JP2012015390A - 有機光電変換素子、太陽電池及び光センサアレイ - Google Patents

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Abstract

【課題】高い曲線因子を提供しうるフラーレン誘導体を含有する有機光電変換素子、太陽電池及び光センサアレイを提供する。
【解決手段】対極と透明電極の間に、少なくとも下記一般式(1)で表される化合物を含有する有機層を有することを特徴とする有機光電変換素子。(式中、FLNはフラーレンを表す。Aは芳香族環を形成するに必要な原子群を表す。Rは水素原子または置換基を表す。)
Figure 2012015390

【選択図】なし

Description

本発明は、有機光電変換素子、太陽電池及び光センサアレイに関し、さらに詳しくは、バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子、この有機光電変換素子を用いた太陽電池及び光センサアレイに関する。
近年の化石エネルギーの高騰によって、自然エネルギーから直接電力を発電できるシステムが求められており、単結晶・多結晶・アモルファスのSiを用いた太陽電池、GaAsやCIGS等の化合物系の太陽電池、あるいは色素増感型光電変換素子(グレッツェルセル)等が提案・実用化されている。
しかしながら、これらの太陽電池で発電するコストは未だ化石燃料を用いて発電・送電される電気の価格よりも高いものとなっており、普及の妨げとなっていた。また、基板に重いガラスを用いなければならないため、設置時に補強工事が必要であり、これらも発電コストが高くなる一因であった。
このような状況に対し、化石燃料による発電コストよりも低い発電コストを達成しうる太陽電池として、陽極と陰極との間に電子供与体層(p型半導体層)と電子受容体層(n型半導体層)とが混合されたバルクヘテロジャンクション層を挟んだバルクヘテロジャンクション型光電変換素子(例えば、非特許文献1及び特許文献1参照)が提案されている。
これらのバルクヘテロジャンクション型太陽電池においては、陽極・陰極以外は塗布プロセスで形成されているため、高速かつ安価な製造が可能であると期待され、前述の発電コストの課題を解決できる可能性がある。さらに、上記のSi系太陽電池・化合物半導体系太陽電池・色素増感太陽電池等と異なり、160℃より高温のプロセスがないため、安価かつ軽量なプラスチック基板上への形成も可能であると期待される。
なお発電コストには、初期の製造コスト以外にも発電効率及び素子の耐久性も含めて算出されなければならないが、前記非特許文献1では、太陽光スペクトルを効率よく吸収するために、約900nmまで吸収可能な低バンドギャップ有機高分子を用いることによって、5%を超える変換効率を達成するに至っている。
なお太陽電池の効率は、開放電圧(Voc)×短絡電流(Jsc)×曲線因子(FF)の積で表されるが、短絡電流Jscは太陽光スペクトルを完全に吸収した場合に得られる理論Jscと外部量子効率(EQE)との積であるが、この外部量子効率が0.3〜0.5と低く、いっそうの効率向上を阻んでいた。たとえば前記非特許文献1の外部量子効率は0.5程度である。
なお、このような長波長まで吸収可能な共役系高分子を用いた有機光電変換素子では、n型半導体であるフラーレン誘導体の混合比率が多い方が高い光電変換効率が得られるといった傾向があるが、実質的に太陽光に含まれる波長域の光を吸収するのは主にp型半導体であるため、外部量子効率を上げることが困難であり、一層の効率向上を阻んでいた。
このような課題の原因は、電子の流れる経路となるn型半導体であるフラーレン誘導体のドメイン構造が最適でないためではないかと想定される。
すなわち、p型半導体材料である有機高分子は、比較的分子長が長いために互いに接触しやすく、正孔の流れる経路は連続的な経路を作りやすいが、アモルファス性材料で球状の分子形状であるn型半導体材料のフラーレン誘導体は電子の流れる連続した経路を作りにくいためではないかと想定され、非特許文献2及び非特許文献3ではフラーレンユニットが配列しやすい構造をとるようなフラーレン誘導体が提案されている。
国際公開第08/066933号
Nature Mat.vol.6(2007),p497 J.Am.Chem.Soc.,2008,130,15429 J.Am.Chem.Soc.,2009,131,16048
しかしながら、非特許文献2及び非特許文献3に記載されるようなフラーレンユニットが配列しやすい構造をとるフラーレン誘導体では、p型半導体材料である有機高分子と混合されたバルクヘテロジャンクション層内での自己配列力が不十分であり、一層自己配列力が高いフラーレン誘導体が期待されている。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、低バンドギャップポリマーによって高い光電変換効率を得るために、高い曲線因子を提供しうるフラーレン誘導体を含有する有機光電変換素子、太陽電池及び光センサアレイを提供することにある。
上記課題を解決するため、自己配列力が高いフラーレン誘導体について鋭意検討した結果、本発明者らは球状構造であるフラーレンユニットに窒素含有5員環を介して芳香族環が縮環されて配置されるような構造が有用であることを見出した。このような構造は、球状であるフラーレンに対し芳香族環を固定した位置に配置することで、互いに配列する分子間力が向上することにより強い自己配列力を有するようになるものと期待される。また、この置換基を6員環芳香族化合物とすると、平面板状のπ共役構造同士がπ−π相互作用で互いに配列する分子間力がさらに向上する。
この際、窒素原子にカルボニル基を結合させアミド基とすることで、平面性が増し、自己配列性をさらに向上させることが可能であることを見出した。
また、平面板状芳香族環をさらに縮環させることでも、π共役構造同士がπ−π相互作用が増強し、自己配列性を向上させることが可能であることを見出した。
さらには、平面板状芳香族環に電子供与基を導入することでも、開放電圧(Voc)を向上させることが可能であることを見出し、一層高効率の有機光電変換素子を得ることができることを見出した。
このような化合物はORGANIC LETTER 2009 Vol.11, No.19 4334−4337に記載されているが、太陽電池への用途に関する記載は無く、また球状のフラーレンに対して置換基がほぼ垂直に配置されていることについての考察の記載もない。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成される。
1.対極と透明電極の間に、少なくとも下記一般式(1)で表される化合物を含有する有機層を有することを特徴とする有機光電変換素子。
Figure 2012015390
(式中、FLNはフラーレンを表す。Aは芳香族環を形成するに必要な原子群を表す。Rは水素原子または置換基を表す。)
2.前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする前記1に記載の有機光電変換素子。
Figure 2012015390
(式中、FLNはフラーレンを表す。R、R、R、R、Rは各々水素原子または置換基を表す。)
