JP5666788B2 - 毛髪処理方法及び後処理剤キット - Google Patents

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Description

本発明は、酸化染毛剤で染色処理された毛髪を後処理する毛髪処理方法及び後処理剤キットに関する。
染毛剤で染色処理された毛髪に塗布されることで、その毛髪の退色を抑制する毛髪処理剤が知られている。例えば特許文献1には、毛髪化粧料を染毛剤で染色した毛髪の退色を防止する毛髪退色防止剤として、カチオン化キトサンを含有させた具体例が記載されている。また、カチオン化キトサンは、毛髪保護成分として知られている(特許文献2参照)。
特開2007−008867公報 特開昭60−500059号公報
ところで、キトサンの中でもカチオン化キトサンは毛髪への親和性が高く、例えば毛髪に効率的に付着するといった利点がある。ところが、カチオン化キトサンを含有する毛髪処理剤を繰り返して用いた場合、毛髪にカチオン化キトサンが蓄積されることで毛髪が硬くなる傾向となる。もっとも、カチオン化キトサンの含有量を低減させることで、毛髪が硬くなることを抑制することができるものの、酸化染毛剤により染色処理の施された毛髪の退色抑制効果が極端に低下してしまうことになる。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、酸化染毛剤で染色された毛髪の退色を抑制する効果を高め、かつ毛髪の柔軟性の低下を抑制することの容易な毛髪処理方法及び後処理剤キットを提供することにある。
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明の毛髪処理方法は、酸化染毛剤を毛髪に塗布した後にその酸化染毛剤を洗い流す染色処理を施した毛髪を後処理する毛髪処理方法であって、前記酸化染毛剤を洗い流すことで濡れた状態とされた毛髪に、第1の後処理剤を適用する第1の後処理段階と、前記第1の後処理段階の後の毛髪を乾燥する乾燥処理段階と、前記乾燥処理段階の後の毛髪に第2の後処理剤を適用する第2の後処理段階とを備え、前記第1の後処理剤及び前記第2の後処理剤は、(A)カチオン化キトサン及び(B)界面活性剤を含有し、前記(B)界面活性剤は、炭素数18以下のアルキル基を有する両性界面活性剤及び炭素数18以下のアルキル基を有するカチオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも一種であり、前記第1の後処理剤は、前記第2の後処理剤における前記(A)カチオン化キトサンの質量割合よりも2倍以上高めた構成とされ、その第1の後処理剤を用いて前記第1の後処理段階を実施することを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の毛髪処理方法において、前記第2の後処理段階が、毛髪を乾燥する乾燥処理段階を介して複数回繰り返して実施されることを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項1又は請求項に記載の毛髪処理方法において、前記第1の後処理剤に含有する前記(B)界面活性剤の質量割合よりも高めた前記第2の後処理剤により前記第2の後処理段階を実施することを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の毛髪処理方法に用いられる後処理剤キットであって、前記第1の後処理剤及び前記第2の後処理剤を備えたことを要旨とする。
本発明によれば、酸化染毛剤で染色された毛髪の退色を抑制する効果を高め、かつ毛髪の柔軟性の低下を抑制することの容易な毛髪処理方法及び後処理剤キットが提供される。
以下、本発明の毛髪処理方法を具体化した実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の毛髪処理方法は、酸化染毛剤を毛髪に塗布した後にその酸化染毛剤を洗い流す染色処理を施した毛髪を後処理する方法である。毛髪処理方法は、酸化染毛剤を洗い流すことで濡れた状態とされた毛髪に、第1の後処理剤を適用する第1の後処理段階と、第1の後処理段階の後の毛髪を乾燥する乾燥処理段階と、乾燥処理段階の後の毛髪に第2の後処理剤を適用する第2の後処理段階とを備えている。
まず、染色処理に用いられる酸化染毛剤について説明する。
本実施形態の酸化染毛剤は、酸化染料及びアルカリ剤を含有する染毛第1剤と、酸化剤を含有する染毛第2剤とから構成され、これら各剤を混合調製する常法に従って使用される。
染毛第1剤は、少なくとも酸化染料及びアルカリ剤を含んでいる。酸化染料は、酸化染毛剤の染毛第2剤に含有される酸化剤による酸化重合に起因して発色可能な化合物であり、染料中間体及びカプラーに分類される。酸化染料は、少なくとも染料中間体を含んでいる。
染料中間体としては、例えばフェニレンジアミン類(但し、メタフェニレンジアミンを除く。)、アミノフェノール類(但し、メタアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール及びパラメチルアミノフェノールを除く。)、トルイレンジアミン類(但し、トルエン−3,4−ジアミン及びトルエン−2,4−ジアミンを除く。)、ジフェニルアミン類、ジアミノフェニルアミン類、N−フェニルフェニレンジアミン類、ジアミノピリジン類(但し、2,6−ジアミノピリジンを除く。)、及びそれらの塩類が挙げられる。塩類としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、及び酢酸塩等が挙げられる。これらは単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
