JP2004004611A - 配線基板、電子装置、電気光学装置、並びに電子機器 - Google Patents

配線基板、電子装置、電気光学装置、並びに電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】導電性部位によって生じる寄生容量を小さくするなど、性能の安定化を図る。
【解決手段】基体15上には、4以下の低誘電率の部材18が配置されるとともに、低誘電率の部材18によって区画された機能膜140が設けられている。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気光学装置や半導体装置などの電子装置、電子装置に好適な配線基板、表示装置に好適な電気光学装置電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
表示装置として、液晶素子、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと称す)素子を備えた液晶表示装置や有機EL表示装置などの電気光学装置がある。特に、有機EL表示装置は、高輝度で自発光であること、直流低電圧駆動が可能であること、応答が高速であること等から表示性能に優れている。また、表示装置の薄型化、軽量化、低消費電力化が可能である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】国際公開第WO98/36406号パンフレット
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、電気光学装置では配線間などに生ずる寄生容量によりデータの書き換え動作などに支障をきたすことが知られている。この配線間容量は、配線長等に依存し、配線が長くなるにつれて大きくなるため、例えば、電気光学装置を表示装置として利用する場合、大画面化を妨げる原因となっていた。
また、近年、メモリなどの半導体装置では高度集積化と同時に動作の高速化の要求されている現状において、配線などの導電性部位の間に生ずる容量が問題となっている。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、性能の安定化に適した配線基板、大画面化が可能でかつ長期にわたって安定に動作する電気光学装置、及びこれらを用いた電子機器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の配線基板は、配線を含む基体と、基体の上面に配置された4以下の誘電率を有する部材と、を含み、前記上面には、前記部材が形成されていない領域が設けられていることを特徴とする。
【0007】
通常のシリコン酸化膜の誘電率が4.2であるので、前記部材はそれ低い誘電率を有していることになる。本発明の配線基板によれば、4以下の低誘電率を有する部材が配置されているので、例えば、上記の部材が形成されていない領域に電気光学材料を配置し、その上方に電極などの導電性部位を形成した場合、その導電性部位と前記配線とによって生じる寄生容量を小さくすることができる。
【0008】
本発明の第2の配線基板は、絶縁基板と配線とを含む基体と、基体の上面に配置された部材と、を含み、前記基体の上面には、前記部材が形成されていない領域が設けられており、前記配線は前記絶縁基板と前記上面との間に配置されており、前記部材の誘電率は前記絶縁基板の誘電率より低いことを特徴とする。
前記絶縁基板を表示装置などに用いる場合は、例えば、石英やガラスなどを前記絶縁基板として用いることが望ましく、このような場合、前記部材の誘電率は4以下であることが好ましい。
上記の配線基板において、前記部材の誘電率は3以下、さらには2.5以下であるとより好ましい。また、基体上に、前記領域が複数設けられていてもよい。
【0009】
また、上記の配線基板において、例えば、前記基体に能動素子が含まれる場合、寄生容量が小さくなることにより、より高い周波数あるいは高速の駆動信号により能動素子を動作させることができる。能動素子としては、例えば、トランジスタなどの半導体素子や、MIMなどの2端子素子等が挙げられる。
【0010】
また、上記の基板において、前記部材は、例えば、シリカガラス、アルキルシロキサンポリマー、アルキルシルセスキオキサンポリマー、水素化アルキルシルセスキオキサンポリマー、ポリアリールエーテルのうちいずれかを含むスピンオングラス膜、ダイヤモンド膜、及びフッ素化アモルファス炭素膜等である。
また、前記部材は、多孔質からなってもよい。
具体的には、エアロゲル、多孔質シリカ、フッ化マグネシウムの微粒子を分散したゲル、フッ素系ポリマー、多孔性ポリマー、及び所定の材料に微粒子を含有したものなどが挙げられる。
【0011】
本発明の電子装置は、上記記載の基板の前記領域に対応して機能膜が配置されていることを特徴とする。
上記の電子装置において前記機能膜間には比較的誘電率の低い前記部材が配置されることとなるので、前記機能膜間に生ずる寄生容量を低減することができる。
上記の電子装置において、前記機能膜の上方に電極などの導電膜が配置されている場合、前記配線と前記電極とが前記部材により離間されることになるので、前記電極と前記配線との間に生ずる寄生容量を低減することができる。特に前記配線が信号を供給する場合は、信号の遅延、なまり等の問題を軽減することができる。ここで、導電膜の形成材料としては、例えば、有機導電材料、無機導電材料(金属等)、及びそれらの混合物等を含む。
なお、ここで、上記の電子装置において、前記機能膜の周囲の全てに前記部材が配置されてなるものに限定されない。
【0012】
本発明の第1の電気光学装置は、絶縁基板と配線とを含む基体と、前記基体の上面に配置された複数の画素電極と、前記画素電極の上方に配置された対向電極と、前記複数の画素電極の各々と前記対向電極との間に配置された電気光学材料を含む機能膜と、前記機能膜の周囲に設けられ、前記対向電極と前記上面との間に配置された部材と、を含み、前記部材の誘電率は前記絶縁基板の誘電率より低いことを特徴とする。
上記の電気光学装置において、前記絶縁基板として石英やガラスなど用いることが好ましい。そのような場合、前記部材の誘電率は4以下であることが好ましい。
【0013】
本発明の第2の電気光学装置は、配線とを含む基体と、前記基体の上面に配置された複数の画素電極と、前記画素電極の上方に配置された対向電極と、前記複数の画素電極の各々と前記対向電極との間に配置された電気光学材料を含む機能膜と、前記機能膜の周囲に設けられ、前記対向電極と前記上面との間に配置された部材と、を含み、前記部材の誘電率は4以下であることを特徴とする。
上記の電気光学装置において、前記部材の誘電率は3以下、あるいは2.5以下であるとより好ましい。
【0014】
前記電子光学材料としては例えば有機エレクトロルミネッセンス材料の他に、液晶素子や、電気泳動素子、あるいは電子放出素子に用いられる材料が挙げられる。
上記の電気光学装置において、前記基体は、前記画素電極に接続された能動素子をさらに含み、前記配線は前記能動素子に信号を供給する信号配線を含んでいてもよい。
前記能動素子としては、例えば、トランジスタなどの半導体素子や、MIMなどの2端子素子等が挙げられる。
【0015】
また、上記の電気光学装置において、前記部材は、例えば、シリカガラス、アルキルシロキサンポリマー、アルキルシルセスキオキサンポリマー、水素化アルキルシルセスキオキサンポリマー、ポリアリールエーテルのうちいずれかを含むスピンオングラス膜、ダイヤモンド膜、及びフッ素化アモルファス炭素膜等である。
また、前記部材は、多孔質からなってもよい。
具体的には、エアロゲル、多孔質シリカ、フッ化マグネシウムの微粒子を分散したゲル、フッ素系ポリマー、多孔性ポリマー、及び所定の材料に微粒子を含有したものなどが挙げられる。
【0016】
また、上記の電気光学装置において、前記部材と前記能動素子との間には、物質の透過を抑制するバリア層が設けられているとよい。
前記部材として低誘電率の材料を用いた場合、低誘電率材料は一般に多孔質材料、あるいは、低密度材料であることが多いため、金属や酸素などの物質が透過しやすいので、透過した物質により能動素子の劣化や配線等の腐食等の問題が生ずることがある。これに対して、前記部材と能動素子との間に上記バリア層が設けられていることにより、劣化や腐食等の要因となる物質の透過を抑制することができる。
【0017】
また、上記の電気光学装置において、前記部材は、少なくとも一部が物質の通過を防止する保護膜で覆われているとよい。
前記部材は物質が透過しやすいため、前記部材の少なくとも一部が上記保護膜で覆われていることにより前記部材を介した物質の拡散が抑制される。これにより電気光学装置の内部の配線または能動素子の腐食や劣化を低減することができる。また、低誘電率材料は概して機械的に脆いものが多いので、前記部材に保護膜を設けることにより機械的に補強するという効果も奏する。
【0018】
本発明の電子機器は、上記記載の電子装置を表示手段として備えることを特徴とする。
本発明の電子機器によれば、寄生容量を低減することにより、例えば、高周波数あるいは高速の入力信号に対して追従性の良い安定した表示動作を行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳しく説明する。
図1は、本発明の電気光学装置及び基板の断面構造を概念的に示しており、符号10は電気光学装置、符号11は配線基板である。配線基板11は、基材15上に設けられた薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor、以下、TFTと称す)などの能動素子16と絶縁層とを含む多層配線型からなる。電気光学装置10は、配線基板11上に、機能膜としての発光層を含む複数の発光領域17が設けられたものであり、その発光状態は能動素子16を介して制御される。また、複数の発光領域17の境界には、絶縁層としての仕切り部材(バンク)18が設けられている。
【0020】
本発明の電気光学装置10は、仕切り部材18が低誘電率材料によって形成されていることを特徴としている。仕切り部材18が低誘電率材料によって形成されることにより、配線などの導電性部位間に生じる寄生容量が低減される。
低誘電率材料の誘電率(比誘電率)は例えば4以下であるのが好ましく、3以下、さらには2.5以下であるのがより好ましい。特に、低誘電率材料が空隙率の高い多孔質(ポーラス)からなることにより、上記した低い誘電率の低誘電率材料を得ることができる。
【0021】
低誘電率材料によって仕切り部材18を形成する方法としては、例えば、各種コート法やCVD法(化学的気相成長法)等を用いて層を形成した後、エッチングやアッシング等によりパターニングして所定の形状の仕切り部材18を得ることができる。
