JP2009054522A - 表示装置の製造装置及び表示装置の製造方法 - Google Patents

表示装置の製造装置及び表示装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】各表示画素の形成領域の略全域において膜厚が略均等な発光機能層(有機EL層)を形成することができる表示装置の製造装置、及び、当該製造装置を用いた表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】各表示画素(各色画素)の有機EL層(例えば正孔輸送層)の形成工程において、特定のラインの画素形成領域に正孔輸送材料を含む有機溶液を塗布した後、少なくとも10ライン分以上離間したラインの画素形成領域に有機溶液を塗布して、相互に隣接するラインに対して連続的に有機溶液を塗布しないようにすることにより、隣接するラインへのインク塗布処理による影響を受けることなく、先に塗布されたラインの有機溶液を十分に乾燥させる。
【選択図】図9

Description

本発明は、表示装置の製造装置及び表示装置の製造方法に関し、特に、液状材料を塗布することにより発光機能層が形成された発光素子を有する表示画素を、複数配列した表示パネルを備えた表示装置を製造するための製造装置、及び、該製造装置を用いてパネル基板上の表示画素の形成領域に発光機能層を形成する製造方法に関する。
近年、携帯電話や携帯音楽プレーヤ等の電子機器の表示デバイスとして、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」と略記する)を2次元配列した表示パネル(有機EL表示パネル)を適用したものが知られている。特に、アクティブマトリクス駆動方式を適用した有機EL表示パネルにおいては、広く普及している液晶表示装置に比較して、表示応答速度が速く、視野角依存性も小さく、また、高輝度・高コントラスト化、表示画質の高精細化等が可能であるとともに、液晶表示装置のようにバックライトや導光板を必要としないので、一層の薄型軽量化が可能であるという極めて優位な特徴を有している。
ここで、有機EL素子は、周知のように、概略、例えばガラス基板等の一面側に、アノード(陽極)電極と、有機EL層(発光機能層)と、カソード(陰極)電極と、を順次積層した素子構造を有し、有機EL層に発光しきい値を越えるようにアノード電極に正電圧、カソード電極に負電圧を印加することにより、有機EL層内で注入されたホールと電子が再結合する際に生じるエネルギーに基づいて光(励起光)が放射されるものであるが、有機EL層となる正孔輸送層(正孔注入層)や発光層、電子輸送層(電子注入層)を形成する有機材料(正孔輸送材料や発光材料、電子輸送材料)に応じて、低分子系と高分子系の有機EL素子に大別することができる。
低分子系の有機材料からなる有機EL素子の場合、一般に、製造プロセスにおいて蒸着法を適用する必要があるため、画素形成領域のアノード電極上にのみ当該低分子系の有機膜を選択的に薄膜形成する際に、上記アノード電極以外の領域への低分子材料の蒸着を防止するためのマスクを用いる場合があり、当該マスクの表面にも低分子材料が付着することになるため、製造時の材料ロスが大きくなるうえ、製造プロセスが非効率的であるという問題を有している。
一方、高分子系の有機材料からなる有機EL素子の場合には、湿式成膜法としてインクジェット法(液滴吐出法)等を適用することができるので、アノード電極上、又は、アノード電極を含む特定の領域にのみ選択的に上記有機材料の溶液を塗布することができ、材料ロスが少なく効率的な製造プロセスで良好に有機EL層(正孔輸送層や電子輸送性発光層)の薄膜を形成することができるという利点を有している。
このような高分子系の有機材料からなる有機EL素子の製造プロセスにおいては、概略、ガラス基板等の絶縁性基板(パネル基板)上の、各表示画素が形成される領域(画素形成領域)ごとにアノード電極(陽極)を形成した後、隣接する表示画素との境界領域に絶縁性の樹脂材料等からなる隔壁(バンク)を形成し、当該隔壁に囲まれた領域に、インクジェット装置等を用いて、当該領域に高分子系の有機材料を溶媒に分散、又は、溶解させた液状材料を塗布した後、加熱乾燥処理を行うことにより、発光機能層(有機EL層)となる正孔輸送層や発光層、電子輸送層を形成する。
すなわち、インクジェット法等の湿式成膜法を適用した製造方法においては、絶縁性基板上に突出して連続的に形成された隔壁により、各画素形成領域を画定するとともに、高分子系有機材料からなる液状材料を塗布する際に、隣接する画素形成領域に異なる色の発光材料が混入することによる表示画素間の発光色の混合(混色)等を防止するようにしている。
このような隔壁を備えた有機EL素子(表示パネル)の構成や、有機EL層(正孔輸送層及び電子輸送性発光層)を形成するためにインクジェット法やノズルプリント法を適用した製造方法については、例えば、特許文献1に詳しく説明されている。なお、高分子系の有機材料からなる有機EL素子の製造プロセスについては、上述したインクジェット法を適用する場合の他に、活版印刷やスクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷等の種々の印刷技術を適用した手法も提案されている。
特開2001−76881号公報 (第4頁〜第7頁、図1〜図6)
しかしながら、上述したような高分子系の有機EL素子の製造方法においては、湿式成膜法を適用して有機EL層(正孔輸送層及び電子輸送性発光層)を製造する際に、各表示画素(画素形成領域)間の境界領域に突出して設けられた隔壁表面やアノード電極表面の特性(撥液性や親液性)、有機材料からなる液状材料(塗布液)の溶媒成分に起因する表面張力や凝集力、液状材料を塗布した後の乾燥方法等の各種要因が、画素形成領域内(特にアノード電極上)に形成される有機EL層の膜厚に影響を及ぼし、膜厚を均一に制御することが難しいという問題を有していた。
有機EL層の膜厚が不均一になってしまうと、有機EL素子の発光動作時における発光開始電圧や有機EL層から放射される光の波長(すなわち、画像表示時の色度)が設計値からずれて、所望の表示画質が得られなくなるとともに、有機EL層の膜厚の薄い領域に過大な発光駆動電流が流れることになるため、表示パネル(画素形成領域)に占める発光領域の割合(いわゆる開口率)の低下や有機EL層(有機EL素子)の劣化が著しくなり表示パネルの信頼性や寿命が低下するという問題を有していた。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑み、各表示画素の形成領域の略全域において膜厚が略均等な発光機能層(有機EL層)を形成することができる表示装置の製造装置、及び、当該製造装置を用いた表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、第1の方向に沿って同じ色が配列し、第2の方向に沿って互いに異なる色が繰り返し順に配列される複数の表示画素を有する表示パネルを備えた表示装置の製造装置において、
前記表示パネルの前記複数の表示画素の形成領域上の前記第1の方向に沿った第1のラインと、第1のラインと同色の複数のラインのうち、前記第1のラインに最も近接する第2のライン以外の第3のラインと、を前記第2のラインを塗布する前に塗布するプリンタヘッドを有することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の表示装置の製造装置において、前記プリンタヘッドは、同色の複数のラインに対して、前記第1のラインと前記第3のラインとの間隔おきに、前記材料溶液を塗布する動作を繰り返すことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の表示装置の製造装置において、前記プリンタヘッドは、同色の複数のラインに対して、前記第1のラインと前記第3のラインとの間隔おきに、前記材料溶液を同時に吐出する複数の吐出口を有していることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、第1の方向に沿って同じ色が配列し、第2の方向に沿って互いに異なる色が繰り返し順に配列される複数の表示画素を有する表示パネルを備えた表示装置の製造装置において、
