JP2003312516A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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JP2003312516A JP2002122874A JP2002122874A JP2003312516A JP 2003312516 A JP2003312516 A JP 2003312516A JP 2002122874 A JP2002122874 A JP 2002122874A JP 2002122874 A JP2002122874 A JP 2002122874A JP 2003312516 A JP2003312516 A JP 2003312516A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電動機が低負荷時のときには、高負荷時のとき
に比して、昇圧回路の発熱を抑制できる電動パワーステ
アリング装置を提供する。 【解決手段】昇圧回路100はコイルL、第2トランジ
スタQ2、第1トランジスタQ1、コンデンサC2とを
備える。昇圧回路100は第1トランジスタQ1をPW
M駆動信号によりオン、オフすると、バッテリから昇圧
用コイルに供給される電流を制御し、コンデンサC2に
昇圧電圧を充電する。CPU21は、モータの負荷状態
を判定する。CPU21は、モータが高負荷のときは、
第1トランジスタQ1、第2トランジスタQ2を同期整
流し、低負荷のときは、第1トランジスタQ1をオフ制
御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や車両の操
舵系にモータによるアシスト力を付与する電動パワース
テアリング装置に係り、詳しくは、車載バッテリからの
モータへの供給電流を調整することができる昇圧回路を
備えた電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、モータの回転力を利用して、
ステアリングホイールの操作を補助する電動パワーステ
アリング装置が用いられている。
【0003】このような電動パワーステアリング装置に
おいては、運転者がステアリングホイールを回転させて
操舵を行った時に、アシスト制御による操舵トルクに応
じたアシスト指令値が算出され、このアシスト指令値に
基づいた操舵補助力が、モータからステアリング機構に
与えられるようになっている。
【0004】ところで、前記のような電動パワーステア
リング装置は大きなトルクを得ようとするために大電流
を必要とするシステムである。従来は、車載バッテリ
(DC12V)を直に印加するようにしており、モータ
もDC12V仕様のものを使用し、大電流を前記モータ
に供給するために、モータの大型化、使用配線の大容量
化(太線化)は避けることはできない。
【0005】この問題を解決するため、車載バッテリか
らの供給電流を調整することができる電動パワーステア
リング装置(特開平8−127350号公報)等が提案
されている。
【0006】この電動パワーステアリング装置において
は、モータに電流を供給する回路に図12に示すような
昇圧回路300及び昇圧回路制御装置301を設けてい
る。昇圧回路300は、車載バッテリからのバッテリ電
圧VPIG (DC12V)の印加点P1と前記モータへの
電圧印加点P2との間に設けられている。昇圧回路30
0はコンデンサC1,C2、コイルL、ダイオードD、
スイッチング用の第1トランジスタQ1を備えている。
【0007】昇圧回路制御装置301は、昇圧回路30
0の第1トランジスタQ1に対して、昇圧のためのPW
M演算により制御量としてのデューティ比が演算され
る。そして、昇圧回路制御装置301は、このデューテ
ィ比に基づいてデューティ比駆動信号(PWM駆動信
号)を出力し、このデューティ比駆動信号によって、第
1トランジスタQ1をデューティ制御する。このデュー
ティ制御により、第1トランジスタQ1が図13に示す
ようにスイッチング動作を行ない、この結果、コイルL
でエネルギーの蓄積と放出とが繰り返され、ダイオード
Dのカソード側に放出の際の高電圧が現れる。なお、図
13に示すように本明細書中、Tαはオン時間、Tはパ
ルス周期、αはデューティ比(オンデューティ)を示し
ている。第1トランジスタQ1がオンとなるとコイルL
に電流が流れ、第1トランジスタQ1がオフとなるとコ
イルLに流れる電流が遮断される。
【0008】コイルLに流れる電流が遮断されると、こ
の電流の遮断による磁束の変化を妨げるように、ダイオ
ードDのカソード側に高電圧が発生する。この繰り返し
によって、ダイオードDのカソード側に高電圧が繰り返
し発生し、コンデンサC2で平滑(充電)され、出力電
圧VBPIG として電圧印加点P2に生じる。
【0009】このとき、昇圧回路300により、昇圧す
る電圧は昇圧回路制御装置301から出力されるデュー
ティ比駆動信号のデューティ比と関連する。デューティ
比が大きければ出力電圧VBPIGは高くなり、デューティ
比が小さければ出力電圧VBPIGは低くなる。
【0010】上記の昇圧回路300においては、ダイオ
ードDを使用しているため、モータが回生状態に入った
とき、このダイオードDのために電圧印加点P2側から
バッテリBに電流が流れることができず、出力電圧VBP
IGが上昇する。この電圧の上昇により、昇圧回路300
が破損する虞があった。例えば、上記例では、昇圧回路
300を構成しているコンデンサC2が破壊される虞が
ある。
【0011】そこで、本出願人は、ダイオードDに代え
て、図4に示すように第2トランジスタQ2を接続した
昇圧回路を提案している。すなわち、第2トランジスタ
Q2は、ソースがコイルLに接続され、ドレインが電圧
印加点P2に接続したものである。この構成において
は、第1トランジスタQ1と第2トランジスタQ2とを
交互にオンオフする、すなわち同期整流方式にて制御し
ている。
【0012】従って、モータの回生状態時には、第2ト
ランジスタQ2がデューティ制御によりオン作動し、回
生電流は第2トランジスタQ2を介してバッテリBに流
れることにより吸収される。この結果、コンデンサC2
の破壊を防止できる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この提案し
た構成においては、モータが無負荷を含む低負荷の場合
であっても絶えず、第1トランジスタQ1、第2トラン
ジスタQ2のどちらかがオンしている。車両走行上にお
いては、モータが無負荷を含む低負荷の状態が多いにも
かかわらず、絶えずどちらかのトランジスタがオン状態
となっているため、スイッチングロスが発生し、昇圧回
路が発熱してしまう問題がある。
【0014】又、モータが低負荷の場合、モータが駆動
されず、コンデンサC2の放電電流が消費されない。す
なわち、この状態で、コンデンサC2に充電された電荷
は、第2トランジスタQ2がオンされると、コイルLを
介してバッテリBに返してしまうことになる。このと
き、第2トランジスタQ2のオンオフによるスイッチン
グロス以外に、コイルLの発熱が生ずる。このように、
第2トランジスタQ2のスイッチングロスの発生及びコ
イルLの発熱により、昇圧回路300が発熱してしま
い、大変効率が悪くなる問題があった。
【0015】なお、電動パワーステアリング装置では、
図示しない過熱保護装置が設けられており、過熱保護装
置により、過熱状態時には、アシスト制御のアシスト指
令値を低下させて過熱保護を行うようにされている。
【0016】従って、上記のように、過熱保護装置が働