【0022】
低誘電率材料としては、例えば、シリカガラス、アルキルシロキサンポリマー、アルキルシルセスキオキサンポリマー、水素化アルキルシルセスキオキサンポリマー、ポリアリールエーテルのうちいずれかを含むスピンオングラス膜、ダイヤモンド膜、及びフッ素化アモルファス炭素膜、などが挙げられる。
【0023】
さらに、低誘電率材料として、例えば、エアロゲル、多孔質シリカ、フッ化マグネシウムの微粒子を分散したゲル、フッ素系ポリマー、多孔性ポリマー、及び所定の材料に微粒子を含有したもの、などを用いてもよい。
【0024】
エアロゲルとしては、例えばシリカエアロゲルや、アルミナを基調としたエアロゲルが用いられる。シリカエアロゲルは、シリコンアルコキシドのゾルゲル反応により形成される湿潤ゲルを超臨界乾燥することによって得られる均一な超微細構造を持った多孔質体である。シリカエアロゲルは体積の90%以上を空隙が占め、残りが樹枝状に凝集した数十nmの微細なSiO粒子で構成された材料である。また、空隙率を変化させることによって誘電率を調整できる。
シリカエアロゲルは、ゾル−ゲル法により湿潤ゲルを作製する工程、湿潤ゲルを熟成させる工程、及び超臨界乾燥法により湿潤ゲルを乾燥してエアロゲルを得る超臨界乾燥工程を経て製造される。超臨界乾燥法は、固相と液相とからなるゼリー状のゲル物質中の液体を超臨界流体と置換、除去することにより、ゲルを収縮させることなくゲル物質を乾燥するのに適した方法であって、高い空隙率を有するエアロゲルが得られる。
なお、上記スピンオングラス膜を形成する際にも、上記の超臨界乾燥法を使用するとよい。超臨界乾燥法を用いることにより被覆性や膜質をより向上させることができる。
【0025】
仕切り部材18をシリカエアロゲルによって形成する際、基材上にコート法によって湿潤ゲルを塗布した後、超臨界乾燥するが、湿潤ゲルに合成樹脂(有機物)を混合してもよい。この場合の合成樹脂は、その熱変性温度が超臨界流体の臨界温度よりも高い合成樹脂である。超臨界流体として例えばアルコールを用いた場合、その熱変性温度がアルコールの臨界温度よりも高い合成樹脂としては、ヒドロキシルプロピルセルロース(HPC)、ポリビニルブチラール(PVB)、エチルセルロース(EC)等が挙げられる(なお、PVB及びECはアルコールに可溶で水には不溶)。溶媒としてエーテルを用いる場合には樹脂として塩素系ポリエチレン等を選択し、またCOを溶媒として用いる場合にはHPC等を選択することが望ましい。
【0026】
多孔質シリカ(多孔性を有するSiO膜)は、プラズマCVD法(プラズマ化学的気相成長法)により形成され、反応ガスとしてSiHとNOが用いられる。さらに、このSiO膜の上に、多孔性を有するSiO膜を形成する。このSiO膜は常圧CVD法(常圧化学的気相成長法)により形成され、TEOS(テトラエトキシシラン)とO(酸素)と低濃度のO(オゾン)とを含む反応ガスを用いる。ここで、低濃度のOとは、上記TEOSの酸化に必要な濃度よりも低い濃度のOを言う。
【0027】
フッ素系ポリマーまたはこれを含む材料としては、例えば、パーフルオロアルキル−ポリエーテル、パーフルオロアルキルアミン、またはパーフルオロアルキル−ポリエーテル−パーフルオロアルキルアミン混合フィルム等が挙げられる。さらには、所定のポリマーバインダーに、可溶性もしくは分散性であるフルオロカーボン化合物を混在したものでもよい。
ポリマーバインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、ポリビニルスルホン酸ナトリウム塩、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリα−トリフルオロメチルアクリル酸、ポリビニルメチルエーテル−コ−無水マレイン酸、ポリエチレングリコール−コ−プロピレングリコール、ポリメタアクリル酸などが挙げられる。
また、フルオロカーボン化合物としては、パーフルオロオクタン酸−アンモニウム塩、パーフルオロオクタン酸−テトラメチルアンモニウム塩、C−7とC−10のパーフルオロアルキルスルホン酸アンモニウム塩、C−7とC−10のパーフルオロアルキルスルホン酸テトラメチルアンモニウム塩、フッ素化アルキル第4級アンモニウムアイオダイド、パーフルオロアジピン酸、およびパーフルオロアジピン酸の第4級アンモニウム塩などが挙げられる。
【0028】
低誘電率材料は、微粒子を用いて微粒子間または微粒子内のミクロボイドとして空隙を形成してもよい。微粒子としては、無機微粒子あるいは有機微粒子を用いることができる。無機微粒子は、非晶質であることが好ましい。無機微粒子は、金属の酸化物、窒化物、硫化物またはハロゲン化物からなることが好ましく、金属酸化物または金属ハロゲン化物からなることがさらに好ましく、金属酸化物または金属フッ化物からなることが最も好ましい。金属原子としては、Na、K、Mg、Ca、Ba、Al、Zn、Fe、Cu、Ti、Sn、In、W、Y、Sb、Mn、Ga、V、Nb、Ta、Ag、Si、B、Bi、Mo、Ce、Cd、Be、PbおよびNiが好ましく、Mg、Ca、BおよびSiがさらに好ましい。二種類の金属を含む無機化合物を用いてもよい。特に好ましい無機化合物は、二酸化ケイ素、すなわちシリカである。
【0029】
無機微粒子内ミクロボイドは、例えば、粒子を形成するシリカの分子を架橋させることにより形成することができる。シリカの分子を架橋させると体積が縮小し、粒子が多孔質になる。ミクロボイドを有する(多孔質)無機微粒子は、ゾル−ゲル法(特開昭53−112732号、特公昭57−9051号の各公報記載)または析出法(APPLIED OPTICS、27、3356頁(1988)記載)により、分散物として直接合成することができる。また、乾燥・沈澱法で得られた粉体を、機械的に粉砕して分散物を得ることもできる。市販の多孔質無機微粒子(例えば、二酸化ケイ素ゾル)を用いてもよい。ミクロボイドを有する無機微粒子は、適当な媒体に分散した状態で使用することが好ましい。分散媒としては、水、アルコール(例:メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール)およびケトン(例:メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)が好ましい。
【0030】
有機微粒子も、非晶質であることが好ましい。有機微粒子は、モノマーの重合反応(例えば乳化重合法)により合成されるポリマー微粒子であることが好ましい。有機微粒子のポリマーはフッ素原子を含むことが好ましい。含フッ素ポリマーを合成するために用いるフッ素原子を含むモノマーの例には、フルオロオレフィン類(例、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、アクリル酸またはメタクリル酸のフッ素化アルキルエステル類およびフッ素化ビニルエーテル類が含まれる。フッ素原子を含むモノマーとフッ素原子を含まないモノマーとのコポリマーを用いてもよい。フッ素原子を含まないモノマーの例には、オレフィン類(例、エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン)、アクリル酸エステル類(例、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類(例、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル)、スチレン類(例、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン)、ビニルエーテル類(例、メチルビニルエーテル)、ビニルエステル類(例、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル)、アクリルアミド類(例、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド)、メタクリルアミド類およびアクリルニトリル類が含まれる。
【0031】
有機微粒子内ミクロボイドは、例えば、粒子を形成するポリマーを架橋させることにより形成することができる。ポリマーを架橋させると体積が縮小し、粒子が多孔質になる。粒子を形成するポリマーを架橋させるためには、ポリマーを合成するためのモノマーの20モル%以上を多官能モノマーとすることが好ましい。多官能モノマーの割合は、30乃至80モル%であることがさらに好ましく、35乃至50モル%であることが最も好ましい。多官能モノマーの例には、ジエン類(例、ブタジエン、ペンタジエン)、多価アルコールとアクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、多価アルコールとメタクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジメタクリレート、1,2,4−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート)、ジビニル化合物(例、ジビニルシクロヘキサン、1,4−ジビニルベンゼン)、ジビニルスルホン、ビスアクリルアミド類(例、メチレンビスアクリルアミド)およびビスメタクリルアミド類が含まれる。粒子間のミクロボイドは、微粒子を少なくとも2個以上積み重ねることにより形成することができる。
【0032】
低誘電率材料として、微細空孔と微粒子状無機物とを有する材料を用いてもよい。この場合、コーティングによって上記材料の層を形成した後、活性化ガス処理を行い、層からガスを離脱させることにより微細空孔を形成する。
また、2種類以上の超微粒子(例えば、MgFとSiO)を混在させてもよい。この場合、超微粒子は、エチルシリケートの熱分解で生じたSiOにより接着している。エチルシリケートの熱分解では、エチル部分の燃焼によって、二酸化炭素と水蒸気も発生する。二酸化炭素と水蒸気が層から離脱することにより、超微粒子の間に間隙が生じる。
また、多孔質シリカよりなる無機微粉末とバインダーとを含有して層を形成してもよいし、含フッ素ポリマーからなる微粒子を2個以上積み重ねることにより、微粒子間に空隙を形成した層を形成してもよい。
【0033】
また、低誘電率材料として、分子構造レベルで空隙率を向上させることが可能な物質、例えばデンドリマーなどの分岐構造を有するポリマーを用いてもよい。
【0034】
仕切り部材18と能動素子16との間には、金属の通過を防止するバリア層20が設けられるのが好ましい。低誘電率材料により形成される仕切り部材18は、多孔質からなる場合が多いことなどから、金属などの物質が透過しやすく、仕切り部材18を透過した金属が能動素子16に侵入すると化学反応により能動素子16が劣化するおそれがある。仕切り部材18と能動素子16との間に上記バリア層20が設けられることにより、能動素子16の劣化が抑制され、素子性能の低下が抑制される。
