JPWO2013069322A1 - 回転電機及び車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転電機の汎用性を向上する。【解決手段】フレーム13と、フレーム13の内周に設けられた固定子12と、シャフト10の外周に設けられ、固定子12の内周と空隙を介して対向する回転子11と、フレーム13に着脱可能に設けられ、回転電機1を他装置に取り付けるための取付フランジ14と、を備え、フレーム13のフランジ取付面1300に、取付フランジ14の丸穴141にはめ合うことが可能なインロー結合部1303を設ける。

Description

開示の実施形態は、回転電機及びこれを備えた車両に関する。
巻線切替回路等の回路を備えた回転電機において、例えば車両に搭載されるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−147253号公報
回転電機は、他の装置に対し取付フランジ等を介して取り付けられる。この取付フランジは、回転電機のフレームと鋳造により一体に形成されるのが一般的である。
しかしながら、回転電機はその使用用途によって取り付けられる装置が多岐に亘り、また同じ用途であっても相手側の装置の仕様や形状は多種多様である。このため、取付フランジの形状をその都度変更する必要があるが、フレームと一体形成されることから、鋳型を変更してフレームごと製造する必要がある。この場合、多額のコスト及び製作期間を要することとなり、汎用性が低いという問題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、汎用性を高めることができる回転電機及びこれを備えた車両を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、フレームと、前記フレームの内周に設けられた固定子と、前記固定子の内周と空隙を介して対向する回転子と、前記フレームに着脱可能に設けられ、回転電機を他装置に取り付けるための取付フランジと、を備える回転電機が適用される。
また、本発明の別の観点によれば、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の回転電機を備える車両が適用される。
本発明によれば、回転電機の汎用性を向上することができる。
一実施形態に係る回転電機の斜視図である。 一実施形態に係る回転電機の斜視図である。 一実施形態に係る回転電機の側断面図である。 一実施形態に係るフレームの斜視図である。 一実施形態に係るフレームの斜視図である。 一実施形態に係る回転電機の背面図である。 第2収容部内の電気部品の配置構成を説明するための図である。 一実施形態に係る流路の形状を説明するためのフレームを上面から見た図である。 一実施形態に係る流路の形状を説明するためのフレームを右側面から見た図である。 一実施形態に係る流路の形状を説明するためのフレームを底面から見た図である。 一実施形態に係る流路の形状を説明するためのフレームを左側面から見た図である。 第1流路部の形状を説明するためのフレームを上面から見た図である。 図9中X−X断面による縦断面図である。 図9中XI−XI断面による縦断面図である。 取付フランジを取り外した状態を示す回転電機の斜視図である。 回転電機を搭載した車両の概念図である。
以下、一実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、上下方向、前後方向、左右方向は、各図中に適宜示す矢印方向に対応している。これらの方向は説明の便宜上用いるものであるが、回転電機の設置態様により変わるものであり、構成を限定するものではない。
<回転電機の概略構成>
まず、本実施形態に係る回転電機1の概略構成について説明する。図1〜図3に示すように、回転電機1は、主として、シャフト10、回転子11、固定子12、フレーム13、取付フランジ14、反負荷側ブラケット15、レゾルバ16、第1収容部カバー17、第2収容部カバー18、巻線切替回路20、軸受30,31を備える。なお、回転電機1は、電動機もしくは発電機のいずれであってもよい。
回転子11は、例えば永久磁石で構成されており、シャフト10の外周に設けられる。固定子12の内周は、回転子11の外周と空隙を介して対向し、固定子12の外周は、フレーム13の内周面に固定される。フレーム13の内部には、水等の冷却液が流れる流路135が形成されており、固定子12は流路135により冷却可能となっている。
