JP2010263768A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸方向の全長を短くすることができ、小型化、軽量化が達成され、車両等への搭載性及び車両レイアウトに対する汎用性が向上した電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】ロータ15及びステータ11を収納するケース10と、ケース10の開口側に配設され且つロータシャフト20の出力側端部20Fを支持するブラケット部50を有し、ブラケット部50は、ケース挿入穴55と、減速機100に取り付けられる取付部56A及び56Bを有し、ケース挿入穴55に底部側から挿入されたケース10に配設されるフランジ部51と;レゾルバステータ72を支持し且つ出力側端部20Fを軸支する軸受を支持し、ケース10の開口を覆うレゾルバホルダ52と;を備え、ケース10は、レゾルバホルダ52及びフランジ部51に挟持され且つ着脱可能に固定される固定部18A及び18Bを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ロータ及びステータを収納する有底円筒形のケースと、当該ケースの開口側に配設され且つ前記ロータの一端を支持するブラケット部と、を有する回転電機を備えた電動パワーステアリング装置の改良に関する。
従来から、例えば、モータを回転させることによりハンドル操作を補助する電動パワーステアリング(以下、「EPS(Electric Power Steering)」という)装置で好適に使用される回転電機は、有底円筒形のケース内にロータ及びステータを収容し、当該ケースの開口部をブラケット部によって覆い、当該ケースとブラケット部とをネジで固定した構成を有している。前記ロータのシャフトの一端は、前記ケースの底に配設されたボールベアリングによって軸支され、当該シャフトの他端は、前記ブラケット部に配設されたボールベアリングによって軸支されている。また、この回転電機は、前記ステータのコイルに給電するハーネスが前記ブラケット部の側面から外部に引出されていると共に、レゾルバステータを外部から回転させて、誘起電圧とセンサ信号の位置合せを行う構成であるため、レゾルバステータに位置固定用のネジ穴部を設けたり、レゾルバステータをレゾルバホルダに固定し、当該レゾルバホルダをケースにネジで固定する構造を有している。(例えば、特許文献1〜4参照)。
また、回転電機のブラケット部に形成されているフランジ部に、当該回転電機の駆動を制御する電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit、以下、「ECU」と記すことがある)を固定し、前記回転電機のステータと、ECUとをバスバーを介して接続した電動パワーステアリング装置も紹介されている。(例えば、特許文献5〜9参照)。
特開2008−193896号公報 特開2007−89285号公報 特開2006−320189号公報 特開2006−94678号公報 特許第3593102号公報 WO2007/26894号公報 特開2008−109837号公報 特開2007−237790号公報 特開2004−23841号公報
前述した構成の回転電機では、その軸方向の全長は、前記ケースの軸方向の長さと、前記ブラケット部の軸方向の長さ(厚み分の長さ)の合計によって決定される。また、ステータ及びロータの軸方向の長さは、回転電機の出力が大きくなるほど長くする必要がある。したがって、例えば、EPS装置で使用される高出力の回転電機は、必然的に軸方向の全長が長くなるため、車両に搭載した際に、車両と干渉する可能性が高くなる。特に、車両の外部に配設される回転電機の場合、前記ケースとブラケット部との間にOリングを配設したり、シール剤を塗布することで防水性を持たせているため、軸方向の全長がさらに長くなる。また、ハーネス部の防水性を確保するため、通常、ブラケット部にグロメットを設けているが、これによりブラケット部の形状が複雑になると共に、ブラケット部の軸方向の長さも増加する。したがって、車両への搭載性を向上することが困難である。
そこで、回転電機を減速機側に配設する等、レイアウトを変更することで車両への搭載性に対処しているが、この場合、ハーネスの経路を確保するため、当該ハーネスが最短経路となる位置から迂回させる必要がある。したがって、ハーネスが必要以上に長くなり、抵抗が増加する等の不具合が生じたり、コストが増加する等の虞がある。
また、特許文献5〜9に記載された従来の電動パワーステアリング装置は、前記フランジ部とECUを固定するネジ部を設ける必要があると共に、バスバーとセンサとを接続する部品を設ける等、前記フランジ部の軸方向の長さ(厚み分の長さ)が長くなる。このため、ECUを含めた全長が長くなる結果、車両への搭載性を向上することが困難であると共に、質量が増大し、小型・軽量化を達成することが困難である。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、従来の同出力の回転電機と比較して軸方向の全長を短くすることができ、小型化、軽量化が達成され、車両等への搭載性が向上すると共に、車両レイアウトに対する汎用性が向上した回転電機を備えた電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するため本発明は、ロータ及びステータを収納する有底円筒形のケースと、前記ケースの開口側に配設され且つ前記ロータのシャフトの出力側端部を支持するブラケット部とを有し、対象物に取り付け可能な回転電機であって、前記ブラケット部は、前記ケースが当該ケースの底部側から挿入されるケース挿入穴と、前記対象物に取り付けられる取付部とを有し、前記ケース挿入穴に挿入されたケースに配設されるフランジ部と;レゾルバステータを支持し且つ前記シャフトの出力側端部を軸支する軸受を支持すると共に、前記ケースの開口側に配設され、当該ケースの開口を覆うレゾルバホルダと;を備え、前記ケースは、前記レゾルバホルダ及びフランジ部に挟持され、当該レゾルバホルダ及びフランジ部が着脱可能に固定される固定部を有してなる回転電機を備えた電動パワーステアリング装置提供するものである。
