JP2005197027A - 有機el装置の製造方法、有機el装置、及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 有機EL層を形成するための機能性材料を含む液状体を基体上の所定位置に均一に塗布することができ、画素の輝度及び色度の均一性に優れた高画質の画像表示が可能な有機EL装置を製造する方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係る製造方法は、基板P上に、画素電極141と、該画素電極141の形成位置に対応して設けられた開口部111を有するバンク150と、前記画素電極141上に順次積層された有機EL層140と共通電極154とを備えた有機EL装置の製造方法であり、基板P上に前記開口部111を有するバンク150を形成する工程と、前記バンク150内部に前記画素電極141をパターン形成する工程と、前記バンク150及び画素電極141の表面を含む基板P上の領域に所定の撥液処理を施す工程と、前記バンク150の内側に有機EL層形成材料を含む液体材料を液滴吐出法により配する工程とを含む方法である。
【選択図】 図9

Description

本発明は、有機EL装置の製造方法、有機EL装置、及び電子機器に関するものである。
有機EL素子を画素に対応させてなる有機EL装置は、高輝度の自発光が可能であること、直流定電圧駆動が可能であること、及び応答が高速であることなどの優れた表示性能を備え、また薄型化、軽量化が可能であることから、将来的に液晶装置に代わる表示デバイスとして期待されている。
近年、基体上に配列した有機EL素子を画素として表示を行う有機EL装置を、液滴吐出法を用いて製造する方法が提案されている。例えば特許文献1に開示されている製造方法では、以下のような工程によって有機EL装置の製造を行うようになっている。
まず、半導体素子が形成された基板上に画素電極を形成し、その後第1隔壁及び第2隔壁を順次積層して前記画素電極を取り囲む隔壁を設ける。続いて、隔壁及び画素電極の表面を含む領域に撥液処理を施すことにより、有機材料からなる隔壁の表面と、無機材料からなる画素電極の表面とで撥液性に差を生じさせる。次いで、当該隔壁に囲まれる領域の内側に有機EL層を形成するための機能性材料を含む液滴を滴下すると、前記撥液性の差異に基づき画素電極上に選択的に液滴が配置されるようになる。このようにして、画素電極上に均一な有機EL層を形成するようになっている。
特許第3328297号公報
しかし、上記特許文献1に記載の技術では、基板上に画素電極を形成した後、隔壁を形成するための有機材料膜を基板上に形成し、その後、前記画素電極と対応する領域に、フォトリソグラフィ技術等を用いて開口部を形成することにより前記画素電極の表面を露出させている。この場合、ITO(インジウム錫酸化物)や金属膜からなる画素電極を一度有機材料膜により覆うため、エッチング処理により前記有機材料膜を除去したとしても画素電極上に残渣が生じ易くなる。そして、このような残渣がある画素電極上に前記撥液処理を施すと、前記残渣は有機材料であるために撥液化される。すなわち、相対的に親液化されるべき画素電極上の領域に撥液領域が形成されるため、液滴を配した際に画素電極上に濡れ不良が発生する可能性が高くなり、有機EL層の均一性が損なわれて画素の輝度や色度に不均一を生じるおそれがある。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、有機EL層を形成するための機能性材料を含む液状体を基体上の所定位置に均一に塗布することができ、もって画素の輝度及び色度の均一性に優れた高画質の画像表示が可能な有機EL装置を製造する方法を提供することを目的としている。また本発明は、高画質の画像表示が可能な有機EL装置、及び高画質の画像表示部を備えた電子機器を提供することを目的としている。
本発明は、上記課題を解決するために、基体上に、第1電極と、該第1電極の形成位置に対応して設けられた開口部を有する隔壁部と、前記開口部の第1電極上に順次積層された有機EL層と第2電極とを備えた有機EL装置の製造方法であって、基体上に前記開口部を有する隔壁部を形成する隔壁部形成工程と、前記開口部の底部に前記第1電極をパターン形成する第1電極形成工程と、前記隔壁部及び第1電極の表面を含む基体上の領域に所定の撥液処理を施して撥液膜を形成し、前記開口部の内側に有機EL層形成材料を含む液体材料を液滴吐出法により配し有機EL層を形成する有機EL層形成工程とを含むことを特徴とする有機EL装置の製造方法を提供する。
この製造方法によれば、有機EL層を平面的に区画し、仕切部材として機能する隔壁部を、第1電極に先立って形成するので、第1電極を形成した後に隔壁部を形成する場合のように、第1電極の表面が汚染されず、第1電極上の有機材料(隔壁部の構成材料)の残渣に起因する液体材料の濡れ不良を防止できる。これにより、均一な膜厚、膜質の有機EL層を隔壁部の開口部内に形成でき、輝度や色度にばらつきを生じないことから高画質の画像表示が可能であり、また電気的にも安定して動作させることが可能な有機EL装置を製造することができる。
また本発明は、上記課題を解決するために、基体上に、第1電極と、該第1電極の形成位置に対応して設けられた開口部を有する隔壁部と、前記開口部の第1電極上に順次積層された有機EL層と第2電極とを備えた有機EL装置の製造方法であって、基体上に前記開口部を有する隔壁部を形成する隔壁部形成工程と、少なくとも前記隔壁部の一部に撥液膜を形成する撥液膜形成工程と、前記撥液膜を形成していない領域に電極形成材料を含む液体材料を配することにより前記第1電極をパターン形成する第1電極形成工程と、前記第1電極に有機EL層形成材料を含む液体材料を液滴吐出法により配し有機EL層を形成する有機EL層形成工程とを含むことを特徴とする有機EL装置の製造方法を提供する。さらに、前記撥液膜形成工程が、前記開口部の底部にマスク材をパターン形成する工程と、前記マスク材を介して前記隔壁部表面を含む基体上の領域に所定の撥液処理を施す工程と、前記マスク材を除去する工程と、を含むことが望ましい。
この製造方法でも、前記隔壁部を第1電極に先立って形成するので、上記製造方法と同様に、第1電極表面の汚染を防止でき、液体材料の濡れ不良を防止できる。さらに、これにより、均一な膜厚、膜質の有機EL層を隔壁部の開口部内に形成でき、輝度や色度にばらつきを生じないことから高画質の画像表示が可能であり、また電気的にも安定して動作させることが可能な有機EL装置を製造することができる。
また、第1電極をパターン形成する際、公知のフォトリソグラフィを使用せず第1電極を液体材料を選択配置する液相法により形成するので、フォトレジスト等の有機材料を第1電極上に曝さないため、第1電極表面の清浄性を保持する上でさらに有効な製造方法となっており、有機EL層の膜厚、膜質の均一性を高める上で有利である。さらに、基体上の所定位置に必要量のみの電極形成材料を配置するので、材料の使用効率の点でも優れた製造方法である。
また本発明は、上記課題を解決するために、上記製造方法において、前記第1電極形成工程と前記有機EL層形成工程が連続して行われることを特徴とする有機EL装置の製造方法を提供する。本発明の製造方法を用いることにより、第1電極が有機材料に曝されないだけではなく、雰囲気からの第1電極表面の汚染を防止でき、液体材料の濡れ不良を防止できる。
本発明の有機EL装置の製造方法では、前記隔壁部形成工程に先立って、前記基体上に半導体素子を形成する工程と、前記半導体素子を覆う層間絶縁膜を形成する工程と、前記層間絶縁膜に、前記半導体素子と前記第1電極との導電接続構造を成すコンタクトホールを貫設する工程とを含むこともできる。この製造方法によれば、高画質の画像表示が可能なアクティブマトリクス型の有機EL装置を提供することができる。
本発明の有機EL装置の製造方法では、前記隔壁部形成工程に先立って、前記コンタクトホール内に導電部材を埋設する工程を含むこともできる。
この製造方法によれば、層間絶縁膜を介して半導体素子と第1電極とを導電接続するに際して、前記導電部材によりコンタクトホールを埋め込むので、第1電極が形成されるべき層間絶縁膜の表面を平坦に形成でき、この層間絶縁膜上に形成される第1電極、及び有機EL層の膜厚を均一化するのに有利なものとなる。また有機EL層が平坦化されていれば、係る層での電気的短絡が生じ難くなり、電気的に安定した動作が可能な有機EL装置を提供できる。
本発明の有機EL装置の製造方法では、前記導電部材を埋設する工程が、前記層間絶縁膜上に前記コンタクトホールを埋める導電材料層を形成する工程と、前記基体の表面を平滑化して前記層間絶縁膜より上側の前記導電材料層を除去する工程とを含む方法とすることが好ましい。この製造方法によれば、導電部材をコンタクトホールに埋め込みつつ、層間絶縁膜表面を極めて良好に平滑化することができる。