なお、特に図示はしないが、固定子12は3相交流の各相に対応した巻線を3本並列に巻回して構成する巻線を2組備えている。これらのうち一つの巻線のみに3相交流を供給した場合には、インピーダンスが低いため高周波領域でも十分な電流を流すことができ、回転電機1を高速で駆動するのに好適な状態となる。また、2組の巻線を直列に接続してその全体に3相交流を供給した場合には、インピーダンスが高いので低周波領域でも十分な電圧を印加することができ、同一電流に対して回転電機1に大きいトルクを発生させることができ、低速で駆動するのに好適な状態となる。
フレーム13は、鋳造手法により成形される鋳物で構成され、前方側(負荷側)に負荷側ブラケット130を一体に有すると共に後方側(反負荷側)は開放された、略有底円筒形状を有している。負荷側ブラケット130の内部には、軸受30が設けられる。フレーム13の後方側の開放部分には、当該フレーム13とは別体である反負荷側ブラケット15が設けられる。この反負荷側ブラケット15の内部には、軸受31とレゾルバ16が設けられる。また、フレーム13の負荷側ブラケット130の前方側には、取付フランジ14が着脱可能に設けられる。この取付フランジ14の詳細については後述する。
<フレームの左右対称構造>
次に、フレーム13の左右対称構造について説明する。図4及び図5に示すように、フレーム13には複数の開口が形成されている。具体的には、図4に示すように、フレーム13の左側面に、冷却液を外部から流入させるための流入口136、冷却液を外部へ流出させるための流出口137、動力ケーブル122(図1及び後述の図7参照)を外部へ引き出すためのケーブル口138、信号線や電源線からなる回路線204(図1及び図2参照)を外部へ引き出すための回路口139が形成されている。なお、図4では流入口136及び流出口137にそれぞれ配管32を接続した状態を示している。また、以下適宜、流入口136、流出口137、ケーブル口138及び回路口139を、「開口136〜139」と総称する。
一方、図5に示すように、フレーム13の右側面には、流入口136に相当する形状を有する部分136a、流出口137に相当する形状を有する部分137a、ケーブル口138に相当する形状を有する部分138a、回路口139に相当する部分139aが形成されている。上記部分136a,137aは、流入口136及び流出口137と略同形状の開口であり、共に閉塞部材33により閉塞されている。また、上記部分138a,139aは、ケーブル口138または回路口139を形成可能なようにフレーム13の表面から突出させた突出部として形成されている。
図6に示すように、上記開口136〜139と、これら開口に相当する形状を有する部分136a,137a,138a,139aとは、フレーム13を軸方向に切断する切断面Pに対して略対称形になるように形成されている。切断面Pは、フレーム13を上下方向に半分に切断する場合の切断面であり、図4に示すように回転子11(シャフト10)の回転軸Oも含まれる。すなわち、フレーム13は切断面Pに対して略対称となる形状(左右対称形状)に形成されている。
このようにフレーム13を左右対称形状とすることで、鋳型を変更せずに、上述した開口136〜139を、フレーム13の右側面あるいは左側面のいずれにも配置させることができる。例えばケーブル口138や回路口139については、フレーム13の鋳造時に、切断面Pに対して略対称形となるように左右両側に突出部を形成しておき、使用する側の側面の突出部に開口を形成することによって、ケーブル口138や回路口139の配置を自在に決定できる。また、流入口136及び流出口137については、同様にフレーム13の鋳造時に、切断面Pに対して略対称形となるように両側に開口を形成しておき、使用しない方の側面の開口を閉塞部材33で閉塞することによって、流入口136及び流出口137の配置を自在に決定できる。
なお、図4及び図5に示すように、フレーム13には、上記開口136〜139の他にも、排出口1361が左右の側面に1つずつ、下方の底面に2つ形成されている。これら4つの排出口1361は、流路135を形成する中子を排出するための開口であり、これらも同様に切断面Pに対して略対称形になるように形成されている。なお、全ての排出口1361は閉塞部材34により閉塞されている。
<フレームの収容部の構造>
次に、フレーム13の収容部の構造について説明する。図3及び図4に示すように、フレーム13の径方向側(上側)には、巻線切替回路20を収容する第1収容部(回路収容部)131が形成される。巻線切替回路20は、外部から供給された3相交流電力に対して前述した固定子12が備える2組の巻線をどのように接続して供給するかを制御する回路である。図1及び図2に示すように、第1収容部131は、フレーム13に対し着脱可能な第1収容部カバー17により覆われている。第1収容部カバー17は、縁部の複数箇所(この例では4カ所)をボルト35で締結することによりフレーム13に固定される。
