JP2011113646A - 発光装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インキを液柱状に塗布する方法を用いて、複数の有機EL素子にわたって膜厚が等しい共通層を形成することのできる、複数の有機EL素子を備える発光装置の製造方法を提供する。
【解決手段】平面上において所定の列方向に所定の間隔を開けて、前記列方向とは方向が異なる行方向に延びる複数の行が設定されており、各前記行上において前記行方向に所定の間隔をあけて設けられる複数の有機EL素子であって、それぞれが、一対の電極と、該電極間に設けられ、各有機EL素子に共通して設けられる共通層とを含んで構成される前記複数の有機EL素子を備える発光装置の製造方法において、前記共通層を形成する工程を含み、共通層を形成する工程では、共通層が形成されていない行について、前記列方向にm行の間隔を開けて共通層を塗布成膜するプロセスを、(m+1)回行う、発光装置の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は発光装置の製造方法に関する。
表示装置には液晶表示装置やプラズマ表示装置など種々のものがあるが、その1つに、画素の光源として有機EL(Electro Luminescence)素子を用いた表示装置がある。
有機EL素子はこの表示装置において基板上に整列して配置されている。なお基板上には有機EL素子を区分けするための複数本の隔壁がストライプ状に配置されている。換言すると、基板上には、複数本の隔壁に対応する複数本の凹部がストライプ状に設けられている。そして複数の有機EL素子は、複数本の凹部にそれぞれ設けられ、各凹部において、凹部の延びる方向(以下において、「凹部の延びる方向」を行方向といい、この行方向に垂直な方向を例えば列方向ということがある。)に沿って所定の間隔を開けて配置されている。
カラー表示装置には、所期の色を表現するために、赤色、緑色および青色のうちのいずれか1種の光を放つ3種類の有機EL素子が設けられる。例えば赤色、緑色または青色を放つ複数の有機EL素子を各凹部に配置した以下の(I)〜(III)の3つの行を、繰り返しこの順序で列方向に配置することによって、カラー表示装置が実現される。(I)赤色の光を放つ複数の有機EL素子が所定の間隔を開けて配置される行。(II)緑色の光を放つ複数の有機EL素子が所定の間隔を開けて配置される行。(III)青色の光を放つ有機EL素子が所定の間隔を開けて配置される行。
有機EL素子は、一対の電極と、この電極間に設けられる複数の有機層とを含んで構成され、複数の有機層として少なくとも一層の発光層が設けられている。上記3種類の有機EL素子は、赤色、緑色および青色のいずれか1種の光を放つ発光層を、素子の種類に応じて形成することにより作製することができる。この場合、有機EL素子の種類に応じて、所定の行(凹部)に、所定の色を放つ発光層を形成する必要がある。例えば赤色の光を放つ発光層を形成する場合、赤色の光を放つ発光層となる材料を含むインキを、この発光層が形成されるべき行(凹部)に供給し、さらにこれを固化することによって、赤色の光を放つ発光層を形成することができる。青色または緑色の光を放つ発光層の形成方法も同様である。このように3種類の発光層をそれぞれ所定の行(凹部)に形成する場合、各種の発光層が形成される行(凹部)に応じて、各種のインキを塗り別ける必要がある。
他方、発光色にさほど影響を与えない層、例えば正孔注入層および正孔輸送層などは、有機EL素子の発光色とは無関係に、3種類全ての有機EL素子に共通する層(以下、共通層ということがある。)として設けることができる。このような共通層を形成する際には、共通層となる材料を含むインキを所定の行(凹部)に応じて塗り別ける必要がない。そのため例えばスピンコート法のように基板の全面にインキを塗布することによって、全ての有機EL素子の共通層を一度に形成することもできる(例えば特許文献1参照)。
特開2009−54522号公報
共通層を形成する際に基板全面にインキを塗布すると、隔壁間(凹部)だけでなく、隔壁上にまでインキが塗布される。隔壁上に塗布されたインキは、乾燥するにしたがって大部分が凹部に流入するが、その一部が隔壁上に残留することもある。そのため形成を意図していない隔壁上にも共通層が形成されることがある。
意図していない部位にまで共通層が形成されると、隔壁間(凹部)に形成される共通層の膜厚が、意図した膜厚よりも薄くなることがあり、また隔壁上に形成された共通層に起因して、意図しない部位での電気的な導通が発生し、リーク電流が生じることがあるという問題がある。
そこで上記問題を解決するために、基板全面にインキを塗布する方法に代えて、ノズルコート法によって、隣り合う隔壁間(凹部)にのみインキを供給し、隔壁間(凹部)にのみ共通層を形成する方法を検討したところ、この方法では以下の問題が生じることが確認された。
ノズルコート法ではいわゆる一筆書きで全ての行(凹部)にインキを供給する。すなわち基板の上方に配置されるノズルから液柱状のインキを吐出したまま、ノズルを行方向に往復移動させつつ、ノズルの往復移動の折り返しの際に、基板を列方向に一行分だけ移動させることによって、全ての行(凹部)にインキを供給する。なおノズルは、有機EL素子が形成される領域だけでなく、この領域を超えたところまで行方向に往復移動する。隔壁は、有機EL素子が形成される領域に設けられているが、この領域を超えたところには設けられていないため、ノズルコート法では隔壁が設けられていない領域にまでインキが塗布されることになる。隔壁が設けられている領域に塗布されたインキは凹部によってその移動が規制されるが、隔壁が設けられていない領域に塗布されたインキ、すなわち行方向の端部に塗布されたインキは、その移動を規制するものがないために、基板上を濡れ広がって隣の行のインキと連なり、ひいては列方向に連なることがある。隔壁間(凹部)に供給されたインキは、乾燥する際に、列方向に連なるインキに引き込まれるようにして一部が移動することがあり、その結果として、行方向の端部に形成される有機EL素子の共通層の膜厚が、他の有機EL素子の共通層に比べて薄くなることがある。またインキは、隣の行に溢れ出ないない程度ではあるが、多量に供給されるため、所定の行に供給されたインキが、隣の行に供給されたインキと隔壁上において連なることがあり、結果として隔壁上に共通層が形成されることがある。その場合、全面にインキを塗布した場合と同様の問題が生じる。
従って本発明の目的は、インキを液柱状に塗布する方法を用いて、複数の有機EL素子にわたって膜厚が等しい共通層を形成することのできる、複数の有機EL素子を備える発光装置の製造方法を提供することである。
本発明は、平面上において所定の列方向に所定の間隔を開けて、前記列方向とは方向が異なる行方向に延びる複数の行が設定されており、各前記行上において前記行方向に所定の間隔をあけて設けられる複数の有機EL素子であって、それぞれが、一対の電極と、該電極間に設けられ、各有機EL素子に共通して設けられる共通層とを含んで構成され、、異なる行に形成される前記有機EL素子の前記共通層の膜厚が等しい前記複数の有機EL素子を備える発光装置の製造方法において、
