JP2005005020A - 有機エレクトロルミネッセンス素子用塗布液および有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子用塗布液および有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、有機発光媒体層の水溶性塗布液の表面張力を調整して膜の均一性を向上させ、かつ、広い範囲での膜厚制御を行うことを課題とする。さらには、パッシブ駆動型の有機EL素子の製作において、積層する導電性高分子層を介してリーク電流が発生し電流効率が低下することを防ぎ、所望の発光パターンを得ることを課題とする。
【解決手段】透光性基板上に少なくともパターニングされた透明導電層と発光媒体層と対向電極層を積層してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、少なくとも1種類の界面活性剤を含んでいて表面張力が20〜40mN/mの有機エレクトロルミネッセンス用塗布液で発光媒体層の少なくとも一層を形成する。さらに前記発光媒体層の厚みが20〜500nmとするとピンホールが発生しにくく、また、前記透光性基板上の、透明導電層が形成されていない部分に撥水処理を施すと、リーク電流の発生を防ぐことができる。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機薄膜のエレクトロルミネッセンス現象を利用した有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子とする)の発光媒体層形成用の塗布液及びそれを用いて作製した有機EL素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有機EL素子は、透明基板上に陽極層、有機発光媒体層、陰極層を順次積層した構造を有する自発光型素子である。
【0003】
有機EL素子では用いる有機発光媒体材料により、有機発光媒体層を形成する方法が異なり、蒸着法と湿式法の2つに大きく分類される。低分子材料を有機発光媒体層として用いる場合は、抵抗加熱方式などの真空蒸着法が用いられる。有機発光媒体層としては、正孔注入層に銅フタロシアニン、正孔輸送層にN,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、発光層にトリス(8−キノリノール)アルミニウムを、それぞれ10〜100nm程度の厚みで積層したものが典型的な例として挙げられる。これら低分子材料を用いる有機EL素子の製造のためには、複数の蒸着釜を連結した真空蒸着装置を必要とし、生産性が低く製造コストが高いなどの問題点があった。
【0004】
これに対し、デンドリマー材料や高分子材料を有機発光媒体層として用いる場合は、材料を溶液化できるので湿式法が用いられる。この場合、有機発光媒体層として水系塗布液を用いて形成する正孔輸送層と、溶剤系塗布液を用いて形成する蛍光体層とを積層した、2層構造をとるのが典型的である。前述の低分子材料を用いた有機EL素子と比較して、大気圧下での製膜が可能であり、設備コストが安いという利点がある。
【0005】
湿式法で形成可能なデンドリマー材料あるいは高分子材料を用いた有機EL素子を用いて、フルカラーディスプレイを作製する場合、次の方法がとられる。
(1)正孔輸送層とRGB3色の蛍光体層をパターニングして形成し、RGB3色を自発光させる。(2)白色発光EL素子とカラーフィルターを組み合わせる。(3)青色発光EL素子と色変換膜を組み合わせる。
(1)の場合では、溶液化した発光媒体材料をインクジェット法でパターニングして発光媒体層を形成する(特許文献1参照)、あるいは、塗布法によりべた状(パターニングせず全面に塗工)に発光媒体層を形成した後、フォトリソグラフィー法によりパターニングする方法がとられる。(2)および(3)の場合では、白色あるいは青色蛍光体材料をパターニングする必要はなく、塗布法によりべた面状に発光媒体層を形成する。
【0006】
べた状に発光媒体層を形成する場合に用いられる塗布法としては、一般的にスピンコート法、ディッピング法、バーコート法等があげられる(特許文献2、特許文献3参照)。しかし、これらの方法で塗布した場合、EL素子の均一発光に要求されるだけの均一性を持つ薄膜を大面積に形成することは難しく、また材料の利用効率が非常に低い。
【0007】
これらに対し、塗布法としてスリットコート法を用いた場合には、大面積に均一膜の形成が可能であり、材料の利用効率が非常に高いため材料が必要最低限で済む、といった利点がある。この方法により、照明等の大型面発光型の有機EL素子の作製も可能である。
【0008】
【特許文献1】
特開2003−22892号公報
【特許文献2】
特開平10−162955号公報
【特許文献3】
特開平11−121172号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記発光媒体層を水溶性塗布液を用いて形成する場合、有機EL素子に必要な均一性をもつ薄膜を形成するために、基材と塗布液との表面張力の調整および膜厚の制御が難しい、といった問題があった。また、正孔輸送材料の代表例としてあげられるポリアニリン、ポリチオフェン、ポリビニルカルバゾール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物等は、導電性の高分子材料である。そのため、パターン発光型有機EL素子や、透明導電層と対向電極がストライプ状で互いに交差しているパッシブ駆動型の有機EL素子等、透明導電層があるパターン形状に形成されている場合、導電性正孔輸送層がべた状に形成されると、その上に導電性正孔輸送層を介して分断された透明導電層間にリーク電流が生じてしまい、発光に関与する電流効率が低下する、さらには、所望の発光パターンが得られない、といった問題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記問題点を鑑み成されたものであり、有機発光媒体層の水溶性塗布液の表面張力を調整して膜の均一性を向上させ、かつ、広い範囲での膜厚制御を可能にしたものである。さらには、パターン形状に形成された透明導電層を用いた場合に、基板上で透明導電層の形成されていない部分に撥水処理を施すことで、積層する導電性高分子層を介してリーク電流が流れ電流効率が低下することを防ぎ、所望の発光パターンを得ることを可能にした。
