JPH11278289A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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Publication number
JPH11278289A
JPH11278289A JP8140198A JP8140198A JPH11278289A JP H11278289 A JPH11278289 A JP H11278289A JP 8140198 A JP8140198 A JP 8140198A JP 8140198 A JP8140198 A JP 8140198A JP H11278289 A JPH11278289 A JP H11278289A
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JP
Japan
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motor
steering
overload
assist force
overload state
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Application number
JP8140198A
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English (en)
Inventor
Hirokazu Wakao
宏和 若尾
Naoto Shima
直人 島
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KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転状態に応じて過負荷の判定を行って、運
転者に違和感を与えることなくモータの過負荷を防止す
る。 【解決手段】 運転者の操作に応じて操舵輪を操向する
ステアリングギア1に配設されて操舵補助力を付与する
モータ5と、操舵力に応じてモータ5が付与する操舵補
助力を制御するコントローラ10は、所定の過負荷条件
に基づいてモータ5の過負荷状態が所定時間継続した場
合には、モータ5の駆動電流iMを低減して過負荷を防
止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両などに搭載さ
れる電動パワーステアリング装置の改良に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】車両等では、運転者が操作するハンドル
の操舵力を低減するため、従来からパワーステアリング
装置が採用されており、操舵力のアシストを電動モータ
によって行うものがあり、例えば、特開昭64−906
4号公報に開示されるものが知られている。
【0003】これは、ラック側と同軸的に配置された、
モータが減速機を介して直接的にステアリングギアへア
シスト力(操舵補助力)を付与するもので、操舵中にス
テアリングの所定のロック位置に達したり、操舵輪が縁
石などに当接した場合、モータからのアシスト力が過大
になるのを防止するため、操舵力または操舵速度に基づ
いてモータの過負荷が検出されると、モータの駆動電流
を低減するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、操舵力または操舵速度のみによって過負荷の
検出を行っているため、例えば、悪路を走行中に轍等を
乗り越える場合などでは、モータの負荷が急増する場合
があり、このときに過負荷と判定されてモータへの駆動
電流が低減されると、アシスト力が急減して運転者に違
和感を与えるという問題があった。
【0005】また、上記走行中に過負荷と判定されてモ
ータへの駆動電流が低減された後に、直進状態へ復帰す
るためハンドルを戻す操作の初期には、アシスト力が低
減されているため、運転者は多大な操舵力を要し、運転
性を低下させる場合があった。
【0006】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、運転状態に応じて過負荷の判定を行って、
運転者に違和感を与えることなくモータの過負荷を防止
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、運転者の
操作に応じて操舵輪を操向するステアリングに配設され
て操舵補助力を付与するモータと、前記ステアリングの
操舵力に応じて前記モータが付与する操舵補助力を制御