一対の電極のうちの一方の電極を形成する工程と、
一対の電極のうちの他方の電極を形成する工程と、
共通層となる材料を含む液柱状のインキを前記所定の行上に供給しつつ、インキが供給される位置を前記行方向に移動することによって、所定の行の共通層を塗布成膜し、前記共通層を形成する工程とを含み、
共通層を形成する工程では、共通層が形成されていない行について、前記列方向にm行(記号「m」は自然数を表す。)の間隔を開けて共通層を塗布成膜するプロセスを、(m+1)回行う、発光装置の製造方法に関する。
また本発明は、異なる行に形成される前記共通層の膜厚が等しくなるように、行方向の単位長さ当りのインキの供給量を前記プロセスごとに調整する前記発光装置の製造方法に関する。
また本発明は、行方向の単位長さ当りのインキの供給量は、前のプロセスよりも、後のプロセスの方を少なくする、前記発光装置の製造方法に関する。
また本発明は、インキの供給量の調整は、インキが供給される位置を前記行方向に移動する際の速度を調整することによって行う、前記発光装置の製造方法に関する。
また本発明は、インキの供給量の調整は、インキの単位時間当たりの供給量を調整することによって行う、前記発光装置の製造方法に関する。
また本発明は、前記mが1である、前記発光装置の製造方法に関する。
また本発明は、所定の基板上において所定の列方向に所定の間隔を開けて、前記列方向とは方向が異なる行方向に延びる複数の行が設定されており、各行にそれぞれ形成され、、互いに膜厚が等しい複数本の薄膜の製造方法であって、
薄膜となる材料を含む液柱状のインキを前記所定の行上に供給しつつ、インキを供給する位置を前記行方向に移動することによって、所定の行の薄膜を塗布成膜し、前記薄膜を形成する工程とを含み、
薄膜を形成する工程では、薄膜が形成されていない行について、前記列方向にm行(記号「m」は自然数を表す。)間隔を開けて薄膜を塗布成膜するプロセスを、(m+1)回行う、薄膜の製造方法に関する。
本発明では、列方向にm行の間隔を開けて共通層を塗布成膜する。この場合、列方向に間隔を開けることなく共通層を塗布成膜する場合に比べて、インキを塗布する列方向の間隔が広がるため、行方向の端部においてインキが列方向に連なることを防ぐことができる。また隣の行に連続してインキを塗布しないため、所定の行に供給されたインキが、隣の行に供給されたインキと隔壁上において連なることを防ぐことができる。これによって、インキを液柱状に塗布する方法を用いて、複数の有機EL素子にわたって膜厚が等しい共通層を形成することができる。
本実施形態の発光装置1を模式的に示す平面図である。 発光装置1を模式的に示す断面図である。 1回目のプロセスを行った直後の状態を模式的に示す平面図である。 1回目のプロセスを行った直後の状態を模式的に示す断面図である。 2回目のプロセスを行った直後の状態を模式的に示す平面図である。 2回目のプロセスを行った直後の状態を模式的に示す断面図である。
本発明の発光装置の製造方法は、平面上において所定の列方向に所定の間隔を開けて、前記列方向とは方向が異なる行方向に延びる複数の行が設定されており、各前記行上において前記行方向に所定の間隔をあけて設けられる複数の有機EL素子であって、それぞれが、一対の電極と、該電極間に設けられ、各有機EL素子に共通して設けられる共通層とを含んで構成され、異なる行に形成される前記有機EL素子の前記共通層の膜厚が等しい前記複数の有機EL素子を備える発光装置の製造方法において、一対の電極のうちの一方の電極を形成する工程と、一対の電極のうちの他方の電極を形成する工程と、共通層となる材料を含む液柱状のインキを前記所定の行上に供給しつつ、インキが供給される位置を前記行方向に移動することによって、所定の行の共通層を塗布成膜し、前記共通層を形成する工程とを含み、共通層を形成する工程では、共通層が形成されていない行について、前記列方向にm行(記号「m」は自然数を表す。)の間隔を開けて共通層を塗布成膜するプロセスを、(m+1)回行う、発光装置の製造方法に関する。
発光装置は例えば表示装置として利用される。表示装置には主にアクティブマトリクス駆動型の装置と、パッシブマトリクス駆動型の装置とがあるが、本実施形態ではその一例としてアクティブマトリクス駆動型の表示装置について説明する。
<発光装置の構成>
まず発光装置の構成について説明する。図1は本実施形態の発光装置1を模式的に示す平面図であり、図2は発光装置1を模式的に示す断面図である。発光装置1は主に支持基板2と、この支持基板2上に形成される複数の有機EL素子11と、複数の有機EL素子11を区分けするために設けられる隔壁3と、各有機EL素子を電気的に絶縁する絶縁膜4とを含んで構成される。
本実施形態では複数の有機EL素子11はそれぞれ支持基板2上においてマトリクス状に整列して配置される。すなわち複数の有機EL素子11はそれぞれ行方向Xに所定の間隔を開けるとともに、列方向Yに所定の間隔を開けて配置される。なお本実施形態では行方向Xおよび列方向Yは、互いに垂直であって、かつそれぞれが支持基板2の厚み方向Zに垂直である。
本実施形態では行方向Xに延びる複数本の隔壁3が支持基板2上に設けられる。この隔壁3は平面視でいわゆるストライプ状に設けられる。各隔壁3はそれぞれ、列方向Yに隣り合う有機EL素子11の間に設けられる。換言すると複数の有機EL素子11は、列方向Yに隣り合う隔壁3の間に設けられ、各隔壁3間において、行方向Xに所定の間隔を開けて配置されている。以下、列方向Yに隣り合う一対の隔壁と支持基板とによって規定される凹みを、凹部5ということがあり、複数本の凹部5がそれぞれ所定の行に対応する。
本実施形態では支持基板2と隔壁3との間に、各有機EL素子11を電気的に絶縁する格子状の絶縁膜4が設けられる。この絶縁膜4は、行方向Xに延伸する複数本の板状の部材と、列方向Yに延伸する複数本の板状の部材とが一体的に形成されて構成される。格子状の絶縁膜4の開口6は、平面視で有機EL素子に重なる位置に形成される。絶縁膜4の開口6は平面視で例えば小判形、略円形、略楕円形および略矩形などに形成される。前述の隔壁3は、絶縁膜4の一部を構成する行方向Xに延伸する部材上に設けられる。この絶縁膜4はその目的に応じて必要に応じて設けられる。例えば絶縁膜4は行方向Xの有機EL素子の電気絶縁を確保するために設けられる。
有機EL素子11は、一対の電極と、該電極間に設けられる1層以上の発光層とを含んで構成される。本実施形態では各有機EL素子に共通して設けられる共通層が一対の電極間に設けられる。この共通層には例えば、発光層とは異なる有機層、無機物と有機物とを含む層、および無機層などがある。具体的にはいわゆる正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層、正孔ブロック層、電子輸送層、および電子注入層などが共通層として設けられる。図2には一例として一対の電極12,13間に1層の共通層14と1層の発光層15とが設けられた有機EL素子11が示されている。後述するように例えば有機EL素子11は、一対の電極12,13のうちの一方の電極12に相当する陽極、共通層に相当する正孔注入層、発光層、一対の電極12,13のうちの他方の電極13に相当する陰極が、支持基板2側からこの順で積層されて構成される。なお以下では発光層よりも一方の電極12寄りに共通層が配置される構成の有機EL素子について説明するが、本発明はこの構成に限らず、発光層よりも他方の電極13寄りに共通層が配置されていてもよく、また発光層に対して一方の電極12側と、他方の電極13側との両方に共通層が配置されていてもよい。
