JP2009051488A - 車両用操舵制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ギア比コントローラ10は、ギア比がスローに設定されている場合には、ドライバがハンドル1を切り始める操舵開始時、ギア比を一旦クイック側に設定した後、操舵角の増加に応じてギア比を徐々にスロー側へと変化させる。
【選択図】 図1
Description
図1は、実施例1の車両用操舵制御装置を示す全体構成図である。
ハンドル1と前輪(操向輪)2,2を転舵するラック&ピニオン式ステアリングギアを用いた舵取り機構3は、コラムシャフト4およびピニオン5を介して連結され、コラムシャフト4とピニオンシャフト5は、ギア比可変アクチュエータ(角度入力用アクチュエータ)6を介して連結されている。コラムシャフト4には、コラムシャフト4の回転角(操舵角)を検出するパルスエンコーダ等を用いた操舵角センサ7が設けられている。また、ギア比可変アクチュエータ6には、ギア比可変機構を駆動するモータ20が設けられ、このモータの回転角を検出するモータ回転角センサ8が設けられている。
コラムシャフト4と連結されたアッパシャフト21には、インプットシャフト22が圧入固定されている。インプットシャフト22の先端には、ガイド溝22aが全周にわたって形成されている。アウトプットシャフト25は、インプットシャフト22に対して相対回転可能に設けられ、ピニオンシャフト5と連結されている。アウトプットシャフト25の外周面には、ボールねじ溝30が形成されている。
スライダ23には、複数のボール24を転動自在に保持するボール保持孔29が形成されている。ボール24は、ボール保持孔29とアウトプットシャフト25のボールねじ溝30との間で転動自在に挟持されている。
スライダ23は、スライダアーム28に回動自在に支持され、スライダアーム28は、リードスクリュー軸27に軸方向移動可能にねじ込まれている。リードスクリュー軸27の一端部には、ヘリカルギア32が固定され、このヘリカルギア32は、モータ20のモータ回転軸に連結されたピニオン31と接続している。
モータ20を作動させない場合、ハンドル1に入力された操作力がアッパシャフト21からインプットシャフト22およびスライダ23、各ボール24を介してアウトプットシャフト25に伝達される。すなわち、入出力の回転角度差が生じない状態でそのままピニオンシャフト5を介して前輪2,2に伝達される。
回転角指令値演算部10aでは、まず、以下に示す車両モデルを用いて車両パラメータを演算する。
φ'*(s)=φ''*(s)/s …(8)
であり、目標前輪舵角θ*は、
φ''*=a11φ'*+a12Vy+bf1θ* …(9)
θ*=(φ''*+a11φ'*+a12Vy)/bf1 …(10)
と求められる。
回転角目標値演算部10aは、目標前輪舵角θ*を得るために必要なギア比可変アクチュエータ6の回転角目標値θhを演算する。
まず、偏差eは、下記の式(11)から求められる。
e=θh−θa …(11)
Iθ=P×e+D×de/dt+I×∫edt …(12)
ここで、比例ゲインP、微分ゲインDおよび積分ゲインIはチューニング定数である。
図4は、実施例1のギア比コントローラ10で実行されるギア比可変アクチュエータ6のアクチュエータ切り戻し時におけるギア比制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ここで、G1は、メカギア比よりも大きな値とし、G2は、メカギア比よりも小さな値とする(図10参照)。
[操舵開始時の操舵反力抜けについて]
特開2005−170129号公報には、ハンドルから前輪(操向輪)に至るステアリング系のシャフト上に、同軸モータを用いたギア比可変アクチュエータを装着し、このギア比可変アクチュエータを回転駆動させてハンドルの操舵角を加減算することで、ギア比を可変する機構を備えた車両において、操舵中立位置付近でサーボゲインを高め、ステアリング剛性を向上させる技術が記載されている。
図5に示すように、モータトルク(アクチュエータトルク)と操舵力の方向(操舵方向)とが一致している場合には、モータ反力(アクチュエータ反力)が操舵力と逆方向となるため、ドライバが感じる手応えは大きくなる。ところが、図6のように、操舵力とモータトルクとが逆向きになると、操舵力の方向とモータ反力の方向とが一致するため、ドライバが感じる手応えが減少してしまう。そして、操舵中立位置からハンドルを切り込んでいく操舵開始時にモータトルクの方向と操舵力の方向とが互いに逆向きになると、上記理由からドライバに手応えの抜け感、すなわち、操舵反力の抜け感を与えてしまう。