また図3に示すように、フレーム13の反負荷側ブラケット15よりも後方側(反負荷側)には、第2収容部(巻線収容部)132が形成される。第2収容部132は、レゾルバ16や、巻線ケーブルの接続部121、動力ケーブル122、端子台123等の電気部品を収容する。図1及び図6に示すように、第2収容部132は、フレーム13に対し着脱可能な第2収容部カバー18により覆われている。第2収容部カバー18は、縁部の複数箇所(この例では4カ所)をボルト36で締結することによりフレーム13に固定される。
フレーム13は、このように第1収容部131及び第2収容部132を径方向側及び反負荷側の外周にそれぞれ有する形状で、鋳造により一体成形されている。図3及び図4に示すように、第1収容部131と第2収容部132とは、ブリッジ133によって形成される開口134により接続されている。ブリッジ133は、第1収容部カバー17及び第2収容部カバー18の装着面の一部を構成すると共に、フレーム13の後方の強度を保持する梁としての役割を果たしている。
図3に示すように、巻線切替回路20は、IGBT201やダイオード202、ブスバ203、基板204、基板204に搭載された複数の素子205等の回路部品(電気部品)を有している。なお、ダイオード202は前述した固定子12が備える2組の巻線に対応して2組で構成されており、これら2組のダイオード202が左右方向に並列して配置されている(後述の図8A参照)。上記回路部品のうち、発熱部品であるIGBT201、ダイオード202、ブスバ203等は、第1収容部131におけるフレーム13の外周面に取り付けられ、流路135により冷却される。ブスバ203は、ダイオード202と固定子12の巻線ケーブルの接続部121とを接続するものであり、開口134に設けられる。このブスバ203は、発熱する銅バー(図示省略)の周囲に絶縁部を有し、その絶縁部を介してフレーム13に密着するように取り付けられている。
図7に、第2収容部132内の電気部品の配置構成を示す。なお、この図7ではフレーム13(ブリッジ133を含む)の図示を省略している。図7に示すように、反負荷側ブラケット15は、フレーム13に対して着脱可能であり、外縁部の複数箇所(この例では7カ所)をボルト37で締結することによりフレーム13に固定される。反負荷側ブラケット15の中心位置には、内部に設けられたレゾルバ16をノイズより保護するための例えば磁性体などからなるシールド板38が設けられている。
端子台123は、ケーブル口138を通した動力ケーブル122と固定子12の巻線ケーブルの接続部124とをボルト及びナットの締結によって接続する。動力ケーブル122は、図示しない外部のインバータから供給された駆動用の3相交流電流が流れるケーブルであり、3相交流のU、V、Wの各相に対応している。端子台123は、左右両側と下側中央位置に3つの取付片部123aを有しており、左右対称な形状に形成されている。端子台123は、3つの取付片部123aのうちの2つをボルト39で締結することにより反負荷側ブラケット15に取り付けられる。
図7では、動力ケーブル122はフレーム13の左側面に形成したケーブル口138に通されており、端子台123は左側及び下側の取付片部123aをボルト39で締結することにより、前述した切断面Pに対して左寄りに設置されている。一方、例えばケーブル口138をフレーム13の右側面に形成した場合には、端子台123の右側及び下側の取付片部123aをボルト39で締結することにより、端子台123を切断面Pに対して右寄りに設置することが可能である。なお、この場合にボルト39が締結されるボルト穴を符号40で示す。このような構成により、反負荷側ブラケット15は、端子台123を切断面Pに対して略対称な2つの位置に固定可能な固定部材として機能する。
ブスバ203は、反負荷側ブラケット15の上方に配置される。図7に示す例では、ブスバ203に接続された6つの接続部121のうち、右側(図中左側)の3つはそれぞれ高速用ケーブルの接続部121aであり、左側(図中右側)の3つはそれぞれ低速用ケーブルの接続部121bである。各接続部121は、ボルト及びナットの締結によってブスバ203に接続される。反負荷側ブラケット15には、各巻線ケーブルを挿通するための開口151が複数箇所(この例では4カ所)形成されており、各開口151に対応する巻線ケーブルが挿通される。これらの開口151も切断面Pに対して略対称形状に形成されている。これにより、端子台123の左右の配置を変更させた場合でも、接続部124の巻線ケーブルを左右方向反対側の開口151に挿通することで、反負荷側ブラケット15を交換することなく対応することが可能である。