一対の電極は、陽極と陰極とから構成される。陽極および陰極のうちの一方の電極は、一対の電極のうちの一方の電極12として支持基板2寄りに配置され、陽極および陰極のうちの他方の電極は、一対の電極のうちの他方の電極13として、一方の電極12よりも支持基板2から離間して配置される。
本実施形態の発光装置1はアクティブマトリクス型の装置なので、一方の電極12は、有機EL素子11ごとに個別に設けられる。例えば一方の電極12は板状であって、平面視で略矩形状に形成される。一方の電極12は、各有機EL素子が設けられる位置に対応してマトリクス状に支持基板2上に設けられ、それぞれが、行方向Xに所定の間隔を開けるとともに、列方向Yに所定の間隔を開けて配置される。すなわち一方の電極12は平面視で、列方向Yに隣り合う隔壁3の間に設けられ、各隔壁3間において、行方向Xに所定の間隔を開けて配置されている。
前述した格子状に設けられる絶縁膜4は平面視で一方の電極12を除く領域に主に形成され、その一部が一方の電極12の周縁を覆って形成されている。換言すると絶縁膜4には一方の電極12上に開口6が形成されている。この開口6によって一方の電極12の表面が絶縁膜4から露出する。また前述した複数本の隔壁3は、絶縁膜4の一部を構成する行方向Xに延伸する複数本の板状の部材上に設けられる。
共通層は隔壁3に挟まれた領域に行方向Xに延伸して配置される。すなわち共通層は、列方向Yに隣り合う隔壁3によって規定される凹部5に、板状に形成される。なお共通層は、複数の行にそれぞれ形成されるが、本実施形態では全ての行の膜厚が等しくなるように形成される。すなわち異なる行に形成される前記共通層の膜厚が等しくなるように共通層を形成する。
発光層は共通層と同様に、隔壁3に挟まれた領域に行方向Xに延伸して配置される。すなわち発光層は、列方向Yに隣り合う隔壁3によって規定される凹部5に、板状に形成される。なお本実施形態では発光層15は共通層14上に積層されて設けられる。
カラー表示装置の場合、上述したように例えば赤色、緑色および青色のいずれか1種の光を放つ3種類の有機EL素子を支持基板2上に設ける必要がある。具体的には(I)赤色の光を放つ複数の有機EL素子が所定の間隔を開けて配置される行、(II)緑色の光を放つ複数の有機EL素子が所定の間隔を開けて配置される行、(III)青色の光を放つ有機EL素子が所定の間隔を開けて配置される行を、この順序で、列方向Yに繰り返し配置することによってカラー表示装置用の発光装置を実現することができる。
本実施形態では発光層の種類を異ならせることによって、赤色、緑色および青色のいずれか1種の光を放つ3種類の有機EL素子を作製する。そのため(i)赤色の光を放つ発光層が設けられる行、(ii)緑色の光を放つ発光層が設けられる行、(iii)青色の光を放つ発光層が設けられる行の3種類の行を、この順序で、列方向Yに繰り返し配置する。すなわち赤色の光を放つ発光層、緑色の光を放つ発光層、および青色の光を放つ発光層は、それぞれが列方向Yに2行の間隔を開けて行方向Xに延びる板状の層として順次共通層上に積層される。
一対の電極のうちの他方の電極13は発光層15上に設けられる。なお本実施形態では他方の電極13は複数の有機EL素子にまたがって連続して形成され、複数の有機EL素子に共通の電極として設けられる。すなわち他方の電極13は、発光層上だけでなく隔壁3上にも形成され、発光層15上の電極と隔壁3上の電極とが連なるように一面に形成される。
<発光装置の製造方法>
次に表示装置の製造方法について説明する。
まず支持基板2を用意する。アクティブマトリクス型の表示装置の場合、この支持基板2として、複数の有機EL素子を個別に駆動する駆動回路が予め形成された基板を用いることができる。例えばTFT(Thin Film Transistor)基板を支持基板として用いることができる。
(一対の電極のうちの一方の電極を支持基板上に形成する工程)
次に用意した支持基板2上に複数の一方の電極12をマトリクス状に形成する。一方の電極12は、例えば支持基板2上に一面に導電性薄膜を形成し、これをフォトリソグラフィー法を用いてマトリクス状にパターニングすることにより形成される。また例えば一方の電極12が形成されるパターンに対応する部位に開口が形成されたマスクを支持基板2上に配置し、このマスクを介して支持基板2上の所定の部位に導電性材料を選択的に堆積することにより、一方の電極12をパターン形成してもよい。一方の電極12の材料については後述する。なお本工程では一方の電極12が予め形成された支持基板を用意してもよい。
次に本実施形態では支持基板2上に絶縁膜4を格子状に形成する。絶縁膜4は有機物または無機物によって構成される。絶縁膜を構成する有機物としてはアクリル樹脂、フェノール樹脂、およびポリイミド樹脂などの樹脂を挙げることができる。また絶縁膜を構成する無機物としてはSiO、SiNなどを挙げることができる。
有機物からなる絶縁膜を形成する場合、まず例えばポジ型またはネガ型の感光性樹脂を一面に塗布し、所定の部位を露光、現像する。さらにこれを硬化することによって、所定の部位に開口6が形成された絶縁膜4が形成される。なお感光性樹脂としてはフォトレジストを用いることができる。また無機物からなる絶縁膜を形成する場合、無機物からなる薄膜をプラズマCVD法やスパッタ法などによって一面に形成する。次に所定の部位に開口6を形成することにより絶縁膜4が形成される。開口6は例えばフォトリソグラフィ法によって形成される。この開口を形成することにより一方の電極12の表面が露出する。
次に本実施形態では複数本のストライプ状の隔壁3を絶縁膜4上に形成する。隔壁3は例えば絶縁膜の材料として例示した材料を用いて、絶縁膜を形成する方法と同様にしてストライプ状に形成することができる。
隔壁および絶縁膜の形状、並びにその配置は、画素数および解像度などの表示装置の仕様、並びに製造の容易さなどに応じて適宜設定される。例えば隔壁3の列方向Yの厚みL1は、10μm〜100μm程度であり、隔壁3の高さL2は、0.5μm〜5μm程度であり、列方向Yに隣り合う隔壁3間の間隔L3、すなわち凹部5の列方向Yの幅L3は、50μm〜300μm程度である。また絶縁膜4に形成される開口の行方向Xおよび列方向Yの幅は、それぞれ50μm〜300μm程度である。
(共通層を形成する工程)
