JP2009076668A - 有機薄膜太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、受光側の電極としてメッシュ電極を用い、ITO等の金属酸化物からなる透明導電膜を用いずに、電荷取出し効率の良好な有機薄膜太陽電池を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、メッシュ電極と、少なくとも上記メッシュ電極の開口部に形成され、正孔を輸送しうる導電性高分子層と、上記メッシュ電極および上記導電性高分子層の上に形成された光電変換層と、上記光電変換層上に形成された対向電極とを有することを特徴とする有機薄膜太陽電池を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、メッシュ電極を有する有機薄膜太陽電池に関するものである。
有機薄膜太陽電池は、2つの異種電極間に、電子供与性および電子受容性の機能を有する有機薄膜を配置してなる太陽電池であり、シリコンなどに代表される無機太陽電池に比べて製造工程が容易であり、かつ低コストで大面積化が可能であるという利点を持つ。
太陽電池において、受光側の電極は透明電極とされる。従来、この透明電極には、ITO等の金属酸化物などが用いられており、中でも、導電性や透明性が高く、仕事関数が高いことから、ITOが主に使用されている。しかしながら、ITOは高価であることから、ITO電極の代替となる電極が求められている。
近年、色素増感太陽電池において、透明電極の代わりにメッシュ電極を用いることが提案されている(例えば特許文献1参照)。メッシュ電極を用いることにより、電極の製造コストの削減が可能となったり、透明電極に用いられる金属酸化物よりも導電性の高い金属が使用可能となったりする。さらに、従来の透明電極に比べて、メッシュ電極は比表面積が大きいので、メッシュ電極と半導体材料や電解質材料との接触面積が増え、電荷の移動が円滑になるという利点もある。
特表2006−523369号公報
そこで、有機薄膜太陽電池においても、透明電極の代わりにメッシュ電極を用いることが想定される。メッシュ電極を有する太陽電池ではメッシュ電極側が受光面となり、またメッシュ電極自体は光を透過しないのでメッシュ電極の開口部から光が透過する。有機薄膜太陽電池がメッシュ電極を有する場合、メッシュ電極の開口部からの入射光により電子供与性および電子受容性の機能を有する有機薄膜内で発生した電荷は、有機薄膜内をメッシュ電極との接触界面まで移動し、メッシュ電極へ取り出されることになる。
しかしながら、有機薄膜太陽電池では、有機薄膜の膜厚方向への電荷の移動距離が数百nmであるのに対して、有機薄膜の膜面方向への電荷の移動距離はメッシュ電極の線間隔(開口部の幅)に依存し数十μm以上となる。そのため、有機薄膜の膜面方向の電荷の移動は、有機薄膜の膜厚方向への電荷の移動に比べて、単位距離当たりの導電性と距離との積として定義される抵抗値が大きくなり、その結果、エネルギー損失が増加する。
エネルギー損失が大きいと、電荷を外部へ効率良く取り出すことができない。したがって、有機薄膜の膜面方向への電荷の移動はエネルギー損失が大きいので、メッシュ電極の開口部からの入射光により有機薄膜内で発生した電荷を、メッシュ電極へ効率良く取り出すことができなくなる。このように、有機薄膜太陽電池において、透明電極の代わりに単にメッシュ電極を用いただけでは、外部へ電荷を取り出しにくくなるという問題が生じる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、受光側の電極としてメッシュ電極を用い、ITO等の金属酸化物からなる透明導電膜を用いずに、電荷取出し効率の良好な有機薄膜太陽電池を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、メッシュ電極と、少なくとも上記メッシュ電極の開口部に形成され、正孔を輸送しうる導電性高分子層と、上記メッシュ電極および上記導電性高分子層の上に形成された光電変換層と、上記光電変換層上に形成された対向電極とを有することを特徴とする有機薄膜太陽電池を提供する。
本発明によれば、導電性高分子層が少なくともメッシュ電極の開口部に形成されており、導電性高分子層が膜面方向への電荷の移動に寄与するので、メッシュ電極の開口部からの入射光により光電変換層内で発生した電荷を、導電性高分子層を介してメッシュ電極に効率良く取り出すことが可能である。
上記発明においては、上記メッシュ電極がAgを含有することが好ましい。Agを含有する金属ペーストを用いてメッシュ電極が形成可能であり、メッシュ電極を簡便な方法で形成できるからである。
また本発明においては、上記導電性高分子層がポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)を含有することが好ましい。PEDOT/PSSは、導電性に優れており、導電性高分子層の膜面方向に電荷が移動しやすくなるからである。
本発明においては、少なくともメッシュ電極の開口部に導電性高分子層が形成されていることにより、光電変換層からメッシュ電極への電荷の移動を円滑にし、電荷取出し効率を向上させることができるという効果を奏する。