前記表示パネルの前記複数の表示画素の形成領域上の前記第1の方向に沿った第1のラインと、塗布された第1のラインと同色の複数のラインのうち、前記第1のラインに最も近接する第2のライン以外の第3のラインと、を塗布後、前記第2のラインを塗布するプリンタヘッドを有することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の表示装置の製造装置において、前記プリンタヘッドは、同色の複数のラインに対して、前記第1のラインと前記第3のラインとの間隔おきに、前記材料溶液を塗布する動作を繰り返すことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項4記載の表示装置の製造装置において、前記プリンタヘッドは、同色の複数のラインに対して、前記第1のラインと前記第3のラインとの間隔おきに、前記材料溶液を同時に吐出する複数の吐出口を有していることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の表示装置の製造方法において、第1の方向に沿って同じ色が配列し、第2の方向に沿って互いに異なる色が繰り返し順に配列される複数の表示画素を有する表示パネルを備えた表示装置の製造方法において、
前記表示パネルの前記複数の表示画素の形成領域上の前記第1の方向に沿った第1のラインと、第1のラインと同色の複数のラインのうち、前記第1のラインに最も近接する第2のライン以外の第3のラインと、を前記第2のラインを塗布する前に塗布することを特徴とする。
請求項8記載の発明は、第1の方向に沿って同じ色が配列し、第2の方向に沿って互いに異なる色が繰り返し順に配列される複数の表示画素を有する表示パネルを備えた表示装置の製造方法において、
前記表示パネルの前記複数の表示画素の形成領域上の前記第1の方向に沿った第1のラインと、塗布された第1のラインと同色の複数のラインのうち、前記第1のラインに最も近接する第2のライン以外の第3のラインと、を塗布後、前記第2のラインを塗布することを特徴とする。
本発明に係る表示装置の製造装置、及び、該製造装置を用いた表示装置の製造方法によれば、各表示画素の画素形成領域(画素電極上)の略全域において膜厚が略均等な発光機能層(有機EL層)を形成することができる。
以下、本発明に係る表示装置の製造装置及び表示装置の製造方法について、実施の形態を示して詳しく説明する。
<表示装置の製造装置>
まず、本発明に係る表示装置の製造装置について説明する。
図1は、本発明に係る表示装置の製造装置の一実施形態を示す概略構成図である。
本実施形態に係る表示装置の製造装置(ノズルプリント成膜装置)は、大別して、インク吐出機構部と、基板可動機構部と、を有している。インク吐出機構部は、担体輸送層や発光層となるインクをパネル基板(基板)に対して特定方向に走査しながら吐出する機能を備え、表示パネルに配列される各表示画素に発光素子として有機EL素子が設けられる場合には、例えば、正孔輸送層(担体輸送層)を形成するための正孔輸送材料として、例えば導電性ポリマーであるポリエチレンジオキシチオフェンPEDOTと、ドーパントであるポリスチレンスルホン酸PSS(以下、「PEDOT/PSS」と略記する)を、水やエタノール、エチレングリコール等の水系溶媒に溶解又は分散させた強酸性の水系インク(材料溶液)や、電子輸送層(担体輸送層)兼発光層となる電子輸送性発光層を形成するための電子輸送性発光材料として、例えばフェニレンビニレン系ポリマーやフルオレン系ポリマー等の共役系高分子を、水やテトラリン、テトラメチルベンゼン、メシチレン、キシレン、トルエン等の芳香族系の有機溶媒に溶解又は分散させた水系インク或いは有機溶剤系インク(材料溶液)を吐出する。また、基板可動機構部は、上記水系インクや有機溶剤系インクが塗布されるパネル基板が載置され、上記インク吐出機構部に設けられたプリンタヘッド(詳しくは、後述する)の走査方向に対して垂直方向にパネル基板を移動させることにより、結果的に、上記プリンタヘッドがパネル基板に対して2次元座標方向に相対的に移動するように制御される。
以下、各機構部について具体的に説明する。
(インク吐出機構部)
インク吐出機構部は、図1に示すように、上記インクを吐出するプリンタヘッド11と、当該プリンタヘッド11に対して上記インクを供給するポンプ部12と、当該ポンプ部12におけるプリンタヘッド11へのインクの供給量や供給タイミング等の供給状態を制御するポンプ制御部13と、インクを貯蔵するインクタンク14と、上記プリンタヘッド11を、後述する基板可動機構部に載置されたパネル基板に対して特定方向(Xm方向;図中、両矢印Xmで表記、第1の方向)に走査するためのガイドレール115を備えたヘッド走査部15と、を備えている。
なお、図1(a)は、プリンタヘッド11及び基板ステージ21を上方から俯瞰した構造図であり、基板ステージ21は、1軸ロボット22によって上述したヘッド走査部15によるプリンタヘッド11の走査方向(Xm方向)に対して直交する方向(Ym方向;図中、両矢印Ymで表記、第2の方向)の任意の位置に移動自在である。図1(b)は、プリンタヘッド11及び基板ステージ21を側方から俯瞰した制御系構成図である。なお、プリンタヘッド11は、図1(b)に示すように、Xm方向及びYm方向に直交する方向、つまり基板ステージ21の基板搭載面に対して垂直方向(Zm方向;図中、両矢印Zmで表記)の任意の位置に昇降自在に制御されるものであってもよい。
(プリンタヘッド)
図2は、本実施形態に係る表示装置の製造装置に適用されるプリンタヘッドの構成例を示す概略図である。ここで、図2(a)は、プリンタヘッドの第1の構成例を示す斜視図であり、図2(b)は、第1の構成例に係るプリンタヘッドにおいて吐出口が設けられる面を示す下面図であり、図2(c)は、プリンタヘッドの第2の構成例を示す斜視図であり、図2(d)は、第2の構成例に係るプリンタヘッドにおいて吐出口が設けられる面を示す下面図である。
第1の構成例に係るプリンタヘッド11は、例えば図1に示したように、基板ステージ21の基板載置面側の上方であって、該基板ステージ21の移動方向(1軸方向;図1(a)のYm方向)に対して直交するXm方向に走査しつつ、インクをパネル基板PSBに連続的に吐出して塗布する。
プリンタヘッド11は、具体的には、図2(a)、(b)に示すように、中空の筐体構造を有し、インクを貯留するインク貯留部111と、当該インク貯留部111の上面側等に設けられ、後述するポンプ部12から供給されるインクをインク貯留部111に注入するための注入口112と、インク貯留部111の下面(ノズル面;図2(b)参照)側に開口され、インク貯留部111に注入されたインクを吐出するための唯一の吐出口(ノズル)113と、所定量のインクを吐出口113から吐出するように制御信号を出力する吐出制御部16に接続される制御配線114と、を備えている。