くと、モータによるアシスト制御を低下させてしまう問
題がある。そこで、過熱保護装置が働く以前に、低負荷
時の発熱を抑制し、アシスト制御を低下させないことが
要望されている。
【0017】上記のように昇圧回路の低負荷時において
は、昇圧回路の発熱原因が複数あり、これらのいずれか
を少なくとも抑制できれば、昇圧回路の発熱抑制を行う
ことができる。
【0018】本発明の目的は、上記問題点に着目して、
電動機が低負荷時のときには、高負荷時のときに比し
て、昇圧回路の発熱を抑制できる電動パワーステアリン
グ装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、電動機制御値に基づい
て電動機を駆動する電動機駆動手段と、直流電源と前記
電動機駆動手段間に設けられ、電源電圧を昇圧する昇圧
手段と、PWM駆動信号を生成出力する昇圧制御手段と
を備え、前記昇圧手段は、直流電源の出力端子に接続さ
れた昇圧用コイルと、同昇圧用コイルの出力端子に対し
て共に接続された第1スイッチング素子と第2スイッチ
ング素子と、前記第2スイッチング素子の出力端子に接
続された昇圧用コンデンサとを備え、前記両スイッチン
グ素子の内少なくとも前記第1スイッチング素子を前記
PWM駆動することにより、前記直流電源から昇圧用コ
イルに供給される電流を制御し、前記昇圧用コンデンサ
に昇圧電圧を充電する電動パワーステアリング装置にお
いて、前記電動機の負荷状態を判定する負荷状態判定手
段を設け、前記昇圧制御手段は、前記負荷状態判定手段
の判定結果に応じて高負荷のときは、第1スイッチング
素子及び第2スイッチング素子を同期整流し、低負荷の
ときは、前記両スイッチング素子の内、少なくとも第1
スイッチング素子をオフ制御し、又は第1スイッチング
素子のみをPWM制御して非同期整流することを特徴と
する電動パワーステアリング装置を要旨とする。
【0020】請求項2の発明は、電動機制御値に基づい
て電動機を駆動する電動機駆動手段と、直流電源と前記
電動機駆動手段間に設けられ、電源電圧を昇圧する昇圧
手段と、PWM駆動信号を生成出力する昇圧制御手段と
を備え、前記昇圧手段は、直流電源の出力端子に接続さ
れた昇圧用コイルと、同昇圧用コイルの出力端子に対し
て共に接続された第1スイッチング素子と第2スイッチ
ング素子と、前記第2スイッチング素子の出力端子に接
続された昇圧用コンデンサとを備え、前記両スイッチン
グ素子の内少なくとも前記第1スイッチング素子を前記
PWM駆動することにより、前記直流電源から昇圧用コ
イルに供給される電流を制御し、前記昇圧用コンデンサ
に昇圧電圧を充電する電動パワーステアリング装置にお
いて、前記電動機の負荷状態を判定する負荷状態判定手
段を設け、前記昇圧制御手段は、前記負荷状態判定手段
の判定結果に応じて高負荷のときは、PWM駆動信号の
キャリア周期を高周期にして前記両スイッチング素子を
PWM駆動し、低負荷のときは、PWM駆動信号のキャ
リア周期を低周期にして前記両スイッチング素子をPW
M駆動することを特徴とする電動パワーステアリング装
置を要旨とするものである。
【0021】請求項3の発明は、電動機制御値に基づい
て電動機を駆動する電動機駆動手段と、直流電源と前記
電動機駆動手段間に設けられ、電源電圧を昇圧する昇圧
手段と、PWM駆動信号を生成出力する昇圧制御手段と
を備え、前記昇圧手段は、直流電源の出力端子に接続さ
れた昇圧用コイルと、同昇圧用コイルの出力端子に対し
て共に接続された第1スイッチング素子と第2スイッチ
ング素子と、前記第2スイッチング素子の出力端子に接
続された昇圧用コンデンサとを備え、前記両スイッチン
グ素子の内少なくとも前記第1スイッチング素子を前記
PWM駆動することにより、前記直流電源から昇圧用コ
イルに供給される電流を制御し、前記昇圧用コンデンサ
に昇圧電圧を充電する電動パワーステアリング装置にお
いて、前記電動機の負荷状態を判定する負荷状態判定手
段を設け、前記昇圧制御手段は、前記負荷状態判定手段
の判定結果に応じて高負荷のときは、PWM駆動信号の
キャリア周期を高周期にして前記両スイッチング素子を
同期整流し、低負荷のときは、前記両スイッチング素子
の内、第1スイッチング素子のみを、PWM駆動信号の
キャリア周期を低周期にして非同期整流することを特徴
とする電動パワーステアリング装置を要旨とするもので
ある。
【0022】請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3
のうちいずれか1項において、操舵トルクを検出する操
舵トルク検出手段を備え、前記負荷状態判定手段は、前
記操舵トルク検出手段が検出した操舵トルクが小のとき
は、電動機の負荷状態が低負荷であると判定し、操舵ト
ルクが大のときは電動機の負荷状態が高負荷であると判
定することを特徴とする。
【0023】請求項5の発明は請求項1乃至請求項3の
うちいずれか1項において、前記電動機の回転数を推定
する電動機回転数推定手段を備え、前記負荷状態判定手
段は、前記電動機回転数推定手段が推定した回転数が小
のときは、電動機の負荷状態が低負荷であると判定し、
回転数が大のときは、電動機の負荷状態が高負荷である
と判定することを特徴とする。
【0024】請求項6の発明は、請求項1乃至請求項3
のうちいずれか1項において、前記負荷状態判定手段
は、前記電動機制御値、又は、電動機に流れる実電流の
検出値に基づいて電動機の負荷状態を判定することを特
徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明を
具体化した電動パワーステアリング装置の実施形態を図
1〜図7に従って説明する。
【0026】図1は、電動パワーステアリング装置の制
御装置20の概略を示す。ステアリングホイール1(ハ
ンドル)に連結したステアリングシャフト2には、トー
ションバー3が設けられている。このトーションバー3
には、トルクセンサ4が装着されている。そして、ステ
アリングシャフト2が回転してトーションバー3に力が
加わると、加わった力に応じてトーションバー3が捩
れ、その捩れ、即ちステアリングホイール1にかかる操
舵トルクτをトルクセンサ4が検出している。
【0027】トルクセンサ4は操舵トルク検出手段を構
成している。又、ステアリングシャフト2には減速機5
が固着されている。この減速機5には電動機としての電
動モータ(以下、モータ6という)の回転軸に取着した
ギア7が噛合されている。前記モータ6は、三相同期式
永久磁石モータで構成したブラシレスモータである。
【0028】又、モータ6には、同モータ6の回転角を
検出するためのロータリエンコーダにより構成された回
転角センサ30が組み付けられている(図2参照)。回
転角センサ30は、モータ6の回転子の回転に応じてπ
/2ずつ位相の異なる2相パルス列信号と基準回転位置
を表す零相パルス列信号を出力する。
【0029】更に、減速機5にはピニオンシャフト8が
固着されている。ピニオンシャフト8の先端には、ピニ
オン9が固着されるとともに、このピニオン9はラック
10と噛合している。ラック10の両端には、タイロッ
ド12が固設されており、そのタイロッド12の先端部
にはナックル13が回動可能に連結されている。このナ
ックル13には、タイヤとしての前輪14が固着されて
いる。又、ナックル13の一端は、クロスメンバ15に
回動可能に連結されている。
【0030】従って、モータ6が回転すると、その回転
数は減速機5によって減少されてピニオンシャフト8に
伝達され、ピニオン及びラック機構11を介してラック
10に伝達される。そして、ラック10は、タイロッド
12を介してナックル13に設けられた前輪14の向き