この構成を備えた電動パワーステアリング装置は、前記ブラケット部が前記フランジ部とレゾルバホルダとに分離されており、当該フランジ部は、電動パワーステアリング装置を対象物に取り付けるための機能と、ケースをケース挿入穴に挿入した状態で、当該ケースに着脱可能に固定される機能を有していればよいため、前記フランジ部の形状を簡略化することができると共に、当該フランジ部の軸方向の長さを短く(厚さを薄く)することができ、当該フランジ部を小型化、軽量化することができる。また、前記フランジ部と前記レゾルバホルダとが分離されており、前記ハウジング部、ケース及びレゾルバホルダは着脱可能に構成されているため、フランジ部及びレゾルバホルダのいずれか一方の形状を変更すれば、車両のレイアウトに対応することができる。したがって、前記ブラケット部全体の形状を変更する場合に比べ、変更コストを削減することができる。
また、本発明に係る電動パワーステアリング装置は、前記回転電機の駆動を制御する電子制御ユニットをさらに備えてなり、前記フランジ部と当該電子制御ユニットの筐体が一体的に形成された構成を有することができる。このように構成することで、前記フランジ部と電子制御ユニットの筐体とをネジ止めする等の必要がない。したがって、電動パワーステアリング装置が前記電子制御ユニットを有していても、前記フランジ部の形状を簡略化することができると共に、当該フランジ部の軸方向の長さを短く(厚さを薄く)することができる。また、回転電機と電子制御ユニットとの接続を簡易な構造によって実現することができる。
そしてまた、本発明に係る電動パワーステアリング装置は、前記ケースがフランジ部のケース挿入穴に挿入された状態で当該フランジ部がケースに着脱可能に固定されるため、当該ケースとフランジ部が軸方向において重なった構造となる。したがって、ケースとフランジ部が軸方向において重ねられていない従来の同出力の回転電機や、電子制御ユニットを備えた電動パワーステアリング装置に比べ、軸方向の全長を、この両者が重ねられた軸方向の長さ分、短くすることができ、小型化、軽量化を達成させることができる。このため、車両等への搭載性を向上することができると共に、製造コストを低減させることができる。
なお、前記電動パワーステアリング装置が取り付けられる対象物としては、例えば、減速機や、駆動機構(例えば、開閉駆動、回転駆動、スライド駆動等)等が挙げられ、また、前記回転電機は、これを駆動するための制御装置等の筐体等に取り付けられてもよい。
また、本発明に係る電動パワーステアリング装置は、前記レゾルバホルダ、固定部及びフランジ部に、互いに連通可能な螺子穴を形成し、当該レゾルバホルダ、固定部及びフランジ部が、互いに連通した螺子穴に挿入された螺子により共締めされた構成を備えることができる。このように構成することで、ケースとブラケット部とを固定する螺子の配設数(螺子点数)を削減することができる。
そしてまた、前記レゾルバホルダに形成された螺子穴は、周方向に長い長穴から構成することができる。このように構成することで、前記利点に加え、レゾルバホルダ及びフランジ部をケースの固定部に仮止めした後、レゾルバの構成要素である回転位置検出センサ(例えば、レゾルバロータ等)の周方向の位置調整を簡単に行うことができる。
さらにまた、本発明に係る電動パワーステアリング装置は、前記フランジ部の螺子穴を前記取付部の近傍に形成し、前記連通させた螺子穴に挿入された螺子が前記対象物とフランジ部との間に位置するよう構成することもできる。このように構成することで、前記利点に加え、前記対象物とフランジ部によって前記螺子が不意に抜け落ちることを防止することができるため、螺子の抜け止め機構を別途配設する必要がなく、部品点数をさらに削減し、軽量化、低コスト化を行うことができる。
また、本発明に係る電動パワーステアリング装置は、前記フランジ部のケース挿入穴を画定する内壁と、前記ケースの開口端面と、前記レゾルバホルダの外周面とによって画定される空間に、シール部材を配設し、当該シール部材によって当該ケース内を水密に保持する構成を備えることができる。このように構成することで、前記利点に加え、前記フランジ部とケースとの間、及び前記ケースとレゾルバホルダとの間を、1つのシール部材によってシールする(水密に保持する)ことができ、部品点数を削減することができる。
さらにまた、本発明に係る電動パワーステアリング装置は、前記レゾルバホルダの中央部に、前記レゾルバステータが収納されるレゾルバステータ収納部が形成され、当該レゾルバステータ収納部は、前記レゾルバステータと電気的に接続されたセンサハーネスを外部に引き出す引出口を有した構成を備えることもできる。このように構成することで、フランジ部の取付部を前記対象物に取り付けた際に、前記センサハーネスを、対象物とレゾルバホルダとの間から引き出すことができる。したがって、前記利点に加え、回転電機の任意の径方向に(即ち、前記シャフトを中心とした周方向の任意の位置から)前記センサハーネスを引き出すことができ、車両レイアウトに対する汎用性を向上させることができる。このため、車両レイアウトに応じて回転電機の設計変更が必要となることを抑制することができる。また、前記センサハーネスを回転電機の任意の径方向に引き出すことができるため、当該センサハーネスの取り回しを簡単に行え、センサハーネスの全長を短くすることができる。
そしてまた、本発明に係る電動パワーステアリング装置は、前記ステータと、前記電子制御ユニットとが、バスバー端子またはハーネスを介して接続された構造を有することができる。このように構成することで、前記ステータと、前記電子制御ユニットとの接続構造を簡単にすることができる。
