JP2006310106A - 有機エレクトロルミネッセンス装置、及び有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス装置、及び有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 発光機能層を均一な膜厚で形成でき、絶縁破壊の抑制を実現でき、短絡が無く、高い信頼性を実現できる有機エレクトロルミネッセンス装置、及び有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 第1電極23及び第2電極50の間に発光機能層110を備え、当該発光機能層110を複数の画素領域Xの各々において発光させる有機エレクトロルミネッセンス装置であって、発光機能層110は、液体材料が乾燥して形成されたものであり、複数の画素領域Xの相互間には、発光機能層110を隔離する隔壁40が設けられ、第1電極23は、隔壁40と非接触に設けられ、発光機能層110は、第1電極23を被覆すると共に、当該第1電極23の周辺において第1電極23の下地絶縁膜30と接触して設けられていること、を特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス装置、及び有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法に関する。
従来、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと略記する)装置においては、基板上に複数の回路素子、陽極、正孔注入層や有機EL物質(発光素子)を含む発光機能層、陰極等が積層され、それらを封止した構成となっている。
具体的には、薄膜トランジスタ等のスイッチング素子が形成されたガラス基板等の透明基板上に、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、酸化スズ(SnO2)等の透明導電材料からなる陽極と、ポリチオフェン誘導体(以下、PEDOTと略記する)のドーピング体からなる正孔注入層と、ポリフルオレン等の発光物質からなる発光層と、Ca等の低仕事関数を有する金属材料や金属化合物からなる陰極とを順次積層したものがある(例えば、特許文献1,2参照。)。
近年では、上記の有機EL装置の製造方法として、インクジェット法(液滴吐出法)等に代表される湿式成膜法を利用した製造方法が提案されている。当該インクジェット法を利用して形成される有機EL装置の構造としては、陽極の周辺が無機絶縁膜によって被覆され、当該無機絶縁膜上に有機バンクが形成された構成が知られている。更に、プラズマ処理等の表面処理技術を利用して、陽極及び無機絶縁膜上を親液性とし、有機バンクの表面を撥液性とすることで、陽極上に発光機能層のインクを成膜する際に、インクが有機バンクの周辺にこぼれるのを抑制している。
特開2002−318553号公報 特開2002−237383号公報
しかしながら、このような湿式成膜法を利用した製造方法においては、有機バンクにインクが這い上がり、或いは、インクがはじかれることにより、発光機能層を十分な膜厚で形成することができず、結果的に発光機能層の膜厚が不均一になるという問題があった。
また、有機バンクと陽極とが接触してしまうと、当該接触部の近傍において発光機能層がはじかれてしまい、陽極の露出部分が形成され、陰極と陽極とが短絡してしまうという問題があった。
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、発光機能層を均一な膜厚で形成でき、絶縁破壊の抑制を実現でき、短絡が無く、高い信頼性を実現できる有機エレクトロルミネッセンス装置、及び有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明の有機EL装置は、第1電極及び第2電極の間に発光機能層を備え、当該発光機能層を複数の画素領域の各々において発光させる有機EL装置であって、前記発光機能層は、液体材料が乾燥して形成されたものであり、前記複数の画素領域の相互間には、前記発光機能層を隔離する隔壁が設けられ、前記第1電極は、前記隔壁と非接触に設けられ、前記発光機能層は、前記第1電極を被覆すると共に、当該第1電極の周辺において前記第1電極の下地絶縁膜と接触して設けられていること、を特徴としている。
ここで、第1電極は、隔壁と非接触に設けられていることから、隔壁間において島状に設けられた構成となる。そして、第1電極上に発光機能層の液体材料が塗布され、当該液体材料が乾燥することによって発光機能層が形成される。また、当該発光機能層は、第1電極を被覆して形成されるだけでなく、第1電極の周囲を回り込んで下地絶縁膜と接触して形成されるので、第1電極の露出部分は全て発光機能層によって覆われることとなる。具体的には、第1電極と隔壁との間や、第1電極と第2電極との間に発光機能層を介在することとなる。
本発明によれば、第1電極と隔壁とが接触することが無く、また、第1電極と第2電極とが接触することもないので、絶縁破壊の抑制を実現でき、短絡が無く、高い信頼性の有機EL装置を実現できる。
また、第1電極上において、当該第1電極と接触する発光機能層の膜厚を均一にすることができるので、当該膜厚が均一な部分のみを発光させることができる。
また、従来においては、隔壁と第1電極との間に画素開口膜が設けられていたが、本発明によれば、当該画素開口膜を形成する必要がないため、工程を短縮することができる。
また、有機EL装置の製造工程において問題となっていた端子部分の電食を回避することができるばかりか、有機EL装置の製造工程において問題となっていた、画素開口膜のエッチングに起因する端子部分の電食をも回避することができる。
また、本発明の有機EL装置においては、前記第1電極の直下の前記下地絶縁膜には、前記第1電極とスイッチング素子とを接続するコンタクトホールが設けられ、電力配線から供給される駆動電力が、前記スイッチング素子により制御され、前記第1電極上の前記発光機能層を発光させること、を特徴としている。