ここで、プリンタヘッド11に設けられた注入口112は、後述するポンプ部12の送出口とチューブ(又は配管)を用いて接続されており、吐出制御部16が演算した吐出口113から吐出された量に基づき、ポンプ制御部13が適宜ポンプ部12を駆動することにより、インクタンク14からインクが注入されてインク貯留部111に常に充填された状態になっている。プリンタヘッド11は、例えばピエゾ素子等の圧電素子或いはインクを加熱して気化膨張させてインクを排出する発熱抵抗素子であり、制御配線114を介して入力された制御信号にしたがって上記吐出口113から所定量のインクが基板ステージ21に向けて吐出される。
吐出されたインクは、後述するように、プリンタヘッド11が基板ステージ21に対してXm方向に延在するガイドレール115に沿って相対的に移動し(走査され)、かつ、基板ステージ21がプリンタヘッドの走査方向であるXm方向に対して直交するYm方向に所定のピッチ(所定の間隔)で相対的に移動することにより、結果的に、プリンタヘッド11がパネル基板PSBに対して、X−Y2軸方向(2次元座標方向)に相対的に移動したことになり、パネル基板PSB上の所定の領域(画素形成領域)に所定量のインクが塗布される。
なお、図2(a)、(b)に示したプリンタヘッド11においては、インク貯留部111の下面(ノズル面)に唯一の吐出口113が設けられた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図2(c)、(d)に示すように、インク貯留部111の下面(ノズル面)に、当該プリンタヘッド11の走査方向に対して垂直方向に、所定の間隔で複数(図2(d)では3個)の吐出口113が設けられているものであってもよい。
この場合、吐出口113相互の配置間隔P1は、複数の表示画素(有機EL素子)が2次元配列されるパネル基板PSBにおいて、少なくとも隣接するラインの表示画素(画素形成領域)との間隔(例えば図4に示す表示パネル30における隣接する表示画素(色画素)間の間隔P2)よりも大きく、望ましくは10ライン分以上の間隔を有するように設定する(P1≧10×P2)。これにより、単一のプリンタヘッド11の複数の吐出口113からインク貯留部111に貯留されたインクを同時に吐出して、パネル基板PSB上の相互に所定ライン数以上離間した複数のラインの画素形成領域に、所定量のインクを同時に塗布することができる。
また、プリンタヘッド11は、下面側の吐出口113とパネル基板PSB(又は、基板ステージ21)との間のクリアランス(パネル基板PSBに対する垂直方向の離間距離)を調整することができるように、図1(b)に示すように、基板ステージ21の載置面(上面)に対して垂直方向(両矢印Zm)への移動が可能なアーム部材等(図示を省略)に取り付けられているものであっても良い。
(ポンプ部)
ポンプ部12は、ポンプ制御部13から出力される駆動信号に基づいて、インクタンク14に貯蔵されたインクを取り込んで上記プリンタヘッド11に送出することにより、インク貯留部111がインクで満たされた(充填された)状態に保持する。
(吐出制御部)
吐出制御部16は、後述する画像処理部24が画像情報データを解析した解析結果に基づいて、プリンタヘッド11がパネル基板PSBの所定領域に吐出するインクの量(吐出量)を制御する制御信号を制御配線114に出力するとともに、吐出量データをポンプ制御部13に出力する。
(基板可動機構部)
基板可動機構部は、図1に示すように、例えば、パネル基板PSBが載置、固定される基板ステージ21と、当該基板ステージ21を上述したプリンタヘッド11の走査方向(Xm方向)に対して直交するYm方向に移動させる1軸ロボット22と、プリンタヘッド11及び基板ステージ21を所定の基準位置に設定した状態において、プリンタヘッド11に対する基板ステージ21上のパネル基板PSBの載置位置を検出するアライメント(位置合わせ)用カメラ23と、該アライメント用カメラ23により撮像された画像を解析する画像処理部24と、該解析結果に基づいて、プリンタヘッド11及び基板ステージ21間の相対的な位置関係を調整するロボット制御部25と、を備えている。
ここで、基板ステージ21は、図示を省略したが、載置されたパネル基板PSBを所定の位置に固定するための、真空吸着機構や機械的な固定機構を備えている。また、基板ステージ21は、パネル基板PSBに対するプリンタヘッド11の初期吐出位置のアライメント(位置合わせ)のために、図1(a)に示すように、上記Ym方向の1軸の移動方向に加え、基板ステージ21の載置面の重心を軸として当該載置面を回転させる回転方向(θ方向)に対しても微調整移動が可能な構造になっている。なお、このような基板ステージ21を回転させる移動構造に換えて、プリンタヘッド11を走査移動させるガイドレール115を、基板ステージ21(載置面)に平行な面内で回転させることにより、プリンタヘッド11の初期吐出位置を調整するものであってもよい。また、予めパネル基板PSB上に形成したアライメント用マークを検出するためのアライメント用カメラ23は、プリンタヘッド11の走査方向及び基板ステージ21の移動方向に対して所定の位置に固定されている。
<製造装置の制御方法>
図3は、本実施形態に係る表示装置の製造装置における制御方法を示すフローチャートである。なお、以下に示す一連の制御動作は、上述した製造装置(図1参照)に設けられたポンプ制御部13、吐出制御部16、画像処理部24及びロボット制御部25により、もしくは、これらの各制御部を統括するシステムコントローラ(図示を省略)等により実行制御される。これらは本発明に係る動作制御部に対応する。
上述したような表示装置の製造装置(ノズルプリント成膜装置)における塗布制御方法は、図3に示すように、まず、基板ステージ21上に載置されたパネル基板PSBに対して、プリンタヘッド11を所定の初期位置(例えば1ライン目L1に対応する位置)に移動させた後(ステップS101)、基板ステージ21(パネル基板PSB)に対してプリンタヘッド11をガイドレール115の延在方向(プリンタヘッド11の走査方向;Xm方向)に走査させながら、所定量のインクを吐出してパネル基板PSB上の所定の領域にインクを塗布する(ステップS102)。プリンタヘッド11は、吐出口113から所定の領域に到達するまで連続しているインクを排出するノズルプリンティングを行う。
ここで、例えばプリンタヘッド11をガイドレール115の一方側(例えば図面右方)から他方側(例えば図面左方)までガイドレール115に沿って移動(走査)させながらインクを吐出して、パネル基板PSBの特定のライン(1ライン目;Lx=L1:xはラインを特定するための変数)の表示画素の画素形成領域にインクが塗布された(往路動作)後においては、プリンタヘッド11はガイドレール115の他方側の所定の位置に停止するとともに、インクの吐出を遮断した状態で待機する(ステップS103)。
次いで、プリンタヘッド11に対して基板ステージ21をプリンタヘッド11の走査方向(Xm方向)に対して直交するYm方向に所定のピッチ(所定の間隔)P11だけ移動させる(ステップS104)。ここで、基板ステージ21を移動させるピッチP11は、複数の表示画素が2次元配列されるパネル基板PSBにおいて、少なくとも隣接するラインの表示画素との間隔(例えば図4に示す表示パネル30における隣接する表示画素(色画素)間の間隔P2)よりも大きく(P11>P2)、望ましくは10ライン分以上の間隔に相当する距離を有するように設定する(P11≧10×P2)。
次いで、上述したステップS102、S103を再度実行して、プリンタヘッド11をガイドレール115の他方側(例えば図面左方)から一方側(例えば図面右方)までXm方向に走査させながらインクを吐出してパネル基板PSB上の所定のライン(例えば11ライン目;Lx=L11)の画素形成領域にインクを塗布し(復路動作)、ガイドレール115の一方側の所定の位置で停止させるとともにインクの吐出を遮断させて待機させ、その後、ステップS104を再度実行して、基板ステージ21をYm方向に所定のピッチP11だけ移動させる。すなわち、基板ステージ21によりパネル基板PSBは、所定のピッチP11ずつ段階的に移動することになる。