カプラーは、染料中間体と結合することにより発色する。カプラーとしては、例えばレゾルシン、ピロガロール、カテコール、メタアミノフェノール、メタフェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノール、1,2,4−ベンゼントリオール、トルエン−3,4−ジアミン、トルエン−2,4−ジアミン、ハイドロキノン、α−ナフトール、2,6−ジアミノピリジン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、5−アミノオルトクレゾール、パラメチルアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、没食子酸、タンニン酸、没食子酸エチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、五倍子、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール及びそれらの塩が挙げられる。これらは単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
酸化染料は、毛髪の色調を様々に変化させることができることから、好ましくは、染料中間体の前記具体例の中から選ばれる少なくとも一種と、カプラーの前記具体例の中から選ばれる少なくとも一種とから構成される。
酸化染毛剤中における染料中間体の含有量は、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。染料中間体の含有量が0.01質量%未満の場合、十分な染色性が得られないおそれがある。染料中間体の含有量が10質量%を超えても染色性はそれ以上向上しないことから、染毛の経済性が低下するおそれがある。
酸化染毛剤中におけるカプラーの含有量は、好ましくは0.01〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜3質量%である。カプラーの含有量が0.01質量%未満の場合、十分な染色性が得られないおそれがある。カプラーの含有量が5質量%を超えても染色性はそれ以上向上しないことから、染毛の経済性が低下するおそれがある。
染毛第1剤は、前記酸化染料以外の染料として、例えば「医薬部外品原料規格」(2006年6月発行、薬事日報社)に収載された酸化染料、及び直接染料から選ばれる少なくとも一種を適宜含有してもよい。
アルカリ剤は、酸化染毛剤の染毛第2剤に含有される酸化剤の作用を促進するとともに、毛髪を膨潤させて毛髪への染料の浸透性を向上させることにより、染色性を向上させる。アルカリ剤としては、例えばアンモニア、アルカノールアミン、有機アミン類、無機アルカリ、塩基性アミノ酸、及びそれらの塩が挙げられる。有機アミン類としては、例えば2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、及びグアニジンが挙げられる。無機アルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸カリウムが挙げられる。塩基性アミノ酸としては、例えばアルギニン、及びリジンが挙げられる。塩としては、例えばアンモニウム塩が挙げられる。これらは単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
アルカリ剤の含有量は、好ましくは染毛第1剤のpHが8〜12の範囲となる量である。染毛第1剤のpHが8未満では、染毛第1剤が染毛第2剤と混合されたときに、染毛第2剤に酸化剤としての過酸化水素が含有される場合、過酸化水素の作用が十分に促進されないおそれがある。染毛第1剤のpHが12を超えると、酸化染毛剤が毛髪に塗布されたときに、毛髪に損傷等の不具合が発生しやすい。
染毛第1剤中におけるアルカリ剤の含有量は、好ましくは0.1〜12質量%、より好ましくは0.2〜11質量%、さらに好ましくは0.6〜10質量%、最も好ましくは0.6〜9質量%である。染毛第1剤中におけるアルカリ剤の含有量が0.1質量%未満の場合、十分な均染性が得られないおそれがある。一方、染毛第1剤中におけるアルカリ剤の含有量が12質量%を超える場合、仕上り後の毛髪において良好な感触を得ることが困難となるおそれがある。
染毛第1剤は、所定量の水を含有することにより、染毛第1剤は乳化物、溶液又は分散液として調製される。染毛第1剤中における水の含有量は、好ましくは50〜95質量%であり、さらに好ましくは70〜90質量%である。水の含有量が50質量%未満の場合、乳化物、溶液又は分散液の形態にすることが困難となるおそれがある。水の含有量が95質量%を超える場合、染毛第1剤の均一性及び安定性を確保し難くなるおそれがある。
染毛第1剤は、必要に応じて、例えば油性成分、界面活性剤、水溶性高分子化合物、多価アルコール、糖類、防腐剤、キレート剤、安定剤、pH調整剤、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、香料、及び紫外線吸収剤から選ばれる少なくとも一種を含有してもよい。