また、本発明に係る電動パワーステアリング装置は、前記電子制御ユニットの筐体にヒートシンク部を設けることができる。この場合、前記ヒートシンク部は、前記フランジ部に配設することができる。このように構成することで、ヒートシンク部を配設しても電動パワーステアリング装置の軸方向の長さが長くなることを防止することができる。
本発明によれば、従来の同出力の回転電機と比較して軸方向の全長を短くすることができ、小型化、軽量化が達成され、車両等への搭載性が向上すると共に、車両レイアウトに対する汎用性が向上した電動パワーステアリング装置を提供することができる。
本発明の実施例1に係る電動パワーステアリング装置の構成要素である回転電機の斜視図である。 図1に示す回転電機の正面図(出力側)である。 図2に示すIII−III線に沿った断面図である。 図2に示すIII−IV線に沿った断面図である。 図1に示す回転電機の背面図(ケース底面側)である。 図1に示す回転電機の分解斜視図である。 図1に示す回転電機の組み立て途中を示す斜視図である。 図1に示す回転電機の正面図(出力側)であって、センサハーネスの取り回し(通線)を示す図である。 本発明の実施例1に係る回転電機を減速機に取り付けた状態を示す一部断面図である。 本発明の他の実施例に係る回転電機の図3に対応する断面図である。 本発明の実施例2に係る電動パワーステアリング装置の構成要素である回転電機の正面図(出力側)である。 図11に示すXII−XII線に沿った断面図である。 本発明の実施例2に係る回転電機を減速機に取り付けた状態を示す一部断面図である。 本発明の実施例3に係る電動パワーステアリング装置の構成要素である回転電機の正面図(出力側)である。 図14に示すXV−XV線に沿った断面図である。 従来の回転電機の正面図(出力側)であって、センサハーネスの取り回し(通線)を示す図である。 本発明の電動パワーステアリング装置の構成要素である回転電機を他の実施例に係る減速機に取り付けた状態を示す一部断面図である。 本発明の実施例4に係る電動パワーステアリング装置の一部を分解して示す側面図である。 図18に示す電動パワーステアリング装置を組み立てた状態を示す側面図である。 図19に示す電動パワーステアリング装置の正面図(出力側)である。 図19に示す電動パワーステアリング装置の背面図(ケース底面図)である。 図20に示すXXII−XXII線に沿った一部を断面にした断面図である。 本発明の実施例4に係る電動パワーステアリング装置を減速機に取り付けた状態を示す一部断面図である。 本発明の他の実施例に係る電動パワーステアリング装置を示す側面図である。 本発明の他の実施例に係る電動パワーステアリング装置の正面図(出力側)である。
次に、本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置について図面を参照して説明する。なお、以下に記載される実施例は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施例にのみ限定するものではない。したがって、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
図1は、本発明の実施例1に係る電動パワーステアリング装置の構成要素である回転電機の斜視図、図2は、図1に示す回転電機の正面図(出力側)、図3は、図2に示すIII−III線に沿った断面図、図4は、図2に示すIII−IV線に沿った断面図、図5は、図1に示す回転電機の背面図(ケース底面側)、図6は、図1に示す回転電機の分解斜視図、図7は、図1に示す回転電機の組み立て途中を示す斜視図、図8は、図1に示す回転電機の正面図(出力側)であって、センサハーネスの取り回し(通線)を示す図、図9は、図1に示す回転電機を減速機に取り付けた状態を示す一部断面図である。なお、前記各図では、説明を判り易くするため、各部材の厚さやサイズ、拡大・縮小率等は、実際のものとは一致させずに記載した。
図1〜図9に示すように、実施例1に係る電動パワーステアリング装置は、回転電機1を有しており、この回転電機1は、有底円筒形のケース10と、ケース10の開口側に配設されたブラケット部50とを有している。
ケース10の開口側(以下、こちら側を「出力側」ともいう)の端面には、フランジ17が形成されている。このフランジ17の互いに180度離れた位置(互いに対向する位置)には、ケース10と、後に詳述するブラケット部50の構成要素であるフランジ部51とレゾルバホルダ52を着脱可能に固定するための固定部18A及び18Bが、ケース10の径方向外側に延出形成されている。固定部18A及び18Bには、ケース10と、フランジ部51とレゾルバホルダ52を着脱可能に固定するための螺子91が貫通する螺子穴19A及び19Bが各々形成されている。
ケース10の内周面には、筒形状のステータ11が取り付けられている。ステータ11は、インシュレータ13の内側にステータコア16を挿入した後、コイル12が巻き付けられた構成を有し、通電によりN極、S極に交互に励磁されるようになっている。なお、3相モータの場合、3n個(但し、nは正の整数)のステータコアは、継鉄部(バックヨーク部)毎に圧入または溶接等で一体化する、あるいは、一体化しないステータコアをケースに圧入してもよい。実施例1では、作業性の向上と剛性を確保するため、ステータコアを一体化している。
ステータ11の、ケース10の開口側(以下、こちら側を「出力側」ともいう)には端子台25が設けられており、この端子台25に挿入またはインサートモールドされたバスバーと各相コイルは、ヒュージングや抵抗溶接等で電気的に接続されている。なお、ステータ11は、ケース10に圧入、接着、焼嵌め等で固定する、あるいはフロートしてケース10と非接触としてもよい。