上記ステップS104において、基板ステージ21の移動によりプリンタヘッド11が新たに走査されるラインLxがパネル基板PSBの最終ライン目Lendよりも小さい場合(Lx<Lend;ステップS105)には、上述した一連の工程(ステップS102〜S104)を繰り返してパネル基板PSBのYm方向の一端側(1ライン目;Lx=L1側)から他端側(最終ライン目;Lx=Lend側)までラインLx=L1、L11、L21、・・・の画素形成領域に対してインク塗布処理を順次実行する。このように、1ライン目L1を塗布した後、引き続き、1ライン目L1に最も近接している、つまり1ライン目L1に隣接する2ライン目L2を塗布するのではなく、1ライン目L1からYm方向に十分離れた11ライン目L11を塗布するので、11ライン目L1に塗布されたインクの溶媒は、11ライン目L11に塗布されたインクの溶媒によってほとんど阻害されることなく容易に揮発することができる。このため、各ラインLxにおいて、乾燥後のインクの堆積物のYm方向における膜厚をより均一にすることができる。
一方、上記ステップS104において、基板ステージ21の移動によりプリンタヘッド11が新たに走査されるラインLxがパネル基板PSBの最終ライン目Lendよりも大きくなる場合(Lx>Lend;ステップS105)には、上述したステップS101において設定される初期位置に対応するライン(例えば1ライン目L1)に隣接する次のライン(すなわち例えば2ライン目L2;新たな初期位置に相当する)に対応する所定の位置にプリンタヘッド11を移動させ(ステップS107)、当該ラインの画素形成領域に対してプリンタヘッド11を走査させつつインクを吐出して塗布した後(ステップS102、S103)、上述したステップS104と同様に、当該ラインを基準として基板ステージ21をYm方向に所定のピッチP11だけ移動させて、以後、上述したステップS102〜S105の工程を繰り返してパネル基板PSBのYm方向の一端側(1ライン目L1側)から他端側(最終ライン目Lend側)までラインLx=L2、L12、L22、・・・の画素形成領域に対してインク塗布処理を順次実行する。つまり、1ライン目L1を塗布してから2ライン目L2を塗布するまでに、11ライン目L11、21ライン目L21、・・・を経ているので、2ライン目L2の塗布開始までに、1ライン目L1に塗布されたインクの溶媒はほぼ揮発してしまっている。このため、各ラインLxにおいても、乾燥後のインクの堆積物のYm方向における膜厚をより均一にすることができる。
そして、このようなインク塗布処理を繰り返し実行し、パネル基板PSBの全てのライン(表示画素)についてインクの塗布が終了した時点で同処理を終了する(ステップS106)。これにより、表示画素の画素形成領域へのインクの塗布工程において、パネル基板PSB上のすべてのラインの表示画素の画素形成領域に所定量のインクが塗布されるとともに、特定のラインに塗布されたインクが十分乾燥するまで、隣接するラインへのインクの塗布が行われないので、塗布されたインクの乾燥不良を抑制してパネル基板PSBの全表示画素(画素形成領域)において略均一な膜厚及び膜断面形状(プロファイル)を有する有機層が形成された表示パネルを製造することができる。なお、本発明に係るインクの塗布動作及びその効果については、後述する適用例において詳しく説明する。
<表示装置の製造方法>
次に、上述したような製造装置(ノズルプリント成膜装置)を適用した表示装置(表示パネル)の製造方法について説明する。
まず、本実施形態に係る製造装置を適用して製造される表示パネルについて説明する。
(表示パネル)
図4は、本実施形態に係る表示装置の製造方法により製造される表示パネルの画素配列の一例を示す要部概略図である。ここで、図4(a)は、表示パネルの平面図であり、図4(b)は、図4(a)における表示パネルのIVA−IVA線(本明細書においては図4(a)中に示したローマ数字の「4」に対応する記号として便宜的に「IV」を用いる)に沿った断面を示す概略断面図である。なお、図4(a)に示す平面図においては、説明の都合上、表示パネル(絶縁性基板)の一面側(有機EL素子の形成側)から見た、各表示画素(色画素)に設けられる画素電極及び各配線層と、各表示画素の形成領域を画定する隔壁(バンク)と、の配置関係のみを示し、また、画素電極及び各配線層、隔壁の配置を明瞭にするために、便宜的にハッチングを施して示した。また、図5は、本実施形態に係る表示装置の製造方法により製造される表示パネルに2次元配列される各表示画素の回路構成例を示す等価回路図である。
図4(a)に示すように、本実施形態に係る製造装置により製造される表示パネル30(表示装置)は、ガラス基板等の絶縁性基板からなるパネル基板PSBの一面側に、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色を有する色画素PXr、PXg、PXbを一組として、この組が行方向(図面左右方向)に繰り返し複数(3の倍数)配列されるとともに、列方向(図面上下方向)に同一色の色画素PXr、PXg、PXbが複数配列されている。ここでは、隣接するRGB3色の色画素PXr、PXg、PXbを一組として一の表示画素PIXが形成されている。
また、表示パネル30は、図4(a)、(b)に示すように、パネル基板PSBの一面側に突出し、柵状又は格子状の平面パターンを有して配設された隔壁(バンク)33により、パネル基板PSBの一面側に2次元配列された複数の表示画素PIX(色画素PXr、PXg、PXb)のうち、図4(a)の列方向(図面上下方向)に配列された同一色の複数の色画素PXr、PXg、又は、PXbの画素形成領域(各色画素領域)が画定される。
ここで、各色画素PXr、PXg、又は、PXbの画素形成領域には、画素電極(例えばアノード電極)32が形成されているとともに、上記隔壁33の配設方向に並行して列方向(図面上下方向)にデータライン(信号ライン)Ldが配設され、また、当該データラインLdに直交する行方向(図面左右方向)に走査ライン(選択ライン)Ls及び供給電圧ライン(例えばアノードライン)Laが並行に配設されている。また、詳しくは後述するが、表示パネル30には、パネル基板PSB上に2次元配列された複数の表示画素PIXの画素電極32に対して共通に対向するように、単一の電極層(べた電極)からなる対向電極(例えばカソード電極)35が形成されている。
表示画素PIXの各色画素PXr、PXg、PXbは、例えば図5に示すように、パネル基板PSB上に1乃至複数のトランジスタ(例えばアモルファスシリコン薄膜トランジスタ等)を有する画素駆動回路(又は画素回路)DCと、当該画素駆動回路DCにより制御される発光駆動電流が、上記画素電極32に供給されることにより発光動作する有機EL素子(発光素子)OLEDと、を有している。
画素駆動回路DCは、具体的には、例えば図5に示すように、ゲート端子が走査ラインLsに、ドレイン端子が表示パネル30の列方向に配設されたデータラインLdに、ソース端子が接点N11に各々接続されたトランジスタ(選択トランジスタ)Tr11と、ゲート端子が接点N11に、ドレイン端子が供給電圧ラインLaに、ソース端子が接点N12に各々接続されたトランジスタ(発光駆動トランジスタ)Tr12と、トランジスタTr12のゲート端子及びソース端子間に接続されたキャパシタCsと、を備えた回路構成を適用することができる。