以上説明したような収容部の構成により、第1収容部131に収容された巻線切替回路20については、フレーム13の上方からのアクセスのみで取付け作業やメンテナンス作業等を行うことができる。また、第2収容部132に収容された端子台123等については、フレーム13の反負荷側からのアクセスのみで取付け作業や配線作業等を行うことができる。さらに、フレーム13への固定子12の固定やシャフト10の挿入等を含む回転電機1の組立作業については、反負荷側ブラケット15を取り外した状態において、フレーム13の反負荷側からのアクセスのみで行うことができる。
<フレームの流路の構造>
次に、フレーム13の流路135の構造について説明する。前述したように、流路135は図示しない中子を用いた鋳造によりフレーム13の内部に一体的に形成されている。流路135による冷却液の流れを図8A〜図8Dに太矢印で示す。
図8Aに示すように、流入口136から流入した冷却液は、まず流路135の第1流路部135aに流入する。第1流路部135aは、第1収容部131の下部に形成されており、流路の内周が固定子12に対向し、外周が第1収容部131に収容された巻線切替回路20に対向する。第1流路部135aは略U字形状に形成されており、第1収容部131内ではIGBT201と2組のダイオード202がU字形状の第1流路部135aに沿って配置される。
第1流路部135aを流れた冷却液は、連通部135c(図8B及び後述の図11参照)を介して第2流路部135bに流入する。図8B〜図8Dに示すように、第2流路部135bは、固定子12を円周方向に囲むように、フレーム13の周方向に沿ってジグザグ状に蛇行して形成されている。第2流路部135bの流路幅及び深さはほぼ一定であり、流路面積がほぼ一定となるように形成されている。また、その内周は固定子12に対向する。図8Dに示すように、第2流路部135bの最も下流側は流出口137に連通しており、第2流路部135bを流れた冷却液は流出口137から流出する。このようにして、冷却液は第1流路部135aを流れつつ巻線切替回路20及び固定子12を冷却し、第2流路部135bを流れつつ固定子12を冷却する。
流路135を構成する第1流路部135a及び第2流路部135bは、流路幅を比較的大きくしつつ、ターン数が比較的小さくなるように形成されている。本実施形態では、図8A〜図8Dに示すように、フレーム13を上方向、右方向、下方向、左方向の各方向から見た場合に、流路135のターン数が各方向において1回となるように形成されている。これにより、流路抵抗を減少し、冷却効率を良好に保持することができる。
流路135の形成には、例えば所定の接合剤を用いて砂を接合して形成された自己崩壊性の中子(図示せず)が用いられる。この中子は、フレーム13の鋳造の際に鋳型に設置され、溶融金属の圧入により高温になると自己崩壊する。中子の支持部分が流入口136、流出口137、これらに相当する形状を有する部分136a,137a、及び複数の排出口1361として流路135に沿って形成され、崩壊して砂状となった中子はそれらの開口から排出される。
なお、上述した冷却液の流れを形成するために、図8Dに示すように、流入口136及び流出口137が形成されたフレーム13の左側面においては、第1流路部135aと第2流路部135bとの間に連通部135cを形成せずに非連通とする必要がある。すなわち、流入口136及び流出口137をフレーム13の左右いずれの側面に形成するかによって連通部135cの左右の配置が決定される。したがって、本実施形態では、流入口136及び流出口137の配置に応じた2種類の中子を用意しておき、その配置に応じて中子を変更することで、鋳型を変更することなく、決定された配置に最適な流路135を形成することができる。
次に、第1流路部135aの形状の詳細について図9〜図11を用いて説明する。図10及び図11に示すように、第1流路部135aは、外周1351(外側)が巻線切替回路20に対向する平面状となるように形成されると共に、内周1352(内側)が円筒状に形成されており、内周1352の少なくとも一部は固定子12に対向する。平面状の外周1351と円筒状の内周1352とは、前述の切断面Pに近づくほど近接し、切断面Pの近傍において最も近接する。したがって、第1流路部135aは、切断面Pの近傍において最も浅く、フレーム13の左右端部に近づくほど流路の深さが増す形状となっている。なお、第1流路部135aの内周1352は必ずしも円筒状である必要はなく、例えば切断面Pから左右両側に向けて緩やかに下方に傾斜させた平面状としてもよい。