本発明の有機EL装置の製造方法では、前記コンタクトホール上に前記第1電極をパターン形成する工程と、前記有機EL層形成材料を含む液体材料を配する工程との間に、前記コンタクトホールに起因して前記第1電極上に生じた凹部に、絶縁材料を埋設する工程を含むこともできる。このような製造方法とした場合にも、コンタクトホールによって生じる第1電極の凹凸を平坦化することができ、もって有機EL層を平坦化でき、均一な膜厚及び膜質の有機EL層を得ることができる。
本発明の有機EL装置の製造方法では、前記第1電極形成工程において、前記隔壁部の表面に、前記第2電極と接続される補助電極を形成することもできる。この製造方法によれば、前記第2電極と電気的に接続される補助電極を、前記第1電極を同時に効率よく形成でき、また補助電極によって、表示領域を大型化した場合に特に顕著に生じる第2電極での電圧降下を効果的に防止することができる。また、補助電極は導電性に優れる無機材料(例えば金属材料)からなるものとされるので、第2電極を隔壁部の表面に成膜する場合に比して密着性が高く、信頼性に優れた有機EL装置とすることができる。また、本発明の有機EL装置の製造方法では、前記補助電極と前記第1電極は同時に形成することが望ましい。基板上に設けられた撥液膜のパターンを利用して、スリットコート(或いはカーテンコート)、ダイコート法により前記補助電極と前記第1電極を形成することにより、前記補助電極と前記第1電極を同時に形成でき、有機EL装置の製造工程を簡略化することができる。
本発明の有機EL装置の製造方法では、前記開口部内にマスク材を形成する工程において前記隔壁部の表面にもマスク材を形成するとともに、前記電極形成材料を含む液体材料を液滴吐出法により前記基体上に配する工程において、前記隔壁部表面の前記マスク材に覆われていた領域に前記電極形成材料を含む液体材料を配することで、前記補助電極を形成することもできる。この製造方法によれば、前記補助電極についても液滴吐出法を用いた液相法により形成できるので、エッチング工程等が不要になり、また材料の使用効率が向上することで製造コストを低減することができる。
本発明の有機EL装置の製造方法では、前記第1電極形成工程において、前記第1電極を、前記隔壁部の内周端から離間して形成することが好ましい。前記撥液処理により前記隔壁部の表面は撥液化され、第1電極の表面は隔壁部に比して液体材料に対する親和性が高い状態となる。この製造方法では、両者を離間するように第1電極を形成するため、隔壁部の撥液性によって第1電極上での液体材料の不均一が生じるのを防止することができ、有機EL層を均一化する上で有効である。
本発明の有機EL装置の製造方法では、前記層間絶縁膜の少なくとも表面を無機絶縁材料により形成するとともに、前記第1電極と前記隔壁部との間の領域に当該層間絶縁膜を露出させるように前記第1電極をパターン形成することが好ましい。この構成によれば、前記第1電極の外周側に無機材料の層間絶縁膜表面を露出し、この領域に対して撥液処理を行うので、層間絶縁膜の表面も隔壁部に比して液体材料に対する親和性が高い状態となる。従って、液体材料の配置を行った際に液体材料が第1電極上とその外側の層間絶縁膜上で良好に濡れ拡がるようになり、均一な膜厚の有機EL層を形成できるようになる。
本発明の有機EL装置の製造方法では、前記隔壁部を形成するに際して、前記基体又は層間絶縁膜上に、無機材料からなる第1隔壁層を形成する工程と、該第1隔壁層上に有機材料からなる第2隔壁層を形成する工程と、を含むこともできる。
次に、本発明の有機EL装置は、先に記載の有機EL装置の製造方法により得られたものである。この有機EL装置は、前記有機EL層が、先の製造工程による液滴吐出法によって形成されたものであり、従って均一な膜厚と膜質とを有した有機EL層となっているので、有機EL素子の輝度や色度にばらつきを生じ難く、高画質の画像表示が可能な有機EL装置となる。
次に、本発明は、先に記載の本発明の有機EL装置を備えたことを特徴とする電子機器を提供する。この電子機器は、上記本発明の有機EL装置による高画質の画像表示が可能な表示部を備えたものである。
以下、本発明に係る有機EL装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
(液滴吐出装置)
図1は本発明の電気光学装置を製造する際に用いる液滴吐出装置を示す概略斜視図である。また、図2及び図3は液滴吐出装置に設けられた液滴吐出ヘッドを示す図である。
図1において、液滴吐出装置IJは、基板Pの表面(所定面)に液滴(インク滴)を配置可能な成膜装置であって、ベース12と、ベース12上に設けられ、基板Pを支持するステージ(ステージ装置)STと、ベース12とステージSTとの間に介在し、ステージSTを移動可能に支持する第1移動装置14と、ステージSTに支持されている基板Pに対して電気光学装置形成用材料を含む液滴を定量的に吐出(滴下)可能な液滴吐出ヘッド20と、液滴吐出ヘッド20を移動可能に支持する第2移動装置16とを備えている。液滴吐出ヘッド20の液滴の吐出動作や、第1移動装置14及び第2移動装置16の移動動作を含む液滴吐出装置IJの動作は制御装置CONTにより制御される。
第1移動装置14はベース12の上に設置されており、Y軸方向に沿って位置決めされている。第2移動装置16は、ベース12の後部12Aに立てられた支柱16A,16Aにより第1移動装置16の上方に支持されている。第2移動装置16のX軸方向は第1移動装置14のY軸方向と直交する方向である。ここで、Y軸方向はベース12の前部12Bと後部12A方向に沿った方向である。これに対してX軸方向はベース12の左右方向に沿った方向であり、各々水平である。また、Z軸方向はX軸方向及びY軸方向に垂直な方向である。
第1移動装置14は例えばリニアモータによって構成され、2本のガイドレール40と、これらのガイドレール40,40に沿って移動可能なスライダー42とを備えている。このリニアモータ形式の第1移動装置14のスライダー42はガイドレール40に沿ってY軸方向に移動して位置決め可能である。
スライダー42はZ軸回り(θZ)用のモータ44を備えている。このモータ44は例えばダイレクトドライブモータであり、モータ44のロータはステージSTに固定されている。これにより、モータ44に通電することでロータとステージSTとはθZ方向に沿って回転してステージSTをインデックス(回転割り出し)することができる。すなわち、第1移動装置14はステージSTをY軸方向及びθZ方向に移動可能である。
ステージSTは基板Pを保持し所定の位置に位置決めするものである。また、ステージSTは吸着保持装置50を有しており、吸着保持装置50が作動することによりステージSTに設けられた吸入孔46Aを通して基板PをステージSTの上に吸着して保持する。
第2移動装置16はリニアモータによって構成され、支柱16A,16Aに固定されたコラム16Bと、このコラム16Bに支持されているガイドレール62Aと、ガイドレール62Aに沿ってX軸方向に移動可能に支持されているスライダー60とを備えている。スライダー60はガイドレール62Aに沿ってX軸方向に移動して位置決め可能であり、液滴吐出ヘッド20はスライダー60に取り付けられている。
液滴吐出ヘッド20は揺動位置決め装置としてのモータ62,64,66,68を有している。モータ62を作動すれば、液滴吐出ヘッド20はZ軸に沿って上下動して位置決め可能である。このZ軸はX軸とY軸に対して各々直交する方向(上下方向)である。モータ64を作動すると、液滴吐出ヘッド20はY軸回りのβ方向に沿って揺動して位置決め可能である。モータ66を作動すると、液滴吐出ヘッド20はX軸回りのγ方向に揺動して位置決め可能である。モータ68を作動すると、液滴吐出ヘッド20はZ軸回りのα方向に揺動して位置決め可能である。すなわち、第2移動装置16は液滴吐出ヘッド20をX軸方向及びZ軸方向に移動可能に支持するとともに、この液滴吐出ヘッド20をθX方向、θY方向、θZ方向に移動可能に支持する。
このように、図1の液滴吐出ヘッド20は、スライダー60において、Z軸方向に直線移動して位置決め可能で、α、β、γに沿って揺動して位置決め可能であり、液滴吐出ヘッド20の吐出面20Pは、ステージST側の基板Pに対して正確に位置あるいは姿勢をコントロールすることができる。なお、液滴吐出ヘッド20の吐出面20Pには液滴を吐出する複数のノズルが設けられている。
図2は液滴吐出ヘッド20を示す分解斜視図である。図2に示すように、液滴吐出ヘッド20は、複数のノズル81を有するノズルプレート80と、振動板85を有する圧力室基板90と、これらノズルプレート80と振動板85とを嵌め込んで支持する筐体88とを備えて構成されている。
液滴吐出ヘッド20の主要部構造は、図3の斜視図一部断面図に示すように、圧力室基板90をノズルプレート80と振動板85とで挟み込んだ構造とされている。ノズルプレート80のノズル81は、各々圧力室基板90に区画形成された圧力室(キャビティ)91に対応している。圧力室基板90には、シリコン単結晶基板等をエッチングすることにより、各々が圧力室として機能可能にキャビティ91が複数設けられている。キャビティ91同士の間は側壁92で分離されている。各キャビティ91は供給口94を介して共通の流路であるリザーバ93に繋がっている。振動板85は例えば熱酸化膜等により構成される。