このようにすれば、スイッチング素子が動作すると、駆動電力が第1電極の直下のコンタクトホールを経て第1電極に供給される。そして、第1電極と第2電極との間において発光機能層が発光する。
従って、本発明によれば、電力配線から供給される駆動電力が、スイッチング素子により制御され、島状の第1電極の直下に位置するコンタクトホールを通じて発光機能層を発光させることができる。
また、従来においては、隔壁と下地絶縁膜との間に第1電極を引き出して、隔壁の直下に位置するスイッチング素子によって発光機能層の発光を制御する構成が提案されている。しかしながら、この構成では、第1電極と隔壁とが接触してしまい、当該接触部近傍で絶縁破壊が生じやすくなるという問題がある。
これに対して、本発明は、このような構成ではなく、第1電極の直下のコンタクトホールを通じてスイッチング素子と接続する構成となっているので、第1電極と隔壁とが非接触に保たれ、当該接触部近傍における絶縁破壊を抑制できる。
また、本発明の有機EL装置においては、前記第1電極の周辺において、前記第1電極の側面と前記下地絶縁膜とがなす角度は鋭角であること、を特徴としている。
これにより、第1電極の角部(第1電極の側面と平面とがなす角部)が鈍角となる。
ここで、第1電極の角部が角張っている場合では、発光機能層の液体材料の濡れ性が悪く、また、角部では電荷集中により絶縁破壊が生じ易いという問題がある。そこで、本発明のように、第1電極の側面と前記下地絶縁膜とがなす角度を鋭角にすることで、発光機能層の液体材料の濡れ性を向上させ、電荷集中を抑制することができ、絶縁破壊を確実に抑制できる。
また、本発明の有機EL装置においては、前記下地絶縁膜は、親液性を有する絶縁膜、例えば酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、又は酸窒化シリコン膜等であること、を特徴としている。
このようにすれば、下地絶縁膜が親液性を有することとになるので、発光機能層の液体材料を第1電極の周囲における下地絶縁膜上に濡れ広がらせることができる。従って、第1電極と隔壁との間に発光機能層を確実に介在させることができ、第1電極と隔壁とが接触することが無く、また、第1電極と第2電極とが接触することもないので、絶縁破壊の抑制を実現できる。
また、本発明の有機EL装置においては、前記画素領域を規定する第1電極と、前記発光機能層を隔離する隔壁の間隔が、5μm以上であること、を特徴としている。
このようにすれば、インクジェット法等で正孔注入層やEL層を形成する場合、インクの隔壁への這い上がりの画素領域への影響を最小限に押さえることができ、結果として均一な表示を行うことが出来る。
また、本発明の有機EL装置においては、前記画素領域を規定する第1電極と、前記発光機能層を隔離する隔壁の形状が、円形、楕円形、トラック形状、または角のR>3μmである長方形であること、を特徴としている。
このようにすれば、インクジェット法等で正孔注入層やEL層を形成する場合、前記画素領域全面に均一にインクが行き渡り、均一な層を形成でき、結果として均一な表示を行うことが出来る。
また、本発明の有機EL装置の製造方法は、第1電極及び第2電極の間に発光機能層を備え、当該発光機能層を複数の画素領域の各々において発光させる有機EL装置の製造方法であって、前記複数の画素領域の相互間に前記発光機能層を隔離する隔壁を形成し、前記隔壁と非接触の位置に前記第1電極を形成し、湿式成膜法を利用して、前記発光機能層を形成し、前記発光機能層の少なくとも一部を、前記第1電極に被覆させると共に、当該第1電極の周辺において前記第1電極の下地絶縁膜と接触させること、を特徴としている。
ここで、湿式成膜法としては、液滴吐出法が好適に採用される。当該液滴吐出法は、複数の画素領域の各々に対して所定の吐出量かつ所定位置に液体材料を吐出可能とする方法である。また、湿式成膜法を施した後には、液体材料を乾燥させる乾燥工程が行われる。これにより、液体材料に含まれる溶媒を除去して、固形分のみを残留させることが可能となる。
従って、このような方法を利用して発光機能層を形成すると、当該発光機能層は、第1電極を被覆して形成されるだけでなく、第1電極の周囲を回り込んで下地絶縁膜と接触して形成されるので、第1電極の露出部分は全て発光機能層によって覆われることとなる。具体的には、第1電極と隔壁との間や、第1電極と第2電極との間に発光機能層を介在することとなる。
本発明によれば、第1電極と隔壁とが接触することが無く、また、第1電極と第2電極とが接触することもないので、絶縁破壊の抑制を実現でき、短絡が無く、高い信頼性の有機EL装置を実現できる。
また、第1電極上において、当該第1電極と接触する発光機能層の膜厚を均一にすることができるので、当該膜厚が均一な部分のみを発光させることができる。
また、従来においては、隔壁と第1電極との間に画素開口膜が設けられていたが、本発明によれば、当該画素開口膜を形成する必要がないため、工程を短縮することができる。
また、有機EL装置の製造工程において問題となっていた端子部分の電食を回避することができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
なお、この実施の形態は、本発明の一部の態様を示すものであり、本発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下に示す各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を異ならせてある。
(有機EL装置)
まず、本発明の有機EL装置の一実施形態を説明する。
図1は、本実施形態の有機EL装置の配線構造を示す模式図であり、図1において符号1は有機EL装置である。
この有機EL装置1は、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下TFTと称する。)を用いたアクティブマトリクス方式のもので、複数の走査線101…と、各走査線101に対して直角に交差する方向に延びる複数の信号線102…と、各信号線102に並列に延びる複数の電源線103…とからなる配線構成を有し、走査線101…と信号線102…との各交点付近に画素領域X…を形成したものである。