3.前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする前記2に記載の有機光電変換素子。
Figure 2012015390
(式中、FLNはフラーレンを表す。R、R、R、R、Rは各々水素原子または置換基を表す。)
4.前記一般式(3)で表される化合物が、下記一般式(4)で表される化合物であることを特徴とする前記3に記載の有機光電変換素子。
Figure 2012015390
(式中、FLNはフラーレンを表す。R、R、R、R、R、R、R、R10、R11は各々水素原子または置換基を表す。)
5.前記一般式(4)で表される化合物が、下記一般式(5)で表される化合物であることを特徴とする前記4に記載の有機光電変換素子。
Figure 2012015390
(式中、FLNはフラーレンを表す。R、R、R、R、R、R、R10、R11は各々水素原子または置換基を表す。)
6.前記一般式(5)で表される化合物のR、R、R、R、R、R、R10、R11のうち、少なくとも一つがアルキル基、アルコキシル基、アミノ基またはアルキルチオ基のいずれかであることを特徴とする前記5に記載の有機光電変換素子。
7.前記一般式(1)〜(5)で表される化合物中にC6以上のアルキル基を有することを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
8.前記有機層が、溶液プロセスによって形成されていることを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
9.前記有機層が、前記一般式(1)〜(5)で表される化合物と、共役高分子材料とを含有するバルクヘテロジャンクション層であることを特徴とする前記1〜8のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
10.前記1〜9のいずれか1項に記載の有機光電変換素子からなることを特徴とする太陽電池。
11.前記1〜9のいずれか1項に記載の有機光電変換素子がアレイ状に配置されてなることを特徴とする光センサアレイ。
本発明により、高い曲線因子及び光電変換効率を有する有機光電変換素子、太陽電池及び光センサアレイを提供することができた。
バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子からなる太陽電池を示す断面図である。 タンデム型のバルクヘテロジャンクション層を備える有機光電変換素子からなる太陽電池を示す断面図である。 光センサアレイの構成を示す図である。
本発明者らは、有機薄膜太陽電池の外部量子効率(EQE)向上のため、キャリア移動度に優れたフラーレン誘導体、すなわち自己配列性の高いフラーレン誘導体として、本発明のフラーレン誘導体が有用であることを見出した。
また、一部のフラーレン化合物では、さらに開放電圧(Voc)向上が可能であり、さらなる高効率化が可能であることも見出した。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(有機光電変換素子及び太陽電池の構成)
図1は、バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子からなるシングル構成(バルクヘテロジャンクション層が1層の構成)の太陽電池の一例を示す断面図である。図1において、バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子10は、基板11の一方面上に、透明電極(陽極)12、正孔輸送層17、バルクヘテロジャンクション層の光電変換部14、電子輸送層(またはバッファ層とも言う)18及び対極(陰極)13が順次積層されている。
基板11は、順次積層された透明電極12、光電変換部14及び対極13を保持する部材である。本実施形態では、基板11側から光電変換される光が入射するので、基板11は、この光電変換される光を透過させることが可能な、すなわち、この光電変換すべき光の波長に対して透明な部材である。基板11は、例えば、ガラス基板や樹脂基板等が用いられる。この基板11は、必須ではなく、例えば、光電変換部14の両面に透明電極12及び対極13を形成することでバルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子10が構成されてもよい。
光電変換部14は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する層であって、p型半導体材料とn型半導体材料とを一様に混合したバルクヘテロジャンクション層を有して構成される。p型半導体材料は、相対的に電子供与体(ドナー)として機能し、n型半導体材料は、相対的に電子受容体(アクセプタ)として機能する。ここで、電子供与体及び電子受容体は、“光を吸収した際に、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)を形成する電子供与体及び電子受容体”であり、電極のように単に電子を供与あるいは受容するものではなく、光反応によって、電子を供与あるいは受容するものである。
図1において、基板11を介して透明電極12から入射された光は、光電変換部14のバルクヘテロジャンクション層における電子受容体あるいは電子供与体で吸収され、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)が形成される。発生した電荷は、内部電界、例えば、透明電極12と対極13の仕事関数が異なる場合では透明電極12と対極13との電位差によって、電子は、電子受容体間を通り、また正孔は、電子供与体間を通り、それぞれ異なる電極へ運ばれ、光電流が検出される。例えば、透明電極12の仕事関数が対極13の仕事関数よりも大きい場合では、電子は透明電極12へ、正孔は対極13へ輸送される。なお、仕事関数の大小が逆転すれば、電子と正孔はこれとは逆方向に輸送される。また、透明電極12と対極13との間に電位をかけることにより、電子と正孔の輸送方向を制御することもできる。
なお図1には記載していないが、正孔ブロック層、電子ブロック層、電子注入層、正孔注入層、あるいは平滑化層等の他の層を有していてもよい。
また、さらなる太陽光利用率(光電変換効率)の向上を目的として、このような光電変換素子を積層した、タンデム型の構成(バルクヘテロジャンクション層を複数有する構成)であっても良い。
図2は、タンデム型のバルクヘテロジャンクション層を備える有機光電変換素子からなる太陽電池を示す断面図である。タンデム型構成の場合、基板11上に、順次透明電極12、第1の光電変換部14′を積層した後、電荷再結合層15を積層した後、第2の光電変換部16、次いで対極13を積層することで、タンデム型の構成とすることができる。第2の光電変換部16は、第1の光電変換部14′の吸収スペクトルと同じスペクトルを吸収する層でもよいし、異なるスペクトルを吸収する層でもよいが、タンデム型の有機光電変換素子では、複数の層の発電する電流量が異なった場合、最も発電電流の小さい素子に全電流量が制限されるため、同等の発電量をそれぞれのバルクヘテロジャンクション層を均一とするためには、好ましくは異なるスペクトルを吸収する層であることが好ましい。異なるスペクトルの組み合わせの例としては、例えば、第1のバルクヘテロジャンクション層が1.9evまでの太陽光を吸収し、第2のバルクヘテロジャンクション層は1.3eVまでの太陽光を吸収するような組み合わせ、あるいは第1のバルクヘテロジャンクション層が1.6evまでの太陽光を吸収し、第2のバルクヘテロジャンクション層は1.1eVまでの太陽光を吸収するような組み合わせ、等である。
