JP2014127303A - 有機elデバイスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 OLEDの有機薄膜の成膜方法において、塗布法と蒸着法があり、塗布法は生産性を考慮した場合は好適であるが、発光効率は蒸着法より劣っている。このため現状のOLEDの生産においてはデバイスの性能を維持しつつ、生産性を高めることが重要な課題となっている。
【解決手段】 基板上に第1電極を所望のパターンに形成する工程と、該第1電極上に正孔注入層および第1正孔輸送層をそれぞれ塗布法により形成する工程と、該第1正孔輸送層上に蒸着法により第2正孔輸送層を形成する工程と、該第2正孔輸送層上に発光層、電子輸送層および第2電極を積層する工程と、を具備し、厚い膜厚を必要とする第1正孔輸送層の成膜には塗布法を用いてタクトの短縮を図り、膜厚の制御精度を必要とする薄い第2正孔輸送層の成膜には蒸着法を用いて精密に制御し、OLEDデバイス性能の確保と生産性の向上を両立させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は有機ELデバイスの製造方法に係り、特に高性能で生産性を向上させることができる有機ELデバイスの製造方法に関する。
有機エレクトロルミネッセンスデバイス(Organic Electro-Luminescence Device:以下、OLEDと称する)は、適当な直流電流を流すと有機材料が発光するデバイスで、特にディスプレイに於いては、液晶に代わる低消費電力・高画質・薄型の次世代の画像表示装置として注目されている。また、照明分野に於いては、環境に配慮した次世代光源として注目されており、電球に匹敵する高い演色性と、蛍光灯および発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)に匹敵する電力効率とを得るべく開発が進められている。
OLEDの実用化は、低分子系有機材料を真空中で蒸発させ、多層の有機材料の薄膜(有機薄膜)を積層してなる真空蒸着法(低分子系真空蒸着法)によるフルカラー発光デバイスがまずは進んでいる。
OLEDの有機薄膜の成膜法には、真空蒸着法の他にスクリーン印刷やインクジェットによる塗布法がある。例えば、高分子ポリマー系有機材料を印刷あるいはインクジェットにより塗布する方法、更には低分子系有機材料を溶媒に溶かし塗布する方法によるデバイス作製が試みられている。塗布法は比較的厚い膜を短時間で塗布できるため短タクト処理が可能であるが、膜厚の制御精度や性能・品質・寿命等に於いて、未だ低分子系真空蒸着法に比べ劣っており、研究段階に止まっている。
図6を参照して、従来の最も簡単なOLED110の一例について説明する。OLED110は、ガラス基板101上に透明電極102、正孔輸送層(Hole Transfer Layer:以下、HTL)104、電子輸送層(Electron Transport Layer:以下ETL)106および陰極107をこの順に積層したものである。
透明電極102は例えばインジウム−スズ酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)であり、HTL104は例えばNPB(N,N’-diphenyl-N,N’-bis(1-naphthyphenyl)-1,1’-biphenyl-4,4’-diamine)、TPB(N,N,N'N' - tetraphenylbenzidine)等で、ETL106は例えばAlq3(tris-(8-hydroxyquinoline)aluminum)の有機薄膜である。この場合、ETL106は緑色発光するため発光層を兼ねている。また陰極107は例えばアルミニウム層である。ここでは有機薄膜がHTL104とETL106からなる単純な構造の緑色発光OLEDを示している。
図7は、従来の他のOLED120の構造を示す断面図である。OLED120は、ガラス基板101上に透明電極102、正孔注入層(Hole Injection Layer:以下、HIL)103、正孔輸送層(HTL)104、発光層(Emissive Layer:以下EML)105、電子輸送層(ETL)106および陰極107をこの順に積層したものである。HIL103、EML105もそれぞれ有機薄膜である(例えば特許文献1参照。)。
OLEDの有機薄膜の成膜方法において、生産性を考慮した場合は塗布法が好適であるが、多層の有機薄膜の積層構造を形成することが困難である。そのため、一般的に、塗布法で成膜する場合には図6の如くHTL104とETL106の2層積層構造のOLED110が実用化されている。
一方、図7の如く有機薄膜が多層に積層された構造では、各有機薄膜を塗布法で成膜することが困難であるため、一般的には各有機薄膜に低分子有機材料を用いた低分子系真空蒸着法が採用される。