また、有機EL素子OLEDは、アノード端子(アノード電極となる画素電極32)が上記画素駆動回路DCの接点N12に接続され、カソード端子(カソード電極)が、上述した単一の電極層により形成された対向電極35と一体的に形成された共通電圧ラインLcに接続されている。
なお、図4、図5に示した表示パネル30及び表示画素PIX(画素駆動回路DC及び有機EL素子OLED)において、走査ラインLsは、例えば図示を省略した走査ドライバに接続され、所定のタイミングで表示パネル30の行方向に配列された複数の表示画素PIX(色画素PXr、PXg、PXb)を選択状態に設定するための選択電圧(走査信号)Sselが印加される。また、データラインLdは、図示を省略したデータドライバに接続され、上記表示画素PIXの選択状態に同期するタイミングで表示データに応じたデータ電圧(階調信号)Vpixが印加される。
また、供給電圧ラインLaは、例えば所定の高電位電源に直接又は間接的に接続され、各表示画素PIX(色画素PXr、PXg、PXb)に設けられる有機EL素子OLEDの画素電極(例えばアノード電極)32に表示データに応じた発光駆動電流を流すために、有機EL素子OLEDの対向電極35(例えばカソード電極;共通電圧ラインLc)に印加される基準電圧Vssより電位の高い、所定の高電圧(供給電圧Vdd)が印加され、また、共通電圧ラインLcは、例えば所定の低電位電源に直接又は間接的に接続され、パネル基板PSB上に2次元配列された全ての表示画素PIX(有機EL素子OLEDのカソード電極)に対して、単一の電極層により形成された対向電極35を介して、所定の低電圧(基準電圧Vss;例えば接地電位GND)が共通に印加されるように設定されている。
なお、図4(b)においては、説明の都合上、図5に示した表示画素PIX(画素駆動回路DC及び有機EL素子OLED)のうち、画素駆動回路DCを構成するトランジスタやキャパシタ、各配線層等を省略し、本実施形態に係る表示装置の製造方法が適用される有機EL素子OLEDを構成する画素電極32、有機EL層34(正孔輸送層34a及び電子輸送性発光層34b)及び対向電極35を中心に示した。図4(b)において、31は絶縁膜、36は保護絶縁膜又は封止樹脂層であり、37は封止基板である。
(表示パネルの成膜方法)
図6〜図8は、本実施形態に係る製造装置(ノズルプリント成膜装置)を適用した表示装置の製造方法(表示パネルの成膜方法)の一例を示す工程断面図である。ここでは、図4に示した、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色画素PXr、PXg、PXbを一組とする表示画素PIXを備えたカラー表示パネルを製造する場合について説明し、各色画素へのインクの塗布工程については、上述したプリンタヘッドの説明(図3)を適宜参照する。また、図9は、本実施形態に係る製造装置におけるパネル基板(基板ステージ)に対するプリンタヘッドの走査移動方法及び走査順序を説明するための概念図である。ここでは、図示を明確にするために、インク塗布処理が実行される各列(ライン)についてハッチングを施して示した。また、図9において40は画素エリア(表示エリア)を示す。
本実施形態に係る表示装置の製造方法、まず、図6(a)に示すように、各色画素PXr、PXg、PXbにトランジスタTr11及びトランジスタTr12が形成されているガラス基板等からなるパネル基板PSBの一面側(図面上面側)に、トランジスタTr11及びトランジスタTr12のゲート絶縁膜及びトランジスタTr11及びトランジスタTr12を覆う保護絶縁膜の少なくとも一方を含む絶縁膜31を介して各表示画素の形成領域(画素形成領域)Apxごとに、少なくとも最上層の表面が錫ドープ酸化インジウム(Indium Thin
Oxide;ITO)や亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)等の透明電極材料からなる画素電極(例えばアノード電極)32を形成した後、図6(b)に示すように、隣接する表示画素(画素形成領域Apx)との境界領域に絶縁性の樹脂材料等からなる隔壁(バンク)33を形成する。
ここで、隔壁33は、画素電極32の周縁部を覆い、画素電極32の中央部が露出されるような開口部が設けられている。これにより、隔壁33に囲まれることにより画定された画素形成領域Apxでは、上記画素電極32が露出する。また、ITO等の金属酸化物は、適度な表面粗さを有しており、金属のように緻密且つ平滑でないため、後述する工程において塗布されたインクが馴染みやすく広がりやすい。
次いで、上記画素電極32及び隔壁33が形成されたパネル基板PSBを純水やアルコールにより洗浄した後、例えば酸素プラズマ処理やUVオゾン処理等を施すことにより、上記隔壁33により画定された各画素形成領域Apxに露出する画素電極32の表面を、少なくとも後述する有機EL層34(例えば正孔輸送層34a及び電子輸送性発光層34b)となる材料がそれぞれ溶解あるいは分散されている有機溶液HLF、ELFに対して親液化する(親液化処理)。
次いで、隔壁33の表面を上記有機溶液HLF、ELFに対して撥液化する。具体的には、パネル基板PSBを例えばフッ素系(フッ素化合物)の撥液処理溶液に浸漬して取り出した後、アルコールや純水で洗浄、乾燥させて、隔壁33の表面に撥液性の薄膜(被膜)を形成する(撥液化処理)。ここで、上記撥液処理溶液として例えばフッ化アルキルアミン等を適用した場合、酸化膜や窒化膜とは反応しないため、画素形成領域Apx内に露出する画素電極32表面のITOやIZO等の金属酸化物や絶縁膜31表面には形成されず、上述した酸素プラズマ処理やUVオゾン処理により付与された親液性を保持する。
これにより、同一のパネル基板PSB上において、絶縁性の樹脂材料により形成された隔壁33の表面のみが撥液化処理され、当該隔壁33により画定された各画素形成領域Apxに露出する画素電極32の表面は撥液化されていない状態(親液性が保持された状態)が実現される。
ここで、本実施形態において使用する「撥液性」とは、後述する正孔輸送層34aとなる正孔輸送材料を含む有機溶液HLFや、電子輸送性発光層34bとなる電子輸送性発光材料を含む有機溶液ELFの液滴、もしくは、これらの溶液に用いる有機溶媒を、絶縁性基板上等に滴下して、接触角の測定を行った場合に、当該接触角が50°以上になる状態と規定する。また、「撥液性」に対する後述する「親液性」とは、本実施形態においては、上記接触角が40°以下になる状態と規定する。
なお、本実施形態においては、各画素形成領域Apxに形成される画素電極32として、単層の電極材料からなる導電層を適用した場合を図示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば表示パネル30が、後述する有機EL層34において発光した光を、パネル基板PSBと反対側(図面上方)に出射するトップエミッション型の発光構造を有している場合にあっては、例えば下層側にアルミニウム(Al)、クロム(Cr)、銀(Ag)、パラジウム銀(AgPd)系の合金等の光反射特性を有する反射金属膜からなる反射金属層と、その上層側に上記ITO等の透明電極材料からなる(光透過特性を有する)導電性酸化金属層と、を積層した電極構造を有しているものであってもよい。
また、本実施形態においては、図示の都合上、画素電極32の各々に接続され、後述する有機EL層34(図5に示した有機EL素子OLEDに相当する)に供給する発光駆動電流を制御する駆動制御素子(図5に示した画素駆動回路DCに設けられるトランジスタTr11、Tr12に相当する)の記載を省略しているが、各画素電極32の下層側に平坦化膜を介して設けられているものであってもよい。また表示パネル30は、駆動制御素子を備えていないパッシブ駆動型であってもよい。