振動板85にはタンク口86が設けられ、図1に示したタンク30からパイプ(流路)31を通じて任意の液滴を供給可能に構成されている。振動板85上のキャビティ81に相当する位置には圧電体素子87が配設されている。圧電体素子87はPZT素子等の圧電性セラミックスの結晶を上部電極および下部電極(図示せず)で挟んだ構造を備える。圧電体素子87は制御装置CONTから供給される吐出信号に対応して体積変化を発生可能に構成されている。
液滴吐出ヘッド20から液滴を吐出するには、まず、制御装置CONTが液滴を吐出させるための吐出信号を液滴吐出ヘッド20に供給する。液滴は液滴吐出ヘッド20のキャビティ81に流入しており、吐出信号が供給された液滴吐出ヘッド20では、その圧電体素子87がその上部電極と下部電極との間に加えられた電圧により体積変化を生ずる。この体積変化は振動板85を変形させ、キャビティ81の体積を変化させる。この結果、そのキャビティ81のノズル穴211から液滴が吐出される。液滴が吐出されたキャビティ81には吐出によって減った液体材料が新たに後述するタンク30から供給される。
本実施形態に係る液滴吐出装置IJに備えられた液滴吐出ヘッド20は、圧電体素子に体積変化を生じさせて液滴を吐出させる構成であるが、発熱体により液体材料に熱を加えその膨張によって液滴を吐出させるような構成であってもよい。
図1に戻り、基板P上に設けられる液体材料は、液体材料調整装置Sにより生成される。液体材料調整装置Sは、液体材料を収容可能なタンク30と、タンク30に取り付けられ、このタンク30に収容されている液体材料の温度を調整する温度調整装置32と、タンク30に収容されている液体材料を攪拌する撹拌装置33とを備えている。温度調整装置32はヒータにより構成されており、タンク30内の液体材料を任意の温度に調整する。温度調整装置32は制御装置CONTにより制御され、タンク30内の液体材料は温度調整装置32により温度調整されることで所望の粘度に調整される。
タンク30はパイプ(流路)31を介して液滴吐出ヘッド20に接続しており、液滴吐出ヘッド20から吐出される液体材料の液滴はタンク30からパイプ31を介して供給される。また、パイプ31を流れる液体材料は不図示のパイプ温度調整装置によって所定の温度に制御され、粘度を調整される。更に、液滴吐出ヘッド20から吐出される液滴の温度は、液滴吐出ヘッド20に設けられた不図示の温度調整装置により制御され、所望の粘度に調整されるようになっている。
尚、図1には液滴吐出ヘッド20及び液体材料調整装置Sのそれぞれが1つだけ図示されているが、液滴吐出装置IJには複数の液滴吐出ヘッド20及び液体材料調整装置Sが設けられており、これら複数の液滴吐出ヘッド20のそれぞれから異種または同種の液体材料の液滴が吐出されるようになっている。そして、基板Pに対してこれら複数の液滴吐出ヘッド20のうち、第1の液滴吐出ヘッドから第1の液体材料を吐出した後、これを焼成又は乾燥し、次いで第2の液滴吐出ヘッドから第2の液体材料を基板Pに対して吐出した後これを焼成又は乾燥し、以下、複数の液滴吐出ヘッドを用いて同様の処理を行うことにより、基板P上に複数の材料層が積層され、多層パターンを形成できるようになっている。
(有機EL装置の製造方法)
次に、上述した液滴吐出装置IJを用いて本発明に係る有機EL装置(有機エレクトロルミネッセンス装置)の製造方法について説明するが、以下に示す手順や液体材料の材料構成は一例であってこれに限定されるものではない。
<有機EL装置の構成>
製造方法の説明に先立ち、まず図4及び図5を参照して本発明に係る有機EL装置の一実施の形態である有機ELディスプレイの概略について説明する。図4、図5は有機EL装置としての有機ELディスプレイ70の一例の概略構成を説明するための図であって、図4は回路図、図5は各画素71の平面構造を示す図であって反射電極や有機EL素子を取り除いた状態の拡大平面図である。
図4に示すように、有機ELディスプレイ70は、透明の基板上に、複数の走査線(配線、電力導通部)131と、これら走査線131に対して交差する方向に延びる複数の信号線(配線、電力導通部)132と、これら信号線132に並列に延びる複数の共通給電線(配線、電力導通部)133とがそれぞれ配線されたもので、走査線131及び信号線132の各交点毎に、画素(画素領域)71が設けられて構成されたものである。
信号線132に対しては、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン、及びアナログスイッチ等を備えるデータ側駆動回路72が設けられている。一方、走査線131に対しては、シフトレジスタ及びレベルシフタ等を備える走査側駆動回路73が設けられている。また、画素領域71の各々には、走査線131を介して走査信号(電力)がゲート電極に供給されるスイッチング薄膜トランジスタ(スイッチング素子、電力導通部)142と、このスイッチング薄膜トランジスタ142を介して信号線132から供給される画像信号(電力)を保持する保持容量capと、保持容量capによって保持された画像信号がゲート電極に供給されるカレント薄膜トランジスタ(スイッチング素子、電力導通部)143と、このカレント薄膜トランジスタ143を介して共通給電線133に電気的に接続したときに共通給電線133から駆動電流(電力)が流れ込む画素電極141と、この画素電極141と共通電極154との間に挟み込まれる発光部140と、が設けられている。
このような構成のもとに、走査線131が駆動されてスイッチング薄膜トランジスタ142がオンとなると、そのときの信号線132の電位(電力)が保持容量capに保持され、該保持容量capの状態に応じて、カレント薄膜トランジスタ143のオン・オフ状態が決まる。そして、カレント薄膜トランジスタ143のチャネルを介して共通給電線133から画素電極141に電流(電力)が流れ、さらに発光部140を通じて共通電極154に電流が流れることにより、発光部140は、これを流れる電流量に応じて発光するようになる。
ここで、図5に示すように、各画素71の平面構造は、平面形状が長方形の画素電極141の四辺が、信号線132、共通給電線133、走査線131及び図示しない他の画素電極用の走査線によって囲まれた配置となっている。この図5は、後述の製造方法にて説明に用いる断面工程図(図6〜図9)と対応する図であり、これらの断面工程図には、図5のA−A線に沿う断面構造が示されている。
<有機EL装置の製造手順>
次に、上記有機ELディスプレイ70に備えられる有機EL素子(機能素子)の製造方法について図6〜図9を参照しながら説明する。なお、図6〜図9には、説明を簡略化するために単一の画素71についてのみが図示されている。
まず、図6(a)に示す基板Pを用意する。ここで、有機EL素子では後述する発光層による発光光を基板側から取り出す構成(所謂、「ボトムエミッション」)とすることも可能であり、また基板と反対側から取り出す構成(所謂、「トップエミッション」)とすることも可能である。発光光を基板側から取り出す構成とする場合、基板材料としてはガラスや石英、樹脂等の透明ないし半透明なものを用いることができ、特に安価なガラスを好適なものとして挙げることができる。
また、基板に色フィルター膜や蛍光性物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜を配置して、発光色を制御するようにしてもよい。また、基板と反対側から発光光を取り出す構成の場合、基板は不透明であってもよく、その場合、アルミナ等のセラミックス、ステンレス等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したもの、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。
本実施形態では、基板としてガラス等からなる透明基板Pを用いる。この基板Pに対し、必要に応じてTEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料としてプラズマCVD法により厚さ約200〜500nmのシリコン酸化膜からなる下地保護膜(図示せず)を形成しておく。
その後、図6(a)に示すように、基板Pの温度を約350℃に設定して基板の表面にプラズマCVD法により厚さ約30〜70nmのアモルファスシリコン膜からなる半導体膜210を形成する。そしてこの半導体膜210を、レーザアニールまたは固相成長法などによる結晶化工程に供することで半導体膜210を結晶化してポリシリコン膜とする。レーザアニール法では、例えばエキシマレーザであってビームの長寸が400mmのラインビームを用いることができ、その出力強度は例えば200mJ/cm2である。ラインビームについては、その短寸方向におけるレーザ強度のピーク値の90%に相当する部分が各領域毎に重なるようにラインビームを走査する。
