JP2014053383A - タンデム型の有機光電変換素子およびこれを用いた太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】タンデム型の有機光電変換素子として、所望の開放端電圧が得られ、かつ十分な光電変換効率を発揮することができるタンデム型の有機光電変換素子を提供する。
【解決手段】少なくとも2つ以上のサブセルを有するタンデム型の有機光電変換素子において、それぞれのサブセルが光電変換層と正孔輸送層を有し、それぞれの光電変換層が吸収波長の異なるp型半導体を有し、且つ、それぞれの正孔輸送層の仕事関数が、前記それぞれのサブセルの光電変換層のp型半導体のHOMO準位よりも0.3eV以上深いことを特徴とするタンデム型の有機光電変換素子により達成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、タンデム型の有機光電変換素子およびこれを用いた太陽電池に関する。
近年、地球温暖化に対処するため、二酸化炭素排出量の削減が切に望まれている。また、近い将来、石油、石炭、および天然ガス等の化石燃料が枯渇することが予想されており、これらに替わる地球に優しいエネルギー資源の確保が急務となっている。そこで、太陽光、風力、地熱、原子力等利用した発電技術の開発が盛んに行われているが、なかでも太陽光発電は、安全性の高さから特に注目されている。
太陽光発電では、光起電力効果を利用した光電変換素子を用いて、光エネルギーを直接電力に変換する。光電変換素子は、一般的に、一対の電極の間に光電変換層(光吸収層)が挟持されてなる構造を有し、当該光電変換層において光エネルギーが電気エネルギーに変換される。光電変換素子は、光電変換層に用いられる材料や、素子の形態により、単結晶・多結晶・アモルファスのSiを用いたシリコン系光電変換素子、GaAsやCIGS(銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)からなる半導体)等の化合物半導体を用いた化合物系光電変換素子、色素増感型光電変換素子(グレッツェルセル)等が提案・実用化されている。
しかしながら、これらの太陽電池を用いた場合の発電コストは、依然として化石燃料を用いて発電・送電する場合のコストと比較して高く、これが太陽光発電の普及の妨げとなっていた。また、基板に重いガラスを用いなければならないため、屋根等に設置する場合に補強工事が必要であり、これらも発電コストを高騰させる一因であった。
太陽光発電における発電コストを低減させるための技術として、透明電極と対電極との間に、電子供与性有機化合物(p型有機半導体)と電子受容性有機化合物(n型有機半導体)との混合物を光電変換層として含むバルクへテロジャンクション型の光電変換素子が提案されている。
バルクへテロジャンクション型の有機光電変換素子は、軽量で柔軟性に富むことから、様々な製品への応用が期待されている。また、構造が比較的単純であり、p型有機半導体およびn型有機半導体を塗布することによって光電変換層を形成できることから、大量生産に好適であり、コストダウンによる太陽電池の早期普及にも寄与するものと考えられる。より具体的には、バルクへテロジャンクション型の有機光電変換素子において、電極(陽極および陰極)等を構成する金属層や金属酸化物層は蒸着法等により形成されうるが、これら以外の層は塗布プロセスを用いて形成することができる。したがって、バルクへテロジャンクション型光電変換素子の製造は高速でかつ安価に行うことが可能であると期待され、上述した発電コストの課題を解決できる可能性があると考えられるのである。さらに、従来のシリコン系光電変換素子、化合物系光電変換素子、色素増感型の光電変換素子等の製造とは異なり、高温の製造プロセスを必須に伴うものではないため、安価でかつ軽量なプラスチック基板上への連続形成も可能であると期待される。
しかしながら、有機光電変換素子は、他のタイプの光電変換素子と比較して、光電変換効率や、熱や光に対する耐久性が十分とはいえなかった。
上記バルクへテロジャンクション型の有機光電変換素子のような有機光電変換素子をタンデム構造とした、タンデム型の有機光電変換素子の耐久性向上のために、正孔注入層(HIL;Hole Injection Layer)を上に塗布する逆層型(Inverted Structure)が提案されている(特許文献1)。この際、タンデム中間層の電気的接合の改善、および表面張力の調整による塗布性の改善のために、元来酸性であるPEDOT:PSS(Poly(3,4−ethylenedioxythiophene) poly(styrenesulfonate)、(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン) ポリスチレンスルホン酸))などのHIL材料を中和する方法が取られていた(例えば、特許文献1、非特許文献1)。また、中間層のHIL塗布液にポリスチレンスルホン酸ナトリウム(PPS−Na)などの剤を添加することで、pHを大きく変化させず、電気的接合と濡れ性を改善させた構成が提案されている(例えば、非特許文献2)。
国際公開第2009/133792号パンフレット
Appl.Phys.Let,96,153504(2010) Adv.Mater.2011,233,465−3470
従来公知の文献で紹介されている上述の様な方法では、確かに外部から侵入する水分によってインジウムスズ酸化物(ITO)基板や光電変換素子の腐食が抑制され、フィルファクター(曲線因子;FF)が下がりにくく、耐久性が大きく改善される効果が期待できる。しかしながら、従来これらの文献で紹介されている技術では、水蒸気透過率(WVTR)の小さいハイバリアで封止した素子において、加速条件下、光照射によって起こされる短絡電流密度Jsc劣化に伴う効率低下が課題であり、長期駆動させることによる耐久性の観点では根本的な解決にはなっておらず有効な対策が見出されていなかった。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、タンデム型の有機光電変換素子として、所望の開放端電圧(Voc)が得られ、かつ十分な光電変換効率を発揮することができるタンデム型の有機光電変換素子を提供することを目的とする。
本発明者らの鋭意検討の結果、従来公知の文献で紹介されている技術では、加速条件下、光照射によって起こされる短絡電流密度Jscの低下が起きることが分かった。更に、2つ以上のサブセルを有するタンデム型の有機光電変換素子において、それぞれのサブセルが光電変換層と正孔輸送層を有し、それぞれの光電変換層が吸収波長の異なるp型半導体を有し、且つ、それぞれの正孔輸送層の仕事関数が、前記それぞれのサブセルの光電変換層のp型半導体のHOMO準位よりも0.3eV以上深いことで、光照射下の加速劣化試験においても優れた耐久性を有し、かつ十分な開放端電圧Vocが発揮される構成を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のタンデム型の有機光電変換素子およびこれを用いた太陽電池は、上記目的を、以下の構成により達成する。
(1)2つ以上のサブセルを有するタンデム型の有機光電変換素子において、
それぞれのサブセルが光電変換層と正孔輸送層を有し、
それぞれの光電変換層が吸収波長の異なるp型半導体を有し、且つ、
それぞれの正孔輸送層の仕事関数が、前記それぞれのサブセルの光電変換層のp型半導体のHOMO準位よりも0.3eV以上深いことを特徴とするタンデム型の有機光電変換素子。
(2)前記それぞれの正孔輸送層の仕事関数が、それぞれのサブセルの光電変換層のp型半導体のHOMO準位よりも0.3eV以上、1.0eV以下の間で深いことを特徴とする上記(1)に記載のタンデム型の有機光電変換素子。
(3)少なくとも1つのサブセルの前記正孔輸送層が、スルホン酸基を有するポリテトラフルオロエチレン誘導体を有する上記(1)又は(2)に記載のタンデム型の有機光電変換素子。
(4)少なくとも1つのサブセルの前記正孔輸送層が、金属錯体またはフッ素置換フラーレンがドープされたポリマー層である上記(1)又は(2)に記載のタンデム型の有機光電変換素子。
(5)前記2つ以上のサブセルにおいて、最も短波長を吸収するサブセルの光電変換層に含まれるp型半導体のHOMOが、最も長波長を吸収するサブセルの光電変換層に含まれるp型半導体のHOMOに対し、0.1eV以上、0.5eV以下の範囲で深いことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のタンデム型の有機光電変換素子。
(6)前記p型半導体がp型ポリマーであって、前記p型ポリマーが、分子内に下記一般式1Aまたは一般式1Bで表される少なくとも1種のユニットを有することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のタンデム型の有機光電変換素子;
(ここで、X〜Xは、相互に独立して、F、Cl、Brから選ばれるハロン元素、また、y〜yは、相互に独立して、S、O、Nから選ばれる元素を示す。)。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載のタンデム型の有機光電変換素子を用いてなることを特徴とするタンデム型の有機薄膜太陽電池。
本発明の実施によって、光照射下の加速劣化試験においても優れた耐久性を有し、かつ十分な開放端電圧Vocを発揮することができるタンデム型の有機光電変換素子を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る、タンデム型の有機光電変換素子を模式的に表した断面概略図である。
本発明はタンデム型の有機光電変換素子に関し、より詳しくは、2つ以上のサブセルを有するタンデム型の有機光電変換素子において、それぞれのサブセルが光電変換層と正孔輸送層を有し、それぞれの光電変換層が吸収波長の異なるp型半導体を有し、且つ、それぞれの正孔輸送層の仕事関数が、前記それぞれのサブセルの光電変換層のp型半導体のHOMO準位よりも0.3eV以上深いことを特徴とする。
仕事関数を上述のように深くすることで、光照射下の加速試験で短絡電流密度Jscの劣化が抑制される要因は定かにはなっていないが、光照射によって発生した電荷が、光電変換層(発電層)と正孔輸送層(ホール輸送層)との界面近傍に蓄積することが抑制されることによって、界面の電気的な接合を劣化させることがないためと推定している。
なぜタンデム型の有機光電変換素子において、このように正孔輸送層の仕事関数を調整する必要があるかというと、従来の構成ではサブセル間で電荷の再結合が起きる機能と、正孔輸送層としての機能を両立する必要があり、接合を意識して高性能化すると、自ずと仕事関数が浅い方向にシフトしてしまうため、タンデム型の有機光電変換素子において極めて重要な役割を果たすと考えている。例えば、従来公知の特許文献1(WO2009133792A)で紹介されている方法においては、元来酸性であるPEDOT:PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン) ポリスチレンスルホン酸)を中和することで、仕事関数が浅い方向にシフトしてしまう挙動を示す。特許文献1で示されるp型半導体であるP3HT(ポリ−3−ヘキシルチオフェン)は仕事関数が5.0eVと比較的浅いために、この正孔輸送層の仕事関数シフトの影響をあまり受けない特徴があった。しかしながら、太陽光スペクトルの中で、エネルギーのより高い短波長域の光をより有効利用するためには、より仕事関数の深いp型ポリマーを採用する必要があり、その際に、この浅い仕事関数を有する正孔輸送層と併用することで耐久性の劣化が顕著になるところにトレードオフが存在した。
本発明は以下に開示する技術によって、タンデム型の有機光電変換素子の開放端電圧Vocを劣化させることなく、加速条件下、光照射によって起こされる短絡電流密度Jscの低下を大幅に抑制出来ることを見出し、長期にわたって高い安定性を確保出来ることを見出し本発明の開示に至った。
以下、添付した図面を参照しながら本発明の有機光電変換素子を説明するが、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲の記載により定められるべきものであり、以下の形態のみに制限されない。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1は、本発明の一実施形態に係る、タンデム型の有機光電変換素子を模式的に表した断面概略図である。具体的には、図1の有機光電変換素子1は、基板10上に、第1の電極11、第1の電子輸送層13a、第1の光電変換層14a、第1の正孔輸送層15a、第2の電子輸送層13b、第2の光電変換層14b、第2の正孔輸送層15b、および第2の電極12がこの順に積層されてなる構成を示す。ここで便宜上、第1の電子輸送層13a、第1の光電変換層14a、第1の正孔輸送層15aを総じて第1のサブセル16aと呼び、第2の電子輸送層13b、第2の光電変換層14b、第2の正孔輸送層15bを総じて第2のサブセル16bと呼ぶ。実際には第3、第4のサブセルが積層された構成でもよいし、各々のサブセル間に任意で透明電極や再結合層などが新たに積層された構成であっても本発明で好ましく用いられる。
図1に示す有機光電変換素子1の作動時において、光Lは透明基板10側から照射される。本実施形態において、第1の電極11は、照射された光Lが第1の光電変換層14aもしくは第2の光電変換層14bへと届くようにするため、透明な電極材料(例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)や薄膜金属など)で構成される。
図1において、基板10を経て第1の電極11から入射された光は、光電変換層14aもしくは同14bにおける電子供与体(一般的にはp型半導体)あるいは電子受容体(一般的にはn型半導体)で吸収され、励起状態の励起子が電子供与体と電子受容体との界面に拡散移動し、そこで正孔と電子のペア(電荷分離状態)が形成される。
発生した電荷は内部電界、例えば、電極(第1の電極11と第2の電極12)間の仕事関数の電位差によって形成される内蔵電界、もしくはそれぞれのサブセル(16a、16b)が有する正孔輸送層(15a、15b)と電子輸送層(13a、13b)の電位差によって形成される内蔵電界、更には電極(11、12)とそれぞれのサブセル(16a、16b)が有する正孔輸送層(15a、15b)もしくは電子輸送層(13a、13b)によって形成される内蔵電界によって、電子は電子受容体間を通り、また正孔は電子供与体間を通り、それぞれ異なる電極(11、12)へ運ばれ、光電流が検出される。
