JP2006310729A - 有機薄膜太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、正孔取出し層を有する有機薄膜太陽電池であって、光電変換効率および短絡電流値の高い有機薄膜太陽電池を提供することを主目的とする。
【解決手段】 本発明は、基板と、上記基板上に形成された第1電極層と、上記第1電極層上に形成された正孔取出し層と、上記正孔取出し層上に形成された光電変換層と、上記光電変換層上に形成された第2電極層とを有する有機薄膜太陽電池であって、上記正孔取出し層が、導電性高分子材料と樹脂成分とを含有することを特徴とする有機薄膜太陽電池を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、正孔取出し層を有し、光電変換効率が改良された有機薄膜太陽電池に関するものである。
有機薄膜太陽電池は、2つの異種電極間に、電子供与性および電子受容性の機能を有する有機薄膜を配置してなる太陽電池であり、シリコンなどに代表される無機太陽電池に比べ製造工程が容易であり、かつ低コストで大面積化が可能であるという利点を持つ。しかしながら、光電変換効率が低いことから実用に供することは困難であった。したがって、有機薄膜太陽電池においては、光電変換効率の高効率化が最大の課題となっている。
また、一般的な有機薄膜太陽電池としては、例えば透明基板と、透明電極層と、電子供与体および電子受容体として機能する光電変換層と、対向電極層とが順次積層されたものが挙げられる。このように複数の層が積層された有機薄膜太陽電池では、特に透明電極層と光電変換層との界面における平滑性、密着性などが太陽電池の性能に大きく影響する。有機薄膜太陽電池における電荷の取り出しは積極的な外部電場の補助を受けていないため、電荷の移動経路にわずかな欠陥や障壁が存在すると太陽電池の特性が大きく損なわれるものであり、透明電極層と光電変換層との界面における平滑性や密着性等に起因する界面抵抗が欠陥や障壁となるからである。一般に、透明電極層は蒸着法等により形成されるものであるので表面状態にばらつきがあり、このために透明電極層と光電変換層との界面における平滑性や密着性等が低下し、短絡電流値の減少の要因となっている。
光電変換効率の向上、および、透明電極層と光電変換層との界面における平滑性や密着性等の改善のためには、透明電極層と光電変換層との間に正孔取出し層を設けるのが有効である。この正孔取出し層を設けることにより、光電変換層から透明電極層への正孔取出し効率が高まって光電変換効率が向上し、また界面抵抗が減少して短絡電流値が増大し、太陽電池の性能の向上を図ることができる。
一般に、正孔取出し層は導電性高分子材料からなる層であり、導電性高分子材料としてはポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等を用いるのが主流である。従来、PEDOT等の導電性高分子材料は、有機エレクトロルミネッセンス素子の正孔注入層に用いられてきた。有機エレクトロルミネッセンス素子では、正孔注入層への電子の注入による発光領域の拡散を抑制する必要があることから、正孔注入層の導電性をある程度抑えることが求められる。一方、有機薄膜太陽電池では、光電変換層で発生した正孔を外部回路へ有効に取り出すことが求められる。このため、有機エレクトロルミネッセンス素子の正孔注入層に用いられる導電性高分子材料をそのまま有機薄膜太陽電池素子の正孔取出し層に用いると、導電性が十分ではない正孔取出し層となり、外部回路への正孔の取出しが阻害されてしまう場合がある。これでは、かえって光電変換効率の低下を招くことになる。
また一般に、PEDOT等の導電性高分子材料は、その分子量が大きいために凝集しやすく、正孔取出し層と透明電極層や光電変換層との界面における平滑性や密着性が十分ではない場合がある。
透明電極層と有機層との界面における平滑性を改善するために、表面にオゾン処理を施した基板上に、導電性高分子の原料モノマーを含む溶液を塗布して重合反応させることにより有機層を形成し、この有機層を基板から剥離させることで基板と接している側の面を荒らすことなく自立した有機層を形成する方法が提案されている(特許文献1参照)。このようにして得られた有機層は、その表面が平坦性に優れていることから、正孔取出し層としても有用であると考えられる。
しかしながら、有機薄膜太陽電池は上述したように各層を順次積層形成することにより作製されるものであるので、上記の有機層を正孔取出し層として用いる場合には製造工程が煩雑となる。
特開2003−313317公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、正孔取出し層を有する有機薄膜太陽電池であって、光電変換効率および短絡電流値の高い有機薄膜太陽電池を提供することを主目的とするものである。
本発明者らは、上記実情に鑑み鋭意検討した結果、導電性高分子材料に加えて樹脂成分を含有する正孔取出し層とすることで、高い光電変換効率および短絡電流値が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、基板と、上記基板上に形成された第1電極層と、上記第1電極層上に形成された正孔取出し層と、上記正孔取出し層上に形成された光電変換層と、上記光電変換層上に形成された第2電極層とを有する有機薄膜太陽電池であって、上記正孔取出し層が、導電性高分子材料と樹脂成分とを含有することを特徴とする有機薄膜太陽電池を提供する。
本発明においては、正孔取出し層が導電性高分子材料とともに樹脂成分を含有することで、光電変換効率および短絡電流値を向上させることができる。これは、樹脂成分を含有していることにより導電性高分子材料が凝集するのを防ぎ、正孔取出し層内で導電性高分子材料を分散させることができると考えられるからである。その結果、正孔取出し層内にて正孔伝達経路の形成が促進されるので正孔取出し効率が向上し、これにより光電変換効率が向上するものと考えられる。また、導電性高分子材料の分散性が良好となり、さらに樹脂成分の添加によって成膜性が良くなるため、正孔取出し層と第1電極層や光電変換層との界面における平滑性および密着性が改善され、界面抵抗が減少するので、短絡電流値を増大させることができると考えられる。
この際、上記樹脂成分が上記導電性高分子材料と親和性の高いものであることが好ましい。導電性高分子材料との親和性の高い樹脂成分を用いることにより、導電性高分子材料の分散性を効果的に向上させることができると考えられるからである。
また本発明においては、上記正孔取出し層が両親媒性材料を含有することが好ましい。正孔取出し層が両親媒性材料を含有することにより、導電性高分子材料の分散性および正孔取出し層表面の濡れ性が良くなるので、正孔取出し層と第1電極層や光電変換層との界面における平滑性や密着性とともに、正孔取出し層の導電性を効果的に向上させることができると考えられるからである。
この際、上記両親媒性材料が非イオン性界面活性剤またはフッ素系界面活性剤であることが好ましい。
さらに本発明においては、上記正孔取出し層が不対電子をもつ低分子化合物を含有することが好ましい。上記樹脂成分には導電性を有さないものが多く、非導電性の材料が正孔取出し層中に含有されていると正孔取出し効率が低下する場合があるが、不対電子をもつ低分子化合物を含有することにより正孔取出し層内での正孔伝達経路の形成が促進されると考えられるからである。
この際、上記不対電子をもつ低分子化合物が窒素を含むことが好ましい。
また本発明においては、上記光電変換層と上記第2電極層との間に電子取出し層が形成されていることが好ましい。これにより、光電変換層から第2電極層への電子取出し効率が高められるため、光電変換効率をより一層向上させることが可能となるからである。
本発明においては、正孔取出し層が導電性高分子材料に加えて樹脂成分を含有することにより、正孔取出し層中の導電性高分子材料の分散性を向上させ、正孔取出し層と第1電極層や光電変換層との平滑性や密着性等を向上させることができると考えられ、高い光電変換効率を達成でき、短絡電流値の増大を実現できるという効果を奏する。このような技術は、有機薄膜太陽電池にとどまらず、光センサーや光通信といった各種デバイスへの広範な展開が期待できる。
以下、本発明の有機薄膜太陽電池について詳細に説明する。
A.有機薄膜太陽電池