【0011】
請求項1に係る第1の発明は、透光性基板上に少なくともパターニングされた透明導電層と発光媒体層と対向電極層を積層してなる有機エレクトロルミネッセンス素子の前記発光媒体層の少なくとも一層を形成するための水溶性有機エレクトロルミネッセンス用塗布液が、少なくとも1種類の界面活性剤を含み表面張力が20〜40mN/mであることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス用塗布液である。
【0012】
請求項2に係る第2の発明は、前記界面活性剤は前記発光媒体層に含まれる発光媒体材料に対して5%未満であることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス用塗布液である。
【0013】
請求項3に係る第3の発明は、前記発光媒体層は少なくとも正孔輸送層及び/又は正孔注入層を有し、前記正孔輸送層及び/又は正孔注入層のいずれか一層あるいは両方が、請求項1または2記載の有機エレクトロルミネッセンス用塗布液で形成されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0014】
請求項4に係る第4の発明は、前記発光媒体層の厚みが20〜500nmであることを特徴とする請求項3記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0015】
請求項5に係る第5の発明は、前記透光性基板上の、透明導電層が形成されていない部分に撥水処理が施してあることを特徴とする請求項3または4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0016】
請求項6に係る第6の発明は、前記発光媒体層は少なくとも正孔輸送層および蛍光体層から成り、前記発光媒体層を形成する層のうち少なくとも一層はスリットコート法で形成されたことを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0017】
請求項7に係る第7の発明は、前記透明導電層と前記対向電極層がストライプ状にパターニングされており、かつ互いに交差しているパッシブ駆動型の有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする請求項3から6のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の有機EL素子用塗布液および有機EL素子の一例を図面に従って説明する。
【0019】
本発明における透光性基板1としては、ガラス基板やプラスチック製のフィルムまたはシートを用いることができる。プラスチック製のフィルムを用いれば、巻き取りにより有機EL素子の製造が可能であり、安価に素子を提供することができる。プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート等を用いることができる。また、導電層を製膜しない側にセラミック蒸着フィルムやポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物等の他のガスバリア性フィルムを積層しても良い。
【0020】
透明導電層2としては、インジウムと錫の複合酸化物(以下ITOという)を用いることができ、前記基板上に蒸着またはスパッタリング法により製膜することができる。また、オクチル酸インジウムやアセトンインジウムなどの前駆体を基材上に塗布後、熱分解により酸化物を形成する塗布熱分解法等により形成することもできる。あるいは、アルミニウム、金、銀等の金属が半透明状に蒸着されたものを用いることができる。あるいはポリアニリン等の有機半導体も用いることができる。前記、透明または半透明の導電層は、所望の形状にエッチングによりパターニングを行う。
【0021】
本発明において、透明導電層2が形成されていない部分に撥水処理を施し撥水処理層3を設ける方法としては、どのような方法をとってもよく、例えば、プラズマやレーザー処理等で表面改質をする方法、または、撥水性化合物膜あるいは絶縁性の撥水性隔壁を設ける方法等でもよい。また、本発明による効果が得られれば、透明導電層が形成されていない部分の全てに撥水処理を施す必要は無い。
【0022】
本発明におけるプラズマ照射による表面改質する方法では、本発明における有機EL用塗布液が濡れにくく、撥水処理膜上でリーク電流が生じなければよい。例えば、テトラフルオロメタン、ヘキサフルオロエタン、ヘキサフルオロアセトン、トリフルオロクロロカーボン、トリフルオロブロモカーボン等のフッ素化化合物等を用いて表面改質をすることができる。
【0023】
本発明における撥水性化合物膜に用いられる材料としては、本発明における有機EL用塗布液が濡れにくく、撥水性化合物膜上でリーク電流が生じなければ特に制限はない。例えばフッ素系、シリコン系、アクリル系の化合物等を、蒸着法やスパッタリング法、塗布法や印刷法により設ける。また、撥水処理層にガスバリア性やUV吸収性、反射防止性等の他の機能をもたせてもよい。
【0024】
前記撥水処理を施す工程としては、ガラスまたはフィルム基板上へ表面改質処理あるいは撥水性膜を形成し、その上に透明導電層を積層してパターニングしても、逆に、基板に透明導電層を積層しパターニングした後に、透明導電層が形成されていない部分に表面改質処理あるいは撥水性膜を形成してもよい。
【0025】
