JP2010285390A - 毛髪処理剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】毛髪処理剤組成物には、(A)グルコサミン類が含有されている。(A)グルコサミン類は、グルコサミン及びアセチルグルコサミンの少なくとも一方である。毛髪処理剤組成物には、更に(B)酸性アミノ酸類及び(C)塩基性アミノ酸が含有されている。
【選択図】なし
Description
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の毛髪処理剤組成物において、前記化学的処理が、酸化染毛剤を用いた染色処理であることを要旨とする。
本実施形態の毛髪処理剤組成物には、(A)グルコサミン類が含有されている。(A)グルコサミン類は、グルコサミン及びアセチルグルコサミンの少なくとも一方である。毛髪処理剤組成物には、更に(B)酸性アミノ酸類及び(C)塩基性アミノ酸が含有されている。
グルコサミン(C6H13NO5、2−アミノ−2−デオキシ−D−グルコース)は、キチンを加水分解して得られるアミノ糖である。アセチルグルコサミン(C8H15NO6、N−アセチル−D−グルコサミン)は、グルコサミンの有するアミノ基がアセチル化されたものである。グルコサミン及びアセチルグルコサミンはキチンを原料として得られる。キチンは、例えばカニ、エビ等の甲殻類、イカ、オキアミ、昆虫、各種菌類等に存在している。
油脂としては、例えばラノリン、オリーブ油、ツバキ油、シア脂、アーモンド油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、アボカド油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、及び月見草油が挙げられる。ロウとしては、例えばミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、及びラノリンが挙げられる。高級アルコールとしては、例えばセチルアルコール(セタノール)、2−ヘキシルデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−オクチルドデカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、デシルテトラデカノール、及びラノリンアルコールが挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えばアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α-スルホン脂肪酸塩、ココイルグルタミン酸ナトリウム等のN−アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、及びスルホコハク酸エステルが挙げられる。これらの界面活性剤のアニオン基の対イオンとしては、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、及びトリエタノールアミンが挙げられる。アルキル硫酸塩としては、例えばラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。
毛髪処理剤組成物が適用される毛髪は、乾燥した状態であってもよいし、濡れた状態であってもよい。毛髪処理剤組成物は、水又は温水で洗い流した後に乾燥されるように構成してもよいし、洗い流さずに乾燥されるように構成してもよい。
こうした本実施形態の毛髪処理剤組成物が毛髪に適用されると、毛髪表面にグルコサミン類が吸着されることで、毛髪の水分保持性が高まる。このとき、毛髪処理剤組成物には、酸性アミノ酸類及び塩基性アミノ酸が含有されているため、グルコサミン類は、毛髪の損傷部分に馴染み易くなると推測される。そして毛髪に吸着したグルコサミン類は、特に損傷部分から水分が離脱する際の障壁となることで、毛髪の水分保持性がより高まるものと推測される。また、毛髪へのグルコサミン類の吸着により、毛髪の指通りが改善される効果も発揮される。
酸化染毛剤は、酸化染料及びアルカリ剤を含有する染毛第1剤と、酸化剤を含有する染毛第2剤とから構成される。酸化染毛剤は、前記各剤を混合調製する常法に従って使用される。
染毛第2剤は少なくとも酸化剤を含んでいる。酸化剤は、酸化染料を酸化重合させて発色する。酸化剤としては、例えば過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、及び、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物が挙げられる。これらは単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。酸化剤は、好ましくは、毛髪に含まれるメラニンの脱色力に優れることから、過酸化水素から構成される。
こうした酸化染毛剤を毛髪に塗布した後、その酸化染毛剤を洗い流すことで毛髪には染色処理が施される。このように酸化染毛剤が適用された毛髪に対して、上記毛髪処理剤組成物を適用すると、グルコサミン類が吸着することで毛髪から染料が脱離され難くなる。また、酸性アミノ酸及び塩基性アミノ酸の存在下においては、グルコサミン類は毛髪の損傷部分において馴染み易くなると推測される。その結果、染料の離脱し難い髪質になるものと推測される。