を変更して車両の進行方向を変えることができる。
【0031】前輪14には、車速センサ16が設けられ
ている。次に、この電動パワーステアリング装置の制御
装置(以下、制御装置20という)の電気的構成を示
す。
【0032】トルクセンサ4は、ステアリングホイール
1の操舵トルクτに応じた電圧を出力している。車速セ
ンサ16は、その時の車速を前輪14の回転数に相対す
る周期のパルス信号として出力する。
【0033】制御装置20は、中央処理装置(CPU2
1)、読み出し専用メモリ(ROM22)及びデータを
一時記憶する読み出し及び書き込み専用メモリ(RAM
23)を備えている。このROM22には、CPU21
による演算処理を行わせるための制御プログラムが格納
されている。RAM23は、CPU21が演算処理を行
うときの演算処理結果等を一時記憶する。
【0034】ROM22は、図示しない基本アシストマ
ップが格納されている。基本アシストマップは、操舵ト
ルクτ(回動トルク)に対応し、かつ車速に応じた基本
アシスト電流を求めるためのものであり、操舵トルクτ
に対する基本アシスト電流が記憶されている。
【0035】この制御装置20が、三相同期式永久磁石
モータを駆動制御する機能は公知の構成であるため、簡
単に説明する。図3は、前記CPU21内部において、
プログラムで実行される機能を示す制御ブロック図であ
る。同制御ブロック図で図示されている各部は、独立し
たハードウエアを示すものではなく、CPU21で実行
される機能を示している。
【0036】CPU21内部では、指令トルクτ*を計
算するための基本アシスト力演算部51、戻し力演算部
52及び加算部53を備える。基本アシスト力演算部5
1は、トルクセンサ4からの操舵トルクτ及び車速セン
サ16によって検出された車速Vを入力し、操舵トルク
τの増加にしたがって増加するとともに車速Vの増加に
したがって減少するアシストトルクを計算する。
【0037】戻し力演算部52は、車速Vと共にモータ
6の回転子の電気角θ(回転角に相当)及び角速度ωを
入力し、これらの入力値に基づいてステアリングシャフ
ト2の基本位置への復帰力及びステアリングシャフト2
の回転に対する抵抗力に対応した戻しトルクを計算す
る。加算部53は、アシストトルクと戻しトルクを加算
することにより指令トルクτ*を計算し、指令電流設定
部54に出力する。
【0038】指令電流設定部54は、指令トルクτ*に
基づいて、2相のd軸指令電流Id*,q軸指令電流Iq*
を計算する。両指令電流は、モータ6の回転子上の永久
磁石が作り出す回転磁束と同期した回転座標系におい
て、永久磁石の磁束の方向と同一方向のd軸及びこれに
直交したq軸にそれぞれ対応する。
【0039】d軸指令電流Id*,q軸指令電流Iq*は減
算器55,56に供給される。減算器55,56は、d
軸指令電流Id*,q軸指令電流Iq*と、d軸検出電流I
d及びq軸検出電流Iqとのそれぞれの差分値ΔId,Δ
Iqを演算し、その結果をPI制御部(比例積分制御
部)57,58に供給する。
【0040】PI制御部57,58は、差分値ΔId,
ΔIqに基づきd軸検出電流Id及びq軸検出電流Iqが
d軸指令電流Id*,q軸指令電流Iq*に追従するように
d軸指令電圧Vd*及びq軸指令電圧Vq*をそれぞれ計算
する。
【0041】d軸指令電圧Vd*及びq軸指令電圧Vq*
は、非干渉制御補正値演算部63及び減算器59,60
により、d軸補正指令電圧Vd**及びq軸補正指令電圧
Vq**に補正されて2相/3相座標変換部61に供給さ
れる。
【0042】非干渉制御補正値演算部63は、d軸検出
電流Id及びq軸検出電流Iq及びモータ6の回転子の角
速度ωに基づいて、d軸指令電圧Vd*及びq軸指令電圧
Vq*のための非干渉制御補正値 ω・La・Iq,−ω・
(φa+La・Id)を計算する。なお、インダクタンスL
a、及び磁束φaは、予め決められた定数である。
【0043】減算器59,60は、d軸指令電圧Vd*及
びq軸指令電圧Vq*から前記非干渉制御補正値をそれぞ
れ減算することにより、d軸補正指令電圧Vd**及びq
軸補正指令電圧Vq**を算出して、2相/3相座標変換
部61に出力する。2相/3相座標変換部61は、d軸
補正指令電圧Vd**及びq軸補正指令電圧Vq**を3相指
令電圧Vu*,Vv*,Vw*に変換して、同変換した3相指
令電圧Vu*,Vv*,Vw*をPWM制御部62に出力す
る。
【0044】PWM制御部62は、この3相指令電圧V
u*,Vv*,Vw*に対応したPWM制御信号UU,VU,WU
(PWM波信号及びモータ6の回転方向を表す信号を含
む)に変換し、インバータ回路であるモータ駆動装置3
5に出力する。
【0045】前記q軸指令電流Iq*は電動機制御値に相
当する。モータ駆動装置35は、電動機駆動手段に相当
する。モータ駆動装置35は、図2に示すようにFET
(Field-Effect Transistor)81U,82Uの直列回路
と、FET81V,82Vの直列回路と、FET81
W,82Wの直列回路とを並列に接続して構成されてい
る。各直列回路には、車両に搭載されたバッテリの電圧
よりも昇圧された電圧が印加されている。そして、FE
T81U,82U間の接続点83Uがモータ6のU相巻
線に接続され、FET81V,82V間の接続点83V
がモータ6のV相巻線に接続され、FET81W,82
W間の接続点83Wがモータ6のW相巻線に接続されて
いる。
【0046】FET81U,82U、FET81V,8
2V及びFET81W,82Wには、それぞれPWM制
御部62からPWM制御信号UU,VU,WU(各相のPWM
制御信号にはPWM波信号及びモータ6の回転方向を表
す信号を含む)が入力される。
【0047】モータ駆動装置35は、PWM制御信号U
U,VU,WUに対応した3相の励磁電流を発生して、3相
の励磁電流路を介してモータ6にそれぞれ供給する。3
相の励磁電流路のうちの2つには電流センサ71,72
が設けられ、各電流センサ71,72は、モータ6に対
する3相の励磁電流Iu,Iv,Iwのうちの2つの励磁
電流Iu,Ivを検出して図3に示す3相/2相座標変換
部73に出力する。
【0048】なお、3相/2相座標変換部73には、演
算器74にて励磁電流Iu,Ivに基づいて計算された励
磁電流Iwが入力される。3相/2相座標変換部73
は、これらの励磁電流Iu,Iv,Iwを2相のd軸検出
電流Id及びq軸検出電流Iqに変換し、減算器55,5
6、非干渉制御補正値演算部63に入力する。
【0049】又、回転角センサ30からの2相パルス列
信号及び零相パルス列信号は、所定のサンプリング周期
で電気角変換部64に連続的に供給されている。電気角
変換部64は、前記各パルス列信号に基づいてモータ6
における回転子の固定子に対する電気角θを演算し、演
算された電気角θを角速度変換部65に入力する。角速
度変換部65は、電気角θを微分して回転子の固定子に
対する角速度ωを演算する。角速度ωは、正により回転
子の正方向の回転を表し、負により回転子の負方向の回
転を表している。
【0050】次に、バッテリ電圧を昇圧する昇圧回路1
00及び同昇圧回路100を制御する昇圧回路制御装置
について説明する。本実施形態では、昇圧回路制御装置
は、前記CPU21が兼用している。昇圧回路100は
昇圧手段に相当する。
【0051】昇圧回路100は、直流電源としての車載
バッテリ(以下、バッテリBという)とモータ駆動装置
35間の電流供給回路に設けられている。本実施形態の
昇圧回路100においては、印加点P1と電圧印加点P
2間に、昇圧用コイル(以下、単にコイルLという)