ステータコア16の内方には、ステータ11に対して同軸的に配設されたロータ15が収容されている。ロータ15は、ロータコア(図示せず)と、当該ロータコアの外周に配設されたマグネット(図示せず)と、ロータカバー(図示せず)を有している。ロータ15の軸芯には、ロータシャフト20が貫通しており、このロータシャフト20は、ロータ15の軸線方向両端部から突出延長されている。ステータコア16に電気的に接続されたパワーハーネス26は、グロメット27に形成された穴部を貫通し、回転電機1の外部に引き出される。このグロメット27は、ケース10の開口側端部に形成されたグロメット挿入穴29に挿入され、フランジ部51及びレゾルバホルダ52に挟み込まれて抜け止めされている。なお、パワーハーネス26は、バスバー端子であってもよい。
なお、ロータシャフト20は、ロータコアに圧入する、またはロータコアと一体成形することができる。マグネットとしては、セグメントマグネットを2n個(但し、nは正の整数)配設してもよく、リングマグネットを配設してもよい。また、ロータコア内部にマグネットを配置する埋め込み磁石タイプを使用してもよい。ロータカバーは、肉薄の非磁性の材料(例えば、ステンレス材、アルミ、熱収縮チューブ等)から形成されており、ロータの軸方向から圧入する、または焼嵌め、接着等により配設することができる。
ロータシャフト20のうち、ケース10の底部10B側に延出した端部20B(以下、リヤ側端部20Bという)は、底部10Bに形成された小径の筒形状凹部14に収容されている。このリヤ側端部20Bの先端部には、軸受としてのボールベアリング(転がり軸受)21の内輪22が圧入により嵌合されており、ボールベアリング21の外輪23は、筒形状凹部14の内壁に固定されている。なお、符号24は、転動体としてのボールである。
また、ロータシャフト20のうち、ケース10の開口側に延出した端部20F(出力側;以下、出力側端部20Fという)には、後に詳述するブラケット部50の構成要素であるレゾルバホルダ52に配設されたボールベアリング61の内輪62が圧入により嵌合されており、出力側端部20Fのさらに出力側には、レゾルバロータ71が圧入により嵌合されている。このレゾルバロータ71の外周側には、レゾルバホルダ52に配設されたレゾルバステータ72がレゾルバロータ71の外周面に沿って所定の間隔をおいて位置している。また、出力側端部20Fの出力側先端は、後に詳述する減速機100と連結するためのボス部90へと延長されている。このロータシャフト20は、減速機100に対しスプライン構造で連結してもよく、弾性カップリングを介して連結してもよい。なお、符号63は、ボールベアリング61の外輪であり、符号64は、転動体としてのボールである。
また、ボールベアリング21及び61を圧入によりロータシャフト20に固定する構成の他、ケース10の底部10Bに形成された筒形状凹部14にボールベアリング21を圧入等により固定し、ロータシャフト20の外周面とボールベアリング21の内輪22の内周面との間に隙間を形成した構成としてもよく、レゾルバホルダ52の後に詳述する筒形状凹部74にボールベアリング61を圧入等により固定し、ロータシャフト20の外周面とボールベアリング61の内輪62の内周面との間に隙間を形成した構成としてもよい。
ブラケット部50は、ケース10の外周面の出力側に配設され、ケース10を減速機100に取り付けるためのフランジ部51と、ケース10の出力側(開口側)に配設され、ケースの開口を覆い、レゾルバステータ72及びボールベアリング61を支持するレゾルバホルダ52を備えている。
フランジ部51は、その中央部に、ケース10の外径よりも若干大きな内径を有するケース挿入穴55が形成されたリング状を有しており、ケース挿入穴55には、ケース10が底部10B側から挿入される。このフランジ部51の互いに180度離れた位置(互いに対向する位置)には、ケース挿入穴55にケース10を挿入し、フランジ部51をケース10に配設した際に、ケース10に形成されている螺子穴19A及び19Bと重ねられてこれらと連通する螺子穴59A及び59Bが各々形成されている。これらの螺子穴59A及び59Bには、フランジ部51をケース10の固定部18A及び18Bに固定するための螺子91が挿入される。
なお、フランジ部51は、ケース10のフランジ17が、フランジ部51に当接するまで、ケース10をケース挿入穴55に挿入し、螺子穴19Aと螺子穴59Aとを連通させ且つ螺子穴19Bと螺子穴59Bとを連通させ、各々の螺子穴に螺子91を螺合させることによって、ケース10に取り付けられる。したがって、フランジ部51は、ケース10に重ねられた状態でケース10に取り付けられるため、この両者が重ねられた軸方向の長さ分、回転電機1の軸方向の長さを短くすることができる。この結果、回転電機1の小型化、軽量化を達成させることができ、車両等への搭載性を向上することができると共に、製造コストを低減させることができる。
また、ブラケット部50がフランジ部51とレゾルバホルダ52とに分離されており、フランジ部51は、回転電機1を減速機100に取り付けるための機能と、ケース10をケース挿入穴55に挿入した状態で、ケース10に着脱可能に固定される機能を有していればよいため、フランジ部51の形状を簡略化することができると共に、フランジ部51の軸方向長さを短く(厚さを薄く)することができる。したがって、フランジ部51を小型化、軽量化することができる。また、フランジ部51とレゾルバホルダ52とが分離されており、フランジ部51、ケース10及びレゾルバホルダ52は、螺子91により着脱可能に構成されているため、フランジ部51及びレゾルバホルダ52のいずれか一方の形状を変更すれば、車両のレイアウトに対応することができ、ブラケット部50全体の形状を変更する場合に比べ、変更コストを削減することができる。そしてまた、フランジ部51、ケース10及びレゾルバホルダ52は、2つの螺子91により共締めされているため、従来の回転電機に比べ、螺子の配設数を少なくすることができる。