信号線102には、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン及びアナログスイッチを備えるデータ線駆動回路100が接続されている。また、走査線101には、シフトレジスタ及びレベルシフタを備える走査線駆動回路80が接続されている。
更に、画素領域Xの各々には、走査線101を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用TFT(スイッチング素子)112と、このスイッチング用TFT112を介して信号線102から共有される画素信号を保持する保持容量113と、該保持容量113によって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用TFT(スイッチング素子)123と、この駆動用TFT123を介して電源線103に電気的に接続したときに該電源線103から駆動電流が流れ込む画素電極(第1電極)23と、当該画素電極23と陰極(第2電極)50との間に挟み込まれた発光機能層110とが設けられている。
次に、本実施形態の有機EL装置1の具体的な態様を、図2〜図4を参照して説明する。ここで、図2は有機EL装置1の構成を模式的に示す平面図である。図3及び図4は有機EL装置1における一つの画素領域Xの構成を説明するための図であって、図3は断面拡大図であり、図4は平面拡大図である。
まず、図2を参照し、有機EL装置1の構成を説明する。
図2に示すように本実施形態の有機EL装置1は、光透過性と電気絶縁性とを備える基板20と、スイッチング用TFT112に接続された画素電極23が基板20上にマトリックス状に配置されてなる画素領域X(図1参照)と、画素領域Xの周囲に配置されるとともに各画素電極に接続される電源線103…と、少なくとも画素領域X上に位置する平面視ほぼ矩形の画素部3(図2中一点鎖線枠内)とを備えて構成されている。
なお、本実施形態において画素部3は、中央部分の実表示領域4(図中二点鎖線枠内)と、実表示領域4の周囲に配置されたダミー領域5(一点鎖線および二点鎖線の間の領域)とに区画されている。
実表示領域4においては、画素領域Xに対応して設けられた表示領域RGBが紙面左右方向に規則的に配置されている。また、表示領域RGBの各々は、紙面縦方向において同一色で配列しており、所謂ストライプ配置を構成している。また、表示領域RGBの各々は、画素領域XのTFT112,123の動作に伴って、赤色発光(R)、緑色発光(G)、及び青色発光(B)で発光する発光機能層110を備えた構成となっている。そして、表示領域RGBが一つのまとまりとなって、表示単位画素が構成されており、当該表示単位画素はRGBの発光光を混色させてフルカラー表示を行うようになっている。
また、実表示領域4の図2中両側には、走査線駆動回路80、80が配置されている。この走査線駆動回路80、80は、ダミー領域5の下層側に位置して設けられている。
また、実表示領域4の図2中上方側には検査回路90が配置されており、この検査回路90はダミー領域5の下層側に配置されて設けられている。この検査回路90は、有機EL装置1の作動状況を検査するための回路であって、例えば検査結果を外部に出力する検査情報出力手段(図示せず)を備え、製造途中や出荷時における有機EL装置の品質、欠陥の検査を行うことができるように構成されている。
走査線駆動回路80および検査回路90の駆動電圧は、所定の電源部から駆動電圧導通部(不図示)及び駆動電圧導通部(不図示)を介して印加されている。また、これら走査線駆動回路80及び検査回路90への駆動制御信号および駆動電圧は、この有機EL装置1の作動制御を司る所定のメインドライバなどから駆動制御信号導通部(不図示)及び駆動電圧導通部(不図示)を介して送信および印加されるようになっている。なお、この場合の駆動制御信号とは、走査線駆動回路80および検査回路90が信号を出力する際の制御に関連するメインドライバなどからの指令信号である。
次に、図3を参照して、表示領域RGBにおける画素領域Xについて説明する。
なお、図3は、一つの画素領域Xのみを示しているが、表示領域RGBを構成する他の画素領域は、発光機能層の材料のみが異なり、基本構造が同一であることから、説明を省略している。
図3に示すように、画素領域Xは、基板20上に、駆動用TFT123と、層間絶縁膜(下地絶縁膜)30と、有機バンク(隔壁)40と、画素電極23と、発光機能層110と、陰極50と、封止層55とが順次積層された構成となっている。
基板20は、ガラス基板である。なお、材料としてガラスを限定するものではなく、例えば、石英、樹脂(プラスチック、プラスチックフィルム)等の材料を採用してもよい。このような透明性或いは半透明性の材料を採用することにより、基板20側から発光光を取り出す所謂ボトムエミッション型の有機EL装置を製造することが可能となる。また、後述するように、封止基板側から発光光を取り出す所謂トップエミッション型においては、基板20の材料として金属基板等の非透明性材料を採用してもよい。
駆動用TFT123は、ソース領域、ドレイン領域、及びチャネル領域とからなる半導体層と、当該半導体層上に設けられたゲート絶縁膜と、当該ゲート絶縁膜を介在させて半導体層に対向配置されたゲート電極とから構成されている。
また、駆動用TFT123において、ソース領域には既述の電源線103(図1参照)に接続されたソース電極が接続され、ドレイン領域には後述する画素電極23がコンタクトホール27を介して接続されている。また、ゲート電極は、既述のスイッチング用TFT112と保持容量113とに接続されている。従って、駆動用TFT123のゲート信号は、スイッチング用TFT112のスイッチング動作によって付与され、保持容量113によって保持されるようになっている。
層間絶縁膜30は、酸化シリコン膜(SiO)であって、駆動用TFT123と画素電極23とを絶縁させるものである。また、層間絶縁膜30には、画素電極23の直下の位置に、エッチング法によって形成されたコンタクトホール27が設けられている。