上記のOLED110、120では、内部で発光した光を有効に外部に取りだすために、各有機薄膜の膜厚がそれぞれ厳密に最適化される。
非特許文献1などにより、OLEDの有機薄膜の膜厚はデバイスの正面輝度に関係することが明らかになっている。
図8は、Alq3の膜厚[nm]と正面輝度(相対値)[%]の関係を示す特性図であり、非特許文献1からの引用である。ここで正面輝度とは、発光面に垂直な法線を立て、その方向で測定した表面輝度である。
これによると、上記のOLED110(またはOLED120)のETL106を構成するAlq3の膜厚に10nmの誤差(70mn付近と80nm付近)が生じるとOLED110(120)に10%以上の正面輝度の差が生じることがわかっている。そして、10%以上の正面輝度の差は、OLED110(120)の輝度不均一による斑の発生などの不良要因になる。従って、OLED110(120)の生産上の歩留まりを維持する上でも、有機薄膜の高精度の膜厚制御が必要とされる。
特開2007−36128号公報 S.K.So,W.K.Choi.L.M.Leung and K.Neyts;Appl.Phys.Lett.74 p1939(1999)
OLEDの有機薄膜を塗布法で成膜する場合、生産性はきわめて高いが膜厚の制御精度は蒸着法に劣る。例えば、有機薄膜に図8に示したAlq3などの低分子有機材料を用いる場合、低分子系真空蒸着法(蒸着装置)では、10nm程度(10%以上の正面輝度の差に相当)の膜厚制御は問題なく行える。
また、デバイス性能の観点では、塗布法による2層積層構造のOLED110は多層積層構造のOLED120と比べて電子・正孔の注入バランスが悪く、発光効率は劣っている。
図7を再び参照して、多層構造のOLED120では、通常、正面輝度の向上に対する膜厚の最適化は、正孔移動度および伝導性の高いHTL104においてなされる。従って、各有機薄膜の膜厚は例えばHIL103が10nm、HTL104が50nm〜80nm、EML105が20nm〜30nm、ETL106が20nm〜35nmの厚みが採用される。
そして各有機薄膜の低分子系真空蒸着法による成膜速度は、高品質の膜を成膜するには毎秒3Å〜5Å程度にコントロールする必要がある。そのような場合、生産性でボトルネックとなるのはHTL104の成膜であり、成膜だけで最大270秒程度の時間を要し、搬送系、マスクアライメントの時間を加味すると6分程度は必要になる。従って、HTL104の成膜スピードの向上が、生産性・コスト面で重要となるが、現状の低分子系真空蒸着法では、タクトを短縮することは困難であった。
低分子系有機材料の蒸着により形成されたOLEDは、有機薄膜として蛍光材料に代わり燐光材料を採用することにより高品質化が進んでいる。すなわち、燐光材料を用いることにより、有機薄膜の内部量子効率は100%に近いものが実現可能となってきており、OLEDとしての輝度・寿命・色味・カラーシフト等の性能面でも実用化に耐え得る性能に達してきている。
従って、中・小型サイズのアクティブ駆動型有機ELディスプレイ(Active Matrics OLED:AMOLED)は携帯電話向けディスプレイとして実用化されており、大型TV向けAMOLEDも実用化が間近であるが普及はそれほど進んでいない。
一方、照明用OLEDの開発も着実に進んでおり、電力効率では、LED・蛍光灯に匹敵する70lm/Wが実現しており、演色性は80%を遥かに超え、白色電球に迫る性能を実現できている。しかしながら、実用化および普及はLEDに比べてまだまだ遅れている。
このように、OLEDの実用化・普及が遅れている大きな要因は、コストである。ディスプレイに於いては最大の競合相手はLCDであり、照明に於いてはLEDであるが、現状のOLEDのコストはLCD・LEDのいずれにも追いつていない。
OLEDの生産に使用されている低分子系真空蒸着装置の生産性能は、現状では量産仕様の装置で、タクトが5分、有機材料の利用効率が5%以下であるため、特にLCDの生産に用いる装置の平均タクト(90秒)に比べると装置の生産性に見劣りし、材料面でも高コストな生産装置になっている。それでいてOLEDの製造装置の初期投資額はLCDの製造ラインにおける液晶の製造装置の投資額に比べても同程度かそれよりも大きい。
このように、現状のOLEDの生産においてはデバイスの性能を維持しつつ、生産性を高めることが重要な課題となっており、OLEDの実用化・普及化が進まない原因となっている。
本発明はかかる課題に鑑みてなされ、基板上に第1電極を所望のパターンに形成する工程と、該第1電極上に第1正孔輸送層を塗布法により形成する工程と、該第1正孔輸送層上に蒸着法により第2正孔輸送層を形成する工程と、該第2正孔輸送層上に発光層、電子輸送層および第2電極を積層する工程と、を具備することにより解決するものであり、デバイス性能を高性能に維持しながら、生産性を向上させることが出来るOLEDの製造方法を提供するものである。