染毛第1剤の剤型は、特に限定されず、例えば水溶液状、分散液状、乳化物状、ゲル状、フォーム状、及びクリーム状が挙げられる。
染毛第2剤は少なくとも酸化剤を含んでいる。酸化剤は、酸化染料を酸化重合させて発色する。酸化剤としては、例えば過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、及び、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物が挙げられる。これらは単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。酸化剤は、好ましくは、毛髪に含まれるメラニンの脱色力に優れることから、過酸化水素から構成される。
染毛第2剤中における酸化剤の含有量は、好ましくは0.1〜10.0質量%、より好ましくは0.5〜8.0質量%である。酸化剤の含有量が0.1質量%未満の場合、酸化染料を十分に酸化重合させることが困難となるおそれがある。酸化剤の含有量が10.0質量%を超える場合、毛髪が損傷しやすくなるおそれがある。
染毛第2剤には、その他の成分として水、上記の油性成分、界面活性剤等を含有させることもできる。また「医薬部外品原料規格」(2006年6月発行、薬事日報社)に収載されるものから選ばれる少なくとも一種を含有させてもよい。
染毛第2剤の剤型は、特に限定されず、例えば水溶液状、分散液状、乳化物状、ゲル状、フォーム状、及びクリーム状が挙げられる。
こうした酸化染毛剤を用いて毛髪に染色処理を施すには、染毛第1剤及び染毛第2剤を所定の割合で混合調製して得られる混合物を毛髪に塗布した後に放置する。次いで、毛髪から混合物を水又は温水で洗い流すことで染色処理を完了する。このとき、毛髪は水又は温水が付着した濡れた状態とされている。
次に、第1の後処理剤を用いて実施される第1の後処理段階について説明する。
第1の後処理段階では、上記染色処理を通じて濡れた状態とされた毛髪に、第1の後処理剤が適用される。第1の後処理剤には、(A)カチオン化キトサン及び(B)界面活性剤が含有されている。
(A)カチオン化キトサンは、染色された毛髪の退色を抑制するために含有される。カチオン化キトサンは、キトサン誘導体の一種であって、天然物から得られるキチンを脱アセチル化することで得られるキトサンを更にカチオン化したものである。キチンは、例えばカニ、エビ等の甲殻類、イカ、オキアミ、昆虫、各種菌類等から得ることができる。キトサンは、キチンの脱アセチル化物であり、2−アミノ−2−デオキシ−D−グルコース(グルコサミン)を構成単位とする塩基性多糖類である。カチオン化キトサンは、三級アミノ基及び四級アンモニウム基の少なくとも一方のカチオン性化合物をキトサンに導入することで得られる。カチオン性化合物としては、例えば2−クロロエチルジエチルアミン及びその塩酸塩、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルジエチルアミン、2,3−エポキシプロピルジメチルアミン、トリメチル−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド及び2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドが挙げられる。なお、カチオン化キトサンは、アミノ基をアルキル化したキトサンをカチオン化することでも得ることができる。カチオン化キトサンとしては、例えば上記特許文献2に記載されているカチオン化キトサン、大日精化工業株式会社等から市販されているカチオン化キトサンが挙げられる。
(B)界面活性剤は、炭素数18以下のアルキル基を有する両性界面活性剤及び炭素数18以下のアルキル基を有するカチオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも一種の界面活性剤である。こうした界面活性剤は、毛髪の柔軟性を高めるために含有される。
上記両性界面活性剤の有するアルキル基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。上記両性界面活性剤としては、例えばグリシン塩、アルキルアミノ脂肪酸塩、及びアミノ酢酸ベタインが挙げられる。上記両性界面活性剤のアルキル基の炭素数は、12以上であることが好ましい。こうした両性界面活性剤としては、例えばコカミドプロピルベタイン(C12)、ラウリルベタイン(C12)、ラウラミノプロピオン酸ナトリウム(C12)及びラウロアンホ酢酸ナトリウム(C12)が挙げられる。
上記カチオン性界面活性剤の有するアルキル基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。上記カチオン性界面活性剤としては、例えばアルキルトリメチルアンモニウム塩、アルケニルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ジアルケニルジメチルアンモニウム塩、ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、アルキロイルアミドプロピルジメチルアミンが挙げられる。カチオン性界面活性剤のカチオン性残基の対イオンとしては、例えば塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、アルキル硫酸イオン、サッカリンが挙げられる。上記カチオン性界面活性剤のアルキル基の炭素数は、12以上であることが好ましい。上記カチオン性界面活性剤の中でも、塩化アルキルトリメチルアンモニウム及び塩化ジアルキルジメチルアンモニウムから選ばれる少なくとも一種が好ましい。こうしたカチオン性界面活性剤としては、例えば塩化ラウリルトリメチルアンモニウム(C12)、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(C18)及び塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(C18)が挙げられる。