次に本実施形態では一方の電極12上に共通層を形成する。本工程では、共通層となる材料を含む液柱状のインキを前記所定の行上に供給しつつ、インキの供給される位置を前記行方向に移動することによって、所定の行の共通層を塗布成膜し、前記共通層を形成する。すなわち、いわゆるノズルコート法によって共通層を形成する。本実施形態では例えば正孔注入層となる材料を含むインキをノズルコート法によって、異なる行に形成される前記共通層の膜厚が等しくなるように、共通層を形成する。さらに具体的には、共通層が形成されていない行について、前記列方向にm行(記号「m」は自然数を表す。)の間隔を開けて共通層を塗布成膜するプロセスを、(m+1)回行うことによって、各行の共通層を形成する。
mは自然数であれば「1」に限定されないが、以下ではm=1の場合について図3、4を参照しつつ、より具体的に説明する。m=1の場合、1行の間隔を開けて共通層を塗布成膜するプロセスを、2回行うことによって、全ての行に共通層を形成する。換言すると偶数行と奇数行に別けて共通層を塗布成膜する。
ノズルコート法ではいわゆる一筆書きで各行(凹部)にインキを供給する。本実施形態ではm=1なので、1行の間隔を開けて、いわゆる一筆書きで、各行(凹部)にインキを供給し、偶数行、奇数行に、2回のプロセスに別けてインキを供給する。すなわち支持基板2の上方に配置されるノズルから液柱状のインキを吐出したまま、ノズルを行方向Xに往復移動させつつ、ノズルの往復移動の折り返しの際に、基板を列方向に2行分だけ移動させることによって、1行の間隔を開けてインキを供給する。具体的にはノズルから液柱状のインキを吐出したまま、(1)所定の行上において、行方向Xの一端から他端に向けてノズルを移動し(往路)、(2)支持基板を列方向Yに2行分だけ移動させ(折り返し)、(3)所定の行上において、行方向Xの他端から一端に向けてノズルを移動し(復路)、(4)支持基板を列方向Yに2行分だけ移動させ(折り返し)る、これら(1)〜(4)の動作をこの順序で繰り返すことによって、1行の間隔を開けてインキを供給する。
1回目のプロセスでは図1に示す基板上において偶数行にインキを塗布する。図3、4は1回目のプロセスを行った直後の状態を模式的に示す図である。図3ではインキが塗布された領域にハッチングを施している。図4に示すように、行方向Xに垂直な平面で切った塗布液の断面は、ドーム状となっているが、隣の行(奇数行)にはインキが塗布されていないため、隔壁3上において、偶数行に供給されたインキが隣の行(奇数行)のインキと連なることがない。また一行毎にインキを塗布する場合に比べると、インキを塗布する列方向Yの間隔が広がるため、行方向の端部においてインキが連なることを防ぐことができる。
2回目のプロセスでは図1に示す基板上において奇数行にインキを塗布する。2回目のプロセスでは、共通層が形成されていない行について、1回目のプロセスと同様にいわゆる一筆書きで各行(凹部)にインキを供給する。すなわち1回目のプロセスで塗布されなかった奇数行にインキを供給する。図5,6は、2回目のプロセスを行った直後の状態を模式的に示す図である。図5に示すように、1行の間隔を開けて共通層を塗布成膜するプロセスを2回行うことによって、全ての行にインキが塗布される。図5では、2回目のプロセスにおいて塗布されたインキにハッチングを施している。なお1回目のプロセスにおいて塗布されたインキと、2回目のものとは、ハッチングの斜線の傾きを異ならせている。
図6に示すように、2回目のプロセスを行う時には、1回目のプロセスにおいて塗布されたインキは凹部5内に退避している。インキは時間とともにその溶媒が蒸発し、一部が乾燥することによって体積が収縮し、隔壁上に塗布されたインキが体積の収縮にともなって凹部5内に移動するからである。このように2回目のプロセスを行う時には、1回目のプロセスにおいて塗布されたインキが隔壁3上に存在しないため、たとえ2回目のプロセスにおいて隔壁上にまでインキが塗布されたとしても、この隔壁上のインキと、隣の行のインキとが連なることを避けることができる。このように隣の行のインキと連なることなく、分離していれば、隔壁上に塗布されたインキは、溶媒の蒸発にともなって収縮し、隣のインキに引きずられることなく隔壁間の凹みに収容されるので、隔壁上に中間層が形成されることを防ぐことができる。
また図5では、間隔を開けずに一行ごとにインキを供給した場合と同様に、1回目のプロセスと2回目のプロセスとで塗布されたインキが、行方向Xの両端部において列方向に近接しているように見える。しかしながら、前述したように2回目のプロセスにおいて塗布液を塗布する際には、1回目のプロセスにおいて塗布されたインキの一部が乾燥しているために、1回目のプロセスにおいて行方向Xの端部に塗布されたインキの影響を受け難くなる。したがって2回目のプロセスにおいて、1行の間隔を開けてインキを塗布することにより、1回目のプロセスと同様、インキを塗布する列方向Yの間隔が広がるため、行方向Xの端部においてインキが連なることを防ぐことができる。
共通層は、隔壁間に供給されたインキを固化することによって形成することができる。薄膜の固化は、例えば溶媒を除去することによって行うことができる。溶媒の除去は、自然乾燥、加熱乾燥および真空乾燥などによって行うことができる。また光や熱などのエネルギーを加えることによって重合する材料を含むインキを用いた場合、インキを印刷した後に光や熱などのエネルギーを加えることによって薄膜を固化してもよい。
以上のように、列方向にm行の間隔を開けて共通層を塗布成膜することによって、インキを塗布する際に、行方向の端部においてインキが連なること、および隔壁上においてこの隔壁を挟んで隣り合う行に供給されたインキが連なることを防ぐことができ、これによって、複数の行にわたって膜厚が等しい共通層を形成することができる。なお本実施形態において膜厚は、一方の電極12上において最も薄い部位での膜厚を意味する。また膜厚が等しいとは、発光装置を使用する際に膜厚の相違によって生じる明るさの違いが知覚されない程度の等しさを意味する。具体的には全行の膜厚の相加平均を基準にすると、(膜厚の相加平均)×0.8から(膜厚の相加平均)×1.2の範囲内に各共通層の膜厚が収まることを意味する。
なお本実施形態ではm=1の場合について説明したが、前述したようにmは1に限らず、自然数であれば2以上であってもよい。このようにmが2以上であっても、列方向にm行の間隔を開けてインキを供給することにより、mが1の場合と同様に、方向の端部においてインキが連なること、および隔壁上において隣の行に供給されたインキと連なることを防ぐことができ、これによって、複数の行にわたって膜厚が等しい共通層を形成することができる。
mは自然数であればよいが、その数は小さい方が好ましく、1が最も好ましい。全ての行にインキを塗布するためには(m+1)回のプロセスが必要となるが、mの数が小さくなるほどプロセスの数が少なくなり、全ての共通層を形成するために要する時間が短くなるためである。
本実施形態では1本のノズルを用いてインキを塗布する工程について説明したが、1本に限らず複数本のノズルを用いてインキを塗布してもよい。この場合、列方向にm行の間隔を開けて複数のノズルを配置すればよく、ノズルの行方向Xの往復移動の折り返しの際に、列方向にm行の間隔を開けてインキが塗布されるように、ノズルの本数に対応させて支持基板を所定の距離だけ列方向Yに移動させればよい。