以下、これらの層に用いることができる材料について説明する。
〔n型半導体材料〕
(一般式(1)で表される化合物)
本発明の有機光電変換素子は、対極と透明電極の間に、前記一般式(1)で表される化合物を含有する有機層を有することが特徴である。
前述のように、フラーレンユニットに窒素含有5員環を介して芳香族環が配置されるような構造とすることで、これらの置換基はおよそ垂直な位置でフラーレンを置換するように分子構造が固定化され、分子の結晶性、配列性の高いフラーレンとすることができる。
一般式(1)において、Rは水素原子または置換基を表す。FLNはフラーレン母核を表す。
置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、シリル基、スルホニル基、スルフィニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基等を挙げることができる。
アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えば、メチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル等が挙げられる。
シクロアルキル基としては、好ましくは炭素数4〜8であり、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。
アルケニル基としては、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル等が挙げられる。
アルキニル基としては、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えば、プロパルギル、3−ペンテニル等が挙げられる。
アリール基としては、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えば、フェニル、p−メチルフェニル、ナフチル等が挙げられる。
ヘテロアリール基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には、例えば、イミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、ピペリジル、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル等が挙げられる。
アシル基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、アセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル等が挙げられる。
アミノ基としては、好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ等が挙げられる。
アルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ等が挙げられる。
シクロアルキルオキシ基としては、好ましくは炭素数4〜8であり、例えば、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えば、フェニルオキシ、2−ナフチルオキシ等が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えば、フェニルオキシカルボニル等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシ等が挙げられる。
アシルアミノ基としては、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等が挙げられる。
アルコキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ等が挙げられる。
スルホニルアミノ基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、メタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ等が挙げられる。
スルファモイル基としては、好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えば、スルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等が挙げられる。
カルバモイル基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、カルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイル等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、メチルチオ、エチルチオ等が挙げられる。
アリールチオ基としては、好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えば、フェニルチオ等が挙げられる。
スルホニル基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、メシル、トシル等が挙げられる。
スルフィニル基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、メタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル等が挙げられる。
ウレイド基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、ウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイド等が挙げられる。
リン酸アミド基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、ジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミド等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
ヒドロキシ基、メルカプト基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基等が挙げられる。これらの置換基はさらに置換されてもよい。