また、フランジ部51の螺子穴59A及び59Bの近傍には、回転電機1を後に詳述する減速機100に取り付けるための取付部56A及び56Bが、フランジ部51の径方向外側に延出形成されており、取付部56A及び56Bには、回転電機1を減速機100に取り付けるための螺子101(図9参照)が貫通する螺子穴57A及び57Bが各々形成されている。さらにフランジ部51の側面には、パワーハーネス26を回転電機1の外部に引き出すための切欠き部54が形成されている。
レゾルバホルダ52は、ケース10の開口を覆う略円盤形状を有し、ケース10に配設された際に底部10B側となる面の中央部には、出力側に向けて凹状に形成され、ボールベアリング61が圧入される筒形状凹部74が形成されている。また、レゾルバホルダ52の筒形状凹部74と反対側には、底部10B側に向けて凹状に形成され、レゾルバステータ72が収容される配設凹部75が形成されている。また、レゾルバホルダ52の出力側の面から突出して配設凹部75を画定する円筒状の側壁77には、レゾルバステータ72に電気的に接続されたセンサハーネス80を外部に引き出すための引出口となる切欠き部76が形成されている。なお、符号81は、センサハーネス80を保護する保護チューブである。
なお、レゾルバステータ72は、圧入、カシメ、接着等により配設凹部75に固定される。このレゾルバステータ72の固定は、ケース10にレゾルバホルダ52を配設する前後のいずれでもよい。また、実施例1では、レゾルバホルダ52は、薄板を絞り加工して形成したが、例えば、図10に示すように、ダイカスト合金(ADC12)等を用いたアルミダイキャストにより形成してもよい。また、強度が確保できれば樹脂により形成してもよく、この場合は、さらなる軽量化を図ることができる。
また、レゾルバホルダ52の外周の出力側であって、互いに180度離れた位置(互いに対向する位置)には、レゾルバホルダ52の径方向外側に延出形成された延出部68A及び68Bが形成されている。これらの延出部68A及び68Bには、ケース10にレゾルバホルダ52を配設した際に、ケース10に形成されている螺子穴19A及び19Bと重ねられてこれらと連通する螺子穴69A及び69Bが各々形成されている。これらの螺子穴69A及び69Bは、周方向に長い長穴から形成されており、レゾルバホルダ52をケース10に固定するための螺子91が挿入される。また、レゾルバホルダ52の側面には、パワーハーネス26を回転電機1の外部に引き出すための切欠き部64が形成されている。
実施例1に係る回転電機1は、フランジ部51のケース挿入穴55にケース10を挿入し、フランジ部51と、ケース10の固定部18A(18B)と、レゾルバホルダ52の延出部68A(68B)とを重ね合わせ、ケース10のフランジ17をフランジ部51とレゾルバホルダ52により挟持した状態で、螺子穴59A(59B)、19A(19B)及び69A(69B)を連通させ、これらの連通された各々の螺子穴に螺子91を各々挿入して螺合させ、共締めすることにより組み立てられる。この時、螺子穴69A及び69Bが周方向に長い長穴から形成されているため、フランジ部51と、ケース10と、レゾルバホルダ52を螺子91により仮止めした後、レゾルバホルダ52を周方向に回転させることができる。したがって、レゾルバロータ71の周方向の位置調整を簡単に行うことができる。なお、レゾルバロータ71を回転させて発生した誘起電圧と、レゾルバステータ72からのセンサ信号との位置調整後、螺子91を規定のトルクで締め付けることで、回転電機1を構成する。
また、実施例1に係る回転電機1は、センサハーネス80をレゾルバホルダ52の側面から引き出すことができるため、回転電機1の軸芯を中心として、360度任意の方向(任意の径方向)にセンサハーネス80を引き出すことができるため、図8に示すように、センサハーネス80の取り回しを簡単に行え、図16に示す従来の回転電機200と比較して、センサハーネス80の全長を短くすることができる。なお、図16に示す従来の回転電機200は、ブラケット部210は、フランジ部とレゾルバホルダとが一体的に形成された構成を有している。
この構成を備えた回転電機1が取り付けられる減速機100は、図9に示すように、ステアリング出力軸111に取り付けられたウォームホイール112と、ウォームホイール112の外周歯車に噛み合うウォーム113を有している。ウォーム113は、ハウジング114に対して固定されている2つの軸受115及び116により支持されている。ウォーム113の一端は、回転電機1のロータシャフト20に対して同軸上にスプライン構造で結合されている。また、ハウジング114の回転電機取付部102には、フランジ部51の取付部56A及び56Bに各々形成された螺子穴57A及び57Bに挿入された螺子101が挿入される螺子穴103が形成されている。そして、回転電機1は、螺子穴57A(57B)及び螺子穴103に螺子101を螺合させることで、減速機100に固定される。この時、フランジ部51、ケース10及びレゾルバホルダ52を固定している螺子91が、減速機100とフランジ部51との間に位置することになるため、減速機100とフランジ部51によって螺子91が不意に抜け落ちることを防止することができる。したがって、螺子91の抜け止め機構を別途配設する必要がなく、部品点数をさらに削減し、軽量化、低コスト化を行うことができる。
なお、実施例1では、2つの螺子91によりフランジ部51と、ケース10と、レゾルバホルダ52とを共締めした場合について説明したが、これに限らず、回転電機1は、フランジ部51と、ケース10と、レゾルバホルダ52と着脱可能に取り付けることが可能であれば、他の取付手段により取り付けてもよく、また、取付手段の配設数、配設箇所は、所望により決定することができる。
また、フランジ部51は、回転電機1の制御ECUを着脱可能に取り付けたり、制御ECUと一体化してもよい。
