JP2010269639A - 車両用操舵制御装置、および操舵制御装置付き車両 - Google Patents

車両用操舵制御装置、および操舵制御装置付き車両 Download PDF

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健 片山
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Abstract

【課題】 ドライバへ違和感をあたえることを防止することができる車両用操舵装置を提供すること。
【解決手段】 ハンドルの操舵角と前輪の転舵角との比である舵角比を変更する舵角比可変手段を駆動する転舵アクチュエータの負荷が予め定められた所定のしきい値よりも高いときには、運転者の操舵トルクをアシスト(補助)するアシストトルクを大きくするようにした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車両の操舵を制御する車両用操舵制御装置、および操舵制御装置付き車両に関する。
この種の技術としては、下記の特許文献1に記載の技術が開示されている。この公報では、ステアリング(ハンドル)と操舵輪との間の伝達系に、ステアリングの操作角(操舵角)と操舵輪の転舵角との比である伝達比(舵角比とも言う)を可変とする伝達比可変機構(伝達比可変手段)を備え、該伝達比可変機構に設けられたモータ(アクチュエータ)を駆動することによって伝達比を制御する車両用操舵装置が開示されている。この特許文献1に記載の車両用操舵装置においては、伝達比可変機構のモータが過熱状態となったときには、伝達比を所定の伝達比にロック(固定)するようにしたものが開示されている。
特開2001−270453号公報
上記従来技術においては、伝達比可変機構のモータが過熱状態となった場合にステアリング(ハンドル)の回転角(操舵角)と操向輪の転舵角との比、すなわち伝達比を固定するため、伝達比を固定する前後で、操舵角に対する車両挙動が大きく変わる。特に上記従来技術では、モータの過熱を検出した後に伝達比を固定としているため、急にハンドル操舵に対する車両挙動が大きく変わることとなり、ドライバに違和感を与えるおそれがあった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、ドライバへ違和感をあたえることを防止することができる車両用操舵装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明においては、ハンドルの操舵角と前輪の転舵角との比である舵角比を変更する舵角比可変手段を駆動する転舵アクチュエータの負荷が予め定められた所定のしきい値よりも高いときには、運転者の操舵トルクをアシスト(補助)するアシストトルクを大きくするようにした。
よって、転舵アクチュエータが過熱状態となってから前輪転舵アクチュエータを駆動停止して舵角比を固定する場合に比べて、転舵アクチュエータが過熱状態となる前に運転者の操舵トルクをアシスト(補助)するアシストトルクを大きくすることにより、転舵アクチュエータが過熱状態となることを防止して車両挙動の変化を小さくすることができ、ドライバに与える違和感を抑制することができる。
実施例1の車両の車両用操舵装置の全体システム図である。 実施例1の車両用操舵装置の制御ブロック図である。 実施例1の補正ゲインのマップを示す図である。 実施例1の補正ゲインを大きく設定する範囲を示す模式図である。 実施例1の補正ゲインの数値例を示した図である。 実施例2の補正ゲインを大きく設定する範囲を示す模式図である。 実施例2の補正ゲインの数値例を示した図である。 実施例3の補正ゲインを大きく設定する範囲を示す模式図である。 実施例3の補正ゲインの数値例を示した図である。
[実施例1]
〔全体構成〕
図1は、実施例1の車両15に搭載した車両用操舵装置1の全体システム図である。車両用操舵装置1は、ハンドル2の操舵角に対する前輪4の転舵角の比である舵角比を可変にすることができるとともに、後輪8も転舵させることができる4輪アクティブステアシステムである。
この車両用操舵装置1は前輪側の機構として、ハンドル2(ステアリングとも言う)と、前輪4に接続されたラック5a含む前輪転舵機構5と、前記ラック5aに設けられたラックギヤにギヤ結合したピニオンギヤ6cと、該ピニオンギヤ6cに接続されたピニオンシャフト6bと、ハンドル2に連結されたステアリングシャフト6aと、ピニオンシャフト6bとステアリングシャフト6aとの間に設けられた舵角比可変機構20(舵角比可変手段)と、該舵角比可変機構20を駆動して舵角比を可変する前輪転舵アクチュエータ7と、前輪転舵機構5に転舵補助トルクを付与するパワーステアリングアクチュエータ18を有している。また車両用操舵装置1は後輪側の機構として、後輪8を転舵させる後輪転舵機構9と、この後輪転舵機構9と連結する後輪転舵アクチュエータ10とを有している。
パワーステアリングアクチュエータ18は、例えば、モータと減速器等により構成され、前輪4を転舵させる前輪転舵機構5のラック軸に減速器を介してモータの出力軸が連結されている。このパワーステアリングアクチュエータ18は、パワーステアリングコントロールユニット17(パワーステアリングアクチュエータ制御手段)からの指令電流によって駆動する。パワーステアリングアクチュエータ18は、車速Vに応じてドライバが入力する操舵トルクと同一方向のトルクをラック5aに付与する事によって、操舵トルクを補助するアシストトルクTを付与するものである。