なお、正孔輸送層15aもしくは15bは、正孔の移動度が高い材料で形成されており、光電変換層14aもしくは14bのpn接合界面で生成した正孔を効率よく隣接するサブセル(16b)もしくは電極(12)へと輸送する機能を担っている。一方、電子輸送層13aもしくは13bは、電子の移動度が高い材料で形成されており、光電変換層14aもしくは14bのpn接合界面で生成した電子を効率よく隣接するサブセル(16a)もしくは電極(11)へと輸送する機能を担っている。
第1の光電変換層14aおよび第2の光電変換層14bに、それぞれ吸収波長の異なる光電変換材料(p型(有機)半導体およびn型有機半導体)を用いることにより、より広い波長域の光を効率よく電気に変換することが可能となる。
以下、本発明に係る有機光電変換素子の各構成要素について詳細に説明する。
[正孔輸送層]
本発明の正孔輸送層は、それぞれのサブセルに配され、それぞれの正孔輸送層の仕事関数が、前記それぞれのサブセルのp型半導体のHOMO準位よりも0.3eV以上深いことを特徴とする。更に好ましくはそれぞれの正孔輸送層の仕事関数が、それぞれのサブセルの光電変換層のp型半導体のHOMO準位よりも0.3eV以上、1.0eV以下の間で深いことが好ましく、0.4eV以上、0.9eV以下であることが更に好ましい。この好ましい仕事関数の範囲であれば、所望のVocが得られ、且つ光照射下における加速試験においても安定した出力を得ることができる。
本発明にかかる正孔輸送層の仕事関数を制御する方法としては、基本的には後述する好ましい材料の中から、上述した範囲になるよう材料を選択し設計することとなる。更に、ドープによって導電性を得る構成の場合は、マトリックス材料(後述するホスト材料)中にドープするドープ材料の種類や量によって制御することができる。
ドープ材料のドープ量は、ドープ剤のアクセプター性、ドナー性の強さに依存するため一概には言えないが、正孔輸送材料全量に対して、好ましくは10ppm以上〜10質量%以下の量でドープされることが好ましく、より好ましくは100ppm〜1質量%の範囲である。
仕事関数はいかなる方法で評価してもよいが、本願においては光電子分光法(UPS法)により評価することとし、特に説明がなければ、それぞれの材料について単膜を作製し、ヴァキュームジェネレーターズ社製、ESCALab200R及びUPS−1ユニットを用いて光電子分光スペクトルを評価し、仕事関数を算出するものとする。また、p型半導体(p型ポリマー)の仕事関数は、p型半導体(p型ポリマー)のHOMO準位と等価である。従って、それぞれのサブセルの光電変換層のp型半導体(p型ポリマー)のHOMO準位は、p型半導体(p型ポリマー)の仕事関数を上記方法で算出することにより求めることができる(後述する、実施例でも、p型半導体(p型ポリマー)のHOMO準位は、これと等価であるp型半導体(p型ポリマー)の仕事関数を求めることにより、それぞれの正孔輸送層の仕事関数が、それぞれのサブセルのp型半導体(p型ポリマー)のHOMO準位よりも0.3eV以上深いか否かを、表3の「仕事関数差」により評価している。)。
図1に示す本形態で開示するタンデム型の有機光電変換素子1は、第1サブセル16aおよび第2サブセル16bにおいて、第1及び第2の正孔輸送層15a、15bを必須に有する。なお、本発明において、サブセルが3つ以上の場合には、それぞれのサブセルに正孔輸送層を有する。これらの正孔輸送層は、正孔を輸送する機能を有し、かつ電子を輸送する能力が著しく小さい(例えば、正孔の移動度の10分の1以下)という性質を有する。例えば、図1に示す本形態を例にとれば、第2の正孔輸送層15bは、第2の光電変換層14bと陽極(第2の電極)12との間に、また第1の正孔輸送層15aは、第1の光電変換層14aと第2のサブセル16bを介した陽極(第2の電極)12との間にそれぞれ設けられ、正孔を隣接するサブセル16bもしくは陽極(第2の電極)12へと輸送しつつ、電子の移動を阻止することで、電子と正孔とが再結合するのを防ぐことができる。よって、本明細書では、正孔注入層、電子ブロック層等も正孔輸送層の概念に含む。
本発明においては、上記正孔輸送層に用いられる正孔輸送材料は、特に制限はなく、本技術分野で使用されうる材料を適宜採用することができる。
本発明で好ましく用いられる正孔輸送材料の1種である導電性高分子は、特に限定されないが、π共役系高分子とポリアニオンとを有してなることが好ましい。こうした導電性高分子は、π共役系高分子を形成する前駆体モノマーを、適切な酸化剤と酸化触媒と後述のポリアニオンの存在下で化学酸化重合することによって容易に製造できる。
本発明に用いることができる上記導電性高分子に含まれる上記π共役系高分子としては、ポリチオフェン(基本のポリチオフェンを含む、以下同様)類、ポリピロール類、ポリインドール類、ポリカルバゾール類、ポリアニリン類、ポリアセチレン類、ポリフラン類、ポリパラフェニレンビニレン類、ポリアズレン類、ポリパラフェニレン類、ポリパラフェニレンサルファイド類、ポリイソチアナフテン類、ポリチアジル類、の鎖状導電性ポリマーを利用することができる。中でも、導電性、透明性、安定性等の観点からポリチオフェン類やポリアニリン類が好ましい。更にはポリエチレンジオキシチオフェン類であることが好ましい。
本発明で好ましく用いられる上記導電性高分子に含まれる上記ポリアニオンとしては、特に限定されないが、アニオン性基として、スルホ基を有することがより好ましい。ポリアニオンの具体例としては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸等が挙げられる。これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
また、上記導電性高分子に含まれる上記ポリアニオンとしては、化合物内にフッ素(F)を有するポリアニオンであってもよい。具体的には、パーフルオロスルホン酸基を含有するナフィオン(Dupont社製、登録商標)、カルボン酸基を含有するパーフルオロ型ビニルエーテルからなるフレミオン(旭硝子社製、登録商標)等を挙げることができる。特に本発明では、強い電荷移動性から正孔密度を高める効果が期待でき、結果として正孔輸送性を向上させるといった観点から、少なくとも1つのサブセルの正孔輸送層が、スルホン酸基を有するポリテトラフルオロエチレン誘導体を有するのが望ましい。このスルホン酸基を有するポリテトラフルオロエチレン誘導体としては、上記したパーフルオロスルホン酸基を含有するナフィオン(Dupont社製、登録商標)などが含まれるが、これらに何ら制限されるものではない。
こうした正孔輸送材料の1種である導電性高分子としては公知の材料や市販の材料も好ましく利用できる。例えば、一例を挙げると、ヘレウス社製、商品名CLEVIOS−P等のPEDOT:PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン) ポリスチレンスルホン酸)、欧州特許第1546237号、特開2009−132897号公報等に記載のフッ素系ポリアニオン類(ナフィオン等)含有、または特開2006−225658号公報のようなフッ素系ポリアニオン添加構成、欧州特許第1647566号等に記載のポリチエノチオフェン類、特開2010−206146号公報に記載のスルホン化ポリチオフェン類、ポリアニリンおよびそのドープ材料、Aldrich社からPEDOT−PASS483095、560598として、Nagase Chemtex社からDenatronシリーズとして市販されている。また、ポリアニリンが、日産化学社からORMECONシリーズとして市販されている。本発明において、こうした剤も好ましく用いることができる。
また、正孔輸送層に用いられる正孔輸送材料としては、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、およびピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等もまた、用いられうる。
また、これら以外にも、正孔輸送材料として、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物、およびスチリルアミン化合物等が使用可能であり、これらのうちでは、芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。なお、場合によっては、正孔輸送材料として、p型−Si、p型−SiC、酸化ニッケル、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン等の無機化合物を用いて正孔輸送層を形成してもよい。
さらに上記化合物(上記した各種の正孔輸送材料)に含まれる構造単位を高分子鎖に導入した、あるいは、上記化合物を高分子の主鎖とした高分子材料を正孔輸送材料として用いることもできる。また、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.,Applied Physics Letters,80(2002),p.139に記載されているような、p型正孔輸送材料を用いることもできる。さらに、不純物をドープしたp性の高い正孔輸送材料を用いることもできる。一例を挙げると、特開平4−297076号公報、特開2000−196140号公報、特開2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)、Appl.Phys.Let.,98,073311(2011)等に記載された材料、および構成が挙げられる。
本発明の正孔輸送層においては所望の仕事関数や導電性を得るために、強いアクセプター性を有する有機化合物(例えば、以下に示す金属錯体やフッ素置換されたフラーレンなど)や無機化合物、無機金属および金属酸化物を、上記した正孔輸送材料中にドープした正孔輸送層を好ましく用いることができる。
ドープ材料として好ましく用いられる具体的材料例として、例えば、国際公開第2007/146250号パンフレット、国際公開第2006/019270号パンフレット等に記載のシアノ置換分子、欧州特許第1950818号や、CHEM.COMMUN.,2002,2078−2079に記載のフッ素置換されたフラーレン(下記化学式参照)、
J.AM.CHEM.SOC.2009,131,12530−12531に記載されたモリブデン錯体(下記化学式参照)、
J.Am.Chem.Soc.2011,133,18042−18045に記載されたコバルト錯体(下記化学式参照)、
等をホストとなるマトリックス材料中にドープして用いることができる。即ち、少なくとも1つのサブセルの正孔輸送層につき、強い電荷移動性から正孔密度を高める効果が期待でき、結果として正孔輸送性を向上させるといった観点から、上記したような、金属錯体またはフッ素置換フラーレンがドープされたポリマー層とするのが好ましい。更には、蒸着型の製造方法においては、米国公開特許2006/8740号、APPLIED PHYSICS LETTERS 98,073311 2011に記載の様に、正孔輸送材料と酸化モリブデンを共蒸着してドープする方法などを挙げることができる。
ドープされるホスト材料(上記ホストとなるマトリックス材料)としては、上述した各種の正孔輸送材料の内、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、およびピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等を用いることができる。
また、これら以外にも、上記ホスト材料として、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物、およびスチリルアミン化合物等が使用可能であり、これらのうちでは、芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。
また、上記ホスト材料として、J.Am.Chem.Soc.2011,133,18042−18045に記載されたspiro−MeOTAD(下記化学式参照)なども本願においては好ましく用いることができる。
本発明で好ましく用いられる上記ホスト材料として、例えば、Adv.Funct.Mater.2011,21,167-171に記載されるTFB(poly[(9,9’−dioctylfl uorenyl−2,7−diyl)−co−(4,4’−(N−(4−sec−butyl))diphenylamine)]や、poly−TPD(poly(N,N’−bis(4−butylphenyl)−N,N’−bis(phenyl)benzidine)等のポリマー型正孔輸送材料も挙げることができる。
本発明においては、正孔輸送材料として無機材料を有する(好ましくは無機材料からなる)正孔輸送層を好ましく用いることができる。上記無機材料(上記した無機化合物、無機金属および金属酸化物など)の中でも金属酸化物を主成分とすることが好ましい。ここで、「主成分」とは正孔輸送層の構成材料の合計量100質量%に占める金属酸化物の割合が50質量%以上であることを意味する。ただし、正孔輸送層の構成材料の合計量100質量%に占める無機材料(特に金属材料)、中でも金属酸化物の割合は、好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上であり、最も好ましくは100質量%である。ただし、上記において正孔輸送材料として「無機材料を有する」としたのは、正孔輸送材料として当該無機材料と、上記した有機化合物(例えば、金属錯体やフッ素置換されたフラーレンなど)とを共蒸着して製膜することもできるし、これらを混合して製膜することもできるためである。
正孔輸送層に用いられる上記金属酸化物(一部、非金属材料を含む)としては、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)、タングステン(W)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、トリウム(Tr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)あるいは、ランタン(La)からルテチウム(Lu)までのいわゆる希土類元素などの酸化物が挙げられる。なかでも、正孔輸送能に優れるという観点からは、三酸化モリブデン(MoO)、酸化ニッケル(NiO)、三酸化タングステン(WO)、五酸化二バナジウム(V)等の金属酸化物等を好ましく用いることができ、三酸化モリブデン、三酸化タングクテン、五酸化二バナジウムが特に好ましい。これらの金属酸化物(一部、非金属材料を含む)は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
正孔輸送層の厚さは、特に制限はないが、光電変換効率と耐久性の観点から、1〜1000nmであり、より好ましくは10〜500nm、50〜200nm程度が最も好ましい。リーク防止効果をより高める観点からは、厚さは1nm以上であることが好ましく、また、高い透過率と低い抵抗を維持する観点からは、厚さは1000nm以下であることが好ましい。