【0035】
バリア層20の形成材料としては、例えば、セラミックや窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化珪素などの珪素を含む化合物の他に、放熱効果を有する材料、例えば、アルミニウムの窒化物、珪素の炭化物、珪素の窒化物、ホウ素の窒化物、ホウ素のリン化物等を用いることができる。バリア層20が金属バリアの他に放熱効果を有することにより、低誘電率材料からなる仕切り部材18の熱収縮による影響を軽減できる。
また、例えば、希土類元素の1つ(例えば、セリウム、イッテルビウム、サマリウム、エルビウム、イットリウム、ランタン、ガドリニウム、ジスプロシウム、及びネオジウムのうちの少なくとも一つの元素)と、窒素、珪素、アルミニウム、及び酸素を含む材料を用いてもよい。
また、窒化チタン、窒化タンタルなどの導電性を有する層を形成してもよい。導電性を有するバリア層20を形成する場合は、実効的な配線抵抗が上昇しないようにバリア層の厚さや形状が定められる。
こうした材料からなるバリア層は、例えばCVD法、各種コート法、スパッタ法、蒸着法等が用いて形成される。また、バリア層20は単層構造でもよく、複層構造でもよい。
【0036】
仕切り部材18は、少なくとも一部が液体分やガス、あるいは金属などの物質の通過を防止する保護膜21で覆われるのが好ましい。低誘電率材料によって形成される仕切り部材18は物質が侵入しやすいため、製造過程などにおいて、物質の侵入により仕切り部材18の低誘電率性能が低下するおそれがある。仕切り部材18の少なくとも一部が上記保護膜21で覆われていることにより、仕切り部材18の低誘電性が保持され、配線の低容量化が確実に図られる。また、概して低誘電率材料は機械的に脆いが、上記保護膜21によって機械的に補強されるという効果もある。さらに、仕切り部材18を介した物質の拡散が抑制されるため、仕切り部材18を通過した物質が他の領域に影響を及ぼすといったことが回避される。
【0037】
保護膜21の形成材料としては、例えば、セラミックや窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化珪素などが挙げられる。また、仕切り部材18の角に膜を形成する場合には、無機スピンオングラス系、有機スピンオングラス系、PSG(phosphate glass)の他に、柔軟性の高い無機ポリマーや有機ポリマー等が好ましく用いられる。
なお、スピンオングラス系の膜を形成する際、上述した超臨界乾燥法を使用するとよい。超臨界乾燥法を用いることにより被覆性や膜質をより向上させることができる。
こうした材料からなる保護膜21は、各スピンコート法、ディップコート法、ディスペンスコート法、リフロー法などの各種コート法を用いることにより形成できる。なお、保護膜21は単層構造でもよく複層構造でもよい。
また、保護膜21を、上述したバリア層20に代えて形成してもよい。すなわち、能動素子16に面する側も含めて仕切り部材18を保護膜21で覆うことにより、バリア層20を省略してもよい。この場合、上述したバリア層20の形成材料を用いて保護膜21を形成するとよい。
【0038】
このように、本発明の電気光学装置10は、仕切り部材18が低誘電率材料によって形成されることにより、導電性部位間に生じる寄生容量が低減され、動作速度の高速化が図られる。動作速度の高速化に際しては、寄生容量に加えて配線抵抗の低減化も考慮する必要があり、配線構造の全体的な設計が必要である。なお、本発明の配線基板11は、低誘電率材料を仕切り部材以外の他の部分に用いる場合も含む。
【0039】
次に、本発明の電気光学装置及び配線基板を有機EL素子を用いたアクティブマトリクス型の表示装置に適用した実施の形態例について説明する。なお、参照する各図において、層や部材を図面上で認識可能な大きさとするために、縮尺は実際のものと異なる場合がある。
【0040】
図2は、本発明の実施の形態例である有機EL表示装置の構成を模式的に示す図であり、この有機EL表示装置100は、能動素子としてTFTを用いたアクティブ型の駆動方式を採用している。
表示装置100は、基材121の上に、能動素子としてのTFTを含む能動素子部146、発光層、正孔輸送層、及び電子輸送層等を含む機能膜としての有機EL素子140、陰極154、及び封止部147等を順次積層した構造からなる。
【0041】
基材121としては、本例ではガラス基板が用いられる。この他に、シリコン基板、石英基板、セラミックス基板、金属基板、プラスチック基板、プラスチックフィルム基板等、電気光学装置や配線基板に用いられる公知の様々な基材が適用される。
基材121上には、発光領域としての複数の画素領域102がマトリクス状に配列されており、カラー表示を行う場合、例えば、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の各色に対応する画素領域102が所定の配列で並ぶ。
各画素領域102には、画素電極141が配置され、その近傍には信号線132、共通給電線133、走査線131及び図示しない他の画素電極用の走査線等が配置されている。画素領域102の平面形状は、図に示す矩形の他に、円形、長円形など他の形状であってもよい。例えば、有機EL素子を構成する発光層や電子または正孔輸送層などの電荷輸送層をインクジェット法などの液相プロセスを用いて形成する場合は、画素電極の上方に均一に上記の層を形成するためには角が取れた円形や長円形などの形状であるのが好ましい。
【0042】
封止部147は、水や酸素の侵入を防いで陰極154あるいは有機EL素子140の酸化を防止するものであり、基材121に塗布される封止樹脂、及び基材121に貼り合わされる封止基板(封止缶)148等を含む。封止樹脂の材料としては、例えば、熱硬化樹脂あるいは紫外線硬化樹脂等が用いられ、特に、熱硬化樹脂の1種であるエポキシ樹脂が好ましく用いられる。封止基板148は、ガラスや金属等からなり、基材121と封止基板148とはシール剤を介して張り合わされている。基材121の内側には乾燥剤が配置されており、両者の間に形成された空間にはNガスを充填したNガス充填層149が形成されている。
【0043】
図3は、表示装置100の回路構造を示ししている。
図3において、基材121上には、複数の走査線131と、走査線131に対して交差する方向に延びる複数の信号線132と、信号線132に並列に延びる複数の共通給電線133とが配線されている。また、走査線131及び信号線132の各交点に対応して上記画素領域102が形成されている。
信号線132には、例えば、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン及びアナログスイッチを含むデータ側駆動回路103が接続されている。また、走査線131には、シフトレジスタ及びレベルシフタを含む走査側駆動回路104が接続されている。
【0044】
画素領域102には、走査線131を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用の第1のTFT142と、このTFT142を介して信号線132から供給される画像信号を保持する保持容量145と、保持容量145によって保持された画像信号がゲート電極に供給される駆動用の第2のTFT143と、このTFT143を介して共通給電線133に電気的に接続したときに共通給電線133から駆動電流が流れ込む画素電極141(陽極)と、画素電極141と対向電極154(陰極)との間に挟み込まれる有機EL素子140とが設けられている。有機EL素子140は、電気光学材料としての有機エレクトロルミネッセンス材料を含む層(機能膜)であり、有機EL装置は、画素電極141、陰極154、及び有機EL素子140等を含んで構成される。
【0045】
画素領域102では、走査線131が駆動されて第1のTFT142がオンすると、そのときの信号線132の電位が保持容量145に保持され、この保持容量145の状態に応じて、第2のTFT143の導通状態が決まる。また、カレントTFTの導通状態に応じた電流量が画素電極141を介して、共通給電線133から有機EL素子140に供給される。このとき供給される電流量に応じて有機EL素子140の発光強度が決まる。
【0046】
図4(a)、(b)は、有機EL装置の画素領域102の断面構造を模式的に示しており、(a)は、いわゆるトップエミッション型、(b)は、いわゆるバックエミッション型を示している。
図4(a)において、トップエミッション型の有機EL装置では、TFT143が設けられている基材121とは反対側から有機EL素子140の発光光を取り出す構成である。そのため、基材121としては、透明でも不透明でもよい。不透明な基材としては、例えば、アルミナ等のセラミック、ステンレス等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したものの他に、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などが挙げられる。なお、画素電極141を金属膜などの反射性のある膜で構成することが好ましい。また、図4(a)及び(b)において、本例では、画素電極141を陽極とし、対向電極154を陰極としているが、陽極と陰極とを入れ替えた構成としても良い。
【0047】
図4(b)において、バックエミッション型の有機EL装置では、TFT143が設けられている基材121側から有機EL素子140の発光光を取り出す構成である。そのため、基材121としては、透明あるいは半透明なものが用いられる。透明あるいは反透明な基材としては、例えば、ガラス基板、石英基板、樹脂基板(プラスチック基板、プラスチックフィルム基板)等が挙げられ、特に安価なソーダガラス基板が好適に用いられる。なお、ソーダガラス基板を用いる場合、これにシリカコートを施すことにより、酸アルカリに弱いソーダガラスが保護されるとともに、基材の平坦性の向上が図られる。また、基材に色フィルター膜や発光性物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜を配置して、取り出される光の波長を制御するようにしてもよい。
【0048】
また、符号281は、画素領域102の境界に設けられる仕切り部材(バンク)である。仕切り部材281は、有機EL素子140の形成時に、隣接する有機EL素子140同士の材料の混じりを防ぐ等の役割がある。この図では、仕切り部材281は頂辺の長さが底辺の長さより小であるテーパー構造を有しているが、逆に頂辺の長さが底辺の長さと同等あるいは大となるような構造であってもよい。