と、第2トランジスタQ2が接続されている。前記第2
トランジスタQ2は、ソースがコイルLの出力端子に接
続され、ドレインが電圧印加点P2に接続されている。
又、第2トランジスタQ2のゲートは制御装置20のC
PU21に接続されている。D2は第2トランジスタQ
2の寄生ダイオードである。
【0052】又、印加点P1は整流用のコンデンサC1
を介して接地されている。印加点P1は、直流電源の出
力端子に相当する。電圧印加点P2は昇圧用のコンデン
サC2を介して接地されている。
【0053】前記コンデンサC2は第2トランジスタQ
2の出力端子となるドレインに接続されている。コンデ
ンサC2は、昇圧用コイルによる昇圧電圧を充電する昇
圧用コンデンサに相当する。
【0054】第1トランジスタQ1は、ドレインがコイ
ルLの出力端子と第2トランジスタQ2の接続点に接続
され、ソースが接地されている。又、第1トランジスタ
Q1のゲートは昇圧回路制御装置101のCPU21に
接続されている。D1は第1トランジスタQ1の寄生ダ
イオードである。電圧印加点P2の電圧検出のために、
電圧印加点P2は制御装置20のCPU21の図示しな
い電圧入力ポートに接続され、出力電圧VBPIGを実測値
として検出可能にされている。
【0055】前記第1トランジスタQ1及び第2トラン
ジスタQ2はnチャンネル形のMOSFETからなる。
第1トランジスタQ1は第1スイッチング素子を構成
し、第2トランジスタQ2は第2スイッチング素子に相
当する。
【0056】次に、前記両トランジスタを制御するCP
U21について説明する。図5は、CPU21の機能ブ
ロック図を示している。すなわち、CPU21内部にお
いて、プログラムで実行される機能を示す制御ブロック
図である。
【0057】同制御ブロック図で図示されている各部
は、独立したハードウエアを示すものではなく、CPU
21で実行される機能を示す。CPU21は昇圧制御手
段及び負荷状態判定手段を構成する。
【0058】CPU21は、演算器110、PID制御
部120、PWM演算部130、A/D変換部150を
備えている。演算器110は、ROM22に予め格納さ
れている目標出力電圧VBPIG*(本実施形態では20
V)と、A/D変換部150を介して入力したVBPIGと
の偏差を算出し、PID制御部120にその偏差を供給
する。
【0059】PID制御部120は、その偏差を縮小す
べく、すなわち、フィードバック制御を行うために、比
例(P)・積分(I)・微分(D)処理を施して、第1
トランジスタQ1,第2トランジスタQ2の制御量を演
算する回路である。PID制御部120にて演算された
制御量は、さらにPWM演算部130によって制御量に
対応するデューティ比αが演算されてデューティ比駆動
信号(PWM駆動信号)に変換され、該変換されたデュ
ーティ比駆動信号が昇圧回路100の各トランジスタに
印加される。
【0060】なお、本実施形態では、前記演算されたデ
ューティ比駆動信号を、第1トランジスタQ1と第2ト
ランジスタQ2に対して印加して交互にオンオフ制御す
る同期整流方式(図6(a)参照)、又は第1トランジ
スタQ1のみオフし、第2トランジスタQ2にPWM駆
動信号を印加してPWM駆動する(図6(b)参照)。
【0061】同期整流方式は、力行時のモータ6の高負
荷のとき及び回生時に行われる。図6(b)に示す駆動
は、力行時のモータ6の低負荷のときに行われる。な
お、低負荷は、本明細書では負荷が印加されない無負荷
の場合も含む趣旨である。
【0062】図6(a)は第1トランジスタQ1に印加
するパルス信号(デューティ比駆動信号)を示してお
り、Tαはオン時間、Tはパルス周期、αは第1トラン
ジスタQ1に係るデューティ比(オンデューティ)であ
る。なお、第2トランジスタQ2に係るデューティ比は
(1−|α|)となる。
【0063】なお、デューティ比αが「+」のときは力
行状態、「−」のときは回生状態である。第1実施形態
では、力行状態でのデューティ比αは、0≦α≦α0<
1としている。α0は制限値であり、PWM演算部13
0にてデューティ比αを算出した結果が、α0を超える
場合には、デューティ比αとして、α0が決定される。
【0064】回生状態でのデューティ比αは、0≦|α
|≦1としている。なお、第1実施形態を始めとして、
他の実施形態において、第2トランジスタQ2が第1ト
ランジスタQ1と交互にオンオフする場合、第2トラン
ジスタQ2のデューティ比については(1−|α|)に
て算出できるため、特に断らない限り説明を省略する。
【0065】又、第2トランジスタQ2に対しては、第
1トランジスタQ1がオンのときは、オフとし、第1ト
ランジスタQ1がオフのときには、オンするパルス信号
(デューティ比駆動信号)が印加される。
【0066】なお、電動パワーステアリング装置には、
図示しない過熱保護装置が設けられており、過熱保護装
置により、昇圧回路100の温度を検出する温度センサ
(図示しない)により、過熱状態時には、アシスト制御
のアシスト指令値(指令トルクτ*)を低下させるよう
にされている。
【0067】(第1実施形態の作用)さて、図7は、C
PU21が実行する力行時に実行される制御プログラム
のフローチャートであり、デューティ比αが「+」のと
きに所定の制御周期で実行される。
【0068】S10では、操舵トルクτ及び閾値τ0を
読込む。なお、閾値τ0は、予めROM22に格納され
ている。S20においては、操舵トルクτと閾値τ0と
の大小関係を判定する。すなわち、モータ6が低負荷状
態か、或いは高負荷状態かを判定する。操舵トルクτ
が、閾値τ0以下の場合には、モータ6が低負荷である
として、S40に移行し、操舵トルクτが閾値τ0を越
えている場合には、モータ6が高負荷であるとして、S
30に移行する。
【0069】S30では、同期整流方式で、CPU21
は第1トランジスタQ1、第2トランジスタQ2をPW
M駆動する。すなわち、図6(a)に示す駆動パターン
のデューティ比駆動信号により、第1トランジスタQ
1,第2トランジスタQ2を交互にオンオフ駆動する。
【0070】詳説すると、力行時の高負荷時において
は、昇圧回路100では前記デューティ比駆動信号によ
るデューティ制御により、第1トランジスタQ1がスイ
ッチング動作を行なう。この結果、コイルLでエネルギ
ーの蓄積と放出とが繰り返され、第2トランジスタQ2
のドレイン側に放出の際、高電圧が現れる。すなわち、
第1トランジスタQ1がオンして、第2トランジスタQ
2がオフすると、第1トランジスタQ1を介して接地側
に電流が流れる。次に第1トランジスタQ1がオフとな
ると、コイルLに流れる電流が遮断される。コイルL1
に流れる電流が遮断されると、この電流の遮断による磁
束の変化を妨げるように、オン作動している第2トラン
ジスタQ2のドレイン側に高電圧が発生する。この繰り
返しによって、第2トランジスタQ2のドレイン側に高
電圧が繰り返し発生し、コンデンサC2で平滑(充電)
され、出力電圧VBPIG として電圧印加点P2に生じ
る。
【0071】このとき、昇圧回路100により、昇圧さ
れる電圧はCPU21から出力されるデューティ比駆動
信号のデューティ比αと関連する。デューティ比αが大
きければ出力電圧VBPIGは高くなり、デューティ比αが
小さければ出力電圧VBPIGは低くなる。
【0072】S30の処理後、一旦このフローチャート
を終了する。又、S40に移行した場合、CPU21
は、両トランジスタのうち、第1トランジスタQ1をオ
フ制御し、第2トランジスタQ2をPWM駆動して、一
旦このフローチャートを終了する。図6(b)は、第1
トランジスタQ1をオフ制御し、第2トランジスタQ2