本発明における有機EL素子の発光媒体層は、蛍光体層のみの単層構造に限らず、正孔輸送層あるいは正孔注入層と蛍光体層の2層構造でも、これらにさらに電子輸送層や絶縁層等を設けた多層構造であってもよい。これら単層または複数層の発光媒体層のうち少なくとも一層を、本発明における水溶性有機EL用塗布液を用いて形成する。以下では、発光媒体層が正孔輸送層と蛍光体層の2層構造からなる場合について説明をする。
【0026】
正孔輸送層4に用いる正孔輸送材料としては、銅フタロシアニンやその誘導体、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン等の芳香族アミン系などの低分子も用いることができるが、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリビニルカルバゾール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物等の高分子材料が、湿式法による製膜が可能であるため、より好ましい。これらを、水または溶剤を用いて溶液化して有機EL素子用塗布液とする。特には、ポリアニリンあるいはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物を、水分散溶液にしたものを正孔輸送層用の有機EL素子用塗布液に用いるのが好ましい。
【0027】
本発明における前記水溶性の有機EL素子用塗布液は、少なくとも1種類の界面活性剤を含んでいる。界面活性剤の添加量としては、塗布液の表面張力が20〜40mN/mになり、かつ、発光媒体材料(ここでは正孔輸送材料)に対して5%未満の添加量であれば良い。
界面活性剤の種類としては、陽イオン性、陰イオン性、両イオン性、非イオン性のいずれを用いてもよいが、電荷の移動を妨げない非イオン系の界面活性剤を用いることがより好ましい。例えば、高級アルコール系やシリコン系、アクリル系、フッ素系のエーテル型、エステル型、アミン型等があげられ、特に高級アルコール系が好ましい。
【0028】
前記水溶性有機EL用塗布液を用いて正孔輸送層を形成する方法としては、スリットコート法を用いることが好ましい。スリットコート法を用いれば、コーティング条件により広範囲に均一な膜を、膜厚が20〜500nmの範囲で自由に調整することが可能である。スピンコート法等では難しい100〜500nmの範囲の膜厚をスリットコート法で形成することで、リーク電流を軽減することや、突起によるショートを防ぐこともできる。
【0029】
蛍光体層5に用いる蛍光体材料としては、水または溶剤に可溶とし溶液化できるものであればなんでもよく、クマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系等の蛍光性色素をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に溶解させたものや、デンドリマー材料、PPV系やPAF系、ポリパラフェニレン系等の高分子蛍光体材料を用いることができる。
【0030】
陰極層6としてはMg、Al、Yb等の金属単体を用いたり、発光媒体と接する界面にLiやLiF等の化合物を1nm程度はさんで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いる。または、電子注入効率と安定性を両立させるため、仕事関数の低い金属と安定な金属との合金系、例えばMgAg、AlLi、CuLi等の合金が使用できる。陰極層の形成方法は材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム法、スパッタリング法を用いることができる。陰極層の厚さは、10nm〜1000nm程度が望ましい。
【0031】
陰極層6をパターン形状に形成する場合には、所望のパターンになるようなマスクを用いて蒸着すればよい。また、図1のように透明電極層2と陰極層6がライン形状で互いに交差したパッシブマトリクス駆動型の有機EL素子を作製する時に、より細かな幅のラインを作製する場合には逆テーパ形状の陰極分断用隔壁7を利用する。
【0032】
以下、本発明における有機EL用塗布液を用いて、パッシブ駆動型有機EL素子を作製した一例を図に従って説明する。
【0033】
【実施例】
[実施例1]
100mm四方のガラス基板を透光性基板1とし、その全面に、蒸着法により撥水処理層3としてポリアクリル層を設け、次いで800μmピッチ(L/S=700/100)のITOラインを透明導電層2として設けた。その後、逆テーパ形状の陰極分断用隔壁7を設けた。続いて、下記化学式(1)で表されるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸(以下PEDOT/PSSという)の1wt%水分散溶液に、PEDOT/PSSに対して0.5%量の高級アルコール系エーテル型の界面活性剤:エマルゲン105(花王社製、非イオン系)を添加した溶液を正孔輸送層を形成するための有機EL素子用塗布液とし、スリットコート法を用いて厚み180nmで塗布して正孔輸送層4を形成した。この水溶性塗布液の表面張力は30mN/mであった。続いて、蛍光体層5として、下記化学式(2)で表される高分子発光材料MEH−PPVをスリットコート法を用いて膜厚80nmで形成した。次いで、陰極層6としてMgAgを2元共蒸着により200nmの厚みで図4のようなパターンで形成して、パッシブ駆動型の有機EL素子を作製した。
【0034】
【化1】
Figure 2005005020
【0035】
【化2】
Figure 2005005020
【0036】
得られたパッシブ駆動型有機EL素子は、リーク電流が無く選択した画素をのみを点灯でき、5Vで100cd/mを示した。
【0037】
[比較例1]
比較例1においては、実施例1において界面活性剤を添加しない正孔輸送層を形成するための有機EL素子用塗布液を用いて正孔輸送層を形成したこと以外は、同様にしてパッシブ駆動型有機EL素子を作製した。結果、この水溶性塗布液では正孔輸送層に乾燥ムラが生じてしまい、発光ムラが生じてしまった.