また図9に示すように、第1流路部135aは、外周1351と内周1352とが最も近接する近接部位である切断面Pの近傍で折れ曲がった略U字形状に形成されている。そして、第1流路部135aの流路幅W(上方から見た流路幅)は、切断面Pに近づくにつれて大きくなり、切断面Pの近傍の折れ曲がり部分で最大のWmax(>W)となるように形成されている。これは、第1流路部135aは、その構造上、切断面Pの近傍では深さ方向において流路が絞られることから、切断面Pに近づくほど流路幅Wを大きくし、切断面P近傍において最大とすることで、第1流路部135aの流路面積をほぼ一定にすることが可能となり、流路抵抗の増大を抑制できるからである。
連通部135cは、フレーム13の後方において第1流路部135aと第2流路部135bを連通する。図11に示すように、連通部135cは、その内周1353が固定子12の外周と略同心円となる円筒状に形成されており、フレーム13の右端部に近づくほど底部が傾斜し、流路の深さが増す。その結果、第1流路部135aから第2流路部135bへの流れを円滑にすることが可能となり、冷却効率を向上できる効果がある。
<取付フランジの構造>
次に、取付フランジ14の構造について説明する。取付フランジ14は、回転電機1を図示しない他装置に取り付けるための部材である。図12に示すように、取付フランジ14は、フレーム13に対し着脱可能に構成される。取付フランジ14は、中央位置に丸穴141が形成された略円環形状であると共に、図3にも示すように、前方(他装置側)に向けて拡開する略ラッパ状の形状を有する。取付フランジ14の内周部の複数箇所(この例では8カ所)には挿通孔142が設けられており、これらに挿通させたボルト41をそれぞれフレーム13のボルト穴1301に締結することにより、取付フランジ14はフレーム13に固定される。なお、図12では煩雑防止のため2本のボルト41のみ図示している。
前述した負荷側ブラケット130の外側の表面は、取付フランジ14が取り付けられるフランジ取付面1300を構成する。このフランジ取付面1300は、フレーム13の前方側端部に設けられた円柱状の突出面であり、取付フランジ14を固定するための上記ボルト穴1301を、半径方向外側に円状に膨らんだ膨出部1302に有する。また、フランジ取付面1300には、取付フランジ14の丸穴141にはめ合うことが可能なインロー結合部1303が形成されている。このインロー結合部1303は、シャフト10の回転軸Oを中心とする円状の突出部であり、図2及び図3に示すように、丸穴141にはめ合うことで取付フランジ14にインロー結合する。これにより、取付フランジ14がフレーム13に対しシャフト10と同芯となるように容易に位置決めできる。
また、フランジ取付面1300と取付フランジ14の対応する位置には、位置決めピン43を挿入可能なピン用穴1304,143がそれぞれ設けられている。位置決めピン43は、取付フランジ14の回転方向の位置決めを行う。なお、図12に示す例では1本の位置決めピン43のみを使用しているが、ピン用穴1304,143を複数箇所に設けて複数の位置決めピン43で位置決めしてもよい。
また、取付フランジ14の外周部の複数箇所(この例では8カ所)には取付孔144(取付部)が設けられている。これらの取付孔144には、取付フランジ14を他装置に取り付けるための取付ボルト(図示省略)が後方から前方に向けて挿通され、他装置のボルト穴に締結される。これにより、回転電機1が他装置に固定される。なお、図6に示すように、これらの取付孔144の少なくとも一部(この例では上方の2カ所の取付孔144を除く6カ所の取付孔144)は、フレーム13の後方側(反負荷側)から見て当該フレーム13の外側に配置される。これにより、回転電機1を他装置に取り付ける作業(ボルト締め作業等)をフレーム越しに容易に行うことができるので、取り付けの作業性を向上できる。
なお、図12等に示すように、フレーム13の前方側上部には、凹部1305が形成されている。この凹部1305により、取付フランジ14の上方の2カ所の取付孔144に対するボルト締め作業等の作業スペースを確保できる。
<実施形態の効果>
以上のように、本実施形態に係る回転電機1によれば、当該回転電機1を他の装置に取り付けるための取付フランジ14がフレーム13に着脱可能である。これにより、取付フランジ14を取付先である他装置の形状に応じて変更することで、回転電機1を多種多様な装置に取り付けることができる。したがって、回転電機1(フレーム13)を共通化することができ、汎用性を高めることができる。また、フレーム13用の鋳型を変更することなく、取付フランジ14用の鋳型のみを変更すればよいので、鋳型製作を簡略化でき、コストの低減や製作期間の短縮を図ることができる。