をPWM駆動する場合の両トランジスタの波形図を示し
ている。
【0073】なお、モータ6の力行時において、同期整
流方式だけで、第1トランジスタQ1及び第2トランジ
スタQ2をオンオフ駆動すると、モータ6が低負荷の場
合、モータ6が駆動されず、コンデンサC2の放電電流
が消費されない。すなわち、この状態で、コンデンサC
2に充電された電荷は、第2トランジスタQ2がオンさ
れると、コイルLを介してバッテリBに返してしまうこ
とになる。このとき、第2トランジスタQ2のオンオフ
によるスイッチングロスと、コイルLの発熱が生ずる。
このように、第2トランジスタQ2のスイッチングロス
の発生及びコイルLの発熱により、昇圧回路100が発
熱してしまい、大変効率が悪くなる。
【0074】しかし、本実施形態のように、モータ6が
低負荷時、第1トランジスタQ1を全オフし、かつ、第
2トランジスタQ2をPWM駆動すると、コイルLへ
は、コンデンサC2から電荷が流れることがない。
【0075】このため、コイルLの発熱がなくなり、昇
圧回路100の温度上昇を抑制することができる。な
お、モータ6が回生状態に入ったときには、同期整流方
式でCPU21は第1トランジスタQ1、第2トランジ
スタQ2をPWM駆動する。このとき、モータ6からの
回生電流により出力電圧VBPIGが上昇するが、第2トラ
ンジスタQ2がデューティ制御によりオン作動してい
る。このため、第2トランジスタQ2を介してバッテリ
Bに回生電流が流れて吸収される。
【0076】第1実施形態によれば、以下のような特徴
がある。 (1) 第1実施形態の電動パワーステアリング装置
は、q軸指令電流Iq*(電動機制御値)に基づいてモー
タ6(電動機)を駆動するモータ駆動装置35(電動機
駆動手段)を備えている。
【0077】又、電動パワーステアリング装置はバッテ
リB(直流電源)とモータ駆動装置35間に設けられ、
バッテリ電圧(電源電圧)を昇圧する昇圧回路100
(昇圧手段)と、デューティ比駆動信号(PWM駆動信
号)を生成出力するCPU21(昇圧制御手段)を備え
ている。
【0078】又、昇圧回路100は、コイルL(昇圧用
コイル)、第2トランジスタQ2(第2スイッチング素
子)、第1トランジスタQ1(第1スイッチング素
子)、コンデンサC2(昇圧コンデンサ)とを備えてい
る。そして、昇圧回路100は第1トランジスタQ1を
PWM駆動信号によりオン、オフすることにより、バッ
テリBから昇圧用コイルに供給される電流を制御し、コ
ンデンサC2に昇圧電圧を充電するようにした。
【0079】又、CPU21(負荷状態判定手段)は、
モータ6の負荷状態を判定するとともに、モータ6が、
低負荷のときは、高負荷のときよりも、昇圧回路100
が熱の発生を抑制するように、第1トランジスタQ1を
制御した。
【0080】すなわち、CPU21(昇圧制御手段)
は、モータ6が高負荷のときは、第1トランジスタQ1
(第1スイッチング素子)及び第2トランジスタQ2
(第2スイッチング素子)を同期整流し、低負荷のとき
は、第1トランジスタQ1をオフ制御するようにした。
【0081】この結果、第1トランジスタQ1がPWM
駆動されないため、昇圧がされず、コイルLには、電流
変化が生じないため、コイルLによる発熱が抑制でき
る。 (2) 第1実施形態では、操舵トルクτを検出するト
ルクセンサ4(操舵トルク検出手段)を備えた。そし
て、CPU21(負荷状態判定手段)は、トルクセンサ
4が検出した操舵トルクτが閾値τ0以下のときは、モ
ータ6の負荷状態が低負荷であると判定し、操舵トルク
τが閾値τ0を越えたときはモータ6の負荷状態が高負
荷であると判定するようにした。
【0082】この結果、操舵トルクτと閾値τ0とによ
り、モータ6が低負荷か高負荷の判定を容易にできる。 ○ なお、第1実施形態の構成中、図7のフローチャー
トのS40では、第1トランジスタQ1がオフ制御さ
れ、第2トランジスタQ2はPWM駆動されるようにし
たが、両トランジスタをオフ制御するようにしてもよ
い。
【0083】図6(c)は、第1トランジスタQ1、第
2トランジスタQ2がともに、オフ制御された場合のP
WM駆動信号の波形図を示している。この場合、両トラ
ンジスタをともにオフ制御した場合には、第2トランジ
スタQ2のスイッチングロスも解消するため、図6
(b)よりも昇圧回路100の発熱を抑制できる効果が
ある。
【0084】(第2実施形態)次に、第2実施形態を図
8を参照して説明する。第1実施形態では、モータ6の
負荷状態を判定するパラメータとして、操舵トルクτと
したが、第2実施形態ではモータ6の負荷状態を判定す
るパラメータとして、モータ6のモータ回転数nを使用
しているところが異なる。
【0085】すなわち、回転角センサ30は、モータ6
の回転位置を検出する回転位置センサを兼用し、CPU
21は、負荷状態判定手段に相当する。図8はCPU2
1が実行する力行時に実行される制御プログラムのフロ
ーチャートであり、デューティ比αが「+」のときに所
定の制御周期で実行される。
【0086】第2実施形態では、第1実施形態のS1
0,S20の代わりにそれぞれS10A,S20Aが実
行される。S10Aでは、CPU21は、回転角センサ
30からの検出信号に基づいて、公知の演算式を使用し
てモータ回転数nを算出する。
【0087】S20Aでは、モータ回転数nと予めRO
M22に格納した回転数閾値n0との大小関係、すなわ
ち、モータ6が低負荷状態か、或いは高負荷状態かを判
定する。モータ回転数nが回転数閾値n0以下の場合に
は、モータ6が低負荷であるとして、S40に移行し、
モータ回転数nが回転数閾値n0よりも大きい場合に
は、モータ6が高負荷であるとして、S30に移行す
る。
【0088】第2実施形態では第1実施形態の(1)の
他、以下のような特徴がある。 (1) 第2実施形態では、CPU21はモータ6の回
転数を推定する電動機回転数推定手段としている。そし
て、CPU21(負荷状態判定手段)は、推定したモー
タ6の回転数(モータ回転数n)が回転数閾値n0以下
のときは、モータ6の負荷状態が低負荷であると判定
し、モータ回転数nが回転数閾値n0を越えるときは、
モータ6の負荷状態が高負荷であると判定するようにし
た。
【0089】この結果、モータ回転数nと回転数閾値n
0とにより、モータ6が低負荷か高負荷の判定を容易に
できる。第2実施形態の構成を下記のように変更しても
よい。
【0090】(A) 第2実施形態では、ブラシレスモ
ータを使用したが、ブラシレスモータの代わりにブラシ
付モータ(以下、この項において、単にモータという)
に変更してもよい。この場合においても、図8のフロー
チャートを実行するものとする。
【0091】S10Aにおいては、下記のようにして、
モータ回転数nを演算(推定)する。なお、モータのモ
ータ電流を検出するために、モータにはモータ電流検出
回路(図示しない)及びモータ端子間電圧を検出するた
めのモータ端子電圧検出回路(図示しない)が設けられ
ている。
【0092】CPU21は、前記モータのモータ回転数
nを算出するため、まず、前記モータ電流検出回路(図
示しない)によって検出されるモータ電流の平均値(モ
ータ電流平均値Ia)と、モータ端子電圧検出回路によ
って検出される端子間電圧の平均値(端子間電圧平均値
Va)とを求める。求めたモータ電流平均値Ia及び端
子間電圧平均値Vaから、式(1)に従ってモータの内
部抵抗の瞬時値(モータ内部抵抗瞬時値R)を算出す
る。
【0093】 R=Va/Ia …(1) 続いて、モータ内部抵抗瞬時値Rを時間積分してモータ
の内部抵抗値Riを求め、この内部抵抗値Ri、モータ