本発明によれば、OLEDの有機薄膜の製造工程において、厚い膜厚を必要とするHTLの成膜に塗布法と蒸着法を併用することにより、デバイス性能を高性能に維持しながら、生産性を向上させることが出来る。
すなわち、第1の(先の)成膜工程でHTL全体の大半の膜厚(HTL全体の2分の1以上の膜厚)を有する第1HTLを塗布法を用いて成膜しタクトの短縮を図る。そして、HTLとしての残りの膜厚分の膜厚を有する第2HTLを第2の(後の)成膜工程で蒸着法により成膜する。この場合蒸着法であるので膜厚の精密な制御が可能となりデバイスの高性能化を実現できる。
本発明の実施形態のOLEDの構造を説明する断面図である。 本発明の実施形態のOLEDの製造方法を説明するフロー図である。 本発明の実施形態のOLEDの製造方法を説明する断面図である。 本発明の実施形態のOLEDの製造方法を説明する断面図である。 本発明の実施形態のOLEDの製造方法を説明する断面図である。 従来技術を説明する断面図である。 従来技術を説明する断面図である。 有機薄膜と正面輝度の関係を示す特性図である。
図1から図5を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態の有機エレクトロルミネッセンスデバイス(Organic Electro-Luminescence Device:以下、OLEDと称する)10の構造を説明する断面図である。
基板1は、例えばガラスまたはプラスチックなどの絶縁性材料による透明基板である。基板1には金属を所望の形状にパターンニングしたバスライン(不図示)が設けられる。
第1電極2は、基板1上に設けられOLED10の陽極となる透明電極(例えばインジウム−スズ酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)膜)である。ITO膜は基板1上に例えば100nmの膜厚に設けられ、所望の形状にパターンニングされる。尚、以下の説明では、図1(図2以降も同様)の断面図で紙面の上端方向を上(方)、下端方向を下(方)として説明する。
第1電極2上にはEL層9を構成する複数の有機薄膜が積層される。有機薄膜は、第1電極2側から、正孔注入層(Hole Injection Layer:以下、HIL)3、第1正孔輸送層(Hole Transfer Layer:以下、第1HTL)4、第2正孔輸送層(Hole Transfer Layer:以下、第2HTL)5、発光層(Emissive Layer:以下EML)6、電子輸送層(Electron Transport Layer:以下ETL)7である。
HIL3は、例えば側鎖型高分子poly(arylene ether ketone)-contaning letraphenylbenzidine(PTPDEK),主鎖型高分子4-vinyltriphenylamine(PVTPA),ポリピロール誘導体(cyclopalladated 2-phenylpyridine(PHPy−Pd))などからなり膜厚は20nm程度である。
第1HTL4は、塗布が可能な高分子有機材料であり、例えばポリチオフェン系材料(PEDOT/PSS)などからなり、膜厚は70nm程度である。
第2HTL5は、例えばNPB(N,N’-diphenyl-N,N’-bis(1-naphthyphenyl)-1,1’-biphenyl-4,4’-diamine)、TPD(N,N’-diphenyl-N,N’bis(3-methylphenyl)-1.1’-biphenyl-4,4’-diamine)などからなり膜厚は20nm程度である。発光層(Emissive Layer:以下EML)6は例えば、NPBなどの正孔輸送材またはAlq3(tris-(8-hydroxyquinoline)aluminum)などの電子輸送材をホスト材とし、これに発光ドーパントを組み合わせた材料からなり膜厚は30nm程度である。
ETL7はEML6上に設けられ、例えばAlq3,オキシジアゾール(OXD)(2-(4-Biphenyl)-5-(4-tert-butylphenyl)-1,3,4-oxiazole(PBD)),トライアゾール(TAZ)、フェナンスレン誘導体(BCP,2-Benzylthio-5-phenyl-3,4-disubstituted Thiophenes(BPhene))などからなり膜厚は25nm程度である。
尚、HIL3は設けなくてもよいが、これを配置することで駆動電圧を下げることができる。
EL層9(ETL7)の上には第2電極8が設けられる。第2電極8はOLED10の陰極となり、例えば膜厚100nmのアルミニウム(Al)層である。
