JP2006199075A - 車両の操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 操舵感のずれを抑制することが可能な車両の操舵装置を提供する。
【解決手段】 VGRS機構7やEPS機構(例えば、ステアリングギヤ3内に設けられる。)を有する操舵装置において、ECU5は、操舵角センサ20、操舵トルクセンサ21、ピニオン角センサ31の出力を基にして目標ピニオン角に合致するピニオン角が実際に得られるようVGRS機構7やEPS機構のアクチュエータを制御することで、所望のラックストローク特性を実現して、操舵性を向上させ、操舵感のずれを解消する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アシスト操舵力を付与する操舵アクチュエータを搭載した車両の操舵装置に関する。
従来から、操舵系に操舵アクチュエータを配置し、その駆動によって運転者の操舵力を補助するアシスト操舵力を付与したり、自動的に操舵を行う車両用操舵装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の技術は、こうした自動操舵装置において、自動操舵時には、アクチュエータの駆動に対して、トーションバーのねじれに起因してステアリングホイールの回転が遅れ、また、回転が振動するのを抑制するため、捩れ角を考慮して制御を行うものである。
特開2003−237607号公報
ところで、このようなトーションバーのねじれや操舵系を構成するギヤ間の摩擦等によって、運転者の操舵と実際の操舵輪の舵角変更との間にずれが生じてしまう。具体的には、運転者がステアリングホイールの回転を開始したときや、回転方向を逆方向に切り換えたような場合、その操舵トルクはトーションバー自体がねじれたり操舵系で消費されてしまい、操舵輪まで伝達されず、実際の舵角変更に遅れが生じてしまう。
そこで本発明は、このような操舵感のずれを抑制することが可能な車両の操舵装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る車両の操舵装置は、トーションバーとラックアンドピニオン機構を介して運転者の操舵入力を操舵輪に伝達する伝達機構を備える車両の操舵装置において、運転者による操舵角度を検出する操舵角検出手段と、運転者による操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、ラックストローク移動量を推定または検出するラックストローク移動量判定手段と、伝達機構内に配置されて、その駆動力により操舵入力に対するラックストローク移動量を調整可能な電動アクチュエータと、検出した操舵角度と操舵トルクから判定した操舵状態に応じた目標ラックストローク移動量とラックストローク移動量判定手段で判定したラックストローク移動量が一致するようアクチュエータの作動を制御する制御装置と、を備えていることを特徴とする。
この電動アクチュエータは、ステアリングギヤ比を任意に変更可能であるか、アシスト操舵力を付与するタイプのものである。前者は、入力軸と出力軸の回転比率を変更するギヤ比可変機構を備えるVGRS(Variable Gear Ratio Steering)システムであり、後者は、EPS(Electric Power Steering)システムである。
従来のこの種のシステムにおいては、車速、操舵角や操舵トルクに応じてアクチュエータを駆動することで所望のギヤ比やアシスト操舵力を付与することを目的としていた。本発明に係る車両の操舵装置においては、操舵角、操舵トルクから運転者による操舵状態を求める。この操舵状態から目標ラックストローク移動量を設定する。一方、ラックストローク移動量判定手段により、実際に得られるラックストロークの移動量を直接、あるいは、それに直接接続されている部材の移動量を検出することで間接的に検出するか、トーションバー等のねじれを考慮して推定することにより、判定する。そして、こうして判定した実際のラックストローク移動量と設定した目標ラックストローク移動量とが一致するようアクチュエータの駆動を制御する。
このアクチュエータがEPSシステムにおいてラックバーを直接駆動するものであると、アクチュエータの実駆動量とラックバーの実際の移動量とが1対1の関係になり、好ましい。