電流平均値Iaと端子間電圧平均値Vaに基づいて式
(2)を使用してモータの逆起電圧Vcを求める。
【0094】 Vc=Va−Ia・Ri …(2) 続いて、(3)式を使用して、逆起電圧Vcに、逆起電
圧Vcに対する回転数の比であるモータ発電定数Kを乗
算し、モータ回転数nを算出する。
【0095】モータ回転数nはモータの逆起電圧Vcの
符号に対応した符号を有する。なお、モータ回転数nに
はモータの右方向回転に対しては正の値をとり、モータ
の左方向回転に対しては負の値をとる。すなわち、モー
タ回転数nは、モータの回転方向成分を含む回転速度で
ある。
【0096】 n=K・Vc … (3) 従って、この変形例では、S20Aでは、|n|>n0
にて、大小関係を判定する。
【0097】他の構成は、第2実施形態と同様である。
CPU21は、電動機回転数推定手段に相当する。 (B) 又、ステアリングホイール1(ハンドル)の回
転数を検出するハンドル回転数センサを設け、このハン
ドル回転数センサが検出したハンドル回転数に基づい
て、CPU21はモータ回転数nを算出(推定)するよ
うにしてもよい。ハンドル回転数とモータ回転数nとは
比例関係にあるため、これでもよい。
【0098】この場合においても、CPU21は、電動
機回転数推定手段に相当する。 (第3実施形態)次に、第3実施形態を図9を参照して
説明する。
【0099】第1実施形態では、モータ6の負荷状態を
判定するパラメータとして、操舵トルクτとしたが、第
3実施形態ではモータ6の負荷状態を判定するパラメー
タとして、アシスト指令電流、すなわちq軸指令電流I
q*(電動機制御値)を使用しているところが異なる。
【0100】すなわち、本実施形態においては、CPU
21は、昇圧制御手段、負荷状態判定手段に相当する。
図9はCPU21が実行する力行時に実行される制御プ
ログラムのフローチャートであり、デューティ比αが
「+」のときに所定の制御周期で実行される。
【0101】第3実施形態では、第1実施形態のS1
0,S20の代わりにそれぞれS10B,S20Bが実
行される。S10Bでは、CPU21は、q軸指令電流
Iq*(電動機制御値)を読込む。
【0102】S20Bでは、q軸指令電流Iq*と、予め
ROM22に格納した指令値閾値Iq*sとの大小関係、
すなわち、モータ6が低負荷状態か、或いは高負荷状態
かを判定する。
【0103】q軸指令電流Iq*が、指令値閾値Iq*s以
下の場合には、モータ6が低負荷であるとして、S40
に移行し、q軸指令電流Iq*が、指令値閾値Iq*sより
も大きい場合には、モータ6が高負荷であるとして、S
30に移行する。
【0104】第3実施形態では第1実施形態の(1)の
他、以下のような特徴がある。 (1) 第3実施形態では、CPU21(負荷状態判定
手段)は、q軸指令電流Iq*(電動機制御値)に基づい
て、モータ6の負荷状態が低負荷か高負荷であると判定
するようにした。具体的には、q軸指令電流Iq*と、予
めROM22に格納した指令値閾値Iq*sとの大小関
係、すなわち、モータ6が低負荷状態か、或いは高負荷
状態かを判定するようにした。
【0105】この結果、q軸指令電流Iq*と、予めRO
M22に格納した指令値閾値Iq*sとにより、モータ6
が低負荷か高負荷の判定を容易にできる。尚、第3実施
形態を下記のように変更してもよい。
【0106】○ 第3実施形態では、q軸指令電流Iq*
(電動機制御値)に基づいて、モータ6の負荷状態が低
負荷か高負荷であると判定するようにした。これに代え
て、q軸検出電流Iqと、予めROM22に格納した閾
値との大小関係に基づいてモータ6の負荷を判定するよ
うにしてもよい。
【0107】すなわち、CPU21は、閾値よりもq軸
検出電流Iqが越えていれば、モータ6が高負荷状態で
あると判定し、q軸検出電流Iqが閾値以下であれば、
モータ6が低負荷状態であると判定するようにする。
【0108】電流センサ71,72はモータ6に流れる
実電流を検出する実電流検出手段に相当する。前記q軸
検出電流Iqは、モータ6に流れる実電流の検出値に相
当する。
【0109】この場合、CPU21は昇圧制御手段、負
荷状態判定手段に相当する。 (第4実施形態)次に第4実施形態を図10を参照して
説明する。
【0110】第4実施形態は、第1実施形態の構成中、
フローチャートにおいて、S30、S40の代わりに、
S30A、S40Aが実行されるところが異なり、他の
構成は同一となっている。
【0111】S30Aでは、操舵トルクτが閾値τ0よ
りも大きいと、モータ6が高負荷であると判定されてい
るため、PWM駆動信号のキャリア周期を高周期にして
第1トランジスタQ1,第2トランジスタQ2をPWM
駆動する。
【0112】又、S40Aでは、操舵トルクτが閾値τ
0以下であると、モータ6が低負荷であると判定されて
いるため、PWM駆動信号のキャリア周期を低周期にし
て第1トランジスタQ1,第2トランジスタQ2をPW
M駆動する。
【0113】このように、モータ6が低負荷の場合、第
1トランジスタQ1,第2トランジスタQ2を低周期で
PWM駆動すると、両トランジスタのスイッチングロス
が減少する。すなわち、両トランジスタをPWM駆動で
オンオフする場合、両トランジスタが同時にオンしない
ようにデッドタイムを設けている。低周期でPWM駆動
すると、一定時間に発現するデッドタイムが少なくなる
ため、スイッチングロスが少なくなる。このため、スイ
ッチングロスによる両トランジスタの発熱を抑制するこ
とができ、この結果、昇圧回路100の発熱を抑制でき
る。
【0114】一方、モータ6が高負荷の場合は、第1ト
ランジスタQ1,第2トランジスタQ2を高周期でPW
M駆動しているため、各トランジスタのオンオフ時のリ
ップル電圧を小さくできる。
【0115】なお、リップル電圧の大きさは、PWM駆
動信号のキャリア周期に依存しており、すなわち、PW
M駆動信号のキャリア周期が高周期であれば、リップル
電圧が小さく、低周期であれば、リップル電圧が大きく
なる。そして、モータ6はリップル電圧があると、電圧
が変動しているため、その影響が出る。
【0116】従って、高周期で両トランジスタをPWM
駆動すると、モータ6は高負荷状態、すなわち、操舵ト
ルクτが出ている状態であるため、リップル電圧が抑制
されているほど、操舵フィーリングの悪化を防止でき
る。
【0117】一方、モータ6が低負荷の場合は、モータ
6の電力消費が少なく、特に、無負荷の場合は、モータ
6は電力消費がないため、PWM駆動信号のキャリア周
期を長くし(低周期)て、両トランジスタをPWM駆動
している。すなわち、この場合、操舵トルクτが出てい
ない状態(操舵していない状態)であり、このため、操
舵フィーリングに影響が出ることはない。
【0118】なお、CPU21は、昇圧制御手段、負荷
状態判定手段に相当する。従って、第4実施形態では、
下記の特徴がある。 (1) 第4実施形態では、CPU21(昇圧制御手
段)は、モータ6が高負荷のときは、PWM駆動信号の
キャリア周期を高周期にして第1トランジスタQ1,第
2トランジスタQ2の両トランジスタ(両スイッチング
素子)をPWM駆動するようにした。又、CPU21
は、モータ6が低負荷のときは、PWM駆動信号のキャ
リア周期を低周期にして第1トランジスタQ1,第2ト
ランジスタQ2の両トランジスタをPWM駆動するよう
にした。
【0119】この結果、低周期でPWM駆動すると、一
定時間に発現するデッドタイムが少なくなるため、スイ
ッチングロスが少なくなり、スイッチングロスによる両
トランジスタの発熱が少なくなり、昇圧回路100の発
熱を抑制できる。