以下、本発明の有機薄膜太陽電池について詳細に説明する。
本発明の有機薄膜太陽電池は、メッシュ電極と、少なくとも上記メッシュ電極の開口部に形成され、正孔を輸送しうる導電性高分子層と、上記メッシュ電極および上記導電性高分子層の上に形成された光電変換層と、上記光電変換層上に形成された対向電極とを有することを特徴とするものである。
本発明の有機薄膜太陽電池について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の有機薄膜太陽電池の一例を示す概略断面図である。図1に示す例において、有機薄膜太陽電池10は、基板1と、基板1上に形成されたメッシュ電極2と、このメッシュ電極2を覆うように形成された導電性高分子層3と、導電性高分子層3上に形成された光電変換層4と、光電変換層4上に形成された対向電極5とを有するものである。
上記有機薄膜太陽電池10においては、まず、メッシュ電極2の開口部からの入射光11により光電変換層4内で発生した電荷は、光電変換層4の膜厚方向に移動して導電性高分子層3へと取り出される。次いで、この導電性高分子層3に取り出された電荷は、導電性高分子層3内を膜面方向に移動する。続いて、導電性高分子層3およびメッシュ電極2の接触界面にて、電荷はメッシュ電極2へ取り出される。
本発明によれば、導電性高分子層が少なくともメッシュ電極の開口部に形成されており、光電変換層が導電性高分子層に接触しているので、光電変換層からメッシュ電極への電荷の移動を円滑にし、電荷取出し効率を向上させることが可能である。具体的には、導電性高分子層が正孔を輸送しうるものであるので、光電変換層からメッシュ電極への正孔の移動を円滑にし、正孔取出し効率を向上させることが可能である。
また本発明によれば、ITO等の金属酸化物からなる透明電極を用いることなく、メッシュ電極および導電性高分子層を用いることにより、良好な電荷取出し効率を実現することができ、コストの削減が可能である。
以下、このような有機薄膜太陽電池の各構成について説明する。
1.メッシュ電極
本発明に用いられるメッシュ電極は、網目状の電極であり、光電変換層で発生した正孔を取り出すための電極(正孔取出し電極)である。
メッシュ電極の形成材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、金属、伝導性ポリマー繊維、金属被覆された合成ポリマー繊維(例えばナイロンなど)、金属被覆された天然繊維(例えば亜麻、綿、羊毛、絹など)を挙げることができる。中でも、金属、金属被覆された合成ポリマー繊維、金属被覆された天然繊維が好ましい。これらを用いることにより、導電性の高い電極とすることができるからである。
メッシュ電極に用いられる金属としては、例えば、Al、Au、Ag、Co、Ni、Pt、Cu、Fe、ステンレス、アルミニウム合金等を挙げることができる。一般に、色素増感太陽電池では、ヨウ素等を含む電解質材料による電極の腐食を防ぐために、電極には耐腐食性の高いPt等が用いられる。これに対し、有機薄膜太陽電池では、通常、電極を腐食するような材料は用いられないことから、電極は耐腐食性がなくともよい。したがって本発明においては、メッシュ電極に上記のような金属を用いることが可能であり、安価な金属も用いることが可能である。
好ましい金属としては、対向電極の形成材料の仕事関数やメッシュ電極の形成方法等に応じて適宜選択される。
例えば、対向電極の形成材料の仕事関数等を考慮する場合には、メッシュ電極は正孔取出し電極であるので、上記金属は仕事関数の高いものであることが好ましい。具体的には、Alが好ましく用いられる。
また、メッシュ電極を塗工液を用いた湿式塗工法により形成する場合には、上記金属はペースト化が可能なものであることが好ましい。具体的には、Al、Au、Ag、Ni、Cu、ステンレス、アルミニウム合金等が好ましく用いられ、特にAgが好ましい。
メッシュ電極の形状としては、網目状であれば特に限定されるものではなく、所望の導電性、透過性、強度等により適宜選択される。例えば、多角形や円形の格子状等が挙げられる。
メッシュ電極自体は基本的に光を透過しないので、メッシュ電極の開口部から光電変換層に光が入射する。そのため、メッシュ電極の開口部は比較的大きいことが好ましい。具体的には、メッシュ電極の開口部の比率は、50%〜95%程度であることが好ましく、より好ましくは70%〜95%の範囲内である。開口部の比率が上記範囲未満であると、充分に光を透過させることができないからである。逆に、開口部の比率が上記範囲を超えると、メッシュ電極の面積が小さくなって、メッシュ電極での電荷の移動効率が低下したり、メッシュ電極と導電性高分子層との接触面積が小さくなって、電荷取出し効率が低下したりするおそれがあるからである。
また、メッシュ電極の開口部の大きさは、メッシュ電極全体の面積に応じて適宜選択されるが、1μm2〜2500μm2程度であることが好ましく、より好ましくは1μm2〜100μm2の範囲内である。開口部の大きさが上記範囲未満であると、充分に光を透過させることができないからである。逆に、開口部の大きさが上記範囲を超えると、メッシュ電極の面積が小さくなって、メッシュ電極での電荷の移動効率が低下したり、メッシュ電極と導電性高分子層との接触面積が小さくなって、電荷取出し効率が低下したりするおそれがあるからである。