本発明によれば、操作状態に応じて所望のラックストローク量が得られるようにアクチュエータの駆動を制御することにより、運転者の操舵入力とラックストローク量とを略合致させることが可能となり、操舵開始時点や切り戻し時点における舵角変更の遅れを抑制することができ、操舵感が向上する。そして、ラックストローク量を直接または間接に測定ないし推定してその移動量が所望の状態になるように制御することで、スムースなラックストロークを実現することができ、操舵感の向上が図れる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明に係る車両の操舵装置の一実施形態の構成を示す斜視図である。運転者の操舵入力を受け付ける操舵輪であるステアリングホイール1には、ステアリングコラム2の一端が結合されており、ステアリングコラム2の他端はステアリングギア3と接続されている。ステアリングホイール1とステアリングコラム2の結合部には、ステアリングホイール1の操舵角を検出する操舵角センサ4(コラムカバー内のコンビネーションスイッチと一体化されている)が組み込まれている。
操舵角センサ4は、操舵量(操舵角)と操舵方向を検出でき、その内部には検知ギヤに内蔵された磁石の回転を検知する磁気抵抗素子を二組備えており、検知ギヤが回転することで生じる磁気変化に基づいてステアリングホイール1の回転量、回転方向を検出する。この操舵角センサ4の出力信号は、操舵制御装置である電子制御コントロールユニット(ECU)5に入力される。このECU5はCPU、ROM、RAM等によって構成され、内蔵された所定のプログラムに応じて操舵装置の作動を制御する。
ステアリングコラム2は、そのほぼ中央部分のステアリングホイール1側にトルクセンサ6を備えていると共に、中央部分のステアリングギア3側にVGRS機構7を備えている。VGRS機構7は、ステアリングホイール1の操舵角に対する転舵輪(図示せず)の転舵角との比である伝達比(ステアリングギヤ比)を可変制御するものである。
トルクセンサ6の内部では、ステアリングホイール1側の入力軸とステアリングギア3側の出力軸がトーションバーで連結されており、この入力軸と出力軸にはそれぞれ回転角センサ(レゾルバセンサ)が取り付けられている。各回転角センサでは、それぞれ入力軸の回転角と出力軸の回転角とが検出される。ステアリングホイール1が操舵されるとトーションバーがねじれ、二つの回転角センサで検出される角度に相対的な差が生じ、その差から操舵トルクを算出することができる。トルクセンサ6もECU5に接続されており、ECU5は二つの回転角センサの検出結果を基にトルクの演算を行う。即ち、トルクセンサ6やECU5が操舵トルク検出手段として機能している。
VGRS機構7の一部断面斜視図を図2に示す。本実施形態のVGRSは、波動歯車を用いたものである。波動歯車としては、ハーモニック・ドライブ・システム社のものなどがよく知られている。図2に示されるように、VGRS機構7は、波動歯車を有する差動機構部7aと、VGRS機構7の駆動アクチュエータであるDCブラシレスモータ7bと、VGRS機構7の故障時に伝達比を固定するためのロック機構部7cと、ステアリングコラム2の軸が回転しても電力が供給できるように設けられたスパイラルケーブル7dと、ゴムカップリング7eとを備えている。なお、図2中右方がステアリングホイール1側であり、左方がステアリングギア3側である。
差動機構部7a、DCブラシレスモータ7b、及び、ロック機構部7cのケースはステアリングホイール1側の入力軸に固定されている。差動機構部7aの出力軸はステアリングギア3側の出力軸と固定されており、DCブラシレスモータ7bを駆動させることで差動機構部7aを作動させ、伝達比を可変制御する。ロック機構部7cは、VGRS機構7のシステムフェイル(故障)時や、イグニッションスイッチがOFFの時には、DCブラシレスモータ7bのモータシャフトが回転しないようにロックする。DCブラシレスモータ7bやロック機構部7cも上述したECU5に接続されており、ECU5によってVGRS機構7の動作が制御される。