次いで、図6(b)に示すように、半導体膜210及び基板Pの表面に対して、TEOSや酸素ガスなどを原料としてプラズマCVD法により厚さ約60〜150nmのシリコン酸化膜または窒化膜からなるゲート絶縁膜220を形成する。なお、半導体膜210は、図5に示したカレント薄膜トランジスタ143のチャネル領域及びソース・ドレイン領域となるものであるが、異なる断面位置においてはスイッチング薄膜トランジスタ142のチャネル領域及びソース・ドレイン領域となる半導体膜も形成されている。つまり、図6〜図9に示す製造工程では二種類のトランジスタ142、143が同時に作られるのであるが、同じ手順で作られるため、以下の説明ではトランジスタに関しては、カレント薄膜トランジスタ143についてのみ説明し、スイッチング薄膜トランジスタ142についてはその説明を省略する。
次に、図6(c)に示すように、アルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステンなどの金属膜、ないしこれらの積層膜からなる導電膜をスパッタ法等により形成した後、パターニングすることで、ゲート電極143Aを形成する。
続いて、半導体膜210に対して、高濃度のリンイオンを打ち込むことで、ゲート電極143Aに対して自己整合的にソース・ドレイン領域143a、143bを形成する。このとき、ゲート電極143Aにより遮蔽されて不純物が導入されなかった部分がチャネル領域143cとなる。その後、半導体膜210及び基板P表面を覆う層間絶縁層230を形成する。
次に、図6(d)に示すように、層間絶縁膜230を貫通するコンタクトホール232及び234を形成し、これらコンタクトホール232及び234内にドレイン電極236及びソース電極238を埋め込むように形成し、薄膜トランジスタ143を得る。ここで、層間絶縁層230上においてソース電極238に接続するように、不図示の共通給電線(配線)や走査線も形成しておく。
次に、図7(a)に示すように、層間絶縁層230、及び各配線の上面を覆うように層間絶縁層240を形成し、この層間絶縁膜240を貫通してドレイン電極236に達するコンタクトホールを貫設する。そして、このコンタクトホールに埋め込むようにして、例えば還元作用のある有機溶媒に、たとえば銅(Cu)等の導体微粒子を懸濁させた流動性のペースト/溶液を、コンタクトホールを形成した層間絶縁膜230の表面全体に塗布すし、導電材料層245を形成する。また、メッキ法を用いて、導電材料層245を形成してもよい。続いて、図7(b)に示すように、層間絶縁膜240の表面を例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理により平滑化し、層間絶縁膜240上の導電材料層245を、コンタクトホールに埋設された導電部材245aを残すようにして除去する(いわゆるダマシン処理)。この工程により、薄膜トランジスタ143との導電接続構造における1端子を成す導電部材245aが露出された平滑面を得る。このようにダマシン処理による平滑化を行うため、層間絶縁膜240は研磨しやすく厚膜化が容易な有機樹脂材料により形成することが好ましい。
次に、図7(c)に示すように、前記導電部材245aの露出部分を取り囲むように、バンク(隔壁部)150を形成する。このバンク150は、基板P上で有機EL素子の仕切部材として機能する。バンク150は例えば、アクリル、ポリイミド等の絶縁性有機材料にて形成する。バンク150の膜厚は、例えば1〜2μm程度に設定すればよい。そして、このような構成のもとに、有機EL素子の正孔注入層や発光層の形成場所、すなわちこれらの形成材料の塗布位置とその周囲のバンク150との間に十分な高さの段差からなる開口部111が形成される。
上記バンク150を形成したならば、図8(a)に示すように、バンク150に囲まれる領域の層間絶縁膜240上であって、導電部材245aの形成位置を含む領域に、画素電極141を公知のフォトリソグラフィ技術等を用いてパターン形成する。本実施形態の場合、有機EL装置はトップエミッション構造であるため、画素電極141は透明導電膜で有る必要はなく、金属材料により形成することができる。画素電極141をアルミニウムや銀等の光反射性の金属膜を含む構成とすれば、当該画素電極に入射した光を反射させて観察者側へ射出できるようになる。本有機EL装置では、画素電極141は陽極として機能するので、仕事関数が4.8eV以上の材料で形成することが好ましく、具体例を挙げるならば、ITO/Alの積層膜、Au、Pt等からなる金属膜で形成するのがよい。
尚、この画素電極141の形成に先立って、導電部材245a及び層間絶縁膜240の表面を清浄化する処理(例えば酸素プラズマ処理、UV照射処理、オゾン処理等)を施しておいてもよい。これにより、導電部材245aと画素電極141の接触抵抗を下げることができると共に、画素電極141と、導電部材245aあるいは層間絶縁膜240との密着性を向上させることができる。
上記工程により、先の図5に示すような信号線、共通給電線、及び走査線(いずれも図示せず)に囲まれた位置に、導電部材245a、及びドレイン電極236を介して薄膜トランジスタ143のソース・ドレイン領域143aと導電接続された画素電極141が形成される。図8(a)に示したバンク150、画素電極141に囲まれた部分の内側が、後述する正孔注入層や発光層の形成場所となる。
本実施形態の場合、層間絶縁膜240上面、及び導電部材245aの上面が、先の平滑化処理により平坦面になっているので、その上に形成される画素電極141も平坦な膜となる。これにより、後続の工程で画素電極141上に塗布される有機EL層の膜厚に不均一が生じ難くなっており、有機EL素子間での輝度や色度にばらつきが生じるのを防止できるようになっている。また、有機EL層に局部的に膜厚の薄い部分が生じていると、この薄い部分で有機EL層の電流リークが生じ、電気特性が不安定になるおそれがあるが、本製造方法にて得られる有機EL素子ではこのようなリークは生じないため、長寿命であって安定に動作させることが可能な有機EL素子となる。
図7及び図8(a)に示した製造手順では、ダマシン処理により導電部材245aを形成することにより層間絶縁膜240の表面を平坦化しつつ、層間の導電接続構造を形成したが、係る導電接続構造としては、例えば図10に示すような構造も適用できる。図10は、ドレイン電極236と画素電極141との導電接続構造の他の例を示す有機EL素子の部分断面構成図である。図10に示す例では、コンタクトホール240aが貫設された層間絶縁膜240上に、画素電極141を成膜した後、コンタクトホール240aに起因して生じる凹部に、例えばシリコン酸化物等の絶縁材料からなる絶縁部材142を充填している。この構造によっても、画素電極141の形成領域内を平坦化することができるため、上側に形成される有機EL層140(後述する)を均一な膜厚を有する平坦膜とすることができる。尚、上記絶縁部材142は、液滴吐出装置IJを用いて液滴吐出ヘッド20から絶縁材料の前駆体化合物を含む液体材料をコンタクトホール240a内に吐出することで形成することができる。
上記画素電極141を形成したならば、バンク150及び画素電極141を含む基体上の領域に対して撥液処理を施す。バンク150は、有機EL素子を区画する仕切部材として機能するので、液滴吐出ヘッド20から吐出される液体材料に対して非親和性(撥液性)を示すものであることが好ましく、前記撥液処理により、バンク150に選択的に非親和性を発現させることができる。係る撥液処理として、例えばバンクの表面をフッ素系化合物などで表面処理するといった方法を採用できる。フッ素化合物としては、例えばCF4、SF6、CHF3などがあり、表面処理としては、例えばプラズマ処理、UV照射処理などが挙げられる。このような撥液処理を基体の一面側全体に施したとしても、ITO膜や金属膜からなる無機材料の画素電極141表面は、有機材料からなるバンク150の表面よりも撥液化されにくく、バンク150の表面のみが選択的に撥液化され、バンク150に囲まれる領域内に液体材料に対する親和性の異なる複数の領域が形成される。
ここで、図8(a)に示すように、本実施形態では、画素電極141がバンク150の内周端より内側に形成されている。すなわち、画素電極141の外周端とバンク150の内周端との間に、間隙111aが形成され、係る領域にて層間絶縁膜240が露出されている。この間隙111aは1μm程度の幅に形成することが好ましく、係る間隙111aにより撥液性のバンク150と親液性の画素電極141とを離間できる。また、この間隙111aにおいて露出されている層間絶縁膜240の表面は、バンク150に比して液体材料に対して高い親和性を有していることが好ましい。間隙111aの部分が撥液性であると画素電極141側に液体材料が押し出されて画素電極141の形成領域内で不均一を生じるおそれがあるためである。間隙111aの部材を親和性を有するものとするには、層間絶縁膜240を無機絶縁材料にしておけばよいが、先のダマシン処理を容易にする点では層間絶縁膜240は有機樹脂材料により形成するのが好ましい。この場合、層間絶縁膜240を覆う無機絶縁材料の膜を形成しておくのがよい。また図10に示した構成を採用する場合、コンタクトホール240aによる凹部を埋める絶縁部材142についても、上記の理由から無機絶縁材料により形成することが好ましい。