前輪転舵アクチュエータ7は、例えば、モータと減速器等により構成され、前輪転舵アクチュエータコントロールユニット11からの指令電流によって駆動する。舵角比可変機構20は、前輪転舵アクチュエータ7の駆動によってハンドル2の操舵によるステアリングシャフト6aの回転角である操舵角を入力し、入力した操舵角に対して前輪補助転舵角を加減した回転角をピニオンシャフト6bに出力することによって、ハンドル2の操舵角に対するピニオンシャフト6bの回転角の比である舵角比を可変にするものである。なお、ピニオンシャフト6bの回転角と前輪4の転舵角との関係は、ピニオンギヤ6cとラックギヤとのギヤ比(即ち、いわゆるラック&ピニオン機構のギヤ比)で一意に決定される為、ピニオンシャフト6bの回転角を以下では転舵角と言い、ステアリングシャフト6aの回転角(操舵角)に対するピニオンシャフト6bの回転角(転舵角)の比を舵角比と言う。
後輪転舵アクチュエータ10は、前輪転舵アクチュエータ7と同様に、モータと減速器等により構成され、後輪8を転舵させる後輪転舵機構9のラック軸に減速器を介してモータの出力軸が連結されている。この後輪転舵アクチュエータ10は、後輪転舵アクチュエータコントロールユニット12cからの指令電流によって駆動する。後輪転舵アクチュエータ10は、後輪8に後輪転舵角を付与することによって、前輪4の転舵方向と同位相または逆位相方向に後輪8を転舵させるものである。
車両用操舵装置1の制御系として、ハンドル2の操舵角γを検出する操舵角センサ3(車両挙動検出手段、操舵角検出手段)と、車両15に作用する横加速度Gyを検出する横加速度センサ16(横加速度検出手段)と、車速Vを検出する車速センサ14(車両挙動検出手段)と、前輪転舵アクチュエータ7を制御する前輪転舵アクチュエータコントロールユニット11(前輪アクチュエータ制御手段)と、後輪転舵アクチュエータ10を制御する後輪転舵アクチュエータコントロールユニット12cと、前輪転舵アクチュエータ7及び後輪転舵アクチュエータ10の制御量を演算する4輪アクティブステアコントロールユニット12(舵角比制御手段)と、パワーステアリングアクチュエータ18を制御するパワーステアリングコントロールユニット17とを有している。
操舵角センサ3、横加速度センサ16、車速センサ14、4輪アクティブステアコントロールユニット12、パワーステアリングコントロールユニット17は、車両CAN13に接続しており、この車両CAN13を介して各種情報を共有している。また前輪転舵アクチュエータコントロールユニット11(前輪転舵アクチュエータ制御手段)と4輪アクティブステアコントロールユニット12とは専用CAN19により接続し、相互に情報を共有している。
〔制御ブロック〕
図2は車両用操舵装置1の制御ブロック図である。
4輪アクティブステアコントロールユニット12は、目標値生成部12a(目標前輪転舵角算出手段)と、目標出力生成部12b(目標転舵角算出手段)とを有している。パワーステアリングコントロールユニット17は、目標出力生成部17aと、走行状態判定部17b(負荷検出手段)と、出力補正部17cと、パワーステアリングアクチュエータコントロール部17dとを有している。
(車両モデル)
目標値生成部12aでは、以下に示す車両モデルを用いて車両パラメータを演算する。一般に、2輪モデルを仮定すると、車両のヨーレートと横速度は、下記の式(1)で表せる。
Figure 2010269639
ここで、
Figure 2010269639
Figure 2010269639
である。
状態方程式より前輪操舵に対するヨーレート、横速度の伝達関数を求めると、
Figure 2010269639
Figure 2010269639
となる。
Figure 2010269639
ヨーレート伝達関数は、式(3)より下記の式(5)で表される。
Figure 2010269639
ここで、
Figure 2010269639
同様に横速度伝達関数は、式(4)より下記の式(7)と表される。
Figure 2010269639
ここで、
Figure 2010269639
以上から、車両パラメータ
Figure 2010269639
が求められる。
(目標値生成部)
目標値生成部12aでは、操舵角γ、車速Vから目標ヨーレートψ'*、目標横速度Vy*を求める。
目標ヨーレートψ'*は、下記の式(9)により表される。
Figure 2010269639
目標横速度Vy*は、下記の式(10)により表される。
Figure 2010269639
ここで、目標ヨーレートψ'*のパラメータは、下記の式(11)で表される。
Figure 2010269639
ただし、yrate_gain_map,yrate_omegn_map,yrate_zeta_map,yrate_zero_mapはチューニングパラメータである。
また、目標横速度Vy*のパラメータは、下記の式(12)で表される。
Figure 2010269639
ただし、vy_gain_map,vy_omegn_map,vy_zeta_map,vy_zero_mapはチューニングパラメータである。
(目標出力生成部:4輪アクティブステアコントロールユニット)
目標出力生成部12bでは、目標ヨーレートψ'*と目標横速度Vy*とに基づいて、目標後輪転舵角δ*と目標前輪転舵角θ*とを演算する。
Figure 2010269639
このモデルから下記の式(14)を得る。
Figure 2010269639
よって、目標後輪転舵角δ*は、下記の式(15)となる。
Figure 2010269639
目標ヨーレートと目標横速度Vy*から、下記の式(16)を用いて目標前輪転舵角θ*を算出する。