ステアリングギア3の断面図を図3に示す。上述したように、本実施形態のステアリングギア3は、ラック式の電子制御式パワーステアリング(EPS)機構を内蔵したものであり、EPSの駆動源となるDCブラシレスモータ3aが内蔵されている。図3には、このDCブラシレスモータ3a周辺のみを拡大して示してある。ステアリングギア3は、一対の操舵輪(図示せず)の中間部に取り付けられ、その内部の操舵軸3bの両端がタイロッド3cを介して操舵輪(図示せず)のハブキャリアなどに接続されている。操舵軸3bの一端側には、ラックギア3dが形成されており、入力軸3eの先端に形成されているピニオンギア(図示せず)と噛み合っている。入力軸3eは、ステアリングコラム2の出力側と連結されている。運転者によってステアリングホイール1が回転されると、ピニオンギアとラックギア3dとによって回転運動が直線運動に変換され、操舵軸3bが軸方向(図3中左右方向)に移動されて操舵輪が操舵される。
上述したDCブラシレスモータ3aは、ステアリングギア3のケースに固定されたステータとその内部で回転するロータとからなり、ロータは円筒状部材と一体となっており、操舵軸3bは、この円筒状部材の内部を貫通している。なお、円筒状部材はその両端がベアリングによって回転可能に指示されている。操舵軸3bの外周面上の一部にはボールスクリュー溝3fが形成されており、上述した円筒部材の内周上の一部にボールナット3gが固定されている。一対のボールスクリュー溝3fとボールナット3gの間には複数のベアリングボールが収納され、DCブラシレスモータ3aが駆動されてロータが回転されることによって、操舵軸3bの軸方向の移動がアシストされる。
なお、ステアリングギア3には、DCブラシレスモータ3aの回転位置を検出する回転位置センサ3hも内蔵されている。DCブラシレスモータ3aや回転位置センサ3hも上述したECU5に接続されており、ECU5によってEPSの動作が制御される。ステアリングギア3内部のDCブラシレスモータ3aやボールスクリュー機構及びECU5がパワーステアリング手段として機能している。また、ピニオンギヤには、ピニオンギヤの回転角を検出するピニオン回転角センサ8が取り付けられており、その出力信号は前述したECU5へと入力されている。
この操舵装置の制御方法について、以下に説明する。図4は、主制御部分のフローチャートであり、図5、図6は、主制御から分岐した部分のフローチャートである。この制御は、ECU5によって、車両の電源がオンにされている間、所定のタイミングで繰り返し実行される。
まず、操舵角センサ20、操舵トルクセンサ21、ピニオン角センサ31、車速センサ40の各出力を読み込むことで、車両状態量である操舵角MA、操舵トルクMT、ピニオン回転角θp、車速Vを読み込む(ステップS1)。次に、保舵状態にあるか否かを判定する(ステップS2)。具体的には、操舵角MAが略0であり、ピニオン回転角θpが略0であり、かつ、操舵トルクMTが閾値A未満である場合に操舵角、転舵角が中立状態で、操舵状態でない保舵状態であると判定すればよい。
保舵状態と判定した場合には、後述する立ち上がり時制御の制御フロー通過回数を表す変数Nに初期値である0を設定するとともに、操舵角記憶値θ1に0を設定する(ステップS3)。そして、再度、各車両状態量(操舵角MA、ピニオン回転角θp、車速V)の読込みを行う(ステップS4)。つきに、操舵角MAが正負を判定する(ステップS5)。MAが略0の場合、つまり、保舵状態が継続している場合には、そのままステップS4へと戻る。MAが正の場合、つまり、操舵入力が左方向の場合には、操舵係数K1に左旋回時を意味する1を設定する(ステップS6)。一方、MAが負の場合、つまり、操舵入力が右方向の場合には、操舵係数K1に右旋回時を意味する−1を設定する(ステップS7)。ステップS6またはS7終了後は、ステップS8へと移行し、Nが0であるか否かを判定する。