(1)毛髪にグルコサミン類を適用することで、毛髪の水分保持性を高める効果が得られるものの、毛髪の損傷度合いに依存して水分保持性を高める効果が低下する傾向にある。この点、本実施形態の毛髪処理剤組成物には、酸性アミノ酸類及び塩基性アミノ酸が含有されているため、グルコサミン類は、毛髪の損傷部分に馴染み易くなると推測される。こうした本実施形態の毛髪処理剤組成物によれば、毛髪の水分保持性を高める効果について、毛髪の損傷度合いに対する依存性を抑制することができる。
・毛髪に通常のシャンプーを施してから、例えばコンディショニング剤として構成した前記毛髪処理剤組成物を用いてもよい。
・毛髪を乾燥する乾燥処理の段階を介して前記毛髪処理剤組成物を複数回繰り返して実施するに際しては、毛髪処理剤組成物の適用を毎日実施してもよいし、例えば3日、5日、7日毎といった期間をおいて実施してもよい。
・前記毛髪処理剤組成物を、複数の剤に分割して構成するとともに、それら複数の剤を順に毛髪に塗布することで、毛髪上で混合されるように構成してもよい。
(イ)酸化染毛剤を毛髪に塗布した後にその酸化染毛剤を洗い流す染色処理を施した毛髪を後処理する毛髪処理方法であって、前記酸化染毛剤を洗い流すことで濡れた状態とされた毛髪に、前記毛髪処理剤組成物を適用する毛髪処理方法。
(実施例1〜6、比較例1〜5)
表1及び表2に示される各成分を混合することにより、各例のヘアトリートメントを調製した。なお、各表の配合量を示す数値の単位は、質量%であり、その値は各表に記載の成分の純分を示している。
長さ約20cmの黒髪毛束を所定の質量となるように準備し、それを脱色剤(ホーユー株式会社製、(商品名)プロマスターEX LT)で常法により脱色処理した。次に、その毛束を試験用シャンプーで洗浄した後に乾燥させた。試験用シャンプーは、ラウレス硫酸ナトリウムの10質量%水溶液である。続いて、毛束を酸化染毛剤(ホーユー株式会社製、(商品名)プロマスターEX B 7/6)を用いて茶色に染色した後に、上記試験用シャンプーで常法に従って洗浄することで試験用の毛束サンプルL(低ダメージ毛)を作製した。ここでの毛束サンプルLは、濡れた状態とされている。
長さ約20cmの黒髪毛束を所定の質量となるように準備し、各黒髪毛束を脱色剤(ホーユー株式会社製、(商品名)ホーユーパウダーブリーチ)で常法により脱色処理した後、試験用シャンプーで洗浄した。試験用シャンプーは、ラウレス硫酸ナトリウムの10質量%水溶液である。次に、パーマネントウェーブ用剤(ホーユー株式会社製、(商品名)ルテアTG)で常法によりパーマ処理し、上記試験用シャンプーで洗浄した後に乾燥させた。続いて、毛束を酸化染毛剤(ホーユー株式会社製、(商品名)プロマスターEX B 7/6)を用いて茶色に染色した後に、上記試験用シャンプーで常法に従って洗浄することで試験用の毛束サンプルH(高ダメージ毛)を作製した。ここでの毛束サンプルHは濡れた状態とされている。
試験用の毛束サンプルL,Hに各例のヘアトリートメントを適量塗布した後、そのヘアトリートメントを温水で洗い流した。次に、毛束サンプルL,Hをドライヤーで乾燥させた。
パネラー20名が各例のヘアトリートメントを適用した毛束サンプルL,Hに指を通すことで、指通りの良さについての官能評価を行った。パネラー20名のうち、指通りの良さを感じると判定した人数に基づいて、以下の5段階で評価した。
16〜13名:評価4
12〜9名:評価3
8〜5名:評価2
4〜0名:評価1
各表には、各例における指通りの評価結果を併記している。
上記の指通りを評価した後の毛束サンプルL,Hを25℃、50%RHの条件下に24時間放置した後に、25℃、10%RHの条件下に24時間放置することで、調湿処理を施した。こうした毛束サンプルL,Hを精秤した質量を調湿質量W1とした。
水分保持効果指数=(W1−W2)/(C1−C2)×100
この水分保持効果指数の値から以下の基準により、水分保持性を5段階で評価した。
水分保持効果指数107以上110未満:評価4
水分保持効果指数103以上107未満:評価3
水分保持効果指数101以上103未満:評価2
水分保持効果指数101未満:評価1
<退色抑制効果>
試験用の毛束サンプルHに各例のヘアトリートメントを適量塗布した。次に、ヘアトリートメントを温水で洗い流した後に、毛束サンプルHを乾燥させた。得られた毛束サンプルHについて、以下の処理1〜処理3を順に9回繰り返した。
処理2:毛束サンプルHに各例のヘアトリートメントを塗布した後に温水で洗い流した。
その一方で、試験用の毛束サンプルHをドライヤーで乾燥させたものを比較用の毛束サンプルとした。
更に、各実施例では、退色抑制効果について各比較例よりも高まっている。この結果から、酸化染毛剤を用いた染色処理の後に用いられる後処理剤において、グルコサミン類に対して酸性アミノ酸類及び塩基性アミノ酸を併用することが極めて有利であることが分かる。
Claims (4)
- (A)グルコサミン類を含有する毛髪処理剤組成物であって、前記(A)グルコサミン類はグルコサミン及びアセチルグルコサミンの少なくとも一方であり、更に(B)酸性アミノ酸類及び(C)塩基性アミノ酸を含有することを特徴とする毛髪処理剤組成物。
- 毛髪の化学的処理の後に用いられる後処理剤であることを特徴とする請求項1に記載の毛髪処理剤組成物。
- 前記化学的処理が、酸化染毛剤を用いた染色処理であることを特徴とする請求項2に記載の毛髪処理剤組成物。
- 前記(B)酸性アミノ酸類が、L−グルタミン酸、L−アスパラギン酸及びタウリンから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の毛髪処理剤組成物。
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