なお、バックエミッション型の有機EL装置では、TFT143が設けられている基材121側から発光層286の発光光を取り出す構成であるため、光を効率よく取り出すことを目的として、有機EL素子140の真下にTFT143を配置するのを避け、TFT143を仕切り部材281の下に配置するのが好ましい。
【0049】
図5は、仕切り部材281の平面構造の形態例を示している。
仕切り部材281は、複数の画素領域102の境界に位置し、複数の画素領域102の配列に対応して開口を有して形成される。
図5(a)において、仕切り部材281は、マトリクス状に配列される複数の画素領域102に対応して格子状に設けられている。また、図5(b)において、仕切り部材281は、ストライプ状に配列される複数の画素領域102に対応してストライプ状に設けられている。本例では、仕切り部材281は図5(a)に示す格子状の平面構造からなる。なお、画素領域102の配列及び仕切り部材281の平面形状はこれに限定されず、例えば一列ごとにずれた配列となるいわゆるデルタ配列の画素領域とそれに応じた形状としてもよい。また、先の図2に示した画素電極154の形状に応じて、仕切り部材281の形状を定めてもよい。例えば、画素電極が角の取れた円形や長円形などの形状である場合、仕切り部材281もそれに合わせて角のない形状としてもよい。
【0050】
図6は、トップエミッション型の有機EL装置の断面構造を拡大して示している。
図6において、有機EL装置は、基材121と、インジウム錫酸化物(ITO)等の透明電極材料からなる画素電極141(陽極)と、画素電極141から正孔を輸送可能な正孔輸送層285と、電気光学物質の1つである有機EL物質を含む発光層286(有機EL層)と、発光層286の上面に設けられている電子輸送層287と、電子輸送層287の上面に設けられている陰極154(対向電極)と、基材121上に形成されるTFT142、143とを有している。陰極154は、素子全面を覆うように形成されており、画素電極141と対になって有機EL素子140に電子を注入する役割を果たす。この陰極154は、単層構造でもよく複層構造でもよい。また、陰極154の形成材料としては、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、金(Au)、銀(Ag)、カルシウム(Ca)の他に、フッ化リチウム等が挙げられる。これらの材料は単独で使用してもよく、これらの単体材料の積層膜あるいは、合金として使用してもよい。
【0051】
TFT142、143は、本例では、双方ともnチャネル型に形成されている。なお、TFT142、143は、双方ともnチャネル型TFTに限らず、双方またはどちらか一方にpチャネル型のTFTを用いてもよい。
【0052】
TFT142、143は、例えばSiOを主体とする下地保護膜201を介して基材121の表面に設けられており、下地保護膜201の上層に形成されたシリコン等からなる半導体膜204、205と、半導体膜204、205を覆うように、下地保護膜201の上層に設けられたゲート絶縁膜220と、ゲート絶縁膜220の上面のうち半導体膜204、205に対向する部分に設けられたゲート電極229、230と、ゲート電極229、230を覆うようにゲート絶縁膜220の上層に設けられた第1層間絶縁膜250と、ゲート絶縁膜220及び第1層間絶縁膜250にわたって開孔するコンタクトホールを介して半導体膜204、205と接続するソース電極262、263と、ゲート電極229、230を挟んでソース電極262、263と対向する位置に設けられ、ゲート絶縁膜220及び第1層間絶縁膜250にわたって開孔するコンタクトホールを介して半導体膜204、205と接続するドレイン電極265、266と、ソース電極262、263及びドレイン電極265、266を覆うように第1層間絶縁膜250の上層に設けられた第2層間絶縁膜270とを備えている。
なお、トップエミッション型の場合、第2層間絶縁膜270を平坦化膜とするのが好ましい。これにより、光の乱反射を抑制することができる。
【0053】
第2層間絶縁膜270の上面に画素電極141が配置され、画素電極141とドレイン電極266とは、第2層間絶縁膜270に設けられたコンタクトホール275を介して接続されている。
なお、第1層間絶縁膜250と第2層間絶縁膜270の材質が互いに異なる場合、図に示すように、第1層間絶縁膜250に設けられたコンタクトホールと第2層間絶縁膜270に設けられたコンタクトホール275とは、重ならないように形成されるのが好ましい。
【0054】
半導体膜204、205のうち、ゲート絶縁膜220を挟んでゲート電極229、230と重なる領域がチャネル領域246、247とされている。また、半導体膜204、205のうち、チャネル領域246、247のソース側にはソース領域233、236が設けられ、チャネル領域246、247のドレイン側にはドレイン領域234、235が設けられている。このうち、ソース領域233、236が、ゲート絶縁膜220と第1層間絶縁膜250とにわたって開孔するコンタクトホールを介して、ソース電極262、263に接続されている。一方、ドレイン領域234、235が、ゲート絶縁膜220と第1層間絶縁膜250とにわたって開孔するコンタクトホールを介して、ソース電極262、263と同一層からなるドレイン電極265、266に接続されている。画素電極141は、ドレイン電極266を介して、半導体膜205のドレイン領域235に電気的に接続されている。
【0055】
第2層間絶縁膜270の表面のうちの有機EL装置が設けられている以外の部分と陰極154との間には、シリカエアロゲルなどの前述した低誘電率材料によって形成される第3絶縁層としての仕切り部材281が設けられている。仕切り部材281は、低誘電率材料によって形成されていることから、寄生容量が低く抑えられている。
【0056】
仕切り部材281と第2層間絶縁膜270との間には、窒化珪素、酸化窒化珪素、あるいは窒化チタン、窒化タンタル等からなるバリア層271が設けられている。このバリア層271は、仕切り部材281を通過した金属(例えば、アルカリ金属(可動イオン))がTFT142,143に侵入するのを防止する役割を果たす。
【0057】
また、仕切り部材281の側面及び上面は、無機ポリマーあるいは有機ポリマー等からなる保護膜272で覆われている。保護膜272は、液体分やガス、あるいは金属などの物質の仕切り部材281内への侵入を防止するものである。また、この保護膜272により、仕切り部材281を介した物質の拡散が抑制される。なお、仕切り部材281のうち、保護膜272による被覆領域は、図に示したものに限らず、例えば仕切り部材281の全面を保護膜272で覆ってもよい。
【0058】
次に、本発明の電気光学装置の製造方法(配線基板の製造方法を含む)を、上述した有機EL装置を備える表示装置を製造するプロセスに適用した実施例について図7〜図11を参照して説明する。なお、ここでは、前述したTFT142、143を含む有機EL装置と同時に、N型及びP型の駆動回路用のTFTを製造するプロセスについて説明する。
【0059】
まず、図7(a)に示すように、基材121に対し、必要に応じてTEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料としてプラズマCVD法により厚さ約200〜500nmのシリコン酸化膜からなる下地保護膜201を形成する。なお、下地保護膜として、シリコン酸化膜の他に、シリコン窒化膜やシリコン酸化窒化膜を設けてもよい。
【0060】
次に、基材121の温度を約350℃に設定して、下地保護膜の表面に、ICVD法、プラズマCVD法などを用いて厚さ約30〜70nmのアモルファスシリコン膜からなる半導体膜200を形成する。半導体膜200としては、アモルファスシリコン膜に限定されず、微結晶半導体膜などのアモルファス構造を含む半導体膜であればよい。また、アモルファスシリコンゲルマニウム膜などの非晶質構造を含む化合物半導体膜でもよい。
続いて、この半導体膜200に対してレーザアニール法や、急速加熱法(ランプアニール法や熱アニール法など)などの結晶化工程を行い、半導体膜200をポリシリコン膜に結晶化する。レーザアニール法では、例えばエキシマレーザでビームの長寸が400mmのラインビームを用い、その出力強度は例えば200mJ/cmとする。なお、YAGレーザーの第2高調波或いは第3高調波を用いてもよい。ラインビームについては、その短寸方向におけるレーザ強度のピーク値の90%に相当する部分が各領域毎に重なるようにラインビームを走査するのがよい。
【0061】
次に、図7(b)に示すように、フォトリソグラフィ法等を用いたパターニングにより、半導体膜(ポリシリコン膜)200の不要な部分を除去して、TFTの各形成領域に対応して、島状の半導体膜202、203、204、205を形成する。
続いて、TEOSや酸素ガスなどを原料としてプラズマCVD法により厚さ約60〜150nmのシリコン酸化膜または窒化膜(シリコン酸化窒化膜など)からなるゲート絶縁膜220を半導体膜200を覆うように形成する。ゲート絶縁膜220は単層構造でも積層構造でもよい。なお、プラズマCVD法に限らず、熱酸化法などの他の方法を用いてもよい。また、熱酸化法を利用してゲート絶縁膜220を形成する際には、半導体膜200の結晶化も行い、これらの半導体膜をポリシリコン膜とすることができる。
【0062】
次に、図7(c)に示すように、ゲート絶縁膜220の全表面に、ドープドシリコン、シリサイド膜や、アルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステンなどの金属を含むゲート電極形成用導電膜221を形成する。この導電膜221の厚さは例えば200nm程度である。
続いて、ゲート電極形成用導電膜221の表面にパターニング用マスク222を形成し、この状態でパターニングを行なって、図7(d)に示すように、P型の駆動回路用トランジスタを形成する側にゲート電極223を形成する。このとき、N型の画素電極用トランジスタ及びN型の駆動回路用トランジスタの側では、ゲート電極形成用導電膜221がパターニング用マスク222で覆われているので、ゲート電極形成用導電膜221はパターニングされることはない。また、ゲート電極は単層の導電膜で形成してもよく、積層構造としてもよい。
【0063】
次に、図7(e)に示すように、P型の駆動回路用トランジスタのゲート電極223と、N型の画素電極用トランジスタが形成される領域とN型の駆動回路用トランジスタが形成される領域とに残したゲート電極形成用導電膜221をマスクとして、p型不純物元素(本例ではボロン)をイオン注入する。ドーズ量は例えば約1×1015cm−2である。その結果、不純物濃度が例えば1×1020cm−3の高濃度のソース・ドレイン領域224、225がゲート電極223に対して自己整合的に形成される。ここで、ゲート電極223で覆われ、不純物が導入されなかった部分がチャネル領域226となる。