次いで、上述した表示装置の製造装置(図1、図2参照)を適用して、プリンタヘッド11A(上述したプリンタヘッド11と同等の構成を有する)の吐出口113から正孔輸送材料(例えば、上述したPEDOT/PSS)を水性溶剤(例えば水99〜80wt%、エタノール1〜20wt%)に加えた水系分散液である有機溶液(材料溶液)HLFを、上述した吐出制御部16により設定される所定量の液流状にして吐出させ、相互に隣接しない列(上述したラインに相当する)の画素形成領域Apxに、当該プリンタヘッド11Aを順次走査しつつ塗布する。ここで、上述したように、隔壁33の表面は撥液性を有している(撥液化処理が施されている)ので、画素形成領域Apxに塗布された有機溶液HLFの液流が隔壁33上に着滴した場合であってもはじかれて、親液性を有する各画素形成領域Apx内にのみ塗布される。
ここで、説明を簡単にするため、図4(a)に示した表示パネル30において、図9に示すように、例えばピクセル密度80ppi(pixels per inch)とし、上記有機溶液HLFが塗布される列(ライン)を420列、ライン間ピッチ318μmであるものとして説明する。
有機溶液HLFの塗布工程は、具体的には、上述した製造装置(ノズルプリント成膜装置)において、図3に示したフローチャートのように、まず、40℃に加熱した基板ステージ21上に載置されたパネル基板PSBに対して、プリンタヘッド11Aを初期位置、すなわち1ライン目L1に対応する基板ステージ21外方の位置に移動させた後、プリンタヘッド11Aを列方向(図1に示した製造装置、及び、図9に示したプリンタヘッドの走査移動方法においては、図面左右方向(Xm方向)であるが、図4(a)に示した表示パネル30では図示の都合上、図面上下方向となる)に走査させながら、図6(c)に示すように、正孔輸送材料を含む有機溶液(水系インク)HLFを任意の流量で液流状にして吐出して、1列目(1ライン目)の画素形成領域Apxに連続的に塗布する(1走査目)。
次いで、プリンタヘッド11Aの走査を停止させた状態(待機状態)で、図9に示すように、基板ステージ21をプリンタヘッド11Aの走査方向(Xm方向)に対して直交する方向(Ym方向;図面上方)に10列(10ライン)分移動させて、プリンタヘッド11Aをパネル基板PSBに対して、11ライン目L11に対応する基板ステージ21外方の位置に移動させた後、プリンタヘッド11Aを列方向に走査させながら、図6(d)に示すように、有機溶液HLFを液流状にして吐出して、11列目(11ライン目)の画素形成領域Apxに連続的に塗布する(2走査目)。
このようなインク塗布処理を順次繰り返し、21列目(21ライン目L21)、31列目(31ライン目L31)、41列目(41ライン目L41)、・・・、411列目(411ライン目L411)の画素形成領域Apxにも有機溶液HLFを塗布する(3走査目〜42走査目)。
次いで、411列目のインク塗布処理が終了した後、プリンタヘッド11Aの走査を停止させた状態(待機状態)で基板ステージ21をYm方向(図9図面下方)に移動させて、プリンタヘッド11Aをパネル基板PSBに対して、2ライン目L2に対応する基板ステージ21外方の位置(新たな初期位置)に移動させた後、プリンタヘッド11Aを列方向に走査させながら、図6(e)に示すように、有機溶液HLFを液流状にして吐出して、2列目(2ライン目)の画素形成領域Apxに連続的に塗布する(43走査目)。
このとき、上述した1走査目でインク塗布処理が実行された1列目(1ライン目L1)の画素形成領域Apxに塗布された有機溶液HLFは、上述した2走査目から42走査目までのインク塗布処理が実行される時間中に十分に乾燥が進み、画素電極32(ITO膜)上を含む画素形成領域Apx内に正孔輸送材料が薄膜状に定着した正孔輸送層34aが形成される。ここで、本実施形態に係る成膜方法に適用した上記製造条件においては、溶媒に応じて、有機溶液HLFの塗布後、概ね0.1〜1.0sec程度の時間で十分に乾燥が進み、正孔輸送層34aが形成されることが発明者らの検証により判明している。また、上記製造条件により成膜される正孔輸送層34aは、例えば数十nmオーダーの薄膜として形成される。
次いで、上述した2走査目と同様に、基板ステージ21をYm方向(図9図面上方)に10列分移動させて、プリンタヘッド11Aをパネル基板PSBに対して、12ライン目L12に対応する基板ステージ21外方の位置に移動させた後、プリンタヘッド11Aを列方向に走査させながら、図7(a)に示すように、有機溶液HLFを液流状にして吐出して、12列目(12ライン目)の画素形成領域Apxに連続的に塗布する(44走査目)。
以下、上述した3走査目から42走査目と同様に、インク塗布処理を順次繰り返し、22列目(22ライン目L22)、32列目(32ライン目L32)、42列目(42ライン目L42)、・・・、412列目(412ライン目L412)の画素形成領域Apxにも有機溶液HLFを塗布する(45走査目〜84走査目)。さらに、3列目(3ライン目L3)から10列目(10ライン目L10)まで、上述した各10列ごとにインク塗布処理を繰り返して、表示パネル30(パネル基板PSB)の全ての列の画素形成領域Apxに有機溶液HLFを塗布して正孔輸送層34aを形成する。
次いで、上述した表示装置の製造装置(図1、図2参照)を適用して、プリンタヘッド11B(上述したプリンタヘッド11と同等の構成を有する)の吐出口113から特定の発光色(例えば赤(R))に対応した有機高分子系の電子輸送性発光材料(例えば、上述したポリフェニレンビニレン系ポリマー)を溶剤に加えてなる有機溶液(材料溶液)ELFを、上述した吐出制御部16により設定される所定量の液流状にして吐出させ、上述した工程において画素電極32上に正孔輸送層34aが形成された当該特定色(赤(R))の画素形成領域Apxに、当該プリンタヘッド11Bを順次走査しつつ塗布する。ここで、上述したように、隔壁33の表面は撥液性を有している(撥液化処理が施されている)ので、画素形成領域Apxに塗布された有機溶液ELFの液流が隔壁33上に着滴した場合であってもはじかれて、親液性を有する各画素形成領域Apx内にのみ塗布される。
有機溶液ELFの塗布工程は、上述した有機溶液HLFの塗布工程と同様に、特定色の画素形成領域Apxを含む列に対して、プリンタヘッド11Bを列方向に走査させながら、有機溶液ELFを液流状にして吐出して塗布するインク塗布処理を順次実行する。具体的には、例えば赤(R)の画素形成領域Apxを含む列においては、例えば図7(b)に示すように、1列目(1ライン目)のインク塗布処理(1走査目)が終了した後、基板ステージ21をYm方向(図9図面上方)に12列分(より詳しくは、3の倍数であって、10以上となるライン分)移動させて、プリンタヘッド11Bをパネル基板PSBに対して、13ライン目L13に対応する基板ステージ21外方の位置に移動させた後、プリンタヘッド11Bを列方向に走査させながら、図7(c)に示すように、有機溶液ELFを液流状にして吐出して、13列目(13ライン目)の画素形成領域Apxに連続的に塗布する(2走査目)。このように、まず赤(R)プリンタヘッド11Bは1、13、25、・・・、1+12(m−1)、(ただしmは走査順番であり1以上35以下の整数)のライン順に走査して塗布する。すなわち、1ライン目L1を塗布した後、引き続き、赤色の複数のラインのうち、1ライン目L1に最も近接している4ライン目L4を塗布するのではなく、最も近接している4ライン目L4以外のラインを塗布している。