Nが0の場合には、ステップS9へと移行して、読み込んだ車両状態量(操舵角MA、ピニオン回転角θp、車速V)から目標ピニオン回転角θiを設定する。次に、操舵角記憶値θ1に現在の操舵角MAを、ピニオン角記憶値θ2に現在のピニオン角θpを操舵係数記憶値K0に現在の操舵係数K1を記憶する(ステップS10)。そして、目標ピニオン回転角θiと実際のピニオン回転角θpとの偏差の絶対値eを求める(ステップS11)。この偏差の絶対値eに操舵系数K1を乗ずることでVGRS機構7の駆動アクチュエータであるDCブラシレスモータ7bへの制御信号(以下、アクチュエータ制御信号)であるIsを設定し(ステップS12)、そして、DCブラシレスモータ7bへ設定したIsを制御信号として出力する(ステップS13)ことで、DCブラシレスモータ7bを駆動して目標ピニオン回転角θiが得られるようにする。ここで、ピニオン回転角とラックストロークとは1対1の対応関係を有しているから、目標ピニオン角に基づいて実ピニオン回転角を制御することは、目標ラックストロークに基づいて実ラックストロークを制御することと実質的に同義である。
次に、再度、車両状態量(操舵角MA、ピニオン回転角θp、車速V)を読み込み(ステップS14)、制御変数Nの値が2に達しているか否かを判定する(ステップS15)。Nが2に達していない場合(0か1の場合)には、ステップS16へと移行して、θp−θ2をMA−θ1で割った値、つまり、ピニオン角度の時間変化量と操舵角の時間変化量との比の絶対値が定常勾配Bに対して所定の係数K3を乗じた範囲を上回っているか否かを判定する。条件が満たされた場合には、立ち上がり時の制御処理を終了する。上限が満たされていない場合には、制御変数Nを1に設定し(ステップS17)、ステップS5へと戻り、立ち上がり時の処理を継続する。
ステップS8でNが0でない(1か2の場合)には、図5に示される処理フローのステップS20へと移行する。ステップS20では、MA−θ1の正負を判定する。正の場合には、操舵係数K2に1を設定する(ステップS21)。負の場合には、さらに、K1×K0が正であるか否かを判定する(ステップS22)。K1×K0が負の場合とは、両者が異符号の場合であり、これは、操舵トルク方向が前回タイムステップから逆転していることを意味する。この場合には、切り返し状態となるため、立ち上がり時の処理を終了する。
ステップS22でK1×K0が正、つまり、同符号の場合には、ステップS23へと移行して操舵係数K2に−1を設定する。ステップS21、S23終了後は、ステップS24へと移行し、制御変数Nの値が2か否かを判定する。
Nが2でない(0または1の)場合には、K1×K2の値が正であるか否かを判定する(ステップS25)。K1とK2の積が正の場合とは、両者が同符号の場合であり、MAが正で増加傾向にある場合とMAが負で減少傾向にある場合、つまり、MAの絶対値が増加傾向にある場合を意味する。正の場合には、図4のステップS11へと移行する。負の場合には、変数Nを2に設定し(ステップS26)、ステップS28へと移行する。
Nが2の場合も、同様に、K1×K2の値が正であるか否かを判定する(ステップS27)。正の場合には、同様に、図4のステップS11へと移行する。負の場合には、ステップS28へと移行する。ステップS28では、θ1のθ2に対する比をCに設定し、さらに、目標ピニオン角θiとしてC×MAを設定する(ステップS29)。さらに、K1にK2を設定して(ステップS30)、図4のステップS9へと戻る。
図4のステップS15でNが2と判定した場合にはステップS18へと移行してK1×MAが正か否かを判定する。K1×MAが正の場合とは、操舵方向が前回と同一であることを意味する。この場合には、ステップS5へと戻る。操舵方向が逆転したと判定した場合には、立ち上がり時の処理を終了する。
ステップS2で操舵角MAまたはピニオン回転角θpが略0でないと判定した場合(前者は操舵角が中立状態でないことを後者は転舵角が中立状態でないことを意味する。)、または、操舵トルクMTが閾値A以上であると判定した場合(操舵状態であることを意味する。)には、図6に示される切り戻し時の制御フローへと移行する。
切り戻し時の制御では、まず、操舵係数K5に0を設定する(ステップS31)。そして、MA−θ1の正負を判定する(ステップS32)。正または0の場合には、操舵係数K4に1を設定する(ステップS33)。負の場合には、操舵係数K4に−1を設定する(ステップS34)。ステップS33、S34終了後は、ステップS35へと移行してK4とK5の積が正であるか否かを判定する。K5は、初期値は0であるが、切り返し制御フローの処理継続中は、後述するようにK4の前回値が格納されている。K4は、上述したように、操舵トルクの現在値と前回値と差に相当するから、K4とK5の積が正であることは、操舵トルクの変化方向が前回と同じであることを意味することになる。この場合には、切り返し操作時ではないから、そのまま処理を終了する。積が負の場合か0の場合には、切り戻し操作時であるとして実際の処理に入る。
