化及び長寿命化を図ることができる。
【0111】また、第1の実施形態においては、R、
G、Bの各発光層110bをストライプ配置した場合に
ついて説明したが、本発明はこれに限られず、様々な配
置構造を採用しても良い。例えば図24(a)に示すよ
うなストライプ配置の他、図24(b)に示すようなモ
ザイク配置や、図24(c)に示すようなデルタ配置と
することができる。
【0112】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
電気光学装置の製造方法によれば、発光素子を構成する
一対の電極のうち一方の電極を、段階的に成膜速度を変
化させることにより形成するので、成膜に伴い発生する
放射熱の量を減少させることができ、成膜過程の薄膜へ
の熱的ダメージを防止することができる。したがって、
成膜過程の熱的ダメージによる素子特性の悪化を防止す
ることができる。また、Al、Ag等の高融点金属材料
を蒸着する際においても、蒸発源における突沸を防止す
ることができ、蒸着膜への熱的なダメージを防止するこ
とができる。したがって、成膜過程の熱的ダメージによ
る素子特性の悪化を防止することができる。
【0113】本発明の表示装置の他の製造方法によれ
ば、基板の他方の面に前記基板の熱伝導率より高い放熱
部材が配置された状態で、前記一対の電極のうち一方の
電極を形成するので、電極の形成に伴い基板に加わる熱
を放熱部材により速やかに外部に散逸させることで、基
板内に熱がこもるのを防止することができる。したがっ
て、電極形成時に基板側から熱が加わるのを防止するこ
とができ、得られた素子に熱的なダメージが生じるのを
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態の有機EL装置の配
線構造を示す模式図である。
【図2】 本発明の第1の実施形態の有機EL装置を示
す図であって、(a)は有機EL表示装置の平面図、
(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
【図3】 本発明の第1の実施形態の有機EL装置の要
部を示す断面図である。
【図4】 本発明の第1の実施形態の有機EL装置の製
造方法を示す過程図である。
【図5】 本発明の第1の実施形態の有機EL装置の製
造方法を示す過程図である。
【図6】 本発明の第1の実施形態の有機EL装置の製
造の際に用いられるプラズマ処理装置の一例を示す模式
図である。
【図7】 図6に示すプラズマ処理装置の第1プラズマ
処理室の内部構造を示す模式図である。
【図8】 本発明の第1の実施形態の有機EL装置の製
造方法を示す過程図である。
【図9】 本発明の第1の実施形態の有機EL装置の製
造方法を示す過程図である。
【図10】 本発明の第1の実施形態の有機EL装置の
製造の際に用いられるプラズマ処理装置の他の例を示す
模式図である。
【図11】 本発明の第1の実施形態の有機EL装置を
製造する際に用いられるインクジェットヘッドを示す平
面図である。
【図12】 本発明の第1の実施形態の有機EL装置を
製造する際に用いられるインクジェット装置を示す平面
図である。
【図13】 本発明の第1の実施形態の有機EL装置の
製造方法を示す過程図である。
【図14】 本発明の第1の実施形態の有機EL装置の
製造方法を示す過程図である。
【図15】 本発明の第1の実施形態の有機EL装置の
製造方法を示す過程図である。
【図16】 本発明の第1の実施形態の有機EL装置の
製造方法を示す過程図である。
【図17】 本発明の第1の実施形態の有機EL装置の
製造方法を示す過程図である。
【図18】 本発明の第1の実施形態の有機EL装置の
製造方法を示す過程図である。
【図19】 本発明の第1の実施形態の有機EL装置の
製造方法における蒸着速度と膜厚との関係を示す図であ
る。
【図20】 本発明の第2の実施形態の有機EL装置の
製造方法を示す模式図である。
【図21】 本発明の第2の実施形態の電子機器を示す
斜視図である。
【図22】 本発明に係る他の例の有機EL装置を示す
断面図である。
【図23】 本発明に係る別の他の例の有機EL装置を
示す断面図である。
【図24】 本発明に係るさらに別の他の例の有機EL
表示装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 表示装置 2 基板 2a 表示領域 2b 非表示領域 3 封止部 6a 駆動IC(駆動回路) 10 表示素子 11 発光素子部 12 陰極((対向電極) 110 機能層 110a 正孔注入/輸送層 110a1 平坦部 110a2 周縁部 110b 発光層 111 画素電極 111a 電極面 112 バンク部 112a 無機物バンク層 112b 有機物バンク層 112c 下部開口部 112d 上部開口部 112e 上面 112f 上面 112g 開口部 201 基板 201a 蒸着面(成膜面) 201b 裏面(蒸着面(成膜面)とは反対側の面) 202 基板ホルダ 203 放熱板(放熱部材) A 画素領域

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の電極間に発光層を有する発光素子
    が基板上に形成されてなる電気光学装置の製造方法であ
    って、 前記一対の電極のうち一方の電極を、段階的に成膜速度
    を変化させることにより形成することを特徴とする電気
    光学装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記一方の電極を、蒸着法により形成
    し、前記一方の電極を形成する電極材料の蒸発速度を段
    階的に変化させることを特徴とする請求項1記載の電気
    光学装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記一方の電極を、蒸着法により形成
    し、蒸発源と前記発光層との間隔を段階的に変化させる
    ことにより蒸着速度を段階的に変化させることを特徴と
    する請求項1記載の電気光学装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記一方の電極を、膜厚方向に複数の領
    域に区分し、互いに隣接する2つの領域における成膜速
    度を異ならせることを特徴とする請求項1記載の電気光
    学装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 一対の電極間に発光層を有する発光素子
    が基板の一方の面に形成されてなる電気光学装置の製造
    方法であって、 前記基板の他方の面に前記基板の熱伝導率より高い放熱
    部材が配置された状態で、前記一対の電極のうち一方の
    電極を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記放熱部材の少なくとも前記基板に接
    触する部分は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウ
    ム合金から選択された少なくとも1種により構成されて
    いることを特徴とする請求項5記載の電気光学装置の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項記載の
    電気光学装置の製造方法により製造されてなることを特
    徴とする電気光学装置。
  8. 【請求項8】 一対の電極間に発光層を有する発光素子
    が基板の一方の面に形成されてなる電気光学装置と、前
    記電気光学装置を駆動するための駆動回路と、を有して
    なる電子機器の製造方法であって、 前記一対の電極のうち一方の電極を、段階的に成膜速度
    を変化させることにより形成することを特徴とする電子
    機器の製造方法。
  9. 【請求項9】 一対の電極間に発光層を有する発光素子
    が基板の一方の面に形成されてなる電気光学装置と、前
    記電気光学装置を駆動するための駆動回路と、を有して
    なる電子機器の製造方法であって、 前記基板の他方の面に前記基板の熱伝導率より高い放熱
    部材が配置された状態で、前記一対の電極のうち一方の
    電極を形成することを特徴とする電子機器の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項8または9記載の電子機器の製
    造方法により製造されてなることを特徴とする電子機
    器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101475069B1 (ko) * 2007-12-20 2014-12-22 엘지디스플레이 주식회사 유기전계발광표시장치의 제조방법

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