正孔輸送層は、一般的な製膜方法を用いて形成でき、例えば、真空蒸着法、加熱真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、レーザービーム蒸着法、スパッタ法、CVD法、大気圧プラズマ法などのドライプロセス、塗布法、メッキ法、電界形成法などのウェットプロセスなどを用いることができる。また、塗布法の中でも、印刷技術を用いた直接パターニング法、例えば、インクジェット印刷法などを好ましく用いることができる。なお、これらの製膜方法に用いられる正孔輸送材料は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これらの製膜方法では、各材料からなる層を2種以上積層させて正孔輸送層を構成することも可能である。
正孔輸送層の導電率は、一般的に高い方が好ましいが、高くなりすぎると電子が移動するのを阻止する能力が低下し、整流性が低くなりうる。したがって、正孔輸送層の導電率は、10−5〜1S/cmであることが好ましく、10−4〜10−2S/cmであることがより好ましい。
<有機光電変換素子のその他の構成>
[光電変換層]
図1に示す本形態の有機光電変換素子1は、第1のサブセル16aおよび第2のサブセル16bにおいて、第1及び第2の光電変換層14a、14bを有する。なお、本発明において、サブセルが3つ以上の場合には、それぞれのサブセルに光電変換層を有する。
(p型半導体)
上記光電変換層は、光起電力効果を利用して光エネルギーを電気エネルギーに変換する機能を有する。これらの光電変換材料に光が吸収されると、励起子が発生し、これがpn接合界面において、正孔と電子とに電荷分離される。
本形態の光電変換層に使用されるp型半導体は、ドナー性(電子供与性)の有機化合物であって、それぞれの光電変換層ごとに吸収波長の異なるp型半導体を含むものであれば特に制限はなく、本技術分野で使用されうる材料を適宜採用することができる。即ち、このp型半導体には、ドナー性(電子供与性)の、有機低分子化合物、有機オリゴマー及び有機高分子化合物(有機ポリマー)を含む。このうち、ドナー性(電子供与性)の有機高分子化合物を「p型ポリマー」ともいう。
このようなp型半導体であるドナー性(電子供与性)の有機化合物のうち縮合多環芳香族低分子化合物(有機低分子化合物)としては、例えば、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、へプタセン、クリセン、ピセン、フルミネン、ピレン、ペロピレン、ペリレン、テリレン、クオテリレン、コロネン、オバレン、サーカムアントラセン、ビスアンテン、ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランスレン、ビオランテン、イソビオランテン、サーコビフェニル、アントラジチオフェン等の化合物、ポルフィリンや銅フタロシアニン、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンジチオテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、およびこれらの誘導体や前駆体が挙げられる。
また上記の縮合多環を有する誘導体(縮合多環芳香族低分子化合物の誘導体)の例としては、国際公開第03/16599号パンフレット、国際公開第03/28125号パンフレット、米国特許第6,690,029号明細書、特開2004−107216号公報等に記載の置換基をもったペンタセン誘導体、米国特許出願公開第2003/136964号明細書等に記載のペンタセンプレカーサ、J.Amer.Chem.Soc.,vol127.No14.4986、J.Amer.Chem.Soc.,vol.123、p9482、J.Amer.Chem.Soc.,vol.130(2008)、No.9、2706等に記載のトリアルキルシリルエチニル基で置換されたアセン系化合物等が挙げられる。
上記p型半導体であるドナー性(電子供与性)の有機化合物のうち、共役系ポリマー(有機高分子化合物;p型ポリマー)としては、例えば、ポリ3−ヘキシルチオフェン(P3HT)等のポリチオフェンおよびそのオリゴマー、またはTechnical Digest of the International PVSEC−17,Fukuoka,Japan,2007,P1225に記載の重合性基を有するようなポリチオフェン、Nature Material,(2006)vol.5,p328に記載のポリチオフェン−チエノチオフェン共重合体、WO2008/000664に記載のポリチオフェン−ジケトピロロピロール共重合体、Adv Mater,2007p4160に記載のポリチオフェン−チアゾロチアゾール共重合体,Nature Mat.vol.6(2007),p497に記載のPCPDTBT等のようなポリチオフェン共重合体、Adv.Mater.,vol.19,(2007)p2295に記載のポリチオフェン−カルバゾール−ベンゾチアジアゾール共重合体(PCDTBT)、Macromolecules 2009,42,p1610−1618に記載のビニル基置換ポリヘキシルチオフェン(P3HNT)、米国特許第8008421号明細書に記載のpoly(4,4’−bis(2−ethylhexyl)dithieno[3,2−b:2’,3’−d)silole)−2,6−diyl−alt−(2,1,3−benzothiadiazole)−4,7−diyl](PSBTBT;下記化学式参照)、ポリピロールおよびそのオリゴマー、ポリアニリン、ポリフェニレンおよびそのオリゴマー、ポリフェニレンビニレンおよびそのオリゴマー、ポリチエニレンビニレンおよびそのオリゴマー、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、ポリシラン、ポリゲルマン等のσ共役系ポリマー等のポリマー材料が挙げられる。
本発明においては、p型半導体がp型ポリマーであり、このp型ポリマーが、以下に示す一般式1Aまたは一般式1Bの少なくとも一方のユニット(部分構造)を高分子鎖中に含む構造(言い換えれば、分子内に下記一般式1Aまたは一般式1Bで表される少なくとも1種のユニット(部分構造)を有すること)がより好ましい。また、上記したp型ポリマーの1種である共役系ポリマーの部分構造(ユニット)と、以下に示す一般式1Aまたは一般式1Bの少なくとも一方の部分構造(ユニット)とを組み合わせて用いてもよい。即ち、上記した共役系ポリマーの部分構造(ユニット)と一般式1Aまたは一般式1Bの少なくとも一方の部分構造(ユニット)とを組み合わせた部分構造(ユニット)を高分子鎖中に含む構造としてもよい(例えば、実施例の例示化合物1〜6参照。)。また、このような一般式1Aないし一般式1Bで表されるユニット(部分構造)を有するp型半導体材料は、例えば、J.Am.Chem.Soc.,2011,133(12),pp4625−4631記載の方法や、Angew.Chem.Int.Ed.2011,50,1−5等を参考に合成することができる。
ここで、上記式中、X〜Xは、相互に独立して、F、Cl、Brから選ばれるハロン元素、また、y〜yは、相互に独立して、S、O、Nから選ばれる元素を示す。
なお、上記式中のyないしyがN(窒素元素)の場合には、Nに結合する水素原子がアルキル基、ハロゲン原子、フッ化アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基や縮合環構造などの置換基で置換されていてもよい(実施例の例示化合物1〜2中の一般式1Aで表される部分構造(ユニット)を参照のこと。)。また、一般式1A中の2つのXは、相互に独立して、F、Cl、Brから選ばれるハロン元素を取り得る。同様に、一般式1B中の2つのXは、相互に独立して、F、Cl、Brから選ばれるハロン元素を取り得る。更に、一般式1B中の2つのyは、相互に独立して、S、O、Nから選ばれる元素を取り得る。
上記の一般式1Aないし一般式1Bに示すユニット(部分構造)において、X、XをF、Cl、Brからなるハロゲン元素とすることで、深いHOMO準位が得られるため、より高い開放端電圧(Voc)、および光酸化安定性が得られるようになる。また、150nm以上の厚膜でも十分高い曲線因子(FF)および光電変換効率を提供することができる。また、y、yをSやOからなる元素とすることで、吸収波長がより長波化し、本発明においてはより長波長の光を吸収させるサブセルに好ましく用いることができる。一方でy、yをNとしたトリアゾール構造とすることで、短波長側を吸収し、且つ、高い開放端電圧(Voc)が得られるため、本発明においてはより短波長の光を吸収させるサブセルに好ましく用いることができる。
以下に、分子内に一般式1Aないし一般式1Bで表される少なくとも1種の部分構造(ユニット)を有する化合物の例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
(分子内に上記一般式1Aないし一般式1Bで表される部分構造を有する化合物の合成方法)
本発明の有機光電変換素子の光電変換層に含まれるp型半導体材料のうち、分子内に上記一般式1Aないし一般式1Bで表される部分構造(ユニット)を有する化合物は、Angew.Chem.Int.Ed.2011,50,1−5、J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 9638-9641、J. Am. Chem. Soc. 2012, 134, 3498-3507等を参考に合成することができる。
(分子内に上記一般式1Aで表される部分構造を有する例示化合物Aの合成例)
以下、本発明の有機光電変換素子の光電変換層に含まれるp型半導体材料のうち、分子内に上記一般式1Aで表される部分構造(ユニット)を有する例示化合物Aの合成例を記載する。
上記反応Iに示すように、Angew.Chem.Int.Ed.2011,50,1−5に従って合成した5,6−ジフルオロ−ベンゾチアジアゾール10ミリモル、ヨウ素40ミリモルを発煙硫酸50mlに加え、60℃で24時間撹拌を行った。反応終了後、氷冷下で水および塩化メチレンを加えて有機相を抽出した。さらに1N水酸化ナトリウム水溶液で3回、次いで炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、硫酸マグネシウムをろ別したのち、有機溶媒を留去して淡黄色の粗製生物を得た。得られた粗製生物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、4,7−ジヨード−5,6−ジフルオロ−ベンゾチアジアゾール3.0gを得た(収率75%)。
ついで、ビス−(5,5’−トリメチルスタンニル)−3,3’−ジ−ドデシル−シリレン−2,2’−ジチオフェンを、特表2010−507233号公報およびAdv.,Mater.,2010,p−E63を参考として合成した(上記反応式II参照)。
上記反応IIに示すように、上記4,7−ジヨード−5,6−ジフルオロ−ベンゾチアジアゾール0.5ミリモルと、ビス−(5,5’−トリメチルスタンニル)−3,3’−ジ−ドデシル−シリレン−2,2’−ジチオフェン0.5ミリモルを20mLの無水トルエンに溶解させた。この溶液を窒素でパージした後、0.014ミリモルのトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)と、0.110ミリモルのトリフェニルホスフィンとを加えた。この溶液をさらに15分間、窒素でパージした。その後、110〜120℃まで溶液を加熱し、40時間反応させた。さらにエンドキャップを行うため、2−トリブチル錫チオフェン0.03ミリモルを添加し、10時間還流した。さらに2−ブロモチオフェン0.06ミリモルを添加し、10時間還流した。反応完了後、溶媒を留去して生じた残渣を、メタノール(50mL×3回)で洗浄し、その後、アセトン(3回×50mL)で洗浄した。
回収したポリマー生成物を、加熱してクロロホルム(30mL)に溶解し、0.45μmの膜を介してろ過した。精製のために3mL部分の溶液をリサイクルHPLC(日本分析化学工業製)に装填した。高分子量の分画を集めて100mgの純粋なポリマー(数平均分子量(Mn)=21000)(例示化合物A)を得た。
上記p型半導体(特にp型ポリマー)としては、数平均分子量が、10000〜100000、好ましくは15000〜50000であることが好ましい。これは、バルクヘテロジャンクション型の光電変換層を構成する他方の成分であるn型有機半導体として低分子化合物(フラーレン誘導体)が広く用いられているため、p型半導体が、有機高分子化合物(p型ポリマー)である方が互いにミクロ相分離構造を形成し、バルクヘテロジャンクション型光電変換層で発生した正孔と電子をそれぞれ運ぶキャリアパスを生成しやすくなる傾向があるためである。
他方で上記p型半導体(特にp型ポリマー)の数平均分子量が大きすぎると溶解性が低下するため、数平均分子量は5万以下であることが好ましく、より好ましくは15000〜30000の範囲である。
なお、溶解性は上述した一般式1Aないし一般式1Bに示すユニット(部分構造)に替わり、溶解性の置換基で置換することで向上させることもできるが、溶解性基が過剰にあると結晶性及び移動度を低下させ、得られる有機光電変換素子(更には有機薄膜太陽電池)の曲線因子(FF)等の特性を低下させることがあるため、溶解性基及び溶解性基で置換されたアリール基等で置換された構造を有する上述した一般式1Aないし一般式1Bに示すユニット構造と、溶解性基を有しないユニットとを共重合することによって、前記好ましい分子量の範囲と結晶性とを両立させることも好ましい手段である。
なお、分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定することができる。
ここでいう数平均分子量は、下記の方法により測定したものをいう。
ウオーターズ社製150C ALC/GPC(カラム:東ソー(株)製GMHHR−H(S)、溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン)を使用して、ゲルパーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を測定する。なお、東ソー(株)製標準ポリスチレンを用いて、ユニバーサルキャリブレーション法によりカラム溶出体積は校正する。
また、分子量に応じた精製も分取用のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で精製することができる。
本発明に係る上記一般式1Aないし一般式1Bに示すユニット(部分構造)の好ましい数は、前述のp型半導体(特にp型ポリマー)の数平均分子量の範囲に入るような値となれば十分であるが、例えば、数平均分子量10000〜100000の範囲に入るためには、およそ10〜200程度である。