また、上記間隙111aを形成しておくことで、後続の工程で画素電極141を含む領域に液体材料を滴下した際に、画素電極141上からこの間隙111aに液体が流動し、バンク150に囲まれる領域内を均一に液体で満たすことができるようになる。さらに、このような液状体の流動を良好なものとするべく画素電極141の外縁端141aは、45°以下の傾斜角を有する断面テーパー状に形成するのがよい。
次に、図8(b)に示すように、基板Pの上面を上に向けた状態で正孔注入層形成用材料を含む液体材料114aを液滴吐出ヘッド20によりバンク150に囲まれた塗布位置に選択的に塗布する。正孔注入層を形成するための液体材料114aは図1に示した液体材料調整装置Sにより調製され、正孔注入層形成用材料及び溶媒を含む。本実施形態において、液滴吐出法にて正孔注入層を形成したが、基板上に形成した非親和性(撥液性)を示す部位と親和性(親液性)を示す部位を利用して、スリットコート(或いはカーテンコート)、ダイコート法により正孔輸送層を形成してもよい。
正孔注入層形成材料としては、ポリマー前駆体がポリテトラヒドロチオフェニルフェニレンであるポリフェニレンビニレン、1,1−ビス−(4−N,N−ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサン、トリス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウム、バイトロンP、ポリスチレンスルフォン酸等を例示することができる。
また、溶媒としては、イソプロピルアルコール、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−イミダゾリノン等の極性溶媒を例示することができる。
上述した正孔注入層形成用材料を含む液体材料114aが液滴吐出ヘッド20より基板P上に吐出されると、流動性が高いため水平方向に広がろうとするが、塗布された位置を囲んでバンク150が形成されているので、液体材料114aはバンク150を越えてその外側に広がらないようになっている。さらに本実施形態では、画素電極141の表面が親液領域となっており、好ましくはバンク150と画素電極141との間の間隙111aにて露出した層間絶縁膜240の表面も親液領域とされるので、液体材料114aはバンク150内に均一に満たされ、特にその底面部に隙間無く濡れ拡がるようになっている。
また本実施形態の場合、画素電極141が上述したようにバンク150を形成した後にパターン形成されたものであることで、上記液体材料114aがバンク150内で均一に濡れ拡がるのを助長するようになっている。これは以下の理由による。
本実施形態では、バンク150を画素電極141より後に形成する場合のように、バンク150の形成材料であるポリイミド等の有機材料に画素電極141が覆われることがないため、画素電極141上で有機材料の残渣が生じるのを効果的に防止できる。従って、バンク150の撥液処理を行った際に有機材料の残渣が撥液化されて画素電極141の平面領域内に撥液性の領域が生じることもなく、画素電極141の表面、及び間隙111aの層間絶縁膜240の表面が均一な親液性を有する領域となり、液体材料114aが均一に濡れ拡がるようになる。
続いて、図8(c)に示すように加熱あるいは光照射により液体材料114aの溶媒を蒸発させて画素電極141上に固形の正孔注入層140Aを形成する。あるいは、大気環境下又は窒素ガス雰囲気下において所定温度及び時間(一例として200℃、10分)焼成するようにしてもよい。あるいは大気圧より低い圧力環境下(真空環境下)に配置することで溶媒を除去するようにしてもよい。この際、図8(b)に示した液体材料を配置する工程で、バンク150内に液体材料が均一に濡れ拡がっているので、図8(c)に示すように、均一な膜厚を有した平坦膜状の正孔注入層140Aが得られる。
次いで、図8(c)に示すように、基板Pの上面を上に向けた状態で液滴吐出ヘッド20より発光層形成用材料と溶媒とを含む液体材料114bをバンク150内の正孔注入層140A上に選択的に塗布する。この発光層形成用材料としては、例えば共役系高分子有機化合物の前駆体と、得られる発光層の発光特性を変化させるための蛍光色素とを含んでなるものを好適に用いることができる。
共役系高分子有機化合物の前駆体は、蛍光色素等とともに液滴吐出ヘッド20から吐出されて薄膜に成形された後、例えば以下の(化I)に示すように加熱硬化されることによって共役系高分子有機EL層となる発光層を生成し得るものをいい、例えば前駆体のスルホニウム塩の場合、加熱処理されることによりスルホニウム基が脱離し、共役系高分子有機化合物となるもの等である。
Figure 2005197027
このような共役系高分子有機化合物は固体で強い蛍光を持ち、均質な固体超薄膜を形成することができる。しかも形成能に富みITO電極との密着性も高い。さらに、このような化合物の前駆体は、硬化した後は強固な共役系高分子膜を形成することから、加熱硬化前においては前駆体溶液を後述する液滴吐出パターニングに適用可能な所望の粘度に調整することができ、簡便かつ短時間で最適条件の膜形成を行うことができる。
このような前駆体としては、例えばPPV(ポリ(パラ−フェニレンビニレン))またはその誘導体の前駆体が好ましい。PPVまたはその誘導体の前駆体は、水あるいは有機溶媒に可溶であり、また、ポリマー化が可能であるため光学的にも高品質の薄膜を得ることができる。さらに、PPVは強い蛍光を持ち、また二重結合のπ電子がポリマー鎖上で非極在化している導電性高分子でもあるため、高性能の有機EL素子を得ることができる。
このようなPPVまたはPPV誘導体の前駆体として、例えば化学式(II)に示すような、PPV(ポリ(パラ−フェニレンビニレン))前駆体、MO−PPV(ポリ(2,5−ジメトキシ−1,4−フェニレンビニレン))前駆体、CN−PPV(ポリ(2,5−ビスヘキシルオキシ−1,4−フェニレン−(1−シアノビニレン)))前駆体、MEH−PPV(ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシルオキシ)]−パラ−フェニレンビニレン)前駆体等が挙げられる。
Figure 2005197027
PPVまたはPPV誘導体の前駆体は、前述したように水に可溶であり、成膜後の加熱により高分子化してPPV層を形成する。前記PPV前駆体に代表される前駆体の含有量は、組成物全体に対して0.01〜10.0wt%が好ましく、0.1〜5.0wt%がさらに好ましい。前駆体の添加量が少な過ぎると共役系高分子膜を形成するのに不十分であり、多過ぎると組成物の粘度が高くなり、液滴吐出法(インクジェット法)による精度の高いパターニングに適さない場合がある。
さらに、発光層の形成材料としては、少なくとも1種の蛍光色素を含むのが好ましい。これにより、発光層の発光特性を変化させることができ、例えば、発光層の発光効率の向上、または光吸収極大波長(発光色)を変えるための手段としても有効である。すなわち、蛍光色素は単に発光層材料としてではなく、発光機能そのものを担う色素材料として利用することができる。例えば、共役系高分子有機化合物分子上のキャリア再結合で生成したエキシトンのエネルギーをほとんど蛍光色素分子上に移すことができる。この場合、発光は蛍光量子効率が高い蛍光色素分子からのみ起こるため、発光層の電流量子効率も増加する。したがって、発光層の形成材料中に蛍光色素を加えることにより、同時に発光層の発光スペクトルも蛍光分子のものとなるので、発光色を変えるための手段としても有効となる。
なお、ここでいう電流量子効率とは、発光機能に基づいて発光性能を考察するための尺度であって、下記式により定義される。
ηE=放出されるフォトンのエネルギー/入力電気エネルギー
そして、蛍光色素のドープによる光吸収極大波長の変換によって、例えば赤、青、緑の3原色を発光させることができ、その結果フルカラー表示体を得ることが可能となる。
さらに蛍光色素をドーピングすることにより、EL素子の発光効率を大幅に向上させることができる。
蛍光色素としては、赤色の発色光を発光する発光層を形成する場合、赤色の発色光を有するローダミンまたはローダミン誘導体を用いるのが好ましい。これらの蛍光色素は、低分子であるため水溶液に可溶であり、またPPVと相溶性がよく、均一で安定した発光層の形成が容易である。このような蛍光色素として具体的には、ローダミンB、ローダミンBベース、ローダミン6G、ローダミン101過塩素酸塩等が挙げられ、これらを2種以上混合したものであってもよい。
また、緑色の発色光を発光する発光層を形成する場合、緑色の発色光を有するキナクリドンおよびその誘導体を用いるのが好ましい。これらの蛍光色素は前記赤色蛍光色素と同様、低分子であるため水溶液に可溶であり、またPPVと相溶性がよく発光層の形成が容易である。
さらに、青色の発色光を発光する発光層を形成する場合、青色の発色光を有するジスチリルビフェニルおよびその誘導体を用いるのが好ましい。これらの蛍光色素は前記赤色蛍光色素と同様、低分子であるため水・アルコール混合溶液に可溶であり、またPPVと相溶性がよく発光層の形成が容易である。