第1の後処理剤は、所定量の水又はエタノール等の低級アルコールを含有することにより、溶液、分散液又は乳化物として調製される。第1の後処理剤は、必要に応じて、例えば油性成分、界面活性剤、水溶性高分子化合物、多価アルコール、糖類、防腐剤、キレート剤、安定剤、pH調整剤、酸化防止剤、グリシン等のアミノ酸類、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、香料、及び紫外線吸収剤から選ばれる少なくとも一種を含有してもよい。
油性成分としては、例えば油脂、ロウ、高級アルコール、炭化水素、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル、及びシリコーンが挙げられる。
油脂としては、例えばラノリン、オリーブ油、ツバキ油、シア脂、アーモンド油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、アボカド油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、及び月見草油が挙げられる。ロウとしては、例えばミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、及びラノリンが挙げられる。高級アルコールとしては、例えばセチルアルコール(セタノール)、2−ヘキシルデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−オクチルドデカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、デシルテトラデカノール、及びラノリンアルコールが挙げられる。
炭化水素としては、例えばパラフィン、オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ミネラルオイル、スクワラン、ポリブテン、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、及びワセリンが挙げられる。高級脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、及びラノリン脂肪酸が挙げられる。アルキルグリセリルエーテルとしては、例えばバチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、及びイソステアリルグリセリルエーテルが挙げられる。
エステルとしては、例えばアジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸2−エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、10〜30の炭素数を有する脂肪酸コレステリル/ラノステリル、乳酸セチル、酢酸ラノリン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ジオクチル、及び2−エチルヘキサン酸セチルが挙げられる。
シリコーンとしては、例えばジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、末端水酸基変性ジメチルポリシロキサン、650〜10,000の平均重合度を有する高重合シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、及びフッ素変性シリコーンが挙げられる。
多価アルコールとしては、例えばグリコール、及びグリセリンが挙げられる。グリコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、及び1,3−ブチレングリコールが挙げられる。グリセリンとしては、例えばグリセリン、ジグリセリン、及びポリグリセリンが挙げられる。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、上記以外のカチオン性界面活性剤、上記以外の両性界面活性剤、及びノニオン性界面活性剤が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えばアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α-スルホン脂肪酸塩、N-アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、スルホコハク酸エステル等が挙げられる。上記界面活性剤のアニオン性残基の対イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、炭素数が19以上のアルキル基を有するものを含有させてもよい。こうしたカチオン性界面活性剤としては、例えば塩化ベヘントリモニウム(C22)等が挙げられる。両性界面活性剤として、アルキル基の炭素数が19以上のものを含有させてもよい。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルサッカライド界面活性剤、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