メッシュ電極の線幅としては、メッシュ電極全体の面積等に応じて適宜選択されるが、5μm〜5000μm程度であることが好ましく、より好ましくは50μm〜1000μmの範囲内である。メッシュ電極の線幅が上記範囲未満であると、メッシュ電極の形成が困難になる場合があるからである。逆に、メッシュ電極の線幅が上記範囲を超えると、開口部の面積が小さくなり、充分に光を透過させることができない場合があるからである。
また、メッシュ電極の厚みは、0.02μm〜10μm程度であることが好ましく、より好ましくは0.05μm〜1μmの範囲内である。厚みが上記範囲より薄い場合は、メッシュ電極のシート抵抗が大きくなりすぎ、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できない可能性があるからである。逆に、厚みが上記範囲より厚い場合には、電極間で短絡が生じるおそれがあるからである。
上述したように、メッシュ電極自体は基本的に光を透過しないが、メッシュ電極全体(開口部を含む)としては光を透過する。このメッシュ電極全体としての全光線透過率は、50%以上であることが好ましく、より好ましくは70%以上である。一方、全光線透過率の上限は、95%程度とされる。全光線透過率が上記範囲であることにより、メッシュ電極側から光を充分に透過させることができるからである。
なお、上記全光線透過率は、可視光領域において、スガ試験株式会社製 全光線透過率装置(COLOUR S&M COMPUTER MODEL SM−C:型番)を用いて測定した値である。
メッシュ電極は、基板上に形成されていてもよい。この場合、例えば、図1に示すようにメッシュ電極2が基板1表面に形成されていてもよく、図2に示すようにメッシュ電極2が基板1中に埋め込まれていてもよい。メッシュ電極が基板中に埋めこまれている場合には、電極間での短絡を抑制することができる。
また、メッシュ電極が基板中に埋めこまれている場合、図2に例示するようにメッシュ電極2の全体が基板1中に埋め込まれていてもよく、図示しないがメッシュ電極の一部分が基板中に埋め込まれていてもよい。メッシュ電極の全体が基板中に埋め込まれている場合には、電極間での短絡を効果的に抑制することができる。
メッシュ電極の形成方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、導電膜を全面に成膜した後に網目状にパターニングする方法、網目状の導電体を直接形成する方法等が挙げられる。これらの方法は、各構成部材の形成順や、メッシュ電極の配置等に応じて適宜選択される。
例えば図1および図3に示すような有機薄膜太陽電池10の製造過程において、基板1上にメッシュ電極2を形成する場合には、基板全面に導電膜を成膜した後に網目状にパターニングする方法、および基板上に網目状の導電体を直接形成する方法を採用することができる。また例えば図4および図5に示すような有機薄膜太陽電池10の製造過程において、導電性高分子層3上にメッシュ電極2を形成する場合、および、図6および図7に示すような有機薄膜太陽電池10の製造過程において、光電変換層4上にメッシュ電極2を形成する場合には、各層上に網目状の導電体を直接形成する方法を採用することができる。
導電膜を全面に成膜した後に網目状にパターニングする方法の場合、導電膜の成膜方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法や、CVD法等の乾式塗工法、および塗工液等を塗布する湿式塗工法等を挙げることができる。
湿式塗工法の場合に用いられる塗工液としては、Ag等の金属コロイドを含有する金属ペースト等を用いることができる。また、塗布方法としては、例えば、ダイコート法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法、ビードコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、等を挙げることができる。
また、導電膜のパターニング方法としては、所望のパターンに精度良く形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えばフォトリソグラフィー法等を挙げることができる。
一方、網目状の導電体を直接形成する方法の場合、例えば、マスク蒸着法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法等を挙げることができる。また、あらかじめ網目状の導電体を作製し、この網目状の導電体を基板等の上に積層することもできる。
また、例えば図2に示すようにメッシュ電極が基板中に埋め込まれている場合には、まず基板に溝を形成し、次いでこの溝にメッシュ電極を埋め込む方法を採用することができる。
基板への溝の形成方法としては、例えば、エッチング処理などの化学的な方法、サンドブラストなどの微細な砂の衝突による掘削等が挙げられる。溝を形成する際には、エッチングまたはサンドブラスト処理等の前に、基板上に感光性レジスト層を形成し、フォトリソグラフィー法によりメッシュ電極に対応するレジストパターンを形成してもよい。また、エッチングまたはサンドブラスト処理等の後には、洗浄を行うことが好ましい。