EL層9は、第1電極2から注入されたホールと、第2電極8から注入された電子とがEML6の内部で再結合し、EML6を形成する有機分子を励起して励起子が生じる。この励起子が放射失活する過程でEML6から光が放たれ、この光が透明な第1電極2から基板1を介して外部へ放出されて発光する。
このOLED10はディスプレイや照明に使用することができる。図1のOLED10をディスプレイに使用する場合、赤(R),緑(G),青(B)の各画素が平面配置され独立に駆動される構成となる。従って、EML6は画素毎に赤(R),緑(G),青(B)を発光する有機薄膜が蒸着等により選択的に成膜される。例えば、精密メタルメタルマスクとCCDカメラによるメタルマスクアライメント機構付き基板ホルダー・交換機能などを用いることで、有機薄膜を画素毎に選択的に成膜できる。
またOLED10を照明装置に使用する場合、EML6は、例えば、赤(R),緑(G),青(B),黄(Y)の各有機薄膜を基板1の主面に対して縦方向に積層して構成する。これにより、各有機薄膜で発光した赤(R),緑(G),青(B),黄(Y)の幅のある波長の光を分布させることができる。すなわち、基板1からの放出光としては可視領域にまんべんなく分布したスペクトルを持つ演色性の高い白色光が得られる。
大型の白色照明装置(パネル)を得るには、光源、すなわちOLED10の発光領域(第1電極2と第2電極8でEL層9が挟まれた領域)の面積を広げる必要が有る。OLED10では第1電極2であるITO膜の抵抗成分があるため、第1電極2の面積、すなわち発光領域の面積を広げすぎると発光領域内の輝度が不均一になる。つまり1つのOLED10は、発光領域の輝度の均一性が維持できるサイズを限界としてそのサイズが決定される。このOLED10を複数直列または並列に電気的に接続することで、大型の照明装置を実現できる。
図2から図5を参照して、本実施形態のOLED10の製造方法を説明する。図2は本実施形態のOLED10の製造方法を説明するフロー図であり、図3から図5はOLED10の各工程における断面図である。
図2の如く、OLED10の製造方法は、基板1上に第1電極2を形成するステップ(S1)、第1HTL4を塗布法により形成するステップ(S2)、第2HTL5を蒸着法により形成するステップ(S3)、EML6、ETL7および第2電極8を形成するステップ(S4)を含む。
ステップS1(図3):ガラスまたはプラスチックなどの透明な絶縁性材料による基板1を準備し、基板1上に金属を所望の形状にパターンニングしてバスライン(不図示)を形成する。
また、基板1上に透明導電材料(例えばITO膜)を例えば100nmの膜厚に形成し、所望の形状にパターンニングしてOLED10の陽極となる第1電極2を形成する。
ステップS2(図4):第1電極2上にこれとコンタクトするHIL3を形成する。すなわち、HIL3を膜厚が20nm程度になるよう塗布し、乾燥する。HIL3は例えば印刷あるいはインクジェットなどにより塗布される。
引き続き、HIL3上に第1HTL4を70nm程度塗布し、乾燥する。第1HTL4は例えば印刷あるいはインクジェットなどにより塗布される。
HIL3および第1HTL4の塗布はすべて窒素雰囲気中のグローブボックス装置内で行う。そして、水分・空気に触れないようカセットホルダーに収納された基板1をOLED真空蒸着装置のロードロック側にセットし、真空排気をする。
その後、第1HTL4の塗布表面をUV照射、あるいは酸素プラズマ処理により清浄化する。尚、HIL3の形成は任意である。
ステップS3(図5):次に、第1HTL4上に第2HTL5を真空蒸着により成膜する。
第2HTL5の材料はNPB等の低分子有機材料である。
この時の成膜速度は毎秒5Å〜3Å程度に維持し、第2HTL5の膜厚は外部量子効率が最大となるように光学調整された膜厚とする。ここでは一例として第2HTL5は20nm程度の膜厚で成膜する。成膜速度が毎秒5Åで膜厚20nm成膜するとタクトは40秒であり、成膜速度が毎秒3Åで20nm膜厚を成膜するとタクトは67秒である。
第2HTL5が挿入されない場合、すなわち塗布法で成膜した第1HTL4のみの場合、第1HTL4の膜厚で光学調整をする必要があるが、塗布法の場合は膜厚の制御精度が出しにくい。従って精密な膜厚の制御が不能になり、所定のデバイス性能が確保できなくなる。
正面輝度の向上に対する膜厚の最適化は、一般に、正孔移動度および伝導性の高いHTLにおいてなされる。従って、HTL15は通常50nm〜90nm程度の厚い膜厚に形成される。ここでは一例としてHTL15を90nmに成膜する場合を例に説明する。ここで膜厚の最適化とは、例えばHLT15が90nmに膜厚が最適化されるとした場合、90nmを基準として光取り出し量が最も多くなるように数nm増減することをいう。