水溶性高分子化合物としては、アニオン性高分子化合物、カチオン性高分子化合物、非イオン性高分子化合物、及び両性の天然又は合成高分子化合物が挙げられる。カチオン性高分子化合物としては、例えばポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム液、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ポリクオタニウム−10、及びカチオン化グアーガムが挙げられる。非イオン性の合成高分子化合物として、例えばヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコールが挙げられる。両性の合成高分子化合物としては、ポリクオタニウム−22、ポリクオタニウム−39、及びポリクオタニウム−47が挙げられる。
糖としては、例えばソルビトール、及びマルトースが挙げられる。防腐剤としては、例えばメチルパラベンが挙げられる。安定剤としては、例えばフェナセチン、8−ヒドロキシキノリン、アセトアニリド、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、及びタンニン酸が挙げられる。pH調整剤としては、例えば乳酸、乳酸ナトリウム、レブリン酸、グリコール酸、酒石酸、リンゴ酸、ピロリドンカルボン酸(PCA)、コハク酸、クエン酸、グルタミン酸、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、及びトリエタノールアミン(TEA)が挙げられる。酸化防止剤としては、例えばアスコルビン酸及び亜硫酸塩が挙げられる。キレート剤としては、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸及びその塩類、並びにヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)及びその塩類が挙げられる。
第1の後処理剤の剤型は、特に限定されず、例えば水溶液状、分散液状、乳化物状、ゲル状、フォーム状、及びクリーム状が挙げられる。
第1の後処理剤は、濡れた状態とされた毛髪に適用される。ここで、第1の後処理剤は、酸化染毛剤を水又は温水で洗い流した状態の毛髪に適用されてもよいし、染色処理後において通常のシャンプーで洗浄した毛髪に適用されてもよい。第1の後処理剤は、毛髪に適用後に、水又は温水で洗い流されるように構成してもよいし、洗い流されないように構成してもよい。こうした第1の後処理剤は、特に限定されず、例えばシャンプー、リンス、トリートメント、コンディショナー、美容液等の製品形態とされる。
続いて、乾燥処理段階では、第1の後処理段階の後の毛髪が乾燥される。この乾燥は、例えばドライヤーを用いた乾燥であってもよいし、自然乾燥であってもよい。こうした第1の乾燥処理段階を通じて、(A)カチオン化キトサン及び(B)界面活性剤の成分が定着された毛髪となる。
次に、第2の後処理剤を用いて実施される第2の後処理段階について説明する。
第2の後処理剤には、(A)カチオン化キトサン及び(B)界面活性剤が含有されている。(B)界面活性剤は、炭素数18以下のアルキル基を有する両性界面活性剤及び炭素数18以下のアルキル基を有するカチオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも一種の界面活性剤である。ここで、(A)カチオン化キトサン及び(B)界面活性剤については、上記第1の後処理剤と共通するため、それら成分の説明を省略する。また、他の成分の説明についても、上記第1の後処理剤と共通するため、その説明を省略する。第2の後処理剤の剤型は、特に限定されず、例えば水溶液状、分散液状、乳化物状、ゲル状、フォーム状、及びクリーム状が挙げられる。
第2の後処理剤が適用される毛髪は、乾燥した状態であってもよいし、濡れた状態であってもよい。第2の後処理剤は、水又は温水で洗い流した後に乾燥されるように構成してもよいし、洗い流さずに乾燥されるように構成してもよい。第2の後処理剤は、例えばシャンプー、リンス、トリートメント、コンディショナー、美容液等の製品形態とされる。第2の後処理剤は、(A)カチオン化キトサンの過剰な吸着を抑制することで、毛髪の柔軟性の低下を更に抑制するという観点から、シャンプー、コンディショナー等の洗い流すタイプの製品であることが好ましい。
第2の後処理段階の後には、毛髪を乾燥する乾燥処理段階を通じて、(A)カチオン化キトサン及び(B)界面活性剤の成分が定着された毛髪とされる。
各段階を通じた毛髪では、第1及び第2の後処理剤に含有する(A)カチオン化キトサンが定着することで退色が抑制されるようになる。しかも、第1及び第2の後処理剤に含有する(B)界面活性剤により、毛髪の柔軟性が高められるようになる。こうした毛髪処理方法において、上記第1の後処理剤は、第2の後処理剤における(A)カチオン化キトサンの質量割合よりも高めた構成とされている。ここで、キトサンの中でもカチオン化キトサンは、毛髪への親和性が高く、例えば毛髪に効率的に付着するといった利点がある。ところが、カチオン化キトサンを含有する毛髪処理剤を繰り返して用いた場合、同カチオン化キトサンが毛髪に蓄積されることで毛髪が硬くなる傾向となる。すなわち、毛髪処理剤においてカチオン化キトサンの配合量を高めることで、酸化染毛剤で染色された毛髪の退色を抑制する効果は高まるものの、毛髪の柔軟性が徐々に失われてしまうことになる。こうした柔軟性は、(B)界面活性剤を含有させることで、ある程度は改善されるものの、毛髪に蓄積するカチオン化キトサンの影響を十分に抑制することは困難である。