FLNで表されるフラーレン母核としては、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC84、フラーレンC240等が挙げられるが、光電変換効率の点からフラーレンC60及びC70が好ましく、さらに製造コストの観点からはフラーレンC60が好ましい。
Aは芳香族環を形成するに必要な原子群を表し、Aにより形成される芳香族環としては、芳香族炭素環、芳香族複素環が挙げられる。芳香族炭素環としては、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環等が挙げられ、芳香族複素環としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には、例えば、イミダゾール環、ピリジン環、キノリン環、フリル環、ピペリジン環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンズチアゾール環等が挙げられる。
またこれらの芳香族環は先に挙げた置換基にて置換されていても良い。
(一般式(2)で表される化合物)
前記一般式(1)で表される化合物が、前記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(2)において、R、R、R、R、Rは各々水素原子または置換基を表す。FLNはフラーレン母核を表す。
、R、R、R、Rで表される水素原子または置換基は、前記一般式(1)のRで表される水素原子または置換基と同義である。FLNで表されるフラーレン母核は、前記一般式(1)のFLNで表されるフラーレン母核と同義である。
(一般式(3)で表される化合物)
一般式(3)において、R、R、R、R、Rは各々水素原子または置換基を表す。FLNはフラーレン母核を表す。
FLNで表されるフラーレン母核は、前記一般式(1)のFLNで表されるフラーレン母核と同義である。
窒素原子にカルボニル基を結合させアミド基とすることで、平面性が増し、自己配列性がさらに向上し、曲線因子が向上する。
さらに好ましくはベンゼン環部分がアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アルキルチオ基のような電子供与基に置換されている場合である。置換基の電子供与性により本発明のフラーレン誘導体のLUMOが浅くなり、Vocが向上する。
なお、このような本発明のフラーレン誘導体は、通常のPCBM等の公知のフラーレン誘導体を含むバルクヘテロジャンクション層の上に正孔ブロック層またはp−i−n構造のn層として単層で製膜されていてもよいが、生産性の観点から、共役系高分子とフラーレン誘導体とが混合されたバルクヘテロジャンクション層に含まれていることが好ましい。また、バルクヘテロジャンクション層に混合する場合は単体でもよいし、公知のフラーレン誘導体との混合物でもよい。また、フラーレン構造の炭素数が異なる化合物(例えばC60とC70)との混合物でもよい。
(一般式(4)で表される化合物)
一般式(4)において、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11は各々水素原子または置換基を表す。FLNはフラーレン母核を表す。
FLNで表されるフラーレン母核は、前記一般式(1)のFLNで表されるフラーレン母核と同義である。
アミド基を介して芳香環を配置することにより、フラーレン誘導体の自己配列性が向上する。
なお、このような本発明のフラーレン誘導体は、通常のPCBM等の公知のフラーレン誘導体を含むバルクヘテロジャンクション層の上に正孔ブロック層またはp−i−n構造のn層として単層で製膜されていてもよいが、生産性の観点から、共役系高分子とフラーレン誘導体とが混合されたバルクヘテロジャンクション層に含まれていることが好ましい。また、バルクヘテロジャンクション層に混合する場合は単体でもよいし、公知のフラーレン誘導体との混合物でもよい。また、フラーレン構造の炭素数が異なる化合物(例えばC60とC70)との混合物でもよい。
(一般式(5)で表される化合物)
一般式(5)において、R、R、R、R、R、R10、R11は水素原子または置換基を表す。FLNはフラーレン母核を表す。
FLNで表されるフラーレン母核は、前記一般式(1)のFLNで表されるフラーレン母核と同義である。
アミド基を介して配置された芳香環と、窒素含有5員環と縮環している芳香環が直接結合をしている構造とすることで平面性が向上し、フラーレン誘導体の自己配列性がさらに向上する。
さらに好ましくは該芳香環がアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アルキルチオ基のような電子供与基に置換されている場合である。置換基の電子供与性により本発明のフラーレン誘導体のLUMOが浅くなり、Vocが向上する。
なお、このような本発明のフラーレン誘導体は、通常のPCBM等の公知のフラーレン誘導体を含むバルクヘテロジャンクション層の上に正孔ブロック層またはp−i−n構造のn層として単層で製膜されていてもよいが、生産性の観点から、共役系高分子とフラーレン誘導体とが混合されたバルクヘテロジャンクション層に含まれていることが好ましい。また、バルクヘテロジャンクション層に混合する場合は単体でもよいし、公知のフラーレン誘導体との混合物でもよい。また、フラーレン構造の炭素数が異なる化合物(例えばC60とC70)との混合物でもよい。
またこれらのフラーレン誘導体にアルキル基が導入されている場合、デバイス作製時における塗布溶媒への溶解性が向上し、成膜性が向上する。その結果、発電効率がさらに向上することも見出された。そのアルキル基の長さは、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12である。
本発明に係る、前記一般式(1)、(2)、(3)、(4)または(5)で表される化合物の具体例としては下記の化合物を挙げることができる。
Figure 2012015390
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これらの化合物は、ORGANIC LETTER 2009 Vol.11,No.19 4334−4337を参考として合成することができる。
なお、本発明に係るn型半導体材料に、結晶化の制御・相分離構造の制御・モルホロジーの制御等を目的として、公知のn型半導体材料を混合して用いることもできる。公知のn型半導体材料としては、例えば、フラーレン、オクタアザポルフィリン等、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物を骨格として含む高分子化合物等を挙げることができる。
〔p型半導体材料〕
本発明のバルクヘテロジャンクション層に用いられるp型半導体材料としては、種々の縮合多環芳香族低分子化合物や共役系ポリマーが挙げられるが、本発明のタンデム型有機光電変換素子には2種類以上のバルクヘテロジャンクション層を有しているため、それぞれの層に適したp型半導体材料を使用することが好ましい。
本発明のバルクヘテロジャンクション層に用いられるp型半導体材料としては、種々の縮合多環芳香族低分子化合物や共役系ポリマーが挙げられる。