本発明の有機薄膜太陽電池は、基板と、上記基板上に形成された第1電極層と、上記第1電極層上に形成された正孔取出し層と、上記正孔取出し層上に形成された光電変換層と、上記光電変換層上に形成された第2電極層とを有する有機薄膜太陽電池であって、上記正孔取出し層が、導電性高分子材料と樹脂成分とを含有することを特徴とするものである。
本発明の有機薄膜太陽電池について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の有機薄膜太陽電池の一例を示す断面図であり、図2は正孔取出し層の模式図である。図1に例示するように、本発明の有機薄膜太陽電池10は、基板1と、第1電極層2と、正孔取出し層3と、光電変換層4と、第2電極層5とが順次積層されたものである。正孔取出し層3は、導電性高分子材料と樹脂成分とを含有するものであるが、図2に例示するように、正孔取出し層3内では導電性高分子材料が凝集体11を形成し、この導電性高分子材料の凝集体11と樹脂成分12とが分散していると考えられる。
一般に、導電性高分子材料はその大きい分子量のために凝集しやすく、凝集体を形成すると想定される。したがって、導電性高分子材料のみで形成された正孔取出し層では、導電性高分子材料の凝集体が二次凝集しやすく、第1電極層や光電変換層との界面における平滑性や密着性が悪い場合がある。また、導電性高分子材料の凝集体が二次凝集すると、第1電極層と光電変換層との間に導電性高分子材料が局在することになり、正孔伝達経路を十分に形成することが困難となるため、正孔取出し層の導電性が低下する。
本発明においては、図2に例示するように、正孔取出し層3に導電性高分子材料とともに樹脂成分12を含有させることで、導電性高分子材料の凝集体11が二次凝集するのを防ぎ、正孔取出し層3内で導電性高分子材料の凝集体11を分散させることができると考えられる。したがって、正孔取出し層3中の導電性高分子材料の分散性が良好となるので、正孔伝達経路13の形成が促進されて正孔取出し層3の導電性が高まり、正孔取出し効率の向上が期待できる。
また、正孔取出し層は、第1電極層上に正孔取出し層形成用塗工液を塗布することにより形成することができるが、この正孔取出し層形成用塗工液は導電性高分子材料と樹脂成分とを溶媒に分散させたものであり、上述したように導電性高分子材料の凝集体の分散性が良いので、レベリング性および成膜性が良好なものとなる。したがって、正孔取出し層と第1電極層との界面における密着性を改善するとともに、正孔取出し層と光電変換層との界面における平滑性や密着性を向上させることができると考えられる。
さらに、第1電極層や光電変換層との密着力の高い樹脂成分を用いることにより、正孔取出し層と第1電極層や光電変換層との密着性を向上させることも可能である。
このように正孔取出し層と第1電極層や光電変換層との界面における平滑性および密着性が改善されることにより、界面抵抗が減少するので、短絡電流値が増大すると考えられる。
以下、本発明の有機薄膜太陽電池の各構成について説明する。
1.正孔取出し層
本発明に用いられる正孔取出し層は、導電性高分子材料と樹脂成分とを含有するものである。
本発明に用いられる導電性高分子材料としては、一般的に正孔取出し層に使用されるものを用いることができる。具体的には、ドープされたポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン、トリフェニルジアミン等の導電性有機化合物、あるいは、テトラチオフルバレン、テトラメチルフェニレンジアミン等の電子供与性化合物と、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン等の電子受容性化合物とからなる電荷移動錯体を形成する有機材料等を挙げることができる。
上記の中でも、ポリチオフェンが好ましく、特にポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルフォネート(PSS)との混合体(PEDOT/PSS)が好適である。
また、本発明に用いられる樹脂成分としては、特に限定されるものではないが、上記導電性高分子材料と親和性の高いものであることが好ましい。樹脂成分は、正孔取出し層内での導電性高分子材料の分散性を向上させると考えられることから、導電性高分子材料との親和性の高い樹脂成分を用いることにより、導電性高分子材料の分散性を効果的に向上させることができると考えられるからである。
具体的には、樹脂成分の溶解度パラメータが4.0〜20.0の範囲内であることが好ましく、より好ましくは6.0〜13.0の範囲内である。
さらに、樹脂成分は透明性を有することが好ましい。基板側を受光面とした場合には、正孔取出し層が透明である必要があるからである。具体的には、樹脂成分の全光線透過率が85%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上、最も好ましくは92%以上である。
なお、上記全光線透過率は、樹脂成分を厚み100nmのシート状に成形したものについて、可視光領域において、スガ試験機株式会社製 SMカラーコンピュータ(型番:SM−C)を用いて測定した値である。
また、樹脂成分は耐熱性を有することが好ましい。本発明の有機薄膜太陽電池を高温環境下で使用した場合であっても、樹脂成分が変質等しないことが好ましいからである。また、有機薄膜太陽電池の製造過程において正孔取出し層上には光電変換層や第2電極層等が形成されるが、例えば第2電極形成時に高温に曝される場合があるので、正孔取出し層に含まれる樹脂成分が耐熱性を有することが好ましいのである。
具体的には、200℃における熱重量減少率(TGA)が50%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下である。
なお、上記熱重量減少率は、示差熱分析(TG−DTA)装置により、昇温速度10℃/minで測定した値とする。
さらに、樹脂成分は、重合性官能基を有するものであることが好ましい。正孔取出し層を形成する際に、樹脂成分が重合性官能基を有するものであれば重合させて成膜することができ、強度の高い正孔取出し層を得ることができるからである。
重合性官能基としては、重合可能な官能基であれば特に限定されるものではなく、光重合性の官能基であってもよく、熱重合性の官能基であってもよい。具体的には、ビニル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリロイル基、アリル基、オキセタニル基等が挙げられる。
このような樹脂成分としては、例えばポリエステル、乳化ポリエステル、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリイミド等を挙げることができる。また、これらのモノマーやオリゴマーの共重合体であってもよい。
上記樹脂成分の含有量は、上述した効果が得られる量であれば特に限定されるものではないが、具体的には正孔取出し層中に0.01重量%〜90重量%の範囲内となるように設定することができ、好ましくは0.1重量%〜80重量%の範囲内、より好ましくは1重量%〜70重量%の範囲内である。一般に樹脂成分は導電性を有さないものが多いため、樹脂成分の含有量が多すぎると正孔取出し層の導電性が低下する可能性があるからである。また、樹脂成分の含有量が少なすぎると、正孔取出し層中の導電性高分子材料の分散性、正孔取出し層の成膜性、正孔取出し層と光電変換層や第1電極層との界面における平滑性や密着性等が低下する可能性があるからである。
本発明においては、正孔取出し層がさらに両親媒性材料を含有することが好ましい。一般に、両親媒性材料を含有することにより液体の表面エネルギー(表面張力)は低下することから、導電性高分子材料と樹脂成分とを含有する正孔取出し層形成用塗工液に両親媒性材料を添加することにより、その表面エネルギーを低下させることができる。このような正孔取出し層形成用塗工液を第1電極層上に塗布した際には、良好に濡れ広がりレベリング性が良いので、正孔取出し層と第1電極層との密着性がさらに向上すると考えられる。また、両親媒性材料により正孔取出し層表面の濡れ性が優れたものとなるので、湿式塗工法により光電変換層を形成する際には正孔取出し層上に光電変換層形成用塗工液を均一に塗布することができる。これにより、正孔取出し層と光電変換層との密着性がさらに向上すると考えられる。