また、層間絶縁膜30が酸化シリコン膜であることから、層間絶縁膜30に対する表面処理として酸素プラズマ処理を施すと、当該層間絶縁膜30の表面の親液性を向上させることが可能となる。また、有機バンク40に施すCFプラズマ処理が施されても、撥液化され難くすることができる。
また、層間絶縁膜30は、その材料自身によって駆動用TFT123を埋設し、当該駆動用TFT123の形状に起因する凸部を平坦化させていることから、平坦化膜としても機能する層膜である。従って、層間絶縁膜30上に形成される画素電極23の表面も平坦になるので、液滴吐出法によって塗布される発光機能層110の液体材料を、画素電極23の平坦面上に形成することが可能となり、発光機能層110の平坦化及び膜厚均一化を促進させることか可能となる。
なお、本実施形態においては、層間絶縁膜30として酸化シリコン膜を採用したが、これに限定することなく、窒化シリコン膜(SiN)や酸窒化シリコン膜(SiON)など、この上に形成する正孔注入溶液、または分散液と親液性を持つ膜を採用してもよい。
画素電極23は、その材料として透明導電膜が採用される。当該透明導電膜としては、インジウム錫酸化物(ITO)や、酸化インジウム・酸化亜鉛系アモルファス透明導電膜(Indium Zinc Oxide :IZO/アイ・ゼット・オー)(登録商標))(出光興産社製)等を用いることができる。なお、本実施形態ではITOを用いるものとする。また、トップエミッション型である場合には、特に光透過性を備えた材料を採用する必要はなく、例えばITOの下層側にAl等を設けて反射層として用いることもできる。
また、上記のように画素電極23の直下の位置に、層間絶縁膜30にはコンタクトホール27が設けられているので、画素電極23を形成する際に、画素電極23と駆動用TFT123のドレイン領域とを接続される。従って、スイッチング用TFT112の動作に伴って、駆動用TFT123が画素電極23に駆動電流を供給するようになっている。
また、画素電極23は、有機バンク40と非接触に設けられており、即ち、画素電極23の周囲には、層間絶縁膜30の表面が露出するようになっている。
また、画素電極23の断面形状としては、画素電極23の側面と層間絶縁膜30とがなす角度が鋭角となっている。具体的には、80°以下であればよい。また、画素電極23の材料としてIZOを採用すると、鋭角を容易に形成することができる。これにより、画素電極23の角部(画素電極23の側面と平面とがなす角部)が鈍角となる。
有機バンク40は、画素領域Xの両側に設けられており、複数の画素領域Xの相互間に設けられ、発光機能層110を画素領域Xの間で隔離するものである。
また、有機バンク40の材料としては、アクリル樹脂やポリイミド樹脂等の有機物が好適であり、また、非感光性樹脂又は感光性樹脂が採用される。
また、有機バンク40,40間には、開口部41が形成されており、画素電極23上に塗布形成される発光機能層110を受容するようになっている。即ち、開口部41は、有機バンク40によって囲まれた液滴受容部として機能する。また、有機バンク40の表面には、撥液性が付与されているので、液滴吐出法によって吐出される発光機能層100の液体材料を開口部41内に留めると共に、開口部41内に液体材料を好適に濡れ広がらせることが可能となる。
発光機能層110は、画素電極23上に形成された正孔注入層(発光機能層)70と、当該正孔注入層70上に形成された有機EL層(発光機能層)60とが積層されて構成されている。
正孔注入層70の形成材料としては、特に3,4−ポリエチレンジオシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)の分散液、即ち、分散媒としてのポリスチレンスルフォン酸に3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンを分散させ、さらにこれを水に分散させた分散液が好適に用いられる。
なお、正孔注入層70の形成材料としては、前記のものに限定されることなく種々のものが使用可能である。例えば、ポリスチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレンやその誘導体などを、適宜な分散媒、例えば前記のポリスチレンスルフォン酸に分散させたものなどが使用可能である。
有機EL層60を形成するための材料としては、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の発光材料が用いられる。また、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色の有機EL層60を複数の画素電極41a毎に設けることで、フルカラー表示が可能な有機EL装置となる。
有機EL層60の形成材料として具体的には、(ポリ)フルオレン誘導体(PF)、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)などのポリシラン系などが好適に用いられる。また、これらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子材料をドープして用いることもできる。
また、赤色の有機EL層60の形成材料としては例えばMEHPPV(ポリ(3−メトキシ6−(3−エチルヘキシル)パラフェニレンビニレン)を、緑色の有機EL層60の形成材料としては例えばポリジオクチルフルオレンとF8BT(ジオクチルフルオレンとベンゾチアジアゾールの交互共重合体)の混合溶液を、青色の有機EL層60の形成材料としては例えばポリジオクチルフルオレンを用いる場合がある。また、このような有機EL層60については、特にその厚さについては制限がなく、各色毎に好ましい膜厚が調整されている。
このような正孔注入層70及び有機EL層60は、図3に示すように画素電極23よりも広い面積で形成され、当該画素電極23を被覆し、層間絶縁膜30と接触して形成されている。また、図4の画素領域Xの平面図に示すように、有機EL層60は画素電極23よりも広い面積で形成され、画素電極23の周囲を回りこんで層間絶縁膜30と接触して形成されている。従って、非接触状態で形成されている画素電極23及び有機バンク40の間において、正孔注入層70及び有機EL層60が形成されたものとなっている。