また、本発明においては、構成されるタンデム型の有機光電変換素子のサブセルのうち、最も短波長を吸収するサブセルに含まれるp型半導体のHOMOが、最も長波長を吸収するサブセルに含まれるp型半導体のHOMOに対し、0.1eV以上、0.5eV以下の範囲で深いことが好ましい。
このような範囲の構成は、上述したp型半導体材料の中から好ましいHOMO準位になるように選択することで設計する。また、HOMO準位の制御は、分子構造に起因するところが大きく、同母核であれば、電子吸引性基(例えばハロゲン基)の導入によってより深いHOMOが得られるため開放端電圧(Voc)の向上が期待できる。また、同様な構造の分子であっても、母核内に含まれるヘテロ原子の種類・数によって、基本的には電気陰性度の大小による分極によって、上述したp型半導体材料のHOMO準位を制御することができる。上述の例でたとえれば、一般式1AのyをNとすることで電子吸引性が低いために、HOMO準位はより深くなり、取出せる開放端電圧(Voc)が向上する。一方で、yを電子吸引性の高いS等の元素にすることで、HOMO準位はより浅くなり開放端電圧(Voc)は低下するものの、バンドギャップが狭くなるためより長波長の太陽光スペクトルを吸収できるようになる。
また、上記p型半導体のうち、上記したポリマー材料(有機高分子化合物;p型ポリマー)ではなく、オリゴマー材料(有機オリゴマー)としては、チオフェン6量体であるα−セクシチオフェンα,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、等のオリゴマーが好適に用いることができる。
上記p型半導体として用いられる、これらの有機化合物の中でも、溶液プロセスが可能な程度に有機溶剤への溶解性が高く、かつ乾燥後は結晶性薄膜を形成し、高い移動度を達成することが可能な化合物が好ましい。より好ましくは、後述のn型半導体材料であるフラーレン誘導体と適度な相溶性を有するような有機化合物(適度な相分離構造を形成し得る化合物)であることが好ましい。
また、バルクへテロジャンクション層(本形態のバルクへテロジャンクション型の光電変換層)上にさらに溶液プロセスで電子輸送層(正孔ブロック層等を含む)を形成する際には、一度塗布した層の上にさらに塗布することができれば、容易に積層することができるが、通常溶解性のよい材料からなる層の上にさらに層を溶液プロセスによって積層しようとすると、下地の層を溶かしてしまうために積層することができないという課題を有していた。したがって、溶液プロセスで塗布した後に不溶化できるような材料が好ましい。
このような材料としては、Technical Digest of the International PVSEC−17,Fukuoka,Japan,2007,P1225に記載の重合性基を有するようなポリチオフェンのような、塗布後に塗布膜を重合架橋して不溶化できる材料、または米国特許出願公開第2003/136964号、および特開2008−16834等に記載されているような、熱等のエネルギーを加えることによって可溶性置換基が反応して不溶化する(顔料化する)材料等を挙げることができる。
(n型半導体)
一方、本形態の光電変換層に使用されるn型半導体は、アクセプター性(電子受容性)の有機化合物であれば特に制限はなく、本技術分野で使用されうる材料を適宜採用することができる。このようなアクセプター性(電子受容性)の有機化合物としては、例えば、フラーレン、カーボンナノチューブ、オクタアザポルフィリン等、上記p型半導体の水素原子をフッ素原子に置換したパーフルオロ体(例えば、パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物を骨格として含む高分子化合物等が挙げられる。
このうち、上記p型半導体と高速(〜50fs)かつ効率的に電荷分離を行うことができるという観点から、フラーレンもしくはカーボンナノチューブまたはこれらの誘導体を用いることが好ましい。より具体的には、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC84、フラーレンC240、フラーレンC540、ミックスドフラーレン、フラーレンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、単層カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン(円錐型)等、およびこれらの一部が水素原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、置換されたまたは非置換の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、シリル基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基等によって置換されたフラーレン誘導体が挙げられる。
特に、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッドメチルエステル(略称PCBMまたはPC60BM)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−nブチルエステル(PCBnB)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−イソブチルエステル(PCBiB)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−nヘキシルエステル(PCBH)、[6,6]−フェニルC71−ブチリックアシッドメチルエステル(略称PC71BM)、J.Am.Chem.Soc.2011,133,14534-14537記載のビスインデン−C60(略称ICBA)、Adv.Mater.,vol.20(2008),p2116に記載のbis−PCBM、特開2006−199674号公報に記載のアミノ化フラーレン、特開2008−130889号公報に記載のメタロセン化フラーレン、米国特許第7,329,709号明細書に記載の環状エーテル基を有するフラーレン等のような、置換基により溶解性が向上されてなるフラーレン誘導体を用いることが好ましい。なお、本形態において、n型半導体は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用しても構わない。
本形態の光電変換層における、p型半導体およびn型半導体の接合形態は、バルクへテロ接合である(即ち、光電変換層は、バルクヘテロジャンクション型の光電変換層である)。ここで、「バルクヘテロジャンクション」とは、p型半導体とn型半導体との混合物を塗布することにより形成され、この単一の層中において、p型半導体のドメインとn型半導体のドメインとがミクロ相分離構造をとっている。したがって、バルクヘテロジャンクションでは、平面へテロ接合と比較して、pn接合界面が層全体にわたって数多く存在することになる。よって、光吸収により生成した励起子の多くがpn接合界面に到達できることになり、電荷分離に至る効率を高めることができる。このような理由から、本形態の光電変換層における、p型半導体とn型半導体との接合は、バルクヘテロジャンクションであることが好ましい。
また、バルクヘテロジャンクション層(本形態のバルクヘテロジャンクション型の光電変換層)は、通常の、p型半導体とn型半導体が混合されてなる単一の層(i層)からなる場合の他に、当該i層がp型半導体からなるp層およびn型半導体からなるn層により挟持されてなる3層構造(p−i−n構造)を有する場合がある。このようなp−i−n構造は、正孔および電子の整流性がより高くなり、電荷分離した正孔・電子の再結合等によるロスが低減され、一層高い光電変換効率を得ることができる。
本発明において、光電変換層に含まれるp型半導体とn型半導体との混合比は、質量比で2:8〜8:2の範囲が好ましく、より好ましくは4:6〜6:4の範囲である。これは、p型半導体のドメインとn型半導体のドメインとがミクロ相分離構造を好適に作ることができ、pn接合界面が層全体にわたって数多く存在させることができる点で上記範囲が好ましいものである。また、光電変換層の厚さ(乾燥膜厚)は、特に制限はないが、好ましくは50〜400nmであり、より好ましくは80〜300nmの範囲である。これは、光電変換層の厚さ(乾燥膜厚)は、厚いほど光吸収において好ましいことから50nm以上が好ましいものである。但し、光電変換層の厚さ(乾燥膜厚)が厚すぎるとキャリアの取り出しができなくなるので(プラスのホールド電子が外に出る前に再結合してしまうことから、光電変換層の厚さ(乾燥膜厚)が400nm以下であれば再結合する前に発生したキャリアの効率よく外に取り出せるので好ましい。また、光電変換材料の電子又は正孔の移動動が高ければ、光電変換層の厚さ(乾燥膜厚)をより厚くできる(=光吸収において好ましい)ことから、光電変換材料(特にp型半導体とn型半導体)を適宜選択するのが望ましいといえる。
[電子輸送層]
図1に示す本形態の有機光電変換素子1は、第1のサブセル16a、第2のサブセル16bにおいて、第1及び第2の電子輸送層13a、13bを含む。なお、サブセルが3つ以上の場合には、それぞれのサブセルに電子輸送層を含む。こうした電子輸送層は、電子を輸送する機能を有し、かつ正孔を輸送する能力が著しく小さい(例えば、電子の移動度という性質を有する。例えば、図1に示す本形態を例にとれば、第1の電子輸送層13aは、第1の光電変換層14aと陰極(第1の電極)11との間に、また第2の電子輸送層13bは、第2の光電変換層14bと第1のサブセル16aを介した陰極(第1の電極)11との間にそれぞれ設けられ、電子を陰極(第1の電極)11へと輸送しつつ、正孔の移動を阻止することで、電子と正孔とが再結合するのを防ぐことができる。よって、本明細書では、電子注入層、正孔ブロック層、励起子ブロック層等も電子輸送層の概念に含む。
上記電子輸送層に用いられる電子輸送材料は、特に制限はなく、本技術分野で使用されうる材料を適宜採用することができる。例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタンおよびアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、下記化学式に示す例示化合物B等が挙げられる。
また、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。さらに、これらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を電子輸送材料として用いることもできる。
また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、およびこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、GaまたはPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。その他、メタルフリーもしくはメタルフタロシアニン、またはそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることができる。上述の正孔輸送層と同様に、n型−Si、n型−SiC等の無機半導体や、n型の伝導性を有する無機酸化物(酸化チタン、酸化亜鉛等)も電子輸送材料として用いることができる。
本発明においては、電子輸送材料として無機材料を有する(好ましくは無機材料からなる)電子輸送層を好ましく用いることができる。上記無機材料の中でも金属酸化物を主成分とすることが好ましい。ここで、「主成分」とは、電子輸送層の構成材料の合計量100質量%に占める金属酸化物の割合が50質量%以上であることを意味する。ただし、電子輸送層の構成材料の合計量100質量%に占める無機材料(特に金属材料)、中でも金属酸化物の割合は、好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上であり、最も好ましくは100質量%である。
電子輸送層に用いられる上記金属酸化物(一部、非金属材料を含む)としては、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)、タングステン(W)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、トリウム(Tr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)あるいは、ランタン(La)からルテチウム(Lu)までのいわゆる希土類元素などの酸化物が挙げられる。なかでも、電子輸送能に優れるという観点からは、酸化チタン(TiO)、酸化ケイ素(SiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)等の金属酸化物等を好ましく用いることができ、酸化チタン(TiO)が特に好ましい。これらの金属酸化物(一部、非金属材料を含む)は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
更には電極(第1ないし第2の電極11、12)に双極子材料を結合させることで界面双極子を形成し、電荷の取り出しを向上させる材料種、例えばWO2008/134492に記載の3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン(AEAP−TMOS)などを電子輸送材料として挙げることができる。
また、不純物をドープしたn性の高い電子輸送層(電子輸送材料)を用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、同10−270172号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが電子輸送材料として挙げられる。
具体例としては、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)や4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)等の芳香族ジアミン化合物やその誘導体、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、テトラヒドロイミダゾール、ポリアリールアルカン、ブタジエン、4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、ポルフィン、テトラフェニルポルフィン銅、フタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニウムフタロシアニンオキサイド等のポリフィリン化合物、トリアゾール誘導体、オキサジザゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アニールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、シラザン誘導体等を用いることができ、高分子材料では、フェニレンビニレン、フルオレン、カルバゾール、インドール、ピレン、ピロール、ピコリン、チオフェン、アセチレン、ジアセチレン等の重合体や、その誘導体等を上記したn性の高い電子輸送層の電子輸送材料として好ましく用いることができる。