【0064】
次に、図8(a)に示すように、P型の駆動回路用トランジスタの側を完全に覆い、かつ、N型の画素電極用TFT10およびN型の駆動回路用トランジスタの側のゲート電極形成領域を覆うレジストマスク等からなるパターニング用マスク227を形成する。
【0065】
次に、図8(b)に示すように、パターニング用マスク227を使用してゲート電極形成用導電膜221をパターニングし、N型の画素電極用トランジスタおよびN型の駆動回路用トランジスタのゲート電極228、229、230を形成する。
続いて、パターニング用マスク227を残したまま、n型不純物元素(本例ではリン)をイオン注入する。ドーズ量は例えば1×1015cm−2である。その結果、パターニング用マスク227に対して自己整合的的に不純物が導入され、半導体膜203、204、205中に高濃度ソース・ドレイン領域231、232、233、234、235、236が形成される。ここで、半導体膜203、204、205のうち、高濃度のリンが導入されない領域は、ゲート電極228、229、230で覆われていた領域よりも広い。すなわち、半導体膜203、204、205のうち、ゲート電極228、229、230と対向する領域の両側には高濃度ソース・ドレイン領域231、232、233、234、235、236との間に高濃度のリンが導入されない領域(後述する低濃度ソース・ドレイン領域)が形成される。
【0066】
次に、パターニング用マスク227を除去し、この状態でn型不純物元素(本例ではリン)をイオン注入する。ドーズ量は例えば1×1013cm−2である。その結果、図8(c)に示すように、半導体膜203、204、205にはゲート電極228、229、230に対して自己整合的に低濃度の不純物が導入され、低濃度ソース・ドレイン領域237、238、239、240、241、242が形成される。なお、ゲート電極228、229、230と重なる領域には不純物が導入されず、チャネル領域245、246、247が形成される。
【0067】
次に、図8(d)に示すように、ゲート電極228、229、230の表面側に第1層間絶縁膜250を形成し、フォトリソグラフィ法等によってパターニングして所定のソース電極位置、ドレイン電極位置にコンタクトホールを形成する。第1層間絶縁膜250としては、例えば、シリコン酸化窒化膜やシリコン酸化膜等のシリコンを含む絶縁膜を用いるとよい。また、単層でもよく積層膜でもよい。さらに、水素を含む雰囲気中で、熱処理を行い半導体膜の不対結合手を水素終端(水素化)する。なお、プラズマにより励起された水素を用いて水素化を行ってもよい。
続いて、この上からアルミニウム膜、クロム膜やタンタル膜などの金属膜を用いてソース電極、ドレイン電極となる導電膜251を形成する。導電膜251の厚さは例えば200nm〜300nm程度である。導電膜は単層でもよく積層膜でもよい。
続いて、ソース電極、ドレイン電極の位置にパターニング用マスク252を形成するとともに、パターニングを行って、図8(e)に示すソース電極260、261、262、263、及びドレイン電極264、265、266を同時に形成する。
【0068】
次に、図9(a)に示すように、窒化珪素等からなる第2層間絶縁膜270を形成する。この第2層間絶縁膜270の厚さは、例えば1〜2μm程度である。第2層間絶縁膜270の形成材料としては、シリコン酸化膜や有機樹脂などの光を透過可能な材料が用いられる。有機樹脂としてはアクリル、ポリイミド、ポリアミド、BCB(ベンゾシクロブテン)等を用いることができる。
【0069】
次に、図9(b)に示すように、第2層間絶縁膜270をエッチング除去してドレイン電極266に達するコンタクトホール275を形成する。
【0070】
次に、図9(c)に示すように、コンタクトホール275内にも埋め込まれるように、例えばITOやフッ素をドープしてなるSnO、さらにZnOやポリアニリン等の透明電極材料からなる膜を形成し、ソース・ドレイン領域235、236に電気的に接続する画素電極141を形成する。なお、この画素電極141がEL素子の陽極となる。
【0071】
次に、図10(a)に示すように、バリア層271を形成する。バリア層271を形成する位置は、後に仕切り部材281が形成される位置であり、第2層間絶縁膜270上の画素電極141に隣接する位置である。バリア層271の材料は、例えば、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化チタン、窒化タンタル等を用いることができる。バリア層271の形成方法は、材料に応じて適宜選択され、例えばCVD法、コート法、スパッタ法、蒸着法等が用いられる。バリア層271は、例えば、第2層間絶縁膜270及び画素電極141の全面に材料膜を形成し、その後材料膜をフォトリソグラフィ法等によりパターニングすることにより形成される。バリア層271の開口部は、画素電極141の形成位置に対応して設けられる。なお、バリア層271の一部を画素電極141の周縁部と重なるように形成してもよい。
【0072】
次に、9(b)に示すように、シリカエアロゲル、多孔質シリカ等の低誘電率材料を用いて、バリア層271上に仕切り部材281を形成する。例えば、シリカエアロゲルを用いる場合、前述したように、ゾル−ゲル法により湿潤ゲルを作製する工程、湿潤ゲルを熟成させる工程、及び超臨界乾燥法により湿潤ゲルを乾燥してエアロゲルを得る超臨界乾燥工程を経て、基材121上にシリカエアロゲルの層を形成し、その後、エッチングやアッシング等によりパターニングして所定の形状の仕切り部材281を得る。なお、仕切り部材281の底面がバリア層271内におさまるようにパターニングするのが好ましい。
【0073】
次に、図10(c)に示すように、無機ポリマーや有機ポリマー等の材料を用いて保護膜272を形成する。この際、仕切り部材281の上面及び側面を保護膜272で覆うように保護膜272を形成する。保護膜272は、仕切り部材281だけを部分的に塗布することにより形成してもよく、あるいは素子全面に被膜を形成した後、フォトリソグラフィ法等によりパターニングして形成してもよい。この保護膜272により、仕切り部材281が機械的に補強されるとともに、以降の工程における仕切り部材281内への物質の侵入が防止される。なお、仕切り部材281の底面がバリア層271よりも狭く形成されていると、仕切り部材281の壁面の全てが保護膜272及びバリア層271によって覆われ、仕切り部材281内への物質の侵入や仕切り部材281を介した物質の拡散が効果的に防止される。また、次に説明する正孔輸送層の形成材料など、液状の材料を仕切り部材281の開口位置に配置する場合は、その液状の材料に対して撥液性あるいは親液性を有する材質を保護膜272に用いてもよい。あるいはプラズマ処理などの表面処理によって、その液体の材料に対して所望の親和力を付与してもよい。液状の材料に対する保護膜の親和力を制御することにより、液状の材料の配置を容易にしたり、その材料によって形成される膜の平坦性を高めたりすることができる。
【0074】
次に、図11(a)に示すように、画素電極141を覆うように正孔輸送層285を形成する。正孔輸送層285の形成工程では、液滴吐出として例えばインクジェット装置を用いることにより、形成材料を画素電極141上に吐出する。その後、乾燥処理及び熱処理を行い、画素電極141上に正孔輸送層285を形成する。インクジェット方式を用いた層の形成では、例えば、インクジェットヘッドに形成される吐出ノズルH1を画素電極141に対向して配置し、ノズルH1から材料を吐出する。画素電極141の周囲には仕切り部材281が形成されており、ノズルH1と基材121とを相対移動させながら、ノズルH1から1滴当たりの液量が制御された材料を画素電極141上に吐出する。
インクジェット方式の吐出技術としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換式、電気熱変換方式、静電吸引方式などが挙げられる。帯電制御方式は、材料に帯電電極で電荷を付与し、偏向電極で材料の飛翔方向を制御してノズルから吐出させるものである。また、加圧振動方式は、材料に30kg/cm程度の超高圧を印加してノズル先端側に材料を吐出させるものであり、制御電圧をかけない場合には材料が直進してノズルから吐出され、制御電圧をかけると材料間に静電的な反発が起こり、材料が飛散してノズルから吐出されない。また、電気機械変換方式は、ピエゾ素子(圧電素子)がパルス的な電気信号を受けて変形する性質を利用したもので、ピエゾ素子が変形することによって材料を貯留した空間に可撓物質を介して圧力を与え、この空間から材料を押し出してノズルから吐出させるものである。また、電気熱変換方式は、材料を貯留した空間内に設けたヒータにより、材料を急激に気化させてバブル(泡)を発生させ、バブルの圧力によって空間内の材料を吐出させるものである。静電吸引方式は、材料を貯留した空間内に微小圧力を加え、ノズルに材料のメニスカスを形成し、この状態で静電引力を加えてから材料を引き出すものである。また、この他に、電場による流体の粘性変化を利用する方式や、放電火花で飛ばす方式などの技術も適用可能である。
なお、液滴吐出によって正孔輸送層285や後述する発光層286、電子輸送層287を形成する場合、プラズマ処理等を用いて、画素電極141の表面の親液化処理、仕切り部材281表面(保護膜272表面)の撥液化処理を予め行っておくのが好ましい。
また、この正孔輸送層の形成工程を含めこれ以降の工程は、水、酸素の無い雰囲気とする事が好ましい。例えば、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。
【0075】
正孔輸送層285の形成材料としては、特に限定されることなく公知のものが使用可能であり、例えばピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体等が挙げられる。具体的には、特開昭63−70257号、同63−175860号公報、特開平2−135359号、同2−135361号、同2−209988号、同3−37992号、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示されるが、トリフェニルジアミン誘導体が好ましく、中でも4,4’−ビス(N(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニルが好適とされる。
【0076】