する制御手段と、所定の条件に基づいて前記モータの過
負荷状態を判定する過負荷状態判定手段と、前記モータ
の過負荷状態が判定された場合には、モータの操舵補助
力を低減する過負荷防止手段とを備えた電動パワーステ
アリング装置において、前記過負荷状態判定手段は、モ
ータの負荷が所定の過負荷条件となってから所定時間継
続した後に、過負荷状態を判定する。
【0008】また、第2の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記過負荷状態判定手段は、過負荷防止手段が作
動した後に、所定の条件を満足しなくなった場合、過負
荷状態の判定を解除するとともに、前記過負荷防止手段
はモータの操舵補助力を徐々に増大する。
【0009】また、第3の発明は、前記第1または第2
の発明において、前記モータはステアリングとの間に所
定の操舵補助力まで伝達可能な摩擦締結手段と、摩擦締
結手段の滑りを検出する滑り検出手段を備え、前記過負
荷状態判定手段は、摩擦締結手段の滑りが検出されて所
定時間継続した後に、過負荷状態を判定する。
【0010】また、第4の発明は、前記第1または第2
の発明において、前記過負荷状態判定手段は、車両の速
度を検出する車速検出手段を備え、この検出した車速が
所定値を超える場合には、過負荷状態の判定を解除す
る。
【0011】また、第5の発明は、前記第1または第2
の発明において、前記過負荷防止手段は、モータの操舵
補助力を徐々に低減する。
【0012】
【発明の効果】したがって、第1の発明は、通常の運転
中では、運転者の操舵力にモータの操舵補助力を付与す
るが、所定の条件、例えば、操舵量がロック位置に達し
たり、操舵輪が縁石などに当接してモータの負荷が所定
値を超えて一時的に過大となる過負荷条件成立しても、
所定時間が経過するまでは過負荷状態が判定されず、操
舵補助力の低減が行われないため、例えば、悪路を走行
中に轍等を乗り越える場合などでは、所定の時間を経過
するまでは、モータの負荷が過大となってもモータの操
舵補助力は低減されないため、運転者の操舵力が急激に
変化するのを防いで、運転者に違和感を与えることがな
くなり、モータの過負荷状態が所定時間以上継続した場
合には、操舵補助力を低減するため、モータの過負荷を
回避して過熱を防ぐことができ、運転状態に応じてモー
タの過負荷を防止することができ、運転性と装置の耐久
性の向上を図ることができる。
【0013】また、第2の発明は、所定の条件が成立し
てモータの操舵補助力が低減された後、所定の条件を満
足しなくなると、過負荷状態が解消されたと判定できる
ため、モータの操舵補助力を徐々に増大させて、過負荷
防止手段が作動する以前の状態へ戻すことで、急激な操
舵力の変動を防いで運転者に違和感を与えることがなく
なり、運転性を向上させることができる。
【0014】また、第3の発明は、モータとステアリン
グの間に介装された摩擦締結部材は、操舵補助力が所定
値を超えると滑ってモータの過負荷を防止するが、この
滑りが所定時間継続すると過負荷防止手段が作動して、
モータの操舵補助力を低減するように電力が低減される
ため、モータの空転を防いで、過負荷防止中に電力の無
駄な消費を抑制できる。
【0015】また、第4の発明は、モータが過負荷状態
となっても、車速が所定値を超える場合には、操舵補助
力の低減が行われないため、例えば、悪路を走行中に轍
等を乗り越える場合などでは、運転者の操舵力が急激に
変化するのを防いで、運転者に違和感を与えることがな
くなって、円滑な制御を行うことができる一方、車速が
所定値以下であれば、モータの過負荷を回避して過熱を
防ぐことができ、運転状態に応じてモータの過負荷を防
止することができ、操安性と装置の耐久性の向上を図る
ことができる。
【0016】また、第5の発明は、過負荷防止手段の作
動時には、モータの操舵補助力を徐々に低減するため、
急激な操舵力の変動を防いで運転者に違和感を与えるこ
とがなくなり、電動パワーステアリング装置を備えた車
両の運転性を向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面に基づいて説明する。
【0018】図1、図2は、ラック2に歯合するステア
リングギアボックス4に加えて、ラック2に歯合する減
速機3を介してモータ5からアシスト力を付与する電動
式ステアリングギア1に、本発明を適用した一例を示
す。
【0019】ステアリングギア1には、ステアリングギ
アボックス4とモータ5に連結された減速機3がそれぞ
れ配設され、ステアリングギアボックス4は、図示しな
いステアリングシャフトに連結されて運転者の操舵力を