次に、本発明の実施例2に係る電動パワーステアリング装置について図面を参照して説明する。なお、実施例2では、実施例1と同様の部材には、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図11は、本発明の実施例2に係る電動パワーステアリング装置の構成要素である回転電機の正面図(出力側)、図12は、図11に示すXII−XII線に沿った一部を断面にした断面図、図13は、本発明の実施例2に係る回転電機を減速機に取り付けた状態を示す一部断面図である。なお、前記各図では、説明を判り易くするため、各部材の厚さやサイズ、拡大・縮小率等は、実際のものとは一致させずに記載した。
図11〜図13に示すように、実施例2に係る電動パワーステアリング装置は、回転電機2を有しており、この回転電機2の実施例1に係る回転電機1との異なる主な点は、フランジ部51のケース挿入穴55を画定する内壁84と、ケース10のフランジ17の出力側端面85(ケース10の開口端面)と、レゾルバホルダ152の外周面86とによって画定される空間に、シール部材120を配設した点である。
実施例2に係るレゾルバホルダ152は、実施例1に係るレゾルバホルダ52に比べ、配設凹部75を画定する円筒状の側壁177の外周側に位置する端面が出力側に突出した構成となっている。即ち、側壁177の出力側の端面と、レゾルバホルダ152の側壁177の外周側に位置する端面との高低差が、実施例1に係るレゾルバホルダ52の側壁77の出力側の端面と、レゾルバホルダ52の側壁77の外周側に位置する端面との高低差よりも小さくなっている。この構成により、レゾルバホルダ152は、ケース10に取り付けられた際に、レゾルバホルダ52よりもケース10の出力側端面85から出力側に突出した状態で配設される。したがって、実施例2に係る回転電機2は、フランジ部51の内壁84と、ケース10の出力側端面85と、レゾルバホルダ152の外周面86とによって画定される空間が、実施例1に係る回転電機よりも深くなり(大きくなり)、この空間にシール部材120を確実に配設することができ、ケース10内は、シール部材120によって水密に保持される。このシール部材120は、回転電機2を減速機100に取り付けた際には、図13に示すように、減速機100のハウジング114の回転電機取付部102に密着されるようになっている。なお、シール部材120としては、例えば、Oリング等が挙げられる。
このように、1つのシール部材120によって、フランジ部51の内壁84とケース10の出力側端面85との間、出力側端面85とレゾルバホルダ152の外周面86との間をシールすることができ、ケース10内を確実に水密に保持することができるため、部品点数を削減することができると共に、組み立て工程及び構造を簡略化することができる。
次に、本発明の実施例3に係る電動パワーステアリング装置について図面を参照して説明する。なお、実施例3では、実施例1と同様の部材には、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図14は、本発明の実施例3に係る電動パワーステアリング装置の構成要素である回転電機の正面図(出力側)、図15は、図14に示すXV−XV線に沿った断面図である。なお、前記各図では、説明を判り易くするため、各部材の厚さやサイズ、拡大・縮小率等は、実際のものとは一致させずに記載した。
図14及び図15に示すように、実施例3に係る電動パワーステアリング装置は、回転電機3を有しており、この回転電機3の実施例1に係る回転電機1との異なる主な点は、ボールベアリング61の配設位置と、レゾルバロータ71及びレゾルバステータ72の配設位置である。
即ち、回転電機3では、レゾルバホルダ52に形成されている筒形状凹部74に、レゾルバロータ71及びレゾルバステータ72が収容されており、ロータシャフト20の出力側端部20Fのロータ15の直近(回転電機1においてボールベアリング61が配設されていた位置)に、レゾルバロータ71が圧入により嵌合されている。そして、このレゾルバロータ71の外周側には、筒形状凹部74の内壁に固定されたレゾルバステータ72がレゾルバロータ71の外周面に沿って所定の間隔をおいて位置している。また、回転電機3では、ロータシャフト20の出力側端部20Fのさらに出力側には、配設凹部75に収容されたボールベアリング61の内輪62が圧入により嵌合されている。なお、ボールベアリング61の外輪63は、配設凹部75の内壁に固定されている。
なお、実施例3では、筒形状凹部74に、レゾルバロータ71及びレゾルバステータ72が収容され、配設凹部75にボールベアリング61が配設されることから、筒形状凹部74の内径は、配設凹部75の内径よりも大きく形成されている。また、筒形状凹部74には、センサハーネス80を外部に引き出すための引出口となる切欠き部176が形成されている。
この回転電機3も回転電機1と同様に、従来の同出力の回転電機と比較して軸方向の全長を短くすることができ、小型化、軽量化が達成され、車両等への搭載性が向上すると共に、車両レイアウトに対する汎用性を向上することができる。
また、本発明に係る回転電機は、例えば、図17に示す構成を備えた減速機100に取り付けることもできる。図17に示す減速機100は、回転電機取付部102の回転電機1(図17では、回転電機1について記載してあるが、回転電機2及び3についても同様である)に臨む面に、螺子91を収納可能な凹部118が形成されている。したがって、回転電機1(2及び3)は、図17に示すように、この凹部118に、螺子91が収容された状態で減速機100に取り付けられる。なお、回転電機1(2及び3)を、図17に示す構成の減速機100に取り付けた場合、図9に示す構成の減速機100に取り付けた場合よりも回転電機1(2及び3)を減速機100側に移動させることができ、図9に示される減速機100と回転電機1(2及び3)との間に形成されていた隙間を無くすことができる。このため、減速機100に対し、回転電機1(2及び3)が軸方向に突出する長さを、さらに短くすることができる。