また、青色の発色光を有する他の蛍光色素としては、クマリンおよびその誘導体を挙げることができる。これらの蛍光色素は、前記赤色蛍光色素と同様、低分子であるため水溶液に可溶であり、またPPVと相溶性がよく発光層の形成が容易である。このような蛍光色素として具体的には、クマリン、クマリン−1、クマリン−6、クマリン−7、クマリン120、クマリン138、クマリン152、クマリン153、クマリン311、クマリン314、クマリン334、クマリン337、クマリン343等が挙げられる。
さらに、別の青色の発色光を有する蛍光色素としては、テトラフェニルブタジエン(TPB)またはTPB誘導体を挙げることができる。これらの蛍光色素は、前記赤色蛍光色素等と同様、低分子であるため水溶液に可溶であり、またPPVと相溶性がよく発光層の形成が容易である。
以上の蛍光色素については、各色ともに1種のみを用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。
これらの蛍光色素については、前記共役系高分子有機化合物の前駆体固型分に対し、0.5〜10wt%添加するのが好ましく、1.0〜5.0wt%添加するのがより好ましい。蛍光色素の添加量が多過ぎると発光層の耐候性および耐久性の維持が困難となり、一方、添加量が少な過ぎると、前述したような蛍光色素を加えることによる効果が十分に得られないからである。
また、前記前駆体および蛍光色素については、極性溶媒に溶解または分散させて液体材料とし、この液体材料を液滴吐出ヘッド20から吐出するのが好ましい。極性溶媒は、前記前駆体、蛍光色素等を容易に溶解または均一に分散させることができるため、液滴吐出ヘッド20のノズル孔での発光層形成材料中の固型分が付着したり目詰りを起こすのを防止することができる。
このような極性溶媒として具体的には、水、メタノール、エタノール等の水と相溶性のあるアルコール、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルイミダゾリン(DMI)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、キシレン、シクロヘキシルベンゼン、2,3−ジヒドロベンゾフラン等の有機溶媒または無機溶媒が挙げられ、これらの溶媒を2種以上適宜混合したものであってもよい。
更に、前記形成用材料中に湿潤剤を添加しておくのが好ましい。これにより、形成用材料が液滴吐出ヘッド20のノズル孔で乾燥・凝固することを有効に防止することができる。かかる湿潤剤としては、例えばグリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールが挙げられ、これらを2種以上混合したものであってもよい。この湿潤剤の添加量としては、形成用材料の全体量に対し、5〜20wt%程度とするのが好ましい。
尚、その他の添加剤、被膜安定化材料を添加してもよく、例えば、安定剤、粘度調整剤、老化防止剤、pH調整剤、防腐剤、樹脂エマルジョン、レベリング剤等を用いることができる。
このような発光層形成用材料を含む液体材料114bを液滴吐出ヘッド20から吐出して、液体材料114bをバンク150内の正孔注入層140A上に塗布する。ここで、液体材料114bの吐出による発光層の形成は、赤色の発色光を発光する発光層形成用材料を含む液体材料、緑色の発色光を発光する発光層形成用材料を含む液体材料、青色の発色光を発光する発光層形成用材料を含む液体材料を、それぞれ対応する画素71に吐出し塗布することによって行う。なお、各色に対応する画素71は、これらが規則的な配置となるように予め決められている。
このようにして各色の発光層形成用材料を含む液体材料114bを吐出し塗布したならば、液体材料114b中の溶媒を蒸発させる。この工程により、図9に示すように正孔注入層140A上に固形の発光層140Bが形成され、これにより正孔注入層140Aと発光層140Bとからなる有機EL層140が得られる。ここで、発光層形成用材料を含む液体材料114b中の溶媒の蒸発については、必要に応じて加熱あるいは減圧等の処理を行うが、発光層形成用材料は通常乾燥性が良好で速乾性であることから、特にこのような処理を行うことなく、したがって各色の発光層形成用材料を順次吐出塗布することにより、その塗布順に各色の発光層140Bを形成することができる。
その後、図9に示すように、透明基板Pの表面全体に、あるいはストライプ状に、ITO等の透明導電材料からなる共通電極154を形成する。こうして、有機EL素子200を製造することができる。尚、本実施形態において有機EL素子200は画素電極141と正孔注入層140Aと発光層140Bと共通電極154とを含むものである。
このような有機EL素子の製造方法において、正孔注入層140Aや発光層140Bといった有機EL素子の構成要素となる薄膜は液滴吐出装置IJにより製造されるので、正孔注入層140Aや発光層140Bの形成用材料となる液体材料のロスは少なく、正孔注入層140Aや発光層140Bは比較的安価にしかも安定して形成される。
ところで、図9(c)に示すように、形成された薄膜トランジスタ143と有機EL素子200の一部とは、基板P表面の法線方向において重なり合っているが、発光層からの光を基板Pと反対側から取り出す所謂トップエミッション構造では、薄膜トランジスタ143と有機EL素子とが重なり合っていても問題ない。また、ボトムエミッション構造とする場合には、バンク150の下方に薄膜トランジスタを配置して薄膜トランジスタと有機EL素子とが重ね合わないようにする必要があるが、トップエミッション構造においてはバンク150の下方に薄膜トランジスタを配置する必要がなく、バンク150の形成領域を小さくすることができるとともに有機EL素子の形成領域を大きくすることができるので、発光面積を大きくすることができる。本実施形態では、ダマシン処理により半導体素子の上面をを平滑化しているため、トップエミッション構造とすることにより、平滑な面に有機EL素子を形成できるため、画素電極と共通電極の間で短絡することのない信頼性のよい有機EL素子を広い領域に形成することができる。
以上説明したように、本発明に係る製造方法によれば、基板P上にバンク150及び有機EL素子200を形成するに際して、バンク150を先に形成しておき、その後バンク150の内部に画素電極141をパターン形成することで、画素電極141がバンク150を構成する有機絶縁材料と接触することがなくなるので、画素電極141の表面を有機材料で汚染することがない。また画素電極141を形成する工程と有機EL層140を形成する工程を連続して行うことができるため、画素電極141の汚染を防止する効果をさらに高めることができる。そしてこのように清浄に保たれた画素電極141上に有機EL層140を形成するので、有機EL層140の形成材料を含む液体材料が画素電極141上で均一にかつ迅速に隙間無く濡れ拡がり、均一な膜厚と膜質とを備えた有機EL層140が得られるようになり、従って素子間で輝度や色度、寿命にばらつきが生じない、高画質の画像表示が可能な有機EL装置を得られる。
上記実施形態では、液滴吐出装置IJを用いた液滴吐出法により液体材料を成膜するように説明したが、液滴吐出法に限らず、例えばスピンコート法、スリットコート(或いはカーテンコート)、ダイコート法など他の塗布方法を用いることもできる。また、液体材料の生成工程や成膜工程は大気環境下で行ってもよいし窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。なお、液体材料調整装置Sによる液体材料の生成工程や液滴吐出装置IJによる成膜工程はクリーンルーム内でパーティクル及びケミカル的にクリーン度を維持された環境下で行うのが望ましい。
(有機EL装置の他の形態)
次に、図11から図13を参照して本発明に係る有機EL装置、及びその製造方法に係る他の実施の形態を説明する。
<有機EL装置の構成>
図11に断面構造を示す有機EL装置は、バンク150上に補助電極145を備えた点に特徴を有しており、その他の構成は図9に示した先の実施形態の有機EL装置と同様である。
薄膜トランジスタ143と接続された画素電極141は、各々の有機EL素子200毎に独立して駆動されるため、所望の電圧を容易に印加することができるが、陰極として機能する共通電極154では、基板P上に全面ベタ状、あるいはストライプ状に形成され、その電位を制御する駆動回路とは表示領域外で接続されるため、駆動回路からの距離が遠くなると、共通電極154自身の抵抗によって電圧降下が生じる。特に、トップエミッション型の有機EL装置では、金属膜に比して抵抗が大きい透明導電材料を用いているため、上記電圧降下が顕著なものとなり、大型の有機ELディスプレイではさらに顕著になる。そこで、電気伝導性に優れる金属膜により補助電極145を形成しておくことで、共通電極154の電位を保持することが可能になり、表示輝度の均一性が向上する。また補助電極145は画素に対応する有機EL素子200の外側に配されるため、画素の開口率に影響を及ぼすこともない。