また本実施形態では1層の共通層をノズルコート法で形成したが、1つの有機EL素子に複数の共通層が設けられる場合には、複数ある共通層のうちの少なくとも1層の共通層を上述したノズルコート法によって形成すればよく、また複数の共通層を上述したノズルコート法によって形成してもよい。
以上のように列方向にm行の間隔を開けて共通層を塗布成膜することによって、複数の行にわたって膜厚の等しい共通層を形成することができるが、以下の実験例で示すように、全てのプロセスにおいて、同じ量のインキを供給したとしても、共通層の膜厚が、等しい範囲内ではあるがプロセスごとに僅かに異なることがある。すなわちm=1の場合、1回目のプロセスで形成した共通層の膜厚と、2回目のプロセスにおいて形成した共通層の膜厚とが、等しい範囲内ではあるが僅かに異なることがある。このプロセスごとの膜厚の相違は、インキの乾燥する雰囲気がプロセスごとに異なることに起因するものと考えられる。例えば2回目のプロセスでは、1回目に供給されたインキが乾燥する雰囲気中でインキが塗布され、このような雰囲気中で乾燥する。1回目に供給されたインキと比べると、雰囲気中における溶媒が気化したガスの濃度が高いために、2回目に供給されたインキは乾燥し難く、時間をかけて乾燥する傾向にある。インキは乾燥するにしたがって隔壁表面に沿ってその体積を減少させていくが、乾燥のスピードによって、最終的に形成される共通層の形状が変わり、ドーム状や、すり鉢状になったりすると考えられる。その結果として乾燥スピードが膜厚に影響するものと考えられる。
(実験例)
一方の電極としてITOからなる薄膜、格子状の絶縁膜としてSiOから成る絶縁膜、およびストライプ状の隔壁としてポリイミド樹脂からなる隔壁がそれぞれ形成された基板上に、共通層としてポリ(3,4‐エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)から成る正孔注入層を形成した。m=1として1行の間隔を開けて共通層を順次形成し、2回のプロセスに別けて全ての行に共通層を形成した。水にPEDOT/PSSを35重量%溶解したインキを用いて正孔注入層を形成した。各プロセスでは、偶数行、奇数行にそれぞれ同じ量のインキを塗布した。形成した複数の行の共通層のなかから、列方向Yに連続する7つの行を選択し、この7つの行の共通層の膜厚を測定した。測定には触針式膜厚計(KLA−Tencor社製、P−16+)を使用した。その結果を表1に示す。表1において、偶数行は1回目のプロセスで形成した共通層の膜厚を表し、奇数行は2回目のプロセスで形成した共通層の膜厚を表す。なお一行おきにインキを塗布した場合、隔壁上において隣り合う行に連なる共通層は形成されることがなく、また行方向Xの端部においてインキが列方向Yに連なることがないことを確認した。
Figure 2011113646
表1に示すように、偶数行、奇数行にそれぞれ同じ量のインキを塗布したにもかかわらず、1回目のプロセスで形成した共通層の方が、2回目のプロセスで形成した共通層よりも、膜厚が薄くなる傾向がみられた。
そこで本実施形態では異なる行に形成される前記共通層の膜厚が等しくなるように、行方向の単位長さ当りのインキの供給量をプロセスごとに調整することが好ましい。さらには、インキの供給量は、前のプロセスよりも、後のプロセスの方を少なくすることが好ましい。
例えば実験例では、偶数行、奇数行にそれぞれ同じ量のインキを塗布した場合に、1回目のプロセスで形成した共通層の方が、2回目のプロセスで形成した共通層よりも膜厚が薄くなる傾向がみられたため、偶数行と奇数行とで共通層の膜厚がより等しくなるように、後のプロセスに相当する2回目のプロセスの際に供給するインキの量を、少量にすることが好ましい。
インキの供給量の調整は、(1)インキが供給される位置を前記行方向に移動する際の速度を調整することによって行う、または(2)インキの単位時間当たりの供給量を調整することによって行うことが好ましい。
インキが供給される位置を前記行方向に移動する際の速度を調整する場合、ノズルの行方向Xの移動速度を調整することによってインキの供給量を調整することができるため、インキの単位時間当たりの吐出量を調整する場合に比べて、高精度にインキの供給量を調整することができる。
なおノズルの行方向Xの移動速度には制限があるために、ノズルの行方向Xの移動速度の調整によるインキの供給量の調整には限界があるが、その場合であっても、インキの単位時間当たりの吐出量を調整することによってインキの供給量を調整することができるため、インキの単位時間当たりの供給量を調整することによってインキの供給量の調整することが好ましい場合もある。
(発光層を形成する工程)
前述したようにカラー表示装置を作製する場合には、3種類の有機EL素子を作製するために例えば発光層の材料を塗り別ける必要がある。例えば3種類の発光層を行ごとに形成する場合、赤色の光を放つ材料を含む赤インキ、緑色の光を放つ材料を含む緑インキ、青色の光を放つ材料を含む青インキを、それぞれ列方向Yに2列の間隔を開けて塗布する必要がある。例えば、赤インキ、緑インキ、青インキを所定の行に順次塗布することによって各発光層を塗布成膜することができる。赤インキ、緑インキ、青インキを所定の行に順次塗布する方法としては、印刷法、インクジェット法、ノズルコート法などの所定の塗布法が挙げられる。例えば前述した共通層を形成する方法において、mを2の倍数として、共通層を形成する方法と同様の方法で発光層を形成してもよい。
発光層を形成した後、必要に応じて所定の有機層などを所定の方法によって形成する。これらは印刷法、インクジェット法、ノズルコート法などの所定の塗布法、さらには所定の乾式法を用いて形成してもよい。
(一対の電極のうちの他方の電極を有機層上に形成する工程)
次に他方の電極を形成する。前述したように本実施形態では他方の電極を支持基板上の全面に形成する。これによって複数の有機EL素子を基板上に形成することができる。
前述したように有機EL素子には種々の層構成がある。以下では有機EL素子の層構造、各層の構成、および各層の形成方法の一例について説明する。
有機EL素子は、一対の電極と、該電極間に配置される1または複数の有機層とを含んで構成され、1または複数の有機層として1層以上の発光層が設けられる。陽極と陰極との間には、発光層に限らずに、発光層とは異なる有機層が設けられてもよく、さらには無機層が設けられる場合もある。以下において陽極と陰極との間に設けられる層について説明するが、これらのうちで有機物を含む層が有機層に相当する。なお有機層を構成する有機物としては、低分子化合物でも高分子化合物でもよく、また低分子化合物と高分子化合物との混合物でもよいが、高分子化合物が好ましく、ポリスチレン換算の数平均分子量が10〜10である高分子化合物が好ましい。有機層を塗布法によって形成する際には溶媒への溶解性が良好な有機物が好ましく、一般的に高分子化合物は溶媒への溶解性が良好なためである。