次に、本発明の実施例4に係る電動パワーステアリング装置について図面を参照して説明する。なお、実施例4では、実施例1と同様の部材には、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図18は、本発明の実施例4に係る電動パワーステアリング装置の一部を分解して示す側面図、図19は、図18に示す電動パワーステアリング装置を組み立てた状態を示す側面図、図20は、図19に示す電動パワーステアリング装置の正面図(出力側)、図21は、図19に示す電動パワーステアリング装置の背面図(ケース底面図)、図22は、図20に示すXXII−XXII線に沿った断面図である。なお、前記各図では、説明を判り易くするため、各部材の厚さやサイズ、拡大・縮小率等は、実際のものとは一致させずに記載した。
図18〜図22に示すように、実施例4に係る電動パワーステアリング装置と、実施例1に係る電動パワーステアリング装置との異なる主な点は、ブラケット部50のフランジ部51に、回転電機1の駆動を制御するECU150の筐体151を一体的に形成した点である。
即ち、実施例4に係る電動パワーステアリング装置のブラケット部250は、ケース10の外周面の出力側に配設され、ケース10を減速機100に取り付けるためのフランジ部251と、ケース10の出力側(開口側)に配設され、ケースの開口を覆い、レゾルバステータ72及びボールベアリング61を支持するレゾルバホルダ52と、フランジ部251に一体的に形成され且つ内部に回転電機1の駆動を制御する制御装置152を収容する筐体151とを有している。
フランジ部251は、フランジ部51と同様の略リング状を有するリング状部251Aと、リング状部251Aの直径を基準とした片側から連続的に突出し、筐体151と一体的に形成される筐体接続部251Bとを備えて構成されている。リング状部251Aは、その中央部にケース挿入穴55が形成されており、このケース挿入穴55には、ケース10が底部10B側から挿入される。フランジ部251の互いに対向する位置には、フランジ部51と同様の螺子穴59A及び59Bが各々形成されており、これら螺子穴59A及び59Bの近傍には、フランジ部51と同様の取付部56A及び56Bが形成されている。なお、取付部56A及び56Bは、リング状部251Aの互いに180度離れた位置(即ち、直径上)に配置されており、筐体接続部251Bは、取付部56Aと取付部56Bを結ぶ直径の片側(即ち、筐体151が配設される側)に突出されている。
なお、フランジ部251は、フランジ部51と同様に、ケース10のフランジ17がフランジ部251に当接するまで、ケース10をケース挿入穴55に挿入し、螺子穴19Aと螺子穴59Aとを連通させ且つ螺子穴19Bと螺子穴59Bとを連通させ、各々の螺子穴に螺子91を螺合させることによって、ケース10に取り付けられる。したがって、フランジ部251は、ケース10に重ねられた状態でケース10に取り付けられるため、この両者が重ねられた軸方向の長さ分、回転電機1の軸方向の長さを短くすることができる。この結果、電動パワーステアリング装置の小型化、軽量化を達成させることができ、車両等への搭載性を向上することができると共に、製造コストを低減させることができる。
また、フランジ部251と筐体151は、一体成形してもよく、また、フランジ部251と、筐体151とを別体として形成し、後に両者を溶接、あるいは接着する等して一体的に形成してもよい。なお、符号153及び154は、コネクタハウジングである。
また、ブラケット部250は、フランジ部251とレゾルバホルダ52とに分離されており、フランジ部251は、電動パワーステアリング装置を減速機100に取り付けるための機能と、ケース10をケース挿入穴55に挿入した状態で、ケース10に着脱可能に固定される機能を有しているため、電動パワーステアリング装置の形状を簡略化することができる。また、フランジ部251、ケース10及びレゾルバホルダ52は、螺子91により着脱可能に構成されているため、フランジ部251及びレゾルバホルダ52のいずれか一方の形状を変更すれば、車両のレイアウトに対応することができ、ブラケット部250全体の形状を変更する場合に比べ、変更コストを削減することができる。そしてまた、フランジ部251、ケース10及びレゾルバホルダ52は、2つの螺子91により共締めされているため、従来の回転電機に比べ、螺子の配設数を少なくすることができる。
レゾルバホルダ52は、実施例1と同様のものであるが、パワーハーネス26の代わりにバスパー端子226が配設されており、このバスパー端子226は、ECU150の端子台125にネジ230によって固定されることで電気的に接続され、端子台25と端子台125は、バスパー端子226によって電気的に接続される。また、センサハーネス80は、保護チューブ81によって保護され、コネクタ155を介してECU150に電気的に接続される。
実施例4に係る電動パワーステアリング装置は、フランジ部251のケース挿入穴55にケース10を挿入し、フランジ部251と、ケース10の固定部18A(18B)と、レゾルバホルダ52の延出部68A(68B)とを重ね合わせ、ケース10のフランジ17をフランジ部251とレゾルバホルダ52により挟持した状態で、螺子穴59A(59B)、19A(19B)及び69A(69B)を連通させ、これらの連通された各々の螺子穴に螺子91を各々挿入して螺合させ、共締めすることにより組み立てられる。したがって、回転電機1とECU150との接続を簡易な構造によって実現することができる。また、この時、螺子穴69A及び69Bが周方向に長い長穴から形成されているため、フランジ部251と、ケース10と、レゾルバホルダ52を螺子91により仮止めした後、レゾルバホルダ52を周方向に回転させることができる。したがって、レゾルバロータ71の周方向の位置調整を簡単に行うことができると共に、レゾルバロータ71を回転させて発生した誘起電圧と、レゾルバステータ72からのセンサ信号との位置調整後、螺子91を規定のトルクで締め付けることで、電動パワーステアリング装置を構成することができる。