さらに、上記正孔取出し層形成用塗工液中では、導電性高分子材料の凝集体が両親媒性材料によって取り囲まれるため、導電性高分子材料の凝集体の分散性が良くなる。これにより、正孔取出し層の表面粗さを効果的に改善することができると考えられる。
したがって、正孔取出し層が両親媒性材料を含有することにより、正孔取出し層と第1電極層や光電変換層との界面における平滑性および密着性がさらに向上し、界面抵抗を減少させることができると考えられる。よって、さらなる短絡電流値の増加が期待できる。
また、両親媒性材料により導電性高分子材料の分散性が向上することから、正孔伝達経路の形成が促進され、正孔取出し層の電気伝導度を効果的に高めることができると考えられる。
さらに、樹脂成分と両親媒性材料とを含有することによる相乗効果が期待できる。例えば、正孔取出し層形成用塗工液の塗布後に両親媒性材料により達成されている理想的な界面状態が、乾燥固化後においても樹脂成分の存在により保持されると考えられる。
本発明に用いられる両親媒性材料としては、一般的な界面活性剤を用いることができ、中でも非イオン性界面活性剤またはフッ素系界面活性剤が好ましい。非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルピタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミドなどが挙げられる。また、フッ素系界面活性剤としては、例えばフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルベンゼンスルホン酸、パーフルオロアルキル4級アンモニウム、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノールなどが挙げられる。
本発明においては、フッ素系界面活性剤が好適に用いられる。フッ素系界面活性剤は直鎖のフッ化アルキル基を有するので、その他の界面活性剤に比べて高い界面活性機能を発揮するからである。フッ素系界面活性剤としては、上述したフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルベンゼンスルホン酸、パーフルオロアルキル4級アンモニウム、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノールなどが好ましく用いられる。
上記両親媒性材料の含有量は、上述した効果が得られる量であれば特に限定されるものではないが、具体的には正孔取出し層中に0.01重量%〜90重量%の範囲内となるように設定することができ、好ましくは0.1重量%〜80重量%の範囲内、より好ましくは1重量%〜70重量%の範囲内である。両親媒性材料の含有量が多くなるにつれて、導電性高分子材料の凝集体が両親媒性材料に包囲されやすくなるので導電性高分子材料の凝集体の分散性が向上するが、両親媒性材料の含有量が多すぎると、導電性高分子材料の凝集体が両親媒性材料に過剰に包囲され、隣接する導電性高分子材料の凝集体が接近しにくくなり、正孔伝達経路が遮断される可能性があるからである。一方、両親媒性材料の含有量が少なすぎると、正孔取出し層表面への両親媒性材料のブリードが起こりにくくなるため、表面改質の効果を十分に得ることができない場合があるからである。
また本発明においては、正孔取出し層がさらに不対電子をもつ低分子化合物を含有することが好ましい。上記樹脂成分には導電性を有さないものが多く、非導電性の材料が正孔取出し層中に含有されていると正孔取出し効率が低下する場合があるが、不対電子をもつ低分子化合物を含有することにより、不対電子による電子供与によって正孔取出し層内での正孔伝達経路の形成が促進され、正孔取出し層の電気伝導度が向上すると考えられるからである。これにより、正孔取出し効率を効果的に向上させることができると考えられる。
不対電子をもつ低分子化合物としては、正孔の移動を円滑にさせるものであれば特に限定されるものではないが、例えば窒素、酸素、硫黄等を含むものが挙げられ、中でも窒素を含むものであることが好ましい。窒素を含む低分子化合物としては、例えばアミド基を有する低分子化合物またはピロリドン系化合物を挙げることができる。具体的にアミド基を有する低分子化合物としては、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、γ−ブチロラクトンなどを用いることができる。また、ピロリドン系化合物としては、具体的にN−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどを用いることができる。
上記不対電子をもつ低分子化合物の含有量は、上述した効果が得られる量であれば特に限定されるものではないが、具体的には正孔取出し層中に0.01重量%〜50重量%の範囲内となるように設定することができ、好ましくは0.1重量%〜30重量%の範囲内、より好ましくは1重量%〜10重量%の範囲内である。不対電子をもつ低分子化合物の含有量が多すぎると、不対電子をもつ低分子化合物の求核反応性により導電性高分子材料と化学反応を起こし、導電性高分子材料が変性する可能性があるからである。また、不対電子をもつ低分子化合物の含有量が少なすぎると、正孔取出し層内での正孔伝達経路が十分に形成されない可能性があるからである。
正孔取出し層の膜厚は、導電性高分子材料や樹脂成分等の種類によって異なるものであり、上述した特性等を考慮して適宜調整される。具体的には正孔取出し層の膜厚が0.01nm〜3000nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.1nm〜1500nmの範囲内、最も好ましくは1nm〜600nmの範囲内である。膜厚が厚すぎると、正孔伝達経路長に比例して抵抗値が上がるため、正孔を十分に第1電極層に取り出せない可能性があるからである。一方、膜厚が薄すぎると、正孔取出し層と第1電極層や光電変換層との密着性が低下したり、また光電変換層の厚みが比較的薄いために第1電極層表面の突起により第1電極層と第2電極層とが直接接触して短絡したりする可能性があるからである。
また、正孔取出し層の表面粗さRaは、導電性高分子材料や樹脂成分等の種類によって異なるものであり、上述した特性等を考慮して適宜調整される。具体的には正孔取出し層の表面粗さRaが50nm以下であることが好ましく、より好ましくは30nm以下、最も好ましくは10nm以下である。表面粗さが大きすぎると、正孔取出し層と第1電極層や光電変換層との密着性が低下したり、また光電変換層の厚みが比較的薄いために正孔取出し層表面の突起により第1電極層と第2電極層とが直接接触して短絡したりする可能性があるからである。一方、表面粗さは小さいほど正孔取出し効率が良くなるが、表面平滑性の追求には製造工程上の限界があるため、スループットやコストを考慮すると、表面粗さの下限は0.1nm程度で十分である。
なお、上記表面粗さRaは、スキャン範囲:10μm、スキャン速度:0.4Hzの条件下で、原子間力顕微鏡(ビーコインスツルメンツ(DI)社製 ナノスコープIIIa)を用いて測定した値である。
さらに、正孔取出し層の表面抵抗値は、300Ω/□以下であることが好ましく、より好ましくは150Ω/□以下、最も好ましくは50Ω/□以下である。表面抵抗値が大きすぎると、光電変換層で発生した正孔を十分に第1電極層へ移動できなかったり、正孔取出し層の平滑性や密着性に起因する障壁の影響が大きくなりすぎるために有機薄膜太陽電池としての機能が損なわれたりする可能性があるからである。一方、表面抵抗値が小さい正孔取出し層を形成可能である材料の選択は現在のところ非常に困難であるので、表面抵抗値の下限は0.01Ω/□以上とし、好ましくは0.1Ω/□以上、より好ましくは1Ω/□以上とする。
なお、上記表面抵抗値は、Siltec社製 表面抵抗計 SLT-YKH4101を用いて測定した値である。
また、正孔取出し層は透明性を有することが好ましい。基板側を受光面とした場合には、正孔取出し層が透明である必要があるからである。具体的には、正孔取出し層の全光線透過率が85%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上、最も好ましくは92%以上である。
なお、上記全光線透過率は、可視光領域において、スガ試験機株式会社製 SMカラーコンピュータ(型番:SM−C)を用いて測定した値である。