電子輸送層の厚さは、特に制限はないが、通常1〜2000nmである。リーク防止効果をより高める観点からは、厚さは5nm以上であることが好ましい。また、高い透過率と低い抵抗を維持する観点からは、厚さは1000nm以下であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましい。
(電荷再結合層;中間電極)
図1で示すような、2以上の光電変換層(図1では2つの光電変換層14a、14b)を有するタンデム型(多接合型)の有機光電変換素子1において、光電変換層(例えば、光電変換層14aと14bの)間には、電荷再結合層(中間電極;図示せず)が配置される構成も本発明で好ましい形態である。
電荷再結合層は、下層のサブセル(16b)における正孔輸送層(15b)(または電子輸送層(13b))と上層のサブセル(16a)における電子輸送層(13a)(下層が電子輸送層(13b)の場合は正孔輸送層(15a))が接合する界面に配するが、これら正孔輸送層(15b)または電子輸送層(13a)が比較的導電性が高い、もしくはドープされた電荷輸送層である場合、界面に有効な電荷移動錯体が形成され、特に電荷再結合層を有さなくても、下層から注入された正孔と上層から注入された電子とが有効に再結合し、タンデムセル(例えば、図1の第1のサブセル16a+第2のサブセル16b)全体で2つの電池(サブセル)が直列に接続した電気特性を得ることができる。
本発明に係る電荷輸送層は、上述した構成となるため、特に電荷輸送層を含まないが、別途電荷輸送層を設ける場合は、後述する電極のうち、光透過性を有する電極と同様なものを用いることができる。具体的には、透明性と導電性を併せ持つ化合物を用いた層であることが好ましく、前記陽極で用いたような材料(インジウムスズ酸化物(ITO)、アルミニウム(Al)ドープ酸化亜鉛(AZO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化チタン(TiO)等の透明金属酸化物、Ag、Al、Au等の非常に薄い金属層またはナノ粒子・ナノワイヤーを含有する層、PEDOT:PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン) ポリスチレンスルホン酸)、ポリアニリン等の導電性高分子材料等)を用いることができる。
[電極]
本形態の有機光電変換素子1は、第1の電極11および第2の電極12を必須に含む。第1の電極11および第2の電極12は、各々、陽極または陰極として機能する。本明細書において、「第1の」および「第2の」とは、陽極または陰極としての機能を区別するための用語である。したがって、第1の電極11が陽極として機能し、第2の電極12が陰極として機能する場合もあるし、逆に、第1の電極11が陰極として機能し、第2の電極12が陽極として機能する場合もある。光電変換層14a、14bで生成されるキャリア(正孔・電子)は、電極間を移動し、正孔は陽極へ、電子は陰極へと到達する。なお、本発明においては、主に正孔が流れる電極を陽極と呼び、主に電子が流れる電極を陰極と呼ぶ。さらに、電極が透光性を有するものであるか否かという機能面から、透光性を有する電極を透明電極と呼び、透光性のない電極を対電極と呼び分ける場合もある。図1の形態の場合、通常、陰極(第1の電極11)は透光性のある透明電極であり、陽極(第2の電極12)は透光性のない対電極である。
本形態の電極に使用される材料は、光電変換素子として駆動する限りにおいては特に制限はなく、本技術分野で使用されうる電極材料を適宜採用することができる。なかでも、陽極は陰極と比較して相対的に仕事関数が大きい材料から構成されることが好ましく、逆に陰極は陽極と比較して相対的に仕事関数が小さい材料から構成されることが好ましい。なお、電荷輸送層(正孔輸送層または電子輸送層)が存在する場合は、上記以外の形態であっても十分に光電変換素子として機能する。
上述の図1に示す有機光電変換素子1において、陰極(第1の電極11)は、相対的に仕事関数が大きく、透明な(好ましくは、380〜800nmの可視光に対して80%以上の透過率を有する)電極材料から構成されることが好ましい。一方、陽極(第2の電極12)は、相対的に仕事関数が小さく(例えば、4eV以下)、通常、透光性の低い電極材料から構成されうる。
このような、図1に示す有機光電変換素子1において、陰極(透明電極;第1の電極11)に使用される電極材料としては、例えば、金、銀、白金、銅、ロジウム、ルテニウム、アルミニウム、マグネシウム、インジウム、スズ、亜鉛等の金属;インジウムスズ酸化物(ITO)、SnO、ZnO、IDIXO(In−ZnO)等の透明な導電性金属酸化物;金属ナノワイヤ、カーボンナノ粒子、カーボンナノワイヤ、カーボンナノチューブ等の炭素材料等が挙げられる。また、陰極(第1の電極11)の電極材料として導電性高分子を用いることも可能である。陰極に使用されうる導電性高分子としては、例えば、PEDOT:PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン) ポリスチレンスルホン酸)、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリチエニレンビニレン、ポリアズレン、ポリイソチアナフテン、ポリカルバゾール、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン、ポリフェニルアセチレン、ポリジアセチレン、ポリナフタレンおよびこれらの誘導体等が挙げられる。これらの電極材料は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上の材料を混合して使用してもよい。また、これらの材料の形状も特に制限はなく、ナノ粒子、ナノワイヤ、極薄膜等の形状で使用されうる。さらに、各材料からなる層を2種以上積層させて電極を構成することも可能である。
一方、図1の有機光電変換素子1において、陽極(対電極;第2の電極12)に使用される電極材料としては、合金、電子伝導性化合物、およびこれらの混合物が使用されうる。具体的には、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。このうち、電子の取り出し性能や、酸化等に対する耐久性の観点から、仕事関数が低い第1の金属と、第1の金属よりも仕事関数が大きく安定な金属である第2の金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物や、安定な金属であるアルミニウム等を用いることが好ましい。また、これらの材料のうち金属を用いることも好ましく、これにより、図1に示すように、第1の電極(陰極)11側から入射し光電変換層14a、14bで吸収されずに透過した光を、第2の電極(陽極)12で反射させて光電変換に再利用することができ、光電変換効率を向上させることが可能である。また、これらの材料の形状も特に制限はなく、ナノ粒子、ナノワイヤ、極薄膜等の形状で使用されうる。さらに、各材料からなる層を2種以上積層させて電極を構成することも可能である。
また、上記したように陽極(対電極;第2の電極12)材料として、金属系の材料を使用する場合、陽極(対電極)と対向する側に、例えば、金、銀、銅、鉄、ニッケル、クロム、アルミニウム、またはこれらの合金(アルミニウム合金)、金属化合物(銀化合物)等を用いて、補助電極(グリッド電極、バスライン電極とも称される;図示せず)を作製した後、上述の図1の有機光電変換素子1の陰極(透明電極;第1の電極11)材料として例示した導電性高分子の膜を設けることで、陰極(透明電極)とすることができる。このように補助電極を設けることにより、有機光電変換素子1を大面積化した場合に起こる曲線因子(FF)の低減を抑えることができる。
上記補助電極の形状は特に制限はないが、例えば、導電部がストライプ状もしくはメッシュ状、またはランダムな網目状である。導電部がストライプ状またはメッシュ状の補助電極を形成する方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法が利用できる。例えば、基板10全面に金属層を形成し、公知のフォトリソグラフィ法によって形成できる。具体的には、基板10上に全面に、蒸着、スパッタ、めっき等の1もしくは2以上の物理的または化学的形成手法を用いて導電体層を形成する方法や、金属箔を接着剤で基板に積層した後、公知のフォトリソグラフィ法を用いてエッチングする方法等により、所望のストライプ状またはメッシュ状に加工できる。別の方法としては、金属微粒子を含有するインクをスクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、インクジェット方式等の各種印刷法により所望の形状に印刷する方法や、めっき可能な触媒インクを同様な各種印刷法で所望の形状に塗布した後、めっき処理する方法、さらに別な方法としては、銀塩写真技術を応用した方法も利用できる。こうした方法の中でも、金属微粒子を含有するインクを各種印刷法により所望の形状に印刷する方法は簡便な工程で製造できることから製造時にリークの原因となるような異物の巻き込みを低減でき、また、必要個所にしかインクを使用しないので液のロスが少ないことから最も好ましい。
一方、有機光電変換素子1において、陽極(対電極)に使用される電極材料としては、例えば、銀、ニッケル、モリブデン、金、白金、タングステン、および銅等が挙げられる。
第1の電極11および第2の電極12のシート抵抗は、特に制限はないが、数百Ω/□以下が好ましく、50Ω/□以下がより好ましく、15Ω/□以下がさらに好ましい。なお、第1の電極11および第2の電極12のシート抵抗の下限は、特に制限されないが、通常、380〜800nmの波長の可視光に対して80%以上の透過率を示す範囲でなるべく低いほど好ましい。通常は0.01Ω/□以上、好ましくは0.1Ω/□以上であれば本発明の効果を得ることができる。ここで、第1の電極11および第2の電極12のシート抵抗は、同じであってもあるいは異なってもよい。
また、第1の電極11および第2の電極12の膜厚も特に制限はなく、材料によって異なるが、通常、10〜1000nmであり、好ましくは100〜200nmであり、光の透過率または抵抗の観点から当業者により適宜設定されうる。ここで、第1の電極11および第2の電極12の膜厚は、同じであってもあるいは異なってもよい。
また、補助電極を有する場合のシート抵抗は、10Ω/□以下であることが好ましく、0.01〜8Ω/□であることがより好ましい。この場合、シート抵抗は補助電極の形状(線幅、高さ、ピッチ、形状)によって決まり、特にピッチが狭ければ(例えば、ピッチが1〜2mm程度であれば)、補助電極よりも抵抗の高い材料を使用する場合であっても窓部の抵抗影響はほとんど受けない。
[基板]
基板10側から光電変換される光Lが入射する場合、基板10はこの光電変換される光を透過させることが可能な、即ちこの光電変換すべき光の波長に対して透明な部材であることが好ましい。ここで「透明」とは、380〜800nmの可視光に対して80%以上の透過率を示すことを意味する。基板10は、例えば、ガラス基板や樹脂基板等が好適に挙げられるが、軽量性と柔軟性の観点から透明樹脂フィルムを用いることが望ましい。
本発明で透明基板10として好ましく用いることができる透明樹脂フィルムには特に制限がなく、その材料、形状、構造、厚み等については公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を挙げることができるが、可視域の波長(380〜800nm)における透過率が80%以上である樹脂フィルムであれば、本発明に係る透明樹脂フィルムに好ましく適用することができる。なかでも透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度およびコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリカーボネートフィルムであることが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムであることがより好ましい。
本発明に用いられる透明基板10には、塗布液の濡れ性や接着性を確保するために、表面処理を施すことや易接着層(図示せず)を設けることができる。表面処理や易接着層については従来公知の技術を使用できる。例えば、表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を挙げることができる。また、易接着層としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ビニル系共重合体、ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ビニリデン系共重合体、エポキシ系共重合体等を挙げることができる。
また、酸素および水蒸気の透過を抑制する目的で、透明基板10にはバリアコート層(図示せず)が予め形成されていてもよいし、透明導電層(第1の電極11)を転写する反対側にはハードコート層(図示せず)が予め形成されていてもよい。
(その他の層)
本形態の有機光電変換素子1は、上記の各部材(各層)の他に、光電変換効率の向上や、素子の寿命の向上のために、他の部材(他の層)をさらに設けてもよい。その他の部材としては、例えば、励起子ブロック層、UV吸収層、光反射層、波長変換層、平滑化層等が挙げられる。
また、本発明の有機光電変換素子1は、太陽光Lのより効率的な受光を目的として、各種の光学機能層を有していてもよい。光学機能層としては、例えば、反射防止層(膜)、マイクロレンズアレイ等の集光層、陰極11で反射した光を散乱させて再度発電層(光電変換層14a、14b)に入射させることができるような光拡散層等が挙げられる。
上記反射防止層(膜)としては、各種公知の反射防止層を設けることができるが、例えば、透明樹脂フィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである場合は、フィルムに隣接する易接着層の屈折率を1.57〜1.63とすることで、フィルム基板10と易接着層との界面反射を低減して透過率を向上させることができるのでより好ましい。屈折率を調整する方法としては、酸化スズゾルや酸化セリウムゾル等の比較的屈折率の高い酸化物ゾルとバインダー樹脂との比率を適宜調整して塗設することで実施できる。易接着層は単層でもよいが、接着性を向上させるためには2層以上の構成にしてもよい。