陰極と発光層との間に設けられる層としては、電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層などを挙げることができる。陰極と発光層との間に電子注入層と電子輸送層との両方の層が設けられる場合、陰極に近い層を電子注入層といい、発光層に近い層を電子輸送層という。陽極と発光層との間に設けられる層としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層などを挙げることができる。正孔注入層と正孔輸送層との両方の層が設けられる場合、陽極に近い層を正孔注入層といい、発光層に近い層を正孔輸送層という。これら陰極と発光層との間に設けられる層、および陽極と発光層との間に設けられる層は、共通層として全ての有機EL素子に共通して設けることができる。なおこれら共通層のうちで塗布法によって形成することができる共通層は、前述した本発明の液柱状のインキを塗布する方法によって形成することが好ましい。
有機EL素子の素子構成の一例を以下に示す。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔注入層/発光層/陰極
c)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
d)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/陰極
e)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
f)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
g)陽極/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
h)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
j)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
k)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
l)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
m)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
n)陽極/発光層/電子注入層/陰極
o)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
p)陽極/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
さらに有機EL素子は、2層以上の発光層を有していてもよく、また2層以上の発光層を有し、電荷を発生する電荷発生層を発光層間に介在させたいわゆるマルチフォトン型の素子を構成してもよい。
有機EL素子は、封止のための封止膜または封止板などの封止部材でさらに覆われていてもよい。
本実施形態の有機EL素子は、さらに電極との密着性向上や電極からの電荷注入性の改善のために、電極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けてもよい。また界面での密着性向上や混合の防止などのために、前述した各層間に薄いバッファー層を挿入してもよい。
積層する層の順序、層数、および各層の厚さについては、発光効率や素子寿命を勘案して適宜設定することができる。また有機EL素子は、陽極および陰極のうちで、陽極を支持基板寄りに配置し、陰極を支持基板から離間した位置に配置してもよく、また逆に陰極を支持基板寄りに配置し、陽極を支持基板から離間した位置に配置してもよい。具体的には上記a)〜p)の構成において、左側の層から順に支持基板に各層を積層してもよく、逆に右側の層から順に支持基板に各層を積層してもよい。
次に有機EL素子を構成する各層の材料および形成方法についてより具体的に説明する。
<支持基板>
支持基板には例えばガラス、プラスチック、およびシリコン基板、並びにこれらを積層したものなどが用いられる。また有機EL素子をその上に形成するための支持基板として、予め電気回路が形成された基板を用いてもよい。
<陽極>
発光層から放たれる光が陽極を通って出射する構成の有機EL素子の場合、陽極には光透過性を示す電極が用いられる。光透過性を示す電極としては、電気伝導度の高い金属酸化物、金属硫化物および金属などの薄膜を用いることができ、光透過率の高いものが好適に用いられる。具体的には酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ITO、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:略称IZO)、金、白金、銀、および銅などから成る薄膜が用いられ、これらの中でもITO、IZO、または酸化スズから成る薄膜が好適に用いられる。陽極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法などを挙げることができる。また陽極として、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体などの有機の透明導電膜を用いてもよい。
陽極には、光を反射する材料を用いてもよく、このような材料としては、仕事関数3.0eV以上の金属、金属酸化物、金属硫化物が好ましい。
陽極の膜厚は、光の透過性と電気伝導度とを考慮して、適宜選択することができ、例えば10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
<正孔注入層>
正孔注入層を構成する正孔注入材料としては、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、および酸化アルミニウムなどの酸化物や、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、アモルファスカーボン、ポリアニリン、およびポリチオフェン誘導体などを挙げることができる。
正孔注入層の成膜方法としては、例えば正孔注入材料を含む溶液からの成膜を挙げることができる。溶液からの成膜に用いられる溶液の溶媒としては、正孔注入材料を溶解させるものであれば特に制限はなく、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタンなどの塩素系溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテートなどのエステル系溶媒、および水を挙げることができる。
溶液からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法、ノズルコート法などの塗布法を挙げることができ、正孔注入層は、上述したノズルコート法によって形成することが好ましい。