画素領域Xの形状としては、ここに示したような楕円形の他、円形、トラック形などが発光機能材料インクを吐出する上で、均一に濡れ広がるため好都合である。画素領域Xの、表示領域全体に対して占める割合を大きくする(画素開口率を広げる)には、画素領域の形状は長方形が好ましいが、その場合画素領域の角が出来る。この角のR>3μmになるように画素領域Xを形成すると、発光機能材料インクの濡れ広がり方が比較的均一となる。
陰極50は、有機EL層60の総面積より広い面積を備え、それを覆うように形成されたもので、有機EL層60上に設けられた低仕事関数の金属からなる第1陰極と、該第1陰極上に設けられて該第1陰極を保護する第2陰極とからなるものである。第1陰極を形成する低仕事関数の金属としては、特に仕事関数が3.0eV以下の金属であるのが好ましく、具体的にはCa(仕事関数;2.6eV)、Sr(仕事関数;2.1eV)、Ba(仕事関数;2.5eV)が好適に用いられる。第2陰極は、第1陰極を覆って酸素や水分などからこれを保護するとともに、陰極50全体の導電性を高めるために設けられたものである。この第2陰極の形成材料としては、化学的に安定で比較的仕事関数が低いものであれば特に限定されることなく、任意のもの、例えば金属や合金などが使用可能であり、具体的にはAl(アルミニウム)やAg(銀)などが好適に用いられる。
封止層55は、陰極50の全面に設けられたものであり、アクリル樹脂やポリイミド樹脂等の有機物からなる封止樹脂である。また、封止層55は、発光機能層110への水分や酸素の侵入を抑制するものであり、当該侵入物の抑制を促進させるための積層構造を構成していてもよい。例えば、封止樹脂と陰極50との間に窒化シリコン膜等のパシベーション膜を形成してもよい。また、ガスバリア性の向上を狙ったAl等の金属薄膜を形成してもよい。更に、有機物と無機物を積層した構造において、内部応力を緩和する緩衝層を形成してもよい。もちろん、缶構造を持つ封止基板で、周辺部のみ接着して、内部に乾燥剤などを挿入しても良い。
なお、本実施形態においては、有機EL層60の表面に陰極50を設けた構成となっているが、これに限定されることなく、有機EL層60と陰極50との間に電子注入層を設けた構成を採用してもよい。
(有機EL装置の製造方法)
次に、有機EL装置の製造方法について説明する。
まず、基板20を用意し、当該基板20の表面を洗浄する。
次に、基板20上に駆動用TFT123を形成する。当該駆動用TFT123の形成方法としては、半導体層やゲート絶縁膜の成膜方法として、例えばCVD法が用いられ、ゲート電極やソース電極の成膜方法として、例えばスパッタ法が用いられる。また、各層のパターニング方法としては、公知のフォトリソグラフィ法及びエッチング法等が用いられる。また、半導体層におけるソース領域及びドレイン領域を形成するには、イオンドーピング法等が採用される。
次に、層間絶縁膜30を形成する。当該層間絶縁膜30形成方法としては、CVD法、スパッタ法、蒸着法等の真空成膜法や、スピンコート法等の湿式成膜法が好適に採用される。また、湿式成膜法においては、無機材料として、−(SiHNH)−を基本ユニットとする化合物であるペルヒドロポリシラザンを採用してもよい。
本実施形態ではまずSiNを400nm、引き続きSiO2を200nmの厚みでCVD法にて製膜した。先に積層したSiNはTFT素子へのイオン成分の浸透を防ぐパシベーションとして作用し、その上に積層したSiO2は親液性の層として作用する。
次に、層間絶縁膜30にコンタクトホール27を形成する。当該コンタクトホール27の形成方法としては、フォトレジスト膜を用いたエッチング処理によるパターニング方法が採用される。具体的には、フォトレジスト膜を層間絶縁膜30上に塗布形成した後に、熱処理、露光処理、現像処理を施してマスク開口部を形成し、そしてエッチング処理を施して当該マスク開口部に対応する層間絶縁膜30を除去することにより、コンタクトホール27が形成される。
次に、画素電極23を形成する。当該画素電極23は、層間絶縁膜30の全面にITO膜(或いはIZO膜)を成膜した後に、フォトリソグラフィ技術によりパターニングすることで形成される。ここで、パターニングの際には、画素電極23の断面形状が、画素電極23の側面と層間絶縁膜30の表面とがなす角度が80°以下となるように形成される。このような画素電極23は、コンタクトホール27に導通するように設けられるので、駆動用TFT123のドレイン領域と画素電極23とが導通される。
また、画素電極23は、有機バンク40と非接触に設けられており、即ち、画素電極23の周囲には、層間絶縁膜30の表面が露出するようになっている。
次に、有機バンク40を形成する。当該有機バンク40の形成方法としては、湿式成膜法が好適に採用される。湿式成膜法としては、スピンコート法、ディップ法、スリットコート法等が採用される。また、成膜後には、熱処理等を施して樹脂の硬化を行い、公知のフォトリソグラフィ技術によってパターニングされることで、開口部41が形成される。ここで、有機バンク40が感光性樹脂からなる場合には、硬化した有機材料膜に対して、マスク露光処理を施し、更に現像処理を施すことでパターニングされ、有機バンク40が形成される。従って、非感光樹脂よりも容易な工程で有機バンク40を形成することが可能となる。
次に、有機バンク40を形成した後に、基板20上において露出状態となっている有機バンク40、層間絶縁膜30、及び画素電極23の表面に対し、プラズマ処理を施す。当該プラズマ処理は、2段階に亘って行われ、最初に酸素プラズマ処理を施し、その後にCFプラズマ処理を施す。
酸素プラズマ処理を施すことにより、有機バンク40、層間絶縁膜30、及び画素電極23の表面には親液性が付与される。また、CFプラズマ処理を施すことにより、有機物からなる有機バンク40の表面には撥液性が付与される。また、当該CFプラズマ処理を施しても、画素電極23及び層間絶縁膜30の親液性は保たれる。
次に、正孔注入層70と有機EL層60を順次積層し、発光機能層110を形成する。