上記正孔取出し層の形成方法としては、通常、湿式塗工法が用いられる。具体的には、導電性高分子材料および樹脂成分等を含有する正孔取出し層形成用塗工液を第1電極層上に塗布することにより正孔取出し層を形成することができる。
この際、正孔取出し層形成用塗工液には、成膜性の向上を目的として溶媒を添加してもよい。この場合には、導電性高分子材料や樹脂成分を溶媒に分散させることにより正孔取出し層形成用塗工液が調製される。溶媒としては、水溶性溶媒が好ましく用いられる。一般に、光電変換層を形成するための光電変換層形成用塗工液には非水溶性溶媒が用いられることが多く、このような光電変換形成用塗工液を正孔取出し層上に塗布した際に正孔取出し層から導電性高分子材料や樹脂成分等が溶出しないようにするためには、水溶性溶媒を用いて正孔取出し層形成用塗工液を調製することが好ましいからである。
水溶性溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。これらの水溶性溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。上記の中でも、メタノールが好適に用いられる。
上記正孔取出し層形成用塗工液の塗布方法としては、所定の膜厚に均一に形成することができる方法であれば特に限定されない。具体的には、ダイコート法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法、ビードコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法等を挙げることができる。
2.光電変換層
本発明において、光電変換層とは、有機薄膜太陽電池の電荷分離に寄与し、生じた電子および正孔を各々反対方向の電極に向って輸送させる機能を有する部材をいう。具体的にこのような光電変換層としては、電子供与体として機能する正孔輸送層または電子受容体として機能する電子輸送層の少なくとも一方を有する場合、電子供与体および電子受容体の両方の機能を有する電子正孔輸送層からなる場合等を挙げることができる。これら光電変換層の種類は、有機薄膜太陽電池の種類に応じて選択する。
具体的に有機薄膜太陽電池の種類としては、電子供与性または電子受容性のいずれか一方の機能を有する、すなわち、上記電子輸送層または正孔輸送層のいずれか一方である光電変換層が、第1電極層および第2電極層間に配置されており、電極とそのような光電変換層とのショットキー障壁を利用したショットキー型有機薄膜太陽電池、または、電子受容性および電子供与性の機能を一組として、pn接合を利用したヘテロ接合型有機薄膜太陽電池等を挙げることができる。
さらに、ヘテロ接合型有機薄膜太陽電池においては、電子受容性の機能を有する電子輸送層および電子供与性の機能を有する正孔輸送層を各々別個に積層させた構造のバイレイヤー型と、電子供与性および電子受容性の機能を一つの層に混合させた電子正孔輸送層を用いたバルクへテロ接合型とがある。
以下、光電変換層について、有機薄膜太陽電池の種類が、ショットキー型、ヘテロ接合型の各々の場合に分けて説明する。
(1)ショットキー型有機薄膜太陽電池の場合
本発明における光電変換層を電子供与性または電子受容性のいずれか一方の機能を有する層、すなわち、電子輸送層または正孔輸送層のいずれか一方とすることにより、そのような光電変換層と電極との界面において形成されるショットキー障壁を利用して光電流を得るショットキー型有機薄膜太陽電池とすることができる。
例えば、光電変換層を正孔輸送層とした場合には、第1電極層および第2電極層のうち仕事関数が小さい方の電極との界面にショットキー障壁が形成されるため、その界面において電荷分離を生じさせることができる。一方、光電変換層を電子輸送層とした場合には、上述した第1電極層および第2電極層のうち仕事関数が大きい方の電極との界面で光電流を生じさせることができる。
このようにショットキー型有機薄膜太陽電池とした場合に、光電変換層を形成する材料は、電子供与性または電子受容性の性質を有する材料であれば特に限定されない。具体的には、ペンタセンなどの有機単結晶、ポリ−3−メチルチオフェン、ポリアセチレン、ポリフェニレンおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリシランおよびその誘導体、ポリアルキルチオフェンおよびその誘導体等の導電性高分子およびその誘導体、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体、メロシアニン誘導体、クロロフィル等の合成色素、有機金属ポリマー等を挙げることができる。ショットキー型有機薄膜太陽電池における光電変換層は、電子供与性または電子受容性のいずれか一方の材料を用いて形成する。中でも、電荷の移動度が高い材料であることが好ましい。
また、光電変換層の膜厚としては、0.1nm〜1500nmの範囲内、その中でも、1nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より厚い場合には、光電変換層の体積抵抗が高くなる可能性があり、一方、膜厚が上記範囲より薄い場合には、第1電極層および第2電極層に短絡が生じる可能性があるからである。
また、このような光電変換層を形成する方法としては、所定の膜厚に均一に形成することができる方法であれば特に限定されない。具体的には、ダイコート法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法、ビードコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法等を挙げることができる。その中でも、スピンコート法またはダイコート法であることが好ましい。光電変換層を上記範囲内の膜厚に精度良く形成することができるからである。
(2)ヘテロ接合型有機薄膜太陽電池の場合
ヘテロ接合型有機薄膜太陽電池は、上述したように、バイレイヤー型と、バルクへテロ接合型とに分けることができる。以下、光電変換層についてバイレイヤー型およびバルクヘテロ接合型に分けて説明する。
(i)バイレイヤー型有機薄膜太陽電池の場合
バイレイヤー型有機薄膜太陽電池は、光電変換層として、電子受容性の機能を有する電子輸送層および電子供与性の機能を有する正孔輸送層を各々別個に形成し、それらの界面において形成されるpn接合を利用して電荷分離を生じさせ、光電流を得る有機薄膜太陽電池である。
電子輸送層を形成する材料としては、電子受容体としての機能を有するものであれば特に限定されない。具体的には、CN−ポリ(フェニレン−ビニレン)、MEH−CN−PPV、−CN基または−CF基含有ポリマー、それらの−CF置換ポリマー、ポリ(フルオレン)誘導体、C60などのフラーレン誘導体、カーボンナノチューブ、ペリレン誘導体、多環キノン、キナクリドン等の材料を挙げることができる。中でも、電子の移動度が高い材料であることが好ましい。
また、正孔輸送層を形成する材料としては、電子供与体としての機能を有するものであれば特に限定されない。具体的には、ポリフェニレンおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリシランおよびその誘導体、ポリアルキルチオフェンおよびその誘導体、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体、有機金属ポリマー等を挙げることができる。中でも、正孔の移動度が高い材料であることが好ましい。
電子輸送層および正孔輸送層の膜厚は特に限定されないが、具体的には、各々の膜厚が0.1nm〜1500nmの範囲内、その中でも、1nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より厚い場合には、電子輸送層および正孔輸送層における体積抵抗が高くなる可能性があり、一方、膜厚が上記範囲より薄い場合には、第1電極層と第2電極層との間で短絡が生じる可能性があるからである。
また、電子輸送層または正孔輸送層を形成する方法としては、所定の膜厚に均一に形成することができる方法であれば特に限定されない。具体的には、ダイコート法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法、ビードコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法等を挙げることができる。その中でも、スピンコート法またはダイコート法であることが好ましい。光電変換層を上記範囲内の膜厚となるように精度良く形成することができるからである。