正孔注入層の膜厚は、電気的な特性や成膜の容易性などを勘案して適宜設定され、例えば1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
<正孔輸送層>
正孔輸送層を構成する正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリアリールアミン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体などを挙げることができる。
これらの中で正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリアリールアミン若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体などの高分子正孔輸送材料が好ましく、さらに好ましくはポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体である。低分子の正孔輸送材料の場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
正孔輸送層の成膜方法としては、特に制限はないが、低分子の正孔輸送材料では、高分子バインダーと正孔輸送材料とを含む混合液からの成膜を挙げることができ、高分子の正孔輸送材料では、正孔輸送材料を含む溶液からの成膜を挙げることができる。
溶液からの成膜に用いられる溶液の溶媒としては、正孔輸送材料を溶解させるものであれば特に制限はなく、例えば正孔注入層を溶液から成膜する際に用いられる溶液の溶媒として例示したものを用いることができる。
溶液からの成膜方法としては、前述した正孔中注入層の成膜法と同様の塗布法を挙げることができ、正孔輸送層は、上述したノズルコート法によって形成することが好ましい。
混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に対する吸収の弱いものが好適に用いられ、例えばポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサンなどを挙げることができる。
正孔輸送層の膜厚としては、電気的な特性や成膜の容易性などを勘案して適宜設定され、例えば1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
<発光層>
発光層は通常、主として蛍光及び/又はりん光を発光する有機物、またはこの有機物とこれを補助するドーパントとから形成される。ドーパントは、例えば発光効率の向上や、発光波長を変化させるために加えられる。なお有機物は、低分子化合物でも高分子化合物でもよく、発光層は、ポリスチレン換算の数平均分子量が、10〜10である高分子化合物を含むことが好ましい。発光層を構成する発光材料としては、例えば以下の色素系材料、金属錯体系材料、高分子系材料、ドーパント材料を挙げることができる。
(色素系材料)
色素系材料としては、例えば、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体などを挙げることができる。
(金属錯体系材料)
金属錯体系材料としては、例えばTb、Eu、Dyなどの希土類金属、またはAl、Zn、Be、Ir、Ptなどを中心金属に有し、オキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造などを配位子に有する金属錯体を挙げることができ、例えばイリジウム錯体、白金錯体などの三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミニウムキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、フェナントロリンユーロピウム錯体などを挙げることができる。
(高分子系材料)
高分子系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記色素系材料や金属錯体系発光材料を高分子化したものなどを挙げることができる。
上記発光性材料のうち、青色に発光する材料としては、ジスチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、およびそれらの重合体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体やポリフルオレン誘導体などが好ましい。
また緑色に発光する材料としては、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
また赤色に発光する材料としては、クマリン誘導体、チオフェン環化合物、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
(ドーパント材料)
ドーパント材料としては、例えばペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾンなどを挙げることができる。なお、このような発光層の厚さは、通常約2nm〜200nmである。
発光材料の成膜方法としては、印刷法、インクジェットプリント法、ノズルコート法などを挙げることができる。
<電子輸送層>
電子輸送層を構成する電子輸送材料としては、公知のものを使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体などを挙げることができる。
これらのうち、電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
電子輸送層の成膜法としては特に制限はないが、低分子の電子輸送材料では、粉末からの真空蒸着法、または溶液若しくは溶融状態からの成膜を挙げることができ、高分子の電子輸送材料では溶液または溶融状態からの成膜を挙げることができる。なお溶液または溶融状態からの成膜する場合には、高分子バインダーを併用してもよい。溶液からの成膜方法としては、前述した正孔中注入層の成膜法と同様の塗布法を挙げることができる。
電子輸送層の膜厚は、電気的な特性や成膜の容易性などを勘案して適宜設定され、例えば1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
<電子注入層>