縮合多環芳香族低分子化合物としては、例えば、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、クリセン、ピセン、フルミネン、ピレン、ペロピレン、ペリレン、テリレン、クオテリレン、コロネン、オバレン、サーカムアントラセン、ビスアンテン、ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランスレン、ビオランテン、イソビオランテン、サーコビフェニル、アントラジチオフェン等の化合物、ポルフィリンや銅フタロシアニン、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、及びこれらの誘導体や前駆体が挙げられる。
また上記の縮合多環を有する誘導体の例としては、国際公開第03/16599号パンフレット、国際公開第03/28125号パンフレット、米国特許第6,690,029号明細書、特開2004−107216号公報等に記載の置換基をもったペンタセン誘導体、米国特許出願公開第2003/136964号明細書等に記載のペンタセンプレカーサ、J.Amer.Chem.Soc.,vol.127,No.14,p4986、J.Amer.Chem.Soc.,vol.123,p9482、J.Amer.Chem.Soc.,vol.130(2008),No.9,p2706、等に記載のトリアルキルシリルエチニル基で置換されたアセン系化合物等が挙げられる。
共役系ポリマーとしては、例えば、ポリピロール及びそのオリゴマー、ポリアニリン、ポリフェニレン及びそのオリゴマー、ポリフェニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリチエニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、ポリシラン、ポリゲルマン等のσ共役系ポリマー、ポリ3−ヘキシルチオフェン(P3HT)等のポリチオフェン及びそのオリゴマー、またはTechnical Digest of the International PVSEC−17,Fukuoka,Japan,2007,P1225に記載の重合性基を有するようなポリチオフェン、Nature Material,(2006)vol.5,p328に記載のポリチオフェン−チエノチオフェン共重合体、WO2008000664に記載のポリチオフェン−ジケトピロロピロール共重合体、Adv.Mater.,2007,p4160に記載のポリチオフェン−チアゾロチアゾール共重合体、Applied Physics Letters vol.92,p033307(2008)に記載のPFDTBT、J.Am.Chem.Soc.,vol.131,p7792(2009)記載のPTB1〜6等が挙げられるが、中でも本発明においては650nmよりも長波長まで吸収を有する低バンドギャップポリマーである、Adv.Mater.,vol.19(2007)p2295に記載のポリチオフェン−カルバゾール−ベンゾチアジアゾール共重合体(PCDTBT)、Nature Mat.vol.6(2007),p497に記載のPCPDTBT等のようなポリチオフェン共重合体が好ましい。
〔バルクヘテロジャンクション層の形成方法〕
電子受容体と電子供与体とが混合されたバルクヘテロジャンクション層の形成方法としては、蒸着法、塗布法(キャスト法、スピンコート法を含む)等を例示することができる。このうち、前述の正孔と電子が電荷分離する界面の面積を増大させ、高い光電変換効率を有する素子を作製するためには、塗布法が好ましい。また塗布法は、製造速度にも優れている。
塗布後は残留溶媒及び水分、ガスの除去、及び半導体材料の結晶化による移動度向上・吸収長波化を引き起こすために加熱を行うことが好ましい。製造工程中において所定の温度でアニール処理されると、微視的に一部が配列または結晶化が促進され、バルクヘテロジャンクション層を適切な相分離構造とすることができる。その結果、バルクヘテロジャンクション層のキャリア移動度が向上し、高い効率を得ることができるようになる。
光電変換部(バルクヘテロジャンクション層)14は、電子受容体と電子供与体とが均一に混在された単一層で構成してもよいが、電子受容体と電子供与体との混合比を変えた複数層で構成してもよい。
次に、有機光電変換素子を構成する電極について説明する。
有機光電変換素子は、バルクヘテロジャンクション層で生成した正電荷と負電荷とが、それぞれp型有機半導体材料、及びn型有機半導体材料を経由して、それぞれ透明電極及び対極から取り出され、電池として機能するものである。それぞれの電極には、電極を通過するキャリアに適した特性が求められる。
〔対極〕
本発明において対極(陰極)とは、電子を取り出す電極のことが好ましい。例えば、陰極として用いる場合、導電材単独層であってもよいが、導電性を有する材料に加えて、これらを保持する樹脂を併用してもよい。
対極材料としては、十分な導電性を有し、かつ前記n型半導体材料と接合したときにショットキーバリアを形成しない程度に近い仕事関数を有し、かつ劣化しないことが求められる。つまりバルクヘテロジャンクション層に用いるn型半導体材料のLUMOよりも0〜0、3eV深い仕事関数を有する金属であることが好ましく、本発明の第2のバルクヘテロジャンクション層に用いられるn型半導体材料の好ましいLUMO準位が、−4.3〜−4.6eVであることから、−4.3〜−4.9eVの仕事関数であることが好ましい。他方で正孔を取り出す透明電極(陽極)より仕事関数が深くなることは好ましくなく、n型半導体材料より浅い仕事関数の金属では層間抵抗が発生することがあるため、実際には−4.4〜−4.8eVの仕事関数を有する金属であることが好ましい。したがって、アルミニウム、金、銀、銅、インジウム、あるいは酸化亜鉛、ITO、酸化チタン等の酸化物系の材料でも好ましい。より好ましくは、アルミニウム、銀、銅であり、さらに好ましくは銀である。
なおこれらの金属の仕事関数は、同様に紫外光電子分光法(UPS)を利用して測定することができる。
なお、必要に応じて合金にしても良く、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。対極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。
また、対極側を光透過性とする場合は、例えば、アルミニウム及びアルミニウム合金、銀及び銀化合物等の対極に適した導電性材料を薄く1〜20nm程度の膜厚で作製した後、導電性光透過性材料の膜を設けることで、光透過性対極とすることができる。
〔透明電極〕
本発明において透明電極とは、正孔を取り出す電極のことが好ましい。例えば、陽極として用いる場合、好ましくは380〜800nmの光を透過する電極である。材料としては、例えば、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の透明導電性金属酸化物、金、銀、白金等の金属薄膜、金属ナノワイヤー、カーボンナノチューブ用いることができる。