(ii)バルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池の場合
バルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池は、光電変換層として、電子受容性および電子供与性の両方の機能を有する電子正孔輸送層とし、電子正孔輸送層内で形成されるpn接合を利用して電荷分離を生じさせ、光電流を得る有機薄膜太陽電池である。
電子正孔輸送層を形成する材料としては、一般的に、バルクへテロ接合型有機薄膜太陽電池において用いられているものであれば特に限定されないが、具体的には、電子供与性の材料および電子受容体の材料の両方の材料を均一に分散させたものを挙げることができる。また、電子供与性の材料および電子受容性の両方の材料の混合比は、用いる材料により最適な混合比に適宜調整する。
電子受容性の材料としては、そのような機能を有するものであれば特に限定されない。具体的には、CN−ポリ(フェニレン−ビニレン)、MEH−CN−PPV、−CN基または−CF基含有ポリマー、それらの−CF置換ポリマー、ポリ(フルオレン)誘導体、C60誘導体、カーボンナノチューブ、ペリレン誘導体、多環キノン、キナクリドン等の材料を挙げることができる。中でも、電子の移動度の高い材料であることが好ましい。
また、電子供与性の材料としては、そのような機能を有するものであれば特に限定されない。具体的には、ポリフェニレンおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリシランおよびその誘導体、ポリアルキルチオフェンおよびその誘導体、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体、有機金属ポリマー等を挙げることができる。中でも、正孔の移動度が高い材料であることが好ましい。
電子正孔輸送層の層の数は、一層であってもよく、複数層であってもよい。
このような電子正孔輸送層の膜厚としては、一般的にバルクヘテロ接合型において採用されている膜厚であれば特に限定されないが、具体的には、0.2nm〜3000nmの範囲内、その中でも、1nm〜600nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より厚い場合には、電子正孔輸送層における体積抵抗が高くなる可能性があり、一方、膜厚が上記範囲より薄い場合には、第1電極層および第2電極層に短絡が生じる可能性があるからである。
また、電子正孔輸送層を形成する方法としては、所定の膜厚に均一に形成することができる方法であれば特に限定されない。具体的には、ダイコート法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法、ビードコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法等を挙げることができる。その中でも、スピンコート法またはダイコート法であることが好ましい。光電変換層を上記範囲内の膜厚に精度良く形成することができるからである。
3.第1電極層
本発明に用いられる第1電極層を形成する材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されないが、光の照射方向や、後述する第2電極層を形成する材料の仕事関数等を考慮して適宜選択することが好ましい。
例えば第2電極層を形成する材料を仕事関数が低い材料とした場合には、第1電極層を形成する材料は仕事関数が高い材料が好ましい。仕事関数が高い材料としては、例えばAu、Ag、Co、Ni、Pt、C、ITO、SnO、フッ素をドープしたSnO、ZnO等を挙げることができる。
また、基板側を受光面とした場合には、第1電極層を透明電極とすることが好ましい。この場合、一般的に透明電極として使用されているものを用いることができる。具体的には、In−Zn−O(IZO)、In−Sn−O(ITO)、ZnO−Al、Zn−Sn−O等を挙げることができる。
本発明おいては、第1電極層の全光線透過率が85%以上、中でも90%以上、特に92%以上であることが好ましい。基板側を受光面とした場合、第1電極層の全光線透過率が上記範囲であることにより、第1電極層にて光を十分に透過することができ、光電変換層にて光を効率的に吸収することができるからである。
なお、上記全光線透過率は、可視光領域において、スガ試験機株式会社製 SMカラーコンピュータ(型番:SM−C)を用いて測定した値である。
また、本発明においては、第1電極層のシート抵抗が20Ω/□以下、中でも10Ω/□以下、特に5Ω/□以下であることが好ましい。シート抵抗が上記範囲より大きい場合、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できない可能性があるからである。
なお、上記シート抵抗は、三菱化学株式会社製 表面抵抗計(ロレスタMCP:四端子プローブ)を用い、JIS R1637(ファインセラミックス薄膜の低効率試験方法:4探針法による測定方法)に基づき、測定した値である。
上記第1電極層は、単層であってもよく、また異なる仕事関数の材料を用いて積層されたものであってもよい。このような第1電極層の膜厚としては、単層である場合はその膜厚が、複数層からなる場合は総膜厚が、0.1〜500nmの範囲内、その中でも、1nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より薄い場合は、第1電極層のシート抵抗が大きくなりすぎ、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できない可能性があり、一方、膜厚が上記範囲より厚い場合には、全光線透過率が低下し、光電変換効率を低下させる可能性があるからである。
また、上記第1電極層は、基板上に全面に形成されていてもよく、パターン状に形成されていてもよい。
上記第1電極層の形成方法としては、一般に用いられている方法を用いることができ、具体的には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法や、CVD法等の乾式塗工法、およびITO微粒子を含有する塗工液等を塗布する湿式塗工法を挙げることができる。また、第1電極層をパターン状に形成する場合のパターニング方法としては、第1電極層を所望のパターンに精度良く形成することができる方法であれば特に限定されないが、具体的には、フォトリソグラフィー法等を挙げることができる。
4.第2電極層
本発明に用いられる第2電極層は、上記第1電極層と対向する電極である。第2電極層を形成する材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されないが、光の照射方向や、上記第1電極層を形成する材料の仕事関数等を考慮して適宜選択することが好ましい。
例えば基板側を受光面とした場合には、上記第1電極層が透明電極となり、このような場合には、第2電極層は透明でなくともよい。
また、第1電極層を仕事関数が高い材料を用いて形成した場合には、第2電極層は仕事関数が低い材料を用いて形成することが好ましい。具体的に仕事関数が低い材料としては、Li、In、Al、Ca、Mg、Sm、Tb、Yb、Zr、LiF等を挙げることができる。
第2電極層は、単層であってもよく、また、異なる仕事関数の材料を用いて積層されたものであってもよい。
上記第2電極層の膜厚は、単層である場合にはその膜厚が、複数層からなる場合には各層を合わせた総膜厚が、0.1nm〜500nmの範囲内、中でも、1nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より薄い場合は、第2電極層のシート抵抗が大きくなりすぎ、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できない可能性があり、一方、膜厚が上記範囲より厚い場合には全光線透過率が低下し、光電変換効率を低下させる可能性があるからである。
また、上記第2電極層は、光電変換層上に全面に形成されていてもよく、パターン状に形成されていてもよい。