具体的には、まず、読み込んだ車両状態量(操舵角MA、ピニオン回転角θp、車速V)から目標ピニオン回転角θiを設定する(ステップS36)。次に、操舵角記憶値θ1に現在の操舵角MAを、ピニオン角記憶値θ2に現在のピニオン角θpを操舵係数記憶値K5に現在の操舵係数K4を記憶する(ステップS37)。そして、目標ピニオン回転角θiと実際のピニオン回転角θpとの偏差の絶対値eを求める(ステップS38)。この偏差の絶対値eに操舵系数K4を乗ずることでVGRS機構7の駆動アクチュエータであるDCブラシレスモータ7bへの制御信号(以下、アクチュエータ制御信号)であるIsを設定し(ステップS39)、そして、DCブラシレスモータ7bへ設定したIsを制御信号として出力する(ステップS40)ことで、DCブラシレスモータ7bを駆動して目標ピニオン回転角θiが得られるようにする。
次に、再度、車両状態量(操舵角MA、ピニオン回転角θp、車速V)を読み込み(ステップS41)、θp−θ2をMA−θ1で割った値、つまり、ピニオン角度の時間変化量と操舵角の時間変化量との比の絶対値が修正時の勾配Cに対して所定の係数K6を乗じた範囲を上回っているか否かを判定する(ステップS42)。条件が満たされた場合には、切り返し時の制御処理を終了する。条件が満たされていない場合には、ステップS32へと戻り、切り返し時の処理を継続する。
図7は、従来の制御時と本実施形態による制御時における操舵角(MA)とラックストローク(RS)の関係を比較して示す対応線図である。従来の制御例の場合には、立ち上がり時や切り戻し時に、トーションバーのねじれやその他の操舵系の摩擦等により、ステアリングホイール1が操作されても、目標方向へのラックバーの移動には遅れが生ずる。このため、図中破線で示されるように、操舵角(MA)の変化に対するラックストローク(RS)の追従性が良好ではない。本実施形態の場合には、ピニオン回転角が目標角度となるようにVGRS機構7の駆動アクチュエータであるDCブラシレスモータ7bの作動を制御することで、図中実線で示されるように操舵角(MA)の変化に対してラックストローク(RS)を速やかに追従させている。これにより、操舵開始時点(図中の矢印A)や切り返し時点(図中矢印B、C)において、ステアリングホイール1の操舵に対して転舵輪をスムーズに転舵させることができ、操舵感が向上する。
上記の制御例では、切り返し時と立ち上がり時にピニオン回転角の補正制御を行う例を説明したが、切り戻し時にも立ち上がり時と同様の補正制御を行ってもよい。切り戻し時の補正制御を行った場合と行わない場合とで操舵角(MA)とラックストローク(RS)の関係を比較して示す対応線図を図8に示す。
切り戻し操作時には、操舵の立ち上がり時に発生したトーションバーのねじれが解消され、さらに逆方向へのねじれが発生することになる。補正制御を行わない場合には、この間は、ステアリングホイール1を逆転させてもトーションバーのステアリングギア3側の角度は大きく変化しない。このため、図中破線で示されるようにラックストロークの実際の移動量は小さく、切り戻し操舵に対する転舵輪の舵角変化との対応が遅れることになる。また、ステアリングホイール1を中立位置に戻しても転舵輪の舵角は中立状態に戻るまでに時間を要するため、操舵角と実際の転舵角との食い違いが生じ、運転者が操舵時に違和感を感ずることになる。これに対して、補正制御を行った場合には、図中の実線で示されるように、操舵トルクに応じたラックストロークを発生させることができるため、ラックストローク変化の追従性が向上するとともに、実際の転舵角が操舵角から乖離するのを抑制することができる。これにより、操舵性が向上するとともに、運転者の操舵操作時の違和感を軽減する。