ラック2へ伝達する一方、モータ5は、トルクリミッタ
6(摩擦締結手段)を介して減速機3のギア30に連結
され、ギア30と歯合した図示しないピニオンを介して
ラック2へアシスト力を付与する。
【0020】ここで、トルクリミッタ6は、図2に示す
ように、ギア30側に結合された円筒状のケース6aの
内周に、ギア30と回転方向で結合した摩擦部材8と、
モータ5の出力軸50に結合した摩擦部材7が相互に摺
接するよう収装しており、ギア30側の摩擦部材8は、
皿バネ9によって摩擦部材7に押圧され、モータ5から
のトルク(アシスト力)が所定値を超えると、摩擦部材
7、8が滑ってモータ5の負荷が過大になるのを防止す
るものである。
【0021】そして、ギア30の回転数を検出するた
め、ホール素子を備えたホールIC13に対向するケー
ス6aの外周には、スリット6bが形成されており、ホ
ールIC13は磁界の変化に対応するギア30の回転数
Ngを、コントローラ10へ送出する。
【0022】コントローラ10は、マイクロコンピュー
タを主体に構成されて、車両の運転状態として、車速セ
ンサ11からの車速VSPと、操舵トルクセンサ14が
検出した入力トルクTin、イグニッションスイッチ1
2の状態等を検出して、駆動電流iMを決定してモータ
5を駆動するとともに、モータ5の回転数Nmと、ギア
30の回転数Ngの差と、上記車両の運転状態に基づい
てモータ5の過負荷を判定し、過負荷が検出された場合
には、後述するように、過負荷防止処理を行うものであ
る。
【0023】なお、モータ5の回転数Nmの検出は、例
えば、モータ5の印加電圧をEB、電流をiM、巻き線
抵抗をRa、発電定数をKeとすると、 Nm=(EB−Ra×iM)/Ke ………(1) より求めることができる。もちろん、モータ5の出力軸
50の回転数を直接検出してもよい。
【0024】また、操舵トルクセンサ14は、前記従来
例と同様に、ステアリングギアボックス4などに配設さ
れる。
【0025】ここで、コントローラ10で行われる過負
荷防止制御の一例を図3のフローチャートに、過負荷防
止制御からの復帰処理の一例を図4のフローチャートに
示し、以下、これらフローチャートを参照しながら制御
内容について詳述する。
【0026】なお、図3、図4に示す制御は、所定時間
毎に実行されるものである。
【0027】まず、図3のステップS1で、時間を測定
するカウンタt1を0にリセットしてから、ステップS
2で、カウンタt1をインクリメントして時間の測定を
開始する。
【0028】次に、ステップS3では、車両の運転状態
として、車速センサ11からの車速VSP、ホールIC
13からのギア30の回転数Ng、上記(1)式より求
めたモータ回転数Nmとモータ5へ供給している電流i
M、操舵トルクセンサ14からの入力トルクTinの絶
対値(以下同様)、イグニッションスイッチ12の状態
をそれぞれ読み込む。なお、入力トルクTinは、操舵
方向に応じて符号が変化するものである。
【0029】そして、ステップS4〜S7では、モータ
5が過負荷状態となっているかを判定するもので、ま
ず、ステップS4では、車速VSPが所定値Vs1以下
となったか否かを判定し、車速VSPが所定値Vs1以
下であれば、ステップS5へ進む一方、そうでない場合
にはステップS11へ進んで、通常のアシスト処理を行
う。なお、上記所定車速Vs1は、極低速に設定され、
例えば、2〜3Km/hに設定される。
【0030】このステップS11の通常のアシスト処理
は、図5または図6に示すように、車速VSPと入力ト
ルクTinに応じたモータ電流iMを設定する。
【0031】ここで、図5及び図6のマップは、車速V
SPの増大に応じて所定の車速範囲毎に設定されたマッ
プV0、V1、V2………Vnを選択し、このマップV
nに基づいて、車速範囲Vnと入力トルクTinからモ
ータ駆動電流iM、すなわち、モータ5が付与するアシ
スト力を決定するもので、例えば、マップV0は、VS
P≦3Km/hなどの車速範囲に設定され、同様に、マップ
V1は、VSP>3Km/hなどの車速範囲に設定されて、
マップVnは、図6に示すように、車速VSPが大きく
なるにつれてモータ駆動電流iMが減少するように予め
設定されたものである。
【0032】次に、ステップS5では、モータ回転数N
mが所定値N1以上であるかを判定し、N1以上であれ
ばステップS6へ進む一方、そうでない場合には、ステ
ップS11へ進み、ステップS6では、ギア回転数Ng
が所定値N2以下であるかを判定し、N2以下であれば
ステップS7へ進む一方、そうでない場合には、ステッ
プS11へ進む。ただし、所定値N2は、例えば、上記