このような第2電極層の形成方法としては、一般に使用される方法を用いることができ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法や、CVD法等の乾式塗工法、およびAg等の金属コロイドを含有する金属ペースト等を用いて塗布する湿式塗工法を挙げることができる。また、第2電極層をパターン状に形成する場合のパターニング方法としては、第2電極層を所望のパターンに精度良く形成することができる方法であれば特に限定されないが、具体的には、フォトリソグラフィー法等を挙げることができる。
5.基板
本発明に用いられる基板は、透明なものであっても不透明なものであっても特に限定されるものではないが、例えば基板側が光の受光面となる場合には、透明基板であることが好ましい。この透明基板としては、特に限定されるものではなく、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を挙げることができる。
本発明においては、上記の中でも基板が透明樹脂フィルム等のフレキシブル材であることが好ましい。透明樹脂フィルムは、加工性に優れており、製造コスト低減や軽量化、割れにくい有機薄膜太陽電池の実現において有用であり、曲面への適用等の種々のアプリケーションへの適用可能性が広がるからである。
6.電子取出し層
本発明のバイレイヤー型有機薄膜太陽電池においては、例えば図3に示すように、光電変換層4と第2電極層5との間に電子取出し層6が形成されていてもよい。
電子取出し層は、上記光電変換層から上記第2電極層への電子の取出しが容易に行われるように設けられる層である。これにより、光電変換層から第2電極層への電子取出し効率が高められるため、光電変換効率を向上させることが可能となる。
このような電子取出し層に用いられる材料としては、光電変換層から第2電極層への電子の取出しを安定化させる材料であれば特に限定されない。具体的には、ドープされたポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン、トリフェニルジアミン(TPD)等の導電性有機化合物、またはテトラチオフルバレン、テトラメチルフェニレンジアミン等の電子供与性化合物と、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン等の電子受容性化合物とからなる電荷移動錯体を形成する有機材料等を挙げることができる。また、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属との金属ドープ層が挙げられる。好適な材料としては、バソキュプロイン(BCP)または、バソフェナントロン(Bphen)と、Li、Cs、Ba、Srなどの金属ドープ層が挙げられる。
7.その他
本発明の有機薄膜太陽電池は、上述した構成部材の他にも、必要に応じて後述する構成部材を有していてもよい。例えば、本発明の有機薄膜太陽電池は、保護シート、充填材層、バリア層、保護ハードコート層、強度支持層、防汚層、高光反射層、光封じ込め層、紫外線・赤外線遮断層、封止材層等の機能層を有していてもよい。また、層構成に応じて、各機能層間に接着層が形成されていてもよい。
(1)保護シート
本発明においては、第2電極層上に保護シートが形成されていてもよい。保護シートは、本発明の有機薄膜太陽電池を外界から保護するために設けられる層である。
保護シートに用いられる材料としては、アルミニウム等の金属板もしくは金属箔、フッ素系樹脂シート、環状ポリオレフィン系樹脂シート、ポリカーボネート系樹脂シート、ポリ(メタ)アクリル系樹脂シート、ポリアミド系樹脂シート、ポリエステル系樹脂シート、または耐候性フィルムとバリアフィルムとをラミネート積層した複合シートなどが挙げられる。
上記保護シートの厚みは、20μm〜500μmの範囲内が好ましく、より好ましくは50μm〜200μmの範囲内である。
また、上記保護シートは、後述するバリア層の欄に記載するような、バリア性を有するものであってもよい。
さらに、上記保護シートには、着色等により意匠性を付与することもできる。この際、保護シートへの顔料の練り込等により着色してもよく、例えば青色ハードコート層等の着色層を積層することにより着色してもよい。
(2)充填材層
本発明においては、第2電極層と保護シートとの間に充填材層が形成されていてもよい。充填材層は、有機薄膜太陽電池の裏面側、すなわち第2電極層と上記保護シートとを接着させ、有機薄膜太陽電池を封止するために設けられる層である。
このような充填材層としては、一般に太陽電池の充填材層として使用されているものであればよく、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂が挙げられる。
また、上記充填材層の厚みは、50μm〜2000μmの範囲内であることが好ましく、200μm〜800μmの範囲内であることがより好ましい。厚みが上記範囲より薄くなると強度が低下し、逆に厚みが上記範囲より厚くなるとクラック等が発生しやすくなるからである。
(3)バリア層
本発明においては、上記基板の表面、または上記保護シートの表面にバリア層が形成されていてもよい。また、上記基板または上記保護シートが複数層からなる場合は、各層の間にバリア層を設けてもよい。本発明に用いられるバリア層は、透明な層であり、かつ外部からの酸素や水蒸気の浸入を妨げ、本発明の有機薄膜太陽電池を保護するために設けられる層である。
本発明に用いられるバリア層は、酸素透過率が、5cc/m/day以下であり、中でも0.1cc/m/day以下であることが好ましい。一方、酸素透過率の下限は測定装置の精度から5.0×10−3cc/m/day/atmとする。なお、上記酸素透過率は、酸素ガス透過率測定装置(MOCON社製、OX−TRAN 2/21)を用い、23℃、90%Rhの条件で測定した値である。
また水蒸気透過率は、37.8℃、100%Rhの条件において5g/m/day以下であり、中でも0.01g/m/day以下であることが好ましい。さらに、40℃、90%Rhの条件においては、水蒸気透過率が1g/m/day以下であることが好ましく、測定装置の精度から水蒸気透過率の下限は5.0×10−3g/m/dayとする。なお、上記水蒸気透過率は、水蒸気透過率測定装置(MOCON社製、PERMATRAN−W 3/33)を用いて測定した値である。
バリア層の形成材料としては、上述したバリア性が得られるものであれば特に限定されるものではなく、例えば無機酸化物、金属、ゾルゲル材料等が挙げられる。具体的には、無機酸化物としては、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)、酸化イットリウム、酸化ホウ素(B)、酸化カルシウム(CaO)、酸化窒化炭化ケイ素(SiO)等が挙げられ、金属としては、Ti、Al、Mg、Zr等が挙げられ、ゾルゲル材料としてはシロキサン系ゾルゲル材料等が挙げられる。これらの材料は、単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記バリア層の膜厚は、用いられる材料の種類等により適宜選択されるが、10nm〜1000nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記の範囲より薄いと、十分なバリア性が得られない可能性があり、膜厚が上記範囲より厚いと、成膜に長時間を要するからである。
また、バリア層は、単一の層であってもよく、複数の層が積層されたものであってもよい。複数層積層する場合には、直接積層形成してもよく、貼り合わせてもよい。
バリア層の形成方法としては、例えばスパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法やCVD法などの蒸着法、またはロールコート法、スピンコート法などが挙げられる。また、これらの方法を組み合わせてもよい。
さらに、バリア層としては、上述したバリア性を有する層であれば、特に限定されるものではないが、そのバリア性の高さ等から、蒸着法により形成された蒸着層を有することが好ましい。
上記蒸着層としては、蒸着法により形成される層であれば、その蒸着法の種類等は特に限定されるものではなく、CVD法であってもよく、またPVD法であってもよい。蒸着層が、例えばプラズマCVD法等のCVD法により形成される場合には、緻密でバリア性の高い層を形成することが可能となるが、本発明においては、製造効率やコスト等の面からPVD法であることが好ましい。本発明に用いられるPVD法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等が挙げられるが、中でも、そのバリア性等の面から、真空蒸着法であることが好ましい。本発明に用いられる真空蒸着法として、具体的には、例えばエレクトロンビーム(EB)加熱方式による真空蒸着法、または高周波誘電加熱方式による真空蒸着法等が挙げられる。