図5は、画素領域Xの断面拡大図であって、正孔注入層70と有機EL層60の形成方法としての液滴吐出法を説明するため図である。
当該液滴吐出法は、水分や酸素が除去された雰囲気内で行われ、例えば、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の不活性ガス雰囲気で行われることが好ましい。
図5に示すように、液体を吐出するための吐出ヘッドHの吐出ノズルNを、有機バンク40の開口部41内に位置する画素電極23に対向させる。ここで、吐出ヘッドHには、正孔注入層70の材料を含有する組成物インクを充填されている。そして、吐出ヘッドHと基板20とを相対移動させながら、吐出ノズルNから1滴当たりの液量が制御されたインク滴Lを吐出する。ここで、有機バンク40の表面には、撥液性が付与されているので、吐出ノズルNから吐出されて有機バンク40に接触したインク滴Lを、開口部41の側に流れ込ませることが可能となる。その後、吐出後のインク滴を乾燥処理して組成物インクに含まれる極性溶媒(液体材料)を蒸発させることにより、正孔注入層70が形成される。
更に、有機EL層60の材料を含有する組成物インクが充填された吐出ヘッドH’を用意する。そして、吐出ヘッドH’と基板20とを相対移動させながら、吐出ノズルNから1滴当たりの液量が制御されたインク滴Lを吐出する。ここで、有機バンク40の表面には、撥液性が付与されているので、吐出ノズルNから吐出されて有機バンク40に接触したインク滴Lを、開口部41の側に流れ込ませることが可能となる。その後、吐出後のインク滴を乾燥処理して組成物インクに含まれる極性溶媒(液体材料)を蒸発させることにより、有機EL層60が形成される。
また、液体吐出法としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換式、電気熱変換方式、静電吸引方式などが挙げられる。帯電制御方式は、材料に帯電電極で電荷を付与し、偏向電極で材料の飛翔方向を制御してノズルから吐出させるものである。また、加圧振動方式は、材料に超高圧を印加してノズル先端側に材料を吐出させるものであり、制御電圧をかけない場合には材料が直進してノズルから吐出され、制御電圧をかけると材料間に静電的な反発が起こり、材料が飛散してノズルから吐出されない。また、電気機械変換方式(ピエゾ方式)は、ピエゾ素子(圧電素子)がパルス的な電気信号を受けて変形する性質を利用したもので、ピエゾ素子が変形することによって材料を貯留した空間に可撓物質を介して圧力を与え、この空間から材料を押し出してノズルから吐出させるものである。また、電気熱変換方式は、材料を貯留した空間内に設けたヒータにより、材料を急激に気化させてバブル(泡)を発生させ、バブルの圧力によって空間内の材料を吐出させるものである。静電吸引方式は、材料を貯留した空間内に微小圧力を加え、ノズルに材料のメニスカスを形成し、この状態で静電引力を加えてから材料を引き出すものである。また、この他に、電場による流体の粘性変化を利用する方式や、放電火花で飛ばす方式などの技術も適用可能である。
上記液体吐出技術のうち、ピエゾ方式は、材料に熱を加えないため、材料の組成に影響を与えにくいという利点を有する。
次に、陰極50を形成する。当該陰極50は、有機EL層60及び有機バンク40を含む基板20上の領域全面に、蒸着法を利用してCaとAlとを順次積層して形成される。
次に、封止層55を形成する。具体的には、基板20上に、例えば熱硬化樹脂または紫外線硬化樹脂からなる封止樹脂を塗布して形成される。また、封止層55を形成する際には、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。大気中で行うと、陰極50にピンホール等の欠陥が生じていた場合に、この欠陥部分から水分や酸素等が陰極50に侵入して陰極50が酸化されるおそれがあるので好ましくない。
また陰極12上に、酸化防止のためにパシベーション膜を形成してもよい。
以上の工程を経ることにより、図3に示す画素領域Xを備える有機EL装置が製造される。
このような有機EL装置の製造方法においては、正孔注入層70及び有機EL層60が画素電極23よりも広い面積で形成され、当該画素電極23を被覆し、画素電極23と有機バンク40との間において層間絶縁膜30と接触して形成される。従って、非接触状態で形成されている画素電極23及び有機バンク40の間において、正孔注入層70及び有機EL層60が形成されたものとなる。
次に、液滴吐出法によって有機EL層60を形成した際に、有機バンク40の表面に有機EL層60が濡れ広がって形成された場合と、有機バンク40の表面にはじかれて有機EL層60が形成された場合と、について説明する。
図3に示す画素領域Xの断面拡大図は、有機EL層60を液滴吐出法によって形成した際に、有機バンク40に対して濡れ広がって有機EL層60が形成された状態を示している。
図6に示す画素領域Xの断面拡大図は、有機EL層60を液滴吐出法によって形成した際に、撥有機バンク40によってはじかれて有機EL層60が形成された状態を示す図である。
図3に示すように、有機EL層60の液体材料がはじかれずに、濡れ広がって形成された場合では、正孔注入層70上において滑らかな曲面を有する有機EL層60が形成される。このような場合では、画素電極23と陰極50とが短絡することなく、当該画素電極23及び陰極50の間に有機EL層60及び正孔注入層70を介在させることができる。
また、図6に示すように、有機EL層60の液体材料がはじかれて形成された場合では、有機EL層60の端部近傍において凹部が形成されてしまい、当該凹部状に陰極50が形成されてしまうため、陰極50が層間絶縁膜30と近接するように形成されてしまう。ところが、本実施形態の有機EL装置においては、画素電極23と有機バンク40とが非接触に形成され、画素電極23の周囲の層間絶縁膜30上に発光機能層110が形成されているので、画素電極23と陰極50とが短絡することがなく、当該画素電極23及び陰極50の間に有機EL層60及び正孔注入層70を介在させることができる。
従って、有機EL層60が濡れ広がってもはじかれても、画素電極23及び陰極50の間に有機EL層60及び正孔注入層70を確実に介在させることができる。