また、本実施形態では特に、取付フランジ14をフレーム13に装着する際に、フランジ取付面1300に形成されたインロー結合部1303と取付フランジ14の丸穴141とをインロー結合させる。これにより、取付フランジ14をフレーム13に対しシャフト10と同芯となるように容易に位置決めできる。したがって、取付フランジ14の位置決め作業が不要となり、作業性を向上できる。また、例えばインロー結合を用いずに取付フランジ14を複数のピンによって位置決めしてフレーム13に装着する場合に比べて、インロー結合とした場合には取付フランジ14とフレーム13との接触面が図3に示すように断面L字状となるので、接触面積を増大できる。その結果、回転電機1の自重等により取付フランジ14とフレーム13との接合部に作用する面圧を低減でき、強度信頼性を向上できる。
また、本実施形態では特に、次のような効果を得る。すなわち、取付フランジ14の丸穴141にフレーム13のインロー結合部1303をはめ合わせる場合、回転方向については別途位置決めする必要がある。そこで本実施形態では、フランジ取付面1300及び取付フランジ14の対応する位置に設けられたピン用穴1304,143に位置決めピン43を挿入することにより、取付フランジ14の回転方向の位置決めを行うことができる。
また、本実施形態では特に、フランジ取付面1300が半径方向外側に膨らんだ膨出部1302を有することにより、取付面の面積を増大できる。これにより、フランジ取付面1300に作用する面圧を低くすることができ、強度信頼性をさらに向上できる。また、フランジ取付面1300が膨出部1302にボルト穴1301を有することで、当該ボルト穴1301とフレーム外周面との厚みを確保できるので、取付フランジ14とフレーム13との接合強度を確保できる。
また、本実施形態では特に、取付フランジ14を他装置に向けて拡開する略ラッパ形状とするので、他装置との接合面積を大きくとることができ、回転電機1の取り付け安定性を向上できる。
また、本実施形態では特に、フレーム13に形成された流路135によって、固定子12と巻線切替回路20の両方を冷却している。このため、巻線切替回路20用と固定子12用それぞれ別々に流路を設けたものと比べて、流路同士を接続するためのパイプやホース等を削減することができ、構造を簡易にすることができる。また、流路135を短くすることもできるので、流路135内の圧力損失を低減することができる。さらに、フレーム13に第1収容部131を形成してそこに巻線切替回路20を収容しているため、巻線切替回路20用のフレームとフレーム13とが別体である場合と比べて、構造を簡易にすることができる。また、巻線切替回路20と固定子12との間に流路135が配置されるので、巻線切替回路20に対し、固定子12からの熱の影響を抑えることができる。
また、本実施形態では特に、ブスバ203は、ダイオード202と固定子12の巻線ケーブルの接続部121とを接続するものである。このようなブスバ203を用いることで、端子台等を削減することができる。また、ブスバ203の絶縁部を介してブスバ203をフレーム13に密着させることができるので、ブスバ203の冷却が容易となる。
また、本実施形態では特に、第1収容部131が回転電機1の上面に配置され、第2収容部132が回転電機1の反負荷側(反取り付け側)に配置される。そして、第1収容部カバー17及び第2収容部カバー18がそれぞれ着脱可能に設けられる。このため、巻線切替回路20、接続部121や動力ケーブル122の配線や保守作業が容易になる。また、第2収容部カバー18から回転電機1の内部へのアクセスも可能となる。
また、本実施形態では特に、フレーム13は、略対称形になるように形成されている。これにより、流入口136、流出口137、ケーブル口138、回路口139を回転電機1の左側面に配置するか、右側面に配置するか、自在に決定することができ、フレーム13を共通化することができる。
<変形例等>
以上、一実施形態について説明した。ただし、いわゆる当業者であれば、本実施形態の趣旨を逸脱しない範囲内で、上記実施形態から適宜変更が可能であり、また、上記実施形態と変形例による手法を適宜組み合わせて利用することも可能である。すなわち、このような変更等が施された技術であっても、本実施形態の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。
例えば、上述では、第1収容部131に巻線切替回路20が収容されるとしたが、インバータ等の他の回路が収容されてもよい。
また例えば、上述では、冷却液が第1流路部135aから第2流路部135bに流れるようにしたが、反対に第2流路部135bから第1流路部135aに流れるようにしてもよい。この場合、流出口137から冷却液を流入させ、流入口136から流出させればよい。