また、上記蒸着層の材料としては、金属または無機酸化物が好ましく、Ti、Al、Mg、Zr、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化窒化珪素、酸化窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化イットリウム、B、CaO等を挙げることができ、中でも酸化珪素であることが好ましい。酸化珪素からなる層は、高いバリア性と透明性とを有するからである。
また、本発明における蒸着層の厚さは、用いられる材料の種類や構成により最適条件が異なり適宜選択されるが、5nm〜1000nm、中でも10nm〜500nmの範囲内であることが好ましい。蒸着層の厚さが、上記の範囲より薄い場合には、均一な層とすることが困難な場合があり、上記バリア性を得ることができない場合があるからである。また、蒸着層の厚さが上記の範囲より厚い場合には、成膜後に、引っ張り等の外的要因により、蒸着層に亀裂が生じること等により、バリア性が著しく損なわれる可能性があるためであり、また形成に時間を要し、生産性も低下するからである。
(4)保護ハードコート層
本発明においては、有機薄膜太陽電池の最外面に保護ハードコート層が設けられていてもよい。保護ハードコート層は、紫外線遮蔽性および耐候性を有するものであり、有機薄膜太陽電池を外部環境から保護するため、光電変換層や正孔取出し層を保護し、光電変換層や正孔取出し層に含まれる材料の劣化を防ぐために設けられる層である。
保護ハードコート層の形成材料としては、紫外線遮蔽性および耐候性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えばアクリル系樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記樹脂に耐光性添加剤を添加してもよい。耐光性添加剤としては、光安定剤(HALS)、紫外線吸収剤(UVA)等が挙げられる。
上記保護ハードコート層の膜厚は、0.5μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より薄いと、紫外線遮蔽性および耐候性が不十分となる場合があり、また膜厚が上記範囲より厚いと、コーティング加工が困難となり、量産性に劣る場合があるからである。
保護ハードコート層の形成方法としては、例えばスパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法、CVD法、ロールコート法、スピンコート法などが挙げられる。また、これらの方法を組み合わせてもよい。中でも、ロールコート法が好ましく用いられる。ロールコート法は量産性に優れ、紫外線遮蔽および耐候性の良好な保護ハードコート層を形成できるからである。
また、保護ハードコート層の下地層として、アンカー層が形成されていてもよい。これにより、耐候性を高めることができるからである。
アンカー層の形成方法としては、例えばスパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法、CVD法、ロールコート法、スピンコート法などが挙げられる。また、これらの方法を組み合わせてもよい。中でも、成膜時のインラインコートが好ましい。これは、量産性に優れ、アンカー層の密着性を高めることができるからである。
(5)強度支持層
本発明においては、上記保護ハードコート層の内側に強度支持層が形成されていてもよい。強度支持層の形成位置としては、保護ハードコート層の内側であればいずれの位置に設置されていてもよいが、好ましくは各機能層間に設けられる。また、基板自体に強度支持層の機能が付与されていてもよい。
強度支持層は、耐熱性、耐湿熱性、耐加水分解性、透明性に優れるものである。
耐熱性としては、温度100℃で72時間保持する耐熱試験を行った場合に、耐熱試験前に対する耐熱試験後の発電効率の低下率が10%以内であることが好ましい。さらに、温度125℃で72時間保持する耐熱試験を行った場合に、耐熱試験前に対する耐熱試験後の発電効率の低下率が10%以内であることが好ましい。なお、耐熱試験は、JIS C60068-2-2に準ずるものとする。
耐湿熱性としては、あらかじめ温度40℃以上、湿度90%RH以上の条件に調整された恒温恒湿槽環境内に有機薄膜太陽電池を96時間以上保持する耐湿熱試験を行った場合に、耐湿熱試験前に対する耐湿熱試験後の発電効率の低下率が10%以内であることが好ましい。さらに、あらかじめ温度80℃以上、湿度80%RH以上の条件に調整された恒温恒湿槽環境内に有機薄膜太陽電池を500時間以上保持する耐湿熱試験を行った場合に、耐湿熱試験前に対する耐湿熱試験後の発電効率の低下率が10%以内であることが好ましい。なお、耐湿熱試験は、JIS C60068-2-3に準じ、楠本化成(株)製 環境試験機「HIFLEX αシリーズ FX424P」を用いて評価するものとする。
透明性としては、全光線透過率が70%以上、中でも85%以上であることが好ましい。なお、全光線透過率は、可視光領域において、スガ試験機株式会社製 SMカラーコンピュータ(型番:SM−C)を用いて測定した値である。
これは、有機薄膜太陽電池には優れた耐熱性、耐湿熱性、透過性が要求されるためである。
強度支持層の形成材料としては、例えばシリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、シンジオタクチック・ポリスチレン(SPS)系樹脂、ポリアミド(PA)系樹脂、ポリアセタール(POM)系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル(mPPE)系樹脂、ポロフェニレンサルファイド(PPS)系樹脂、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(PTEE)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化エチレンプロピレン(FEP))、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)系樹脂、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルニトリル(PEN)系樹脂、ポリスルホン(PSF)系樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)系樹脂、ポリアリレート(PAR)系樹脂、ポリアミドイミド(PAI)系樹脂、ポリイミド(PI)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PEN)、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、二軸延伸ポリスチレン(OPS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、ポリエステル(PE)、ポリアクリロニトリル(PAN)等が挙げられる。また、これらの樹脂の耐候グレードを用いることもできる。さらに、これらの樹脂をガラス繊維等と組み合わせることにより更に強化してもよい。
上記強度支持層の膜厚は、10μm〜800μmの範囲内であることが好ましく、特に100μm〜400μmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より薄いと、十分な強度が得られない場合があり、また膜厚が上記範囲より厚いと、製造工程上の加工が困難となる場合があるからである。
(6)接着層
本発明においては、層構成に応じて、各層間に接着層が形成されていてもよい。
接着層は、耐熱性、耐湿熱性に優れるものである。
耐熱性としては、温度100℃で72時間保持する耐熱試験を行った場合に、耐熱試験前に対する耐熱試験後の発電効率の低下率が10%以内であることが好ましい。さらに、温度125℃で72時間保持する耐熱試験を行った場合に、耐熱試験前に対する耐熱試験後の発電効率の低下率が10%以内であることが好ましい。