電子注入層を構成する材料としては、発光層の種類に応じて最適な材料が適宜選択され、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属およびアルカリ土類金属のうちの1種類以上含む合金、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩、またはこれらの物質の混合物などを挙げることができる。アルカリ金属、アルカリ金属の酸化物、ハロゲン化物、および炭酸塩の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、酸化リチウム、フッ化リチウム、酸化ナトリウム、フッ化ナトリウム、酸化カリウム、フッ化カリウム、酸化ルビジウム、フッ化ルビジウム、酸化セシウム、フッ化セシウム、炭酸リチウムなどを挙げることができる。また、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属の酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩の例としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、酸化カルシウム、フッ化カルシウム、酸化バリウム、フッ化バリウム、酸化ストロンチウム、フッ化ストロンチウム、炭酸マグネシウムなどを挙げることができる。電子注入層は、2層以上を積層した積層体で構成されてもよく、例えばLiF/Caなどを挙げることができる。電子注入層は、蒸着法、スパッタリング法、印刷法などにより形成される。電子注入層の膜厚としては、1nm〜1μm程度が好ましい。
<陰極>
陰極の材料としては、仕事関数の小さく、発光層への電子注入が容易で、電気伝導度の高い材料が好ましい。また陽極側から光を取出す有機EL素子では、発光層からの光を陰極で陽極側に反射するために、陰極の材料としては可視光反射率の高い材料が好ましい。陰極には、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属および周期表13族金属などを用いることができる。陰極の材料としては、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属、前記金属のうちの2種以上の合金、前記金属のうちの1種以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうちの1種以上との合金、またはグラファイト若しくはグラファイト層間化合物などが用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金などを挙げることができる。また、陰極としては導電性金属酸化物および導電性有機物などから成る透明導電性電極を用いることができる。具体的には、導電性金属酸化物として酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ITO、およびIZOを挙げることができ、導電性有機物としてポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体などを挙げることができる。なお、陰極は、2層以上を積層した積層体で構成されていてもよい。なお、電子注入層が陰極として用いられる場合もある。
陰極の膜厚は、電気伝導度や耐久性を考慮して適宜設定され、例えば10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート法などを挙げることができる。
<絶縁層>
絶縁層の材料としては、金属フッ化物、金属酸化物、有機絶縁材料などを挙げることができる。膜厚2nm以下の絶縁層を設けた有機EL素子としては、陰極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けたもの、陽極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けたものを挙げることができる。
なお以上では有機EL素子を基板上に形成する発光装置の製造方法に関して、特に共通層の形成方法について詳細に説明したが、上述の共通層の形成方法は、共通層に限らずに一般の薄膜のパターン形成に適用することができる。
すなわち所定の基板上において所定の列方向に所定の間隔を開けて、前記列方向とは方向が異なる行方向に延びる複数の行が設定されており、各行にそれぞれ形成され、互いに膜厚が等しい複数本の薄膜の製造方法であって、薄膜となる材料を含む液柱状のインキを前記所定の行上に供給しつつ、インキを供給する位置を前記行方向に移動することによって、所定の行の薄膜を塗布成膜し、前記薄膜を形成する工程とを含み、薄膜を形成する工程では、薄膜が形成されていない行について、前記列方向にm行(記号「m」は自然数を表す。)間隔を開けて薄膜を塗布成膜するプロセスを、(m+1)回行う、薄膜の製造方法にも適用することができる。
1 発光装置
2 支持基板
3 隔壁
4 絶縁膜
5 凹部
6 開口
11 有機EL素子
12 一方の電極
13 他方の電極
14,15 有機層

Claims (7)

  1. 平面上において所定の列方向に所定の間隔を開けて、前記列方向とは方向が異なる行方向に延びる複数の行が設定されており、各前記行上において前記行方向に所定の間隔をあけて設けられる複数の有機EL素子であって、それぞれが、一対の電極と、該電極間に設けられ、各有機EL素子に共通して設けられる共通層とを含んで構成され、異なる行に形成される前記有機EL素子の前記共通層の膜厚が等しい前記複数の有機EL素子を備える発光装置の製造方法において、
    一対の電極のうちの一方の電極を形成する工程と、
    一対の電極のうちの他方の電極を形成する工程と、
    共通層となる材料を含む液柱状のインキを前記所定の行上に供給しつつ、インキが供給される位置を前記行方向に移動することによって、所定の行の共通層を塗布成膜し、前記共通層を形成する工程とを含み、
    共通層を形成する工程では、共通層が形成されていない行について、前記列方向にm行(記号「m」は自然数を表す。)の間隔を開けて共通層を塗布成膜するプロセスを、(m+1)回行う、発光装置の製造方法。
  2. 異なる行に形成される前記共通層の膜厚が等しくなるように、行方向の単位長さ当りのインキの供給量を前記プロセスごとに調整する請求項1記載の発光装置の製造方法。
  3. 行方向の単位長さ当りのインキの供給量は、前のプロセスよりも、後のプロセスの方を少なくする、請求項2記載の発光装置の製造方法。
  4. インキの供給量の調整は、インキが供給される位置を前記行方向に移動する際の速度を調整することによって行う、請求項2または3記載の発光装置の製造方法。
  5. インキの供給量の調整は、インキの単位時間当たりの供給量を調整することによって行う、請求項2または3記載の発光装置の製造方法。
  6. 前記mが1である、請求項1〜5のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
  7. 所定の基板上において所定の列方向に所定の間隔を開けて、前記列方向とは方向が異なる行方向に延びる複数の行が設定されており、各行にそれぞれ形成され、互いに膜厚が等しい複数本の薄膜の製造方法であって、
    薄膜となる材料を含む液柱状のインキを前記所定の行上に供給しつつ、インキを供給する位置を前記行方向に移動することによって、所定の行の薄膜を塗布成膜し、前記薄膜を形成する工程とを含み、
    薄膜を形成する工程では、薄膜が形成されていない行について、前記列方向にm行(記号「m」は自然数を表す。)間隔を開けて薄膜を塗布成膜するプロセスを、(m+1)回行う、薄膜の製造方法。
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