上記集光層としては、例えば、支持基板10の太陽光Lの受光側にマイクロレンズアレイ状の構造を設けるように加工したり、あるいは所謂集光シートと組み合わせたりすることにより特定方向からの受光量を高めたり、逆に太陽光Lの入射角度依存性を低減することができる。
上記マイクロレンズアレイの例としては、基板10の光取り出し側に一辺が30μmでその頂角が90度となるような四角錐を2次元に配列する。一辺は10〜100μmが好ましい。これより小さくなると回折の効果が発生して色付き、大きすぎると厚みが厚くなり好ましくない。
また上記光拡散層としては、各種のアンチグレア層、金属または各種無機酸化物等のナノ粒子・ナノワイヤ等を無色透明なポリマーに分散した層等を挙げることができる。
<有機光電変換素子1の製造方法>
上述の本形態の有機光電変換素子1の製造方法は特に制限はなく、従来公知の手法を適宜参照することにより製造することができる。以下、図1に示す有機光電変換素子1の製造方法を例に挙げて、本形態の有機光電変換素子の好ましい製造方法を説明する。ただし、当該製造方法における各工程は、図1の有機光電変換素子1のみならず、図1に示す有機光電変換素子1の構成以外の本発明のタンデム型の有機光電変換素子の他の構成の製造に適用可能である。
図1に示す本形態のタンデム型の有機光電変換素子1の製造方法は、陰極(第1の電極11)を形成する工程と、前記陰極(第1の電極11)の上に、第1のサブセル16aの積層構造を形成する工程と、前記第1のサブセル16aの上の第2のサブセル16bの積層構造を形成する工程と、前記第2のサブセル16bの上に、陽極(第2の電極12)を形成する工程とを含む。
前記第1のサブセル16aの積層構造を形成する方法は、前記陰極(第1の電極11)の上に、第1の電子輸送層13aを形成する工程と、前記第1の電子輸送層13aの上に、p型(有機)半導体材料およびn型有機半導体材料を含む第1の光電変換層14aを形成する工程と、前記第1の光電変換層14aの上に、第1の正孔輸送層15aを形成する工程とを含む。
前記第2のサブセル16aの積層構造を形成する方法は、前記第1の正孔輸送層15aの上に、第2の電子輸送層13bを形成する工程と、前記第2の電子輸送層13bの上に、p型(有機)半導体材料およびn型有機半導体材料を含む第2の光電変換層14bを形成する工程と、前記第2の光電変換層14bの上に、第2の正孔輸送層15bを形成する工程とを含む。
以下、本形態の有機光電変換素子1の製造方法の各工程について、詳細に説明する。
本形態の製造方法では、まず、陰極(第1の電極)11を形成する。陰極(第1の電極)11を形成する方法は、特に制限はないが、操作の容易性や、ダイコータ等の装置を用いてロール・ツー・ロールで生産可能なことから、基板10の上に、陰極(第1の電極)11の構成材料を含む液体を塗布し、乾燥させる方法であることが好ましい。またこれ以外にも、市販の薄膜状の電極材料をそのまま使用しても構わない。
上記で陰極(第1の電極)11を形成した後、必要に応じて、この陰極(第1の電極)11上に、第1のサブセル16aの積層構造の1つ(任意の構造)として、第1の電子輸送層13aを形成してもよい。第1の電子輸送層13aを形成する手段としては、蒸着法、溶液塗布法のいずれであってもよいが、好ましくは溶液塗布法である。溶液塗布法を用いて第1の電子輸送層13aを形成する場合には、上述した電子輸送材料を適当な溶剤に溶解・分散させた溶液を、適当な塗布法を用いて陰極(第1の電極)11上に塗布し、乾燥させればよい。溶液塗布法に用いられる塗布法としては、キャスト法、ダイコーティング法、スピンコート法、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、グラビアコート法、スプレーコーティング法、ディッピング(浸漬)コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、インクジェット法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法等の印刷法、Langmuir−Blodgett(LB)法等の通常の方法を用いることができる。なお、塗布法に使用する溶液の固形分濃度は、塗布方法や膜厚によっても変動しうるが、0.5〜15質量%が好ましく、より好ましくは1〜10質量%である。また、塗布の際の塗布液および/または塗布面の温度は、特に制限はないが、塗布・乾燥時の温度変動による析出、ムラを防ぐといった観点から、好ましくは30〜180℃であり、より好ましくは50〜160℃である。さらに、乾燥の具体的な形態についても特に制限はなく、従来公知の知見が適宜参照されうる。乾燥(加熱処理)条件の一例を挙げると90〜180℃程度の温度で、5〜90分間程度といった条件が例示される。乾燥に使用する装置としては、ホットプレート、温風乾燥、赤外線ヒーター、マイクロウエーブ、真空乾燥機等が挙げられるが、これ以外の乾燥装置を用いることも勿論可能である。
続いて、上記で形成した(陰極(第1の電極)11または)第1の電子輸送層13a上に、第1のサブセル16aの積層構造の1(必須の構造)つとして、p型半導体およびn型半導体を含む第1の光電変換層14aを形成する。第1の光電変換層14aを形成するための具体的な手法について特に制限はないが、好ましくは、p型半導体およびn型半導体をそれぞれ、または一括して、適当な溶剤に溶解・分散させた溶液を、適当な塗布法(具体的な形態については、上述した通りである)を用いて(陰極(第1の電極)11または)第1の電子輸送層13a上に塗布し、乾燥させればよい。その後、残留溶媒および水分、ガスの除去、および半導体材料の結晶化による移動度向上・吸収長波化を引き起こすために加熱を行うことが好ましい。製造工程中において所定の温度でアニール処理されると、微視的に一部が凝集または結晶化が促進され、光電変換層を適切な相分離構造とすることができる。その結果、第1の光電変換層14aの正孔と電子(キャリア)の移動度が向上し、高い効率を得ることができるようになる。このようにして、p型半導体およびn型半導体が一様に混合され、バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子1とすることができる。
一方、p型半導体とn型半導体の混合比の異なる複数層からなる第1の光電変換層(例えば、p−i−n構造)14aを形成する場合には、一の層を塗布後に、当該層を不溶化(顔料化)し、その後、他の層を塗布することにより形成することが可能である。
なお、ポリアルキレンイミンを含む第1の光電変換層14aを形成する場合、例えば、p型半導体および/またはn型半導体とポリアルキレンイミンと適当な溶媒に溶解・分散させた溶液を調製し、これを塗布、乾燥すればよい。
当該第1の光電変換層14aを形成する工程は、酸素や水分に曝さないようにするために窒素雰囲気下のグローブボックス内で行うことが好ましい。このように、窒素雰囲気下で行うことにより、大気中の酸素または水分によりp型半導体が劣化するのを防ぎ、素子の耐久性を高めることができる。なお、第1の光電変換層14aと、後述する第2の光電変換層14aとが、それぞれ吸収波長の異なるp型半導体を有するようにするには、基本は(p型半導体)材料を変えればよい(後述する実施例の表3の各光電変換層ごとに(p型半導体)材料を変えている点を参照のこと)。同様に、最も短波長を吸収するサブセルの光電変換層に含まれるp型半導体のHOMO準位が、最も長波長を吸収するサブセルの光電変換層に含まれるp型半導体のHOMO準位に対し、0.1eV以上、0.5eV以下の範囲で深いなるようにする場合にも、基本は(p型半導体)材料を変えればよく、例えば、チアゾールやトリアゾールなどを用いることで、HOMO準位がより深くなるなど、材料の特性を考慮して各光電変換層の設計を行えばよい(後述する実施例の表3で各光電変換層の(p型半導体)材料を変えている点を参照のこと。)。
上記で第1の光電変換層14aを形成した後、この第1の光電変換層14a上に、第1のサブセル16aの積層構造の1つ(必須の構造)として、第1の正孔輸送層15aを形成する。第1の正孔輸送層15aを形成する手段としては、一般的な製膜方法を用いて形成でき、例えば、真空蒸着法、加熱真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、レーザービーム蒸着法、スパッタ法、CVD法、大気圧プラズマ法などのドライプロセス、溶液塗布法、メッキ法、電界形成法などのウェットプロセスなどを用いることができる。即ち、蒸着法等のドライプロセス、溶液塗布法等のウェットプロセスのいずれであってもよいが、好ましくはウェットプロセス、中でも溶液塗布法である。溶液塗布法を用いて第1の正孔輸送層15aを形成する場合には、上述した正孔輸送材料を適当な溶剤に溶解・分散させた溶液を、適当な塗布法を用いて第1の光電変換層14a上に塗布し、乾燥させればよい。溶液塗布法に用いられる塗布法としては、キャスト法、ダイコーティング法、スピンコート法、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、グラビアコート法、スプレーコーティング法、ディッピング(浸漬)コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、インクジェット法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法等の印刷法、Langmuir−Blodgett(LB)法等の通常の方法を用いることができる。また、溶液塗布法の中でも、印刷技術を用いた直接パターニング法、例えば、インクジェット印刷法などを好ましく用いることができる。なお、塗布法に使用する溶液の固形分濃度は、塗布方法や膜厚によっても変動しうるが、0.5〜15質量%が好ましく、より好ましくは1〜10質量%である。また、塗布の際の塗布液および/または塗布面の温度は、特に制限はないが、塗布・乾燥時の温度変動による析出、ムラを防ぐといった観点から、好ましくは30〜180℃であり、より好ましくは50〜160℃である。さらに、乾燥の具体的な形態についても特に制限はなく、従来公知の知見が適宜参照されうる。乾燥(加熱処理)条件の一例を挙げると90〜180℃程度の温度で、5〜90分間程度といった条件が例示される。乾燥に使用する装置としては、ホットプレート、温風乾燥、赤外線ヒーター、マイクロウエーブ、真空乾燥機等が挙げられるが、これ以外の乾燥装置を用いることも勿論可能である。なお、それぞれの正孔輸送層の仕事関数が、それぞれのサブセルの光電変換層のp型半導体のHOMO準位よりも0.3eV以上深くなるようにするには、それぞれの層に用いる材料の分子構造を変えればよい(後述する実施例の表3のそれぞれの層に用いる材料の分子構造を変えている点を参照のこと)。
続いて、上記で第1の正孔輸送層15aを形成した後、必要に応じて、この第1の正孔輸送層15a上に、第2のサブセル16bの積層構造の1つ(任意の構造)として、第2の電子輸送層13bを形成してもよい。第2の電子輸送層13bを形成する手段としては、蒸着法、溶液塗布法のいずれであってもよいが、好ましくは溶液塗布法である。溶液塗布法を用いて第2の電子輸送層13bを形成する場合には、上述した電子輸送材料を適当な溶剤に溶解・分散させた溶液を、適当な塗布法を用いて第1の正孔輸送層15a上に塗布し、乾燥させればよい。溶液塗布法に用いられる塗布法としては、キャスト法、ダイコーティング法、スピンコート法、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、グラビアコート法、スプレーコーティング法、ディッピング(浸漬)コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、インクジェット法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法等の印刷法、Langmuir−Blodgett(LB)法等の通常の方法を用いることができる。なお、塗布法に使用する溶液の固形分濃度は、塗布方法や膜厚によっても変動しうるが、0.5〜15質量%が好ましく、より好ましくは1〜10質量%である。また、塗布の際の塗布液および/または塗布面の温度は、特に制限はないが、塗布・乾燥時の温度変動による析出、ムラを防ぐといった観点から、好ましくは30〜180℃であり、より好ましくは50〜160℃である。さらに、乾燥の具体的な形態についても特に制限はなく、従来公知の知見が適宜参照されうる。乾燥(加熱処理)条件の一例を挙げると90〜180℃程度の温度で、5〜90分間程度といった条件が例示される。乾燥に使用する装置としては、ホットプレート、温風乾燥、赤外線ヒーター、マイクロウエーブ、真空乾燥機等が挙げられるが、これ以外の乾燥装置を用いることも勿論可能である。
続いて、上記で形成した(第1の正孔輸送層15aまたは)第2の電子輸送層13b上に、第2のサブセル16bの積層構造の1つ(必須の構造)として、p型半導体およびn型半導体を含む第2の光電変換層14bを形成する。第2の光電変換層14bを形成するための具体的な手法について特に制限はないが、好ましくは、p型半導体およびn型半導体をそれぞれ、または一括して、適当な溶剤に溶解・分散させた溶液を、適当な塗布法(具体的な形態については、上述した通りである)を用いて(第1の正孔輸送層15aまたは)第2の電子輸送層13b上に塗布し、乾燥させればよい。その後、残留溶媒および水分、ガスの除去、および半導体材料の結晶化による移動度向上・吸収長波化を引き起こすために加熱を行うことが好ましい。製造工程中において所定の温度でアニール処理されると、微視的に一部が凝集または結晶化が促進され、光電変換層を適切な相分離構造とすることができる。その結果、第2の光電変換層14bの正孔と電子(キャリア)の移動度が向上し、高い効率を得ることができるようになる。このようにして、p型半導体およびn型半導体が一様に混合され、バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子1とすることができる。
一方、p型半導体とn型半導体の混合比の異なる複数層からなる第2の光電変換層(例えば、p−i−n構造)14bを形成する場合には、一の層を塗布後に、当該層を不溶化(顔料化)し、その後、他の層を塗布することにより形成することが可能である。
なお、ポリアルキレンイミンを含む第2の光電変換層14bを形成する場合、例えば、p型半導体および/またはn型半導体とポリアルキレンイミンと適当な溶媒に溶解・分散させた溶液を調製し、これを塗布、乾燥すればよい。
当該第2の光電変換層14bを形成する工程は、酸素や水分に曝さないようにするために窒素雰囲気下のグローブボックス内で行うことが好ましい。このように、窒素雰囲気下で行うことにより、大気中の酸素または水分によりp型有機半導体材料が劣化するのを防ぎ、素子の耐久性を高めることができる。