以下、上述した有機溶液HLFの塗布工程と同様に、3走査目以降のインク塗布処理を実行し、409列目のインク塗布処理(35走査目)が終了した後、基板ステージ21をYm方向(図9図面下方)に移動させて、プリンタヘッド11Bをパネル基板PSBに対して、赤(R)の画素形成領域Apxを含む列である4ライン目L4に対応する基板ステージ21外方の位置に移動させた後、プリンタヘッド11Bを列方向に走査させながら、有機溶液ELFを液流状にして吐出して、4列目(4ライン目)の画素形成領域Apxに連続的に塗布する(36走査目)。
そして、上述した2走査目から35走査目と同様に、各列のインク塗布処理が終了した後、基板ステージ21をYm方向(図9図面上方)に12列分ずつ移動させて、赤(R)プリンタヘッド11Bは4、16、28、・・・、4+12(m−36)、(ただしmは走査順番であり36以上70以下の整数)のライン順に走査して塗布し、引き続き、7、19、31、・・・、7+12(m−71)、(ただしmは走査順番であり71以上105以下の整数)のライン順に走査して塗布する。このように、インク塗布処理を順次繰り返して、表示パネル30(パネル基板PSB)の全ての列の赤(R)の画素形成領域Apxに有機溶液ELFを塗布して電子輸送性発光層34bを形成する。
そして、このような各発光色に対応した電子輸送性発光材料を含む有機溶液ELFの塗布動作を、図7(c)、図8(a)に示すように、緑(G)、青(B)の各画素形成領域Apxを含む列に対しても12列ずらして順次繰り返し実行することにより、図8(b)に示すように、各画素形成領域Apxの正孔輸送層34a上に電子輸送性発光材料を薄膜状に定着させた電子輸送性発光層34bが成膜され、各画素電極32上に正孔輸送層34a及び電子輸送性発光層34bからなる有機EL層34が形成される。
次いで、図8(c)に示すように、少なくとも上述した正孔輸送層34a及び電子輸送性発光層34bからなる有機EL層34を介して、各画素電極32に共通に対向する単一の電極層(べた電極)からなる対向電極(例えばカソード電極)35を、各画素形成領域Apxに共通して一体的に形成した後、図4(b)に示したように、対向電極35を含むパネル基板PSB上に、保護絶縁膜や封止樹脂層36を形成し、さらに封止基板37を接合することにより、有機EL素子OLEDを備えた表示画素PIXが2次元配列された表示パネル30が完成する。
このように、本実施形態によれば、各表示画素(各色画素)の有機EL層(例えば正孔輸送層)の形成工程において、特定のラインの画素形成領域に正孔輸送材料を含む有機溶液を塗布した後、少なくとも10ライン分以上離間したラインの画素形成領域に有機溶液を塗布することにより、先に塗布された特定のラインの有機溶液が十分乾燥するまで、隣接するラインへの有機溶液の塗布が行われないので、有機溶液の乾燥不良を抑制してパネル基板PSBの全表示画素(画素形成領域)において略均一な膜厚及び膜断面形状(プロファイル)を有する有機層を形成することができる。
<作用効果の検証>
図10は、本実施形態に係る表示装置の製造方法(表示パネルの成膜方法)における作用効果の検証結果を示す概略図である。ここで、図10(a)は、パネル基板へのインク塗布方法を示す概略平面図であり、図1(b)は、図10(a)に示した平面図におけるXB−XB線及びXC−XC線(本明細書においては図10中に示したローマ数字の「10」に対応する記号として便宜的に「X」を用いる)に沿った断面を示す概略断面形状図である。また、図10(a)においては、図示を明確にするために、インク塗布処理が実行される各列(ライン)についてハッチングを施して示した。
上述した実施形態に係る有機膜の成膜方法の作用効果について、詳しく検証する。ここでは、図10に示すように、パネル基板PSB上に設定された画素形成領域Apxを含む列(ライン)のうち、相互に隣接する列に対してインク塗布処理を連続して順次実行する場合(図中EX1)と、特定の1列に対してのみインク塗布処理を実行し、隣接する列へのインク塗布処理を行わない場合(図中EX2)における膜厚及び膜断面の形状(プロファイル)について検証する。
前者のインク塗布処理においては、隣接する各列に対するインク塗布処理を、パネル基板PSBの一方側(図10(a)の上端側)から他方側(同図の下端側)方向に順次実行する場合に相当し、従来(周知)の製造方法に対応する。この場合における画素形成領域内に成膜される有機膜(上述した本実施形態に示した正孔輸送層34a又は電子輸送性発光層34bに相当する)の膜厚及び膜断面の形状は、図10(b)にXC−XC断面として示すように、塗布されたインクが十分乾燥する前に隣接する(次の)列にインクが塗布されることにより、有機溶液(インク)の乾燥時に生じるYm方向での局所的な溶媒雰囲気の不均一性が有機溶液(インク)の乾燥特性に影響を及ぼし、インクの堆積物のYm方向での膜厚が不均一になるとともに、一方(図10(b)の左方側)の隔壁側では膜表面が壁面に大きく迫り上がり、他方(同図右方側)の隔壁側では壁面への迫り上がりが小さく抑制されて膜断面の形状が大きく偏る現象が確認された。
これに対して、後者のインク塗布処理は、次のインク塗布処理が隣接する列に対して実行されるのではなく、十分離間した列に対して実行される場合に相当し、上述した本実施形態に対応する。この場合における画素形成領域内に成膜される有機膜(正孔輸送層34a又は電子輸送性発光層34b)の膜厚及び膜断面の形状は、図10(b)にXB−XB断面として示すように、隣接する列へのインク塗布処理による影響を受けることなく、塗布された有機溶液(インク)が十分乾燥することにより、膜厚が略均一になるとともに、膜断面の形状が略均等になることが判明した。
すなわち、特定の列(ライン)に対してインク塗布処理が実行された後に引き続きインク塗布処理が実行される列(ライン)との離間距離が、相互に有機溶液(インク)の乾燥時に影響しあわない程度に離間するように設定され、かつ、上記特定の列(ライン)に隣接する列へのインク塗布処理を実行する際に既に塗布された有機溶液(インク)が十分乾燥する程度に時間が経過しているように製造条件を設定することにより、各画素形成領域に形成される有機膜の膜厚や膜断面形状の均一性を向上させることができる。ここで、上記効果を得るための製造条件としては、具体的には、上述したノズルプリント成膜装置(表示装置の製造装置)におけるパネル基板の加熱温度や有機溶液の溶媒の種類等のパラメータであり、これらを適宜設定することにより、次にインク塗布処理を実行する列までの離間距離(すなわち、基板ステージの移動距離や速度等)が決定される。
このように、本実施形態に係る表示装置の製造装置及び製造方法によれば、各画素形成領域の略全域において、有機EL層の膜厚及び膜断面形状を略均一化して有機EL層に流れる発光駆動電流を略均一化することにより、有機EL層の広い範囲で光が放射されるとともに、表示パネルに配列された複数の表示画素間で発光輝度のバラツキが抑制されるので、表示パネルの開口率を改善して表示画質を向上させることができるとともに、有機EL層の特定の領域に過大な発光駆動電流が流れる現象が抑制されるので、有機EL層(有機EL素子)の劣化を抑制して表示パネルの信頼性の向上や寿命の改善を図ることができる。
なお、本実施形態においては、画素電極32を有機EL素子のアノード電極とし、対向電極35をカソード電極として、画素電極32側に正孔輸送層34aを、また、対向電極35側に電子輸送性発光層34bを形成した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、画素電極32を有機EL素子のカソード電極とし、対向電極35をアノード電極とするものであってもよい。この場合、画素電極32側に電子輸送性発光層34bを、また、対向電極35側に正孔輸送層34aを形成した素子構造となる。