Figure 2010269639
(後輪転舵アクチュエータコントロールユニット)
後輪転舵アクチュエータコントロールユニット12cでは、目標後輪転舵角δ*と後輪転舵アクチュエータ10による後輪8の転舵角δとを入力し、不図示の後輪転舵角センサで検出された後輪8の転舵角δが目標後輪転舵角δ*となるように後輪転舵アクチュエータ10を駆動する指令電流Ir*を演算する。
(前輪転舵アクチュエータコントロールユニット)
前輪転舵アクチュエータコントロールユニット11では、目標前輪転舵角θ*と不図示の前輪転舵角センサで検出された前輪転舵アクチュエータ7による前輪4の転舵角θとを入力し、前輪4の転舵角θが目標前輪転舵角θ*となるように前輪転舵アクチュエータ7を駆動する指令電流If*を演算する。具体的には、上述の様に目標前輪転舵角θ*は、ハンドル2を操舵角γで操舵することにより付与される前輪4の転舵角θ(γ)と、前輪転舵アクチュエータ7の駆動により付与される前輪4の前輪補助転舵角との合計である為、運転者がハンドル2を操舵角γで操舵すると、舵角比可変機構20はハンドル2を操舵角γで操舵することにより付与される転舵角θ(γ)に前輪補助転舵角を加算した回転角度でピニオンシャフト6bを回転する。すなわち、舵角比可変機構20によって舵角比が変更されない場合はハンドル2を操舵角γで操舵するとピニオンシャフト6bの転舵角は転舵角θ(γ)となり、舵角比は1であるが、舵角比可変機構20によって転舵角θ(γ)に対して前輪補助転舵角が加算(前輪補助転舵角が正の値なら加算、前輪補助転舵角が負の値なら減算)される事により舵角比が変更される。
(目標出力生成部:パワーステアリングコントロールユニット)
目標出力生成部17aでは、車速Vに基づいて目標アシストトルクT*を演算する。車速Vが低いときには目標アシストトルクT*を大きく、車速Vが高いときには目標アシストトルクT*を小さく設定する。すなわち、車速Vが低いときにはドライバがハンドル2に入力する操舵力を小さくすることによって車両15の旋回性を高め、車速Vが高いときにはドライバがハンドル2に入力する操舵力を大きくすることによって車両15の直進性を高める。なお、目標アシストトルクT*は、例えばステアリングシャフト6aに設けられた不図示トルクセンサで検出された運転者による操舵トルクや、操舵角センサ3で検出された操舵角の変化方向等から検出された運転者の操舵方向に合わせた方向のアシストトルクが算出される。
また、目標アシストトルクT*の大きさは上述の様に車速Vに基づいて変更することが好ましいが、例えば予め定められた一定のトルクであっても良いし、転舵角に基づいて変更しても良い。
(走行状態判定部)
走行状態判定部17bでは、前輪転舵アクチュエータ7に作用する負荷L(γ',Gy)を演算する。前輪転舵アクチュエータ7に作用する負荷L(γ',Gy)は、操舵角速度γ'、横加速度Gyにより求められ、操舵角速度γ'が速いほど、また横加速度Gyが大きいほど高く演算される。そして演算した負荷L(γ',Gy)に応じて、補正ゲインXijを求めて設定する。補正ゲインXijは、負荷L(γ',Gy)がしきい値L1よりも高いときには、負荷L(γ',Gy)が大きくなるほど補正ゲインXijの値を大きく設定している。この補正ゲインXijは、後述する出力補正部17cにおける演算に用いられるものであって、前輪転舵アクチュエータ7の負荷に応じて設定するものである。補正ゲインXijが大きいほど、パワーステアリングアクチュエータ18が付与するアシストトルクTを大きくすることとなる。なお、しきい値L1は予め実験等によって求められた所定の値である。
補正ゲインXijは、マップを用いて求めている。図3は補正ゲインXijのマップを示す図である。図3に示すように、補正ゲインXijは操舵角速度γ'、横加速度Gyに応じて設定される。
図4は、補正ゲインXijを大きく設定する範囲を示す模式図である。図4に示すように、横加速度Gyと操舵角速度γ'とによって4つの領域に分けることができる。第1の領域は横加速度Gyが小さく、操舵角速度γ'が遅い領域であり、すなわち車両15にとって通常走行領域であり、ハンドル操作はゆっくり行われている領域である。この第1の領域では、補正ゲインXijを「1」に設定して、アシストトルクTを大きくしないようにしている。第2の領域は、横加速度Gyが大きく、操舵角速度γ'が遅い領域であり、すなわち車両15にとっては限界走行領域であり、ハンドル操作はゆっくりおこなわれている領域である。この第2の領域では、補正ゲインXijを「1」以上に設定して、アシストトルクTを大きくするようにしている。
第3の領域は、横加速度Gyが小さく、操舵角速度γ'が速い領域であり、すなわち車両15にとっては通常走行領域であり、ハンドル操作は忙しくおこなわれている領域である。この第3の領域では、補正ゲインXijを「1」以上に設定して、アシストトルクTを大きくするようにしている。第4の領域は、横加速度Gyが大きく、操舵角速度γ'が速い領域であり、すなわち車両15にとっては限界走行領域であり、ハンドル操作は忙しくおこなわれている領域である。この第4の領域では、補正ゲインXijを「1」以上に設定して、アシストトルクTを大きくするようにしている。
図5は補正ゲインXijの具体的な数値の例を示した図である。図5では、操舵角速度γ'、横加速度Gyが大きくなるほど補正ゲインXijを大きくしている。すなわち、操舵角速度γ'、横加速度Gyより求めた負荷L(γ',Gy)がしきい値L1よりも高いときには、操舵角速度γ'が速いほど駆動頻度が高く前輪転舵アクチュエータ7の負荷が高い状態であると判定し、また横加速度Gyが大きいほど路面反力が大きく前輪転舵アクチュエータ7の負荷が高い状態であると判定して補正ゲインXijとして大きな値を用いる。