また、上記溝にメッシュ電極を埋め込む方法としては、上記溝に金属ペーストを塗布する方法が挙げられる。金属ペーストの塗布方法としては、例えば、バーコード法、スクリーン印刷法等が挙げられる。金属ペーストの塗布後は、溝内に金属ペーストを定着させるためにベーキング処理を行ってもよい。この際、金属ペーストが収縮するので、溝内への金属ペースト充填のため、金属ペーストの塗布およびベーキング処理を複数回繰り返し行ってもよい。
次いで、溝に埋め込まれた金属ペーストは、基板表面を軽く研磨することによって、基板表面から突出している部分を取り除くことが好ましい。これにより、電極間での短絡を抑制することができるからである。
2.導電性高分子層
本発明に用いられる導電性高分子層は、少なくとも上記メッシュ電極の開口部に形成されるものであり、メッシュ電極および光電変換層と直接接触するように設けられる。
また、導電性高分子層は、正孔を輸送しうるものであり、光電変換層からメッシュ電極への正孔の取出しが容易に行われるように設けられる層である。導電性高分子層が形成されていることにより、光電変換層からメッシュ電極への正孔取出し効率が高められるため、光電変換効率を向上させることが可能となる。
導電性高分子層の配置としては、導電性高分子層が少なくともメッシュ電極の開口部に形成されていれば特に限定されるものではなく、例えば図1、図2および図4〜6に示すようにメッシュ電極2の開口部およびメッシュ電極2上に導電性高分子層3が形成されていてもよく、図3および図7に示すようにメッシュ電極2の開口部のみに導電性高分子層3が形成されていてもよい。
また、導電性高分子層がメッシュ電極の開口部およびメッシュ電極上に形成されている場合、導電性高分子層の形成位置としては、図1、図2および図5に例示するように、光電変換層4がメッシュ電極2に直接接触しないようにメッシュ電極2と導電性高分子層3と光電変換層4とが積層されていてもよく、図4および図6に例示するように、光電変換層4がメッシュ電極2に直接接触するように導電性高分子層3とメッシュ電極2と光電変換層4とが積層されていてもよい。
本発明においては、メッシュ電極の開口部から光電変換層に光が入射することから、メッシュ電極の開口部に形成されている導電性高分子層は透明性を有する必要がある。具体的に、導電性高分子層の全光線透過率は、70%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。全光線透過率が上記範囲であることにより、メッシュ電極側から光を充分に透過させることができるからである。
なお、上記全光線透過率の測定方法については、上記メッシュ電極の項に記載したとおりである。
導電性高分子層に用いられる導電性高分子材料は、上記の特性を満足し、光電変換層からメッシュ電極への正孔の取出しを安定化させる材料であれば特に限定されるものではないが、比較的高い導電性を有するものであることが好ましい。導電性が高ければ、導電性高分子層の膜面方向に電荷が移動しやすくなるからである。具体的には、導電性高分子材料としては、ドープされたポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン、トリフェニルジアミン(TPD)等を挙げることができる。中でも、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、トリフェニルジアミン(TPD)が好ましく用いられる。また、PEDOTとしては、特にポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)が好ましい。
上記導電性高分子層の膜厚としては、10nm〜500nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より薄いと、導電性高分子層の膜面方向に電荷が移動しにくくなるおそれがあるからである。また、膜厚が上記範囲より厚いと、体積抵抗が大きくなる可能性があるからである。
上記導電性高分子層の形成方法としては、通常、湿式塗工法が用いられる。具体的には、導電性高分子材料等を含有する導電性高分子層用塗工液を塗布することにより導電性高分子層を形成することができる。
この際、導電性高分子層用塗工液には、成膜性の向上を目的として溶媒を添加してもよい。この場合には、導電性高分子材料を溶媒に分散させることにより導電性高分子層用塗工液が調製される。溶媒としては、水溶性溶媒が好ましく用いられる。一般に、光電変換層を形成するための光電変換層用塗工液には非水溶性溶媒が用いられることが多く、導電性高分子層上に光電変換層を安定して積層する、あるいは光電変換層上に導電性高分子層を安定して積層するためには、水溶性溶媒を用いて導電性高分子層用塗工液を調製することが好ましいからである。これにより、光電変換層用塗工液を導電性高分子層上に塗布した際に、導電性高分子層から導電性高分子材料が溶出等するのを防ぐことができる。また、導電性高分子層用塗工液を光電変換層上に塗布した際に、光電変換層から材料が溶出等するのを防ぐことができる。