この点、本実施形態の第1の後処理剤に含まれる(A)カチオン化キトサンの質量割合を上記のように高めることで、染色処理後の毛髪に(A)カチオン化キトサンを十分に付着させることができる。これにより、染色処理直後の毛髪の退色を十分に抑制することができるようになる。一方、第2の後処理剤に含まれる(A)カチオン化キトサンの質量割合は、第1の後処理剤よりも低められている。これにより、(A)カチオン化キトサンが毛髪に対して過剰に定着されることを抑制しつつも、第2の後処理段階後の毛髪の退色が抑制されるようになる。またこのとき、第1及び第2の後処理剤には、(B)界面活性剤として、炭素数18以下のアルキル基を有する両性界面活性剤及び炭素数18以下のアルキル基を有するカチオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも一種の界面活性剤が含有されているため、第2の後処理段階後の毛髪について、その柔軟性を高めることができる。
第2の後処理段階は、毛髪を乾燥する乾燥処理段階を介して複数回繰り返して実施されることが好ましい。第2の後処理段階は、染色処理した後に、例えば次回の染色処理まで繰り返して実施されることで、染色処理までの期間を延長することができ、染色処理を繰り返すことによる毛髪へのダメージを抑制することができる。また、第2の後処理段階は、染色処理から2日以内に実施されることが好ましい。この場合、毛髪に(A)カチオン化キトサンを速やかに補うことができるため、染色処理直後の色調が維持され易くなる。
第1及び第2の後処理剤における(A)カチオン化キトサンの含有量は、例えば適用対象の毛髪の柔軟性に応じて適宜設定することができる。すなわち、第1及び第2の後処理剤は、例えば硬めの髪質用の後処理剤として構成してもよいし、その後処理剤よりも(A)カチオン化キトサンの含有量を低下させることで、柔らかめの髪質用の後処理剤等として構成してもよい。例えば、本実施形態の第1及び第2の後処理剤は、硬めの髪質用として構成することで、硬めの髪質が強調されることを抑制することができる。
第1及び第2の後処理剤における(A)カチオン化キトサンの含有量は、好ましくは0.0001〜1質量%の範囲とされる。第1の後処理剤は、第2の後処理剤における(A)カチオン化キトサンの質量割合よりも2倍以上高めた構成とされていることが好ましい。この場合、退色抑制効果を高めつつも柔軟性の低下を抑制する効果を高めることが更に容易となる。
第1及び第2の後処理剤における(B)界面活性剤の含有量についても、(A)カチオン化キトサンと同様に、例えば適用対象の毛髪の柔軟性に応じて適宜設定することができる。第1及び第2の後処理剤における(B)界面活性剤の含有量は、好ましくは0.01〜20質量%の範囲とされる。第2の後処理剤は、第2の後処理段階後における毛髪の柔軟性をより効果的に高めるという観点から、第1の後処理剤に含有する(B)界面活性剤の質量割合よりも高めた構成とされていることが好ましい。第2の後処理剤は、第1の後処理剤における(B)界面活性剤の質量割合よりも2倍以上高めた構成とされていることが好ましい。この場合、退色抑制効果を高めつつも柔軟性の低下を抑制する効果を高めることが更に容易となる。
以上詳述した本実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(1)第1及び第2の後処理剤には、(A)カチオン化キトサンが含有されているため、毛髪の退色が抑制される。また、第1及び第2の後処理剤には、(B)界面活性剤として、特定の界面活性剤から選ばれる少なくとも一種が含有されているため、毛髪の柔軟性が高められる。ここで、第1の後処理剤は、第2の後処理剤における(A)カチオン化キトサンの質量割合よりも高めた構成とされ、その第1の後処理剤を用いて第1の後処理段階を実施している。すなわち、第2の後処理剤に含まれる(A)カチオン化キトサンの質量割合は、第1の後処理剤よりも低められている。これにより、(A)カチオン化キトサンが毛髪に対して過剰に定着されることを抑制しつつも、第2の後処理段階後の毛髪の退色が抑制されるようになる。従って、酸化染毛剤で染色された毛髪の退色を抑制する効果を高め、かつ毛髪の柔軟性の低下を抑制することの容易な毛髪処理方法を提供することができる。
(2)第1の後処理剤は、第2の後処理剤における前記(A)カチオン化キトサンの質量割合よりも2倍以上高めた構成とされていることが好ましい。このように構成した場合、第1及び第2の毛髪処理段階を通じて処理された毛髪において、退色抑制効果を高めつつも柔軟性の低下を抑制する効果を高めることが更に容易となる。
(3)第2の後処理段階が、毛髪を乾燥する乾燥処理段階を介して複数回繰り返して実施されることで、染色処理直後の色調がより継続して維持され易くなる。
(4)第1の後処理剤に含有する(B)界面活性剤の質量割合よりも高めた第2の後処理剤により第2の後処理段階を実施することで、第2の後処理段階後において、(A)カチオン化キトサンが定着することで硬くなる傾向にある毛髪を効果的に柔軟化することができるようになる。