上記で第2の光電変換層14bを形成した後、この第2の光電変換層14b上に、第2のサブセル16bの積層構造の1つ(必須の構造)として、第2の正孔輸送層15bを形成する。第2の正孔輸送層15bを形成する手段としては、一般的な製膜方法を用いて形成でき、例えば、真空蒸着法、加熱真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、レーザービーム蒸着法、スパッタ法、CVD法、大気圧プラズマ法などのドライプロセス、溶液塗布法、メッキ法、電界形成法などのウェットプロセスなどを用いることができる。即ち、蒸着法等のドライプロセス、溶液塗布法等のウェットプロセスのいずれであってもよいが、好ましくはウェットプロセス、中でも溶液塗布法である。溶液塗布法を用いて第2の正孔輸送層15bを形成する場合には、上述した正孔輸送材料を適当な溶剤に溶解・分散させた溶液を、適当な塗布法を用いて第2の光電変換層14b上に塗布し、乾燥させればよい。溶液塗布法に用いられる塗布法としては、キャスト法、ダイコーティング法、スピンコート法、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、グラビアコート法、スプレーコーティング法、ディッピング(浸漬)コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、インクジェット法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法等の印刷法、Langmuir−Blodgett(LB)法等の通常の方法を用いることができる。また、溶液塗布法の中でも、印刷技術を用いた直接パターニング法、例えば、インクジェット印刷法などを好ましく用いることができる。なお、塗布法に使用する溶液の固形分濃度は、塗布方法や膜厚によっても変動しうるが、0.5〜15質量%が好ましく、より好ましくは1〜10質量%である。また、塗布の際の塗布液および/または塗布面の温度は、特に制限はないが、塗布・乾燥時の温度変動による析出、ムラを防ぐといった観点から、好ましくは30〜180℃であり、より好ましくは50〜160℃である。さらに、乾燥の具体的な形態についても特に制限はなく、従来公知の知見が適宜参照されうる。乾燥(加熱処理)条件の一例を挙げると90〜180℃程度の温度で、5〜90分間程度といった条件が例示される。乾燥に使用する装置としては、ホットプレート、温風乾燥、赤外線ヒーター、マイクロウエーブ、真空乾燥機等が挙げられるが、これ以外の乾燥装置を用いることも勿論可能である。
本形態の製造方法では、最後に、陽極(第2の電極)12を形成する。陽極(第2の電極)12を形成する方法は、特に制限はないが、操作の容易性や、ダイコータ等の装置を用いてロール・ツー・ロールで生産可能なことから、第2の正孔輸送層15bの上に、陽極(第2の電極)12の構成材料を含む液体を塗布し、乾燥させる方法であることが好ましい。またこれ以外にも、市販の薄膜状の電極材料をそのまま使用しても構わない。
さらに、上述した各種の層以外の層が含まれる場合には、これらの層を形成するための工程を、溶液塗布法や蒸着法等を用いることで適宜追加して行うことができる。
上記電極(陰極・陽極)11、12、光電変換層14a、14b、正孔輸送層15a、15b、電子輸送層13a、13b等は、必要に応じてパターニングされうる。パターニングの方法は特に制限はなく、公知の手法を適宜適用することができる。例えば、バルクへテロジャンクション型の光電変換層14a、14bや正孔輸送層15a、15b・電子輸送層13a、13b等で使用される可溶性の材料をパターニングする場合には、ダイコート、ディップコート等の全面塗布後に不要部だけ拭き取ってもよいし、製膜後に炭酸レーザー等を用いてアブレーションする方法、スクライバで直接削り取る方法等でパターニングしてもよいし、インクジェット法やスクリーン印刷等の方法を使用して塗布時に直接パターニングしてもよい。一方、電極11、12等で使用される不溶性の材料の場合は、真空蒸着法や真空スパッタ法、プラズマCVD法、電極材料の微粒子を分散させたインキを用いたスクリーン印刷法やグラビア印刷法、インクジェット法等の各種印刷方法、蒸着膜に対しエッチングまたはリフトオフする等の公知の方法を用いることができる。また、別の基板上に形成したパターンを転写することによってパターンを形成してもよい。
また、本形態の有機光電変換素子1は、環境中の酸素、水分等による劣化を防止するために、必要に応じて封止されうる。封止の方法は特に制限はなく、有機光電変換素子や有機エレクトロルミネッセンス素子等で用いられる公知の手法によって行われうる。例えば、(1)アルミニウムまたはガラス等でできたキャップを接着剤によって接着することによって封止する手法;(2)アルミニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等のガスバリア層が形成されたプラスチックフィルムと有機光電変換素子上を接着剤で貼合する手法;(3)ガスバリア性の高い有機高分子材料(ポリビニルアルコール等)をスピンコートする方法;(4)ガスバリア性の高い無機薄膜(酸化ケイ素、酸化アルミニウム等)または有機膜(パリレン等)を真空下で堆積する方法;ならびに(5)これらを複合的に用いて積層する方法等が挙げられる。
さらに、本形態の有機光電変換素子1は、エネルギー変換効率と素子寿命向上の観点から、有機光電変換素子1全体を2枚のバリア付き基板で封止した構成でもよく、好ましくは、水分ゲッター、酸素ゲッター等を同封した構成であることがより好ましい。
<有機光電変換素子の用途>
本発明の他の形態によれば、上述の第1の形態に係る有機光電変換素子1や、上記製造方法により得られる有機光電変換素子1を有する太陽電池が提供される。本形態の有機光電変換素子1は、優れた光電変換効率、耐久性を有するため、これを発電素子とする太陽電池に好適に使用されうる。
また、本発明のさらに他の形態によれば、上述した有機光電変換素子1がアレイ状に配列されてなる光センサアレイが提供される。すなわち、本形態の有機光電変換素子1は、その光電変換機能を利用して、光センサアレイ上に投影された画像を電気的な信号に変換する光センサアレイとして利用することもできる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<正孔輸送層の仕事関数の評価>
(正孔輸送材料;塗布組成物HIL−01の調製)
シグマアルドリッチ社より購入したPlextronics社製、商品名Plexcore OC1200(下記化合物構造に示される、スルホン化ポリチオフェンの2質量%エチレングリコールモノブチルエーテル(3):水(2)の分散液;カッコ内の数字は体積比の割合を示す。)の90体積%に対し、シグマアルドリッチ社より購入したTriton−X100を、5質量%溶解したイソプロピルアルコール溶液の10体積%を滴下し、塗布組成物HIL−01を調製した。なお、pHメーターで計測した分散液のpHは7であり中和されていた。
なお、正孔輸送層をHTL(Hole Transport Layer)、正孔注入層がHIL(Hole Injection Layer)と略記するが、本発明では、上記したように正孔注入層も正孔輸送層の概念に含まれることから、正孔輸送材料の塗布組成物をHIL−01、・・と称している。
(正孔輸送材料;塗布組成物HIL−02の調製)
ヘレウス社から入手したPEDOT:PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン) ポリスチレンスルホン酸)分散液であるClevios PH500(登録商標)、シグマ−アルドリッチ社より購入したポリスチレンスルホン酸ナトリウム(PSS−Na)に対し、以下に示す割合にて上から順に滴下し、塗布組成物HIL−02を調製した。
Clevios PH500 80質量%
10質量%PSS−Na 水溶液 10質量%
5質量%Triton−X100 IPA溶液 10質量%。
(正孔輸送材料;塗布組成物HIL−03の調製)
欧州特許第1546237号を参考にポリテトラフルオロエチレン誘導体を含むPEDOT(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン))分散液を合成した。なお、固形分は1.5質量%に調製し、塗布組成物HIL−03を得た。
(正孔輸送材料;塗布組成物HIL−04の調製)
ヘレウス社から入手したPEDOT:PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン) ポリスチレンスルホン酸)分散液であるClevios PH500(登録商標)、シグマ−アルドリッチ社より購入したポリテトラフルオロエチレン誘導体(Nafion;Dupont社の登録商標、下記化学式参照)に対し、以下に示す割合にて上から順に滴下し、塗布組成物HIL−04を調製した。
Clevios PH500 80質量%
10質量%Nafion(登録商標)水溶液 10質量%
5質量%Triton−X100 IPA溶液 10質量%。
(正孔輸送材料;塗布組成物HIL−05の調製)
特開2009−132897号公報を参考にポリテトラフルオロエチレン誘導体を含むチエノチオフェン分散液を合成した。なお、固形分は1.5質量%に調製し、塗布組成物HIL−05を得た。
た。
(正孔輸送材料;塗布組成物HIL−06の調製)
American Dye Sauce社より購入したpoly(N,N’−bis(4−butylphenyl)−N,N’−bis(phenyl)benzidine(ADS254BE:poly−TPD、量平均分子量(Mw):80,000、下記化合式参照)に対し、以下に示すコバルト錯体FK102が2質量%ドープされるように秤量し、モノクロロベンゼンに溶解して、固形分が1.5質量%の塗布組成物HIL−06を調製した。
なお、コバルト錯体FK102は、J.Am.Chem.Soc.2011,133,18042−18045に記載された方法を参考に合成した。
(正孔輸送材料;塗布組成物HIL−07の調製)
塗布組成物HIL−06の調製において、ドーパントを以下に示すモリブデン錯体に変更した以外は、HIL−06と同様にして塗布組成物HIL−07を調製した。
なお、モリブデン錯体は、J.AM.CHEM.SOC.2009,131,12530−12531に記載の方法を参考にして合成した。
(正孔輸送材料;塗布組成物HIL−08の調製)
塗布組成物HIL−06の調製において、ドーパントを以下に示すフッ素置換フラーレン誘導体(C6036)に変更した以外は、HIL−06と同様にして塗布組成物HIL−08を調製した。
なお、以下に示すフッ素置換フラーレン誘導体は、株式会社ATRからC6036昇華品として購入しそのまま用いた。
<正孔輸送層の仕事関数の評価>
一般的な界面活性剤で洗浄し、UVオゾン処理を行ったガラス基板上に、上記調製した塗布組成物HIL−01〜08それぞれについてブレードコーターを用い、膜厚が約100nmになるよう塗布し、窒素雰囲気下において120℃で10分間乾燥させ単膜(正孔輸送層の単膜)を作製した。得られたサンプル(正孔輸送層の単膜)を、ヴァキュームジェネレーターズ社製、ESCALab200R及びUPS−1ユニットを用いて光電子分光スペクトルを評価し、仕事関数を算出し表1に示した。
(光電変換層のp型半導体の例示化合物1の合成)
J.Am.Chem.Soc.2011,133,4625-4631を参考として、下記p型半導体の例示化合物1(一般式1Aで表される部分構造(ユニット)を有する化合物;p型ポリマー)を合成した。数平均分子量は35、000、PDI(多分散度)は1.8であった。なお、多分散度PDIとは、〔PDI=重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn〕で表わされる分子量の比であり、分子量分布の大きさを表わす指標を意味する。
(光電変換層のp型半導体の例示化合物2の合成)
同様にしてJ. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 4625-4631およびWO2011/085004号公報を参考として、下記p型半導体の例示化合物2(一般式1Aで表される部分構造(ユニット)を有する化合物;p型ポリマー)を合成した。数平均分子量は35、000、PDI(多分散度)は1.8であった。
(光電変換層のp型半導体の例示化合物3の合成)
同様にしてAngew.Chem.Int.Ed.2011,50,1−5を参考として、下記p型半導体の例示化合物3(一般式1Aで表される部分構造(ユニット)を有する化合物;p型ポリマー)を合成した。数平均分子量は35、000、PDI(多分散度)は1.8であった。
(光電変換層のp型半導体の例示化合物4の合成)
同様にしてAngew.Chem.Int.Ed.2011,50,1−5およびWO2011/085004号公報を参考として、下記p型半導体の例示化合物4(一般式1Aで表される部分構造(ユニット)を有する化合物;p型ポリマー)を合成した。数平均分子量は35、000、PDI(多分散度)は1.8であった。
(光電変換層のp型半導体の例示化合物5の合成)
同様にしてJ.AM.CHEM.SOC.2008,130,16144−16145を参考として、下記p型半導体の例示化合物5(一般式1Aで表される部分構造(ユニット)を有する化合物;p型ポリマー)を合成した。数平均分子量は35、000、PDI(多分散度)は1.8であった。
(光電変換層のp型半導体の例示化合物6の合成)
同様にしてJ.Am.Chem.Soc.2011,133,9638−9641およびWO2011/085004号公報を参考として、下記p型半導体の例示化合物6(一般式1Bで表される部分構造(ユニット)を有する化合物;p型ポリマー)を合成した。数平均分子量は35、000、PDI(多分散度)は1.8であった。
(電子輸送材料:例示化合物Bの合成)
合成例1:例示化合物Bの合成
Adv.Mater.2007,19,2010を参考として、以下に示す化合物Aを合成した。化合物Aの重量平均分子量は4400であった。
この化合物A 1.0gと、アルドリッチ社製3,3’−イミノビス(N,N−ジメチルプロピルアミン)9.0gとをテトラヒドロフラン100mlおよびN,N−ジメチルホルムアミド100mlに溶解し、室温で48時間撹拌を行った。反応終了後、溶媒を減圧留去し、さらに水に再沈殿を行うことで、以下に示す例示化合物Bを1.3g得た(収率90%)。得られた例示化合物Bについて、H−NMRによって構造を特定した。結果を下記に示す。
H−NMR:7.6〜8.0ppm(br),2.88ppm(br),2.18ppm(m),2.08ppm(s),1.50ppm(m),1.05ppm(br).