このように、図11に示す有機EL装置は、補助電極145を備えていることで、共通電極154における電圧降下を効果的に防止でき、表示領域内で均一な明るさの画像表示が得られる有機EL装置となっている。
<有機EL装置の製造方法>
次に、図11に示す有機EL装置の製造手順について、図12及び図13に示す断面工程図を参照しつつ説明する。先に記載のように、本実施形態の有機EL装置は補助電極145を備えた点に特徴を有しており、補助電極145を製造する工程を有する以外は、先の実施形態の有機EL装置の製造手順と同様である。
図11に示した有機EL装置を作製するには、まず、図6及び図7に示した先の実施形態と同様の製造手順により、基板P上に薄膜トランジスタ143及びバンク150を形成する。その後、図12(a)に示すように、後続の工程で画素電極141及び補助電極145が形成されるべき層間絶縁膜240上の領域、及びバンク150上面の領域に、それぞれレジスト(マスク材)242a、242bを選択形成する。これらのレジスト242a、242bの形成に際しては、公知のフォトリソグラフィ技術を用いることができる。
続いて、前記レジスト242a、242bをマスクとして用いて、バンク150を含む基板P上の領域に撥液処理を施す。この撥液処理は、先の実施形態で用いたフッ素系化合物等によるプラズマ処理や、UV照射処理を用いることができる。そして撥液処理が終了したならば、レジスト242a、242bを剥離する。すると、図12(b)に示すように、レジスト242a、242bにより覆われていた領域112a、112b(図中破線で示した領域)が親液性の領域となり、それ以外の領域が撥液性の領域となる。本実施形態では、マスク材を用いて撥液性の領域及び親液性の領域を形成したが、光分解性材料を基板上に塗布して光を照射することにより、撥液性の領域及び親液性の領域を形成してもよい。
次に、図12(c)に示すように、基板Pの上面を上に向けた状態で、電極形成材料を含む液体材料124を液滴吐出ヘッド20により上記親液領域112a、112bに選択的に塗布する。このとき、親液領域112a、112bとそれ以外の撥液性の領域との表面特性の違いにより液状体124は親液領域112a、112bに留まり、面方向に濡れ拡がってしまうことはない。
画素電極141、補助電極145を形成するための液体材料124は、図1に示した液体材料調整装置Sにより調製される。この電極形成材料を含む液体材料としては、白金、金、銀等の金属微粒子を分散媒に分散させたものを好適に用いることができる。金属微粒子の粒径は、50nm〜0.1μm程度とすることが好ましく、300nm程度以下の粒径とすることがより好ましい。このような粒径とすることで、分散媒への分散性や、液滴吐出ヘッド20からの吐出性が良好なものとなる。また金属微粒子の表面を有機物等でコーティングしておけば、分散媒への分散性をさらに高めることができ、好都合である。
金属微粒子を分散させるための分散媒としては、室温での蒸気圧が0.001mmHg以上200mmHg以下であるものが好ましい。蒸気圧が200mmHgを越えると、吐出により塗布膜を形成した際に分散媒が先に蒸発してしまい、良好な塗布膜が形成し難くなるからである。一方、室温での蒸気圧が0.001mmHg未満であると、乾燥速度が遅くなって塗布膜中に分散媒が残留しやすくなり、後工程の熱処理後に良質の導電膜が得られ難くなるからである。また、特に前記分散媒の蒸気圧が、50mmHg以下であれば、前記液滴吐出ヘッド20から液滴を吐出する際に乾燥によるノズル詰まりが起こり難くなり、安定な吐出が可能となるためより好ましい。
使用する分散媒としては、前記の金属微粒子を凝集を生じさせることなく良好に分散させることができるものであれば、特に限定されることはない。具体的には、水の他に、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼンなどの炭化水素系溶媒、またエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、更にプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノンなどの極性溶媒を挙げることができる。これらのうち、金属微粒子の分散性と分散液の安定性、またインクジェット法への適用の容易さの点で、水、アルコール類、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒が好ましく、更に好ましい溶媒としては水、炭化水素系分散媒を挙げることができる。これらの分散媒は、単独でも、あるいは2種以上の混合物としても使用可能である。
前記金属微粒子を分散媒に分散させて分散液を形成する際の、分散液中の金属微粒子の濃度は、1重量%以上80重量%以下とするのが好ましく、特にこの範囲において、形成する金属膜(第1電極2)の膜厚に応じて調整するのが望ましい。80重量%を越えると、金属微粒子の凝集が生じやすくなって均一な塗布膜が得にくくなるからであり、また、1重量%未満では分散媒を蒸発させるための乾燥に長時間を要することとなり、生産性が低下するからである。
尚、この金属微粒子分散液にあっては、目的の機能を損なわない範囲で、必要に応じてフッ素系、シリコン系、ノニオン系などの表面張力調節材を微量添加してもよい。
ノニオン系表面張力調節材は、分散液の塗布対象物への濡れ性を良好にし、塗布した膜のレベリング性を改良し、塗膜のぶつぶつの発生、ゆず肌の発生などの防止に役立つものとなる。このノニオン系表面張力調節材を添加して調製した金属微粒子分散液については、その粘度を1mPa・s以上50mPa・s以下にするのが好ましい。粘度が1mPa・s未満であると、液滴吐出ヘッド34のノズル周辺部が液状体の流出により汚れ易くなってしまい、また、粘度が50mPa・sを越えると、ノズル孔での目詰まり頻度が高くなってしまうからである。
さらに、このようにして調製した金属微粒子分散液としては、その表面張力が20dyn/cm以上70dyn/cm以下の範囲に入ることが望ましい。表面張力が20dyn/cm未満であると、インク組成物のノズル面に対する濡れ性が増大するため飛行曲りが生じ易くなり、70dyn/cmを越えるとノズル先端でのメニスカスの形状が安定しないため、インク組成物の吐出量、吐出タイミングの制御が困難になるからである。
このような金属微粒子からなる電極形成材料を含む液体材料を液滴吐出ヘッド20によって親液領域112a、112bに配したならば、基板Pを加熱することで液体材料に含まれる分散媒を除去する。このとき、極めて微小な粒径の金属微粒子は、その構成材料の融点より著しく低い温度でも容易に焼結され、良好な導電性を有する導電膜を形成する。このようにして、図13(a)に示す画素電極141及び補助電極145を形成する。
上記熱処理における加熱方法としては、通常のホットプレート、電気炉などによる処理の他に、ランプアニールによっても行うこともできる。また、ランプアニールに使用する光の光源としては、特に限定されないものの、赤外線ランプ、キセノンランプ、YAGレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレーザー、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArClなどのエキシマレーザーなどを光源として使用することができる。これらの光源は一般には、出力10W以上5000W以下の範囲のものが用いられるが、本実施形態では100W以上1000W以下の範囲で十分である。
そして、上記画素電極141、補助電極145を形成したならば、図8(b)、(c)に示した先の実施形態と同様の工程にて、有機EL層140(正孔注入層140A、発光層140B)を形成する。ここで、先の実施形態では、画素電極141を形成した後、バンク150の撥液処理を行うこととしていたが、本実施形態では、画素電極141形成後の撥液処理は不要である。これは、図12(a)に示した工程にて施した撥液処理によりバンク150表面は撥液化されており、同工程で撥液化されない領域にはそれぞれ画素電極141、補助電極145が形成されているからである。
さらに有機EL層140及びバンク150、補助電極145を覆うように共通電極154を形成することで、図11に示した構成の有機EL素子を得る。
以上説明したように、本実施形態に係る有機EL装置の製造方法では、画素電極141及び補助電極145が形成されるべき領域をマスクした状態で基板P上の領域の撥液処理を行い、その後親液領域に選択的に電極形成材料を含む液体材料を配して画素電極141及び補助電極145を形成するので、形成された画素電極141、補助電極145は汚染されていない清浄な表面を有するものとなる。これにより、後続の工程で有機EL層を形成するための液体材料を画素電極141上に配した際に、液体材料が良好に濡れ拡がり、バンク150内に隙間無く満たされるようになる。その結果、形成される有機EL層140は、均一な膜厚及び膜質の平坦膜からなるものとなり、電気的に安定な有機EL素子を作製することができる。