耐湿熱性としては、あらかじめ温度40℃以上、湿度90%RH以上の条件に調整された恒温恒湿槽環境内に有機薄膜太陽電池を96時間以上保持する耐湿熱試験を行った場合に、耐湿熱試験前に対する耐湿熱試験後の発電効率の低下率が10%以内であることが好ましい。さらに、あらかじめ温度80℃以上、湿度80%RH以上の条件に調整された恒温恒湿槽環境内に有機薄膜太陽電池を500時間以上保持する耐湿熱試験を行った場合に、耐湿熱試験前に対する耐湿熱試験後の発電効率の低下率が10%以内であることが好ましい。
これは、有機薄膜太陽電池には優れた耐熱性、耐湿熱性が要求されるためである。なお、耐熱試験および耐湿熱試験については、上述したものと同様である。
接着層の形成材料としては、例えばシリコーン系樹脂、ゴム系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、ホットメルト系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エポキシ樹脂、スチレンブタジエン系樹脂等が挙げられる。また、これらの樹脂の耐候グレードを用いることもできる。
上記接着層の膜厚は、1μm〜200μmの範囲内、特に2μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より薄いと、強度が劣る可能性があり、また膜厚が上記範囲より厚いと、製造工程上の加工が困難となる場合があるからである。
接着層の形成方法としては、例えばドライラミネート法、溶融押し出しラミネート法等が挙げられる。また、粘着シートを介して積層してもよい。好ましくは、ロールコートによるドライラミネート法が用いられる。この方法は、量産性に優れ、良好な密着性が得られるからである。
(7)層構成
本発明においては、第1電極層および第2電極層間に正孔取出し層および光電変換層がこの順に配置されているものであれば特に限定されない。例えば上述したように、光電変換層が単層であっても複数層であってもよく、また光電変換層が複数層である場合には各層間に別途電極層が設けられていてもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
(第1電極層の形成)
ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム基板(厚み:125μm)の表面にPVD法によりSiO薄膜を形成し、そのSiO薄膜の上面に透明電極であるITO膜(膜厚:150nm、シート抵抗:20Ω/□)をイオンプレーティング法(パワー:3.7kW、酸素部分圧:73%、成膜圧力:0.3Pa、成膜レート:150nm/min、基板温度:20℃)により成膜した後に、エッチングによりパターンニングした。次いで、ITOパターンが形成された基板をアセトン、基板洗浄液、IPAをそれぞれ用いて洗浄した。
(正孔取出し層の形成)
正孔取出し層形成用塗工液として導電性高分子ペーストの調製を行った。ポリ(3,4)−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォネート(PEDOT/PSS)の2wt%水分散体に、ポリエステル樹脂の25wt%水分散体と、N−メチルホルムアミドと、フッ素系界面活性剤(フルオロアルキルカルボン酸)とを重量比90:5:4:1で添加し、これらの混合物を攪拌器にて50分攪拌して、目的とする導電性高分子ペーストを得た。
次に、導電性高分子ペーストをスピンコート法にて上記ITOパターンが形成された基板上に成膜し、150℃で30分間乾燥させて正孔取出し層(膜厚:100nm)を形成した。
(光電変換層の形成)
ポリチオフェン(P3HT:ポリ3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル(レジオレギュラー))の0.3wt%クロロホルム溶液と、フラーレン(PCBM:1−(3−メトキシカルボニル)プロピル−1−フェニル(6,6)−C60)の0.1wt%クロロホルム溶液とを重量比3:1で混合し、この混合溶液をφ0.2μmのろ紙でろ過して、光電変換層形成用塗工液を調製した。
この光電変換層形成用塗工液を上記正孔取出し層上にスピンコート法にて成膜し、110℃で10分間乾燥させて光電変換層(膜厚:30nm)を形成した。
(第2電極層の形成)
次に、光電変換層上に、Ca薄膜(膜厚:100nm)、Al薄膜(膜厚:500nm)を順次蒸着法にて成膜し、金属電極とした。
(有機薄膜太陽電池の作製)
最後に、封止用ガラス材により金属電極の上から封止して、バルクヘテロ接合型の有機薄膜太陽電池を作製した。
[実施例2]
実施例1において、正孔取出し層を形成する際に、添加成分としてポリエステル樹脂のみを用いて導電性高分子ペーストを調製した以外は、実施例1と同様にして有機薄膜太陽電池を作製した。
[比較例]
実施例1において、正孔取出し層を形成する際に、添加成分としてポリエステル樹脂、N−メチルホルムアミド、およびフッ素系界面活性剤を用いないで導電性高分子ペーストを調製した以外は、実施例1と同様にして有機薄膜太陽電池を作製した。
[評価]
太陽電池特性に関しては、AM1.5、擬似太陽光(100mW/cm)を照射光源とし、ソースメジャーユニット(HP社製、HP4100)にて電圧印加により電流電圧特性の評価を行った。また、表面粗さRaに関しては、上述した方法により測定した。評価結果を下記表1に示す。
Figure 2006310729
比較例の有機薄膜太陽電池では光電変換効率が0.6%、短絡電流密度が2.0mA/cmであったのに対し、実施例1の有機薄膜太陽電池では光電変換効率が2.0%、短絡電流密度が7.0mA/cm、実施例2の有機薄膜太陽電池では光電変換効率が1.5%、短絡電流密度が5.0mA/cmとなり太陽電池の性能が向上した。
これは、樹脂成分の添加によって正孔取出し層の平滑性が向上し、表面粗さRaの値が小さくなったためであると考えられる。また、樹脂成分に加えてその他の添加成分を加えたことも、性能向上に寄与していると考えられる。以上のことから、平滑性(表面粗さRa)および添加成分が光電変換効率の向上に有効であることが分かった。
本発明の有機薄膜太陽電池の一例を示す概略断面図である。 正孔取出し層を説明するための説明図である。 本発明の有機薄膜太陽電池の他の例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 … 基板
2 … 第1電極層
3 … 正孔取出し層
4 … 光電変換層
5 … 第2電極層
6 … 電子取出し層
10 … 有機薄膜太陽電池
11 … 導電性高分子材料の凝集体
12 … 樹脂成分
13 … 正孔伝達経路

Claims (7)

  1. 基板と、前記基板上に形成された第1電極層と、前記第1電極層上に形成された正孔取出し層と、前記正孔取出し層上に形成された光電変換層と、前記光電変換層上に形成された第2電極層とを有する有機薄膜太陽電池であって、
    前記正孔取出し層が、導電性高分子材料と樹脂成分とを含有することを特徴とする有機薄膜太陽電池。
  2. 前記樹脂成分が、前記導電性高分子材料と親和性の高いものであることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜太陽電池。
  3. 前記正孔取出し層が、両親媒性材料を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機薄膜太陽電池。
  4. 前記両親媒性材料が、非イオン性界面活性剤またはフッ素系界面活性剤であることを特徴とする請求項3に記載の有機薄膜太陽電池。
  5. 前記正孔取出し層が、不対電子をもつ低分子化合物を含有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の有機薄膜太陽電池。
  6. 前記不対電子をもつ低分子化合物が、窒素を含むことを特徴とする請求項5に記載の有機薄膜太陽電池。
  7. 前記光電変換層と前記第2電極層との間に電子取出し層が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の有機薄膜太陽電池。
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