(出力補正部)
出力補正部17cでは、操舵角速度γ'と横加速度Gyとに応じて走行状態判定部17bで設定された補正ゲインXijに基づいて目標アシストトルクT*を補正し、補正後目標アシストトルクTc*を求める。補正後目標アシストトルクTc*は次の式(17)を用いて算出する。
Figure 2010269639
(パワーステアリングアクチュエータコントロール部)
パワーステアリングアクチュエータコントロール部17dでは、補正後目標アシストトルクTc*に応じてパワーステアリングアクチュエータ18を駆動する指令電流Ip*を演算する。
〔作用〕
実施例1の車両用操舵装置1は、ハンドル2の操舵角に対する前輪4の転舵角の比である舵角比を、前輪転舵アクチュエータ7により前輪補助転舵角を加算、減算することにより可変にすることができる。この前輪転舵アクチュエータ7が過熱等により駆動を停止すると、駆動停止の前後で舵角比が可変から固定に変わるためハンドルの操舵に対する車両挙動が大きく変わることとなり、ドライバに違和感を与えるおそれがあった。
そこで実施例1の車両用操舵装置1では、操舵角センサ3により検出した操舵角γから求めた操舵角速度γ'、横加速度センサ16により検出した横加速度Gyから求めた負荷L(γ',Gy)が予め定められた所定のしきい値L1よりも高いときには、パワーステアリングアクチュエータにより付与するアシストトルクTを大きくするようにした。
すなわち、アシストトルクTを大きくすることにより、前輪転舵アクチュエータ7に作用する反力を小さくして、前輪転舵アクチュエータ7の発熱を抑制し、前輪転舵アクチュエータ7を駆動停止させ難くすることが可能となる。そのため、前輪転舵アクチュエータ7が過熱してしまった後に前輪転舵アクチュエータ7の駆動を停止する場合に比べて、車両挙動の変化を小さくすることができ、ドライバに与える違和感を抑制することができる。
実施例1の車両用操舵装置1では、操舵角速度γ'と横加速度Gyとから前輪転舵アクチュエータ7に作用する負荷を検出するようにしている。アクチュエータの発熱量や電流値は、アクチュエータに負荷が作用した結果として変化が表れるパラメータであって、直接アクチュエータへ作用する負荷を示すものではない。そのため、アクチュエータの発熱量や電流値では、アクチュエータに作用する負荷に対して変化が生じるタイミングが遅い。
特に実施例1のように前輪転舵アクチュエータ7を駆動停止させ難くするものにあっては、アクチュエータの発熱量や電流値ではパラメータの変化が遅い。アクチュエータの発熱量や電流値のしきい値を低く設定することも考えられる。しかし、アクチュエータの発熱量や電流値が低く設定したしきい値を超えた後に負荷が小さくなった場合には、無用にアシストトルクTを大きくすることとなり、操舵反力の変化が頻発することとなる。実施例1では、操舵角速度γ'と横加速度Gyとから前輪転舵アクチュエータ7に作用する負荷を検出することにより、アシストトルクTを大きくするタイミングを遅くすることなく、またアシストトルクTを大きくする制御が頻発することを抑制することができる。
また、実施例1の車両用操舵装置1では、負荷L(γ',Gy)がしきい値L1よりも高いときには、負荷が高いほどアシストトルクTを大きく補正するようにした。
すなわち、負荷が比較的低いときにはアシストトルクTの補正量を小さくすることにより、操舵反力変化を小さくしてドライバへの違和感を抑制することができる。一方、負荷が比較的高いときにはアシストトルクTの補正量を大きくすることにより、前輪転舵アクチュエータ7を駆動停止し難くすることができる。
〔効果〕
次に実施例1の車両用操舵装置1の効果について、以下に列記する。
(1)ハンドル2の操舵角γと該ハンドル2の操舵に伴って転舵する前輪の転舵角θとの比である舵角比を可変する舵角比可変機構20と、該舵角比可変機構20を駆動する前輪転舵アクチュエータ7と、ハンドル2の操舵力に対して、アシストトルクTを付与するパワーステアリングアクチュエータ18と、パワーステアリングアクチュエータ18のアシストトルクTを制御するパワーステアリングコントロールユニット17と、車両15の横加速度Gyを検出する横加速度センサ16と、ハンドル2の操舵角γを検出する操舵角センサ3と、横加速度センサ16において検出した横加速度Gyが大きいほど、および操舵角センサ3において検出した操舵角γの速度が速いほど、前輪転舵アクチュエータ7に作用する負荷L(γ',Gy)を高く演算する走行状態判定部17bと、を備え、パワーステアリングコントロールユニット17は、走行状態判定部17bにおいて演算した負荷L(γ',Gy)が予め定められた所定のしきい値L1よりも高いときには、アシストトルクTを増大するようにした。
よって、アシストトルクTを大きくすることにより、前輪転舵アクチュエータ7の発熱を抑制し、前輪転舵アクチュエータ7を駆動停止させ難くすることが可能となる。そのため、前輪転舵アクチュエータ7を駆動停止したときに比べて、車両挙動の変化を小さくすることができ、ドライバに与える違和感を抑制することができる。
(2)車両挙動(操舵角速度γ'、横加速度Gy)を検出する操舵角センサ3、車速センサ14と、操舵角センサ3、車速センサ14によって検出された車両挙動に基づいて目標前輪転舵角θ*を算出する目標値生成部12a、目標出力生成部12bと、前輪4の転舵角θが目標値生成部12a、目標出力生成部12bによって算出された目標前輪転舵角θ*となるように前輪転舵アクチュエータ7を制御する前輪転舵アクチュエータコントロールユニットとを備えた。