また、正孔輸送層に代えて正孔注入層を形成するようにしてもよく、さらに正孔注入層と正孔輸送層を両方形成するようにしてもよい。その場合、正孔注入層の形成材料としては、例えば銅フタロシアニン(CuPc)や、ポリテトラヒドロチオフェニルフェニレンであるポリフェニレンビニレン、1,1−ビス−(4−N,N−ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサン、トリス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウム等が挙げられるが、特に銅フタロシアニン(CuPc)を用いるのが好ましい。正孔注入層と正孔輸送層を両方形成する場合には、例えば、正孔輸送層の形成に先立って正孔注入層を画素電極側に形成し、その上に正孔輸送層を形成するのが好ましい。このように正孔注入層を正孔輸送層とともに形成することにより、駆動電圧の上昇を制御することができるとともに、駆動寿命(半減期)を長くすることができる。
【0077】
次に、図11(b)に示すように、正孔輸送層285上に発光層286を形成する。発光層286の形成工程では、正孔輸送層285と同様に、液滴吐出として例えばインクジェット装置を用いることにより、形成材料を画素電極141上に吐出する。その後に乾燥処理及び熱処理を行い、画素電極141上に発光層286を形成する。また、カラー対応の場合は、青(B)、赤(R)、及び緑(G)の各色に対応した発光層286を所定の配列で形成する。
【0078】
発光層286の形成材料としては、特に限定されることなく、低分子の有機発光色素や高分子発光体、すなわち各種の蛍光物質や燐光物質からなる発光物質が使用可能である。発光物質となる共役系高分子の中ではアリーレンビニレン構造を含むものが特に好ましい。低分子蛍光体では、例えばナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、ペリレン誘導体、ポリメチン系、キサテン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキノリンおよびその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエン誘導体等、または特開昭57−51781、同59−194393号公報等に記載されている公知のものが使用可能である。
【0079】
次に、図11(c)に示すように、発光層286上に電子輸送層287を形成する。電子輸送層287の形成工程では、正孔輸送層285及び発光層286と同様に、液滴吐出として例えばインクジェット装置を用いることにより、形成材料を画素電極141上に吐出する。その後に乾燥処理及び熱処理を行い、画素電極141上に電子輸送層287を形成する。
【0080】
電子輸送層287の形成材料としては、特に限定されることなく、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンおよびその誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンおよびその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンおよびその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体等が例示される。具体的には、先の正孔輸送層の形成材料と同様に、特開昭63−70257号、同63−175860号公報、特開平2−135359号、同2−135361号、同2−209988号、同3−37992号、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示され、特に2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウムが好適とされる。
【0081】
なお、正孔輸送層285の形成材料や電子輸送層287の形成材料を、発光層286の形成材料に混合し、発光層形成材料として使用してもよい。その場合、正孔輸送層形成材料や電子輸送層形成材料の使用量については、使用する化合物の種類等によっても異なるものの、十分な成膜性と発光特性を阻害しない量範囲でそれらを考慮して適宜決定される。通常は、発光層形成材料に対して1〜40重量%とされ、さらに好ましくは2〜30重量%とされる。
【0082】
次に、図11(d)に示すように、基材121の表面全体に、あるいはストライプ状に陰極154(対向電極)を形成する。陰極154は、Al、Mg、Li、Caなどの単体材料の単層構造としてもよく積層構造としてもよい。あるいは、Mg:Ag(10:1合金)などの合金材料の単層構造としてもよく、合金材料からなる層を含む積層構造としてもよい。具体的には、LiO(0.5nm程度)/AlやLiF(0.5nm程度)/Al、MgF/Alといった積層膜が挙げられる。例えば、発光層に近い側には仕事関数が小さい材料を形成することが好ましく、例えばCa、Ba等を用いることが可能であり、また材料によっては下層にLiF等を薄く形成した方が良い場合もある。また、上部側(封止側)には下部側よりも仕事関数が高い材料、例えばAlを用いる事もできる。
これらの陰極154は、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法等で形成することが好ましく、特に蒸着法で形成することが、熱による発光層286の損傷を防止できる点で好ましい。
【0083】
また、陰極154の上部には、蒸着法、スパッタ法、CVD法等により形成したAl膜、Ag膜等を用いることが好ましい。また、その厚さは、例えば100〜1000nmの範囲が好ましく、特に200〜500nm程度がよい。また陰極154上に、酸化防止のためにSiO、SiN等の保護層を設けても良い。
【0084】
以上のプロセスにより、有機EL装置、及びN型及びP型の駆動回路用のTFTが完成する。
この後、有機EL装置が形成された基材121と封止基板148(図6参照)とを封止樹脂により封止する。封止工程は、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。大気中で行うと、陰極154にピンホール等の欠陥が生じていた場合にこの欠陥部分から水や酸素等が陰極154に侵入して陰極154が酸化されるおそれがあるので好ましくない。
さらに、基材121の配線に陰極154を接続するとともに、基材121上あるいは外部に設けられる駆動IC(駆動回路)に回路素子部146(図6参照)の配線を接続することにより、本実施形態の表示装置100が得られる。
【0085】
図12は、有機EL装置の他の形態例を示している。
図12に示す有機EL装置は、上述した例と異なり、ガスや金属イオンの侵入を遮断する封止層(第1封止層300、第2封止層301、及び第3封止層302のうちの少なくとも1つ)を有する。
【0086】
第1封止層300は、第1層間絶縁膜250と第2層間絶縁膜270との間で、ソース電極262、263及びドレイン電極265、266を覆うように形成され、膜厚は例えば50〜500nmである。第1封止層300を構成する材料としては、例えばセラミックや窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化珪素などの材料が用いられる。第1封止層300は、TFT142、143に対して、水分や発光層286(EL層)等からのアルカリ金属(ナトリウム)の侵入を防ぐ。
【0087】
また、第1封止層300を構成する材料として、上記アルカリ金属の封止効果に加え、放熱効果を持つ材料を用いてもよい。こうした材料としては、例えば、B(ホウ素)、C(炭素)、N(窒素)のうちの少なくとも一つの元素と、Al(アルミニウム)、Si(珪素)、P(リン)のうちの少なくとも一つの元素とを含む絶縁膜が挙げられる。例えば、アルミニウムの窒化物、珪素の炭化物、珪素の窒化物、ホウ素の窒化物、ホウ素のリン化物等を用いることができる。さらに、Si、Al、N、O、Mを含む絶縁膜(ただし、Mは希土類元素の少なくとも一種、好ましくはCe(セリウム),Yb(イッテルビウム),Sm(サマリウム),Er(エルビウム),Y(イットリウム)、La(ランタン)、Gd(ガドリニウム)、Dy(ジスプロシウム)、Nd(ネオジウム)のうちの少なくとも一つの元素)を用いることもできる。
【0088】
第2封止層301は、第2層間絶縁膜270と画素電極141との間に形成され、膜厚は例えば50〜500nmである。第2封止層301を構成する材料としては、例えばセラミックや窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化珪素などの材料が用いられる。第2封止層301は、水分や、TFT142、143に対して、水分や発光層286(EL層)等からのアルカリ金属(ナトリウム)の侵入を防ぐ。第2封止層301を構成する材料として、上述した第1封止層に用いられる材料を用いることができる。また、上記アルカリ金属の封止効果に加え、放熱効果を持たせてもよい。
また、この第2封止層301を形成することで、上述したバリア層271を省略してもよい。
【0089】
第3封止層302は、陰極154を覆うように形成され、膜厚は例えば50〜500nmである。第3封止層302を構成する材料としては、例えばセラミックや窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化珪素などの材料が用いられる。第3封止層302は、外部からの水分の侵入を防ぐ。また、第3封止層302を構成する材料として、上述した第1封止層に用いられる材料を用いることができる。また、上記アルカリ金属の封止効果に加え、放熱効果を持たせてもよい。また、図18の有機EL装置は、トップエミッション型であり、第3封止層302は、良好に光を透過させる材質及び厚みで形成されるのが好ましい。
【0090】
また、こうした封止層に代えてあるいは加えて、光の取り出し効率を向上させるための低屈折率層を形成してもよい。低屈折率層は、基材121より光の透過屈折率が低い層であり、例えば前述したシリカエアロゲルによって構成される。ここで、基材121の材料であるガラスの屈折率は1.54、石英の屈折率は1.45である。また、低屈折率層として、多孔性を有するSiO膜やポリマー等の他の材料を用いてもよい。さらに、低屈折率層を構成する材料に、乾燥剤あるいは化学吸着剤を分散させてもよい。これにより、低屈折率層に封止効果を付与することができる。
【0091】
図13は、有機EL装置の他の形態例を示している。
上述した各例では、スイッチング用のTFT142は、いわゆるシングルゲート構造として示しているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、図13に示すように、不図示のゲート線によって2つのゲート電極310、311が電気的に接続されたダブルゲート構造としてもよく、あるいはトリプルゲート構造など、いわゆるマルチゲート構造(直列に接続された2つ以上のチャネル領域を有する半導体膜を含む構造)としてもよい。マルチゲート構造はオフ電流値を低減する上で有利であり、画面の大型化にも有利である。