本実施形態では、厚い膜厚を必要とするHTL15の成膜を2工程に分けている。すなわち、第1の成膜(先の成膜)工程で第1HTL4を塗布法によって厚く成膜し、第2の成膜(後の成膜)工程で第2HTL5を蒸着法で第1HTL4より薄く成膜する。
HTL15全体(膜厚90nm)の大半の膜厚(例えばHTL15全体の2分の1以上の膜厚)を有する第1HTL4を塗布法で成膜することでタクトを短縮できる。そしてHTL15の残りの膜厚分の膜厚を有する第2HTL5を第1HTL4の上に蒸着法で成膜することで膜厚の精密な制御が可能となる。
蒸着法による成膜だけではHTL15の全体でのタクトを1分前後に納めることが困難である。たとえば従来の方法ではHTL104の成膜のみで最大270秒である。しかし、HTL15の成膜に塗布法と蒸着法を併用することにより、第2HTL5全体でのタクトを略1分(40秒〜67秒)に納めることが可能となる。尚、第1HTL4は予め塗布法により成膜しており、タクトは極めて速いと考えてよい。
しかも、薄い第2HTL5を蒸着法で成膜することで、HTL15の膜厚を精密に制御できる。つまりHTL15の全体を蒸着法によって成膜したと同等のデバイス性能を確保することができる。これにより低コストで高性能なOLED10の生産が可能となる。
尚、本実施形態では第2HTL5の蒸着法による成膜の上限を20nm(成膜速度は毎秒5Å)としたが、これ以上でも可能である。しかし、蒸着膜厚を厚くすることは時間(タクト)が長くなる。従って本実施形態ではタクトを考慮して第2HTL5の膜厚の上限を30nm程度とする。また、第2HTL5は光学調整され外部量子効率を最大とする膜厚であれば20nmより薄くすることもできる。
またHTL15の全体の膜厚は90nmを超えることはないといってよいが、50nmより薄く形成する場合もある。その場合、塗布法による第1HTL4の膜厚と第2HTL5の膜厚で調整する。
ステップS4(図1):その後、第2HTL5上にEML6を蒸着法により30nm程度成膜し、引き続きETL7を蒸着法により25nm程度成膜する。
EML6はNPB等の正孔輸送材あるいはAlq3等の電子輸送材をホスト材とし、それに所望の色の発光ドーパント材を共蒸着したものである。またETL7はAlq3等の電子輸送材料である。
これらは連続して成膜することができる。更にETL7上に第2電極8を形成する。第2電極8はAl層を蒸着またはスパッタにより100nmの厚みに形成し、所望の形状にパターンニングする。第2電極8を蒸着により形成する場合は、EML6およびETL7と連続して成膜することが可能である。これにより図1に示す最終構造を得る。
1 基板
2 第1電極
3 HIL
4 第1HTL
5 第2HTL
6 EML
7 ETL
8 第2電極
9 EL層
10 OLED

Claims (8)

  1. 基板上に第1電極を所望のパターンに形成する工程と、
    該第1電極上に第1正孔輸送層を塗布法により形成する工程と、
    該第1正孔輸送層上に蒸着法により第2正孔輸送層を形成する工程と、
    該第2正孔輸送層上に発光層、電子輸送層および第2電極を積層する工程と、
    を具備することを特徴とする有機ELデバイスの製造方法。
  2. 前記第1正孔輸送層は前記第2正孔輸送層より膜厚が厚いことを特徴とする請求項1に記載の有機ELデバイスの製造方法。
  3. 前記第2正孔輸送層は光学調整され外部量子効率を最大とする膜厚を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機ELデバイスの製造方法。
  4. 前記第1正孔輸送層は高分子有機材料により形成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の有機ELデバイスの製造方法。
  5. 前記第2正孔輸送層は低分子有機材料により形成されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の有機ELデバイスの製造方法。
  6. 前記発光層および前記電子輸送層はそれぞれ低分子有機材料により形成されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の有機ELデバイスの製造方法。
  7. 前記発光層および前記電子輸送層は連続して蒸着されることを特徴とするそれぞれ低分子有機材料により形成されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の有機ELデバイスの製造方法。
  8. 前記第1電極は透明導電層で形成され前記第2電極は金属層で形成されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の有機ELデバイスの製造方法。
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