(5)第1及び第2の後処理剤にカチオン化キトサン及び特定の界面活性剤が含有されているため、染色処理後の毛髪の指通りを改善することができる。
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・乾燥処理段階の後の毛髪に通常のシャンプーを施してから、例えばコンディショニング剤として構成した第2の後処理剤を用いて前記第2の後処理段階を実施してもよい。
・例えばシャンプー剤として構成した第2の後処理剤を用いて前記第2の後処理段階を実施した後に、通常のコンディショニング剤等で毛髪を処理してもよい。
・毛髪を乾燥する乾燥処理段階を介して第2の後処理段階を複数回繰り返して実施する場合には、第2の後処理段階を毎日実施してもよいし、例えば3日、5日、7日毎といった期間をおいて実施してもよい。
・前記酸化染毛剤は、染毛第1剤及び染毛第2剤から構成されているが、少なくとも一方の剤を、複数の剤に分割して構成するとともに、それら複数の剤を使用時に混合するように構成してもよい。
・前記第1の後処理剤及び第2の後処理剤は、それらを備えた後処理剤キットとしてもよい。こうした後処理剤キットは、第1及び第2の後処理剤以外の後処理剤を更に含めて構成してもよい。
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(イ)第2の後処理段階は、染色処理から2日以内に実施される毛髪処理方法。この場合、毛髪に(A)カチオン化キトサンを速やかに補うことができるため、染色処理直後の色調が維持され易くなる。
(ロ)第2の後処理剤が、洗い流すタイプの製品である染色処理方法。この場合、毛髪の柔軟性の低下を更に抑制することができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
表1〜表3に示される各成分を混合することにより後処理剤を調製した。なお、各表の配合量を示す数値の単位は、質量%であり、その値は各表に記載の成分の純分を示している。カチオン化キトサンとしては、キトサンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドを用いている。
Figure 0005666788
Figure 0005666788
Figure 0005666788
(実施例1〜5、比較例1及び2)
表4には各例の毛髪処理方法を示している。まず、長さ15cmの黒髪毛束を準備し、その黒髪毛束を脱色剤(ホーユー株式会社製、(商品名)プロマスターEX LT)で常法により脱色処理した後、乾燥させることで毛束サンプルを作製した。その毛束サンプルを酸化染毛剤で常法により染色処理した。表4の染色処理欄に記載されている“a”は、酸化染毛剤(ホーユー株式会社製、(商品名)プロマスターEX B 7/6)を用いて、茶色に染色したことを意味し、“b”は、酸化染毛剤(ホーユー株式会社製、(商品名)プロマスターEX RC−8p)を用いて赤茶色に染色したことを意味する。
次に、染色処理した毛束サンプルをシャンプーで洗浄した後、第1の後処理段階を実施した。第1の後処理段階では、第1の後処理剤を濡れた状態の毛束サンプルに塗布し、5分間放置した後に、同第1の後処理剤を温水で洗い流した。この第1の後処理段階の後、毛束サンプルを乾燥させる乾燥処理段階を、ドライヤーを用いることで実施した。その一方で、染色処理した毛束サンプルについて、シャンプーによる洗浄のみを実施したものを比較用の毛束サンプルとした。
染色処理の1日後からは、第2の後処理段階及び乾燥処理段階を10日後まで実施した。第2の後処理段階ではシャンプータイプの後処理剤と、コンディショナータイプの後処理剤とを組み合わせて、各後処理剤を一回ずつ、常法に従って毛束サンプルに適用した。シャンプータイプの後処理剤は、常法に従って用いた後に、温水で洗い流した。その後、コンディショナータイプの後処理剤を毛束サンプルに塗布した後、温水で洗い流した。第2の後処理段階後の毛束サンプルには、ドライヤーを用いて乾燥させる乾燥処理段階を実施し、その毛束サンプルを翌日の第2の後処理段階に供した。
<退色抑制効果>
毛束サンプルの色調について、パネラー20名が比較用の毛束サンプルと目視で比較した。パネラー20名のうち、退色抑制効果が発揮されていると判定した人数に基づいて、以下の5段階で評価した。
20〜17名:評価5
16〜13名:評価4
12〜9名:評価3
8〜5名:評価2
4〜0名:評価1
表4には、各例における退色抑制効果の評価結果を併記している。
<毛髪の柔軟性>
毛束サンプルの柔らかさについて、パネラー20名が比較用の毛束サンプルと触感で比較することで、比較用の毛束サンプルよりも柔らかさを感じると判定した人数に基づいて、上記退色抑制効果と同様に、5段階で評価した。
表4には、各例における毛髪の柔軟性の評価結果を併記している。
<指通りの良さ>
毛束サンプルの指通りの良さについて、パネラー20名が毛束サンプルに指を通して比較することで、比較用の毛束サンプルよりも指通りの良さを感じると判定した人数に基づいて、上記退色抑制効果と同様に、5段階で評価した。
表4には、各例における指通りの良さの評価結果を併記している。
Figure 0005666788