また、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリチエニレンビニレン、ポリアズレン、ポリイソチアナフテン、ポリカルバゾール、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン、ポリフェニルアセチレン、ポリジアセチレン及びポリナフタレンの各誘導体からなる群より選ばれる導電性高分子等も用いることができる。また、これらの導電性化合物を複数組み合わせて透明電極とすることもできる。
〔中間電極〕
また、タンデム構成の場合に必要となる中間電極の材料としては、透明性と導電性を併せ持つ化合物を用いた層であることが好ましく、前記透明電極で用いたような材料(ITO、AZO、FTO、酸化チタン等の透明金属酸化物、Ag、Al、Au等の非常に薄い金属層またはナノ粒子・ナノワイヤーを含有する層、PEDOT:PSS、ポリアニリン等の導電性高分子材料等)を用いることができる。
なお前述した正孔輸送層と電子輸送層の中には、適切に組み合わせて積層することで中間電極(電荷再結合層)として働く組み合わせもあり、このような構成とすると1層形成する工程を省くことができ好ましい。
次に、電極及びバルクヘテロジャンクション層以外を構成する材料について述べる。
〔正孔輸送層・電子ブロック層〕
本発明の有機光電変換素子は、バルクヘテロジャンクション層と透明電極との中間には正孔輸送層を、バルクヘテロジャンクション層で発生した電荷をより効率的に取り出すことが可能となるため、これらの層を有していることが好ましい。
これらの層を構成する材料としては、例えば、正孔輸送層としては、スタルクヴイテック社製、商品名BaytronP等のPEDOT、ポリアニリン及びそのドープ材料、WO2006019270号パンフレット等に記載のシアン化合物、等を用いることができる。なお、バルクヘテロジャンクション層に用いられるn型半導体材料のLUMO準位よりも浅いLUMO準位を有する正孔輸送層には、バルクヘテロジャンクション層で生成した電子を透明電極側には流さないような整流効果を有する、電子ブロック機能が付与される。このような正孔輸送層は、電子ブロック層とも呼ばれ、このような機能を有する正孔輸送層を使用するほうが好ましい。このような材料としては、特開平5−271166号公報等に記載のトリアリールアミン系化合物、また酸化モリブデン、酸化ニッケル、酸化タングステン等の金属酸化物等を用いることができる。また、バルクヘテロジャンクション層に用いたp型半導体材料単体からなる層を用いることもできる。これらの層を形成する手段としては、真空蒸着法、溶液塗布法のいずれであってもよいが、好ましくは溶液塗布法である。バルクヘテロジャンクション層を形成する前に、下層に塗布膜を形成すると塗布面をレベリングする効果があり、リーク等の影響が低減するため好ましい。
〔電子輸送層・正孔ブロック層・バッファ層〕
本発明の有機光電変換素子は、バルクヘテロジャンクション層と対極との中間には電子輸送層を形成することで、バルクヘテロジャンクション層で発生した電荷をより効率的に取り出すことが可能となるため、これらの層を有していることが好ましい。
また電子輸送層としては、オクタアザポルフィリン、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)を用いることができるが、同様に、バルクヘテロジャンクション層に用いられるp型半導体材料のHOMO準位よりも深いHOMO準位を有する電子輸送層には、バルクヘテロジャンクション層で生成した正孔を対極側には流さないような整流効果を有する、正孔ブロック機能が付与される。このような電子輸送層は、正孔ブロック層とも呼ばれ、このような機能を有する電子輸送層を使用するほうが好ましい。このような材料としては、バソキュプロイン等のフェナントレン系化合物、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等のn型半導体材料、及び酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ガリウム等のn型無機酸化物、バルクヘテロジャンクション層に用いたn型半導体材料単体からなる層等を用いることもできる。
また、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム等のアルカリ金属化合物等を用いることができる。
これらの中でも、さらに有機半導体分子をドープし、前記金属電極(陰極)との電気的接合を改善する機能も有する、アルカリ金属化合物を用いることが好ましい。アルカリ金属化合物層の場合には、特にバッファ層と言うこともある。
〔その他の層〕
エネルギー変換効率の向上や、素子寿命の向上を目的に、各種中間層を素子内に有する構成としてもよい。中間層の例としては、正孔ブロック層、電子ブロック層、正孔注入層、電子注入層、励起子ブロック層、UV吸収層、光反射層、波長変換層等を挙げることができる。
〔基板〕
基板側から光電変換される光が入射する場合、基板はこの光電変換される光を透過させることが可能な、即ちこの光電変換すべき光の波長に対して透明な部材であることが好ましい。基板は、例えば、ガラス基板や樹脂基板等が好適に挙げられるが、軽量性と柔軟性の観点から透明樹脂フィルムを用いることが望ましい。本発明で透明基板として好ましく用いることができる透明樹脂フィルムには特に制限がなく、その材料、形状、構造、厚み等については公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を挙げることができるが、可視域の波長(380〜800nm)における透過率が80%以上である樹脂フィルムであれば、本発明に係る透明樹脂フィルムに好ましく適用することができる。中でも透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度及びコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリカーボネートフィルムであることが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムであることがより好ましい。
本発明に用いられる透明基板には、塗布液の濡れ性や接着性を確保するために、表面処理を施すことや易接着層を設けることができる。表面処理や易接着層については従来公知の技術を使用できる。例えば、表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を挙げることができる。また、易接着層としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ビニル系共重合体、ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ビニリデン系共重合体、エポキシ系共重合体等を挙げることができる。
また、酸素及び水蒸気の透過を抑制する目的で、透明基板にはバリアコート層が予め形成されていてもよい。
〔光学機能層〕
本発明の有機光電変換素子は、太陽光のより効率的な受光を目的として、各種の光学機能層を有していてよい。光学機能層としては、たとえば、反射防止膜、マイクロレンズアレイ等の集光層、対極で反射した光を散乱させて再度バルクヘテロジャンクション層に入射させることができるような光拡散層等を設けてもよい。