(光電変換材料;塗布組成物BHJ−01の調製)
P3HT(シグマ―アルドリッチ社より購入。Plexcore(登録商標)OS1100:ポリ(3−ヘキシルチオフェン))と、ICBA(フロンティアカーボン社製、Q400:C60ビスインデン付加体)とを1:1(質量比)で混合したものを3.0質量%の割合でo−ジクロロベンゼンに溶解させ塗布組成物BHJ−01を調製した。
(光電変換材料;塗布組成物BHJ−02の調製)
上記により合成した例示化合物1と、PC60BM(Nano−C社製:6,6−フェニル−C61−ブチリックアシッドメチルエステル)とを1:2(質量比)で混合したものを2.0質量%の割合でo−ジクロロベンゼンに溶解させ塗布組成物BHJ−02を調製した。
(光電変換材料;塗布組成物BHJ−03の調製)
塗布組成物BHJ−02の調製において、例示化合物1を例示化合物2に換えた以外はBHJ−02と同様にして塗布組成物BHJ−03を調製した。
(光電変換材料;塗布組成物BHJ−04の調製)
塗布組成物BHJ−02の調製において、例示化合物1を例示化合物3に換えた以外はBHJ−02と同様にして塗布組成物BHJ−04を調製した。
(光電変換材料;塗布組成物BHJ−05の調製)
塗布組成物BHJ−02の調製において、例示化合物1を例示化合物4に換えた以外はBHJ−02と同様にして塗布組成物BHJ−05を調製した。
(光電変換材料;塗布組成物BHJ−06の調製)
塗布組成物BHJ−02の調製において、例示化合物1を例示化合物5に換えた以外はBHJ−02と同様にして塗布組成物BHJ−06を調製した。
(光電変換材料;塗布組成物BHJ−07の調製)
塗布組成物BHJ−02の調製において、例示化合物1を例示化合物6に換えた以外はBHJ−02と同様にして塗布組成物BHJ−07を調製整した。
(光電変換層のp型半導体(p型ポリマー)の仕事関数の評価)
シグマ−アルドリッチ社より購入したP3HT(Plexcore(登録商標)OS1100:ポリ(3−ヘキシルチオフェン))および上記で合成した例示化合物1〜6について、o−ジクロロベンゼン溶液から製膜した各々のポリマー膜を作製し、上述した正孔輸送層(HIL)の仕事関数の測定と同様にして、BHJ層(バルクヘテロジャンクション層=光電変換層)のp型半導体(p型ポリマー)の仕事関数を求め表2に示した。ここで、p型半導体(p型ポリマー)の仕事関数は、実質的にp型半導体(p型ポリマー)のHOMO準位と等価である。従って、それぞれの正孔輸送層の仕事関数が、それぞれのサブセルの光電変換層のp型半導体のHOMO準位よりもどの程度深い(浅い)かを、それぞれの正孔輸送層の仕事関数が、それぞれのサブセルの光電変換層のp型半導体の仕事関数よりもどの程度深い(浅い)か、以下に示す表3の「仕事関数差」により評価した。
(サブセルの開放端電圧Vocの評価)(カッコ内の数字は図1を参照のこと)
ガラス基板(10)上に、インジウムスズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nm堆積させたもの(シート抵抗:10Ω/□)を、フォトリソグラフィおよび塩酸を用いた湿式エッチングとを用いてパターニングした。パターン形成した第1の電極(11)を、界面活性剤と超純水の混合液を用いて超音波洗浄した後、さらに超純水を用いて超音波洗浄し、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
次に、上記第1の電極(透明電極)(11)が形成された基板(10)をグローブボックス(酸素濃度10ppm、露点温度−80度)に入れ、上述の様に合成した例示化合物Bを0.1質量%になる様に、n−ブタノール:TFPOの1:1(体積比)に溶解した塗布液をブレードコーターにより塗布し、ホットプレート上で120℃で10分間処理し、第1の電極(透明電極)(11)上に乾燥膜厚が約10nm以下の膜厚(5〜8nm)になるよう第1の電子輸送層(13a)を製膜した。ここで、TFPOは、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールの略号である。
続けて、上記で調製した塗布組成物BHJ−01〜07を、ブレードコーターを用いて乾燥膜厚が約100nmになるよう上記第1の電子輸送層(13a)上に製膜し、第1の光電変換層(14a)を形成した。
なお、以上の工程は、全て窒素雰囲気下で行った。
続けて上記で調製した塗布組成物HIL−03を、ブレードコーターを用いて乾燥膜厚が約50nmになるよう上記第1の光電変換層(14a)上に製膜し、第1の正孔輸送層(15a)を形成し、第1のサブセル(16a)の積層構造を得た。
続けて、第1の正孔輸送層(15a)上に、Agメタルを蒸着速度0.5〜1.0nm/秒で、100nmの膜厚に積層することで、第2の電極(12)を形成した。得られた有機光電変換素子を窒素チャンバーに移動させ、封止用キャビティグラスとUV硬化樹脂を用いて封止を行い、第1のサブセル(16a)を有する有機光電変換素子(タンデム型ではない、バルクへテロジャンクション型の有機光電変換素子)を完成させた。
上記で作製した第1のサブセル(16a)を有するバルクへテロジャンクション型の有機光電変換素子BHJ−01〜07について、ソーラーシミュレーター(AM1.5Gフィルタ)の100mW/cmの強度の光を照射し、I−V特性を評価することで、短絡電流密度JSC[mA/cm]、開放端電圧Voc[V]およびフィルファクターFFを測定し、開放端電圧VOC[V]の値を表2に示した。
<タンデム型の有機光電変換素子を有機薄膜太陽電池として使用した場合の評価>(カッコ内の数字は図1を参照のこと)
ガラス基板(10)上に、インジウムスズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nm堆積させたもの(シート抵抗:10Ω/□)を、フォトリソグラフィおよび塩酸を用いた湿式エッチングとを用いてパターニングした。パターン形成した第1の電極(11)を、界面活性剤と超純水の混合液を用いて超音波洗浄した後、さらに超純水を用いて超音波洗浄し、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
次に、上記第1の電極(透明電極)(11)が形成された基板(10)をグローブボックス(酸素濃度10ppm、露点温度−80度)に入れ、上述の様に合成した例示化合物Bを0.1質量%になる様に、n−ブタノール:TFPOの1:1(体積比)に溶解した塗布液をブレードコーターにより塗布し、ホットプレート上で120℃で10分間処理し、第1の電極(透明電極)(11)上に乾燥膜厚が約10nm以下(5〜8nm)になるよう第1の電子輸送層(13a)を製膜した。
続けて、下記表3に示すように有機光電変換素子SC−101〜SC−120の組成(構成)に応じて、上記で調製した塗布組成物BHJ−01〜07を、ブレードコーターを用いて乾燥膜厚が約100nmになるよう上記第1の電子輸送層(13a)上に製膜し、第1の光電変換層(14a)をそれぞれ形成した。
なお、以上の工程は、全て窒素雰囲気下で行った。
続けて、下記表3に示すように有機光電変換素子SC−101〜SC−120の組成(構成)に応じて、上記で調製した塗布組成物HIL−01〜08を、ブレードコーターを用いて乾燥膜厚が約50nmになるよう上記第1の光電変換層(14a)上に製膜し、第1の正孔輸送層(15a)をそれぞれ形成し、第1のサブセル(16a)の積層構造を得た。
次に、上記第1のサブセル(16a)の積層構造まで形成された基板(10)をグローブボックス(酸素濃度10ppm、露点温度−80度)に入れ、上述の様に合成した例示化合物Bを0.1質量%になる様に、n−ブタノール:TFPOの1:1(体積比)に溶解した塗布液をブレードコーターにより塗布し、ホットプレート上で120℃で10分間処理し、第1の正孔輸送層(15a)上に乾燥膜厚が約10nm以下(5〜8nm)になるよう第2の電子輸送層(13b)を製膜した。
続けて、下記表3に示すように有機光電変換素子SC−101〜SC−120の組成(構成)に応じて、上記で調製した塗布組成物BHJ−01〜07を、ブレードコーターを用いて乾燥膜厚が約100nmになるよう上記第2の電子輸送層(13b)上に製膜し、第2の光電変換層(14b)をそれぞれ形成した。
なお、第2のサブセル(16b)の積層構造のうち、以上の工程は、全て窒素雰囲気下で行った。
続けて、下記表3に示すように有機光電変換素子SC−101〜SC−120の組成(組成)に応じて、上記で調製した塗布組成物HIL−01〜08を、ブレードコーターを用いて乾燥膜厚が約50nmになるよう上記第2の光電変換層(14b)上に製膜し、第2の正孔輸送層(15b)をそれぞれ形成し、第2のサブセル(16b)の積層構造を得た。
続けて、第2の正孔輸送層(15b)上に、Agメタルを蒸着速度0.5〜1.0nm/秒で、100nmの膜厚に積層することで、第2の電極(12)を形成した。得られたタンデム型の有機光電変換素子(1)を窒素チャンバーに移動させ、封止用キャビティグラスとUV硬化樹脂を用いて封止を行い、タンデム型の有機光電変換素子SC−101〜SC−120を完成させた。
<光電変換率の評価>
上記で作製したタンデム型の有機光電変換素子SC−101〜SC−120について、ソーラーシミュレーター(AM1.5Gフィルタ)の100mW/cmの強度の光を照射し、I−V特性を評価することで、短絡電流密度JSC[mA/cm]、開放端電圧VOC[V]およびフィルファクターFFを測定した。得られたタンデム型の有機光電変換素子の開放端電圧Vtと、上記評価したタンデム型の有機光電変換素子を構成する光電変換層のp型ポリマー種(p型半導体材料)を含む、それぞれの第1及び第2のサブセル素子(16a、16b)から得られたボトムセル(第1のサブセル(16a))の開放端電圧Va、トップセル(第2のサブセル(16b))の開放端電圧Vbとして、以下の数式1よりVoc達成率を算出し表3に示した。
これはすなわち、Voc達成率が高いほど、各サブセル(16a、16b)の開放端電圧Voc(Va、Vb)を足し合わせた出力が、タンデム型の有機光電変換素子の開放端電圧Voc(Vt)に近いといえより好ましい。
<耐久性(温度サイクルテスト)の評価>
封止したタンデム型の有機光電変換素子SC−101〜SC−120を1Sun相当の高輝度LEDを用い、85℃条件下において加速劣化試験を行った。初期の短絡電流密度Jscを100%とし、1000時間試験後に短絡電流密度Jscが残っているかを耐久性保持率として評価し表3に示した。ここで、「1Sun」とは、校正されたソーラーシミュレーター(AM1.5Gフィルタ)を通し、強度100mW/cmの疑似太陽光を照射したときの短絡電流密度と同値の電流密度が得られるよう、高輝度LEDの出力を調整して行った。なお、ここでの短絡電流密度は、加速劣化試験前の値を用い、試験終了まで同じ出力で光照射を行った。また、耐久性試験中は、各セルを開放回路状態で光照射し加速劣化試験を行った。本加速劣化試験では、タンデム型の有機光電変換素子SC−101〜SC−120のガラス基板(10)側から疑似太陽光を照射した。
なお、加速劣化試験後により多くの短絡電流密度Jscが残っている程好ましく、上記に規定した耐久性保持率が80%以上であれば本発明の効果が有効に発現(露見)されているものと考えられる。
なお、実施例で最初に積層した側が第1のサブセル、後から積層した側が第2のサブセルになる。このとき、光照射は基板側から行う(図1の通り)ので、第1のサブセル側から光照射されることになる。
1 タンデム型の有機光電変換素子、
10 (透明)基板、
11 第1の電極、
12 第2の電極、
13a 第1の電子輸送層、
13b 第2の電子輸送層、
14a 第1の光電変換層、
14b 第2の光電変換層、
15a 第1の正孔輸送層、
15b 第2の正孔輸送層、
16a 第1のサブセル、
16b 第2のサブセル、
L 光(太陽光)。

Claims (7)

  1. 2つ以上のサブセルを有するタンデム型の有機光電変換素子において、
    それぞれのサブセルが、光電変換層と正孔輸送層を有し、
    それぞれの光電変換層が、吸収波長の異なるp型半導体を有し、且つ、
    それぞれの正孔輸送層の仕事関数が、それぞれのサブセルの光電変換層のp型半導体のHOMO準位よりも0.3eV以上深いことを特徴とするタンデム型の有機光電変換素子。
  2. 前記それぞれの正孔輸送層の仕事関数が、それぞれのサブセルの光電変換層のp型半導体のHOMO準位よりも0.3eV以上、1.0eV以下の間で深いことを特徴とする請求項1に記載のタンデム型の有機光電変換素子。
  3. 少なくとも1つのサブセルの前記正孔輸送層が、スルホン酸基を有するポリテトラフルオロエチレン誘導体を有する請求項1または2に記載のタンデム型の有機光電変換素子。
  4. 少なくとも1つのサブセルの前記正孔輸送層が、金属錯体またはフッ素置換フラーレンがドープされたポリマー層である請求項1または2に記載のタンデム型の有機光電変換素子。
  5. 前記2つ以上のサブセルにおいて、最も短波長を吸収するサブセルの光電変換層に含まれるp型半導体のHOMO準位が、最も長波長を吸収するサブセルの光電変換層に含まれるp型半導体のHOMO準位に対し、0.1eV以上、0.5eV以下の範囲で深いことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のタンデム型の有機光電変換素子。
  6. 前記p型半導体がp型ポリマーであって、前記p型ポリマーが、分子内に下記一般式1Aまたは一般式1Bで表される少なくとも1種のユニットを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のタンデム型の有機光電変換素子;
    (ここで、X〜Xは、相互に独立して、F、Cl、Brから選ばれるハロン元素、また、y〜yは、相互に独立して、S、O、Nから選ばれる元素を示す。)。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のタンデム型の有機光電変換素子を用いてなることを特徴とするタンデム型の有機薄膜太陽電池。
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