所定値N1よりも大きい値に設定される。
【0033】さらに、ステップS7では、モータ駆動電
流iMが所定のしきい値iMB以上であるかを判定し、
iM以上であればステップS8へ進む一方、そうでない
場合には、ステップS11へ進む。なお、モータ駆動電
流iMを判定する所定のしきい値iMBは、図5におい
て、最大駆動電流iMmaxよりも小さな値に設定され
る。
【0034】そして、ステップS8では、カウンタt1
が所定時間tcを経過したか否かを判定し、所定時間t
cが経過していればステップS9へ進む一方、カウンタ
t1が所定時間tc未満であればステップS2へ戻って
再度ステップS3からステップS7の過負荷の判定を行
う。なお、所定時間tcは、例えば、数秒などに設定さ
れる。
【0035】所定時間tcの間、ステップS4からステ
ップS7の条件が成立し続けた場合には、モータ5が所
定の過負荷となって、トルクリミッタ6に滑りが生じて
いると判定でき、ステップS9へ進んでモータ駆動電流
iMの低減処理を行う。
【0036】ステップS9では、上記ステップS4よ
り、車速VSPが所定値V1以下であるため、車速範囲
はV0となり、さらに上記過負荷条件の場合では、モー
タ駆動電流iMを設定するマップをV0’に切り換え
て、モータ駆動電流iMがしきい値iMBよりも小さく
なるように設定する。
【0037】そして、図5において、予め設定した過負
荷時のマップV0’は、通常制御時の車速範囲V0のマ
ップを、モータ駆動電流iMが所定の比率で低減される
ように予め設定されたもので、V0とV0’のマップの
関係は、図5において、 A/B=A’/B’ に設定され、マップV0’のときの最大値は、しきい値
iMBよりも小さい駆動電流ipdに設定される。
【0038】さらに、図5において、マップV0からマ
ップV0’への切り換えは、図7に示すように、所定時
間Δtaの間に、しきい値iMB以上の通常制御による
モータ駆動電流iMmaxから、過負荷防止用のipdへ
徐々に減少させることで、運転者の操舵力(または、操
舵反力)が急激に増大するのを防いで、違和感を与える
ことなくモータ5の過負荷を抑制できる。
【0039】そして、ステップS10では、上記ステッ
プS9またはステップS11で設定された駆動電流iM
によって、モータ5を駆動して、ステアリングギア1へ
のアシスト力を可変制御するものである。
【0040】したがって、車速VSPが所定値Vs1以
下の低速域で、トルクリミッタ6に滑りが生じ(Nm≠
Ng)、かつ、モータ駆動電流iMがしきい値iMB以
上となる状態が、所定時間tc以上継続した場合に、モ
ータ5が過負荷状態にあると判定されて、ステップS9
で駆動電流iMの低減処理が行われて、アシスト力が減
少し、モータ5の過熱を防止するとともに、無駄な電力
の消費を抑制して、エネルギー損失の低減を図ると同時
に、前記従来例のように、悪路走行中轍を乗り越えるよ
うな場合や、操舵輪が一瞬縁石などに接触した場合で
は、モータの過負荷処理が行われることがなく、過負荷
条件が所定時間tc継続した場合にのみ、モータ駆動電
流iMの低減が行われるため、運転者に違和感を与える
ことがなくなって、電動パワーステアリング装置を搭載
した車両の運転性を大幅に向上させることが可能となる
のである。
【0041】一方、上記ステップS1からS11の過負
荷防止処理の後には、図4に示す復帰処理によって、通
常のアシスト力制御に復帰することができ、以下、図4
のフローチャートを参照しながら復帰処理について詳述
する。
【0042】まず、ステップS20では、イグニッショ
ンスイッチ12が、OFFからONに変化したか、すな
わち、原動機が再始動されたか否かを判定し、再始動が
判定された場合にはステップS25へ進んで、上記ステ
ップS11と同様に、図6のマップに基づいてモータ駆
動電流iMを決定して、通常のアシスト力制御に復帰す
る。一方、再始動が判定されない場合には、ステップS
21へ進んで、車速VSPが所定値Vs2以上になった
か否かを判定する。所定値Vs2は、上記過負荷判定処
理の所定値Vs1よりも若干小さい値に設定されて、制
御のハンチングを防いでいる。
【0043】このステップS21で車速VSPが所定値
Vs2以上であれば、ステップS25へ進んで、上記と
同じく、通常のアシスト力制御に復帰する一方、車速V
SPが所定値Vs2未満の場合には、ステップS22へ
進む。
【0044】ステップS22では、モータ回転数Nmが
所定値N1未満になって、滑りが収束したか否かを判定
するもので、モータ回転数Nmが所定値N1未満であれ
ば、上記と同じく、ステップS25へ進んで、通常のア