また、上述では回転電機1の用途については特に記載しなかったが、例えば図13に示すように、車両Cの駆動源又は発電源等として用いてもよい。車両Cは、例えば電気自動車やハイブリッド自動車等である。従来、このような車両向けの回転電機は、搭載される車両に応じて要求される仕様が異なることから、その都度フレームを製造していた。しかし、上述の実施形態によれば、車両の仕様に応じてケーブル等を通すための開口をフレーム13の左右いずれにも配置することが可能であり、且つ、取付フランジ14を車両の仕様に応じて交換するだけでフレーム13を変更することなく回転電機1を車両に取り付けることができる。すなわち、車両用の回転電機1を共通化し、汎用品とすることが可能となる。なお、回転電機1が使用される車両は、建設機械等でもよい。また、車両以外にも、例えば船舶、航空機等にも適用することが可能である。
1 回転電機
10 シャフト
11 回転子
12 固定子
13 フレーム(回転電機用フレーム)
14 取付フランジ
15 反負荷側ブラケット(固定部材)
16 レゾルバ(電気部品)
17 第1収容部カバー(カバー)
18 第2収容部カバー(カバー)
20 巻線切替回路
30 軸受
31 軸受
43 位置決めピン
121 接続部(電気部品)
122 動力ケーブル(電気部品)
123 端子台(電気部品)
130 負荷側ブラケット
131 第1収容部(回路収容部)
132 第2収容部(巻線収容部)
134 開口
135 流路
135a 第1流路部
135b 第2流路部
136 流入口(開口)
136a 流入口に相当する形状を有する部分(開口に相当する形状を有する部分)
137 流出口(開口)
137a 流出口に相当する形状を有する部分(開口に相当する形状を有する部分)
138 ケーブル口(開口)
138a ケーブル口に相当する形状を有する部分(開口に相当する形状を有する部分)
139 回路口(開口)
139a 回路口に相当する形状を有する部分(開口に相当する形状を有する部分)
141 丸穴
143 ピン用穴
144 取付孔(取付部)
201 IGBT(回路部品、電気部品)
202 ダイオード(回路部品、電気部品)
203 ブスバ(回路部品、電気部品)
204 基板(回路部品、電気部品)
205 素子(回路部品、電気部品)
1300 フランジ取付面
1301 ボルト穴
1302 膨出部
1303 インロー結合部
1304 ピン用穴
1351 外周(外側)
1352 内周(内側)
C 車両
O 回転軸
P 切断面

Claims (7)

  1. フレームと、
    前記フレームの内周に設けられた固定子と、
    前記固定子の内周と空隙を介して対向する回転子と、
    前記フレームに着脱可能に設けられ、回転電機を他装置に取り付けるための取付フランジと、を備える
    ことを特徴とする回転電機。
  2. 前記フレームは、
    前記取付フランジが取り付けられるフランジ取付面を有し、
    前記フランジ取付面には、
    前記取付フランジにインロー結合するインロー結合部が形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記取付フランジは、
    中心位置に丸穴が形成された略円環形状を有し、
    前記インロー結合部は、
    前記取付フランジの前記丸穴にはめ合うことが可能な、シャフトの回転軸を中心とする円状の突出部である
    ことを特徴とする請求項2記載の回転電機。
  4. 前記フランジ取付面及び前記取付フランジの対応する位置に、
    位置決めピンを挿入可能なピン用穴が少なくとも1箇所に設けられている
    ことを特徴とする請求項2又は3記載の回転電機。
  5. 前記フランジ取付面は、
    前記フレームの負荷側端部に設けられた円柱状の突出面であり、前記取付フランジを前記フレームに固定するためのボルト穴を、半径方向外側に膨らんだ膨出部に有している
    ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の回転電機。
  6. 前記取付フランジは、
    前記他装置に向けて拡開する略ラッパ状の形状を有し、
    当該取付フランジを前記他装置に取り付けるための取付部が、前記フレーム側から見て当該フレームの外側に配置されるように形成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の回転電機。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の回転電機を備える
    ことを特徴とする車両。
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