【0092】
図14(a)及び(b)は、有機EL表示装置の回路の他の例を示している。図14(a)及び(b)に示す回路は、電流を制御することにより、EL素子の通電制御を行う、いわゆる電流プログラム方式の回路である。なお、図14(a)はいわゆるカレントミラー回路を採用している。こうした回路を採用することにより、EL素子の導通状態を一定に保ち、EL層を安定して発光させることができる。また、大画面の表示装置を構成する上でも有利である。
【0093】
発光層の形成材料として高分子発光材料を用いる場合には、側鎖に発光基を有する高分子を用いることができるが、好ましくは共役系構造を主鎖に含むもので、特に、ポリチオフェン、ポリ−p−フェニレン、ポリアリーレンビニレン、ポリフルオレンおよびその誘導体が好ましい。中でもポリアリーレンビニレンおよびその誘導体が好ましい。ポリアリーレンビニレンおよびその誘導体としては、下記化学式(1)で示される繰り返し単位を全繰り返し単位の50モル%以上含む重合体であることが好ましい。繰り返し単位の構造にもよるが、化学式(1)で示される繰り返し単位が全繰り返し単位の70%以上であることがさらに好ましい。
−Ar−CR=CR’−  …(1)
〔ここで、Arは、アリーレン基または複素環化合物基、R、R’はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜20の有機基、ペルフルオロアルキル基、シアノ基からなる群から選ばれた基を示す。〕
【0094】
該高分子発光材料は、化学式(1)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位として、芳香族化合物基またはその誘導体、複素環化合物基またはその誘導体、およびそれらを組み合わせて得られる基などを含んでいてもよい。また、化学式(1)で示される繰り返し単位や他の繰り返し単位が、例えば、エーテル基、エステル基、アミド基、イミド基などを有する非共役の単位で連結されていてもよいし、繰り返し単位にそれらの非共役部分が含まれていてもよい。
【0095】
ポリアリーレンビニレン類としては、例えば、式(2)に示したような、PPV(ポリ(パラ−フェニレンビニレン))、MO−PPV(ポリ(2,5−ジメトキシ−1,4−フェニレンビニレン))、CN−PPV(ポリ(2,5−ビスヘキシルオキシ−1,4−フェニレン−(1−シアノビニレン)))、MEH−PPV(ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシルオキシ)]−パラ−フェニレンビニレン)等のPPV誘導体などが挙げられる。
【0096】
【化1】
Figure 2004004611
【0097】
上記に示した材料以外に、例えば、ポリ(パラフェニレン)、ポリアルキルフルオレン等が挙げられるが、化学式(3)に示すようなポリアルキルフルオレン(具体的には化学式(4)に示すようなポリアルキルフルオレン系共重合体)が特に好ましい。
【0098】
【化2】
Figure 2004004611
【0099】
【化3】
Figure 2004004611
【0100】
なお、前記高分子発光材料は、ランダム、ブロックまたはグラフト共重合体であってもよいし、それらの中間的な構造を有する高分子、例えばブロック性を帯びたランダム共重合体であってもよい。発光の量子収率の高い高分子発光材料を得る観点からは完全なランダム共重合体よりブロック性を帯びたランダム共重合体やブロックまたはグラフト共重合体が好ましい。また、ここで形成する有機EL素子は、薄膜からの発光を利用することから、高分子発光材料は固体状態で良好な発光量子収率を有するものが用いられる。
【0101】
上記の材料のうち、発光層を形成する際の温度において液状の材料、あるいは所望の溶媒に対して良好な溶解性を示す材料を、インクジェット法などの液体材料を用いた発光層の形成に用いることができる。該溶媒としては、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレンなどが好適に用いられる。高分子発光材料の構造や分子量にもよるが、通常はこれらの溶媒に0.1wt%以上溶解させることができる。
【0102】
また、前記高分子発光材料としては、分子量がポリスチレン換算で10〜10であることが好ましい場合があるが、分子量10以下のオリゴマーも使用することができる。
【0103】
所望の高分子発光材料に応じた合成法を採用することにより、当該所望の高分子発光材料を得ることができる。例えば、アリーレン基にアルデヒド基が2つ結合したジアルデヒド化合物と、アリーレン基にハロゲン化メチル基が2つ結合した化合物とトリフェニルホスフィンとから得られるジホスホニウム塩からのWittig反応が例示される。また、他の合成法としては、アリーレン基にハロゲン化メチル基が2つ結合した化合物からの脱ハロゲン化水素法が例示される。さらに、アリーレン基にハロゲン化メチル基が2つ結合した化合物のスルホニウム塩をアルカリで重合して得られる中間体から熱処理により該高分子発光材料を得るスルホニウム塩分解法が例示される。
【0104】
さらに具体的に、前記高分子発光材料の1つの例であるアリーレンビニレン系共重合体の合成法を説明する。例えば、Wittig反応により高分子発光材料を得る場合には、例えば、まず、ビス(ハロゲン化メチル)化合物、より具体的には、例えば2,5−ジオクチルオキシ−p−キシリレンジブロミドをN,N−ジメチルホルムアミド溶媒中、トリフェニルホスフィンと反応させてホスホニウム塩を合成し、これとジアルデヒド化合物、より具体的には、例えば、テレフタルアルデヒドとを、例えばエチルアルコール中、リチウムエトキシドを用いて縮合させるWittig反応により、フェニレンビニレン基と2,5−ジオクチルオキシ−p−フェニレンビニレン基を含む高分子発光材料が得られる。このとき、共重合体を得るために2種類以上のジホスホニウム塩および/または2種類以上のジアルデヒド化合物を反応させてもよい。
【0105】
【化4】
Figure 2004004611
【0106】
これらの高分子発光材料を発光層の形成材料として用いる場合、その純度が発光特性に影響を与えるため、合成後、例えば、再沈精製、クロマトグラフなどによる分別等の精製処理をすることが望ましい。
【0107】
高分子材料の溶解性の低い材料の場合など、例えば、対応する前駆体が塗布した後、化学式(5)に示すように加熱硬化されることによって発光層を得ることができるものがある。例えば、ポリフェニレン−ビニレンが発光層を構成する高分子発光材料である場合、対応する前駆体のスルホニウム塩を発光層となる部位に配置した後、加熱処理することによりスルホニウム基が脱離し、発光層として機能するポリフェニレン−ビニレンを得ることができる。
【0108】
発光層を形成し得る低分子材料としては、可視域の発光を示す物質ならば、基本的に使用可能である。中でも芳香族系の置換基を有する材料が好適である。例えば、アルミキノリノール錯体(Alq)やジスチリルビフェニル、さらに化学式(6)に示すBeBqやZn(OXZ)等の従来より一般的に用いられているものに加え、ピラゾリンダイマー、キノリジンカルボン酸、ベンゾピリリウムパークロレート、ベンゾピラノキノリジン、ルブレン、フェナントロリンユウロピウム錯体等が挙げられる。
【0109】
上記に代表される高分子材料及び低分子材料から、青色、緑色、及び赤色の発光を示す材料を適宜選択し、所定の位置に配置すればカラー表示が可能である。所定の位置に配置する際は、マスク蒸着法、印刷法、あるいはインクジェット法などが使用することができる。
【0110】
【化5】
Figure 2004004611
【0111】
発光層を、媒質として機能するゲストにホストを分散させた、いわゆるホスト/ゲスト型発光層とすることもできる。
ホスト/ゲスト型発光層において、当該発光層の発光色を決定するのは、基本的にはゲスト材料であるので、所望の発光色に応じてゲスト材料を選択することができる。一般には、効率良く蛍光を発する材料が用いられる。ホスト材料は、基本的には、ゲスト材料の発光に関与する励起状態の準位より高いエネルギー準位を有する材料がホスト材料として好適である。キャリアの移動度が高い材料であることも要求される場合があるが、その場合は、上述の高分子発光体の中から選択することもできる。
青色発光を示すゲスト材料としては、例えば、コロネン類、ジスチリルビフェニル類などが挙げられ、緑色発光を示すゲスト材料としては、例えば、キナクリドン類、ルブレン類、などが挙げられ、赤色発光を示すゲスト材料としては、蛍光色素としては、赤色発光を示すゲスト材料としては、例えば、ローダミン類が挙げられる。
ホスト材料は、ゲスト材料に応じて適宜選択することができる。数例を挙げれば、ホスト材料及びゲスト材料を、それぞれ、Zn(OXZ)及びコロネンとした発光層を形成することにより青色発光を示す発光層が得られる。
ゲスト材料としては燐光材料も使用することができる。例えば、化学式(7)に示すIr(ppy)、Pt(thpy)、PtOEPなどが好適に用いられる。
【0112】
【化6】
Figure 2004004611
【0113】
なお、前記の化学式(7)に示した燐光物質をゲスト材料とした場合、ホスト材料としては、例えば、化学式(8)に示すCBP、DCTA、TCPB、あるいはAlqなどが好適に用いられる。
なお、ホスト/ゲスト型発光層は、共蒸着法、あるいはホスト材料とゲスト材料あるいはそれらの前駆体を液状化したものを塗布する方法などにより形成される。
【0114】
【化7】
Figure 2004004611
【0115】
また、上述した例では、発光層の下層として正孔輸送層を形成し、上層として電子輸送層を形成したが、本発明はこれに限定されることなく、例えば正孔輸送層と電子輸送層とのうちの一方のみを形成するようにしてもよく、また、正孔輸送層に代えて正孔注入層を形成するようにしてもよく、さらに発光層のみを単独で形成するようにしてもよい。
【0116】
さらに、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層に加えて、ホールブロッキング層を例えば発光層の対向電極側に形成して、発光層の長寿命化を図ってもよい。このようなホールブロッキング層の形成材料としては、例えば化学式(9)に示すBCPや化学式(10)で示すBAlqが用いられるが、長寿命化の点ではBAlqの方が好ましい。
【0117】
【化8】
Figure 2004004611
【0118】
【化9】
Figure 2004004611
【0119】