また、画素電極141及び補助電極145をパターン形成する際、公知のフォトリソグラフィを使用せず液体材料を選択配置する液相法により形成するので、フォトレジスト等の有機材料を画素電極141及び補助電極145上に曝さないため、画素電極141及び補助電極145の表面の清浄性を保持する上でさらに有効な製造方法となっており、有機EL層の膜厚、膜質の均一性を高める上で有利である。さらに、基体上の所定位置に必要量のみの電極形成材料を配置するので、材料の使用効率の点でも優れた製造方法である。
また、バンク150形成後に画素電極141を液滴吐出法を用いて形成するので、後続の有機EL層140の形成工程を、画素電極141を形成する工程から連続して行うことができ、画素電極141表面の汚染を防止するうえではさらに都合がよい。また、画素電極141、補助電極145を形成するのに大掛かりな成膜装置や露光装置を必要とせず、かつ材料の使用効率にも優れた製造方法となっている。
さらに、本実施形態に係る製造方法によれば、画素電極141と補助電極145とを同時に形成できる。基板上に設けられた撥液性の領域及び親液性の領域を利用して、スリットコート(或いはカーテンコート)、ダイコート法により前記補助電極と前記第1電極を形成することにより、前記補助電極と前記第1電極を同時に形成できるため、共通電極154の電圧降下を防止するための構造を、工数を増加させることなく形成できるという利点も得られる。
尚、本実施形態で採用している液相法による画素電極141の形成方法は、図6から図9に示した先の実施形態の製造方法にも問題なく適用することができる。この場合にも、画素電極141上での液体材料の濡れ性の向上や、工程の連続化が可能である等の効果を得ることができる。
(電子機器)
図14は、本発明に係る電子機器の一例を示す斜視構成図である。
図14(a)に示す映像モニタ1200は、先の実施形態の有機EL表示装置(表示装置)を備えた表示部1201と、筐体1202と、スピーカ1203等を備えて構成されている。また図14(b)は、小サイズの表示部を備えた電子機器の例である携帯電話機を示しており、携帯電話機1300は、先の実施形態の有機EL装置を備えた表示部1301と、複数の操作ボタン1302、受話口1303、及び送話口1304を備えて構成されている。そして、これらの映像モニタ1200、携帯電話機1300は、先の有機EL装置により高画質で、均一な明るさの表示が可能である。
上記各実施の形態の有機EL装置は、上記携帯電話に限らず、電子ブック、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等々の画像表示手段として好適に用いることができ、いずれの電子機器においても、高画質表示が可能になっている。
図1は、第1実施形態に係る製造方法に用いる液滴吐出装置の斜視構成図。 図2は、同、液滴吐出ヘッドの説明図。 図3は、同、液滴吐出ヘッドの説明図。 図4は、第1実施形態に係る有機EL装置の回路構成図。 図5は、同、1画素領域を示す平面構成図。 図6は、実施形態に係る有機EL装置の製造方法を示す断面工程図。 図7は、実施形態に係る有機EL装置の製造方法を示す断面工程図。 図8は、実施形態に係る有機EL装置の製造方法を示す断面工程図。 図9は、実施形態に係る有機EL装置の製造方法を示す断面工程図。 図10は、有機EL装置の第1変形例を示す部分断面構成図。 図11は、同、第2変形例を示す部分断面構成図。 図12は、同、製造方法を示す断面工程図。 図13は、同、製造方法を示す断面工程図。 図14は、電子機器の構成例を示す斜視構成図。
符号の説明
20 液滴吐出ヘッド、70 有機EL装置、111a 間隙、114a,114b,124 液体材料、140 有機EL層、141 画素電極(第1電極)、142 絶縁部材、143 薄膜トランジスタ(半導体素子)、145 補助電極、150 バンク(隔壁部)、154 共通電極(第2電極)、200 有機EL素子、230,240 層間絶縁膜、245a 導電部材、IJ 液滴吐出装置、P 基板(基体)

Claims (15)

  1. 基体上に、第1電極と、該第1電極の形成位置に対応して設けられた開口部を有する隔壁部と、前記開口部の第1電極上に順次積層された有機EL層と第2電極とを備えた有機EL装置の製造方法であって、
    基体上に前記開口部を有する隔壁部を形成する隔壁部形成工程と、
    前記開口部の底部に前記第1電極をパターン形成する第1電極形成工程と、
    前記隔壁部及び第1電極の表面を含む基体上の領域に所定の撥液処理を施し、撥液膜を形成し、前記開口部の内側に有機EL層形成材料を含む液体材料を液滴吐出法により配し有機EL層を形成する有機EL層形成工程と
    を含むことを特徴とする有機EL装置の製造方法。
  2. 基体上に、第1電極と、該第1電極の形成位置に対応して設けられた開口部を有する隔壁部と、前記開口部の第1電極上に順次積層された有機EL層と第2電極とを備えた有機EL装置の製造方法であって、
    基体上に前記開口部を有する隔壁部を形成する隔壁部形成工程と、
    少なくとも前記隔壁部の一部に撥液膜を形成する撥液膜形成工程と、
    前記撥液膜を形成していない領域に電極形成材料を含む液体材料を配することにより前記第1電極をパターン形成する第1電極形成工程と、
    前記第1電極に有機EL層形成材料を含む液体材料を液滴吐出法により配し有機EL層を形成する有機EL層形成工程と
    を含むことを特徴とする有機EL装置の製造方法。
  3. 前記撥液膜形成工程が、
    前記開口部の底部にマスク材をパターン形成する工程と、
    前記マスク材を介して前記隔壁部表面を含む基体上の領域に所定の撥液処理を施す工程と、
    前記マスク材を除去する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項2に記載の有機EL装置の製造方法。
  4. 前記第1電極形成工程と前記有機EL層形成工程が連続して行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機EL装置の製造方法。
  5. 前記隔壁部形成工程に先立って、
    前記基体上に半導体素子を形成する工程と、
    前記半導体素子を覆う層間絶縁膜を形成する工程と、
    前記層間絶縁膜に、前記半導体素子と前記第1電極との導電接続構造を成すコンタクトホールを貫設する工程と
    を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の有機EL装置の製造方法。
  6. 前記隔壁部形成工程に先立って、前記コンタクトホール内に導電部材を埋設する工程を含むことを特徴とする請求項5に記載の有機EL装置の製造方法。
  7. 前記導電部材を埋設する工程が、
    前記層間絶縁膜上に前記コンタクトホールを埋める導電材料層を形成する工程と、
    前記基体の表面を平滑化して前記層間絶縁膜より上側の前記導電材料層を除去する工程と
    を含むことを特徴とする請求項6に記載の有機EL装置の製造方法。
  8. 前記コンタクトホール上に前記第1電極をパターン形成する工程と、前記有機EL層形成材料を含む液体材料を配する工程との間に、
    前記コンタクトホールに起因して前記第1電極上に生じた凹部に、絶縁材料を埋設する工程を含むことを特徴とする請求項5に記載の有機EL装置の製造方法。
  9. 前記第1電極形成工程において、
    前記隔壁部の表面に、前記第2電極と接続される補助電極を形成することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の有機EL装置の製造方法。
  10. 前記補助電極と前記第1電極は同時形成することを特徴とする請求項9に記載の有機EL装置の製造方法。
  11. 前記開口部内にマスク材を形成する工程において前記隔壁部の表面にもマスク材を形成するとともに、
    前記電極形成材料を含む液体材料を前記基体上に配する工程において、前記隔壁部表面の前記マスク材に覆われていた領域に前記電極形成材料を含む液体材料を配することで、前記補助電極を形成することを特徴とする請求項9に記載の有機EL装置の製造方法。
  12. 前記第1電極形成工程において、
    前記第1電極を、前記隔壁部の内周端から離間して形成することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の有機EL装置の製造方法。
  13. 前記層間絶縁膜の少なくとも表面を無機絶縁材料により形成するとともに、前記第1電極と前記隔壁部との間の領域に当該層間絶縁膜を露出させるように前記第1電極をパターン形成することを特徴とする請求項12に記載の有機EL装置の製造方法。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載の有機EL装置の製造方法により得られた有機EL装置。
  15. 請求項14に記載の有機EL装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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