また、実施例4に係る電動パワーステアリング装置は、図23に示すように、螺子穴57A(57B)及び螺子穴103に螺子101を螺合させることで、減速機100に固定される。この時、実施例1に係る電動パワーステアリング装置と同様に、フランジ部251、ケース10及びレゾルバホルダ52を固定している螺子91が、減速機100とフランジ部251との間に位置することになるため、減速機100とフランジ部251によって螺子91が不意に抜け落ちることを防止することができる。したがって、螺子91の抜け止め機構を別途配設する必要がなく、部品点数をさらに削減し、軽量化、低コスト化を行うことができる。
なお、実施例4では、センサハーネス80を介してセンサとECU150とを電気的に接続した場合について説明したが、これに限らず、センサとECU150は、溶接等によって電気的に接続してもよい。また、センサハーネス80は、ECU150の内部、あるいは回転電機1の内部で接続してもよく、センサハーネス80を外部に引き出して接続してもよい。
また、実施例4では、バスバー端子226と端子台125をネジ230によって電気的に接続した場合について説明したが、これに限らず、バスバー端子226と端子台125は、溶接等によって電気的に接続してもよい。
そしてまた、図24及び図25に示すように、フランジ部251の外周面(リング状部251Aの外周面)に、放熱用のリブからなるヒートシンク部260を形成してもよい。このように、フランジ部251の外周面にヒートシンク部260を形成することで、電動パワーステアリング装置の軸方向の長さを長くすることなく、放熱性を向上させることができる。
1、2、3…回転電機、 10…ケース、 11…ステータ、 12…コイル、 15…ロータ、 16…ステータコア、 18A、18B…固定部、 19A、19B、57A、57B、59A、59B、69A、69B…螺子穴、 20…ロータシャフト、 50…ブラケット部、 51、251…フランジ部、 52…レゾルバホルダ、 56A、56B…取付部、 71… レゾルバロータ、 72、172…レゾルバステータ、 80…センサハーネス、 91…螺子、 100…減速機、 120…シール部材、 150…ECU、 151…筐体、 226…バスバー端子

Claims (10)

  1. ロータ及びステータを収納する有底円筒形のケースと、前記ケースの開口側に配設され且つ前記ロータのシャフトの出力側端部を支持するブラケット部と、を有し、対象物に取り付け可能な回転電機を備えた電動パワーステアリング装置であって、
    前記ブラケット部は、
    前記ケースが該ケースの底部側から挿入されるケース挿入穴と、前記対象物に取り付けられる取付部と、を有し、前記ケース挿入穴に挿入されたケースに配設されるフランジ部と、
    レゾルバステータを支持し且つ前記シャフトの出力側端部を軸支する軸受を支持すると共に、前記ケースの開口側に配設され、当該ケースの開口を覆うレゾルバホルダと、
    を備え、
    前記ケースは、前記レゾルバホルダ及びフランジ部に挟持され、当該レゾルバホルダ及びフランジ部が着脱可能に固定される固定部を有してなる電動パワーステアリング装置。
  2. 前記回転電機の駆動を制御する電子制御ユニットをさらに備え、前記フランジ部と当該電子制御ユニットの筐体が一体的に形成されてなる請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記レゾルバホルダ、固定部及びフランジ部には、互いに連通可能な螺子穴が形成されてなり、当該レゾルバホルダ、固定部及びフランジ部は、互いに連通した螺子穴に挿入された螺子により共締めされてなる請求項1または請求項2記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記レゾルバホルダに形成された螺子穴は、周方向に長い長穴からなる請求項3記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記フランジ部の螺子穴は、前記取付部の近傍に形成され、前記連通した螺子穴に挿入された螺子は、前記対象物とフランジ部との間に位置する請求項3または請求項4記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記フランジ部のケース挿入穴を画定する内壁と、前記ケースの開口端面と、前記レゾルバホルダの外周面とによって画定される空間に、シール部材を配設し、当該シール部材によって当該ケース内を水密に保持する請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置。
  7. 前記レゾルバホルダの中央部には、前記レゾルバステータが収納されるレゾルバステータ収納部が形成されてなり、当該レゾルバステータ収納部は、前記レゾルバステータと電気的に接続されたセンサハーネスを外部に引き出す引出口を有してなる請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置。
  8. 前記ステータと、前記電子制御ユニットとは、バスバー端子またはハーネスを介して接続されてなる請求項2記載の電動パワーステアリング装置。
  9. 前記電子制御ユニットの筐体にヒートシンク部を設けてなる請求項2または請求項8記載の電動パワーステアリング装置。
  10. 前記ヒートシンク部は、前記フランジ部に配設されてなる請求項9記載の電動パワーステアリング装置。
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