よって、アシストトルクTを大きくすることにより、前輪転舵アクチュエータ7の発熱を抑制し、前輪転舵アクチュエータ7を駆動停止させ難くすることが可能となる。そのため、前輪転舵アクチュエータ7を駆動停止したときに比べて、車両挙動の変化を小さくすることができ、ドライバに与える違和感を抑制することができる。
(3)パワーステアリングコントロールユニット17は、走行状態判定部17bにおいて検出した負荷L(γ',Gy)がしきい値L1よりも高いときには、負荷L(γ',Gy)が高いほどアシストトルクTを大きくするようにした。
よって、負荷L(γ',Gy)が比較的低いときにはアシストトルクTを小さくすることにより、操舵反力変化を小さくしてドライバへの違和感を抑制することができる。一方、負荷L(γ',Gy)が比較的高いときにはアシストトルクTを大きくすることにより、前輪転舵アクチュエータ7を駆動停止し難くすることができる。
[実施例2]
実施例1では、操舵角速度γ'と横加速度Gyとから負荷L(γ',Gy)を求めるようにしていた。実施例2では、横加速度Gyから負荷L(Gy)を求めるようにした点で実施例1と相違する。実施例2は、走行状態判定部17bの構成が実施例1と異なる。
〔制御ブロック〕
図2は車両用操舵装置1の制御ブロック図である。
4輪アクティブステアコントロールユニット12は、目標値生成部12a(目標前輪転舵角算出手段)と、目標出力生成部12b(目標転舵角算出手段)とを有している。パワーステアリングコントロールユニット17は、目標出力生成部17aと、走行状態判定部17b(負荷検出手段)と、出力補正部17cと、パワーステアリングアクチュエータコントロール部17dとを有している。
(走行状態判定部)
走行状態判定部17bでは、前輪転舵アクチュエータ7に作用する負荷L(Gy)を演算する。前輪転舵アクチュエータ7に作用する負荷L(Gy)は、横加速度Gyにより求められ、横加速度Gyが大きいほど高く演算される。そして演算した負荷L(Gy)に応じて、補正ゲインXijを求めて設定する。補正ゲインXijは、負荷L(Gy)がしきい値L1よりも高いときには、負荷L(Gy)が大きくなるほど補正ゲインXijの値を大きく設定している。なお、しきい値L1は実施例1と同様に実験等によって予め求められた値である。
補正ゲインXijは、マップを用いて求めている。図6は、補正ゲインXijを大きく設定する範囲を示す模式図である。図6に示すように、横加速度Gyと操舵角速度γ'とによって4つの領域に分けることができる。第1の領域は横加速度Gyが小さく、操舵角速度γ'が遅い領域であり、すなわち車両15にとって通常走行領域であり、ハンドル操作はゆっくり行われている領域である。この第1の領域では、補正ゲインXijを「1」に設定して、アシストトルクTを大きくしないようにしている。第2の領域は、横加速度Gyが大きく、操舵角速度γ'が遅い領域であり、すなわち車両15にとっては限界走行領域であり、ハンドル操作はゆっくりおこなわれている領域である。この第2の領域では、補正ゲインXijを「1」以上に設定して、アシストトルクTを大きくするようにしている。
第3の領域は、横加速度Gyが小さく、操舵角速度γ'が速い領域であり、すなわち車両15にとっては通常走行領域であり、ハンドル操作は忙しくおこなわれている領域である。この第3の領域では、補正ゲインXijを「1」に設定して、アシストトルクTを大きくしないようにしている。第4の領域は、横加速度Gyが大きく、操舵角速度γ'が速い領域であり、すなわち車両15にとっては限界走行領域であり、ハンドル操作は忙しくおこなわれている領域である。この第4の領域では、補正ゲインXijを「1」以上に設定して、アシストトルクTを大きくするようにしている。
図7は補正ゲインXijの具体的な数値の例を示した図である。図7では、横加速度Gyが大きくなるほど補正ゲインXijを大きくしている。すなわち、横加速度Gyより求めた負荷L(Gy)がしきい値L1よりも高いときには、横加速度Gyが大きいほど路面反力が大きく、前輪転舵アクチュエータ7の負荷が高い状態であると判定して補正ゲインXijとして大きな値を用いる。
〔作用〕
実施例2の車両用操舵装置1は、ハンドル2の操舵角に対する前輪4の転舵角の比である舵角比を、前輪転舵アクチュエータ7により前輪補助転舵角を加算、減算することにより可変にすることができる。この前輪転舵アクチュエータ7が過熱等により駆動を停止すると、駆動停止の前後で舵角比が可変から固定に変わるためハンドルの操舵に対する車両挙動が大きく変わることとなり、ドライバに違和感を与えるおそれがあった。
そこで実施例2の車両用操舵装置1では、横加速度センサ16により検出した横加速度Gyから求めた負荷L(Gy)がしきい値L1よりも高いときには、パワーステアリングアクチュエータにより付与するアシストトルクTを大きくするようにした。
すなわち、アシストトルクTを大きくすることにより、前輪転舵アクチュエータ7に作用する反力を小さくして、前輪転舵アクチュエータ7の発熱を抑制し、前輪転舵アクチュエータ7を駆動停止させ難くすることが可能となる。そのため、前輪転舵アクチュエータ7が過熱してしまった後に前輪転舵アクチュエータ7を駆動停止する場合に比べて、車両挙動の変化を小さくすることができ、ドライバに与える違和感を抑制することができる。
〔効果〕
次に実施例2の車両用操舵装置1の効果について、以下に列記する。