【0120】又、モータ6は高負荷状態では、PWM駆
動信号のキャリア周期を高周期にして両トランジスタを
PWM駆動しているため、リップル電圧が抑制され、操
舵フィーリングの悪化を防止できる。
【0121】なお、第4実施形態を、下記のように変更
してもよい。 (A) 第4実施形態のフローチャートのうち、S1
0、S20を第2実施形態のS10A、S20A(図8
参照)にそれぞれ変更すること。このようにしても、モ
ータ6の低負荷、高負荷に応じて、PWM駆動信号のキ
ャリア周期をそれぞれ低周期、高周期にして両トランジ
スタをPWM駆動することができ、その結果、第2実施
形態の上記(1)の効果を奏する。
【0122】(B) 第4実施形態のフローチャートの
うち、S10、S20を第3実施形態のS10B、S2
0B(図9参照)にそれぞれ変更すること。このように
しても、モータ6の低負荷、高負荷に応じて、PWM駆
動信号のキャリア周期をそれぞれ低周期、高周期にして
両トランジスタをPWM駆動することができ、その結
果、第3実施形態の上記(1)の効果を奏する。
【0123】(第5実施形態)次に第5実施形態を図1
1を参照して説明する。第5実施形態は、第4実施形態
の構成中、フローチャートにおいて、S40Aの代わり
に、S40Bが実行されるところが異なり、他の構成は
同一となっている。
【0124】S40Bでは、操舵トルクτが閾値τ0以
下であると、モータ6が低負荷であると判定されている
ため、PWM駆動信号のキャリア周期を低周期にして第
1トランジスタQ1のみを非同期整流する。
【0125】この非同期整流について説明する。非同期
整流では、第2トランジスタQ2を常時オフとし、第1
トランジスタQ1のみをデューティ比駆動信号にてPW
M駆動する。この非同期整流の場合、コンデンサC2が
充電されて、電圧印加点P2の電圧が目標出力電圧VBP
IG*に達していると、実際には、第1トランジスタQ1
のデューティ比(オンデューティ)は0に近いものとな
る。
【0126】この理由は、モータ6が低負荷であるた
め、コンデンサC2からのモータ6に供給される放電電
流が少なく、特に無負荷の場合には、放電電流が流れる
ことはない(電力消費がない)。
【0127】そして、このような状態のもと、図5に示
すように、フィードバック制御を行っているため、一
旦、電圧印加点P2の電圧が目標出力電圧VBPIG*に達
してしまうと、昇圧のためのデューティ比(オンデュー
ティ)が0に近くなるためである。なお、デューティ比
(オンデューティ)が0に近くなるとは、コンデンサC
2には漏れ電流が生じて、実際には、少しずつ電荷が抜
け、その分に見合うだけのフィードバック制御が行われ
て完全にデューティ比が0となることはないためであ
る。
【0128】このように、モータ6が低負荷時、非同期
整流で、第2トランジスタQ2を全オフし、かつ、第1
トランジスタQ1をPWM駆動すると、第2トランジス
タQ2のオンオフによるスイッチングロスが解消される
とともに、コイルLへは、コンデンサC2から電荷が流
れることがない。このため、第2トランジスタQ2のス
イッチングロス及びコイルLの発熱がなくなり、昇圧回
路100の温度上昇を抑制することができる。
【0129】さらに、第5実施形態では、モータ6が低
負荷の場合、PWM駆動信号のキャリア周期を低周期に
しているため、スイッチングロスが少なくなり、スイッ
チングロスによるトランジスタの発熱が少なくなり、昇
圧回路100の発熱を抑制できる。
【0130】一方、モータ6が高負荷の場合は、第1ト
ランジスタQ1,第2トランジスタQ2を高周期で同期
整流しているため、各トランジスタのオンオフ時のリッ
プル電圧を小さくできる。
【0131】従って、高周期で両トランジスタを同期整
流すると、モータ6は高負荷状態、すなわち、操舵トル
クτが出ている状態であるため、リップル電圧が抑制さ
れているほど、操舵フィーリングの悪化を防止できる。
【0132】一方、モータ6が低負荷の場合は、モータ
6の電力消費が少なく、特に、無負荷の場合は、モータ
6は電力消費がないため、PWM駆動信号のキャリア周
期を長くし(低周期)て、両トランジスタを同期整流し
ている。すなわち、この場合、操舵トルクτが出ていな
い状態(操舵していない状態)であり、このため、操舵
フィーリングに影響が出ることはない。
【0133】なお、CPU21は、昇圧制御手段、負荷
状態判定手段に相当する。従って、第5実施形態では、
下記の特徴がある。 (1) 第5実施形態では、CPU21(昇圧制御手
段)は、モータ6が高負荷のときは、PWM駆動信号の
キャリア周期を高周期にして第1トランジスタQ1,第
2トランジスタQ2の両トランジスタ(両スイッチング
素子)を同期整流するようにした。又、CPU21は、
モータ6が低負荷のときは、PWM駆動信号のキャリア
周期を低周期にして第1トランジスタQ1を非同期整流
するようにした。
【0134】この結果、低周期で非同期整流すると、ス
イッチングロスによるトランジスタの発熱が少なくな
り、昇圧回路100の発熱を抑制できる。又、モータ6
は高負荷状態では、PWM駆動信号のキャリア周期を高
周期で両トランジスタを同期整流しているため、リップ
ル電圧が抑制され、操舵フィーリングの悪化を防止でき
る。
【0135】なお、第5実施形態を、下記のように変更
してもよい。 (A) 第5実施形態のフローチャートのうち、S1
0、S20を第2実施形態のS10A、S20Aにそれ
ぞれ変更すること。その結果、第2実施形態の上記
(1)の効果を奏する。
【0136】(B) 第5実施形態のフローチャートの
うち、S10、S20を第3実施形態のS10B、S2
0Bにそれぞれ変更すること。その結果、第3実施形態
の上記(1)の効果を奏する。
【0137】なお、本発明の実施形態は以下のように変
更してもよい。 ○ 前記第1実施形態〜第3実施形態では、モータ6が
低負荷の場合は、S40において、第1トランジスタQ
1をオフした。これに代えてS40において、第1トラ
ンジスタQ1のみをPWM制御し、第2トランジスタQ
2を全オフとする非同期整流で行ってもよい。なお、こ
の場合、第5実施形態と異なり、低負荷時も高負荷時も
PWM駆動信号のキャリア周期は同じ周期にする。
【0138】こうすると、第5実施形態において、モー
タ6が低負荷の場合、PWM駆動信号のキャリア周期を
低周期にしたことによるトランジスタの発熱抑制効果は
ない。
【0139】しかし、モータ6が低負荷時、非同期整流
で、第2トランジスタQ2を全オフし、かつ、第1トラ
ンジスタQ1をPWM駆動すると、第2トランジスタQ
2のオンオフによるスイッチングロスが解消されるとと
もに、コイルLへは、コンデンサC2から電荷が流れる
ことがない。このため、第2トランジスタQ2のスイッ
チングロス及びコイルLの発熱がなくなり、昇圧回路1
00の温度上昇を抑制することができる。
【0140】○ 前記各実施形態では、操舵トルクτ
と、車速Vとを使用した実施形態に代わって、操舵トル
クτのみで、電動機制御値を決定するようにしてもよ
い。前記実施形態の構成から把握される特許請求の範囲
に記載した以外の技術的思想について以下に記載する。
【0141】(1) 請求項6において、電動機に流れ
る電流を検出する実電流検出手段を設け、前記負荷状態
判定手段は、電動機に流れる実電流の検出値に基づいて
電動機の負荷状態を判定することを特徴とする電動パワ
ーステアリング装置。
【0142】こうすると、実電流検出手段が検出した実
電流の検出値に基づいて負荷状態判定は、電動機の負荷
状態を容易に判定することができる。