表4に示されるように、各実施例では、退色抑制効果及び毛髪の柔らかさの評価結果について、評価3以上の結果であった。比較例1では、第2の後処理段階で用いた後処理剤201及び401のいずれにおいても、カチオン化キトサンが含有されていないため、各実施例よりも退色抑制効果が劣る結果となった。比較例2では、第1及び第2の後処理段階で用いた後処理剤105においてカチオン化キトサンが含有されているものの、それら各後処理段階で同じ後処理剤105を用いている。しかも、後処理剤105には、特定の界面活性剤が含有されていない。このため、比較例2では、各実施例よりも毛髪の柔らかさが劣る結果となった。なお、比較例2の第2の後処理段階では処理剤201を用いているが、この処理剤201にはカチオン化キトサンが含有されていない。このように、第2の後処理段階で用いる後処理剤には、カチオン化キトサン及び特定の界面活性剤のいずれも含有し、各後処理段階で用いる後処理剤に含まれるカチオン化キトサンの質量割合を上述したように設定することで、退色抑制効果及び毛髪の柔らかさのいずれについても、高めることができることが分かる。
また、各実施例では、各比較例よりも指通りの良さも改善されていることが分かる。こうした効果は、各後処理段階において用いる後処理剤にカチオン化キトサン及び特定の界面活性剤のいずれも含有させたことによる効果と推測される。
(実施例6〜20、比較例3〜9)
表5〜7には各例の毛髪処理方法を示している。ここでの各例では、第2の後処理段階を7日後に終了した以外は、上記実施例1〜5と同様にして各段階を実施するとともに各例の毛束サンプルの評価を行った。表5〜7には、評価結果を併記している。
Figure 0005666788
Figure 0005666788
Figure 0005666788
表5及び表6に示される各実施例は、主として界面活性剤の種類を変更した例である。各実施例では、退色抑制効果、毛髪の柔らかさ及び指通りの良さの評価結果について、評価5の結果であった。なお、実施例12では、各後処理段階で用いた後処理剤について、カチオン化キトサンの含有量を削減している。実施例16及び18では、第2の処理段階で用いた後処理剤について、界面活性剤の含有量を変更している。
表7に示される比較例3では、各後処理段階で用いた後処理剤にカチオン化キトサンが含有されていないため、各実施例よりも退色抑制効果が劣っている。比較例4では、各後処理段階に用いた後処理剤にヒドロキシエチルキトサンを含有させている。このように、カチオン化キトサン以外のキトサン誘導体を含有させた場合であっても、各実施例よりも退色抑制効果が劣ることが分かる。同様に、比較例5では、各後処理段階に用いた後処理剤にカチオン化キトサン以外のキトサン誘導体を含有させているため、各実施例よりも退色抑制効果が劣っていることが分かる。
比較例6では、第1の後処理段階で用いた後処理剤104及び第2の後処理段階で用いた後処理剤404において、カチオン化キトサンを含有させず、カチオン性ポリマーであるポリクオタニウム−10を含有させている。こうした比較例6であっても、各実施例よりも退色抑制効果が劣っていることが分かる。
比較例7では、第1の後処理段階で用いた後処理剤105にカチオン性界面活性剤を含有させているものの、そのアルキル基の炭素数が18を超えるため、各実施例よりも退色抑制効果が劣っていることが分かる。
比較例8では、各後処理段階で用いた後処理剤106及び204において、カチオン性界面活性剤を含有させずに、ノニオン性界面活性剤であるステアレス−20を含有させている。比較例9では、第1の後処理段階で用いた後処理剤107において、カチオン性界面活性剤を含有させずに、アニオン性界面活性剤であるココイルメチルタウリンNaを含有させている。こうした比較例8及び9では、各実施例よりも退色抑制効果が劣っていることが分かる。

Claims (4)

  1. 酸化染毛剤を毛髪に塗布した後にその酸化染毛剤を洗い流す染色処理を施した毛髪を後処理する毛髪処理方法であって、
    前記酸化染毛剤を洗い流すことで濡れた状態とされた毛髪に、第1の後処理剤を適用する第1の後処理段階と、
    前記第1の後処理段階の後の毛髪を乾燥する乾燥処理段階と、
    前記乾燥処理段階の後の毛髪に第2の後処理剤を適用する第2の後処理段階とを備え、
    前記第1の後処理剤及び前記第2の後処理剤は、(A)カチオン化キトサン及び(B)界面活性剤を含有し、
    前記(B)界面活性剤は、炭素数18以下のアルキル基を有する両性界面活性剤及び炭素数18以下のアルキル基を有するカチオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも一種であり、
    前記第1の後処理剤は、前記第2の後処理剤における前記(A)カチオン化キトサンの質量割合よりも2倍以上高めた構成とされ、その第1の後処理剤を用いて前記第1の後処理段階を実施することを特徴とする毛髪処理方法。
  2. 前記第2の後処理段階が、毛髪を乾燥する乾燥処理段階を介して複数回繰り返して実施されることを特徴とする請求項1に記載の毛髪処理方法。
  3. 前記第1の後処理剤に含有する前記(B)界面活性剤の質量割合よりも高めた前記第2の後処理剤により前記第2の後処理段階を実施することを特徴とする請求項1又は請求項に記載の毛髪処理方法。
  4. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の毛髪処理方法に用いられる後処理剤キットであって、前記第1の後処理剤及び前記第2の後処理剤を備えたことを特徴とする後処理剤キット。
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