シスト力制御に復帰する一方、モータ回転数Nmが所定
値N1以上の場合には、ステップS23へ進む。
【0045】ステップS23では、ギア回転数Ngが所
定値N2以上になって、滑りが収束したか否かを判定す
るもので、ギア回転数Ngが所定値N2以上であれば、
上記と同じく、ステップS25へ進んで、通常のアシス
ト力制御に復帰する一方、ギア回転数Ngが所定値N2
未満の場合には、ステップS24へ進む。
【0046】ステップS24では、モータ駆動電流iM
がしきい値iMB以下になって、モータ5とギア30の
滑りが収束したか否かを判定するもので、モータ駆動電
流iMがしきい値iMB以下であれば、上記と同じく、
ステップS25へ進んで、通常のアシスト力制御に復帰
する一方、モータ駆動電流iMがしきい値iMBを超え
る場合には、ステップS27へ進んで、上記ステップS
9と同様に、過負荷防止用のマップV0’に基づいて、
モータ駆動電流iMを低減してアシスト力の抑制を継続
する。
【0047】こうして、ステップS20〜S24の条件
のうちの一つでも成立した場合には、ステップS25で
通常のアシスト力制御によって、モータ駆動電流iMを
決定して、ステップS26でモータ5の駆動を行う一
方、ステップS20〜S24の条件のすべてが成立しな
い場合には、上記と同様に、モータ駆動電流iMの低減
処理を継続するのである。
【0048】そして、上記ステップS25で行われる、
通常制御への切り換え、すなわち、図5のマップV0か
らマップV0’への切り換えは、図8に示すように、所
定時間Δtbの間に、過負荷防止用のモータ駆動電流i
pdから、通常制御のモータ駆動電流iMmaxなどへ徐
々に減少させることで、運転者の操舵力(または、操舵
反力)が急激に減少するのを防いで、違和感を与えるこ
となくモータ5の過負荷を抑制できる。ただし、所定時
間ta、tbの関係は、例えば、ta>tbに設定され
て、通常制御へ復帰する際のモータ駆動電流iMの増大
を迅速に行って、ロック状態あるいは過負荷状態からハ
ンドルを戻す際に、必要とする操舵力が過大になるのを
防いで、運転者に違和感を与えることなく、過負荷防止
制御から通常制御への復帰を円滑、かつ、迅速に行っ
て、運転性を向上させることが可能となるのである。
【0049】図9〜図11は、第2の実施形態を示し、
モータ5の過負荷の判定を、前記第1実施形態のモータ
駆動電流iMに代わって、ステアリングギアボックス4
への入力トルクTin(操舵力)に基づいて行うように
したもので、その他の構成は前記第1実施形態と同様で
ある。
【0050】図9のフローチャートでは、前記図3のフ
ローチャートのステップS7を、入力トルクTinに応
じた判定を行うステップS7’に置き換えたものであ
り、その他の処理は図3と同様である。
【0051】ステップS7’では、ステップS3で読み
込んだ入力トルクTinの絶対値を、図11に示すよう
に、マップ等に設定されたしきい値TinBと比較し
て、入力トルクTinが、しきい値TinB以上であれ
ば、過負荷の判定を行うものである。
【0052】一方、過負荷処理の復帰を示す図10のフ
ローチャートでは、前記図4のフローチャートのステッ
プS24を、入力トルクTinに応じた判定を行うステ
ップS24’に置き換えたものであり、その他の処理は
図3と同様である。
【0053】ステップS24’では、検出した入力トル
クTinが、上記しきい値TinB未満であれば、過負
荷状態が解消されたと判定して、過負荷処理から通常の
制御へ切り換える。
【0054】この場合でも、前記第1実施形態と同様
に、運転者の操舵力が急激に変化するのを防いで、運転
者に違和感を与えることがなくなり、モータ5の過負荷
状態が所定時間以上継続した場合には、操舵補助力を低
減するため、モータ55の過負荷を回避して過熱を防ぐ
ことができ、運転状態に応じてモータ5の過負荷を防止
して、運転性と装置の耐久性の向上を図ることができ
る。
【0055】なお、入力トルクTinとしきい値Tin
B及びモータ電流iMの関係は、図12に示すように、
入力トルクTinが増大する初期には、モータ電流iM
を迅速に立ち上げた後、各車速範囲Vn毎に設定された
最大値まで入力トルクTinの増大に比例して、緩やか
にモータ電流iMを増大するマップを用いてもよい。
【0056】なお、上記実施形態において、ステアリン
グギア1にステアリングギアボックス4と、モータ5を
備えた減速機3をそれぞれ設けた場合について説明した
が、図示はしないが、ステアリングギアボックス4にモ
ータ5を設けてアシスト力を作用させるもの(1ピニオ
ンタイプ)や、ラック2に直接モータ5を歯合させてア