水溶性溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。これらの水溶性溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記導電性高分子層用塗工液の塗布方法としては、所定の膜厚に均一に形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、ダイコート法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法、ビードコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法等を挙げることができる。
3.光電変換層
本発明に用いられる光電変換層は、メッシュ電極および対向電極の間に形成されるものである。なお、「光電変換層」とは、有機薄膜太陽電池の電荷分離に寄与し、生じた電子および正孔を各々反対方向の電極に向かって輸送する機能を有する部材をいう。
本発明における光電変換層は、電子受容性および電子供与性の両機能を有する単一の層であってもよく(第1態様)、また電子受容性の機能を有する電子受容性層と電子供与性の機能を有する電子供与性層とが積層されたものであってもよい(第2態様)。以下、各態様について説明する。
(1)第1態様
本発明における光電変換層の第1態様は、電子受容性および電子供与性の両機能を有する単一の層であり、電子供与性材料および電子受容性材料を含有するものである。この光電変換層では、光電変換層内で形成されるpn接合を利用して電荷分離が生じるため、単独で光電変換層として機能する。
電子供与性材料としては、電子供与体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、湿式塗工法により成膜可能なものであることが好ましく、中でも電子供与性の導電性高分子材料であることが好ましい。
導電性高分子はいわゆるπ共役高分子であり、炭素−炭素またはヘテロ原子を含む二重結合または三重結合が、単結合と交互に連なったπ共役系から成り立っており、半導体的性質を示すものである。導電性高分子材料は、高分子主鎖内にπ共役が発達しているため主鎖方向への電荷輸送が基本的に有利である。また、導電性高分子の電子伝達機構は、主にπスタッキングによる分子間のホッピング伝導であるため、高分子の主鎖方向のみならず、光電変換層の膜厚方向への電荷輸送も有利である。さらに、導電性高分子材料は、導電性高分子材料を溶媒に溶解もしくは分散させた塗工液を用いることで湿式塗工法により容易に成膜可能であることから、大面積の有機薄膜太陽電池を高価な設備を必要とせず低コストで製造できるという利点がある。
電子供与性の導電性高分子材料としては、例えば、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリシラン、ポリチオフェン、ポリカルバゾール、ポリビニルカルバゾール、ポルフィリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフルオレン、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、およびこれらの誘導体、ならびにこれらの共重合体、あるいは、フタロシアニン含有ポリマー、カルバゾール含有ポリマー、有機金属ポリマー等を挙げることができる。
上記の中でも、チオフェン−フルオレン共重合体、ポリアルキルチオフェン、フェニレンエチニレン−フェニレンビニレン共重合体、フェニレンエチニレン−チオフェン共重合体、フェニレンエチニレン−フルオレン共重合体、フルオレン−フェニレンビニレン共重合体、チオフェン−フェニレンビニレン共重合体等が好ましく用いられる。これらは、多くの電子受容性材料に対して、エネルギー準位差が適当であるからである。
なお、例えばフェニレンエチニレン−フェニレンビニレン共重合体(Poly[1,4-phenyleneethynylene-1,4-(2,5-dioctadodecyloxyphenylene)-1,4-phenyleneethene-1,2-diyl-1,4-(2,5-dioctadodecyloxyphenylene)ethene-1,2-diyl])の合成方法については、Macromolecules, 35, 3825 (2002) や、Mcromol. Chem. Phys., 202, 2712 (2001) に詳しい。
また、電子受容性材料としては、電子受容体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、湿式塗工法により成膜可能なものであることが好ましく、中でも電子供与性の導電性高分子材料であることが好ましい。導電性高分子材料は、上述したような利点を有するからである。