次に、比較例1〜3を参照し、本実施形態の有機EL装置と、従来の有機EL装置とにおける画素領域Xの構造について比較説明する。
なお、比較例1〜3においては、本実施形態の有機EL装置と同一構成には同一符号を付して説明を省略している。
(比較例1)
図7は、従来の有機EL装置における画素領域Xの構成を示す図であって、図7(a)は断面拡大図、図7(b)は平面拡大図である。
図7(a)に示すように、比較例1の有機EL装置は、画素電極23の周縁部と接触するように有機バンク40が形成され、有機バンク40内において画素電極23と駆動用TFT123とが接続された構成となっている。また、図7(b)に示すように、画素電極23上に形成される有機EL層60は、画素電極23よりも小さい面積で形成されている。
このような比較例1の有機EL装置においては、撥液性が付与された有機バンク40と画素電極23とが接触している部分において、正孔注入層70や有機EL層60がはじかれて形成されてしまう。これにより、画素電極23と陰極50とが短絡してしまう。
(比較例2)
図8は、従来の有機EL装置における画素領域Xを示す図であって、図8(a)は断面拡大図、図8(b)は平面拡大図である。
図8(a)に示すように、比較例2の有機EL装置は、画素電極23の一部が有機バンク40内に延在し、当該有機バンク40内において画素電極23と駆動用TFT123とが接続された構成となっている。また、画素電極23の他の部分は、既述の実施形態と同様に、有機バンク40と非接触となっている。また、図8(b)に示すように、画素電極23上に形成される有機EL層60は、画素電極23よりも大きい面積で形成されているものの、駆動用TFT123と接続されるために延在している画素電極23を被覆していない構成となっている。
このような比較例2の有機EL装置においては、有機バンク40と画素電極23とが非接触となっている部分では、正孔注入層70及び有機EL層60が有機バンク40及び画素電極23の間に形成されるため、画素電極23と陰極50とが接触することがない。ところが、駆動用TFT123と導通を得るために、有機バンク40内に延在している画素電極23と、有機バンク40とが接触している部分においては、正孔注入層70や有機EL層60がはじかれて形成されてしまう。これにより、画素電極23と陰極50とが短絡してしまう。
(比較例3)
図9は、従来の有機EL装置における画素領域Xを示す図であって、図9(a)は断面拡大図、図9(b)は平面拡大図である。
図9(a)に示すように、比較例3の有機EL装置は、画素電極23と有機バンク40との間に、親液性の無機バンク(画素開口膜)45が形成され、当該無機バンク45の画素開口45aを通じて画素電極23が露出した構成となっている。これにより、画素電極23上に形成される正孔注入層70及び有機EL層60は、無機バンク45によって濡れ広がり有機バンク40,40間で均一な膜厚として形成されている。また、無機バンク45が介在されていることで、画素電極23と有機バンク40とが非接触状態となる。
また、図9(b)に示すように、画素電極23上に形成される有機EL層60は、無機バンク45の画素開口45aによって、画素電極23との接触面積が調整されたものとなっている。
このような比較例3の有機EL装置においては、画素電極23と陰極50との短絡が防止されるが、無機バンク45が親液性を有しているために、当該無機バンク45上に正孔注入層70及び有機EL層60の液体材料が濡れ広がり、乾燥することによってそのまま残留してしまう。この構成において、発光機能層110が発光すると、画素電極23上の発光機能層110が発光するだけでなく、無機バンク45上の発光機能層110までも発光してしまう。即ち、無機バンク45上の発光機能層110の発光を制御することができない。
また、無機バンク45を設けた構成となっているため、既述の実施形態や比較例1,2の有機EL装置と比較して工程が増加してしまう。また、無機バンク45のパターニング工程において、端子部分の電食が生じてしまうという問題もあった。
上記の比較例1〜3と既述の実施形態とを比較すると、比較例1,2においては、画素電極23と陰極50との間で短絡を回避できないが、既述の実施形態によれば、画素電極23と陰極50との間で短絡を確実に抑制することができる。
また、比較例3においては、無機バンク45に乗り上げた発光機能層110の発光を制御できないが、既述の実施形態によれば、無機バンク45を備えていない構成となっていることで、画素電極23を被覆する発光機能層110のみを発光させ、供給する電流量に応じた発光を制御できる。また、無機バンク45に起因する端子部分の電食が生じることもない。
上述したように、本実施形態の有機EL装置によれば、画素電極23と有機バンク40とが非接触に形成され、画素電極23を被覆しつつ、当該画素電極23の周囲を回り込むように層間絶縁膜30上に発光機能層110が形成されているので、画素電極23と陰極50とが接触することがない。従って、絶縁破壊の抑制を実現でき、短絡が無く、高い信頼性の有機EL装置を実現できる。
また、画素電極23上において、当該画素電極23と接触する発光機能層110の膜厚を均一にすることができるので、当該膜厚が均一な部分のみを発光させることができる。
また、従来においては、有機バンク40と画素電極23との間に無機バンク45を形成する必要がないため、工程を短縮することができる。更に、有機EL装置の製造工程において問題となっていた端子部分の電食を回避することができる。
また、本実施形態の有機EL装置によれば、画素電極23の直下の層間絶縁膜30にコンタクトホール27が設けられ、当該コンタクトホール27を通じて駆動用TFT123と画素電極23とが接続されている。これにより、画素電極23の直下から当該画素電極23に電流を供給して発光機能層110を発光させることができる。従って、画素電極23の一部を有機バンク40に延在させることがないので、当該延在部分における陰極50との短絡も回避できる。