【0038】
[比較例2]
比較例2においては、実施例1において界面活性剤を加え表面張力が50mN/mである、正孔輸送層を形成するための有機EL素子用塗布液を用いて正孔輸送層を形成したこと以外は、同様にしてパッシブ駆動型有機EL素子を作製した。結果、この水溶性塗布液では正孔輸送層に膜厚ムラが生じてしまい、それに伴う発光ムラが生じてしまった。
【0039】
[比較例3]
比較例3においては、実施例1において界面活性剤の添加量をPEDOT/PSSに対して5%とし、正孔輸送層を形成するための有機EL素子用塗布液を用いて正孔輸送層を形成したこと以外は、同様にしてパッシブ駆動型有機EL素子を作製した。結果、この水溶性塗布液で正孔輸送層を形成したEL素子においては発光効率が低下し、また発光面を観察するとDSがみられた。
【0040】
[比較例4]
比較例4においては、実施例1において正孔輸送層をスピンコート法によって形成したこと以外は、同様にしてパッシブ駆動型有機EL素子を作製した。その結果、スピンコート法で形成した正孔輸送層は、最大でも膜厚50nmにしかならなかった。さらには、得られたパッシブ駆動型有機EL素子は、選択した画素を点灯すると5Vで100cd/mを示したが、点灯を10回繰り返すとある箇所でショートしてしまい、非点灯画素ができてしまった。
【0041】
[比較例5]
比較例5においては、実施例1における撥水処理層3を設けないこと以外は同様にして有機EL素子を作製した。その結果、得られたパッシブ型有機EL素子は、電流効率が悪く、選択していない部分までライン状に点灯するクロストーク現象が生じてしまった。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、発光媒体層を構成する層の少なくとも一層(実施例では正孔輸送層)を形成するために、界面活性剤を添加した水溶性有機EL用塗布液であり、その表面張力が20〜40mN/mである有機EL素子用塗布液を用いれば、スリットコート法で膜厚制御可能な均一膜コーティングを大面積におこなうことが可能である。また界面活性剤の添加量は発光媒体層に含まれる発光媒体材料に対して5%未満であれば、素子の発光効率の低下を起こすことなく塗布が可能である。さらには、透明導電層が形成されていない部分に撥水処理層を形成することで、その上に一面に塗布された水溶性有機EL用塗布液による層を自動的にパターニングし、これによるリーク電流を防ぎ、電流効率の高い有機EL素子を作製することができる。
【0043】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の有機EL素子を示す説明図である。
【図2】本発明の有機EL素子の一例の断面構造を示す説明図である。
【図3】本発明の有機EL素子の他の例の断面構造を示す説明図である。
【図4】本発明の実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…透光性基板
2…透明導電層
3…撥水処理層
4…正孔輸送層
5…蛍光体層
6…陰極層
7…陰極分断用隔壁

Claims (7)

  1. 透光性基板上に少なくともパターニングされた透明導電層と発光媒体層と対向電極層を積層してなる有機エレクトロルミネッセンス素子の前記発光媒体層の少なくとも一層を形成するための水溶性有機エレクトロルミネッセンス用塗布液が、少なくとも1種類の界面活性剤を含み表面張力が20〜40mN/mであることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス用塗布液。
  2. 前記界面活性剤は前記発光媒体層に含まれる発光媒体材料に対して5%未満であることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス用塗布液。
  3. 前記発光媒体層は少なくとも正孔輸送層及び/又は正孔注入層を有し、前記正孔輸送層及び/又は正孔注入層のいずれか一層あるいは両方が、請求項1または2記載の有機エレクトロルミネッセンス用塗布液で形成されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記発光媒体層の厚みが20〜500nmであることを特徴とする請求項3記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記透光性基板上の、透明導電層が形成されていない部分に撥水処理が施してあることを特徴とする請求項3または4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記発光媒体層は少なくとも正孔輸送層および蛍光体層から成り、前記発光媒体層を形成する層のうち少なくとも一層はスリットコート法で形成されたことを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記透明導電層と前記対向電極層がストライプ状にパターニングされており、かつ互いに交差しているパッシブ駆動型の有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする請求項3から6のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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