反射防止層としては、各種公知の反射防止層を設けることができるが、例えば、透明樹脂フィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである場合は、フィルムに隣接する易接着層の屈折率を1.57〜1.63とすることで、フィルム基板と易接着層との界面反射を低減して透過率を向上させることができるのでより好ましい。屈折率を調整する方法としては、酸化スズゾルや酸化セリウムゾル等の比較的屈折率の高い酸化物ゾルとバインダー樹脂との比率を適宜調整して塗設することで実施できる。易接着層は単層でもよいが、接着性を向上させるためには2層以上の構成にしてもよい。
集光層としては、例えば、支持基板の太陽光受光側にマイクロレンズアレイ上の構造を設けるように加工したり、あるいは所謂集光シートと組み合わせたりすることにより特定方向からの受光量を高めたり、逆に太陽光の入射角度依存性を低減することができる。
マイクロレンズアレイの例としては、基板の光取り出し側に一辺が30μmでその頂角が90度となるような四角錐を2次元に配列する。一辺は10〜100μmが好ましい。これより小さくなると回折の効果が発生して色付き、大きすぎると厚みが厚くなり好ましくない。
また光散乱層としては、各種のアンチグレア層、金属または各種無機酸化物等のナノ粒子・ナノワイヤー等を無色透明なポリマーに分散した層等を挙げることができる。
〔パターニング〕
本発明に係る電極、発電層、正孔輸送層、電子輸送層等をパターニングする方法やプロセスには特に制限はなく、公知の手法を適宜適用することができる。
バルクヘテロジャンクション層、輸送層等の可溶性の材料であれば、ダイコート、ディップコート等の全面塗布後に不要部だけ拭き取ってもよいし、インクジェット法やスクリーン印刷等の方法を使用して塗布時に直接パターニングしてもよい。
電極材料等の不溶性の材料の場合は、電極を真空堆積時にマスク蒸着を行ったり、エッチングまたはリフトオフ等の公知の方法によってパターニングしたりすることができる。また、別の基板上に形成したパターンを転写することによってパターンを形成してもよい。
(封止)
また、作製した有機光電変換素子が環境中の酸素、水分等で劣化しないために、有機光電変換素子だけでなく有機エレクトロルミネッセンス素子等で公知の手法によって封止することが好ましい。例えば、アルミまたはガラスでできたキャップを接着剤によって接着することによって封止する手法、アルミニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等のガスバリア層が形成されたプラスチックフィルムと有機光電変換素子上を接着剤で貼合する手法、ガスバリア性の高い有機高分子材料(ポリビニルアルコール等)をスピンコートする方法、ガスバリア性の高い無機薄膜(酸化ケイ素、酸化アルミニウム等)または有機膜(パリレン等)を真空下で堆積する方法、及びこれらを複合的に積層する方法等を挙げることができる。
(光センサアレイ)
次に、以上説明したバルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子を応用した光センサアレイについて詳細に説明する。光センサアレイは、前記のバルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子が受光によって電流を発生することを利用して、前記の光電変換素子を細かく画素状に並べて作製し、光センサアレイ上に投影された画像を電気的な信号に変換する効果を有するセンサである。
図3は、光センサアレイの構成を示す図である。図3(a)は、上面図であり、図3(b)は、図3(A)のA−A′線断面図である。
図3において、光センサアレイ20は、保持部材としての基板21上に、下部電極としての陽極22、光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換部24及び陽極22と対をなし、上部電極としての陰極23が順次積層されたものである。光電変換部24は、p型半導体材料とn型半導体材料とを一様に混合したバルクヘテロジャンクション層を有してなる光電変換層24bと、バッファ層24aとの2層で構成されている。図3に示す例では、6個のバルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子が形成されている。
これら基板21、陽極22、光電変換層24b及び陰極23は、前述したバルクヘテロジャンクション型の光電変換素子10における陽極12、光電変換部14及び陰極13と同等の構成及び役割を示すものである。
基板21には、例えば、ガラスが用いられ、陽極22には、例えば、ITOが用いられ、陰極23には、例えば、アルミニウムが用いられる。そして、光電変換層24bのp型半導体材料には、例えば、前記PCPDTBTが用いられ、n型半導体材料には、例えば、前記例示化合物707が用いられる。また、バッファ層24aには、PEDOT(ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン)−PSS(ポリスチレンスルホン酸)導電性高分子(スタルクヴイテック社製、商品名BaytronP)が用いられる。このような光センサアレイ20は、次のようにして製作された。
ガラス基板上にスパッタリングによりITO膜を形成し、フォトリソグラフィにより所定のパターン形状に加工した。ガラス基板の厚さは、0.7mm、ITO膜の厚さは、200nm、フォトリソグラフィ後のITO膜における測定部面積(受光面積)は、0.5mm×0.5mmであった。次に、このガラス基板21上に、スピンコート法(条件;回転数=1000rpm、フィルター径=1.2μm)によりPEDOT−PSS膜を形成した。その後、該基板を、オーブンで140℃、10分加熱し、乾燥させた。乾燥後のPEDOT−PSS膜の厚さは30nmであった。
次に、上記PEDOT−PSS膜の上に、P3HT(ポリ−3−ヘキシルチオフェン):PCBM:例示化合物707の10:9:1混合膜を、スピンコート法(条件;回転数=3300rpm、フィルター径=0.8μm)により形成した。このスピンコートに際しては、P3HTをクロロベンゼン溶媒に1:1で混合し、これを攪拌(5分)して得た混合液を用いた。P3HT、PCBM、例示化合物707の混合膜の形成後、窒素ガス雰囲気下においてオーブンで130℃、30分加熱しアニール処理を施した。アニール処理後の塗布膜の厚さは70nmであった。
その後、所定のパターン開口を備えたメタルマスクを用い、前記塗布膜の上に、上部電極としてのアルミニウム層を蒸着法により形成(厚さ=10nm)した。その後、PVA(polyvinyl alcohol)をスピンコートで1μm形成し、150℃で焼成することで図略のパッシベーション層を作製した。以上により、光センサアレイ20が作製された。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
バルクヘテロジャンクション層のp型半導体材料としては、Macromolecules 2007、40、1981に記載の低バンドギャップポリマー、PCPDTBTを前記非特許文献1に記載の文献を参考として合成し、使用した。またn型半導体材料としては、PCBM(フロンティアカーボン社より購入)、bis−PCBM(Sollene社より購入)および本発明のフラーレン誘導体を使用した。