また、本実施形態の有機EL装置によれば、画素電極23の側面と層間絶縁膜30とがなす角度が80°以下で形成されているので、画素電極23の角部が鈍角となり、画素電極23を被覆する発光機能層110の液体材料の濡れ性を向上させることができる。また、角部において電荷集中が抑制されるので、絶縁破壊を確実に防止できる。
(電子機器)
次に、上記実施形態の有機EL装置を備えた電子機器の例について説明する。
図10(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図10(a)において、符号500は携帯電話本体を示し、符号501は有機EL装置を備えた表示部を示している。
図10(b)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図10(b)において、符号600は情報処理装置、符号601はキーボードなどの入力部、符号603は情報処理本体、符号602は有機EL装置を備えた表示部を示している。
図10(c)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図10(c)において、符号700は時計本体を示し、符号701は有機EL装置を備えたEL表示部を示している。
図10(a)〜(c)に示す電子機器は、先の実施形態に示した有機EL装置が備えられたものであるので、表示特性が良好な電子機器となる。
なお、電子機器としては、上記電子機器に限られることなく、種々の電子機器に適用することができる。例えば、ディスクトップ型コンピュータ、液晶プロジェクタ、マルチメディア対応のパーソナルコンピュータ(PC)及びエンジニアリング・ワークステーション(EWS)、ページャ、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネルを備えた装置等の電子機器に適用することができる。
本発明の有機EL装置の配線構造を示す模式図。 本発明の有機EL装置の構成を模式的に示す平面図。 本発明の有機EL装置の一つの画素領域Xの構成を示す断面拡大図。 本発明の有機EL装置の一つの画素領域Xの構成を示す平面拡大図。 本発明の有機EL装置の製造方法を説明するための図。 本発明の有機EL装置の一つの画素領域Xの構成を示す断面拡大図。 従来の有機EL装置における画素領域Xの構成を示す断面拡大図。 従来の有機EL装置における画素領域Xの構成を示す断面拡大図。 従来の有機EL装置における画素領域Xの構成を示す断面拡大図。 本発明の有機EL装置を備える電子機器を示す図。
符号の説明
1 有機EL装置(有機エレクトロルミネッセンス装置)、 23 画素電極(第1電極)、 27 コンタクトホール、 30 層間絶縁膜(下地絶縁膜)、 40 有機バンク(隔壁)、 50 陰極(第2電極)、 60 有機EL層(発光機能層)、 70 正孔注入層(発光機能層)、 110 発光機能層、 123 駆動用TFT(スイッチング素子)、 X 画素領域。

Claims (7)

  1. 第1電極及び第2電極の間に発光機能層を備え、当該発光機能層を複数の画素領域の各々において発光させる有機エレクトロルミネッセンス装置であって、
    前記発光機能層は、液体材料が乾燥して形成されたものであり、
    前記複数の画素領域の相互間には、前記発光機能層を隔離する隔壁が設けられ、
    前記第1電極は、前記隔壁と非接触に設けられ、
    前記発光機能層は、
    前記第1電極を被覆すると共に、当該第1電極の周辺において前記第1電極の下地絶縁膜と接触して設けられていること、
    を特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
  2. 前記第1電極の直下の前記下地絶縁膜には、前記第1電極とスイッチング素子とを接続するコンタクトホールが設けられ、
    電力配線から供給される駆動電力が、前記スイッチング素子により制御され、前記第1電極上の前記発光機能層を発光させること、
    を特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  3. 前記第1電極の周辺において、
    前記第1電極の側面と前記下地絶縁膜とがなす角度は鋭角であること、
    を特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  4. 前記下地絶縁膜は、親液性を有する絶縁膜、例えば酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、又は酸窒化シリコン膜等であること、
    を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  5. 前記画素領域を規定する第1電極と、前記発光機能層を隔離する隔壁の間隔が、5μm以上であること、
    を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  6. 前記画素領域を規定する第1電極と、前記発光機能層を隔離する隔壁の形状が、円形、楕円形、トラック形状、または角のR>3μmである長方形であること、
    を特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  7. 第1電極及び第2電極の間に発光機能層を備え、当該発光機能層を複数の画素領域の各々において発光させる有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法であって、
    前記複数の画素領域の相互間に前記発光機能層を隔離する隔壁を形成し、
    前記隔壁と非接触の位置に前記第1電極を形成し、
    湿式成膜法を利用して、前記発光機能層を形成し、
    前記発光機能層の少なくとも一部を、前記第1電極に被覆させると共に、当該第1電極の周辺において前記第1電極の下地絶縁膜と接触させること、
    を特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。



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