(4)ハンドル2の操舵角γと該ハンドル2の操舵に伴って転舵する前輪の転舵角θとの比である舵角比を可変する舵角比可変機構20と、該舵角比可変機構20を駆動する前輪転舵アクチュエータ7と、ハンドル2の操舵力に対して、アシストトルクTを付与するパワーステアリングアクチュエータ18と、パワーステアリングアクチュエータ18のアシストトルクTを制御するパワーステアリングコントロールユニット17と、車両15の横加速度Gyを検出する横加速度センサ16と、横加速度センサ16において検出した横加速度Gyが大きいほど前輪転舵アクチュエータ7に作用する負荷L(Gy)を高く演算する走行状態判定部17bと、を備え、パワーステアリングコントロールユニット17は、走行状態判定部17bにおいて演算した負荷L(Gy)が予め定められた所定のしきい値L1よりも高いときには、アシストトルクTを増大するようにした。
よって、アシストトルクTを大きくすることにより、前輪転舵アクチュエータ7の発熱を抑制し、前輪転舵アクチュエータ7を駆動停止させ難くすることが可能となる。そのため、前輪転舵アクチュエータ7を駆動停止したときに比べて、車両挙動の変化を小さくすることができ、ドライバに与える違和感を抑制することができる。
(5)車両15において、ハンドル2の操舵角γと該ハンドル2の操舵に伴って転舵する前輪の転舵角θとの比である舵角比を可変する舵角比可変機構20と、該舵角比可変機構20を駆動する前輪転舵アクチュエータ7と、ハンドル2の操舵力に対して、アシストトルクTを付与するパワーステアリングアクチュエータ18と、パワーステアリングアクチュエータ18のアシストトルクTを制御するパワーステアリングコントロールユニット17と、車両15の横加速度Gyを検出する横加速度センサ16と、横加速度センサ16において検出した横加速度Gyが大きいほど前輪転舵アクチュエータ7に作用する負荷L(Gy)を高く演算する走行状態判定部17bと、を備え、パワーステアリングコントロールユニット17は、走行状態判定部17bにおいて演算した負荷L(Gy)が予め定められた所定のしきい値L1よりも高いときには、アシストトルクTを増大するようにした。
よって、アシストトルクTを大きくすることにより、前輪転舵アクチュエータ7の発熱を抑制し、前輪転舵アクチュエータ7を駆動停止させ難くすることが可能となる。そのため、前輪転舵アクチュエータ7を駆動停止したときに比べて、車両挙動の変化を小さくすることができ、ドライバに与える違和感を抑制することができる。
[実施例3]
実施例1では、操舵角速度γ'と横加速度Gyとから負荷L(γ',Gy)を求めるようにしていた。実施例3では、操舵角速度γ'から負荷L(γ')を求めるようにした点で実施例1と相違する。実施例3は、走行状態判定部17bの構成が実施例1と異なる。
〔制御ブロック〕
図2は車両用操舵装置1の制御ブロック図である。
4輪アクティブステアコントロールユニット12は、目標値生成部12a(目標前輪転舵角算出手段)と、目標出力生成部12b(目標転舵角算出手段)とを有している。パワーステアリングコントロールユニット17は、目標出力生成部17aと、走行状態判定部17b(負荷検出手段)と、出力補正部17cと、パワーステアリングアクチュエータコントロール部17dとを有している。
(走行状態判定部)
走行状態判定部17bでは、前輪転舵アクチュエータ7に作用する負荷L(γ')を演算する。前輪転舵アクチュエータ7に作用する負荷L(γ')は、操舵角速度γ'により求められ、操舵角速度γ'が大きいほど高く演算される。そして演算した負荷L(γ')に応じて、補正ゲインXijを求めて設定する。補正ゲインXijは、負荷L(γ')がしきい値L1よりも高いときには、負荷L(γ')が大きくなるほど補正ゲインXijの値を大きく設定している。なお、しきい値L1は実施例1及び2と同様に、実験等によって予め求められた値である。
補正ゲインXijは、マップを用いて求めている。図8は、補正ゲインXijを大きく設定する範囲を示す模式図である。図8に示すように、横加速度Gyと操舵角速度γ'とによって4つの領域に分けることができる。第1の領域は横加速度Gyが小さく、操舵角速度γ'が遅い領域であり、すなわち車両15にとって通常走行領域であり、ハンドル操作はゆっくり行われている領域である。この第1の領域では、補正ゲインXijを「1」に設定して、アシストトルクTを大きくしないようにしている。第2の領域は、横加速度Gyが大きく、操舵角速度γ'が遅い領域であり、すなわち車両15にとっては限界走行領域であり、ハンドル操作はゆっくりおこなわれている領域である。この第2の領域では、補正ゲインXijを「1」に設定して、アシストトルクTを大きくしないようにしている。
第3の領域は、横加速度Gyが小さく、操舵角速度γ'が速い領域であり、すなわち車両15にとっては通常走行領域であり、ハンドル操作は忙しくおこなわれている領域である。この第3の領域では、補正ゲインXijを「1」以上に設定して、アシストトルクTを大きくするようにしている。第4の領域は、横加速度Gyが大きく、操舵角速度γ'が速い領域であり、すなわち車両15にとっては限界走行領域であり、ハンドル操作は忙しくおこなわれている領域である。この第4の領域では、補正ゲインXijを「1」以上に設定して、アシストトルクTを大きくするようにしている。
図9は補正ゲインXijの具体的な数値の例を示した図である。図9では、操舵角速度γ'が大きくなるほど補正ゲインXijを大きくしている。すなわち、操舵角速度γ'より求めた負荷L(γ')がしきい値L1よりも高いときには、操舵角速度γ'が速いほど駆動頻度が高く前輪転舵アクチュエータ7、後輪転舵アクチュエータ10の負荷が高い状態であると判定して補正ゲインXijとして大きな値を用いる。
〔作用〕