なお、以上のように作成された電気光学装置は、アクティブ方式及びパッシブ方式のいずれの方式によっても駆動できることは明らかである。
【0120】
図15〜20は、本発明の電子機器の実施例を示している。
本例の電子機器は、上述した有機EL表示装置等の本発明の電気光学装置を表示手段として備えている。
図15は、テレビ画像やコンピュータ送られる文字や画像を表示する表示装置の一例を示している。図15において、符号1000は本発明の電気光学装置を用いた表示装置本体を示している。なお、表示装置本体1000は、上述した有機EL表示装置を用いることにより、大画面にも対応できる。
また、図16は、車載用のナビゲーション装置の一例を示している。図16において、符号1010はナビゲーション装置本体を示し、符号1011は本発明の電気光学装置を用いた表示部(表示手段)を示している。
また、図17は、携帯型の画像記録装置(ビデオカメラ)の一例を示している。図17において、符号1020は記録装置本体を示し、符号1021は本発明の電気光学装置を用いた表示部を示している。
また、図18は、携帯電話の一例を示している。図18において、符号1030は携帯電話本体を示し、符号1031は本発明の電気光学装置を用いた表示部(表示手段)を示している。
また、図19は、ワープロ、パソコンなどの情報処理装置の一例を示している。図19において、符号1040は情報処理装置を示し、符号1041は情報処理装置本体、符号1042はキーボードなどの入力部、符号1043は本発明の電気光学装置を用いた表示部を示している。
また、図20は、腕時計型電子機器の一例を示している。図20において、符号1050は時計本体を示し、符号1051は本発明の電気光学装置を用いた表示部を示している。
図15〜図20に示す電子機器は、本発明の電気光学装置を表示手段として備えているので、耐久性及び品質の優れた表示を実現することができる。
【0121】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0122】
【発明の効果】
本発明の基板及びその製造方法によれば、例えば、導電性部位によって生じる寄生容量を小さくすることができるなど、性能が安定した基板を実現できる。
【0123】
また、本発明の電子装置及びその製造方法によれば、機能膜の性能を良好に発揮でき、動作の高速化に適していることから、大画面化が可能でかつ長期にわたって安定に動作する電気光学装置を実現できる。
【0124】
また、本発明の電子機器によれば、本発明の電子装置を表示手段として備えることから、追従性の良い安定した表示動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気光学装置及び基板の断面構造を概念的に示す図である。
【図2】本発明の実施の形態例である有機EL表示装置の構成を模式的に示す図である。
【図3】アクティブマトリクス型の有機EL表示装置の回路の一例を示す回路図である。
【図4】画素領域(有機EL装置)の断面構造を模式的に示しており、(a)はトップエミッション型、(b)はバックエミッション型を示している。
【図5】仕切り部材の平面構造の形態例を示している。
【図6】トップエミッション型の画素領域(有機EL装置)の断面構造を拡大して示す図である。
【図7】本発明の電気光学装置の製造方法を有機EL素子を備える表示装置を製造するプロセスに適用した実施例を説明するための図である。
【図8】本発明の電気光学装置の製造方法を有機EL素子を備える表示装置を製造するプロセスに適用した実施例を説明するための図である。
【図9】本発明の電気光学装置の製造方法を有機EL素子を備える表示装置を製造するプロセスに適用した実施例を説明するための図である。
【図10】本発明の電気光学装置の製造方法を有機EL素子を備える表示装置を製造するプロセスに適用した実施例を説明するための図である。
【図11】本発明の電気光学装置の製造方法を有機EL素子を備える表示装置を製造するプロセスに適用した実施例を説明するための図である。
【図12】有機EL装置の他の形態例を示す図である。
【図13】有機EL装置の他の形態例を示す図である。
【図14】有機EL表示装置の回路の他の例を示す図である。
【図15】本発明の電子機器の実施例を示す図である。
【図16】本発明の電子機器の他の実施例を示す図である。
【図17】本発明の電子機器の他の実施例を示す図である。
【図18】本発明の電子機器の他の実施例を示す図である。
【図19】本発明の電子機器の他の実施例を示す図である。
【図20】本発明の電子機器の他の実施例を示す図である。
【符号の説明】
10,100…有機EL表示装置(電気光学装置)
11…配線基板
151,121…基材
16,142,143…TFT(能動素子)
17,102…発光領域
18,281…仕切り部材
20,271…バリア層
21,272…保護膜
140…有機EL素子(機能膜)

Claims (20)

  1. 配線を含む基体と、
    基体の上面に配置された4以下の誘電率を有する部材と、を含み、
    前記上面には、前記部材が形成されていない領域が設けられていることを特徴とする配線基板。
  2. 絶縁基板と配線とを含む基体と、
    基体の上面に配置された部材と、を含み、
    前記基体の上面には、前記部材が形成されていない領域が設けられており、
    前記配線は前記絶縁基板と前記上面との間に配置されており、
    前記部材の誘電率は前記絶縁基板の誘電率より低いことを特徴とする配線基板。
  3. 請求項1または2に記載の配線基板において、
    前記部材の誘電率が3以下であることを特徴とする配線基板。
  4. 請求項1または2に記載の配線基板において、
    前記部材の誘電率が2.5以下であることを特徴とする配線基板。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の配線基板において、
    前記基体には能動素子が含まれることを特徴とする配線基板。
  6. 請求項5に記載の配線基板において、
    前記能動素子と前記部材との間には、物質の透過を抑制するバリア層が設けられていること、
    を特徴とする配線基板。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の配線基板において、
    前記部材は、シリカガラス、アルキルシロキサンポリマー、アルキルシルセスキオキサンポリマー、水素化アルキルシルセスキオキサンポリマー、ポリアリールエーテルのうちいずれかを含むスピンオングラス膜、ダイヤモンド膜、及びフッ素化アモルファス炭素膜、のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする配線基板。
  8. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の配線基板において、
    前記部材は、多孔質材料からなることを特徴とする配線基板。
  9. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の配線基板において、
    前記部材は、エアロゲル、多孔質シリカ、フッ化マグネシウムの微粒子を分散したゲル、フッ素系ポリマー、多孔性ポリマー、及び所定の材料に微粒子を含有したもの、のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする配線基板。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の配線基板の前記領域に対応して機能膜が配置されていることを特徴とする電子装置。
  11. 絶縁基板と配線とを含む基体と、
    前記基体の上面に配置された複数の画素電極と、
    前記画素電極の上方に配置された対向電極と、
    前記複数の画素電極の各々と前記対向電極との間に配置された電気光学材料を含む機能膜と、
    前記機能膜の周囲に設けられ、前記対向電極と前記上面との間に配置された部材と、を含み、
    前記部材の誘電率は前記絶縁基板の誘電率より低いこと、
    を特徴とする電気光学装置。
  12. 配線とを含む基体と、
    前記基体の上面に配置された複数の画素電極と、
    前記画素電極の上方に配置された対向電極と、
    前記複数の画素電極の各々と前記対向電極との間に配置された電気光学材料を含む機能膜と、
    前記機能膜の周囲に設けられ、前記対向電極と前記上面との間に配置された部材と、を含み、
    前記部材の誘電率は4以下であること、
    を特徴とする電気光学装置。
  13. 請求項11または12に記載の電気光学装置において、
    前記電子光学材料は有機エレクトロルミネッセンス材料であることを特徴とする電気光学装置。
  14. 請求項11乃至請求項13のいずれかに記載の電気光学装置において、
    前記基体は、前記画素電極に接続された能動素子をさらに含み、前記配線は前記能動素子に信号を供給する信号配線を含むことを特徴とする電気光学装置。
  15. 請求項11乃至請求項14のいずれかに記載の電気光学装置において、
    前記部材は、シリカガラス、アルキルシロキサンポリマー、アルキルシルセスキオキサンポリマー、水素化アルキルシルセスキオキサンポリマー、ポリアリールエーテルのうちいずれかを含むスピンオングラス膜、ダイヤモンド膜、及びフッ素化アモルファス炭素膜、のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする電気光学装置。
  16. 請求項11乃至請求項14のいずれかに記載の電気光学装置において、
    前記部材は、多孔質からなることを特徴とする電気光学装置。
  17. 請求項11乃至請求項14のいずれかに記載の電気光学装置において、
    前記部材は、エアロゲル、多孔質シリカ、フッ化マグネシウムの微粒子を分散したゲル、フッ素系ポリマー、多孔性ポリマー、及び所定の材料に微粒子を含有したもの、のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする電気光学装置。
  18. 請求項14に記載の電気光学装置において、
    前記部材と前記能動素子との間には、物質の透過を抑制するバリア層が設けられていることを特徴とする電気光学装置。
  19. 請求項11乃至請求項18のいずれかに記載の電気光学装置において、
    前記部材は、少なくとも一部が物質の通過を防止する保護膜で覆われていることを特徴とする電気光学装置。
  20. 請求項11乃至19のいずれかに記載の電気光学装置を表示手段として備えることを特徴とする電子機器。
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