電子受容性の導電性高分子材料としては、例えば、ポリフェニレンビニレン、ポリフルオレン、およびこれらの誘導体、ならびにこれらの共重合体、あるいは、カーボンナノチューブ、フラーレン誘導体、CN基またはCF基含有ポリマーおよびそれらの−CF置換ポリマー等を挙げることができる。ポリフェニレンビニレン誘導体の具体例としては、CN−PPV(Poly[2-Methoxy-5-(2´-ethylhexyloxy)-1,4-(1-cyanovinylene)phenylene])、MEH−CN−PPV(Poly[2-Methoxy-5-(2´-ethylhexyloxy)-1,4-(1-cyanovinylene)phenylene])等が挙げられる。
また、電子供与性化合物がドープされた電子受容性材料や、電子受容性化合物がドープされた電子供与性材料等を用いることもできる。中でも、電子供与性化合物もしくは電子受容性化合物がドープされた導電性高分子材料が好ましく用いられる。導電性高分子材料は、高分子主鎖内にπ共役が発達しているため主鎖方向への電荷輸送が基本的に有利であり、また、電子供与性化合物や電子受容性化合物をドープすることによりπ共役主鎖中に電荷が発生し、電気伝導度を大きく増大させることが可能であるからである。
電子供与性化合物がドープされる電子受容性の導電性高分子材料としては、上述した電子受容性の導電性高分子材料を挙げることができる。ドープされる電子供与性化合物としては、例えばLi、K、Ca、Cs等のアルカリ金属やアルカリ土類金属のようなルイス塩基を用いることができる。なお、ルイス塩基は電子供与体として作用する。
また、電子受容性化合物がドープされる電子供与性の導電性高分子材料としては、上述した電子供与性の導電性高分子材料を挙げることができる。ドープされる電子受容性化合物としては、例えばFeCl(III)、AlCl、AlBr、AsFやハロゲン化合物のようなルイス酸を用いることができる。なお、ルイス酸は電子受容体として作用する。
光電変換層の膜厚としては、一般的にバルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池において採用されている膜厚を採用することができる。具体的には、0.2nm〜3000nmの範囲内で設定することができ、好ましくは1nm〜600nmの範囲内である。膜厚が上記範囲より厚いと、光電変換層における体積抵抗が高くなる場合があるからである。一方、膜厚が上記範囲より薄いと、光を十分に吸収できない場合があるからである。
電子供与性材料および電子受容性材料の混合比は、使用する材料の種類により最適な混合比に適宜調整される。
光電変換層を形成する方法としては、所定の膜厚に均一に形成することができる方法であれば特に限定されるものではないが、湿式塗工法が好ましく用いられる。湿式塗工法であれば、大気中で光電変換層を形成することができ、コストの削減が図れるとともに、大面積化が容易だからである。
光電変換層用塗工液の塗布方法としては、光電変換層用塗工液を均一に塗布することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、ダイコート法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法、ビードコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法等を挙げることができる。中でも、スピンコート法またはダイコート法を好ましく用いることができる。これらの方法では、光電変換層を所定の膜厚となるように精度良く形成することが容易だからである。
光電変換層用塗工液の塗布後は、形成された塗膜を乾燥する乾燥処理を施してもよい。光電変換層用塗工液に含まれる溶媒等を早期に除去することにより、生産性を向上させることができるからである。
乾燥処理の方法として、例えば、加熱乾燥、送風乾燥、真空乾燥等、一般的な方法を用いることができる。
(2)第2態様
本発明における光電変換層の第2態様は、電子受容性の機能を有する電子受容性層と電子供与性の機能を有する電子供与性層とが積層されたものである。以下、電子受容性層および電子供与性層について説明する。
(電子受容性層)
本発明に用いられる電子受容性層は、電子受容性の機能を有するものであり、電子受容性材料を含有するものである。
電子受容性材料としては、電子受容体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、湿式塗工法により成膜可能なものであることが好ましく、中でも電子受容性の導電性高分子材料であることが好ましい。導電性高分子材料は、上述したような利点を有するからである。具体的には、上記第1態様の光電変換層に用いられる電子受容性の導電性高分子材料と同様のものを挙げることができる。
電子受容性層の膜厚としては、一般的にバイレイヤー型有機薄膜太陽電池において採用されている膜厚を採用することができる。具体的には、0.1nm〜1500nmの範囲内で設定することができ、好ましくは1nm〜300nmの範囲内である。膜厚が上記範囲より厚いと、電子受容性層における体積抵抗が高くなる可能性があるからである。一方、膜厚が上記範囲より薄いと、光を十分に吸収できない場合があるからである。
電子受容性層の形成方法としては、上記第1態様の光電変換層の形成方法と同様とすることができる。
(電子供与性層)
本発明に用いられる電子供与性層は、電子供与性の機能を有するものであり、電子供与性材料を含有するものである。