実施例3の車両用操舵装置1は、ハンドル2の操舵角に対する前輪4の転舵角の比である舵角比を、前輪転舵アクチュエータ7により転舵角を加算、減算することにより可変にすることができる。この前輪転舵アクチュエータ7が過熱等により駆動を停止すると、駆動停止の前後で舵角比が可変から固定に変わるためハンドルの操舵に対する車両挙動が大きく変わることとなり、ドライバに違和感を与えるおそれがあった。
そこで実施例3の車両用操舵装置1では、操舵角センサ3により検出した操舵角γから求めた操舵角速度γ'に応じて演算した負荷L(γ')がしきい値L1よりも高いときには、パワーステアリングアクチュエータにより付与するアシストトルクTを大きくするようにした。
すなわち、アシストトルクTを大きくすることにより、前輪転舵アクチュエータ7の発熱を抑制し、前輪転舵アクチュエータ7を駆動停止させ難くすることが可能となる。そのため、前輪転舵アクチュエータ7が過熱してしまった後に前輪転舵アクチュエータ7の駆動を停止する場合に比べて、車両挙動の変化を小さくすることができ、ドライバに与える違和感を抑制することができる。
〔効果〕
次に実施例3の車両用操舵装置1の効果について、以下に列記する。
(5)ハンドル2の操舵角γと該ハンドル2の操舵に伴って転舵する前輪の転舵角θとの比である舵角比を可変する舵角比可変機構20と、該舵角比可変機構20を駆動する前輪転舵アクチュエータ7と、ハンドル2の操舵力に対して、アシストトルクTを付与するパワーステアリングアクチュエータ18と、パワーステアリングアクチュエータ18のアシストトルクTを制御するパワーステアリングコントロールユニット17と、ハンドル2の操舵角γを検出する操舵角センサ3と、操舵角センサ3において検出した操舵角γの速度が速いほど前輪転舵アクチュエータ7に作用する負荷L(γ')を高く演算する走行状態判定部17bと、を備え、パワーステアリングコントロールユニット17は、走行状態判定部17bにおいて演算した負荷L(γ')が予め定められた所定のしきい値L1よりも高いときには、アシストトルクTを増大するようにした。
よって、アシストトルクTを大きくすることにより、前輪転舵アクチュエータ7の発熱を抑制し、前輪転舵アクチュエータ7を駆動停止させ難くすることが可能となる。そのため、前輪転舵アクチュエータ7を駆動停止したときに比べて、車両挙動の変化を小さくすることができ、ドライバに与える違和感を抑制することができる。
(6)車両15において、ハンドル2の操舵角γと該ハンドル2の操舵に伴って転舵する前輪の転舵角θとの比である舵角比を可変する舵角比可変機構20と、該舵角比可変機構20を駆動する前輪転舵アクチュエータ7と、ハンドル2の操舵力に対して、アシストトルクTを付与するパワーステアリングアクチュエータ18と、パワーステアリングアクチュエータ18のアシストトルクTを制御するパワーステアリングコントロールユニット17と、ハンドル2の操舵角γを検出する操舵角センサ3と、操舵角センサ3において検出した操舵角γの速度が速いほど前輪転舵アクチュエータ7に作用する負荷L(γ')を高く演算する走行状態判定部17bと、を備え、パワーステアリングコントロールユニット17は、走行状態判定部17bにおいて演算した負荷L(γ')が予め定められた所定のしきい値L1よりも高いときには、アシストトルクTを増大するようにした。
よって、アシストトルクTを大きくすることにより、前輪転舵アクチュエータ7の発熱を抑制し、前輪転舵アクチュエータ7を駆動停止させ難くすることが可能となる。そのため、前輪転舵アクチュエータ7を駆動停止したときに比べて、車両挙動の変化を小さくすることができ、ドライバに与える違和感を抑制することができる。
[他の実施例]
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1ないし実施例3に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1ないし実施例3に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
実施例1ないし3の車両用操舵装置1では、補正ゲインXijをマップにより求めているが、演算により求めても良い。
また実施例1ないし3の車両用操舵装置1は、前輪4および後輪8の舵角を可変にする4輪アクティブステアシステムであるが、前輪4のみの舵角を可変にするものであっても良い。
また実施例1ないし3の車両用操舵装置1では、パワーステアリングアクチュエータ18としてモータを用いているが、アシストトルクTの大きさを制御できるものであれば油圧式のものでも良い。
また実施例1,2の車両用操舵装置1では、横加速度Gyを横加速度センサ16により検出しているが、操舵角γと車速Vとから推定するようにしてもよい。
1 車両用操舵装置
2 ハンドル
3 操舵角センサ(車両挙動検出手段、操舵角検出手段)
4 前輪
7 前輪転舵アクチュエータ
11 前輪転舵アクチュエータコントロールユニット(前輪アクチュエータ制御手段)
12a 目標値生成部(目標前輪転舵角演算手段)
12b 目標出力生成部(目標前輪転舵角演算手段)
14 車速センサ(車両挙動検出手段)
15 車両
16 横加速度センサ(横加速度検出手段)
17 パワーステアリングコントロールユニット(パワーステアリングアクチュエータ制御手段)
17b 走行状態判定部(負荷検出手段)
17d パワーステアリングアクチュエータコントロール部(パワーステアリングアクチュエータ制御手段)
18 パワーステアリングアクチュエータ
20 舵角比可変機構(舵角比可変手段)

Claims (7)