また、上述した実施形態においては、正孔輸送層34aを成膜する工程において、10列(ライン)おきに有機溶液HLFを塗布する場合について説明し、また、電子輸送性発光層34bを成膜する工程において、12列(ライン)おきに有機溶液ELFを塗布する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上述したように、塗布される有機溶液(インク)の乾きやすさや上記成膜工程におけるパネル基板の温度等に基づいて、10列(ライン)以下の任意の列ごと(例えば6列ごと)に有機溶液HLF、ELFを塗布するものであってもよいし、10列よりもさらに多数の任意の列ごと、例えば100列以上の任意の列ごと、より具体的には、例えば図9に示した420列を有するパネル基板PSBにおいて、105列ごとに塗布するものであってもよい。
また、上述した実施形態においては、有機EL層34が正孔輸送層34a及び電子輸送性発光層34bからなり、正孔輸送層34aを形成するための有機溶液HLFとしてPEDOT/PSSを含む溶液(水系分散液)を適用し、電子輸送性発光層34bを形成するための有機溶液ELFとしてポリフェニレンビニレン系ポリマーを含む溶液(水系分散液)を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、有機EL層が例えば正孔輸送兼電子輸送性発光層のみでもよく、正孔輸送性発光層及び電子輸送層でもよく、また、間に適宜担体輸送層が介在してもよく、その他の担体輸送層の組合せであってもよく、さらに、本発明に係る表示装置の製造装置及び製造方法は、有機EL材料を含む溶液であって、塗布可能なものであれば良好に適用することができる。
また、上述した実施形態においては、プリンタヘッドとして、図2(a)、(b)に示したように、1回の走査により1列(ライン)分のインク塗布処理を実行する構造を有するものを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図2(c)、(d)に示したように、単一のプリンタヘッドに複数の吐出口を備え、複数の列に対して有機溶液(インク)を同時に吐出して塗布する構造を有するものであってもよい。
なお、上述した実施形態に係る表示装置の製造方法(有機膜の成膜方法)においては、相互に隣接する列(ライン)に対して連続的にインク塗布処理を実行するのではなく、十分離間した列ごと、例えば10列以上離間した列ごとにインク塗布処理を実行することを特徴とするが、塗布された有機溶液(インク)が十分乾燥した後に隣接する列に有機溶液を塗布するものであれば、有機溶液(インク)の乾燥時に生じる局所的な溶媒雰囲気の不均一性が有機溶液(インク)の乾燥特性に影響を及ぼすことはないので、相互に隣接する列に対して連続的に有機溶液を塗布する製造方法を適用するものであってもよい。
本発明に係る表示装置の製造装置の一実施形態を示す概略構成図である。 本実施形態に係る表示装置の製造装置に適用されるプリンタヘッドの構成例を示す概略図である。 本実施形態に係る表示装置の製造装置における制御方法を示すフローチャートである。 本実施形態に係る表示装置の製造方法により製造される表示パネルの画素配列の一例を示す要部概略図である。 本実施形態に係る表示装置の製造方法により製造される表示パネルに2次元配列される各表示画素の回路構成例を示す等価回路図である。 本実施形態に係る製造装置(ノズルプリント成膜装置)を適用した表示装置の製造方法(表示パネルの成膜方法)の一例を示す工程断面図(その1)である。 本実施形態に係る製造装置(ノズルプリント成膜装置)を適用した表示装置の製造方法(表示パネルの成膜方法)の一例を示す工程断面図(その2)である。 本実施形態に係る製造装置(ノズルプリント成膜装置)を適用した表示装置の製造方法(表示パネルの成膜方法)の一例を示す工程断面図(その3)である。 本実施形態に係る製造装置におけるパネル基板(基板ステージ)に対するプリンタヘッドの走査移動方法及び走査順序を説明するための概念図である。 本実施形態に係る表示装置の製造方法(表示パネルの成膜方法)における作用効果の検証結果を示す概略図である。
符号の説明
11、11A、11B プリンタヘッド
21 基板ステージ
30 表示パネル
32 画素電極
33 隔壁
34a 正孔輸送層
34b 電子輸送性発光層
35 対向電極
113 吐出口
PSB パネル基板
PIX 表示画素
Apx 画素形成領域
HLF、ELF 有機溶液

Claims (8)

  1. 第1の方向に沿って同じ色が配列し、第2の方向に沿って互いに異なる色が繰り返し順に配列される複数の表示画素を有する表示パネルを備えた表示装置の製造装置において、
    前記表示パネルの前記複数の表示画素の形成領域上の前記第1の方向に沿った第1のラインと、第1のラインと同色の複数のラインのうち、前記第1のラインに最も近接する第2のライン以外の第3のラインと、を前記第2のラインを塗布する前に塗布するプリンタヘッドを有することを特徴とする表示装置の製造装置。
  2. 前記プリンタヘッドは、同色の複数のラインに対して、前記第1のラインと前記第3のラインとの間隔おきに、前記材料溶液を塗布する動作を繰り返すことを特徴とする請求項1記載の表示装置の製造装置。
  3. 前記プリンタヘッドは、同色の複数のラインに対して、前記第1のラインと前記第3のラインとの間隔おきに、前記材料溶液を同時に吐出する複数の吐出口を有していることを特徴とする請求項1記載の表示装置の製造装置。
  4. 第1の方向に沿って同じ色が配列し、第2の方向に沿って互いに異なる色が繰り返し順に配列される複数の表示画素を有する表示パネルを備えた表示装置の製造装置において、
    前記表示パネルの前記複数の表示画素の形成領域上の前記第1の方向に沿った第1のラインと、塗布された第1のラインと同色の複数のラインのうち、前記第1のラインに最も近接する第2のライン以外の第3のラインと、を塗布後、前記第2のラインを塗布するプリンタヘッドを有することを特徴とする表示装置の製造装置。
  5. 前記プリンタヘッドは、同色の複数のラインに対して、前記第1のラインと前記第3のラインとの間隔おきに、前記材料溶液を塗布する動作を繰り返すことを特徴とする請求項4記載の表示装置の製造装置。
  6. 前記プリンタヘッドは、同色の複数のラインに対して、前記第1のラインと前記第3のラインとの間隔おきに、前記材料溶液を同時に吐出する複数の吐出口を有していることを特徴とする請求項4記載の表示装置の製造装置。
  7. 第1の方向に沿って同じ色が配列し、第2の方向に沿って互いに異なる色が繰り返し順に配列される複数の表示画素を有する表示パネルを備えた表示装置の製造方法において、
    前記表示パネルの前記複数の表示画素の形成領域上の前記第1の方向に沿った第1のラインと、第1のラインと同色の複数のラインのうち、前記第1のラインに最も近接する第2のライン以外の第3のラインと、を前記第2のラインを塗布する前に塗布することを特徴とする表示装置の製造方法。
  8. 第1の方向に沿って同じ色が配列し、第2の方向に沿って互いに異なる色が繰り返し順に配列される複数の表示画素を有する表示パネルを備えた表示装置の製造方法において、
    前記表示パネルの前記複数の表示画素の形成領域上の前記第1の方向に沿った第1のラインと、塗布された第1のラインと同色の複数のラインのうち、前記第1のラインに最も近接する第2のライン以外の第3のラインと、を塗布後、前記第2のラインを塗布することを特徴とする表示装置の製造方法。
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