これに対し、実施例1の車両用操舵制御装置では、図10に示すように、操舵開始時の反力抜けを改善するために、操舵中立位置付近(−θ1<θ<θ1)のみ、ギア比Gをクイック側(ギア比G1)に設定する(ステップS1→ステップS2→ステップS7→ステップS5→ステップS6)。
実施例1の車両用操舵制御装置では、以下に列挙する効果が得られる。
なお、全体構成については、図1〜3に示した実施例1と同様であるため、図示ならびに説明を省略する。
実施例2の車両用操舵制御装置にあっては、実施例1の効果(1)〜(3)に加え、以下の効果が得られる。
なお、全体構成については、図1〜3に示した実施例1と同様であるため、図示ならびに説明を省略する。
図12は、実施例3のギア比コントローラ10で実行されるギア比制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
実施例3では、操舵中立位置からの操舵開始時、操舵方向と逆向きのアクチュエータトルクが発生しないよう、回転角目標値θhと実回転角θaとの偏差eが操舵方向と逆方向である場合、偏差eの値を操舵方向と同方向に近くなるように補正する(ステップS11→ステップS12→ステップS13→ステップS14→ステップS15→ステップS16)。
実施例3の車両用操舵制御装置では、実施例1の効果(1)〜(3)に加え、以下の効果が得られる。
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1〜3に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、各実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
2 前輪
3 舵取り機構
4 コラムシャフト
5 ピニオンシャフト
6 ギア比可変アクチュエータ
7 操舵角センサ
8 モータ回転角センサ
10 ギア比コントローラ
10a 回転角目標値演算部
10b 舵角サーボ制御部
11 車速センサ
Claims (7)
- ハンドルからの角度入力に角度入力用アクチュエータからの角度入力を加減算し、ハンドルの操舵角に対する操向輪の転舵角の比であるステアリングギア比を可変するギア比制御手段を備えた車両用操舵制御装置において、
前記ギア比制御手段は、運転者が前記ハンドルを切り始める操舵開始時、操舵方向と同一方向に前記角度入力用アクチュエータのアクチュエータトルクを発生させることを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項1に記載の車両用操舵制御装置において、
前記ギア比制御手段は、操舵角が所定値以下となる操舵中立位置付近からの操舵開始時、操舵方向と同一方向に前記アクチュエータトルクを発生させることを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載の車両用操舵制御装置において、
前記ギア比制御手段は、前記ハンドルからの角度入力に前記角度入力用アクチュエータからの角度入力を減算してステアリングギア比を可変するアクチュエータ切り戻し時、操舵方向と同一方向に前記アクチュエータトルクを発生させることを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
前記ギア比制御手段は、前記ハンドルからの角度入力に前記角度入力用アクチュエータからの角度入力を加算するアクチュエータ切り増しにより、操舵方向と同一方向に前記アクチュエータトルクを発生させることを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
前記ギア比制御手段は、操舵中立位置付近における前記角度入力用アクチュエータへの回転角目標値を、操舵方向と同一方向へ立ち上がるように補正することを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
前記ギア比制御手段は、操舵中立位置付近から前記ハンドルが切り増しされる際、前記アクチュエータトルクが操舵方向と同一方向に発生するよう、前記角度入力用アクチュエータの制御偏差を補正することを特徴とする車両用操舵制御装置。 - ハンドルからの角度入力に角度入力用アクチュエータからの角度入力を加減算し、ハンドルの操舵角に対する操向輪の転舵角の比であるステアリングギア比を可変する車両用操舵制御装置において、
運転者が前記ハンドルを切り始める操舵開始時、操舵方向と同一方向に前記角度入力用アクチュエータのアクチュエータトルクを発生させることを特徴とする車両用操舵制御装置。
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