本実施形態においては、目標ピニオン角θiを適切に設定し、アクチュエータを用いて実際のピニオン角がこれと一致するよう角度補正制御を行うことで、ラックストロークの操舵角MAに対する特性を適切に設定することが可能となる。この際の補正量はアクチュエータの駆動量を変更することで調整可能であるため、運転状況にあわせて適切な操舵感を演出することができる。上述した勾配B、Cについても定数とするのではなく、立ち上がり時や切り戻し時点を除いた操舵時の測定値から推定して制御を行うことでより精度の高い制御を行うことができる。
ここでは、VGRS機構7の駆動アクチュエータであるDCブラシレスモータ7bを駆動する例を説明したが、これに代えて、あるいは、これに加えてEPSの駆動源となるDCブラシレスモータ3aを用いてもよい。また、EPSのみ、または、VGRSのみの構成としてもよく、VGRS機構を備える場合には、パワーステアリング装置は油圧式のパワーステアリング装置を採用してもよい。EPS機構は必ずしもラックバーを直接駆動するタイプのものでなくてもよく、ステアリングシャフトやピニオンギヤを駆動するタイプのものも使用できる。
また、ピニオン回転角を測定するほか、ラックバーのストローク量をセンサにより、直接測定したり、ラックバーに配置されたDCブラシレスモータ3aの駆動量等からストローク量を算出してもよい。さらに、トーションバーのねじれ剛性を基にしてそのねじれによる変位量を求めたり、その他の操舵系を含めたモデルから操舵角に対するストローク量のずれを推定して、それを補正するよう制御を行ってもよい。
本発明に係る車両の操舵装置の一実施形態の構成を示す斜視図である。 図1の装置のVGRS機構7の一部断面斜視図である。 図1の装置のステアリングギア3の断面図である。 図1の操舵装置の主制御部分の処理を示すフローチャートである。 図4の処理から分岐した部分の処理を示すフローチャートである。 図4の処理から分岐した別の部分の処理を示すフローチャートである。 従来の制御時と本実施形態による制御時における操舵角(MA)とラックストローク(RS)の関係を比較して示す対応線図である。 切り戻し時の補正制御を行った場合と行わない場合とで操舵角(MA)とラックストローク(RS)の関係を比較して示す対応線図である。
符号の説明
1…ステアリングホイール、2…ステアリングコラム、3…ステアリングギア、3a…ブラシレスモータ、3b…操舵軸、3c…タイロッド、3d…ラックギア、3e…入力軸、3f…ボールスクリュー溝、3g…ボールナット、3h…回転位置センサ、4…操舵角センサ、5…ECU、6…トルクセンサ、7…VGRS機構、7a…差動機構部、7b…ブラシレスモータ、7c…ロック機構部、7d…スパイラルケーブル、7e…ゴムカップリング、8…ピニオン回転角センサ、20…操舵角センサ、21…操舵トルクセンサ、31…ピニオン角センサ、40…車速センサ。

Claims (4)

  1. トーションバーとラックアンドピニオン機構を介して運転者の操舵入力を操舵輪に伝達する伝達機構を備える車両の操舵装置において、
    運転者による操舵角度を検出する操舵角検出手段と、
    運転者による操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、
    ラックストローク移動量を推定または検出するラックストローク移動量判定手段と、
    前記伝達機構内に配置されて、その駆動力により操舵入力に対するラックストローク移動量を調整可能な電動アクチュエータと、
    検出した操舵角度と操舵トルクから判定した操舵状態に応じた目標ラックストローク移動量と前記ラックストローク移動量判定手段で判定したラックストローク移動量が一致するよう前記アクチュエータの作動を制御する制御装置と、
    を備えていることを特徴とする車両の操舵装置。
  2. 前記電動アクチュエータは、ステアリングギヤ比を任意に変更可能であることを特徴とする請求項1記載の車両の操舵装置。
  3. 前記電動アクチュエータは、アシスト操舵力を付与することを特徴とする請求項1記載の車両の操舵装置。
  4. 前記アクチュエータはラックバーを直接駆動することを特徴とする請求項3記載の車両の操舵装置。
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