【0143】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1乃至請求
項6の発明は、電動機が低負荷時のときには、高負荷時
のときに比して昇圧回路の発熱を抑制できる効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に具体化した電動パワー
ステアリング装置の概略図。
【図2】同じく電動パワーステアリング装置の制御ブロ
ックダイヤグラム。
【図3】同じくCPU21の制御ブロック図。
【図4】同じく昇圧回路の電気回路図。
【図5】同じく昇圧時の制御装置の制御ブロックダイヤ
グラム。
【図6】(a)〜(c)は両トランジスタのPWM駆動
信号の波形図。
【図7】CPU21が実行する制御プログラムのフロー
チャート。
【図8】第2実施形態のCPU21が実行する制御プロ
グラムのフローチャート。
【図9】第3実施形態のCPU21が実行する制御プロ
グラムのフローチャート。
【図10】第4実施形態のCPU21が実行する制御プ
ログラムのフローチャート。
【図11】第5実施形態のCPU21が実行する制御プ
ログラムのフローチャート。
【図12】従来の電動パワーステアリング装置の昇圧回
路の電気回路図。
【図13】同じくトランジスタのPWM駆動信号の波形
図。
【符号の説明】
6…モータ(電動機) 20…制御装置 21…CPU(昇圧制御手段、負荷状態判定手段、電動
機回転数推定手段) 35…モータ駆動装置(電動機駆動手段) 100…昇圧回路(昇圧手段) B…バッテリ(直流電源) L…コイル(昇圧用コイル) C2…コンデンサ(昇圧用コンデンサ) Q1…第1トランジスタ(第1スイッチング素子) Q2…第2トランジスタ(第2スイッチング素子) Iq* …q軸指令電流(電動機制御値) Iq …q軸検出電流(実電流検出値)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動機制御値に基づいて電動機を駆動す
    る電動機駆動手段と、直流電源と前記電動機駆動手段間
    に設けられ、電源電圧を昇圧する昇圧手段と、PWM駆
    動信号を生成出力する昇圧制御手段とを備え、前記昇圧
    手段は、直流電源の出力端子に接続された昇圧用コイル
    と、同昇圧用コイルの出力端子に対して共に接続された
    第1スイッチング素子と第2スイッチング素子と、前記
    第2スイッチング素子の出力端子に接続された昇圧用コ
    ンデンサとを備え、前記両スイッチング素子の内少なく
    とも前記第1スイッチング素子を前記PWM駆動するこ
    とにより、前記直流電源から昇圧用コイルに供給される
    電流を制御し、前記昇圧用コンデンサに昇圧電圧を充電
    する電動パワーステアリング装置において、 前記電動機の負荷状態を判定する負荷状態判定手段を設
    け、 前記昇圧制御手段は、前記負荷状態判定手段の判定結果
    に応じて高負荷のときは、第1スイッチング素子及び第
    2スイッチング素子を同期整流し、低負荷のときは、前
    記両スイッチング素子の内、少なくとも第1スイッチン
    グ素子をオフ制御し、又は第1スイッチング素子のみを
    PWM制御して非同期整流することを特徴とする電動パ
    ワーステアリング装置。
  2. 【請求項2】 電動機制御値に基づいて電動機を駆動す
    る電動機駆動手段と、直流電源と前記電動機駆動手段間
    に設けられ、電源電圧を昇圧する昇圧手段と、PWM駆
    動信号を生成出力する昇圧制御手段とを備え、前記昇圧
    手段は、直流電源の出力端子に接続された昇圧用コイル
    と、同昇圧用コイルの出力端子に対して共に接続された
    第1スイッチング素子と第2スイッチング素子と、前記
    第2スイッチング素子の出力端子に接続された昇圧用コ
    ンデンサとを備え、前記両スイッチング素子の内少なく
    とも前記第1スイッチング素子を前記PWM駆動するこ
    とにより、前記直流電源から昇圧用コイルに供給される
    電流を制御し、前記昇圧用コンデンサに昇圧電圧を充電
    する電動パワーステアリング装置において、 前記電動機の負荷状態を判定する負荷状態判定手段を設
    け、 前記昇圧制御手段は、前記負荷状態判定手段の判定結果
    に応じて高負荷のときは、PWM駆動信号のキャリア周
    期を高周期にして前記両スイッチング素子をPWM駆動
    し、低負荷のときは、PWM駆動信号のキャリア周期を
    低周期にして前記両スイッチング素子をPWM駆動する
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 【請求項3】 電動機制御値に基づいて電動機を駆動す
    る電動機駆動手段と、直流電源と前記電動機駆動手段間
    に設けられ、電源電圧を昇圧する昇圧手段と、PWM駆
    動信号を生成出力する昇圧制御手段とを備え、前記昇圧
    手段は、直流電源の出力端子に接続された昇圧用コイル
    と、同昇圧用コイルの出力端子に対して共に接続された
    第1スイッチング素子と第2スイッチング素子と、前記
    第2スイッチング素子の出力端子に接続された昇圧用コ
    ンデンサとを備え、前記両スイッチング素子の内少なく
    とも前記第1スイッチング素子を前記PWM駆動するこ
    とにより、前記直流電源から昇圧用コイルに供給される
    電流を制御し、前記昇圧用コンデンサに昇圧電圧を充電
    する電動パワーステアリング装置において、 前記電動機の負荷状態を判定する負荷状態判定手段を設
    け、 前記昇圧制御手段は、前記負荷状態判定手段の判定結果
    に応じて高負荷のときは、PWM駆動信号のキャリア周
    期を高周期にして前記両スイッチング素子を同期整流
    し、低負荷のときは、前記両スイッチング素子の内、第
    1スイッチング素子のみを、PWM駆動信号のキャリア
    周期を低周期にして非同期整流することを特徴とする電
    動パワーステアリング装置。
  4. 【請求項4】 操舵トルクを検出する操舵トルク検出手
    段を備え、 前記負荷状態判定手段は、前記操舵トルク検出手段が検
    出した操舵トルクが小のときは、電動機の負荷状態が低
    負荷であると判定し、操舵トルクが大のときは電動機の
    負荷状態が高負荷であると判定することを特徴とする請
    求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の電動パ
    ワーステアリング装置。
  5. 【請求項5】 前記電動機の回転数を推定する電動機回
    転数推定手段を備え、 前記負荷状態判定手段は、前記電動機回転数推定手段が
    推定した回転数が小のときは、電動機の負荷状態が低負
    荷であると判定し、回転数が大のときは、電動機の負荷
    状態が高負荷であると判定することを特徴とする請求項
    1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の電動パワー
    ステアリング装置。
  6. 【請求項6】 前記負荷状態判定手段は、前記電動機制
    御値、又は、電動機に流れる実電流の検出値に基づいて
    電動機の負荷状態を判定することを特徴とする請求項1
    乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の電動パワース
    テアリング装置。
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