  1. ハンドルの操舵角と該ハンドルの操舵に伴って転舵する前輪の転舵角との比である舵角比を可変する舵角比可変手段と、
    該舵角比可変手段を駆動する前輪転舵アクチュエータと、
    前記ハンドルの操舵力に対して、アシストトルクを付与するパワーステアリングアクチュエータと、
    前記パワーステアリングアクチュエータの前記アシストトルクを制御するパワーステアリングアクチュエータ制御手段と、
    車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、
    前記横加速度検出手段において検出した前記横加速度が大きいほど、前記転舵アクチュエータに作用する負荷を高く演算する負荷演算手段と、を備え、
    前記パワーステアリングアクチュエータ制御手段は、前記負荷演算手段において演算した前記負荷が予め定められた所定のしきい値よりも高いときには、前記アシストトルクを増大することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  2. ハンドルの操舵角と該ハンドルの操舵に伴って転舵する前輪の転舵角との比である舵角比を可変する舵角比可変手段と、
    該舵角比可変手段を駆動する前輪転舵アクチュエータと、
    前記ハンドルの操舵力に対して、アシストトルクを付与するパワーステアリングアクチュエータと、
    前記パワーステアリングアクチュエータの前記アシストトルクを制御するパワーステアリングアクチュエータ制御手段と、
    前記ハンドルの操舵角を検出する操舵角検出手段と、
    前記操舵角検出手段において検出した前記操舵角の速度が速いほど、前記転舵アクチュエータに作用する負荷を高く演算する負荷演算手段と、を備え、
    前記パワーステアリングアクチュエータ制御手段は、前記負荷演算手段において演算した前記負荷が予め定められた所定のしきい値よりも高いときには、前記アシストトルクを増大することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用操舵制御装置において、
    車両の挙動を検出する車両挙動検出手段と、
    前記車両挙動検出手段によって検出された車両の挙動に基づいて目標前輪転舵角を算出する目標前輪転舵角算出手段と、
    前記前輪の前記転舵角が前記目標前輪転舵角算出手段によって算出された目標前輪転舵角となるように前輪転舵アクチュエータを制御する前輪転舵アクチュエータ制御手段と、
    を備えることを特徴とする車両用操舵制御装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
    車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、
    前記ハンドルの操舵角を検出する操舵角検出手段と、を備え、
    前記負荷演算手段は、前記横加速度検出手段において検出した前記横加速度が大きいほど、および前記操舵角検出手段において検出した前記操舵角の速度が速いほど、前記転舵アクチュエータに作用する前記負荷を高く演算する手段であることを特徴とする車両用操舵制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
    前記パワーステアリングアクチュエータ制御手段は、前記負荷検出手段において検出した前記負荷が前記しきい値よりも高いときには、前記負荷が高いほど前記アシストトルクを大きくすることを特徴とする車両用操舵制御装置。
  6. ハンドルの操舵角と該ハンドルの操舵に伴って転舵する前輪の転舵角との比である舵角比を可変する舵角比可変手段と、
    該舵角比可変手段を駆動する前輪転舵アクチュエータと、
    前記ハンドルの操舵力に対して、アシストトルクを付与するパワーステアリングアクチュエータと、
    前記パワーステアリングアクチュエータの前記アシストトルクを制御するパワーステアリングアクチュエータ制御手段と、
    車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、
    前記横加速度検出手段において検出した前記横加速度が大きいほど、前記転舵アクチュエータに作用する負荷を高く演算する負荷演算手段と、を備え、
    前記パワーステアリングアクチュエータ制御手段は、前記負荷演算手段において演算した前記負荷が予め定められた所定のしきい値よりも高いときには、前記アシストトルクを増大することを特徴とする操舵制御装置付き車両。
  7. ハンドルの操舵角と該ハンドルの操舵に伴って転舵する前輪の転舵角との比である舵角比を可変する舵角比可変手段と、
    該舵角比可変手段を駆動する前輪転舵アクチュエータと、
    前記ハンドルの操舵力に対して、アシストトルクを付与するパワーステアリングアクチュエータと、
    前記パワーステアリングアクチュエータのアシストトルクを制御するパワーステアリングアクチュエータ制御手段と、
    前記ハンドルの操舵角を検出する操舵角検出手段と、
    前記操舵角検出手段において検出した前記操舵角の速度が速いほど、前記転舵アクチュエータに作用する負荷を高く演算する負荷演算手段と、を備え
    前記パワーステアリングアクチュエータ制御手段は、前記負荷演算手段において演算した前記負荷が予め定められた所定のしきい値よりも高いときには、前記アシストトルクを増大することを特徴とする操舵制御装置付き車両。
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