電子供与性材料としては、電子供与体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、湿式塗工法により成膜可能なものであることが好ましく、中でも電子供与性の導電性高分子材料であることが好ましい。導電性高分子材料は、上述したような利点を有するからである。具体的には、上記第1態様の光電変換層に用いられる電子供与性の導電性高分子材料と同様のものを挙げることができる。
電子供与性層の膜厚としては、一般的にバイレイヤー型有機薄膜太陽電池において採用されている膜厚を採用することができる。具体的には、0.1nm〜1500nmの範囲内で設定することができ、好ましくは1nm〜300nmの範囲内である。膜厚が上記範囲より厚いと、電子供与性層における体積抵抗が高くなる可能性があるからである。一方、膜厚が上記範囲より薄いと、光を十分に吸収できない場合があるからである。
電子供与性層の形成方法としては、上記第1態様の光電変換層の形成方法と同様とすることができる。
4.対向電極
本発明に用いられる対向電極は、上記メッシュ電極と対向する電極であり、光電変換層で発生した電子を取り出すための電極(電子取出し電極)である。本発明においては、メッシュ電極の開口部から光が透過するので、対向電極は透明でなくともよい。
対向電極の形成材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、対向電極は電子取出し電極であるので、仕事関数の低いものであることが好ましい。具体的に仕事関数の低い材料としては、Li、In、Al、Ca、Mg、Sm、Tb、Yb、Zr、LiF等を挙げることができる。
対向電極は、単層であってもよく、また、異なる仕事関数の材料を用いて積層されたものであってもよい。
上記対向電極の膜厚は、単層である場合にはその膜厚が、複数層からなる場合には各層を合わせた総膜厚が、0.1nm〜500nmの範囲内、中でも1nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より薄い場合は、対向電極のシート抵抗が大きくなりすぎ、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できない可能性があり、一方、膜厚が上記範囲より厚い場合には全光線透過率が低下し、光電変換効率を低下させる可能性があるからである。
また、上記対向電極は、光電変換層上に全面に形成されていてもよく、パターン状に形成されていてもよい。
対向電極の形成方法としては、一般的な電極の形成方法を用いることができ、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法や、CVD法等の乾式塗工法を挙げることができる。また、Ag等の金属コロイドを含有する金属ペースト等を用いて塗布する湿式塗工法を用いることもできる。
また、対向電極のパターニング方法としては、所望のパターンに精度良く形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えばフォトリソグラフィー法等を挙げることができる。
5.基板
本発明においては、図1〜図4に例示するようにメッシュ電極2および導電性高分子層3が基板1上に形成されていてもよく、また図5〜図7に例示するように対向電極5が基板1上に形成されていてもよい。
本発明に用いられる基板は、透明なものであっても不透明なものであってもよいが、基板上にメッシュ電極および導電性高分子層が形成されている場合には、基板側が受光面となるので、透明基板であることが好ましい。この透明基板としては、特に限定されるものではなく、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を挙げることができる。
本発明においては、上記の中でも基板が透明樹脂フィルム等のフレキシブル材であることが好ましい。透明樹脂フィルムは、加工性に優れており、製造コスト低減や軽量化、割れにくい有機薄膜太陽電池の実現において有用であり、曲面への適用等の種々のアプリケーションへの適用可能性が広がるからである。
6.電子取出し層
本発明においては、光電変換層と対向電極との間に電子取出し層が形成されていてもよい。電子取出し層は、光電変換層から対向電極(電子取出し電極)への電子の取出しが容易に行われるように設けられる層である。これにより、光電変換層から電子取出し電極への電子取出し効率が高められるため、光電変換効率を向上させることが可能となる。
このような電子取出し層に用いられる材料としては、光電変換層から電子取出し電極への電子の取出しを安定化させる材料であれば特に限定されない。具体的には、ドープされたポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン、トリフェニルジアミン(TPD)等の導電性有機化合物、またはテトラチオフルバレン、テトラメチルフェニレンジアミン等の電子供与性化合物と、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン等の電子受容性化合物とからなる電荷移動錯体を形成する有機材料等を挙げることができる。また、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属との金属ドープ層が挙げられる。好適な材料としては、バソキュプロイン(BCP)または、バソフェナントロン(Bphen)と、Li、Cs、Ba、Srなどの金属ドープ層が挙げられる。