シスト力を作用させるもの(ラックタイプ)や、ステア
リングシャフトにモータ5のアシスト力を作用させるも
の(コラムタイプ)であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示し、電動パワーステア
リング装置の要部概略図である。
【図2】同じく、モータ及びトルクリミッタの要部断面
図。
【図3】コントローラで行われる制御の一例を示し、過
負荷防止処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】同じく、コントローラで行われる制御の一例を
示し、過負荷防止処理からの復帰処理の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図5】過負荷防止処理に用いられるモータの駆動電流
iMと入力トルクの絶対値|Tin|の関係を示すマッ
プである。
【図6】通常制御に用いられるモータの駆動電流iMと
入力トルクの絶対値|Tin|の関係を示すマップであ
る。
【図7】過負荷防止処理の作用を示すグラフで、モータ
駆動電流iMと時間の関係を示す。
【図8】復帰処理の作用を示すグラフで、モータ駆動電
流iMと時間の関係を示す。
【図9】第2の実施形態を示し、コントローラで行われ
る過負荷防止処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】同じく、コントローラで行われる制御の一例
を示し、過負荷防止処理からの復帰処理の一例を示すフ
ローチャートである。
【図11】過負荷防止処理に用いられるモータの駆動電
流iMと入力トルクの絶対値|Tin|の関係を示すマ
ップである。
【図12】他の実施形態を示し、過負荷防止処理に用い
られるモータの駆動電流iMと入力トルクの絶対値|T
in|の関係を示すマップである。
【符号の説明】
1 ステアリングギア 2 ラック 3 減速機 4 ステアリングギアボックス 5 モータ 6 トルクリミッタ 7、8 摩擦部材 9 皿バネ 10 コントローラ 11 車速センサ 12 イグニッションスイッチ 13 ホールIC 14 操舵トルクセンサ 30 ギア

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転者の操作に応じて操舵輪を操向する
    ステアリングに配設されて操舵補助力を付与するモータ
    と、 前記ステアリングの操舵力に応じて前記モータが付与す
    る操舵補助力を制御する制御手段と、 所定の条件に基づいて前記モータの過負荷状態を判定す
    る過負荷状態判定手段と、 前記モータの過負荷状態が判定された場合には、モータ
    の操舵補助力を低減する過負荷防止手段とを備えた電動
    パワーステアリング装置において、 前記過負荷状態判定手段は、モータの負荷が所定の過負
    荷条件となってから所定時間継続した後に、過負荷状態
    を判定することを特徴とする電動パワーステアリング装
    置。
  2. 【請求項2】 前記過負荷状態判定手段は、過負荷防止
    手段が作動した後に、所定の条件を満足しなくなった場
    合、過負荷状態の判定を解除するとともに、前記過負荷
    防止手段はモータの操舵補助力を徐々に増大することを
    特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装
    置。
  3. 【請求項3】 前記モータはステアリングとの間に所定
    の操舵補助力まで伝達可能な摩擦締結手段と、摩擦締結
    手段の滑りを検出する滑り検出手段を備え、 前記過負荷状態判定手段は、摩擦締結手段の滑りが検出
    されて所定時間継続した後に、過負荷状態を判定するこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動パ
    ワーステアリング装置。
  4. 【請求項4】 前記過負荷状態判定手段は、車両の速度
    を検出する車速検出手段を備え、この検出した車速が所
    定値を超える場合には、過負荷状態の判定を解除するこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動パ
    ワーステアリング装置。
  5. 【請求項5】 前記過負荷防止手段は、モータの操舵補
    助力を徐々に低減することを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
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