〔有機光電変換素子1の作製〕
ガラス基板上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を140nm堆積したものを、通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングとを用いて2mm幅にパターニングして、透明電極を形成した。
パターン形成した透明電極を、界面活性剤と超純水による超音波洗浄、超純水による超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。この透明基板上に、導電性高分子であるBaytron P4083(スタルクヴィテック製)を60nmの膜厚でスピンコートした後、140℃で大気中10分間加熱乾燥した。
これ以降は基板をグローブボックス中に持ち込み、窒素雰囲気下で作業した。まず、窒素雰囲気下で上記基板を140℃で10分間加熱処理した。
クロルベンゼンにp型半導体材料として、PCPDTBTを1.0質量%、n型半導体材料としてPCBM(フロンティアカーボン製、NANOM SPECTRA E100H)の2.0質量%、さらに1,8−オクタンジチオールの2.4質量%を溶解した液を作製し、0.45μmのフィルタでろ過をかけながら1200rpmで60秒のスピンコートを行い、室温で30分乾燥し、110nmの膜厚で光電変換層を得た。
次に、上記有機層を成膜した基板を真空蒸着装置内に設置した。2mm幅のシャドウマスクが透明電極と直交するように素子をセットし、10−3Pa以下にまでに真空蒸着機内を減圧した後、フッ化リチウムを0.5nm、Alを80nm蒸着した。最後に120℃で30分間の加熱を行い、比較の有機光電変換素子1を得た。なお、蒸着速度はいずれも2nm/秒で蒸着し、2mm角のサイズとした。
得られた有機光電変換素子1は、窒素雰囲気下でアルミニウムキャップとUV硬化樹脂(ナガセケムテックス株式会社製、UV RESIN XNR5570−B1)を用いて封止を行った。
Figure 2012015390
〔有機光電変換素子2〜15の作製〕
上記有機光電変換素子1の作製において、フラーレン誘導体をPCBMに代えて、表1に記載した比較例および本発明に係る例示化合物に変更した以外は、有機光電変換素子1と同様にして有機光電変換素子2〜15を得た。
得られた有機光電変換素子2〜15は、上述した有機光電変換素子1と同様に、窒素雰囲気下でアルミニウムキャップとUV硬化樹脂を用いて封止を行った。
(変換効率の評価)
上記作製した有機光電変換素子に、ソーラーシミュレーター(AM1.5Gフィルタ)の100mW/cmの強度の光を照射し、有効面積を4.0mmにしたマスクを受光部に重ね、短絡電流密度Jsc(mA/cm)及び開放電圧Voc(V)、曲線因子(フィルファクター)FFを、同素子上に形成した4箇所の受光部をそれぞれ測定し、平均値を求めた。また、Jsc、Voc、FFから式1に従ってエネルギー変換効率η(%)を求め、結果を表1に示す。
式1 Jsc(mA/cm)×Voc(V)×FF=η(%)
(外部量子効率の測定)
上記作製した有機光電変換素子を、相馬光学製分光感度測定装置S−9210を用いて、400−1100nmまでの外部量子効率を測定し、この波長範囲での最大の外部量子効率を最大EQEとして評価した。
Figure 2012015390
表1から、本発明に係るフラーレン誘導体を利用した方が最大EQEおよびFFが高く、変換効率も高い有機光電変換素子が得られることがわかる。またFFが高い点から、本発明のフラーレンはバルクヘテロジャンクション層中で良く配列している事が推察される。
10 バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子
11 基板
12 透明電極(陽極)
13 対極(陰極)
14 光電変換部(バルクヘテロジャンクション層)
14p p層
14i i層
14n n層
15 電荷再結合層
16 第2の光電変換部
17 正孔輸送層
18 電子輸送層

Claims (11)

  1. 対極と透明電極の間に、少なくとも下記一般式(1)で表される化合物を含有する有機層を有することを特徴とする有機光電変換素子。
    Figure 2012015390
    (式中、FLNはフラーレンを表す。Aは芳香族環を形成するに必要な原子群を表す。Rは水素原子または置換基を表す。)
  2. 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の有機光電変換素子。
    Figure 2012015390
    (式中、FLNはフラーレンを表す。R、R、R、R、Rは各々水素原子または置換基を表す。)
  3. 前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項2に記載の有機光電変換素子。
    Figure 2012015390
    (式中、FLNはフラーレンを表す。R、R、R、R、Rは各々水素原子または置換基を表す。)
  4. 前記一般式(3)で表される化合物が、下記一般式(4)で表される化合物であることを特徴とする請求項3に記載の有機光電変換素子。
    Figure 2012015390
    (式中、FLNはフラーレンを表す。R、R、R、R、R、R、R、R10、R11は各々水素原子または置換基を表す。)
  5. 前記一般式(4)で表される化合物が、下記一般式(5)で表される化合物であることを特徴とする請求項4に記載の有機光電変換素子。
    Figure 2012015390
    (式中、FLNはフラーレンを表す。R、R、R、R、R、R、R10、R11は各々水素原子または置換基を表す。)
  6. 前記一般式(5)で表される化合物のR、R、R、R、R、R、R10、R11のうち、少なくとも一つがアルキル基、アルコキシル基、アミノ基またはアルキルチオ基のいずれかであることを特徴とする請求項5に記載の有機光電変換素子。
  7. 前記一般式(1)〜(5)で表される化合物中にC6以上のアルキル基を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
  8. 前記有機層が、溶液プロセスによって形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
  9. 前記有機層が、前記一般式(1)〜(5)で表される化合物と、共役高分子材料とを含有するバルクヘテロジャンクション層であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機光電変換素子からなることを特徴とする太陽電池。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機光電変換素子がアレイ状に配置されてなることを特徴とする光センサアレイ。
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