7.その他の構成部材
本発明の有機薄膜太陽電池は、上述した構成部材の他にも、必要に応じて後述する構成部材を有していてもよい。例えば、本発明の有機薄膜太陽電池は、保護シート、充填材層、バリア層、保護ハードコート層、強度支持層、防汚層、高光反射層、光封じ込め層、紫外線・赤外線遮断層、封止材層等の機能層を有していてもよい。また、層構成に応じて、各機能層間に接着層が形成されていてもよい。
なお、これらの機能層については、特開2007-73717号公報等に記載のものと同様とすることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
厚み125μmのPENフィルム基板の表面に、パターニング用マスクを用いた真空蒸着法によりメッシュ状のAg薄膜(メッシュ電極)を形成した。メッシュ電極は、線幅が500μm、線間隔が2500μm、厚みが0.1μmであった。
次に、高導電性の導電性高分子ペースト(ポリ−(3,4−エチレンジオキシチオフェン)分散品、長瀬産業製、デナトロンシリーズ)を、スピンコート法にて上記基板上に塗布した。その後、100℃で30分間乾燥させ、導電性高分子層(膜厚100nm)を形成した。
次に、ポリチオフェン(P3HT;ポリ3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル(レジオレギュラー))およびフラーレン誘導体(PCBM;1−(3−メトキシカルボニル)プロピル−1−フェニル(6,6)−C60)を、ポリチオフェン濃度が1.0wt%、フラーレン濃度が0.4wt%となるように、クロロベンゼンに溶解し、光電変換層用塗工液を調製した。次いで、この光電変換層用塗工液を、導電性高分子層上にスピンコート法にて回転数700rpmの条件で塗布した。その後、110℃で10分間乾燥させ、光電変換層を形成した。
次に、光電変換層上に、Ca薄膜(膜厚:30nm)、Al薄膜(膜厚:80nm)を順次蒸着法にて成膜して金属電極とした。
最後に封止用ガラス材および接着性封止材により金属電極上から封止して有機薄膜太陽電池とした。
太陽電池特性に関して、A.M1.5、擬似太陽光(100mW/cm2)を照射光源とし、ソースメジャーユニット(HP社製、HP4100)にて電圧印加により電流電圧特性の評価を行ったところ、太陽電池特性を示す結果を得た。
[実施例2]
厚み125μmのPENフィルム基板の表面に、真空蒸着法によりAg薄膜を形成した。次いで、フォトリソグラフィー法を用いたエッチングによりAg薄膜をパターニングし、メッシュ電極を形成した。メッシュ電極は、線幅が10μm、線間隔が100μm、厚みが0.1μmであった。
その後、実施例1と同様にして、有機薄膜太陽電池を作製した。
太陽電池特性に関して、A.M1.5、擬似太陽光(100mW/cm2)を照射光源とし、ソースメジャーユニット(HP社製、HP4100)にて電圧印加により電流電圧特性の評価を行ったところ、太陽電池特性を示す結果を得た。
本発明の有機薄膜太陽電池の一例を示す概略断面図である。 本発明の有機薄膜太陽電池の他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機薄膜太陽電池の他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機薄膜太陽電池の他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機薄膜太陽電池の他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機薄膜太陽電池の他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機薄膜太陽電池の他の例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 … 基板
2 … メッシュ電極
3 … 導電性高分子層
4 … 光電変換層
5 … 対向電極
10 … 有機薄膜太陽電池

Claims (3)

  1. メッシュ電極と、少なくとも前記メッシュ電極の開口部に形成され、正孔を輸送しうる導電性高分子層と、前記メッシュ電極および前記導電性高分子層の上に形成された光電変換層と、前記光電変換層上に形成された対向電極とを有することを特徴とする有機薄膜太陽電池。
  2. 前記メッシュ電極がAgを含有することを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜太陽電池。
  3. 前記導電性高分子層がポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機薄膜太陽電池。
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